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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027698
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240222BHJP
   B25B 23/18 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25B23/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130714
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】力石 真
(72)【発明者】
【氏名】保住 昭宏
【テーマコード(参考)】
3C038
3C064
【Fターム(参考)】
3C038AA01
3C038DA06
3C038EA06
3C064AA01
3C064AA02
3C064AA03
3C064AA04
3C064AA06
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC03
3C064BA14
3C064BA19
3C064BA33
3C064BB83
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA09
3C064CA10
3C064CA24
3C064CA27
3C064CA53
3C064CB07
3C064CB08
3C064CB13
3C064CB14
3C064CB17
3C064CB19
3C064CB32
3C064CB35
3C064CB62
3C064CB73
3C064CB75
3C064CB83
(57)【要約】
【課題】作業者が作業対象を視認し難くなることを抑制すること。
【解決手段】電動作業機は、モータと、モータの回転力により作動する出力部と、出力部の周囲の少なくとも一部に配置される発光素子と、発光素子よりも径方向外側に配置される外筒部と、発光素子よりも前方に配置され発光素子から射出された光が通過する光透過部と、を有する光学部材と、外筒部よりも径方向外側に配置される遮光部材と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの回転力により作動する出力部と、
前記出力部の周囲の少なくとも一部に配置される発光素子と、
前記発光素子よりも径方向外側に配置される外筒部と、前記発光素子よりも前方に配置され前記発光素子から射出された光が通過する光透過部と、を有する光学部材と、
前記外筒部よりも径方向外側に配置される遮光部材と、を備える、
電動作業機。
【請求項2】
前記遮光部材の光透過率は、前記光学部材の光透過率よりも低い、
請求項1に記載の電動作業機。
【請求項3】
前記遮光部材は、合成樹脂製である、
請求項1又は請求項2に記載の電動作業機。
【請求項4】
前記遮光部材は、有色顔料を含有するポリカーボネート樹脂製である、
請求項1又は請求項2に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記遮光部材は、黒色である、
請求項1又は請求項2に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記光学部材と前記遮光部材とを固定する第1接着剤を備える、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項7】
前記第1接着剤は、前記外筒部の外周面と前記遮光部材の内周面との間に配置される、
請求項6に記載の電動作業機。
【請求項8】
前記光学部材は、前記光学部材の外周面から径方向内側に窪むように設けられ、前記第1接着剤が配置される溝部を有する、
請求項7に記載の電動作業機。
【請求項9】
前記遮光部材は、前記溝部よりも前方において前記遮光部材の内周面から径方向内側に突出するように設けられる凸部を有する、
請求項8に記載の電動作業機。
【請求項10】
前記凸部の内端部は、前記光学部材に接触する、
請求項9に記載の電動作業機。
【請求項11】
前記凸部は、前記光学部材を囲むように設けられ、
前記光学部材は、前記凸部に嵌まる、
請求項10に記載の電動作業機。
【請求項12】
前記遮光部材の前端部は、前記光透過部の射出面の周囲に配置される、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項13】
前後方向において、前記遮光部材の前端部は、前記光透過部の前端部と同じ位置又は前記光透過部の前端部よりも前方に配置される、
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項14】
前記出力部の周囲に配置される円環部を有する基板を備え、
前記発光素子は、前記円環部の前面に配置されるLEDチップを含む、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項15】
前記基板と前記光学部材とを固定する第2接着剤を備える、
請求項14に記載の電動作業機。
【請求項16】
前記第2接着剤は、前記基板の後面と前記外筒部の内周面とを固定する、
請求項15に記載の電動作業機。
【請求項17】
前記第2接着剤は、遮光性である、
請求項15又は請求項16に記載の電動作業機。
【請求項18】
前記LEDチップを覆う蛍光体を備える、
請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項19】
前記光学部材は、前記円環部よりも径方向内側に配置される内筒部を有し、
前記光透過部は、前記外筒部の前端部と前記内筒部の前端部とを繋ぐように配置される、
請求項14から請求項18のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項20】
前記出力部は、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルを含む、
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業機に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、動力工具用照明システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0354889号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、動力工具用照明システムは、チップオンボード発光ダイオード(COB LED:chip on board light emitting diodes)を有する。チップオンボード発光ダイオードから射出される光の輝度は、高い。チップオンボード発光ダイオードから射出された光の少なくとも一部が作業者の眼に入射すると、作業者は、眩しさを感じ、その結果、作業対象を視認し難くなる可能性がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、作業者が作業対象を視認し難くなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、電動作業機を開示する。電動作業機は、モータと、出力部と、発光素子と、光学部材と、遮光部材と、を備えてもよい。出力部は、モータの回転力により作動してもよい。発光素子は、出力部の周囲の少なくとも一部に配置されてもよい。光学部材は、外筒部と、光透過部と、を有してもよい。外筒部は、発光素子よりも径方向外側に配置されてもよい。光透過部は、発光素子よりも前方に配置されてもよい。発光素子から射出された光は、光透過部を通過してもよい。遮光部材は、外筒部よりも径方向外側に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、作業者が作業対象を視認し難くなることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る電動作業機を示す前方からの斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る電動作業機の上部を示す側面図である。
図3図3は、本実施形態に係る電動作業機の上部を示す縦断面図である。
図4図4は、本実施形態に係る電動作業機の上部を示す横断面図である。
図5図5は、本実施形態に係るライトユニットの一部を示す断面図である。
図6図6は、本実施形態に係る電動作業機の上部を示す前方からの分解斜視図である。
図7図7は、本実施形態に係るライトユニットを示す前方からの斜視図である。
図8図8は、本実施形態に係るライトユニットを示す後方からの斜視図である。
図9図9は、本実施形態に係るライトユニットを示す前方からの分解斜視図である。
図10図10は、本実施形態に係るライトユニットを示す後方からの分解斜視図である。
図11図11は、他の実施形態に係る電動作業機を示す前方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、モータと、出力部と、発光素子と、光学部材と、遮光部材と、を備えてもよい。出力部は、モータの回転力により作動してもよい。発光素子は、出力部の周囲の少なくとも一部に配置されてもよい。光学部材は、外筒部と、光透過部と、を有してもよい。外筒部は、発光素子よりも径方向外側に配置されてもよい。光透過部は、発光素子よりも前方に配置されてもよい。発光素子から射出された光は、光透過部を通過してもよい。遮光部材は、外筒部よりも径方向外側に配置されてもよい。
【0010】
上記の構成では、発光素子から射出された光の少なくとも一部が外筒部を透過しても、外筒部よりも径方向外側に配置された遮光部材により、外筒部を透過した光が作業者の眼に入射することが抑制される。そのため、作業者が眩しさを感じることが抑制される。したがって、作業者が作業対象を視認し難くなることが抑制される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、遮光部材の光透過率は、光学部材の光透過率よりも低くてもよい。
【0012】
上記の構成では、発光素子から射出された光の少なくとも一部が外筒部を透過しても、光透過率が低い遮光部材により、外筒部を透過した光が作業者の眼に入射することが抑制される。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、遮光部材は、合成樹脂製でもよい。
【0014】
上記の構成では、遮光部材の破損が抑制される。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、遮光部材は、有色顔料を含有するポリカーボネート樹脂製でもよい。
【0016】
上記の構成では、高強度で遮光性を有する遮光部材が提供される。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、遮光部材は、黒色でもよい。
【0018】
上記の構成では、高い遮光性の遮光部材が提供される。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光学部材と遮光部材とを固定する第1接着剤を備えてもよい。
【0020】
上記の構成では、光学部材と遮光部材とが第1接着剤により固定される。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、第1接着剤は、外筒部の外周面と遮光部材の内周面との間に配置されてもよい。
【0022】
上記の構成では、第1接着剤が遮光部材の外周面に露出することが抑制される。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光学部材は、光学部材の外周面から径方向内側に窪むように設けられ、第1接着剤が配置される溝部を有してもよい。
【0024】
上記の構成では、溝部に適正量の第1接着剤が配置される。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、遮光部材は、溝部よりも前方において遮光部材の内周面から径方向内側に突出するように設けられる凸部を有してもよい。
【0026】
上記の構成では、第1接着剤が凸部により堰き止められる。そのため、第1接着剤が遮光部材の前端部又は光学部材の前端部に溢れてしまうことが抑制される。例えば、光学部材の溝部に第1接着剤が塗布された後、光学部材の外周部に遮光部材が組み込まれる。これにより、第1接着剤が溢れることが抑制される。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、凸部の内端部は、光学部材に接触してもよい。
【0028】
上記の構成では、第1接着剤が遮光部材の前端部又は光学部材の前端部に漏出することが効果的に抑制される。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施形態において、凸部は、光学部材を囲むように設けられてもよい。光学部材は、凸部に嵌まってもよい。
【0030】
上記の構成では、光学部材が凸部に嵌まることにより、光学部材と遮光部材とが固定される。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施形態において、遮光部材の前端部は、光透過部の射出面の周囲に配置されてもよい。
【0032】
上記の構成では、光透過部の射出面から射出された光が遮光部材に遮られないので、作業対象が適正に照明される。
【0033】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前後方向において、遮光部材の前端部は、光透過部の前端部と同じ位置又は光透過部の前端部よりも前方に配置されてもよい。
【0034】
上記の構成では、光学部材の外周面が遮光部材で十分に覆われる。
【0035】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、出力部の周囲に配置される円環部を有する基板を備えてもよい。発光素子は、円環部の前面に配置されるLEDチップを含んでもよい。
【0036】
上記の構成では、基板及びLEDチップによりチップオンボード発光ダイオードが構成される。これにより、高輝度の光が作業対象に照射される。
【0037】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動作業機は、基板と光学部材とを固定する第2接着剤を備えてもよい。
【0038】
上記の構成では、チップオンボード発光ダイオードと光学部材とが第2接着剤により固定される。
【0039】
1つ又はそれ以上の実施形態において、第2接着剤は、基板の後面と外筒部の内周面とを固定してもよい。
【0040】
上記の構成では、LEDチップが第2接着剤で覆われてしまうことが抑制される。
【0041】
1つ又はそれ以上の実施形態において、第2接着剤は、遮光性でもよい。
【0042】
上記の構成では、LEDチップから射出された光が基板の後方から電動作業機の周囲に漏れることが抑制される。
【0043】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光学部材は、円環部よりも径方向内側に配置される内筒部を有してもよい。光透過部は、外筒部の前端部と内筒部の前端部とを繋ぐように配置されてもよい。
【0044】
上記の構成では、円環部の径方向外側に光学部材の外筒部が配置され、円環部の径方向内側に光学部材の内筒部が配置されるので、基板と光学部材との接続が安定する。
【0045】
1つ又はそれ以上の実施形態において、出力部は、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルを含んでもよい。
【0046】
上記の構成では、遮光部材は、インパクト工具に適用される。
【0047】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動作業機の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0048】
[電動作業機]
図1は、本実施形態に係る電動作業機1を示す前方からの斜視図である。図2は、本実施形態に係る電動作業機1の上部を示す側面図である。図3は、本実施形態に係る電動作業機1の上部を示す縦断面図である。図4は、本実施形態に係る電動作業機1の上部を示す横断面図である。
【0049】
本実施形態において、電動作業機1は、動力源として電動のモータ6を有する電動工具である。モータ6の回転軸AXに平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。また、径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。本実施形態において、回転軸AXは、前後方向に延伸する。軸方向一方側は、前方であり、軸方向他方側は、後方である。
【0050】
本実施形態において、電動作業機1は、電動工具の一種であるインパクト工具であることとする。以下の説明においては、電動作業機1を適宜、インパクト工具1、と称する。
【0051】
本実施形態において、インパクト工具1は、ねじ締め工具の一種であるインパクトドライバである。インパクト工具1は、ハウジング2と、リヤカバー3と、ハンマケース4と、ケースカバー5と、モータ6と、減速機構7と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、工具保持機構11と、ファン12と、バッテリ装着部13と、トリガレバー14と、正逆転切換レバー15と、手元モード切換ボタン16と、ライトユニット18とを備える。
【0052】
ハウジング2は、合成樹脂製である。本実施形態において、ハウジング2は、ナイロン製である。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、左ハウジング2Lの右方に配置される右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ2Sにより固定される。ハウジング2は、一対の半割れハウジングにより構成される。
【0053】
ハウジング2は、モータ収容部21と、グリップ部22と、バッテリ保持部23とを有する。
【0054】
モータ収容部21は、筒状である。モータ収容部21は、モータ6、ベアリングボックス24の一部、及びハンマケース4の後部を収容する。
【0055】
グリップ部22は、モータ収容部21から下方に突出する。トリガレバー14は、グリップ部22の上部に設けられる。グリップ部22は、作業者に握られる。
【0056】
バッテリ保持部23は、グリップ部22の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、バッテリ保持部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
【0057】
リヤカバー3は、合成樹脂製である。リヤカバー3は、モータ収容部21の後方に配置される。リヤカバー3は、ファン12の少なくとも一部を収容する。ファン12は、リヤカバー3の内周側に配置される。リヤカバー3は、モータ収容部21の後端部の開口を覆うように配置される。リヤカバー3は、ねじ3Sによりモータ収容部21の後端部に固定される。
【0058】
モータ収容部21は、吸気口19を有する。リヤカバー3は、排気口20を有する。ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間の空気は、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0059】
ハンマケース4は、減速機構7を収容するギヤケースとして機能する。ハンマケース4は、減速機構7、スピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10の少なくとも一部を収容する。ハンマケース4は、金属製である。本実施形態において、ハンマケース4は、アルミニウム製である。ハンマケース4は、筒状である。
【0060】
ハンマケース4は、後側筒部4Aと、前側筒部4Bと、環状部4Cとを含む。前側筒部4Bは、後側筒部4Aよりも前方に配置される。後側筒部4Aの外径は、前側筒部4Bの外径よりも大きい。後側筒部4Aの内径は、前側筒部4Bの内径よりも大きい。環状部4Cは、後側筒部4Aの前端部と前側筒部4Bの後端部とを繋ぐように配置される。
【0061】
ハンマケース4は、モータ収容部21の前部に接続される。後側筒部4Aの後部にベアリングボックス24が固定される。減速機構7の少なくとも一部は、ベアリングボックス24の内側に配置される。ベアリングボックス24の外周部にねじ山が形成される。後側筒部4Aの後部の内周部にねじ溝が形成される。ベアリングボックス24のねじ山と後側筒部4Aのねじ溝とが結合されることにより、ベアリングボックス24とハンマケース4とが固定される。ハンマケース4は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれる。ベアリングボックス24の一部及び後側筒部4Aの後部は、モータ収容部21に収容される。ベアリングボックス24は、モータ収容部21及びハンマケース4のそれぞれに固定される。
【0062】
ケースカバー5は、ハンマケース4の表面の少なくとも一部を覆う。本実施形態において、ケースカバー5は、後側筒部4Aの表面を覆う。ケースカバー5は、合成樹脂製である。本実施形態において、ケースカバー5は、ポリカーボネート樹脂製である。ケースカバー5は、ハンマケース4を保護する。ケースカバー5は、ハンマケース4とインパクト工具1の周囲の物体との接触を抑制する。ケースカバー5は、ハンマケース4と作業者との接触を抑制する。
【0063】
モータ6は、インパクト工具1の動力源である。モータ6は、回転力を発生する。モータ6は、電動モータである。モータ6は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ6は、ステータ26と、ロータ27とを有する。ステータ26は、モータ収容部21に支持される。ロータ27の少なくとも一部は、ステータ26の内側に配置される。ロータ27は、ステータ26に対して回転する。ロータ27は、前後方向に延伸する回転軸AXを中心に回転する。
【0064】
ステータ26は、ステータコア28と、前インシュレータ29と、後インシュレータ30と、コイル31とを有する。
【0065】
ステータコア28は、ロータ27よりも径方向外側に配置される。ステータコア28は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア28は、筒状である。ステータコア28は、コイル31を支持する複数のティースを有する。
【0066】
前インシュレータ29は、ステータコア28の前部に設けられる。後インシュレータ30は、ステータコア28の後部に設けられる。前インシュレータ29及び後インシュレータ30のそれぞれは、合成樹脂製の電気絶縁部材である。前インシュレータ29は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。後インシュレータ30は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。
【0067】
コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28に装着される。コイル31は、複数配置される。コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28のティースの周囲に配置される。コイル31とステータコア28とは、前インシュレータ29及び後インシュレータ30により電気的に絶縁される。複数のコイル31は、ヒュージング端子38を介して接続される。
【0068】
ロータ27は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ27は、ロータコア部32と、ロータシャフト部33と、ロータ磁石34と、センサ磁石35とを有する。
【0069】
ロータコア部32及びロータシャフト部33のそれぞれは、鋼製である。本実施形態において、ロータコア部32とロータシャフト部33とは、一体である。ロータシャフト部33の前部は、ロータコア部32の前端面から前方に突出する。ロータシャフト部33の後部は、ロータコア部32の後端面から後方に突出する。
【0070】
ロータ磁石34は、ロータコア部32に固定される。ロータ磁石34は、円筒状である。ロータ磁石34は、ロータコア部32の周囲に配置される。
【0071】
センサ磁石35は、ロータコア部32に固定される。センサ磁石35は、円環状である。センサ磁石35は、ロータコア部32の前端面及びロータ磁石34の前端面に配置される。
【0072】
前インシュレータ29にセンサ基板37が取り付けられる。センサ基板37は、ねじ29Sにより前インシュレータ29に固定される。センサ基板37は、円環状の回路基板と、回路基板に支持される磁気センサ37Aと、磁気センサ37Aを覆う樹脂モールド体37Bとを有する。センサ基板37の少なくとも一部は、センサ磁石35に対向する。磁気センサ37Aは、センサ磁石35の位置を検出することにより、ロータ27の回転方向の位置を検出する。
【0073】
ロータシャフト部33の後部は、ロータベアリング39に回転可能に支持される。ロータベアリング39の前部は、ロータベアリング40に回転可能に支持される。ロータベアリング39は、リヤカバー3に保持される。ロータベアリング40は、ベアリングボックス24に保持される。ロータシャフト部33の前端部は、ベアリングボックス24の開口を介してハンマケース4の内部空間に配置される。
【0074】
ロータシャフト部33の前端部にピニオンギヤ41が形成される。ピニオンギヤ41は、減速機構7の少なくとも一部に連結される。ロータシャフト部33は、ピニオンギヤ41を介して減速機構7に連結される。
【0075】
減速機構7は、モータ6の回転力をスピンドル8及びアンビル10に伝達する。減速機構7は、ハンマケース4の後側筒部4Aに収容される。減速機構7は、複数のギヤを有する。減速機構7は、モータ6よりも前方に配置される。減速機構7は、ロータシャフト部33とスピンドル8とを連結する。減速機構7のギヤは、ロータ27により駆動される。減速機構7は、ロータ27の回転をスピンドル8に伝達する。減速機構7は、ロータシャフト部33の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。減速機構7は、遊星歯車機構を含む。
【0076】
減速機構7は、ピニオンギヤ41の周囲に配置される複数のプラネタリギヤ42と、複数のプラネタリギヤ42の周囲に配置されるインターナルギヤ43とを有する。ピニオンギヤ41、プラネタリギヤ42、及びインターナルギヤ43のそれぞれは、ハンマケース4及びベアリングボックス24に収容される。複数のプラネタリギヤ42のそれぞれは、ピニオンギヤ41に噛み合う。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。スピンドル8は、プラネタリギヤ42により回転される。インターナルギヤ43は、プラネタリギヤ42に噛み合う内歯を有する。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に固定される。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に対して常に回転不可能である。
【0077】
モータ6の駆動によりロータシャフト部33が回転すると、ピニオンギヤ41が回転し、プラネタリギヤ42がピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ42の公転により、ピン42Pを介してプラネタリギヤ42に接続されているスピンドル8は、ロータシャフト部33の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0078】
スピンドル8は、モータ6の回転力により回転する。スピンドル8は、モータ6の少なくとも一部よりも前方に配置される。スピンドル8は、ステータ26よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、ロータ27よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7の前方に配置される。スピンドル8は、ロータ27により回転される。スピンドル8は、減速機構7により伝達されたロータ27の回転力により回転する。
【0079】
スピンドル8は、フランジ部8Aと、フランジ部8Aから前方に突出するスピンドルシャフト部8Bとを有する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してフランジ部8Aに回転可能に支持される。スピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。
【0080】
スピンドル8は、スピンドルベアリング44に回転可能に支持される。スピンドルベアリング44は、ベアリングボックス24に保持される。スピンドル8は、フランジ部8Aの後部から後方に突出する円環部8Cを有する。スピンドルベアリング44は、円環部8Cの内側に配置される。本実施形態において、スピンドルベアリング44の外輪が円環部8Cに接続され、スピンドルベアリング44の内輪がベアリングボックス24に支持される。
【0081】
打撃機構9は、モータ6により駆動される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介して打撃機構9に伝達される。打撃機構9は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。打撃機構9は、ハンマ47と、ボール48と、コイルスプリング49とを有する。ハンマ47を含む打撃機構9は、ハンマケース4に収容される。
【0082】
ハンマ47は、減速機構7よりも前方に配置される。ハンマ47は、後側筒部4Aに収容される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Bの周囲に配置される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Bに保持される。ボール48は、スピンドルシャフト部8Bとハンマ47との間に配置される。コイルスプリング49は、フランジ部8A及びハンマ47のそれぞれに支持される。
【0083】
ハンマ47は、モータ6により回転される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介してハンマ47に伝達される。ハンマ47は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、スピンドル8と一緒に回転可能である。ハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。ハンマ47は、回転軸AXを中心に回転する。
【0084】
ボール48は、鉄鋼のような金属製である。ボール48は、スピンドルシャフト部8Bとハンマ47との間に配置される。スピンドル8は、ボール48の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝8Dを有する。スピンドル溝8Dは、スピンドルシャフト部8Bの外周面の一部に設けられる。ハンマ47は、ボール48の少なくとも一部が配置されるハンマ溝47Aを有する。ハンマ溝47Aは、ハンマ47の内面の一部に設けられる。ボール48は、スピンドル溝8Dとハンマ溝47Aとの間に配置される。ボール48は、スピンドル溝8Dの内側及びハンマ溝47Aの内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ47は、ボール48に伴って移動可能である。スピンドル8とハンマ47とは、スピンドル溝8D及びハンマ溝47Aにより規定される可動範囲において、軸方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。
【0085】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。コイルスプリング49は、フランジ部8Aとハンマ47との間に配置される。ハンマ47の後面にリング状の凹部47Cが設けられる。凹部47Cは、ハンマ47の後面から前方に窪む。凹部47Cの内側にワッシャ45が設けられる。コイルスプリング49の後端部は、フランジ部8Aに支持される。コイルスプリング49の前端部は、凹部47Cの内側に配置され、ワッシャ45に支持される。
【0086】
アンビル10は、モータ6の回転力により作動するインパクト工具1の出力部である。アンビル10は、モータ6の回転力により回転する。アンビル10の少なくとも一部は、ハンマ47よりも前方に配置される。アンビル10は、先端工具90が挿入される工具孔10Aを有する。先端工具90として、ドライバビットが例示される。工具孔10Aは、アンビル10の前端部に設けられる。先端工具90は、アンビル10に装着される。また、アンビル10の後端部に凹部10Bが設けられる。スピンドルシャフト部8Bの前端部に凸部が設けられる。スピンドルシャフト部8Bの前端部の凸部は、アンビル10の後端部に設けられた凹部10Bに挿入される。
【0087】
アンビル10は、ロッド状のアンビルシャフト部10Cと、アンビル突起部10Dとを有する。工具孔10Aは、アンビルシャフト部10Cの前端部に設けられる。先端工具90は、アンビルシャフト部10Cに装着される。アンビル突起部10Dは、アンビル10の後端部に設けられる。アンビル突起部10Dは、アンビルシャフト部10Cの後端部から径方向外側に突出する。
【0088】
アンビル10は、アンビルベアリング46に回転可能に支持される。アンビル10の回転軸とハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。アンビル10は、回転軸AXを中心に回転する。アンビルベアリング46は、前側筒部4Bの内側に配置される。アンビルベアリング46は、ハンマケース4の前側筒部4Bに保持される。アンビルベアリング46は、アンビルシャフト部10Cを支持する。本実施形態において、アンビルベアリング46は、前後方向に2つ配置される。
【0089】
ハンマ47は、前方に突出するハンマ突起部47Bを有する。ハンマ突起部47Bは、アンビル突起部10Dに接触可能である。ハンマ突起部47Bとアンビル突起部10Dとが接触している状態で、モータ6が駆動することにより、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。
【0090】
アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。例えばねじ締め作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなる状況が発生する場合がある。モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなると、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。スピンドル8とハンマ47とは、ボール48を介して軸方向及び周方向のそれぞれに相対移動可能である。ハンマ47の回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する動力により継続される。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール48がスピンドル溝8D及びハンマ溝47Aのそれぞれにガイドされながら後方に移動する。ハンマ47は、ボール48から力を受け、ボール48に伴って後方に移動する。すなわち、ハンマ47は、アンビル10の回転が停止された状態で、スピンドル8が回転することにより、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ突起部47Bとアンビル突起部10Dとの接触が解除される。
【0091】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、前方に移動する。ハンマ47は、前方に移動するとき、ボール48から回転方向の力を受ける。すなわち、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動すると、ハンマ突起部47Bは、回転しながらアンビル突起部10Dに接触する。これにより、アンビル突起部10Dは、ハンマ突起部47Bにより回転方向に打撃される。アンビル10には、モータ6の動力とハンマ47の慣性力との両方が作用する。したがって、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転することができる。
【0092】
工具保持機構11は、アンビル10の前部の周囲に配置される。工具保持機構11は、工具孔10Aに挿入された先端工具90を保持する。
【0093】
ファン12は、モータ6の回転力により回転する。ファン12は、モータ6のステータ26よりも後方に配置される。ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、ロータ27の少なくとも一部に固定される。ファン12は、ブッシュ12Aを介してロータシャフト部33の後部に固定される。ファン12は、ロータベアリング39とステータ26との間に配置される。ファン12は、ロータ27の回転により回転する。ロータシャフト部33が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト部33と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流通することにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流通した空気は、ファン12が回転することにより、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0094】
バッテリ装着部13は、バッテリ保持部23の下部に配置される。バッテリパック25がバッテリ装着部13に装着される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に着脱可能である。バッテリパック25は、インパクト工具1の電源として機能する。バッテリパック25は、二次電池を含む。本実施形態において、バッテリパック25は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部13に装着されることにより、バッテリパック25は、インパクト工具1に電力を供給することができる。モータ6及びライトユニット18のそれぞれは、バッテリパック25から供給される電力に基づいて駆動する。
【0095】
トリガレバー14は、グリップ部22に設けられる。トリガレバー14は、モータ6を起動するために作業者に操作される。トリガレバー14が操作されることにより、モータ6の駆動と停止とが切り換えられる。
【0096】
正逆転切換レバー15は、グリップ部22の上部に設けられる。正逆転切換レバー15は、作業者に操作される。正逆転切換レバー15が操作されることにより、モータ6の回転方向が正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えられる。モータ6の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
【0097】
手元モード切換ボタン16は、トリガレバー14の上方に設けられる。手元モード切換ボタン16は、作業者に操作される。手元モード切換ボタン16の後方に回路基板16A及びスイッチ16Bが配置される。スイッチ16Bは回路基板16Aの前面に搭載される。手元モード切換ボタン16は、スイッチ16Bの前方に配置される。手元モード切換ボタン16が後方に押し操作されることにより、スイッチ16Bが作動し、回路基板16Aから操作信号が出力される。回路基板16Aから出力された操作信号は、コントローラ(不図示)に送信される。コントローラは、回路基板16Aから出力された操作信号に基づいて、モータ6の制御モードを切り換える。
【0098】
[ライトユニット]
図5は、本実施形態に係るライトユニット18の一部を示す断面図である。図6は、本実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す前方からの分解斜視図である。図7は、本実施形態に係るライトユニット18を示す前方からの斜視図である。図8は、本実施形態に係るライトユニット18を示す後方からの斜視図である。図9は、本実施形態に係るライトユニット18を示す前方からの分解斜視図である。図10は、本実施形態に係るライトユニット18を示す後方からの分解斜視図である。
【0099】
ライトユニット18は、照明光を射出する。ライトユニット18は、アンビル10及びアンビル10の周辺を照明光で照明する。ライトユニット18は、アンビル10の前方を照明光で照明する。また、ライトユニット18は、アンビル10に装着された先端工具90及び先端工具90の周辺を照明光で照明する。
【0100】
ライトユニット18は、ハンマケース4の前部に配置される。ライトユニット18は、前側筒部4Bの周囲に配置される。ライトユニット18は、前側筒部4Bを介してアンビルシャフト部10Cの周囲に配置される。
【0101】
ライトユニット18は、チップオンボード発光ダイオード50(COB LED:chip on board light emitting diodes)を含む。
【0102】
チップオンボード発光ダイオード50は、基板51と、発光素子であるLEDチップ52と、バンク54と、蛍光体55とを有する。基板51として、アルミニウム基板、ガラス布基材エポキシ樹脂基板(FR-4基板)、又は複合基材エポキシ樹脂基板(CEM-3基板)が例示される。LEDチップ52は、基板51の表面に搭載される。LEDチップ52と基板51とは、金ワイヤ(不図示)を介して接続される。金ワイヤは、複数のLEDチップ52を相互に接続する。バンク54は、基板51の表面に設けられる。バンク54は、LEDチップ52の周囲に配置される。バンク54は、LEDチップ52よりも径方向内側及び径方向外側のそれぞれに配置される。バンク54は、蛍光体55が配置される区画空間を規定する。蛍光体55は、バンク54の内側においてLEDチップ52を覆うように配置される。一対の電極(不図示)がバンク54の外側において基板51の表面に配置される。なお、電極は、基板51の裏面に配置されてもよい。一対の電極のうち、一方の電極が正極であり、他方の電極が負極である。バッテリパック25から出力された電力は、電極に供給される。電極に供給された電力は、基板51及び金ワイヤを介してLEDチップ52に供給される。LEDチップ52は、バッテリパック25から供給された電力に基づいて発光する。バッテリパック25の電圧は、コントローラ(不図示)により5Vに降圧された状態でLEDチップ52に印加される。
【0103】
ライトユニット18は、チップオンボード発光ダイオード50と、光学部材57と、遮光部材60とを有する。チップオンボード発光ダイオード50は、基板51と、複数のLEDチップ52と、バンク54と、蛍光体55とを有する。
【0104】
基板51は、環状である。基板51は、前側筒部4Bを介してアンビルシャフト部10Cの周囲に配置される。基板51は、円環部51Aと、円環部51Aの下部から下方に突出する支持部51Bとを有する。
【0105】
LEDチップ52は、基板51の円環部51Aの前面に配置される。LEDチップ52は、前側筒部4Bを介してアンビルシャフト部10Cの周囲の少なくとも一部に配置される。LEDチップ52は、円環部51Aの周方向に間隔をあけて複数配置される。本実施形態において、LEDチップ52は、円環部51Aの周方向に等間隔に12個配置される。LEDチップ52は、回転軸AXの周囲において、0°,30°,60°,90°,120°,150°,180°,210°,240°,270°,300°,330°のそれぞれの位置に配置される。0°の位置とは、回転軸AX(アンビルシャフト部10C)の直上の位置である。180°の位置とは、回転軸AX(アンビルシャフト部10C)の直下の位置である。
【0106】
また、相互に隣り合う一対のLEDチップ52の間には抵抗器59が配置される。
【0107】
バンク54は、基板51の円環部51Aの前面に設けられる。バンク54は、円環部51Aの前面から前方に突出する。バンク54は、蛍光体55が配置される区画空間を規定する。バンク54は、円環状である。本実施形態において、バンク54は、二重円環状になるように設けられる。すなわち、本実施形態において、バンク54は、円環部51Aの前面に設けられた円環状の第1のバンク54と、円環部51Aの前面において第1のバンク54よりも径方向外側に設けられた円環状の第2のバンク54とを含む。第1のバンク54は、LEDチップ52よりも径方向内側に配置される。第2のバンク54は、LEDチップ52よりも径方向外側に配置される。複数のLEDチップ52は、第1のバンク54と第2のバンク54との間に配置される。
【0108】
蛍光体55は、基板51の円環部51Aの前面に配置される。蛍光体55は、円環状である。蛍光体55は、第1のバンク54と第2のバンク54との間において、複数のLEDチップ52のそれぞれを覆うように配置される。
【0109】
一対のリード線58が基板51に接続される。上述の電極は、リード線58に接続される。一対のリード線58は、支持部51Bの後面に支持される。なお、リード線58は、支持部51Bの前面に支持されてもよい。
【0110】
バッテリパック25から出力された電流は、コントローラ(不図示)及びリード線58を介して電極に供給される。バッテリパック25の電圧は、コントローラ(不図示)によりに降圧された後、電極に印加される。電極に供給された電流は、基板51及び金ワイヤを介してLEDチップ52に供給される。LEDチップ52は、バッテリパック25から供給された電流に基づいて発光する。
【0111】
光学部材57は、チップオンボード発光ダイオード50に接続される。光学部材57は、基板51に固定される。光学部材57は、ポリカーボネート樹脂製である。本実施形態において、光学部材57は、白色の拡散材が含有されたポリカーボネート樹脂製である。光学部材57の少なくとも一部は、チップオンボード発光ダイオード50よりも前方に配置される。光学部材57は、外筒部57Aと、内筒部57Bと、光透過部57Cと、凸部57Dとを有する。
【0112】
外筒部57Aは、内筒部57Bよりも径方向外側に配置される。外筒部57Aは、LEDチップ52よりも径方向外側に配置される。径方向において、チップオンボード発光ダイオード50の少なくとも一部は、外筒部57Aと内筒部57Bとの間に配置される。外筒部57Aは、基板51の円環部51Aよりも径方向外側に配置される。内筒部57Bは、基板51の円環部51Aよりも径方向内側に配置される。内筒部57Bは、LEDチップ52よりも径方向内側に配置される。
【0113】
光透過部57Cは、円環状である。光透過部57Cは、LEDチップ52よりも前方に配置される。光透過部57Cは、外筒部57Aの前端部と内筒部57Bの前端部とを繋ぐように配置される。光透過部57Cは、円環部51Aの前面に対向する。光透過部57Cは、LEDチップ52に対向する。LEDチップ52から射出された光は、光透過部57Cを通過して、ライトユニット18の前方に照射される。
【0114】
光透過部57Cは、LEDチップ52からの光が入射する入射面57Eと、光透過部57Cを透過した光が射出する射出面57Fとを有する。円環部51Aの前面は、光透過部57Cの入射面57Eに対向する。入射面57Eは、LEDチップ52に対向する。入射面57Eは、実質的に後方を向く。射出面57Fは、実質的に前方を向く。
【0115】
凸部57Dは、外筒部57Aの下部から下方に突出するように設けられる。凸部57Dの内側に収容空間が形成される。基板51の支持部51Bは、凸部57Dの内側に形成された収容区間に配置される。
【0116】
遮光部材60は、光学部材57の外筒部57Aよりも径方向外側に配置される。遮光部材60の光透過率は、光学部材57の光透過率よりも低い。LEDチップ52から射出された光の少なくとも一部は、外筒部57Aを透過する可能性がある。遮光部材60は、外筒部57Aの外周面から射出されたLEDチップ52からの光を遮る。遮光部材60は、外筒部57Aの外周面から射出されたLEDチップ52からの光が光学部材57の周囲に照射されることを抑制する。
【0117】
遮光部材60は、合成樹脂製である。本実施形態において、遮光部材60は、ポリカーボネート樹脂製である。遮光部材60は、有色顔料を含有するポリカーボネート樹脂製である。有力顔料として、黒色顔料又は灰色顔料が例示される。本実施形態において、遮光部材60は、黒色顔料を含有するポリカーボネート樹脂製である。遮光部材60は、黒色である。なお、遮光部材60は、灰色顔料を含有するポリカーボネート樹脂製でもよい。遮光部材60は、灰色でもよい。
【0118】
遮光部材60は、筒部60Aと、凸部60Bとを有する。筒部60Aは、外筒部57Aを囲むように配置される。筒部60Aは、外筒部57Aの外周面を覆う。凸部60Bは、筒部60Aの下部から下方に突出する。凸部60Bは、凸部57Dの外面を覆う。凸部60Bは、凸部57Dを下方から覆うように配置される。
【0119】
遮光部材60は、光学部材57に固定される。本実施形態において、光学部材57と遮光部材60とは、第1接着剤70により固定される。第1接着剤70は、外筒部57Aの外周面と筒部60Aの内周面との間に配置される。
【0120】
本実施形態において、遮光部材60は、筒部60Aの内周面から径方向外側に窪むように設けられる溝部60D及び溝部60Eを有する。溝部60Dは、溝部60Eよりも後方に設けられる。前後方向において、溝部60Dと溝部60Eとの境界に付き当て面60Cが設けられる。付き当て面60Cは、後方を向く。付き当て面60Cは、環状である。光学部材57は、付き当て面60Cに対向する対向面57Tを有する。光学部材57は、光学部材57の外周面から径方向内側に窪むように設けられる溝部57V及び溝部57Wを有する。溝部57Vは、溝部57Wよりも後方に設けられる。対向面57Tは、溝部57Vと溝部57Wとの境界に設けられる。対向面57Tは、前方を向く。付き当て面60Cと対向面57Tとは、接触する。第1接着剤70は、溝部60Dの内側及び溝部60Eの内側のそれぞれに満たされる。第1接着剤70は、溝部57Vの内側及び溝部57Wの内側のそれぞれに満たされる。第1接着剤70は、溝部60Dと溝部57Vとの間の空間及び溝部60Eと溝部57Wとの間の空間のそれぞれに溜められる。溝部57V及び溝部57Wのそれぞれに充填された第1接着剤70により、光学部材57と遮光部材60とが固定される。
【0121】
また、遮光部材60は、溝部60D、溝部60E、溝部57V、及び溝部57Wよりも前方において筒部60Aの内周面から径方向内側に突出するように設けられる凸部60Gを有する。凸部60Gの径方向の内端部は、光学部材57の外周面に接触する。凸部60Gは、光学部材57を囲むように設けられる。光学部材57は、凸部60Gの内側に嵌まる。
【0122】
遮光部材60の前端部60Fは、光透過部57Cの射出面57Fの周囲に配置される。遮光部材60の前端部60Fは、光透過部57Cの前端部よりも前方に配置される。なお、前後方向において、遮光部材60の前端部60Fは、光透過部57Cの前端部と同じ位置に配置されてもよい。これにより、光学部材57の径方向外側に光が漏れ難い。
【0123】
チップオンボード発光ダイオード50及び遮光部材60を含むライトユニット18は、アンビル10のアンビルシャフト部10Cの周囲に配置される。ライトユニット18は、ハンマケース4の前側筒部4Bの周囲に配置される。光学部材57の内筒部57Bは、ハンマケース4の前側筒部4Bの周囲に配置される。光学部材57の内筒部57Bは、ハンマケース4の前側筒部4Bに支持される。光学部材57の内筒部57Bは、ハンマケース4の前側筒部4Bに軸方向に移動不可能に固定される。
【0124】
径方向において、基板51は、外筒部57Aと内筒部57Bとの間に配置される。基板51は、光学部材57に固定される。図5に示すように、基板51と光学部材57とは、第2接着剤75により固定される。第2接着剤75は、基板51の後面と外筒部57Aの内周面とを固定する。なお、第2接着剤75は、基板51の後面と内筒部57Bの外周面とを固定してもよい。第2接着剤75は、遮光性である。本実施形態において、第2接着剤75は、黒色の接着剤である。
【0125】
図5及び図6に示すように、前側筒部4Bの外周面に凸部4Dが設けられる。凸部4Dは、前側筒部4Bの外周面から径方向外側に突出する。凸部4Dは、周方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態において、凸部4Dは、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。凸部4Dの表面は、後方を向く後面4Eと、前方に向かって径方向内側に傾斜する斜面4Fとを含む。
【0126】
ライトユニット18は、ハンマケース4の前側筒部4Bに支持される。光学部材57の内筒部57Bの内周面に、後側スライド部57Mと、前側スライド部57Nとが設けられる。後側スライド部57M及び前側スライド部57Nのそれぞれは、内筒部57Bの内周面から径方向内側に突出する。前側スライド部57Nは、後側スライド部57Mよりも前方に配置される。後側スライド部57Mは、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。前側スライド部57Nは、4つの後側スライド部57Mのそれぞれの前方に配置される。後側スライド部57Mと前側スライド部57Nとの間に凹部57Kが設けられる。凸部4Dは、凹部57Kの内側に配置される。後側スライド部57Mは、凸部4Dの後面4Eに接触する前面57Pを有する。前側スライド部57Nは、凸部4Dの斜面4Fに対向する斜面57Qを有する。
【0127】
後側スライド部57Mの周方向一方側の端部と前側スライド部57Nとの間に挿入口が設けられる。凸部4Dは、挿入口を介して凹部57Kに配置される。凸部4Dが挿入口に挿入された後、ライトユニット18が回転されることにより、凸部4Dが凹部57Kの内側に挿入される。これにより、光学部材57とハンマケース4の前側筒部4Bとが固定される。光学部材57とハンマケース4の前側筒部4Bとが固定されることにより、ライトユニット18とハンマケース4とが固定される。
【0128】
LEDチップ52から射出された光は、蛍光体55を介して入射面57Eに入射する。図5等に示すように、入射面57Eは、径方向内側に向かって前方に傾斜する。入射面57Eに入射した光は、光透過部57Cを通過した後、射出面57Fから射出される。
【0129】
入射面57Eに入射した光の少なくとも一部は、斜面57Qに到達する。斜面57Qは、径方向内側に向かって前方に傾斜する。斜面57Qに到達した光は、斜面57Qで全反射して、前方に進行する。斜面57Qで全反射した光は、射出面57Fから射出される。
【0130】
本実施形態において、チップオンボード発光ダイオード50の後方にスポンジリング80が配置される。スポンジリング80の後面は、ハンマケース4の環状部4Cに支持される。スポンジリング80の少なくとも一部は、圧縮された状態でライトユニット18に接触する。図5に示す例において、スポンジリング80は、光学部材57の内筒部57B及び第2接着剤75に接触する。ライトユニット18が圧縮されたスポンジリング80に支持されることにより、ハンマケース4に対するライトユニット18のガタつきが抑制される。なお、スポンジリング80は、内筒部57Bを支持してもよい。
【0131】
[組立方法]
ライトユニット18を組み立てる場合、まず、光学部材57に遮光部材60が組み付けられる。光学部材57に遮光部材60を組み付ける場合、射出面57Fが上方を向くように所定の支持面に光学部材57が設置される。光学部材57が支持面に設置された後、対向面57Tを含む光学部材57の外周面に第1接着剤70が塗布される。本実施形態において、溝部57V及び溝部57Wに第1接着剤70が塗布される。溝部57V及び溝部57Wに第1接着剤70が塗布された後、遮光部材60が光学部材57の上方から光学部材57に挿入される。なお、遮光部材60の溝部60D及び溝部60Eに第1接着剤70が塗布された後、光学部材57に遮光部材60が挿入されてもよい。光学部材57に遮光部材60が挿入されることにより、付き当て面60Cと対向面57Tとが接触する。また、光学部材57の前部が凸部60Gに嵌まる。光学部材57は、凸部60Gの内側に軽圧入される。光学部材57に遮光部材60が軽圧入されることにより、溝部57V及び溝部57Wにおいて第1接着剤70が濡れ拡がる。溝部57V及び溝部57Wに塗布された第1接着剤70は、上方に移動し難いので、遮光部材60が光学部材57に挿入されても、射出面57Fには達しない。また、凸部60Gの径方向の内端部が光学部材57の外周面に接触することによっても、溝部57V及び溝部57Wに塗布された第1接着剤70が射出面57Fに達することが抑制される。第1接着剤70の少なくとも一部は、光学部材57の外筒部57Aの後端部(下端部)と遮光部材60の内周面の後端部との間に流れ込む可能性があるものの、射出面57Fには流れ込まないので、射出面57Fが第1接着剤70で汚れることが抑制される。また、射出面57Fには第1接着剤70が付着しないので、射出面57Fから射出される光が第1接着剤70で阻害されることが抑制される。また、基板51と光学部材57とが第2接着剤75により固定される。
【0132】
第1接着剤70及び第2接着剤75により、光学部材57と遮光部材60とチップオンボード発光ダイオード50とが固定された後、ライトユニット18とハンマケース4とが固定される。上述ように、後側スライド部57Mの周方向一方側の端部と前側スライド部57Nとの間に設けられた挿入口に凸部4Dが挿入された後、ライトユニット18が回転されることにより、凸部4Dが凹部57Kの内側に挿入される。これにより、ライトユニット18とハンマケース4とが固定される。環状部4Cに支持されたスポンジリング80がライトユニット18の少なくとも一部に接触することにより、ハンマケース4に対するライトユニット18のガタつきが抑制される。光学部材57の内筒部57Bがハンマケース4の前側筒部4Bに固定されることにより、ライトユニット18がハンマケース4に軸方向のみに固定された後、ハンマケース4及び遮光部材60の凸部60Bが左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれ、ハンマケース4及びライトユニット18がハウジング2に対して回転方向に固定される。その後、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとがねじ2Sにより固定される。
【0133】
[使用方法]
作業者によりトリガレバー14が操作されると、モータ6が起動するとともに、チップオンボード発光ダイオード50のLEDチップ52から光が射出される。チップオンボード発光ダイオード50から射出される光の輝度は高く、作業対象を明るく照らすことができる。
【0134】
一方、LEDチップ52から射出された光の少なくとも一部が外筒部57Aを透過した場合、外筒部57Aの外周面から射出された光が作業者の眼に入射すると、作業者は、眩しさを感じ、その結果、作業対象を視認し難くなる可能性がある。本実施形態においては、遮光部材60により、作業者が眩しさを感じることが抑制される。
【0135】
[効果]
以上説明したように、本実施形態において、インパクト工具1は、モータ6と、出力部であるアンビル10と、LEDチップ52と、光学部材57と、遮光部材60と、を備える。アンビル10は、モータ6の回転力により作動する。LEDチップ52は、アンビル10の周囲の少なくとも一部に配置される。光学部材57は、外筒部57Aと、光透過部57Cと、を有する。外筒部57Aは、LEDチップ52よりも径方向外側に配置される。光透過部57Cは、LEDチップ52よりも前方に配置される。LEDチップ52から射出された光は、光透過部57Cを通過する。遮光部材60は、外筒部57Aよりも径方向外側に配置される。
【0136】
上記の構成では、LEDチップ52から射出された光の少なくとも一部が外筒部57Aを透過しても、外筒部57Aよりも径方向外側に配置された遮光部材60により、外筒部57Aを透過した光が作業者の眼に入射することが抑制される。そのため、作業者が眩しさを感じることが抑制される。したがって、作業者が作業対象を視認し難くなることが抑制される。
【0137】
本実施形態において、遮光部材60の光透過率は、光学部材57の光透過率よりも低い。
【0138】
上記の構成では、LEDチップ52から射出された光の少なくとも一部が外筒部57Aを透過しても、光透過率が低い遮光部材60により、外筒部57Aを透過した光が作業者の眼に入射することが抑制される。
【0139】
本実施形態において、遮光部材60は、合成樹脂製である。
【0140】
上記の構成では、遮光部材60が例えばガラス製である場合に比べて、遮光部材60の破損が抑制される。
【0141】
本実施形態において、遮光部材60は、有色顔料を含有するポリカーボネート樹脂製である。
【0142】
上記の構成では、高強度で遮光性を有する遮光部材60が提供される。
【0143】
本実施形態において、遮光部材60は、黒色である。
【0144】
上記の構成では、高い遮光性の遮光部材60が提供される。
【0145】
本実施形態において、光学部材57と遮光部材60とを固定する第1接着剤70を備える。
【0146】
上記の構成では、光学部材57と遮光部材60とが第1接着剤70により固定される。
【0147】
本実施形態において、第1接着剤70は、外筒部57Aの外周面と遮光部材60の内周面との間に配置される。
【0148】
上記の構成では、第1接着剤70が遮光部材60の外周面に露出することが抑制される。
【0149】
本実施形態において、光学部材57は、光学部材57の外周面から径方向内側に窪むように設けられ、第1接着剤70が配置される溝部57V及び溝部57Wを有する。
【0150】
上記の構成では、溝部57V及び溝部57Wに適正量の第1接着剤70が配置される。
【0151】
本実施形態において、遮光部材60は、溝部57V及び溝部57Wよりも前方において遮光部材60の内周面から径方向内側に突出するように設けられる凸部60Gを有する。
【0152】
上記の構成では、第1接着剤70が凸部60Gにより堰き止められる。そのため、第1接着剤70が遮光部材60の前端部又は光学部材57の前端部に溢れてしまうことが抑制される。例えば、光学部材57の溝部57V及び溝部57Wに第1接着剤70が塗布された後、光学部材57の外周部に遮光部材60が組み込まれる。これにより、第1接着剤70が溢れることが抑制される。
【0153】
本実施形態において、凸部60Gの内端部は、光学部材57に接触する。
【0154】
上記の構成では、第1接着剤70が遮光部材60の前端部又は光学部材57の前端部に漏出することが効果的に抑制される。
【0155】
本実施形態において、凸部60Gは、光学部材57を囲むように設けられる。光学部材57は、凸部60Gに嵌まる。
【0156】
上記の構成では、光学部材57が凸部60Gに嵌まることにより、光学部材57と遮光部材60とが固定される。本実施形態において、光学部材57は、凸部60Gに軽圧入される。
【0157】
本実施形態において、遮光部材60の前端部60Fは、光透過部57Cの射出面57Fの周囲に配置される。
【0158】
上記の構成では、光透過部57Cの射出面57Fから射出された光が遮光部材60に遮られないので、作業対象が適正に照明される。
【0159】
本実施形態において、前後方向において、遮光部材60の前端部60Fは、光透過部57Cの前端部と同じ位置又は光透過部57Cの前端部よりも前方に配置される。
【0160】
上記の構成では、光学部材57の外周面が遮光部材60で十分に覆われる。
【0161】
本実施形態において、インパクト工具1は、アンビル10の周囲に配置される円環部51Aを有する基板51を備える。LEDチップ52は、円環部51Aの前面に配置される。
【0162】
上記の構成では、基板51及びLEDチップ52によりチップオンボード発光ダイオード50が構成される。これにより、高輝度の光が作業対象に照射される。
【0163】
本実施形態において、インパクト工具1は、基板51と光学部材57とを固定する第2接着剤75を備える。
【0164】
上記の構成では、チップオンボード発光ダイオード50と光学部材57とが第2接着剤75により固定される。
【0165】
本実施形態において、第2接着剤75は、基板51の後面と外筒部57Aの内周面とを固定する。
【0166】
上記の構成では、LEDチップ52が第2接着剤75で覆われてしまうことが抑制される。
【0167】
本実施形態において、第2接着剤75は、遮光性である。
【0168】
上記の構成では、LEDチップ52から射出された光が基板51の後方からインパクト工具1の周囲に漏れることが抑制される。例えば、ケースカバー5が透明でも、LEDチップ52から基板51の後方に漏れた光は、第2接着剤75により遮られるので、ケースカバー5を介してインパクト工具1の周囲に漏れることが抑制される。
【0169】
本実施形態において、インパクト工具1は、LEDチップ52を覆う蛍光体55を備える。
【0170】
上記の構成では、LEDチップ52から射出された光の輝度は、蛍光体55により増幅される。また、蛍光体55によりLEDチップ52が保護される。
【0171】
本実施形態において、光学部材57は、円環部51Aよりも径方向内側に配置される内筒部57Bを有する。光透過部57Cは、外筒部57Aの前端部と内筒部57Bの前端部とを繋ぐように配置される。
【0172】
上記の構成では、円環部51Aの径方向外側に光学部材57の外筒部57Aが配置され、円環部51Aの径方向内側に光学部材57の内筒部57Bが配置されるので、基板51と光学部材57との接続が安定する。
【0173】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、遮光部材60は、有色顔料を含有するポリカーボネート樹脂製であることとした。遮光部材60は、ポリカーボネート樹脂製の部材の表面に塗布される黒色の塗布膜を有してもよい。また、遮光部材60は、ゴム製でもよいし、エラストマー製でもよいし、金属製でもよい。
【0174】
上述の実施形態においては、インパクト工具1がインパクトドライバであることとした。インパクト工具1は、インパクトレンチでもよい。
【0175】
上述の実施形態においては、電動作業機1が電動工具の一種であるインパクト工具であることとした。電動工具は、インパクト工具に限定されない。電動工具として、ドライバドリル、アングルドリル、スクリュードライバ、ハンマ、ハンマドリル、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。
【0176】
電動作業機1は、電動工具でなくてもよい。図11は、他の実施形態に係る電動作業機100を示す前方からの斜視図である。図11に示す電動作業機100は、エアダスターである。電動作業機100は、ハウジング200と、バッテリ装着部130と、トリガスイッチ140と、出力部1000と、ライトユニット18とを備える。ハウジング200は、モータ収容部210と、モータ収容部210の下部から下方に延びるグリップ部220と、グリップ部220の下部に繋がるバッテリ保持部230とを有する。モータ収容部210は、モータ及びファン(図11には不図示)を収容する。トリガスイッチ140は、グリップ部220に配置される。バッテリ装着部130は、バッテリ保持部230の下部に配置される。バッテリパック25がバッテリ装着部130に装着される。出力部1000は、モータの回転力により作動する。出力部1000は、モータ収容部210の前端部よりも前方に配置される。モータが回転すると、ファンが回転し、その結果、出力部1000の噴射口1000Aから空気が噴射される。上述の実施形態において説明したライトユニット18は、電動作業機100の出力部1000の周囲に配置されてもよい。
【0177】
上述の実施形態において、電動作業機(1等)の電源は、バッテリパック25でなくてもよく、商用電源(交流電源)でもよい。
【符号の説明】
【0178】
1…電動作業機(インパクト工具)、2…ハウジング、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、2S…ねじ、3…リヤカバー、3S…ねじ、4…ハンマケース、4A…後側筒部、4B…前側筒部、4C…環状部、4D…凸部、4E…後面、4F…斜面、5…ケースカバー、6…モータ、7…減速機構、8…スピンドル、8A…フランジ部、8B…スピンドルシャフト部、8C…円環部、8D…スピンドル溝、9…打撃機構、10…アンビル(出力部)、10A…工具孔、10B…凹部、10C…アンビルシャフト部、10D…アンビル突起部、11…工具保持機構、12…ファン、12A…ブッシュ、13…バッテリ装着部、14…トリガレバー、15…正逆転切換レバー、16…手元モード切換ボタン、16A…回路基板、16B…スイッチ、18…ライトユニット、19…吸気口、20…排気口、21…モータ収容部、22…グリップ部、23…バッテリ保持部、24…ベアリングボックス、25…バッテリパック、26…ステータ、27…ロータ、28…ステータコア、29…前インシュレータ、29S…ねじ、30…後インシュレータ、31…コイル、32…ロータコア部、33…ロータシャフト部、34…ロータ磁石、35…センサ磁石、37…センサ基板、37A…磁気センサ、37B…樹脂モールド体、38…ヒュージング端子、39…ロータベアリング、40…ロータベアリング、41…ピニオンギヤ、42…プラネタリギヤ、42P…ピン、43…インターナルギヤ、44…スピンドルベアリング、45…ワッシャ、46…アンビルベアリング、47…ハンマ、47A…ハンマ溝、47B…ハンマ突起部、47C…凹部、48…ボール、49…コイルスプリング、50…チップオンボード発光ダイオード、51…基板、51A…円環部、51B…支持部、52…LEDチップ(発光素子)、54…バンク、55…蛍光体、57…光学部材、57A…外筒部、57B…内筒部、57C…光透過部、57D…凸部、57E…入射面、57F…射出面、57K…凹部、57M…後側スライド部、57N…前側スライド部、57P…前面、57Q…斜面、57T…対向面、57V…溝部、57W…溝部、58…リード線、59…抵抗器、60…遮光部材、60A…筒部、60B…凸部、60C…付き当て面、60D…溝部、60E…溝部、60F…前端部、60G…凸部、70…第1接着剤、75…第2接着剤、80…スポンジリング、90…先端工具、100…電動作業機、130…バッテリ装着部、140…トリガスイッチ、200…ハウジング、210…モータ収容部、220…グリップ部、230…バッテリ保持部、1000…出力部、1000A…噴射口、AX…回転軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11