(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027670
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】利用者端末、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240222BHJP
G06Q 30/0282 20230101ALI20240222BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q30/02 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130650
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
(72)【発明者】
【氏名】田口 拓明
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者の属性を推測してターゲティング配信する利用者端末、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】複数の利用者端末及び事業者端末と、情報処理装置とが、通信可能な情報処理システムにおいて、利用者端末は、計測値を計測するセンサ部と、利用者情報と、センサ情報と、を取得する取得部と、利用者情報とセンサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させたモデル記憶部と、複数のモデルを用いて利用者毎に特定の特徴についての指標を算出する算出部と、特定の特徴についての指標を他の利用者端末との間で相互に交換する交換部と、交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者毎に特定の特徴の指標毎の順位を求める分析部と、特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の特定の特徴の指標毎の順位を予測する予測部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末に関する計測値を計測するセンサ部と、
利用者に関する情報を示す利用者情報と、前記センサ部が計測した計測値を示すセンサ情報を取得する取得部と、
前記利用者情報と前記センサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶するモデル記憶部と、
前記複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する算出部と、
前記算出部が算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末との間で相互に交換する交換部と、
前記交換部が交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求める分析部と、
前記分析部が求めた特定の特徴の指標ごとの順位に基づいて、情報処理装置の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の特定の特徴の指標ごとの順位を予測する予測部と、を備える、
利用者端末。
【請求項2】
前記予測部が予測した利用者の特定の特徴の指標についての順位を、情報処理装置に通知する通知部と、
前記情報処理装置から配信されたコンテンツを提供する提供部と、をさらに備える、
請求項1に記載の利用者端末。
【請求項3】
前記予測部は、利用者の複数の特定の特徴の指標の順位に基づいて、利用者が複数の特定の特徴に属する場合の指標に関する順位を予測する、
請求項1又は2に記載の利用者端末。
【請求項4】
利用者端末に関する計測値を計測するステップと、
利用者に関する情報を示す利用者情報と、前記計測するステップにおいて計測した計測値を示すセンサ情報を取得するステップと、
前記利用者情報と前記センサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶するステップと、
前記複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、
算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末との間で相互に交換するステップと、
交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求めるステップと、
求めた順位に基づいて、情報処理装置の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の順位を予測するステップと、を含む、
情報処理方法。
【請求項5】
利用者端末に関する計測値を計測するステップと、
利用者に関する情報を示す利用者情報と、前記計測するステップにおいて計測した計測値を示すセンサ情報を取得するステップと、
前記利用者情報と前記センサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶するステップと、
前記複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、
算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末との間で相互に交換するステップと、
交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求めるステップと、
求めた順位に基づいて、情報処理装置の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の順位を予測するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、利用者端末、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報の配信先となる利用者の属性を示す属性情報を配信先情報として予め登録しておき、配信先となる利用者の属性情報と対応する広告を選択的に配信するターゲティング配信が行われている。
【0003】
例えば、広告と属性情報との見かけ上の関連性の程度、及び複数の広告と属性情報との平均的な関連性の程度に基づいて、広告と属性情報との真の関連性を算出する技術が下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、利用者が個人情報を情報サービス事業者に提供することに対して懸念を抱く傾向にある。そのため、利用者が個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者の属性を推測して、ターゲティング配信することが求められていた。
【0006】
本開示は上記の課題を鑑み、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者の属性を推測して、ターゲティング配信することが可能な利用者端末、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る利用者端末は、利用者端末に関する計測値を計測するセンサ部と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、前記センサ部が計測した計測値を示すセンサ情報を取得する取得部と、前記利用者情報と前記センサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶するモデル記憶部と、前記複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する算出部と、前記算出部が算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末との間で相互に交換する交換部と、前記交換部が交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求める分析部と、前記分析部が求めた特定の特徴の指標ごとの順位に基づいて、情報処理装置の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の特定の特徴の指標ごとの順位を予測する予測部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者の属性を推測して、ターゲティング配信することが可能な利用者端末、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る利用者端末の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る利用者端末のセンサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る利用者端末のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の指標記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る利用者端末、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る利用者端末、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
(実施形態)
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。まず、実施形態に係る情報処理の概要を説明した後に、個々の処理を詳細に説明する。
【0012】
図1では、情報処理装置200が事業者端末300からコンテンツと要求情報を受け付けて、利用者端末100A,100Bが利用者情報とセンサ情報を取得し、利用者端末100A,100Bが利用者情報とセンサ情報に基づいて複数のモデルごとに特定の特徴についての指標を算出し、利用者端末100Aと利用者端末100Bの間において算出した特定の特徴についての指標を送受信し合い、利用者端末100A,100Bが受け取った複数の利用者の特定の特徴について指標に基づいて利用者ごとに特定の特徴ごとの順位を求めて、利用者端末100A,100Bが特定の特徴ごとの順位に基づいて情報処理装置200に記憶されているデータを用いた場合の利用者の特定の特徴の指標ごとの順位を予測し、利用者端末100A,100Bが予測した特定の特徴ごとの順位を情報処理装置200に送信し、情報処理装置200が送信された特徴の特徴ごとの順位に基づいてコンテンツを配信する利用者を決定し、情報処理装置200が決定された利用者にコンテンツを配信する処理が示されている。以下、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例についてステップごとに詳細に説明する。
【0013】
まず、情報処理装置200は、事業者端末300から事業者M1が入力したコンテンツと要求情報を受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置200は、事業者端末300から事業者M1が特定の特徴を有する利用者に対して配信することを目的として入力したコンテンツを受け付ける。また、情報処理装置200は、事業者M1が事業者端末300に入力したコンテンツの配信についての要求情報を事業者端末300から受け付ける。なお、ここで、要求情報は、事業者のコンテンツの配信に関する要求についての情報のことを指しており、例えば、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の特徴を示す「特定の特徴」やコンテンツ配信を希望する利用者の特定の特徴についての指標の複数の利用者の中における「順位」などを含む情報であってよい。
【0014】
次に、利用者端末100A,100Bは、それぞれにおいて利用者情報とセンサ情報を取得する(ステップS2-1,S2-2)。例えば、利用者端末100A,100Bは、出力部130に利用者情報の入力画面を表示させて、その入力画面を確認した利用者U1,U2に利用者情報を入力させることにより、利用者情報を取得してよい。また、利用者端末100A,100Bは、利用者端末100A,100Bが備えるセンサ部160が計測したセンサ情報を取得してよい。利用者端末100A,100Bは、利用者情報を取得したら、取得した利用者情報を利用者情報記憶部141に記憶する。また利用者端末100A,100Bは、センサ情報を取得したら、取得したセンサ情報をセンサ情報記憶部142に記憶する。
【0015】
次に、利用者端末100A,100Bは、取得した利用者情報とセンサ情報に基づいて、複数のモデルごとに特定の特徴についての指標を算出する(ステップS3)。ここで、モデルとは、利用者情報と、センサ情報と、利用者の特定の特徴に関する指標との関係を学習させたモデルのことを指している。このモデルに、利用者の利用者情報と、センサ情報を入力すると、利用者の特定の特徴に関する指標を0から1の値として出力する。この指標の値が高いほど、利用者が特定の特徴を有する可能性が高いと推測されていることを意味する。また、特定の特徴は、利用者の属性情報と言い換えることもでき、例えば、「眼鏡好き」や「本好き」などいった利用者の趣味嗜好や利用者の特性のことを指している。利用者端末100A,100Bは、取得した利用者情報とセンサ情報を、特定の特徴についての指標を算出する複数のモデルに入力して、モデルごとに利用者の特定の特徴についての指標を算出する。
【0016】
次に、利用者端末100A,100Bは、算出した複数のモデルごとの特定の特徴についての指標を送受信し合う(ステップS4)。例えば、利用者端末100Aは、算出した特定の特徴についての指標を、利用者端末100Bとの間において送受信し合うことにより、特定の特徴についての指標を交換してよい。なお、この場合の利用者端末100Aと利用者端末100Bとの通信接続は、Bluetooth(登録商標)通信や、Wi-Fi Direct(登録商標)通信により実現されてよい。また、利用者端末100A,100Bは、他の複数の利用者端末100との間において、特定の特徴についての指標を交換し合ってよい。利用者端末100A,100Bは、特定の特徴についての指標を交換したら、受け取った特定の特徴についての指標を記憶する。
【0017】
次に、利用者端末100A,100Bは、複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求める(ステップS5-1,S5-2)。例えば、利用者端末100A,100Bは、他の利用者端末100との間において相互に交換した特定の特徴についての指標のデータが所定の量を超えた場合、例えば、20名のデータが集まった場合に、それぞれ利用者U1,U2のその量のデータの中での順位を求める。特定の特徴は、カテゴリごとに複数定義されていることから、利用者端末100A,100Bは、カテゴリごとに複数定義された特定の特徴ごとにそれぞれ利用者U1,U2の順位を求めてよい。例えば、利用者端末100A,100Bは、「ファッション」のカテゴリに属する「眼鏡好き」、「帽子好き」、「ジャケット好き」という特定の特徴の指標の値に基づいて、交換したデータの中における利用者U1,U2の順位を求めてよい。
【0018】
次に、利用者端末100A,100Bは、特定の特徴の指標ごとの順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の順位を予測する(ステップS6-1,S6-2)。ここで、情報処理装置200には、利用者端末100から利用者の同意を得て取得した利用者情報や、利用者の情報サービスの利用履歴の情報が蓄積されている。そのため、情報処理装置200には、これらの情報をモデルに入力することにより、利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出したデータが蓄積されている。情報処理装置200は、多くの利用者端末100からのアクセスを受け付けて、利用者情報や利用履歴を蓄積していることから、多くのデータが蓄積されている。利用者端末100A,100Bは、利用者端末間通信により蓄積した特定の特徴についての指標のデータに基づいて求めた順位に対して、その順位が利用者端末間通信により蓄積されたデータの総数の中の上位から何パーセントに当たるかを示す順位割合を計算し、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータの場合も同様の分布になるという前提のもとに、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータ総数に対して利用者端末間通信により蓄積したデータの場合の順位割合を掛けることにより、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータの場合の順位を予測してよい。
【0019】
次に、利用者端末100A,100Bは、予測した複数の特定の特徴についての順位を情報処理装置200に送信する(ステップS7)。利用者端末100A,100Bは、予測した利用者U1,U2の特定の特徴の指標についての順位を、情報処理装置200に通知する。利用者端末100A,100Bは、所定の量の特定の特徴についての順位の予測値が求められてから、情報処理装置200に通知してもよいし、特定の特徴の指標の順位が予測されるごとに情報処理装置200に通知してもよい。
【0020】
次に、情報処理装置200は、特定の特徴についての指標の順位に基づいてコンテンツを配信する利用者を決定し、決定した利用者の利用者端末100にコンテンツを配信する(ステップS8)。情報処理装置200は、特定の特徴についての指標の順位に基づいて、コンテンツを配信する利用者の利用者端末100を決定する。例えば、事業者M1が特定の特徴としての「眼鏡好き」の指標の順位が上位5%の利用者を対象にコンテンツ配信を希望していた場合、情報処理装置200は、「眼鏡好き」の指標の上位5%の利用者の利用者端末100にコンテンツを配信することを決定する。また、事業者M2が特定の特徴としての「バナナ好き」の指標の順位が上位10%の利用者を対象にコンテンツ配信を希望していた場合、情報処理装置200は、「バナナ好き」の指標の上位10%の利用者の利用者端末100にコンテンツを配信することを決定する。情報処理装置200は、決定した利用者の利用者端末100にコンテンツを配信する。例えば、情報処理装置200が利用者U1と、利用者U2をコンテンツの配信対象として決定した場合、事業者が入力したコンテンツを読み出して、利用者U1の利用者端末200Aと、利用者U2の利用者端末200Bにコンテンツを配信する。
【0021】
これにより、利用者端末100は、利用者の個人情報が含まれる利用者情報やセンサ情報を、情報処理装置200に送信することなく、利用者端末100が単独で利用者の属性を推測して、他の利用者端末100との間において、特定の特徴についての指標だけをやり取りし、情報処理装置200のデータを用いた場合の順位を予測することができる。そのため、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者の属性を把握して、ターゲティング配信を行うことができる。
【0022】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例1〕
利用者端末100は、利用者の複数の特定の特徴の指標の順位に基づいて、利用者が複数の特定の特徴に属する場合の指標に関する順位を予測する。
【0023】
この情報処理について順を追って説明する。まず、利用者端末100A,100Bは、それぞれ
図1に示したステップS1-1,S1-2からステップS5-1,S5-2までと同じ処理を実行する。ステップS1-1,S1-2からステップS5-1,S5-2までの処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0024】
次に、利用者端末100A,100Bは、特定の特徴の指標ごとの順位に基づいて、情報処理装置200のデータを用いた場合の順位を予測する(ステップS6-1,S6-2)。この場合、利用者端末100A,100Bは、それぞれ利用者U1,U2の複数の特定の特徴の指標の順位に基づいて、利用者U1,U2が複数の特定の特徴に属する場合の指標に関する順位を予測する。すなわち、利用者端末100Aは、例えば、他の利用者端末100との間において交換したデータに基づいて求めた特定の特徴としての「眼鏡好き」の指標の順位と、特定の特徴としての「バナナ好き」の指標の順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者U1が特定の特徴としての「眼鏡好き」かつ「バナナ好き」に属する場合の順位を予測する。この場合、利用者端末100との間において交換することにより取得した特定の特徴についての指標のデータの分布と、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータの分布は同じであるとする前提に基づいて予測してよい。
【0025】
次に、利用者端末100A,100Bは、
図1に示したステップS7と同じ処理を実行する。そして、情報処理装置200は、
図1に示したステップS8と同じ処理を実行する。ステップS7とステップS8の処理は、前述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0026】
これにより、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者が複数の特定の特徴を有する場合の順位を予測することが可能となる。そのため、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者の属性を推測して、ターゲティング配信することが可能な利用者端末100を提供することができる。
【0027】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、利用者端末100と、情報処理装置200と、事業者端末300と、を含む。なお、
図2に示した情報処理システム1は、複数台の利用者端末100や、複数台の情報処理装置200や、複数台の事業者端末300が含まれ構成されていてもよい。利用者端末100と、情報処理装置200と、事業者端末300と、は所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。
【0028】
利用者端末100は、利用者が利用する情報処理端末である。利用者端末100は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、利用者端末100がスマートフォンである場合を示している。
【0029】
情報処理装置200は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置200は、利用者端末100からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0030】
事業者端末300は、事業者が利用する情報処理端末である。事業者端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、事業者端末300がノート型PCである場合を示している。
【0031】
〔3.利用者端末の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る利用者端末100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、利用者端末100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、記憶部140と、制御部150と、センサ部160を有する。
【0033】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の利用者端末100や情報処理装置200との間で情報の送受信を行う。
【0034】
(入力部120について)
入力部120は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部120は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部130)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部120は、利用者端末100に設けられたボタンや、利用者端末100に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0035】
(出力部130について)
出力部130は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末100は、入力部120がタッチパネルである場合は、出力部130である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部130は、スピーカーであり、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0036】
(記憶部140について)
記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部140は、利用者情報記憶部141と、センサ情報記憶部142と、モデル記憶部143を有する。
【0037】
(利用者情報記憶部141について)
利用者情報記憶部141は、利用者に関する情報、すなわち、利用者に関する個人情報である。ここで、
図4を用いて、利用者情報記憶部141が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る利用者端末の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0038】
図4に示す例において、利用者情報記憶部141は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」、という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0039】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「生年月日」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の生年月日に関する情報である。「性別」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の性別に関する情報である。「職業」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の職業に関する情報である。
【0040】
すなわち、
図4においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の生年月日が「生年月日#U1」であり、性別が「女性」であり、職業が「職業#U1」であることを示している。
【0041】
なお、利用者情報記憶部141に記憶される情報は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者の個人情報が記憶されてよい。
【0042】
(センサ情報記憶部142について)
センサ情報記憶部142は、利用者端末100のセンサ部160が計測したセンサ情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る利用者端末のセンサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0043】
図5に示す例において、センサ情報記憶部142は、「センサ種別」、「センサ情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0044】
「センサ種別」は、後述して説明する利用者端末100が備えるセンサ部160のセンサの種類を示す情報である。「センサ情報」は、利用者端末100から取得したセンサ情報を示すデータである。なお、センサ情報は時系列データであってよく、センサ情報と、センサ情報が計測された時刻が対応付けて記憶されていてよい。
【0045】
すなわち、
図6においては、センサ種別「ST#1」が示すセンサ種別のセンサが計測したセンサ情報「SD#1-1」が示すセンサ情報がセンサ情報記憶部142に記憶されていることを示している。
【0046】
なお、センサ情報記憶部142は、「センサ種別」、「センサ情報」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のセンサに関係する情報が記憶されてよい。
【0047】
(モデル記憶部143について)
モデル記憶部143は、利用者情報とセンサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶する。なお、モデルに利用者情報とセンサ情報を入力すると特定の特徴についての指標を算出する。
図6は、実施形態に係る利用者端末のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0048】
図6に示す例において、モデル記憶部143は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0049】
「モデルID」は、機械学習モデルを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「モデルデータ」は、機械学習モデルのモデルデータを示す。例えば、機械学習モデルは、ニューラルネットワークなどであってよい。
【0050】
すなわち、
図6において、モデルID「M#1」で識別されるモデルは、機械学習モデルM#1を示す。また、モデルデータ「MD#1」は、機械学習モデルM#1のモデルデータを示す。
【0051】
ここで、機械学習モデルがニューラルネットワークである場合は、モデルデータ「MD#1」には、例えば、ニューラルネットワークを構成する複数の層のそれぞれに含まれるノードが互いにどのように結合するかという結合情報や、結合されたノード間で入出力される数値に掛け合わされる結合係数などの各種情報が含まれる。
【0052】
なお、モデル記憶部143は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意の機械学習モデルに関係する情報が記憶されてよい。また、モデル記憶部143は、モデルを特定の特徴のカテゴリごとに、記憶してもよいし、モデルにカテゴリ情報を紐付けておき、カテゴリによってモデルを検索可能としてもよい。
【0053】
(制御部150について)
次に、
図3に戻って、制御部150について説明する。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、利用者端末100の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部150は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0054】
図3に示すように、制御部150は、取得部151と、算出部152と、交換部153と、分析部154と、予測部155と、通知部156と、提供部157を有する。
【0055】
(取得部151について)
取得部151は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、センサ部160が計測した計測値を示すセンサ情報を取得する。ここで、利用者情報は、利用者に関する情報、すなわち、個人情報である。取得部151は、例えば、出力部130に利用者情報の入力画面を表示させて、その入力画面を確認した利用者に利用者情報を入力させることにより、利用者情報を取得してよい。また、センサ情報は、センサ部160が計測した計測値である。取得部151は、例えば、センサ部160が計測値を計測する度にセンサ情報として取得してよい。取得部151は、利用者情報を取得したら、取得した利用者情報を利用者情報記憶部141に記憶する。また、取得部151は、センサ情報を取得したら、取得したセンサ情報をセンサ情報記憶部142に記憶する。
【0056】
(算出部152について)
算出部152は、複数のモデルを用いてモデルごとに利用者の特定の特徴についての指標を算出する。算出部152は、利用者情報とセンサ情報を入力すると、特定の特徴についての指標を算出するモデルに、利用者情報とセンサ情報を入力することによって、利用者の特定の特徴についての指標をモデルごとに算出する。なお、指標の算出に使用するモデルは、モデル記憶部143から読み出して使用し、算出部152はモデルごとに利用者の特定の特徴についての指標を算出する。また、算出部152が利用者の特定の特徴についての指標の算出に使用するモデルの数は任意の数であってよい。
【0057】
(交換部153について)
交換部153は、算出部152が算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末100との間で相互に交換する。例えば、交換部153は、算出部152が算出した特定の特徴についての指標を、通信部110を介して他の利用者端末100との間において送受信し合うことにより、他の利用者端末100との間において特定の特徴についての指標を交換してよい。なお、他の利用者端末100との通信接続は、Bluetooth(登録商標)通信や、Wi-Fi Direct(登録商標)通信により実現されてよい。また、交換部153は、一台の利用者端末100との間において、特定の特徴についての指標を交換するだけではなく、複数の利用者端末100との間において、特定の特徴についての指標を交換し合ってよい。交換部153は、他の利用者端末100との間において、特定の特徴についての指標を交換したら、受け取った特定の特徴についての指標を、記憶部140に記憶する。
【0058】
(分析部154について)
分析部154は、交換部153が交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求める。すなわち、分析部154は、交換部153が他の利用者端末100との間において交換した特定の特徴についての指標のデータが所定の量を超えた場合、例えば、20名のデータが集まった場合に、その所定の量のデータの中での順位を求める。特定の特徴は、カテゴリごとに複数定義されていることから、分析部154は、カテゴリごとに複数定義された特定の特徴ごとに順位を求めてよい。例えば、「ファッション」のカテゴリに属する「眼鏡好き」、「帽子好き」、「ジャケット好き」という特定の特徴の指標の値に基づいて、交換部153が交換したデータの中における利用者端末100の利用者の順位を求めてよい。
【0059】
(予測部155について)
予測部155は、分析部154が求めた特定の特徴の指標ごとの順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の特定の特徴の指標ごとの順位を予測する。すなわち、予測部155は、少数のデータの場合の順位から多数のデータの場合の順位を予測するといえる。予測部155は、例えば、交換部153が利用者端末間通信により蓄積した特定の特徴についての指標のデータに基づいて求めた順位に対して、その順位が利用者端末間通信により蓄積されたデータの総数の中の上位から何パーセントに当たるかを示す順位割合を計算し、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータの場合も同様の分布になるという前提のもとに、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータ総数に対して利用者端末間通信により蓄積したデータの場合の順位割合を掛けることにより、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータの場合の順位を予測してよい。
【0060】
また、予測部155は、利用者の複数の特定の特徴の指標の順位に基づいて、利用者が複数の特定の特徴に属する場合の指標に関する順位を予測する。予測部155は、例えば、他の利用者端末100との間において交換したデータに基づいて求めた特定の特徴としての「眼鏡好き」の指標の順位と、特定の特徴としての「バナナ好き」の指標の順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者U1が特定の特徴としての「眼鏡好き」かつ「バナナ好き」に属する場合の順位を予測する。この場合、予測部155は、他の利用者端末100との間において特定の特徴についての指標を交換することにより取得した特定の特徴についての指標のデータの分布と、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータの分布は同じであるとする前提に基づいて予測してよい。
【0061】
(通知部156について)
通知部156は、予測部155が予測した利用者の特定の特徴の指標についての順位を、情報処理装置200に通知する。通知部156は、通信部110を介して、情報処理装置200に順位情報を送信する。なお、通知部156は、所定の量の特定の特徴についての順位の予測値が求められてから、情報処理装置200に通知してもよいし、特定の特徴の指標の順位が予測されるごとに情報処理装置200に通知してもよい。
【0062】
(提供部157について)
提供部157は、情報処理装置200から配信されたコンテンツを利用者に提供する。例えば、提供部157は情報処理装置200から配信されたコンテンツが動画である場合、出力部130に動画を出力させてコンテンツを利用者に提供する。また、例えば、提供部157は情報処理装置200から配信されたコンテンツが音声である場合、出力部130にコンテンツの音声を出力させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。また、例えば、提供部157は情報処理装置200から配信されたコンテンツがテキストデータである場合、出力部130にテキストを表示させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。
【0063】
(センサ部160について)
センサ部160は、各種のセンサ情報を計測する計測器である。センサ部160は、例えば、位置情報センサであってもよい。位置情報センサは、利用者端末100の位置情報を計測する。位置情報センサは、例えば、GPSセンサであってよい。GPSセンサは、GPS衛星から送信される電波を受信する受信機を備える。GPSセンサは、複数のGPS衛星から送信される電波を受信し、電波を受信した時刻と、GPS衛星が電波を発信した時刻との差を用いて、GPS衛星から利用者端末100までの距離を算出することによって、利用者端末100の現在位置(例えば、緯度、及び経度)を計測する。
【0064】
センサ部160は、磁気センサであってもよい。磁気センサは、磁場(磁界)の大きさや方向を計測する。磁気センサは、磁場と電流の相互作用で電流にローレンツ力が加わり起電力が発生するホール素子のホール効果を利用したホール素子センサであってよい。また、磁気センサは、磁界の大きさに応じて電気抵抗値が変化する磁気抵抗素子を用いてホイートストンブリッジを構成する磁気抵抗センサであってもよい。
【0065】
センサ部160は、加速度センサであってよい。加速度センサは、利用者端末100の加速度を計測する。加速度センサは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により可動電極と固定電極を作り、可動電極が動くことによる静電容量の変化と加速度の関係を用いて加速度を計測する静電容量式の加速度センサであってよい。
【0066】
また、センサ部160は、ジャイロセンサであってもよい。ジャイロセンサは、利用者端末100の角速度を計測する。ジャイロセンサは、可動電極に一方向に振動する一次振動を発生させておき、可動電極に回転が加わると振動方向と90°の方向にコリオリの力が働くことにより二次振動が発生し、静電容量の変化が生じるため、これを検出する静電容量型MEMSジャイロセンサであってよい。なお、静電容量の変化と可動電極の振動位相とにより角速度を求めることができる。
【0067】
また、センサ部160は、マイクロフォンであってもよい。マイクロフォンは、空気振動である音をダイヤフラム等で受け止め、ダイヤフラム等に発生した振動を電気信号に変換する音響機器である。
【0068】
また、センサ部160は、照度センサであってもよい。照度センサは、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトダイオードにアンプ回路を追加したものなどであってよい。フォトダイオードは、PN接合した半導体に電極を付けた構造をしており、PN接合付近の空乏層に内部電界が発生する為、光が当たると出力電流が流れる。この出力電流を検出することで照度を計測する。フォトトランジスタは、フォトダイオードとトランジスタが一体化した構造をしており、フォトダイオードの出力電流をトランジスタで増幅してから出力する。フォトトランジスタは、フォトダイオードの微小な電流を増幅してから出力する為、感度を上げることができる。
【0069】
〔4.情報処理装置の構成〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置200の構成について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図7に示すように、情報処理装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230と、を有する。
【0070】
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、利用者端末100や事業者端末300との間で各種の情報の送受信を行う。
【0071】
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図7に示すように、記憶部220は、指標記憶部221と、コンテンツ記憶部222を有する。
【0072】
指標記憶部221は、利用者の特定の特徴についての指標を記憶する。情報処理装置200には、利用者端末100から利用者の同意を得て取得した利用者情報や、利用者の情報サービスの利用履歴の情報が蓄積されている。情報処理装置200は、これらのデータを特定の特徴についての指標を算出するモデルに入力して、利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出し、算出した特定の特徴についての指標を指標記憶部221に記憶する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置の指標記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0073】
図8に示す例において、指標記憶部221は、「利用者ID」、「特定の特徴Aについての指標」、「特定の特徴Bについての指標」、「特定の特徴Cについての指標」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0074】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「特定の特徴Aについての指標」は、利用者IDによって示される利用者の特定の特徴A、例えば、「眼鏡好き」について指標の値である。「特定の特徴Bについての指標」は、利用者IDによって示される利用者の特定の特徴B、例えば、「バナナ好き」について指標の値である。「特定の特徴Cについての指標」は、利用者IDによって示される利用者の特定の特徴C、例えば、「帽子好き」について指標の値である。
【0075】
すなわち、
図8においては、利用者ID「UID#1」が示す利用者の「特定の特徴Aについての指標」の値が0.1であり、「特定の特徴Bについての指標」の値が0.9であり、「特定の特徴Cについての指標」の値が0.8であるとして、指標記憶部221に記憶されていることが示されている。
【0076】
なお、指標記憶部221は、「利用者ID」、「特定の特徴Aについての指標」、「特定の特徴Bについての指標」、「特定の特徴Cについての指標」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意の特定の特徴についての指標に関係する情報が記憶されてよい。
【0077】
コンテンツ記憶部222は、事業者端末300から受け付けた事業者が入力したコンテンツを記憶する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0078】
図9に示す例において、コンテンツ記憶部222は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「特定の特徴」、「順位」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0079】
「事業者ID」は、事業者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツID」は、事業者から受け付けたコンテンツを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツデータ」は、事業者が配信を希望するコンテンツのデータである。「特定の特徴」は、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の選定基準となる利用者の特定の特徴を示す情報である。「順位」は、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の特定の特徴についての指標の順位を示す情報であり、上位数パーセントや最上位から特定の順位までという数値によって表される。
【0080】
すなわち、
図9においては、事業者ID「M1」が示す事業者から、コンテンツID「CT#1」によって識別されるコンテンツとして、コンテンツデータ「CD#1」が示すコンテンツデータが、特定の特徴「FT#1」が示す利用者の特定の特徴の指標についての順位が「RK#1」の利用者を指定して事業者端末300に入稿され、情報処理装置200の受付部231が受け付けてコンテンツ記憶部222に記憶されていることを示している。
【0081】
なお、コンテンツ記憶部222は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「特定の特徴」、「順位」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のコンテンツに関係する情報が記憶されてよい。
【0082】
制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、情報処理装置200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0083】
図7に示すように、制御部230は、受付部231と、決定部232と、配信部233を有する。
【0084】
受付部231は、事業者が事業者端末300に入力したコンテンツを受け付ける。受付部231は、事業者端末300からコンテンツを受け付けたら、受け付けたコンテンツをコンテンツ記憶部222に記憶する。なお、受付部231は、事業者がコンテンツとともに入力した要求情報も受け付ける。受付部231は、要求情報を受け付けたら、事業者が入力したコンテンツに紐付けて要求情報をコンテンツ記憶部222に記憶する。
【0085】
決定部232は、特定の特徴についての指標の順位に基づいて、コンテンツを配信する利用者の利用者端末100を決定する。例えば、事業者M1が特定の特徴としての「眼鏡好き」の指標の順位が上位5%の利用者を対象にコンテンツ配信を希望していた場合、決定部232は、「眼鏡好き」の指標の上位5%の利用者の利用者端末100にコンテンツを配信することを決定する。また、事業者M2が特定の特徴としての「バナナ好き」の指標の順位が上位10%の利用者を対象にコンテンツ配信を希望していた場合、決定部232は、「バナナ好き」の指標の上位10%の利用者の利用者端末100にコンテンツを配信することを決定する。
【0086】
配信部233は、決定部232が決定した利用者の利用者端末100にコンテンツを配信する。例えば、決定部232が利用者U1と、利用者U2をコンテンツの配信対象として決定した場合、配信部233は、事業者が入力したコンテンツをコンテンツ記憶部222から読み出して、通信部210を介して利用者U1の利用者端末100Aと、利用者U2の利用者端末100Bにコンテンツを配信する。
【0087】
〔5.事業者端末の構成〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る事業者端末300の構成について説明する。
図10は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
図10に示すように、事業者端末300は、通信部310と、入力部320と、出力部330と、制御部340と、を有する。
【0088】
通信部310は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部310は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置200との間で各種の情報の送受信を行う。
【0089】
入力部320は、事業者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部320は、事業者端末300に接続されたキーボードやマウスから事業者の各種操作を受け付けてもよい。また、入力部320は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部330)を介して事業者から各種操作を受け付けてもよい。
【0090】
出力部330は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。なお、事業者端末300の入力部320が、タッチパネルを介して事業者から各種操作を受け付ける場合は、出力部330である表示画面により利用者の入力を受け付け、さらに利用者への出力も行う。
【0091】
制御部340は、例えば、CPUやMPU等によって、事業者端末300に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部340は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0092】
図10に示すように、制御部340は、受付部341を有する。
【0093】
受付部341は、事業者からコンテンツを受け付ける。コンテンツとは、例えば、事業者の商品やサービスを広告する文字、音声、静止画像、動画像などを含むデータであってよい。例えば、受付部341は、事業者から利用者の「特定の特徴」に対応付けてコンテンツを受け付ける。すなわち、受付部341は、事業者を識別する事業者IDと、コンテンツを示すデータと、事業者がコンテンツ配信を希望する利用者の「特定の特徴」とを事業者から受け付ける。また、受付部341は、事業者がコンテンツ配信を希望する利用者の特定の特徴についての指標の「順位」を受け付けてもよい。
【0094】
〔6.情報処理のフロー〕
次に、
図11を用いて、実施形態に係る利用者端末100による情報処理の手順について説明する。
図11は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。例えば、利用者端末100は、利用者端末100に関する計測値を計測する(ステップS101)。そして、利用者端末100は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、計測するステップにおいて計測した計測値を示すセンサ情報を取得する(ステップS102)。そして、利用者端末100は、利用者情報とセンサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶する(ステップS103)。そして、利用者端末100は、複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する(ステップS104)。そして、利用者端末100は、算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末100との間で相互に交換する(ステップS105)。そして、利用者端末100は、交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求める(ステップS106)。そして、利用者端末100は、求めた順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の順位を予測する(ステップS107)。
【0095】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る利用者端末100や情報処理装置200は、例えば
図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0096】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0097】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0098】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0099】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0100】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0101】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置200として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、利用者端末100の制御部150や情報処理装置200の制御部230の機能を実現する。
【0102】
〔8.構成と効果〕
本開示に係る利用者端末100は、利用者端末100に関する計測値を計測するセンサ部160と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、センサ部160が計測した計測値を示すセンサ情報を取得する取得部151と、利用者情報とセンサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶するモデル記憶部143と、複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出する算出部152と、算出部152が算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末100との間で相互に交換する交換部153と、交換部153が交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求める分析部154と、分析部154が求めた特定の特徴の指標ごとの順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の特定の特徴の指標ごとの順位を予測する予測部155と、を備える。
【0103】
この構成によれば、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、他の利用者端末100の間において利用者の特定の特徴についての指標の値だけを送受信して、受け取った他の利用者の特定の特徴についての指標を用いて、送受信した利用者の中で特定の特徴についての指標の順位を求めて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の順位を予測することができる。そのため、利用者の個人情報を流出させることなく、利用者の特定の特徴についての指標の順位を予測することができる。
【0104】
本開示に係る利用者端末100は、予測部155が予測した利用者の特定の特徴の指標についての順位を、情報処理装置200に通知する通知部156と、情報処理装置200から配信されたコンテンツを提供する提供部157と、をさらに備える。
【0105】
この構成によれば、利用者端末100が他の利用者端末100との間の特定の特徴についての指標の送受信した結果に基づいて、予測した特定の特徴についての指標の順位を情報サービス事業者が把握して、その順位に基づいて、コンテンツを配信することができる。そのため、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、ターゲティング配信することが可能となる。
【0106】
本開示に係る利用者端末100の予測部155は、利用者の複数の特定の特徴の指標の順位に基づいて、利用者が複数の特定の特徴に属する場合の指標に関する順位を予測する。
【0107】
この構成によれば、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者が複数の特定の特徴を有する場合の順位を予測することが可能となる。そのため、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、利用者の属性を推測して、ターゲティング配信することが可能な利用者端末100を提供することができる。
【0108】
本開示に係る情報処理方法は、利用者端末100に関する計測値を計測するステップと、利用者に関する情報を示す利用者情報と、計測するステップにおいて計測した計測値を示すセンサ情報を取得するステップと、利用者情報とセンサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶するステップと、複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末100との間で相互に交換するステップと、交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求めるステップと、求めた順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の順位を予測するステップと、を含む。
【0109】
この構成によれば、利用者の個人情報を情報サービス事業者に提供することなく、他の利用者端末100の間において利用者の特定の特徴についての指標の値だけを送受信して、受け取った他の利用者の特定の特徴についての指標を用いて、送受信した利用者の中で特定の特徴についての指標の順位を求めて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の順位を予測することができる。そのため、利用者の個人情報を流出させることなく、利用者の特定の特徴についての指標の順位を予測することができる。
【0110】
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者端末100に関する計測値を計測するステップと、利用者に関する情報を示す利用者情報と、計測するステップにおいて計測した計測値を示すセンサ情報を取得するステップと、利用者情報とセンサ情報と利用者の特定の特徴との関係を学習させた複数のモデルを記憶するステップと、複数のモデルを用いて利用者ごとに特定の特徴についての指標を算出するステップと、算出した特定の特徴についての指標を他の利用者端末との間で相互に交換するステップと、交換した複数の利用者の特定の特徴についての指標に基づいて、利用者ごとに特定の特徴の指標ごとの順位を求めるステップと、求めた順位に基づいて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の利用者の順位を予測するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0111】
この構成によれば、利用者の個人情報をサーバ装置に送ることなく、他の利用者端末100の間において利用者の特定の特徴についての指標の値だけを送受信して、受け取った他の利用者の特定の特徴についての指標を用いて、送受信した利用者の中で特定の特徴についての指標の順位を求めて、情報処理装置200の特定の特徴についての指標のデータを用いた場合の順位を予測することができる。そのため、利用者の個人情報を流出させることなく、利用者の特定の特徴についての指標の順位を予測することができる。
【0112】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0113】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0114】
100 利用者端末
110 通信部
120 入力部
130 出力部
140 記憶部
141 利用者情報記憶部
142 センサ情報記憶部
143 モデル記憶部
150 制御部
151 取得部
152 算出部
153 交換部
154 分析部
155 予測部
156 通知部
157 提供部
160 センサ部
200 情報処理装置
210 通信部
220 記憶部
221 指標記憶部
222 コンテンツ記憶部
230 制御部
231 受付部
232 決定部
233 配信部
300 事業者端末
310 通信部
320 入力部
330 出力部
340 制御部
341 受付部
N ネットワーク