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特開2024-27764学習状況評価装置および方法並びにプログラム
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  • 特開-学習状況評価装置および方法並びにプログラム 図1
  • 特開-学習状況評価装置および方法並びにプログラム 図2
  • 特開-学習状況評価装置および方法並びにプログラム 図3
  • 特開-学習状況評価装置および方法並びにプログラム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027764
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】学習状況評価装置および方法並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240222BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240222BHJP
【FI】
G09B19/00 G
G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130849
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】岩元 学
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】より正確な生徒の学習状況を教師に提示することができる学習状況評価装置および方法並びにプログラムを提供する。
【解決手段】生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を受け付ける筆記画像受付部21と、筆記画像に基づいて、生徒の学習状況を評価する評価部22とを備え、評価部22が、筆記画像に含まれる筆記のうち、学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定し、該不適切な筆記を除外して学習状況を評価する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を受け付ける筆記画像受付部と、
前記筆記画像に基づいて、前記生徒の学習状況を評価する評価部とを備え、
前記評価部が、前記筆記画像に含まれる筆記のうち、前記学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定し、該不適切な筆記を除外して前記学習状況を評価する学習状況評価装置。
【請求項2】
前記評価部が、前記筆記を囲む外接矩形の面積に基づいて、前記不適切な筆記を特定する請求項1記載の学習状況評価装置。
【請求項3】
前記評価部が、前記筆記を囲む外接矩形の縦横比に基づいて、前記不適切な筆記を特定する請求項1記載の学習状況評価装置。
【請求項4】
前記評価部が、前記筆記画像に対して文字認識処理を施し、文字と認識された筆記のみを用いて前記学習状況を評価する請求項1記載の学習状況評価装置。
【請求項5】
前記筆記画像受付部が、複数の生徒の前記筆記画像を受け付け、
前記評価部が、前記複数の生徒の筆記画像のうち、前記不適切な筆記が相対的に多い筆記画像を特定する請求項1記載の学習状況評価装置。
【請求項6】
前記筆記画像受付部によって受け付けられた筆記画像を表示させる表示制御部を備え、
該表示制御部が、前記不適切な筆記の表示と非表示を切り替える請求項1記載の学習情報評価装置。
【請求項7】
生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を受け付け、該受け付けた筆記画像に基づいて、前記生徒の学習状況を評価する際、
該受け付けた筆記画像に含まれる筆記のうち、前記学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定し、
該特定した不適切な筆記を除外して、前記生徒の学習状況を評価する学習状況評価方法。
【請求項8】
生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を受け付けるステップと、
該受け付けた筆記画像に基づいて、前記生徒の学習状況を評価するステップとをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記受け付けた筆記画像に含まれる筆記のうち、前記学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定するステップと、
該特定した不適切な筆記を除外して、前記生徒の学習状況を評価するステップとを前記コンピュータに実行させる学習状況評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生徒によって手書き入力された筆記に基づいて、生徒の学習状況を評価する学習状況評価装置および方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、教師の端末装置と生徒の端末装置とをインターネット回線などの通信回線で接続して授業を行うオンライン授業が盛んに行われている。
【0003】
オンライン授業においては、一人の教師が、授業を受けている数十人の生徒それぞれの学習の進捗状況を適切に把握することが望ましい。
【0004】
そこで、たとえば特許文献1においては、生徒による端末装置の操作履歴に基づいて、生徒の学習状況を評価することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-25223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、たとえば生徒が端末装置において手書き入力した筆記量に基づいて、生徒の学習状況を評価するようにした場合、生徒が端末装置において手書き入力した回答以外のメモやいたずら書きなども学習状況の評価対象に含まれてしまう。これにより、生徒の学習状況を正確に教師に提示することができない問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、より正確な生徒の学習状況を教師に提示することができる学習状況評価装置および方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の学習状況評価装置は、生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を受け付ける筆記画像受付部と、筆記画像に基づいて、生徒の学習状況を評価する評価部とを備え、評価部が、筆記画像に含まれる筆記のうち、学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定し、該不適切な筆記を除外して学習状況を評価する。
【0009】
本発明の学習状況評価方法は、生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を受け付け、その受け付けた筆記画像に基づいて、生徒の学習状況を評価する際、その受け付けた筆記画像に含まれる筆記のうち、学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定し、その特定した不適切な筆記を除外して、生徒の学習状況を評価する。
【0010】
本発明の学習状況評価プログラムは、生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を受け付けるステップと、その受け付けた筆記画像に基づいて、生徒の学習状況を評価するステップとをコンピュータに実行させるプログラムであって、受け付けた筆記画像に含まれる筆記のうち、学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定するステップと、その特定した不適切な筆記を除外して、生徒の学習状況を評価するステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の学習状況評価装置および方法並びにプログラムによれば、生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像に基づいて、生徒の学習状況を評価する際、筆記画像に含まれる筆記のうち、学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定し、その不適切な筆記を除外して学習状況を評価するようにしたので、より正確な生徒の学習状況を教師に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の学習状況評価装置の一実施形態を用いた学習支援システムの概略構成を示すブロック図
図2】筆記画像の一例を示す図
図3】判別分析法による閾値の決定方法を説明するための図
図4】教師用端末装置の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の学習状況評価装置の一実施形態を用いた学習支援システムについて詳細に説明する。図1は、本実施形態の学習支援システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0014】
本実施形態の学習支援システム1は、図1に示すように、複数の生徒用端末装置10と、教師用端末装置20とを備えている。本実施形態においては、教師用端末装置20が、本発明の学習状況評価装置に相当する。ただし、この構成に限らず、たとえば本発明の学習状況評価装置に相当する構成をサーバ装置として設け、そのサーバ装置と生徒用端末装置10および教師用端末装置20とが通信可能に構成するようにしてもよい。また、教師用端末装置20を複数備えてもよい。
【0015】
複数の生徒用端末装置10と教師用端末装置20は、互いに通信可能に接続されている。通信回線としては、インターネット回線でもよいし、無線LAN(Local Area Network)回線でもよい。また、通信回線は有線でもよいし、無線でもよい。
【0016】
生徒用端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random access memory)などの半導体メモリ、ハードディスクなどのストレージ、並びに通信I/Fを備えている。また、生徒用端末装置10は、手書き入力を受け付ける入力部11と、生徒によって手書き入力された筆記や教師から与えられた質問やテストなどの情報を表示する表示部12を備える。
【0017】
生徒用端末装置10としては、パーソナルコンピュータでもよいし、タブレット端末でもよいし、スマートフォンでもよい。また、入力部11および表示部12は、タッチパネルから構成するようにしてもよい。
【0018】
生徒は、教師から提供された所定の質問やテストなどに対して、生徒用端末装置10を用いて手書き入力することによって回答する。各生徒用端末装置10は、各生徒によって手書き入力された筆記を含む筆記画像を教師用端末装置20に出力する。
【0019】
また、各生徒用端末装置10には、それぞれカメラが設けられており、生徒の様子が撮影される。カメラによって撮影された生徒の映像も筆記画像とともに教師用端末装置20に出力される。また、各生徒用端末装置10には、マイクおよびスピーカーも設けられており、教師用端末装置20との間で音声のやり取りも可能に構成されている。
【0020】
教師用端末装置20は、各生徒用端末装置10から出力された筆記画像を受け付け、その各筆記画像に基づいて、各生徒の学習状況を評価する。
【0021】
教師用端末装置20は、具体的には、筆記画像受付部21と、評価部22と、表示制御部23と、入力部24と、表示部25とを備えている。
【0022】
教師用端末装置20は、CPU、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random access memory)などの半導体メモリ、ハードディスクなどのストレージ、並びに通信I/Fを備えている。教師用端末装置20としては、パーソナルコンピュータでもよいし、タブレット端末でもよいし、スマートフォンでもよい。また、入力部24および表示部25は、タッチパネルから構成するようにしてもよい。
【0023】
そして、教師用端末装置20の半導体メモリまたはストレージには、本発明の学習状況評価プログラムの一実施形態がインストールされており、この学習状況評価プログラムがCPUによって実行されることにより、教師用端末装置20の筆記画像受付部21、評価部22および表示制御部23が機能する。
【0024】
なお、本実施形態においては、筆記画像受付部21、評価部22および表示制御部23の機能を学習状況評価プログラムにより実現するようにしたが、これに限らず、一部または全部の機能もしくは制御をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の電気回路などのハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【0025】
筆記画像受付部21は、各生徒用端末装置10から出力された筆記画像を受け付ける。
【0026】
評価部22は、筆記画像受付部21によって受け付けられた各生徒の筆記画像に基づいて、各生徒の学習状況を評価する。具体的には、評価部22は、各生徒の筆記画像をモノクロビットマップデータに変換し、生徒が筆記した箇所に対応する画素、すなわち黒画素を抽出する。
【0027】
そして、評価部22は、各生徒の筆記画像に含まれる黒画素の数を比較することによって、各生徒の学習の進捗状況を評価する。評価部22は、基本的には、筆記画像に含まれる黒画素の数が相対的に多い生徒は、その筆記量が多いものとして、学習の進捗状況がより進んでいると評価する。一方、評価部22は、筆記画像に含まれる黒画素の数が相対的に少ない生徒は、その筆記量が少ないものとして、学習の進捗状況があまり進んでいないと評価する。
【0028】
ここで、上述したように各生徒の筆記画像に含まれる筆記としては、回答内容だけでなく、単なるメモやいたずら書きも含まれる場合がある。このようなメモやいたずら書きに対応する黒画素の数も含めて学習状況を評価するようにしたのでは、正確な評価を行うことができない。
【0029】
そこで、本実施形態においては、上述したようなメモやいたずら書きなどといった不適切な筆記を筆記画像から除外して、各生徒の学習状況を評価する。具体的には、たとえば図2に示すように、筆記画像に含まれる各筆記を抽出し、その外接矩形Rを求める。ここで、本実施形態における筆記とは、文字、数字および記号などだけでなく、上述したいたずら書きのような、特に意味のない筆記も含まれる。そして、一つ一つの文字、数字および記号やその他のいたずら書きを筆記の単位とする。図2に示す例では、Xがいたずら書きである。
【0030】
筆記画像から各筆記を抽出する方法としては、たとえば連続する黒画素の群を1つの筆記として抽出するようにしてもよいし、「う」のように連続する黒画素の群を複数有する文字や記号などについては、連続する黒画素の群同士の距離が予め設定された閾値以下である場合には、1つの筆記を構成するものとして抽出するようにしてもよい。
【0031】
そして、評価部22は、各筆記の外接矩形の面積を求め、その面積が、予め設定された閾値以下である場合には、いたずら書きなどの不適切な筆記として特定し、学習状況の評価対象から除外する。すなわち、評価部22は、各生徒の筆記画像について、外接矩形の面積が閾値以下の筆記を除外して、黒画素の数を算出する。外接矩形の面積の閾値は、たとえば判別分析法によって求めるようにすればよい。すなわち、たとえば図3に示すように、文字や数字など相対的に大きく書かれた筆記の外接矩形の面積の群と、いたずら書きなど相対的に小さく書かれた筆記の外接矩形の面積の群との間に閾値を設定するようにすればよい。閾値については、生徒の筆記の進行にしたがって、リアルタイムに順次算出される。
【0032】
そして、評価部22は、上述したように不適切な筆記を除外した後に、各生徒の筆記画像に含まれる黒画素の数を比較し、黒画素の数が少ない生徒の方が、学習状況が遅れていると評価する。
【0033】
表示制御部23は、各生徒用端末装置10から出力された各生徒の映像を表示部25に一覧表示するとともに、選択された所定の生徒の映像および筆記画像を拡大表示させる。図4は、表示部25における表示例を示す図である。図4に示すように、たとえば表示部25の右側半分に生徒の映像一覧が表示され、左側半分に、選択された生徒の映像と筆記画像が拡大表示される。生徒の映像一覧には、左側半分に表示された生徒が含まれないようにしてもよい。すなわち、生徒の映像一覧において、所定の生徒が選択され、その選択された生徒の映像と筆記画像が左側半分に拡大表示される。
【0034】
そして、表示制御部23は、表示部25に生徒の映像を一覧表示する際、学習状況が遅い生徒ほど左上に並べて表示する。すなわち、図4に示す例の場合、生徒1が最も学習状況が遅く、生徒9が最も学習状況が進んでいることになる。このように学習状況の評価に応じて、生徒の映像を配列して表示させることによって、学習状況が遅れている生徒を即座に把握することができる。
【0035】
上記実施形態では、筆記画像に含まれる筆記のうち、学習状況の評価対象として不適切な筆記を特定し、その不適切な筆記を除外して学習状況を評価するようにしたので、より正確な生徒の学習状況を教師に提示することができる。
【0036】
また、上記実施形態では、筆記画像に含まれる筆記を囲む外接矩形の面積に基づいて、不適切な筆記を特定するようにしたので、簡易な演算処理によって不適切な筆記を特定することができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、筆記画像に含まれる不適切な筆記を特定する際、すなわち各筆記の外接矩形の面積が閾値以下であるか否かを判断する際、判別分析法によって求められた閾値を用いるようにしたが、これに限られない。たとえば所定の生徒の筆記画像に含まれる複数の筆記の外接矩形の面積の平均値を算出し、その平均値に基づいて閾値を決定するようにしてもよい。具体的には、たとえば平均値の10%~30%を閾値としてもよい。外形矩形の面積の平均値についても、生徒の筆記の進行にしたがって、リアルタイムに順次算出するようにしてもよい。
【0038】
また、各生徒の過去の筆記画像を記憶しておき、その過去の筆記画像に含まれる各筆記の外接矩形の面積に基づいて、生徒毎の閾値を算出するようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、外接矩形の面積が閾値以下の筆記を不適切な筆記と判断するようにしたが、さらに外接矩形の面積が上限閾値以上の筆記も不適切な筆記として判断するようにしてもよい。これにより、不適切な筆記の特定精度を向上させることができる。
【0040】
また、上記実施形態においては、各筆記の外接矩形の面積に基づいて、不適切な筆記を特定するようにしたが、これに限らない。通常の文字や数字に比べるといたずら書きなどの外接矩形の形状は、縦長だったり、横長だったりする。そこで、評価部22が、筆記の外接矩形の縦横比に基づいて、不適切な筆記を特定するようにしてもよい。これにより、簡易な演算処理によって不適切な筆記を特定することができる。
【0041】
具体的には、たとえば各筆記の外接矩形の縦横比を算出し、その算出した縦横比が予め設定された閾値以上である場合には、すなわち縦横比が大きい場合には、不適切な筆記として特定するようにしてもよい。閾値については、面積の場合と同様に、判別分析法を用いて設定するようにしてもよいし、縦横比の平均値を用いて設定するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、筆記画像に含まれる筆記を抽出し、各筆記の外接矩形の面積に基づいて不適切な筆記を判断するようにしたが、これに限らず、たとえば筆記画像に対して文字認識処理を施し、文字認識された筆記のみを学習状況の評価対象とすることによって、文字認識されなかった筆記を学習状況の評価対象から除外するようにしてもよい。これにより、既存の文字認識処理を用いることができ、不適切な筆記を精度良く特定することができる。
【0043】
また、上記実施形態においては、筆記画像に含まれる黒画素の数に基づいて学習状況を評価するようにしたが、たとえば生徒の手書き入力が止まっていたが、所定の時点から回答を閃いて急激に筆記量が増えた場合には、筆記量が少ないとしても、すなわち黒画素の数が少ないとしても学習状況が進んでいるものとして評価するようにしてもよい。
【0044】
具体的には、たとえば所定の生徒の筆記画像について、単位時間当たりの黒画素の増加量が、予め設定された閾値以上である場合には、その生徒の筆記画像の黒画素の数に対して1より大きい係数を乗算した後に、その生徒の学習状況を評価するようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態において、筆記画像にいたずら書きなどの不適切な筆記が多い生徒がいる場合には、表示制御部23が、その生徒を認識可能なように表示部25に表示させるようにしてもよい。
【0046】
具体的には、評価部22は、複数の生徒の筆記画像のうち、不適切な筆記が相対的に多い筆記画像を特定する。そして、表示制御部23は、評価部22によって特定された筆記画像を入力した生徒の映像にマークを付して表示させたり、その生徒の映像の周囲に枠を表示させたりことによって、その生徒を認識可能に表示させる。これにより、教師は、いたずら書きが多い生徒を即座に把握することができる。
【0047】
また、上述したように、本実施形態においては、教師用端末装置20において、選択された所定の生徒の筆記画像を表示するようにしたが、このように筆記画像を表示する際、評価部22において不適切な筆記であると判断された筆記については、表示と非表示とを切り替え可能に構成するようにしてもよい。たとえば入力部24からの入力に応じて、表示制御部23が、不適切な筆記の表示と非表示を切り替えるようにしてもよい。これにより、教師は、学習状況の評価に対する不適切な筆記の影響を把握することができる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。たとえば実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【0049】
本発明の学習状況評価装置に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記)
【0050】
本発明の学習状況評価装置において、評価部は、筆記を囲む外接矩形の面積に基づいて、不適切な筆記を特定することができる。
【0051】
本発明の学習状況評価装置において、評価部は、筆記を囲む外接矩形の縦横比に基づいて、不適切な筆記を特定することができる。
【0052】
本発明の学習状況評価装置において、評価部は、筆記画像に対して文字認識処理を施し、文字と認識された筆記のみを用いて学習状況を評価することができる。
【0053】
本発明の学習状況評価装置において、筆記画像受付部は、複数の生徒の筆記画像を受け付け、評価部は、複数の生徒の筆記画像のうち、不適切な筆記が相対的に多い筆記画像を特定することができる。
【0054】
本発明の学習状況評価装置においては、筆記画像受付部によって受け付けられた筆記画像を表示させる表示制御部を備え、表示制御部は、不適切な筆記の表示と非表示を切り替えることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 学習支援システム
10 生徒用端末装置
11 入力部
12 表示部
20 教師用端末装置
21 筆記画像受付部
22 評価部
23 表示制御部
24 入力部
25 表示部
R 外接矩形
図1
図2
図3
図4