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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027711
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】信号処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/00 20060101AFI20240222BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20240222BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G08C19/00 L
G08C19/00 K
G08C17/00 Z
H04B1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130742
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】木村 崇寛
(72)【発明者】
【氏名】季原 則明
【テーマコード(参考)】
2F073
5K060
【Fターム(参考)】
2F073AA02
2F073AA03
2F073AB12
2F073AB14
2F073BB01
2F073BB04
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CD11
2F073EE01
2F073EE11
2F073FF01
2F073FF04
2F073FF09
2F073GG01
5K060BB07
5K060CC04
5K060DD01
(57)【要約】
【課題】小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置を提供する。
【解決手段】信号処理装置10は、センサ50から入力される信号を処理する信号処理部20と、信号処理部20の出力に基づく信号を外部装置へ無線通信する無線通信部30と、信号処理部20構成部の少なくとも一部と無線通信部30とを絶縁する絶縁部40とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサから入力される信号を処理する信号処理部と、
前記信号処理部の出力に基づく信号を外部装置へ無線通信する無線通信部と、
前記信号処理部の構成部の少なくとも一部と前記無線通信部とを絶縁する絶縁部と
を備える、信号処理装置。
【請求項2】
前記信号処理部の前記構成部は、前記センサから信号が入力される信号入出力部、前記センサからの信号を処理する制御部、前記センサ及び前記信号入出力部に給電するセンサ電源、又は、前記無線通信部、前記制御部及び前記センサ電源に給電する電源部の少なくとも1つを含み、
前記絶縁部は、前記信号入出力部、前記制御部、センサ電源、又は、前記電源部の少なくとも1つと前記無線通信部とを絶縁する、請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、複数の前記センサそれぞれに接続される複数のチャンネルを含み、
前記絶縁部は、前記複数のチャンネルのうち、少なくとも1つのチャンネルと他のチャンネルとを絶縁する、請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記絶縁部は、前記無線通信部、前記制御部及び前記電源部を含む回路と、前記信号入出力部及び前記センサ電源を含む回路とを絶縁する、請求項2又は3に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、異常が検知された前記センサに給電する前記センサ電源を再起動するように前記電源部を制御する、請求項2又は3に記載の信号処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出力を無線伝送する信号処理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-120628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信装置と信号処理装置とが別体で構成される場合、無線通信装置と信号処理装置とから構成される装置が全体的に大きくなる。
【0005】
本開示は、上述の点に鑑みてなされたものであり、小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る信号処理装置は、センサから入力される信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部の出力に基づく信号を外部装置へ無線通信する無線通信部と、前記信号処理部の構成部の少なくとも一部と前記無線通信部とを絶縁する絶縁部とを備える。このようにすることで、信号処理部の構成部が無線通信部とともに小型の筐体に収容され得る。また、信号処理部の構成部が無線通信部からのノイズの影響を受けにくくなる。その結果、小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置が実現され得る。
【0007】
一実施形態に係る信号処理装置において、前記信号処理部の前記構成部は、前記センサから信号が入力される信号入出力部、前記センサからの信号を処理する制御部、前記センサ及び前記信号入出力部に給電するセンサ電源、又は、前記無線通信部、前記制御部及び前記センサ電源に給電する電源部の少なくとも1つを含んでよい。前記絶縁部は、前記信号入出力部、前記制御部、センサ電源、又は、前記電源部の少なくとも1つと前記無線通信部とを絶縁してよい。このようにすることで、信号処理部の構成部が無線通信部とともに小型の筐体に収容され得る。また、信号処理部の構成部が無線通信部からのノイズの影響を受けにくくなる。その結果、小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置が実現され得る。
【0008】
一実施形態に係る信号処理装置において、前記信号処理部は、複数の前記センサそれぞれに接続される複数のチャンネルを含んでよい。前記絶縁部は、前記複数のチャンネルのうち、少なくとも1つのチャンネルと他のチャンネルとを絶縁してよい。このようにすることで、チャンネル間における相互の影響が低減され得る。その結果、小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置が実現され得る。
【0009】
一実施形態に係る信号処理装置において、前記絶縁部は、前記無線通信部、前記制御部及び前記電源部を含む回路と、前記信号入出力部及び前記センサ電源を含む回路とを絶縁してよい。このようにすることで、絶縁部の配置が簡略化され得る。また、絶縁部40の部品数が削減され得る。その結果、小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置が実現され得る。
【0010】
一実施形態に係る信号処理装置において、前記制御部は、異常が検知された前記センサに給電する前記センサ電源を再起動するように前記電源部を制御してよい。このようにすることで、センサの異常が検知されたときにセンサが自動又は遠隔で再起動され得る。その結果、信号処理装置の利便性が向上し得る。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】比較例に係る信号処理装置を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る信号処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】信号処理部のうち信号入出力部及びセンサ電源が無線通信部から絶縁される構成例を示すブロック図である。
図4】信号処理部の全体が無線通信部から絶縁される構成例を示すブロック図である。
図5】複数のセンサそれぞれに接続されるチャンネルが絶縁される構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(比較例)
比較例に係るシステムは、センサ等からのアナログ信号を信号処理装置で受けてディジタル化し有線の通信でクラウド等の上位システムに伝送するように構成される。しかし、有線の通信を用いるシステムにおいて、通信配線の煩雑さ、又は、社内のシステム上の許認可手続き等の、システムを組む上での制約又はコストが増大する。
【0014】
一方、配線の煩雑さ、又は、通信システムの許認可手続きの問題を回避するために、有線通信ではなく無線通信を用いることが考えられる。図1に示されるように、比較例に係るシステム90は、信号処理装置91と、無線通信装置92と、絶縁電源93と、センサ94とを備える。
【0015】
センサ94は、種々の物理量の測定結果を表すアナログ信号又はディジタル信号等の信号を信号処理装置91に出力する。信号処理装置91は、センサ94から入力された信号を、Ethernet(登録商標)又はRS485等の種々の方式で変換し、変換した信号を無線通信装置92に出力する。無線通信装置92は、信号処理装置91で変換された信号を無線通信で外部装置に送信する。無線通信装置92は、ゲートウェイとも称される。無線通信装置92は、LTE(Long Term Evolution)ルータ等の無線通信装置を含む。外部装置は、クラウド環境等の上位システムを含む。信号処理装置91及び無線通信装置92は、絶縁電源93から供給される電力によって動作する。センサ94は、信号処理装置91から供給される電力によって動作する。
【0016】
比較例に係るシステム90において、信号処理装置91は、無線通信装置92の無線通信によって生じるノイズの影響を受けにくいように無線通信装置92と別体で構成される。また、信号処理装置91は、絶縁電源93から給電されることによって、電源線を通じて無線通信装置92の無線通信によって生じるノイズの影響を受けにくいように無線通信装置92から絶縁される。この場合、配電盤又は配線ボックスが大型になる。信号処理装置91及び無線通信装置92を小型な筐体に収納することが求められる。
【0017】
ここで、無線通信機能と信号変換機能とが近接して配置されて小型な筐体に収納される場合は電気的に容量結合して、センサ配線側のノイズ若しくは無線通信機側のノイズ、又は、電源の揺れ等によって、無線通信装置92とセンサ94の出力信号とが相互に干渉し悪影響を及ぼすという問題が生じる。
【0018】
そこで、本開示は、無線通信機能と信号変換機能を絶縁する絶縁部を設けて小型の筐体にコンパクト収納した、無線通信機能を有する信号処理装置10(図2参照)を説明する。本開示に係る信号処理装置10は、信号処理装置、プログラマブルコントローラ、温調計、流量計、又は、伝送器等の種々の装置を含む。また、本開示に係る信号処理装置10は、小規模計装、工業計器、変換器、又は、分散システム等の市場で展開され得る。
【0019】
(本開示の実施形態)
図2に示されるように、一実施形態に係る信号処理システム1は、信号処理装置10と、センサ50と、外部電源60とを備える。
【0020】
センサ50は、圧力又は温度等の物理量を測定し、測定データを電気信号に変換し、信号処理装置10に出力する。センサ50は、信号処理装置10から供給される電力によって動作してよい。センサ50は、信号処理装置10から供給される電力ではなく、他の電源から供給される電力によって動作してもよい。なお、センサ50は、信号処理装置10の外部に配置されるほか、信号処理装置10の内部に配置されてもよく、また、信号処理装置10の外部と内部の両方に配置されていてもよい。
【0021】
外部電源60は、信号処理装置10に電力を供給する。外部電源60は、バッテリ又は燃料電池等を含んでもよいし、電力網から受電した電力を変換するレギュレータ等を含んでもよい。外部電源60は、電力網そのものであってもよい。
【0022】
信号処理装置10は、信号処理部20と、無線通信部30とを備える。信号処理部20は、センサ50から入力された信号を処理する。信号処理部20は、例えば、センサ50から入力された信号を、Ethernet(登録商標)又はRS485等の種々の方式で変換する信号処理装置を含んでよい。信号処理部20は、センサ50に給電するように構成されるとする。
【0023】
無線通信部30は、信号処理部20と外部装置との間の無線通信を実行し、信号処理部20で処理された信号を無線通信で外部装置に送信する。すなわち、無線通信部30は、信号処理部20の出力に基づく信号を外部装置へ無線通信する。無線通信部30は、LTEルータ等の無線通信装置を含んでよい。外部装置は、クラウド環境等の上位システムを含んでよい。
【0024】
<無線通信部30と信号処理部20との絶縁の構成例>
図3に示されるように、信号処理装置10は、絶縁部40を更に備える。絶縁部40は、無線通信部30と、信号処理部20の少なくとも一部とを絶縁するように構成される。絶縁部40は、信号絶縁部42と、電源絶縁部44とを備える。信号絶縁部42は、信号線で接続される複数の構成部と無線通信部30とを互いに絶縁するように、例えば絶縁機能を有するチップ又は絶縁カプラ等を含んで構成されてよい。電源絶縁部44は、電源線で接続される複数の構成部を互いに絶縁するように、例えば絶縁トランス等を含んで構成されてよい。図3のブロック図において、信号処理装置10は、絶縁部40によって、互いに絶縁される2つの領域に分けられている。互いに絶縁される2つの領域の境界は、信号絶縁部42及び電源絶縁部44を通る一点鎖線で示されている。すなわち、信号処理装置10は、一点鎖線で示される境界で互いに絶縁される。
【0025】
信号処理部20は、制御部21と、信号入出力部22と、電源部23と、センサ電源24とを備える。信号処理部20は、これらの全てを備える場合に限られず、これらの一部だけを備えてもよい。
【0026】
各構成部を接続する実線は、電源線を表す。電源部23は、外部電源60から供給される電力を各構成部に供給する。電源部23は、例えばレギュレータ、インバータ、又はコンバータ等を含んで構成されてよい。
【0027】
電源部23は、無線通信部30と、制御部21と、センサ電源24とに電力を供給する。センサ電源24は、信号入出力部22と、センサ50に電力を供給する。電源部23は、信号入出力部22及びセンサ電源24それぞれと電源絶縁部44を介して電源線で接続される。この場合、電源絶縁部44は、電源部23と信号入出力部22及びセンサ電源24とを電気的に絶縁しつつ、電力を伝送するように構成される。
【0028】
各構成部を接続する破線の矢印は、信号線による信号の流れを表す。センサ50から出力される信号は、信号入出力部22に入力される。信号入出力部22は、例えば、センサ50から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換器を含んでよい。信号入出力部22は、例えば、センサ50から出力されるHART通信等のディジタル信号を受信する受信器を含んでもよい。
【0029】
信号入出力部22から出力された信号は、信号絶縁部42を介して制御部21に入力される。信号絶縁部42は、信号入出力部22と制御部21との間を電気的に絶縁しつつ、信号を伝送するように構成される。制御部21は、信号を無線通信部30に出力する。制御部21は、信号入出力部22から入力された信号を処理して無線通信部30に出力してもよいし、信号入出力部22から入力された信号をそのまま無線通信部30に出力してもよい。
【0030】
以上述べてきたように、図3に例示される信号処理装置10において、無線通信部30は、信号入出力部22及びセンサ電源24と絶縁されている。つまり、無線通信部30は、信号処理部20の少なくとも一部と絶縁されている。信号入出力部22は、無線通信部30と信号絶縁部42で絶縁されていることによって、無線通信部30とともに同じ筐体に収容されたとしても無線通信部30からのノイズの影響を受けにくい。また、信号入出力部22及びセンサ電源24が無線通信部30と電源絶縁部44で絶縁されていることによって、電源の揺れ等による無線通信部30とセンサ50との間の相互の干渉が生じにくい。また、無線通信部30と信号入出力部22及びセンサ電源24とが相互に悪影響を及ぼしにくい。その結果、信号処理部20と無線通信部30とを小型の筐体に収納することと、センサ50等から入力されるアナログ信号又はディジタル信号の良好且つ安定した品質での無線送信とが実現され得る。
【0031】
図4に例示されるように、一実施形態に係る信号処理システム1において、信号処理装置10は、無線通信部30と信号処理部20の全ての構成部とを絶縁するように絶縁部40を備えてよい。具体的に、信号絶縁部42は、無線通信部30と制御部21とを絶縁するように構成される。制御部21は、信号入出力部22及び電源部23と、信号絶縁部42を介さずに接続される。また、電源絶縁部44は、無線通信部30と電源部23とを絶縁するように構成される。電源部23は、制御部21、信号入出力部22及びセンサ電源24と、電源絶縁部44を介さずに接続される。
【0032】
信号処理部20の全ての構成部が無線通信部30と絶縁されることによって、信号処理部20は、無線通信部30とともに同じ筐体に収容されたとしても無線通信部30からのノイズの影響を受けにくい。また、信号処理部20の全ての構成部が無線通信部30と電源絶縁部44で絶縁されていることによって、電源の揺れ等による無線通信部30とセンサ50との間の相互の干渉が生じにくい。その結果、信号処理部20と無線通信部30とを小型の筐体に収納することと、センサ50等から入力されるアナログ信号又はディジタル信号の良好且つ安定した品質での無線送信とが実現され得る。
【0033】
図3又は図4に例示される信号処理装置10において、制御部21は、電源部23と絶縁されていないので、信号絶縁部42を介さない信号線で電源部23に制御信号を出力できる。
【0034】
信号処理装置10において、無線通信部30と絶縁される各構成部は、任意の組み合わせとされ得る。制御部21、信号入出力部22、電源部23又はセンサ電源24のうち1つの構成部だけが無線通信部30と絶縁されるように絶縁部40が配置されてもよい。例えば制御部21だけが無線通信部30と絶縁される場合、信号絶縁部42は、制御部21と無線通信部30との間、制御部21と信号入出力部22との間、及び、制御部21と電源部23との間のそれぞれに配置される。さらに、電源絶縁部44は、制御部21と電源部23との間にのみ配置される。
【0035】
制御部21、信号入出力部22、電源部23又はセンサ電源24のうち2つの構成部が無線通信部30と絶縁されるように絶縁部40が配置されてもよい。制御部21、信号入出力部22、電源部23又はセンサ電源24のうち3つの構成部が無線通信部30と絶縁されるように絶縁部40が配置されてもよい。また、図4で例示したように、制御部21、信号入出力部22、電源部23又はセンサ電源24の4つ全ての構成部が無線通信部30と絶縁されるように絶縁部40が配置されてもよい。
【0036】
無線通信部30と絶縁される構成部の組み合わせにかかわらず、無線通信部30と絶縁された構成部は、無線通信部30とともに小型の筐体に収容されたとしても無線通信部30からのノイズの影響を受けにくい、又は、電源の揺れ等による無線通信部30との間の相互の干渉を生じにくい。
【0037】
絶縁部40は、無線通信部30と制御部21とを絶縁せず、制御部21以外の少なくとも1つの構成部と無線通信部30とを絶縁するように配置されてよい。すなわち、絶縁部40は、無線通信部30及び制御部21を含む回路と、信号入出力部22、センサ電源24又は電源部23の少なくとも1つを含む回路とを絶縁するように配置されてよい。無線通信部30と通信線で接続される制御部21が無線通信部30と絶縁されない場合、絶縁部40の配置が簡略化され得る。また、絶縁部40の信号絶縁部42の数又は電源絶縁部44の数が削減され得る。
【0038】
<小括>
以上述べてきたように、本実施形態に係る信号処理装置10は、無線通信部30と信号処理部20の少なくとも一部とを絶縁することによって、無線通信部30から絶縁された構成部が無線通信部30とともに小型の筐体に収容され得る。また、信号処理装置10は、無線通信部30からのノイズの影響を受けにくくなる。その結果、小型の構成で信号を無線伝送できる信号処理装置10が実現され得る。
【0039】
(他の実施形態)
以下、他の実施形態が説明される。
【0040】
<チャンネル毎に絶縁する構成例>
図5に示されるように、信号処理装置10は、第1センサ51、第2センサ52及び第3センサ53に接続されるように構成されてよい。信号処理装置10は、第1センサ51に接続される第1チャンネル251を備える。第1チャンネル251は、第1センサ51からの信号が入力される第1信号入出力部221と、第1センサ51に給電する第1センサ電源241とを含む。信号処理装置10は、第2センサ52に接続される第2チャンネル252を備える。第2チャンネル252は、第2センサ52からの信号が入力される第2信号入出力部222と、第2センサ52に給電する第2センサ電源242とを含む。信号処理装置10は、第3センサ53に接続される第3チャンネル253を備える。第3チャンネル253は、第3センサ53からの信号が入力される第3信号入出力部223と、第3センサ53に給電する第3センサ電源243とを含む。
【0041】
信号処理装置10は、第1チャンネル251を他の構成部から絶縁する第1絶縁部401を更に備える。第1絶縁部401は、第1チャンネル251を、第2チャンネル252と第3チャンネル253と無線通信部30と制御部21と電源部23とから絶縁するように配置される。第1絶縁部401は、制御部21と第1信号入出力部221との間に接続される信号絶縁部42と、電源部23と第1センサ電源241との間に接続される電源絶縁部44とを含む。信号処理装置10は、第2チャンネル252を他の構成部から絶縁する第2絶縁部402を更に備える。第2絶縁部402は、第2チャンネル252を、第1チャンネル251と第3チャンネル253と無線通信部30と制御部21と電源部23とから絶縁するように配置される。第2絶縁部402は、制御部21と第2信号入出力部222との間に接続される信号絶縁部42と、電源部23と第2センサ電源242との間に接続される電源絶縁部44とを含む。信号処理装置10は、第3チャンネル253を他の構成部から絶縁する第3絶縁部403を更に備える。第3絶縁部403は、第3チャンネル253を、第1チャンネル251と第2チャンネル252と無線通信部30と制御部21と電源部23とから絶縁するように配置される。第3絶縁部403は、制御部21と第3信号入出力部223との間に接続される信号絶縁部42と、電源部23と第3センサ電源243との間に接続される電源絶縁部44とを含む。
【0042】
チャンネル同士が互いに絶縁されることによって、チャンネル間における相互の影響が低減され得る。チャンネルの数は、図5に例示される3つに限られず、2つ以下であってもよいし4つ以上であってもよい。チャンネルの数にかかわらず、全てのチャンネルが互いに絶縁されるように絶縁部40が配置されてよい。チャンネルは、1又は複数のチャンネルを含むグループに分けられてもよい。各グループが互いに絶縁されるように絶縁部40が配置されてもよい。
【0043】
<制御部21による電源部23の制御>
図3~5に示されるように、制御部21は、電源部23を制御する信号を生成して電源部23に出力してもよい。制御部21は、信号入出力部22から入力された信号に基づいてセンサ50等の各構成部の状態を判定してよい。制御部21は、各構成部の状態の判定結果に基づいて電源部23から各構成部に対する給電を制御する信号を生成して電源部23に出力してよい。
【0044】
具体的に、制御部21は、電源部23から給電される構成部の一部に対する給電を停止させ、その後に給電を開始させることによって、給電を停止した構成部を再起動するように電源部23を制御してよい。制御部21は、図3に示されるように、無線通信部30と絶縁されないように配置されている場合、無線通信部30と絶縁されている信号入出力部22又はセンサ電源24に対する給電を停止させて再起動するように電源部23を制御してよい。
【0045】
制御部21は、例えば、信号入出力部22から入力される信号がセンサ50の異常を表す場合に、信号入出力部22、又は、センサ電源24を再起動するように電源部23を制御してよい。このようにすることで、センサ50の異常が検知されたときに、センサ電源24から給電されるセンサ50が自動又は遠隔で再起動され得る。その結果、信号処理装置10の利便性が向上し得る。
【0046】
制御部21は、例えば、センサ電源24を必要なときだけオンにするように電源部23を制御してよい。このようにすることで、センサ50の省電力が実現され得る。
【0047】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 信号処理システム(50:センサ、51~53:第1~第3センサ、60:外部電源)
10 信号処理装置
20 信号処理部(21:制御部、22:信号入出力部、221~223:第1~第3信号入出力部、23:電源部、24:センサ電源、241~243:第1~第3センサ電源、251~253:第1~第3チャンネル)
30 無線通信部
40 絶縁部(401~403:第1~第3絶縁部、42:信号絶縁部、44:電源絶縁部)
図1
図2
図3
図4
図5