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特開2024-27728原価振替システム、原価振替方法、及び原価振替プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027728
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】原価振替システム、原価振替方法、及び原価振替プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240222BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130776
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雨森 則人
(72)【発明者】
【氏名】宮下 和久
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】振替元のプロジェクト及び発生伝票を指定し、当該発生伝票を使用して振替先のプロジェクトに原価を振り替えることにより、原価振替が発生した根拠を明確にすることが可能な原価振替システムを提供すること。
【解決手段】本実施の形態に係る原価振替システムは、表示部に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替手段を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた原価振替システムであって、
前記制御部は、
プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データと、
原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データと、
にアクセス可能に構成されており、
表示部に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替手段を備えたことを特徴とする原価振替システム。
【請求項2】
前記原価振替手段は、さらに、原価振替番号、原価発生識別情報、振替元プロジェクト番号、振替元受注番号、原価科目区分、振替金額を含む原価振替データを作成することを特徴とする請求項1に記載の原価振替システム。
【請求項3】
前記原価振替対象明細は、金額単位又は数量単位で振替が可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の原価振替システム。
【請求項4】
金額単位で振替を行う場合は、前記原価振替対象明細で発生原価における残高である振替可能額の一部又は全部を振替金額として指定することを特徴とする請求項3に記載の原価振替システム。
【請求項5】
数量単位で振替を行う場合は、前記原価振替対象明細で発生原価における残数である振替可能数量の一部又は全部を振替数量として指定することを特徴とする請求項3に記載の原価振替システム。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、
前記原価計上明細データに基づいて、仕訳データを作成する仕訳作成手段を備えたこと
を特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の原価振替システム。
【請求項7】
前記原価発生データは、仕入データ、経費計上データ、又は移動明細データを含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の原価振替システム。
【請求項8】
制御部を備えた情報処理装置が実行する原価振替方法であって、
前記制御部は、
プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データと、
原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
表示部に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替工程を含むことを特徴とする原価振替方法。
【請求項9】
制御部を備えた情報処理装置が実行するための原価振替プログラムであって、
前記制御部は、
プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データと、
原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
表示部に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替工程を実行させるための原価振替プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原価振替システム、原価振替方法、及び原価振替プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建設工事業界では、一般的に各プロジェクト別に予算を立て、収支を管理する運用を行う。プロジェクト別に収支管理するため、各プロジェクトに原価明細の紐付けを行うが、月末に工事の進捗などに応じて原価の振替をする業務が発生する。原価振替を行うシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-203607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、振替元のプロジェクト及び発生伝票を指定し、当該発生伝票を使用して振替先のプロジェクトに原価を振り替えることにより、原価振替が発生した根拠を明確にすることに関して何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、振替元のプロジェクト及び発生伝票を指定し、当該発生伝票を使用して振替先のプロジェクトに原価を振り替えることにより、原価振替が発生した根拠を明確にすることが可能な原価振替システム、原価振替方法、及び原価振替プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた原価振替システムであって、前記制御部は、プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データと、原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データと、にアクセス可能に構成されており、表示部に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記原価振替手段は、さらに、原価振替番号、原価発生識別情報、振替元プロジェクト番号、振替元受注番号、原価科目区分、振替金額を含む原価振替データを作成することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記原価振替対象明細は、金額単位又は数量単位で振替が可能に構成されていることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、金額単位で振替を行う場合は、前記原価振替対象明細で発生原価における残高である振替可能額の一部又は全部を振替金額として指定することにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、数量単位で振替を行う場合は、前記原価振替対象明細で発生原価における残数である振替可能数量の一部又は全部を振替数量として指定することにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記原価計上明細データに基づいて、仕訳データを作成する仕訳作成手段を備えることにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記原価発生データは、仕入データ、経費計上データ、又は移動明細データを含むことにしてもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行する原価振替方法であって、前記制御部は、プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データと、原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、表示部に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替工程を含むことを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行するための原価振替プログラムであって、前記制御部は、プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データと、原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、表示部に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替工程を実行させるための原価振替プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、振替元のプロジェクト及び発生伝票を指定し、当該発生伝票を使用して振替先のプロジェクトに原価を振り替えることにより、原価振替が発生した根拠を明確にすることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施の形態に係る原価振替システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、原価科目区分マスタの構成例を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る原価振替システムの全体の処理の一例を示すフロー図である。
図4図4は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図9図9は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図10図10は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図11図11は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図12図12は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図13図13は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図14図14は、本実施形態に係る原価振替システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
例えば、建設工事業界では、一般的に各プロジェクト(以下、「PJ」と記載する場合がある)別に予算を立て、収支を管理する運用を行う。プロジェクト別に収支管理するため、各プロジェクトに原価明細の紐付けを行うが、月末に工事の進捗などに応じて原価の振替をする業務が発生する。
【0019】
しかしながら、従来は、振替伝票を起票する際に、振替元伝票を指定することができなかったため、以下の課題がある。(1)振替元伝票を指定することができないため、原価振替する際にどれだけ振替可能かわからない。(2)振替元伝票を指定せずに振替伝票を計上するため、振替原価に上限も下限もなく、自由に計上できてしまう。そのため、発生原価の根拠が不明となり、監査時に指摘される可能性がある。(3)振替先の伝票を確認しても、発生元などの情報がなく、後から確認ができない。
【0020】
そこで、本実施の形態では、振替元のプロジェクト及び発生伝票を指定し、当該発生伝票を使用して振替先のプロジェクトに原価を振り替えることにより、原価振替が発生した根拠を明確にすることで、監査対応などにも有効活用できるようにする。また、本実施の形態では、金額の分割や数量の分割での原価振替を可能とし、原価振替後の残高管理を可能とする。
【0021】
本発明の原価振替システムは、例えば、プロジェクト(案件)単位で原価を管理する建築工事やITメディア等の業界に広く適用可能である。
【0022】
[2.構成]
図1を参照して、本実施形態に係る原価振替システム100の構成の一例について説明する。図1は、原価振替システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
原価振替システム100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、原価振替システム100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
原価振替システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。原価振替システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、原価振替システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、原価振替システム100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及び、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。また、モニタ114に情報を表示して、ユーザが入力装置112を操作すること等を、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、原価科目区分マスタ106a、データテーブル106b等を備えている。図2は、原価科目区分マスタ106aの構成例を示す図である。
【0028】
原価科目区分マスタ106aは、図2に示すように、原価科目区分と勘定科目を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。原価科目区分マスタ106aは、原価振替部102cが原価計上明細データを作成する場合に参照され、原価科目区分を勘定科目に変換する際に使用される。同図に示す例では、1行目は、原価科目区分「主材料費」、勘定科目「材料費」、2行目は、原価科目区分「外注費」、勘定科目「外注費」となっている。
【0029】
データテーブル106bは、契約データ、原価発生データ(例えば、仕入データ、経費計上データ、移動明細データ等)、原価計上明細データ、原価振替データ、仕訳データ等の各種データを格納するためのファイルである。
【0030】
契約データは、プロジェクトNO、受注NO、プロジェクト名、部門、受注日、請負金額を含んでいてもよい。
【0031】
仕入データ、経費計上データ、移動明細データ等を総称して原価発生データ(伝票)と称する。原価発生データ(伝票)は、原価発生識別情報(例えば、仕入番号-行番号、経費計上番号-行番号、移動番号-行番号)、プロジェクトNO(番号)、原価発生日(例えば、仕入日、計上日、移動日)、費目(例えば、商品、役務)、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含んでいてもよい。
【0032】
仕入データは、仕入番号、行番号、プロジェクトNO、プロジェクト名、仕入日、商品、原価科目区分、数量、単価、金額を含んでいてもよい。
【0033】
経費計上データは、経費計上番号、行番号、プロジェクトNO、プロジェクト名、計上日、費目、原価科目区分、数量、単価、金額を含んでいてもよい。
【0034】
移動明細データは、移動番号、行番号、プロジェクトNO、プロジェクト名、移動日、商品、原価科目区分、数量、単価、金額を含んでいてもよい。
【0035】
原価計上明細データは、原価振替番号、振替日、借方部門、借方PJ番号、借方受注番号-行番号、借方勘定科目、借方金額、貸方部門、貸方PJ番号、貸方受注番号-行番号、貸方勘定科目、貸方金額を含んでいてもよい。
【0036】
原価振替データは、原価振替番号、伝票番号-行番号、振替元PJ番号、振替元受注番号-行番号、原価科目区分、振替数量、振替金額を含んでいてもよい。
【0037】
仕訳データは、発生日、借方部門、借方勘定科目、借方金額、借方PJ番号-受注番号-行番号、貸方部門、貸方勘定科目、貸方金額、貸方PJ番号-受注番号-行番号を含んでいてもよい。
【0038】
図1に戻り、制御部102は、原価振替システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0039】
制御部102は、記憶部106に格納されている原価科目区分マスタ106a及びデータテーブル106b等にアクセス可能に構成されている。なお、原価科目区分マスタ106a及びデータテーブル106bは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0040】
制御部102は、機能概念的に、契約データ入力部102aと、原価発生データ入力部102bと、原価振替部102cと、仕訳作成部102dと、マスタメンテ部102eと、画面表示制御部102fと、を備えている。
【0041】
契約データ入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データを入力してデータテーブル106bに登録する。
【0042】
原価発生データ入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データを入力してデータテーブル106bに登録する。原価発生データは、仕入データ、経費計上データ、又は移動明細データを含むことにしてもよい。
【0043】
原価振替部102cは、例えば、モニタ114に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成して、データテーブル106bに登録する。
【0044】
原価振替対象明細は、金額単位又は数量単位で振替が可能に構成されていてもよい。
【0045】
金額単位で振替を行う場合は、原価振替対象明細で発生原価における残高である振替可能額の一部又は全部を振替金額として指定することにしてもよい。
【0046】
数量単位で振替を行う場合は、原価振替対象明細で発生原価における残数である振替可能数量の一部又は全部を振替数量として指定することにしてもよい。
【0047】
原価振替部102cは、さらに、原価振替番号、原価発生識別情報、振替元プロジェクト番号、振替元受注番号、原価科目区分、振替金額を含む原価振替データを作成して、データテーブル106bに登録することにしてもよい。
【0048】
仕訳作成部102dは、原価計上明細データに基づいて、仕訳データを作成して、データテーブル106bに登録する。
【0049】
マスタメンテ部102eは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、原価科目区分マスタ106aに対して、データの入力・追加・変更・更新等の設定を行う。
【0050】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、原価振替入力画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0051】
[3.具体例]
図1図14を参照して、本実施の形態における原価振替システム100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0052】
(3-1.全体の処理)
図3は、本実施の形態における原価振替システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0053】
図3を参照して、本実施の形態における原価振替システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。図3において、契約データ入力部102aは、契約データ入力処理を実行する(ステップS1)。具体的には、契約データ入力処理では、契約データ入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データを入力してデータテーブル106bに登録する。
【0054】
原価発生データ入力部102bは、原価発生データ入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、原価発生データ入力処理では、原価発生データ入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データを入力してデータテーブル106bに登録する。
【0055】
原価発生データは、仕入データ、経費計上データ、又は移動明細データを含むことにしてもよい。
【0056】
原価発生データ入力処理(ステップS2)は、仕入入力処理:S2-1、経費支払予定入力処理:S2-2、移動入力処理:S2-3を含む。
【0057】
原価振替部102cは、原価振替処理を実行する(ステップS3)。具体的には、原価振替処理では、原価振替部102cは、例えば、モニタ114に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成して、データテーブル106bに登録する。
【0058】
原価振替対象明細は、金額単位又は数量単位で振替が可能に構成されていてもよい。金額単位で振替を行う場合は、原価振替対象明細で発生原価における残高である振替可能額の一部又は全部を振替金額として指定することにしてもよい。数量単位で振替を行う場合は、原価振替対象明細で発生原価における残数である振替可能数量の一部又は全部を振替数量として指定することにしてもよい。
【0059】
原価振替部102cは、さらに、原価振替番号、原価発生識別情報、振替元プロジェクト番号、振替元受注番号、原価科目区分、振替金額を含む原価振替データを作成して、データテーブル106bに登録することにしてもよい。
【0060】
仕訳作成部102dは、仕訳作成処理を実行する(ステップS4)。具体的には、仕訳作成処理では、仕訳作成部102dは、原価計上明細データに基づいて、仕訳データを作成して、データテーブル106bに登録する。
【0061】
(3-2.サンプルデータ)
図4図14は、本実施の形態における原価振替システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図4図14を参照して、本実施の形態における原価振替システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。
以下では、原価計上時はどのプロジェクトで採用するか決まっておらず、特定のプロジェクトで原価計上し、月末に実際に発生した各プロジェクトに原価の振替を行う場合を想定した場合の例を記載する。
【0062】
(S1:契約データ入力処理)
図4を参照して、契約データ入力処理の具体例を説明する。契約データ入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレーの操作に応じて、プロジェクト番号、受注番号、部門、受注日、請負金額を含む契約データを入力してデータテーブル106bに登録する。
【0063】
図4は、契約データのデータ例を示す図である。契約データは、プロジェクトNO、受注NO、プロジェクト名、部門、受注日、請負金額の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、プロジェクトNO「PJ0001」、受注NO「JU0001」、プロジェクト名「新工場 ○○地区 工事」、部門「B001:第1施工部門」、受注日「2022/6/1」、請負金額「10,000,000」、2行目は、プロジェクトNO「PJ0002」、受注NO「JU0002」、プロジェクト名「新工場 ○○地区 空調工事」、部門「B002:第2施工部門」、受注日「2022/6/1」、請負金額「20,000,000」、3行目は、プロジェクトNO「PJ0003」、受注NO「JU0003」、プロジェクト名「新工場 ○○地区 設備工事」、部門「B003:第3施工部門」、受注日「2022/6/1」、請負金額「30,000,000」となっている。
【0064】
(S2:原価発生データ入力処理)
図5を参照して、原価発生データ入力処理(仕入入力処理:S2-1、経費支払予定入力処理:S2-2、移動入力処理:S2-3)の具体例を説明する。原価発生データ入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、原価発生識別情報、プロジェクト番号、原価発生日、費目、原価科目区分、数量、単価、発生原価である原価金額を含む原価発生データを入力してデータテーブル106bに登録する。
【0065】
図5(A)は、仕入データのデータ例を示す図である。仕入データは、仕入番号、行番号、プロジェクトNO、プロジェクト名、仕入日、商品、原価科目区分、数量、単価、金額の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、仕入番号「SI001」、行番号「1」、プロジェクトNO「PJ0001」、プロジェクト名「新工場 ○○地区 工事」、仕入日「2022/7/1」、商品「鉄」、原価科目区分「主材料費」、数量「10」、単価「1,000」、金額「10,000」となっている。
【0066】
図5(B)は、経費計上データのデータ例を示す図である。経費計上データは、経費計上番号、行番号、プロジェクトNO、プロジェクト名、計上日、費目、原価科目区分、数量、単価、金額の項目を備えている。
【0067】
図5(C)は、移動明細データのデータ例を示す図である。移動明細データは、移動番号、行番号、プロジェクトNO、プロジェクト名、移動日、商品、原価科目区分、数量、単価、金額の項目を備えている。
【0068】
以下の例では、原価発生データとして、仕入データの原価振替を行う場合を例示して説明するが、経費計上データや移動明細データの原価振替を行う場合もある。
【0069】
(S3:原価振替処理)
図6図13を参照して、原価振替処理の具体例を説明する。原価振替部102cは、例えば、モニタ114に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成して、データテーブル106bに登録する。原価振替対象明細は、金額単位又は数量単位で切り換えて振替が可能に構成されている。
【0070】
(受注番号:JU0001→受注番号:JU0002の原価振替を行う場合)
受注番号:JU0001(プロジェクト番号PJ0001)→受注番号:JU0002(プロジェクト番号PJ0002)の原価振替を行う場合を、1.金額単位で行う場合と、2.数量単位で行う場合を説明する。
【0071】
(1.金額単位で振替を行う場合)
金額単位で振替を行う場合を図6及び図7を参照して説明する。図6は、原価振替入力画面400の表示例を示す図である。原価振替入力画面400は、原価振替番号、原価振替日、振替元PJ番号、振替元受注番号-行、振替元事業所、振替元部門、振替先PJ番号、振替先受注番号-行、振替先事業所、振替先部門を指定するためのヘッダエリア401と、伝票種別、計上日、取引先、原価科目の抽出条件の指定エリア及び抽出条件に該当する原価発生データについての原価振替対象明細が表示される原価振替エリア402と、不図示の登録ボタンとを備えている。不図示の登録ボタンを押すことで、画面の入力内容に応じた原価計上明細データ及び原価振替データが作成されてデータテーブル106bに登録される。
【0072】
原価振替エリア402では、原価振替を金額単位又は数量単位で行うかを切替可能となっている。図6に示す例では、金額単位が選択されている。原価振替対象明細には、振替対象を指定する対象チェックボックス、伝票番号-行番号、伝票種別、計上日、取引先、費目(商品)、原価科目区分、発生原価、振替済金額、振替可能額、振替金額、残高の項目が表示される。
【0073】
「発生原価」は、原価発生している金額であり、仕入データの金額である。「振替済原価」は、振替が完了している金額であり、自伝票以外の振替金額の合計である。「振替金額」は、今回振替を行う金額であり、画面の振替金額入力値である。発生原価-振替済原価-振替金額<0の場合は、振替金額が足りないためエラーとする。「残高」は、発生原価における残高(振替可能額)であり、発生原価-振替済原価-振替金額となる。残高=仕入データの金額-自伝票以外の振替金額の合計-画面の振替金額入力値である。
【0074】
伝票番号-行番号、伝票種別、計上日、取引先、費目(商品)、原価科目区分、発生原価、振替済金額、振替可能額、残高(同図のハッチング部分)は、自動算出・表示され、オペレータは、対象チェックボックスで対象明細を指定し、振替金額を入力する。
【0075】
同図に示す例では、ヘッダエリア401において、原価振替番号「GH001」、原価振替日「2022/07/30」、振替元PJ番号「PJ0001」、振替元受注番号-行「JU0001-1」、振替元事業所「J001 本社」、振替元部門「B001、第1施工部門」、振替先PJ番号「PJ0002」、振替先受注番号-行「JU0002-1」、振替先事業所「J001 本社」、振替先部門「B002 第2施工部門」が指定されており、振替元PJ番号「PJ0001」から振替先PJ番号「PJ0002」への原価振替を行う。
【0076】
また、原価振替エリア402では、伝票種別「仕入データ」、計上日「2022/07/01~2022/07/30」が抽出条件として指定され、原価振替対象明細には、仕入データに応じたデータが表示される。そして、1行目の振替可能額「10,000」のうち、「4,000」を金額単位で部分振替している。また、3行目の振替可能額「30,000」と、4行目の振替可能額「50,000」を金額単位で全額振替している。
【0077】
不図示の登録ボタンを押すと、図7(A)に示すような原価計上明細データと、図7(B)に示すような原価振替データが作成されて、データテーブル106bに格納される。
【0078】
図7(A)は、原価計上明細データのデータ例を示す図である。原価計上明細データは、原価振替番号、振替日、借方部門、借方PJ番号、借方受注番号-行番号、借方勘定科目、借方金額、貸方部門、貸方PJ番号、貸方受注番号-行番号、貸方勘定科目、貸方金額の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、原価振替番号「GH001」、振替日「2022/07/30」、借方部門「B002」、借方PJ番号「PJ0002」、借方受注番号-行番号「JU0002-1」、借方勘定科目「材料費」、借方金額「4,000」、貸方部門「B001」、貸方PJ番号「PJ0001」、貸方受注番号-行番号「JU0001-1」、貸方勘定科目「材料費」、貸方金額「4,000」となっている。
【0079】
図7(B)は、原価振替データのデータ例を示す図である。原価振替データは、原価振替番号、伝票番号-行番号、振替元PJ番号、振替元受注番号-行番号、PJ原価科目区分、振替数量、振替金額の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、原価振替番号「GH001」、伝票番号-行番号「SI001-1」、振替元PJ番号「PJ0001」、振替元受注番号-行番号「JU0001-1」、PJ原価科目区分「主材料費」、振替数量「0」、振替金額「4,000」となっている。
【0080】
原価振替データで原価振替済の伝票番号を保持することにより、元伝票(例えば、仕入データ)を修正・削除時、振替済のためエラーとする制御を行う。
【0081】
(2.数量単位で振替を行う場合)
数量単位で振替を行う場合を図8及び図9を参照して説明する。図8は、原価振替入力画面400の表示例を示す図である。図8において、ヘッダエリア401のデータは、図6と同様である。
【0082】
原価振替エリア402では、数量単位が選択されている。原価振替対象明細には、振替対象を指定する対象チェックボックス、伝票番号-行番号、伝票種別、計上日、取引先、費目(商品)、原価科目区分、単価、数量、振替済数、振替可能数、振替数量、発生原価、振替済金額、振替可能額、振替金額、残高の項目が表示される。
【0083】
ここで、「数量」は、原価発生している数量であり、仕入データの数量である。「振替済数量」は、振替が完了している数量であり、自伝票以外の振替数量の合計である。「振替数量」は、今回振替を行う数量であり、画面の振替数量入力値である。数量-振替済数量-振替数量<0の場合は、振替可能数が足りないためエラーとする。「残数」は、発生原価における残数量(振替可能数量)であり、数量-振替済数量-振替数量で算出する。残数=仕入データの数量-自伝票以外の振替数量の合計-画面の振替数量入力値である。
【0084】
伝票番号-行番号、伝票種別、計上日、取引先、費目(商品)、原価科目区分、単価、数量、振替済数、振替可能数、発生原価、振替済金額、振替可能額、振替金額、残高(図8のハッチング部分)は、自動算出・表示される。ハッチング部分は入力不可となっている。オペレータは、対象チェックボックスで対象明細を指定し、振替数量を入力する。なお、金銭単位で振替済の場合は、数量単位では振替不可となる(ハッチング表示される。)。
【0085】
同図に示す例では、原価振替エリア402では、伝票種別「仕入データ」、計上日「2022/07/01~2022/07/30」が抽出条件として指定され、原価振替対象明細には、仕入データに応じたデータが表示される。この例では、2行目の振替可能数「20」のうち、「6」を数量単位で部分振替している。1、3、4行目は、金額単位で振替入力済みのため、数量単位では振替不可となる。原価振替対象に対して、内部的にどの単位で振替を行っているか保持することで、単位違いで同一明細の振替が不可となるように制御している。
【0086】
不図示の登録ボタンを押すと、図9(A)に示すような原価計上明細データと、図9(B)に示すような原価振替データが作成されて、データテーブル106bに格納される。
【0087】
図9(A)は、原価計上明細データのデータ例を示す図である。同図に示す例では、原価振替番号「GH001」、振替日「2022/07/30」、借方部門「B002」、借方PJ番号「PJ0002」、借方受注番号-行番号「JU0002-1」、借方勘定科目「材料費」、借方金額「12,000」、貸方部門「B001」、貸方PJ番号「PJ0001」、貸方受注番号-行番号「JU0001-1」、貸方勘定科目「材料費」、貸方金額「12,000」となっている。
【0088】
図9(B)は、原価振替データのデータ例を示す図である。同図に示す例では、原価振替番号「GH001」、伝票番号-行番号「SI001-1」、振替元PJ番号「PJ0001」、振替元受注番号-行番号「JU0001-1」、原価科目区分「主材料費」、振替数量「6」、振替金額「4,000」となっている。
【0089】
(受注番号:JU0001→受注番号:JU0003の原価振替を行う場合)
受注番号:JU0001(プロジェクト番号PJ0001)→受注番号:JU0003(プロジェクト番号PJ0003)の原価振替を行う場合を、1.金額単位で行う場合と、2.数量単位で行う場合を説明する。
【0090】
(1.金額単位で振替を行う場合)
金額単位で振替を行う場合を図10及び図11を参照して説明する。図10は、原価振替入力画面400の表示例を示す図である。同図に示す例では、ヘッダエリア401において、原価振替番号「GH002」、原価振替日「2022/07/30」、振替元PJ番号「PJ0001」、振替元受注番号-行「JU0001-1」、振替元事業所「J001 本社」、振替元部門「B001、第1施工部門」、振替先PJ番号「PJ0003」、振替先受注番号-行「JU0003-1」、振替先事業所「J003 本社」、振替先部門「B003 第3施工部門」が指定されており、振替元PJ番号「PJ0001」から振替先PJ番号「PJ0003」への原価振替を行う。
【0091】
また、原価振替エリア402では、金額単位が選択されている。伝票種別「仕入データ」、計上日「2022/07/01~2022/07/30」が抽出条件として指定され、原価振替対象明細には、仕入データに応じたデータが表示される。そして、1行目の振替可能額「6,000」のうち、「2,500」を金額単位で部分振替している。また、2行目は、前回数量単位で振替済、3,4行目は、全額振替済のため、振替不可となる。上述したように、原価振替対象に対して、内部的にどの単位で振替を行っているか保持することで、単位違いで同一明細の振替が不可となるように制御している。
【0092】
不図示の登録ボタンを押すと、図11(A)に示すような原価計上明細データと、図12(B)に示すような原価振替データが作成されて、データテーブル106bに格納される。
【0093】
図11(A)は、原価計上明細データのデータ例を示す図である。同図に示す例では、1行目は、原価振替番号「GH002」、振替日「2022/07/30」、借方部門「B003」、借方PJ番号「PJ0003」、借方受注番号-行番号「JU0003-1」、借方勘定科目「材料費」、借方金額「2,500」、貸方部門「B001」、貸方PJ番号「PJ0001」、貸方受注番号-行番号「JU0001-1」、貸方勘定科目「材料費」、貸方金額「2,500」となっている。
【0094】
図11(B)は、原価振替データのデータ例を示す図である。同図に示す例では、1行目は、原価振替番号「GH002」、伝票番号-行番号「SI001-1」、振替元PJ番号「PJ0001」、振替元受注番号-行番号「JU0001-1」、原価科目区分「主材料費」、振替数量「0」、振替金額「2,500」となっている。
【0095】
(2.数量単位で振替を行う場合)
数量単位で振替を行う場合を図12及び図13を参照して説明する。図12は、原価振替入力画面400の表示例を示す図である。図12において、ヘッダエリア401のデータは、図10と同様である。
【0096】
原価振替エリア402では、数量単位が選択されている。伝票種別「仕入データ」、計上日「2022/07/01~2022/07/30」が抽出条件として指定され、原価振替対象明細には、抽出条件に該当する仕入データに応じたデータが表示される。この例では、2行目の振替可能数「14」のうち、「5」を数量単位で部分振替している。
【0097】
不図示の登録ボタンを押すと、図13(A)に示すような原価計上明細データと、図13(B)に示すような原価振替データが作成されて、データテーブル106bに格納される。
【0098】
図13(A)は、原価計上明細データのデータ例を示す図である。同図に示す例では、原価振替番号「GH002」、振替日「2022/07/30」、借方部門「B003」、借方PJ番号「PJ0003」、借方受注番号-行番号「JU0003-1」、借方勘定科目「材料費」、借方金額「10,000」、貸方部門「B001」、貸方PJ番号「PJ0001」、貸方受注番号-行番号「JU0001-1」、貸方勘定科目「材料費」、貸方金額「10,000」となっている。
【0099】
図13(B)は、原価振替データのデータ例を示す図である。同図に示す例では、原価振替番号「GH002」、伝票番号-行番号「SI002-1」、振替元PJ番号「PJ0001」、振替元受注番号-行番号「JU0001-1」、原価科目区分「主材料費」、振替数量「5」、振替金額「10,000」となっている。
【0100】
(S4:仕訳作成処理)
図14を参照して、仕訳作成処理の具体例を説明する。仕訳作成部102dは、原価計上明細データに基づいて、仕訳データを作成して、データテーブル106bに登録する。
【0101】
図14は、仕訳データのデータ例を示す図である。仕訳データは、発生日、借方部門、借方勘定科目、借方金額、借方PJ番号-受注番号-行番号、貸方部門、貸方勘定科目、貸方金額、貸方PJ番号-受注番号-行番号の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、発生日「2022/07/30」、借方部門「B002」、借方勘定科目「材料費」、借方金額「4,000」、借方PJ番号-受注番号-行番号「PJ0002-JU0002-1」、貸方部門「B001」、貸方勘定科目「材料費」、貸方金額「4,000」、貸方PJ番号-受注番号-行番号「PJ0001-JU0001-1」となっている。
【0102】
以上説明したように、本実施の形態によれば、モニタ114に表示される原価振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、振替元と振替先のプロジェクト番号を指定し、また、指定される抽出条件に該当する原価発生データに応じた原価振替対象明細を表示し、当該原価振替対象明細で振替対象の原価発生識別情報を指定し、その発生原価の振替可能部分の振替を行い、原価振替番号、振替日、振替先である借方のプロジェクト番号、借方受注番号、借方勘定科目、振替金額である借方金額、振替元である貸方のプロジェクト番号、貸方受注番号、貸方勘定科目、貸方金額を含む原価計上明細データを作成する原価振替部102cを備えているので、振替元のプロジェクト及び発生伝票を指定し、当該発生伝票を使用して振替先のプロジェクトに原価を振り替えることにより、原価振替が発生した根拠を明確にすることが可能となる。
【0103】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0104】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0105】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0106】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0107】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0108】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0109】
また、原価振替システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0110】
例えば、原価振替システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU及び当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて原価振替システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0111】
また、このコンピュータプログラムは、原価振替システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0112】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0113】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成及び読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0114】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0115】
また、原価振替システム100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、原価振替システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0116】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0117】
100 原価振替システム
102 制御部
102a 契約データ入力部
102b 原価発生データ入力部
102c 原価振替部
102d 仕訳作成部
102e マスタメンテ部
102f 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 原価科目区分マスタ
106b データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14