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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027817
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20240222BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240222BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240222BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20240222BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20240222BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B41J29/13
B41J29/00 E
B41J29/00 C
G06K19/07 230
G06K19/077 224
H01Q1/38
H01Q1/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130944
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 保典
(72)【発明者】
【氏名】永井 拓也
【テーマコード(参考)】
2C061
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB01
2C061BB33
2C061BB35
2C061CG02
2C061CG08
2C061CG15
5J046AA07
5J046AA12
5J046AA19
5J046AB11
5J046PA07
5J046PA09
5J047AA07
5J047AA12
5J047AA19
5J047AB11
5J047FD01
(57)【要約】
【課題】電子ごみの削減、ならびに近距離無線通信機能を構成する部品の保管費用およびスペースの削減を図ることを可能とする画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、装置本体を覆うトップカバー25と、装置本体を操作するための操作パネル51を覆うパネルカバー26と、フィルム上にアンテナ部62と制御部を構成するICチップ63とが形成された近距離無線通信ラベル6と、を備え、トップカバー25の裏面25B側に近距離無線通信ラベル6を配置した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体を覆う本体カバーと、
前記装置本体を操作するための操作パネルを覆うパネルカバーと、
フィルム上にアンテナ部と制御部とが形成された近距離無線通信ラベルと、を備え、
前記本体カバーまたは前記パネルカバーの裏面側に前記近距離無線通信ラベルを配置した画像形成装置。
【請求項2】
前記近距離無線通信ラベルは、前記本体カバーまたは前記パネルカバーの裏面に貼付される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記本体カバーまたは前記パネルカバーの裏面側において、前記近距離無線通信ラベルよりも、前記本体カバーまたは前記パネルカバーから離れて位置する支持プレートを有し、
前記近距離無線通信ラベルは、前記本体カバーまたは前記パネルカバーと前記支持プレートとの間に挟まれた位置に配置される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記近距離無線通信ラベルは、前記支持プレートに貼付される請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持プレートは、樹脂板にて構成される請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記本体カバーまたは前記パネルカバーは、無線通信のためのアンテナ部が形成された基板と前記基板に実装される電子部品とを有する近距離無線通信基板を取り付け可能な取り付け部を備え、
前記支持プレートは、前記取り付け部に取り付け可能な形状を有する請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体を制御するメイン制御基板と、前記操作パネルを制御するパネル基板とを備え、
前記メイン制御基板または前記パネル基板は、前記近距離無線通信基板に接続されたハーネスを接続可能な接続部を有する請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記本体カバーまたは前記パネルカバーは、前記ハーネスの動きを制限する制限部を有する請求項7に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信によって、ICカードやスマートフォン等の外部機器と通信可能な近距離無線通信機能を備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
近距離無線通信による通信は、電波を送受信するアンテナの近辺にユーザが外部機器をかざすことによって行われることから、近距離無線通信機能は、装置本体の奥側または側面に配置されることが多い装置本体用のメイン制御基板とは別に設けられた近距離無線通信基板を、装置本体の上面または手前部分に配置することにより提供されている(特許文献1参照)。
【0004】
近距離無線通信基板は、電波を送受信するアンテナと制御用のICチップとを有しており、一般的に装置本体を覆う本体カバーまたは装置本体を操作するための操作パネルを覆うパネルカバーに取り付けられている。また、近距離無線通信基板の大きさや形状等を画一的な仕様にて形成すると、本体カバーまたはパネルカバーの構成やレイアウトによっては、近距離無線通信基板の取り付けスペースを確保することが困難になることから、画像形成装置の機種毎に異なる仕様の近距離無線通信基板を作成することが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-142120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特定の機種の画像形成装置に合わせて作成された近距離無線通信基板は、他の機種の画像形成装置に転用することもできないことから、ある機種の画像形成装置の生産が終了すると、生産が終了した画像形成装置に採用されていた近距離無線通信基板は廃棄されることになり、廃棄された無線通信基板の一部はリサイクルされるものの、電子ごみを増やす一因となっていた。また、同じ仕様の近距離無線通信基板を異なる機種の画像形成装置に採用しようとすると、画像形成装置の設計に制約が生じるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明においては、様々な機種に対応可能な近距離無線通信機能を備えることで、電子ごみの削減、ならびに近距離無線通信機能を構成する部品の保管費用およびスペースの削減を図ることを可能とする画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、画像形成装置は、装置本体を覆う本体カバーと、前記装置本体を操作するための操作パネルを覆うパネルカバーと、フィルム上にアンテナ部と制御部とが形成された近距離無線通信ラベルと、を備え、前記本体カバーまたは前記パネルカバーの裏面側に前記近距離無線通信ラベルを配置した。
【0010】
これにより、ガラスエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等で構成される近距離無線通信基板を必要としないため、異なる機種の画像形成装置に対して共通の近距離無線通信ラベルを用いることができる。従って、電子ごみの削減、ならびに近距離無線通信機能を構成する部品の保管費用およびスペースの削減を図ることができる。また、装置本体側と接続するハーネスを必要としないので、装置本体内にハーネスを引き回すためのスペースを必要としないとともに、本体カバーまたはパネルカバーにハーネスを固定するための形状が不要となり、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0011】
また、前記近距離無線通信ラベルは、前記本体カバーまたは前記パネルカバーの裏面に貼付される。
【0012】
これにより、電子基板上にアンテナ部を形成して構成された従来の近距離無線通信基板を本体カバーまたはパネルカバーの裏面に取り付けた場合よりも、アンテナ部を本体カバーまたはパネルカバーの表面の近くに位置させることができる。従って、近距離無線通信ラベルと通信を行う外部機器が本体カバーまたはパネルカバーから多少離れた位置にあっても、近距離無線通信ラベルと外部機器との間での通信を安定して行うことが可能となる。
【0013】
また、前記本体カバーまたは前記パネルカバーの裏面側において、前記近距離無線通信ラベルよりも、前記本体カバーまたは前記パネルカバーから離れて位置する支持プレートを有し、前記近距離無線通信ラベルは、前記本体カバーまたは前記パネルカバーと前記支持プレートとの間に挟まれた位置に配置される。
【0014】
これにより、近距離無線通信ラベルは、納入されたときの状態等によってはカールしているおそれがあるが、近距離無線通信ラベルを本体カバーまたはパネルカバーと支持プレートとの間に挟んだ状態で配置することで、アンテナ部がカールすることを抑制でき、外部機器との通信能力を安定させることができる。
【0015】
また、前記近距離無線通信ラベルは、前記支持プレートに貼付される。
【0016】
これにより、近距離無線通信ラベルを支持プレートに貼付することで、貼付前の近距離無線通信ラベルがカールしていたとしても、貼付後の近距離無線通信ラベルにおけるアンテナ部の平面性を確保することができる。仮に、貼り付けた近距離無線通信ラベルが支持プレートから剥がれたとしても、近距離無線通信ラベルは本体カバーまたはパネルカバーと支持プレートとの間に挟まれているため、本体カバーまたはパネルカバーの裏面から大きく離れることがなく、外部機器との通信能力を安定させることができる。
【0017】
また、前記支持プレートは、樹脂板にて構成される。
【0018】
これにより、樹脂板にて構成される支持プレートは、シート状の樹脂部材を打ち抜くことで作成でき、成形品にて形成した場合に比べて短期間で調達することができるため、画像形成装置の製造時に近距離無線通信ラベルと組み合わせて用いることにより、不要な在庫を抱えることが抑制可能となる。
【0019】
また、前記本体カバーまたは前記パネルカバーは、無線通信のためのアンテナ部が形成された基板と前記基板に実装される電子部品とを有する近距離無線通信基板を取り付け可能な取り付け部を備え、前記支持プレートは、前記取り付け部に取り付け可能な形状を有する。
【0020】
これにより、支持プレートを近距離無線通信基板と同等の形状に形成することで、画像形成装置の機種毎に作成していた従来の近距離無線通信基板の代替品として用いることができる。
【0021】
また、前記装置本体を制御するメイン制御基板と、前記操作パネルを制御するパネル基板とを備え、前記メイン制御基板または前記パネル基板は、前記近距離無線通信基板に接続されたハーネスを接続可能な接続部を有する。
【0022】
これにより、近距離無線通信ラベルに代えて近距離無線通信基板を用いることによっても、近距離無線通信機能を提供することができる。
【0023】
また、前記本体カバーまたは前記パネルカバーは、前記ハーネスの動きを制限する制限部を有する。
【0024】
これにより、近距離無線通信ラベルに代えて、近距離無線通信基板を本体カバーまたはパネルカバーの取り付け部に取り付けたときに、近距離無線通信基板に接続されたハーネスの遊びを減少させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、異なる機種の画像形成装置に対して共通の近距離無線通信ラベルを用いることができる。また、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
図2】近距離無線通信ラベルを示す平面図である。
図3】(a)は支持プレートを示す平面図であり、(b)は支持プレートを示す側面図である。
図4】トップカバーの裏面側を示す底面図である。
図5】トップカバーの裏面側に配置された近距離無線通信ラベルおよび支持プレートを示す側面断面図である。
図6】(a)は近距離無線通信ラベルを貼付した支持プレートを示す平面図であり、(b)は近距離無線通信ラベルを貼付した支持プレートをトップカバーの裏面側に配置した状態を示す側面断面図である。
図7】近距離無線通信ラベルが直接貼付されたトップカバーの裏面を示す底面図である。
図8】近距離無線通信基板を示す平面図である。
図9】近距離無線通信基板が取り付けられたトップカバーの裏面を示す底面図である。
図10】第1実施形態に係る画像形成装置を示す側面図である。
図11】第2実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
図12】パネルカバーの裏面側を示す底面図である。
図13】パネルカバーの裏面側に配置された近距離無線通信ラベルおよび支持プレートを示す側面断面図である。
図14】近距離無線通信ラベルを貼付した支持プレートをパネルカバーの裏面側に配置した状態を示す側面断面図である。
図15】近距離無線通信ラベルが直接貼付されたパネルカバーの裏面を示す底面図である。
図16】近距離無線通信基板を示す平面図である。
図17】近距離無線通信基板が取り付けられたパネルカバーの裏面を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0028】
[画像形成装置の第1実施形態]
以下の説明においては、図1に示すように画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準として、前後、左右、上下の各方向を定める。
【0029】
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態であり、電子写真方式により、シートに画像を形成するレーザプリンタである。但し、画像形成装置1は電子写真方式に限るものではなく、インクジェット方式等の他の方式に構成することも可能である。
【0030】
画像形成装置1は、シートを支持する給紙トレイ10、および給紙トレイ10から給紙されるシートに画像を形成する画像形成部(図示せず)を有する装置本体を収容する筐体2を備えている。
【0031】
筐体2は、装置本体の前面を覆うフロントカバー21と、装置本体の後面を覆うバックカバー22と、装置本体の左側面を覆う左サイドカバー23と、装置本体の右側面を覆う右サイドカバー24と、装置本体の上面を覆うトップカバー25とを有している。フロントカバー21、バックカバー22、左サイドカバー23、右サイドカバー24、およびトップカバー25は装置本体を覆う本体カバーの一例である。
【0032】
トップカバー25は、画像形成部により画像が形成されたシートが排出される排出トレイ25aを有している。装置本体の左端部には、装置本体を制御するためのメイン制御基板53が配置されている。左サイドカバー23は、メイン制御基板53を覆っている。
【0033】
トップカバー25の前端部かつ左端部には、装置本体を操作するための操作パネル51、および操作パネル51を制御するためのパネル基板52が配置されている。操作パネル51は、液晶パネル51aおよび操作ボタン51bを有している。トップカバー25は、操作パネル51およびパネル基板52を覆っている。トップカバー25の操作パネル51およびパネル基板52を覆っている部分は、パネルカバー26としての機能を有している。つまり、トップカバー25は、操作パネル51およびパネル基板52を覆うパネルカバー26を兼ねている。
【0034】
トップカバー25における操作パネル51の後方には、近距離無線通信ラベル6と支持プレート7とが配置されている。
【0035】
図2に示すように、近距離無線通信ラベル6は、ICカードやスマートフォン等の外部機器と近距離無線通信を行うためのラベルである。本実施形態においては、近距離無線通信ラベル6は、NFC(Near Field Communication)を用いている。
【0036】
近距離無線通信ラベル6は、基材61と、アンテナ部62と、ICチップ63とを有している。基材61は、樹脂フィルム等のフィルムにて形成されている。基材61は、一面に粘着層を形成して、適宜箇所に貼付可能に構成することができる。アンテナ部62は、基材61に形成されたループアンテナであり、外部機器と通信するための電波を送受信する。
【0037】
ICチップ63は、近距離無線通信ラベル6における制御部を構成する電子部品であり、基材61に実装されている。ICチップ63は、アンテナ部62により送受信される電波を信号処理する。また、ICチップ63は、アンテナ部62を通じて外部機器に送信される情報が記憶された記憶部を有している。このように、近距離無線通信ラベル6は、フィルム上にアンテナ部と制御部とが形成されたラベルである。
【0038】
図3に示すように、支持プレート7は、樹脂板にて構成される略矩形状の板状部材であり、第1面7Aと、第1面7Aと反対側の第2面7Bとを有している。支持プレート7は、第1面7Aおよび第2面7Bを貫通する貫通孔71および位置決め孔72を有している。支持プレート7は、例えば2mm弱の厚みの薄板状の樹脂板にて形成することができる。
【0039】
支持プレート7は、シート状の樹脂部材を打ち抜くことで作成することができ、例えば成形品にて形成した場合に比べて短期間で調達することが可能である。従って、支持プレート7は、画像形成装置1の製造時に近距離無線通信ラベル6と組み合わせて用いることにより、不要な在庫を抱えることが抑制可能となる。
【0040】
図1図4に示すように、トップカバー25は、画像形成装置1の外部となる上方に面する表面25Aと、画像形成装置1の内部となる下方に面する裏面25Bとを有している。近距離無線通信ラベル6および支持プレート7は、トップカバー25の裏面25B側に配置されている。
【0041】
図4図5に示すように、トップカバー25の裏面25Bは、支持プレート7を取り付け可能な取り付け部251を有している。取り付け部251は、係合爪252と位置決めピン253とを有している。
【0042】
位置決めピン253は、支持プレート7の位置決め孔72に挿入されており、取り付け部251に取り付けられた支持プレート7を位置決めしている。係合爪252は、取り付け部251の複数箇所に設けられており、支持プレート7の外縁部が係合爪252と係合することで、支持プレート7が取り付け部251に取り付けられている。支持プレート7は、第1面7Aがトップカバー25の裏面25Bと対向する姿勢で取り付け部251に取り付けられている。
【0043】
トップカバー25と支持プレート7との間には、近距離無線通信ラベル6が介在している。つまり、近距離無線通信ラベル6は、トップカバー25の裏面25B側に配置され、支持プレート7は、トップカバー25の裏面25B側において、近距離無線通信ラベル6よりもトップカバー25から離れて位置している。このように、近距離無線通信ラベル6は、トップカバー25と支持プレート7との間に挟まれた位置に配置されている。
【0044】
トップカバー25の裏面25Bにおける取り付け部251に、ボス等の突起形状が存在していたときには、支持プレート7の貫通孔71を突起形状が存在する箇所に対応して形成することで、支持プレート7とトップカバー25の突起形状とが干渉することを抑制しながら、支持プレート7を取り付け部251に取り付けることができる。
【0045】
近距離無線通信ラベル6は、トップカバー25の裏面25B側に配置されているが、メイン制御基板53およびパネル基板52等の画像形成装置1の他の箇所と、ハーネス等の有線による接続は行われていない。
【0046】
図1に示すように、メイン制御基板53には、Wi-Fiモジュール531が接続されており、Wi-Fiモジュール531によって、画像形成装置1と外部機器との間でWi-Fi接続を行うことが可能となっている。
【0047】
なお、近距離無線通信ラベル6のICチップ63には、近距離無線通信ラベル6が配置される画像形成装置1の機種名、およびWi-Fiモジュール531のMACアドレス等、Wi-Fiモジュール531とWi-Fi接続を行う際に必要なWi-Fi接続情報が記憶されている。このICチップ63に記憶された情報は、近距離無線通信ラベル6と外部機器との間で近距離無線通信を行うことにより、アンテナ部62を通じて外部機器に送信される。
【0048】
外部機器を画像形成装置1の外部から近距離無線通信ラベル6の近くにかざして、外部機器と近距離無線通信ラベル6との間で近距離無線通信を行うことにより、外部機器がWi-Fiモジュール531とWi-Fi接続を行う際に必要なWi-Fi接続情報を取得し、取得したWi-Fi接続情報を用いて外部機器とWi-Fiモジュール531との間でWi-Fi接続がなされる。
【0049】
このように、画像形成装置1においては、近距離無線通信ラベル6と外部機器との間で近距離無線通信を行うように構成されているため、従来のように、ガラスエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等で構成される近距離無線通信基板を必要としない。従って、異なる機種の画像形成装置1に対して共通の近距離無線通信ラベル6を用いることが可能となっている。これにより、電子ごみの削減、ならびに近距離無線通信機能を構成する部品の保管費用およびスペースの削減を図ることができる。
【0050】
また、メイン制御基板53およびパネル基板52等といった、画像形成装置1における装置本体側の他の箇所と接続するハーネスを必要としないので、装置本体内にハーネスを引き回すためのスペースを必要としないとともに、トップカバー25にハーネスを固定するための形状が不要となり、画像形成装置1の小型化を図ることが可能となっている。
【0051】
また、近距離無線通信ラベル6は、複数の近距離無線通信ラベル6が連結されたシート材を円筒状に巻回した状態で納入されることがあり、納入されたときの状態によってはカールしているおそれがある。しかし、近距離無線通信ラベル6をトップカバー25の裏面25B側に配置するときには、近距離無線通信ラベル6をトップカバー25と支持プレート7との間に挟んだ状態で配置するため、近距離無線通信ラベル6のアンテナ部62がカールすることを抑制でき、外部機器との通信能力を安定させることが可能である。
【0052】
図6(a)に示すように、近距離無線通信ラベル6は、例えば一面に粘着層を形成することで、支持プレート7の第1面7Aに貼付することができる。
【0053】
図6(b)に示すように、近距離無線通信ラベル6を貼付した支持プレート7を、トップカバー25の取り付け部251に、第1面7Aがトップカバー25の裏面25Bと対向する姿勢で貼付けることで、トップカバー25の裏面25B側に配置することができる。この場合、近距離無線通信ラベル6は、トップカバー25と支持プレート7との間に挟まれた位置に配置される。
【0054】
このように、近距離無線通信ラベル6を支持プレート7に貼付することで、貼付前の近距離無線通信ラベル6がカールしていたとしても、貼付後の近距離無線通信ラベル6におけるアンテナ部62の平面性を確保することができる。仮に、貼付した近距離無線通信ラベル6が支持プレート7から剥がれたとしても、近距離無線通信ラベル6はトップカバー25と支持プレート7との間に挟まれているため、トップカバー25の裏面25Bから大きく離れることがなく、外部機器との通信能力を安定させることが可能である。
【0055】
図7に示すように、近距離無線通信ラベル6は、例えば一面に粘着層を形成することで、トップカバー25の裏面25Bにおける取り付け部251に直接貼付することができる。
【0056】
このように、近距離無線通信ラベル6をトップカバー25の裏面25Bに直接貼付することで、ガラスエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等で構成される電子基板上にアンテナ部を形成して構成された従来の近距離無線通信基板をトップカバー25の裏面25Bに取り付けた場合よりも、アンテナ部62をトップカバー25の表面25Aの近くに位置させることができる。これにより、近距離無線通信ラベル6と通信を行う外部機器がトップカバー25から多少離れた位置にあっても、近距離無線通信ラベル6と外部機器との間での通信を安定して行うことが可能となる。
【0057】
画像形成装置1においては、トップカバー25の裏面25Bにおける取り付け部251には、図8に示す従来の近距離無線通信基板8を取り付けることが可能である。近距離無線通信基板8は、ガラスエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等で構成されており、ループ状のアンテナ81aが形成されるアンテナ部81と、ICチップ82aおよびコネクタ82b等の電子部品が実装される制御部82とを有している。また、近距離無線通信基板8には、貫通孔8aおよび位置決め孔8bが形成されている。
【0058】
アンテナ部81のアンテナ81aは、外部機器と通信するための電波を送受信する。制御部82のICチップ82aは、アンテナ81aにより送受信される電波を信号処理する。また、ICチップ82aは、アンテナ部81を通じて外部機器に送信される情報が記憶された記憶部を有することもできる。コネクタ82bには、ハーネス83の一端部が接続されている。近距離無線通信基板8は、無線通信のためのアンテナ部が形成された基板と、基板に実装される電子部品とを有する近距離無線通信基板である。
【0059】
図9に示すように、近距離無線通信基板8は、近距離無線通信基板8の外縁部を係合爪252に係合させることで、取り付け部251に取り付けることができる。この場合、近距離無線通信基板8の位置決め孔8bに位置決めピン253が挿入されることにより、取り付け部251に取り付けられた近距離無線通信基板8の位置決めがなされている。
【0060】
図10に示すように、メイン制御基板53にはコネクタ532が実装されており、コネクタ532にはハーネス83の他端部が接続されている。近距離無線通信基板8はハーネス83を介してメイン制御基板53と接続されている。コネクタ532は、近距離無線通信基板8に接続されたハーネス83を接続可能な接続部である。また、パネル基板52にはハーネス521の一端部が接続されており、ハーネス521の他端部がメイン制御基板53に実装されるコネクタ533に接続されている。
【0061】
メイン制御基板53に接続されるWi-Fiモジュール531には、外部機器がWi-Fiモジュール531とWi-Fi接続を行う際に必要なWi-Fi接続情報が記憶されており、メイン制御基板53と接続された近距離無線通信基板8のICチップ82aにはWi-Fi接続情報が入力可能である。
【0062】
外部機器を画像形成装置1の外部から、取り付け部251に取り付けられた近距離無線通信基板8の近くにかざすことにより、外部機器と近距離無線通信基板8との間で近距離無線通信を行うことが可能である。
【0063】
さらに、外部機器と近距離無線通信基板8との間で近距離無線通信を行うことにより、外部機器はWi-Fiモジュール531とWi-Fi接続を行う際に必要なWi-Fi接続情報を取得可能である。外部機器は、取得したWi-Fi接続情報を用いてWi-Fiモジュール531との間でWi-Fi接続を行うことが可能である。
【0064】
画像形成装置1において、メイン制御基板53に接続されたWi-Fiモジュール531に不具合が生じた等の理由により、Wi-Fiモジュール531の交換が行われる場合がある。
【0065】
Wi-Fiモジュール531に記憶されるWi-Fi接続情報は、Wi-Fiモジュール531毎に異なっている。従って、トップカバー25の裏面25B側に近距離無線通信ラベル6を配置していた場合にWi-Fiモジュール531を交換すると、新たなWi-Fiモジュール531に記憶されているWi-Fi接続情報と、近距離無線通信ラベル6のICチップ63に記憶されているWi-Fi接続情報とが異なったものとなる。
【0066】
このような場合に、近距離無線通信ラベル6のICチップ63に記憶されているWi-Fi接続情報が書き換え可能であれば、新たなWi-Fiモジュール531に記憶されているWi-Fi接続情報と一致させることが可能である。
【0067】
しかし、近距離無線通信ラベル6のICチップ63に記憶されているWi-Fi接続情報が書き換え可能であると、画像形成装置1のユーザ等により不意に書き換えられてしまうおそれがあってセキュリティ上好ましくないため、近距離無線通信ラベル6のICチップ63に記憶されているWi-Fi接続情報は書き換えができないように構成されている。
【0068】
そのため、トップカバー25の裏面25B側に近距離無線通信ラベル6が配置された画像形成装置1においては、Wi-Fiモジュール531の交換が行われた場合に、近距離無線通信ラベル6に代えて、近距離無線通信基板8をトップカバー25の取り付け部251に取り付けてメイン制御基板53と接続することを可能に構成している。これにより、外部機器とWi-Fiモジュール531とのWi-Fi接続を継続可能としている。
【0069】
このように、トップカバー25の取り付け部251は、近距離無線通信基板8を取り付け可能であるとともに、支持プレート7を取り付け可能に構成されている。つまり、トップカバー25は、近距離無線通信基板8を取り付け可能な取り付け部251を備えており、支持プレート7は、取り付け部251に取り付け可能な形状を有している。
【0070】
支持プレート7を、取り付け部251に取り付け可能な近距離無線通信基板8と同等の形状に形成することで、画像形成装置1の機種毎に作成していた従来の近距離無線通信基板8の代替品として用いることが可能である。また、画像形成装置1の状態によっては、支持プレート7に代えて近距離無線通信基板8を取り付け部251に取り付けることで、外部機器とWi-Fiモジュール531とのWi-Fi接続を継続することが可能である。
【0071】
また、画像形成装置1においては、メイン制御基板53が、近距離無線通信基板8に接続されたハーネス83を接続可能なコネクタ532を有しているため、近距離無線通信ラベル6に代えて近距離無線通信基板8を用いることによっても、近距離無線通信機能を提供することが可能となっている。
【0072】
また、図9に示すように、トップカバー25は、裏面25Bにフック254を有している。フック254は、取り付け部251に取り付けられた近距離無線通信基板8に接続されるハーネス83を係止可能であり、フック254によりハーネス83を係止することで、ハーネス83の動きを制限することが可能である。フック254は、ハーネスの動きを制限する制限部の一例である。
【0073】
このように、トップカバー25がフック254を有することで、近距離無線通信ラベル6に代えて、近距離無線通信基板8をトップカバー25の取り付け部251に取り付けたときに、近距離無線通信基板8に接続されたハーネス83の遊びを減少させることが可能である。
【0074】
[画像形成装置の第2実施形態]
以下の説明においては、図11に示すように画像形成装置1Aが使用可能に設置された状態を基準として、前後、左右、上下の各方向を定める。
【0075】
図11に示す画像形成装置1Aは、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態であり、電子写真方式により、シートに画像を形成するレーザプリンタである。但し、画像形成装置1Aは電子写真方式に限るものではなく、インクジェット方式等の他の方式に構成することも可能である。
【0076】
画像形成装置1Aは、第1筐体102と、第2筐体103とを備えている。第1筐体102は、シートを支持する給紙トレイ110、および給紙トレイ110から給紙されるシートに画像を形成する画像形成部(図示せず)を有する装置本体を収容している。第1筐体102は、装置本体を覆う本体カバーの役割を有している。第1筐体102は、画像形成部により画像が形成されたシートが排出される排出トレイ121を有している。第1筐体102の左端部には、メイン制御基板122が配置されている。
【0077】
第2筐体103は、第1筐体102の上方に位置している。第2筐体103は、原稿載置台131と、原稿押え132と、操作パネル133とを有している。原稿載置台131には原稿を載置可能であり、原稿載置台131は載置された原稿の画像を読み取ることが可能である。
【0078】
原稿押え132は原稿載置台131の上方に位置しており、原稿載置台131に載置された原稿を押さえる。原稿押え132は、原稿を原稿載置台131に自動搬送する自動原稿送り装置(Auto Document Feeder)132aを有している。
【0079】
操作パネル133は、原稿載置台131の前端に連結されており、原稿載置台131から先方に突出している。操作パネル133は、液晶パネル133aおよび操作ボタン133bを有している。
【0080】
液晶パネル133aは、操作パネル133の左右方向における略中央部に位置しており、操作ボタン133bは、操作パネル133の液晶パネル133aよりも右方に位置している。操作パネル133の液晶パネル133aよりも左方には、近距離無線通信ラベル6と支持プレート7とが配置されている。
【0081】
操作パネル133の上面は、パネルカバー134により覆われており、近距離無線通信ラベル6および支持プレート7はパネルカバー134の下方に位置している。
【0082】
図11図12に示すように、パネルカバー134は、操作パネル133の外部となる上方に面する表面134Aと、操作パネル133の内部となる下方に面する裏面134Bとを有している。近距離無線通信ラベル6および支持プレート7は、パネルカバー134の裏面134B側に配置されている。
【0083】
図12図13に示すように、パネルカバー134の裏面134Bは、支持プレート7を取り付け可能な取り付け部1341を有している。取り付け部1341は、係合爪1342と位置決めピン1343とを有している。
【0084】
位置決めピン1343は、支持プレート7の位置決め孔72に挿入されており、取り付け部1341に取り付けられた支持プレート7を位置決めしている。係合爪1342は、取り付け部1341の複数箇所に設けられており、支持プレート7の外縁部が係合爪1342と係合することで、支持プレート7が取り付け部1341に取り付けられている。支持プレート7は、第1面7Aがパネルカバー134の裏面134Bと対向する姿勢で取り付け部1341に取り付けられている。
【0085】
パネルカバー134と支持プレート7との間には、近距離無線通信ラベル6が介在している。つまり、近距離無線通信ラベル6は、パネルカバー134の裏面134B側に配置され、支持プレート7は、パネルカバー134の裏面134B側において、近距離無線通信ラベル6よりもパネルカバー134から離れて位置している。このように、近距離無線通信ラベル6は、パネルカバー134と支持プレート7との間に挟まれた位置に配置されている。
【0086】
パネルカバー134の裏面143Bにおける取り付け部1341に、ボス等の突起形状が存在していたときには、支持プレート7の貫通孔71を突起形状が存在する箇所に対応して形成することで、支持プレート7とパネルカバー134の突起形状とが干渉することを抑制しながら、支持プレート7を取り付け部1341に取り付けることができる。
【0087】
パネルカバー134の裏面143B側において、支持プレート7の下方には、操作パネル133を制御するためのパネル基板135が配置されている。パネル基板135は、パネルカバー134の裏面143B側において、支持プレート7よりもパネルカバー134から離れて位置している。
【0088】
近距離無線通信ラベル6は、パネルカバー134の裏面143B側に配置されているが、メイン制御基板122およびパネル基板135等の画像形成装置1Aの他の箇所と、ハーネス等の有線による接続は行われていない。
【0089】
図11に示すように、メイン制御基板122には、Wi-Fiモジュール1221が接続されており、Wi-Fiモジュール1221によって、画像形成装置1Aと外部機器との間でWi-Fi接続を行うことが可能となっている。
【0090】
外部機器を画像形成装置1Aの外部から近距離無線通信ラベル6の近くにかざして、外部機器と近距離無線通信ラベル6との間で近距離無線通信を行うことにより、外部機器がWi-Fiモジュール1221とWi-Fi接続を行う際に必要なWi-Fi接続情報を取得し、取得したWi-Fi接続情報を用いて外部機器とWi-Fiモジュール1221との間でWi-Fi接続がなされる。
【0091】
このように、画像形成装置1Aにおいては、近距離無線通信ラベル6と外部機器との間で近距離無線通信を行うように構成されているため、従来のように、ガラスエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等で構成される近距離無線通信基板を必要としない。従って、異なる機種の画像形成装置1Aに対して共通の近距離無線通信ラベル6を用いることが可能となっている。これにより、電子ごみの削減、ならびに近距離無線通信機能を構成する部品の保管費用およびスペースの削減を図ることができる。
【0092】
また、メイン制御基板122およびパネル基板135等といった、画像形成装置1Aにおける装置本体側の他の箇所と接続するハーネスを必要としないので、装置本体内にハーネスを引き回すためのスペースを必要としないとともに、パネルカバー134にハーネスを固定するための形状が不要となり、画像形成装置1Aの小型化を図ることが可能となっている。
【0093】
また、近距離無線通信ラベル6をパネルカバー134の裏面134B側に配置するときには、近距離無線通信ラベル6をパネルカバー134と支持プレート7との間に挟んだ状態で配置するため、近距離無線通信ラベル6のアンテナ部62がカールすることを抑制でき、外部機器との通信能力を安定させることが可能となっている。
【0094】
また、近距離無線通信ラベル6は、第1実施形態の場合と同様に、例えば一面に粘着層を形成することで、支持プレート7の第1面7Aに貼付することができる。図14に示すように、近距離無線通信ラベル6を貼付した支持プレート7を、パネルカバー134の取り付け部1341に、第1面7Aがパネルカバー134の裏面134Bと対向する姿勢で貼付けることで、パネルカバー134の裏面134B側に配置することができる。この場合、近距離無線通信ラベル6は、パネルカバー134と支持プレート7との間に挟まれた位置に配置される。
【0095】
このように、近距離無線通信ラベル6を支持プレート7に貼付することで、貼付前の近距離無線通信ラベル6がカールしていたとしても、貼付後の近距離無線通信ラベル6におけるアンテナ部62の平面性を確保することができる。仮に、貼付した近距離無線通信ラベル6が支持プレート7から剥がれたとしても、近距離無線通信ラベル6はパネルカバー134と支持プレート7との間に挟まれているため、パネルカバー134の裏面134Bから大きく離れることがなく、外部機器との通信能力を安定させることが可能である。
【0096】
図15に示すように、近距離無線通信ラベル6は、例えば一面に粘着層を形成することで、パネルカバー134の裏面134Bにおける取り付け部1341に直接貼付することができる。
【0097】
このように、近距離無線通信ラベル6をパネルカバー134の裏面134Bに直接貼付することで、ガラスエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等で構成される電子基板上にアンテナ部を形成して構成された従来の近距離無線通信基板をパネルカバー134の裏面134Bに取り付けた場合よりも、アンテナ部62をパネルカバー134の表面134Aの近くに位置させることができる。これにより、近距離無線通信ラベル6と通信を行う外部機器がパネルカバー134から多少離れた位置にあっても、近距離無線通信ラベル6と外部機器との間での通信を安定して行うことが可能となる。
【0098】
画像形成装置1Aにおいては、パネルカバー134の裏面134Bにおける取り付け部1341には、図16に示す従来の近距離無線通信基板108を取り付けることが可能である。近距離無線通信基板108は、ガラスエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等で構成されており、ループ状のアンテナ181aが形成されるアンテナ部181と、ICチップ182aおよびコネクタ182b等の電子部品が実装される制御部182とを有している。また、近距離無線通信基板108には、貫通孔108aおよび位置決め孔108bが形成されている。
【0099】
アンテナ部181のアンテナ181aは、外部機器と通信するための電波を送受信する。制御部182のICチップ182aは、アンテナ181aにより送受信される電波を信号処理する。また、ICチップ182aは、アンテナ部181を通じて外部機器に送信される情報が記憶された記憶部を有することもできる。コネクタ182bには、ハーネス183の一端部が接続されている。近距離無線通信基板108は、無線通信のためのアンテナ部が形成された基板と、基板に実装される電子部品とを有する近距離無線通信基板である。
【0100】
図17に示すように、近距離無線通信基板108は、近距離無線通信基板108の外縁部を係合爪1342に係合させることで、取り付け部1341に取り付けることができる。この場合、近距離無線通信基板108の位置決め孔108bに位置決めピン1343が挿入されることにより、取り付け部1341に取り付けられた近距離無線通信基板108の位置決めがなされている。
【0101】
パネル基板135にはコネクタ1351が実装されており、コネクタ1351にはハーネス183の他端部が接続されている。近距離無線通信基板108はハーネス183を介してパネル基板135と接続されている。コネクタ1351は、近距離無線通信基板108に接続されたハーネス183を接続可能な接続部である。
【0102】
また、パネル基板135にはコネクタ1352が実装されており、コネクタ1352にはハーネス1353の一端部が接続されている。ハーネス1353の他端部は、メイン制御基板122に実装されるコネクタ1222(図11参照)に接続されている。
【0103】
外部機器を画像形成装置1の外部から、取り付け部1341に取り付けられた近距離無線通信基板108の近くにかざすことにより、外部機器と近距離無線通信基板108との間で近距離無線通信を行うことが可能である。
【0104】
さらに、外部機器と近距離無線通信基板108との間で近距離無線通信を行うことにより、外部機器はWi-Fiモジュール1221とWi-Fi接続を行う際に必要なWi-Fi接続情報を取得可能である。外部機器は、取得したWi-Fi接続情報を用いてWi-Fiモジュール1221との間でWi-Fi接続を行うことが可能である。
【0105】
パネルカバー134の裏面134B側に近距離無線通信ラベル6が配置された画像形成装置1において、Wi-Fiモジュール1221の交換が行われると、新たなWi-Fiモジュール1221に記憶されているWi-Fi接続情報と、近距離無線通信ラベル6のICチップ63に記憶されているWi-Fi接続情報とが異なったものとなる。
【0106】
従って、画像形成装置1においてWi-Fiモジュール1221の交換が行われた場合には、近距離無線通信ラベル6に代えて、近距離無線通信基板108をパネルカバー134の取り付け部1341に取り付けてメイン制御基板122と接続することで、外部機器とWi-Fiモジュール1221とのWi-Fi接続を継続可能としている。
【0107】
このように、パネルカバー134の取り付け部1341は、近距離無線通信基板108を取り付け可能であるとともに、支持プレート7を取り付け可能に構成されている。つまり、パネルカバー134は、近距離無線通信基板108を取り付け可能な取り付け部1341を備えており、支持プレート7は、取り付け部1341に取り付け可能な形状を有している。
【0108】
支持プレート7を、取り付け部1341に取り付け可能な近距離無線通信基板108と同等の形状に形成することで、画像形成装置1Aの機種毎に作成していた従来の近距離無線通信基板108の代替品として用いることが可能である。また、画像形成装置1Aの状態によっては、支持プレート7に代えて近距離無線通信基板108を取り付け部1341に取り付けることで、外部機器とWi-Fiモジュール1221とのWi-Fi接続を継続することが可能である。
【0109】
また、画像形成装置1Aにおいては、メイン制御基板122が、近距離無線通信基板108に接続されたハーネス183を接続可能なコネクタ1222を有しているため、近距離無線通信ラベル6に代えて近距離無線通信基板108を用いることによっても、近距離無線通信機能を提供することが可能となっている。
【0110】
また、図17に示すように、パネルカバー134は、裏面134Bにフック1344を有している。フック1344は、取り付け部1341に取り付けられた近距離無線通信基板108に接続されるハーネス183を係止可能であり、フック1344によりハーネス183を係止することで、ハーネス183の動きを制限することが可能である。フック1344は、ハーネスの動きを制限する制限部の一例である。ノイズ対策のため、ハーネス183をフェライトコアに通すことがあるが、制限部は、そのフェライトコアそのもの、あるいはフェライトコアを支持・固定するための穴、リブ等であってもよい。
【0111】
このように、パネルカバー134がフック1344を有することで、近距離無線通信ラベル6に代えて、近距離無線通信基板108をパネルカバー134の取り付け部1341に取り付けたときに、近距離無線通信基板108に接続されたハーネス183の遊びを減少させることが可能である。
【符号の説明】
【0112】
1、1A 画像形成装置
2 筐体
6 近距離無線通信ラベル
7 支持プレート
8、108 近距離無線通信基板
25 トップカバー
26 パネルカバー
25B 裏面
51、133 操作パネル
52、135 パネル基板
53、122 メイン制御基板
81、181 アンテナ部
81a、181a アンテナ
82、182 制御部
82a、182a ICチップ
82b、182b コネクタ
83、183 ハーネス
62 アンテナ部
63 ICチップ
102 第1筐体
103 第2筐体
134 パネルカバー
134B 裏面
254、1344 フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17