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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027797
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】設備管理システム及び設備管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240222BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240222BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240222BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/00 300
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130898
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】504303458
【氏名又は名称】イオンディライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】小塩 隆之
(72)【発明者】
【氏名】石井 武
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049AA20
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】データベースを簡便に統合し、管理業務を容易にする設備管理システム及び設備管理方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 設備5を保守管理する複数の事業者に対応する複数の事業者サーバ(施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)と、これら事業者サーバが共有する共有サーバ1aと、がネットワークNを介して接続されている設備管理システムにおいて、複数の事業者サーバ(施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)は、施設員、メンテナンス業者、施設所有者の保守管理に関する作業記録を受け付け、共有サーバ1aは、この作業記録に含まれる所定の情報を基に、各事業者が行った作業の一覧を表示してなることを特徴としている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ設備を保守管理する複数の事業者が使用する読取装置と、当該複数の事業者に対応する複数の事業者サーバと、当該複数の事業者サーバが共有する共有サーバと、がネットワークを介して接続されている設備管理システムにおいて、
前記設備には、当該設備を識別する識別子を保持した識別タグが取り付けられ、
前記読取装置は、前記複数の事業者が前記設備に対し作業を行うにあたり前記識別タグから前記識別子を読み取り、作業を行った前記複数の事業者に対応する前記事業者サーバに送信し、
前記事業者サーバは、受信した前記識別子を含む作業記録を記憶し、前記作業記録は、前記作業の内容及び前記作業を行った日付をさらに含んでなり、
前記共有サーバは、前記複数の事業者サーバのうち2以上の事業者サーバから、少なくとも前記識別子、前記作業の内容及び前記作業を行った日付を取得し、結合して所定の端末画面に表示させてなる、設備管理システム。
【請求項2】
前記事業者サーバは、さらに、前記読取装置が前記識別子を読み取った際の前記読取装置の位置を前記読取装置から受信し、記憶し、
前記共有サーバは、さらに前記位置を取得し、結合して前記所定の端末画面に表示させてなる、請求項1に記載の設備管理システム。
【請求項3】
前記事業者サーバは、さらに、前記読取装置が前記識別子を読み取った際の日付をタイムスタンプとして前記読取装置から受信し、これを前記作業を行った日付として記憶してなる、請求項1に記載の設備管理システム。
【請求項4】
前記識別タグは、一次元バーコードおよび二次元バーコードのうちの少なくともいずれか一つである請求項1に記載の設備管理システム。
【請求項5】
前記識別タグは、アクティブRFIDタグである請求項1に記載の設備管理システム。
【請求項6】
前記共有サーバは、さらに、前記複数の事業者サーバに記憶される前記作業記録において、所定の前記作業の内容を行う回数が、所定期間内に所定回数に達する場合、点検作業を提案してなる、請求項1に記載の設備管理システム。
【請求項7】
同じ設備を保守管理する複数の事業者が使用する読取装置と、当該複数の事業者に対応する複数の事業者サーバと、当該複数の事業者サーバが共有する共有サーバと、がネットワークを介して接続されている設備管理方法において、
前記複数の事業者が前記設備に対し作業を行うにあたり、前記読取装置を用いて、前記設備に取り付けられている、前記設備を識別する識別子を保持した識別タグを読み取り、作業を行った前記複数の事業者に対応する前記事業者サーバに前記読取装置を用いて送信するステップと、
受信した前記識別子を含み、さらに、前記作業の内容及び前記作業を行った日付を含んだ作業記録を記憶するステップと、
前記複数の事業者サーバのうち2以上の事業者サーバから、少なくとも前記識別子、前記作業の内容及び前記作業を行った日付を取得し、結合して所定の端末画面に表示させるステップと、を含んでなる、設備管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備管理システム、及び設備管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の設備には、給排水設備、電気設備、消防設備など、管理が必要な設備が多数存在する。
【0003】
例えば、業務用の空調機器、業務用の冷凍・冷蔵機器は、3か月に1回以上の簡易点検、及び、1年に1回以上の定期点検が義務付けられている。そのような点検作業を支援するために、下記特許文献1に記載のようなアプリケーションが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-212544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、設備の管理には、上記のような定期点検以外にも、設備の導入、修理、棚卸し、廃棄などの作業がある。これらの管理作業は、施設所有者、施設管理者、メンテナンス業者等の複数の事業者が、互いに関連し合いながら、行っている。
【0006】
しかしながら、これら複数の事業者間で、情報の共有化が進んでいないため、様々な問題が生じていた。
【0007】
例えば、施設所有者が、資産管理のために設備の棚卸しを行う際、設備の状態も確認する必要があることから、点検作業も同時に行うことがある。一方、施設管理者等も、3ヶ月に1回など、予め策定した予定に基づき点検作業を行う。しかし、事業者間で、情報の共有化が進んでいないことから、互いに点検作業をいつ行ったかを知ることができない。そのため、両方の事業者が、点検作業を重複して行ってしまうことがあった。
【0008】
別の例では、メンテナンス業者が設備について行った点検作業を、施設管理者に報告し、施設管理者がこれを承認する必要がある。しかし、各事業者が個別のデータベースを有することから、設備を一義的に特定する管理番号等を共通して持たない。そのため、メンテナンス業者により報告された設備と、実際に作業した設備とが一致するかは、施設管理者が人的作業により確認する必要があった。
【0009】
上記の問題を解決する方法として、各事業者が管理するデータベースを統合することが考えられる。しかし、各事業者は設備を固有の識別子にて管理しており、この識別子を統一するにはやはり人的作業を必要とするから、信頼性高くデータベースを統合することは容易でない。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、データベースを簡便に統合し、管理業務を容易にする設備管理システム及び設備管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1の発明に係る設備管理システムは、
同じ設備(例えば、図1に示す設備5)を保守管理する複数の事業者が使用する読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)と、当該複数の事業者に対応する複数の事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)と、当該複数の事業者サーバが共有する共有サーバ(例えば、図1に示す共有サーバ1a)と、がネットワーク(例えば、図1に示すネットワークN)を介して接続されている設備管理システムにおいて、
前記設備(例えば、図1に示す設備5)には、当該設備(例えば、図1に示す設備5)を識別する識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を保持した識別タグ(例えば、図1に示すアクティブRFID5a、バーコード5b)が取り付けられ、
前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)は、前記複数の事業者が前記設備に対し作業を行うにあたり前記識別子(例えば、図1に示すアクティブRFID5a、バーコード5b)から前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を読み取り、作業を行った前記複数の事業者に対応する前記事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)に送信し、
前記事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)は、受信した前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を含む作業記録(例えば、図3(b)~(c)に示す施設員テーブルTBL_S、メンテナンス業者テーブルTBL_M、施設所有者テーブルTBL_O)を記憶し、前記作業記録は、前記作業の内容(例えば、図3(b)~(c)に示す作業tbl_Sd、作業tbl_Md、作業tbl_Od)及び前記作業を行った日付(例えば、図3(b)~(c)に示す日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)をさらに含んでなり、
前記共有サーバ(例えば、図1に示す共有サーバ1a)は、前記複数の事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)のうち2以上の事業者サーバから、少なくとも前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)、前記作業の内容(例えば、図3(b)~(c)に示す作業tbl_Sd、作業tbl_Mb、作業tbl_Od)及び前記作業を行った日付(例えば、図3(b)~(c)に示す日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)を取得し、結合して所定の端末画面(例えば、図4に示す端末画面P)に表示(例えば、図4に示す作業一覧画面6)させてなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2の発明に係る設備管理システムは、
前記事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)は、さらに、前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)が前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を読み取った際の前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)の位置(例えば、図3(b)~(c)に示す店舗tbl_Sa、店舗tbl_Ma、店舗tbl_Oa)を前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)から受信し、
前記共有サーバ(例えば、図1に示す共有サーバ1a)は、さらに前記位置(例えば、図3(b)~(c)に示す店舗tbl_Sa、店舗tbl_Ma、店舗tbl_Oa)を取得し、結合して前記所定の端末画面(例えば、図4に示す端末画面P)に表示(例えば、図4に示す作業一覧画面6)させてなることを特徴としている。
【0014】
また、請求項3の発明に係る設備管理システムは、
前記事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)は、さらに、前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)が前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を読み取った際の日付(日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)をタイムスタンプとして前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)から受信し、これを前記作業を行った日付(例えば、図3(b)~(c)に示す日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)として記憶してなることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4の発明に係る設備管理システムは、
前記識別タグ(例えば、図1に示すバーコード5b)は、一次元バーコードおよび二次元バーコードのうちの少なくともいずれか一つであることを特徴としている。
【0016】
また、請求項5の発明に係る設備管理システムは、
前記(例えば、図1に示すアクティブRFID5a)は、アクティブRFIDタグであることを特徴としている。
【0017】
また、請求項6の発明に係る設備管理システムは、
前記共有サーバ(例えば、図1に示す共有サーバ1a)は、さらに、前記複数の事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)に記憶される前記作業記録(例えば、図3(b)~(c)に示す施設員テーブルTBL_S、メンテナンス業者テーブルTBL_M、施設所有者テーブルTBL_O)において、所定の内容の前記作業を行う回数が、所定期間内に所定回数に達する場合、点検作業を提案してなる(例えば、図4に示す表示6h)ことを特徴としている。
【0018】
また、請求項7の発明に係る設備管理システムは、
同じ設備(例えば、図1に示す設備5)を保守管理する複数の事業者が使用する読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)と、当該複数の事業者に対応する複数の事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)と、当該複数の事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)が共有する共有サーバ(例えば、図1に示す共有サーバ1a)と、がネットワーク(例えば、図1に示すネットワークN)を介して接続されている設備管理方法において、
前記複数の事業者が前記設備(例えば、図1に示す設備5)に対し作業を行うにあたり、前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)を用いて、前記設備(例えば、図1に示す設備5)に取り付けられている、前記設備(例えば、図1に示す設備5)を識別する識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を保持した識別タグ(例えば、図1に示すアクティブRFID5a、バーコード5b)を読み取り、作業を行った前記複数の事業者に対応する前記事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)に前記読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)を用いて送信するステップと、
受信した前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を含み、さらに、前記作業の内容(例えば、図3(b)~(c)に示す作業tbl_Sd、作業tbl_Md、作業tbl_Od)及び前記作業を行った日付(例えば、図3(b)~(c)に示す日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)を含んだ作業記録(例えば、図3(b)~(c)に示す施設員テーブルTBL_S、メンテナンス業者テーブルTBL_M、施設所有者テーブルTBL_O)を記憶するステップと、
前記複数の事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)のうち2以上の事業者サーバから、少なくとも前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)、前記作業の内容(例えば、図3(b)~(c)に示す作業tbl_Sd、作業tbl_Md、作業tbl_Od)及び前記作業を行った日付(例えば、図3(b)~(c)に示す日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)を取得し、結合して所定の端末画面(例えば、図4に示す端末画面P)に表示(例えば、図4に示す作業一覧画面6)させるステップと、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
請求項1、7に係る発明によれば、共有サーバ(例えば、図1に示す共有サーバ1a)は、各事業者が行った作業に係る作業記録(例えば、図3(b)~(c)に示す施設員テーブルtbl_S、メンテナンス業者テーブルtbl_M、施設所有者テーブルtbl_O)について、少なくとも識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)、作業の内容(例えば、図3(b)~(c)に示す作業tbl_Sd、作業tbl_Mb、作業tbl_Od)、日付(例えば、図3(b)~(c)に示す日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)を、各事業者サーバ(例えば、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)から取得し、結合して出力(例えば、図4に示す作業一覧画面6)することができる。しかも、設備(例えば、図1に示す設備5)は共通する識別子(例えば、図3(a)に示す機器IDtbl_Ka)により特定できるから、複数の事業者の行った作業につき、少なくともその概要を容易に一元的に把握することができる。
【0021】
もって、本発明によれば、データベースを簡便に統合し、管理業務を容易にする設備管理システムを提供することができる。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)の位置(例えば、図3(b)~(c)に示す店舗tbl_Sa、店舗tbl_Ma、店舗tbl_Oa)を知ることができるから、行われた作業についてより詳しく知ることができる。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、前記識別子(例えば、図3(b)~(c)に示す機器IDtbl_Sb、機器IDtbl_Mb、機器IDtbl_Ob)を読み取った際の日付(例えば、図3(b)~(c)に示す日付tbl_Sc、日付tbl_Mc、日付tbl_Oc)をタイムスタンプとして受信するから、信頼性の高い日付を得ることができる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、読取装置(例えば、図1に示すハンディターミナル3)により、1つの識別タグ(例えば、図1に示すバーコード5b)を確実に個別に読み取ることができる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、読取装置(例えば、図1に示すアクセスポイント2、ハンディターミナル3)により、複数の識別タグ(例えば、図1に示すアクティブRFID5a)を一括して読み取ることができる。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、修理の作業が複数回発生したなど、行われた作業の回数により、設備(例えば、図1に示す設備5)の状態が悪くなっている可能性があると判断できる場合には、点検作業を提案する(例えば、図4に示す表示6h)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る設備管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2】(a)は同実施形態に係る図1に示す共有サーバのデータ処理部を示すブロック図、(b)は同実施形態に係る図1に示す施設員サーバのデータ処理部を示すブロック図である。
図3】(a)~(d)は図1の各サーバに格納されているデータテーブルを示す図である。
図4図3(a)~(d)に示す各データテーブルのデータを結合して表示された、作業一覧画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る設備管理システムの一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0029】
<全体システムの説明>
設備管理システムは、図1に示すように、アクセスポイント2、ハンディターミナル3、と、共有サーバ1aと、施設員サーバ1bと、メンテナンス業者サーバ1cと、施設所有者サーバ1dとが、ネットワークNを介して接続されている。アクセスポイント2、ハンディターミナル3は、施設4、処分場40あるいは修理保管所41に存在する設備5に取り付けられたアクティブRFID5aやバーコード5bの読み取りに使用される。
【0030】
<アクティブRFID、およびバーコードの説明>
アクティブRFID5a、バーコード5bは、図1に示すように、設備5に取り付けられ、設備5を一義的に識別する機器ID(図3(a)参照)を保持する。これらアクティブRFID5a、バーコード5bは、後述のアクセスポイント2,ハンディターミナル3により機器ID(図3(a)参照)を読み取られる。
【0031】
なお、アクティブRFID5aは、保持する情報を数十メートル~数百メートルの広い範囲に送信することができるから、複数の設備5の機器ID(図3(a)参照)を一括して受信したいときに適している。一方、バーコード5bは、隣接する設備5のRFID信号を意図せず受信することがないので、ある1つの設備5の機器ID(図3(a)参照)を読み取りたいときに適している。
【0032】
そのため、本実施形態においては、点検や棚卸など、複数の設備5を作業対象とする場合はアクセスポイント2にてアクティブRFID5aを受信し、一方、修理や廃棄など、ある1つの設備5を作業対象とする場合はハンディターミナル3にてバーコード5bを読み込ませている。しかしながら、もちろんこれに限定されるものではない。
【0033】
<アクセスポイントの説明>
アクセスポイント2は、図1に示すように、設備5に取り付けられたアクティブRFID5aが保有する機器ID(図3(a)参照)を、RFID信号受信部22にてRFID信号により受信し、制御部20にてアクセスポイント2の位置と、受信した日付を付加し、通信部21にて図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、あるいは施設所有者サーバ1dのいずれかに送信するものである。
【0034】
いずれのサーバに送信するかは、予めアクセスポイント2にIPアドレスなどにより設定されている。
【0035】
なお、アクセスポイント2の位置は、アクセスポイント2が内蔵するGPS(図示せず)により緯度経度を取得し、これをアクセスポイント2の位置として該当するサーバに送信する。これを受信したサーバは、例えば緯度経度と店舗(店舗内の位置)とを変換するための変換テーブルを予め用意しておくなどして、緯度経度を店舗(店舗内の位置)に変換する。
【0036】
また、受信した日付は、ネットワークN上のタイムスタンプ局(図示せず)からタイムスタンプを取得し、これを機器ID(図3(a)参照)を受信した日付として該当するサーバに送信する。これにより、信頼性の高い日付を送信することができる。
【0037】
<ハンディターミナルの説明>
ハンディターミナル3は、図1に示すように、設備5に取り付けられたバーコード5bが保有する機器ID(図3(a)参照)を2次元コード読取部32にて読み取り、制御部30にてハンディターミナル3の位置と、読み取った日付を付加し、通信部31にて図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、あるいは施設所有者サーバ1dのいずれかに送信するものである。
【0038】
なお、アクセスポイント2と同様に、いずれのサーバに送信するかは、予めIPアドレスなどにより設定されている。また、ハンディターミナル3の位置と、読み取った日付は、アクセスポイント2と同様に、GPS機能やタイムスタンプ局を利用すればよい。
【0039】
<共有サーバの説明>
共有サーバ1aは、図1に示すように、CPU等からなる制御部10aと、無線LAN,有線LAN,ダイヤルアップ等の通信手段でネットワークNに接続が可能な通信部11aと、共有データベース12aとで構成されている。
【0040】
共有データベース12aには、設備5のマスターテーブルである機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)が格納されている。
【0041】
以下、制御部10aについて、図2(a)を参照して具体的に説明する。
【0042】
<制御部の説明>
図2(a)に示すように、制御部10aは、判断部10a1と、初期登録部10a2と、作業一覧表示部10a3と、点検提案部10a4と、で構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0043】
<判断部の説明>
判断部10a1は、判断部10a1が保持する状態または、各機能ブロックが保持する状態に基づいて、各機能ブロック間との情報をやり取りすると共に、通信部11aを介して、アクセスポイント2、ハンディターミナル3との情報をやり取りし、さらに、共有データベース12aとのやり取りも行うものである。
【0044】
<初期登録部の説明>
初期登録部10a2は、設備5のマスターテーブルとなる機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)の作成を行うものである。
【0045】
具体的には、初期登録部10a2は、新しい設備5が導入された場合に、その設備5のバーコード5bからハンディターミナル3にて読み取った機器IDに、ハンディターミナル3の位置と、読み取った日付を付加したものを、ハンディターミナル3から受信する。そして、受信した機器IDを機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)の機器IDtbl_Kaに、受信した日付を機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)の設置日tbl_Kcに、受信した位置(緯度経度)を店舗や店舗内に変換したものを機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)の店舗tbl_Kd及び設置場所tbl_Keに記憶する。
【0046】
なお、機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)の上記以外の各フィールド、すなわち、設備5の名称を示す名称tbl_Kb、設備5の型式を示す型式tbl_Kf、設備5の製造番号を示す製造番号tbl_Kg、その他のフィールドtbl_Khへの入力は手動で行っても良いし、図示しない別のアプリケーションにより自動でされても良い。さらに、アクセスポイント2あるいはハンディターミナル3に作業内容やその他のデータを設定しておき、アクセスポイント2あるいはハンディターミナル3から受信しても良い。
【0047】
こうすることにより、初期登録部10a2は、機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)を作成することとなる。
【0048】
なお、機器情報テーブルtbl_K(図3(a)参照)は、棚卸作業において、設備5の設置場所を照合するのに使用する事ができる。すなわち、例えば、A店にて棚卸作業をする場合、A店にてアクセスポイント2を用いて設備5のアクティブRFID5aを読み取り、機器情報テーブルtbl_Kで店舗tbl_Kdが「A店」である機器IDtbl_Kaと照合することができる。このとき、A店にてアクセスポイント2を用いて設備5のアクティブRFID5aを読み取ったが、機器IDtbl_Ka「ID01A」がA店にて読み取ることができない場合、他の店舗に移動したことを考慮し、他の店舗でアクセスポイント2を用いて設備5のアクティブRFID5aを読み取ることもできる。もって、棚卸作業を容易に行うことができる。
【0049】
<作業一覧表示部の説明>
作業一覧表示部10a3は、施設員、メンテナンス業者または施設所有者が、図示しないPCやスマートフォン等の端末を用いて、共有サーバ1aに対し作業一覧表の表示を指示したときに、図1に示す施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dが記憶する作業記録のうち所定の情報を取得し、図4に示す作業一覧画面6を生成し、施設員、メンテナンス業者または施設所有者の端末の端末画面(図4参照)に表示させるものである。
【0050】
具体的には、施設員サーバ1bに記憶されている施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の、店舗tbl_Sa、機器IDtbl_Sb、日付tbl_Sc、及び作業tbl_Sdに記憶されている情報を取得する。
【0051】
同様に、メンテナンス業者サーバ1cに記憶されているメンテナンス業者テーブルtbl_M(図3(c)参照)の、店舗tbl_Ma、機器IDtbl_Mb、日付tbl_Mc、及び作業tbl_Mdに記憶されている情報を取得する。
【0052】
さらに同様に、施設所有者サーバ1dに記憶されている施設所有者テーブルtbl_O(図3(d)参照)の、店舗tbl_Oa、機器IDtbl_Ob、日付tbl_Oc、及び作業tbl_Odに記憶されている情報を取得する。
【0053】
そして、取得した情報を時系列順に、作業一覧画面6上の対応する欄に表示させる。すなわち、施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の店舗tbl_Sa、メンテナンス業者テーブルtbl_M(図3(c)参照)の店舗tbl_Ma、施設所有者テーブルtbl_O(図3(d)参照)の店舗tbl_Oaから取得した情報は店舗欄6aに表示させる。
【0054】
また、施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の機器IDtbl_Sb、メンテナンス業者テーブルtbl_M(図3(c)参照)の機器IDtbl_Mb、施設所有者テーブルtbl_O(図3(d)参照)の機器IDtbl_Ob、から取得した情報は機器ID欄6bに表示させる。なお、機器IDは機器情報テーブルTBL_K(図3(a)参照)にて機械の名称等に変換して表示しても良い。
【0055】
また、施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の日付tbl_Sc、メンテナンス業者テーブルtbl_M(図3(c)参照)の日付tbl_Mc、施設所有者テーブルtbl_O(図3(d)参照)の日付tbl_Oc、から取得した情報は、当該情報の取得元のサーバ(施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)に応じて日付欄6c1、6d1、または6e1に表示させる。
【0056】
また、施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の作業tbl_Sd、メンテナンス業者テーブルtbl_M(図3(c)参照)の作業tbl_Md、施設所有者テーブルtbl_O(図3(d)参照)の作業tbl_Odから取得した情報は、当該情報の取得元のサーバ(施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1d)に応じて日付欄6c2、6d2、または6e2に、表示させる。
【0057】
さらに、作業一覧表示部10a3は、図4に示すレコードR3(すなわち、メンテナンス業者の作業記録)が、機器IDがID03BであるB店の設備5が廃棄されたことを示すことに基づき、施設所有者の作業記録に基づきB店の棚卸作業を表示する箇所に、表示6gのように、ID03Bが廃棄されたことを追加で表示させる。
【0058】
こうすることにより、作業一覧表示部10a3は、図4に示す作業一覧画面6を生成する。
<点検提案部の説明>
【0059】
点検提案部10a4は、所定の内容の作業(本実施形態においては修理)が所定期間内(本実施形態においては1年)に所定回数(本実施形態においては2回)に達した場合、作業一覧画面6に表示6hを表示させ、点検作業を提案するものである。
【0060】
具体的には、点検提案部10a4は、1年以内に修理作業またはその要請が2回発生した(図4のレコードR4とレコードR6参照)ことに基づき、令和4年12月20日にA店の全ての設備5の点検作業を提案する表示6hを作業一覧画面6上に表示させる。
【0061】
なお、図示しないが、同一設備について、所定期間内に所定回数の修理作業またはその要請が発生したことに基づき、施設員の作業記録に基づき作業内容を表示する箇所に、表示6hのように、その同一設備についてのみ点検作業の提案を表示させてもよい。
【0062】
<施設員サーバ、メンテナンス業者サーバ、施設所有者サーバ>
次に、上記のような共有サーバ1aが、作業一覧画面6を表示させるにあたり必要となる情報を格納する施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dについて説明する。この3つのサーバは、構成が似ていることから、まず施設員サーバ1bについて説明し、次にメンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dについて、施設員サーバ1bと相違する点について説明する。
【0063】
<施設員サーバ>
施設員サーバ1bは、図1に示すように、CPU等からなる制御部10bと、無線LAN,有線LAN,ダイヤルアップ等の通信手段でネットワークNに接続が可能な通信部11bと、データベース12bとで構成されている。
【0064】
データベース12bには、図3(b)に示す施設員テーブルtbl_Sが記憶されている。
【0065】
以下、施設員サーバ1bの制御部10bについて、図2(b)を参照して具体的に説明する。
【0066】
<制御部の説明>
図2(b)に示すように、制御部10bは、判断部10b1と、作業記録受け付け部10b2と、で構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0067】
<判断部の説明>
判断部10b1は、判断部10b1が保持する状態または、各機能ブロックが保持する状態に基づいて、各機能ブロック間との情報をやり取りすると共に、通信部11bを介して、アクセスポイント2、ハンディターミナル3との情報をやり取りし、さらに、データベース12bとのやり取りも行うものである。
【0068】
<作業記録受け付け部>
作業記録受け付け部10b2は、施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の作成を行うものである。すなわち、施設員が設備5に対し作業を行うにあたり、アクセスポイント2またはハンディターミナル3にて読み取った機器IDに、アクセスポイント2またはハンディターミナル3の位置と、読み取った日付を付加したものを、受信する。そして、受信した位置(緯度経度)を店舗に変換したものを施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の店舗tbl_Saに、受信した機器IDを機器IDtbl_Sbに、受信した日付を日付tbl_Scに、記憶する。
【0069】
なお、施設員が、アクセスポイント2を使用し、図3(b)のレコードR1に示すように、施設4に設置するすべての設備5の機器IDを取得した場合、作業記録受け付け部10b2は、施設員テーブルtbl_SのレコードR1のように、「全数」と記憶しても良い。例えば、機器情報テーブルTBL_K(図3(a)参照)の店舗TBL_Kdが所定場所(例えば「A店」)である設備5の機器IDを所定時間の間にすべて受信した場合、「全数」と記憶しても良い。あるいは、アクティブRFID5aは、保持する情報を数十メートル~数百メートルの広い範囲にRFID信号を送信するものであるから、アクセスポイント2からの受信であることに基づき、「全数」としてもよい。
【0070】
また、施設員テーブルtbl_S(図3(b)参照)の上記以外の各フィールド、すなわち、作業内容tbl_Sdには、施設員の作業内容(例えば「点検」)を入力する。また、その他のフィールドtbl_Seは、共有サーバ1aに公開しないその他のデータ(たとえば、点検者の氏名)を入力することができる。さらに、点検作業の結果、設備5に修理が必要と判断された場合、施設員テーブルtbl_SのレコードR1のように、「ID04B修理要請」などと追記することができる。
【0071】
これらの入力・追記は、手動で行っても良いし、図示しない別のアプリケーションにより自動でされても良い。さらに、アクセスポイント2あるいはハンディターミナル3に作業内容やその他のデータを設定しておき、アクセスポイント2あるいはハンディターミナル3から受信しても良い。
【0072】
<メンテナンス業者サーバの説明>
メンテナンス業者サーバ1cは、施設員サーバ1bの構成とほとんど同一であるが、データベース12cには施設員テーブルtbl_Sではなくメンテナンス業者テーブルtbl_Mが格納されている点が相違する。
【0073】
なお、メンテナンス業者テーブルtbl_MのレコードR2-1は、メンテナンス業者が、機器IDがID03Bである設備5を、図1に示す修理保管所41に運び入れたことを示す。例えば、メンテナンス業者が、修理保管所41においてハンディターミナル3にて修理保管所41に運び入れた設備5のバーコード5bを読み取ることで、レコードR2-1のような作業記録が作成される。
【0074】
また、メンテナンス業者テーブルtbl_MのレコードR2-2は、メンテナンス業者が、機器IDがID03Bである設備5を、図1に示す修理保管所41から(レコートR2-1参照)処分場40に運び入れたことを示す。例えば、メンテナンス業者が、処分場40においてハンディターミナル3にて処分場40に運び入れた設備5のバーコード5bを読み取ることで、レコードR2-2のような作業記録が作成される。
【0075】
このように、ハンディターミナル3がバーコード5bを読み取った際のハンディターミナル3の位置を作業記録に記憶すると、行われた作業についてより詳しく知ることができる。
【0076】
また、このような、設備5が図1に示す処分場40に運び込まれたことの作業記録は、特に、設備5が、フロン類以外の物質が冷媒に使用された冷凍空調機器の場合に有効である。冷凍空調機器は、冷媒としてフロン類を用いるものと、天然ガス等別の物質を用いるものに大別される。前者はフロン規制法により、廃棄方法が定められている。一方、後者には規制がなく、そのため廃棄時の冷媒回収がなされない場合がある。しかし、プロパンなどの可燃性ガスやアンモニアなどの毒性ガスは危険であるから、そのような物質が使用された冷凍空調機器の廃棄時には、処分場などで冷媒が回収されることが好ましい。
【0077】
そのため、設備5がフロン類以外の物質が冷媒に使用された冷凍空調機器が、処分場40に運び入れられた作業記録により、冷媒が回収されたとみなし、その他のフィールドTBL_Khに冷媒が回収されたことを記録しても良い。
【0078】
<施設所有者サーバの説明>
施設所有者サーバ1dは、施設員サーバ1bの構成とほとんど同一であるが、データベース12dには施設員テーブルtbl_Sではなく施設所有者テーブルtbl_Oが格納されている点が相違する。
【0079】
上記のようにして、施設員サーバ1bの施設員テーブルtbl_S、メンテナンス業者サーバ1cのメンテナンス業者テーブルtbl_M、施設所有者サーバ1dの施設所有者テーブルtbl_Oに、作業記録が蓄積されることとなる。
【0080】
<設備管理システムの使用例の説明>
次に、同じ設備5を保守管理する施設員、メンテナンス業者または施設所有者が、上記のような設備管理システムにて作業一覧を確認する方法について、図4を参照して具体的に説明する。なお、以下の内容はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。
【0081】
まず、施設員、メンテナンス業者または施設所有者が、図示しないPCやスマートフォン等の端末を用いて、共有サーバ1aに、作業一覧画面6の表示を指示する。これにより、共有サーバ1aの作業一覧表示部10a3が、図4に示すように、図示しないPCやスマートフォン等の端末の端末画面Pに、作業一覧画面6を表示する。
【0082】
例えば、レコードR8により、メンテナンス業者が、修理のついでにB店の設備5について点検作業を行ったことが把握できる。このため、施設員は、B店の設備5について、7月に予定していた点検作業をする必要がないことがわかる。
【0083】
また、レコードR5により、施設所有者がB店の全ての設備5について棚卸作業と同時に点検作業を行ったことが把握できる。
【0084】
このため、施設員は、B店の設備5について、12月に予定していた棚卸作業と点検作業をする必要がないことがわかる。このように、事業者間で、作業を重複して行うことを回避することができる。
【0085】
また、ID03Bが廃棄されたことの表示6gにより、施設所有者はメンテナンス業者からの連絡を受けずともID03Bが廃棄したことを知ることができるから、棚卸作業を滞りなくすすめることができる。
【0086】
また、点検作業を提案する表示6hにより、施設員は、メンテナンス業者からの連絡を受けずとも点検作業の必要性を知ることができる。
【0087】
なお、点検提案部10a4は、表示6hを表示させるとともに、メンテナンス業者に対し修理の自動発注を行ようにしてもよい。この自動発注は、例えば、共有サーバ1aに予めメンテナンス業者のEメールアドレスや電話番号と、メンテナンス業者の対応可能な設備5の種類を記憶しておけばよい。そして、点検提案部10a4は、修理を行った機器IDに基づき設備5の名称や型式等を参照し(図3(a)参照)、それによって連絡するメンテナンス業者を決定し、機器ID、設置場所、型式等の情報(図3(a)参照)とともに修理要請の旨のEメールやSNSを送信することで、行うことができる。
【0088】
ところで、図4に示すレコードR6の修理要請に従い、レコードR7に示すように、メンテナンス業者が修理作業を行ったことが表示される。このとき、メンテナンス業者から修理した設備5の報告を受けた施設員は、報告された設備5と、実際に修理した設備5が一致するかどうかの承認をする必要がある。しかしながら、レコードR7を見れば、表示される「ID04A」(修理作業にあたり、メンテナンス業者がハンディターミナル3などで読み取った機器ID)という共通の機器IDにて、施設員は修理対象となった設備5を特定できる。このため、報告された設備5と、実際に修理した設備5が一致するかどうかの承認をするにあたり、施設員が実際に修理された設備5を見に行く必要がない。
【0089】
レコードR4とレコードR6を確認し、A店において、メンテナンス業者による修理作業が1年以内に2回に達したことに基づき、施設員に点検作業を提案する表示6hを作業一覧画面6上に表示させる。こうすることにより、状態が悪くなっている可能性があるA店の設備5について、点検を提案することができる。
【0090】
以上のように、本発明においては、まず、施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dは、設備5に取り付けられたアクティブRFID5a等から読み出された共通の機器IDを含む作業記録を蓄積する。そして、共有サーバ1aが、施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dの作業記録のうち、その共通の機器IDを含む所定の情報を取得し、それらを一覧として結合して表示させる。
【0091】
このため、各事業者は、互いの作業の概要を容易に知ることになり、重複した作業を行うことを回避できる。また、作業の対象となった機器を容易に特定できる。
【0092】
もって、本発明によれば、データベースを簡便に統合し、管理業務を容易にする設備管理システムを提供することができる。
【0093】
なお、本実施形態において示した内容等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0094】
例えば、本実施形態においては、図1に示すように、共有サーバ1a、施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dはそれぞれ別のサーバとして設けられているが、この全部または一部を1つのサーバ内に構築してもよい。
【0095】
また、本実施形態においては、共有サーバ1aは施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dの全てから情報を取得しているが、例えば施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1cなど、一部の2以上のサーバのみから取得することとしても良い。
【0096】
また、本実施形態においては、アクセスポイント2やハンディターミナル3の位置をGPSで取得し、送信しているが、場所(例えば「A店」「食品売り場」など)をアクセスポイント2やハンディターミナル3に設定しておき、これを送信してもよい。また、共有サーバ1aの機器情報テーブルTBL_Kを参照して設備5の設置場所がわかるため、アクセスポイント2、ハンディターミナル3は必ずしも位置を送信しなくて良い。ただし、作業は必ずしも設置場所で行われず、また、設置場所が意図せず機器情報テーブルTBL_Kから変わってしまっている場合もあるため、位置を送信することが好ましい。
【0097】
同様に、本実施形態においては、アクセスポイント2やハンディターミナル3がタイムスタンプを送信しているが、アクセスポイント2やハンディターミナル3の内蔵時計から取得し、これを送信してもよい。あるいは、施設員サーバ1b、メンテナンス業者サーバ1c、施設所有者サーバ1dが、サーバ内の時刻を取得しても良い。
【0098】
また、本実施形態においては、施設4は「A店」「B店」の複数の場合を示したが、施設は1箇所でもよい。また、商業施設、オフィスビル、遊園地などどのような施設でもよい。
【0099】
また、本実施形態においては、設備5の種類はなんでもよく、例えば給排水設備、電気設備、消防設備、冷凍空調機器でもよい。また、これらのうち1種類でも複数種類でもよい。
【0100】
また、本実施形態においては、機器IDを保持する媒体としてアクティブRFID5a、バーコード5bを使用したが、これに限られない。例えばパッシブRFID、ICタグなどでも良い。
【符号の説明】
【0101】
1a 共有サーバ
1b 施設員サーバ(事業者サーバ)
1c メンテナンス業者サーバ(事業者サーバ)
1d 施設所有者サーバ(事業者サーバ)
2 アクセスポイント(読取装置)
3 ハンディターミナル(読取装置)
5 設備
5a アクティブRFID(識別タグ)
5b バーコード(識別タグ)
TBL_S 施設員テーブル(データベース)
TBL_Sa 店舗(位置情報)
TBL_Sb 機器ID(識別子)
TBL_Sc 日付
TBL_Sd 作業内容
TBL_M メンテナンス業者テーブル(データベース)
TBL_Ma 店舗(位置情報)
TBL_Mb 機器ID(識別子)
TBL_Mc 日付
TBL_Md 作業内容
TBL_O 施設所有者テーブル(データベース)
TBL_Oa 店舗(位置情報)
TBL_Ob 機器ID(識別子)
TBL_Oc 日付
TBL_Od 作業内容
図1
図2
図3
図4