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特開2024-27687情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027687
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240222BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240222BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06T7/00 600
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130683
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 友裕
(72)【発明者】
【氏名】木村 春香
(72)【発明者】
【氏名】吉橋 亮太
(72)【発明者】
【氏名】飯草 明
(72)【発明者】
【氏名】田中 智大
【テーマコード(参考)】
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L096DA02
5L096FA64
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】広告画像に利用されるロゴ画像が適切であるか否かを判定すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、ロゴ画像を含む広告画像を受け付ける受付部と、受付部によって受け付けられた広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロゴ画像を含む広告画像を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
複数の判定項目それぞれに基づいて、前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定し、
前記出力部は、
前記判定部による複数の判定項目それぞれの判定結果を出力すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記ロゴ画像のクリアスペースに関する判定項目に基づいて、前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記ロゴ画像の縦横比に関する判定項目に基づいて、前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記ロゴ画像のサイズの下限値に関する判定項目に基づいて、前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記ロゴ画像と背景とのコトンラストに関する判定項目に基づいて、前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ロゴ画像を含む広告画像を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって受け付けられた前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程による判定結果を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
ロゴ画像を含む広告画像を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順による判定結果を出力する出力手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどのネットワークを介した広告配信が盛んに行われている。かかる広告配信を行うにあたり、例えば、ウェブページに掲載する広告であるコンテンツの入稿を広告主から受け付け、受け付けた広告が配信にふさわしい適切なものであるか否かを審査する技術が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-177600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、広告画像に利用されるロゴ画像が適切であるか否かを判定することについては考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広告画像に利用されるロゴ画像が適切であるか否かを判定することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、ロゴ画像を含む広告画像を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた前記広告画像に含まれる前記ロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、広告画像に利用されるロゴ画像が適切であるか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報提供処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るテンプレート情報記憶部の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るルール情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るテンプレートマッチングの概念図である。
図6図6は、実施形態に係る端末装置に表示される確認画面の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る変色判定の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の概要〕
図1は、実施形態に係る情報提供処理の一例を示す図であり、本実施形態においては情報処理装置1により情報処理方法が実行される。
【0011】
図1に示すように、情報処理装置1は、利用者Uによって用いられる端末装置2と通信可能に接続されており、端末装置2との間で情報の送受信を行う。なお、情報処理装置1は、複数の利用者Uによって利用される複数の端末装置2それぞれと情報の送受信を行うことも可能である。
【0012】
端末装置2は、利用者Uが使用する端末装置であり、例えば、ノートPC(Personal Computer)またはデスクトップPCであるが、スマートフォンまたはタブレットなどであってもよい。例えば、利用者Uは、各広告クリエイターが創作した広告画像の審査などの広告画像に関する業務を担う管理者である。例えば、広告クリエイターは、広告画像を制作過程において、制作依頼元となる企業のロゴ画像を用いる際、操作ミスなどにより、ロゴ画像の縦横比が変化する、あるいは、ロゴの色が変色したりする場合など基準を満たさないロゴが使用されるケースがある。また、他の例として、例えば、制作依頼元となる企業が設定したロゴ画像に関する基準がロゴ画像の背景が無地であるにもかかわらず、例えば、ロゴ画像の背景に模様が含まれるなどのケースも考えられる。
【0013】
情報処理装置1は、利用者Uの端末装置2から広告画像を受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置1は、端末装置2へ提供するアプリケーションあるいはWebブラウザを通じて、端末装置2から広告画像を受け付ける。
【0014】
ここで、端末装置2には、図1に示すような広告画像に関する受付画面G1が表示される。図1に示すよう、受付画面G1には、広告画像の画像ファイルをアップロードするアップロード領域と、アップロードする広告画像に含まれるロゴ画像の種別および数量を入力する入力領域とを有する。
【0015】
利用者Uが、アップロード領域へ広告画像の画像ファイルをアップロードすることで、情報処理装置1は、端末装置2からアップロードされた広告画像の画像ファイルを受け付けることができる。
【0016】
この際、例えば、情報処理装置1は、広告画像が表示される表示媒体や端末の種別(PCやスマートフォン)に応じて、複数の広告画像を1つの画像ファイルとして受け付けることができる。すなわち、情報処理装置1は、1つのキャンペーンに紐づいた複数の広告画像を1つの画像ファイルとして受け付けることができる。
【0017】
また、利用者Uは、入力領域に対し各広告画像に含まれるロゴ画像の種別および数量を種別毎に入力する。これにより、情報処理装置1は、ロゴ画像の種別および数量を容易に認識することができる。ここで、ロゴ画像とは、消費者がブランドを区別するために用いられる画像であり、文字、図形、記号、イラストなどが含まれる。
【0018】
情報処理装置1は、広告画像および広告画像に含まれるロゴ画像の種別および数量に関する情報を受け付けると、各広告画像からロゴ画像が表示される表示位置を特定する(ステップS2)。
【0019】
詳細については、後述するが、情報処理装置1は、利用者Uによって入力されたロゴ画像の種別のテンプレート画像を用いた2段階のテンプレートマッチングによってロゴ画像の表示位置を特定することができる。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、特定した表示位置のロゴ画像について、ロゴ画像に関するルール判定を行う(ステップS3)。ここでのルール判定は、広告画像に含まれるロゴ画像が広告画像として表示する際の基準を満たしているかを判定するものである。
【0021】
例えば、広告画像に含まれるロゴ画像が基準を満たしていない場合には、消費者が広告画像からブランドを特定できない場合や、ブランドイメージを毀損するおそれがある。そのため、情報処理装置1は、例えば、広告画像に含まれるロゴ画像が予め指定されたルールを満たすか否を判定する。なお、かかるルールは、管理者である利用者Uなどによって予め設定可能であるが、例えば、所定の規約などをWeb上からダウンロードして設定することも可能である。
【0022】
後述するように、情報処理装置1は、複数の判定項目に基づいて、広告画像に含まれるロゴ画像が予め指定されたルールを満たすか否を判定し、判定項目それぞれの判定結果を端末装置2へ出力する(ステップS4)。
【0023】
そして、端末装置2は、情報処理装置1から受け取った判定結果を表示することになる。例えば、端末装置2には、判定結果を示す通知画面G2が表示される。通知画面G2には、広告画像に含まれるロゴ画像毎に、各チェック項目に関する判定結果が表示される。
【0024】
つまり、利用者Uは、通知画面G2によってどのロゴ画像がどのチェック項目を遵守しているか、あるいは、違反しているかを容易に把握することができる。
【0025】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否を判定し、判定結果を出力する。これにより、実施形態に係る情報処理装置1によれば、広告画像に利用されるロゴ画像が適切であるか否かを判定することができる。
【0026】
〔2.情報処理装置の構成例〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0027】
(通信部10)
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部10は、ネットワークと有線又は無線で接続される。
【0028】
(記憶部11)
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部11は、テンプレート情報記憶部20と、ルール情報記憶部21とを有する。
【0029】
(テンプレート情報記憶部20)
テンプレート情報記憶部20は、テンプレート情報を記憶する。テンプレート情報は、広告画像に含まれるロゴ画像を抽出するためのテンプレート画像に関する情報である。図3は、実施形態に係るテンプレート情報記憶部20の一例を示す図である。
【0030】
図2に示すように、実施形態に係るテンプレート情報記憶部20は、「画像ID」、「画像情報」および「スケール設定」といった項目を有する。「画像ID」は、各ロゴ画像に対応するテンプレート画像を識別するための識別子である。
【0031】
「画像情報」は、テンプレート画像の画像情報である。例えば、テンプレート情報記憶部20には、画像ID毎にそれぞれ異なる画像情報を記憶することになる。「スケール設定」は、画像IDによって識別される画像情報をテンプレート画像として用いる際のスケール(縮尺)に関する設定である。
【0032】
図3に示すように、スケール設定は、第1粒度および第2粒度それぞれで異なる設定となる。図3に示す例では、第1粒度においては、縮尺が25%刻みであり、第2粒度においては、縮尺が0.1%刻みである場合を示す。すなわち、第1粒度に比べて第2粒度は、より細かい粒度でスケールが調整されることになる。
【0033】
(ルール情報記憶部21)
ルール情報記憶部21は、ルール情報を記憶する。ルール情報は、広告画像に含まれるロゴ画像が広告画像として表示する際の基準を満たしているかを判定する際に利用するルールに関する情報である。
【0034】
図4は、実施形態に係るルール情報記憶部21の一例を示す図である。図4に示すように、ルール情報記憶部21は、「ルールID」、「概要」および「判定手法」などといった項目を有する。
【0035】
「ルールID」は、各ルールを識別するための識別子である。「概要」は、対応するルールIDによって識別されるルールの概要である。「判定手法」は、対応するルールIDによって識別されるルールを判定するための手法(例えば、アルゴリズム)である。
【0036】
図4に示すように、ルールID「R1」によって識別されるルールの概要は、「ホワイトスペースが十分か」であり、判定手法「#1」によって判定することを示す。ここでのホワイトスペースとは、ロゴ画像と広告画像の背景との間の余白(クリアスペース)を示す。
【0037】
また、ルールID「R2」によって識別されるルールの概要は、「縦横比に問題ないか」であり、判定手法「#2」によって判定することを示す。すなわち、ルールID「R2」では、広告画像に含まれるロゴ画像のアスベスト比が適切な範囲内かを判定する。例えば、テンプレート画像のアスペクト比を「A」、広告画像に含まれるロゴ画像のアスベスト比を「B」とする場合、「(A-B)/A」の絶対値となるスコアを用いて判定することができる。
【0038】
また、ルールID「R3」によって識別されるルールの概要は、「ロゴサイズが小さすぎないか」であり、判定手法「#3」によって判定することを示す。すなわち、ルールID「R3」では、広告画像に含まれるロゴ画像が基準値よりも小さくないか否かを判定する。例えば、ロゴ画像の幅および高さが12ピクセル以下など所定の基準値を満たすか否を判定する。
【0039】
また、ルールID「R4」によって識別されるルールの概要は、「ロゴに使用されている色が変色されていないか」であり、判定手法「#4」によって判定することを示す。すなわち、広告画像に含まれるロゴ画像が変色していないかを判定する。なお、判定手法「#4」の具体例については、図7を用いて後述する。
【0040】
また、ルールID「R5」によって識別されるルールの概要は、「ロゴの色が適切か」であり、判定手法「#5」によって判定することを示す。例えば、ロゴ画像に含まれるテキスト等の色(RGB値)が所定の値であるか否かを判定する。
【0041】
また、ルールID「R5」によって識別されるルールの概要は、「背景色との明度差が十分か」であり、判定手法「#5」によって判定することを示す。また、ルールID「R6」によって識別されるルールの概要は、「背景色との色差が十分か」であり、判定手法「#6」によって判定することを示す。
【0042】
すなわち、ルールID「R5」やルールID「R6」では、広告画像に含まれるロゴ画像と、その背景とのコントラストが適切か否かを判定する。例えば、判定手法「#5」では、ロゴ画像のテキストおよび背景をそれぞれについて、255階級のRGB値から「((R×299)+(G×587)+(B×144))/10000」を算出し、その差が所定値(例えば、125)以上であればOK、所定値未満であればNGとして判定する。
【0043】
例えば、判定手法「#6」では、ロゴ画像のテキストおよび背景のRGB値に基づいて、それぞれ最大値(maxR、maxG、maxB)および最小値(minR、minG、minB)とした場合に、「(maxR-minR)+(maxG-minG)+(maxB-minB)」を算出し、その差が所定値(例えば、500)以上であればOK、所定値未満であればNGとして判定する。なお、図4に示す各ルールは、一例であって、これに限定されるものではない。
【0044】
(処理部12)
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部12は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0045】
図2に示すように、処理部12は、受付部30と、抽出部31と、特定部32と、判定部33と、出力部34とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、処理部12が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0046】
(受付部30)
受付部30は、ロゴ画像を含む広告画像を受け付ける。例えば、受付部30は、利用者Uの端末装置2から通信部10を介してロゴ画像を含む広告画像を受け付ける。この際、受付部30は、ロゴ画像の種別およびその数量に関する情報を受け付ける。
【0047】
なお、受付部30は、例えば、広告画像が実際に表示される各種WebページをWebから取得するようにしてもよい。すなわち、受付部30は、入稿前の広告画像のみならず、入稿後の広告画像を受け付けるようにしてもよい。
【0048】
また、受付部30は、例えば、利用者Uの端末装置2からロゴ画像のテンプレート画像や、ロゴ画像に関する各種ルール情報を受け付ける。例えば、テンプレート画像は、テンプレート情報としてテンプレート情報記憶部20に格納され、ルール情報は、ルール情報記憶部21に格納される。
【0049】
また、受付部30は、後述するように、利用者Uからロゴ画像のロゴ領域あるいは表示位置を指定する入力操作を受け付けることも可能であるが、この点については図6を用いて後述する。
【0050】
(抽出部31)
抽出部31は、受付部30によって受け付けられた広告画像に対し、第1粒度のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングによって、ロゴ画像が含まれるロゴ領域を抽出する。
【0051】
例えば、抽出部31は、受付部30によって受け付けられたロゴ画像の種別のテンプレート画像を第1粒度に設定された粒度に設定したうえで、各粒度のテンプレート画像を用いて、テンプレート画像を1ピクセルずつずらしてピクセル毎に類似度に関するスコアを算出する。
【0052】
そして、抽出部31は、例えば、ピクセル毎の類似度に関するスコアを示すヒートマップを生成する。その後、抽出部31は、例えば、ヒートマップから利用者Uが入力した数量に基づき、上位N個のロゴ領域を抽出する。なお、ロゴ領域の抽出については、テンプレートマッチングに限定されず、例えば、各種機械学習によって生成されたモデルに広告画像を入力することで行うようにしてもよい。
【0053】
(特定部32)
特定部32は、抽出部31によって抽出されたロゴ領域に対し、第1粒度よりも細かい第2粒度のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングによって、ロゴ画像の表示位置を特定する。
【0054】
具体的には、特定部32は、抽出部31によってロゴ領域の抽出に利用されたテンプレート画像のスケールを第2粒度に設定し、ロゴ領域を対象として、テンプレートマッチングを行う。そして、特定部32は、類似に関するスコアが最も高い、あるいは、所定値を超える領域をロゴ画像の表示位置として特定する。
【0055】
ここで、抽出部31および特定部32によるテンプレートマッチングについて図5を用いて説明する。図5は、実施形態に係るテンプレートマッチングの概念図である。図5に示すように、抽出部31が第1粒度のテンプレートマッチングで広告画像100からロゴ領域110を抽出したとする。
【0056】
この場合、特定部32は、ロゴ領域110を第2粒度のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングの対象領域として、ロゴ領域以外の領域を第2粒度の対象領域から除外する。
【0057】
つまり、特定部32は、ロゴ領域110に限定して、第1粒度よりも細かい第2粒度のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行うことで、広告画像100すべての領域を対象として第2粒度のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行う場合に比べて処理負荷、処理時間の削減を図ることができる。
【0058】
このように、処理部12は、第1粒度および第1粒度よりも細かい第2粒度のテンプレート画像を用いた、2段階のテンプレートマッチングを行うことによって、テンプレートマッチングに関する処理負荷を抑えつつ、ロゴ画像の表示位置を精度よく特定することができる。
【0059】
その後、処理部12は、後述する判定部33による処理に先立って、利用者Uに対し表示位置の確認を求める。図6は、実施形態に係る端末装置2に表示される確認画面の一例を示す図である。
【0060】
図6に示すように、利用者Uの端末装置2には、確認画面200が表示される。例えば、確認画面200には、処理部12によって認識された表示位置に関する認識領域を矩形で囲った広告画像が表示される。
【0061】
利用者Uは、認識領域と実際のロゴ画像に乖離がなければ、すなわち、処理部12がロゴ画像の表示位置を適切に認識していた場合には、後段の判定部33による処理の開始を求めることができる。
【0062】
一方で、図6に示すように、認識領域と、実際のロゴ画像とが乖離する場合には、利用者Uは、端末装置2を操作し、入力画面210への画面遷移を求めることになる。入力画面210では、利用者Uは、各種入力デバイスを用いた入力操作に応じて、ロゴ画像の表示位置を矩形で囲うことになる。
【0063】
これらの情報は、利用者Uの端末装置2から処理部12の受付部30へ送信され、再度、処理部12は、利用者Uが指定した領域について、再度、テンプレートマッチングを行う。
【0064】
そして、これらの処理を経て、利用者Uによる目視チェックを終えると、処理部12は、後段の判定部33による処理を開始することになる。つまり、利用者Uによる目視チェックを経ることにより、ロゴ画像の取りこぼしを未然に防ぐことができる。
【0065】
(判定部33)
判定部33は、受付部30によって受け付けられた広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する。例えば、判定部33は、特定部32によって特定されたロゴ画像の表示位置を対象として、ルール情報記憶部21に登録された各判定手法(アルゴリズム)を用いて、広告画像に含まれるロゴ画像がルールを満たすか否を判定する。
【0066】
判定部33は、ルールID「R1」~ルールID「R7」に設定された各判定手法を用い、それぞれの判定項目について広告画像に含まれるロゴ画像がルールを満たすか否を判定する。
【0067】
ここで、ルールID「R4」に対応する変色判定の判定手法について図7を用いて説明する。図7は、実施形態に係る変色判定の一例を示す図である。図7に示すように、テンプレート画像およびロゴ画像について、それぞれの背景色を除去したうえで、RGBの出現頻度に関するヒストグラムを生成する(ステップS21)。
【0068】
ここで、背景色の除去に関し、まず、判定部33は、テンプレート画像に対し、ロゴ画像の背景色を所定のツール(スポイトツールなど)を用いて登録することで、テンプレート画像およびロゴ画像の背景色を統一する。
【0069】
つづいて、判定部33は、背景色に関するRGB値を例えば(-1、-1、-1)など画像に使用されていない値に置換する。これにより、テンプレート画像およびロゴ画像それぞれの背景色を除去することができる。
【0070】
そして、判定部33は、背景色を除去したテンプレート画像およびロゴ画像それぞれの各ピクセルのRGB値に関する頻度に関するヒストグラムを生成する。そして、判定部33は、それぞれのヒストグラムにおいて、出現頻度が最も高いRGB値を比較することで、変色判定を行う(ステップS22)。
【0071】
具体的には、判定部33は、それぞれのヒストグラムにおいて、出願頻度最も高いRGB値が一致する場合、ロゴ画像が変色していないと判定し、出願頻度最も高いRGB値が一致しない場合、ロゴ画像が変色していると判定する。すなわち、テンプレート画像の出願頻度が最も高いRGB値(r1,g1、b1)と、ロゴ画像の出願頻度が最も高いRGB値(r2,g2、b2)とが一致していれば、変色無し、一致していなければ変色有りと判定する。
【0072】
そして、判定部33は、変色判定を含む各判定項目について判定処理を行い、その結果を出力部34へ渡す。なお、判定部33は、例えば、学習済みモデルを用いた判定処理によって、ロゴ画像に関する各種判定を行うようにしてもよい。さらに、学習済みモデルとして説明可能AIを用いるようにしてもよい。
【0073】
(出力部34)
出力部34は、判定部33による判定結果を出力する。例えば、出力部34は、判定部33による判定結果に基づいて、各判定項目の判定結果を含む通知画面G2(図1参照)に関する各種情報を生成する。
【0074】
そして、出力部34は、生成した通知画面G2に関す各種情報を利用者Uの端末装置2へ出力する。例えば、図1に示したように、通知画面G2においては、広告画像に含まれる各ロゴ画像がどのルールを遵守し、どのルールに違反しているかチェックツールを用いて通知することができる。
【0075】
つまり、利用者Uは、どのルールに違反しているかを容易に把握することができるので、ロゴ画像に関する改善を容易にすることが可能となる。なお、出力部34は、例えば、いずれかのルールに違反しているロゴ画像についてはルールに遵守したロゴ画像へ置換した提案画像を出力するようにしてもよい。
【0076】
〔3.処理フロー〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報処理装置1の処理部12によって実行される。
【0077】
図8に示すように、情報処理装置1は、例えば、利用者Uの端末装置2からロゴ画像を含む広告画像を受け付ける(ステップS101)。つづいて、情報処理装置1は、広告画像から第1粒度のテンプレート画像を用いて、ロゴ領域を抽出する(ステップS102)。
【0078】
つづいて、情報処理装置1は、抽出したロゴ領域に対し、第2粒度のテンプレート画像を用いて、ロゴ画像の表示位置を特定する(ステップS103)。つづいて、情報処理装置1は、利用者Uの端末装置2へ表示位置に関する確認画面を表示する(ステップS104)。
【0079】
つづいて、情報処理装置1は、確認画面の表示結果に基づいて、利用者Uから表示位置を修正する入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。情報処理装置1は、入力操作を受け付けた場合(ステップS105;Yes)、当該入力操作によって指定された領域を対象として、ステップS102の処理へ移行する。
【0080】
また、情報処理装置1は、入力操作を受け付けなかった場合、すなわち、表示位置に関する利用者Uによる目視チェックを通過した場合(ステップS105;No)、各判定項目についてロゴ画像の判定を行う(ステップS106)。
【0081】
そして、情報処理装置1は、利用者Uの端末装置2に対し判定結果を出力し、処理を終了する。
【0082】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、広告画像を対象としてロゴ画像に関する判定を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ブランド商品が掲載された商品画像から当該ブランド品が正規品であるか海賊品であるかを判定するようにしてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、ロゴ画像の種別や数量を利用者Uが入力する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置1は、広告画像からロゴ画像の種別および数量を各種機械学習によって生成されたモデルを用いて推定するようにしてもよい。この場合、情報処理装置1は、例えば、ロゴ領域の抽出までの一連の処理に関しモデルを用いて行い、ロゴ画像の表示位置の特定処理については、テンプレートマッチングを行うようにしてもよい。
【0084】
また、上記の例に限定されず、情報処理装置1は、広告画像からロゴ画像の種別および数量の推定処理、ロゴ領域の抽出処理、および、ロゴ画像の表示位置の特定処理を含む一連の処理を各種機械学習によって生成されたモデルを用いて行うようにしてもよい。また、この際、情報処理装置1は、ロゴ領域の抽出移行の各処理については、モデルを用いて推定した数量よりも多めに数量を設定して行うようにしてもよい。これにより、例えば、モデルによってロゴ領域が実際数量よりも少なく推定された場合であっても、適切な数量のロゴ領域を抽出することができる。
【0085】
〔5.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1または端末装置2は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。以下、情報処理装置1を例に挙げて説明する。図9は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0086】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0087】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、通信ネットワークを介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、通信ネットワークを介して他の機器へ送信する。
【0088】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0089】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0090】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信ネットワークを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0091】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0092】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0093】
また、情報処理装置1は、2以上のサーバ装置で構成されてもよく、この場合、情報処理装置1は、例えば、処理サーバと、ストレージサーバとを含む構成を有する。また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0094】
〔7.効果〕
上述した実施形態に係る情報処理装置1は、ロゴ画像を含む広告画像を受け付ける受付部30と、受付部によって受け付けられた広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する判定部33と、判定部33による判定結果を出力する出力部34と、を備える。
【0095】
また、判定部33は、複数の判定項目それぞれに基づいて、広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定し、出力部34は、判定部33による複数の判定項目それぞれの判定結果を出力する。
【0096】
また、判定部33は、ロゴ画像のクリアスペースに関する判定項目に基づいて、広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する。また、判定部33は、ロゴ画像の縦横比に関する判定項目に基づいて、広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する。
【0097】
また、判定部33は、ロゴ画像のサイズの下限値に関する判定項目に基づいて、広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する。判定部33は、ロゴ画像と背景とのコトンラストに関する判定項目に基づいて、広告画像に含まれるロゴ画像が予め設定されたルールを満たすか否かを判定する。
【0098】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、広告画像に利用されるロゴ画像が適切であるか否かを判定することができる。
【0099】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0100】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 情報処理装置
2 端末装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 テンプレート情報記憶部
21 ルール情報記憶部
30 受付部
31 抽出部
32 特定部
33 判定部
34 出力部
U 利用者
図1
図2
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図9