(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027676
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】ポンプケーシング及びポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
F04D29/44 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130664
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】大杉 洋人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利造
(72)【発明者】
【氏名】山下 英吾
(72)【発明者】
【氏名】森田 魁成
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB12
3H130AB25
3H130AB46
3H130AC30
3H130BA95A
3H130CA02
3H130CA22
3H130DF03Z
3H130EB01A
3H130EB02A
3H130EB02H
3H130EB05A
3H130EB05H
3H130ED04A
3H130ED04H
(57)【要約】
【課題】高い鋳造性を有し、汎用性が高いポンプケーシング及びポンプ装置を提供すること。
【解決手段】ポンプケーシングは、吸込口と、インペラを収容するポンプ室と、を備えるポンプケーシングであって、前記吸込口に設けられる吸込フランジと、前記吸込フランジ及び前記吸込口を連通する圧力計取付穴と、前記吸込口の内周面の、前記圧力計取付穴の前記インペラの回転方向の一次側に設けられ、前記吸込フランジ側から前記インペラ側に渡って、前記吸込口の軸方向に延びる障壁と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と、インペラを収容するポンプ室と、を備えるポンプケーシングであって、
前記吸込口に設けられる吸込フランジと、
前記吸込フランジ及び前記吸込口を連通する圧力計取付穴と、
前記吸込口の内周面の、前記圧力計取付穴の前記インペラの回転方向の一次側に設けられ、前記吸込フランジ側から前記インペラ側に渡って、前記吸込口の軸方向に延びる障壁と、
を備えるポンプケーシング。
【請求項2】
前記障壁の前記軸方向に沿った長さは、前記吸込口の端部から前記インペラのインペラマウス又は前記インペラマウスに設けられるライナリングまでの距離をLとしたときに、前記圧力計取付穴の内径よりも大きく、且つ、3L/4以下である、請求項1に記載のポンプケーシング。
【請求項3】
前記障壁の高さ方向は、前記圧力計取付穴の軸方向に沿い、
前記障壁の厚さは、5mm以上10mm以下である、請求項2に記載のポンプケーシング。
【請求項4】
前記障壁の高さは、1mm以上15mm以下である、請求項3に記載のポンプケーシング。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のポンプケーシングと、
前記ポンプケーシングに収容されるインペラと、
を備えるポンプ装置。
【請求項6】
横軸ポンプである、請求項5に記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸い込み圧力を測定できるポンプケーシング及びポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、ポンプ性能試験において、JIS規格により、吸込圧力測定箇所は、ケーシングの吸込フランジから管直径D1の2倍の距離(2D1)に設けると定められている。そして、吸込圧力測定箇所がケーシングフランジから管直径D1の2倍の距離(2D1)に設けることが困難である場合には、ケーシングの吸込フランジに設けられた圧力計取付穴から圧力を測定する。
【0003】
しかしながら、吸込フランジに設けられた圧力計取付穴で圧力を測定する場合には、少水量域において、ライナリングとインペラの隙間から旋回流が発生する等、ポンプ装置の駆動の影響により、吸込圧力が、吸込フランジから管直径D1の2倍の距離(2D1)で測定した圧力と異なり、ポンプ性能試験結果が異なる虞がある。
【0004】
このため、ケーシングの吸込口に、圧力計取付穴の軸心に対して直交する方向に延びる整流板を設けることで、旋回流の流れを阻害する技術が知られている。
【0005】
また、ライナリング部に所定角度傾斜した方向に、旋回流を防止する複数のフィンを設ける技術(例えば、特許文献1参照)や、ケーシングの吸込口に、軸方向と径方向の内側に延びる複数の整流板を設ける技術(例えば、特許文献2参照)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-92565号公報
【特許文献2】特開2003-201999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、圧力計取付穴の軸心に対して直交する方向に延びる整流板を設ける技術では、鋳造性が悪く、また、回転軸を延長すると整流板に干渉する虞があり、ポンプ装置の汎用性が低下する虞がある。
【0008】
特許文献1の技術では、複数のフィンを設ける必要が有ることから、製造工程数の増加やコストアップの問題が有る。特許文献2の技術では、鋳造性が悪く、また、コストアップや汎用性の低下の虞や、大水量が出にくくなる虞がある。
【0009】
そこで本発明は、高い鋳造性を有し、汎用性が高いポンプケーシング及びポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態に係るポンプケーシングは、吸込口と、インペラを収容するポンプ室と、を備えるポンプケーシングであって、前記吸込口に設けられる吸込フランジと、前記吸込フランジ及び前記吸込口を連通する圧力計取付穴と、前記吸込口の内周面の、前記圧力計取付穴の前記インペラの回転方向の一次側に設けられ、前記吸込フランジ側から前記インペラ側に渡って、前記吸込口の軸方向に延びる障壁と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高い鋳造性を有し、汎用性が高いポンプケーシング及びポンプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るポンプ装置の構成を示す部断面図。
【
図2】同ポンプ装置のポンプの構成を拡大して示す断面図。
【
図3】同ポンプに用いられるポンプケーシングの吸込口の構成を示す正面図。
【
図4】同ポンプ装置の評価試験の結果を示す説明図。
【
図5】同ポンプ装置の評価試験の結果を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るポンプ装置1及びインペラ33の構成について、
図1乃至
図3を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るポンプ装置1の構成を示す部分断面図である。
図2は、ポンプ装置1のポンプ12の構成を拡大して示す断面図であり、
図3は、ポンプ12に用いられるポンプケーシング31の吸込口311の構成を示す正面図である。
【0014】
図1に示すように、ポンプ装置1は、例えば、モータ11と、ポンプ12と、軸継手13と、軸カバー14と、を備える。ポンプ装置1は、例えば、モータ11及びポンプ12を固定するベース15を備える。
図1に示す例では、ポンプ装置1は、横軸ポンプであるが、縦軸ポンプであっても良い。
【0015】
モータ11は、モータケーシング21と、モータケーシング21に収容される固定子と、固定子により回転する回転子と、回転子に固定されるモータ軸22と、を備える。モータ11は、ポンプ12に接続され、モータ軸22が回転することで、ポンプ12を駆動する。モータケーシング21は、ベース15に固定される。モータ軸22は、軸継手13を介してポンプ12に接続される。
【0016】
ポンプ12は、ポンプケーシング31と、ケーシングカバー32と、インペラ33と、回転軸34と、を備える。また、ポンプ12は、1つ又は2つのライナリング35と、メカニカルシール等の軸封部材36と、を備える。ポンプ12は、軸継手13を介して回転軸34がモータ軸22に接続される。ポンプ12は、インペラ33を単数有する単段ポンプであってもよく、また、インペラ33を複数有する多段ポンプであってもよい。
【0017】
ポンプケーシング31は、例えば、ベース15に固定される。ポンプケーシング31は、ポンプ室31aを内部に有し、インペラ33を収容する。ポンプケーシング31は、吸込口311及び吐出口315を有する。ポンプケーシング31は、例えば、軸方向で一端側に吸込口311が配置され、軸方向で他端側にインペラ33を挿入可能な開口31cが形成される。また、ポンプケーシング31の周面、例えば、上端には、吐出口315が配置されるとともに、下端に、ベース15に固定する脚部が形成される。
【0018】
吸込口311は、ポンプ室31aと連通する。吸込口311は、吸込フランジ312と、圧力計取付穴313と、障壁314と、を備える。吸込口311は、例えば、吸込フランジ312に配管が接続される。吸込口311は、例えば、吸込フランジ312側からポンプ室31a側に向かって、内径が漸次拡径する。
【0019】
吸込フランジ312は、配管99のフランジ99aを固定するためのボルト孔312aが複数形成される。
【0020】
圧力計取付穴313は、吸込口311の軸方向に対して直交する方向に延びる開口である。また、圧力計取付穴313は、圧力計を接続可能に、吸込フランジ312の外周面側に雌ネジが形成される。圧力計取付穴313は、吸込フランジ312が設けられる部位に形成され、吸込口311の内面及び吸込フランジ312の外面を連通する。また、圧力計取付穴313は、例えば、横軸ポンプであるポンプ装置1の重力方向(上下方向)で吸込口311の中心を通る水平方向に延びる。
【0021】
障壁314は、吸込口311の内周面に一体に形成される。障壁314は、吸込口311の軸方向に沿って一方向に長い突起である。障壁314は、
図3に矢印で示すインペラ33の回転方向で、圧力計取付穴313の一次側に設けられる。例えば、障壁314の長手方向は、吸込口311の軸方向に沿って延び、障壁314の長手方向と直交する高さ方向は、吸込口311の内周面から圧力計取付穴313の軸方向(水平方向)に沿って延びる。また、長手方向(吸込口311の軸方向)において、障壁314の吸込フランジ312側の端部は、吸込口311及び圧力計取付穴313の間に配置され、そして、障壁314のポンプ室31a側の端部は、圧力計取付穴313及びインペラ33の後述するインペラマウス42a(ライナリング35)の間に設けられる。
【0022】
次に、具体例として、障壁314の構成の好適な一例を説明する。障壁314の厚さをA、障壁314の高さをB、障壁314及び圧力計取付穴313の距離をC、障壁314の長さをDとする。障壁314の厚さAとは、障壁314の高さ方向及び長手方向のそれぞれに直交する方向の幅である。障壁314の高さBとは、障壁314の吸込口311の内周面であって、且つ、圧力計取付穴313側の端部から、水平方向における先端までの幅である。障壁314及び圧力計取付穴313の距離Cとは、重力方向(上下方向)において、圧力計取付穴313の上端及び障壁314の下端の距離である。障壁314の長さDとは、水平方向であって、且つ、吸込口311の軸方向に沿った方向の幅である。
【0023】
また、軸方向における、吸込口311の開口する端部からインペラマウス42a(ライナリング35が設けられる場合には、ライナリング35)までの距離をLとする。
【0024】
障壁314の厚さAは、5mm以上10mm以下に設定される。障壁314の高さBは、1mm以上15mm以下に設定される。障壁314及び圧力計取付穴313の距離Cは、10mm以内に設定される。障壁314の長さDは、圧力計取付穴313の内径よりも大きく、且つ、3L/4以下に設定される。
【0025】
例えば、口径がΦ80のポンプ装置1における障壁314の一例としては、厚さAが5mm、高さBが7mm、距離Cが2mm、長さDが45mmに設定される。
【0026】
吐出口315は、吐出フランジ316を備える。吐出口315は、例えば、ポンプ室31a側から吐出フランジ316側に向かって、内径が漸次拡径する。
【0027】
ケーシングカバー32は、ポンプケーシング31の開口31cを覆う。ケーシングカバー32は、回転軸34を挿入可能、且つ、軸封装置を取り付け可能に形成される。
【0028】
図2に示すように、インペラ33は、主板41と、側板42と、複数の羽根43と、を備える。インペラ33は、例えば、鋳造により形成される。なお、インペラ33は、金属材料をプレス加工することで形成された主板41、側板42及び複数の羽根43をレーザ溶接により一体に組みたてられた、所謂プレスインペラであってもよく、樹脂成型により形成さえる樹脂インペラであってもよい。
【0029】
主板41は、シュラウドである。主板41は、円板状に形成される。主板41は、中央にボス及び回転軸34が固定可能な開口41aを有する。側板42は、シュラウドであり、中央に形成されたインペラマウス42aを有する円板状に形成される。
【0030】
複数の羽根43は、例えば、周方向に等間隔に配置される。羽根43は、一以上の曲率中心を有する所定の曲率半径で湾曲する。複数の羽根43は、軸方向(主板41及び側板42の対向方向)に沿って延びる所謂二次元形状であってもよく、また、軸方向に対して傾斜する所謂三次元形状であってもよい。
【0031】
回転軸34は、一端側にインペラ33を固定する。回転軸34は、ケーシングカバー32から外部へと配置され、他端側に軸継手13が設けられる。
【0032】
ライナリング35は、ポンプケーシング31とインペラ33との間に設けられる。具体例として、ライナリング35は、ポンプケーシング31に固定される。ポンプケーシング31に固定されたライナリング35は、インペラ33のインペラマウス42aと所定の隙間を空けて対向する。なお、ライナリング35は、さらに、ケーシングカバー32及びインペラ33の間に設けられていても良い。
【0033】
メカニカルシール36は、回転軸34とケーシングカバー32との間を軸封する。
【0034】
軸継手13は、モータ軸22及び回転軸34を接続する。
【0035】
軸カバー14は、モータ軸22、回転軸34及び軸継手13を覆う。例えば、軸カバー14は、ポンプケーシング31及びモータ11に固定される。また、軸カバー14内には、回転軸34を回転可能に軸支する複数の軸受け部材51を有する。
【0036】
ベース15は、ポンプ装置1の設置個所に固定される。ベース15は、ネジ穴を複数有し、モータ11、ポンプ12及び軸カバー14をボルト等の締結部材によって固定可能に形成される。
【0037】
このように構成されたポンプケーシング31を用いたポンプ装置1によれば、障壁314を設けることで、圧力計取付穴313に圧力計を取り付けて吸込圧力測定した場合と、JIS規格に基づいて吸込圧力を測定した場合に、同じ圧力を測定できるとともに、高さBが低くて良いことから、高い鋳造性や汎用性を得ることができる。
【0038】
以下、実施形態の評価試験の結果を示す。評価試験としては、実施形態として、障壁314を設け圧力計取付穴313(測定位置H1)における吸込圧力の測定を行った。ポンプ装置は、口径Φ80とし、障壁314は、厚さAが5mm、高さBが7mm、距離Cが2mm、長さDが45mmとした。
【0039】
また、実施形態と比較するために、比較例1として、JIS規格に基づいた吸込フランジ312から配管99の管径(内径)ΦD1の2倍の測定位置2D1における吸込圧力の測定を行った。また、実施形態と比較するために、比較例2として、障壁314を有さず、従来のポンプ装置のように、吸込口311に
図2及び
図3中、二点鎖線で示す整流板80を設けて測定位置H1で吸込圧力の測定を行った。なお、比較例1及び比較例2においては、ポンプ装置は、実施形態と同じ口径Φ80とし、障壁314を有さないポンプケーシングを用いた。
【0040】
なお、比較例1は、JIS規格に基づく吸込圧力の測定位置2D1であることから、測定位置2D1で測定した吸込圧力を基準圧力とし、この測定位置2D1で測定した吸込圧力(基準圧力)から乖離した圧力値に基づいて、評価を行った。
【0041】
図4及び
図5に示すように、基準の吸込圧力となる測定位置2D1で測定した吸込圧力(締切全揚程)は、35mであった。これに対し、比較例2のように、障壁314を有さない構成とし、測定位置H1で測定した吸込圧力(締切全揚程)は、31.5mと、基準圧力に比べて3.5m乖離したことが分かる。これは、ライナリング35により生じる旋回流が圧力計取付穴313に入ることが要因と考えられる。
【0042】
一方で、実施形態の障壁314を有する構成の場合に、測定位置H1で測定した吸込圧力(締切全揚程)は35mと、基準圧力に対して乖離が生じなかった。これは、障壁314により、旋回流が圧力計取付穴313に旋回流が入ることを抑制できたためと考えられる。また、
図5に示すように、比較例1と実施形態は、駆動電流、磁区動力、効率及び全揚程が、殆ど相違ない値となっており、このため、実施形態の障壁314を圧力計取付穴313の一次側に設けたポンプケーシング31を用いることで、測定位置H1で吸込圧力を測定しても、JIS規格に準じた測定位置2D1で測定した場合に比べ、ポンプ性能試験結果が異なることを抑制できる。
【0043】
また、
図2及び
図3に示す従来の技術の整流板80と比べても、実施形態に係るポンプケーシング31の障壁314は、高さBが低くてよい。よって、障壁314を有するポンプケーシング31は、鋳造における湯の流れがよく、高い鋳造性を得ることができるとともに、材料を整流板80よりも低減できることから、コストを抑制することができる。また、高さBが低くて良いことから、回転軸34の長さを長くしても、回転軸34と障壁314とが干渉することを防止できるため、ポンプ装置1は、高い汎用性を有する。
【0044】
上述したように本実施形態に係るポンプケーシング31及びポンプケーシング31を用いたポンプ装置1によれば、障壁314を設けることで、圧力計取付穴313(測定位置H1)で吸込圧力を測定しても、JIS規格に準じた測定位置2D1で測定した吸込圧力と乖離することを抑制できるとともに、高い鋳造性及び高い汎用性を有することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。上述した例では、インペラ33のインペラマウス42a及びポンプケーシング31の間にライナリング35を設ける構成を説明したが、これに限定されない。例えば、ポンプ装置1は、インペラマウス42aの外周面とポンプケーシング31の間を所定の隙間とし、ライナリング35を設けない構成としてもよい。このようなポンプ装置1においても、ポンプケーシング31及びインペラマウス42aの間から生じた旋回流が圧力計取付穴313に入ることを障壁314で抑制することができる。
【0046】
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0047】
1…ポンプ装置、11…モータ、12…ポンプ、13…軸継手、14…軸カバー、15…ベース、21…モータケーシング、22…モータ軸、31…ポンプケーシング、31a…ポンプ室、31c…開口、32…ケーシングカバー、33…インペラ、34…回転軸、35…ライナリング、36…軸封部材、41…主板、41a…開口、42…側板、42a…インペラマウス、43…羽根、51…軸受け部材、80…整流板、99…配管、99a…フランジ、311…吸込口、312…吸込フランジ、312a…ボルト孔、313…圧力計取付穴、314…障壁、315…吐出口、316…吐出フランジ、D1…管直径、2D1…測定位置、H1…測定位置。