(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027748
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/50 20230101AFI20240222BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240222BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01L27/11575
H01L27/11582
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130819
(22)【出願日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 拓也
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP72
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA10
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR29
5F083PR40
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】好適に製造可能な半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、積層方向(Z)に積層された複数の導電層(110)と、複数の導電層に対して積層方向の一方側に設けられた第1絶縁層(103)と、第1絶縁層に対して積層方向の複数の導電層と反対側に設けられた第2絶縁層(104)と、積層方向に延伸し複数の導電層及び第1絶縁層と対向する第1半導体柱(120)と、複数の導電層と第1半導体柱との間に設けられた第1電荷蓄積膜と、第1絶縁層に対して積層方向の複数の導電層と反対側に設けられ積層方向に延伸し第2絶縁層に囲まれた外周面を備え第1半導体柱の第1端部に接続されたビアコンタクト電極(Ch)と、を備える。第1絶縁層は、第2絶縁層と異なる材料を含む。第1絶縁層の積層方向の第2絶縁層側の面は、第1半導体柱の第1端部に対して、複数の導電層側に設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層方向に積層された複数の導電層と、
前記複数の導電層に対して前記積層方向の一方側に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に対して前記積層方向の前記複数の導電層と反対側に設けられた第2絶縁層と、
前記積層方向に延伸し、前記複数の導電層及び前記第1絶縁層と対向する第1半導体柱と、
前記複数の導電層と、前記第1半導体柱と、の間に設けられた第1電荷蓄積膜と、
前記第1絶縁層に対して前記積層方向の前記複数の導電層と反対側に設けられ、前記積層方向に延伸し、前記第2絶縁層に囲まれた外周面を備え、前記第1半導体柱の第1端部に接続されたビアコンタクト電極と
を備え、
前記第1絶縁層は、前記第2絶縁層と異なる材料を含み、
前記第1絶縁層の前記積層方向の前記第2絶縁層側の面は、前記第1半導体柱の前記第1端部に対して、前記複数の導電層側に設けられている
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1絶縁層の前記積層方向の前記複数の導電層側の面の、前記積層方向における位置を第1位置とし、
前記第1絶縁層の前記積層方向の前記第2絶縁層側の面の、前記積層方向における位置を第2位置とすると、
前記第1半導体柱の前記第2位置の、前記積層方向と交差する第1方向の長さは、前記第1半導体柱の前記第1位置の前記第1方向の長さよりも小さい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記複数の導電層は、前記積層方向から見て、前記第1絶縁層と重ならない領域を備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記積層方向に延伸し、前記複数の導電層及び前記第1絶縁層と対向し、前記積層方向と交差する第1方向に前記第1半導体柱と隣り合う第2半導体柱と、
前記複数の導電層と、前記第2半導体柱と、の間に設けられた第2電荷蓄積膜と
を更に備え、
前記第1絶縁層は、
前記第1方向において前記第1半導体柱から第1距離の範囲内に設けられた第1領域と、
前記第1方向において前記第2半導体柱から前記第1距離の範囲内に設けられた第2領域と、
前記第1領域及び前記第2領域の間に設けられた第3領域と
を備え、
前記第3領域の前記積層方向の長さは、前記第1領域の前記積層方向の長さ、及び、前記第2領域の前記積層方向の長さよりも小さい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
第1方向に並ぶ第1フィンガー構造及び第2フィンガー構造を備え、
前記第1フィンガー構造及び前記第2フィンガー構造は、それぞれ、
前記第1方向と交差する積層方向に積層された複数の第1導電層と、
前記複数の第1導電層に対して前記積層方向の一方側に設けられた第1絶縁層と、
前記第1方向に並ぶ複数の半導体柱列を成し、前記複数の半導体柱列が、それぞれ、前記第1方向及び前記積層方向と交差する第2方向に並ぶ複数の半導体柱を含み、前記複数の半導体柱が、それぞれ、前記積層方向に延伸し、前記複数の第1導電層及び前記第1絶縁層と対向する、前記複数の半導体柱と
を備え、
前記第1フィンガー構造に含まれる前記複数の半導体柱列のうち、前記第2フィンガー構造に最も近いものを第1半導体柱列とすると、
前記第1フィンガー構造に含まれる前記第1絶縁層の前記第2フィンガー構造側の側面は、前記第1半導体柱列に含まれる前記複数の半導体柱の前記第2方向における複数の中心位置に対応する複数の位置に設けられた複数の第1部分と、これら複数の第1部分と交互に前記第2方向に並ぶ複数の第2部分と、を備え、
前記複数の第1部分の前記第1方向の位置は、前記複数の第2部分の前記第1方向の位置よりも、前記第2フィンガー構造に近い
半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積層方向に積層された複数の導電層と、これら複数の導電層に対向する半導体柱と、導電層及び半導体柱の間に設けられた電荷蓄積膜と、を備える半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-150218号公報
【特許文献2】米国特許第9646975号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に製造可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、積層方向に積層された複数の導電層と、複数の導電層に対して積層方向の一方側に設けられた第1絶縁層と、第1絶縁層に対して積層方向の複数の導電層と反対側に設けられた第2絶縁層と、積層方向に延伸し複数の導電層及び第1絶縁層と対向する第1半導体柱と、複数の導電層と第1半導体柱との間に設けられた第1電荷蓄積膜と、第1絶縁層に対して積層方向の複数の導電層と反対側に設けられ積層方向に延伸し第2絶縁層に囲まれた外周面を備え第1半導体柱の第1端部に接続されたビアコンタクト電極と、を備える。第1絶縁層は、第2絶縁層と異なる材料を含む。第1絶縁層の積層方向の第2絶縁層側の面は、第1半導体柱の第1端部に対して、複数の導電層側に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図2】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図3】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図4】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図5】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図6】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図7】同半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図8】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図9】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図10】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図11】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図12】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図15】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図16】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図17】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図18】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図19】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図20】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図21】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図22】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図23】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図24】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図25】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図26】比較例に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
【
図27】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図28】第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図29】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図30】第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図31】第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図32】第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
【
図33】第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書においては、基板の表面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の表面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の表面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0011】
また、本明細書においては、基板の表面と交差する方向を積層方向と呼ぶ場合がある。また、積層方向と交差する所定の面に沿った方向を第1方向、この面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向と呼ぶことがある。積層方向は、Z方向と一致していても良いし、一致していなくても良い。また、第1方向及び第2方向は、X方向及びY方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0012】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0013】
[第1実施形態]
[構成]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な平面図である。
図2は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図3は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図であり、
図1のAで示す部分を拡大して示している。
図4は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図であり、
図1のBで示す部分を拡大して示している。
図5は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図4に示す構造をC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た断面を示している。
図6は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図5のDで示す部分を拡大して示している。尚、
図6は、YZ断面を示しているが、半導体柱120の中心軸に沿ったYZ断面以外の断面(例えば、XZ断面)を観察した場合にも、
図6と同様の構造が観察される。
【0014】
図1に示す様に、本実施形態に係る半導体記憶装置は、半導体基板100を備える。図示の例において、半導体基板100にはX方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域R
MCAが設けられる。
【0015】
メモリセルアレイ領域R
MCAは、Y方向に並ぶ複数のフィンガー構造FSを備える。フィンガー構造FSは、例えば
図2に示す様に、Y方向に並ぶ5個のストリングユニットSUを備える。Y方向において隣り合う2つのフィンガー構造FSの間には、フィンガー間構造STが設けられる。また、Y方向において隣り合う2つのストリングユニットSUの間には、酸化シリコン(SiO
2)等のストリングユニット間絶縁部材SHEが設けられる。
【0016】
本実施形態では、1つのフィンガー構造FSが、NANDフラッシュメモリのブロック1つとして機能する。ただし、複数のフィンガー構造FSが、ブロック1つとして機能しても良い。また、フィンガー構造FSは、ストリングユニットSUを、1つ~4つ備えていても良いし、6つ以上備えていても良い。
【0017】
フィンガー構造FSは、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、これら複数の導電層110の下方に設けられた配線層112と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、を備える。また、
図5に示す様に、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間には、それぞれ、ゲート絶縁膜130が設けられている。
【0018】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の形状を備える。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層101が設けられている。また、最上層の導電層110の上面には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層102が設けられている。
【0019】
複数の導電層110は、NANDフラッシュメモリのワード線WL及びこれに接続された複数のメモリセル(メモリトランジスタ)のゲート電極として機能する。以下の説明では、この様な導電層110を、導電層110(WL)と呼ぶ場合がある。これら複数の導電層110(WL)は、それぞれ、フィンガー構造FS毎に電気的に独立している。Y方向に隣り合う2つのフィンガー構造FSに着目した場合、これら2つのフィンガー構造FS中の、Z方向に並ぶ複数の導電層110(WL)及びこれらの上下面に設けられた複数の絶縁層101は、フィンガー間構造STを介してY方向に分断されている。
【0020】
複数の導電層110(WL)よりも下方に位置する一又は複数の導電層110(
図2)は、NANDフラッシュメモリのソース側の選択ゲート線SGS及びこれに接続された複数の選択トランジスタのゲート電極として機能する。以下の説明では、この様な導電層110を、導電層110(SGS)と呼ぶ場合がある。Y方向に隣り合う2つのフィンガー構造FSに着目した場合、これら2つのフィンガー構造FS中の、一又は複数の導電層110(SGS)及びこれらの上下面に設けられた複数の絶縁層101は、フィンガー間構造STを介してY方向に分断されている。
【0021】
複数の導電層110(WL)よりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、それぞれ、NANDフラッシュメモリのドレイン側の選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数の選択トランジスタのゲート電極として機能する。以下の説明では、この様な導電層110を、導電層110(SGD)と呼ぶ場合がある。
【0022】
図3に示す様に、これら複数の導電層110(SGD)のY方向の幅Y
SGDは、導電層110(WL)のY方向の幅Y
WLよりも小さい。
【0023】
複数の導電層110(SGD)は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。各フィンガー構造FS中において、Y方向に隣り合う2つのストリングユニットSUに着目した場合、これら2つのストリングユニットSU中の、一又は複数の導電層110(SGD)は、ストリングユニット間絶縁部材SHEを介してY方向に分断されている。Y方向に隣り合う2つのフィンガー構造FSの、一方に含まれる複数のストリングユニットSUのうち他方に最も近いもの、及び、他方に含まれる複数のストリングユニットSUのうち一方に最も近いものに着目した場合、これら2つのストリングユニットSU中の、一又は複数の導電層110(SGD)は、フィンガー間構造STを介してY方向に分断されている。
【0024】
配線層112(
図2)は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、配線層112の下面には、タングステン(W)等の金属、タングステンシリサイド等の導電部材又はその他の導電部材が設けられていても良い。配線層112は、NANDフラッシュメモリのソース線SLの一部として機能する。
【0025】
半導体柱120は、例えば
図3に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。例えば、フィンガー構造FSは、Y方向の一方側からY方向の他方側にかけて設けられた24個の半導体柱列SCを備える。これら24個の半導体柱列SCは、それぞれ、X方向に並ぶ複数の半導体柱120を備える。これら24個の半導体柱列SCは、ピッチP
SCでY方向に並ぶ。即ち、Y方向に隣り合う2つの半導体柱列SCに着目した場合、一方の半導体柱列SCのY方向における中央位置Y
SCと、他方の半導体柱列SCのY方向における中央位置Y
SCとは、Y方向においてピッチP
SCと等しい距離だけ離れている。ただし、半導体柱列SCのY方向におけるピッチP
SCは、均一でなくても良い。
【0026】
尚、ピッチPSCは、種々の方法によって規定することが可能である。
【0027】
例えば、SEM、TEM等の手段によって
図3に例示する様な導電層110(WL)に対応するXY断面を観察し、このXY断面において、着目するフィンガー構造FSに対応する複数の半導体柱列SCのY方向における中央位置Y
SCを測定し、これら複数の中央位置Y
SCの間の複数の距離を測定し、これら複数の距離の平均値又は中間値をピッチP
SCとしても良い。また、例えば、このXY断面において、着目するストリングユニットSUに対応する4個の半導体柱列SCのY方向における中央位置Y
SCを測定し、これら4個の中央位置Y
SCに対応する3個の距離を測定し、これら3個の距離の平均値又は中間値をピッチP
SCとしても良い。
【0028】
また、半導体柱列SCのY方向における中央位置Y
SCは、種々の方法によって規定することが可能である。例えば、SEM、TEM等の手段によって
図3に例示する様なXY断面を観察し、このXY断面において、着目する半導体柱列SCに含まれる少なくとも一つの半導体柱120のY方向における中心位置を測定し、いずれかの中心位置、複数の中心位置の平均値、又は、複数の中心位置の中間値を、半導体柱列SCのY方向における中央位置Y
SCとしても良い。また、半導体柱120のY方向における中心位置は、このXY断面における、半導体柱120の外接円の中心点のY方向における位置であっても良いし、半導体柱120の画像上の重心のY方向における位置であっても良い。
【0029】
フィンガー構造FSに含まれる複数の半導体柱列SCのうち、Y方向負側から数えて1~4番目、6~9番目、11~14番目、16~19番目、及び、20番目~24番目に設けられたものに含まれる複数の半導体柱120は、ビアコンタクト電極Ch,Vyを介してビット線BLに電気的に接続されている。この様な半導体柱120は、メモリセル(メモリトランジスタ)等の一部として機能する。一方、フィンガー構造FSに含まれる複数の半導体柱列SCのうち、Y方向負側から数えて5番目、10番目、15番目及び20番目に設けられたものは、Z方向から見てストリングユニット間絶縁部材SHEと重なり、ビット線BLに電気的に接続されていない。この様な半導体柱120は、メモリセル等として機能しない。
【0030】
次に、複数の半導体柱120のうち、メモリセル等の一部として機能するものについて説明する。
【0031】
半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等を含む。半導体柱120は、例えば
図5に示す様に、複数の導電層110に対向する領域121と、複数の導電層110よりも上方に設けられた領域122と、を備える。
【0032】
領域121は、例えば
図5に示す様に、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁体柱125が設けられている。領域121は、メモリセル及び選択トランジスタのチャネル領域として機能する。領域121の外周面は、ゲート絶縁膜130に接している。
【0033】
領域122は、リン(P)等のN型の不純物を含み、ビアコンタクト電極Chの下端に接続されている。領域122の下端は絶縁体柱125の上端に接している。領域122の上端は、後述するストッパ絶縁層103の上面よりも上方に設けられている。領域122の一部の外周面は、ゲート絶縁膜130に接している。また、領域122の、これよりも上方に設けられた部分の外周面は、ストッパ絶縁層103に接している。また、領域122の、これよりも上方に設けられた部分の外周面及び上面は、少なくとも一部が、ビアコンタクト電極Chに接している。
【0034】
領域122の、下端から、絶縁層102の上面に対応する高さ位置にかけて設けられた部分は、略円柱状に構成されている。領域122の、絶縁層102の上面に対応する高さ位置から、上端にかけて設けられた部分は、上方に設けられた部分ほど直径(XY断面における直径)が小さくなる様な、略円錐台状に構成されている。例えば、領域122の、ストッパ絶縁層103の上面に対応する高さ位置に設けられた部分の直径W122Mは、ストッパ絶縁層103の下面に対応する高さ位置に設けられた部分の直径W122Bよりも小さい。また、領域122の、上端の直径W122Tは、ストッパ絶縁層103の上面に対応する高さ位置に設けられた部分の直径W122Mよりも小さい。
【0035】
次に、複数の半導体柱120のうち、メモリセル等として機能しないものについて説明する。この様な半導体柱120も、基本的には、メモリセル等の一部として機能するものと同様に構成されている。ただし、この様な半導体柱120は、ストリングユニット間絶縁部材SHEに対応する高さ領域(例えば、最上層に位置する導電層110(WL)の上面の高さ位置より上方に設けられた領域)が、ストリングユニット間絶縁部材SHEによってY方向に分断されている。
【0036】
ゲート絶縁膜130は、半導体柱120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば
図6に示す様に、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の電荷を蓄積可能な膜を含む。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体柱120と配線層112(
図2)との接触部を除く半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
図5の例において、ゲート絶縁膜130の上端の高さ位置は、絶縁層102の上面の高さ位置と略一致する。
【0037】
尚、
図6には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示している。しかしながら、ゲート絶縁膜130に含まれる電荷蓄積膜は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートでも良い。
【0038】
図5に示す様に、絶縁層102の上面には、窒化シリコン(SiN)等のストッパ絶縁層103及び酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層104が設けられている。ストッパ絶縁層103は、酸窒化シリコン(SiON)等の、窒素(N)及びシリコン(Si)を含む他の層を含んでいても良い。
【0039】
図25を参照して後述するように、本実施形態に係る半導体記憶装置の製造工程では、ビアコンタクト電極Chに対応する位置に、コンタクトホールChAを形成する。この際、ストッパ絶縁層103は、エッチングストッパとして機能する。
【0040】
ストッパ絶縁層103は、導電層110(SGD)と共に、ストリングユニット間絶縁部材SHEによって、Y方向に分断されている。ストッパ絶縁層103は、半導体柱120から一定の距離範囲内に設けられた領域RNと、半導体柱120から一定の距離範囲外に設けられた領域RFと、を備える。領域RNのZ方向における長さZRNは、領域RFのZ方向における長さZRFよりも大きい。領域RN,RFの下面は、絶縁層102の上面に沿って、略平坦に形成されている。領域RNの上面は、領域RFの上面よりも上方、半導体柱120の上端よりも下方に設けられている。
【0041】
尚、領域RNは、例えば、次の様な方法によって規定することが可能である。例えば、YZ断面においてY方向に隣り合う2つの半導体柱120に着目し、又は、XZ断面においてX方向に隣り合う2つの半導体柱120に着目する。次に、この2つの半導体柱120の間の領域において、ストッパ絶縁層103のZ方向における長さの最大値、最小値、及び、最大値と最小値との平均値を測定する。次に、ストッパ絶縁層103のZ方向における長さが、この平均値となる様な、Y方向又はX方向における2以上の位置を測定する。次に、2つの半導体柱120の一方から、これら2以上の位置のうちの最も近いものまでの距離を測定する。次に、半導体柱120からY方向又はX方向にこの距離だけ離れた部分を、領域RNのY方向又はX方向の端部として規定する。
【0042】
領域RFは、例えば、YZ断面においてY方向に隣り合う2つの領域RNの間の領域全体であっても良い。また、領域RFは、例えば、XZ断面においてX方向に隣り合う2つの領域RNの間の領域全体であっても良い。
【0043】
長さZRN,ZRFは、例えば、それぞれ、領域RN,RFのZ方向の長さの平均値であっても良い。
【0044】
ストッパ絶縁層103のY方向における側面は、フィンガー間構造STからY方向に離間している。複数の導電層110は、Z方向から見て、ストッパ絶縁層103と重ならない部分を備える。
【0045】
図4には、ストッパ絶縁層103の、ストリングユニット間絶縁部材SHEによってY方向に分断された複数の部分のうち、最もY方向正側に設けられたものを部分103aと、最もY方向負側に設けられたものを部分103bと、それ以外を複数の部分103cとして図示している。
【0046】
また、
図4には、フィンガー構造FSに含まれる複数の半導体柱列SCのうち、最もY方向正側に設けられたものを半導体柱列SCaと、最もY方向負側に設けられたものを半導体柱列SCbと、それ以外を半導体柱列SCcとして図示している。
【0047】
ストッパ絶縁層103の部分103aのY方向正側の側面は、半導体柱列SCaに含まれる複数の半導体柱120の外周面に沿って形成された複数の曲面を備える。これら複数の曲面は、それぞれ、対応する半導体柱120の中心位置を中心とする円に沿って形成されている。従って、例えば、半導体柱列SCaに含まれる複数の半導体柱120の複数のX方向における中心位置をX120とし、X方向に隣り合う2つの位置X120の中間位置をXI120とすると、部分103aのY方向正側の側面の、複数の位置X120に対応する複数の点p1は、複数の位置XI120に対応する複数の点p2よりも、Y方向正側に設けられている。
【0048】
ストッパ絶縁層103の部分103bのY方向負側の側面も同様に、半導体柱列SCbに含まれる複数の半導体柱120の外周面に沿って形成された複数の曲面を備える。
【0049】
ストリングユニット間絶縁部材SHEは、例えば
図2及び
図5に示す様に、X方向及びZ方向に延伸し、絶縁層104、ストッパ絶縁層103、絶縁層102、並びに、複数の導電層110(SGD)及びその上下面に設けられた絶縁層101をY方向に分断する。ストリングユニット間絶縁部材SHEは、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。
図5に示す様に、ストリングユニット間絶縁部材SHEの下端は、最上層に位置する導電層110(WL)の下面よりも上方に位置する。また、ストリングユニット間絶縁部材SHEの下端は、最下層に位置する導電層110(SGD)の下面よりも下方に位置する。
【0050】
フィンガー間構造STは、例えば
図5に示す様に、X方向及びZ方向に延伸するフィンガー間電極141と、フィンガー間電極141のY方向の両側面に設けられた酸化シリコン(SiO
2)等のフィンガー間絶縁部材142と、を備える。
図2に示す様に、フィンガー間電極141及びフィンガー間絶縁部材142の下端は、配線層112に接続されている。
図5の例において、フィンガー間電極141及びフィンガー間絶縁部材142の上端のZ方向の位置は、絶縁層104の上面のZ方向の位置と略一致している。フィンガー間電極141は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含む導電部材であっても良い。また、フィンガー間電極141は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等の半導体部材であっても良い。フィンガー間電極141は、導電部材及び半導体部材の双方を含んでいても良い。フィンガー間電極141は、NANDフラッシュメモリのソース線の一部として機能する。
【0051】
図5に示す様に、絶縁層104、ストリングユニット間絶縁部材SHE及びフィンガー間構造STの上面には、窒化シリコン(SiN)等のストッパ絶縁層105及び酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層106が設けられている。ストッパ絶縁層105は、酸窒化シリコン(SiON)等の、窒素(N)及びシリコン(Si)を含む他の層を含んでいても良い。
【0052】
ビアコンタクト電極Chの外周面には、
図5に示す様に、絶縁層107が設けられている。ビアコンタクト電極Ch及び絶縁層107は、絶縁層106、ストッパ絶縁層105及び絶縁層104を貫通してZ方向に延伸し、下端において半導体柱120の上端及びストッパ絶縁層103の上面に接続されている。
【0053】
本実施形態において、ビアコンタクト電極Chの下端の直径(XY断面における直径)は、半導体柱120の上端の直径よりも大きい。また、半導体柱120の上端の高さ位置において、ビアコンタクト電極Chの直径WChは、半導体柱120の上端の直径W122Tよりも大きい。
【0054】
ビアコンタクト電極Chは、例えば
図4に示す様に、半導体柱120に対応して、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。
図4の例において、ビアコンタクト電極ChのY方向における中心位置は、基本的には、半導体柱120のY方向における中心位置と一致している。ただし、最もY方向正側に設けられた半導体柱列SCaに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置は、半導体柱列SCaのY方向における中央位置よりも、Y方向負側に設けられている。また、最もY方向負側に設けられた半導体柱列SCbに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置は、半導体柱列SCbのY方向における中央位置よりも、Y方向正側に設けられている。
【0055】
尚、ビアコンタクト電極ChのY方向における中心位置は、例えば、半導体柱120のY方向における中心位置と同様の方法によって規定することが可能である。また、X方向に並ぶ複数のビアコンタクト電極ChについてY方向における中央位置を規定する場合、この中央位置は、半導体柱列SCのY方向における中央位置と同様の方法によって規定することが可能である。
【0056】
ビット線BLは、
図3に示す様に、Y方向に延伸し、X方向に並ぶ。ビット線BLのX方向におけるピッチは、X方向に並ぶ複数の半導体柱120のX方向におけるピッチの1/4倍である。ビット線BLは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。ビット線BLとビアコンタクト電極Chとの間には、ビアコンタクト電極Vyが接続されている。ビアコンタクト電極Vyは、Z方向から見て、ビット線BL及びビアコンタクト電極Chと重なる位置に設けられている。
【0057】
[製造方法]
次に、
図7~
図25を参照して、本実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明する。
図7~
図25は、同製造方法について説明するための模式的な断面図であり、
図5に対応する断面を示している。
【0058】
本実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、例えば
図7に示す様に、複数の絶縁層101及び複数の犠牲層110Aを交互に形成する。また、最上層の犠牲層110Aの上面に、絶縁層102を形成する。犠牲層110Aは、例えば、窒化シリコン(SiN)等を含む。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法によって行う。
【0059】
次に、例えば
図8に示す様に、複数の半導体柱120に対応する位置に、複数のメモリホールMHを形成する。メモリホールMHは、Z方向に延伸し、絶縁層102、並びに、Z方向に並ぶ複数の絶縁層101及び複数の犠牲層110Aを貫通する。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0060】
次に、例えば
図9に示す様に、複数のメモリホールMHの内周面及び絶縁層102の上面に、絶縁膜130A、半導体層120A、及び、絶縁層125Aを形成する。この工程は、例えば、CVDによって行う。
【0061】
次に、例えば
図10に示す様に、絶縁層125A、半導体層120A、及び、絶縁膜130Aの一部を除去して、半導体柱120の領域121、ゲート絶縁膜130、及び、絶縁体柱125を形成する。この工程は、例えば、RIEによって行う。
【0062】
次に、例えば
図11に示す様に、複数のメモリホールMHの内周面及び絶縁層102の上面に、半導体層122Aを形成する。この工程は、例えば、CVDによって行う。
【0063】
次に、例えば
図12に示す様に、半導体層122Aの、絶縁層102の上面に設けられた部分を除去する。これにより、半導体層122Aが、複数のメモリホールMHに対応する複数の部分に分断される。この工程は、例えば、RIEによって行う。
【0064】
次に、例えば
図13に示す様に、絶縁層102及びゲート絶縁膜130の一部を除去して、複数の半導体層122Aの外周面の一部を露出させる。この工程は、例えば、RIEによって行う。この工程では、半導体柱120の領域122が形成される。
【0065】
次に、例えば
図14に示す様に、絶縁層102の上面、並びに、半導体柱120の領域122の外周面及び上面に、絶縁層103Aを形成する。この工程は、例えば、CVDによって行う。
【0066】
この工程では、図示の様に、フィンガー間構造ST近傍の領域における絶縁層103AのZ方向の厚みを、それ以外の領域における絶縁層103AのZ方向の厚みよりも小さくする。このため、絶縁層103Aの厚みは、絶縁層103Aの、半導体柱120の外周面に形成される部分によって、フィンガー構造FSに含まれる複数の半導体柱120の間の領域が埋め込まれる様に、調整される。例えば、
図4に示す様に、複数の半導体柱120が複数の正三角形の頂点に設けられる様な構造では、絶縁層103Aの厚みを、半導体柱120の外周面から正三角形の中心位置までの距離よりも大きくする。
【0067】
次に、
図15に示す様に、絶縁層103Aの一部を除去し、絶縁層102の上面及び半導体柱120の領域122を露出させて、ストッパ絶縁層103を形成する。この工程では、絶縁層103Aの、フィンガー間構造ST近傍の領域に設けられた部分が除去され、それ以外の領域に設けられた部分は残存する。この工程は、例えば、RIEによって行う。
【0068】
この工程では、絶縁層103Aの、半導体柱120の外周面に形成された部分が残存する。その結果、ストッパ絶縁層103のY方向における側面は、
図4を参照して説明した様に、半導体柱列SCa,SCbに含まれる複数の半導体柱120の外周面に沿って、複数の曲面が形成される。
【0069】
次に、
図16に示す様に、絶縁層104を形成する。この工程は、例えば、CVDによって行う。
【0070】
次に、例えば
図17に示す様に、フィンガー間構造STに対応する位置に、溝STAを形成する。溝STAは、Z方向及びX方向に延伸し、絶縁層104、絶縁層102、並びに、複数の絶縁層101及び複数の犠牲層110AをY方向に分断する。この工程は、例えば、RIEによって行う。尚、溝STAは、Y方向において、ストッパ絶縁層103から離間する。即ち、ストッパ絶縁層103は、溝STAに露出しない。
【0071】
次に、例えば
図18に示す様に、複数の導電層110を形成する。この工程では、溝STAを介して犠牲層110Aを除去する。これにより、Z方向に並ぶ複数の空隙が形成される。この工程は、例えば、ウェットエッチング等の方法によって行う。また、Z方向に並ぶ複数の空隙に、複数の導電層110を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0072】
尚、ストッパ絶縁層103は、犠牲層110Aと同様に、窒化シリコン(SiN)等を含む。しかしながら、犠牲層110Aを除去する工程において、ストッパ絶縁層103は、溝STAに露出しない。従って、この工程において、ストッパ絶縁層103は除去されない。
【0073】
次に、例えば
図19に示す様に、溝STAのY方向の側面に、フィンガー間絶縁部材142を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0074】
次に、例えば
図20に示す様に、絶縁層104及びフィンガー間絶縁部材142の上面、並びに、溝STAの内部に、導電部材141Aを形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0075】
次に、例えば
図21に示す様に、導電部材141Aの一部を除去して、絶縁層104の上面を露出させる。この工程は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化処理によって行う。この工程では、フィンガー間構造STが形成される。
【0076】
次に、例えば
図22に示す様に、ストリングユニット間絶縁部材SHEに対応する位置に、溝SHEAを形成する。溝SHEAは、Z方向及びX方向に延伸し、絶縁層104、ストッパ絶縁層103、絶縁層102、並びに、複数の導電層110(SGD)及びこれらの間に設けられた絶縁層101をY方向に分断する溝である。この工程は、例えば、RIE等の方法によって行う。
【0077】
次に、例えば
図23に示す様に、溝SHEAの内部に、ストリングユニット間絶縁部材SHEを形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0078】
次に、例えば
図24に示す様に、絶縁層104、フィンガー間構造ST及びストリングユニット間絶縁部材SHEの上面に、ストッパ絶縁層105及び絶縁層106を形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0079】
次に、例えば
図25に示す様に、ビアコンタクト電極Chに対応する位置に、コンタクトホールChAを形成する。コンタクトホールChAは、Z方向に延伸し、絶縁層106、ストッパ絶縁層105及び絶縁層104を貫通し、半導体柱120の領域122及びストッパ絶縁層103の上面を露出させる。この工程では、例えば、ストッパ絶縁層105をストッパとするRIEを実行し、ストッパ絶縁層105を除去し、ストッパ絶縁層103をストッパとするRIEを実行する。
【0080】
次に、例えば
図5に示す様に、コンタクトホールChAの内部に、絶縁層107及びビアコンタクト電極Chを形成する。この工程は、例えば、CVD等の方法によって行う。
【0081】
その後、
図3を参照して説明したビット線BL、ビアコンタクト電極Vy等を形成することにより、第1実施形態に係る半導体記憶装置が形成される。
【0082】
[比較例]
図26は、比較例に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
【0083】
比較例に係る半導体記憶装置は、ストッパ絶縁層103を備えていない。
【0084】
また、比較例に係る半導体柱120は、領域122ではなく、領域122´を備える。領域122´は、下端から上端にかけて、略円柱状に形成されている。
【0085】
また、比較例に係る半導体記憶装置は、ビアコンタクト電極Chではなく、ビアコンタクト電極Ch´を備える。ビアコンタクト電極Ch´の下端の直径(XY断面における直径)は、半導体柱120の上端の直径よりも小さい。また、ビアコンタクト電極Ch´のY方向における中心位置は、全て、半導体柱120のY方向における中心位置と一致している。
【0086】
比較例に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図13~
図15を参照して説明した工程を実行しない。
【0087】
[第1実施形態の効果]
図示は省略するものの、比較例に係る半導体記憶装置において、ビアコンタクト電極Ch´に対応する高さ位置には、半導体柱120以外の複数の構成(例えば、フィンガー間電極141等)に接続された複数のビアコンタクト電極が形成されている。これら複数のビアコンタクト電極は、ビアコンタクト電極Ch´と同時に形成される。ここで、半導体柱120と、それ以外の構成とでは、上端の高さ位置が異なる。この様な複数の構成に接続される複数のビアコンタクト電極を同時に形成するために、比較例に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図25に対応する工程においてストッパ絶縁層105をストッパとするRIEを実行し、その後、各構成の上端の高さ位置に対応する適切な条件でRIEを実行する。
【0088】
ここで、比較例に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図21に対応する工程において、絶縁層104の厚みに、バラツキが生じてしまう恐れがある。従って、例えば、
図25に対応する工程で、コンタクトホールChAを浅めに形成すると、絶縁層104が厚い領域においてコンタクトホールChAの底面に半導体柱120を露出させることが出来ず、半導体柱120とビット線BLとを接続することが出来ない懸念がある。一方、
図25に対応する工程で、コンタクトホールChAを深めに形成すると、絶縁層104が薄い領域においてコンタクトホールChAの位置ずれに伴って導電層110を露出させてしまい、導電層110とビット線BLとの短絡が発生してしまう懸念がある。
【0089】
そこで、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図13を参照して説明した工程において、半導体柱120の外周面の一部を露出させ、
図14を参照して説明した工程において、半導体柱120の外周面の一部に、絶縁層103Aを形成する。また、
図15を参照して説明した工程において、絶縁層103Aの、半導体柱120の間の領域に設けられた部分をストッパ絶縁層103として残存させ、且つ、半導体柱120の上端を露出させる。また、
図25を参照して説明した工程において、このストッパ絶縁層103をストッパとするRIEを実行する。
【0090】
この様な方法によれば、ストッパ絶縁層103の上面が、半導体柱120の上端よりも下方に位置することとなる。従って、
図25を参照して説明した工程において、コンタクトホールChAの位置ずれが発生しても、コンタクトホールChAの底面に導電層110が露出することを抑制しつつ、半導体柱120の上端を露出させることが可能である。従って、導電層110とビット線BLとの短絡を抑制しつつ、半導体柱120とビアコンタクト電極Chとを好適に接続することが可能である。
【0091】
また、上述の通り、ストッパ絶縁層103は、犠牲層110Aと同様に、窒化シリコン(SiN)等を含む。従って、
図17を参照して説明した工程においてストッパ絶縁層103が溝STAに露出してしまうと、犠牲層110Aを除去する際、ストッパ絶縁層103も除去されてしまう恐れがある。
【0092】
ここで、この様なストッパ絶縁層を溝STAに露出させないためには、例えば、絶縁層104の形成前に、フォトリソグラフィー及びエッチング等の手段によってストッパ絶縁層の一部を除去することも考えられる。しかしながら、この様な方法では、フォトリソグラフィーに際して生じ得る位置ずれを考慮して、ストッパ絶縁層と溝STAとの間にマージンを設ける必要が生じてしまい、半導体記憶装置の高集積化の妨げとなってしまう恐れがある。
【0093】
そこで、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図13を参照して説明した工程で半導体柱120の外周面の一部を露出させ、
図14を参照して説明した工程で半導体柱120の外周面の一部に絶縁層103Aを形成し、
図15を参照して説明した工程で絶縁層103Aの一部を除去する。
【0094】
この様な方法によれば、半導体柱120とストッパ絶縁層103とを、自己整合的に位置決めすることが可能である。従って、ストッパ絶縁層103と溝STAとの間には、上述の様なマージンを設ける必要がない。
【0095】
また、第1実施形態に係る半導体記憶装置においては、
図4を参照して説明した様に、最もY方向正側に設けられた半導体柱列SCaに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置が、半導体柱列SCaのY方向における中央位置よりも、Y方向負側に設けられている。また、最もY方向負側に設けられた半導体柱列SCbに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置が、半導体柱列SCbのY方向における中央位置よりも、Y方向正側に設けられている。
【0096】
この様な構成によれば、ストッパ絶縁層103のY方向の端部近傍のビアコンタクト電極Chを、ストッパ絶縁層103のY方向の端部から遠ざけることにより、導電層110とビット線BLとの短絡を、より好適に抑制可能である。
【0097】
[第2実施形態]
図5を参照して説明した様に、第1実施形態に係る半導体記憶装置は、ストッパ絶縁層105を備える。しかしながら、第1実施形態においては、
図25を参照して説明した工程においてコンタクトホールChAを形成する際、ストッパ絶縁層103をストッパとする。従って、ストッパ絶縁層105を省略することも考えられる。以下、この様な例について説明する。
【0098】
図27は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、ストッパ絶縁層105を有していない。従って、第2実施形態では、絶縁層106が、絶縁層104の上面に形成されている。
【0099】
第2実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態に係る半導体記憶装置と、同様の効果を奏することが可能である。また、第1実施形態に係る半導体記憶装置と比較して、製造工程を省略可能である。
【0100】
[第3実施形態]
第1実施形態に係る半導体記憶装置及び第2実施形態に係る半導体記憶装置は、ストッパ絶縁層103を備える。ストッパ絶縁層103の上面には、
図5及び
図27に示す様に、凹凸が形成されている。しかしながら、
図14を参照して説明した工程において、絶縁層103Aの厚みが十分に大きい場合等には、ストッパ絶縁層103の上面に、この様な凹凸が形成されないことも考えられる。以下、この様な例について説明する。
【0101】
図28は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、ストッパ絶縁層103のかわりに、ストッパ絶縁層303を備える。ストッパ絶縁層303は、基本的には、ストッパ絶縁層103と同様に構成されている。ただし、ストッパ絶縁層303は、上面が略平坦に形成されている。
【0102】
第3実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態に係る半導体記憶装置と、同様の効果を奏することが可能である。
【0103】
尚、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ストッパ絶縁層105を有していなくても良い。
【0104】
[第4実施形態]
第1実施形態~第3実施形態に係る半導体記憶装置の半導体柱120は、領域122を備える。領域122は、
図5、
図27及び
図28に示す様に、絶縁層102の上面に対応する高さ位置から、上端にかけて設けられた部分が、略円錐台状に形成されている。しかしながら、
図13を参照して説明した工程において、半導体層122Aが除去されない様な方法を実行する場合、領域122が略円柱状に形成されることも考えられる。以下、この様な例について説明する。
【0105】
図29は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。第4実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0106】
ただし、第4実施形態に係る半導体柱120は、領域122のかわりに、領域422を備える。領域422は、基本的には、領域122と同様に構成されている。ただし、領域422は、略円柱状に形成されている。
【0107】
また、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、ビアコンタクト電極Chのかわりに、ビアコンタクト電極Ch4を備える。ビアコンタクト電極Ch4は、基本的には、ビアコンタクト電極Chと同様に構成されている。ただし、ビアコンタクト電極Ch4の下端の直径(XY断面における直径)は、半導体柱120の上端の直径より小さくても良い。
【0108】
第4実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第1実施形態に係る半導体記憶装置と、同様の効果を奏することが可能である。
【0109】
尚、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ストッパ絶縁層105を有していなくても良い。
【0110】
また、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ストッパ絶縁層103のかわりに、ストッパ絶縁層303を備えていても良い。
【0111】
[第5実施形態]
図30は、第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
図31は、第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。第5実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0112】
ただし、第5実施形態に係るフィンガー構造FSは、Y方向の一方側からY方向の他方側にかけて設けられた20個の半導体柱列SCを備える。また、第5実施形態においては、これら20個の半導体柱列SCに含まれる複数の半導体柱120が、ビアコンタクト電極Ch,Vyを介してビット線BLに電気的に接続されており、メモリセル等の一部として機能する。
【0113】
また、第5実施形態においては、ストリングユニット間絶縁部材SHEが、Y方向負側から数えて、4番目及び5番目の半導体柱列SCの間、8番目及び9番目の半導体柱列SCの間、12番目及び13番目の半導体柱列SCの間、並びに、16番目及び17番目の半導体柱列SCの間に、それぞれ設けられている。
【0114】
以下、フィンガー構造FSに含まれる複数の半導体柱列SCのうち、4n+1番目(nは0~4の整数)、又は、4n+4番目の半導体柱列SCを、半導体柱列SCOと呼ぶ。また、半導体柱列SCOに含まれる半導体柱120を、半導体柱120Oと呼ぶ。また、フィンガー構造FSに含まれる複数の半導体柱列SCのうち、4n+2番目、又は、4n+3番目の半導体柱列SCを、半導体柱列SCIと呼ぶ。また、半導体柱列SCIに含まれる半導体柱120を、半導体柱120Iと呼ぶ。
【0115】
半導体柱120Iは、第1実施形態に係る半導体柱120と同様に構成されている。また、Y方向負側から数えて1番目の半導体柱列SCO、及び、Y方向正側から数えて1番目の半導体柱列SCOに含まれる半導体柱120Oも、第1実施形態に係る半導体柱120と同様に構成されている。
【0116】
それ以外の半導体柱120
Oも、基本的には、第1実施形態に係る半導体柱120と同様に構成されている。ただし、これらの半導体柱120
Oは、
図22に対応する工程において、一部が溝SHEAによって切断される。従って、例えば
図31に示す様に、これら複数の半導体柱120
O、並びに、これらに対応する複数のゲート絶縁膜130及び複数の絶縁体柱125は、ストリングユニット間絶縁部材SHEに対応する高さ領域において一部が欠けた様な形状となり、ストリングユニット間絶縁部材SHEに接する。
【0117】
また、
図31の例では、これら複数の半導体柱120
Oに接続された複数のビアコンタクト電極Ch、及び、これらに対応する絶縁層107が、ストリングユニット間絶縁部材SHEの一部を貫通してZ方向に延伸する。
【0118】
第5実施形態の様な構成を有する半導体記憶装置においても、第1実施形態に係る半導体記憶装置と、同様の効果を奏することが可能である。
【0119】
尚、第5実施形態に係る半導体記憶装置は、第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ストッパ絶縁層105を有していなくても良い。
【0120】
また、第5実施形態に係る半導体記憶装置は、第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ストッパ絶縁層103のかわりに、ストッパ絶縁層303を備えていても良い。
【0121】
また、第5実施形態に係る半導体柱120は、第4実施形態に係る半導体柱120と同様に、領域122のかわりに、領域422を備えていても良い。
【0122】
[第6実施形態]
図32は、第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な平面図である。
図33は、第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。第6実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第5実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0123】
ただし、第5実施形態においては、
図30に示す様に、複数の半導体柱列SCのうちY方向負側から数えて2番目から19番目の半導体柱列SCに含まれる複数の半導体柱120と、これらに対応する複数のビアコンタクト電極Chとの間で、Y方向における中心位置が一致している。
【0124】
一方、第6実施形態においては、
図32に示す様に、Y方向負側から数えて4n+4番目(nは0~4の整数)の半導体柱列SC
Oに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置が、それぞれ、これらの半導体柱列SC
OのY方向における中央位置よりも、Y方向負側に設けられている。また、Y方向負側から数えて4n+1番目の半導体柱列SC
Oに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置が、それぞれ、これらの半導体柱列SC
OのY方向における中央位置よりも、Y方向正側に設けられている。
【0125】
第6実施形態に係る半導体記憶装置によれば、第5実施形態に係る半導体記憶装置と、同様の効果を奏することが可能である。
【0126】
また、第6実施形態に係る半導体記憶装置によれば、
図33に示す様に、ストリングユニット間絶縁部材SHE近傍のビアコンタクト電極Chを、ストリングユニット間絶縁部材SHEから遠ざけることが可能である。これにより、導電層110とビット線BLとの短絡を、より好適に抑制可能である。
【0127】
尚、第6実施形態に係る半導体記憶装置は、第2実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ストッパ絶縁層105を有していなくても良い。
【0128】
また、第6実施形態に係る半導体記憶装置は、第3実施形態に係る半導体記憶装置と同様に、ストッパ絶縁層103のかわりに、ストッパ絶縁層303を備えていても良い。
【0129】
また、第6実施形態に係る半導体柱120は、第4実施形態に係る半導体柱120と同様に、領域122のかわりに、領域422を備えていても良い。
【0130】
[その他の実施形態]
第1実施形態においては、
図4を参照して説明した様に、フィンガー間構造STを介して隣り合う2つの半導体柱列SCa,SCbに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置が、これらの半導体柱列SCa,SCbのY方向における中央位置に対して、フィンガー間構造STと反対側に設けられている。
【0131】
ここで、ビアコンタクト電極Chの位置は、設計値と一致しなくても良い。この様な場合、例えば、半導体柱列SCa,SCbのY方向における中央位置と、これらに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置との差が、半導体柱列SCcのY方向における中央位置と、これに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置との差より大きくても良い。
【0132】
また、第6実施形態においては、
図32を参照して説明した様に、ストリングユニット間絶縁部材SHEを介して隣り合う2つの半導体柱列SC
Oに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置が、これらの半導体柱列SC
OのY方向における中央位置に対して、ストリングユニット間絶縁部材SHEと反対側に設けられている。
【0133】
この様な構造においても、ビアコンタクト電極Chの位置は、設計値と一致しなくても良い。この様な場合、例えば、半導体柱列SCOのY方向における中央位置と、これに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置との差が、半導体柱列SCIのY方向における中央位置と、これに対応する複数のビアコンタクト電極ChのY方向における中央位置との差より大きくても良い。
【0134】
尚、第1実施形態~第6実施形態においては、全てのビアコンタクト電極ChのY方向における中心位置が、対応する半導体柱120のY方向における中心位置と一致しても良い。
【0135】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
101,102,104,106…絶縁層、103,105…ストッパ絶縁層、110…導電層、112…配線層、120…半導体層、130…ゲート絶縁膜、131…トンネル絶縁膜、132…電荷蓄積膜、133…ブロック絶縁膜、141…フィンガー間電極、142…フィンガー間絶縁部材、Ch,Vy…ビアコンタクト電極、FS…フィンガー構造、ST…フィンガー間構造、SHE…ストリングユニット間絶縁部材。