(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027831
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】索体引留め金具用カバー及び索体
(51)【国際特許分類】
F16G 11/04 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
F16G11/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130964
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003528
【氏名又は名称】東京製綱株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(74)【代理人】
【識別番号】100150865
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 司
(72)【発明者】
【氏名】堀 辰嘉
(57)【要約】
【課題】索体を引留めるために使用される索体引留め金具において、その耐食性、耐久性を向上させるための、索体引留め金具用カバーの提供。
【解決手段】索体を引留めるために使用される索体引留め金具を覆うためのカバーであって、索体引留め金具の外側を覆うカバー本体部12を備え、カバー本体部12の、索体引留め金具が索体に取り付けられた状態における索体の長手方向の端部の少なくとも一方において、索体を挿通させる索体挿通部を備える、索体引留め金具用カバー1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
索体を引留めるために使用される索体引留め金具を覆うためのカバーであって、
前記索体引留め金具の外側を覆うカバー本体部を備え、
前記カバー本体部の、前記索体引留め金具が前記索体に取り付けられた状態における前記索体の長手方向の両端部において、前記索体を挿通させる索体挿通部を備える、索体引留め金具用カバー。
【請求項2】
前記索体挿通部が、前記索体と弾性的に接触する弾性接触部を備える、請求項1に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項3】
前記弾性接触部が櫛歯状の部材によって構成されている、請求項2に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項4】
前記カバー本体部が、前記長手方向に沿った平面で分割された複数の側面体によって構成され、前記複数の側面体を相互に接続する接続部であって、前記複数の側面体の接合状態と分離状態の間の前記複数の側面体の相互の動作を許容する接続部を備える、請求項1に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項5】
それぞれの前記側面体の前記端部において、櫛歯状の部材を備えた前記索体挿通部を備える、請求項4に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項6】
前記カバー本体部の外周を巻き回される結束部材を案内するガイド部を備える、請求項4に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項7】
前記索体引留め金具を用いて引き留められた索体であって、請求項1から6の何れかに記載の索体引留め金具用カバーが前記索体引留め金具に取り付けられている、索体。
【請求項8】
前記索体挿通部にコーキング加工がされている、請求項7に記載の索体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤロープ等の索体を引留めるための索体引留め金具を覆うためのカバー及びこれが使用された索体に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤロープ等の索体が、構造物の補強や係留等の目的で構造物の2点間を接続するためなどに使用されており、この際に、索体を引留めるための索体引留め金具が用いられている。
特許文献1~3には、索体引留め金具として、くさびを用いた金具に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6009611号公報
【特許文献2】特許第6342563号公報
【特許文献3】国際公開第2021/090529号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~3によって開示される索体を引留めるための索体引留め金具は、いずれも、作業性に優れ、且つ、高い定着効率が得られ、非常に優れたものである。
このような索体(ワイヤロープ等)や索体引留め金具は、屋外で多用されており、耐久性や耐食性等の観点からステンレス鋼が用いられる等している。しかしながら、例えば融雪剤(塩)が接触し得るようなより厳しい環境においては、耐食性の高いSUS304やSCS13を用いても腐食が生じる場合がある。このような過酷な環境下においても、より高い耐食性、耐久性が得られるようにすることの要望がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、索体を引留めるために使用される索体引留め金具において、その耐食性、耐久性を向上させるための、索体引留め金具用カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(構成1)
索体を引留めるために使用される索体引留め金具を覆うためのカバーであって、前記索体引留め金具の外側を覆うカバー本体部を備え、前記カバー本体部の、前記索体引留め金具が前記索体に取り付けられた状態における前記索体の長手方向の両端部において、前記索体を挿通させる索体挿通部を備える、索体引留め金具用カバー。
【0007】
(構成2)
前記索体挿通部が、前記索体と弾性的に接触する弾性接触部を備える、構成1に記載の索体引留め金具用カバー。
【0008】
(構成3)
前記弾性接触部が櫛歯状の部材によって構成されている、構成2に記載の索体引留め金具用カバー。
【0009】
(構成4)
前記カバー本体部が、前記長手方向に沿った平面で分割された複数の側面体によって構成され、前記複数の側面体を相互に接続する接続部であって、前記複数の側面体の接合状態と分離状態の間の前記複数の側面体の相互の動作を許容する接続部を備える、構成1から3の何れかに記載の索体引留め金具用カバー。
【0010】
(構成5)
それぞれの前記側面体の前記端部において、櫛歯状の部材を備えた前記索体挿通部を備える、構成4に記載の索体引留め金具用カバー。
【0011】
(構成6)
前記カバー本体部の外周を巻き回される結束部材を案内するガイド部を備える、構成4又は5に記載の索体引留め金具用カバー。
【0012】
(構成7)
前記索体引留め金具を用いて引き留められた索体であって、構成1から6の何れかに記載の索体引留め金具用カバーが前記索体引留め金具に取り付けられている、索体。
【0013】
(構成8)
前記索体挿通部にコーキング加工がされている、構成7に記載の索体。
【発明の効果】
【0014】
本発明の索体引留め金具用カバーによれば、索体を引留めるために使用される索体引留め金具において、その耐食性、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る実施形態の索体引留め金具用カバー(開いた状態)を示す斜視図
【
図2】実施形態の索体引留め金具用カバー(開いた状態)を示す図
【
図3】本発明に係る実施形態の索体引留め金具用カバー(閉じた状態)を示す斜視図
【
図4】索体引留め金具(使用状態)の一例を示す写真
【
図5】実施形態の索体引留め金具用カバーの使用状態の一例を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
【0017】
図1と
図2は、本発明に係る実施形態の索体引留め金具用カバー1の開いた状態を示す図であり、それぞれ、
図1:斜視図、
図2(a):正面図、
図2(b):左側面図、
図2(c):右側面図、
図2(d):上面図、
図2(e):底面図、である。また、
図3は、索体引留め金具用カバー1の閉じた状態を示す斜視図である。本実施形態の索体引留め金具用カバー1は、樹脂で一体成形されるものである。
図4は、索体引留め金具100の使用状態(索体200を端末加工した状態)の一例を示す写真である。また、
図5は、索体引留め金具用カバー1の使用状態の一例を示す写真(使用実験をした際の写真)である。
なお、以降、索体引留め金具用カバー1の使用状態において、索体200の長手(軸線)方向となる方向を単に「軸線方向」という。
【0018】
索体引留め金具100は、
図4に示されるように、ワイヤロープ等の索体200の端末を引留めるために、索体200の端末部をアイ加工するためのものである。索体引留め金具100は、くさび形状部分を有する第1の部材101と、第1の部材101及び索体200を内部に収める筒状体部を有する第2の部材102とを備える。第1の部材101のくさび形状部分と、索体200が、第2の部材102の筒状体部に挿通され、第1の部材101が打ち込まれる(スライドさせて嵌合される)ことにより、第1の部材のくさび形状に基づいて発生する圧力によって索体200を拘束するものである。また、索体引留め金具100は、第1の部材101の打ち込み状態を維持するために、第1の部材101の後端側を係止する係止ピン103を備えている。
なお、索体引留め金具100は、特許文献1や2で開示される技術思想に基づくものであり、その構成や作用については各文献に記載されているため、索体引留め金具100に関するここでのこれ以上の説明を省略する。
【0019】
本実施形態の索体引留め金具用カバー1は、
図4に示した索体引留め金具100専用のカバーであり、
図1~3に示されるように、
索体引留め金具100の外側を覆うカバー本体部である、第1側面体11及び第2側面体12と、
前記カバー本体部の、索体引留め金具100が索体200に取り付けられた状態における索体200の軸線方向(長手方向)の両端部において、索体200を挿通させる索体挿通部と、
を備えている。
【0020】
カバー本体部は、軸線方向に沿った平面で分割された第1側面体11及び第2側面体12によって構成され、これらを相互に接続する接続部であって、第1側面体11及び第2側面体12の接合状態と分離状態の間の各側面体の相互の動作(カバーの開閉動作)を許容する接続部13を備えている。即ち、接続部13はヒンジ的な機能を有している。
各図からも理解されるように、カバー本体部は、索体引留め金具100の外径形状に概ね沿った形状を有している。
第1側面体11の外周には、係止部114が4箇所に形成されており、これに対応する形で、第2側面体12の外周に被係止部124が4箇所に形成されている。第1側面体11と第2側面体12を接合する(カバーを閉じる)際に、各係止部114と被係止部124が係合して、両者の接合状態が維持されるものである。
【0021】
カバー本体部の軸線方向の両端部に形成される索体挿通部は、
図4,5からも理解されるように、索体引留め金具100の使用時において、索体引留め金具100の軸線方向の両端から出ている索体200を通すためのものである。
索体引留め金具100は、所定の範囲の径の索体に対して利用可能なものであり、また、取り付け状態において索体の位置が変わり得る(個別の取り付け状態に基づいて変化し得る)ものである。従って、索体引留め金具用カバー1の索体挿通部は、これらの索体の径の違いや位置の違いを吸収しつつ、なるべく隙間が生じないようにカバーできるものであることが好ましく、索体と弾性的に接触する弾性接触部として形成されることが好ましい。
本実施形態では、弾性接触部として、櫛歯状の部材である櫛歯部111a、111b、121a、121bを備えている。第1側面体11の軸線方向の両端に弾性的に変形可能な櫛歯部111aと111bがそれぞれ形成され、第2側面体12の軸線方向の両端に弾性的に変形可能な櫛歯部121aと121bがそれぞれ形成されている。
各櫛歯部111a、111b、121a、121bの、各歯(若しくは毛)は、それぞれ軸線方向の外側へと向かう方向成分をもって延在している。同時に、第1側面体11と第2側面体12の接合面から離れた位置から、接合面へと向かう方向成分(第1側面体11の各歯(若しくは毛)は、
図2(d)において上方へ向かう方向成分、第2側面体12の各歯(若しくは毛)は、
図2(e)において下方へ向かう方向成分)をもって延在し、接合面を超える位置まで(第1側面体11の各歯(若しくは毛)は、
図2(d)において接合面より上側まで、第2側面体12の各歯(若しくは毛)は、
図2(e)において接合面より下側まで)延在している。
当該構成により、第1側面体11と第2側面体12を接合した(カバーを閉じた)際には、櫛歯部111aと櫛歯部121aの各歯(若しくは毛)が相互に弾性的に変形しながら接触し、同様に、櫛歯部111bと櫛歯部121bの各歯(若しくは毛)が相互に弾性的に変形しながら接触する。弾性接触部が櫛歯状に形成されていることにより、索体200が通る箇所の歯(若しくは毛)のみ、索体200が通るように弾性的に変形することが可能であるため、索体の径の違いや位置の違いを吸収しつつ、なるべく隙間が生じないようにカバーすることができる。当該作用の観点からは、各歯(若しくは毛)の間の隙間はなるべく小さい(無い)方が好ましく、また、各歯(若しくは毛)もなるべく細い方が好ましいと言える。ただし、各歯(若しくは毛)をあまり細くし過ぎると、“コシ”(弾性力)が無くなり、索体との密着力(隙間を低減する力)が低下する場合もあるため、各歯(若しくは毛)の太さは、使用する材料などとの関係も考慮して適宜定めるようにするとよい。
なお、
図5の写真からも一部見て取れるように、櫛歯部111a(111b)と櫛歯部121a(121b)の各歯(若しくは毛)は、
図3で示したように相互に接触して合掌したような構成となるものに限らず、各歯(若しくは毛)が互いに各歯の隙間に入り込むようにクロスした状態となる形態もある。
【0022】
第1側面体11と第2側面体12には、それぞれ、カバー本体部の外周を巻き回される結束部材(結束バンド等)を案内するガイド部112、122を備える。カバーを閉じた状態(
図3の状態)において、補強的に索体引留め金具用カバー1を結束部材(結束バンド等)で縛る際に、結束部材(結束バンド等)のズレ防止等の作用を有するものである。なお、本実施形態では、ガイド部112、122が索体引留め金具用カバー1の一方側(
図3の下側)にのみ設けられているが、ガイド部を適宜複数設けるものであっても勿論よい(本実施形態の場合においても、2本の接続部13の間に結束部材を配することで、接続部13がガイド部としても機能し得るため、ガイド部が上下2か所に設けられていると言える)。なお、係止部114と被係止部124の係合等によって、十分か係合力が得られる場合には、結束部材やこれを案内するガイド部は必ずしも必要ない。
【0023】
第1側面体11と第2側面体12にそれぞれ形成されている膨出部113、123は、索体引留め金具100の係止ピン103に干渉しないように内部スペースを形成しているものである。係止ピンを用いない索体引留め金具のような場合には、必ずしも必要が無いものである。
【0024】
索体引留め金具用カバー1の取り付け作業は、上記説明した構成及び
図4,5等からも容易に理解されるように、索体200に取り付けられた索体引留め金具100(
図4)に対し、開いた状態の索体引留め金具用カバー1の第1側面体11若しくは第2側面体12の一方をあてがうように配置し、他方を、接続部13をヒンジ的に曲げることでカバーを閉じるように動作させ、各係止部114と各被係止部124を係合させることで行われる。
この際に、櫛歯部111aと櫛歯部121a及び櫛歯部111bと櫛歯部121bのそれぞれが、両端部から飛び出る索体200に対して、その周りを覆うように、且つ、隙間が低減されるように付勢されて、索体200と係合するような構成となる。
なお、より密閉度を高めるために、櫛歯部(索体挿通部)の部分にコーキング加工をするようにしてもよい。
【0025】
以上のごとく、本実施形態の索体引留め金具用カバー1によれば、索体を引留めるために使用される索体引留め金具において、これをカバーすることで、融雪剤(塩)等の索体引留め金具への接触が低減され、その耐食性、耐久性を向上させることができる。
本実施形態の索体引留め金具用カバー1は、上記から理解されるように、その取り付け作業が簡便であり、作業効率の面でも優れている。
【0026】
なお、本実施形態では、カバー本体部の形状が、
図4に示した索体引留め金具100の外形形状に概ね沿った形状で形成されることで、
図4に示した索体引留め金具100の専用のケースであるものを例としているが、本発明をこれに限るものではない。上記説明した概念に沿って、適宜カバー本体部の形状を各索体引留め金具の形状に合わせて変更することで、各索体引留め金具に対して本発明を利用することができる。また、カバー本体部は、個別の索体引留め金具の外形形状に概ね沿った形状とすることを必須とするものではなく、汎用的な形状とすることで、複数の索体引留め金具に対して利用可能なものとしてもよい。
【0027】
本実施形態では、カバー本体部が2つの側面体によって形成されるものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、カバー本体部が3つ以上の部材によって構成されるものであってもよい。
また、本実施形態では、2つの側面体が接続部によって接続されているものを例としたが、カバー本体部を構成する部材が相互に接続されていないもの(例えばバラバラの部品を組み立てるもの等)であっても構わない。
接続部は各部材を、カバー開状態と閉状態の間で保持できる任意の形状としてよい。
図6(a)には、接続部の別の形状の一例(接続部13´)を示した。
【0028】
本実施形態では、索体挿通部としての櫛歯部が、カバー本体部の軸線方向の両端部側面において全体的に設けられているものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、索体挿通部が部分的に設けられるもの等であってもよい。
図6(b)には、そのようなものの一例を示した。
図6(b)の例では、櫛歯部111b´と櫛歯部121b´が、上部側半分程度にのみ形成されている。
図4、5からも理解されるように、索体引留め金具100では、アイ加工側の側面では、索体200が上端及び下端に存在する傾向となるのに対し、反対側の側面では、索体200が上部側にしか存在しない傾向となるため、索体200の存在する位置に合わせて、櫛歯部111b´と櫛歯部121b´が上部側半分程度にのみ形成されているものである。このように、各索体引留め金具の構成に合わせて、索体が存在し得る範囲にのみ索体挿通部を形成するようにしてもよい(例えば、索体が軸線方向の一方側からのみ出るような場合には、索体挿通部を軸線方向の一方側のみに設けるようにしてもよい)。
【0029】
本実施形態では、索体挿通部としての櫛歯部が、カバー本体部(側面体)と一体的に形成されるものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、櫛歯部がカバー本体部とは別体で形成されて、カバー本体部と組み合わされる(接着など)ものであってもよい。
また、複数の櫛歯部を重ね合わせるようにしてもよい。櫛歯部の歯(若しくは毛)の間の隙間をカバーするように、複数の櫛歯部においてその歯(若しくは毛)の位置が互い違いとなるように、櫛歯部を重ね合わせるようにすると、隙間をより低減したケースとし得る。
本実施形態では、櫛歯部の歯(若しくは毛)が、それぞれ軸線方向の外側へと向かう方向成分をもって延在しているものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、櫛歯部の歯(若しくは毛)が、軸線方向の内側へと向かう方向成分をもって延在しているものであってもよい。即ち、本実施形態では、カバー本体部の両側面から外側へと向かうように歯(若しくは毛)が形成されているが、カバー本体部の内部へと向かうように歯(若しくは毛)が形成されるものであっても構わない。或いは、側面体の接合面へと向かう成分のみを持った方向に歯(若しくは毛)が形成されているものであってもよい。
また、本実施形態では、櫛歯部の歯(若しくは毛)が、2つの側面体の両方に形成されているものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、例えば、2つの側面体のいずれか一方にのみ櫛歯部の歯(若しくは毛)が形成されているようなものであってもよい。例えば、本実施形態における第1側面体11の櫛歯部111aを単なる板状の部材とし、これ対して第2側面体12の櫛歯部121aが当接し、第2側面体12の櫛歯部121bが単なる板状の部材で、これ対して第1側面体11の櫛歯部111bが当接するような構成であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1...索体引留め金具用カバー
11...第1側面体(カバー本体部)
111a、111b...櫛歯部(索体挿通部、弾性接触部)
112...ガイド部
12...第2側面体(カバー本体部)
121a、121b...櫛歯部(索体挿通部、弾性接触部)
122...ガイド部
13...接続部
100...索体引留め金具
200...索体
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
索体を引留めるために使用される索体引留め金具を覆うためのカバーであって、
前記索体引留め金具の外側を覆うカバー本体部を備え、
前記カバー本体部の、前記索体引留め金具が前記索体に取り付けられた状態における前記索体の長手方向の両端部において、前記索体を挿通させる索体挿通部を備え、
前記カバー本体部が、前記長手方向に沿った平面で分割された複数の側面体によって構成され、
前記索体挿通部が、前記索体と弾性的に接触する弾性接触部を有し、
前記弾性接触部が前記側面体の両端部に備えられ、相互に接合する前記側面体の一方に備えられた前記弾性接触部が、前記相互に接合する側面体の接合面を超えて、前記相互に接合する側面体の他方の側へと延在している、索体引留め金具用カバー。
【請求項2】
前記弾性接触部が櫛歯状の部材によって構成されている、請求項1に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項3】
前記相互に接合する側面体を接合させた際に、前記相互に接合する側面体にそれぞれ形成された前記櫛歯状の部材が、相互に突き当たって合掌した態様となるように、または、相互に各歯のすき間に入り込むようにクロスした態様となるように、構成されている、請求項2に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項4】
前記複数の側面体を相互に接続する接続部であって、前記複数の側面体の接合状態と分離状態の間の前記複数の側面体の相互の動作を許容する接続部を備え、
前記接続部が、前記カバー本体部の外周を巻き回される結束部材を案内するガイド部として機能するように構成されている、請求項1に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項5】
前記櫛歯状の部材が、複数の櫛歯状の部材を重ね合わせることによって構成されている、請求項2に記載の索体引留め金具用カバー。
【請求項6】
前記索体引留め金具を用いて引き留められた索体であって、請求項1から5の何れかに記載の索体引留め金具用カバーが前記索体引留め金具に取り付けられている、索体。