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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027716
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】挽肉製造装置
(51)【国際特許分類】
   A22C 7/00 20060101AFI20240222BHJP
   B65G 33/08 20060101ALI20240222BHJP
   B02C 18/30 20060101ALI20240222BHJP
   B02C 18/36 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
A22C7/00 A
B65G33/08
B02C18/30 A
B02C18/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130758
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000152815
【氏名又は名称】株式会社日本キャリア工業
(72)【発明者】
【氏名】柳田 廣記
【テーマコード(参考)】
3F040
4D065
【Fターム(参考)】
3F040BA01
3F040CA01
3F040EA01
4D065CA18
4D065CB07
4D065CC01
4D065DD16
4D065DD20
4D065EB07
4D065ED03
4D065ED06
4D065ED13
4D065ED31
4D065EE08
4D065EE12
4D065EE15
4D065EE18
(57)【要約】
【課題】品質の高い挽肉を製造することができ、耐久性が高い挽肉製造装置を提供すること。
【解決手段】容器の底部に、原料移送用の螺旋体を設け、この螺旋体を、容器の内部に位置する第1螺旋部と、容器の外部に突出する第2螺旋部と、この第2螺旋部の移送終端に連続する第3螺旋部とで形成し、第2および第3螺旋部を、容器側に基部を固定した筒状部材で囲い、多数の貫通孔を形成した板状部材を、筒状部材の先端部を塞ぐように設け、第2螺旋部における螺旋ピッチを、第1螺旋部における螺旋ピッチに対して縮小する一方、第3螺旋部における螺旋ピッチを、第2螺旋部における螺旋ピッチに対して拡大し、第3螺旋部おける螺旋ピッチ間に螺旋体と共に回転する移送体を設ける。
【選択図】図3


【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)の底部に、連続的に形成された原料移送用の螺旋体(2)を回転自在に設け、この螺旋体(2)を、前記容器(1)の内部に位置する第1螺旋部(2A)と、前記容器(1)の外部に突出する第2螺旋部(2B)と、この第2螺旋部(2B)の移送終端に連続する第3螺旋部(2C)とから形成し、前記第2螺旋部(2B)および前記第3螺旋部(2C)を、前記容器(1)側に基部を固定した筒状部材(3)で囲い、多数の貫通孔(4)を形成した板状部材(5)を、前記筒状部材(3)の先端部を塞ぐように設け、前記第3螺旋部(2C)の移送終端側に、前記板状部材(5)の内側面に近接または接触する位置で前記第3螺旋部(2C)と一体的に回転して原料を細断する回転刃(6)を設け、前記第2螺旋部(2B)における螺旋ピッチ(P2)を、前記第1螺旋部(2A)における螺旋ピッチ(P1)に対して縮小する一方、前記第3螺旋部(2C)における螺旋ピッチ(P3)を、前記第2螺旋部(2B)における螺旋ピッチ(P2)に対して拡大し、この第3螺旋部(2C)における螺旋ピッチ(P3)間に、前記第3螺旋部(2C)と一体的に回転する板状の移送体(7)を設けた挽肉製造装置。
【請求項2】
前記移送体(7)を、前記第3螺旋部(2C)における螺旋体(2)に略平行な姿勢の短尺の板体とした請求項1に記載の挽肉製造装置。
【請求項3】
前記移送体(7)を、前記第3螺旋部(2C)における螺旋ピッチ(P3)間の略中央位置に設けた請求項1または請求項2に記載の挽肉製造装置。
【請求項4】
前記第3螺旋部(2C)における螺旋体(2)の移送終端と前記移送体(7)の移送終端を、前記螺旋体(2)の回転軸心(P)方向において略一致する位置に配置するとともに、前記螺旋体(2)の前記回転軸心(P)を基準とする略点対称の位置に配置した請求項3に記載の挽肉製造装置。
【請求項5】
前記第1螺旋部(2A)における螺旋ピッチ(P1)が、前記第2螺旋部(2B)側の部位ほど縮小される構成とした請求項4に記載の挽肉製造装置。
【請求項6】
前記筒状部材(3)の基部側内周面に、この筒状部材(3)の先端部側の部位ほど内径が縮小されるように傾斜したテーパー部(3T)を形成し、このテーパー部(3T)内に、前記第1螺旋部(2A)の移送終端部を臨ませた請求項5に記載の挽肉製造装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜肉や魚肉などの挽肉を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、食肉加工工場における挽肉製造ラインでは、破砕した冷凍肉を挽肉製造装置に供給し、この冷凍肉を螺旋体で移送し、回転刃で細断しながら多孔板の貫通孔から押し出して挽肉とし、この挽肉をコンベアで移送しながら所定量ごとに分断して、食品用のトレーに盛り付ける。
トレーに盛り付けられた挽肉は、このトレーごと包装され、肉の種類、重量や価格などのラベルが貼られて、商品として出荷される。
【0003】
近年、挽肉製造装置の生産能力を高めるための技術的な改良が行われている。
特許文献1には、食肉を移送する螺旋体の螺旋ピッチを終端部において狭め、この終端部の螺旋体で原料を多孔板に押し付け、回転刃で細断しながら多孔板の貫通孔から押し出して挽肉を製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-299198公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術によって、原料とする低温の食肉(冷凍肉を含む)を螺旋体で移送し、回転刃で細断しながら多孔板の貫通孔から押し出すときに、この螺旋体の終端部の螺旋ピッチが狭いために食肉に過度の圧力が加わる。
このように過度の圧力が加わった場合、食肉が多孔板の貫通孔から押し出されにくくなり、多孔板の内側面側に滞留し、回転刃によって過度に掻き混ぜられ、捏ねられる。
この為、捏ねられて赤身と脂身とが溶着した食感の悪い食肉が混ざり、製造された挽肉の商品価値が低下する問題があった。
【0006】
また、特許文献1に記載された技術では、一条の螺旋体で食肉を移送する為、この一条の螺旋体の終端が、螺旋体の回転軸から放射方向へ延在する。
このため、螺旋体の終端から多孔板へ押し付けられる食肉によって、螺旋体の終端の延在部位に反力を受け、この反力が回転軸の軸心をずらす方向ないしこの軸心を傾斜させる方向に加わる。
【0007】
この反力によって、螺旋体の回転軸は、その軸心をずらす方向に偏荷重を受け、この回転軸の外周面における、螺旋体の終端に対して点対称の部位が、軸受の内周面に強く押し付けられながら摺接回転する。
この摺接回転により、回転軸の外周面の一部が比較的早期に偏摩耗することとなる。
このため、この回転軸を頻繁に点検ないし交換する必要を生じ、このようなメンテナンスのために稼働停止を余儀なくされ、製造能率が低下する問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような課題を解決し、捏ねられた食肉の一部が混入することによる挽肉の商品価値の低下を少なくし、螺旋体の回転軸の偏摩耗が生じしにくいものとして耐久性を高め、挽肉の生産能率を高めることのできる挽肉製造装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の技術的手段を講じる。
すなわち、請求項1記載の発明は、容器(1)の底部に、連続的に形成された原料移送用の螺旋体(2)を回転自在に設け、この螺旋体(2)を、前記容器(1)の内部に位置する第1螺旋部(2A)と、前記容器(1)の外部に突出する第2螺旋部(2B)と、この第2螺旋部(2B)の移送終端に連続する第3螺旋部(2C)とから形成し、前記第2螺旋部(2B)および前記第3螺旋部(2C)を、前記容器(1)側に基部を固定した筒状部材(3)で囲い、多数の貫通孔(4)を形成した板状部材(5)を、前記筒状部材(3)の先端部を塞ぐように設け、前記第3螺旋部(2C)の移送終端側に、前記板状部材(5)の内側面に近接または接触する位置で前記第3螺旋部(2C)と一体的に回転して原料を細断する回転刃(6)を設け、前記第2螺旋部(2B)における螺旋ピッチ(P2)を、前記第1螺旋部(2A)における螺旋ピッチ(P1)に対して縮小する一方、前記第3螺旋部(2C)における螺旋ピッチ(P3)を、前記第2螺旋部(2B)における螺旋ピッチ(P2)に対して拡大し、この第3螺旋部(2C)における螺旋ピッチ(P3)間に、前記第3螺旋部(2C)と一体的に回転する板状の移送体(7)を設けた挽肉製造装置とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記移送体(7)を、前記第3螺旋部(2C)における螺旋体(2)に略平行な姿勢の短尺の板体とした請求項1に記載の挽肉製造装置とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記移送体(7)を、前記第3螺旋部(2C)における螺旋ピッチ(P3)間の略中央位置に設けた請求項1または請求項2に記載の挽肉製造装置とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記第3螺旋部(2C)における螺旋体(2)の移送終端と前記移送体(7)の移送終端を、前記螺旋体(2)の回転軸心(P)方向において略一致する位置に配置するとともに、前記螺旋体(2)の前記回転軸心(P)を基準とする略点対称の位置に配置した請求項3に記載の挽肉製造装置とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記第1螺旋部(2A)における螺旋ピッチ(P1)が、前記第2螺旋部(2B)側の部位ほど縮小される構成とした請求項4に記載の挽肉製造装置とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、前記筒状部材(3)の基部側内周面に、この筒状部材(3)の先端部側の部位ほど内径が縮小されるように傾斜したテーパー部(3T)を形成し、このテーパー部(3T)内に、前記第1螺旋部(2A)の移送終端部を臨ませた請求項5に記載の挽肉製造装置とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の挽肉製造装置によれば、螺旋体の中間部で螺旋ピッチを狭め、終端部で螺旋ピッチを広げることで、食肉に加わる圧力を少なくして捏ねを少なくすることができ、捏ねられた食肉が混入することによる挽肉の商品価値の低下を少なくすることができる。
また、螺旋ピッチを広げた終端部に移送体を配置することで、螺旋体の回転軸における軸受との接触部の偏摩耗を少なくして耐久性を高めることができ、生産能率の高い挽肉製造装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態における挽肉製造装置の側面図である。
図2】本発明の実施の形態における挽肉製造装置の平面図である。
図3】本発明の実施の形態における要部の説明図であって、(a)は一部を破断して示す側面図、(b)は回転軸心方向から視た螺旋体の端面図である。
図4】本発明の実施の形態における螺旋体の説明図であって、(a)は螺旋体の展開図、(b)は回転軸心方向から視た螺旋体の端面図である。
図5】本発明の実施の形態における挽肉製造装置の要部を分解して示す斜視図である。
図6】参考例における挽肉製造装置の側面図である。
図7】参考例における挽肉製造装置の平面図である
図8】参考例における板状部材を回転軸心方向から視た内側面図である。
図9】参考例における挽肉製造装置の要部を拡大して示す説明図であり、(a)は一部を破断して示す側面図、(b)は螺旋体の回転軸心方向における移送下流側から視た図である。
図10】参考例における挽肉製造装置の要部を拡大して示す説明図であり、(a)は一部を破断して示す側面図、(b)は螺旋体の回転軸心方向における移送下流側から視た図である。
図11】参考例における挽肉製造装置の要部を拡大して示す説明図であり、(a)は一部を破断して示す側面図、(b)は螺旋体の回転軸心方向における移送下流側から視た図である。
図12】参考例における挽肉製造装置の要部を拡大して示す説明図であり、(a)は一部を破断して示す側面図、(b)は螺旋体の回転軸心方向における移送下流側から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に詳述する実施形態において、加工対象とする原料Mは、冷凍状態の塊肉をフレーカー等によって破砕して得た肉片である。
なお、この冷凍状態の塊肉は、生の豚肉、牛肉、鶏肉、または魚肉であってもよい。
また、この破砕され肉片となった原料Mは、冷凍状態ないし半解凍状態を維持した低温状態のまま加工される。
【0018】
(方向の定義)
なお、以下の説明において、後述する螺旋体2による原料Mの移送方向を基準として、移送方向上流側を「後側」と称し、移送方向下流側を「前側」と称する。また、移送方向下流側に向かって、右手側を「右側」、左手側を「左側」と称する。
【0019】
(挽肉製造装置の全体構成)
図1および図2に示すように、挽肉製造装置8には、その本体内部に原料Mを貯留する容器1を設ける。
そして、この容器1の側壁1aに連通穴24を形成し、この連通穴24と連通する筒状部材3の基部を、側壁1aの外側面側に固定する。
図3に示すように、螺旋体2を、容器1の底壁18に沿って、後壁1aから筒状部材3の先端まで配置し、原料Mを容器1内から筒状部材3の内部へ移送する(押し込む)構成とする。
【0020】
また、筒状部材3の先端部に形成される開口端には、多数の貫通孔4を有する板状部材5をこの開口端を塞ぐように配置する。
そして、筒状部材3の先端部外周面に螺合する環状部材9によって、板状部材5を固定する。
また、図1図2に示すように、筒状部材3の先端には、その先端に隣接する面を開放し下部に開口10を有するディフレクター11を配置する。
【0021】
これにより、貫通孔4から押し出された挽肉Eは、筒状部材3の開口端から環状部材9内の空間を通過して吐出し、ディフレクター11の開口10から下方へ流下ないし落下する。
なお、開口10の下方には、移送用コンベアや移送用ワゴンを配置してもよい。
なお、挽肉製造装置8には、その左側面に操作パネル16と電源釦43と停止切替44とを設け、その底面には、基部を固定した車輪74を設け、その前面には、基部を固定した信号灯73を設ける。
【0022】
(容器)
上述の容器1は、上下方向の面を形成する前後左右の側壁1aおよびこれらの側壁1aに連続する面を形成した底壁18から形成し上部に投入口19を開口して形成する。
左右の側壁1aの内側面は、下方に向かって次第に接近するように傾斜させ、底壁18は、筒状部材3の内壁下面と同じ形状になるように曲面を構成し、筒状部材3の内壁下側周面と滑らかに接続する。
これにより、投入口19から投入され容器1内に貯留された原料Mは、螺旋体2による筒状部材3内への移送が進むごとに側壁1aに沿って徐々に流下し、底壁18上の螺旋体2に取り込まれる。
【0023】
また、後壁1aの下方には、螺旋体2の軸を挿通する第一挿通穴22を設け、螺旋体2の回転軸の後端部を支持する第一軸受23を、この第一挿通穴22に嵌め合わせて固定する。
また、前壁1aの下方には、筒状部材3と連通する連通穴24を設ける。
なお、容器1の内部には、底壁18に沿って配置する螺旋体2の上方位置に、前後方向の軸心を有して駆動回転する攪拌翼(図示省略)を設け、原料Mを攪拌しながら螺旋体2に取り込ませる構成としてもよい。
【0024】
(螺旋体)
図3に示すように、螺旋体2は、回転軸となる螺旋軸53と、この螺旋軸53に巻回した螺旋板54とで構成し、容器1の底壁18上において前後方向に配置する。
すなわち、この螺旋体2の外周円の曲率半径は、底壁18の内面の曲率半径よりもやや小さく設定し、容器1の底壁18に近接させて配置する。
この螺旋軸53の後端部を上述の第一挿通穴22に挿通し、この螺旋軸53の後端に駆動モータ34の出力軸であるモータ軸35を連結する。
【0025】
一方、螺旋体2の前端部は、上述の連通穴24から前方へ突出させる。
そして、この螺旋体2の螺旋軸53の前端面から軸心方向へ穿設した挿入穴81に、軸ピン25aを挿入する。
螺旋体2の前端部を、この軸ピン25aを介して、板状部材5の中央部に設けた第二軸受部26に回転自在に軸受する。
【0026】
上述のように構成した螺旋体2は、容器1の底壁18に沿って、後壁1aから筒状部材3の先端部に亘って軸架され、その回転駆動によって容器1に投入された原料Mを上流側から下流側へ移送する。
なお、この螺旋体2の構造については、後述する。
【0027】
(筒状部材)
図3に示すように、筒状部材3は、その一端(後端)に、開口を有する基部27を備え、この基部27の後面に凸部28を一体形成する。
この凸部28は、容器1に設けた連通穴24を覆う環状に形成し、挽肉製造装置8の本体前面に設けた凹部29に嵌め合わせ、基部27をボルト等の締結部材(図示省略)で挽肉製造装置8の本体前面に固定する。
【0028】
筒状部材3の開口端近傍の内周部には、板状部材5の外径よりもやや小径となるように形成した段差部を設け、この段差部に板状部材5の後面外周部を当接させて、この板状部材5を、螺旋軸53の軸心方向における所定の位置に位置決めする。
また、筒状部材3の開口端内周部には、薄肉円筒32を配置し、この薄肉円筒32の前端面と後端面を、環状部材9の後面と板状部材5の前面とに当接させる。
そして、環状部材9の内周面に設けた雌螺子部31を、筒状部材3の開口端外周面に設けた第一雄螺子部30に螺合して取り付ける。
【0029】
これにより、板状部材5が、筒状部材3の先端内部における所定の位置に保持される。
なお、筒状部材3の内径は、螺旋体2の外径と同じか、やや大径に形成し、この筒状部材3における基部27の開口の上部内周面には、テーパー部3Tを形成する。
このテーパー部3Tは、原料Mを容器1内から筒状部材3内に円滑に誘導できる面とすればよく、滑らかな曲面や複数の段差によって次第に狭くなるように構成してもよい。
また、筒状部材3の先端部内周に形成した雌螺子と、板状部材5の外周に形成した雄螺子とを螺合し、この螺合部が螺旋体2の回転によって締まる方向に設定してもよい。
【0030】
すなわち、板状部材5には、螺旋体2によって押し付けられる原料Mを介して、この板状部材5を螺旋体2の回転方向と同方向に回転させようとする力が作用する。
この力によって板状部材5が回転して螺合部が締まるように、上述の雌螺子部と雄螺子部の螺合関係(螺子溝と螺子山の方向)を設定するとよい。
これによって、螺合部の緩みを防止でき、板状部材5の位置が安定する。
【0031】
(軸ピン)
図3および図5に示すように、軸ピン25aは、その中間部で回転刃6を回転可能に支持するように構成する。
この軸ピン25aは、直径の異なる3つの円柱部から一体的に形成する。
以後、軸ピン25aの後端部に位置する円柱部を第一軸部82、前端部に配置する円柱部を第二軸部37、中間部に配置する円柱部を第三軸部39と称する。
【0032】
第一軸部82は、圧縮バネ36と共に螺旋軸53の前側の端面に設けた挿入穴81に挿入して軸方向に移動可能に支持する。
圧縮バネ36は、挿入穴81の穴径よりも小径のコイルばねであり、挿入穴81の底面を座面として第一軸部82の後端から軸ピン25aを付勢する。
また、第三軸部39は、第一軸部82よりもやや小径とし、回転刃6の中央部に設けた軸穴38に挿通する。
また、第三軸部39の長さは、回転刃6の軸穴38の長さよりもやや長くし、刃部42の高さよりも低く形成する。
【0033】
また、軸ピン25aには、第一軸部82と第三軸部39との境界に段差部40を設け、この段差部40を回転刃6における軸穴38の後側の周面に当接させる。
また、軸ピン25aの第二軸部37は、第三軸部39よりもやや小径とし、板状部材5の中央部に設けた第二軸受部26に挿通して軸受する。
上述の様に構成した軸ピン25aは、螺旋体2の前側の部位を支持する回転軸としてこの螺旋体2と一体回転し、この軸ピン25aの外周面が、板状部材5の第二軸受部26の内周面と摺接する。
【0034】
なお、第二軸部37の先端部は、板状部材5の後端面よりも前側へ突出すように延伸させ、その延伸部に溝を形成する。
この溝を利用して、板状部材5及び回転刃6を筒状部材3から容易に引き抜くことができる。
【0035】
(回転刃)
図3及び図5に示すように、回転刃6は、軸穴38を設けた中央部と、その中央部から円周方向に90度間隔で配置し、放射方向に延伸した腕部41と、この腕部41の前端面から前側へ突出させて設けた刃部42とから一体的に形成する。
軸穴38は、上述の第三軸部39に嵌合し、この軸穴38を設けた中央部の後側の周面を段差部40の前面と当接させる。
これにより、回転刃6は、軸ピン25aによって前側に向けて付勢された状態で支持される。
【0036】
また、腕部41の先端の回転軌跡は、板状部材5の外径よりもやや小径になるように形成する。
また、刃部42は、腕部41の前面に設け、この腕部41に沿って先端から中央部近傍まで延伸させる。
この刃部42の回転軌跡によって形成される円形の面は、板状部材5における貫通孔4を有する領域を覆う。
また、各腕部41の基部間に第一係合部45を設け、この第一係合部45を、螺旋軸53の前端部周縁に形成した接続部33に係合させる。
これによって、回転刃6が螺旋体2と一体回転するように構成する。
【0037】
なお、回転刃6が螺旋体2と一体回転する構成とすればよく、上述のような係合構成に限定するものではない。
例えば、回転刃6の中心部に角穴を形成すると共に軸ピン25aの形状を角柱とし、両者を嵌め合わせて一体回転する構成としてもよい。
【0038】
(板状部材)
図3および図5に示すように、板状部材5は、筒状部材3の開口端の内径よりも僅かに小さい外径の円盤状の板体とし、この板状部材5には、前後方向に多数の貫通孔4を設ける。
そして、板状部材5の前面には、その中央部に円筒部12と第二軸受部26を前方へ突出させて設け、板状部材5の外周部には、前後方向に貫通する第一溝部83を設ける。
なお、貫通孔4は、板状部材5の外周近傍から中央部近傍に亘ってほぼ均一に配置する。
また、螺旋体2によって板状部材5の内側面(後側面)に押し付けられた原料Mが、回転刃6で細断されながら貫通孔4に押し込まれ、この貫通孔4を通過して線状の挽肉Eとなって押し出される。
【0039】
なお、板状部材5の後側面は平面としており、刃部42がこの板状部材5の後側面に摺接する。
また、螺旋体2の回転によって、第二軸受部26の内周面に第二軸部37の外周面が摺接する。
また、第一溝部83と、筒状部材3の前端部内周面に形成した第二溝部84との両者にわたって角柱状の係止部材(図示省略)を嵌合させることで、板状部材5が筒状部材3に対して回転不能に固定される。
【0040】
(ディフレクター)
図1および図2に示すように、ディフレクター11は、上下方向の面を形成する左右の側壁とこれらの側壁間に接続する前面および天面との四面を設けて形成する。
そして、筒状部材3の開口端に隣接する後面は開放し、ディフレクター11の下部には開口10を形成する。
また、ディフレクター11の右側面には、左右方向と前後方向に延在したL字型の支持部材87の基部(一端)を取り付け、この支持部材87の先端部(他端)を、ディフレクター支持部材77の前方延在端部に上下方向回転可能に取り付ける。
【0041】
これにより、ディフレクター11は、筒状部材3の開口端が露出する姿勢と、この筒状部材3の開口端を上述の四面で覆う姿勢とに切り替えることができる。
なお、ディフレクター11は、筒状部材3の開口端を露出する姿勢と覆う姿勢とに容易に切り替えられる構成であればよく、例えば、ディフレクター11を挽肉製造装置8から容易に取り外し可能な構成としてもよい。
なお、ディフレクター11の側壁には、挽肉Eの押し出し状態を視認できる複数の視認孔86を設けてもよい。
【0042】
(螺旋体の構造)
図3および図5に示すように、螺旋体2は、回転軸となる螺旋軸53と、この螺旋軸53に巻回した螺旋板54とで構成する。
螺旋軸53の軸部は、中実の丸棒であり、その外周面に螺旋板54を巻き付けて溶接する。
螺旋軸53の後面には、後側に延伸する十字型の突起を有する十字型突起56を設ける。
この十字型突起56は、駆動モータ34の出力軸であるモータ軸35に設けた十字型の溝(図示省略)に着脱自在に接続する。
【0043】
また、この螺旋軸53の後端部には、円錐台形状の張り出し部57を設け、この張り出し部57から前側へ至るに従い次第に小径となる円錐台形状の傾斜部58を設ける。
また、この傾斜部58の下流側の端部には、回転軸心Pを基準として点対称の位置に配置した2か所のリブ20を設ける。
螺旋軸53の前端部には、その円周方向に90度毎に配置し、軸方向に突出する凸部と凹部を円周方向に交互に形成した接続部33を設ける。
【0044】
上述のように構成した螺旋体2は、筒状部材3の開口端に螺合した環状部材9を取り外すことにより、回転軸方向に沿って前後方向に着脱できる。
また、張り出し部57を、容器1の後壁1aにおける第一挿通穴22の形成部位に近接させて配置することで、異物が第一軸受23に侵入しにくくなる。
【0045】
(螺旋体の螺旋間隔)
図3および図4に示すように、螺旋体2には、容器1の内部に位置する第1螺旋部2Aと、容器1の外部に突出する第2螺旋部2Bと、この第2螺旋部2Bの終端に連続する第3螺旋部2Cとを設ける。
第1螺旋部2Aにおける螺旋ピッチは、容器1内において移送方向上流側から下流側へ至るに従い次第に縮小するように構成する。
【0046】
なお、第1螺旋部2Aにおける移送終端部の螺旋ピッチP1は、容器1の前側の側壁1aに設けた連通穴24に最も近接する部位の螺旋ピッチである。
また、筒状部材3内の第2螺旋部2Bにおける螺旋ピッチP2は、最も上流側の部位で、上述の螺旋ピッチP1に対して縮小した後に等間隔とした部位の螺旋ピッチである。
また、この螺旋ピッチP2のうち、最も上流側の螺旋ピッチP2は、テーパー部3Tの前端部近傍の位置を始端として形成する。
したがって、テーパー部3T内に臨む部位には、螺旋ピッチP1よりも短く螺旋ピッチP2よりも長い螺旋ピッチP1′が存在する。
【0047】
なお、螺旋ピッチP2は、筒状部材3内における原料Mの圧力を高めながら移送できる長さであればよく、この螺旋ピッチP2を前側(下流側)に向かって次第に縮小するように構成してもよい。
そして、第3螺旋部2Cにおける螺旋ピッチP3は、螺旋体2の終端部にかけて、次第に、または急激に拡大し、螺旋ピッチP2の2倍程度の長さとなるように設定する。
すなわち、各螺旋ピッチの関係は、P1>P2かつ、P2<P3となる。
このように、螺旋ピッチを前側(下流側)で拡大した螺旋体2の終端部(移送終端部)において、原料Mの圧力が適度に低下する。
【0048】
(板状移送体)
図3から図5に示すように、移送体7は、螺旋状の板体であり、第3螺旋部2Cにおける螺旋ピッチP3内の中間位置において、螺旋軸53の前端面近傍の部位から、この螺旋軸53の円周方向に1周するよりも短い範囲に亘って装着する。
また、移送体7の終端は、回転軸心P方向において、螺旋ピッチP3を形成する螺旋板54の終端部に一致する位置に配置する。
さらに、移送体7の終端縁を、回転軸心Pを基準として、螺旋板54の終端縁と点対称の位置に配置する。
【0049】
また、この移送体7を、螺旋板54とほぼ平行に配置し、螺旋板54の半巻きから一巻き未満の長さとするのが好ましい。
なお、移送体7は、螺旋ピッチP3のほぼ中央に配置してもよく、移送体7の上流側の移送体始端部55を移送体7の厚みがこの始端縁に向かって次第に薄くなるように傾斜させて構成してもよい。
このように移送体7を設けた螺旋体2の終端部では、2条の螺旋の終端縁(螺旋板54の終端縁と移送体7の終端縁)の夫々が螺旋軸53から相反する放射方向へ延在する。
【0050】
この2条の螺旋の終端縁には、この終端縁から板状部材5へ押し付けられる原料Mから反力を受ける。
しかしながら、この反力を受ける部位が、回転軸心Pに対して点対称に配置されるため、螺旋体2の前側の回転軸である軸ピン25aは偏荷重を受けず、この軸ピン25aの外周面は、第二軸受部26の内周面に均等に押し付けられながら摺接回転する。
この摺接回転により、軸ピン25aの外周面は均等に摩耗するため、偏荷重を受ける場合に比べて螺旋体の軸ピン25aの偏摩耗が生じしにくく、耐久性を高めることができる。
【0051】
なお、上述のように、原料Mは螺旋体2によって筒状部材3の内部を移送される。
このとき、低温の原料Mが貫通孔4での通過抵抗等によって筒状部材3の内部で滞留すると、この滞留した原料Mは螺旋体2によって加圧されながら攪拌される。
このようにして原料Mが高圧になった状態で長く攪拌されると、赤身と脂身が溶着して捏ねられた肉となる。
【0052】
一方で、ピッチを拡大した第3螺旋部2Cを有さない従来の螺旋体において、その終端部に移送体7を設けると、螺旋ピッチが狭くなり、原料Mの移送を妨げる。
このため、原料Mが筒状部材3の内部でより長く滞留し、螺旋体2によって加圧されながら攪拌される。
さらに、螺旋ピッチが狭くなることで、螺旋体2の終端部で原料Mに作用する圧力が高くなる。
【0053】
これに対して、本発明の移送体7を設けた螺旋体2の終端部の螺旋ピッチP3を、これよりも上流側の螺旋ピッチP2よりも拡大したため、原料Mの移送が促進され、滞留時間が短くなる。
また、螺旋体2の終端部の螺旋ピッチP3を拡大することで、終端部で原料Mに作用する圧力が低くなる。
これにより、原料Mが高圧になった状態で螺旋体2によって長く攪拌されることを抑制し、捏ねられた肉の発生を少なくできる。
【0054】
(参考例における挽肉製造装置の全体構造)
図6および図7に示すように、挽肉製造装置8aの本体内部には、上方に開口した投入口19を有する容器1を設ける。
また、本体外部の前面には、パドル軸受部材89と筒体15と筒状部材3とディフレクター11を支持するディフレクター支持部材77と操作パネル16を設ける。
また、本体外部の下面には、本体を支持する支持脚17を設ける。
【0055】
なお、参考例における挽肉製造装置8aは、パドル軸受部材89と筒体15と操作パネル16と支持脚17を設ける点で、上述した本発明の実施の形態と異なる。
なお、参考例における挽肉製造装置8aのうち、実施の形態と同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0056】
上述の容器1の底部の前側と後側の側壁1aには、開口(底部)を形成する。
また、この開口(底部)の上方の容器1の前側と後側の側壁1aには、左右方向に配列した2つの開口を形成する。
そして、容器1の内部には、左右方向に配列した2つのパドル軸(図示省略)と、これらパドル軸の下方に位置する充填螺旋体(図示省略)を設ける。
【0057】
これらパドル軸の前端が、容器1の前側の側壁1aに設けた左右方向に並列して配列した2つの開口を貫通し、2つのパドル軸受部材89で軸受される。
また、パドル軸の後端は、後側の側壁1aに設けた2つの開口に軸受部材(図示省略)を設けて軸受する。
そして、パドル軸の他端には、パドル用駆動モータの出力軸を接続し、このパドル用駆動モータの駆動によってパドル軸が回転する。
また、充填螺旋体の後端は、容器1の後側の側壁1aの開口(底部)に設けた軸受部材(図示省略)によって軸受される。
【0058】
さらに、この充填螺旋体の後端を充填螺旋体用駆動モータ(図示省略)の出力軸と接続し、この充填螺旋体用駆動モータの駆動によって充填螺旋体が回転する。
また、充填螺旋体の前端は、筒体15の前側の端部に設けた軸受部を有する蓋体88で軸受する。
これにより、充填螺旋体は、容器1の後側の側壁1aから筒体15の内部を介して蓋体88に亘って軸架される。
上述のように構成することにより、投入口19から容器1に投入した原料Mはパドルによって攪拌され、容器1の底部の充填螺旋体に取り込まれて筒体15の前側へ移送される。
【0059】
(筒体)
上述の筒体15は、円筒部と基部(図示省略)とで構成する。
また、筒体15の基部は、挽肉製造装置8aの本体外部に締結部材(図示省略)で固定し、上述の容器1の側壁1aに形成した開口と連通する。
また、筒体15の円筒部は、前端面と後端面とを開放端とする筒体であり、この円筒部の前後方向の中間に位置する下面に開口を形成する。
また、この円筒部の下面に設けた開口(図示省略)は、筒状部材3の後側端部の上面に設けた開口(図示省略)と上下方向に連通する。
【0060】
また、筒体15の円筒部には、この前端面に蓋体88を当接させ着脱可能に固定する。
そして、筒体15の円筒部には、この外周の左側に上下方向に設けた軸を有する開閉軸部材21を取り付けて、これを軸として筒体15を左右方向に回転可能とする。
上述のように構成することにより、筒体15から蓋体88を取り外し、充填螺旋体を前後方向に出し入れすることで、充填螺旋体を着脱できる。
さらに、蓋体88および充填螺旋体を取り外した後に、筒体15を左右方向に回転させて内部を露出させる姿勢にすることで、筒体15の内部を容易に洗浄できる。
【0061】
(参考例における筒状部材)
上述の通り、筒状部材3の後側の端部は、本体外部の前側の部位に固定される。
前側の側壁1aにおいて、筒状部材3の後側の端部が接する部位に、筒状部材3の後側端部と連通する開口を形成する。
この開口には、軸受部材(図示省略)を設け、上述の螺旋軸53の前端を挿通する。
また、螺旋軸53の後端は駆動モータ34と接続する。
この他の筒状部材3の内部構造については、後述する。
【0062】
上述のように構成することにより、筒体15に移送された原料Mは筒体15の下面に設けた開口を介して筒状部材3の後端部の開口を通じて供給される。
さらに、原料Mは、螺旋体2によって筒状部材3の開口端まで移送される。
【0063】
(参考例におけるディフレクター)
ディフレクター11の前面には、下方に開放する切り欠き部(図示省略)を設けて、後述する弁部材52を挿通できるように形成する。
また、ディフレクター11の右側面には、前後方向に延在した棒状のディフレクター支持部材77の前側の端部を取り付ける。
そして、このディフレクター支持部材77の後側の端部を、前側の側壁1aの前面に上下方向回転可能に取り付ける。
これにより、ディフレクター11は、弁部材52があっても、筒状部材3の開口端が露出する姿勢と、この開口端を覆う姿勢とに切り替えることができる。
【0064】
操作パネル16は、停止釦や開始釦および表示部等を備え、使用者がこの操作パネル16で装置の状態を確認し、作動状態を切り替え操作することができる。
支持脚17は、本体の下面を4点で支持し、この支持脚17を上下方向に延伸または短縮するように調節することで、本体が水平となるように調整できる。
【0065】
(参考例における筒状部材の内部構造)
図5および図8および図9に示すように、筒状部材3の内部には、螺旋体2と軸ピン25aと回転刃6と板状部材5と環状螺子部材68とを設ける。
なお、参考例と上述の実施の形態とでは、以下の点において相違する。
・筒状部材3の内部構造において、第二溝部84と薄肉円筒32の代わりに環状螺子部材68を設ける。
・板状部材5には、その外周の第一溝部83の代わりに第二雄螺子部46を設ける。
・板状部材5には、その中央部に設けた円筒部12の外周に雄螺子を形成する。
・板状部材5には、その後側面に排出路48と円錐部49と排出溝部50を設ける。
なお、参考例における筒状部材の内部構造のうち、実施の形態と同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0066】
筒状部材3の開口端付近の外周面に雌螺子を形成し、円筒形状の環状螺子部材68の外周面には、雄螺子を形成して、両螺子を螺合する。
また、環状螺子部材68の内周面に雌螺子を形成し、板状部材5の外周縁部を前側に延伸し、この延伸部の外周面に雄螺子を形成して、両螺子を螺合する。
【0067】
図8に示すように、板状部材5の後側面には、板状部材5の外周近傍から中央部近傍に亘って凹み形状の排出溝部50を設ける。
この排出溝部50は、第二軸受部26の中心点からの放射方向を基準として、回転刃6の回転方向に対して向い角をもつように傾斜させて形成する。
また、板状部材5の後側面には、この中央部に円錐状の凹み形状を有する円錐部49を設け、この排出溝部50と接続する。
【0068】
また、第二軸受部26の外周部には、板状部材5を貫通する2つの略半円状の排出路48を、第二軸受部26の内周円の中心点を基準として点対称の位置に設ける。
これにより、まず、原料Mに含まれる軟骨や筋などの貫通孔4を通過できない異物が、回転刃6によって押されながら排出溝部50に入る。
排出溝部50に入った異物は、回転刃6の回転作用により中央部へ移送され円錐部49を通じて排出路48に排出される。
【0069】
(参考例における排出管)
図6および図7および図9に示すように、排出管13には、継手69とアダプタ59を接続し、このアダプタ59に弁部材52を接続する。
排出管13は、その両端の外周に雄螺子を形成した円管とする。
排出管13の後側(上流側)の雄螺子は、継手69の内周に形成する雌螺子と螺合する。
継手69の内周に形成する雌螺子は、板状部材5の中央に設けた円筒部12の外周に形成する雄螺子と螺合する。
排出管13は、筒状部材3の開口端の前方に設けた、ディフレクター11の後端面の近傍まで延伸する。
排出管13の前側(下流側)に形成する雄螺子は、アダプタ59の内周に形成する雌螺子と螺合する。
【0070】
アダプタ59は、この内周に形成する雌螺子と弁部材52の後側(上流側)の端部に形成した雄螺子と螺合する。
なお、この弁部材52は、開閉切り替え可能な弁を有する。
なお、排出管13は、板状部材5における排出路48と弁部材52とを連通させればよく、継手69を介さずに弁部材52と直接接続する構成としてもよい。
また、排出管13は、アダプタ59を介さずに板状部材5における排出路48と直接接続する構成としてもよい。
【0071】
(参考例における排出物貯留箱)
図6および図7に示すように、排出物貯留箱14は、弁部材52によって支持された箱体である。
すなわち、排出物貯留箱14の後端面に挿通穴を設け、この挿通穴に弁部材52の前側(下流側)の端部を挿通して固定する。
なお、この挿通穴には、アダプタ59または排出管13を直接挿通する構成としてもよい。
また、排出物貯留箱14の上部に開口を設け、内部の異物を視認できるように構成してもよい。
【0072】
上述のように、排出物貯留箱14は、弁部材52、アダプタ59、排出管13および継手69を介して、板状部材5の円筒部12に連結支持する構成である。
したがって、この円筒部12には、排出物貯留箱14の重量と板状部材5から排出物貯留箱14までの距離の積による荷重(モーメント)が加わる。
そして、この荷重は、円筒部12と一体の板状部材5および、第二軸受部26の軸心をずらす方向ないし傾ける方向に作用する。
これにより、軸ピン25aの外周面が、第二軸受部26の前部と後部の内周面に強く摺接し、その外周面に偏摩耗を生じる。
さらに、刃部42の前縁が、板状部材5の後側面の一部範囲に圧接された状態で回転し、偏摩耗を生じる。
【0073】
上述の課題を解決するために、本参考例では、排出物貯留箱14と排出管13とを支持する排出管ホルダ60を設ける構成とした。
(排出管ホルダの第1例)
本参考例における、排出管ホルダの第1例について説明する。
図9に示すように、排出管ホルダ60には、キャップ71と枠体75を設ける。
このキャップ71には、環状部とスリット61と留め具64を設ける。
このキャップ71の環状部の前壁には、円筒部材3の開口直径よりも大きい内径の開口を、前後方向に貫通形成する。
また、キャップ71の環状部の周壁の内径は、筒状部材3の開口端部の外周に嵌め合う大きさに形成する。
【0074】
また、この環状部の頂部には、前後方向に貫通するスリット61を設ける。
また、この環状部の周壁の頂部には、留め具64を設ける。
この留め具64は、第一突起部62と第二突起部63と支持軸62aとボルト79とナットで構成する。
この第一突起部62は、環状部の周壁におけるスリット61の一側の部位に設ける。
また、この第一突起部62には、円周方向および半径方向の外向きに開放した溝(図示省略)を形成し、この溝に軸架する支持軸62aを設ける。
この支持軸62aを、ボルト79の頭部に設けた挿通穴に回転自在に挿通する。
【0075】
また、第二突起部63は、環状部の周壁におけるスリット61を挟んだ他側の部位に設ける。
この第二突起部63には、円周方向および半径方向の外向きに開放する溝を形成し、この溝にボルト79の雄螺子部を挿入し、この雄螺子にナットを螺合する。
このナットを第二突起部63の左側の端面に当接させ、このナットの回転調節によってスリット61の間隔を拡大または縮小できるように構成する。
すなわち、ナットを回転調節して移動させ、このナットに当接する第二突起部63を第一突起部62に向けて接近させてスリット61の間隔を縮小する。
これにより、筒状部材3の開口端の外周面に環状部を締め付けて、排出管ホルダ60を筒状部材3側に固定する。
【0076】
また、キャップ71の前面に枠体75を一体的に設ける。
この枠体75は、上下方向の面を形成する前側壁と左右の側壁を有する略矩形体形状の部材である。
これにより、この枠体75の下部には、ホルダ開口80が形成される。
なお、この枠体75の左右の側壁の後端面は、キャップ71の前面に固定する。
また、枠体75の前側壁には、筒状部材3の軸心と一致する方向に挿通する挿通穴を形成し、この挿通穴にアダプタ59を回転可能に嵌め合わせる。
これにより、排出管ホルダ60は、このアダプタ59を支点として、回転可能に支持される。
【0077】
また、排出管ホルダ60の環状部が、筒状部材3の開口端の外周に回転可能に支持されるため、この環状部と一体形成した枠体75の回転方向の姿勢を調整できる。
なお、枠体75の左右の側壁には、前後方向に配列した複数のホルダ用視認孔65を設け、枠体75の内部を外側から視認できるようにしてもよい。
【0078】
上述の構成により、排出管ホルダ60は、筒状部材3の開口端からの挽肉Eの流下を妨げることなく、アダプタ59と弁部材52と排出物貯留箱14を支持できる。
また、排出管ホルダ60が、排出物貯留箱14を支持することにより、円筒部12と一体の板状部材5および、第二軸受部26に作用する荷重(モーメント)を軽減できる。
すなわち、この荷重を低減することにより、第二軸受部26の軸心と軸ピン25aの軸心を同軸として回転させることができる。
これにより、軸ピン25aの外周面が軸受の前部と後部の内周面に摺接して生じる偏摩耗を低減し、軸ピン25aの耐久性を高めることができる。
また、刃部42の前縁が、板状部材5の後側面の一部範囲に圧接された状態で回転して生じる偏摩耗を少なくできる。
【0079】
(排出管ホルダの第2例)
本参考例における、排出管ホルダの第2例について説明する。
図6および図7および図10に示すように、この第2例と上述の第1例とは、以下の点において相違する。
・第1例では、キャップ71を筒状部材3の開口端の外周に嵌め合わせたのに対し、第2例では、このキャップ71を環状部材9の外周に嵌め合わせた点。
・第1例では、単一の回転刃6を設けたのに対し、第2例では、2つの回転刃6aを設けた点。
・第1例では、単一の板状部材5を設けたのに対し、第2例では、3つの板状部材5a,5b,5cを設けた点。
・第1例に設けた環状螺子部材68に対し、第2例では、スリーブ66と支持部材67と薄肉円筒32を設けた点。
・第2例では、筒状部材3の中間部の外周に固定具51を設けた点。
なお、この第2例のうち、上述の実施の形態および本参考例における第1例と同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0080】
排出管ホルダの第2例において、排出管ホルダ60のキャップ71の本体である環状部は、円筒部材3の開口端に設けた、環状部材9の外周と嵌め合うように構成する。
これにより、排出管ホルダ60は、環状部材9を介して、筒状部材3の開口端部で回転可能に支持される。
【0081】
第2例における筒状部材3の内部構造について説明する。
筒状部材3の開口端部の内部には、螺旋体2bと軸ピン25bと、3つの板状部材5a,5b,5cと、2つの回転刃6aと、スリーブ66と支持部材67と、薄肉円筒32を設ける。
また、この筒状部材3の開口端部よりも後側の部位の外周には固定具51を設ける。
螺旋体2bは、螺旋体2における接続部33の代わりに、軸ピン25bをこの螺旋体2bの前端面に固定する。
また、この螺旋体2bの前側の端部に設けた挿入穴81の内周には、雌螺子を形成する。
【0082】
なお、軸ピン25bには、第三雄螺子部47と第四軸部90と角柱部78と第三溝部85を設ける。
この軸ピン25bの後側の一端には、第三雄螺子部47を設ける。
この軸ピン25bの雄螺子部は、挿入穴81の内周に形成した雌螺子と螺合する。
なお、この螺合関係は、螺旋体2bの回転と反対方向に回転して締まるように構成する。
これにより、螺旋体2bが軸ピン25bと一体回転する。
【0083】
また、軸ピン25bの第四軸部90は、軸ピン25bに設けた雄螺子部の前側端部と角柱部78とを接続する位置に設ける。
また、この第四軸部90は、この雄螺子部よりも大径に形成する。
また、軸ピン25bの角柱部78は、第四軸部90と第三溝部85とを接続する位置に設ける。
この角柱部78は、その断面を略正方形状に形成し、その回転軌跡の直径は、第四軸部90の直径よりも小径に形成する。
【0084】
板状部材5a,5bは、その中央に円筒部を設けない点でも、上述の実施の形態における板状部材5と異なる。
また、板状部材5cは、その後側面に排出路48と円錐部49と排出溝部50を設ける点でも、上述の実施の形態における板状部材5と異なる。
また、板状部材5aに設ける貫通孔4の大きさは、板状部材5bに設ける貫通孔4より大径に形成する。
また、板状部材5cに設ける貫通孔4の直径は、板状部材5bに設ける貫通孔4より小径に形成すると共に、所望の挽肉Eの直径(ないし粒径)に応じて設定する。
【0085】
また、この板状部材5aの第二軸受部26は、軸ピン25bの第四軸部90を軸受するように構成する。
これにより、第四軸部90の外周面は、板状部材5aの第二軸受部26の内周面に摺接回転する。
なお、この板状部材5b,5cにおける第二軸受部26の直径は、角柱部78の回転軌跡の直径よりも同じか、やや大径に設定する。
これにより、軸ピン25bの角柱部78は、板状部材5b,5cにおける第二軸受部26を挿通した状態で回転する。
なお、角柱部78の角部は、面取りまたは角を丸めた形状にしてもよい。
【0086】
回転刃6aは、その腕部41の前側と後側の両面に刃部42を設け、軸穴38を角穴に形成する点で、回転刃6と異なる。
この刃部42は、板状部材5aの前側面と、板状部材5bの前後両側面と、板状部材5cの後側面に摺接回転する。
また、回転刃6aの軸穴38は、断面が略正方形状の角穴で構成し、軸ピン25bの角柱部78を挿通して嵌め合わせる。
これにより、回転刃6aと軸ピン25bが一体回転する。
【0087】
スリーブ66は、本体と、その本体に形成する角穴と、その角穴の外周に形成した2つの溝を有する。
すなわち、スリーブ66の本体は、略円筒形状の部材であり、その軸心方向に沿って貫通する角穴を形成する。
また、その角穴の外周部には、この角穴の内周円の中心点を基準として点対称の位置に、スリーブ66を軸方向に貫通する2つの略半円状の溝を形成する。
さらに、スリーブ66の中央に形成した角穴には、軸ピン25bの角柱部78を挿通して嵌め合わせ、このスリーブ66と軸ピン25bが一体回転するように構成する。
このように構成することにより、螺旋体2bは、軸ピン25bを介して、回転刃6aおよびスリーブ66と接続して一体回転する。
【0088】
また、このスリーブ66は、板状部材5cの下流側の側面に隣接させて配置し、角穴の側面に形成した2つの溝と排出路48とを接続する。
さらに、このスリーブ66は、板状部材5cの下流側の側面に隣接させて配置し、角穴の側面に形成した2つの溝と排出路48とを接続する。
【0089】
支持部材67は、環状部と、支持部(図示省略)と、円筒部で構成する。
支持部材67の環状部の外径は、筒状部材3の内径と同じか、やや小径に形成する。
また、この環状部は、その前端面を薄肉円筒32の後側の端面と当接させ、この薄肉円筒32の前側の端面は、環状部材9の後側の側面と当接させる。
これにより、支持部材67は、薄肉円筒32と環状部材9によって、円筒部材3の内部における軸方向の所定位置に配置される。
支持部材67の支持部は、円筒部の外周面から環状部の内周面まで半径方向に延伸して接続する3つの支柱で構成する。
この支持部によって、環状部が円筒部側に支持される。
【0090】
なお、支持部材67の円筒部は、環状部の後端から前方へ延伸し、環状部の前端よりも前方の位置まで至る長さの円筒状に形成する。
また、この円筒部の後端には、その内周面に軸受部を形成し、スリーブ66の外周面を軸受する。
これにより、支持部材67は、スリーブ66を介して軸ピン25bの前側の端部を支持する。
また、この円筒部の前端部には、その外周面に雄螺子を形成して継手69の内周面に形成する雌螺子と螺合する。
【0091】
上述の固定具51には、支持部と突起部を設ける。
この固定具51の支持部は、略環状の板部材で形成し、その内周面が円筒部材3の外周面に当接することで、この固定具51が支持される。
また、この固定具51の突起部は、支持部の内周面から半径方向の内側へ突出するように設ける。
この固定具51の突起部を円筒部材3の外周に形成した開口に挿入した状態で、この突起部の先端が円筒部材3の内部に突出するように構成する。
なお、この円筒部材3の外周に形成した開口は、この円筒部材3の内部に設置した板状部材5aの前側面に隣接する位置に設ける。
これにより、固定具51は、その突起部の先端を板状部材5aに当接させて、円筒部材3の内部における軸方向の所定位置に配置される。
【0092】
上述のような円筒部材3の内部構造とすることにより、原料Mを下流側へ移送しながら板状部材5a,5bと2つの回転刃6aで細断する。
そして、2つの板状部材5a,5bの貫通孔4を通過することで次第に細かくなった原料Mは、板状部材5cに設けた貫通孔4を通過して所望する大きさの線状の挽肉Eとなって外部へ押し出される。
また、原料Mに含まれる異物は、板状部材5cに設けた排出溝部50に入り、回転刃6aの回転作用により中央部へ移送され円錐部49を通じて排出路48に排出される。
そして、排出路48に排出された異物が、スリーブ66の角穴の側面に形成した2つの溝と支持部材67の円筒部を通過して、継手69内から排出管13内を通過して排出物貯留箱14へ排出される。
【0093】
また、上述の構成によれば、軸ピン25bは、スリーブ66を介して支持部材67に軸受される。
そして、支持部材67は、継手69と排出管13とアダプタ59と弁部材52を介して排出物貯留箱14に連結している。
したがって、支持部材67の外周部には、排出物貯留箱14の重量と板状部材5から排出物貯留箱14までの距離の積による荷重(モーメント)が加わる。
この荷重は、支持部材67の円筒部に形成した軸受の軸心をずらす方向ないし傾ける方向に作用する。
これにより、スリーブ66の外周面が、支持部材67の軸受の前部と後部の内周面に強く摺接し、その外周面の一部に偏摩耗を生じる。
【0094】
しかしながら、この第2例によれば、筒状部材3の開口端部で支持した排出管ホルダ60が、排出物貯留箱14を支持する構成である。
また、排出管ホルダ60が、排出物貯留箱14を支持するため、支持部材67の円筒部を介して、環状部の外周部に作用する荷重(モーメント)を軽減できる。
また、この荷重を低減することにより、支持部材67の円筒部に形成した軸受の軸心とスリーブ66の軸心を同心として回転させることができる。
これにより、スリーブ66の外周面が支持部材67の円筒部に形成した軸受の前部と後部の内周面に摺接して生じる偏摩耗を低減できる。
したがって、スリーブ66の耐久性を高めることができる。
【0095】
(排出管ホルダの第3例)
本参考例における、排出管ホルダの第3例について説明する。
なお、この第3例のうち、上述の実施の形態および本参考例における第1例および第2例と同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
図6および図7および図11に示すように、この第3例と上述の第1例および第2例とは、以下の点において相違する。
【0096】
・第1例では、キャップ71にスリット61を設けたのに対し、第3例では、キャップ71における環状部の内周面に雌螺子を形成した点。
・第2例では、環状部材9の外周面を平滑な面で構成したのに対し、第3例では、環状部材9の前端側の外周部に雄螺子を形成した点。
・第1例では、キャップ71に外周面に留め具64を設けたのに対し、第3例では、キャップ71の外周面に複数の第三突起部72を設けた点。
・第1例では、排出管ホルダ60に枠体75を設けたのに対し、第3例では、排出管ホルダ60に支持体76を設けた点。
・第1例では、排出管ホルダ60をキャップ71と枠体75とを一体で構成したのに対し、第3例では、キャップ71と上述の支持体76を別体で構成した点。
【0097】
図11に示すように、第3例において、排出管ホルダ60は、キャップ71と支持体76と第三突起部72で構成する。
キャップ71の内周面には、環状部材9の外周面に設けた雄螺子と螺合する雌螺子を形成する。
また、キャップ71の外周部には、その円周方向に90度毎に第三突起部72を設ける。
この第三突起部72は、キャップ71の外周面から半径方向の外側に延伸する四角柱状に形成する。
これにより、キャップ71側の雌螺子を環状部材9側の雄螺子に螺合し、この第三突起部72に工具などを係合してキャップ71を回し、このキャップ71を環状部材9に容易に着脱することができる。
【0098】
また、キャップ71の前端部には、前後方向に貫通する開口を設ける。
このキャップ71の開口の内径は、環状部材9の開口端部の外径よりも小径とし、環状部材9の開口の内径よりも大径に設定する。
また、支持体76には、本体とフランジ70とホルダ開口80とホルダ用視認孔65を設ける。
この支持体76の本体には、軸心方向に沿って前後方向に延伸する略半円筒状の側壁と、この側壁の前端面に接続する前壁を設けて形成する。
この支持体76の本体の外径は、キャップ71の前端部における開口の内径より小径に設定し、環状部材9の前端部における開口の内径よりも大径に設定する。
【0099】
また、この支持体76の本体の下部には、その下方に向かって開口するホルダ開口80を設ける。
なお、この支持体76の本体には、その外周面に挽肉Eの押し出し状態を支持体76の内部の側面や上面から視認できる複数のホルダ用視認孔65を設けてもよい。
また、この支持体76の本体の後端面には、外周方向へ鍔状に延伸するフランジ70を一体的に設ける。
このフランジ70の外径は、キャップ71の周壁の内径よりもやや小径に設定する。
【0100】
また、このフランジ70の後端面は、環状部材9の前端面と当接し、この面に形成する開口の内径を環状部材9に形成した開口の直径よりもやや大径に設定する。
また、この支持体76の本体の直径は、フランジ70の後端部に形成した開口の内径よりも大径に設定する。
そして、フランジ70の内周面は、その後端部の開口から支持体76の本体の後端面に形成した開口へ滑らかな傾斜面によって次第に拡大するように形成してもよい。
なお、このフランジ70の後端面が、環状部材9の前端面に当接し、キャップ71の周壁の内周部に設けた張り出し部によって、このフランジ70を挟み込まれて固定される。
これにより、排出管ホルダ60は、キャップ71と環状部材9を介して、筒状部材3の開口端部で支持される。
【0101】
また、この支持体76の前端部に設けた前壁には、挿通穴を形成しアダプタ59の外周面と嵌め合うように構成する。
なお、図6および図7に示すように、アダプタ59は、弁部材52および排出物貯留箱14と連結するように構成する。
これにより、キャップ71の螺子を緩めると支持体76は、アダプタ59の支点として回転して、支持体76の姿勢を調整できる。
また、キャップ71の螺子を締め付けることで支持体76を環状部材9を介して、筒状部材3の開口端部で固定できる。
上述の構成により、第3例における排出管ホルダ60は、筒状部材3の開口端からの挽肉Eの流下を妨げることなく、アダプタ59と弁部材52と排出物貯留箱14を支持できる。
【0102】
(排出管ホルダの第4例)
本参考例における、第4例について説明する。
図6および図7および図12に示すように、この第4例と上述の第3例とは、以下の点において相違する。
・第3例では、円筒部の内部構造が第2例と同様であるのに対し、第4例では、円筒部の内部構造を第1例と同様に構成した点。
なお、この第4例のうち、上述の実施の形態および本参考例における第1例および第2例および第3例と同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0103】
上述のように、この第4例は、第1例における円筒部の内部構造と第3例における排出管ホルダ60の組み合わせである。
これにより、第4例における排出管ホルダ60は、筒状部材3の開口端からの挽肉Eの流下を妨げることなく、アダプタ59と弁部材52と排出物貯留箱14を支持できる。
また、この第4例における排出管ホルダ60は、排出管ホルダの第1例と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 容器
2 螺旋体
2A 第1螺旋部
2B 第2螺旋部
2C 第3螺旋部
3 筒状部材
3T テーパー部
4 貫通孔
5 板状部材
6 回転刃
7 移送体
P 螺旋体の回転軸心
P1 第1螺旋部における螺旋ピッチ
P2 第2螺旋部における螺旋ピッチ
P3 第3螺旋部における螺旋ピッチ


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12