(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027648
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】自走式屋外清掃装置
(51)【国際特許分類】
B08B 1/32 20240101AFI20240222BHJP
【FI】
B08B1/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130608
(22)【出願日】2022-08-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】500539561
【氏名又は名称】株式会社テムザック
(71)【出願人】
【識別番号】504319585
【氏名又は名称】丸栄産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】高本 陽一
(72)【発明者】
【氏名】畑迫 和紀
(72)【発明者】
【氏名】内田 康起
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB51
3B116BA03
3B116BA15
3B116BA35
(57)【要約】
【課題】屋外を移動して、地表面上の堆積物を効率的に掻き集めることができ、作業者による清掃作業の負担を軽減することができる省力性に優れた自走式屋外清掃装置を提供する。
【解決手段】走行手段12を有し、地表面11上を移動可能な車両本体13と、清掃作業中に前進する車両本体13の前側から後側に移動して地表面11上の堆積物を掻き取る複数のスクレーパ16a、16bを有する掻き取り機構17と、車両本体13の後部に取付けられ、清掃作業中に後退する車両本体13の後方に、スクレーパ16a、16bで掻き取られた堆積物を押し出すブレード19を有する押し出し機構20を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外を移動して地表面の清掃を行う自走式屋外清掃装置であって、
走行手段を有し、前記地表面上を移動可能な車両本体と、清掃作業中に前進する前記車両本体の前側から後側に移動して前記地表面上の堆積物を掻き取る複数のスクレーパを有する掻き取り機構と、前記車両本体の後部に取付けられ、清掃作業中に後退する前記車両本体の後方に、前記スクレーパで掻き取られた前記堆積物を押し出すブレードを有する押し出し機構とを備えたことを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項2】
請求項1記載の自走式屋外清掃装置において、前記走行手段は、前記車両本体の両側部にそれぞれ取付けられた左右一対のクローラを有することを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項3】
請求項1記載の自走式屋外清掃装置において、前記掻き取り機構は、前記車両本体の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーンを有し、前記車両本体の幅方向中央部に取付けられ、前記複数のスクレーパは、前記コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されていることを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項4】
請求項1記載の自走式屋外清掃装置において、前記掻き取り機構は、前記車両本体に昇降可能に取付けられることを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項5】
請求項1記載の自走式屋外清掃装置において、前記押し出し機構は、前記車両本体の上下方向に移動可能に取付けられることを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1記載の自走式屋外清掃装置において、前記走行手段、前記掻き取り機構及び前記押し出し機構を遠隔から操作する操作部を有することを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外を移動して地表面の清掃(堆積物の回収)を行う自走式屋外清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場及び工事現場等で発生する粉粒体(粉塵)が周囲に飛散することにより環境汚染や健康被害等が発生するおそれがある。特に、鉱石、石炭、石灰石、穀物、セメント等を取り扱う現場では、これらの粉粒体が地表面に落下し、堆積したまま放置されると、周囲に飛散するため、定期的な清掃作業が必要であり、作業者の負担となっていた。
例えば、特許文献1には、路面上を走行可能な装置本体に、下端部が路面に接地した状態で装置本体が走行することにより路面上の堆積物を掻き集める清掃部材を、保持機構を介して上下動自在又は上下動及び装置本体幅方向傾動自在に保持させ、清掃部材が、その自重により路面に接地した状態(清掃作業状態)に保たれつつ、清掃する路面の凹凸に応じて上下動又は上下動及び装置本体幅方向で傾動できるようにした堆積物の清掃装置が開示されている。
一方、特許文献2には、鉱石、石炭、石灰石、穀物、セメント等のばら物を運搬するベルトコンベヤの戻り経路の下方であってその少なくとも前半部分にベルトから落下した細粉を受ける受台を設置し、この受台の上面に沿って長手方向へ往復走行して、落下している細粉を受台の端部へ掻き寄せ排出するスクレーパを設けたばら物用ベルトコンベヤの落粉回収装置が開示されている。
また、特許文献3には、ばら物を搬送するベルトコンベヤから落下する落鉱を、無端状のコンベヤチェーンに装着された板状スクレーパで掻き取って回収する落鉱回収装置において、コンベヤチェーンの後方に堆積した落鉱からなる堆積物を切り崩すための突起が櫛歯状に植設された櫛歯スクレーパがコンベヤチェーンに装着されていることを特徴とする落鉱回収装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-30602号公報
【特許文献2】特開平11-255323号公報
【特許文献3】特開2015-16955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、堆積物を掻き集める清掃部材が清掃する路面の凹凸に応じて上下動する構造であるため、路面に部分的に凹凸がある場合に堆積物を確実に掻き集めることができないという課題があった。また、堆積物が水分を含む等して固化している場合や堆積物の元となる粉粒体が路面上の細かな隙間(凹部)に入り込んでいる場合にも、清掃部材のみでは十分に掻き集めることができないという課題があった。さらに、車輪で移動(走行)する方式であるため、路面の凹凸の影響を受け易く、走行の安定性にも欠けるという課題があった。
これに対し、特許文献2、3の装置は、いずれもばら物を搬送するベルトコンベヤ専用であり、ベルトコンベヤの下方に設置(固定)され、ベルトコンベヤから落下する粉粒体をスクレーパで一箇所に掻き集めて回収するものである。
従って、特許文献2、3の装置では、ベルトコンベヤの下方(直下)に落下した粉粒体しか回収することができず、ベルトコンベヤの周囲及びベルトコンベヤ以外の場所(屋外)に落下した粉粒体(堆積物)には対応することができず、使用場所が限定されるという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、屋外を移動して、地表面上の堆積物を効率的に掻き集めることができ、作業者による清掃作業の負担を軽減することができる省力性に優れた自走式屋外清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る自走式屋外清掃装置は、屋外を移動して地表面の清掃を行う自走式屋外清掃装置であって、
走行手段を有し、前記地表面上を移動可能な車両本体と、清掃作業中に前進する前記車両本体の前側から後側に移動して前記地表面上の堆積物を掻き取る複数のスクレーパを有する掻き取り機構と、前記車両本体の後部に取付けられ、清掃作業中に後退する前記車両本体の後方に、前記スクレーパで掻き取られた前記堆積物を押し出すブレードを有する押し出し機構とを備える。
【0006】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記走行手段は、前記車両本体の両側部にそれぞれ取付けられた左右一対のクローラを有することが好ましい。
【0007】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記掻き取り機構は、前記車両本体の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーンを有し、前記車両本体の幅方向中央部に取付けられ、前記複数のスクレーパは、前記コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されていることが好ましい。
【0008】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記掻き取り機構は、前記車両本体に昇降可能に取付けられることが好ましい。
【0009】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記押し出し機構は、前記車両本体の上下方向に移動可能に取付けられることが好ましい。
【0010】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記走行手段、前記掻き取り機構及び前記押し出し機構を遠隔から操作する操作部を有することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る自走式屋外清掃装置は、清掃作業中に、車両本体を前進させながら複数のスクレーパを車両本体の前側から後側に移動させて、地表面上の堆積物を掻き取った後、車両本体を後退させ、先にスクレーパで掻き取った堆積物をブレードで車両本体の後方に押し出して一箇所に集めることができ、堆積物を効率的に回収することが可能で省力性に優れる。
【0012】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、走行手段が、車両本体の両側部にそれぞれ取付けられた左右一対のクローラを有する場合、地表面の凹凸及び堆積物の有無に関わらず安定した走行を行うことができる。
【0013】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、掻き取り機構が、車両本体の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーンを有し、車両本体の幅方向中央部に取付けられ、複数のスクレーパが、コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されている場合、堆積物を複数のスクレーパで繰り返し掻き取って切り崩す(解す)ことができ、確実に回収することができる。
【0014】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、掻き取り機構が、車両本体に昇降可能に取付けられる場合、清掃作業中に車両本体を前進させる時のみに、掻き取り機構を下降させて地表面上の堆積物を複数のスクレーパで確実に掻き取り、清掃作業を行わず車両本体を移動させる時や清掃作業中に車両本体を後退させて、先にスクレーパで掻き取られた堆積物をブレードで車両本体の後方に押し出す時には、スクレーパが地表面と干渉しないように掻き取り機構を上昇させることができる。
【0015】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、押し出し機構が、車両本体の上下方向に移動可能に取付けられる場合、清掃作業中に車両本体を後退させる時のみに、押し出し機構を下降させて、先にスクレーパで掻き取られた堆積物をブレードで車両本体の後方に押し出し、清掃作業を行わず車両本体を移動させる時や清掃作業中に車両本体を前進させて、地表面上の堆積物をスクレーパで掻き取る時には、ブレードが地表面と干渉しないように押し出し機構を上昇させることができる。
【0016】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、走行手段、掻き取り機構及び押し出し機構を遠隔から操作する操作部を有する場合、作業者は車両本体と離れた場所から走行手段、掻き取り機構及び押し出し機構を安全に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る自走式屋外清掃装置の斜視図である。
【
図3】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を下降させ押し出し機構を上昇させた状態を示す正面図である。
【
図4】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を下降させ押し出し機構を上昇させた状態を示す側面図である。
【
図5】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を下降させ押し出し機構を上昇させた状態を示す背面図である。
【
図6】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を上昇させ押し出し機構を下降させた状態を示す正面図である。
【
図7】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を上昇させ押し出し機構を下降させた状態を示す側面図である。
【
図8】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を上昇させ押し出し機構を下降させた状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1~
図8に示す本発明の一実施の形態に係る自走式屋外清掃装置10は、屋外を移動して地表面11の清掃(堆積物の回収)を行うものである。
自走式屋外清掃装置10は、走行手段12を有し、地表面11上を移動可能な車両本体13を備えている。走行手段12は車両本体13の両側部に取付けられた左右一対のクローラ14a、14bを有しており、地表面11に凹凸がある場合や粉粒体等の堆積物がある場合でも安定した走行(移動)を行うことができる。なお、走行手段12は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば、車輪(タイヤ)を有していてもよい。
【0019】
また、自走式屋外清掃装置10は、清掃作業中に車両本体13が前進する時に、車両本体13の前側から後側に移動して地表面11上の堆積物を掻き取る複数のスクレーパ16a、16bを有する掻き取り機構17を備えている。この掻き取り機構17は、車両本体13の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーン(図示せず)を有し、車両本体13の幅方向中央部に取付けられており、複数のスクレーパ16a、16bは、コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されている。本実施の形態では、金属板で形成されたスクレーパ16aとゴム板で形成されたスクレーパ16bが交互に配置されており、主に、スクレーパ16aで堆積物を切り崩し、スクレーパ16bで堆積物を前方から後方へ掻き出すことができる。なお、本実施の形態では材質の異なる2種類のスクレーパを交互に配置したが、スクレーパの種類、材質、数及び配置間隔等は、適宜、選択される。
さらに、自走式屋外清掃装置10は、車両本体13の後部に取付けられ、清掃作業中に車両本体13が後退する時に、先にスクレーパ16a、16bで掻き取られた堆積物を車両本体13の後方に押し出すブレード19を有する押し出し機構20を備えている。
【0020】
車両本体13は、
図1及び
図2に示すように、車両本体13の前後方向に沿って配置された4つの縦フレーム21と、車両本体13の左右方向(幅方向)に沿って配置された4つの横フレーム22が連結されて格子状に形成された本体フレーム23を有している。また、この本体フレーム23は、
図1~
図4、
図6、
図7に示すように、前側の3つの横フレーム22の上面に跨って縦フレーム21と平行に配置され前側の3つの横フレーム22を連結する左右2つの水平補強フレーム24と、中央の2つの横フレーム22と左右2つの水平補強フレーム24が交差するそれぞれの位置で横フレーム22と水平補強フレーム24を連結する4つの垂直補強フレーム25で補強されている。そして、左側の2つの縦フレーム21で左側のクローラ14aが保持され、右側の2つの縦フレーム21で右側のクローラ14bが保持されている。なお、本体フレームの構造は、本実施の形態に限定されるものではなく、縦フレーム、横フレーム、水平補強フレーム及び垂直補強フレームの数、長さ及び配置は、適宜、選択される。
【0021】
掻き取り機構17の前後2箇所には、
図1~
図4、
図6、
図7に示すように、左右の支柱部27と、左右の支柱部27の上端側を連結する連結部28で門型に形成された支持フレーム29が取付けられている。そして、掻き取り機構17は、本体フレーム23の前端部及び後端部に位置する横フレーム22の左右に設けられた固定手段30により、支持フレーム29を介して車両本体13に昇降可能に保持されている。本実施の形態では、横フレーム22の上面に立設された左右の取付けフレーム30aの側部に固定手段30を取付けたが、固定手段の取付方法はこれに限定されるものではなく、適宜、選択される。例えば、取付けフレームの上端に固定手段を取付けてもよいし、脚部を有する固定手段を直接、横フレームに取付けてもよい。ここで、
図3、
図6に示すように、各支持フレーム29の左右の支柱部27にそれぞれ上下2箇所の嵌合孔31が形成された支持片32が取付けられており、固定手段30に設けられたプランジャ33が作業者によって操作されて先端のピン(図示せず)が上下いずれかの嵌合孔31に嵌合されることにより、掻き取り機構17が位置決め固定される。また、
図1、
図2に示すように、掻き取り機構17に、水平補強フレーム24及び垂直補強フレーム25の一側面に当接して案内される4つのガイドフレーム35が取付けられていることにより、掻き取り機構17の昇降がスムーズに行われるが、ガイドフレームの数及び配置も、適宜、選択される。
なお、掻き取り機構を車両本体に昇降可能に取付けるための構造及び掻き取り機構を所定の高さに固定するための固定手段は、本実施の形態に限定されるものではなく、適宜、選択される。例えば、掻き取り機構の昇降は手動で行われても電動若しくは油圧で行われてもよく、掻き取り機構を昇降させるためにラックアンドピニオン若しくは油圧シリンダ等を用いてもよいし、掻き取り機構の固定手段として螺子止めを用いてもよい。
【0022】
本体フレーム23の後端には縦フレーム21と直交して後部壁36が取付けられており、後部壁36の背面には高さ方向に沿って左右2本のガイドレール37が取付けられている。そして、押し出し機構20のブレード19が取付けられたベース部38がガイドレール37に摺動可能に保持されることにより、押し出し機構20は車両本体13の上下方向に移動可能に取付けられる。この押し出し機構20は電動で上下方向に移動する。なお、押し出し機構は、車両本体の上下方向に移動可能であればよく、その機構(構造)は、適宜、選択される。例えば、車両本体の後端に取付けた回動式のアームの先端にブレードを取付け、アームを回動させることにより押し出し機構を車両本体の上下方向に移動させる構造とし、油圧で駆動することもできる。
ブレード19の材質としてはステンレス等の金属が好適に用いられるが、必要に応じて、下端部にゴム製のヘラを取付けてもよい。
自走式屋外清掃装置10は、走行手段12、掻き取り機構17及び押し出し機構20を遠隔から操作する操作部(図示せず)を備えている。作業者が操作部を操作することにより、車両本体13の前後動、掻き取り機構17の昇降及び押し出し機構20の上下動等を遠隔から制御して地表面11の清掃を行うことができる。
【0023】
以上のように構成された自走式屋外清掃装置10を用いた清掃方法について説明する。
作業者は、操作部を操作して走行手段12を駆動し、車両本体13を地表面11上の清掃が必要なエリア(清掃エリアという)に移動させる。このとき、掻き取り機構17及び押し出し機構20は走行の邪魔にならないように上方に移動させている。
清掃エリアに到着したら、
図3~
図5に示すように、掻き取り機構17のみを降下させた状態で車両本体13を前進させる。このとき、コンベヤチェーン(図示せず)を駆動し、複数のスクレーパ16a、16bを地表面11側で車両本体13の前側から後側に移動させ、地表面11上の堆積物を切り崩しながら前方から後方へ掻き出す(掻き取り作業)。
その後、
図6~
図8に示すように、掻き取り機構17を上昇させ、押し出し機構20のみを下方に移動させた状態で車両本体13を後退させることにより、先にスクレーパ16a、16bで掻き取られた堆積物をブレード19で車両本体13の後方に押し出す(押し出し作業)。
このようにして一箇所に集められた堆積物を作業者が回収して清掃作業が完了する。清掃作業が完了したら、別の清掃エリアに移動して同様の清掃作業を行う。なお、清掃エリアが広範囲にわたる場合は、清掃エリア内を移動し、掻き取り作業と押し出し作業を適宜、繰り返して、清掃エリア全体の清掃作業を行うことができる。
【0024】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0025】
10:自走式屋外清掃装置、11:地表面、12:走行手段、13:車両本体、14a、14b:クローラ、16a、16b:スクレーパ、17:掻き取り機構、19:ブレード、20:押し出し機構、21:縦フレーム、22:横フレーム、23:本体フレーム、24:水平補強フレーム、25:垂直補強フレーム、27:支柱部、28:連結部、29:支持フレーム、30:固定手段、30a:取付けフレーム、31:嵌合孔、32:支持片、33:プランジャ、35:ガイドフレーム、36:後部壁、37:ガイドレール、38:ベース部
【手続補正書】
【提出日】2023-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外を移動して地表面の清掃を行う自走式屋外清掃装置であって、
走行手段を有し、前記地表面上を移動可能な車両本体と、清掃作業中に前進する前記車両本体の前側から後側に移動して前記地表面上の堆積物を掻き取る複数のスクレーパを有する掻き取り機構と、前記車両本体の後部に取付けられ、清掃作業中に後退する前記車両本体の後方に、前記スクレーパで掻き取られた前記堆積物を押し出すブレードを有する押し出し機構とを備え、前記掻き取り機構は、前記車両本体に昇降可能に取付けられ、前記押し出し機構は、前記車両本体の上下方向に移動可能に取付けられたことを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項2】
請求項1記載の自走式屋外清掃装置において、前記走行手段は、前記車両本体の両側部にそれぞれ取付けられた左右一対のクローラを有することを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項3】
請求項1記載の自走式屋外清掃装置において、前記掻き取り機構は、前記車両本体の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーンを有し、前記車両本体の幅方向中央部に取付けられ、前記複数のスクレーパは、前記コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されていることを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1記載の自走式屋外清掃装置において、前記走行手段、前記掻き取り機構及び前記押し出し機構を遠隔から操作する操作部を有することを特徴とする自走式屋外清掃装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外を移動して地表面の清掃(堆積物の回収)を行う自走式屋外清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場及び工事現場等で発生する粉粒体(粉塵)が周囲に飛散することにより環境汚染や健康被害等が発生するおそれがある。特に、鉱石、石炭、石灰石、穀物、セメント等を取り扱う現場では、これらの粉粒体が地表面に落下し、堆積したまま放置されると、周囲に飛散するため、定期的な清掃作業が必要であり、作業者の負担となっていた。
例えば、特許文献1には、路面上を走行可能な装置本体に、下端部が路面に接地した状態で装置本体が走行することにより路面上の堆積物を掻き集める清掃部材を、保持機構を介して上下動自在又は上下動及び装置本体幅方向傾動自在に保持させ、清掃部材が、その自重により路面に接地した状態(清掃作業状態)に保たれつつ、清掃する路面の凹凸に応じて上下動又は上下動及び装置本体幅方向で傾動できるようにした堆積物の清掃装置が開示されている。
一方、特許文献2には、鉱石、石炭、石灰石、穀物、セメント等のばら物を運搬するベルトコンベヤの戻り経路の下方であってその少なくとも前半部分にベルトから落下した細粉を受ける受台を設置し、この受台の上面に沿って長手方向へ往復走行して、落下している細粉を受台の端部へ掻き寄せ排出するスクレーパを設けたばら物用ベルトコンベヤの落粉回収装置が開示されている。
また、特許文献3には、ばら物を搬送するベルトコンベヤから落下する落鉱を、無端状のコンベヤチェーンに装着された板状スクレーパで掻き取って回収する落鉱回収装置において、コンベヤチェーンの後方に堆積した落鉱からなる堆積物を切り崩すための突起が櫛歯状に植設された櫛歯スクレーパがコンベヤチェーンに装着されていることを特徴とする落鉱回収装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-30602号公報
【特許文献2】特開平11-255323号公報
【特許文献3】特開2015-16955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、堆積物を掻き集める清掃部材が清掃する路面の凹凸に応じて上下動する構造であるため、路面に部分的に凹凸がある場合に堆積物を確実に掻き集めることができないという課題があった。また、堆積物が水分を含む等して固化している場合や堆積物の元となる粉粒体が路面上の細かな隙間(凹部)に入り込んでいる場合にも、清掃部材のみでは十分に掻き集めることができないという課題があった。さらに、車輪で移動(走行)する方式であるため、路面の凹凸の影響を受け易く、走行の安定性にも欠けるという課題があった。
これに対し、特許文献2、3の装置は、いずれもばら物を搬送するベルトコンベヤ専用であり、ベルトコンベヤの下方に設置(固定)され、ベルトコンベヤから落下する粉粒体をスクレーパで一箇所に掻き集めて回収するものである。
従って、特許文献2、3の装置では、ベルトコンベヤの下方(直下)に落下した粉粒体しか回収することができず、ベルトコンベヤの周囲及びベルトコンベヤ以外の場所(屋外)に落下した粉粒体(堆積物)には対応することができず、使用場所が限定されるという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、屋外を移動して、地表面上の堆積物を効率的に掻き集めることができ、作業者による清掃作業の負担を軽減することができる省力性に優れた自走式屋外清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る自走式屋外清掃装置は、屋外を移動して地表面の清掃を行う自走式屋外清掃装置であって、
走行手段を有し、前記地表面上を移動可能な車両本体と、清掃作業中に前進する前記車両本体の前側から後側に移動して前記地表面上の堆積物を掻き取る複数のスクレーパを有する掻き取り機構と、前記車両本体の後部に取付けられ、清掃作業中に後退する前記車両本体の後方に、前記スクレーパで掻き取られた前記堆積物を押し出すブレードを有する押し出し機構とを備え、前記掻き取り機構は、前記車両本体に昇降可能に取付けられ、前記押し出し機構は、前記車両本体の上下方向に移動可能に取付けられている。
【0006】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記走行手段は、前記車両本体の両側部にそれぞれ取付けられた左右一対のクローラを有することが好ましい。
【0007】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記掻き取り機構は、前記車両本体の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーンを有し、前記車両本体の幅方向中央部に取付けられ、前記複数のスクレーパは、前記コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されていることが好ましい。
【0008】
【0009】
【0010】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、前記走行手段、前記掻き取り機構及び前記押し出し機構を遠隔から操作する操作部を有することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る自走式屋外清掃装置は、清掃作業中に、車両本体を前進させながら複数のスクレーパを車両本体の前側から後側に移動させて、地表面上の堆積物を掻き取った後、車両本体を後退させ、先にスクレーパで掻き取った堆積物をブレードで車両本体の後方に押し出して一箇所に集めることができ、堆積物を効率的に回収することが可能で省力性に優れる。
【0012】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、走行手段が、車両本体の両側部にそれぞれ取付けられた左右一対のクローラを有する場合、地表面の凹凸及び堆積物の有無に関わらず安定した走行を行うことができる。
【0013】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、掻き取り機構が、車両本体の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーンを有し、車両本体の幅方向中央部に取付けられ、複数のスクレーパが、コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されている場合、堆積物を複数のスクレーパで繰り返し掻き取って切り崩す(解す)ことができ、確実に回収することができる。
【0014】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、掻き取り機構が、車両本体に昇降可能に取付けられるので、清掃作業中に車両本体を前進させる時のみに、掻き取り機構を下降させて地表面上の堆積物を複数のスクレーパで確実に掻き取り、清掃作業を行わず車両本体を移動させる時や清掃作業中に車両本体を後退させて、先にスクレーパで掻き取られた堆積物をブレードで車両本体の後方に押し出す時には、スクレーパが地表面と干渉しないように掻き取り機構を上昇させることができる。
【0015】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、押し出し機構が、車両本体の上下方向に移動可能に取付けられるので、清掃作業中に車両本体を後退させる時のみに、押し出し機構を下降させて、先にスクレーパで掻き取られた堆積物をブレードで車両本体の後方に押し出し、清掃作業を行わず車両本体を移動させる時や清掃作業中に車両本体を前進させて、地表面上の堆積物をスクレーパで掻き取る時には、ブレードが地表面と干渉しないように押し出し機構を上昇させることができる。
【0016】
本発明に係る自走式屋外清掃装置において、走行手段、掻き取り機構及び押し出し機構を遠隔から操作する操作部を有する場合、作業者は車両本体と離れた場所から走行手段、掻き取り機構及び押し出し機構を安全に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る自走式屋外清掃装置の斜視図である。
【
図3】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を下降させ押し出し機構を上昇させた状態を示す正面図である。
【
図4】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を下降させ押し出し機構を上昇させた状態を示す側面図である。
【
図5】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を下降させ押し出し機構を上昇させた状態を示す背面図である。
【
図6】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を上昇させ押し出し機構を下降させた状態を示す正面図である。
【
図7】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を上昇させ押し出し機構を下降させた状態を示す側面図である。
【
図8】同自走式屋外清掃装置の掻き取り機構を上昇させ押し出し機構を下降させた状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1~
図8に示す本発明の一実施の形態に係る自走式屋外清掃装置10は、屋外を移動して地表面11の清掃(堆積物の回収)を行うものである。
自走式屋外清掃装置10は、走行手段12を有し、地表面11上を移動可能な車両本体13を備えている。走行手段12は車両本体13の両側部に取付けられた左右一対のクローラ14a、14bを有しており、地表面11に凹凸がある場合や粉粒体等の堆積物がある場合でも安定した走行(移動)を行うことができる。なお、走行手段12は本実施の形態に限定されるものではなく、例えば、車輪(タイヤ)を有していてもよい。
【0019】
また、自走式屋外清掃装置10は、清掃作業中に車両本体13が前進する時に、車両本体13の前側から後側に移動して地表面11上の堆積物を掻き取る複数のスクレーパ16a、16bを有する掻き取り機構17を備えている。この掻き取り機構17は、車両本体13の前後方向に沿って移動する無端状のコンベヤチェーン(図示せず)を有し、車両本体13の幅方向中央部に取付けられており、複数のスクレーパ16a、16bは、コンベヤチェーンの外周に間隔を空けて装着されている。本実施の形態では、金属板で形成されたスクレーパ16aとゴム板で形成されたスクレーパ16bが交互に配置されており、主に、スクレーパ16aで堆積物を切り崩し、スクレーパ16bで堆積物を前方から後方へ掻き出すことができる。なお、本実施の形態では材質の異なる2種類のスクレーパを交互に配置したが、スクレーパの種類、材質、数及び配置間隔等は、適宜、選択される。
さらに、自走式屋外清掃装置10は、車両本体13の後部に取付けられ、清掃作業中に車両本体13が後退する時に、先にスクレーパ16a、16bで掻き取られた堆積物を車両本体13の後方に押し出すブレード19を有する押し出し機構20を備えている。
【0020】
車両本体13は、
図1及び
図2に示すように、車両本体13の前後方向に沿って配置された4つの縦フレーム21と、車両本体13の左右方向(幅方向)に沿って配置された4つの横フレーム22が連結されて格子状に形成された本体フレーム23を有している。また、この本体フレーム23は、
図1~
図4、
図6、
図7に示すように、前側の3つの横フレーム22の上面に跨って縦フレーム21と平行に配置され前側の3つの横フレーム22を連結する左右2つの水平補強フレーム24と、中央の2つの横フレーム22と左右2つの水平補強フレーム24が交差するそれぞれの位置で横フレーム22と水平補強フレーム24を連結する4つの垂直補強フレーム25で補強されている。そして、左側の2つの縦フレーム21で左側のクローラ14aが保持され、右側の2つの縦フレーム21で右側のクローラ14bが保持されている。なお、本体フレームの構造は、本実施の形態に限定されるものではなく、縦フレーム、横フレーム、水平補強フレーム及び垂直補強フレームの数、長さ及び配置は、適宜、選択される。
【0021】
掻き取り機構17の前後2箇所には、
図1~
図4、
図6、
図7に示すように、左右の支柱部27と、左右の支柱部27の上端側を連結する連結部28で門型に形成された支持フレーム29が取付けられている。そして、掻き取り機構17は、本体フレーム23の前端部及び後端部に位置する横フレーム22の左右に設けられた固定手段30により、支持フレーム29を介して車両本体13に昇降可能に保持されている。本実施の形態では、横フレーム22の上面に立設された左右の取付けフレーム30aの側部に固定手段30を取付けたが、固定手段の取付方法はこれに限定されるものではなく、適宜、選択される。例えば、取付けフレームの上端に固定手段を取付けてもよいし、脚部を有する固定手段を直接、横フレームに取付けてもよい。ここで、
図3、
図6に示すように、各支持フレーム29の左右の支柱部27にそれぞれ上下2箇所の嵌合孔31が形成された支持片32が取付けられており、固定手段30に設けられたプランジャ33が作業者によって操作されて先端のピン(図示せず)が上下いずれかの嵌合孔31に嵌合されることにより、掻き取り機構17が位置決め固定される。また、
図1、
図2に示すように、掻き取り機構17に、水平補強フレーム24及び垂直補強フレーム25の一側面に当接して案内される4つのガイドフレーム35が取付けられていることにより、掻き取り機構17の昇降がスムーズに行われるが、ガイドフレームの数及び配置も、適宜、選択される。
なお、掻き取り機構を車両本体に昇降可能に取付けるための構造及び掻き取り機構を所定の高さに固定するための固定手段は、本実施の形態に限定されるものではなく、適宜、選択される。例えば、掻き取り機構の昇降は手動で行われても電動若しくは油圧で行われてもよく、掻き取り機構を昇降させるためにラックアンドピニオン若しくは油圧シリンダ等を用いてもよいし、掻き取り機構の固定手段として螺子止めを用いてもよい。
【0022】
本体フレーム23の後端には縦フレーム21と直交して後部壁36が取付けられており、後部壁36の背面には高さ方向に沿って左右2本のガイドレール37が取付けられている。そして、押し出し機構20のブレード19が取付けられたベース部38がガイドレール37に摺動可能に保持されることにより、押し出し機構20は車両本体13の上下方向に移動可能に取付けられる。この押し出し機構20は電動で上下方向に移動する。なお、押し出し機構は、車両本体の上下方向に移動可能であればよく、その機構(構造)は、適宜、選択される。例えば、車両本体の後端に取付けた回動式のアームの先端にブレードを取付け、アームを回動させることにより押し出し機構を車両本体の上下方向に移動させる構造とし、油圧で駆動することもできる。
ブレード19の材質としてはステンレス等の金属が好適に用いられるが、必要に応じて、下端部にゴム製のヘラを取付けてもよい。
自走式屋外清掃装置10は、走行手段12、掻き取り機構17及び押し出し機構20を遠隔から操作する操作部(図示せず)を備えている。作業者が操作部を操作することにより、車両本体13の前後動、掻き取り機構17の昇降及び押し出し機構20の上下動等を遠隔から制御して地表面11の清掃を行うことができる。
【0023】
以上のように構成された自走式屋外清掃装置10を用いた清掃方法について説明する。
作業者は、操作部を操作して走行手段12を駆動し、車両本体13を地表面11上の清掃が必要なエリア(清掃エリアという)に移動させる。このとき、掻き取り機構17及び押し出し機構20は走行の邪魔にならないように上方に移動させている。
清掃エリアに到着したら、
図3~
図5に示すように、掻き取り機構17のみを降下させた状態で車両本体13を前進させる。このとき、コンベヤチェーン(図示せず)を駆動し、複数のスクレーパ16a、16bを地表面11側で車両本体13の前側から後側に移動させ、地表面11上の堆積物を切り崩しながら前方から後方へ掻き出す(掻き取り作業)。
その後、
図6~
図8に示すように、掻き取り機構17を上昇させ、押し出し機構20のみを下方に移動させた状態で車両本体13を後退させることにより、先にスクレーパ16a、16bで掻き取られた堆積物をブレード19で車両本体13の後方に押し出す(押し出し作業)。
このようにして一箇所に集められた堆積物を作業者が回収して清掃作業が完了する。清掃作業が完了したら、別の清掃エリアに移動して同様の清掃作業を行う。なお、清掃エリアが広範囲にわたる場合は、清掃エリア内を移動し、掻き取り作業と押し出し作業を適宜、繰り返して、清掃エリア全体の清掃作業を行うことができる。
【0024】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0025】
10:自走式屋外清掃装置、11:地表面、12:走行手段、13:車両本体、14a、14b:クローラ、16a、16b:スクレーパ、17:掻き取り機構、19:ブレード、20:押し出し機構、21:縦フレーム、22:横フレーム、23:本体フレーム、24:水平補強フレーム、25:垂直補強フレーム、27:支柱部、28:連結部、29:支持フレーム、30:固定手段、30a:取付けフレーム、31:嵌合孔、32:支持片、33:プランジャ、35:ガイドフレーム、36:後部壁、37:ガイドレール、38:ベース部