IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユビ電株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置 図1
  • 特開-情報処理装置 図2
  • 特開-情報処理装置 図3
  • 特開-情報処理装置 図4
  • 特開-情報処理装置 図5
  • 特開-情報処理装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027719
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240222BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130765
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】519170058
【氏名又は名称】ユビ電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】山口 典男
(72)【発明者】
【氏名】中村 泰大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】エネルギー供給に関わる利用料金の妥当性を利用者に伝わりやすくする。
【解決手段】利用者のエネルギー供給対象30へエネルギーを供給する際のエネルギーの利用料金を管理する情報処理装置100は、エネルギー供給量を含む複数の課金条件に基づいて、前記利用者に課金する利用料金を算出する利用料金算出部105と、前記利用料金算出部が算出する利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者へ提供する処理を実行する提供処理部101とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者のエネルギー供給対象へエネルギーを供給する際のエネルギーの利用料金を管理する情報処理装置であって、
エネルギー供給量を含む複数の課金条件に基づいて、前記利用者に課金する利用料金を算出する利用料金算出部と、
前記利用料金算出部が算出する利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者へ提供する処理を実行する提供処理部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記提供処理部は、前記エネルギー供給対象へエネルギーの供給を開始する前に前記利用料金変化情報が該エネルギー供給対象に対応する利用者へ提供されるように、前記処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記複数の課金条件は、時間経過に応じて利用料金が変動する課金条件を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記提供処理部が実行する処理は、前記利用者の通信端末の表示部に対して前記利用料金変化情報を表示させる処理であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記利用料金変化情報は、前記利用料金算出部が算出する利用料金の経時変化をグラフ化したものであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記利用料金変化情報は、横軸に時間をとり、縦軸に利用料金をとったグラフであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記利用料金は、前記複数の課金条件ごとの個別料金を合算した料金であり、
前記提供処理部は、前記個別料金の経時変化を示す個別料金変化情報を利用者へ提供する処理も実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記提供処理部は、前記エネルギー供給対象へのエネルギー供給中に前記利用料金の経時変化の内容が変更されたとき、変化後の利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者へ提供する処理を実行することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力などのエネルギーの利用料金を管理する情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンセントを介した電力の利用料金を管理するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、電力供給を制御する電力供給ゲート装置と、電力供給ゲート装置から供給される電力の供給量に応じた利用料金を管理するサーバ装置(情報処理装置)と、電力供給ゲート装置と電気自動車(エネルギー供給対象)との間を接続するモバイルコンセント(エネルギー出力部)とを備えたシステムが開示されている。電力供給ゲート装置からの電力をモバイルコンセントから出力して電気自動車へ供給した後、モバイルコンセントの電力使用量積算計で検出された今回の電力供給量(エネルギー供給量)がモバイルコンセントからサーバ装置へ送信され、サーバ装置は受信した電力供給量から電力の利用料金を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-325357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者に課金される利用料金は、利用者のエネルギー供給対象へ供給されるエネルギー供給量(課金条件)に基づいて算出されるのが一般的であるが、この利用料金に、エネルギー供給量以外の他の課金条件に基づいて計算される料金を含めることが考えられる。例えば、エネルギー供給量に基づいて算出される料金のほか、エネルギー供給中にエネルギー供給対象が占有するスペースの使用料金、エネルギー供給速度の違いなどのサービス内容の違いに応じたサービス料金、エネルギー供給対象へエネルギーを出力するエネルギー出力部などの設備の違いに応じた設備料金などの他の料金を、利用料金に含めることが考えられる。このような複数の課金条件に従ってそれぞれ計算される料金を含む利用料金を利用者に課金する場合、利用者に利用料金の妥当性が伝わりにくい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、利用者のエネルギー供給対象へエネルギーを供給する際のエネルギーの利用料金を管理する情報処理装置であって、エネルギー供給量を含む複数の課金条件に基づいて、前記利用者に課金する利用料金を算出する利用料金算出部と、前記利用料金算出部が算出する利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者へ提供する処理を実行する提供処理部とを有する。
前記情報処理装置において、前記提供処理部は、前記エネルギー供給対象へエネルギーの供給を開始する前に前記利用料金変化情報が該エネルギー供給対象に対応する利用者へ提供されるように、前記処理を実行してもよい。
また、前記情報処理装置において、前記複数の課金条件は、時間経過に応じて利用料金が変動する課金条件を含んでもよい。
また、前記情報処理装置において、前記提供処理部が実行する処理は、前記利用者の通信端末の表示部に対して前記利用料金変化情報を表示させる処理であってもよい。
また、前記情報処理装置において、前記利用料金変化情報は、前記利用料金算出部が算出する利用料金の経時変化をグラフ化したものであってもよい。
また、前記情報処理装置において、前記利用料金変化情報は、横軸に時間をとり、縦軸に利用料金をとったグラフであってもよい。
また、前記情報処理装置において、前記利用料金は、前記複数の課金条件ごとの個別料金を合算した料金であってもよく、前記提供処理部は、前記個別料金の経時変化を示す個別料金変化情報を利用者へ提供する処理も実行してもよい。
また、前記情報処理装置において、前記提供処理部は、前記エネルギー供給対象へのエネルギー供給中に前記利用料金の経時変化の内容が変更されたとき、変化後の利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者へ提供する処理を実行してもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エネルギー供給量の課金条件のほかに別の課金条件も含む場合において、これらの課金条件に基づいて算出される利用料金の経時変化を利用者に把握させることができ、利用料金の妥当性が利用者に伝わりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るサービス管理システムの全体を説明するための説明図。
図2】同サービス管理システムの主要構成の一例を示す説明図。
図3】(a)~(c)は、それぞれ、実施形態のコンセントに付される画像の一例を示す説明図。
図4】同サービス管理システムにおけるサービス管理サーバの主要な機能の構成の一例を示すブロック図。
図5】同サービス管理サーバにおけるサービス管理処理の一例を示すフローチャート。
図6】(a)~(c)は、利用者の端末装置の表示部に表示される利用料金変化情報の例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係るシステムは、エネルギー出力部からエネルギー供給対象へのエネルギー供給サービスを管理するシステムである。エネルギー出力部は、例えば、エネルギー供給サービスにおいてエネルギー提供を行う提供者によって所有又は管理されるものである。供給されるエネルギーは、例えば、石油、天然ガス、石炭などの形態の一次エネルギーでもよいし、電気、水素、ガソリン、軽油、重油、都市ガス、アルコールなどの形態の二次エネルギーであってもよい。
【0009】
エネルギーが供給されるエネルギー供給対象は、例えば、バッテリー搭載のモータで駆動される電動の移動体である。移動体は、電動車両や燃料電池車両等の地上を移動する移動体でもよいし、ドローンなどの空中を移動する移動体でもよいし、海などの水上を移動する船舶等の移動体であってもよい。移動体は、四輪以上の車両、三輪車(トライスクル)、二輪車(バイク、自転車)、トラック、バス、自家用車、事業用車両などの車両であってもよい。エネルギー供給対象は、例えば、エネルギー供給サービスにおける利用者によって使用、所有又は管理されるものである。エネルギー供給対象は、リース会社からリースされるものであってもよいし、利用者とは異なる事業者が所有するものであってもよい。また、エネルギー供給対象は、携帯型又は設置型の家電機器、オフィス機器、通信端末装置等の電気機器や電子機器であってもよい。
【0010】
以下の実施形態では、一例として、供給されるエネルギーが電気エネルギーであり、そのエネルギーが出力されるエネルギー出力部が電気エネルギーを出力するコンセントであり、エネルギーが供給されるエネルギー供給対象が車両又は当該車両に組み込まれたバッテリーであり、コンセントから出力される電力で車両のバッテリーを充電する充電サービス(エネルギー供給サービス)を管理するサービス管理システムの場合について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るサービス管理システム10を示す説明図である。
本サービス管理システム10は、複数の車両30-1~30-3を駐車可能な駐車スペースを有する駐車場80のエリア内で、コンセント20から車両のバッテリーへの充電を行う充電サービスを管理するものである。駐車場80に対して車両30-1~30-3が出入りする場所は、出入口81の一箇所となっている。駐車場80の出入口81には、ゲート装置82が設置されている。
【0012】
駐車場80内には、各駐車スペースの近傍に、コンセント20を備えた充電スタンド25-1~25-5がそれぞれ設置されている。図1の例では、駐車場80内に5つの充電スタンド25-1~25-5が設置されているが、駐車場内に設置する充電スタンドの数は任意であり、1つであっても、複数であってもよい。
【0013】
駐車場80内の5つの充電スタンド25-1~25-5は、エネルギー事業者である同じ電力会社の配電設備210から電力線を介して電力の供給を受け(ステップA)、その電力会社の管理する単一の電力量計83によって電力供給量が計測されている。したがって、本実施形態では、5つの充電スタンド25-1~25-5から供給される電力供給量を充電スタンドごとに区別して計測できない構成となっている。
【0014】
また、この電力量計83は、充電スタンド25-1~25-5のほか、電力を利用するゲート装置82や各種電力利用設備85で利用される電力供給量も一緒に計測する。したがって、本実施形態では、充電スタンド25-1~25-5での電力供給量と、その他の電力利用設備82,85での電力供給量とを区別して計測することもできない構成となっている。
【0015】
電力量計83によって計測された電力供給量(電力量データ)は、電力会社の電力管理装置200へ送られる(ステップB)。例えば、電力量計83がスマートメータ等のように通信機能を備えている場合には、電力量データは通信ラインを介して電力会社の電力管理装置200へ送信される。
【0016】
電力量計83によって電力供給量が計測される電力利用設備(充電スタンド25-1~25-5、ゲート装置82、電力利用設備85)は、提供者である駐車場管理者(コンセント20の設置者)が管理している。そのため、電力会社から電力供給を受けてこれらの電力利用設備25-1~25-5,82,85で利用された電力供給量分の電力代金(エネルギー代金)は、駐車場管理者から電力会社に支払われる(ステップC)。
【0017】
駐車場管理者から電力会社に支払われる電力代金は、例えば、駐車場を使用する駐車場使用者から駐車場管理者が徴収する駐車場代金で賄うことができる。この電力代金には、充電スタンド25-1~25-5から車両30-1に供給される電力供給量分の代金が含まれるが、駐車場を使用する駐車場使用者の中には、充電スタンド25-1~25-5を利用しない非利用者(充電機能を持たない自動車のユーザなど)も含まれる。また、充電スタンド25-1~25-5を利用する利用者であっても、充電スタンドからの電力供給量は異なるのが通常である。したがって、駐車場管理者が電力会社に支払う電力代金分を、駐車場使用者の駐車場代金に一律に上乗せして徴収することは、駐車場使用者にとって不平等であり、好ましくない。
【0018】
本実施形態のサービス管理システムは、充電スタンド25-1~25-5から電力供給を受ける利用者から利用料金を徴収し、当該利用者へ供給した電力供給量分の料金(提供料金)を駐車場管理者(提供者)に支払う充電サービスを管理する。このサービス管理システムによれば、駐車場管理者は、電力会社に支払う電力代金のうち、充電スタンド25-1~25-5からの電力供給量分の電力代金を、当該充電サービスによって支払われる提供料金によって賄うことができる。
【0019】
また、本実施形態のサービス管理システムでは、充電スタンド25-1~25-5から電力供給を受ける利用者に対し、その電力供給サービス(充電サービス)の内容に応じた利用料金を課金する。そのため、充電スタンド25-1~25-5の利用者から、当該利用者が電力供給を受けた電力供給サービスの内容に応じた適切な利用料金を徴収することができる。
【0020】
図2は、本実施形態に係るサービス管理システム10の主要構成の一例を示す説明図である。
図2において、サービス管理システム10は、コンセント20から電力が供給される供給対象への電力の提供と利用(充電サービス)を管理する。本実施形態の供給対象は、コンセント20からの電力で充電される車両30あるいは当該車両30のバッテリー31である。コンセント20からの電力供給は、例えば、有線の電源ケーブル40及びプラグ41を介して行われる。コンセント20からの電力供給は、電磁誘導、マイクロ波等の電波による給電、レーザー光等の光による給電などの無線給電で行ってもよい。また、コンセント20から供給される電圧(電流)は交流であってもよいし、直流であってもよい。
【0021】
サービス管理システム10は、電力(電気エネルギー)の提供及び利用(充電サービス)を管理する情報処理装置としてのサービス管理サーバ100を備える。サービス管理サーバ100は、単体のコンピュータ装置で構成してもよいし、複数のコンピュータ装置を連携させるように構成してもよいし、ネットワーク上のクラウドシステムで構成してもよい。
【0022】
電力(電気エネルギー)を出力可能なエネルギー出力部としてのコンセント20は、用途が限定されていない汎用のコンセントでもよいし、用途限定の専用コンセントであってもよい。また、コンセント20は、利用者が限定されていないコンセントでもよいし、特定の利用者のみ利用可能なコンセントであってもよい。また、本実施形態のエネルギー出力部は、電力を出力可能なものであれば、コンセントに限らず、例えば、普通充電器、急速充電器などに用いられる専用カプラ・インレットなどであってもよい。
【0023】
図3(a)~(c)は、それぞれ、本実施形態のコンセント20に付した画像の一例を示す説明図である。
図3(a)のコンセント20には、コード画像(例えば、QRコード(登録商標)の画像)21が付されている。コード画像21は、1次元コード画像でもよいし、2次元コード画像であってもよい。コード画像21は、例えば、コンセント20の名前、識別番号、設置場所、設置主体(駐車場管理者)などの情報が符号化された画像である。
【0024】
図3(b)のコンセント20には、駐車場管理者などが任意に付けたコンセント20の識別補助画像としての文字(例えば手書き文字)22の画像が付されている。また、図3(c)のコンセント20には、駐車場管理者などが任意に付けた識別補助画像としてのイラスト23の画像が付されている。文字22又はイラスト23は、コンセント20に付してもよい。コンセント20の文字22及びイラスト23は、駐車場管理者などがシール部材24に描いてコンセント20の脇に貼り付けてもよい。なお、識別補助画像は、文字及びイラストのほか、図柄やマークであってもよい。
【0025】
コンセント20から供給される電力を利用しようとする利用者50の端末装置51は、移動通信網、インターネットなどの通信網60を介してサービス管理サーバ100と通信することができる。端末装置51は、キー、ボタン、タッチパネルなどの操作部、液晶ディスプレイなどの表示部、コンセントのコード画像や識別補助画像などを撮像するカメラなどの撮像部などを備える。端末装置51は、利用者が操作することにより、予め組み込まれた所定の電力利用アプリケーション(電力利用アプリ)を起動して実行することができる。端末装置51は、自身の現在位置の情報を取得するGNSS受信機などの現在位置取得部を備えてもよい。端末装置51は、例えば、第4世代又は第5世代以降の世代の移動通信網を介して通信可能な移動局(「移動機」、「ユーザ装置(UE)」等ともいう。)であってもよい。
【0026】
車両30は、車載装置の外部通信部32により、通信網60を介して、サービス管理事業者のサービス管理サーバ100や車両メーカーの車両管理サーバ300と通信することができる。なお、外部通信部32は、サービス管理サーバ100と通信する通信部と、車両管理サーバ300と通信する通信部とを、別々に備えていてもよい。
【0027】
外部通信部32は、例えば、車載ネットワーク(CAN:Controller Area Network)にゲートウェイを介して接続される遠隔制御ユニット(TCU:テレマティック コントロール ユニット)であってもよい。遠隔制御ユニット(TCU)は、通信網60を介した通信機能のほか、無線LANやブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信機能を有してもよい。車載ネットワーク(CAN)には、遠隔制御ユニット(TCU)のほか、バッテリー31を管理するバッテリー管理システム(BMS)や、その他の各部の制御する一又は複数の電子制御ユニット(ECU)が接続されている。
【0028】
次に、本実施形態に係るサービス管理システム10を用いて管理される充電サービスの流れについて説明する。
バッテリー31の充電に係る電力供給に関するエネルギー供給情報である電力利用情報(例えば、バッテリー識別情報、電力量、充電開始時間、充電終了時間)は、例えば、バッテリー管理システム(BMS)から遠隔制御ユニット(TCU)を介して、車両メーカーの車両管理サーバ300に送信される(ステップ1)。また、電力を利用する側の利用側識別情報である車両の識別情報は、例えば、車両の基本情報を記憶したメモリを有する電子制御ユニット(ECU)から遠隔制御ユニット(TCU)を介して車両管理サーバ300に送信される。これらの情報の車両管理サーバ300への送信は、例えば、車両管理サーバ300の指定するタイミング等に基づいて、あるいは、端末装置51で起動しているアプリケーションが生成した送信要求に基づいて、実行される。端末装置51からの送信要求は、例えば無線LANやブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を介して車両の遠隔制御ユニット(TCU)が受信してもよい。車両メーカーの車両管理サーバ300には、車両30の識別情報に関連付けて当該車両30の電力利用情報が蓄積され、最新の電力利用情報がほぼリアルタイムで管理される。
【0029】
一方で、利用者50が駐車場80に車両30-1を駐車して、充電スタンド25-1のコンセント20から車両30-1のバッテリーを充電するとき、利用者50は、端末装置51で電力利用アプリを実行して、このコンセント20に付されているコード画像(例えばQRコード(登録商標)の画像)21(図3(a)参照)を読み取る。そして、利用者50は、端末装置51を操作して、電力を提供する側の提供側識別情報であるコード画像21の読取データと、利用側識別情報とを、端末装置51から送信する。利用側識別情報は、例えば、利用者50又は端末装置51の識別情報と、コンセント20から電力が供給される供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)とを含む。これらの情報は、通信網60を介して、サービス管理サーバ100の端末通信部101に受信される(ステップ2)。
【0030】
利用者50又は端末装置51の識別情報、供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)などの利用側識別情報は、例えば、予め、端末装置51の電力利用アプリに登録される。提供側識別情報であるコード画像21の読取データは、例えば、コード画像21を端末装置51のカメラで撮像した画像データでもよいし、その画像データを復号化して得られたデータであってもよい。また、提供側識別情報としては、コード画像21の読取データに代えて、コンセント20に付されている識別補助画像22又は23(図3(a)及び図3(c)参照)の読取データと、端末装置51の位置情報とを用いてもよい。端末装置51の位置情報は、例えば、端末装置51のGNSS受信機で測位した端末装置51の位置情報(緯度、経度、高度)である。
【0031】
なお、提供側識別情報の例は、上述したものに限られない。例えば、コンセント20を備える充電スタンド25に、当該コンセント20の識別情報を記憶したRFタグを設けてもよい。この場合、利用者50は、端末装置51で電力利用アプリを実行して、このRFタグと無線通信して、RFタグに記憶されたコンセント20の識別情報を取得する。そして、利用者50は、端末装置51を操作して、提供側識別情報であるコンセント20の識別情報を端末装置51から通信網60を介してサービス管理サーバ100へ送信する。
【0032】
本実施形態では、上述した利用側識別情報や提供側識別情報が利用者50の端末装置51から通信網60を介してサービス管理サーバ100へ送信しているが、これに限られない。例えば、コンセント20を備える充電スタンド25にIoT通信モジュール等の通信装置を組み込んでおき、その通信装置が、通信網を介して利用者50の端末装置51と通信して、端末装置51から利用側識別情報や提供側識別情報を取得し、これらの情報を、通信網を介してサービス管理サーバ100へ送信してもよい。
【0033】
次に、サービス管理事業者のサービス管理サーバ100は、利用者50の端末装置51からコード画像21の読取データ等を受信するとともに、車両メーカーの車両管理サーバ300からエネルギー供給情報としての変動パラメータ情報である供給量情報を含む電力利用情報を取得する(ステップ3)。供給量情報は、コンセント20から利用者50の供給対象である車両30に供給された電力の供給量に関する情報である。
【0034】
また、サービス管理サーバ100は、コード画像21の読取データ等に対応する充電スタンド25から、充電スタンド25-1のコンセント20に車両30-1のプラグ41が装着された時刻(接続開始時刻)の情報(占有時間関連情報)を受信する(ステップ4)。また、サービス管理サーバ100は、当該充電スタンド25-1のコンセント20から車両30-1のプラグ41が取り外された時、その時刻(接続終了時刻)の情報(占有時間関連情報)を当該充電スタンド25から受信する(ステップ4)。本実施形態において、充電スタンド25には、コンセント20に対して車両30のプラグ41が着脱されたことを検出する検出部が設けられている。この検出部は、車両30によりコンセント20が占有されたときの占有時間(車両30のプラグ41とコンセント20との接続時間)を検出する占有時間検出部として機能する。
【0035】
また、サービス管理サーバ100は、当該車両30のバッテリー31に対する充電に要する利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者50へ提供するための処理を実行する(ステップ5)。この処理により、本実施形態では、利用者50の端末装置51の表示部に当該利用料金変化情報が表示され、利用者50はバッテリー31に対する充電に要する利用料金の経時変化を把握することができる。
【0036】
そして、サービス管理サーバ100は、取得した電力利用情報に含まれる供給量情報に基づき、車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金を当該利用者50から徴収するために必要な処理(利用料金の課金処理)を行う(ステップ6)。このとき、本実施形態では、車両30-1による当該充電スタンド25-1のコンセント20の占有時間に関する占有時間関連情報に基づいて加算料金が決定され、その加算料金を含む利用料金が算出される。例えば、前記占有時間のうちの車両30-1への充電が行われていない非充電時間(非供給時間)が長いほど高額な加算料金又は非充電時間(非供給時間)の長さに応じた加算料金が決定される課金条件(時間経過に応じて利用料金が変動する課金条件)に従って、その加算料金を含む利用料金が算出される。そして、充電サービスを運営するサービス管理事業者は、利用者50から車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金(例えば、非充電時間が長いほど高額な加算料金又は非充電時間の長さに応じた加算料金を含む)を徴収することができる(ステップ8)。なお、サービスの運用方法によっては、例えば、前記占有時間のうちの車両30-1への充電が行われていない非充電時間(非供給時間)が長いほど低額な加算料金を決定してもよい。
【0037】
サービス管理サーバ100で行われる課金処理(課金のために必要な処理)は、取得した供給量情報に基づき、車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金を当該利用者50から徴収するために必要な一連の処理のうちの少なくとも一部の処理(公知のあらゆる課金処理を含む。)である。具体例としては、例えば、取得した供給量情報及び占有時間関連情報から車両30-1の充電に係る電力供給量分の利用料金(上述の加算料金を含む。)を算出する処理、当該利用料金を利用者に課金するための手続きをする処理、当該利用料金を利用者から徴収する他の事業者が管理する管理装置に供給量情報及び利用料金の情報の少なくとも一方を提供する処理などを含む処理が挙げられる。
【0038】
また、サービス管理サーバ100は、利用者50の端末装置51からコード画像21の読取データ等を受信すると、取得した供給量情報及び占有時間関連情報に基づき、車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金(例えば、非充電時間が長いほど高額な加算料金又は非充電時間の長さに応じた加算料金を含む)を駐車場管理者に支払うために必要な処理(提供料金の支払準備処理)を行う(ステップ7)。これにより、充電サービスを運営するサービス管理事業者は、車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金(上述の加算料金を含む。)を駐車場管理者に支払うことができる(ステップ9)。
【0039】
サービス管理サーバ100で行われる支払処理(支払いのために必要な処理)は、取得した供給量情報に基づき、車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金を駐車場管理者に支払うために必要な一連の処理のうちの少なくとも一部の処理(公知のあらゆる支払処理を含む。)である。具体例としては、例えば、取得した供給量情報及び占有時間関連情報から車両30-1の充電に係る電力供給量分の提供料金を算出する処理、当該提供料金を駐車場管理者(提供者)に支払うための手続きをする処理、当該提供料金を駐車場管理者に支払う他の事業者が管理する管理装置に供給量情報及び提供料金の情報の少なくとも一方を提供する処理などを含む処理が挙げられる。
【0040】
なお、本実施形態では、提供料金や利用料金を変動させる変動パラメータ情報として、コンセント20(エネルギー出力部)から車両30のバッテリー31(エネルギー供給対象)に供給された電力供給量(エネルギー供給量)に関する供給量情報を用いているが、これに限られない。例えば、充電時間(充電終了時間-充電開始時間)に応じて提供料金や利用料金を変動させるという課金条件(時間経過に応じて利用料金が変動する課金条件)を利用する場合には、当該充電時間の情報を変動パラメータ情報として用いることができる。この場合、充電の際の電力供給量を検出する検出部を必要としないため、簡易な構成でサービス管理システムを提供することができる。
【0041】
また、例えば、コンセント20の中には、車両30への電力供給速度(単位時間あたりの電力供給量)が互いに異なるものが混在する。すなわち、コンセント20の中には、他のコンセント20よりも電力供給速度が高速である急速充電が可能なものが存在する。このような場合、充電の際の電力供給速度(エネルギー供給速度)の違い(例えば、充電方式が急速充電方式であるか否か、互いに電力供給速度が異なる複数の充電方式間の違い)によって提供料金や利用料金を変動させてもよい。具体的には、例えば、充電の際の電力供給速度(エネルギー供給速度)に応じた加算料金、又は、充電の際の電力供給速度(エネルギー供給速度)が速いほど高額な又は低額な加算料金(例えば急速充電方式である場合には急速充電方式でない場合よりも高額な又は低額な加算料金)が決定される課金条件に従って、提供料金や利用料金を算出してもよい。
【0042】
急速充電方式としては、例えば、電気エネルギーを直流電圧で供給する充電方式(高速充電方式)が挙げられる。この充電方式は、電気エネルギーを交流電圧で供給する通常の充電方式(低速充電方式)よりも電力供給速度が速い。
【0043】
この場合、電力供給速度の違いによる利用者間の不平等(短時間で充電を完了できるか否か等)を是正することができ、利用者にとって平等感のある充電サービスを提供することができる。また、電力供給速度の違いによる駐車場管理者間の不平等(高額な設備投資が必要となる急速充電可能なコンセントを使っているか否か等)も是正することができ、駐車場管理者にとって平等感のある充電サービスを提供することができる。特に、高額な設備投資を行った急速充電が可能なコンセント20の駐車場管理者に対しては適切な投資回収の道筋を作ることができる。
【0044】
また、電力供給速度は、エネルギー供給対象である車両30やバッテリー31の種類、構成あるいは状態によっても異なる場合がある。具体的には、車両の交流電力消費率(電費)、電池容量、電池残量、バッテリーの劣化度(車両30の走行距離やバッテリー31の使用期間など)、充電効率、車両位置(車両30が充電を行う地域)、プラグインハイブリッド車であればガソリン残量などによって、電力供給速度が異なる場合がある。したがって、これらの供給対象情報を変動パラメータ情報として取得して電力供給速度の違いを把握し、利用者に課金する利用料金や駐車場管理者へ支払う提供料金を算出してもよい。なお、これらの情報は、例えば、後述する車両30(エネルギー供給対象)の種類(種別)の情報を取得することで得ることができる。
【0045】
また、本実施形態では、提供料金や利用料金を変動させる変動パラメータ情報として、車両30による充電スタンド25のコンセント20の占有時間に関する占有時間関連情報を用いる。占有時間関連情報は、例えば、充電スタンド25のコンセント20に車両30のプラグ41が装着された接続開始時刻の情報と、当該充電スタンド25のコンセント20から車両30のプラグ41が取り外された接続終了時刻の情報とが挙げられる。これらの情報に基づき、接続終了時刻から接続開始時刻を差し引いた時間を算出することで、車両30のプラグ41をコンセント20に接続して当該コンセント20を占有している占有時間を得ることができる。
【0046】
この占有時間中は、当該コンセント20を他の車両30が利用できないため、当該コンセント20の利用機会の喪失を発生させ、これにより充電サービス(エネルギー供給サービス)の収益、提供者の利益を減退させることにつながる。この占有時間に応じた加算料金が含まれる利用料金及び提供料金を算出することで、当該車両30によるコンセント20の占有時間によって発生する他の車両の利用機会喪失に起因した収益、利益の減退を、当該占有している車両30の利用者の利用料金で補填することが可能となる。
【0047】
特に、本実施形態における占有時間関連情報は、車両30によるコンセント20の占有時間のうち、当該車両30への充電が行われていない非充電時間(非供給時間)に関する非供給時間関連情報を含む。具体的には、上述した接続開始時刻の情報と接続終了時刻の情報のほか、電力利用情報に含まれる充電開始時間と充電終了時間の情報も、占有時間関連情報として用いられる。これによれば、これらの情報に基づき、占有時間(接続終了時刻-接続開始時刻)から充電時間(充電終了時間-充電開始時間)を差し引くことにより、占有時間のうちの非充電時間(非供給時間)を算出することができる。
【0048】
占有時間のうちの充電時間中は、車両30がコンセント20からの充電を受けている期間なので、コンセント20を正当に占有している状態であると言える。この充電時間についてのコンセント20の占有による補填を当該車両30の利用者に強いるのは好ましくない。これに対し、占有時間のうちの非充電時間中は、車両30がコンセント20からの充電を受けていない期間なので、車両30はコンセント20を実質的に使用していない状態であり、コンセント20を不当に占有している状態であると言える。したがって、占有時間のうちの充電時間を除いた非充電時間についてだけ、コンセント20の占有による補填を当該車両30の利用者に強いることが好ましい。
【0049】
非充電時間は、充電が開始される前の充電前非充電時間(供給前非供給時間)と、充電途中に生じ得る充電途中非充電時間と、充電が終了した後の充電後非充電時間(供給後非供給時間)とに、大別することができる。このうちの充電途中非充電時間は、これを算出することが煩雑なうえ、発生頻度や発生時間も少ないことが想定される。したがって、非充電時間としては、充電前非充電時間及び充電後非充電時間のうちの少なくとも一方だけを算出することで、簡易な構成でサービス管理システムを提供することができる。
【0050】
また、本実施形態では、コンセント20に対して車両30のプラグ41が装着(接続)されている時間を、当該車両30によるコンセント20の占有時間として検出しているが、これに限られない。例えば、車両30がコンセント20から充電を受ける際に当該車両30によって使用される駐車スペース(使用スペース)の占有時間(駐車時間)を、当該車両30によるコンセント20の占有時間として検出してもよい。この駐車スペースを占有している期間は、他の車両が当該駐車スペースに駐車できないので、他の車両は当該駐車スペースに対応するコンセント20を利用できないからである。
【0051】
駐車時間は、例えば、ゲート装置82から出力される入出場情報に基づいて得ることが可能である。具体的には、ゲート装置82から出力される入出場情報に基づいて入場したか出場したかを判断し、入場の場合には、駐車場識別情報に対応づけて車両識別情報を入場時刻とともに登録し、出場の場合には、当該車両識別情報に対応づけて出場時刻を登録するように管理する。そして、当該車両識別情報に対応する車両30がコンセント20から充電を受けた場合には、当該車両識別情報に対応する出場時刻から入場時刻を差し引いた時間を駐車時間とし、この駐車時間から占有時間や非充電時間(非占有時間)を算出して、提供料金や利用料金を変動させてもよい。
【0052】
また、例えば、コンセント20の中には、出力する電力(エネルギー)の生成方法の種別が互いに異なるものも混在する。この種別には、例えば、国のエネルギー政策等により推奨されている種別、生成コストの低い種別などが含まれる。このように、出力する電力(エネルギー)の生成方法の種別が互いに異なるものが混在する場合、電力(エネルギー)の生成方法の種別の違いによって提供料金や利用料金を変動させる課金条件を用いてもよく、このとき、当該電力(エネルギー)の生成方法の種別の情報を変動パラメータ情報として用いることができる。
【0053】
なお、出力する電力(エネルギー)の生成方法の種別の具体例としては、その電力を発生させる電源が、油や石炭などの化石燃料により電力を発生させる種別のものか、あるいは、風力、太陽光、バイオマス(生物資源)などの自然エネルギーにより電力を発生させる種別のものかを区別するものが挙げられる。また、これらの化石燃料や自然エネルギーの種別を更に細かく区別するもの(例えば、自然エネルギーであれば、風力、太陽光、バイオマス(生物資源)の区別をするもの)であってもよい。種別の判断は、例えば、所定の認証機関から発行される証明書(グリーン電力証書など)の有無によって行うことが可能である。出力する電力(エネルギー)の生成方法の種別は、このような電源の種別に限らず、発電工程におけるCO(二酸化炭素)の発生量を区別するものなどであってもよい。
【0054】
なお、各コンセント20に対応する電力の生成方法の種別は、例えば駐車場管理者の申請等に基づき、コンセント20ごとに事前に対応づけしておくことができる。具体的には、サービス管理サーバ100の記憶部104に、コンセント20の識別情報等の提供側識別情報に対応づけて、そのコンセント20に対応する電力の生成方法の種別の情報(例えば、グリーン電力証書の有無の情報)を記憶しておく。
【0055】
また、例えば、本実施形態のシステムにおけるコンセント20は、出力する電力の供給を受ける車両30(エネルギー供給対象)の種類(種別)が異なる場合もある。この種別には、例えば、車両30のメーカーや車種、あるいは、車両30に搭載されているバッテリー31のメーカーや機種などが含まれる。このように、車両30の種別が異なる場合、電力供給速度が異なったり、電力供給のためのコスト(コンセント20の設備費用)が異なったりすることがある。このような場合、電力供給を受ける車両30(エネルギー供給対象)の種別の違いによって提供料金や利用料金を変動させる課金条件を用いてもよく、このとき、当該車両30(エネルギー供給対象)の種別の情報を変動パラメータ情報として用いることができる。なお、各コンセント20からの電力供給を受ける車両30の種別は、例えば、サービス管理サーバ100が、車両30の外部通信部32から送信される当該車両30の車両識別情報に基づいて判断することができる。
【0056】
図4は、実施形態に係るサービス管理サーバ100の主要な機能の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、サービス管理サーバ100は、供給情報取得部としての端末通信部101及びサーバ通信部102と、管理処理部103と、記憶部(DB:データベース)104と、課金処理部105と、支払処理部106とを備える。
【0057】
端末通信部101は、利用者50の端末装置51との間で通信網60を介して通信を行う。端末通信部101は、例えば、端末装置51から送信されるコード画像21の読取データ、利用者50又は端末装置51の識別情報、コンセント20から電力が供給される供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)等を受信する。また、本実施形態の端末通信部101は、課金処理部105により算出される利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者50へ提供するために、当該利用料金変化情報を利用者50の端末装置51に表示させるためのデータを、当該端末装置51へ送信する。
【0058】
コード画像21の読取データは、利用者50の車両30に電力を供給したコンセント20の提供者である駐車場管理者の識別情報(提供側識別情報)として機能するものであり、また、利用者50又は端末装置51の識別情報や、供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)は、利用側識別情報として機能する。
【0059】
サーバ通信部102は、供給対象の車両30が登録している車両メーカーの車両管理サーバ300との間で通信網60を介して通信を行う。サーバ通信部102は、例えば、車両管理サーバ300が蓄積している当該車両30の電力利用情報のうちの少なくとも供給量情報(変動パラメータ情報)を、車両管理サーバ300から通信網60を介して受信する。
【0060】
なお、端末通信部101及びサーバ通信部102は、一体構成の通信装置(例えば移動通信モジュール)で構成してもよい。
【0061】
管理処理部103は、利用者50又は端末装置51の識別情報と供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)とに基づいて、電力を利用している利用者の認証(利用者認証)と、供給対象(例えば車両30又はバッテリー31)の認証(供給対象認証)の少なくとも一方を行う。
【0062】
例えば、管理処理部103は、端末装置51から受信した利用者50の識別情報(利用者ID)と、サービス管理サーバ100に予め登録されている利用者の識別情報(利用者ID)とを比較することにより、利用者50が本実施形態のサービス管理システムに予め登録された正規の利用者であるかを確認する利用者認証を行う。この場合、正規の利用者のときは充電サービスの利用を許可し、正規の利用者でないときは充電サービスの利用を制限(例えば利用を不許可)にしてもよい。
【0063】
また、例えば、管理処理部103は、端末装置51から受信した供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)と、サービス管理サーバ100に予め登録されている供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)とを比較することにより、供給対象(例えば、車両30又はバッテリー31)が本実施形態のサービス管理システムに予め登録された正規の供給対象であるかを確認する供給対象認証を行ってもよい。この場合、正規の供給対象のときは充電サービスの利用を許可し、正規の供給対象でないときは充電サービスの利用を制限(例えば利用を不許可)にしてもよい。
【0064】
また、管理処理部103は、端末装置51から受信した供給対象の識別情報(例えば、車両30又はバッテリー31の識別情報)に基づいて、サーバ通信部102を介して車両メーカーの車両管理サーバ300から、当該供給対象の供給量情報を受信して取得する(ステップ3)。
【0065】
前述のように、供給量情報は、コンセント20から利用者50の供給対象である車両30に供給された電力の供給量に関する情報である。供給量情報は、コンセント20から利用者50の供給対象である車両30に供給される電力の供給量を特定可能な情報であればよい。本実施形態において、この供給量情報は、車両30から車両管理サーバ300へ送信される電力利用情報に含まれており、車両管理サーバ300に蓄積されている。
【0066】
供給量情報の具体例としては、例えば、車両30に備わっている検出部33が検出することができる情報であり、コンセント20から供給されてバッテリー31の充電に用いられた電力量(電力供給量)に対応する情報であれば、その検出した情報を供給量情報として利用できる。
【0067】
また、例えば、車両30に備わっている検出部33がバッテリー31の電力残量を検出できるものであれば、その検出した電力残量の情報を供給量情報として利用してもよい。この場合、例えば、充電後の電力残量から充電前の電力残量を差し引くことで、コンセント20から供給されてバッテリー31の充電に用いられた電力量(電力供給量)を得ることができる。
【0068】
また、電気自動車の多くは、バッテリー31の充電率(SoC:State of Charge)を検出する検出部33を備えているので、SoCのデータを供給量情報として利用してもよい。この場合、バッテリー31の満充電容量がわからないと、SoCのデータからバッテリー31の電力残量を把握することができない。しかしながら、バッテリー31の識別情報と満充電容量との対応関係を記憶部(DB)104に記憶しておくことで、バッテリー31の識別情報から満充電容量を特定して、バッテリー31のSoCのデータからバッテリー31の電力残量を算出することができる。
【0069】
記憶部(DB)104は、サービス管理サーバ100で行う各種処理に必要な情報やデータを記憶する。具体的には、端末通信部101で受信される出力部識別情報としてのコード画像の読取データ、利用者50又は端末装置51の識別情報及び供給対象の識別情報と、サーバ通信部102で受信される供給量情報と、占有時間関連情報とを互いに対応づけて記憶する。例えば表1に示すように、一連の電力利用のトランザクションごとに、コンセントIDと利用者IDと端末ID(例えばIMEI)と車両IDと電力供給量と占有時間のうちの非充電時間(非供給時間)とを互いに対応付けた1レコードが記憶され、全体として、電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)が形成される。
【0070】
【表1】
【0071】
また、記憶部(DB)104には、複数のコンセントを介した充電サービスの管理に用いられる各種テーブルが格納されている。例えば、記憶部(DB)104には、表2のコンセント管理テーブルと、表3のユーザ管理テーブルと、表4の車両管理テーブルを格納されている。なお、表2は、コード画像21の読取データに代えて、コンセント20に付されている識別補助画像22又は23の読取データと端末装置51の位置情報とを用いる例であってもよい。また、記憶部(DB)104には、駐車場管理者などのコンセント20の設置者(提供者)を管理するための設置者(提供者)管理テーブルを更に格納してもよい。設置者(提供者)管理テーブルには、例えば、設置者IDをキーにして、設置者(提供者)の氏名又は名称、住所などの情報が記録される。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
コンセント管理テーブル、ユーザ管理テーブル及び車両管理テーブルはそれぞれ、本実施形態のサービス管理サーバ100で提供される充電サービスを利用するためのコンセント20、利用者50(端末装置51)及び車両30(バッテリー31)の新規登録があったときに新規レコードが追加される。
【0076】
また、記憶部(DB)104には、設置者ID(駐車場管理者の識別情報)や、その駐車場管理者へ電力供給量分の提供料金を支払うために必要な処理(支払処理)に用いる情報(支払先の口座番号など)等の提供者の情報を、対応するコンセントの名称やコード画像の読取データ等のエネルギー出力部の情報と対応づけた支払処理テーブルが格納される。この支払処理テーブルには、コンセント20の設置者(提供者)が新規に登録されたときにレコードが追加される。支払処理テーブルと前述の各種テーブルとを連結して参照することにより、本実施形態の充電サービスにおいて、設置者(駐車場管理者)への電力供給量分の提供料金の支払処理を行うことができる。
【0077】
また、記憶部(DB)104には、利用者IDや、その利用者の車両30の充電のための電力供給量分の利用料金を徴収するために必要な処理(課金処理)に用いる情報(利用料金の請求先情報など)等の利用者の情報を、車両やバッテリー等に関するエネルギー供給対象の情報と対応づけた課金処理テーブルを格納してもよい。この課金処理テーブルには、本実施形態の充電サービスに利用者50が新規に登録されたときにレコードが追加される。課金処理テーブルと前述の各種テーブルとを連結して参照することにより、本実施形態の充電サービスにおいて、利用者への電力供給量分の利用料金の課金処理を行うことができる。
【0078】
例えば、供給量情報としてSoCデータを用いる場合には、バッテリー31の識別情報と満充電容量との対応関係を示すバッテリー情報テーブルが記憶部(DB)104に記憶される。
【0079】
図5は、本実施形態に係るサービス管理サーバ100におけるサービス管理処理の一例を示すフローチャートである。
図5において、本実施形態のサービス管理処理は、事前準備フェーズ(S100)と運用フェーズ(S200)とを含む。
【0080】
事前準備フェーズ(S100)において、サービス管理サーバ100は、駐車場管理者などのコンセント20の設置者(提供者)から充電サービスへのコンセント登録の申し込みがあると、その申し込みに関する情報を取得して記憶する。例えば、サービス管理サーバ100は、オペレータによって当該設置者(駐車場管理者)のコンセント20についてデータ入力が行われると、前述の表2のコンセント管理テーブルと上述した支払処理テーブルを作成する(S101)。具体的には、上記コンセント登録の申し込みがあると、オペレータは、当該提供者の情報とエネルギー出力部の情報とを含む提供側登録情報を、サービス管理サーバ100へデータ入力するためのキーボードやタッチパネルなどの入力装置(提供側登録情報取得部)を用いてデータ入力する。これにより、サービス管理サーバ100では、入力装置を介してデータ入力された提供側登録情報と、エネルギー出力部を識別するための出力部識別情報(コンセントID等)とを対応付けたテーブルが記憶部104のデータベースに記憶される。このようなテーブルを管理することで、複数の提供者に対し、それぞれのコンセント20(エネルギー出力部)から供給された電力供給量に応じた提供料金の適切な支払処理を行うことができる。
【0081】
なお、サービス管理サーバ100における提供側登録情報取得部は、オペレータによるデータ入力の代わりに、通信網を介して提供者の端末装置から送信されてきた提供側登録情報を受信して取得する構成としてもよい。
【0082】
また、サービス管理サーバ100は、充電サービス(エネルギー供給サービス)を利用する利用者50から端末装置51を用いて充電サービスの利用申し込みがあると、端末装置51から、利用者50及び端末装置51の情報(利用者の情報)、並びに、供給対象(車両30及びバッテリー31)の情報(エネルギー供給対象の情報)を含む新規登録データ(利用側登録情報)を受信して取得する。この新規登録データを受信する端末通信部101は、提供側登録情報取得部として機能する。
【0083】
サービス管理サーバ100では、受信された利用側登録情報と、エネルギー供給対象を識別する供給対象識別情報(車両IDやバッテリーID)と、充電サービスの利用時に利用者が用いる携帯端末装置の情報(端末ID)とを対応付けたテーブルが、記憶部104のデータベースに記憶される。その結果、表3のユーザ管理テーブルと表4の車両管理テーブルと上述した課金処理テーブルとが作成される(S102)。
【0084】
次に、運用フェーズ(S200)において、利用者50は、登録されているコンセント20から電力供給を受けて車両30のバッテリー31を充電する場合、まず、端末装置51を操作して充電サービスを利用するためのアプリケーション(電力利用アプリ)を起動させる。そして、端末装置51により、コンセント20の識別情報を含むコード画像21を撮像して読み取るとともに、端末装置51の表示画面に表示されたメニュー選択で「私の車」を選択する。この操作により、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と、コード画像21の読取データと、端末装置51に「私の車」として事前登録されている車両30(又はバッテリー31)の識別情報が、端末装置51からサービス管理サーバ100に送信される。これにより、サービス管理サーバ100は、利用者50の端末装置51から、利用者50(又は端末装置51)の識別情報とコード画像21の読取データと車両30(又はバッテリー31)の識別情報とを受信する(S201)。
【0085】
次に、サービス管理サーバ100は、端末装置51から受信した利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とに基づいて、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)との組み合わせについて認証処理を行う(S202)。
【0086】
認証処理を終えた後、サービス管理サーバ100は、受信した利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とに基づいて、車両管理サーバ300に対して当該車両30についてのSoCデータ(供給量情報)を要求する。これにより、車両管理サーバ300から当該車両30についての最新の供給量情報(充電前のSoCデータ)が、通信網60を介してサービス管理サーバ100に取得される(S203)。
【0087】
また、サービス管理サーバ100は、当該車両30のバッテリー31に対する充電に要する利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者50へ提供するために、当該利用料金変化情報を利用者50の端末装置51に表示させるためのデータを、当該端末装置51へ送信する提供処理を実行する(S204)。この提供処理は、例えば、当該利用料金変化情報のデータを利用者50の端末装置51へ送信することにより、当該端末装置51の表示部に当該利用料金変化情報を表示させる処理である。
【0088】
ここで、本実施形態は、時間経過に応じて利用料金が変動する課金条件を含む複数の課金条件に従って利用料金を算出する。具体的には、本実施形態における利用料金は、少なくとも、バッテリー31への電力供給量(エネルギー供給量)が多いほど利用料金が高額になるという課金条件と、車両30による充電スタンド25のコンセント20の占有時間のうちの非充電時間が長いほど利用料金が高額になるという課金条件(時間経過に応じて利用料金が変動する課金条件)とに従って、算出される。このような複数の課金条件に従って算出される利用料金は、その算出方法が比較的複雑であり、利用者50に利用料金の妥当性が伝わりにくいという課題がある。
【0089】
この課題は、特に、利用料金の算出に用いられる課金条件が増えれば増えるほど、深刻なものとなる。なお、上述した課金条件とは異なる課金条件としては、例えば、充電の際の電力供給速度(エネルギー供給速度)が速いほど利用料金が高額になるという課金条件、電力(エネルギー)の生成方法の種別の違いによって利用料金が変動するという課金条件、電力供給を受ける車両30(エネルギー供給対象)の種別の違いによって利用料金が変動するという課金条件などが挙げられる。
【0090】
そこで、本実施形態では、サービス管理サーバ100において、当該車両30のバッテリー31に対する充電に要する利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報を利用者50へ提供するための提供処理を実行する。この提供処理により、利用者50の端末装置51の表示部には当該利用料金変化情報が表示される。その結果、利用者50は、端末装置51の表示部に表示された利用料金変化情報を見ることで、バッテリー31に対する充電に要する利用料金の経時変化を把握することができる。したがって、どのくらいの時間をサービス利用に費やすと、どのくらいの利用料金がかかるのかを、利用者は容易に把握することができる。
【0091】
図6(a)~(c)は、利用者50の端末装置51の表示部に表示される利用料金変化情報の一例を示す説明図である。
図6(a)~(c)の例は、算出される利用料金Rの経時変化をグラフ化した利用料金変化情報の例である。具体的には、横軸に時間をとり、縦軸に利用料金Rをとった折れ線グラフである。なお、グラフの種類は、算出される利用料金Rの経時変化をグラフ化したものであれば、折れ線グラフに限られることはない。
【0092】
図6(a)の例の利用料金Rは、バッテリー31への電力供給量が多いほど利用料金が高額になるという課金条件と、車両30による充電スタンド25のコンセント20の占有時間のうちの非充電時間が長いほど利用料金が高額になるという課金条件とに従って、算出される。すなわち、利用料金Rの金額は、前者の課金条件に従って計算される電力供給量に応じた個別料金Aと、後者の課金条件に従って計算される占有時間中の非充電時間に応じた個別料金Bとを合算した金額である。
【0093】
図6(a)の例においては、利用者50が充電を開始すると、その充電による電力供給量が時間経過とともに増加していき、バッテリー31が満充電になると充電が終了する。したがって、電力供給量に応じた個別料金Aは、充電開始から満充電になるまで、右肩上がりで金額が増加するグラフになっており、満充電後は課金がなくなって金額が増加することはない。
【0094】
なお、満充電になるタイミング(充電開始からバッテリー31が満充電になるまでの時間)は、バッテリー31への電力供給を開始する前であっても計算することができる。具体的には、例えば、処理ステップS203で取得した供給量情報(充電前のSoCデータ)とバッテリー31の満充電容量の情報とから、バッテリー31が満充電になるまでに必要な電力量を算出し、算出した電力量を当該コンセント20から当該バッテリー31への電力供給速度(規格値)で割ることにより、計算することができる。
【0095】
また、図6(a)の例において、バッテリー31が満充電になった後も、車両30と充電スタンド25のコンセント20とを接続したままの状態にしてコンセント20を占有し続けると、その占有時間(非充電時間)に応じて利用料金が増加していく。したがって、この非充電時間に応じた個別料金Bは、満充電になってから、右肩上がりで金額が増加するグラフになっている。
【0096】
このようなグラフが利用者50に提供されることで、利用者50は、充電を開始してからどのくらいの時間が経過すると満充電になり、満充電後もコンセント20に接続したままにすると利用料金が経時的に上がっていくことを、利用者が容易に把握することができ、利用料金Rの妥当性を利用者に伝えやすくなる。
【0097】
特に、図6(a)に示すように、利用料金Rに合算される各個別料金A,Bのグラフも利用者へ提供することで、利用料金Rの妥当性をより明確に伝えることができる。
【0098】
また、図6(b)の例は、利用料金Rが、電力供給量に応じた個別料金Aと、占有時間に応じた個別料金B'とを合算したものである。すなわち、図6(a)の例における個別料金Bは充電終了後の非充電時間に課金されるものであったが、図6(b)の例における個別料金B'は、充電開始時から、すなわち占有時間の開始時から課金されるものである。
【0099】
また、図6(c)の例は、図6(a)の例と同様、利用料金Rが、電力供給量に応じた個別料金Aと、占有時間中の非充電時間に応じた個別料金B''とを合算したものである。ただし、図6(c)の例では、個別料金B''は、充電終了後(非充電時間)の一定期間は加算されないが、一定期間が経過すると1回目の課金が発生し、更に所定期間が経過すると2回目の課金が発生するというように、所定時間ごとに段階的に金額が上がっていくという課金条件に従って、計算される。
【0100】
本実施形態では、上述したような利用料金変化情報(グラフ)が、充電開始前に利用者50に提供される。これにより、充電開始前に利用者50は利用料金Rの妥当性を理解したうえで、充電サービスを受けることができる。
【0101】
また、利用料金変化情報(グラフ)が充電開始前に利用者50に提供されることで、利用者は、いつごろ満充電になるのかを事前に把握できる結果、充電時間中に車両30から離れて行動しても、満充電になる頃に車両30に戻ってくるという計画を立てることができる。
【0102】
また、利用料金変化情報(グラフ)が充電開始前に利用者50に提供されることで、満充電になった後も車両30をコンセント20に接続したままにすると利用料金が上がってしまうことが利用者50に伝わる。これにより、利用者50に対し、満充電になった後の占有時間(非充電時間)をできるだけ少なくすることを促すことができる。その結果、この占有時間(非充電時間)中に当該コンセント20を他の車両30が利用できないことによる利用機会の喪失を抑えることが可能となる。
【0103】
また、本実施形態において、車両30のバッテリー31への充電中に、充電開始前に利用者50に提供された当初の利用料金の経時変化の内容が変更される場合がある。例えば、1つの充電スタンド25に複数のコンセント20が設けられ、複数の車両30のバッテリー31(供給対象)に対して同時充電が可能な構成においては、出力容量の限界等により、同時に充電される供給対象の数が増えるほど、個々の供給対象に対する電力供給速度が低くなる場合がある。この場合、例えば、当初は1つの車両だけが充電を行っている途中で他の車両が充電を開始して同時充電する車両の数が増えたり、当初は2つの車両が充電を行っている途中で一方の車両が充電を終了して同時充電する車両の数が減ったりすると、充電中に利用料金の経時変化の内容が当初のものから変更されることになる。
【0104】
このように、充電中に利用料金の経時変化の内容変更が発生した場合、その内容変更後の利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報(グラフ)を利用者に提供するようにしてもよい。これによれば、例えば、充電中に利用料金の経時変化の内容変更が発生しても、これに伴って変更される満充電の時刻を利用者が把握できるなどのメリットを享受することができる。
【0105】
なお、本実施形態では、サービス管理サーバ100から利用者50の端末装置51にデータを送信して、利用料金変化情報(グラフ)を利用者50の端末装置51に表示させる提供処理を実行するが、これに限られない。例えば、充電スタンド25に表示部が備わっている場合、充電スタンド25の表示部に利用料金変化情報(グラフ)を表示させる提供処理を実行してもよい。
【0106】
このようにして利用料金変化情報(グラフ)が提供された利用者50は、利用料金の妥当性に納得したうえで、コンセント20から供給される電力による車両30のバッテリー31の充電を行う。そして、充電が完了すると、車両30は、利用者50の端末装置51からのリクエストにより又は自律的に、コンセント20から供給されて車両30のバッテリー31の充電に利用された電力利用情報(例えば、バッテリー識別情報、電力量(SoCデータ)、充電開始時間、充電終了時間)を、車両管理サーバ300に送信する。これにより、充電後のSoCデータが車両管理サーバ300に登録される。
【0107】
また、充電が完了すると、利用者の端末装置51から、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とを含む充電完了通知が、サービス管理サーバ100に送信される。充電完了通知を受信すると、サービス管理サーバ100は、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とに基づいて、車両管理サーバ300に対して当該車両30についてのSoCデータ(供給量情報)を要求する。これにより、車両管理サーバ300から当該車両30についての最新の供給量情報(充電後のSoCデータ)が、通信網60を介してサービス管理サーバ100に取得される(S205)。
【0108】
これにより、サービス管理サーバ100は、充電前のSoCデータと充電後のSoCデータとを受信したので、記憶部(DB)104のバッテリー情報テーブルを参照して、当該バッテリー31の満充電容量を得る。そして、充電前のSoCデータと満充電容量とから充電前におけるバッテリー31の電力残量を算出するとともに、充電後のSoCデータと満充電容量とから充電後におけるバッテリー31の電力残量を算出する。その後、充電後の電力残量から充電前の電力残量を差し引き、今回の充電で利用された電力供給量を算出する(S206)。
【0109】
また、サービス管理サーバ100は、コード画像21の読取データ等に対応する充電スタンド25に対し、当該充電スタンド25のコンセント20と当該車両30のプラグ41との接続開始時刻と接続終了時刻の情報(占有時間関連情報)を要求する。これにより、当該充電スタンド25から当該車両30についての接続開始時刻と接続終了時刻の情報が、通信網60を介してサービス管理サーバ100に取得される。また、サービス管理サーバ100は、利用者50(又は端末装置51)の識別情報と車両30(又はバッテリー31)の識別情報とに基づいて、車両管理サーバ300に対して当該車両30についての充電開始時間と充電終了時間の情報(占有時間関連情報)を要求する。これにより、車両管理サーバ300から当該車両30についての充電開始時間と充電終了時間が、通信網60を介してサービス管理サーバ100に取得される。そして、サービス管理サーバ100は、これらの情報に基づき、占有時間(接続終了時刻-接続開始時刻)から充電時間(充電終了時間-充電開始時間)を差し引いた非充電時間(非供給時間)を算出する(S207)。
【0110】
次に、サービス管理サーバ100は、コード画像の読取データに基づいて前述の表2のコンセント管理テーブルを参照し、コンセント20の識別情報を特定する。更に、サービス管理サーバ100は、そのコンセント20の識別情報(コンセントID)と、利用者50又は端末装置51の識別情報(利用者ID、端末ID)と、供給対象の識別情報(車両ID又はバッテリーID)と、処理ステップS206で算出した今回の充電量(電力供給量)と、処理ステップS207で算出した今回の非充電時間(非供給時間)とを、互いに対応付けて、前述の表1の電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)に追加するように、記憶部(DB)104に記憶する(S208)。
【0111】
サービス管理サーバ100は、表1に示すような電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)を参照することにより、コンセントを介した電力の供給を伴う充電サービスを管理することができる。
【0112】
本実施形態では、サービス管理サーバ100は、電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)を参照することにより、コンセント20を介した車両30による電力利用の利用料金について、利用者50、供給対象(車両30又はバッテリー31)及び端末装置51の少なくとも一つに対して課金するために必要な処理(課金処理)を行う(S209)。この課金処理では、例えば、所定期間(例えば一月分)における各利用者の電力供給量の合計をとり、これに利用料金の単価を掛け合わせて、各利用者から徴収する利用料金を算出する。そして、記憶部104の課金処理テーブルを参照して、各利用者から利用料金を徴収するために必要な課金処理を行う。
【0113】
このとき、供給量情報とは別の変動パラメータ情報(充電時間(充電終了時間-充電開始時間)の情報、電力供給速度(単位時間あたりの電力供給量)の情報、電力(エネルギー)の生成方法の種別の情報、車両30(エネルギー供給対象)の種別の情報など)を加味した課金条件に従って、利用料金を算出してもよい。
【0114】
利用者から利用料金を徴収する方法は、利用者の車両30によるコンセント20の占有時間に応じた加算料金を含む利用料金を徴収するのであれば、特に制限はない。電力量に応じた利用料金を徴収する場合には、完全従量制であってもよいし、規定量の電力供給量までは定額とする定額制であってもよい。利用者から利用料金を徴収する事業者は、サービス管理サーバ100を運営するサービス管理事業者であってもよいし、サービス管理事業者からの委託を受けて利用料金を徴収する別の事業者であってもよい。
【0115】
また、本実施形態では、サービス管理サーバ100は、電力利用トランザクションテーブル(電力利用台帳)を参照することにより、コンセント20の設置者(駐車場管理者)に対して、そのコンセント20を介した車両30への電力提供の提供料金を支払うために必要な処理(支払処理)を行う(S210)。この支払処理では、例えば、所定期間(例えば一月分)における各設置者のコンセント20に対応する電力供給量の合計をとり、これに提供料金の単価を掛け合わせて、各設置者へ支払う提供料金を算出する。そして、記憶部104の支払処理テーブルを参照して、各設置者へ提供料金を支払うために必要な支払処理を行う。
【0116】
このとき、供給量情報とは別の変動パラメータ情報(充電時間(充電終了時間-充電開始時間)の情報、電力供給速度(単位時間あたりの電力供給量)の情報、電力(エネルギー)の生成方法の種別の情報、車両30(エネルギー供給対象)の種別の情報など)を加味した課金条件に従って、提供料金を算出してもよい。
【0117】
以上、本実施形態において、サービス管理サーバ100は、課金処理部105により算出される利用料金の経時変化を示す利用料金変化情報(例えば図6(a)~(c)のグラフ)が利用者に提供される。これにより、バッテリー31に対する充電に要する利用料金の経時変化を利用者50に理解してもらい、利用料金Rの妥当性を利用者に伝えることができる。特に、本実施形態では、利用料金変化情報を充電開始前に利用者50に提供するので、利用者50は充電を開始する前に利用料金Rの妥当性を理解したうえで、充電サービスを受けることができる。
【0118】
また、本実施形態においては、上述したように、エネルギー出力部としてのコンセント20は、予め決められた特定の利用者(充電サービスに登録した利用者)だけではなく、当該特定の利用者ではない不特定の一般の利用者(本実施形態の充電サービス(エネルギー供給サービス)に登録していない利用者)も利用可能な共用のコンセント(汎用のコンセント等)であってもよい。このような共用のコンセントを本実施形態のサービス管理システムのエネルギー出力部として用いることは、特定の利用者のみが使用可能なコンセントを設置する場合よりも、設置の許可等の手続きが容易となり、充電サービス(エネルギー供給サービス)で用いることのできるエネルギー出力部の数の増大や設置エリアの拡充に寄与する。
【0119】
ただし、共用のコンセントは、通常、当該コンセントから供給する電力の供給量情報を検出する電力量計を備えていることが多いが、そのような検出部は、そのコンセントから供給される電力の供給量情報を、利用者を区別せずに一括して検出するものである。そのため、共用のコンセント側に備わった検出部で供給量情報を検出するシステムでは、特定の利用者を一般の利用者と区別して供給量情報を検出することができず、特定の利用者に提供されて利用される電力(エネルギー)の提供や利用を管理することが難しい。したがって、共用のコンセントを用いる場合、そのコンセントから特定の利用者へ供給された電力の供給量を一般の利用者のものと区別して把握することが必要となる。
【0120】
本実施形態によれば、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量を、車両30に備わった検出部33で検出される供給量情報に基づいて把握することが可能である。よって、共用のコンセントを用いる場合でも、コンセント20から利用者50(特定の利用者)の車両30に供給した電力供給量を、他の利用者(一般の利用者等)と区別して把握することができる。しかも、この場合、当該共用のコンセントの設置者(駐車場管理者等)は、そのコンセントから特定の利用者に供給された電力供給量を他の利用者(一般の利用者等)と区別して検出するための設備を新たに設置する必要がない。よって、駐車場管理者にとっては、充電サービス(エネルギー供給サービス)において共用のコンセントを用いる場合でも、設備費用(導入コスト)が低く抑えられる。
【0121】
また、本実施形態において、充電サービス(エネルギー供給サービス)で用いることのできるコンセント(エネルギー出力部)として、マンションの共用部やショッピングセンターの駐車場などの共用エリアに設置されるコンセント(エネルギー出力部)を用いることも、本実施形態の充電サービス(エネルギー供給サービス)で用いることのできるコンセント(エネルギー出力部)の数の増大や設置エリアの拡充に寄与する。ただし、このような共用エリアには、その共用エリア内で供給される電力(エネルギー)の供給量情報を検出する検出部が設けられていることが多いが、そのような検出部は、その共用エリア内で供給される電力の供給量の合算量を検出するものである。そのため、共用エリアに備わった検出部では、そのような共用エリアに設置されているコンセントから供給される電力供給量だけを把握することが難しい。
【0122】
本実施形態においても、コンセント20やゲート装置82や各種電力利用設備85を含む共用エリアである駐車場80の電力量、すなわち、コンセント20から利用者50の車両30に供給される電力供給量と、ゲート装置82や各種電力利用設備85に供給される他の電力供給量との合算量を、電力量計83によって一括して計測する。そして、駐車場管理者は、この合算量に応じた電力代金を電力会社に支払う。この場合、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量分の提供料金を、サービス管理事業者が駐車場管理者(提供者)に支払うためには、電力量計83とは別途に、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量だけを把握する必要がある。
【0123】
本実施形態によれば、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給に関する電力供給情報(エネルギー供給情報)を、車両30に備わった検出部33で検出される電力利用情報(例えば、バッテリー識別情報、電力量、充電開始時間、充電終了時間)に基づいて把握する。よって、コンセント20やゲート装置82や各種電力利用設備85を含む駐車場80の電力量を一括して計測する設備(電力量計83)しか備わっていない場合でも、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給量を把握することができる。したがって、本実施形態においては、駐車場管理者は、コンセント20からの電力供給を受けた利用者50の電力利用分の提供料金を受け取るにあたり、コンセント20から利用者50の車両30に供給された電力供給量を検出するための設備を新たに設置する必要がない。よって、駐車場管理者にとっては、充電サービス(エネルギー供給サービス)のエネルギー提供者として登録を行うにあたって、設備費用(導入コスト)が低く抑えられる。
【0124】
また、駐車場管理者にとっては、上述した新たな設備を設置するための煩雑な手続きが不要であり、充電サービス(エネルギー供給サービス)へのエネルギー提供者としての登録が促進される。例えば、駐車場80が分譲マンションの共用部で、駐車場管理者が当該マンションの管理組合である場合、前記のような新たな設備を共用部に設置するには、当該マンションにおける多数の区分所有者から同意を得るなどの手続きが必要で、非常に煩雑な手続きを要する。本実施形態によれば、このような煩雑な手続きが不要であるため、分譲マンションの共用部に設けられている共用のコンセント20の、充電サービス(エネルギー供給サービス)のコンセント(エネルギー出力部)としての登録が促進される。
【0125】
また、本実施形態のサービス管理システムによれば、利用者からの利用料金の徴収(課金)及び提供者(駐車場管理者)への提供料金の支払いが、充電サービス(エネルギー供給サービス)を運営するサービス管理事業者によって行われる。したがって、提供者(駐車場管理事業者)は利用者から利用料金を徴収するために必要な施設の準備や管理、必要な課金処理などを行う必要がないので、本実施形態のサービス管理システムで提供される充電サービス(エネルギー供給サービス)は、駐車場管理事業者にとっての利便性が高い。そのため、提供者(駐車場管理事業者)は、提供者として容易に登録しやすいことから、充電サービス(エネルギー供給サービス)へ登録する提供者(駐車場管理事業者)の数が増えることを期待でき、これにより、利用者が利用可能なエネルギー出力部(コンセント20)の数の増大や設置エリアの拡充が促進される。
【0126】
しかも、コンセント20から利用者50の車両30に供給した電力供給に関する電力供給情報(電力供給量)を把握するための電力利用情報(例えば、SoCデータ、バッテリー識別情報、電力量、充電開始時間、充電終了時間)を検出する検出部33は、既存の車両(エネルギー供給対象)30のほとんどに備わっている設備である。したがって、利用者50に検出部33のコスト負担を新たに生じさせることもない。
【0127】
また、近年、車両30に備わった検出部33で検出される電力利用情報(例えば、SoCデータ、バッテリー識別情報、電力量、充電開始時間、充電終了時間)を含む種々の情報が各車両メーカーの車両管理サーバ300に集積され、様々な車両サービスに利用されている。本実施形態のサービス管理サーバ100は、車両30に備わった検出部33で検出される電力利用情報を個々の車両30から個別に取得するのではなく、車両メーカーの車両管理サーバ300から取得する。これによれば、既存の機器、設備を利用して、車両30に備わった検出部33で検出される電力利用情報をサービス管理サーバ100が取得できるので、各利用者50の個々の車両30に電力利用情報をサービス管理サーバ100へ送信する機器を新たに設置する必要がない。したがって、利用者50のコスト負担は更に少ないものとなる。
【0128】
一方で、車両30に備わった検出部33で検出される電力利用情報が車両メーカーの車両管理サーバ300に集積されるサービスを利用していない利用者も想定されるため、利用者50の車両30に電力利用情報をサービス管理サーバ100へ送信する機器を新たに設置してもよい。この場合、例えば、車両30の検出部33で検出される供給量情報(SoCデータ等)を取得してサービス管理サーバ100へ送信できる送信部としての通信機器を、車両30に備わっているOBD2(On Board Diagnosis second generation)用コネクタに接続してもよい。
【0129】
また、本実施形態では、供給対象識別情報として、利用者50又は端末装置51の識別情報や、コンセント20から電力が供給される供給対象である車両30の識別情報を、利用者50の端末装置51からサービス管理サーバ100が受信して取得するが、他の方法で供給識別情報を取得してもよい。例えば、駐車場80の出入口に設置されるゲート装置82に、駐車場80に出入りする車両30の識別情報を取得する機能を設け、ゲート装置82からサービス管理サーバ100が、供給対象識別情報としての車両30の識別情報を受信するようにしてもよい。この場合、例えば、出入口を通過する車両30のナンバープレート(自動車登録番号標)を、ゲート装置82に設けられるカメラなどの撮像装置で撮像し、その撮像画像から認識した当該車両30の自動車登録番号を識別情報として取得することができる。また、そのほか、車両に搭載されているETC(Electronic
Toll Collection System)車載機から受信される当該車両の識別情報を取得するようにしてもよい。
【0130】
なお、上述した実施形態では、利用者50の端末装置51を用いて利用者の識別情報や提供者の識別情報等の情報をサービス管理サーバ100へ送信しているが、端末装置51に代えて、車両30に搭載されている外部通信部32を用いてもよい。また、上述した実施形態では、車両30に搭載されている外部通信部32を用いて電力利用情報(電力供給情報)等の情報を送信しているが、このような車載の外部通信部32に代えて、利用者50の端末装置51を用いてもよい。
【0131】
また、上述した利用者に課金される利用料金や、駐車場管理者等の提供者に支払われる提供料金は、電力利用情報(電力供給情報)に代えて又は電力利用情報(電力供給情報)とともに、他の変動パラメータ情報を加味した課金条件に従って算出されてもよい。例えば、同じ電力供給量であっても、他の変動パラメータ情報に応じて利用料金や提供料金を変更するようにしてもよい。この変動パラメータ情報としては、上述したもののほか、例えば、利用者の属性(サービスに支払っている料金の違いやサービスグレードの違い、利用者の年齢の違い、利用者の所属地域の違いなど)、エネルギー供給対象である車両30の属性(車両メーカーの違い、当該車両30に関連する付加サービスの違いなど)が挙げられる。また、変動パラメータ情報としては、例えば、エネルギー出力部から出力されるエネルギーの種別情報(エネルギー源の違い、指定のクリーンエネルギーか否かなど)、エネルギー出力部の種類(提供者のエネルギー出力部から利用者のエネルギー供給対象に供給されるエネルギーの供給速度の違い(急速充電か否か)など)も挙げられる。
【0132】
なお、本明細書で説明された処理工程並びに情報処理装置、ゲート装置、車両の車載装置、端末装置、サーバなどの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0133】
ハードウェア実装については、実体(例えば、コンピュータ装置、サーバ、ゲート装置、車両の車載装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0134】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0135】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0136】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0137】
10 :サービス管理システム
20 :コンセント
21 :コード画像
22,23 :識別補助画像
24 :シール部材
25 :充電スタンド
30 :車両
31 :バッテリー
32 :外部通信部
33 :検出部
40 :電源ケーブル
41 :プラグ
50 :利用者
51 :端末装置
60 :通信網
80 :駐車場
81 :出入口
82 :ゲート装置
83 :電力量計
85 :電力利用設備
100 :サービス管理サーバ
101 :端末通信部
102 :サーバ通信部
103 :管理処理部
104 :記憶部
105 :課金処理部
106 :支払処理部
200 :電力管理装置
210 :配電設備
300 :車両管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6