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特開2024-27745情報処理方法、情報処理装置および検査システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027745
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置および検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20240222BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20240222BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G01N33/53 Y
G01N33/48 M
G01N33/48 P
G01N33/483 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130815
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】苅野 嵩
(72)【発明者】
【氏名】平山 英樹
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045AA25
2G045AA26
2G045BA13
2G045BB25
2G045CA01
2G045CB01
2G045FA37
2G045FB03
2G045JA01
2G045JA07
(57)【要約】
【課題】検査の効率化に寄与する情報処理方法、情報処理装置および検査システムを提供する。
【解決手段】抗体試薬を用いた検査によって検査結果を取得可能なフローサイトメーターによる分析のため、コンピュータによって実行される情報処理方法において、被検者の第1検体についてフローサイトメーターによる第1検査で得られた第1検査結果を取得し、被検者の第2検体について第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得し、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体試薬を用いた検査によって検査結果を取得可能なフローサイトメーターによる分析のため、コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
被検者の第1検体について前記フローサイトメーターによる第1検査で得られた第1検査結果を取得し、
前記被検者の第2検体について前記第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得し、
前記第1検査結果と前記第2検査結果とを関連付けて表示する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記第1検査結果と前記第2検査結果とが対比可能となるように、前記第1および第2検査結果を表示する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記第1検査結果を取得することは、前記第2検査結果に応じて選択された前記抗体試薬を用いた前記第1検査で得られた前記第1検査結果を取得することを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記被検者に関する情報と、前記第1および第2検査に関する情報が関連付けられた情報のリストを表示することと、
前記リストから選択された前記被検者に対する前記第1検査の検査オーダーを受け付けることと、をさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記第1検査結果を取得することは、前記検査オーダーに対する前記第1検査結果を取得することを含み、
前記被検者に関する情報と、前記第1および第2の検査結果とを関連付けることをさらに含む、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記被検者に関する情報は、前記被検者を識別する被検者識別情報、および、前記被検者から採取された検体を識別する検体識別情報の少なくとも一方を含む、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記第1検体を識別する第1検体識別情報の入力を受け付けることと、
前記第1検体識別情報に対応し、前記第2検体を識別する第2検体識別情報を受信することと、をさらに含み、
前記第1検査結果を取得することは、前記第1検体識別情報に関連付けて前記第1検査結果を取得することを含み、
前記第2検査結果を取得することは、前記第2検体識別情報に関連付けて前記第2検査結果を取得することを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記第1検査結果の取得前に前記第2検査結果を表示することと、
前記第2検査結果の表示後に前記第1検査の検査オーダーを受け付けることと、をさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記第2検査結果の表示画面と前記第1検査の検査オーダーを受け付けるための受付画面とが関連付けて表示される、
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記第1および第2検査結果を表示することは、前記第1検査結果を表示するための第1領域と、前記第2検査結果を表示するための第2領域とを含む検査結果画面を表示することを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記第2領域には、異常値を示した第2検査結果の項目が表示される、
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記第1検査に用いられる複数種類の前記抗体試薬は、前記第1検査の測定試料を調製するための容器ごとに区分され、
前記第1領域に前記第1検査結果を表示することは、前記第1領域に、前記容器の区分ごとに前記第1検査結果を表示することを含む、
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記第1領域に前記第1検査結果を表示することは、ユーザからの操作に応じて、前記第1領域に、前記容器の区分ごとに前記第1検査結果を切り替えて表示することを含む、
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記第1検査結果を取得することは、前記第1検査を識別する検査識別情報に関連付けて前記第1検査結果を取得することを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記検査識別情報は、前記第1検査に用いられる前記抗体試薬を示す情報を含む、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記第1および第2検査結果を表示することは、前記第1検査結果と前記検査識別情報とを関連付けて表示することを含む、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記コンピュータは、前記第1検査用の測定試料を調製する検体前処理装置と通信可能に接続されており、
前記第1検査を識別する検査識別情報を前記検体前処理装置に送信すること、をさらに含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記検体前処理装置は、測定試料を調製するための複数の容器をそれぞれ異なる設置位置で設置可能な設置部を用いて、前記容器内で前記測定試料を調製するように構成されており、
前記検査識別情報と、前記設置位置と、を対応付けた検査オーダーを記憶することをさらに含む、
請求項17に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記第1検査は、細胞表面および細胞内の少なくとも一方に存在する抗原に関する分析であり、
前記第2検査は、前記抗原とは異なる成分に関する分析である、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記第1検体および前記第2検体のそれぞれは血液検体である、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記フローサイトメーターは、複数種類の前記抗体試薬を用いた前記第1検査によって複数の前記第1検査結果を取得する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記複数種類の抗体試薬の各々は、抗体または抗体の組み合わせが異なる、
請求項21に記載の情報処理方法。
【請求項23】
前記複数の第1検査結果は、前記複数種類の抗体試薬の各々に対応する種類の抗原の情報を含む、
請求項21に記載の情報処理方法。
【請求項24】
前記複数の第1検査結果は、互いに異なる容器で調製された複数の測定試料から前記第1検査によりそれぞれ得られた検査結果である、
請求項21に記載の情報処理方法。
【請求項25】
第2検査は、フローセルを用いた血球計数装置による検査および血球像を撮像して解析する血球像解析装置による検査の少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項26】
第2検査は、フローセルを用いた血球計数装置による検査および血球像を撮像して解析する血球像解析装置による検査を含み、
前記第1検査結果と、前記血球計数装置および前記血球像解析装置による第2検査で得られた前記第2検査結果とを関連付けて表示する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項27】
前記フローサイトメーターは、前記第2検査が行われる検査室とは異なる検査室に設置される、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項28】
前記第2検査結果を取得することは、前記第2検査結果を記憶する他のコンピュータから前記第2検査結果を受信することを含む、
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項29】
抗体試薬を用いた検査によって検査結果を取得可能なフローサイトメーターによる分析に用いられる情報処理装置であって、
制御部と、表示部と、を備え、
前記制御部は、
被検者の第1検体について前記フローサイトメーターによる第1検査で得られた第1検査結果を取得し、
前記被検者の第2検体について前記第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得し、
前記第1検査結果と前記第2検査結果とを関連付けて前記表示部に表示させる、
情報処理装置。
【請求項30】
抗体試薬を用いた検査によって検査結果を取得可能なフローサイトメーターと、
前記フローサイトメーターによる第1検査とは異なる第2検査を行う検査装置と、
前記フローサイトメーターおよび前記検査装置にネットワークを介して接続された情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、制御部と、表示部と、を備え、
前記制御部は、
被検者の第1検体について前記フローサイトメーターによる第1検査で得られた第1検査結果を取得し、
前記被検者の第2検体について前記第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得し、
前記第1検査結果と前記第2検査結果とを関連付けて前記表示部に表示させる、
検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置および検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フローサイトメーターを用いたサンプルの分析が行われている。例えば、血液分析器における血液サンプルの分析によって、高い白血球カウントが得られた場合や、白血病の疑いが検出された場合に、抗体試薬を用いてそれらのサンプルをフローサイトメーターによって分析することがある。
【0003】
特許文献1には、被検者の血液サンプルを第1のアリコートと第2のアリコートに分けるサンプルディスペンサと、第1のアリコートを分析するフローサイトメーターと、第2のアリコートを分析する血液分析器と、を備えた分析システムが記載されている。この分析システムでは、同じ血液サンプルから分けられた第1のアリコートおよび第2のアリコートのそれぞれの分析結果がユーザインタフェースのディスプレイに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5636381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フローサイトメーターによる検査では、疾患を検出又は確定するために、多種の抗原を測定することがある。フローサイトメーターによって多種の抗原を測定した場合、臨床検査技師は、同じ被検者の検体に対する他の検査結果を参照しながら、各種抗原の測定結果のそれぞれが信頼性の高いものであるかを検討する。
【0006】
フローサイトメーターによる検査は、他の検査とは別の検査室で行われることが多い。しかしながら、検査室間のデータ連携が十分ではなく、上記した検討に時間を要し、検査が効率的に行われていないという課題があった。
【0007】
かかる課題に鑑み、本発明は、検査の効率化に寄与する情報処理方法、情報処理装置および検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理方法は、図1、2、5、20、40に示すように、抗体試薬を用いた検査によって検査結果を取得可能なフローサイトメーター(21、21b)による分析のため、コンピュータ(10)によって実行される情報処理方法に関する。本発明の情報処理方法は、被検者の第1検体についてフローサイトメーター(21、21b)による第1検査で得られた第1検査結果を取得し(S1、S18)、被検者の第2検体について第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得し(S1、S12)、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示する(S3、S21)。
【0009】
本発明の情報処理方法によれば、検査技師は、同一被検者の検体について、フローサイトメーターによる第1検査によって得られた第1検査結果と、第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果とを、関連付けて把握できる。これにより、検査技師は、第2検査によって得られた第2検査結果を考慮して、フローサイトメーターの検査を効率化できる。
【0010】
本発明の情報処理装置(10)は、図1、2、3、40に示すように、抗体試薬を用いた検査によって検査結果を取得可能なフローサイトメーター(21、21b)による分析に用いられる情報処理装置に関する。本発明の情報処理装置(10)は、制御部(101)と、表示部(103)と、を備える。制御部(101)は、被検者の第1検体についてフローサイトメーター(21、21b)による第1検査で得られた第1検査結果を取得し、被検者の第2検体について第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得し、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示部(103)に表示させる。
【0011】
本発明の情報処理装置によれば、検査技師は、同一被検者の検体について、フローサイトメーターによる第1検査によって得られた第1検査結果と、第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果とを、表示部を参照することにより関連付けて把握できる。これにより、検査技師は、第2検査によって得られた第2検査結果を考慮して、フローサイトメーターの検査を効率化できる。
【0012】
本発明の検査システム(1)は、図1、2、3、35、40に示すように、抗体試薬を用いた検査によって検査結果を取得可能なフローサイトメーター(21、21b)と、フローサイトメーター(21、21b)による第1検査とは異なる第2検査を行う検査装置(22、22a、22b)と、フローサイトメーター(21、21b)および検査装置(22、22a、22b)にネットワーク(30)を介して接続された情報処理装置(10)と、を備える。情報処理装置(10)は、制御部(101)と、表示部(103)と、を備える。制御部(101)は、被検者の第1検体についてフローサイトメーター(21、21b)による第1検査で得られた第1検査結果を取得し、被検者の第2検体について第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得し、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示部(103)に表示させる。
【0013】
本発明の検査システムによれば、検査技師は、同一被検者の検体について、フローサイトメーターによる第1検査によって得られた第1検査結果と、第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果とを、表示部を参照することにより関連付けて把握できる。これにより、検査技師は、第2検査によって得られた第2検査結果を考慮して、フローサイトメーターの検査を効率化できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、検査を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態1に係る、情報処理方法の概要を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態1に係る、検査システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1に係る、情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1に係る、データベースに記憶される項目を模式的に示す図である。
図5図5は、実施形態1に係る、情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態1に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査結果および第2検査結果の表示例1、2を説明する図である。
図7図7は、実施形態1に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査結果および第2検査結果の表示例3、4を説明する図である。
図8図8は、実施形態1に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査結果および第2検査結果の表示例5を説明する図である。
図9図9は、実施形態1に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査結果および第2検査結果の表示例6を説明する図である。
図10図10は、実施形態2に係る、データベースに記憶される項目を模式的に示す図である。
図11図11は、実施形態2に係る、シングル抗体の例およびカクテル抗体の例を示す表である。
図12図12は、実施形態2に係る、パネルの例を示す表である。
図13図13は、実施形態2に係る、情報処理装置の表示部に表示されるパネル編集画面の構成を模式的に示す図である。
図14図14は、実施形態2に係る、情報処理装置の表示部に表示される第2検査結果の問い合わせ画面の構成を模式的に示す図である。
図15図15は、実施形態2に係る、情報処理装置の表示部に表示される検体リスト表示画面の構成を模式的に示す図である。
図16図16は、実施形態2に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査の検査オーダー登録画面の構成を模式的に示す図である。
図17図17は、実施形態2に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査の検査オーダー登録画面の他の構成を模式的に示す図である。
図18図18は、実施形態2に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査の検査オーダー表示画面の構成を模式的に示す図である。
図19図19は、実施形態2に係る、第1検査結果を記憶するデータ構造の例を模式的に示す図である。
図20図20は、実施形態2に係る、情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
図21図21は、実施形態2の変更例1に係る、情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
図22図22は、実施形態2の変更例1に係る、情報処理装置の表示部に、第1検査の検査オーダー登録画面とともに第2検査結果の表示画面が表示された状態を模式的に示す図である。
図23図23は、実施形態2の変更例2に係る、情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
図24図24は、実施形態2の変更例2に係る、第1検査を設定するためのルールの例を示す表である。
図25図25は、実施形態2の変更例3に係る、検査システムの構成を示すブロック図である。
図26図26は、実施形態2の変更例3に係る、情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
図27図27は、実施形態2の変更例3に係る、情報処理装置による他の処理を示すフローチャートである。
図28図28は、実施形態3に係る、第1検査装置の構成を示すブロック図である。
図29図29は、実施形態3に係る、検出部の構成を模式的に示す図である。
図30図30は、実施形態3に係る、第2検査装置の構成を示すブロック図である。
図31図31は、実施形態3に係る、光学式検出部および電気抵抗式検出部の構成を模式的に示す図である。
図32図32は、実施形態3に係る、情報処理装置の表示部に表示される検査結果画面の構成を模式的に示す図である。
図33図33は、実施形態3の変更例1に係る、第2検査装置の構成を示すブロック図である。
図34図34は、実施形態3の変更例1に係る、情報処理装置の表示部に表示される検査結果画面の構成を模式的に示す図である。
図35図35は、実施形態3の変更例2に係る、検査システムの構成を示すブロック図である。
図36図36は、実施形態3の変更例2に係る、情報処理装置の表示部に表示される検査結果画面の構成を模式的に示す図である。
図37図37は、実施形態3の変更例3に係る、第2検査装置の構成を示すブロック図である。
図38図38は、実施形態3の変更例3に係る、第2検査装置で行われる試料調製の手順を模式的に示す図である。
図39図39は、実施形態3の変更例3に係る、情報処理装置の表示部に表示される検査結果画面の構成を模式的に示す図である。
図40図40は、実施形態4に係る、検査システムの構成を示すブロック図である。
図41図41は、実施形態4に係る、検体前処理装置の構成を示すブロック図である。
図42図42は、実施形態4に係る、検体前処理装置の構成を模式的に示す平面図である。
図43図43は、実施形態4に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査の検査オーダー登録画面の構成を模式的に示す図である。
図44図44は、実施形態4に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査の検査オーダー登録画面の構成を模式的に示す図である。
図45図45は、実施形態4に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査の検査オーダー登録画面の他の構成を模式的に示す図である。
図46図46は、実施形態4に係る、情報処理装置の表示部に表示される第1検査の検査オーダー表示画面の構成を模式的に示す図である。
図47図47は、実施形態4に係る、情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
図48図48は、実施形態4の変更例に係る、第1検査装置の構成を示すブロック図である。
図49図49は、実施形態4の変更例に係る、第1検査装置の構成を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る、情報処理方法の概要を模式的に示す図である。
【0017】
被検者から第1検体および第2検体が採取される。第1検体および第2検体は、血液検体であり、実施形態1では全血検体である。第1検体および第2検体は、同一の被検者から同一のタイミングで採取された2つの検体でもよく、同一の被検者から異なるタイミング(例えば、異なる日時)で採取された2つの検体でもよい。第1検体は、第1検査に供され、第2検体は、第1検査とは異なる第2検査に供される。
【0018】
第1検査は、細胞表面および細胞内の少なくとも一方に存在する抗原に関する分析である。第1検査では、フローサイトメーターが用いられる。実施形態1のフローサイトメーターは、フローサイトメトリー法に基づいて、被検者の第1検体について複数種類の抗体試薬を用いた第1検査を行って、複数の第1検査結果を取得可能である。第1検査では、第1検体中の細胞の抗原が抗体試薬によって蛍光標識され、細胞の抗原と結合した蛍光色素から生じた蛍光に基づいて分析が行われ、第1検査結果が取得される。複数の第1検査結果は、複数種類の抗体試薬の各々に対応する種類の抗原の情報を含む。図1に示す例では、複数の第1検査結果として、第1検査結果(A、B、C、…)が取得されている。なお、第1検査結果は、第1検査における測定で得られたデータに基づく分析結果であるが、データおよび分析結果の両方を含んでもよい。
【0019】
第2検査は、血液学的検査を含む。血液学的検査では、細胞自体の特徴および血液中の成分の特徴(例えば、大きさ、体積、顆粒密度、染色性、吸光度など)を示すパラメータ情報(散乱光強度、蛍光強度、電気抵抗、高周波電流に基づく誘電率の変化、電導度、凝固時間、濃度など)が取得され分析される。
【0020】
本実施形態の第2検査では、例えば、血球計数装置が用いられる。血球計数装置は、被検者の第2検体について光学式検出部や電気抵抗式検出部により血球の検査を行って、第2検体中の細胞自体の特徴(例えば、大きさ、体積、顆粒密度、染色性など)を示すパラメータ情報(散乱光強度、蛍光強度、電気抵抗など)を取得し、取得したパラメータ情報に基づいて、血球数などの第2検査結果を取得する。図1に示す例では、第2検査結果として、第2検体に含まれる複数種類の血球に関する第2検査結果が取得されている。なお、第2検査結果は、第2検査における測定で得られたデータに基づく分析結果であるが、第2検査により得られたデータおよび分析結果の両方を含んでもよい。
【0021】
第2検査では、血球計数装置のみが用いられることに限らず、血球計数装置、血球像解析装置、遺伝子検査装置、血液凝固検査装置などの装置のうち、1以上の検査装置が用いられてもよい。遺伝子検査装置が用いられる場合、第2検体は、被検者の細胞を含めばよく、血液検体以外でもよい。血液凝固検査装置が用いられる場合、第2検体は、被検者の血漿である。
【0022】
情報処理装置10は、第1検査を行うフローサイトメーターによる分析に用いられる。また、情報処理装置10は、第1検査で得られた第1検査結果と、第2検査で得られた第2検査結果とを取得し、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示部に表示する。第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示することは、例えば、共通の被検者に対応する第1検査結果および第2検査結果を、1つまたは2つ以上の画面に、並べて対比可能に表示すること、画面に表示されるユーザインタフェース(例えば、タブなど)を操作することにより切り替えて対比可能に表示すること、などを含む。第1検査結果と第2検査結果とを対比可能に表示することについては、追って図6~9を参照して説明する。
【0023】
なお、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示することは、第1検査結果と第2検査結果とを対比可能に表示することに限らない。例えば、第1検査結果と第2検査結果とがデータとして互いに紐付けられ、オペレータの指示に応じて、第1検査結果と第2検査結果とが択一的に表示部に表示されてもよい。
【0024】
図2は、検査システム1の構成を示すブロック図である。
【0025】
検査システム1は、情報処理装置10と、第1検査装置21と、第2検査装置22と、を備える。
【0026】
第1検査装置21は、複数種類の抗体試薬を用いた検査によって複数の検査結果を取得可能なフローサイトメーターである。第1検査装置21は、第1検査を行う。第2検査装置22は、第1検査とは異なる第2検査を行う装置である。第1検査装置21が設置された検査室R1と、第2検査装置22が設置された検査室R2とは、互いに異なる。すなわち、第1検査は、第2検査とは異なる検査室で実施される。
【0027】
なお、第1検査装置21および第2検査装置22が、同じ検査室に設置されてもよい。すなわち、第1検査および第2検査は、同じ検査室で実施されてもよい。この場合、第1検査装置21および第2検査装置22は、同じ検査室中の異なる場所に設置される。
【0028】
情報処理装置10は、第1検査装置21および第2検査装置22にネットワーク30を介して接続された装置である。ネットワーク30は、インターネットまたはイントラネットにより構成される。ネットワーク30は、インターネットおよびイントラネットにより構成されてもよい。
【0029】
図3は、情報処理装置10の構成を示すブロック図である。
【0030】
情報処理装置10は、制御部101と、記憶部102と、表示部103と、入力部104と、読取部105と、通信部106と、を備える。情報処理装置10を使用するオペレータは、例えば、検査技師である。
【0031】
制御部101は、例えば、CPUにより構成される。制御部101は、バスやインターフェースなどを介して、情報処理装置10内の各部と接続されている。制御部101は、記憶部102から読み出したプログラムを実行する。制御部101は、プログラムを実行することにより、図1に示したように、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示する。
【0032】
記憶部102は、例えば、HDDやSSDにより構成される。記憶部102には、第1検査結果および第2検査結果などを格納するデータベース102aが記憶されている。また、記憶部102には、第1検査結果および第2検査結果を表示するためのプログラムや、各種画面を表示するためのプログラムなどが記憶されている。
【0033】
表示部103は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。入力部104は、例えば、キーボード、マウス、およびタッチパネルを含むポインティングデバイスなどにより構成される。オペレータは、入力部104を操作することにより、表示部103に表示された画面内のボタン等の操作部を操作する。なお、表示部103および入力部104が一体的に構成されてもよい。例えば、情報処理装置10は、表示部103および入力部104として、タッチパネル式のディスプレイを備えてもよい。
【0034】
読取部105は、例えば、バーコードリーダにより構成される。通信部106は、例えば、イーサネット規格に基づく通信インターフェースである。制御部101は、通信部106を介して、第1検査装置21および第2検査装置22と通信を行う。
【0035】
図4は、データベース102aに記憶される項目を模式的に示す図である。
【0036】
データベース102aは、被検者に関する識別情報、複数の検査識別情報、複数の第1検査結果および1つの第2検査結果などの項目を含む。データベース102aにおいて、複数の検査識別情報(1、2、3、…)は、被検者に関する識別情報に対応付けられており、第1検査結果(A、B、C、…)は、複数の検査識別情報にそれぞれ対応付けられている。1つの第2検査結果は、被検者に関する識別情報に対応付けられている。
【0037】
被検者に関する識別情報として、例えば、被検者を識別可能な被検者ID、および、検体を識別可能な検体IDの少なくとも一方を含む。例えば、第1検査に供される第1検体および第2検査に供される第2検体が、同一の被検者から同一のタイミングで採取された2つの検体である場合、第1検体に付与される検体IDと、第2検体に付与される検体IDとは同一でもよい。この場合、被検者に関する識別情報として、被検者IDおよび検体IDの少なくとも一方を用いることができる。第1検体および第2検体内が、同一の被検者から異なるタイミングで採取された2つの検体である場合、第1検体に付与される検体IDと、第2検体に付与される検体IDとは異なっていてもよい。この場合、被検者に関する情報として、被検者IDを用いることができる。
【0038】
検査識別情報は、第1検査で行われる複数の検査を識別可能な情報である。検査識別情報は、例えば、あらかじめ第1検査装置21の記憶部に記憶される。この場合、第1検査装置21は、第1検査を終えると、被検者に関する情報と、検査識別情報と、第1検査結果とを対応付けて情報処理装置10に送信する。なお、検査識別情報は、オペレータにより入力部104を介して任意に設定されてもよい。この場合、情報処理装置10の制御部101は、入力された検査識別情報を第1検査装置21に送信し、第1検査装置21は、受信した検査識別情報を記憶部に記憶する。
【0039】
図5は、情報処理装置10による処理を示すフローチャートである。
【0040】
ステップS1において、情報処理装置10の制御部101は、第1検査装置21から第1検査結果を取得し、第2検査装置22から第2検査結果を取得する。ステップS2において、制御部101は、オペレータから入力部104を介して結果の表示要求が入力されたか否かを判定する。結果の表示要求が入力されると、ステップS3において、制御部101は、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示部103に表示させる。
【0041】
次に、図6~9を参照して、情報処理装置10の表示部103に表示される第1検査結果および第2検査結果の表示例1~6について説明する。図6~9に示す例では、複数の第1検査結果の各々と第2検査結果とが対比可能となるように、第1検査結果および第2検査結果が表示部103に表示される。
【0042】
図6の上段に示すように、表示例1では、複数の第1検査結果の各々を表示するための第1領域11と、第2検査結果を表示するための第2領域12とを含む検査結果画面110が、表示部103に表示される。検査結果画面110において、第1領域11および第2領域12は、左右に並んで配置されている。
【0043】
第1領域11には、取得された複数の第1検査結果の表示を切り替えるためのタブが設けられている。オペレータは、タブを操作することにより、複数の第1検査結果のうち所望の第1検査結果を、第1領域11に表示させることができる。第1領域11の第1検査結果は、テキスト情報(例えば、測定対象の抗原を発現した血球数を示すための文字や数値)およびグラフ(例えば、スキャッタグラムやヒストグラム)を含む。図6の上段に示す例では、第1検査結果Aに対応するタブが操作され、第1領域11に第1検査結果Aが表示されている。また、第1領域11には、表示中の第1検査結果に対応する検査識別情報が表示される。
【0044】
図6の下段に示すように、表示例2では、表示例1と比較して、第1領域11のレイアウトが変更されている。表示例2では、複数の第1検査結果が縦方向に並んでおり、縦方向に表示を移動させるためのスクロールバーが設けられている。オペレータは、スクロールバーを操作することにより、複数の第1検査結果のうち対象となる第1検査結果を、第1領域11内に表示させることができる。
【0045】
図7の上段に示すように、表示例3では、表示例1と比較して、第1領域11のレイアウトが変更されている。表示例3では、第1領域11の上段に、複数の第1検査結果の各々に関するテキスト情報および検査識別情報が表示されており、これらの表示を縦方向に移動させるためのスクロールバーが設けられている。第1領域11の下段には、複数の第1検査結果の各々に関するグラフが表示されており、これらの表示を切り替えるための矢印ボタンが設けられている。なお、第1領域11の下段に表示された各領域が操作されると、各領域に対応する第1検査結果が第1領域11全体に拡大されてもよい。
【0046】
図7の下段に示すように、表示例4では、表示例1と比較して、第1領域11のレイアウトが変更されている。表示例4では、第1領域11の中央に、第1検査結果の詳細を大きく表示する領域が設けられており、この領域の左右に、第1検査結果の要約を小さく表示する領域が設けられている。第1領域11の左端および右端には、第1領域11の中央で詳細を表示させる第1検査結果を切り替えるためのボタンが設けられている。なお、第1領域11の中央の領域が操作されると、この領域に対応する第1検査結果が第1領域11全体に拡大されてもよい。
【0047】
図8に示すように、表示例5では、表示例1と比較して、第1領域11には、1つの第1検査結果が表示され、第2領域12には、複数の第1検査結果のうち第1領域11に表示させる第1検査結果を指定するためのリンクボタンが設けられている。リンクボタンは、取得された複数の第1検査結果に対応して複数設けられる。表示例5では、図8の上段に示す状態が初期状態である。この状態において、オペレータが、第2領域12内のリンクボタンを操作すると、図8の下段に示すように、リンクボタンに対応する第1検査結果の詳細が、第1領域11に表示される。
【0048】
図9に示すように、表示例6では、情報処理装置10が2つの表示部103を備えており、2つの表示部103が、いわゆるデュアルディスプレイを構成している。表示例6では、2つの表示部103に跨がるように検査結果画面110が表示され、左側の表示部103の検査結果画面110に第1領域11が配置され、右側の表示部103の検査結果画面110に第2領域12が配置されている。
【0049】
なお、2つの表示部103にそれぞれ別々の検査結果画面が表示され、各検査結果画面にそれぞれ第1領域11および第2領域12が配置されてもよい。また、表示部103の数は3以上でもよい。この場合、3以上の表示部103が、いわゆるマルチディスプレイを構成し、第1領域11および第2領域12が、適宜、各表示部103に表示される。
【0050】
なお、表示例1~6では、表示部103の表示面が横長となる状態で、検査結果画面110が表示されたが、表示部103の表示面が縦長となる状態で、検査結果画面110が表示されてもよい。この場合、例えば、縦長の検査結果画面110において、第1領域11および第2領域12が上下に並ぶように配置される。
【0051】
<実施形態1による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
情報処理装置10の制御部101は、被検者の第1検体について第1検査装置21(フローサイトメーター)による第1検査で得られた第1検査結果を取得し、被検者の第2検体について第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果を取得する。そして、制御部101は、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けて表示部103に表示させる。これにより、オペレータは、同一被検者の検体について、第1検査によって得られた第1検査結果と、第1検査とは異なる第2検査によって得られた第2検査結果とを、関連付けて把握できる。よって、オペレータは、第2検査によって得られた第2検査結果を考慮して、第1検査装置21(フローサイトメーター)の検査を効率化できる。
【0052】
図6~9に示した例では、制御部101は、複数の第1検査結果の各々と第2検査結果とが対比可能となるように、第1および第2検査結果を表示部103に表示させる。これにより、オペレータは、第2検査を考慮して、第1検査結果の妥当性を評価できるため、第1検査装置21(フローサイトメーター)の検査をさらに効率化できる。
【0053】
例えば、オペレータは、対比して表示された第1検査結果および第2検査結果を参照して、第1検査結果と第2検査結果とが食い違っていると判断した場合には、第1検査結果の妥当性が低いと判断できる。この場合、オペレータは、第1検査結果を医師に報告しない。一方、オペレータは、対比して表示された第1検査結果および第2検査結果を参照して、第1検査結果と第2検査結果とが同様の傾向を示していると判断した場合には、第1検査結果の妥当性が高いと判断できる。この場合、オペレータは、第1検査結果を医師に報告する。このように、オペレータは、いわゆるバリデートの観点において第1検査装置21の検査結果の妥当性を簡易かつ効率的に評価でき、妥当性の評価に基づいて、医師への報告等の次のアクションを起こすことができる。
【0054】
また、第2検査結果として所定の結果(例えば、芽球が多いなどの結果)が得られた場合に、オペレータは、対比して表示された第1検査結果および第2検査結果を参照することにより、第1検査結果に第2検査結果で得られた所定の結果の根拠となる結果が含まれるか否か(第1検査結果が妥当か否か)を判断できる。オペレータは、第1検査結果に所定の結果の根拠が含まれないと判断すると、第1検査結果が必要な結果を含むように再度第1検査の検査オーダーを作成し、第1検査装置21に第1検査を行わせる。オペレータは、対比して表示された第2検査結果および再度取得された第1検査結果を参照することにより、第2検査結果で得られた所定の結果の根拠として、第1検査結果が妥当か否か(例えば、根拠を補強するものか否か)を判断できる。このように、オペレータは、追加の検査オーダーの観点において第1検査結果の妥当性を簡易かつ効率的に評価できる。
【0055】
さらに、オペレータは、関連付けて表示された第1検査結果と第2検査結果とを参照して、第1検査結果と第2検査結果との組み合わせに基づく特定疾患の可能性を評価できる。
【0056】
第1および第2検査結果を表示することは、第1検査結果を表示するための第1領域11と、第2検査結果を表示するための第2領域12とを含む検査結果画面110を表示することを含む。この処理によれば、図6~9に示したように、検査結果画面110において、第1検査結果と第2検査結果とが並べて表示されるため、第1検査結果と第2検査結果との対比が容易となる。
【0057】
図6に示したように、第1領域11には、第1検査結果と検査識別情報とが関連付けて表示される。この構成によれば、第1検査結果の種類を容易且つ円滑に把握できる。
【0058】
第1検体および第2検体のそれぞれは血液検体であり、第2検査は、血液学的検査を含む。これにより、第1検査装置21(フローサイトメーター)による血球の分析では得られない血液学的情報(血球数算定結果、血球像検査結果等)を確認できる。
【0059】
図2に示したように、第1検査装置21(フローサイトメーター)は、第2検査が行われる検査室R2とは異なる検査室R1に設置される。このように、第1検査が第2検査とは異なる検査室で実施される場合であっても、上記のように、第1検査結果および第2検査結果が対比可能に表示されることにより、第2検査結果を加味して、第1検査結果を有効活用することができる。
【0060】
<実施形態2>
実施形態2では、実施形態1と比較して、第1検体IDおよび第2検体IDにそれぞれ第1検査結果および第2検査結果が対応付けられ、情報処理装置10の操作に応じて、第1検査の検査オーダーが設定される。なお、特に言及しない限り、実施形態2の構成および処理は、実施形態1と同様である。
【0061】
図10は、実施形態2に係る、データベース102aに記憶される項目を模式的に示す図である。
【0062】
実施形態2のデータベース102aは、被検者ID、第1検体ID、シングル抗体ID、カクテル抗体ID、パネルID、第1検査結果、第2検体IDおよび第2検査結果などの項目を含む。データベース102aにおいて、第1検体IDは、被検者IDに対応付けられており、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDは、第1検体IDに対応付けられている。シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDには、それぞれ、第1検査結果が対応付けられている。第2検体IDは、被検者IDに対応付けられており、第2検体IDには、第2検査結果が対応付けられている。
【0063】
第1検体IDは、第1検査に供される第1検体を識別するためのIDであり、第2検体IDは、第2検査に供される第2検体を識別するためのIDである。シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDは、図4に示した実施形態1の検査識別情報に対応し、図11、12を参照して後述するように第1検査において用いられる抗体試薬を示す情報である。
【0064】
被検者IDおよび第1検体に対して検査識別情報(シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルID)が複数設定されている場合、第1検体が収容された親検体容器から、検査識別情報ごとに用意された子検体容器のそれぞれに、第1検体が分注される。すなわち、第1検体が、複数の子検体(アリコート)に分割される。その後、各子検体容器において、子検体(アリコート)と抗体試薬とが混合され、測定試料が調製される。1つの子検体容器に収容された測定試料から、1つの第1検査結果が得られるため、複数の検査識別情報が設定されている場合には、複数の第1検査結果が得られる。第1検査により得られた第1検査結果は、検査識別情報(シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルID)に対応付けてデータベース102aに記憶される。
【0065】
なお、第1検体IDおよび第2検体IDは省略されてもよい。この場合、被検者IDに、シングル抗体ID、カクテル抗体ID、パネルID、第1検査結果および第2検査結果が対応付けて記憶される。
【0066】
図11は、シングル抗体の例およびカクテル抗体の例を示す表である。
【0067】
図11の上段には、6つのシングル抗体の例が示されており、各シングル抗体のシングル抗体IDは、「CD3」、「CD4」、「CD8」、「CD19」、「CD34」および「CD45」である。シングル抗体IDには、1つの抗体と、この抗体に結合する蛍光色素とが対応付けられている。1つのシングル抗体IDに対応する抗体および蛍光色素(すなわち、表の1行)は、1つの抗体試薬であり、本実施形態では「シングル抗体」とも称される。複数のシングル抗体の各々において、シングル抗体に含まれる抗体は互いに異なっている。なお、シングル抗体IDは、シングル抗体を識別可能であればよく、例えば、シングル抗体に付与された名前や番号でもよい。
【0068】
図11の下段には、3つのカクテル抗体の例が示されており、各カクテル抗体のカクテル抗体IDは、「CD3+CD4」、「CD8+CD19」および「CD4+CD45」である。カクテル抗体IDには、2以上の抗体と、これら抗体にそれぞれ結合する蛍光色素とが対応付けられている。1つのカクテル抗体IDに対応する複数の抗体および複数の蛍光色素(すなわち、表の1行)は、1つの抗体試薬であり、本実施形態では「カクテル抗体」とも称される。複数のカクテル抗体の各々において、カクテル抗体に含まれる複数の抗体の組合せは互いに異なっている。なお、カクテル抗体IDは、カクテル抗体を識別可能であればよく、例えば、カクテル抗体に付与された名前や番号でもよい。
【0069】
図12は、パネルの例を示す表である。
【0070】
図12には、4つのパネルの例が示されており、各パネルのパネルIDは、「TBNK1」、「TBNK2」、「T Cell/B Cell」、「CD34 HSC」である。パネルIDには、1以上の抗体および1以上の蛍光色素により構成される抗体試薬(すなわち、表の1行)が複数対応付けられている。パネルIDが示すグループ化された複数の抗体試薬は、本実施形態では「パネル」とも称される。複数のパネルの各々において、パネルに含まれる複数の抗体の組合せは互いに異なっている。なお、パネルIDは、パネルを識別可能であればよく、例えば、パネルに付与された名前や番号でもよい。パネルIDによってグループ化される複数の抗体試薬は、図13を参照して後述するパネル編集画面210を用いて編集可能である。
【0071】
図11、12に示したように、抗体および蛍光色素の1行分は、1つの抗体試薬に相当し、複数種類の抗体試薬の各々は、抗体または抗体の組み合わせが異なっている。また、複数の抗体試薬は、第1検査の測定試料を調製するための容器(第1検体から子検体が分注された子検体容器)ごとに区分されている。1つの子検体容器は、検査識別情報(シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルID)の1つに対応しており、1つの子検体容器で調製された測定試料から、1つの第1検査結果が得られる。
【0072】
なお、図11、12の検査識別情報(シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルID)は、第1検査に用いられる抗体試薬を示す情報、すなわち抗体試薬を特定可能な情報であった。しかしながら、これに限らず、検査識別情報は、抗体試薬を示す情報ではなく、単に検査識別情報を互いに識別可能な情報(例えば、「検査1」、「検査2」など)であってもよい。
【0073】
また、図11、12に示したような抗体試薬(抗体および蛍光色素の1行分に相当する組合せ)の情報は、情報処理装置10の記憶部102および第1検査装置21の記憶部に記憶されている。また、図11、12に示したようなシングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDと、これらのIDに対応付けられた抗体試薬は、情報処理装置10の記憶部102および第1検査装置21の記憶部に記憶されている。
【0074】
図13は、情報処理装置10の表示部103に表示されるパネル編集画面210の構成を模式的に示す図である。
【0075】
オペレータは、新規のパネルIDを登録する場合、ラジオボタン211を選択して、テキストボックス212に新規のパネルIDを入力する。オペレータは、既存のパネルIDを編集する場合、ラジオボタン213を選択してプルダウンメニュー214から既存IDを選択する。オペレータは、1つのプルダウンメニュー215から1つの抗体試薬を選択し、複数の抗体試薬を選択する場合には、追加ボタン216を操作してプルダウンメニュー215を追加表示させる。
【0076】
オペレータにより登録ボタン217が操作されると、情報処理装置10の制御部101は、パネル編集画面210で設定されたパネルIDおよび抗体試薬の組合せの情報を記憶部102に記憶する。このように、オペレータは、パネル編集画面210を介して、パネルIDに対応付けられる抗体試薬の種類を任意に設定できる。
【0077】
図14は、情報処理装置10の表示部103に表示される第2検査結果の問い合わせ画面220の構成を模式的に示す図である。
【0078】
オペレータは、第1検体に対応する被検者IDおよび第1検体IDをテキストボックス221、222に入力する。図14に示す例では、被検者IDとして「BBB」が入力され、第1検体IDとして「bbb1」が入力されている。
【0079】
第1検体が収容された容器に、被検者IDを示すバーコードおよび第1検体IDを示すバーコードが印刷されたラベルが貼られている場合、オペレータは、読取部105(図3参照)を用いてバーコードを読み取って、被検者IDおよび第1検体IDをテキストボックス221、222に入力する。この他、オペレータは、被検者IDおよび第1検体IDを印刷物から取得して、入力部104を介して手入力してもよい。
【0080】
オペレータにより問い合わせボタン223が操作されると、情報処理装置10の制御部101は、入力された被検者IDおよび第1検体IDに基づいて、第2検査装置22に問い合わせを送信し、第2検査装置22から、第2検体IDおよび第2検査結果を取得する。そして、制御部101は、被検者IDおよび第1検体IDに対応付けて、第2検体IDおよび第2検査結果を、データベース102aに記憶する。
【0081】
図15は、情報処理装置10の表示部103に表示される検体リスト表示画面230の構成を模式的に示す図である。
【0082】
リスト表示領域231には、データベース102aに基づいて、被検者ID、第1検体ID、第1検査の状態、第2検体IDおよび第2検査の状態などの項目が表示される。第1検査の状態は、第1検体に対応する第1検査結果がデータベース102aに記憶されている場合に「検査済」となり、第1検体に対応する第1検査結果がデータベース102aに記憶されていない場合に「未検査」となる。同様に、第2検査の状態は、第2検体に対応する第2検査結果がデータベース102aに記憶されている場合に「検査済」となり、第2検体に対応する第2検査結果がデータベース102aに記憶されていない場合に「未検査」となる。
【0083】
図14において被検者IDに「BBB」が入力され第1検体IDに「bbb1」が入力された状態で問い合わせが行われた場合、通常、第1検査は実行されておらず、第2検査は既に実行されている。したがって、この場合、図15のリスト表示領域231の2行目に示すように、第1検査の状態は「未検査」となり、第2検査の状態は「検査済」となる。
【0084】
オペレータは、第1検査の検査オーダーを登録したい場合、リスト表示領域231において対象となる行を選択し、登録ボタン232を操作する。これにより、選択した被検者IDおよび第1検体IDに対応する第1検査の検査オーダー登録画面240が表示される。
【0085】
図16は、情報処理装置10の表示部103に表示される第1検査の検査オーダー登録画面240の構成を模式的に示す図である。
【0086】
オペレータは、第1検査の検査オーダーを登録したい被検者および第1検体について、被検者IDおよび第1検体IDをテキストボックス241、242に入力する。図16に示す例では、図15において2行目が選択された状態で登録ボタン232が操作されたため、テキストボックス241に被検者IDとして「BBB」があらかじめ入力され、テキストボックス242に第1検体IDとして「bbb1」があらかじめ入力されている。
【0087】
オペレータは、第1検査の内容をテキストボックス251、252、253に入力する。テキストボックス251には、図11の上段に示したようなシングル抗体IDが入力され、テキストボックス252には、図11の下段に示したようなカクテル抗体IDが入力され、テキストボックス253には、図12に示したようなパネルIDが入力される。追加ボタン251a、252a、253aが操作されると、それぞれ、表示中のテキストボックス251、252、253の右側に、さらに別のテキストボックス251、252、253が表示される。これにより、2以上のシングル抗体の入力と、2以上のカクテル抗体の入力と、2以上のパネルの入力とが可能になる。
【0088】
図16に示す例では、追加ボタン253aの操作により、テキストボックス253が追加された状態が示されており、2つのテキストボックス253に、パネルIDとして「TBNK1」および「TBNK2」が入力されている。
【0089】
オペレータにより登録ボタン243が操作されると、情報処理装置10の制御部101は、第1検査の検査オーダーを記憶部102に記憶する。
【0090】
なお、図15においてリスト表示領域231の行が選択されずに登録ボタン232が操作された場合、テキストボックス241、242は空の状態となる。この場合、オペレータは、入力部104または読取部105を用いて、被検者IDおよび第1検体IDを入力する。その後、登録ボタン243が操作されると、制御部101は、第1検査の検査オーダーを記憶部102に記憶するとともに、図14を参照して説明した処理と同様に、テキストボックス241、242に入力された被検者IDおよび第1検体IDに基づいて、第2検査装置22から第2検体IDおよび第2検査結果を取得する。制御部101は、被検者IDおよび第1検体IDに対応付けて、第2検体IDおよび第2検査結果を、データベース102aに記憶する。
【0091】
図16に示した第1検査の検査オーダー登録画面240は、図17に示すように構成されてもよい。
【0092】
図17は、情報処理装置10の表示部103に表示される第1検査の検査オーダー登録画面240の他の構成を模式的に示す図である。
【0093】
図17では、図16と比較して、テキストボックス251、252、253に代えて、それぞれ、プルダウンメニュー261、262、263が追加されている。
【0094】
オペレータは、プルダウンメニュー261、262、263を操作して、第1検査の内容をプルダウンメニュー261、262、263に表示させる。上述したように、情報処理装置10の記憶部102には、図11、12に示したようなシングル抗体、カクテル抗体およびパネルの情報が記憶されている。プルダウンメニュー261、262、263が操作されると、それぞれ、記憶部102に記憶されたシングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDの一覧が表示される。オペレータは、各プルダウンメニューに表示された一覧から1つの項目を選択することにより、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDを入力する。
【0095】
また、オペレータが、プルダウンメニュー261、262、263に表示された一覧の各項目に選択カーソルを重ねると、選択カーソルが重ねられた項目の詳細情報264が選択カーソルの近傍に表示される。詳細情報264は、図11、12に示したシングル抗体、カクテル抗体およびパネルに対応する抗体試薬を示す情報である。詳細情報264の抗体試薬を示す情報は、抗体名および蛍光色素名を含む。図17に示す例では、プルダウンメニュー263において、パネルIDが「T Cell/B Cell」の項目に選択カーソルが重ねられており、詳細情報264に、「T Cell/B Cell」に対応する抗体試薬を示す情報が表示されている。
【0096】
図18は、情報処理装置10の表示部103に表示される第1検査の検査オーダー表示画面270の構成を模式的に示す図である。
【0097】
リスト表示領域271には、検査オーダー登録画面240を介して登録された第1検査の検査オーダーに基づいて、被検者ID、第1検体ID、子検体ID、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDなどの項目が表示される。
【0098】
リスト表示領域271の1、2行目には、図16に示す状態で登録ボタン243が操作されたことにより登録された第1検査の検査オーダーが例示されている。この場合、図16においてパネルIDとしてTBNK1およびTBNK2が設定されていたため、図18の1、2行目に示すように、同一の被検者IDおよび第1検体IDに対応して2つの検査オーダーが登録されている。また、親検体である第1検体に対して、複数の子検体が作成される場合には、子検体IDが自動的に設定されてもよい。図18の1、2行目に示す例では、第1検体IDが「bbb1」である第1検体から、子検体IDが「bbb1-1」および「bbb1-2」である2つの子検体が作成され、2つの子検体がそれぞれ分注された2つの容器において、それぞれ測定試料が調製される。
【0099】
リスト表示領域271の3行目には、シングル抗体が登録された検査オーダーが例示されている。リスト表示領域271の4行目には、カクテル抗体が登録された検査オーダーが例示されている。リスト表示領域271の5~7行目には、シングル抗体、カクテル抗体およびパネルの全てが登録された検査オーダーが例示されている。図18の5~7行目に示す例では、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDにそれぞれ対応する子検体IDが設定され、3つの子検体がそれぞれ分注された3つの容器において、それぞれ測定試料が調製される。
【0100】
第1検査の検査オーダーが登録された後、情報処理装置10の制御部101は、第1検査の検査オーダーを第1検査装置21に送信する。第1検査装置21は、第1検査の検査オーダーに基づいて第1検査を行う。情報処理装置10の制御部101は、第1検査により得られた第1検査結果を第1検査装置21から取得し、データベース102aに記憶する。
【0101】
図19は、第1検査結果を記憶するデータ構造の例を模式的に示す図である。
【0102】
図19の上段に示す例1は、第1検査の検査オーダーにおいて2つのパネルID(TBNK1、TBNK2)が設定された場合に、被検者IDに対応付けてデータベース102aに記憶される情報を示している。例1は、図18に示したリスト表示領域271の1、2行目に対応している。
【0103】
図19の下段に示す例2は、第1検査の検査オーダーにおいて、1つのシングルID(CD3)、1つのカクテル抗体ID(CD16+CD56)および1つのパネルID(CD34 HSC)が設定された場合に、被検者IDに対応付けてデータベース102aに記憶される情報を示している。例2は、図18に示したリスト表示領域271の5~7行目に対応している。
【0104】
なお、シングル抗体の第1検査結果は、1つの抗体試薬に含まれる1種類の抗体の検査結果を含んでいる。カクテル抗体の第1検査結果は、1つの抗体試薬に含まれる複数種類の抗体のそれぞれの検査結果を含んでいる。パネルの第1検査結果は、パネルによってグループ化された複数の抗体試薬に含まれる各種類の抗体のそれぞれの検査結果を含んでいる。
【0105】
図20は、情報処理装置10による処理を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS11において、情報処理装置10の制御部101は、図14に示した問い合わせ画面220を表示部103に表示して、被検者IDおよび第1検体IDを受け付ける。ステップS12において、制御部101は、問い合わせ画面220で受け付けた被検者IDに基づいて第2検査装置22に問い合わせを行い、第2検査装置22から、被検者IDに対応する第2検体IDおよび第2検査結果を受信する。このとき、第2検査装置22は、例えば、受信した被検者IDに対応する最新の第2検体IDおよび第2検査結果を情報処理装置10に送信する。制御部101は、ステップS11で受け付けた第1検体IDと、ステップS12で受信した第2検体IDおよび第2検査結果を、ステップS11で受け付けた被検者IDに対応付けて、データベース102aに記憶する。
【0107】
なお、制御部101は、被検者IDおよび第1検体IDを、例えば他のコンピュータから受け付けた場合に、同様に第2検査装置22に問い合わせを行って、第2検体IDおよび第2検査結果を受信してもよい。この場合、問い合わせ画面220を介したオペレータによる操作が不要になる。
【0108】
ステップS13において、制御部101は、入力部104を介してオペレータから検体リストの表示要求を受け付けたか否かを判定する。制御部101は、表示要求を受け付けていない場合、処理をステップS11に戻す。他方、制御部101は、表示要求を受け付けると、ステップS14において、図15に示した検体リスト表示画面230を表示部103に表示する。
【0109】
ステップS15において、制御部101は、図15の登録ボタン232を介して、オペレータから第1検査の検査オーダーの登録要求を受け付けたか否かを判定する。制御部101は、登録要求を受け付けると、ステップS16において、図16、17に示した第1検査の検査オーダー登録画面240を表示部103に表示する。制御部101は、検査オーダー登録画面240を介して、第1検査の検査オーダーを受け付け、記憶部102に記憶する。
【0110】
ステップS17において、制御部101は、第1検査の検査オーダーを第1検査装置21に送信する。第1検査装置21は、受信した第1検査の検査オーダーに基づいて第1検査を行い、第1検査結果を生成する。ステップS18において、制御部101は、第1検体IDに関連付けて、第1検査装置21から第1検査結果を受信する。このとき、制御部101は、検査識別情報(シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルID)に関連付けて第1検査結果を受信する。ステップS19において、制御部101は、ステップS18で受信した第1検査結果を、被検者ID、第1検体ID、第2検体IDおよび第2検査結果に対応づけてデータベース102aに記憶する。
【0111】
ステップS20、S21において、制御部101は、図5のステップS2、S3と同様の処理を行う。すなわち、ステップS20において、制御部101は、オペレータから入力部104を介して結果の表示要求が入力されたか否かを判定する。結果の表示要求が入力されると、ステップS21において、制御部101は、ステップS18で受信した第1検査結果と、ステップS12で受信した第2検査結果とを関連付けて表示部103に表示させる。
【0112】
<実施形態2による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図15に示した検体リスト表示画面230は、被検者ID(被検者に関する情報)と、第1検体ID、第1検査の状態、第2検体IDおよび第2検査の状態(第1および第2検査に関する情報)が関連付けられた情報のリストを表示する。情報処理装置10の制御部101は、リスト表示領域231(リスト)から選択された被検者に対する第1検査の検査オーダーを、図16、17に示した第1検査の検査オーダー登録画面240を介して受け付ける。この構成によれば、検体リスト表示画面230を通じて第1検査の検査オーダーが入力されることで、被検者に関する情報をキーとして、第1検査に関する情報と第2検査に関する情報とが関連付けられたデータベースを構築することが可能となる。
【0113】
図20のステップS18において、情報処理装置10の制御部101は、第1検査の検査オーダーに対する第1検査結果を取得する。ステップS19において、制御部101は、被検者ID(被検者に関する情報)と、第1および第2の検査結果とを関連付ける。この処理によれば、第1および第2の検査結果も被検者IDに関連付けて記憶されるので、第1および第2の検査結果を互いに対比可能な結果表示を容易に実行できる。
【0114】
図20のステップS11において、情報処理装置10の制御部101は、第1検体を識別する第1検体ID(第1検体識別情報)の入力を受け付ける。ステップS12において、制御部101は、第1検体ID(第1検体識別情報)に対応し、第2検体を識別する第2検体ID(第2検体識別情報)を受信する。ステップS18において、制御部101は、第1検体ID(第1検体識別情報)に関連付けて第1検査結果を取得する。この処理によれば、第1検体と第2検体にそれぞれ異なる検体IDが付されている場合であっても、第1検体の第1検査結果の各々と第2検体の第2検査結果とを容易に紐づけることができる。
【0115】
図11、12に示したように、抗体試薬は、1以上の抗体と1以上の蛍光色素(表中の1行に相当する組合せ)を含む。複数種類の抗体試薬は、第1検査の測定試料を調製するための容器ごとに区分されている。図6~9に示した第1領域11には、第1検査の測定試料を調製するための容器の区分ごとに第1検査結果が表示される。具体的には、図6に示した実施形態1において、第1検査結果A~Cは、第1検査の測定試料を調製するための容器の区分ごとの検査結果である。オペレータが、第1領域11内のタブ、ボタンおよびスクロールバーなどを操作することにより、または、第2領域12のリンクボタンを操作することにより、情報処理装置10の制御部101は、第1領域11に、第1検査の測定試料を調製するための容器の区分ごとに第1検査結果を切り替えて表示させる。この構成によれば、区分ごとに第1検査結果がまとめて表示されるため、全ての抗体試薬の第1検査結果が一覧で表示される場合に比べて、オペレータは目的の第1検査結果を円滑に参照できる。
【0116】
図20のステップS18において、情報処理装置10の制御部101は、第1検査を識別する検査識別情報であるシングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDに関連付けて第1検査結果を取得する。この構成によれば、第1検査結果を、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルID(検査識別情報)ごとに容易に取得できる。これにより、図10に示したように、第1検査結果を、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDごとに円滑にデータベース102aに記憶できる。
【0117】
図11、12に示したように、検査識別情報であるシングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDは、第1検査に用いられる抗体試薬を示す情報である。図6に示した第1領域11内の「検査名」には、検査識別情報として、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDが表示される。図6に示したように、第1検査に用いられた抗体試薬を示す情報が第1検査結果とともに表示されると、オペレータは、第1検査で用いられた抗体試薬を円滑に把握できるため、第1検査結果および第2検査結果に基づく評価を円滑かつ適正に行うことができる。なお、第1領域11にパネルIDが表示される場合に、パネルIDによってグループ化されている複数の抗体試薬の情報が合わせて表示されてもよい。
【0118】
また、図16、17に示した検査オーダー登録画面240には、検査識別情報として、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDが表示される。これにより、オペレータは、第1検査で用いられる抗体試薬を円滑に把握できるため、検査オーダーを適正に登録することができる。
【0119】
図13に示したように、オペレータは、パネル編集画面210を介して、パネルID(検査識別情報)に対応付けられる複数の抗体試薬の種類を、任意に設定できる。この構成によれば、第1検査装置21を運用する施設等に応じて、必要な第1検査を自由に設定できる。また、図6~9に示したように、第2検査結果とともに、オペレータが設定したパネルに対応する第1検査結果が検査結果画面110に表示されるため、オペレータは、さらに詳細な分析を行うことができる。
【0120】
第1検査では、細胞表面および細胞内の少なくとも一方に存在する抗原に関する分析が行われる。他方、第2検査では、抗原とは異なる成分に関する分析が行われる。この構成によれば、オペレータは、第1検査では分析が困難な、抗原とは異なる成分に関する分析(例えば、細胞形態、細胞内顆粒、細胞内核酸等に関する分析)の結果を参照して第1検査結果を評価できる。例えば、第1検査結果が、第2検査結果と同じ方向性を示す結果であるか否かで、第1検査結果を評価できる。
【0121】
<実施形態2の変更例1>
実施形態2において、第1検査の検査オーダーの登録時に、第2検査結果が表示部103に表示されてもよい。
【0122】
図21は、本変更例に係る、情報処理装置10による処理を示すフローチャートである。図21の処理は、図20と比較して、ステップS14とステップS15の間に、ステップS31、S32が追加されている。以下、図20と異なる処理について説明する。
【0123】
ステップS31において、情報処理装置10の制御部101は、入力部104を介してオペレータから第2検査結果の表示要求を受け付けたか否かを判定する。オペレータは、例えば、図15において対象の第2検査の状態の項目の「検査済」の文字列を操作することにより、第2検査結果の表示要求を入力する。制御部101は、第2検査結果の表示要求を受け付けると、ステップS32において、ステップS12で受信した第2検査結果に基づいて、図22に示す第2検査結果の表示画面280を、表示部103に表示する。
【0124】
その後、オペレータから第1検査の検査オーダーの登録要求があると、制御部101は、ステップS32で表示した表示画面280の表示を維持したまま、ステップS16において、図16、17に示した第1検査の検査オーダー登録画面240を表示部103に表示する。
【0125】
図22は、情報処理装置10の表示部103に、第1検査の検査オーダー登録画面240とともに第2検査結果の表示画面280が表示された状態を模式的に示す図である。
【0126】
第2検査結果の表示画面280は、第2検査結果を表示する。図21のステップS32、S16が実行されると、図22に示すように、表示部103には2つの画面が並んで表示される。これにより、オペレータは、第2検査結果を見ながら、第1検査においてどのような検査が必要かを判断しつつ、第1検査の検査オーダー登録画面240を介して円滑に第1検査のオーダーを登録できる。
【0127】
なお、第1検査の検査オーダー登録画面240の表示の際に、第2検査結果の表示画面280が同時に表示されてなくてもよい。例えば、第2検査結果の表示画面280に、第1検査の検査オーダー登録画面240を表示させるためのボタンが設けられ、このボタンが操作されると、第2検査結果の表示画面280に代えて、第1検査の検査オーダー登録画面240が表示されてもよい。
【0128】
<実施形態2の変更例1による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図22に示したように、オペレータは、第2検査の結果に応じて抗体試薬を選択する。図21のステップS18において、情報処理装置10の制御部101は、第2検査結果に応じて選択された抗体試薬を用いた第1検査で得られた第1検査結果を取得する。この処理によれば、第2検査結果に応じた抗体試薬を用いて第1検査結果を取得することができ、疾患診断に活用できる確度の高い情報を得ることができる。
【0129】
図21のステップS31において、制御部101は、第1検査結果の取得前に第2検査結果を表示する。ステップS16において、制御部101は、第2検査結果の表示後に第1検査の検査オーダーを受け付ける。この処理によれば、第1検査の実施前に第2検査結果を表示し、第2検査結果を参照してから第1検査の検査オーダーを作成できる。
【0130】
図21のステップS32、S16により、第2検査結果の表示画面280と第1検査の検査オーダー登録画面240(第1検査の検査オーダーを受け付けるための受付画面)とが関連付けて表示される。具体的には、第2検査結果の表示画面280と第1検査の検査オーダー登録画面240とが同時に表示される他、第2検査結果の表示画面280の表示後に、第2検査結果の表示画面280に代えて第1検査の検査オーダー登録画面240が表示される。この処理によれば、オペレータは、第2検査結果を参照して、第2検査結果から想定され得る疾患の検査に適する種類の抗体試薬を含む第1検査の検査オーダーを容易に設定できる。
【0131】
<実施形態2の変更例2>
実施形態2では、第1検査の検査オーダーは、オペレータにより第1検査の検査オーダー登録画面240を介して設定されたが、コンピュータにより自動で設定されてもよい。
【0132】
図23は、本変更例に係る、情報処理装置10による処理を示すフローチャートである。図23の処理は、図20と比較して、ステップS13~S17に代えてステップS41~S44が追加されている。以下、図20と異なる処理について説明する。
【0133】
ステップS41において、情報処理装置10の制御部101は、ステップS12で受信した第2検査結果と、第1検査を設定するためのルールとを比較する。第1検査を設定するためのルールは、記憶部102にあらかじめ記憶されている。
【0134】
図24は、第1検査を設定するためのルールの例を示す表である。
【0135】
ルール1に示すように、第2検査結果に含まれるWBC(白血球数)が、所定の閾値T1より少ない場合、制御部101は、第1検査の検査オーダーとして、パネルID「TBNK1」、「TBNK2」を設定する。ルール2に示すように、第2検査結果に含まれるWBC(白血球数)が所定の閾値T2より多く、第2検査結果に含まれるPLT(血小板数)が所定の閾値T3より少なく、第2検査結果に「Blast?」(芽球あり?)のメッセージが含まれる場合、制御部101は、第1検査の検査オーダーとして、パネルID「TBNK1」、「CD34 HSC」を設定する。ルール3に示すように、第2検査結果に含まれるMyeloblast(骨髄芽球数)が所定の閾値T4より多い場合、制御部101は、第1検査の検査オーダーとして、パネル「CD34 HSC」を設定する。ルール4に示すように、第2検査結果に含まれるBCR-ABL陽性細胞数が所定の閾値T5より多い場合、制御部101は、第1検査の検査オーダーとして、パネルID「T Cell/B Cell」を設定する。
【0136】
図23に戻り、ステップS42において、制御部101は、ステップS41における比較結果に基づいて、ルールに示された第1検査の検査オーダーを設定する必要があるか否かを判定する。
【0137】
第1検査が必要でない場合、制御部101は、処理をステップS11に戻す。他方、第1検査が必要である場合、制御部101は、ステップS43において、図24に示したようなルールに基づいて第1検査の検査オーダーを生成する。なお、第2検査結果が複数のルールに該当した場合には、複数のルールに対応する第1検査の検査オーダーが生成される。ステップS44において、制御部101は、ステップS43で生成した第1検査の検査オーダーを第1検査装置21に送信する。
【0138】
<実施形態2の変更例2による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図23のステップS41~S43において、情報処理装置10の制御部101は、第2検査結果に基づいて、被検者に対する第1検査の検査オーダーを生成する。この処理によれば、自動的に第1検査の検査オーダーが生成されるため、オペレータが第2検査結果を参照して第1検査の検査オーダーを設定する手間を省略できる。
【0139】
<実施形態2の変更例3>
実施形態2では、情報処理装置10は、被検者IDに基づいて第2検査装置22に問い合わせを行い、第2検査装置22は、被検者IDに対応する最新の第2検体IDおよび第2検査結果を情報処理装置10に送信した。これに対し、本変更例では、情報処理装置10は、第2検査装置22から受信すべき第2検体IDを他のコンピュータから受信し、受信した第2検体IDに基づいて第2検査装置22から第2検査結果を受信する。
【0140】
図25は、本変更例に係る、検査システム1の構成を示すブロック図である。
【0141】
本変更例の検査システム1は、図2と比較して、ホストコンピュータ40をさらに備え、第2検査装置22は、血球計数装置31および解析装置32を備える。ホストコンピュータ40は、ネットワーク30を介して、情報処理装置10、第1検査装置21および第2検査装置22と通信可能に接続されている。また、本変更例の情報処理装置10は、検査室R1内に配置されている。
【0142】
ホストコンピュータ40は、あらかじめ被検者ID、第1検体IDおよび第2検体IDを関連付けて記憶部に記憶している。ホストコンピュータ40は、情報処理装置10から被検者IDおよび第1検体IDに基づく問い合わせを受信すると、対応する第2検体IDを情報処理装置10に送信する。血球計数装置31は、第2検体に基づいて測定試料を調製し、測定試料を測定することにより血球に関する測定データを取得する。解析装置32は、血球計数装置31に第2検査を行うよう指示を送信するとともに、血球計数装置31で得られた測定データに基づいて分析を行い、被検者IDおよび第2検体IDに対応して第2検査結果を生成する。
【0143】
図26は、本変更例に係る、情報処理装置10による処理を示すフローチャートである。図26の処理は、図20と比較して、ステップS12に代えてステップS51、S52が追加されている。以下、図20と異なる処理について説明する。
【0144】
ステップS51において、情報処理装置10の制御部101は、ステップS11で受け付けた被検者IDおよび第1検体IDに基づいてホストコンピュータ40に問い合わせを行い、ホストコンピュータ40から、被検者IDおよび第1検体IDに対応する第2検体IDを受信する。ステップS52において、制御部101は、被検者IDおよびステップS51で受信した第2検体IDに基づいて第2検査装置22の解析装置32に問い合わせを行い、解析装置32から、被検者IDおよび第2検体IDに対応する第2検査結果を受信する。
【0145】
制御部101は、ステップS11で受け付けた第1検体IDと、ステップS51で受信した第2検体IDと、ステップS52で受信した第2検査結果とを、ステップS11で受け付けた被検者IDに対応付けて、図10に示したデータベース102aに記憶する。
【0146】
なお、ホストコンピュータ40は、第2検査装置22で第2検査が行われると、解析装置32から第2検体IDおよび第2検査結果を受信し、受信した第2検査結果を第2検体IDに関連付けて記憶部に記憶してもよい。ホストコンピュータ40が第2検査結果を記憶する場合、図27に示すように、図26のステップS51、S52に代えてステップS53が追加される。ステップS53おいて、制御部101は、被検者IDおよび第1検体IDに基づいてホストコンピュータ40に問い合わせを行い、ホストコンピュータ40から、対応する第2検体IDおよび第2検査結果を受信する。
【0147】
また、ホストコンピュータ40が、上記の情報処理装置10が行う処理を行ってもよい。例えば、ホストコンピュータ40が、被検者ID、第1検体IDおよび第2検体IDに関連付けて第1検査結果および第2検査結果を記憶する場合、ホストコンピュータ40が、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けた画面データを生成してもよい。この場合、情報処理装置10の制御部101は、図27のステップS20において表示要求を受信すると、ホストコンピュータ40に画像データの要求指示を送信する。ホストコンピュータ40は、画像データの要求指示を受信すると、第1検査結果と第2検査結果とを関連付けた画像データを生成し、生成した画像データを情報処理装置10に送信する。図27のステップS21において、情報処理装置10の制御部101は、受信した画像データを表示部103に表示する。
【0148】
<実施形態2の変更例3による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
ホストコンピュータ40は、あらかじめ被検者ID、第1検体IDおよび第2検体IDを関連付けて記憶部に記憶しているため、情報処理装置10の制御部101は、被検者IDおよび第1検体IDに基づいてホストコンピュータ40に問い合わせを行うことにより、1対1に対応する第2検体IDを確実に取得できる。これにより、検査結果画面110に、第1検査結果とともに対比すべき第2検査結果を表示させることができる。
【0149】
また、図27を参照して説明したように、ホストコンピュータ40が第2検体IDに対応付けられた第2検査結果を集約して記憶する場合、第1検査装置21は、第2検査結果を取得するために第2検査装置22に問い合わせをする必要がない。この場合、第1検査装置21は、ホストコンピュータ40から効率的に第2検査結果を取得でき、第2検査装置22は、第1検査装置21からの問い合わせに応答する必要がなくなる。
【0150】
<実施形態3>
実施形態3では、第2検査装置22は血球計数装置である。また、実施形態3では、第1検査装置21および第2検査装置22の詳細な構成について説明する。なお、特に言及しない限り、実施形態3の構成および処理は、実施形態1と同様である。
【0151】
図28は、実施形態3に係る、第1検査装置21の構成を示すブロック図である。
【0152】
第1検査装置21は、制御部301と、記憶部302と、表示部303と、入力部304と、読取部305と、通信部306と、検出部310と、を備える。
【0153】
制御部301は、例えば、FPGAまたはCPUにより構成される。記憶部302は、例えば、ROM、RAM、SSD、HDDなどにより構成される。制御部301は、第1検査装置21の各部が出力する信号を受信し、第1検査装置21の各部を制御する。
【0154】
表示部303は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。入力部304は、例えば、キーボードおよびマウスにより構成される。読取部305は、例えば、バーコードリーダにより構成される。読取部305は、第1検体が収容された容器に付されたラベルからバーコードを読み取り、被検者IDおよび第1検体IDを取得する。通信部306は、例えば、イーサネット規格に基づく通信インターフェースである。制御部301は、通信部306を介して、情報処理装置10および第2検査装置22と通信を行う。
【0155】
図29は、検出部310の構成を模式的に示す図である。
【0156】
検出部310は、フローセル311と、3つの光源312a、312b、312cと、3つの光検出器313a、313b、313cと、を備える。
【0157】
フローセル311には、測定試料が流される。測定試料は、第1検査装置21に供給された第1検体から、第1検査の検査オーダーに応じて調製される。測定試料の調製は、例えば、用手法、第1検査装置21に設けられた試料調製部や検体前処理装置などにより行われる。測定試料の調製により、測定試料内のターゲットとなる細胞表面および細胞内の少なくとも一方に存在する抗原が、図11、12に示したような抗体試薬により蛍光標識される。
【0158】
3つの光源312a、312b、312cは、フローセル311を流れる測定試料内の細胞に、互いに異なる波長の光を照射する。3つの光源312a、312b、312cは、出射光が蛍光色素に対して蛍光を励起させるよう構成される。これにより、細胞を標識する蛍光色素から蛍光が生じる。3つの光検出器313a、313b、313cは、それぞれ、3つの光源312a、312b、312cからの光により生じた蛍光を受光し、受光強度に応じた検出信号を出力する。光源312a、312b、312cは、例えば、半導体レーザ光源により構成され、光検出器313a、313b、313cは、例えば、アバランシェフォトダイオードにより構成される。
【0159】
なお、図29では、光源および光検出器の組が3つ設けられたが、光源および光検出器の組は1つ、2つ、または4つ以上設けられてもよい。
【0160】
図28に戻り、制御部301は、記憶部302に記憶されたプログラムに基づいて、検出部310で取得された検出信号に基づいて第1検体の分析を行い、第1検査結果を生成する。制御部301は、生成した第1検査結果を記憶部302に記憶するとともに、被検者IDおよび第1検体IDに対応付けて第1検査結果を情報処理装置10に送信する。
【0161】
図30は、第2検査装置22の構成を示すブロック図である。
【0162】
本実施形態の第2検査装置22は、上述したように血球計数装置である。第2検査装置22は、制御部401と、記憶部402と、表示部403と、入力部404と、読取部405と、通信部406と、測定部410と、を備える。
【0163】
制御部401は、例えば、FPGAまたはCPUにより構成される。記憶部402は、例えば、ROM、RAM、SSD、HDDなどにより構成される。制御部401は、第2検査装置22の各部が出力する信号を受信し、第2検査装置22の各部を制御する。
【0164】
表示部403は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。入力部404は、例えば、キーボードおよびマウスにより構成される。読取部405は、例えば、バーコードリーダにより構成される。読取部405は、第2検体が収容された容器に付されたラベルからバーコードを読み取り、被検者IDおよび第2検体IDを取得する。通信部406は、例えば、イーサネット規格に基づく通信インターフェースである。制御部401は、通信部406を介して、情報処理装置10および第1検査装置21と通信を行う。
【0165】
測定部410は、試料調製部411および検出部412を備える。試料調製部411は、第2検査の検査オーダーに基づいて第2検体と試薬とを混合し、複数種類の測定試料を調製する。検出部412は、試料調製部411で調製された測定試料を測定し、検出信号を取得する。検出部412は、例えば、光学式検出部、電気抵抗式検出部、ヘモグロビン検出部などにより構成される。光学式検出部は、フローサイトメトリー法により血球の測定を行う。電気抵抗式検出部は、シースフローDC検出法により血球の測定を行う。ヘモグロビン検出部は、SLS-ヘモグロビン法によりヘモグロビンの測定を行う。
【0166】
図31は、光学式検出部420および電気抵抗式検出部430の構成を模式的に示す図である。
【0167】
図31の上段に示すように、光学式検出部420は、フローセル421と、光源422と、光検出器423a、423b、423cと、を備える。
【0168】
フローセル421には、試料調製部411で調製された測定試料が流される。光源422は、フローセル421を流れる測定試料内の血球に所定波長の光を照射する。これにより、粒子から、前方に前方散乱光が生じ、側方に側方散乱光および蛍光が生じる。3つの光検出器423a、423b、423cは、それぞれ、前方散乱光、側方散乱光および蛍光を受光し、受光強度に応じた検出信号を出力する。光源422は、例えば、半導体レーザ光源により構成され、光検出器423a、423b、423cは、例えば、アバランシェフォトダイオードにより構成される。
【0169】
図31の下段に示すように、電気抵抗式検出部430は、試料ノズル431と、チャンバ432と、アパーチャ433と、回収管434と、を備える。
【0170】
試料ノズル431は、シース液とともに、測定試料をアパーチャ433に向かう方向に送り出す。チャンバ432は、アパーチャ433に向かうに従って細くなるテーパ形状を有する。測定試料は、アパーチャ433を通って回収管434へと進む。測定試料に含まれる血球は、一列に整列した状態でアパーチャ433を通る。アパーチャ433の電極間に直流電流が供給され、測定試料がアパーチャ433を通過するときの直流抵抗の変化に応じた検出信号が出力される。測定試料中の血球がアパーチャ433を通過するときに直流抵抗が増大するため、検出信号は、アパーチャ433を通過する血球の情報を反映することになる。
【0171】
図32は、情報処理装置10の表示部103に表示される検査結果画面110の構成を模式的に示す図である。
【0172】
検査結果画面110は、図6~9に示した実施形態1と同様、第1検体に基づいて得られた複数の第1検査結果の各々を表示するための第1領域11と、第1検体に対応付けられた第2検体に基づいて得られた第2検査結果を表示するための第2領域12とを含んでいる。第1領域11の第1検査結果と第2領域12の第2検査結果とは、互いに対応している。第1検体および第2検体が互いに対応する場合(例えば、第1検体および第2検体が短い時間間隔で取得された場合)、当該第1検体から得られた第1検査結果と、当該第2検体から得られた第2検査結果も互いに対応する。すなわち、検査結果画面110には、互いに対応する第1検体および第2検体から得られた2つの検査結果が並んで表示されている。
【0173】
第1領域11は、複数のタブ501と、検査名表示領域502と、数値表示領域503と、グラフ表示領域504と、を含んでいる。
【0174】
タブ501は、シングル抗体、カクテル抗体およびパネルの区分に応じて設けられている。オペレータは、タブ501を操作することにより、複数の第1検査結果のうち所望の第1検査結果を、第1領域11に表示させることができる。検査名表示領域502は、操作されたタブ501に対応する検査名を表示する。検査名は、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDのいずれかである。なお、検査名は、各IDに対応する名称でもよい。
【0175】
数値表示領域503は、検査名表示領域502に対応する第1検査によって得られた第1検査結果を表示する。数値表示領域503は、グラフ表示領域504のスキャッタグラムにプロットされた血球を抗原の種類(例えば、CD3、CD4、CD7、CD8、CD16、CD19、CD20、CD34、CD45、CD56など)に対応する領域で分画することにより得られた、各抗原を発現した血球の数や比率を表示する。グラフ表示領域504は、検査名表示領域502に対応する第1検査によって得られたスキャッタグラムを表示する。
【0176】
第2領域12は、数値表示領域511と、メッセージ表示領域512と、グラフ表示領域513と、を含んでいる。第2領域12が示す第2検査結果は、第1領域11に表示された第1検査結果に対応する。
【0177】
数値表示領域511は、グラフ表示領域513のヒストグラムに基づいて得られた血球の状態を示す値(例えば、赤血球数、ヘマトクリット値、平均赤血球容積など)や、グラフ表示領域513のスキャッタグラムにプロットされた血球を種類(例えば、赤血球、白血球、血小板など)に対応する領域で分画することにより得られた、血球の種類ごとの数や比率などを表示する。メッセージ表示領域512は、第2検査に基づく分析の際に、第2検査装置22が生成したメッセージを表示する。メッセージ表示領域512には、例えば、異常値を示す第2検査結果の項目(例えば、血球の種類)が表示される。図32に例示するメッセージ表示領域512には、芽球や異常リンパ球が多く存在することを示唆するメッセージとして「Blasts/Abn Lympho?」が表示されている。グラフ表示領域513は、第2検査によって得られたヒストグラムおよびスキャッタグラムを表示する。
【0178】
<実施形態3による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図32に示した検査結果画面110によれば、第1検査装置21による表面抗原の分析結果を含む第1検査結果と、第2検査装置22による血球の分析結果を含む第2検査結果とを参照することにより、オペレータは、第1検査結果の妥当性および特定疾患の可能性を評価できる。これにより、第1検査装置21(フローサイトメーター)の検査を効率化できる。
【0179】
例えば、第2検査結果に基づく白血球数が少ない場合、被検者がHIVに罹患している可能性がある。この場合、例えば、CD4陽性Tリンパ球数を得るための第1検査の検査オーダーが作成され、第1検査が行われる。第1検査結果に基づくCD4陽性Tリンパ球数が、第2検査結果に基づく白血球数と同様に少ない場合、オペレータは、第1検査結果の妥当性が高いと判断でき、第1検査結果をバリデートできる。また、第2検査結果に基づく白血球数が少なく、且つ、第1検査結果に基づくCD4陽性Tリンパ球数が少ないことから、オペレータは、被検者がHIVに罹患している可能性が高いと判断できる。
【0180】
また、第2領域12において、数値表示領域511に白血球数が多いことが表示され、メッセージ表示領域512に芽球が多く存在することを示唆するメッセージが表示されている場合、オペレータは、被検者がAML(急性骨髄性白血病)に罹患している可能性を把握できる。オペレータは、対比して表示された第1領域11において、AMLの罹患を判断するために必要な第1検査結果が表示されていないと判断した場合、図16、17の検査オーダー登録画面240を介して、必要な抗体試薬を含む第1検査の検査オーダーを作成し、再度、第1検査装置21に第1検査を行わせることができる。オペレータは、対比して表示された第2検査結果および再度取得された第1検査結果を参照することにより、第2検査結果で得られたAMLの罹患の可能性の根拠として、第1検査結果が妥当か否か(例えば、AMLの罹患の可能性を補強するものか否か)を判断できる。
【0181】
このように、第2領域12に含まれる数値表示領域511やメッセージ表示領域512を参照することにより、オペレータは、所定の疾患の可能性を把握できる。また、オペレータは、このような第2領域12と、第1領域とを対比して参照することにより、上記のように追加の検査オーダーの観点において第1検査結果の妥当性を簡易かつ効率的に評価できる。
【0182】
<実施形態3の変更例1>
実施形態3では、第2検査装置22は血球計数装置であったが、これに限らず、第2検査装置22は、血球画像を撮像し、撮像した血球画像に基づいて血球の分析を行う血球像解析装置であってもよい。この場合の第2検査装置22も、第2検体に対して血液学的検査を行う装置である。
【0183】
図33は、本変更例に係る、第2検査装置22の構成を示すブロック図である。
【0184】
本変更例の第2検査装置22は、図30に示した実施形態3と比較して、測定部410に代えて、撮像部440を備える。撮像部440は、光源441と、保持部442と、スライド駆動部443と、対物レンズ444と、レンズ駆動部445と、カメラ446と、を備える。
【0185】
光源441は、所定波長の光を出射する。光源441から出射された光は、標本スライド447上に配置された測定試料に照射される。標本スライド447上に配置される測定試料は、被検者から採取された第2検体に基づいてあらかじめ調製されたものであり、血球を含んでいる。保持部442は、撮像対象となる細胞を含む測定試料が載せられた標本スライド447を保持する。スライド駆動部443は、保持部442を移動させて、標本スライド447を互いに直交する3軸の方向に移動させる。
【0186】
対物レンズ444は、測定試料中の血球を透過した光を集光する。レンズ駆動部445は、対物レンズ444を光軸方向に移動させる。カメラ446は、対物レンズ444によって集光された光を受光面にて受光し、受光面上の光の分布に応じた画像情報を出力する。カメラ446は、例えば、CCDイメージセンサである。制御部401は、カメラ446から出力された画像情報に基づいて血球画像を生成し、血球画像に基づいて細胞を分類する。
【0187】
図34は、本変更例に係る、情報処理装置10の表示部103に表示される検査結果画面110の構成を模式的に示す図である。
【0188】
本変更例の検査結果画面110は、図32に示した実施形態3と比較して、第2領域12内の表示が変更されている。本変更例の第2領域12は、数値表示領域521と、画像表示領域522と、を含んでいる。
【0189】
数値表示領域521は、画像表示領域522の血球画像の分析により得られた、血球の種類(例えば、赤血球、白血球、血小板など)ごとの比率を表示する。画像表示領域522は、第2検査によって撮像された血球画像を表示する。オペレータにより数値表示領域521の血球の種類を示す文字列が操作されると、操作された血球の種類に対応する血球画像が画像表示領域522に表示される。例えば、オペレータにより数値表示領域521の「Lymphocytes」が選択されると、リンパ球に対応する血球画像が画像表示領域522に表示される。
【0190】
<実施形態3の変更例1による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図34に示した検査結果画面110によれば、第1検査装置21による表面抗原の分析結果を含む第1検査結果と、第2検査装置22による血球画像の分析結果を含む第2検査結果とを参照することにより、オペレータは、第1検査結果の妥当性および特定疾患の可能性を評価できる。これにより、第1検査装置21(フローサイトメーター)の検査を効率化できる。
【0191】
例えば、第2検査結果に基づく骨髄芽球が多い場合、被検者が造血器腫瘍に罹患している可能性がある。この場合、例えば、CD34陽性細胞数を得るための第1検査の検査オーダーが作成され、第1検査が行われる。第1検査結果に基づくCD34陽性細胞数が、第2検査結果に基づく骨髄芽球数と同様に多い場合、オペレータは、第1検査結果の妥当性が高いと判断でき、第1検査結果をバリデートできる。また、第2検査結果に基づく骨髄芽球数が多く、且つ、第1検査結果に基づくCD34陽性細胞数が多いことから、オペレータは、被検者が造血器腫瘍に罹患している可能性が高いと判断できる。
【0192】
また、第2領域12において、数値表示領域521に白血球数および芽球が多いことが表示され、画像表示領域522にも芽球の画像が多い場合、実施形態3と同様、オペレータは、被検者がAML(急性骨髄性白血病)に罹患している可能性を把握できる。この場合も、オペレータは、対比して表示された第1領域11において、AMLの罹患を判断するために必要な第1検査結果が表示されていないと判断した場合、必要な抗体試薬を含む第1検査の検査オーダーを作成し、第1検査を行う。オペレータは、対比して表示された第2検査結果および再度取得された第1検査結果を参照することにより、第2検査結果で得られたAMLの罹患の可能性の根拠として、第1検査結果が妥当か否か(例えば、AMLの罹患の可能性を補強するものか否か)を判断できる。
【0193】
このように、第2領域12に含まれる数値表示領域521や画像表示領域522を参照することにより、オペレータは、所定の疾患の可能性を把握できる。また、オペレータは、このような第2領域12と、第1領域とを対比して参照することにより、上記のように追加の検査オーダーの観点において第1検査結果の妥当性を簡易かつ効率的に評価できる。
【0194】
オペレータにより数値表示領域521の血球の種類を示す文字列が操作されると、操作された血球の種類に対応する血球画像が画像表示領域522に表示される。これにより、オペレータは、数多くある血球画像から確認したい画像を効率的に画像表示領域522に表示させることができる。よって、第1検査結果の妥当性の評価を効率的に行うことができる。
【0195】
<実施形態3の変更例2>
第2検査装置22が、実施形態3の血球計数装置および実施形態3の変更例1の血球像解析装置の両方を含んでもよい。
【0196】
図35は、本変更例に係る、検査システム1の構成を示すブロック図である。
【0197】
第2検査装置22は、血球計数装置22aおよび血球像解析装置22bにより構成される。血球計数装置22aは、図30に示した実施形態3の第2検査装置22(血球計数装置)と同様である。血球像解析装置22bは、図33に示した第2検査装置22(血球像解析装置)と同様である。
【0198】
図36は、本変更例に係る、情報処理装置10の表示部103に表示される検査結果画面110の構成を模式的に示す図である。
【0199】
本変更例の検査結果画面110は、図32に示した実施形態3と比較して、第2領域12に2つの領域12a、12bが含まれている。領域12aは、図32に示した実施形態3の第2領域12と同様であり、領域12bは、図34に示した実施形態3の変更例1の第2領域12と同様である。なお、図36では、領域11が領域12aに隣接して配置されているが、領域12bに隣接して配置されてもよい。例えば、図36の状態から、領域12aと領域12bとが左右に入れ替わって配置されてもよい。
【0200】
また、図36においても、図34に示した実施形態3の変更例1と同様、オペレータにより数値表示領域521の血球の種類を示す文字列が操作されると、操作された血球の種類に対応する血球画像が画像表示領域522に表示される。この場合も、オペレータは、数多くある血球画像から確認したい画像を効率的に画像表示領域522に表示させることができる。よって、第1検査結果の妥当性の評価を効率的に行うことができる。
【0201】
なお、図36において、オペレータが入力部104を介して入力した指示に応じて、領域12a、12bのいずれか一方が表示されてもよい。すなわち、図36では、血球計数装置22aによる第2検査結果と、血液像解析装置22bによる第2検査結果の両方が表示されているが、ユーザによる切り替えの指示に応じて、いずれか一方の第2検査結果が表示されてもよい。
【0202】
<実施形態3の変更例2による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図36に示した検査結果画面110によれば、第1検査装置21による表面抗原の分析結果を含む第1検査結果と、血球計数装置22aによる血球の分析結果を含む第2検査結果と、血球像解析装置22bによる血球画像の分析結果を含む第2検査結果とを参照することにより、オペレータは、第1検査結果の妥当性および特定疾患の可能性を評価できる。これにより、実施形態3および実施形態3の変更例1と比較して、第1検査装置21(フローサイトメーター)の検査をさらに効率化できる。
【0203】
具体的には、オペレータは、第1検査結果に対応する第1領域11の数値表示領域503と第2検査結果に対応する第2領域12とを参照しながら、第1検査結果の妥当性を評価できる。例えば、メッセージ表示領域512に異常リンパ球が存在することを示唆するメッセージが表示されると共に、画像表示領域522にも異常リンパ球が存在する画像が表示されている場合、本来、第1検査結果に対応する数値表示領域503の「CD3」、「CD4」、「CD19」および「CD20」の値は、「0」以外の数値になる。このような背景から、数値表示領域503の「CD3」、「CD4」、「CD19」および「CD20」の値が「0」となっていた場合、オペレータは、第1検査結果として適切な検査結果が取得されておらず、第1領域11に表示される第1結果が、測定試料の調製の不具合や抗体試薬の劣化などに起因する検査結果であると判断できる。この場合、オペレータは、測定試料の再調製や抗体試薬の交換などを行った後に第1検査を再度行うことにより、適切な第1検査結果を取得できる。ここでは、「CD3」、「CD4」、「CD19」および「CD20」が複数の第1検査結果の各々に対応しており、オペレータが複数の第1検査結果の各々と第2検査結果とを対比することにより、再検査が必要であると判断できるため、第1検査結果の妥当性の評価を効率的に行うことができる。
【0204】
また、第2領域12において、数値表示領域511に白血球数が多いことが表示され、メッセージ表示領域512に芽球が多く存在することを示唆するメッセージが表示され、数値表示領域521に白血球数および芽球が多いことが表示され、画像表示領域522にも芽球の画像が多い場合、オペレータは、被検者がAML(急性骨髄性白血病)に罹患している可能性の高さを把握できる。この場合も、オペレータは、対比して表示された第1領域11において、AMLの罹患を判断するために必要な第1検査結果が表示されていないと判断した場合、必要な抗体試薬を含む第1検査の検査オーダーを作成し、第1検査を行う。オペレータは、対比して表示された第2検査結果および再度取得された第1検査結果を参照することにより、第2検査結果で得られたAMLの罹患の可能性の根拠として、第1検査結果が妥当か否か(例えば、AMLの罹患の可能性を補強するものか否か)を判断できる。
【0205】
<実施形態3の変更例3>
実施形態3では、第2検査装置22は血球計数装置であったが、遺伝子検査装置であってもよい。
【0206】
図37は、本変更例に係る、第2検査装置22の構成を示すブロック図である。
【0207】
本変更例の第2検査装置22は、FISH法に基づいて、細胞中の特定のDNA配列領域に異常が生じている細胞を異常細胞として検出する遺伝子検査装置である。DNA配列の異常とは、遺伝子増幅、欠失、逆位、転座などである。本変更例の第2検査装置22は、図33に示した実施形態3の変更例1と比較して、試料調製部451および塗抹部452を備える。
【0208】
図38は、第2検査装置22で行われる試料調製の手順を模式的に示す図である。
【0209】
本変更例において、第2検体は、血液検体や病変組織から採取された検体などであり、対象となる細胞は、例えば、白血球や上皮細胞などである。
【0210】
試料調製部451において、第2検体中の細胞の核に存在するDNAが取り出される。試料調製部451において、取り出されたDNAが熱変性され、DNAが一本鎖の状態とされる。塗抹部452によって、プローブDNAが混合される。プローブDNAは、蛍光物質を含み、検出対象のDNA配列領域に結合する。プローブDNAに含まれる蛍光物質は、撮像部440の光源441(図33参照)からの光によって蛍光が励起するように構成されている。試料調製部451において、プローブDNAのハイブリダイゼーションが行われる。こうして、検出対象のDNA配列領域が蛍光物質で標識されることにより、測定試料が調製される。
【0211】
図37に戻り、測定試料は、撮像部440によって撮像される。図33を参照して、標本スライド447上に配置された測定試料に、光源441からの光が照射される。光源441からの光により、測定試料中の蛍光物質から生じた蛍光は、カメラ446により撮像される。第2検査装置22の制御部401は、カメラ446から出力された画像情報に基づいて遺伝子画像を生成し、生成した遺伝子画像に基づいて、所定の遺伝子の状態を検出し第2検査結果を生成する。
【0212】
例えば、BCR-ABL融合遺伝子が検出対象である場合、BCR遺伝子とABL遺伝子にそれぞれ結合するプローブDNAが用いられる。これら2つのプローブDNAは、互いに異なる波長の光に応じて蛍光を発する蛍光物質を含む。光源441は、互いに異なる波長の2つの光を出射し、カメラ446は、各光により励起された2つの蛍光を受光して画像情報を出力する。制御部401は、2つの蛍光の画像情報に基づいて、2つの蛍光の位置が重なっている場合に、BCR-ABL融合遺伝子が存在すると判定する。制御部401は、BCR-ABL融合遺伝子を含む細胞を陽性細胞とし、陽性細胞の数および比率と、陰性細胞の数および比率とを含む第2検査結果を生成する。
【0213】
図39は、本変更例に係る、情報処理装置10の表示部103に表示される検査結果画面110の構成を模式的に示す図である。
【0214】
本変更例の検査結果画面110は、図34に示した実施形態3の変更例1と比較して、第2領域12内の表示が変更されている。本変更例の第2領域12は、数値表示領域531と、画像表示領域532と、を含んでいる。
【0215】
数値表示領域531は、撮像した血球画像に基づく陽性細胞数、陽性細胞率、陰性細胞数、陰性細胞率、判定不可細胞数および判定不可細胞率を表示する。画像表示領域532は、第2検査によって撮像された血球画像、すなわちFISH染色後の細胞画像を表示する。
【0216】
<実施形態3の変更例3による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図39に示した検査結果画面110によれば、第1検査装置21による表面抗原の分析結果を含む第1検査結果と、第2検査装置22による遺伝子の分析結果を含む第2検査結果とを参照することにより、オペレータは、第1検査結果の妥当性および特定疾患の可能性を評価できる。これにより、第1検査装置21(フローサイトメーター)の検査を効率化できる。
【0217】
例えば、第2検査においてBCR-ABL融合遺伝子が検出対象である場合、慢性骨髄性白血病(CML)の可能性を判断できる。具体的には、第1領域11の第1検査結果に基づいて白血球が増えており、第2領域12の第2検査結果に基づいて陽性細胞が所定値以上である場合、オペレータは、第1検査結果の妥当性が高いと判断でき、第1検査結果をバリデートできる。また、オペレータは、被検者が慢性骨髄性白血病(CML)に罹患していると判断できる。この場合、医師は、BCR-ABL融合遺伝子を標的とした分子標的薬を用いた治療を開始できる。
【0218】
なお、第2検査装置22は、血液凝固検査装置であってもよい。この場合も、第1検査結果および第2検査結果を参照することにより、オペレータは、第1検査結果の妥当性および特定疾患の可能性(例えば、白血病の型)を評価できる。例えば、第1検査結果に基づいて白血球が増加し赤血球および血小板が減少しており、第2検査結果に基づいて、Dダイマーが高値であり、且つ、FDP>Dダイマーである場合、オペレータは、第1検査結果の妥当性が高いと判断でき、被検者がAML-M3(急性骨髄性白血病)に罹患していると判断できる。
【0219】
<実施形態4>
実施形態4では、第1検査装置21において測定される測定試料が、検体前処理装置において調製される例を説明する。なお、特に言及しない限り、実施形態4の構成および処理は、実施形態2と同様である。
【0220】
図40は、実施形態4に係る、検査システム1の構成を示すブロック図である。
【0221】
実施形態4の第1検査装置21は、図2の実施形態1と比較して、検体前処理装置21aおよびフローサイトメーター21bにより構成される。検体前処理装置21aは、第1検体から第1検査用の測定試料を調製する。フローサイトメーター21bは、図28に示した実施形態3の第1検査装置21と同様である。情報処理装置10は、検体前処理装置21aおよびフローサイトメーター21bと通信可能に接続されている。
【0222】
情報処理装置10は、第1検査の検査オーダーに基づいて、第1検体から測定試料を調製するように検体前処理装置21aに指示を送信する。検体前処理装置21aは、第1検査の検査オーダーに基づいて、第1検体から測定試料を調製する。フローサイトメーター21bは、検体前処理装置21aにより調製された測定試料に対して第1検査を行って第1検査結果を生成し、生成した第1検査結果を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、図6~9に示したように、検査結果画面110において、第1検査結果および第2検査結果を並列して表示する。
【0223】
図41は、検体前処理装置21aの構成を示すブロック図である。
【0224】
検体前処理装置21aは、制御部601と、記憶部602と、表示部603と、入力部604と、読取部605と、通信部606と、試料調製部610と、を備える。制御部601、記憶部602、表示部603、入力部604、読取部605および通信部606は、それぞれ、図28に示した第1検査装置21の制御部301、記憶部302、表示部303、入力部304、読取部305および通信部306と同様である。
【0225】
試料調製部610は、検体設置部611と、試薬設置部612と、ローター設置部613と、IDリーダー614と、XYZ機構部615と、を備える。試料調製部610の各部については、図42を参照して説明する。
【0226】
図42は、検体前処理装置21aの構成を模式的に示す平面図である。図42には、便宜上、互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。Z軸正方向は、検体前処理装置21aの高さ方向である。
【0227】
検体設置部611には、第1検体を収容した容器が設置される。この容器には第1検体IDに対応するバーコードが印刷されたラベルが貼られている。オペレータは、この容器のバーコードを、あらかじめ読取部605により読み取り、検体設置部611のどの位置に容器を設置するかを、入力部604を介して入力した上で、容器を検体設置部611に設置する。試薬設置部612には、図11、12を参照して説明した抗体試薬を収容した容器が設置される。試薬設置部612のどの位置にどのような抗体試薬の容器が設置されているかを示す情報は、あらかじめ記憶部602に記憶されている。
【0228】
ローター設置部613には、ローター616が設置される。ローター616は平面視において円形状を有しており、ローター616には、周方向にチューブ617を保持するための複数の保持部616aが形成されている。本実施形態のローター616は8個の保持部616aを備えており、8個の保持部616aには、時計回りにP1~P8までのチューブ位置が付されている。オペレータは、空のチューブ617を、あらかじめ保持部616aに設置し、ローター616をローター設置部613に設置する。ローター616の上面には、ローター616を識別するためのローターIDに対応するバーコードが印刷されたラベル616bが貼られている。IDリーダー614は、ローター設置部613に設置されたローター616のラベル616bからローターIDを読み取る。
【0229】
XYZ機構部615は、第1検体を吸引および吐出するための検体ピペット615aと、抗体試薬を吸引および吐出するための試薬ピペット615bと、検体ピペット615aおよび試薬ピペット615bをX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動させるための機構と、を備える。
【0230】
第1検体に対する前処理が開始されると、制御部601は、後述する第1検査のオーダーに基づいて、検体設置部611の容器から第1検体を吸引し、ローター616に保持されたチューブ617に分注するようXYZ機構部615を駆動する。チューブ617は、子検体容器であり、チューブ617に分注された第1検体は子検体である。また、制御部601は、後述する第1検査のオーダーに基づいて、試薬設置部612の容器から抗体試薬を吸引し、ローター616に保持されたチューブ617に吐出するようXYZ機構部615を駆動する。こうして、チューブ617において測定試料が調製される。
【0231】
図43は、実施形態4に係る、情報処理装置10の表示部103に表示される第1検査の検査オーダー登録画面240の構成を模式的に示す図である。
【0232】
実施形態4の検査オーダー登録画面240は、図16に示した実施形態2と比較して、テキストボックス254、255と、チューブ位置表示領域256と、を備える。
【0233】
オペレータは、テキストボックス241、242に入力した被検者IDおよび第1検体IDに対応する第1検体を分注するためのチューブ617を、どのローター616に設置したかをテキストボックス254、255に入力する。テキストボックス254には、ローター616を識別するためのローターIDが入力され、テキストボックス255には、ローター616の種別を識別するためのロータータイプが入力される。
【0234】
チューブ位置表示領域256は、ローター616に対応する模式画像内に、保持部616aに対応する保持部画像256aを含んでいる。オペレータは、被検者IDおよび第1検体IDに対応する第1検体について、検査ごとにどのチューブ位置で測定試料を調製するかを、保持部画像256aを操作して選択する。オペレータは、保持部画像256aを操作することにより、チューブ位置の選択状態を選択(色あり)および非選択(色なし)の間で切り替えることができる。
【0235】
図43に示す例では、被検者IDおよび第1検体に対応する第1検体に対して、パネルIDとして「TBNK1」が指定され、測定試料が調製されるチューブ位置としてP1が選択されている。この場合の検査オーダーによれば、チューブ位置P1の1つのチューブ617に、第1検体とTBNK1に対応する4つの抗体試薬(図12参照)とが吐出され、測定試料が調製される。
【0236】
また、オペレータは、複数のシングル抗体ID、複数のカクテル抗体IDおよび複数のパネルIDを入力する場合には、追加ボタン251a、252a、253aを操作して、それぞれテキストボックス251、252、253を追加表示させる。
【0237】
図44は、図43の第1検査の検査オーダー登録画面240において、追加ボタン253aによりテキストボックス253が追加され、2つのテキストボックス253に、パネルID「TBNK1」および「TBNK2」が入力された状態を示している。
【0238】
この場合、2つのパネルに対応して2つの測定試料が調製されるため、オペレータは、8つの保持部画像256aのうち、2つの保持部画像256aを選択できる。オペレータは、保持部画像256aを操作して2箇所のチューブ位置を指定する。この場合の検査オーダーによれば、1つの第1検体が、チューブ位置P1、P2の2つのチューブ617に分注され、チューブ位置P1のチューブ617に、TBNK1に対応する4つの抗体試薬(図12参照)が吐出され、チューブ位置P2のチューブ617に、TBNK2に対応する6つの抗体試薬(図12参照)が吐出される。そして、各チューブ617において、第1検体と抗体試薬との混合およびインキュベーションが行われ、測定試料が調製される。
【0239】
なお、追加ボタン251a、252a、253aの操作によりテキストボックスが追加されることに代えて、図45に示すように、保持部画像256aの操作により必要なチューブ617の数が変更されることに応じて、必要なテキストボックスが自動で追加されてもよい。
【0240】
図45に示す例では、オペレータは、まず保持部画像256aを操作して、必要なチューブ617の数および測定試料が調製されるチューブ位置を指定する。図45に示すように、2つの保持部画像256aが選択状態になると、テキストボックス251、252、253がそれぞれ2つ表示される。そして、オペレータは、2つのチューブ617において測定試料が作られるように、テキストボックス251、252、253において、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDを入力する。
【0241】
図43~45に示すように第1検査の検査オーダーが指定された後、オペレータにより登録ボタン243が操作されると、情報処理装置10の制御部101は、第1検査の検査オーダー登録画面240において指定された第1検査の検査オーダーを記憶部102に記憶する。
【0242】
図46は、実施形態4に係る、情報処理装置10の表示部103に表示される第1検査の検査オーダー表示画面270の構成を模式的に示す図である。
【0243】
実施形態4のリスト表示領域271には、図18に示した実施形態2と比較して、ローターID、ロータータイプおよびチューブ位置の項目が追加されている。
【0244】
リスト表示領域271の1、2行目には、図44、45に示す状態で登録ボタン243が操作されたことにより登録された第1検査の検査オーダーが例示されている。この場合、1、2行目に示す同一の第1検体から、TBNK1に対応する測定試料がチューブ位置P1で調製され、TBNK2に対応する測定試料がチューブ位置P2で調製されることが分かる。
【0245】
図47は、実施形態4に係る、情報処理装置10による処理を示すフローチャートである。図47の処理は、図20と比較して、ステップS17に代えてステップS61~S63が追加されている。以下、図20と異なる処理について説明する。
【0246】
ステップS16において、情報処理装置10の制御部101は、図43~45に示した第1検査の検査オーダー登録画面240を表示する。検査オーダー登録画面240の登録ボタン243が操作されると、ステップS61において、制御部101は、検査オーダー登録画面240で指定された第1検査の検査オーダーを検体前処理装置21aに送信する。
【0247】
オペレータは、対象となる第1検体を収容した容器を検体設置部611に設置し、指定したチューブ位置に空のチューブ617を設置したローター616を、ローター設置部613に設置する。検体前処理装置21aの制御部601は、ステップS61で受信した第1検査の検査オーダーに基づいて、測定試料が調製されるよう検体前処理装置21aの各部を制御する。
【0248】
全てのチューブ位置において測定試料の調製(前処理)が完了すると、ステップS62において、情報処理装置10の制御部101は、検体前処理装置21aから前処理の完了通知を受信する。ステップS63において、制御部101は、第1検査の検査オーダーをフローサイトメーター21bに送信する。オペレータは、前処理が終了したローター616を検体前処理装置21aから取り出し、フローサイトメーター21bに設置する。この場合のフローサイトメーター21bは、ローター設置部613と同様の設置部を備えており、第1検査の検査オーダーに基づいて、チューブ位置ごとにチューブ617内の測定試料に対して第1検査を行う。第1検査により得られる複数の第1検査結果は、互いに異なるチューブ617で調製された複数の測定試料から第1検査によりそれぞれ得られた検査結果である。
【0249】
制御部101は、ステップS18において、フローサイトメーター21bから第1検査結果を受信し、ステップS19において、受信した第1検査結果に基づいて、図10に示したデータベース102aを更新する。
【0250】
<実施形態4による情報処理方法、情報処理装置、および検査システムの効果>
図47のステップS61において、情報処理装置10の制御部101は、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDなどを含む検査識別情報を検体前処理装置21aに送信する。このように、検体前処理装置21aおよび情報処理装置10を連携させることで、検体前処理装置21aにおいて検査内容に応じた測定試料の調製を自動的に行い、検体前処理装置21aで自動的に調製された測定試料を用いてフローサイトメーター21bにおいて円滑に第1検査を行うことができる。
【0251】
図42に示したように、検体前処理装置21aは、測定試料を調製するための複数のチューブ617(容器)をそれぞれ異なるチューブ位置P1~P8(設置位置)で設置可能なローター設置部613(設置部)を用いて、チューブ617(容器)で測定試料を調製するように構成されている。図46に示したように、情報処理装置10は、シングル抗体ID、カクテル抗体IDおよびパネルIDなどを含む検査識別情報と、チューブ617(容器)のチューブ位置(設置位置)と、を対応付けた第1検査の検査オーダーを記憶する。この構成によれば、複数のチューブ617を設置可能なローター設置部613を用いて測定試料の調製を行う検体前処理装置21aを利用する検査施設においても、検査識別情報とチューブ位置とを対応付けた第1検査の検査オーダーをフローサイトメーター21bに提供することにより、フローサイトメーター21bによる第1検査を適切に実施することができる。
【0252】
<実施形態4の変更例>
実施形態4では、第1検査装置21が、第1検体の前処理(測定試料の調製)を行う検体前処理装置21aと、図28に示した実施形態3の第1検査装置21と同様のフローサイトメーター21bとにより構成された。しかしながら、これに限らず、第1検査装置21は、検体前処理装置21aとフローサイトメーター21bとが一体化された装置であってもよい。
【0253】
図48は、本変更例に係る、第1検査装置21の構成を示すブロック図である。
【0254】
本変更例の第1検査装置21は、図28に示した第1検査装置21と比較して、試料調製部610が追加されている。本変更例の試料調製部610は、図41に示した実施形態4の試料調製部610と比較して、チューブ移送部618が追加されている。
【0255】
図49は、本変更例に係る、第1検査装置21の構成を模式的に示す平面図である。
【0256】
本変更例の第1検査装置21では、図42に示した実施形態4の検体前処理装置21aと同様の検体設置部611、試薬設置部612、ローター設置部613、IDリーダー614およびXYZ機構部615のX軸負側に、チューブ移送部618および検出部310が配置されている。
【0257】
チューブ移送部618は、ローター616の保持部616aに保持され測定試料を収容したチューブ617を、検出部310の保持部310aに移送する。検出部310は、保持部310aに移送されたチューブ617内の測定試料を吸引して、図29に示したように、フローセル311に流す。検出部310は、光源312a、312b、312cからフローセル311内の細胞に光を照射し、細胞を通過した光を光検出器313a、313b、313cにより検出する。
【0258】
本変更例では、情報処理装置10の制御部101は、図20に示した実施形態2と同様の処理を行う。図20を参照して、ステップS17において、制御部101が第1検査の検査オーダーを第1検査装置21に送信すると、第1検査装置21は、受信した検査オーダーに基づいて、第1検体から測定試料を調製する前処理を行い、調製された測定試料について第1検査を行う。情報処理装置10の制御部101は、ステップS18において、第1検査装置21から第1検査結果を受信し、ステップS19において、受信した第1検査結果に基づいて、図10に示したデータベース102aを更新する。
【0259】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0260】
1 検査システム
10 情報処理装置(コンピュータ)
11 第1領域
12 第2領域
21 第1検査装置(フローサイトメーター)
21a 検体前処理装置
21b フローサイトメーター
22 第2検査装置(血球計数装置、血球像解析装置、検査装置)
22a 血球計数装置(第2検査装置、検査装置)
22b 血球像解析装置(第2検査装置、検査装置)
30 ネットワーク
40 ホストコンピュータ(他のコンピュータ)
101 制御部
103 表示部
110 検査結果画面
231 リスト表示領域(リスト)
240 検査オーダー登録画面(受付画面)
280 表示画面
613 ローター設置部(設置部)
617 チューブ(容器)
P1~P8 チューブ位置(設置位置)
R1、R2 検査室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
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