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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027822
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04746 20160101AFI20240222BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20240222BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20240222BHJP
   H01M 8/04029 20160101ALI20240222BHJP
   H01M 8/04044 20160101ALI20240222BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20240222BHJP
【FI】
H01M8/04746
H01M8/04694
H01M8/04 J
H01M8/04029
H01M8/04044
H01M8/04313
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130953
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山宮 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】早川 直
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩之
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB23
5H127AC02
5H127AC03
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA18
5H127BA33
5H127BA34
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB19
5H127BB37
5H127DB98
5H127DC93
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE29
5H127GG04
5H127GG10
(57)【要約】
【課題】熱媒体の過度な温度上昇を抑制しつつ、循環ポンプのエア抜きを実施することができる燃料電池装置を提供する。
【解決手段】エア抜き制御は第一制御と、第一制御の終了後に開始される第二制御とを含んでいる。この第二制御において制御装置30は、第一循環ポンプP1に対して、連続的に駆動する連続駆動と所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動とを選択的に実施し、第二循環ポンプP2に対して、連続的に駆動する連続駆動と所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動とを選択的に実施し、かつ、第一循環ポンプP1の間欠駆動と第二循環ポンプP2の間欠駆動を同時に実施しない。これにより、蓄熱タンク3内の熱媒体の対流を停止させないので、蓄熱タンク3内に設けられたヒータ8周辺の熱媒体の温度の過度な上昇を防ぎ、熱媒体の沸騰を防止することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸素含有ガスとを用いて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池モジュールと、
前記燃料電池モジュールからの排熱と熱媒体とで熱交換を行う第一熱交換器と、
前記熱媒体を貯留する蓄熱タンクと、
前記蓄熱タンク内に設けられたヒータと、
前記蓄熱タンクと前記第一熱交換器との間で前記熱媒体が循環する第一循環経路と、
記第一循環経路に設けられ、前記熱媒体を循環させる第一循環ポンプと、
前記蓄熱タンクに貯留された前記熱媒体と外部から供給される水とで熱交換を行う第二熱交換器と、
前記蓄熱タンクと前記第二熱交換器との間で前記熱媒体が循環する第二循環経路と、
前記第二循環経路に設けられ、前記熱媒体を循環させる第二循環ポンプと、
前記燃料電池の発電を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記燃料電池の発電開始前に、前記第一循環ポンプと前記第二循環ポンプを駆動するエア抜き制御を開始し、
前記エア抜き制御は第一制御と、第一制御の終了後に開始される第二制御とを含み
前記第二制御において前記制御装置は、
前記第一循環ポンプに対して、連続的に駆動する連続駆動と、所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動と、を選択的に実施し、
前記第二循環ポンプに対して、連続的に駆動する連続駆動と、所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動と、を選択的に実施し、
かつ、前記第一循環ポンプの間欠駆動と前記第二循環ポンプの間欠駆動を同時に実施しない燃料電池装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第一循環ポンプおよび前記第二循環ポンプに連続駆動と間欠駆動とを交互に実施させ、
前記第一循環ポンプを連続駆動する時間と前記第二循環ポンプを連続駆動する時間は、前記第一循環ポンプと前記第二循環ポンプの間欠駆動が同時に行われないように設定されている請求項1記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第一循環ポンプまたは前記第二循環ポンプのいずれか一方に、前記第二制御よりも優先度の高い優先制御の実行要求があった場合には、前記優先制御の実行要求があった方の前記第二制御を中断し
前記第二制御には、前記優先制御から移行したときに最初に実行される復帰ステップが設定されており、
前記制御装置は、前記優先制御が終了したときは前記第二制御に移行して、前記第一循環ポンプと前記第二循環ポンプは前記復帰ステップから開始させる請求項2記載の燃料電池装置。
【請求項4】
前記第二制御の終了条件は、実行時間が所定時間以上であることを含み、
前記制御装置は、優先制御を実行している間は前記第二制御の実行時間の計測を停止する請求項3記載の燃料電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素を含有する燃料ガスと酸素含有ガス(空気)とを用いて発電を行ない、電気を外部に供給する燃料電池装置が知られている。このような燃料電池装置は、発電によって発生した排ガスから熱を回収して蓄熱タンクに蓄え、これを用いて給湯を行うことでエネルギーを効率よく利用している。そのため燃料電池装置には、排ガスと熱媒体とで熱交換を行う熱交換器と、熱交換器で熱交換して温度の上昇した熱媒体を蓄える蓄熱タンクと、熱交換器と蓄熱タンクとの間で熱媒体を循環させる循環経路と、熱媒体を循環させるための循環ポンプと、が設けられている。また、循環経路を循環する熱媒体としては水を用いることができる。
【0003】
循環経路内の水の温度が上昇すると、水中に溶存する空気が気泡として現れて循環経路内に空気溜りが発生する。循環経路内で発生した空気が循環ポンプに入り込むと、エア噛みが発生してポンプの機能が低下するため、循環ポンプの空気を抜くエア抜き制御が行われる。一般にエア抜き制御では、所定のOFF期間と動作期間を設定して循環ポンプを間欠的に動作させるようになっている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-086156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、燃料電池装置には熱媒体の凍結を防止するなどの目的で、循環経路内の熱媒体を加熱するためのヒータが設けられている。ヒータの通電中にエア抜き制御が実施される場合、熱媒ポンプがOFFとなると熱媒体の対流が停止するため、ヒータが設けられている付近の熱媒体の温度が過度に上昇して沸騰してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、熱媒体の過度な温度上昇を抑制しつつ、循環ポンプのエア抜きを実施することができる燃料電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、燃料ガスと酸素含有ガスとを用いて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池モジュールと、
前記燃料電池モジュールからの排熱と熱媒体とで熱交換を行う第一熱交換器と、
前記熱媒体を貯留する蓄熱タンクと、
前記蓄熱タンク内に設けられたヒータと、
前記蓄熱タンクと前記第一熱交換器との間で前記熱媒体が循環する第一循環経路と、
記第一循環経路に設けられ、前記熱媒体を循環させる第一循環ポンプと、
前記蓄熱タンクに貯留された前記熱媒体と外部から供給される水とで熱交換を行う第二熱交換器と、
前記蓄熱タンクと前記第二熱交換器との間で前記熱媒体が循環する第二循環経路と、
前記第二循環経路に設けられ、前記熱媒体を循環させる第二循環ポンプと、
前記燃料電池の発電を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記燃料電池の発電開始前に、前記第一循環ポンプと前記第二循環ポンプを駆動するエア抜き制御を開始し、
前記エア抜き制御は第一制御と、第一制御の終了後に開始される第二制御とを含み
前記第二制御において前記制御装置は、
前記第一循環ポンプに対して、連続的に駆動する連続駆動と、所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動と、を選択的に実施し、
前記第二循環ポンプに対して、連続的に駆動する連続駆動と、所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動と、を選択的に実施し、
かつ、前記第一循環ポンプの間欠駆動と前記第二循環ポンプの間欠駆動を同時に実施しない燃料電池装置である。
【発明の効果】
【0008】
上述のように構成することにより、熱媒の過度な温度上昇を抑制しつつ、循環ポンプのエア抜きを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の燃料電池装置のシステム構成図である。
図2】本実施形態の燃料電池装置の状態遷移図である。
図3】本実施形態の第二制御における第一循環ポンプと第二循環ポンプの動作を表すタイムチャートの一例である。
図4】本実施形態の第二制御における第一循環ポンプと第二循環ポンプの動作を表すフローチャートである。
図5】本実施形態の第二制御において、優先制御の実行要求が発生した場合の第一循環ポンプと第二循環ポンプの動作を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0011】
本発明は、ヒータが設けられた蓄熱タンクと、蓄熱タンク内に貯留された熱媒体が循環する経路として、第一循環ポンプが設けられる第一循環経路と、第二循環ポンプが設けられる第二循環経路を備え、制御装置は燃料電池の発電開始前に第一循環ポンプと第二循環ポンプのエア抜き制御を開始する燃料電池装置に関し、エア抜き制御は第一制御と、第一制御の終了後に開始される第二制御とを含んでおり、この第二制御において制御装置は、第一循環ポンプに対して、連続的に駆動する連続駆動と所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動とを選択的に実施し、第二循環ポンプに対して、連続的に駆動する連続駆動と所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動とを選択的に実施し、かつ、第一循環ポンプの間欠駆動と第二循環ポンプの間欠駆動を同時に実施しない。第二制御の実施中は、第一循環経路と第二循環経路の少なくともいずれかで常に熱媒体が循環することとなり、蓄熱タンク内の熱媒体の対流を停止させないので、ヒータ周辺の熱媒体の温度の過度な上昇を防ぎ、熱媒体の沸騰を防止することができる。
【0012】
また、制御装置は、第一循環ポンプおよび第二循環ポンプに連続駆動と間欠駆動とを交互に実施させ、第一循環ポンプを連続駆動する時間と第二循環ポンプを連続駆動する時間は、第一循環ポンプと第二循環ポンプの間欠駆動が同時に行われないように設定されている。これにより、確実に第一循環ポンプと第二循環ポンプとが同時に間欠駆動しないように制御することができる。
【0013】
また、第二制御には、優先制御から移行したときに最初に実行される復帰ステップが設定されている。制御装置は、第一循環ポンプまたは第二循環ポンプのいずれか一方に、第二制御よりも優先度の高い優先制御の実行要求があった場合には、優先制御の要求があった方の第二制御を中断し、優先制御が終了したときは、第二制御に移行して第一循環ポンプと第二循環ポンプは復帰ステップから開始させる。これにより、優先制御の要求があった場合においても、第二制御に移行した際には復帰ステップから開始されるので、第一循環ポンプと第二循環ポンプが同時に間欠駆動しないように制御することができる。
【0014】
また、第二制御の終了条件は、実行時間が所定時間以上であることを含み、制御装置は、優先制御を実行している間は第二制御の実行時間の計測を停止する。これにより、優先制御の要求があった場合においても、第二制御の実行時間が不足することを防止し、確実に熱媒体中のエアを抜くことができる。
【実施例0015】
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
【0016】
図1は本実施形態の燃料電池装置のシステム構成図である。燃料電池装置100は、燃料電池モジュール1を含み、燃料電池モジュール1を作動させるための、第一熱交換器2、蓄熱タンク3、凝縮水タンク4、放熱器5、空気供給装置14、燃料供給装置15、改質水供給装置16等の複数の補機が筐体50内に納められている。筐体50内には上述の装置全てが収められる必要はなく、例えば、第一熱交換器2や蓄熱タンク3を筐体50の外部に設けてもよい。また、上述の装置の一部を省略した燃料電池装置も可能である。
【0017】
燃料電池モジュール1は、箱状の収納容器10の内部に、燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう燃料電池11と、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する改質器12と、を収容して構成される。
【0018】
燃料電池11の構成については特に限定はしないが、例えば、複数の燃料電池セルが配列されてなるセルスタック構造を有していてもよい。セルスタック構造の燃料電池11は、例えば、各燃料電池セルの下端を、ガラスシール材等の絶縁性接合材を用いて、マニホールドに固定することによって構成される。
【0019】
改質器12は、天然ガス、LPガス等の原燃料ガスを水蒸気改質し、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する。改質器12には、原燃料ガスを供給する燃料供給装置15と、改質水を供給する改質水供装置16が接続されており、原燃料ガスと改質水は加熱された改質器12で改質反応し、水素を含む燃料ガスが生成される。
【0020】
燃料電池11には、改質器12で生成された燃料ガスと、空気供給装置14によって導入された空気(酸素含有ガス)が供給される。燃料ガスは、燃料電池セル内を通過するときに酸素含有ガスと反応して発電が行われる。発電に使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスは、燃料電池11の上部で合流して燃焼する。この燃料ガスの燃焼によって高温の排ガスが生成され、改質器12はこの熱によって加熱される。このようにして燃料電池モジュール1内で生じた排ガスは、第一熱交換器2に供給される。
【0021】
第一熱交換器2には配管を介して、蓄熱タンク3、熱媒ポンプ(第一循環ポンプ)P1および放熱器5が接続され、第一循環経路HC1が形成されている。この第一循環経路HC1には熱媒体が導入されており、第一熱交換器2ではこの熱媒体と前述の排ガスとで熱交換が行われて熱媒体が加熱される。熱媒体としては水を用いることができ、蓄熱タンク3は熱交換により温度が上昇した熱媒体を蓄える。蓄熱タンク3に蓄えられた熱媒体は、放熱器5に送られて冷却され、再び第一熱交換器2で排ガスと熱交換を行った後、蓄熱タンク3に還流する。これにより、蓄熱タンク3には上部から温度の高い熱媒体が蓄えられ温度成層が形成される。
【0022】
蓄熱タンク3には、水を補給するための補給流路25が接続されている。補給流路25は、外部の水供給源に接続された供給流路26から分岐して設けられ、途中に流路を開閉する給水弁25aを備えている。燃料電池装置100の設置時や、運転中に蓄熱タンク3内の水位が所定以下となったときには給水弁25aを開くことで補給流路25を通じて蓄熱タンク3に水道水が供給される。
【0023】
また、蓄熱タンク3には、蓄熱タンク3内の水量を監視するための水位検知手段7と、熱媒体を加熱するための加熱ヒータ8が設けられている。水位検知手段としては、フロートセンサや静電容量センサなど公知の水位センサを用いることができ、蓄熱タンク3内の水量が所定量以上であるときに水有を検知し、所定量を下回ったときに水無しを検知する。本実施形態においては、水位検知手段7が1箇所に設けられている例を示しているが、水位検知手段7を上下方向に複数設け、複数箇所における水位を検知するようにしてもよい。
【0024】
加熱ヒータ8は、蓄熱タンク3内に配設されて蓄熱タンク3内の水を加熱する。例えば、外気温が低く、燃料電池装置100内で水が凍結するおそれのあるときは、加熱ヒータ8に通電することで水温を上昇させて凍結を防止することができる。さらには、燃料電池11での発電量が需要家での消費電力量を超える場合には、余った電力(余剰電力)を消費させるために加熱ヒータ8に通電するようにしてもよい。
【0025】
また、第一熱交換器2には、凝縮水回収路20を介して凝縮水タンク4が接続されている。燃料電池モジュール1で発生した排ガスが熱交換によって冷却されると、排ガス中に含まれる水蒸気が水と気体に分離され、分離された水は、凝縮水回収流路20を通って凝縮水タンク4に回収される。凝縮水タンク4では、イオン交換器(図示せず)などを経て、回収した水から不純物を取り除いて純水化する。純水化した水は水供給装置16により改質器12に供給され、改質水として使用される。一方で、水分が取り除かれた気体は、排気流路21を通ってから筐体50の外に排出される。
【0026】
改質器12に原燃料を供給する燃料供給装置15は、燃料の供給源から繋がる原燃料流路22上に、第1電磁弁150、圧力センサ151、脱硫器152、ガス流量計153、燃料ポンプ154、第2電磁弁155等の補機が設けられている。改質器12に改質水を供給する改質水供給装置16は、凝縮水タンク4から繋がる改質水流路23上に改質水ポンプ160等の補機が設けられている。燃料電池モジュール1に酸素含有ガスを供給する空気供給装置14は、酸素含有ガス流路24上に、エアフィルタ140、空気流量計141、ブロワ142等の補機が設けられている。なお、ここに挙げた補機は一例であって、この他の補機を備える構成としてもよい。
【0027】
また、燃料電池装置100は、第二熱交換器6、蓄熱タンク3から熱媒を循環させる与熱ポンプ(第二循環ポンプ)P2およびこれらを繋ぐ配管を含む第二循環経路HC2を備えている。第二循環経路HC2では、外部から供給流路26を介して供給された水道水を、蓄熱タンク3に貯留された高温の熱媒体を用いて第二熱交換器6で加温する。加温された水を外部の給湯器等の再加熱装置に向けて送給流路27を介して送給することができる。
【0028】
燃料電池装置100内において、第一循環経路HC1や第二循環経路HC2のように熱媒体が流れる流路には、熱媒体の温度を計測するため、温度センサやサーミスタ等の複数の温度検知手段TH1~TH6が設けられている。
【0029】
例えば、蓄熱タンク3内の熱媒体の温度を検知する手段として、タンク低サーミスタTH1、タンク高サーミスタTH2を有している。タンク低サーミスタTH1は、蓄熱タンク3内の比較的低温の熱媒体の温度を検知するものであり、蓄熱タンク3の下部に設けられている。タンク高サーミスタTH2は、蓄熱タンク3内の比較的高温の熱媒体の温度を検知するものであり、蓄熱タンク3近傍の第二循環経路HC2上に設けられている。また、第一循環経路HC1を流れる熱媒体の温度を検知する手段として、熱媒低サーミスタTH3、熱媒高サーミスタTH4を有している。熱媒低サーミスタTH3は第一循環ポンプP1と第一熱交換器2の間に設けられ、放熱器5で冷却されて第一熱交換器2に流入する熱媒体の温度を検知する。熱媒高サーミスタTH4は第一熱交換器2と蓄熱タンク3との間に設けられ、第一熱交換器2を通過した後の熱媒体の温度を検知する。さらに、供給流路26には外部から供給される水の温度を検知する入水サーミスタTH6、送給流路27には第二熱交換器6により加温された水の温度を検知する出湯サーミスタTH6が設けられる。これらは温度検知手段の一例であって、検知する温度や配置場所は本実施形態に限らない。また、これ以外の温度検知手段を備えていてもよい。
【0030】
さらに、燃料電池装置100には、各種機器の動作を制御する制御装置30が設けられているほか、燃料電池モジュール1にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電気の外部負荷への供給量を調整するための供給電力調整部(パワーコンディショナ)40を備えている。
【0031】
制御装置30は、燃料電池装置100を構成する補機や各種センサに接続されており、各種センサが検知する値や図示しないリモコンからの指示に基づいて燃料電池装置100の動作を制御する。
【0032】
図2は、本実施形態の燃料電池装置の状態遷移図である。燃料電池装置100が発電を行う際の制御装置30の制御手順を示している。
【0033】
制御装置30は、運転開始の指示を待つ「待機状態」において、運転開始指示を受信すると、「起動工程」に移行する。運転開始の指示は、例えばユーザ宅に設けられたリモコンや、メンテナンス作業者が操作する操作基板から行うことができる。「起動工程」では、蓄熱タンク3および凝縮水タンク4への水張り、第一循環ポンプP1および第二循環ポンプP2のエア抜き開始、改質水流路23への水充填などを実施し、「起動工程」が完了すると「点火工程」へ移行する。「点火工程」では、燃料ガスと空気を燃料電池モジュール1内に流入させて燃料ガスに着火する。着火したことが確認されると「昇温工程」に移行し、「昇温工程」では、燃料ガスと空気を燃焼させて改質反応が可能になるまで改質器12を昇温させる。その後、「発電工程」へ移行し、燃料電池モジュール1に燃料ガス、水、空気を供給して燃料電池11の発電がおこなわれる。「発電工程」において発電停止の指示を受けると、「停止工程」に移行して停止処理を行う。「停止工程」が完了すると「待機状態」に戻り、運転開始の指示を待つ。
【0034】
次に、上述の「起動工程」において開始されるエア抜き制御について詳細に説明する。
【0035】
制御装置30は、「起動工程」において、まず蓄熱タンク3に水を張る水張りを開始する。水張りを開始して、水位検知手段7が検知する蓄熱タンク3内の水量が所定量以上になるとエア抜き制御を開始する。なお、蓄熱タンク3にすでに水が張られている場合は、水張りをせずにエア抜き制御を開始する。本実施形態においてエア抜き制御は、第一制御と、第一制御の終了後に開始される第二制御とを含んでいる。
【0036】
第一制御は、エア抜き制御の開始時に行われる制御である。エア抜き制御の開始時には、循環経路(第一循環経路HC1、第二循環経路HC2)、循環ポンプ(第一循環ポンプP1、第二循環ポンプP2)には空気溜まりが多数存在している。第一制御では、制御装置30はこの空気溜まりを除去することを目的として、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の駆動を制御する。
【0037】
制御装置30は、第一制御において、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2に対して、所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動を実施する。循環ポンプをDuty制御する場合であれば、例えばDuty比10%で10秒間ON(駆動)した後、30秒間OFF(停止)し、この動作を1サイクルとして、これを複数回繰り返す。間欠駆動をおこなうことにより、水の流れが乱されるため、空気溜まりが流動しやすくなり、循環ラインや循環ポンプ内に溜まっている空気を取り除くことができる。また、第一制御におけるDuty比は一定ではなく、徐々に大きくすることができる。例えばDuty比10%でONとOFFを2サイクル繰り返した後は、Duty比を25%に変更してONとOFFを繰り返してもよい。このようにDuty比を徐々に上げることで、循環ポンプを駆動する際の騒音を抑えることができる。さらには、Duty比を大きくするにしたがって繰り返しの回数を多くすることができる。これにより、循環ポンプを高出力で駆動する時間を長くして、空気溜まりを効果的に除去することができる。
【0038】
なお、循環ポンプは回転数によって制御してもよい。回転数制御をする場合であっても、Duty制御と同様に所定のOFF期間を挟んで駆動させる。また、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2のONとOFFのタイミングについては特に規定しない。ONとOFFのタイミングを同じにしてもよいし、ONとOFFのタイミングをずらすようにしてもよい。
【0039】
第一制御は、間欠駆動のサイクルを所定回数または所定時間実施した際に終了する。制御装置30は、第一制御が終了すると、続けて第二制御を開始する。また、第二制御が開始されると、燃料電池装置100は「起動工程」から次の「点火工程」に移行してもよい。第二制御を次の工程とともに実施することで、燃料電池装置100の起動にかかる時間を短縮することができる。
【0040】
第二制御は、熱媒体に溶存している空気を除去することを目的とした制御である。熱媒体の温度が上昇すると、熱媒体に溶存していた空気が気泡として現れる。この気泡が循環ポンプに入り込むとエア噛みを起こしてポンプの機能を低下させることになるため、第二制御を実施することによって、熱媒体中の溶存空気を除去する。第二制御では、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2に対して、連続的に駆動する連続駆動と、所定のOFF期間を挟んで駆動する間欠駆動とを選択的に実施することができる。このとき制御装置30は、第一循環ポンプP1の間欠駆動と第二循環ポンプP2の間欠駆動を同時に実施しないように、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の動作を制御する。
【0041】
図3は、本実施形態の第二制御における第一循環ポンプと第二循環ポンプの動作を表すタイムチャートの一例である。図では、連続駆動の区間を網掛けで表示し、間欠駆動の区間を網掛け無しで表示している。第一循環ポンプP1はT1(連続)→T2(間欠)→T1(連続)→T2(間欠)→・・・と、連続駆動と間欠駆動を交互に実施し、第二循環ポンプP2もT4(間欠)→T3(連続)→T4(間欠)→T3(連続)→・・・と、連続駆動と間欠駆動とを交互に実施するが、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の間欠駆動の区間が重なることはない。つまり、第一循環ポンプP1が間欠駆動しているときは、第二循環ポンプP2は連続駆動しており、反対に第二循環ポンプP2が間欠駆動しているときは、第一循環ポンプP1が連続駆動している。
【0042】
第二制御では、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2を駆動することで、蓄熱タンク3内の熱媒体が対流している。また、蓄熱タンク3内には加熱ヒータ8が設けられており、加熱ヒータ8に通電することで蓄熱タンク3内の熱媒体が加熱される。循環ポンプの駆動によって熱媒体が対流していれば加熱ヒータ8の熱は拡散されて蓄熱タンク3の全体を満遍なく加熱することができる。しかしながら、循環ポンプがともにOFFになると、蓄熱タンク3内の熱媒体の対流が止まるので、加熱ヒータ8が通電されている場合には、加熱ヒータ8周辺の熱媒体の温度が過度に上昇して熱媒体が沸騰してしまうおそれがある。そこで熱媒体の沸騰を防止するため、制御装置30は第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の間欠駆動を同時に実施しないように循環ポンプの動作を制御する。いずれか一方の循環ポンプが連続駆動しているときに、他方の循環ポンプを間欠駆動すれば、ともにOFFとなる状態を容易に回避することができる。
【0043】
なお、図では、T1~T4が予め決められた長さに設定されている例を示したが、T1~T4の長さは途中で変更してもよい。また、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の連続駆動の長さT1とT3は同じでもよいし、異なっていてもよい。間欠駆動の長さT2とT4に関しても同様である。さらには、第一循環ポンプP1は連続駆動から開始しているのに対して、第二循環ポンプP2は間欠駆動から開始しており、また第一循環ポンプP1の間欠駆動が終わると、第二循環ポンプP2の間欠駆動が開始されるようになっているが、間欠駆動を開始する順序やタイミングはこれに限らない。つまりは、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の間欠駆動が重ならないようになっていればT1~T4は適宜設定することができる。
【0044】
次に、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の動作の具体例について説明する。
【0045】
図4は、本実施形態の第二制御における第一循環ポンプと第二循環ポンプの動作を表すフローチャートであって、(A)は第一循環ポンプの動作を示すフローチャート、(B)は第二循環ポンプの動作を示すフローチャートである。第二制御は、第一制御が終了すると開始され、第一循環ポンプP1のフロー(A)と第二循環ポンプP2のフロー(B)が同時にスタートする。
【0046】
フロー(A)では、制御装置30は第一循環ポンプP1をDuty制御する。第二制御が開始されると、第一循環ポンプP1をDuty比Xで5分間連続駆動し(S1)、その後、3秒間のOFFとDuty比Xの10秒ONを1サイクルとしてこれを10回繰り返す間欠駆動を行う(S2)。S2が終了したらS1に戻る。
【0047】
また、フロー(B)では、制御装置30は第二循環ポンプP2を回転数制御する。第二制御が開始されると、第二循環ポンプP2を回転数Yで1分30秒間連続駆動し(S11)、その後、3秒間のOFFと回転数Yの10秒ONを1サイクルとしてこれを10回繰り返す間欠駆動を行う(S12)。S12が終了すると、続いて回転数Yで5分間連続駆動し(S13)、その後、3秒間のOFFと回転数Yの10秒ONを1サイクルとしてこれを10回繰り返す間欠駆動を行う(S14)。S14が終了したらS13に戻る。
【0048】
上述のフロー(A)とフロー(B)を同時にスタートすれば、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の間欠駆動が同時に実施されることはない。第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2を連続駆動する時間に着目すると、S1とS11の時間は異なる時間に設定され、S1とS13の時間が同じ時間に設定されている。つまり、第一循環ポンプP1は常に5分間連続駆動した後に間欠駆動を行うのに対し、第二循環ポンプP2は初回の連続駆動時間が1分30秒間で、2回目以降の連続駆動時間は第一循環ポンプP1と同じ5分間である。これにより、第二制御開始後、最初に実施される間欠駆動のタイミングをずらすことができる。また、2回目以降の間欠駆動は、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2のいずれも1回目の間欠駆動の終了から5分経過後(連続駆動の終了後)に実施されることになるため、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の間欠駆動が同時に実施されることがない。このように、第一循環ポンプP1を連続駆動する時間と第二循環ポンプP2を連続駆動する時間を設定するだけで簡単かつ確実に、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の間欠駆動が同時に行われないようにすることができる。
【0049】
第二制御は、開始から第一所定時間が経過するか、熱媒低サーミスタTH3が所定の温度を検知してから第二所定時間(第一所定時間>第二所定時間)が経過したときに終了する。よってこの終了条件を満たした際に、フロー(A)とフロー(B)は終了となる。溶存空気は熱媒体の温度が高くなると抜けやすくなるため、熱媒体の温度が高いことを検知した際には、第一所定時間が経過する前に第二制御を終了することができる。
【0050】
次に、第二制御の実行中に他の制御の割り込みが発生した場合の動作について説明する。
【0051】
エア抜き制御は第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2とを所定の動作で駆動する制御であるが、燃料電池装置100はエア抜き制御以外にも循環ポンプを駆動する制御を複数有しており、それぞれに優先順位が設けられている。つまり、第二制御の実行中に、第二制御よりも優先度が高く設定されている制御(以後、優先制御)の実行要求があった場合には、第二制御を中断して当該優先制御を実行する。優先制御が終了したときには、再び第二制御を実行する。
【0052】
優先制御の割り込みが一方の循環ポンプに対してのみ発生した場合、他方の循環ポンプは第二制御を継続して実行してもよい。
【0053】
そして、優先制御が終了したときには、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2ともに第二制御のスタート、具体的には第一循環ポンプP1はS1から、第二循環ポンプP2はS11から動作を開始する。
【0054】
第二循環ポンプP2のみ優先制御の割り込みが発生した場合には、その優先制御を実行している間は、第一循環ポンプP1は第二制御を継続して実行している。そのため、優先制御が終了して第二循環ポンプP2を第二制御に戻すときに、間欠駆動のタイミングが重なってしまうおそれがある。そこで、第二制御には、優先制御から移行した際に最初に実行される復帰ステップを予め設定し、優先制御が終了したときには、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2をともに復帰ステップから開始させる。本実施形態においては、第二制御のスタートが復帰ステップになっているので、優先制御が終了した際には、第二制御のスタートから開始する。これにより、第二制御を再開したときにも間欠駆動のタイミングが重なることが防止される。
【0055】
なお、復帰ステップは、第二制御のスタートに限定されない。復帰ステップとは、そこから制御を開始することで第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2を間欠駆動するタイミングが重ならないステップのことであるから、この条件を満たすように復帰ステップを設定すればよい。また、優先制御から移行した際には、通常の第二制御にはないステップを追加してこれを復帰ステップとすることもできる。
【0056】
優先制御の実行中は、第二制御の実行時間の計測を停止し、第二制御に戻った際に計測を開始する。
【0057】
図5は、本実施形態の第二制御において、優先制御の実行要求が発生した場合の第一循環ポンプと第二循環ポンプの動作を表すタイムチャートである。図では、第二制御の開始時刻をt0としており、時刻t1で第二循環ポンプP2に優先制御の割り込みが発生し、時刻t2で優先制御が終了して第二制御を再開した場合を示している。また、連続駆動の区間を網掛けで、間欠駆動の区間を網掛け無しで表示し、Sはフローチャートのステップを表している。
【0058】
時刻t0で第二制御が開始されると、第一循環ポンプP1はS1の5分間の連続駆動を開始する。一方の第二循環ポンプP2は、S11の1分30秒の連続駆動を行った後、S12の間欠駆動を開始し、間欠駆動が終了するとS13の5分間の連続駆動を開始する。第二循環ポンプP2が5分間の連続駆動を行っている間に第一循環ポンプP1はS2の間欠駆動を開始することとなる。
【0059】
続いて時刻t1で、第二循環ポンプP2に優先制御の割り込みが発生すると、第二循環ポンプP2はt1からt2の間は優先制御を実行する。一方で第一循環ポンプP1は、そのまま第二制御を継続する(5分間の連続駆動を継続)。
【0060】
そして時刻t2で優先制御が終了すると、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2はともに第二制御のスタートから第二制御を再開する。第一循環ポンプP1はS1に戻りここから5分間の連続駆動を開始する。第二循環ポンプP2はS11に戻り、1分30秒間の連続駆動を開始する。このように、優先制御が終了したときには、第一循環ポンプと第二循環ポンプをともに第二制御のスタート時点から開始することで、間欠駆動のタイミングが重なることが防止される。
【0061】
以上で説明したように、本実施形態の燃料電池装置100は、熱媒体中の空気を除去する第二制御において、制御装置30は、第一循環ポンプP1の間欠駆動と第二循環ポンプP2の間欠駆動を同時に実施しないように制御する。これにより、少なくとも第一循環経路HC1と第二循環経路HC2のいずれかでは常に熱媒体が循環しており、蓄熱タンク3内の熱媒体の対流を停止させない。したがって、熱媒体を加熱する加熱ヒータ8が通電されている場合であっても、加熱ヒータ8周辺の熱媒体の温度の過度な上昇を防ぎ、熱媒体の沸騰を防止することができる。
【0062】
また、制御装置30は、第一循環ポンプP1および第二循環ポンプP2に連続駆動と間欠駆動とを交互に実施させ、第一循環ポンプP1を連続駆動する時間と第二循環ポンプP2を連続駆動する時間は、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2の間欠駆動が同時に行われないように設定してもよい。これにより、容易かつ確実に第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2とが同時に間欠駆動しないように制御することができる。
【0063】
また、第二制御には、優先制御から移行したときに最初に実行される復帰ステップを設定することができる。制御装置30は、第二制御よりも優先度の高い優先制御の実行要求があった場合には、優先制御の要求があった循環ポンプの第二制御を中断する。そして、優先制御が終了したときは、第二制御に移行して、第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2は復帰ステップから開始させてもよい。これにより、優先制御の要求があった場合においても、第二制御に移行した際には第一循環ポンプP1と第二循環ポンプP2が同時に間欠駆動しないように制御することができる。
【0064】
また、第二制御の終了条件は、実行時間が所定時間以上であることを含んでいる。制御装置は、優先制御を実行している間は第二制御の実行時間の計測を停止してもよい。これにより、優先制御の要求があった場合においても、第二制御の実行時間が不足することを防止し、確実に熱媒体中の空気を除去することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 燃料電池モジュール
2 第一熱交換器
3 蓄熱タンク
6 第二熱交換器
8 加熱ヒータ(ヒータ)
30 制御装置
HC1 第一循環経路
HC2 第二循環経路
P1 第一循環ポンプ
P2 第二循環ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5