(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027811
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】身体ケア処理装置、身体ケア処理システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A45D 26/00 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
A45D26/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130936
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】筑井 学
(57)【要約】
【課題】体毛処理等の身体ケアを容易に行えるようにする。
【解決手段】身体ケア装置は、一対のアーム部と、撮像部と、送信部と、を備える。一対のアーム部は、先端部による対象物の挟持と切断とのうち少なくとも一方が可能である。撮像部は、先端部を含む所定範囲を撮像可能である。送信部は、撮像部によって撮像された撮像画像を撮像画像を表示可能な端末に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部による対象物の挟持と切断とのうち少なくとも一方が可能な一対のアーム部と、
前記先端部を含む所定範囲を撮像可能な撮像部と、
前記撮像部によって撮像された撮像画像を、前記撮像画像を表示可能な端末に送信する送信部と、
を備えた身体ケア装置。
【請求項2】
前記撮像部と、前記送信部と、を有した撮像ユニットを備え、
前記撮像ユニットは、前記一対のアーム部における前記先端部とは反対側に設けられた、
請求項1に記載の身体ケア装置。
【請求項3】
前記先端部に向けて光を発する発光部を備えた、
請求項1に記載の身体ケア装置。
【請求項4】
電源である電池を収容する電池収容部を備えた、
請求項1に記載の身体ケア装置。
【請求項5】
ジャイロセンサおよび加速度センサの少なくとも一方を備えた、
請求項1に記載の身体ケア装置。
【請求項6】
前記一対のアーム部と前記撮像ユニットとは、着脱可能である、
請求項2に記載の身体ケア装置。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか一項に記載の身体ケア装置と、
前記端末のコンピュータに実行させるためのプログラムと、
を備え、
前記プログラムは、
前記送信部からの前記撮像画像を受信し、受信した前記撮像画像を前記端末の表示部に表示させる、
ことを前記コンピュータに実行させる、
身体ケアシステム。
【請求項8】
前記撮像画像は、上下反転と、左右反転と、角度変更とのうち一つ以上が可能である、
請求項7に記載の身体ケアシステム。
【請求項9】
前記プログラムは、
上下左右方向のうち少なくとも一つの方向を示す方向表示を前記表示部に表示させる、ことを前記コンピュータに実行させる、
請求項7に記載の身体ケアシステム。
【請求項10】
前記プログラムは、
前記身体ケア装置の動作に関する場所と前記身体ケア装置の動作に関する日時とのうち少なくとも一方を記憶部に記憶させる、ことを前記コンピュータに実行させる、
請求項7に記載の身体ケアシステム。
【請求項11】
前記プログラムは、
前記身体ケア装置の動作に関する日時を前記記憶部に記憶させる、ことと、
前記記憶部に記憶された前記日時から第1の時間が経過した場合に、身体ケアに関する通知を行う、ことと、を前記コンピュータに実行させる、
請求項10に記載の身体ケアシステム。
【請求項12】
前記プログラムは、
前記撮像画像を記憶部に記憶させる、ことを前記コンピュータに実行させる、
請求項7に記載の身体ケアシステム。
【請求項13】
請求項1~6のうちいずれか一項に記載の身体ケア装置の前記送信部と通信可能な端末のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記送信部からの前記撮像画像を受信し、受信した前記撮像画像を前記端末の表示部に表示させる、ことを前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
前記撮像画像は、上下反転と、左右反転と、角度変更とのうち一つ以上が可能である、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
上下左右方向のうち少なくとも一つの方向を示す方向表示を前記表示部に表示させる、ことを前記コンピュータに実行させるための請求項13に記載のプログラム。
【請求項16】
身体ケア装置の動作に関する場所と身体ケア装置の動作に関する日時とのうち少なくとも一方を記憶部に記憶させる、ことを、前記コンピュータに実行させるための請求項13に記載のプログラム。
【請求項17】
身体ケア装置の動作に関する日時を前記記憶部に記憶させる、ことと、
前記記憶部に記憶された前記日時から第1の時間が経過した場合に、身体ケアに関する通知を行う、ことと、を前記コンピュータに実行させるための請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記撮像画像を記憶部に記憶させる、ことを、前記コンピュータに実行させるための請求項13に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、身体ケア処理装置、身体ケア処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人が頭に生えた白髪を自分で除去する場合に、例えば毛抜きで白髪を挟んで抜くことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
後頭部や側頭部等に生えた白髪等の不要な体毛を毛抜きで抜く場合には、例えば、人は鏡を見ながら毛抜きで白髪等の不要な体毛を挟む。しかしながら、このような直接目で確認し難い位置にある体毛等は見つけ難く、また、鏡を用いてこれらを処理することは困難である。
【0005】
本発明が解決する課題は、体毛処理等の身体ケアを容易に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る身体ケア装置は、一対のアーム部と、撮像部と、送信部と、を備える。前記一対のアーム部は、先端部による対象物の挟持と切断とのうち少なくとも一方が可能である。前記撮像部は、前記先端部を含む所定範囲を撮像可能である。前記送信部は、前記撮像部によって撮像された撮像画像を、前記撮像画像を表示可能な端末に送信する。
【0007】
前記身体ケア装置は、例えば、撮像ユニットを備える。前記撮像ユニットは、前記撮像部と、前記送信部と、を有する。前記撮像ユニットは、前記一対のアーム部における前記先端部とは反対側に設けられている。
【0008】
前記身体ケア装置は、例えば、発光部を備える。前記発光部は、前記先端部に向けて光を発する。
【0009】
前記身体ケア装置は、例えば、電池収容部を備える。前記電池収容部は、電源である電池を収容する。
【0010】
前記身体ケア装置は、例えば、ジャイロセンサおよび加速度センサの少なくとも一方を備える。
【0011】
前記身体ケア装置は、例えば、前記一対のアーム部と前記撮像ユニットとは、着脱可能である。
【0012】
本発明の実施形態に係る身体ケアシステムは、前記身体ケア装置と、前記端末のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を備える。前記プログラムは、前記送信部からの前記撮像画像を受信し、受信した前記撮像画像を前記端末の表示部に表示させる、ことを前記コンピュータに実行させる。
【0013】
前記身体ケアシステムでは、例えば、前記撮像画像は、上下反転と、左右反転と、角度変更とのうち一つ以上が可能である。
【0014】
前記身体ケアシステムでは、例えば、前記プログラムは、上下左右方向のうち少なくとも一つの方向を示す方向表示を前記表示部に表示させる、ことを前記コンピュータに実行させる。
【0015】
前記身体ケアシステムでは、例えば、前記プログラムは、前記身体ケア装置の動作に関する場所と前記身体ケア装置の動作に関する日時とのうち少なくとも一方を記憶部に記憶させる、ことを前記コンピュータに実行させる。
【0016】
前記身体ケアシステムでは、例えば、前記プログラムは、前記身体ケア装置の動作に関する日時を前記記憶部に記憶させる、ことと、前記記憶部に記憶された前記日時から第1の時間が経過した場合に、身体ケアに関する通知を行う、ことと、を前記コンピュータに実行させる。
【0017】
前記身体ケアシステムでは、例えば、前記プログラムは、前記撮像画像を記憶部に記憶させる、ことを前記コンピュータに実行させる。
【0018】
本発明の実施形態に係る身体ケアシステムは、前記身体ケア装置の前記送信部と通信可能な端末のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記送信部からの前記撮像画像を受信し、受信した前記撮像画像を前記端末の表示部に表示させる、ことを前記コンピュータに実行させる。
【0019】
前記プログラムでは、例えば、前記撮像画像は、上下反転と、左右反転と、角度変更とのうち一つ以上が可能である。
【0020】
前記プログラムは、例えば、上下左右方向のうち少なくとも一つの方向を示す方向表示を前記表示部に表示させる、ことを前記コンピュータに実行させる。
【0021】
前記プログラムは、前記身体ケア装置の動作に関する場所と前記身体ケア装置の動作に関する日時とのうち少なくとも一方を記憶部に記憶させる、ことを、前記コンピュータに実行させる。
【0022】
前記プログラムは、例えば、前記身体ケア装置の動作に関する日時を前記記憶部に記憶させる、ことと、前記記憶部に記憶された前記日時から第1の時間が経過した場合に、身体ケアに関する通知を行う、ことと、を前記コンピュータに実行させる。
【0023】
前記プログラムは、例えば、前記撮像画像を記憶部に記憶させる、ことを、前記コンピュータに実行させる。
【0024】
以上の身体ケア装置、身体ケアシステム、およびプログラムによれば、体毛処理等の身体ケアを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る身体ケアシステムの一例を示すシステム構成図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る身体ケア装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1の本実施形態に係る端末の制御部の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る端末で表示される撮像画像表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る身体ケア装置の一例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る身体ケア装置の一例を示す側面図である。
【
図10】
図10は、第3の実施形態に係る身体ケア装置の一例を示す平面図である。
【
図11】
図11は、第4の実施形態に係る身体ケア装置の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る身体ケア装置、身体ケアシステム、およびプログラムの実施形態について説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素および当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素およびその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0027】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0028】
<第1の実施形態>
(身体ケアシステム1の構成)
図1は、第1の実施形態に係る身体ケアシステム1の一例を示すシステム構成図である。
図1に示されるように、身体ケアシステム1は、身体ケア装置10と、端末100と、を備える。
【0029】
身体ケア装置10と端末100とは、無線通信可能に接続される。無線通信形式は、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等であってよい。なお、身体ケア装置10と端末100とは、外部のサーバ装置やネットワークを介して接続されてもよい。また、身体ケア装置10と端末100を、例えばUSBケーブル等といった通信ケーブルを介して有線通信可能に接続するように構成してもよい。
【0030】
本実施形態では、身体ケア装置10は、人の身体すなわち人体の体毛の処理等の身体ケア(身体の手入れ)が可能である。体毛の処理は、例えば体毛を挟持しての抜きである。なお、身体ケアは、身体に刺さった刺を挟持しての抜き等であってもよい。また、身体ケア装置10は、体毛等を撮像することが可能であるとともに、撮像した撮像画像を上述のように通信可能に接続された端末100に送信可能である。端末100は、例えば、いわゆるスマートフォンやタブレット等の高機能携帯電話、プロジェクターやモニター等の画像表示装置、又は、パーソナルコンピューター等である。端末100は、身体ケア部11から送信された撮像画像を受信し、当該撮像画像を表示することができる。体毛および刺は、対象物の一例である。
【0031】
(身体ケア装置10の構成)
次に、身体ケア装置10の詳細について説明する。
図1に示されるように、身体ケア部11は、身体ケア部11と、撮像ユニット12と、を備える。身体ケア部11と撮像ユニット12とは、着脱可能に結合している。ここで、本実施形態では、第1の方向D1が定義されている。第1の方向D1は、身体ケア装置10の長手方向(長さ方向)に沿う。
【0032】
身体ケア部11は、一対のアーム部21A,21Bと、接続部22と、を有する。以後、アーム部21A,21Bの総称としてアーム部21を用いる。身体ケア部11は、例えば毛抜き具である。身体ケア部11は、身体ケア具とも称される。
【0033】
各アーム部21は、基端部21aと、先端部21bと、を有する。先端部21bは、基端部21aの反対側の端部であり、基端部21aに対して第1の方向D1側に位置している。換言すると、基端部21aは、先端部21bの反対側の端部であり、先端部21bに対して第1の方向D1の反対方向側に位置している。アーム部21は、基端部21aから第1の方向D1に伸びる。アーム部21は、基端部2aと先端部21bとに亘って湾曲した形状である。具体的には、一対のアーム部21は、互いに離間する方向に湾曲している。なお、アーム部21は、湾曲した形状に限定されない。アーム部21は、例えば、金属材料や合成樹脂材料によって構成されている。
【0034】
一対の基端部21aは、接続部22によって接続されている。接続部22は、環状に形成されて、撮像ユニット12に嵌められている。また、接続部22は、ネジ等の結合具39によって撮像ユニット12に結合(固定)されている。結合具39が外されることで、撮像ユニット12から接続部22ひいては身体ケア部11を取り外すことができる。先端部2は、結合部とも称される。
【0035】
一対のアーム部21は、外力が作用しない初期状態(
図1)では、互いの先端部21bが離間している。この初期状態から、一対のアーム部21は、互いが近づく方向に押圧されることにより、互いの先端部21bが近づく。一対のアーム部21は、少なくとも互いの先端部21bが接触するまで弾性変形可能である。このような、一対のアーム部21は、互いの先端部21bで体毛を挟持することが可能である。一対のアーム部21は、外力の付与が無くなると初期状態に戻る。初期状態は、自由状態とも称される。
【0036】
撮像ユニット12は、一対のアーム部21における先端部21bとは反対側の基端部21aに設けられている。
【0037】
図2は、
図1のII矢視図である。
図3は、
図1のIII矢視図である。
図1~
図3に示されるように、撮像ユニット12は、ボディ31と、撮像部32と、発光部33と、通信部34と、電源スイッチ35と、電池収容部36と、コネクタ38と、を有する。
【0038】
ボディ31は、第1の方向D1を長手方向とする概略円柱状の外観を有する。ボディ31の内部には、撮像部32、発光部33、および通信部34等を収容する収容空間(収容室)が設けられている。
【0039】
ボディ31は、基端部31aと、先端部31bと、を有する。先端部31bは、基端部31aの反対側の端部であり、基端部31aに対して第1の方向D1側に位置している。換言すると、基端部31aは、先端部31bの反対側の端部であり、先端部31bに対して第1の方向D1の反対方向側に位置している。ボディ31は、例えば、金属材料や合成樹脂材料によって構成されている。
【0040】
また、ボディ31は、大径部31cと、径変化部31dと、小径部31eと、を有する。大径部31cは、基端部31aを含む。小径部31eは、先端部31bを含む。径変化部31dは、大径部31cと小径部31eとの間に設けられている。径変化部31dは、大径部31c側から小径部31e側に向かうにつれて徐々に径が小さくなる。
【0041】
また、ボディ31には、結合部31fが設けられている。結合部31fは、大径部31cの外周面に円環状の凹状に形成されている。この結合部31fに、身体ケア部11の接続部22が嵌められた状態でネジ等の結合具39によって結合されている。なお、
図1では、結合具39が一つだけ示されているが、結合具39は、複数設けられていてもよい。結合具39を取り外した状態で、ボディ31に対して身体ケア部11を着脱することができる。この着脱の際、身体ケア部11の接続部22は弾性変形する。
【0042】
図1および
図2に示されるように、撮像部32は、ボディ31の小径部31eに収容され、ボディ31の先端部31bから露出している。撮像部32は、被写体の撮像によってカラーの2次元画像を出力可能なエリアカメラ(エリアセンサ)として構成されている。撮像部32は、第1の方向D1側を撮像可能である。具体的には、撮像部32は、少なくとも初期状態の一対のアーム部21の各先端部21bを含む所定範囲(撮像範囲、第1の範囲)を撮像可能である。別の言い方をすると、撮像部32の撮像範囲は、アーム部21の先端部21bを含む範囲である。よって、撮像部32は、一対のアーム部21の先端部21bの周囲に位置する体毛や一対のアーム部21の先端部21bによって挟持された体毛を撮像することができる。また、撮像部32は、オートフォーカス機能を有する。撮像部32の起動時等の初期設定では、撮像部32の焦点は、アーム部21の先端部21bに合っている。これにより、撮像部32の焦点を白髪等の対象物に合わせやすい。なお、撮像部32は、白黒の2次元画像を出力する構成であってもよい。
【0043】
また、
図2に示されるように、ボディ31の先端部31bにおける撮像部32の周囲には、発光部33が配置されている。発光部33は、撮像部32の撮像範囲に光を照射する。すなわち、発光部33は、一対のアーム部21の先端部21bに向けて光を発する。詳細には、発光部33は、複数の光源33aを有する。複数の光源33aは、撮像部32回りに間隔をあけて並べられている。光源33aは、例えば発光ダイオードである。なお、光源33aは、上記に限定されない。各光源33aは、第1の方向D1に向けてすなわち一対のアーム部21の先端部21bに向けて光を発する。
【0044】
通信部34は、ボディ31内に収容されている。通信部34は、他の機器と通信するための通信機能を実現する要素である。通信部34は、端末100との無線通信を確立する。なお、通信部34は、配線を介して端末100と通信可能に接続されてもよい。通信部34は、撮像部32によって撮像された撮像画像を端末100に送信する。通信部34は、送信部の一例である。通信部34は、無線モジュールとも称される。
【0045】
電池収容部36は、ボディ31の内部に一体に設けられている。電池収容部36は、当該身体ケア装置10の電源である電池37を収容する。電池37は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池である。なお、電池37は、乾電池等の一次電池であってもよい。
【0046】
図3に示されるように、コネクタ38は、ボディ31の基端部31aに設けられている。コネクタ38は、基端部31aから外部に露出している。コネクタ38は、電池37に対する充電用のコネクタである。コネクタ38は、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したUSBコネクタである。なお、コネクタ38は、上記に限定されない。コネクタ38には、給電ケーブルに設けられた外部コネクタが嵌められる。コネクタ38は、給電ケーブルおよび外部コネクタを介して供給された電力を電池37に供給する。これにより、電池37が充電される。
【0047】
図1に示されるように、電源スイッチ35は、ボディ31の大径部31cに設けられている。電源スイッチ35がON状態では、電池37の電力が各部に供給され、電源スイッチがOFF状態では、電池37の電力が各部に供給されない。
【0048】
図4は、本実施形態に係る身体ケア装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示されるように、身体ケア装置10は、ジャイロセンサ40と、制御部50と、記憶部51とをさらに備える。ジャイロセンサ40は、ボディ31に収容されている。
【0049】
制御部50は、CPU50a(Central Processing Unit)と、ROM50b(Read Only Memory)と、RAM50c(Random Access Memory)と、を有する。すなわち、制御部50は、コンピュータである。CPU50aは、ROM50bや記憶部51等に記憶されたプログラムを読み出して実行することで各種の機能を実現する。すなわち、プログラムは、制御部50に各種の機能を実行させる。また、CPU50aは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAM50cは、CPU50aがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。制御部50には、撮像部32、発光部33、通信部34、ジャイロセンサ40、電源スイッチ35、および記憶部51が接続されている。
【0050】
制御部50は、撮像部32によって撮像画像を、通信部34を介して端末100に送信することができる。また、制御部50は、ジャイロセンサ40の検出結果に基づいて、撮像部32によって撮像された撮像画像にぶれ補正(手ぶれ補正)や回転補正等の補正を行うことができる。ぶれ補正は、公知の方法によって実行される。制御部50は、補正後の撮像画像を端末100に送信することができる。
【0051】
記憶部51は、例えば書き換え可能な不揮発性メモリである。記憶部51は、プログラム、各種データ等を記憶している。
【0052】
なお、本実施形態の身体ケア装置10で実行されるプログラムは、ROM50b等に予め組み込まれて提供される。
【0053】
本実施形態の身体ケア装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0054】
さらに、本実施形態の身体ケア装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続された例えばサーバ等のコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の身体ケア装置10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0055】
(端末100の構成)
次に、端末100について説明する。
図1に示されるように、端末100は、ボディ101と、表示部102と、を有する。表示部102は、ボディ101に支持されている。表示部102は、カラー画像を表示可能である。表示部102は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されない。なお、表示部102は、白黒画像を表示するものであってもよい。
【0056】
図5は、本実施形態に係る端末100の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示されるように、端末100は、操作部103と、通信部104と、制御部150と、記憶部151と、をさらに備える。
【0057】
操作部103は、表示部102の画面上に形成されるタッチパネルスイッチ、表示部102の周囲のボディ101に設けられた機械式のスイッチ等で構成されている。
【0058】
通信部104は、ボディ101内に収容されている。通信部104は、他の機器と通信するための通信機能を実現する要素である。通信部104は、身体ケア装置10との無線通信を確立する。なお、通信部104は、配線を介して身体ケア装置10と通信可能に接続されてもよい。通信部104は、身体ケア装置10の撮像部32によって撮像され通信部34から送信された撮像画像を受信する。通信部104は、受信部の一例である。通信部104は、無線モジュールとも称される。
【0059】
制御部150は、CPU150a(Central Processing Unit)と、ROM150b(Read Only Memory)と、RAM150c(Random Access Memory)と、を有する。すなわち、制御部150は、コンピュータである。CPU150aは、ROM150bや記憶部151等に記憶されたプログラムを読み出して実行することで各種の機能を実現する。すなわち、プログラムは、制御部150に各種の機能を実行させる。また、CPU50aは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAM150cは、CPU150aがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。制御部150には、表示部102、操作部103、通信部104、および記憶部51が接続されている。
【0060】
記憶部151は、例えば書き換え可能な不揮発性メモリである。記憶部151は、プログラム、各種データ等を記憶している。
【0061】
図6は、第1の本実施形態に係る端末100の制御部150の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6に示されるように、制御部150は、機能的構成として、取得部161と、表示制御部162と、設定部163と、記憶制御部164と、通知制御部165と、を含む。これらの各機能的構成は、CPU150aが記憶部151等にされた身体ケアアプリケーションプログラムを実行した結果として実現される。なお、上記の機能的構成の一部又は全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
【0062】
取得部161は、各種のデータおよび情報を取得可能である。表示制御部162は、表示部102を制御可能である。設定部163は、各種の設定が可能である。記憶制御部164は、記憶部151を制御可能である。通知制御部165は、通知を制御可能である。以下に、各機能的構成の機能を詳細に説明する。
【0063】
取得部161は、身体ケア装置10から送信された撮像画像を通信部104から取得する。換言すると、取得部161は、身体ケア装置10によって撮像された撮像画像を、通信部104を介して取得する。
【0064】
表示制御部162は、表示部102を制御する。表示制御部162は、表示部102に各種の表示画面を表示させる。表示画面には、例えば、通信部104によって受信された撮像画像を表示する撮像画像表示画面がある。
【0065】
図7は、第1の実施形態に係る端末100で表示される撮像画像表示画面200の一例を示す図である。
図7に示されるように、撮像画像表示画面200は、撮像画像表示領域201と、複数のアイコン202~207と、を表示する。
【0066】
撮像画像表示領域201は、通信部34によって受信された撮像画像を表示する。撮像画像表示領域201は、撮像部32によって撮像された撮像画像を動画でリアルタイムに表示する。また、撮像画像表示領域201は、撮像画像とともに、撮像画像の方向を示す方向表示208を表示する。なお、撮像画像は、動画に限られず、所定の時間間隔でリアルタイムに変化する静止画でもよい。
【0067】
方向表示208は、撮像画像の方向として、例えば上下左右方向を矢印および文字で示す。方向表示208が表示する方向は、設定可能である。例えば、表示する方向は、上下左右方向のうち1つ以上に設定可能である。また、方向の表示の位置や形態は変更できる。表示に関する各種の設定方法は後述する。なお、表示する方向は変更できなくてもよい。また、表示する方向は、上下左右方向のうち少なくとも一つあればよい。
【0068】
アイコン202は、撮像画像を静止画(写真)として保存するためのものである。記憶制御部164は、利用者の操作を受けた操作部103によってアイコン202が選択された場合には、アイコン202が選択された時点の撮像画像を静止画で記憶部151に記憶させる。
【0069】
アイコン203は、撮像画像を動画として保存するためのものである。記憶制御部164は、利用者の操作を受けた操作部103によってアイコン203が選択された場合には、撮像画像を動画で記憶部151に記憶させる。
【0070】
アイコン204は、撮像画像表示領域201に表示される撮像画像の表示方式を回転方式と固定方式とに切り替えるためのものである。回転方式は、身体ケア装置10(撮像部32)の回転に応じて、撮像画像表示領域201に表示される撮像画像を回転する方式である。固定方式は、撮像時の撮像画像における鉛直方向が常に撮像画像表示領域201の所定の高さ方向(上下方向)に一致するように、撮像画像を表示する方式である。このような固定方式では、身体ケア装置10(撮像部32)を回転させても、撮像画像表示領域201に表示される撮像画像が回転しないので、利用者が撮像画像を見やすいという利点がある。設定部163は、利用者の操作を受けた操作部103によってアイコン203が選択された場合には、選択されるごとに撮像画像の表示方式を回転方式と固定方式とに交互に切り替える。すなわち、設定部163は、表示の設定方式を固定方式又は回転方式に設定する。なお、撮像画像の表示方式は、デフォルトでは固定方式と回転方式とのいずれか一方に設定されている。
【0071】
アイコン205は、記憶部151に所定の情報を保存するためのものである。表示制御部162は、利用者の操作を受けた操作部103によってアイコン205が選択された場合には、記憶部151に記憶されている頭地図を撮像画像表示領域201に表示させる。頭地図は、例えば、人体の頭の形を示す2次元で示す。
【0072】
記憶制御部164は、頭地図に対するタッチ操作(タップ操作)に基づいて、所定の場所と、所定の日時とのうち少なくとも一方を記憶部151に記憶させることが可能である。所定の場所は、例えば、身体ケア装置10の動作に関する場所である。所定の日時は、例えば、身体ケア装置10の動作に関する日時である。例えば、撮像画像表示領域201に表示されている頭地図中のある場所(位置)上の操作部103のタッチパネルに対して使用者がタッチ操作をした場合、その場所を操作部103のタッチパネルセンサが検出する。記憶制御部164は、操作部103のタッチパネルセンサが検出した結果(場所)と、使用者がタッチ操作した日時とを、タッチ操作された頭地図に関連付けて記憶部151に記憶させる。使用者がタッチ操作した日時は、タッチ操作を操作部103が検出した日時でもよいし、記憶制御部164が操作部103からタッチ操作の検出結果を受信した日時でもよい。操作部103のタッチパネルセンサが検出した結果(場所)は、身体ケア装置10による体毛処理(身体ケア、動作)が行われた場所、又は、使用者が身体ケア装置10による撮像(動作)によって気になる体毛を発見した場所に相当し、使用者がタッチ操作した日時は、身体ケア装置10による身体ケアが行われた日時、又は、使用者が身体ケア装置10による撮像(動作)によって気になる体毛を発見した日時に相当する。すなわち、操作部103のタッチパネルセンサが検出した結果(場所)は、身体ケア装置10の動作に関する場所に相当し、使用者がタッチ操作した日時は、身体ケア装置10の動作に関する日時に相当する。上記構成では、使用者は、身体ケア装置10による体毛処理(身体ケア、動作)が行われた場所だけでなく、身体ケア装置10による撮像(動作)によって気になる体毛を発見した場所を記憶部151に記憶させることができる。すなわち、使用者は、白髪を直ぐには抜かずに後で抜くために、場所を記録することができる。頭地図は、人体の形状を示す人体地図の一例である。
【0073】
アイコン206は、記憶部151に記憶された撮像画像を撮像画像表示領域201に表示させるためのものである。表示制御部162は、利用者の操作を受けた操作部103によってアイコン204が選択された場合には、記憶部151に記憶された撮像画像を撮像画像表示領域201に表示させる。このときの撮像画像の表示形態は、個別表示、一覧表示等であってよい。
【0074】
アイコン207は、各種の設定等の機能を制御部150に実行させるためのものである。各種の設定は、例えば、方向表示208に関する設定である。表示制御部162は、利用者の操作を受けた操作部103によってアイコン205が選択された場合には、設定画面を表示部102に表示させる。設定画面は、方向表示208の表示する方向を、操作部103による選択可能に表示する。設定部163は、操作部103によって選択された方向表示208の方向を、表示する方向として設定する。この設定された方向が撮像画像表示領域201に表示される。
【0075】
また、設定画面は、撮像画像表示領域201中の方向表示208の位置を、操作部103による選択可能に表示する。撮像画像表示領域201中の位置は、例えば、上、下、左、右等である。上、下、左、右は、それぞれ、撮像画像表示領域201の中心に対して、上側、下側、左側、右側の位置である。設定部163は、操作部103によって選択された方向表示208の位置を、表示する位置として設定する。この設定された位置に方向表示208が表示される。撮像画像表示領域201に表示される。
【0076】
また、設定画面は、方向表示208のデザイン(形状)を、操作部103による選択可能に表示する。方向表示208のデザインは、例えば、矢印および文字が組み合わされたデザインと、左右上下の文字だけのデザインと、一方向を示す矢印(印)だけのデザインと、を含む。設定部163は、操作部103によって選択された方向表示208のデザインを、表示するデザインとして設定する。この設定されたデザインの方向表示208が表示される。
【0077】
また、設定画面は、撮像画像の表示形態を操作部103による選択可能に表示する。撮像画像の表示形態は、例えば、撮像画像の、上下反転、左右反転、および角度変更等の形態である。撮像画像の上下反転は、例えば、撮像画像の上下を反転(ミラー反転)させて、撮像画像の左右は反転させない画像処理である。撮像画像の左右反転は、例えば、撮像画像の左右を反転(ミラー反転)させて、撮像画像の上下は反転させない画像処理である。撮像画像の角度変更は、例えば、撮像画像の中心まわりに撮像画像を回転させる画像処理である。回転は、例えば、90度回転や180度回転等であってよい。
【0078】
また、設定画面は、撮像画像の表示倍率を、操作部103による選択可能に表示する。法事倍率は、拡大および縮小を含む。設定部163は、操作部103によって選択された表示倍率を、表示する撮像画像の表示倍率として設定する。この設定された倍率で撮像画像が表示される。なお、撮像画像の表示倍率は、撮像画像表示領域201に対するタッチ操作での拡大・縮小操作で変更されるようにしてもよい。
【0079】
また、設定画面は、身体ケア装置10の発光部33の明るさ(発光量)および発光色を、操作部103による選択可能に表示する。設定部163は、操作部103によって選択された発光部33の明るさおよび発光色を、発光部33が発する光の明るさおよび発光色に設定する。設定部163は、設定した明るさおよび発光色を含む端末設定情報を、通信部104を介して身体ケア装置10に送信する。身体ケア装置10では、端末100の通信部104から送信された端末設定情報を通信部34が受信し、制御部50が、受信された端末設定情報に従って発光部33が発する光の明るさおよび発光色を設定する。
【0080】
また、設定画面では、撮像画像表示領域201中の撮像画像の色調およびコンストラスト等を指定可能である。設定部163は、操作部103によって指定された色調およびコンストラストを、撮像画像表示領域201中の撮像画像の色調およびコンストラストに設定する。すなわち、撮像画像表示領域201中の撮像画像の色調の補正およびコンストラストの変更が可能である。
【0081】
また、設定画面は、白髪を見つけやすくできる画像設定を選択可能に表示する。画像設定は、例えば記憶部151に予め記憶されている。設定部163は、操作部103によって選択された画像設定を、表示する撮像画像の画像設定として設定する。この設定された画像設定で撮像画像が表示される。このような構成により、利用者が画像設定を選択することができる。
【0082】
また、設定画面は、通知の有無を、操作部103による選択可能に表示する。設定部163は、通知の有無(有り、無し)について操作部103によって選択された方を設定する。通知が有りに設定された場合、通知制御部165は、所定の方法で通知を行う。具体的には、通知制御部165は、記憶部151に記憶された所定の日時から第1の時間が経過した場合に、体毛処理(身体ケア)に関する通知を行う。第1の時間の計時は、例えば、タイマーによって行うことができる。所定の日時は、例えば、記憶部151に頭地図と関連付けて記憶された日時である。第1の時間は、例えば、所定の月数(例えば3ヶ月)である。体毛処理に関する通知は、例えば、前回の体毛処理から第1の時間が経過した旨や、体毛処理の時期となった旨、前回の体毛処理で体毛を処理した場所等である。通知は、一例として、予め登録されたメールアドレス宛てに行われる。なお、通知は、端末100の表示画面の所定の通知表示領域に表示によって通知してもよいし、端末100のスピーカ(不図示)による通知音によって通知してもよい。また、所定の日時は、上記に限定されない。
【0083】
なお、端末100の身体ケアアプリケーションプログラムは、例えばサーバから端末100にダウンロードすることにより当該端末100にインストールされたものである。
【0084】
なお、端末100で実行される身体ケアアプリケーションプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0085】
また、当該身体ケアアプリケーションプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0086】
本実施形態の端末100で実行される身体ケアアプリケーションプログラムは、上述した各部(取得部161、表示制御部162、設定部163、記憶制御部164、通知制御部165)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU150aが上記記憶部151から身体ケアアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM150c等の主記憶装置上にロードされ、取得部161、表示制御部162、設定部163、記憶制御部164、通知制御部165がRAM150c等の主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0087】
なお、取得部161、表示制御部162、設定部163、記憶制御部164、通知制御部165の機能をハードウェアにより実現する構成としてもよい。
【0088】
(身体ケアシステム1の使用方法)
次に、以上のように構成された本実施形態に係る身体ケアシステム1の使用方法の一例について説明する。以下は、処理対象の体毛が白髪の場合の例である。
【0089】
使用者は、端末100において身体ケアアプリケーションプログラムを起動するとともに、身体ケア装置10の電源スイッチをONにする。これにより、端末100の表示部102に撮像画像表示画面200が表示される。また、身体ケア装置10の発光部33が発光するとともに撮像部32が撮像を開始する。また、端末100と身体ケア装置10とが無線通信で接続され、端末100と身体ケア装置10とが連携する。これにより、撮像部32によって撮像された撮像画像が撮像画像表示画面に表示される。使用者は、撮像画像表示画面200が表示されたら、上述の各種の設定を行うことができる。
【0090】
次に、使用者は、端末100の表示部102の撮像画像表示画面200に表示された撮像画像を見ながら、身体ケア装置10を移動させて、利用者が直接目視できない箇所(例えば後頭部や側頭部等)の白髪を探す。この際、使用者は、アイコン202又はアイコン203をタッチ操作することで、撮像画像を静止画又は動画で記憶部151に保存することができる。
【0091】
使用者は、撮像画像表示画面200に表示された撮像画像中に白髪を発見したら、身体ケア装置10のアーム部21の先端部21bを処理対象の白髪に近づける。この際、撮像部32のピントは、オートフォーカス機能によって自動で処理対象の白髪に合う。また、撮像画像にはぶれ補正や回転補正等の補正が施される。
【0092】
使用者は、撮像画像表示画面200に表示された撮像画像中を見ながら、身体ケア装置10の一対のアーム部21の先端部21bで処理対象の白髪を挟んで抜く。
【0093】
次に、使用者は、アイコン205をタッチ操作する。これにより、頭地図が撮像画像表示領域201に表示される。使用者は、白髪を抜いた場所に対応する頭地図の場所をタッチ操作する。これにより、記憶制御部164が、所定の情報である、頭地図においてタッチ操作された場所(位置)と、タッチ操作された日時とを、表示された頭地図と関連付けて記憶部151に記憶させる。
【0094】
上記の体毛処理が終わった後、記憶部に頭地図と関連付けて記憶された日時から第1の時間が経過すると、通知制御部165が、体毛処理に関する通知を行う。使用者は、この通知を端末100で見ることで、体毛処理の時期が到来したことや前回の体毛処理で体毛を処理した場所等を知ることができる。
【0095】
以上のように、本実施形態では、身体ケア装置10は、一対のアーム部21と、撮像部32と、通信部34(送信部)と、を備える。一対のアーム部21は、先端部21bによる対象物(例えば体毛)の挟持と切断とのうち少なくとも一方が可能である。撮像部32は、先端部21bを含む所定範囲を撮像可能である。通信部34(送信部)は、撮像部32によって撮像された撮像画像を、撮像画像を表示可能な端末100に送信する。
【0096】
このような構成によれば、利用者(人)は、端末100に表示された撮像画像を見ながら、白髪等の処理対象の体毛を抜くことができる。この際、利用者は、撮像画像を見ることができるので、処理対象の体毛を見つけやすいとともに一対のアーム部21で処理対象の体毛を挟持しやすい。よって、利用者が体毛の処理を容易に行うことができる。
【0097】
また、身体ケア装置10は、撮像ユニット12を備える。撮像ユニット12は、撮像部32と、通信部34と、を有する。撮像ユニット12は、一対のアーム部21における先端部21bとは反対側に設けられている。
【0098】
このような構成によれば、利用者は、手で、撮像ユニット12を支えながら一対のアーム部21を操作することができる。よって、利用者が身体ケア装置10を持ちやすい。
【0099】
また、身体ケア装置10は、例えば、発光部33を備える。発光部33は、先端部21bに向けて光を発する。
【0100】
このような構成によれば、利用者は、暗い環境でも処理対象の体毛を見つけやすい。よって、暗い環境でも身体ケアを行うことができる。
【0101】
また、身体ケア装置10は、電池収容部36を備える。電池収容部36は、身体ケア装置10の電源である電池37を収容する。
【0102】
このような構成によれば、身体ケア装置10の各部に電力を外部から供給するための電源ケーブルが無い状態で、身体ケア装置10を使用することができる。よって、身体ケア装置10が扱いやすい。
【0103】
また、身体ケア装置10は、ジャイロセンサ40を備える。
【0104】
このような構成によれば、ジャイロセンサ40の出力結果に基づいて、撮像画像にぶれ補正や回転補正を行うことができる。
【0105】
また、一対のアーム部21と撮像ユニット12とは、着脱可能である。
【0106】
このような構成によれば、一対のアーム部21の交換を容易に行うことができる。また、機能やサイズの異なる複数種類の一対のアーム部21がある場合に、それらを撮像ユニット12に選択的に取り付けることができる。
【0107】
また、撮像画像は、上下反転と、左右反転と、角度変更とのうち一つ以上が可能である。
【0108】
このような構成によれば、利用者の好みに応じて撮像画像の表示形態を利用者の好みに合わせることができる。
【0109】
また、上下左右方向のうち少なくとも一つの方向を示す方向表示208が表示部102に表示される。
【0110】
このような構成によれば、身体ケア装置10を動かした方向が分かりやすい。
【0111】
また、端末100において、身体ケア装置10の動作に関する場所と身体ケア装置10の動作に関する日時とのうち少なくとも一方を記憶部151に記憶可能である。
【0112】
このような構成によれば、身体ケアを実施した場所と身体ケアを実施した日時との少なくとも一方を記憶部151に記憶させることができる。
【0113】
また、記憶部151に記憶された日時から第1の時間が経過した場合に、身体ケアに関する通知が行われる。
【0114】
このような構成によれば、利用者が身体ケアに関する通知(例えば、白髪処理時期)を知ることができる。
【0115】
また、撮像画像が記憶部151に記憶される。
【0116】
このような構成によれば、利用者は、白髪を抜く前および白髪を抜いた後の撮像画像等を記憶部151に記憶させて、その後にその撮像画像を確認することができる。
【0117】
なお、身体ケア部11の一対のアーム部21の構成は、上記に限定されてない。例えば、一対のアーム部21の先端部21bに互いに対向する刃を設けて、一対のアーム部21で体毛を挟むことと挟んだ体毛を切断することの両方ができる構成であってもよい。また、身体ケア装置10は、一対のアーム部21で挟んだ白髪を、レーザー、光、又は熱等によってピンポイントで焼き切ることが可能な構成であってもよい。すなわち、身体ケア装置10は、ピンポイントでシンジングを行うことが可能な構成であってもよい。例えば、身体ケア部11に、アーム部21の先端部21bを発熱させる構成を設けてもよいし、アーム部21の先端部21bの近傍にアーム部21の先端部21bに向けてレーザー等の光を照射可能なレーザー照射器/光照射機を設けてもよい。レーザー照射器/光照射機は、身体ケア装置10に、後からオプションとして取り付けることができる構成であってもよい。
【0118】
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係る身体ケア装置10の一例を示す平面図である。
図9は、第2の実施形態に係る身体ケア装置10の一例を示す側面図である。
【0119】
図8および
図9に示されるように、本実施形態は、身体ケア装置10の撮像部32が第1の実施形態と主に異なる。
【0120】
本実施形態の撮像部32は、第1の方向D1の位置を調整可能に設けられている。具体的には、撮像部32は、第1の方向D1および第1の方向D1の反対方向にスライド移動可能にレール60に支持されている。レール60は、ボディ31の外面に設けられ、第1の方向D1に延びている。レール60は、撮像部32を第1の方向D1および第1の方向D1の反対方向に案内する。撮像部32は、レール60を介してボディ31に結合されている。また、撮像部32は、例えばネジ等の固定具によってボディ31に固定される。この固定具を取り外すことで、撮像部32をスライド移動させることができる。なお、
図8および
図9では、ボディ31の先端部31bに位置した撮像部32が実線で示され、この位置から第1の方向D1の反対方向に移動した撮像部32が一点鎖線で示されている。
【0121】
このような構成によれば、撮像部32の位置を調整することができる。
【0122】
なお、撮像部32の角度(仰角、俯角、水平角)を任意で変えられる構成を採用することができる。例えば、撮像部32が、
図8の紙面に沿う方向に対して回転してもよいし、
図8の紙面に対して直交する方向に対して回転してもよい。
【0123】
<第3の実施形態>
図10は、第3の実施形態に係る身体ケア装置の一例を示す平面図である。
【0124】
図10に示されるように、本実施形態は、身体ケア装置10がキャップ70とスイッチ71とをさらに備える点が第1の実施形態と主に異なる。
【0125】
キャップ70は、ボディ31の小径部32eに着脱可能である。キャップ70は、円筒状に形成されて、一端部に開口部が設けられている。この開口部から小径部32eがキャップ70内に挿入される。
図10では、キャップ70がボディ31の小径部32eから取り外された状態が示されている。キャップ70は、ボディ31の小径部32eに取り付けられた状態では、撮像部32および発光部33を覆う。
【0126】
スイッチ71は、電源スイッチ35と同様の機能を有する。電源スイッチ35がON状態では、電池37の電力が各部に供給され、電源スイッチがOFF状態では、電池37の電力が各部に供給されない。すなわち、スイッチ71は、電源スイッチである。スイッチ71は、キャップ70がボディ31の小径部32eに取り付けられた状態では、キャップ70に押圧されてOFF状態となる。一方、スイッチ71は、キャップ70がボディ31の小径部32eから取り外されて押圧されない状態では、ON状態となる。なお、例えば、スイッチ71がOFF状態の場合には、電源スイッチ35は無効となるようにしてよい。
【0127】
このような構成によれば、キャップ70によって撮像部32および発光部33を保護することができる。また、キャップ70の着脱によって電力の供給と停止を行うことができる。
【0128】
<第4の実施形態>
図11は、第4の実施形態に係る身体ケア装置10の一例を示す平面図である。
【0129】
図11に示されるように、本実施形態は、身体ケア装置10の身体ケア部11が毛抜き具ではなく鋏である点が第1の実施形態と主に異なる。
【0130】
本実施形態では、身体ケア部11の一対のアーム部21は交差している。一対のアーム部21の交差部は、軸23によって結合されている。各アーム部21は、軸23に対する先端部21b側に刃21dが設けられている。一対のアーム部21は、軸23に対して基端部21aの部分21cが互いに近づく方向に押圧されると、互いに先端部21bが近接する方向に移動して、一対の刃21dの間の体毛を切断することができる。また、本実施形態では、一対の刃21dによって、身体のささくれを切断することができる。身体ケア部11は、鋏とも称される。ささくれは、対象物の一例である。
【0131】
なお、上記実施形態では、処理対象の体毛が頭髪の白髪である例が示されたが、これに限定されない。例えば、処理対象の体毛は、頭髪の枝毛や、うなじ、背中の毛等であってもよい。また、利用者が目視可能な体毛を、身体ケア装置10を用いて処理してもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、人体地図の一例として頭地図が示されたが、これに限定されない。例えば、人体地図は、背中の形状を示した背中地図であってもよいし、人体の全体を示した全体地図であってもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、撮像画像が端末100の記憶部151に記憶される例が示されたが、これに限定されない。例えば、撮像画像が外部の記憶装置に記憶されてもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、撮像画像のぶれ補正等の補正が身体ケア装置10で実施されたれ例が示されたが、これに限定されない。例えば、撮像画像の補正は端末100で実施されてもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、身体ケア装置10が行う身体ケアが体毛を挟んでの抜き(毛抜き)と体毛の切断の例が示されたが、これに限定されない。例えば、身体ケア装置10は、体毛処理(身体ケア)として白髪染めを行う構成であってもよい。この場合、身体ケア部11を白髪染用のものに交換すればよい。また、例えば、身体ケア装置10は、付け薬等の塗布を行う構成であってもよい。この場合、身体ケア部11を付け薬塗布用のものに交換すればよい。付け薬塗布用の身体ケア部11は、例えば付け薬を収容した専用のボトルを有する構成であってよい。また、例えば、身体ケア装置10は、ニードル脱毛を行う構成であってもよい。この場合、身体ケア部11をニードル脱毛用のものに交換すればよい。ニードル脱毛用の身体ケア部11は、例えばニードル脱毛用の針を有する構成であってよい。
【0136】
また、上記実施形態において、撮像画像表示画面200に表示される撮像画像に、白髪等の処理対象の体毛が有る場合、その撮像画像中に矢印等で処理対象の体毛の位置を示してもよい。
【0137】
また、上記実施形態において、白髪等の処理対象の体毛を処理した人体の位置および日時を自動で記憶部151に保存し、保存した日時に基づいて、身体ケアのタイミングを予め設定されたメールアドレス等宛て等に通知するようにしてもよい。処理対象の体毛を処理した人体の位置は、例えば、人工知能によって認識してよい。この場合、例えば、予め人体を撮像した画像を記憶部151に記憶させておき、人工知能が、その記憶された画像の特徴的な形状等(例えば、耳の形状等)と、白髪等の処理時に撮像部32によって撮像された撮像画像とを照合して、人体の位置を特定するようにしてよい。
【0138】
また、上記実施形態において、身体ケア装置10と端末100とを有線接続し、身体ケア装置10と端末100との間で画像の送受信を可能にするとともに、身体ケア装置10と端末100との間で電力の受給(受電、給電)を可能にしてもよい。
【0139】
また、上記実施形態において、身体ケア装置10は、電源がONにされてから所定時間経過後、又は、ジャイロセンサ40からの信号や撮像画像に基づいて当該身体ケア装置10が所定時間動かされていないことを検知した場合には、自動で電源をOFFにしてもよい。
【0140】
また、上記実施形態において、身体ケア装置10に、ジャイロセンサ40とともに加速度センサを設けてもよいし、ジャイロセンサ40に替えて加速度センサを設けてもよい。制御部50は、加速度センサの検出結果に基づいて、撮像部32によって撮像された撮像画像に傾き補正等を行うことができる。傾き補正は、公知の方法によって実行される。
【0141】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0142】
1…身体ケアシステム、10…身体ケア装置、12…撮像ユニット、21,21A,21B…アーム部、21a…基端部(端部)、21b…先端部、32…撮像部、33…発光部、34…通信部(送信部)、36…電池収容部、37…電池、40…ジャイロセンサ、100…端末、102…表示部、151…記憶部、208…方向表示。