(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027895
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】廃棄物装入装置
(51)【国際特許分類】
F23G 5/44 20060101AFI20240222BHJP
F23G 5/50 20060101ALI20240222BHJP
F27D 21/00 20060101ALI20240222BHJP
F27D 19/00 20060101ALI20240222BHJP
F27D 3/10 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
F23G5/44 B
F23G5/50 G
F27D21/00 G
F27D19/00 Z
F27D3/10
F27D21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131069
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】矢野 亮
(72)【発明者】
【氏名】川口 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】田中 規博
(72)【発明者】
【氏名】森永 謙二郎
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 大輔
【テーマコード(参考)】
3K062
3K065
4K055
4K056
【Fターム(参考)】
3K062AA16
3K062AB01
3K062BA01
3K062CA05
3K062CB01
3K062DA38
3K062DB30
3K065AA16
3K065AB01
3K065BA06
3K065EA06
3K065EA12
3K065EA26
3K065EA46
3K065EA48
4K055AA05
4K055FA02
4K055FA10
4K056AA05
4K056BC01
4K056CA20
4K056FA01
4K056FA13
4K056FA21
(57)【要約】
【課題】廃棄物の堆積状況について、より細やかな調節に有効な廃棄物装入装置を提供する。
【解決手段】廃棄物装入装置1は、鉛直に延在する筒状の処理室2と、処理室2内における温度について、複数の温度測定点の温度を検出する温度センサ12と、処理室2内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点のレベルを検出するレベルセンサ13と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直に延在する筒状の処理室と、
前記処理室内における温度について、複数の温度測定点の温度を検出する温度センサと、
前記処理室内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点のレベルを検出するレベルセンサと、
を備える廃棄物装入装置。
【請求項2】
前記複数の温度測定点は、前記処理室の周壁に沿って並んでおり、
前記複数のレベル測定点は、前記処理室の中心と、前記複数の温度測定点との間において、前記処理室の中心を囲むように並ぶ複数の包囲測定点を含む、
請求項1記載の廃棄物装入装置。
【請求項3】
前記処理室内における複数エリアのそれぞれにおける前記温度センサの検出結果及び前記レベルセンサの検出結果の少なくとも一方に基づいて、前記複数エリアのうちから廃棄物を落下させるための供給対象エリアを選択する制御装置を更に備える、請求項2記載の廃棄物装入装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて判定用レベルを決定し、前記判定用レベルが所定の装入判定閾値を下回ったことに基づいて、前記処理室に廃棄物を装入するための制御を更に実行する、請求項3記載の廃棄物装入装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて第二判定用レベルを決定し、前記第二判定用レベルが前記装入判定閾値よりも高い所定の上位装入判定閾値を上回ったことに基づいて、前記処理室に廃棄物を装入するための制御をキャンセルする、請求項4記載の廃棄物装入装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記複数エリアのうち、最も高い温度のエリアを前記供給対象エリアとして選択する、請求項5記載の廃棄物装入装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記複数エリアのうち、最も低いレベルのエリアを前記供給対象エリアとして選択する、請求項5記載の廃棄物装入装置。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記複数エリアのうち、温度が所定の温度閾値を上回った第一エリアの有無を判定し、
前記第一エリアがある場合には、前記第一エリアにおいて最も高い温度のエリアを前記供給対象エリアとして選択し、
前記第一エリアがない場合には、前記複数エリアのうち、最も低いレベルの第二エリアを前記供給対象エリアとして選択する、
請求項5記載の廃棄物装入装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記第一エリアがある場合において、前記第一エリアにおけるレベルが所定の選択キャンセル閾値を上回っている場合には、前記供給対象エリアとして前記第一エリアを選択することをキャンセルする、請求項8記載の廃棄物装入装置。
【請求項10】
前記処理室内の上部に設けられており、前記処理室内に送られる廃棄物の落下位置を調節する下段案内部と、
前記下段案内部よりも上方に設けられており、前記下段案内部に送られる廃棄物の落下位置を調節する上段案内部と、を更に備え、
前記下段案内部は、前記処理室内に送られる廃棄物を支持する下段案内面を有する下段案内板と、水平な下段軸線まわりに前記下段案内板の回転角を変更することによって、前記下段案内面の傾斜角を変更する下段駆動部と、を有し、
前記上段案内部は、前記下段案内部に送られる廃棄物の落下位置を調節するための上段案内面を有する上段案内板と、前記下段軸線とねじれの位置にある水平な上段軸線まわりに前記上段案内板の回転角を変更することによって、前記上段案内面の傾斜角を変更する上段駆動部と、を有し、
前記制御装置は、前記複数エリアのそれぞれについて、前記上段案内面に対する上段目標角度及び前記下段案内面に対する下段目標角度を定めるテーブルと、前記供給対象エリアとに基づいて、前記上段案内部及び前記下段案内部を制御する、
請求項6~9のいずれか一項記載の廃棄物装入装置。
【請求項11】
前記レベルセンサは、前記複数のレベル測定点のそれぞれの位置とレベルとを検出し、
前記制御装置は、レベルを測定できない測定不能エリアを前記複数のレベル測定点の位置に基づいて特定し、
前記測定不能エリアの周辺のレベル測定点のレベルに基づいて、前記測定不能エリアのレベルを推定する、
請求項3記載の廃棄物装入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、廃棄物装入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高炉等の容器に装入される装入物の表面の情報を検出する検出装置が開示されている。この検出装置は、容器の開口に向けた回転板を回動させながら、マイクロ波等の検出波を送受信することにより、装入物の表面を円状に走査している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、廃棄物の堆積状況について、より細やかな調節に有効な廃棄物装入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る廃棄物装入装置は、鉛直に延在する筒状の処理室と、処理室内における温度について、複数の温度測定点の温度を検出する温度センサと、処理室内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点のレベルを検出するレベルセンサと、を備える。
【0006】
溶融炉等の処理室内に廃棄物を装入する場合、廃棄物の装入箇所、処理速度等に応じて廃棄物の堆積状況に偏りが生じ得る。その結果、処理室内の温度(廃棄物の温度及び気体の温度)の不均一化が生じ得る。例えば、廃棄物の熱分解及び減容が部分的に促進されると、部分的な空洞が生じ、処理室内の気体の流路が不均一化する。処理室内の気体は、主に室内下方からの上昇流であり、この気体は高温であるため、気体の流路の不均一化は、処理室内の温度の不均一化をもたらす。加えて、廃棄物の堆積状況の偏りは、処理室内での熱分解反応の不均一化をもたらすため、処理室内の温度の不均一化を助長する。また、廃棄物が偏って堆積すると、廃棄物自体の温度に起因して、処理室内の温度が不均一化し得る。本開示に係る廃棄物装入装置では、温度センサによって複数の温度測定点の温度が検出されると共に、レベルセンサによって複数のレベル測定点のレベルが検出される。このような温度センサ及びレベルセンサの検出結果に偏りが生じた場合、廃棄物の堆積状況に偏りが生じたことを検知できる。廃棄物の堆積状況をより細やかに把握できるため、廃棄物の堆積状況について、より細やかな調節に有効である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、廃棄物の堆積状況について、より細やかな調節に有効な廃棄物装入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】廃棄物装入装置の構成を模式的に例示する断面図である。
図1の(a)は、廃棄物装入装置の全体を模式的に例示する断面図である。
図1の(b)は、
図1の(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
【
図2】下段案内部の構成を拡大して例示する模式図である。
図2の(a)は、第一下段案内部の可動範囲を例示する模式図である。
図2の(b)は、第二下段案内部の可動範囲を例示する模式図である。
【
図3】上段案内部の構成を拡大して例示する模式図である。
図3の(a)は、第一上段案内部の可動範囲を例示する模式図である。
図3の(b)は、第二上段案内部の可動範囲を例示する模式図である。
【
図4】廃棄物の落下位置の範囲を例示する模式図である。
【
図5】温度測定点及びレベル測定点を例示する模式図である。
【
図6】制御装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図7】制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図8】測定不能エリアのレベルの推定を説明するための模式図である。
【
図9】エリアごとの上段目標角度及び下段目標角度を定めるテーブルを例示する図である。
【
図10】廃棄物装入装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図11】供給対象エリアの選択処理を例示するフローチャートである。
【
図12】廃棄物の装入処理を例示するフローチャートである。
【
図13】レベルに関する閾値を例示する模式図である。
【
図14】レベル測定点の別の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[廃棄物装入装置]
図1に示す廃棄物装入装置1は、鉛直に延在する筒状の処理室2に、上方から廃棄物を装入する装置である。処理室2は、廃棄物の乾燥、熱分解、燃焼及び溶融を行う。廃棄物装入装置1が適用される設備としては、例えば廃棄物の溶融炉等が挙げられる。処理室2内に廃棄物が装入されると、廃棄物の装入箇所及び処理速度等に応じて廃棄物が堆積する。処理室2内において、廃棄物の熱分解及び減容が促進されると、廃棄物の堆積高さが変化する。
【0011】
図1の(a)は、廃棄物装入装置の全体を模式的に例示する断面図である。
図1の(b)は、
図1の(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
図1に示されるように、廃棄物装入装置1は、処理室2と、下段案内部4と、廃棄物受けホッパ3と、上段案内部5と、上部シール弁6と、副資材装入装置7と、送ガス部8と、コンベヤ9と、ロードセル10と、廃棄物シュート11と、複数の温度センサ12と、複数のレベルセンサ13と、排ガス部14と、制御装置100と、コンソール200と、記憶部300とを備える。
【0012】
処理室2は、例えば円筒状に形成されており、鉛直な中心軸線CL1に沿って延在する。処理室2の中心軸は中心軸線CL1と一致する。処理室2は、中心軸線CL1を囲む周壁21を有する。周壁21は、処理室2の上部22において縮径されている。処理室2の上端には、廃棄物を装入するための開口23が形成されている。
【0013】
廃棄物受けホッパ3は、例えば角筒状に形成されており、鉛直な軸線に沿って延在する。廃棄物受けホッパ3は、廃棄物を処理室2に誘導する。廃棄物受けホッパ3は、上方に開口する上端31と、下方に開口する下端32と、上端31から下端32に亘り設けられた周壁33とを有する。下端32は、処理室2の上部22において、開口23に連通している。処理室2の内周面2aは、下端32における廃棄物受けホッパ3の内周面3aよりも外に位置している。周壁33には、副資材装入装置7及び送ガス部8が設けられている。副資材装入装置7には、排ガス部14が設けられている。廃棄物受けホッパ3の中心軸線は、中心軸線CL1と一致してもよいし、一致していなくてもよい。
【0014】
下段案内部4は、処理室2内の上部22において、廃棄物受けホッパ3の下(下端32付近)に設けられている。下段案内部4は、下端32を開閉する下部シール弁として機能する。下段案内部4は、下端32を閉塞した状態において、下段案内部4は、廃棄物受けホッパ3内の廃棄物を支持する。下段案内部4が下端32を開放すると、廃棄物受けホッパ3内の廃棄物が処理室2内に落下する。下段案内部4は、水平な第1方向(図示Y方向)において、下段案内部4から処理室2内への廃棄物の落下位置を調節(誘導)する。
【0015】
上段案内部5は、下段案内部4、及び廃棄物受けホッパ3の上端31よりも上方において、廃棄物シュート11内に設けられている。上段案内部5は、水平な第2方向(図示X方向)において、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置を調節(誘導)する。
【0016】
上部シール弁6は、上段案内部5と、廃棄物受けホッパ3との間において、廃棄物受けホッパ3の上端31を開閉するように設けられている。上部シール弁6は、開閉板61と押圧リング62とを有する。開閉板61は、板状に形成されており、水平方向にスライド可能となっている。開閉板61は、スライドすることにより上端31を開閉する。押圧リング62は、開閉板61を下方に押圧することにより上端31を密閉する。廃棄物が廃棄物受けホッパ3内に受け入れられる前に、上部シール弁6は、廃棄物受けホッパ3の上端31を開放する。廃棄物が廃棄物受けホッパ3内に受け入れられた後で、上部シール弁6は、廃棄物受けホッパ3の上端31を閉塞する。開閉板61は、例えば電動モータ又は油圧シリンダ等を動力源とし、チェーン又はベルト等の伝達機構を介して駆動される。押圧リング62は、例えば油圧シリンダ又はエアシリンダ等を動力源として駆動される。
【0017】
副資材装入装置7は、廃棄物受けホッパ3を介して処理室2内に副資材を装入する。副資材は、例えばコークス等の燃料、及び石灰等の塩基度調整剤等である。副資材装入装置7は、副資材シュート71と、副資材ホッパ72と、副資材シール弁73とを有する。副資材シュート71は、廃棄物受けホッパ3の周壁33から斜め上方に突出するように管状に形成されており、廃棄物受けホッパ3内に連通している。副資材ホッパ72は、副資材シュート71の上端部に設けられており、上方に開口している。副資材シール弁73は、副資材シュート71と副資材ホッパ72との間を開閉する。副資材装入装置7は、副資材シール弁73を閉塞することによって、副資材ホッパ72内で副資材を貯留する。副資材装入装置7は、副資材シール弁73を開放することによって、副資材シュート71を介して廃棄物受けホッパ3に副資材を装入する。副資材装入装置7は、廃棄物受けホッパ3を介さずに、処理室2に副資材を直接装入するように構成されていてもよい。
【0018】
送ガス部8は、廃棄物受けホッパ3内に不活性ガスを送ることで、廃棄物受けホッパ3内の気体を不活性ガスに置換する。不活性ガスは、例えば窒素(N2)等が挙げられるがこれに限られない。送ガス部8は、例えば廃棄物受けホッパ3の周壁33に設けられている。例えば、送ガス部8は、廃棄物受けホッパ3内の廃棄物が処理室2内に装入された後、廃棄物受けホッパ3内の気体(例えば一酸化炭素等)を不活性ガスに置換する。この場合、送ガス部8は、廃棄物受けホッパ3の上端31が上部シール弁6により閉塞しており、廃棄物受けホッパ3の下端32が下段案内部4により微開にされた状態で、廃棄物受けホッパ3内に不活性ガスを送る。下端32が閉塞していないため、廃棄物の装入時に処理室2内から廃棄物受けホッパ3内に流入した気体(例えば一酸化炭素等)は、処理室2に戻される。例えば、送ガス部8は、廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を受け入れた後、廃棄物受けホッパ3内の気体(例えば酸素等)を不活性ガスに置換する。この場合、送ガス部8は、廃棄物受けホッパ3の上端31が上部シール弁6により閉塞しており、廃棄物受けホッパ3の下端32が下段案内部4により閉塞している状態で、廃棄物受けホッパ3内に不活性ガスを送る。廃棄物受けホッパ3内の気体(例えば酸素等)は、排ガス部14を介して排出される。
【0019】
コンベヤ9は、上段案内部5に向けて間欠的に廃棄物を送る。コンベヤ9は、廃棄物を貯留(支持)可能な支持面9aを有する。コンベヤ9には、例えばクレーン等によって支持面9aの上方から廃棄物が投入される。コンベヤ9は、廃棄物を支持面9aによって貯留することによって、廃棄物のホッパとしても機能する。コンベヤ9は、支持面9a上の廃棄物を搬送し、上段案内部5に向けて落下させる。
【0020】
ロードセル10は、コンベヤ9によって貯留されている廃棄物の荷重を検出する。ロードセル10の検出結果は、廃棄物がコンベヤ9によって上段案内部5に向けて送り出されることに伴って変化する。ロードセル10は、例えばコンベヤ9の上段案内部5側及び上段案内部5とは反対側に複数個(例えば合計4個)配置されている。ロードセル10は、廃棄物の荷重の検出結果を制御装置100に送信する。
【0021】
廃棄物シュート11は、コンベヤ9により送り出された廃棄物を上段案内部5に誘導する。廃棄物シュート11は、例えば角筒状に形成されており、鉛直な軸線に沿って延在する。廃棄物シュート11の下部は、上段案内部5を内包する。廃棄物シュート11の上部は、コンベヤ9によって搬送された廃棄物を受け入れる。
【0022】
複数の温度センサ12は、処理室2内における温度について、複数の温度測定点の温度を検出する。複数の温度センサ12は、検出結果を制御装置100に送信する。複数の温度センサ12は、処理室2の上部22において、周壁21の周方向に並ぶように配置されている。
【0023】
レベルセンサ13は、処理室2内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点のレベルを検出する。レベルセンサ13は、検出結果を制御装置100に送信する。レベルセンサ13は、処理室2の上部22に配置されている。
【0024】
排ガス部14は、廃棄物受けホッパ3内の気体を排出する。例えば、排ガス部14は、送ガス部8により廃棄物受けホッパ3内の気体(例えば酸素等)が不活性ガスに置換される際に、廃棄物受けホッパ3内の気体を外部に排出する。
【0025】
制御装置100は、廃棄物装入装置1の動作を制御する装置である。制御装置100は、複数の温度センサ12、レベルセンサ13、ロードセル10及びコンソール200等から廃棄物装入装置1の動作に必要な各種情報を取得する。制御装置100は、下段案内部4、上段案内部5、上部シール弁6、副資材装入装置7、送ガス部8及びコンベヤ9の動作を制御可能に構成されている。
【0026】
コンソール200は、オペレータによる各種操作入力を可能とする装置である。例えば、コンソール200は、上段案内部5に送られる廃棄物の一回当たりの切出量の目標となる目標荷重の入力を受け付ける。コンソール200は、制御装置100とは別の装置であってもよく、制御装置100の一構成要素であってもよい。
【0027】
記憶部300は、廃棄物装入装置1の動作に関するデータを記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。記憶部300は、制御装置100とは別の装置であってもよく、制御装置100の一構成要素であってもよい。
【0028】
廃棄物は、コンベヤ9、廃棄物シュート11、上段案内部5、廃棄物受けホッパ3及び下段案内部4を順に通って処理室2内に装入される。例えば、廃棄物は、クレーン等によってコンベヤ9の支持面9a上に投入される。廃棄物は、コンベヤ9によって間欠的に搬送され、廃棄物シュート11を介して上段案内部5に送られる。廃棄物は、上段案内部5によって落下位置が調節され、廃棄物受けホッパ3内で下段案内部4によって支持される。廃棄物受けホッパ3内では、廃棄物が偏った状態で下段案内部4によって支持され得る(
図1(b)参照)。
【0029】
下段案内部4が下端32を開放すると、廃棄物が廃棄物受けホッパ3内から処理室2内に落下する。廃棄物の落下位置は下段案内部4によって調節される。また、廃棄物受けホッパ3内に生じていた廃棄物の偏りは、下段案内部4から処理室2への廃棄物の落下方向に影響を及ぼす。このため、廃棄物の落下位置は、廃棄物受けホッパ3内に廃棄物の偏りを発生させた上段案内部5によっても調節されていることとなる。
【0030】
図2は、下段案内部4の構成を拡大して例示する模式図である。下段案内部4は、処理室2内に送られる廃棄物を支持する下段案内面を有する下段案内板と、水平な下段軸線まわりに下段案内板の回転角を変更することによって、下段案内面の傾斜角を変更する下段駆動部と、を備える。例えば、下段案内部4は、第一下段案内部41及び第二下段案内部42を備える。
【0031】
図2の(a)を参照して、第一下段案内部41の構成を説明する。第一下段案内部41は、第一下段回転軸411と、第一下段案内板412と、第一下段駆動部413とを備える。
【0032】
第一下段回転軸411は、第一下段軸線DL1を中心軸として水平方向に延在している。以下、第一下段回転軸411が延在する水平方向をX軸方向、鉛直上向き方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向という。第一下段回転軸411は、廃棄物受けホッパ3の下端32付近において、廃棄物受けホッパ3の内周面3aよりも外(例えばY軸の正方向)に配置されている。第一下段回転軸411は、第一下段軸線DL1まわりに回転する。
【0033】
第一下段案内板412は、処理室2内に送られる廃棄物を支持する第一下段案内面41aを有する。第一下段案内板412は、第一下段回転軸411と共に回転して廃棄物受けホッパ3の下端32を開閉する。第一下段案内板412は、第一下段回転軸411と一体化されている。例えば、第一下段案内板412は、第一下段回転軸411の外周面から張り出すように板状に形成されている。
【0034】
第一下段駆動部413は、水平な第一下段軸線DL1まわりに第一下段案内板412の回転角を変更することによって、第一下段案内面41aの傾斜角を変更する。傾斜角は、水平面に対する第一下段案内面41aの傾斜角である。第一下段駆動部413は、第一下段案内面41aの傾斜角βを所定の範囲に変更する。第一下段駆動部413が、第一下段案内面41aの傾斜角βを所定の角度にすると、第一下段案内面41aが下端32の全周に対向し、下端32が閉塞される。第一下段案内面41aを下端32から遠ざけるように、第一下段駆動部413が第一下段案内板412を回転させると、下端32が開かれる。第一下段駆動部413は、第一下段回転軸411を回転させるための動力源と、第一下段回転軸411の回転角度を検出するセンサとを有する。第一下段駆動部413の動力源は、例えば電動モータ又は油圧シリンダである。第一下段駆動部413のセンサは、例えばロータリーエンコーダ又はポテンショメータである。
【0035】
第一下段案内部41は、廃棄物の落下位置をY軸の負方向に調節する。例えば、第一下段駆動部413が第一下段案内面41aの傾斜角βを所定の範囲にすると、廃棄物が第一下段案内面41aを滑落して水平方向(Y軸の負方向)にも移動する。したがって、第一下段案内部41は、第一下段案内面41aの傾斜角βを所定の範囲にすることによって、廃棄物の落下位置をY軸の負方向に寄せる。
【0036】
図2の(b)を参照して、第二下段案内部42の構成を説明する。第二下段案内部42は、第二下段回転軸421と、第二下段案内板422と、第二下段駆動部423と、ロック部424とを備える。
【0037】
第二下段回転軸421は、第一下段回転軸411と平行な第二下段軸線DL2を中心軸として水平方向に延在している。第二下段回転軸421は、廃棄物受けホッパ3の下端32付近において、廃棄物受けホッパ3の内周面3aよりも外(例えばY軸の負方向)に配置されている。第二下段回転軸421はまた、第一下段回転軸411が配置されているZ軸の位置と同じ高さのZ軸の位置に配置されている。第二下段回転軸421は、第二下段軸線DL2まわりに回転する。
【0038】
第二下段案内板422は、廃棄物の落下位置を調節する第二下段案内面42aを有する。第二下段案内板422は、第二下段回転軸421と共に回転する。第二下段案内板422は、第二下段回転軸421と一体化されている。例えば、第二下段案内板422は、第二下段回転軸421の外周面から張り出すように板状に形成されている。
【0039】
第二下段駆動部423は、第一下段軸線DL1に平行な第二下段軸線DL2まわりに第二下段案内板422の回転角を変更することによって、第二下段案内面42aの傾斜角を変更する。傾斜角は、水平面に対する第二下段案内面42aの傾斜角である。第二下段駆動部423は、第二下段案内面42aの傾斜角γを所定の範囲に変更する。第二下段駆動部423は、第二下段回転軸421を回転させるための動力源と、第二下段回転軸421の回転角度を検出するセンサとを有する。第二下段駆動部423の動力源は、例えば電動モータ又は油圧シリンダである。第二下段駆動部423のセンサは、例えばロータリーエンコーダ又はポテンショメータである。
【0040】
ロック部424は、下端32を閉塞した第一下段案内板412を支持する。ロック部424は、第二下段回転軸421の外周面から突出するように形成されている。第二下段回転軸421の外周面からロック部424が突出する方向と、第二下段回転軸421の外周面から第二下段案内板422が張り出す方向とは互いに異なっている。下端32を閉塞した第一下段案内板412をロック部424が支持する際に、第二下段案内面42aの傾斜角γは所定の角度に設定される。ロック部424は、傾斜角γを大きくする方向に第二下段案内板422が回転するのに伴って第一下段案内板412から遠ざかり、第一下段案内板412の回転を妨げない位置に退避する。
【0041】
第二下段案内部42は、廃棄物の落下位置をY軸の正方向に調節する。例えば、第二下段駆動部423が第二下段案内面42aの傾斜角γを所定の範囲にすると、廃棄物が第二下段案内面42aを滑落して水平方向(Y軸の正方向)にも移動する。したがって、第二下段案内部42は、第二下段案内面42aの傾斜角γを所定の範囲にすることによって、廃棄物の落下位置をY軸の正方向に寄せる。
【0042】
図3は、上段案内部5の構成を拡大して例示する模式図である。上段案内部5は、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置を調節するための上段案内面を有する上段案内板と、下段軸線とねじれの位置にある水平な上段軸線まわりに上段案内板の回転角を変更することによって、上段案内面の傾斜角を変更する上段駆動部と、を備える。例えば、上段案内部5は、第一上段案内部51及び第二上段案内部52を備える。
【0043】
図3の(a)を参照して、第一上段案内部51を説明する。第一上段案内部51は、第一上段回転軸511と、第一上段案内板512と、第一上段駆動部513とを備える。
【0044】
第一上段回転軸511は、第一下段軸線DL1とねじれの位置にある水平な第一上段軸線UL1を中心軸として水平方向に延在している。例えば、第一上段回転軸511は、Y軸方向に延在する。第一上段回転軸511は、第一上段軸線UL1まわりに回転する。
【0045】
第一上段案内板512は、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置を調節するための第一上段案内面51aを有する。第一上段案内板512は、第一上段回転軸511と共に回転する。第一上段案内板512は、第一上段回転軸511と一体化されている。例えば、第一上段案内板512は、第一上段回転軸511の外周面から張り出すように板状に形成されている。
【0046】
第一上段駆動部513は、第一下段軸線DL1とねじれの位置にある水平な第一上段軸線UL1まわりに第一上段案内板512の回転角を変更することによって、第一上段案内面51aの傾斜角を変更する。傾斜角は、水平面に対する第一上段案内面51aの傾斜角である。第一上段駆動部513は、第一上段案内面51aの傾斜角α1を所定の範囲に変更する。第一上段駆動部513は、第一上段回転軸511を回転させるための動力源を有する。第一上段駆動部513の動力源は、例えば電動モータ又は油圧シリンダである。一例では、油圧シリンダの開端部及び閉端部までの動作に従って、第一上段駆動部513は第一上段回転軸511を回転させる。第一上段駆動部513は、第一上段回転軸511の回転角度を検出するセンサを有してもよい。第一上段駆動部513のセンサは、例えばロータリーエンコーダ又はポテンショメータである。
【0047】
第一上段案内部51は、廃棄物の落下位置をX軸の正方向に調節する。例えば、第一上段駆動部513が第一上段案内面51aの傾斜角α1を所定の角度にすると、落下してくる廃棄物が第一上段案内面51aに接触することにより水平方向(X軸の正方向)にも移動する。
【0048】
図3の(b)を参照して、第二上段案内部52の構成を説明する。第二上段案内部52は、第二上段回転軸521と、第二上段案内板522と、第二上段駆動部523とを備える。
【0049】
第二上段回転軸521は、第一上段回転軸511と平行な第二上段軸線UL2を中心軸として水平方向に延在している。第一上段回転軸511は、廃棄物受けホッパ3よりも上方に配置されている。第二上段回転軸521は、第二上段軸線UL2まわりに回転する。
【0050】
第二上段案内板522は、廃棄物の落上方向を調節する第二上段案内面52aを有する。第二上段案内板522は、第二上段回転軸521と共に回転する。第二上段案内板522は、第二上段回転軸521と一体化されている。例えば、第二上段案内板522は、第二上段回転軸521の外周面から張り出すように板状に形成されている。
【0051】
第二上段駆動部523は、第一上段軸線UL1に平行な第二上段軸線UL2まわりに第二上段案内板522の回転角を変更することによって、第二上段案内面52aの傾斜角を変更する。傾斜角は、水平面に対する第二上段案内面52aの傾斜角である。第二上段駆動部523は、第二上段案内面52aの傾斜角α2を所定の範囲に変更する。第二上段駆動部523は、第二上段回転軸521を回転させるための動力源を有する。第二上段駆動部523の動力源は、例えば電動モータ又は油圧シリンダである。一例では、油圧シリンダの開端部及び閉端部までの動作に従って、第二上段駆動部523は第二上段回転軸521を回転させる。第二上段駆動部523は、第二上段回転軸521の回転角度を検出するセンサを有してもよい。第二上段駆動部523のセンサは、例えばロータリーエンコーダ又はポテンショメータである。
【0052】
第二上段案内部52は、廃棄物の落下位置をX軸の負方向に調節する。例えば、第二上段駆動部523が第二上段案内面52aの傾斜角α2を所定の角度にすると、落下してくる廃棄物が第二上段案内面52aに接触することにより水平方向(X軸の負方向)にも移動する。
【0053】
図4は、廃棄物の落下位置の範囲を例示する模式図である。下段案内部4及び上段案内部5は、廃棄物の落下位置を二段階に調節する。
図4において、右上がりの斜線領域D1は、下段案内部4が単独で落下位置を調節可能な範囲を例示している。右下がりの斜線領域D2は、右上がりの斜線領域D1に加えて下段案内部4及び上段案内部5が協働して落下位置を調節可能な範囲を例示している。
【0054】
処理室2の周壁21は、前壁21F、後壁21B、左壁21L、及び右壁21Rを有する。前壁21Fは、Y軸の正方向側の壁である。後壁21Bは、Y軸の負方向側の壁である。左壁21Lは、X軸の負方向側の壁である。右壁21Rは、X軸の正方向側の壁である。
【0055】
上段案内部5は、上段駆動部によって開閉の状態が切り替えられる。開状態とは、上段案内部5の上段案内面が、コンベヤ9から落下してきた廃棄物と接触することによる廃棄物受けホッパ3内への廃棄物の落下位置の調節を積極的に行わない位置にある状態をいう。閉状態とは、上段案内部5の上段案内面が、コンベヤ9から落下してきた廃棄物と接触し、廃棄物受けホッパ3内への廃棄物の落下位置を所定の位置になるように調節する位置にある状態をいう。例えば、上段案内部5の上段案内面は、上段駆動部によって開状態に対応する傾斜角に設定されるか、又は閉状態に対応する傾斜角に設定される。別の例では、上段案内部5は、上段駆動部によって所定の傾斜角に設定された上段案内面の傾きにより、下段案内面上への廃棄物の落下位置を第一方向(X軸方向)における所定の位置になるように調節する。例えば、上段案内部5は、第一上段案内板512により廃棄物の落下位置をX軸の正方向に寄せる作用と、第二上段案内板522により廃棄物の落下位置をX軸の負方向に寄せる作用との強弱関係と調節することによって、X軸方向における廃棄物の落下位置を調節する。換言すると、上段案内部5は、第一上段駆動部513によって所定の傾斜角に設定された第一上段案内面51aの傾きと、第二上段駆動部523によって所定の傾斜角に設定された第二上段案内面52aの傾きとにより、第一下段案内面41a上への廃棄物の落下位置を第一方向における所定の位置になるように調節する。廃棄物は、例えば第一方向に位置する左壁21L、左壁21Lと右壁21Rとの間、又は右壁21R寄りに廃棄物受けホッパ3内で下段案内部4によって支持される。
【0056】
下段案内部4は、下段駆動部によって所定の傾斜角に設定された下段案内面の傾きにより、処理室2への廃棄物の落下位置を第一方向と交差する第二方向(Y軸方向)における所定の位置になるように調節する。例えば、下段案内部4は、第一下段案内板412により廃棄物の落下位置をY軸の負方向に寄せる作用と、第二下段案内板422により廃棄物の落下位置をY軸の正方向に寄せる作用との強弱関係と調節することによって、Y軸方向における廃棄物の落下位置を調節する。換言すると、下段案内部4は、第一下段駆動部413によって所定の傾斜角に設定された第一下段案内面41aの傾きと、第二下段駆動部423によって所定の傾斜角に設定された第二下段案内面42aの傾きとにより、処理室2への廃棄物の落下位置を第二方向における所定の位置になるように調節する。廃棄物は、例えば第二方向に位置する前壁21F、前壁21Fと後壁21Bとの間、又は後壁21B寄りに処理室2内に装入される。
【0057】
上段案内部5は、廃棄物受けホッパ3の内径の範囲で、廃棄物の落下位置を調節する。下段案内部4が廃棄物受けホッパ3の下に設けられているため、廃棄物受けホッパ3の内径を超えて、処理室2内の周壁21に向けた廃棄物の落下が可能になる。例えば、上段案内部5を介して廃棄物受けホッパ3内に送られた廃棄物は、第一下段案内板412の第一下段案内面41aにより支持される。第一下段案内面41aによって支持された廃棄物は、第一下段案内面41aを滑落しつつ、滑落する方向(Y軸の負方向)と交差するX軸の正方向及びXの軸負方向へも漏れ出す。X軸の正方向に漏れ出す量と、X軸の負方向に漏れ出す量との関係は、廃棄物受けホッパ3内の廃棄物の偏り方によって異なる。例えば、廃棄物受けホッパ3内において、廃棄物がX軸の正方向寄りに偏って支持されていた場合には、X軸の正方向に漏れ出す廃棄物の量が、X軸の負方向に漏れ出す廃棄物の量よりも多くなる。したがって、廃棄物受けホッパ3内での偏りの影響は、廃棄物受けホッパ3の内径を超えて、処理室2内の周壁21まで及ぶこととなる。
【0058】
図5は、温度測定点及びレベル測定点を例示する模式図である。処理室2は複数エリアを有する。例えば、処理室2は、周方向に並ぶ8つのエリアA1,A2,A3,A4,A5,A6,A7及びA8と、中心に位置する1つのエリアA9とを有する。
【0059】
複数の温度センサ12は、周壁21の周方向において等間隔に並ぶように配置されている。複数の温度測定点TPは、処理室の周壁21に沿って並んでいる。複数の温度センサ12は、処理室2内における複数エリアのそれぞれにおける検出結果を制御装置100に送信する。一例では、廃棄物装入装置1は14個の温度センサ12を備える。複数の温度センサ12は、周方向に並ぶ8つのエリアA1~A8における検出結果を制御装置100に送信する。
【0060】
レベルセンサ13は、複数のレベル測定点のそれぞれの座標情報(x,y,z)を検出する。例えば、レベルセンサ13は、処理室2の中心Cを(x,y)=(0,0)として、ストックラインの高さをz=0として座標情報を検出する。ストックライン(
図13参照)は、例えば廃棄物のレベルの基準となる高さである。レベルセンサ13は、処理室2内における複数エリアのそれぞれについて、複数のレベル測定点LPのレベルを検出する。例えば、複数のレベル測定点LPは、処理室2の中心Cと、複数の温度測定点TPとの間において、処理室2の中心Cを囲むように並ぶ複数の包囲測定点CPを含む。複数のレベル測定点LPは、径の異なる3つの環状の包囲測定点CPを含む。レベルセンサ13は、処理室2内における複数エリアのそれぞれにおける検出結果を制御装置100に送信する。
【0061】
制御装置100は、複数のレベル測定点LPをエリアごとに集約する。制御装置100は、例えば、エリア内の複数のレベル測定点LPの平均値、中央値、最低値、最高値、又は複数のレベル測定点LPのうちの代表点の値等をエリアのレベル測定点として集約してもよい。
【0062】
図6は、制御装置100のハードウェア構成を例示するブロック図である。制御装置100は、ハードウェア上の構成として、例えば回路120を有する。回路120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力ポート124と、ドライバ125とを有する。
【0063】
プロセッサ121は、メモリ122及びストレージ123の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポート124に対する入出力を行うことで、上述した機能上のモジュールを構成する。入出力ポート124は、複数の温度センサ12、レベルセンサ13、及びコンソール200との間でデータの入出力を行う。ドライバ125は、上段案内部5及び下段案内部4を駆動するための回路である。ドライバ125は、上部シール弁6及び副資材シール弁73を駆動してもよい。入出力ポート124は、ドライバ125との間でもデータの入出力を行い、上段案内部5及び下段案内部4に対する駆動指令をドライバ125に出力する。
【0064】
コンソール200は、モニタ211と入力部212とを有する。例えば、モニタ211は、オペレータに対する情報を表示する。例えば、モニタ211は、複数の温度センサ12の検出結果に関する情報、及びレベルセンサ13の検出結果に関する情報の表示部として機能する。モニタ211は、例えば液晶ディスプレイ等により構成される。入力部212は、オペレータによる入力を受け付ける。入力部212は、例えば操作スイッチ、キーボード、マウス又はタッチパネル等により構成される。
【0065】
制御装置100のハードウェア上の構成は、必ずしもプログラムの実行により機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御装置100は、専用の論理回路により、又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)によりこれらの機能を構成するものであってもよい。
【0066】
図7は、制御装置100の機能的な構成を例示するブロック図である。制御装置100は、機能上のモジュールとして、取得部101と、装入判定部102と、エリア選択部103と、角度算出部104と、切出量決定部105と、出力部106と、制御部107とを備える。
【0067】
取得部101は、廃棄物装入装置1の制御に必要な各種情報を取得する。例えば、取得部101は、複数の温度センサ12の検出結果、レベルセンサ13の検出結果、ロードセル10の検出結果、記憶部300に格納されている情報、コンソール200に入力された情報等を取得する。取得部101は、複数の温度センサ12の検出結果に基づいて、エリアごとの温度を算出する。例えば、取得部101は、複数のエリアのそれぞれについて、エリア内に位置する1以上の温度センサ12が検出した温度の統計値(例えば平均値)をエリアの温度として算出する。レベルセンサ13の検出結果に基づいて、エリアごとのレベルを算出する。例えば取得部101は、複数のエリアのそれぞれについて、エリア内に位置する1以上のレベル測定点のレベルの統計値(例えば平均値)をエリアのレベルとして算出する。
【0068】
処理室2内において、廃棄物が極端に偏って堆積している場合、又はレベルセンサと廃棄物との距離が近い場合等において、正常にレベル測定ができない測定不能エリアが生じ得る。このような場合、取得部101は、測定不能エリアのレベルを推定してもよい。
図8は、測定不能エリアのレベルの推定を説明するための模式図である。取得部101は、レベルを測定できない測定不能エリアを複数のレベル測定点LPの位置に基づいて特定する。取得部101は、測定不能エリアの周辺のレベル測定点LPのレベルに基づいて、測定不能エリアのレベルを推定する。
【0069】
例えば、取得部101は、取得できた複数のレベル測定点の位置、及び取得できなかった複数のレベル測定点の位置に基づいて、測定不能エリアを特定する。ここでは、エリアA8のレベル測定点が存在しない(計測点数=0)ものとして説明する。取得部101は、エリアA8の周辺に位置するエリアA7の部分エリアA71、エリアA9の部分エリアA91、及びエリアA1の部分エリアA11における複数のレベル測定点のレベルに基づいて、エリアA8のレベルを推定する。一例では、取得部101は、部分エリアA71、A91及びA11における複数のレベル測定点LPのレベルの平均値、中央値、最低値、最高値、又は複数のレベル測定点LPのうちの代表点の値等に基づいて、エリアA8のレベルを推定する。
【0070】
図7に戻り、装入判定部102は、処理室2内の複数エリアのレベルに基づいて、処理室2に廃棄物を装入するか否かを判定する。
【0071】
エリア選択部103は、処理室2内の複数エリアのそれぞれにおける複数の温度センサ12の検出結果及びレベルセンサ13の検出結果の少なくとも一方に基づいて、複数エリアのうちから廃棄物を落下させるための供給対象エリアを選択する。一例では、エリア選択部103は、複数エリアのうち、最も高い温度のエリアを供給対象エリアとして選択する。別の例では、エリア選択部103は、複数エリアのうち、最も低いレベルのエリアを供給対象エリアとして選択する。
【0072】
別の例では、エリア選択部103は、複数エリアのうち、温度が所定の温度閾値を上回った第一エリアの有無を判定する。エリア選択部103は、第一エリアがある場合には、第一エリアにおいて最も高い温度のエリアを供給対象エリアとして選択する。エリア選択部103は、第一エリアがない場合には、複数エリアのうち、最も低いレベルの第二エリアを供給対象エリアとして選択する。
【0073】
別の例では、エリア選択部103は、複数エリアに対し予め定められたサイクル順に基づいて順次選択する。例えば、エリア選択部103は、エリアA1~A8を順に供給対象エリアとして選択する。
【0074】
角度算出部104は、供給対象エリアに廃棄物を落下させるように上段案内面に対する上段目標角度及び下段案内面に対する下段目標角度を算出する。例えば、角度算出部104は、第一下段案内面41a及び第二下段案内面42aに対する上段目標角度、並びに、第一上段案内面51a及び第二上段案内面52aに対する下段目標角度を算出する。角度算出部104は、開状態に対応する傾斜角又は閉状態に対応する傾斜角を第一下段案内面41a及び第二下段案内面42aに対する上段目標角度として決定してもよい。
【0075】
角度算出部104は、処理室2内の複数のエリアのそれぞれについて、上段目標角度及び下段目標角度を定めるテーブルを参照して、供給対象エリアに対応する上段目標角度及び下段目標角度を選択又は設定してもよい。テーブルは、実機試験又はシミュレーション等に基づいて予め生成され、記憶部300に格納されている。
【0076】
図9を参照して、記憶部300が記憶するテーブルについて説明する。
図9は、エリアごとの上段目標角度及び下段目標角度を定めるテーブルを例示する図である。テーブルは、供給対象エリアに対応する第一上段案内面51aの傾斜角α1、第二上段案内面52aの傾斜角α2、第一下段案内面41aの傾斜角β、及び第二下段案内面42aの傾斜角γを定めている。テーブルの供給対象エリアの「1」~「9」は、それぞれエリアA1~A9に対応している。
【0077】
図9に示されるように、エリアごとの上段目標角度には、角度G1~G2が設定され、エリアごとの下段目標角度には、角度G3~G7が設定される。例えば、第一上段案内面51aの傾斜角α1には、エリアに応じて角度G1又はG2が設定される。第二上段案内面52aの傾斜角α2には、エリアに応じて角度G1又はG2が設定される。第一下段案内面41aの傾斜角βには、エリアに応じて角度G3又はG4が設定される。第二下段案内面42aの傾斜角γには、エリアに応じて角度G5、G6又はG7が設定される。
【0078】
角度G1は、廃棄物の安息角以上であり、且つ廃棄物受けホッパ3内への廃棄物の落下位置を調節可能な角度である。例えば、角度G1は、40°以上50°以下の範囲で設定される。一例では、角度G1は40°である。
【0079】
角度G2は、廃棄物の落下位置の調節を積極的に行わない角度であり、且つ第一上段案内部51の設置場所における周囲の物体(例えば廃棄物受けホッパ3の内周面3a)に接触しない角度である。ここでの「積極的に行わない」とは、落下してくる廃棄物が第一上段案内面51aに接触しないこと、及び接触するが廃棄物の落下位置が略変化しないことを含む。例えば、角度G2は、75°以上80°以下の範囲で設定される。一例では、角度G2は76°である。
【0080】
角度G3は、廃棄物の安息角以上であり、且つ廃棄物受けホッパ3内への廃棄物の落下位置を調節可能な角度である。例えば、角度G3は、40°以上50°以下の範囲で設定される。一例では、角度G3は50°である。
【0081】
角度G4は、廃棄物の落下位置の調節を積極的に行わない角度であり、且つ第一上段案内部51の設置場所における周囲の物体(例えば処理室2の内周面2a)に接触しない角度である。ここでの「積極的に行わない」とは、第一下段案内面41a上からの廃棄物の滑落の影響を抑制することを含む。例えば、角度G4は、75°以上80°以下の範囲で設定される。一例では、角度G4は80°である。
【0082】
角度G5は、廃棄物の安息角以上であり、且つ処理室2内への廃棄物の落下位置を調節可能な角度である。より詳細には、角度G5は、処理室2の前壁21F(
図4参照)又は中央部付近に廃棄物の落下位置を調節可能な角度である。例えば、角度G5は、40°以上50°以下の範囲で設定される。一例では、角度G5は47°である。
【0083】
角度G6は、処理室2内への廃棄物の落下位置を調節可能な角度であり、且つ周囲の物体(例えば第二下段案内部42に対向する第一下段案内部41)に接触しない角度である。より詳細には、角度G6は、処理室2内における前後方向の中央部付近に廃棄物の落下位置を調節可能な角度である。例えば、角度G6は、60°以上75°以下の範囲で設定される。一例では、角度G6は75°である。
【0084】
角度G7は、廃棄物の落下位置の調節を積極的に行わない角度であり、且つ第二下段案内部42の設置場所における周囲の物体(例えば処理室2の内周面2a)に接触しない角度である。ここでの「積極的に行わない」とは、第二下段案内面42a上からの廃棄物の滑落の影響を抑制することを含む。例えば、角度G7は、75°以上180°以下の範囲で設定される。一例では、角度G7は84.5°である。
【0085】
上段案内部5及び下段案内部4の設置場所の周囲に物体が存在しない場合、角度G2及びG4は、上限を180°として設定されてもよい。このように、設置場所に応じて角度の範囲は変更されてもよい。
【0086】
一例では、供給対象エリアが「1」の場合、テーブルは、第一上段案内面51aの傾斜角α1=角度G2(例えば76°)、第二上段案内面52aの傾斜角α2=角度G2(例えば76°)、第一下段案内面41aの傾斜角β=角度G3(例えば50°)、及び第二下段案内面42aの傾斜角γ=角度G7(例えば84.5°)を定めている。この場合、廃棄物は、コンベヤ9から廃棄物受けホッパ3内に落下し、下段案内部4によって支持される。廃棄物はまた、下段案内部4によって落下位置が調節され、処理室2の後壁21B(
図4参照)寄りに装入される。
【0087】
別の例では、供給対象エリアが「4」の場合、テーブルは、第一上段案内面51aの傾斜角α1=角度G1(例えば40°)、第二上段案内面52aの傾斜角α2=角度G2(例えば76°)、第一下段案内面41aの傾斜角β=角度G4(例えば80°)、及び第二下段案内面42aの傾斜角γ=角度G5(例えば47°)を定めている。この場合、廃棄物は、上段案内部5によって落下位置が調節され、廃棄物受けホッパ3内において右壁21R(
図4参照)寄りに下段案内部4によって支持される。廃棄物はまた、下段案内部4によって落下位置が調節され、処理室2の前壁21F(
図4参照)寄りに装入される。
【0088】
図7に戻り、切出量決定部105は、廃棄物の一回当たりの切出量を決定する。例えば、切出量決定部105は、コンソール200に入力された廃棄物の一回当たりの切出量の目標となる目標荷重を切出量として決定する。
【0089】
出力部106は、炉内状況に関する情報をコンソール200に出力する。炉内状況に関する情報は、例えば複数エリアの温度及びレベルを含む。コンソール200は、炉内状況に関する情報の表示部として機能する。
【0090】
制御部107は、コンベヤ制御部107aと、上段制御部107bと、シール弁制御部107cと、副資材制御部107dと、ガス制御部107eと、下段制御部107fとを備える。コンベヤ制御部107aは、コンベヤ9の動作を制御する。上段制御部107bは、上段案内部5の動作を制御する。シール弁制御部107cは、上部シール弁6の動作を制御する。副資材制御部107dは、副資材装入装置7の動作を制御する。ガス制御部107eは、送ガス部8の動作を制御する。下段制御部107fは、下段案内部4の動作を制御する。
【0091】
[廃棄物装入装置の動作]
図10~
図13を参照して、廃棄物装入装置1による廃棄物装入方法の一例を説明する。廃棄物装入装置1による廃棄物装入方法は、制御装置100が廃棄物装入装置1の各要素を制御することにより実行される。
図10は、廃棄物装入装置1の動作を例示するフローチャートである。
【0092】
ステップS1において、制御装置100の取得部101は、処理室2内における廃棄物のレベルについて、複数のレベル測定点のレベルをレベルセンサ13から取得する。例えば、取得部101は、処理室2の中心Cと、複数の温度測定点TPとの間において、処理室2の中心Cを囲むように並ぶ複数の包囲測定点CPを含む複数のレベル測定点LPのレベルを取得する(
図5参照)。
【0093】
ステップS2において、制御装置100の装入判定部102は、複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて判定用レベルを決定する。例えば、装入判定部102は、複数エリアのうち二つ以上のエリアにおけるレベルの平均値、中央値、最大値又は最小値を判定用レベルとして決定する。一例では、装入判定部102は、すべてのエリア(エリアA1~A9)のレベルの平均値を判定用レベルとして決定する。別の例では、装入判定部102は、所定の一つのエリア(例えば中央に位置するエリアA9等)におけるレベルを判定用レベルとして決定する。そして、装入判定部102は、判定用レベルが装入判定閾値を下回るか否かを判定する。装入判定閾値(
図13参照)は、処理室2に対する廃棄物の装入可否の判断基準となる高さである。例えば、装入判定閾値は、上述したストックラインよりも低い。別の例では、装入判定閾値は、ストックラインと同じ高さでもよく、ストックラインよりも高くてもよい。判定用レベルが装入判定閾値を下回る場合(ステップS2においてYES)、処理はステップS3に進む。判定用レベルが装入判定閾値以上である場合(ステップS2においてNO)、処理はステップS1に戻る。
【0094】
ステップS3において、装入判定部102は、複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて第二判定用レベルを決定する。例えば、装入判定部102は、複数エリアのうち二つ以上のエリアにおけるレベルの平均値、中央値、最大値又は最小値を第二判定用レベルとして決定する。一例では、装入判定部102は、すべてのエリア(エリアA1~A9)のレベルの平均値を第二判定用レベルとして決定する。別の例では、装入判定部102は、所定の一つのエリア(例えば中央に位置するエリアA9等)におけるレベルを第二判定用レベルとして決定する。或いは、装入判定部102は、エリアA1~A9のうち、レベルが高い順に4つのエリアのレベルの平均値を第二判定用レベルとして決定する。そして、装入判定部102は、第二判定用レベルが上位装入判定閾値を下回るか否かを判定する。上位装入判定閾値(
図13参照)は、処理室2に対する廃棄物の装入可否の判断基準となる高さである。例えば、上位装入判定閾値は、上述した装入判定閾値よりも高く、ストックラインよりも高い。別の例では、上位装入判定閾値は、ストックラインと同じ高さでもよく、ストックラインよりも低くてもよい。第二判定用レベルが上位装入判定閾値を下回る場合(ステップS3においてYES)、処理はステップS4に進む。第二判定用レベルが上位装入判定閾値以上である場合(ステップS3においてNO)、処理はステップS1に戻る。すなわち、第二判定用レベルが上位装入判定閾値を上回ったことに基づいて、装入判定部102は、処理室2に廃棄物を装入するための制御をキャンセルする。
【0095】
ステップS4において、取得部101は、処理室2内における温度について、複数の温度測定点の温度を複数の温度センサ12から取得する。例えば、複数の温度センサ12は、周方向に並ぶ8つのエリアA1~A8における複数の温度測定点の温度を検出する(
図5参照)。
【0096】
ステップS5において、制御装置100のエリア選択部103は、供給対象エリアの選択処理を実行する。供給対象エリアの選択処理の詳細は後述する。
【0097】
ステップS6において、廃棄物装入装置1は、廃棄物の装入処理を実行する。廃棄物の装入処理の詳細は後述する。
図10に示されるフローは、例えば所定の時間間隔で繰り返される。
【0098】
[供給対象エリアの選択処理]
図11を参照して、
図10に示されるステップS5の処理の一例を説明する。
図11は、供給対象エリアの選択処理を例示するフローチャートである。
【0099】
ステップS51において、エリア選択部103は、所定の温度閾値を上回るエリアがあるか否かを判定する。温度閾値は、第一閾値及び第一閾値よりも高い温度の第二閾値を有する。例えば、エリア選択部103は、温度が第一閾値を上回るエリアがあるか否かを判定する。温度が第一閾値を上回るエリアがある場合(ステップS51においてYES)、処理はステップS52に進む。温度が第一閾値を上回るエリアがない場合(ステップS51においてNO)、処理はステップS53に進む。
【0100】
ステップS52において、エリア選択部103は、温度が第二閾値を上回るエリアがあるか否かを判定する。温度が第二閾値を上回るエリアがある場合(ステップS52においてYES)、処理はステップS54に進む。温度が第二閾値を上回るエリアがない場合(ステップS52においてNO)、処理はステップS55に進む。
【0101】
ステップS53において、エリア選択部103は、現在が割り込みタイミングであるか否かを判定する。割り込みタイミングとは、複数エリアに対し予め定められたサイクル順よりもレベルを優先して、供給対象エリアを選択するタイミングであることをいう。割り込みタイミングは、例えば廃棄物の装入回数又は所定の時間間隔により定められる。一例では、割り込みタイミングは、サイクル順のエリアに対して廃棄物を2回装入した後に、レベルを優先して供給対象エリアを1回選択するように定められていてもよい。現在が割り込みタイミングである場合(ステップS53においてYES)、処理はステップS58に進む。現在が割り込みタイミングではない場合(ステップS53においてNO)、処理はステップS59に進む。
【0102】
ステップS54において、エリア選択部103は、温度が第二閾値を上回るエリアのレベルのうち、全てのエリアのレベルが選択キャンセル閾値を上回るか否かを判定する。選択キャンセル閾値(
図13参照)は、供給対象エリアに廃棄物を新たに装入する必要がないと判断するための高さである。選択キャンセル閾値は、上述したストックラインよりも高い。レベルが選択キャンセル閾値を下回る場合(ステップS54においてNO)、処理はステップS541に進む。全てのエリアのレベルが選択キャンセル閾値以上である場合(ステップS54においてYES)、処理はステップS53に進む。すなわち、エリア選択部103は、選択キャンセル閾値に基づいて、温度及び第二閾値に基づく供給対象エリアの選択をキャンセルする。エリア選択部103は、温度が第二閾値を上回るエリアがある場合において、温度が第二閾値を上回るエリアのうち、全てのエリアのレベルが所定の選択キャンセル閾値を上回っている場合には、供給対象エリアとして温度が第二閾値を上回るエリアを選択することをキャンセルする。
【0103】
ステップS55において、エリア選択部103は、温度が第一閾値を上回るエリアのレベルのうち、全てのエリアのレベルが選択キャンセル閾値を上回るか否かを判定する。レベルが選択キャンセル閾値を下回る場合(ステップS55においてNO)、処理はステップS551に進む。全てのエリアのレベルが選択キャンセル閾値以上である場合(ステップS55においてYES)、処理はステップS53に進む。すなわち、エリア選択部103は、選択キャンセル閾値に基づいて、温度及び第一閾値に基づく供給対象エリアの選択をキャンセルする。エリア選択部103は、温度が第一閾値を上回るエリアがある場合において、温度が第一閾値を上回るエリアのうち、全てのエリアのレベルが所定の選択キャンセル閾値を上回っている場合には、供給対象エリアとして温度が第一閾値を上回るエリアを選択することをキャンセルする。
【0104】
ステップS541において、エリア選択部103は、選択キャンセル閾値以上のエリアを供給対象エリアの候補から除外する。
【0105】
ステップS56において、エリア選択部103は、温度が第二閾値を上回る少なくとも一つのエリアのうち、最も高い温度のエリアを供給対象エリアとして選択する。温度が第二閾値を上回るエリアが複数ある場合、エリア選択部103は、温度が高い順にエリアを供給対象エリアとして選択する。
【0106】
ステップS551において、エリア選択部103は、選択キャンセル閾値以上のエリアを供給対象エリアの候補から除外する。
【0107】
ステップS57において、エリア選択部103は、温度が第一閾値を上回る少なくとも一つのエリアのうち、最も低いレベルのエリアを供給対象エリアとして選択する。温度が第一閾値を上回るエリアが複数ある場合、エリア選択部103は、レベルが低い順にエリアを供給対象エリアとして選択する。
【0108】
ステップS58において、エリア選択部103は、複数エリアのうち、最も低いレベルのエリアを供給対象エリアとして選択する。
【0109】
ステップS59において、エリア選択部103は、サイクル順に基づくエリアを供給対象エリアとして選択する。例えば、エリア選択部103は、エリアA1~A8を順に並べたサイクル順のうち、次のエリアを供給対象エリアとして選択する。
【0110】
[廃棄物の装入処理]
図12を参照して、
図10に示されるステップS6の処理の一例を説明する。
図12は、廃棄物の装入処理を例示するフローチャートである。
【0111】
ステップS61において、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3の下端32を閉塞するように下段案内部4の動作を制御する。例えば、制御装置100の下段制御部107fは、第一下段案内面41aの傾斜角を所定の角度に設定し、第一下段駆動部413を駆動させる。これにより、廃棄物受けホッパ3の下端32が第一下段案内面41aによって閉塞される。さらに、下段制御部107fは、第二下段案内面42aの傾斜角を所定の角度に設定し、第二下段駆動部423を駆動させる。これにより、第一下段案内部41の第一下段案内板412が第二下段案内部42のロック部424によって支持される。
【0112】
ステップS61以降において、制御装置100は、副資材を廃棄物受けホッパ3内に装入してもよい。例えば、制御装置100の副資材制御部107dは、副資材装入装置7の動作を制御する。副資材制御部107dは、副資材シール弁73を開放するように制御することによって、副資材シュート71を介して廃棄物受けホッパ3に副資材を装入する。
【0113】
ステップS62において、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内に不活性ガスを送ることで、廃棄物受けホッパ3内の気体(例えば一酸化炭素等)を不活性ガスに置換する。例えば、制御装置100のガス制御部107eは、廃棄物受けホッパ3の上端31が上部シール弁6により閉塞しており、廃棄物受けホッパ3の下端32が下段案内部4により微開にされた状態で、廃棄物受けホッパ3内に窒素等の不活性ガスを送るように送ガス部8の動作を制御する。下端32が閉塞していないため、廃棄物の装入時に処理室2内から廃棄物受けホッパ3内に流入した気体(例えば一酸化炭素等)は、処理室2に戻される。気体の置換が完了した後、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3の下端32を閉塞するように下段案内部4の動作を制御する。
【0114】
ステップS63において、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3の上端31を開放するように上部シール弁6の動作を制御する。例えば、制御装置100のシール弁制御部107cは、上端31から離れるように上部シール弁6をスライドさせることによって上端31を開放する。
【0115】
ステップS64において、制御装置100は、上段案内部5を駆動する。例えば、制御装置100の角度算出部104は、供給対象エリアに廃棄物を落下させるように上段案内面に対する上段目標角度を算出する。例えば、角度算出部104は、処理室2内の複数のエリアのそれぞれについて、上段目標角度及び下段目標角度を定めるテーブルを参照して、供給対象エリアに対応する上段目標角度を選択する。そして、制御装置100の上段制御部107bは、第一上段案内面51a及び第二上段案内面52aに対する上段目標角度に対応するように、第一上段駆動部513及び第二上段駆動部523を駆動させる。
【0116】
ステップS65において、制御装置100は、廃棄物の一回当たりの切出量を決定する。例えば、制御装置100の切出量決定部105は、コンソール200に入力された廃棄物の一回当たりの切出量の目標となる目標荷重を切出量として決定する。
【0117】
ステップS66において、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を受け入れさせる。例えば、制御装置100のコンベヤ制御部107aは、支持面9a上に貯留された廃棄物が上段案内部5に送られる一回当たりの切出量を増減可能にするようにコンベヤ9の運転動作を制御する。換言すると、コンベヤ制御部107aは、コンベヤ9の運転動作を変更することにより、上段案内面に送られるコンベヤ9上の廃棄物の一回当たりの切出量を変更する。コンベヤ9によって廃棄物が搬送されると、支持面9aから上段案内部5に落下するため、ロードセル10によって検出する荷重が減少する。コンベヤ制御部107aは、この荷重の変化に基づいてコンベヤ9の運転時間を制御する。一例では、コンベヤ制御部107aは、ロードセル10によって検出する荷重の変化が目標荷重に到達するように、コンベヤ9の運転時間を制御する。コンベヤ9によって搬送された廃棄物は、廃棄物シュート11によって上段案内部5に誘導される。廃棄物は、上段案内部5によって廃棄物受けホッパ3内における落下位置が調節される。
【0118】
すなわち、制御装置100は、下端32が下段案内面(第一下段案内面41a)により閉じられた状態で、上段案内部5を介して廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を落下させる。制御装置100は、上段案内面(第一上段案内面51a及び第二上段案内面52a)の傾きを上段目標角度に合わせて、上段案内部5を介して廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を落下させる。制御装置100は、上段案内面に送られる廃棄物の量を調節する。
【0119】
ステップS67において、廃棄物装入装置1は、必要に応じてコンベヤ9の支持面9a上に廃棄物を貯留させる。例えば、支持面9aは、クレーン等によって支持面9aの上方から投入された廃棄物を貯留する。既に支持面9aに十分な量の廃棄物が貯留している場合、新たな投入が行われなくてもよい。例えば、制御装置100は、ロードセル10によって検出されたコンベヤ9上の廃棄物の荷重が閾値以下である場合に、コンベヤ9上に廃棄物を貯留させると決定し、廃棄物の荷重が閾値を超える場合に、廃棄物の新たな投入を行わないと決定してもよい。ステップS67の処理は、ステップS68以降の処理と並列で行われてよい。
【0120】
ステップS68において、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3の上端31を閉塞するように上部シール弁6の動作を制御する。例えば、シール弁制御部107cは、上端31を覆うように上部シール弁6をスライドさせることによって上端31を閉塞する。すなわち、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内に落下した廃棄物が下段案内面(第一下段案内面41a)によって支持された状態で、廃棄物受けホッパ3の上端31を閉じるように上部シール弁6を制御する。
【0121】
ステップS69において、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内に不活性ガスを送ることで、廃棄物受けホッパ3内の気体(例えば酸素等)を不活性ガスに置換する。例えば、制御装置100のガス制御部107eは、廃棄物受けホッパ3の上端31が上部シール弁6により閉塞しており、廃棄物受けホッパ3の下端32が下段案内部4により閉塞している状態で、廃棄物受けホッパ3内に窒素等の不活性ガスを送るように送ガス部8の動作を制御する。排ガス部14は、送ガス部8により廃棄物受けホッパ3内の気体(例えば酸素等)が不活性ガスに置換される際に、廃棄物受けホッパ3内の気体を外部に排出する。
【0122】
ステップS70において、制御装置100は、下段案内部4を駆動する。例えば、角度算出部104は、供給対象エリアに廃棄物を落下させるように下段案内面に対する下段目標角度を算出する。例えば、角度算出部104は、処理室2内の複数のエリアのそれぞれについて、上段目標角度及び下段目標角度を定めるテーブルを参照して、供給対象エリアに対応する下段目標角度を選択する。そして、制御装置100の下段制御部107fは、第一下段案内面41a及び第二下段案内面42aに対する下段目標角度に対応するように、第一下段駆動部413及び第二下段駆動部423を駆動させる。第一下段案内面41aによって支持された廃棄物は、処理室2内に装入される。
【0123】
すなわち、制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内に落下した廃棄物が第一下段案内面41aによって支持された状態で、下段案内部4によって廃棄物受けホッパ3の下端を開く。制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内の気体が、送ガス部8により送られた不活性ガスに置換された後、廃棄物受けホッパ3の下端32を開くように下段案内部4を更に制御する。制御装置100は、下段案内面(第一下段案内面41a及び第二下段案内面42a)の傾きを下段目標角度に合わせて、下段案内部4により廃棄物を処理室2内に落下させる。
【0124】
[効果]
以上に説明したように、本開示に係る廃棄物装入装置1は、鉛直に延在する筒状の処理室2に、上方から廃棄物を装入する廃棄物装入装置1であって、処理室2内の上部22に設けられており、処理室2内に送られる廃棄物の落下位置を調節する下段案内部4と、下段案内部4よりも上方に設けられており、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置を調節する上段案内部5と、を備える。下段案内部4は、処理室2内に送られる廃棄物を支持する下段案内面を有する下段案内板と、水平な下段軸線まわりに下段案内板の回転角を変更することによって、下段案内面の傾斜角を変更する下段駆動部と、を有する。上段案内部5は、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置を調節するための上段案内面を有する上段案内板と、下段軸線とねじれの位置にある水平な上段軸線まわりに上段案内板の回転角を変更することによって、上段案内面の傾斜角を変更する上段駆動部と、を有する。
【0125】
本開示に係る廃棄物装入装置1では、上段案内部5及び下段案内部4によって、廃棄物の落下位置が二段階に調節され、処理室2に廃棄物が装入される。例えば、上段案内部5の上段駆動部が上段案内面の傾斜角を変更することによって、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置が調節される。下段案内部4の下段駆動部が下段案内面の傾斜角を変更することによって、処理室2内に送られる廃棄物の落下位置が調節される。上段案内部5及び下段案内部4による落下位置の調節の組合せによって、廃棄物の堆積高さの偏りを更に抑制することができる。落下位置の調節の組合せは、処理室2内における廃棄物の不均一な減容速度(降下速度)に追従するのにも有効である。
【0126】
廃棄物装入装置1は、処理室2の上部22において下方に開口する下端32を有する廃棄物受けホッパ3を更に備えてもよい。下段案内部4は、下段案内面によって下端32を開閉するように廃棄物受けホッパ3の下に設けられていてもよい。上段案内部5は、廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を落下させてもよい。この場合、廃棄物の位置を廃棄物受けホッパ3内で整えたうえで、処理室2に廃棄物を落下させることが可能となる。これにより、処理室2への落下位置を安定させることができる。
【0127】
処理室2の内周面2aは、下端32における廃棄物受けホッパ3の内周面3aよりも外に位置していてもよい。上段案内部5が下段案内部4よりも上にある構成によれば、上段案内部5により形成された偏りの範囲を、下段案内部4によって更に広げることが可能である。処理室2の内周面2aの方が広い構成に適用される場合、二段構成が更に有効である。
【0128】
廃棄物装入装置1は、上段案内部5及び下段案内部4を制御する制御装置100を更に備えてもよい。制御装置100は、下端32が下段案内面により閉じられた状態で、上段案内部5を介して廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を落下させることと、廃棄物受けホッパ3内に落下した廃棄物が下段案内面によって支持された状態で、下段案内部4によって廃棄物受けホッパ3の下端32を開くことと、を実行するように構成されていてもよい。処理室2に送られる前に廃棄物受けホッパ3内において廃棄物が支持されることにより、上段案内部5による調節作用を安定させることができる。
【0129】
廃棄物受けホッパ3は、上方に開口する上端31を更に有してもよい。上段案内部5と、廃棄物受けホッパ3との間において、廃棄物受けホッパ3の上端31を開閉するように設けられている上部シール弁6を更に備えてもよい。上部シール弁6により上端31が閉じられた状態では、下端32が開いた状態においても、廃棄物受けホッパ3内の気体が廃棄物受けホッパ3の上端31から排出されることを防止できる。
【0130】
廃棄物受けホッパ3内に不活性ガスを送る送ガス部8を更に備えてもよい。制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内に落下した廃棄物が下段案内面によって支持された状態で、廃棄物受けホッパ3の上端31を閉じるように上部シール弁6を制御することと、廃棄物受けホッパ3内に不活性ガスを送るように送ガス部8を制御することと、を更に実行してもよい。制御装置100は、廃棄物受けホッパ3内の気体が、送ガス部8により送られた不活性ガスに置換された後、廃棄物受けホッパ3の下端32を開くように下段案内部4を更に制御してもよい。処理室2内に廃棄物が送られる前に、廃棄物受けホッパ3の上端31及び下端32が閉じられた状態で、廃棄物受けホッパ3内の気体が例えば窒素等の不活性ガスに置換される。これにより、処理室2内の操業安定性を向上させることができる。
【0131】
廃棄物装入装置1は、処理室2内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点LPのレベルを検出するレベルセンサを更に備えてもよい。制御装置100は、複数のレベル測定点LPのレベルに基づいて、処理室2内における供給対象エリアを選択することと、供給対象エリアに廃棄物を落下させるように上段案内面に対する上段目標角度及び下段案内面に対する下段目標角度を算出することと、を更に実行してもよい。制御装置100は、上段案内面の傾きを上段目標角度に合わせて、上段案内部5を介して廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を落下させ、下段案内面の傾きを下段目標角度に合わせて、下段案内部4により廃棄物を処理室2内に落下させてもよい。廃棄物を落下させるための供給対象エリアに対する上段目標角度及び下段目標角度を算出することにより、より適切に廃棄物の落下位置を調節できる。これにより、廃棄物の堆積高さの偏りを更に抑制することができる。
【0132】
制御装置100は、処理室2内の複数のエリアのそれぞれについて、上段目標角度及び下段目標角度を定めるテーブルを参照して、供給対象エリアに対応する上段目標角度及び下段目標角度を選択してもよい。上段目標角度及び下段目標角度を供給対象エリアごとに予め定めたテーブルを参照することにより、制御装置100の計算負荷(およびコスト)を抑制できる。
【0133】
上段案内部5は、上段駆動部によって所定の傾斜角に設定された上段案内面の傾きにより、下段案内面上への廃棄物の落下位置を第一方向における所定の位置になるように調節してもよい。下段案内部4は、下段駆動部によって所定の傾斜角に設定された下段案内面の傾きにより、処理室2への廃棄物の落下位置を第一方向と交差する第二方向における所定の位置になるように調節してもよい。この場合、処理室2内に送られる廃棄物の落下位置をより柔軟に調節することができる。
【0134】
上段案内部5は、廃棄物の落下位置を調節する第二上段案内面52aを有する第二上段案内板522と、上段軸線に平行な第二上段軸線UL2まわりに第二上段案内板522の回転角を変更することによって、第二上段案内面52aの傾斜角を変更する第二上段駆動部523と、を更に有してもよい。上段案内部5は、上段駆動部によって所定の傾斜角に設定された上段案内面の傾きと、第二上段駆動部523によって所定の傾斜角に設定された第二上段案内面52aの傾きとにより、下段案内面上への廃棄物の落下位置を第一方向における所定の位置になるように調節してもよい。上段案内板(第一上段案内板512)及び第二上段案内板522の組合せにより、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置をより柔軟に調節することができる。
【0135】
下段案内部4は、廃棄物の落下位置を調節する第二下段案内面42aを有する第二下段案内板422と、下段軸線に平行な第二下段軸線DL2まわりに第二下段案内板422の回転角を変更することによって、第二下段案内面42aの傾斜角を変更する第二下段駆動部423と、を更に有してもよい。下段案内部4は、下段駆動部によって所定の傾斜角に設定された下段案内面の傾きと、第二下段駆動部423によって所定の傾斜角に設定された第二下段案内面42aの傾きとにより、処理室2への廃棄物の落下位置を第二方向における所定の位置になるように調節してもよい。下段案内板(第一下段案内板412)及び第二下段案内板422の組合せにより、処理室2内に送られる廃棄物の落下位置をより柔軟に調節することができる。
【0136】
廃棄物装入装置1は、廃棄物を貯留可能な支持面9aを有し、上段案内部5に向けて間欠的に廃棄物を送るコンベヤ9を更に備えてもよい。制御装置100は、支持面9a上に貯留された廃棄物が上段案内部5に送られる一回当たりの切出量を増減可能にするようにコンベヤ9の運転動作を制御してもよい。装入する廃棄物の量が間欠的に調節されることにより、処理室2内の廃棄物の量を安定させることができる。その結果、処理室2内の操業安定性を向上させることができる。
【0137】
廃棄物装入装置1は、コンベヤ9によって貯留されている廃棄物の荷重を検出するロードセル10と、を更に備えてもよい。制御装置100は、上段案内部5に送られる廃棄物の目標荷重を取得し、ロードセル10によって検出する荷重が目標荷重に到達するように、コンベヤ9の運転時間を制御してもよい。これにより、装入する廃棄物の量の調節精度が向上する。その結果、処理室2内の廃棄物の量を更に安定させることができる。
【0138】
本開示に係る廃棄物装入方法は、鉛直に延在する筒状の処理室2に、上方から廃棄物を装入する廃棄物装入方法であって、上段案内面により廃棄物の落下位置を調節する上段案内板を、水平な上段軸線まわりに回転させ、処理室2内の上部22に設けられた下段案内板の下段案内面上に廃棄物を落下させることと、下段案内面により廃棄物を支持した下段案内板を、上段軸線とねじれの位置にある下段軸線まわりに回転させることで、処理室2に廃棄物を落下させることと、を含む。
【0139】
本開示に係る廃棄物装入方法では、上段案内板及び下段案内板によって、廃棄物の落下位置が二段階に調節され、処理室2に廃棄物が装入される。例えば、上段案内面の傾斜角を変更することによって、下段案内面上に送られる廃棄物の落下位置が調節される。下段案内面の傾斜角を変更することによって、処理室2内に送られる廃棄物の落下位置が調節される。上段案内板及び下段案内板による落下位置の調節の組合せによって、廃棄物の堆積高さの偏りを更に抑制することができる。落下位置の調節の組合せは、処理室2内における廃棄物の不均一な減容速度(降下速度)に追従するのにも有効である。
【0140】
廃棄物装入方法は、下段案内面上に廃棄物を落下させる際には、処理室2の上に設けられた廃棄物受けホッパ3の下端32が下段案内面により閉じられた状態で、廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を落下させることと、処理室2に廃棄物を落下させる際には、廃棄物受けホッパ3内に落下した廃棄物が下段案内面によって支持された状態で、下段案内面により下端32を開いて処理室2への廃棄物の落下を開始させることと、を更に含んでもよい。処理室2に送られる前に廃棄物受けホッパ3内において廃棄物が支持されることにより、上段案内板による調節作用を安定させることができる。
【0141】
廃棄物装入方法は、処理室2内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点LPのレベルを検出することと、複数のレベル測定点LPのレベルに基づいて、処理室2内における供給対象エリアを選択することと、供給対象エリアに廃棄物を落下させるように上段案内面に対する上段目標角度及び下段案内面に対する下段目標角度を設定することと、下段案内面上に廃棄物を落下させる際には、上段案内面の傾きを上段目標角度に合わせて、上段案内面により廃棄物受けホッパ3内に廃棄物を落下させることと、処理室2に廃棄物を落下させる際には、下段案内面の傾きを下段目標角度に合わせて、下段案内面により廃棄物を処理室2内に落下させることと、を更に含んでもよい。廃棄物を落下させるための供給対象エリアに対する上段目標角度及び下段目標角度を算出することにより、より適切に廃棄物の落下位置を調節できる。これにより、廃棄物の堆積高さの偏りを更に抑制することができる。
【0142】
廃棄物装入方法は、上段案内面に送られる廃棄物の量を調節すること、を更に含んでもよい。装入する廃棄物の量が調節されることにより、処理室2内の廃棄物の量を安定させることができる。その結果、処理室2内の操業安定性を向上させることができる。
【0143】
廃棄物装入方法は、コンベヤ9上に廃棄物を貯留することと、コンベヤ9を動作させてコンベヤ9上の廃棄物を上段案内面に間欠的に送ることと、コンベヤ9の運転動作を変更することにより、上段案内面に送られるコンベヤ9上の廃棄物の一回当たりの切出量を変更すること、を更に含んでもよい。装入する廃棄物の量が間欠的に調節されることにより、処理室2内の廃棄物の量を安定させることができる。
【0144】
廃棄物装入方法は、上段案内面に送られる廃棄物の目標荷重を取得することと、コンベヤ9によって貯留されている廃棄物の荷重を検出することと、検出される荷重の変化が目標荷重に到達するように、コンベヤ9の運転時間を制御することと、を更に含んでもよい。これにより、装入する廃棄物の量の調節精度が向上する。その結果、処理室2内の廃棄物の量を更に安定させることができる。
【0145】
本開示に係る廃棄物装入装置1は、鉛直に延在する筒状の処理室2と、処理室2内における温度について、複数の温度測定点TPの温度を検出する温度センサ12と、処理室2内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点LPのレベルを検出するレベルセンサ13と、を備える。
【0146】
溶融炉等の処理室2内に廃棄物を装入する場合、廃棄物の装入箇所、処理速度等に応じて廃棄物の堆積状況に偏りが生じ得る。その結果、処理室2内の温度(廃棄物の温度及び気体の温度)の不均一化が生じ得る。例えば、廃棄物の熱分解及び減容が部分的に促進されると、部分的な空洞が生じ、処理室2内の気体の流路が不均一化する。処理室2内の気体は、主に室内下方からの上昇流であり、この気体は高温であるため、気体の流路の不均一化は、処理室2内の温度の不均一化をもたらす。加えて、廃棄物の堆積状況の偏りは、処理室2内での熱分解反応の不均一化をもたらすため、処理室2内の温度の不均一化を助長する。また、廃棄物が偏って堆積すると、廃棄物自体の温度に起因して、処理室2内の温度が不均一化し得る。本開示に係る廃棄物装入装置1では、温度センサ12によって複数の温度測定点TPの温度が検出されると共に、レベルセンサ13によって複数のレベル測定点LPのレベルが検出される。このような温度センサ12及びレベルセンサ13の検出結果に偏りが生じた場合、廃棄物の堆積状況に偏りが生じたことを検知できる。廃棄物の堆積状況をより細やかに把握できるため、廃棄物の堆積状況について、より細やかな調節に有効である。
【0147】
複数の温度測定点TPは、処理室2の周壁に沿って並んでいてもよい。複数のレベル測定点LPは、処理室2の中心Cと、複数の温度測定点TPとの間において、処理室2の中心Cを囲むように並ぶ複数の包囲測定点CPを含んでもよい。この場合、複数の温度測定点TP及び複数のレベル測定点LPを筒状の処理室2に従って設定することができる。これにより、廃棄物の堆積状況をより細やかに把握できる。
【0148】
廃棄物装入装置1は、処理室2内における複数エリアのそれぞれにおける温度センサ12の検出結果及びレベルセンサ13の検出結果の少なくとも一方に基づいて、複数エリアのうちから廃棄物を落下させるための供給対象エリアを選択する制御装置100を更に備えてもよい。この場合、廃棄物を落下させるための供給対象エリアを自動的に選択することができる。
【0149】
制御装置100は、複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて判定用レベルを決定し、判定用レベルが所定の装入判定閾値を下回ったことに基づいて、処理室2に廃棄物を装入するための制御を更に実行してもよい。処理室2内の廃棄物の量が減少している場合に廃棄物が装入されるため、処理室2内の廃棄物の量を適切に維持できる。
【0150】
制御装置100は、複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて第二判定用レベルを決定し、第二判定用レベルが装入判定閾値よりも高い所定の上位装入判定閾値を上回ったことに基づいて、処理室2に廃棄物を装入するための制御をキャンセルしてもよい。この場合、処理室2内の一部のエリアにおいて、廃棄物が高く堆積していると言えるため、処理室2内に廃棄物を新たに落下させる必要がない。廃棄物の装入をキャンセルすることにより、処理室2内の廃棄物の量を適切に維持できる。
【0151】
制御装置100は、複数エリアのうち、最も高い温度のエリアを供給対象エリアとして選択してもよい。廃棄物の処理が促進されているエリアは、高温の気体の流路が形成されることによって高温のエリアになり得る。最も高い温度のエリアが供給対象エリアとして優先的に選択されることにより、供給対象エリアをより適切に選択することができる。
【0152】
制御装置100は、複数エリアのうち、最も低いレベルのエリアを供給対象エリアとして選択してもよい。廃棄物の処理が促進されているエリアでは、レベルが低くなる。最も低いレベルのエリアが供給対象エリアとして優先的に選択されることにより、供給対象エリアをより適切に選択することができる。
【0153】
制御装置100は、複数エリアのうち、温度が所定の温度閾値を上回った第一エリアの有無を判定し、第一エリアがある場合には、第一エリアにおいて最も高い温度のエリアを供給対象エリアとして選択し、第一エリアがない場合には、複数エリアのうち、最も低いレベルの第二エリアを供給対象エリアとして選択してもよい。高温のエリア(第一エリア)及びレベルの低いエリア(第二エリア)の優先順位に基づき供給対象エリアが選択されることにより、供給対象エリアをより適切に選択することができる。
【0154】
制御装置100は、第一エリアがある場合において、第一エリアにおけるレベルが所定の選択キャンセル閾値を上回っている場合には、供給対象エリアとして第一エリアを選択することをキャンセルしてもよい。高温の第一エリアのレベルが所定の選択キャンセル閾値を上回っている場合、第一エリアには廃棄物が高く堆積していると言えるため、高温であっても第一エリアに対し廃棄物を新たに落下させる必要がない。供給対象エリアの選択をキャンセルすることにより、処理室2内の廃棄物の量を適切に維持できる。
【0155】
廃棄物装入装置1は、処理室2内の上部22に設けられており、処理室2内に送られる廃棄物の落下位置を調節する下段案内部4と、下段案内部4よりも上方に設けられており、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置を調節する上段案内部5と、を更に備えてもよい。下段案内部4は、処理室2内に送られる廃棄物を支持する下段案内面を有する下段案内板と、水平な下段軸線まわりに下段案内板の回転角を変更することによって、下段案内面の傾斜角を変更する下段駆動部と、を有してもよい。上段案内部5は、下段案内部4に送られる廃棄物の落下位置を調節するための上段案内面を有する上段案内板と、下段軸線とねじれの位置にある水平な上段軸線まわりに上段案内板の回転角を変更することによって、上段案内面の傾斜角を変更する上段駆動部と、を有してもよい。制御装置100は、複数エリアのそれぞれについて、上段案内面に対する上段目標角度及び下段案内面に対する下段目標角度を定めるテーブルと、供給対象エリアとに基づいて、上段案内部5及び下段案内部4を制御してもよい。この場合、供給対象エリアに対応するように廃棄物の落下位置が調節される。供給対象エリアに対し廃棄物を落下させることにより、処理室2内の廃棄物高さの偏りを抑制できる。
【0156】
レベルセンサ13は、複数のレベル測定点LPのそれぞれの位置とレベルとを検出してもよい。制御装置100は、レベルを測定できない測定不能エリアを複数のレベル測定点LPの位置に基づいて特定し、測定不能エリアの周辺のレベル測定点LPのレベルに基づいて、測定不能エリアのレベルを推定してもよい。例えば廃棄物が極端に偏って堆積している場合、又はレベルセンサ13と廃棄物との距離が近い場合等において、正常にレベル測定ができない測定不能エリアが生じ得る。この場合に、周辺のレベル測定点LPのレベルに基づいて、測定不能エリアのレベルを推定することにより、廃棄物の堆積状況をより細やかに把握できる。
【0157】
[変形例]
本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、下段案内部4が第一下段案内部41及び第二下段案内部42を備えると説明したが、第一下段案内部41のみを備えていてもよい。上段案内部5が第一上段案内部51及び第二上段案内部52を備えると説明したが、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【0158】
上記実施形態では、サイクル順として、処理室2の周方向に並ぶ8つのエリアA1~A8が順に選択されると説明したが、エリアA1~A8への廃棄物の装入が所定の回数行われた後、中心に位置する1つのエリアA9に廃棄物の装入が行われるように割り込み装入が更に行われてもよい。
【0159】
別の例において、制御装置100は、オペレータによりコンソール200に入力されたエリアを取得し、サイクル順よりもオペレータにより入力されたエリアを優先して供給対象エリアとして選択し、該供給対象エリアに割り込み装入を行ってもよい。
【0160】
上記実施形態では、廃棄物装入装置1が適用される設備として廃棄物の溶融炉を例示したが、焼却炉等であってもよい。焼却炉では副資材が不要であるため、廃棄物装入装置1は副資材装入装置7を備えなくてもよい。
【0161】
上記実施形態では、複数のレベル測定点LPが複数の包囲測定点CPを含むとして説明したが、これに限られない。
図14は、レベル測定点の別の例を示す模式図である。複数のレベル測定点LP1は、包囲測定点CPを含まないものであってもよい。複数のレベル測定点LP1は、複数エリアのそれぞれにランダムに分散したレベル測定点の集合であってもよい。
【0162】
コンピュータシステム内で二つの数値の大小関係を比較する際には、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらを用いてもよく、「以下」および「未満」の二つの基準のうちのどちらを用いてもよい。このような基準の選択は、二つの数値の大小関係を比較する処理についての技術的意義を変更するものではない。
【0163】
[付記E1]
鉛直に延在する筒状の処理室に、上方から廃棄物を装入する廃棄物装入装置であって、
前記処理室内の上部に設けられており、前記処理室内に送られる廃棄物の落下位置を調節する下段案内部と、
前記下段案内部よりも上方に設けられており、前記下段案内部に送られる廃棄物の落下位置を調節する上段案内部と、を備え、
前記下段案内部は、
前記処理室内に送られる廃棄物を支持する下段案内面を有する下段案内板と、
水平な下段軸線まわりに前記下段案内板の回転角を変更することによって、前記下段案内面の傾斜角を変更する下段駆動部と、を有し、
前記上段案内部は、
前記下段案内部に送られる廃棄物の落下位置を調節するための上段案内面を有する上段案内板と、
前記下段軸線とねじれの位置にある水平な上段軸線まわりに前記上段案内板の回転角を変更することによって、前記上段案内面の傾斜角を変更する上段駆動部と、を有する、
廃棄物装入装置。
[付記E2]
前記処理室の上部において下方に開口する下端を有する廃棄物受けホッパを更に備え、
前記下段案内部は、前記下段案内面によって前記下端を開閉するように前記廃棄物受けホッパの下に設けられており、
前記上段案内部は、前記廃棄物受けホッパ内に廃棄物を落下させる、
付記E1記載の廃棄物装入装置。
[付記E3]
前記処理室の内周面は、前記下端における前記廃棄物受けホッパの内周面よりも外に位置している、付記E2記載の廃棄物装入装置。
[付記E4]
前記上段案内部及び下段案内部を制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記下端が前記下段案内面により閉じられた状態で、前記上段案内部を介して前記廃棄物受けホッパ内に廃棄物を落下させることと、
前記廃棄物受けホッパ内に落下した廃棄物が前記下段案内面によって支持された状態で、前記下段案内部によって前記廃棄物受けホッパの前記下端を開くことと、を実行するように構成されている、
付記E3記載の廃棄物装入装置。
[付記E5]
前記廃棄物受けホッパは、上方に開口する上端を更に有し、
前記上段案内部と、前記廃棄物受けホッパとの間において、前記廃棄物受けホッパの前記上端を開閉するように設けられている上部シール弁を更に備える、
付記E4記載の廃棄物装入装置。
[付記E6]
廃棄物受けホッパ内に不活性ガスを送る送ガス部を更に備え、
前記制御装置は、
前記廃棄物受けホッパ内に落下した廃棄物が前記下段案内面によって支持された状態で、前記廃棄物受けホッパの前記上端を閉じるように前記上部シール弁を制御することと、
前記廃棄物受けホッパ内に不活性ガスを送るように前記送ガス部を制御することと、を更に実行し、
前記廃棄物受けホッパ内の気体が、前記送ガス部により送られた不活性ガスに置換された後、前記廃棄物受けホッパの前記下端を開くように前記下段案内部を更に制御する、
付記E5記載の廃棄物装入装置。
[付記E7]
前記処理室内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点のレベルを検出するレベルセンサを更に備え、
前記制御装置は、
前記複数のレベル測定点のレベルに基づいて、前記処理室内における供給対象エリアを選択することと、
前記供給対象エリアに廃棄物を落下させるように前記上段案内面に対する上段目標角度及び前記下段案内面に対する下段目標角度を算出することと、を更に実行し、
前記上段案内面の傾きを前記上段目標角度に合わせて、前記上段案内部を介して前記廃棄物受けホッパ内に廃棄物を落下させ、
前記下段案内面の傾きを前記下段目標角度に合わせて、前記下段案内部により廃棄物を前記処理室内に落下させる、
付記E6記載の廃棄物装入装置。
[付記E8]
前記制御装置は、前記処理室内の複数のエリアのそれぞれについて、前記上段目標角度及び前記下段目標角度を定めるテーブルを参照して、前記供給対象エリアに対応する前記上段目標角度及び前記下段目標角度を選択する、付記E7記載の廃棄物装入装置。
[付記E9]
前記上段案内部は、前記上段駆動部によって所定の傾斜角に設定された前記上段案内面の傾きにより、前記下段案内面上への廃棄物の落下位置を第一方向における所定の位置になるように調節し、
前記下段案内部は、前記下段駆動部によって所定の傾斜角に設定された前記下段案内面の傾きにより、前記処理室への廃棄物の落下位置を前記第一方向と交差する第二方向における所定の位置になるように調節する、
付記E1~8のいずれか一項記載の廃棄物装入装置。
[付記E10]
前記上段案内部は、
廃棄物の落下位置を調節する第二上段案内面を有する第二上段案内板と、前記上段軸線に平行な第二上段軸線まわりに前記第二上段案内板の回転角を変更することによって、前記第二上段案内面の傾斜角を変更する第二上段駆動部と、を更に有し、
前記上段駆動部によって所定の傾斜角に設定された前記上段案内面の傾きと、前記第二上段駆動部によって所定の傾斜角に設定された前記第二上段案内面の傾きとにより、前記下段案内面上への廃棄物の落下位置を前記第一方向における所定の位置になるように調節する、
付記E9記載の廃棄物装入装置。
[付記E11]
前記下段案内部は、
廃棄物の落下位置を調節する第二下段案内面を有する第二下段案内板と、前記下段軸線に平行な第二下段軸線まわりに前記第二下段案内板の回転角を変更することによって、前記第二下段案内面の傾斜角を変更する第二下段駆動部と、を更に有し、
前記下段駆動部によって所定の傾斜角に設定された前記下段案内面の傾きと、前記第二下段駆動部によって所定の傾斜角に設定された前記第二下段案内面の傾きとにより、前記処理室への廃棄物の落下位置を前記第二方向における所定の位置になるように調節する、
付記E9又は10記載の廃棄物装入装置。
[付記E12]
廃棄物を貯留可能な支持面を有し、前記上段案内部に向けて間欠的に廃棄物を送るコンベヤを更に備え、
前記コンベヤは、前記支持面上に貯留された廃棄物が前記上段案内部に送られる一回当たりの切出量を増減可能にするように、運転動作が制御される、
付記E4~8のいずれか一項に記載の廃棄物装入装置。
[付記E13]
前記コンベヤによって貯留されている廃棄物の荷重を検出するロードセルと、を更に備え、
前記制御装置は、前記上段案内部に送られる廃棄物の目標荷重を取得し、前記ロードセルによって検出する荷重の変化が前記目標荷重に到達するように、前記コンベヤの運転時間を制御する、
付記E12に記載の廃棄物装入装置。
[付記E14]
鉛直に延在する筒状の処理室に、上方から廃棄物を装入する廃棄物装入方法であって、
上段案内面により廃棄物の落下位置を調節する上段案内板を、水平な上段軸線まわりに回転させ、前記処理室内の上部に設けられた下段案内板の下段案内面上に廃棄物を落下させることと、
下段案内面により廃棄物を支持した下段案内板を、前記上段軸線とねじれの位置にある下段軸線まわりに回転させることで、前記処理室に廃棄物を落下させることと、を含む、
廃棄物装入方法。
[付記E15]
前記下段案内面上に廃棄物を落下させる際には、前記処理室の上に設けられた廃棄物受けホッパの下端が前記下段案内面によって閉じられた状態で、前記廃棄物受けホッパ内に廃棄物を落下させることと、
前記処理室に廃棄物を落下させる際には、前記廃棄物受けホッパ内に落下した廃棄物が前記下段案内面によって支持された状態で、前記下段案内面により前記下端を開いて前記処理室への廃棄物の落下を開始させることと、
を更に含む、付記E14に記載の廃棄物装入方法。
[付記E16]
前記処理室内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点のレベルを検出することと、
前記複数のレベル測定点のレベルに基づいて、前記処理室内における供給対象エリアを選択することと、
前記供給対象エリアに廃棄物を落下させるように前記上段案内面に対する上段目標角度及び前記下段案内面に対する下段目標角度を設定することと、
前記下段案内面上に廃棄物を落下させる際には、前記上段案内面の傾きを前記上段目標角度に合わせて、前記上段案内面により前記廃棄物受けホッパ内に廃棄物を落下させることと、
前記処理室に廃棄物を落下させる際には、前記下段案内面の傾きを前記下段目標角度に合わせて、前記下段案内面により廃棄物を前記処理室内に落下させることと、
を更に含む、付記E15記載の廃棄物装入方法。
[付記E17]
前記上段案内面に送られる廃棄物の量を調節すること、を更に含む、付記E14~16のいずれか一項に記載の廃棄物装入方法。
[付記E18]
コンベヤ上に廃棄物を貯留することと、
前記コンベヤを動作させて前記コンベヤ上の廃棄物を前記上段案内面に間欠的に送ることと、
前記コンベヤの運転動作を変更することにより、前記上段案内面に送られる前記コンベヤ上の廃棄物の一回当たりの切出量を変更すること、を更に含む、
付記E17に記載の廃棄物装入方法。
[付記E19]
前記上段案内面に送られる廃棄物の目標荷重を取得することと、
前記コンベヤによって貯留されている廃棄物の荷重を検出することと、
前記検出される荷重の変化が前記目標荷重に到達するように、前記コンベヤの運転時間を制御することと、
を更に含む、付記E18に記載の廃棄物装入方法。
【0164】
[付記F1]
鉛直に延在する筒状の処理室と、
前記処理室内における温度について、複数の温度測定点の温度を検出する温度センサと、
前記処理室内における廃棄物の堆積高さを示すレベルについて、複数のレベル測定点のレベルを検出するレベルセンサと、
を備える廃棄物装入装置。
[付記F2]
前記複数の温度測定点は、前記処理室の周壁に沿って並んでおり、
前記複数のレベル測定点は、前記処理室の中心と、前記複数の温度測定点との間において、前記処理室の中心を囲むように並ぶ複数の包囲測定点を含む、
付記F1記載の廃棄物装入装置。
[付記F3]
前記処理室内における複数エリアのそれぞれにおける前記温度センサの検出結果及び前記レベルセンサの検出結果の少なくとも一方に基づいて、前記複数エリアのうちから廃棄物を落下させるための供給対象エリアを選択する制御装置を更に備える、付記F2記載の廃棄物装入装置。
[付記F4]
前記制御装置は、前記複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて判定用レベルを決定し、前記判定用レベルが所定の装入判定閾値を下回ったことに基づいて、前記処理室に廃棄物を装入するための制御を更に実行する、付記F3記載の廃棄物装入装置。
[付記F5]
前記制御装置は、前記複数エリアのうち所定の一つ以上のエリアにおけるレベルに基づいて第二判定用レベルを決定し、前記第二判定用レベルが前記装入判定閾値よりも高い所定の上位装入判定閾値を上回ったことに基づいて、前記処理室に廃棄物を装入するための制御をキャンセルする、付記F4記載の廃棄物装入装置。
[付記F6]
前記制御装置は、前記複数エリアのうち、最も高い温度のエリアを前記供給対象エリアとして選択する、付記F5記載の廃棄物装入装置。
[付記F7]
前記制御装置は、前記複数エリアのうち、最も低いレベルのエリアを前記供給対象エリアとして選択する、付記F5記載の廃棄物装入装置。
[付記F8]
前記制御装置は、
前記複数エリアのうち、温度が所定の温度閾値を上回った第一エリアの有無を判定し、
前記第一エリアがある場合には、前記第一エリアにおいて最も高い温度のエリアを前記供給対象エリアとして選択し、
前記第一エリアがない場合には、前記複数エリアのうち、最も低いレベルの第二エリアを前記供給対象エリアとして選択する、
付記F5記載の廃棄物装入装置。
[付記F9]
前記制御装置は、前記第一エリアがある場合において、前記第一エリアにおけるレベルが所定の選択キャンセル閾値を上回っている場合には、前記供給対象エリアとして前記第一エリアを選択することをキャンセルする、付記F8記載の廃棄物装入装置。
[付記F10]
前記処理室内の上部に設けられており、前記処理室内に送られる廃棄物の落下位置を調節する下段案内部と、
前記下段案内部よりも上方に設けられており、前記下段案内部に送られる廃棄物の落下位置を調節する上段案内部と、を更に備え、
前記下段案内部は、前記処理室内に送られる廃棄物を支持する下段案内面を有する下段案内板と、水平な下段軸線まわりに前記下段案内板の回転角を変更することによって、前記下段案内面の傾斜角を変更する下段駆動部と、を有し、
前記上段案内部は、前記下段案内部に送られる廃棄物の落下位置を調節するための上段案内面を有する上段案内板と、前記下段軸線とねじれの位置にある水平な上段軸線まわりに前記上段案内板の回転角を変更することによって、前記上段案内面の傾斜角を変更する上段駆動部と、を有し、
前記制御装置は、前記複数エリアのそれぞれについて、前記上段案内面に対する上段目標角度及び前記下段案内面に対する下段目標角度を定めるテーブルと、前記供給対象エリアとに基づいて、前記上段案内部及び前記下段案内部を制御する、
付記F6~9のいずれか一項記載の廃棄物装入装置。
[付記F11]
前記レベルセンサは、前記複数のレベル測定点のそれぞれの位置とレベルとを検出し、
前記制御装置は、レベルを測定できない測定不能エリアを前記複数のレベル測定点の位置に基づいて特定し、
前記測定不能エリアの周辺のレベル測定点のレベルに基づいて、前記測定不能エリアのレベルを推定する、
付記F3~10のいずれか一項記載の廃棄物装入装置。
【符号の説明】
【0165】
1…廃棄物装入装置、2…処理室、3…廃棄物受けホッパ、4…下段案内部、5…上段案内部、6…上部シール弁、7…副資材装入装置、8…送ガス部、9…コンベヤ、10…ロードセル、11…廃棄物シュート、12…温度センサ、13…レベルセンサ、21…周壁、22…上部、23…開口、2a…内周面、31…上端、32…下端、33…周壁、3a…内周面、41…第一下段案内部、42…第二下段案内部、51…第一上段案内部、52…第二上段案内部、9a…支持面、100…制御装置、200…コンソール、300…記憶部、411…第一下段回転軸、412…第一下段案内板、413…第一下段駆動部、41a…第一下段案内面、421…第二下段回転軸、422…第二下段案内板、423…第二下段駆動部、424…ロック部、42a…第二下段案内面、511…第一上段回転軸、512…第一上段案内板、513…第一上段駆動部、51a…第一上段案内面、521…第二上段回転軸、522…第二上段案内板、523…第二上段駆動部、52a…第二上段案内面、C…中心、CP…包囲測定点、LP…レベル測定点、TP…温度測定点、DL1…第一下段軸線、DL2…第二下段軸線、UL1…第一上段軸線、UL2…第二上段軸線、β,γ,α1,α2…傾斜角。