(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027645
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】筆記具用収容箱
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20240222BHJP
B65D 75/56 20060101ALI20240222BHJP
B43K 23/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B65D77/04 C
B65D75/56
B43K23/00 100Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130601
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301068158
【氏名又は名称】日包興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 周平
(72)【発明者】
【氏名】米山 樹一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】由上 芳一
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA14
3E067AB79
3E067AC05
3E067BA06C
3E067BA10B
3E067BB01B
3E067BB01C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC06C
3E067DA03
3E067EB27
3E067EE15
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】組立容易かつ収容品の脱落を抑制できる筆記具用収容箱を提供する。
【解決手段】筆記具用収容箱10は、収容品が収容された状態で陳列される筆記具用収容箱10であって、箱型に形成され、陳列姿勢において正面側に配置される面の上端部に幅方向に沿って形成された溝(凹部44A)と、収容品を収容可能な凹部と、を備えた内箱40と、上面視で内箱40を挿通可能な矩形状に形成され、上端に形成された開口部(挿入口20C)と、開口部の開口端のうち、陳列姿勢において正面側に配置される正面部22Aの上端である開口端に連結された蓋24と、を備えた外箱20と、を有し、蓋24は、内箱40が開口部から挿入された際に内箱40によって開口部の内側へ折り曲げられて正面部22A側へ弾性変形して内箱40の挿入を許容し、内箱40が所定位置まで挿入された際に復元して端部が溝へ嵌入して、内箱40と外箱20とを固定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容品が収容された状態で陳列される筆記具用収容箱であって、
箱型に形成され、陳列姿勢において正面側に配置される面の上端部に幅方向に沿って形成された溝と、前記収容品を収容可能な凹部と、を備えた内箱と、
上面視で前記内箱を挿通可能な矩形状に形成され、上端に形成された開口部と、前記開口部の開口端のうち、陳列姿勢において正面側に配置される正面部の上端である開口端に連結された蓋と、を備えた外箱と、
を有し、
前記蓋は、前記内箱が前記開口部から挿入された際に前記内箱によって前記開口部の内側へ折り曲げられて前記正面部側へ弾性変形して前記内箱の挿入を許容し、前記内箱が所定位置まで挿入された際に復元して端部が前記溝へ嵌入して、前記内箱と前記外箱とを固定する、
筆記具用収容箱。
【請求項2】
陳列姿勢において、前記蓋を前記外箱の奥行き方向に沿って配置した際の前記奥行き方向の寸法は、前記開口部の奥行き方向の寸法より小さい、請求項1に記載の筆記具用収容箱。
【請求項3】
前記外箱は紙製であり、前記内箱は合成樹脂製であり陳列用のフックを通すための吊下げ孔が形成されている、請求項1又は2に記載の筆記具用収容箱。
【請求項4】
前記外箱の下端には開封口が形成されている、請求項1又は2に記載の筆記具用収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具等を収容する筆記具用収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の筆記具を収容する筆記具収容箱には、特許文献1に開示された包装箱のように、紙製の一部品で構成されたものがある。この包装箱には、例えば鉛筆等の製品が収容されるが、様々な形状の製品を収容することが難しい。
【0003】
一方、筆記具等を取り付けた内箱を、スライド操作によって外箱に収容する包装材が特許文献2及び3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-308172号
【特許文献2】実用新案登録第3004173号
【特許文献3】実開昭62-177666号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装材の内側を封止するための蓋を備える特許文献2及び3の包装容器及び包装箱では、蓋を閉める作業が必要である。このため、蓋がない構成と比較して、蓋を閉める作業が増えるため組立作業の負担が増える。
【0006】
また、特許文献2には、包装品の箱を止めるテープの外れに伴い収容品が脱落する虞があるという課題を解決するために、内箱に突起を設けて外箱の筒孔に差し入れる仕様が記載されている。しかし、このような仕様では、包装材の外観の審美性に影響が出る。
【0007】
本開示は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、組立容易かつ収容品の脱落を抑制できる筆記具用収容箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様の筆記具用収容箱は、収容品が収容された状態で陳列される筆記具用収容箱であって、箱型に形成され、陳列姿勢において正面側に配置される面の上端部に幅方向に沿って形成された溝と、前記収容品を収容可能な凹部と、を備えた内箱と、上面視で前記内箱を挿通可能な矩形状に形成され、上端に形成された開口部と、前記開口部の開口端のうち、陳列姿勢において正面側に配置される正面部の上端である開口端に連結された蓋と、を備えた外箱と、を有し、前記蓋は、前記内箱が前記開口部から挿入された際に前記内箱によって前記開口部の内側へ折り曲げられて前記正面部側へ弾性変形して前記内箱の挿入を許容し、前記内箱が所定位置まで挿入された際に復元して、端部が前記溝へ嵌入して、前記内箱と前記外箱とを固定する。
【0009】
第一態様の筆記具用収容箱では、内箱を外箱の開口部から挿入する。この際、外箱の蓋は、内箱によって開口部の内側へ折り曲げられて正面部側へ弾性変形し、内箱の挿入を許容する。これにより、容易に内箱を挿入できる。
【0010】
また、内箱が所定位置まで挿入された際に、蓋は復元して、端部が溝へ嵌入する。これにより、筆記具用収容箱が組み立てられる。また、蓋が溝に嵌入することで外箱と内箱とが固定されるため、内箱を外箱から取り外し難く、内箱に収容された収容品が外箱によって被覆された状態を保持できる。
【0011】
このように、本態様の筆記具用収容箱は、組立が容易であり、収容品の脱落を抑制できる。
【0012】
第二態様の筆記具用収容箱は、第一態様に記載の筆記具用収容箱において、陳列姿勢において、前記蓋を前記外箱の奥行き方向に沿って配置した際の前記奥行き方向の寸法は、前記開口部の奥行き方向の寸法より小さい。
【0013】
第二態様の筆記具用収容箱では、蓋の奥行き方向の寸法が、開口部の奥行き方向の寸法より小さい。このため、開口部から内箱を挿入する際に、内箱によって蓋を開口部の内側へ折り曲げ易い。このため、蓋を挿入し易い。また、外箱を組立てる際にも、挿入口の周囲の部分と蓋とが干渉し難く、組立て易い。
【0014】
第三態様の筆記具用収容箱は、第一態様又は第二態様に記載の筆記具用収容箱において、前記外箱は紙製であり、前記内箱は合成樹脂製であり陳列用のフックを通すための吊下げ孔が形成されている。
【0015】
第三態様の筆記具用収容箱では、外箱は紙製であり内箱が合成樹脂製である。つまり、紙と比較して高強度の合成樹脂製の内箱に、吊下げ孔が形成されている。これにより、外箱に吊下げ孔を形成する場合と比較して、吊下げ時に破損し難い。
【0016】
第四態様の筆記具用収容箱は、第一態様又は第二態様に記載の筆記具用収容箱において、前記外箱の下端には開封口が形成されている。
【0017】
第四態様の筆記具用収容箱では、外箱の下端、つまり、内箱と外箱との組付け時における内箱挿入方向の先端側に開封口が形成されている。このため、内箱は、蓋が溝に入り込んだ挿入口からではなく、開封口から取り出すことができる。このため、容易に内箱を取り出せる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の筆記具用収容箱は、組立容易であり、かつ、収容品の脱落を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(A)は本開示に係る筆記具用収容箱に、収容品としての筆記具と付随部品とを収容した状態を示す正面図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。
【
図2】本開示に係る筆記具用収容箱における外箱の展開図である。
【
図3】本開示に係る筆記具用収容箱の部分拡大断面図である。
【
図4】本開示に係る筆記具用収容箱の内箱に収容品を収容した状態を示す正面図である。
【
図5】(A)は本開示に係る筆記具用収容箱の内箱を示す正面図であり、(B)は(A)のB-B線矢視図であり、(C)は(A)のC-C線断面図である。
【
図6】本開示に係る筆記具用収容箱において、外箱から収容品を収容した内箱を取り出している状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る筆記具用収容箱について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0021】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する、異なる構成と入れ替える、一実施形態及び各種の変形例を組み合わせて用いる等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0022】
<筆記具用収容箱>
図1には、本開示の実施形態に係る筆記具用収容箱10(以下、「収容箱10」と称す)の一例が示されている。収容箱10は、外箱20及び内箱40を含んで構成されている。
図1(A)に示すように、外箱20には、収容品S1及びS2を収容した状態の内箱40を収納できる。
【0023】
収容品S1及びS2の内容は特に限定されるものではないが、本例においては、収容品S1は筆記具としてのシャープペンシルであり、収容品S2は、筆記具に対応するリフィルとしての替芯ケースである。他の例として、筆記具はボールペンや万年筆等としてもよく、リフィルもボールペンや万年筆に対応する替え芯等とすることができる。
【0024】
以下に、外箱20及び内箱40の構成を詳述する。
【0025】
<外箱>
外箱20は、一例として、カード紙を用いて直方体の箱状に形成されている。カード紙としては、例えば厚みが0.4mm、重量が310g/m2程度のものが用いられている。
【0026】
図示は省略するが、外箱20の外周面には、商品名や図形などを印刷してもよい。また、外箱20には、収容品S1、S2を外箱20の外側から視認するための開口部である確認窓20Aが複数形成されている。
【0027】
それぞれの確認窓20Aの大きさは、収容品S1、S2の大きさより小さく形成されている。具体的には、互いに隣り合う確認窓20A同士の間には、壁部20Bが形成されている。この壁部20Bによって、確認窓20Aが、収容品S1、S2より小さい大きさに分割されている。これにより、確認窓20Aを介して収容品S1、S2を、外箱20の内側から取り外すことが抑制されている。
【0028】
図2には、外箱20の展開図が示されている。外箱20において、確認窓20Aが形成され、収容箱10の陳列姿勢において正面に配置される部分を正面部22Aと称する。
【0029】
また、正面部22Aに連結され、収容箱10の陳列姿勢において側面に配置される部分をそれぞれ側面部22Bと称する。
【0030】
さらに、一方の側面部22Bに連結され、収容箱10の陳列姿勢において背面に配置される部分を背面部22Cと称する。
【0031】
またさらに、他方の側面部22Bに連結され、背面部22Cと重なり合った状態で背面部22Cと接着固定される部分を固定部22Dと称する。
【0032】
(外箱の開口部)
この図に示される展開状態から、各部分の境界部を折り曲げて固定部22Dと背面部22Cとを接着固定することにより、外箱20は、上面視で内箱40を挿通可能な矩形状の筒状に組み立てられる。そして、筒状の外箱20の上端部には挿入口20Cが形成され、下端部には開封口20Dが形成される。
【0033】
(挿入口)
このうち、挿入口20Cは、内箱40を上方(収容箱10の陳列姿勢における上方)から挿入するための開口部である。挿入口20Cは、
図3に示すように、外箱20に内箱40を収納した状態で、外箱20の蓋24及び内箱40の凸部42Aによって封止される。
【0034】
蓋24は、
図2に示すように、正面部22Aの上端に連結されている。上述したように、正面部22Aは、外箱20において、収容箱10の陳列姿勢における正面側に配置される部分であり、この正面部22Aの上端は、挿入口20Cの開口端を形成する。
【0035】
蓋24の幅D1は、側面部22Bの幅D2より小さい。蓋24の幅D1は、外箱20を筒状に組み立てた状態において、蓋24を外箱20の奥行き方向に沿って配置した際の奥行き方向の寸法である。一方、側面部22Bの幅D2は、外箱20を筒状に組み立てた状態において、挿入口20Cの奥行き方向の寸法である。
【0036】
また、蓋24の先端の幅W1は、正面部22Aの幅W2より小さい。なお、蓋24の先端には曲線の面取りRが形成されている。「蓋24の先端の幅W1」とは、この面取りRが形成された部分を含む幅である。
【0037】
以上の構成により、蓋24は、大きさが挿入口20Cの面積より小さく形成されている。このため、挿入口20Cは、蓋24だけでなく、内箱40の凸部42Aを用いて封止される。挿入口20Cの封止状態については、詳細を後述する。
【0038】
(開封口)
一方、開封口20Dは、外箱20の下端、すなわち内箱40の挿入方向の先端側に設けられた開口部である。開封口20Dは、
図1(B)に示すように、外箱20に内箱40を収納した状態で、外箱20の封止蓋26によって封止される。
【0039】
封止蓋26は、
図2に示すように、底面部26A、折り込み部26B及び26Cを含んで構成されている。底面部26Aは、外箱20において正面部22Aを形成する部分の下端部に連結され、幅D3(底面部26Aを外箱20の奥行き方向に沿って配置した際の奥行き方向の寸法)が、側面部22Bの幅D2と略同一である。
【0040】
折り込み部26Bは、底面部26Aに連結された部分であり、
図1(B)に示されるように、外箱20の内側へ挿入された状態で、背面部22Cと接して保持される。
【0041】
2つの折り込み部26Cは、それぞれ、外箱20における2つの側面部22Bの下端部にそれぞれ連結された部分であり、外箱20の内側へ挿入された状態で、底面部26Aと接して保持される。
【0042】
<内箱>
図4には、収容品S1及びS2を収容した状態の内箱40が示されている。内箱40は、合成樹脂の一例としての再生PET(Polyethylene terephthalate)を用いて形成されたブリスター容器である。再生PETとしては、例えば厚みが0.4mm程度のものが用いられている。この再生PETを用いて形成された内箱40は、上述したカード紙を用いて形成された外箱20より引裂強度が高い。
【0043】
図5(A)~(B)に示すように、内箱40は、収容箱10の陳列姿勢における正面側、上下面側及び両側面側に、上述した再生PETによって面が形成されている。一方、背面側は開放されている。このように、内箱40は、5面が閉塞され、1面が開放した略直方体の箱型とされている。
【0044】
内箱40の正面側に配置される外周面には、凹凸が形成されている。凹凸において、周囲の面から正面側へ向かって突出している部分を凸部42(凸部42A、42B及び42Cの総称)、周囲の面から背面側へ陥没している部分を凹部44(凹部44A、44B及び44Cの総称)と称す。
【0045】
凸部42Aは、内箱40を、収容箱10の陳列姿勢において正面視した状態で、内箱40の上端部において内箱40の幅方向に沿って、かつ、両端部間に亘って形成された突起である。また、凸部42Aの下方には、内箱40の幅方向に沿って、かつ、両端部間に亘って形成された別の突起である凸部42Bが形成されている。
【0046】
凸部42Aと凸部42Bとの間には、これらの突起から内箱40の背面側へ陥没する凹部44Aが形成されている。換言すると、凹部44Aは、内箱40の正面側に配置される面の上端部に、内箱40の幅方向に沿って形成された溝である。凹部44Aからみて、凸部42Aの突出高さは、凸部42Bの突出高さより小さい。
【0047】
この凹部44Aも、凸部42A及び42Bと同様に、内箱40の両端部間に亘って形成されている。凹部44Aの幅W3は、外箱20における蓋24の先端の幅W1(
図2参照)より大きい。
【0048】
凹部44Bは、収容品S1(
図4参照)を収容可能な凹部であり、外形が収容品S1の外形に沿うように形成されている。一方、凸部42Cに取り囲まれた凹部44Cは、収容品S2(
図4参照)を収容可能な凹部であり、外形が収容品S2の外形に沿うように形成されている。本開示の内箱40において、凹部の形状は自由であり、この凹部の形状を調整すれば、様々な形状の収容物を収容できる。
【0049】
内箱40において、凸部42Aの上端面46は、内箱40の上端面を形成している。上端面46の上方には、吊下げ孔48Aを備えた引掛け部48が形成されている。この引掛け部48は、
図3に示すように、外箱20に内箱40を収納した状態で、外箱20の挿入口20Cから上方へ突出する部分である。吊下げ孔48Aは、収容箱10の陳列用のフックを通すための貫通孔である。
【0050】
<外箱及び内箱の組み付けと分離>
(組み付け)
外箱20と内箱40とを組み付ける際には、収容品S1、S2が収容された状態の内箱40を、外箱20の挿入口20Cへ、上方から挿入する。この際、蓋24は、内箱40によって押圧されることにより挿入口20Cの内側へ折り曲げられ、
図3に矢印N1で示すように、外箱20の正面部22Aへ向かって弾性変形して、内箱40の挿入を許容する。そして、蓋24と内箱40の表面(凸部42B、42Cの表面)とが接触した状態で、内箱40が挿入される。
【0051】
内箱40が所定位置まで挿入されることに伴い、内箱40の凸部42Bが蓋24の下方に配置されると、矢印N2で示すように、蓋24が外箱20の背面部22Cへ向かって復元変形し、蓋24の端部が、溝である凹部44Aに嵌入する。なお、「所定位置」とは、内箱40の上端面46が、外箱20の挿入口20Cの開口端に配置される位置である。
【0052】
この状態で、
図1に示す封止蓋26を折り込んで開封口20Dを封止することで、外箱20と内箱40とが組付けられる。なお、封止蓋26は、内箱40を外箱20の挿入口20Cへ挿入する前に折り込んでおいてもよい。
【0053】
外箱20と内箱40とが組付けられた状態においては、外箱20に対して内箱40を「下方(上述した内箱の挿入方向)」へ移動させようとしても、封止蓋26が干渉して移動が抑止される。また、外箱20に対して内箱40を「上方(上述した内箱の挿入方向と反対方向)」へ移動させようとしても、
図3に示す凹部44Aに嵌入した蓋24が凸部42Bと干渉して移動が抑止される。
【0054】
なお、本開示における「内箱が所定位置まで挿入された際に復元して端部が前記溝へ嵌入して」との記載は、挿入口20Cから挿入された内箱40が上述した所定位置まで挿入された場合に、蓋24が、その復元力によって、自動的に、溝としての凹部44Aに嵌入することを意味している。
【0055】
しかし、この記載は、必ずしも内箱40を挿入口20Cから挿入しなければならない旨を特定したものではない。つまり、内箱40は、開封口20Dから挿入してもよい。内箱40と外箱20とをこのように組み付けても、外箱20の蓋24を、内箱40の凹部44Aに嵌入させることは可能である。
【0056】
(分離)
外箱20と内箱40とを分離する際には、外箱20に内箱40を収納した状態で、
図1に示す封止蓋26を展開する。これにより、開封口20Dを開放し、
図6に示すように、内箱40を外箱20の下方へスライドさせて、内箱40を外箱20の外部へ取り出すことができる。
【0057】
この際、
図3に示す蓋24は、凸部42Aから押圧されて矢印N1に示す向きに弾性変形できるので、内箱40は外箱20の外部へ容易に取り出すことができる。
【0058】
<作用及び効果>
図1に示す本開示の収容箱10では、内箱40を外箱20の挿入口20Cから挿入して外箱20に収納する。この際、外箱20の蓋24は、内箱40によって挿入口20Cの内側へ折り曲げられ、
図3に矢印N1で示すように正面部22A側へ弾性変形し、内箱40の挿入を許容する。これにより、容易に内箱40を挿入できる。
【0059】
また、内箱40が所定位置まで挿入された際に、蓋24は復元し、蓋24の端部が、内箱40の外周面に形成された溝である凹部44Aに嵌入する。これにより、収容箱10が組み立てられる。
【0060】
また、蓋24が凹部44Aに嵌入することにより、蓋24及び内箱40の凸部42Aによって、挿入口20Cが封止される。このように、内箱40を外箱20の挿入口20Cから挿入するだけで、挿入口20Cを封止することができる。
【0061】
また、蓋24が溝に嵌入することで外箱20と内箱40とが固定される。より具体的には、外箱20と内箱40とは、内箱40の外箱20に対する上方への移動を制限するように固定される。
【0062】
このため、内箱40を外箱20から取り外し難く、内箱40に収容された収容品S1、S2が外箱20によって被覆された状態を保持できる。このように、本態様の収容箱10は、組立が容易であり、収容品S1、S2の脱落を抑制できる。
【0063】
また、本開示の収容箱10では、蓋24を外箱20の奥行き方向に沿って配置した際の蓋24の奥行き方向の寸法(
図2に示す幅D1)が、挿入口20Cの奥行き方向の寸法(
図2に示す幅D2)より小さい。このため、挿入口20Cから内箱40を挿入する際に、内箱40によって蓋24を挿入口20Cの内側へ折り曲げ易い。このため、蓋24を挿入し易い。また、外箱を組立てる際にも、挿入口の周囲の部分と蓋とが干渉し難く、組立て易い。
【0064】
また、
図2に示す外箱20の背面部22Cと固定部22Dとを接着して外箱20を組立てる際にも、蓋24が挿入口20Cの周囲の部分と蓋24とが干渉し難く、組立て易い。
【0065】
また、本開示の収容箱10では、外箱20は紙(カード紙)製であり内箱40が外箱20より引裂強度が高い合成樹脂製(再生PET)である。つまり、比較的高強度の内箱40に、
図1に示す吊下げ孔48Aが形成されている。これにより、外箱20に吊下げ孔を形成する場合と比較して、吊下げ時にフックから作用する外力に対して、引裂破壊し難い。
【0066】
また、本開示の収容箱10の外箱20には、外箱20の下端、つまり、内箱40と外箱20との組付け時における内箱40の挿入方向の先端側に開封口20Dが形成されている。このため、内箱40は、蓋24が凹部44Aに嵌入した挿入口20Cからではなく、開封口20Dから取り出すことができる。これにより、容易に内箱40を取り出せる。
【0067】
<その他の実施形態>
上記実施形態においては、
図2に示すように、蓋24の幅D1が、側面部22Bの幅D2より小さく形成されている。これにより、外箱20の蓋24の大きさが挿入口20Cの面積より大きく形成されているが、本開示の実施形態はこれに限らない。
【0068】
例えば蓋24の幅D1を、側面部22Bを形成する部分の幅D2より大きく形成してもよい。このような場合においても、内箱40の外箱20に対する上方への移動を制限して収容品S1、S2の脱落を抑制できる効果を得ることができる。
【0069】
また、上記実施形態においては、外箱20が紙(カード紙)製であり内箱40が外箱20より高強度の合成樹脂製(再生PET)であるが、本開示の実施形態はこれに限らない。外箱20及び内箱40の材質は特に限定されるものではなく、例えば外箱20を合成樹脂製としてもよいし、内箱40を紙製としてもよい。
【0070】
また、内箱40は外箱20より高強度にすることが好ましいが、外箱20を内箱40より高強度にしてもよい。外箱20を内箱40より高強度にする場合は、吊下げ孔48Aを備えた引掛け部48は、外箱20の背面部22Cの上端部に形成することが好ましい。
【0071】
また、上記実施形態においては、外箱20の下端部に、開封口20Dを封止する封止蓋26が形成されているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えばこの封止蓋26は省略してもよい。また、封止蓋26に代えてテープ等を用いて外箱20と内箱40とを固定してもよい。このように、本開示は、様々な態様で実施できる。
【符号の説明】
【0072】
10 筆記具用収容箱
20 外箱
20A 確認窓
20B 壁部
20C 挿入口(開口部)
20D 開封口
22A 正面部
22B 側面部
22C 背面部
22D 固定部
24 蓋
26 封止蓋
26A 底面部
26B 折り込み部
26C 折り込み部
40 内箱
42 凸部
42A 凸部
42B 凸部
42C 凸部
44 凹部
44A 凹部(溝)
44B 凹部
44C 凹部
46 上端面
48 引掛け部
48A 吊下げ孔
S1 収容品
S2 収容品