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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027936
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】画像形成装置、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240222BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240222BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240222BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G06Q10/06
H04N1/00 E
H04N1/00 350
B41J29/42 F
B41J29/38 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131141
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 陣
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ32
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN05
2C061HQ17
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB30
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC35
5C062AC42
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF14
5C062AF15
5C062BA02
5C062BC04
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】在宅勤務者が事業所勤務者に作業を依頼するための好適な技術を提供する。
【解決手段】受信部は、在宅勤務者から事業所で勤務する事業所勤務者への作業を依頼する依頼情報を受信する。表示制御部は、前記受信部によって受信された依頼情報に示される作業を表示部に表示する。選択部は、前記受信部によって受信された依頼情報に示される作業のうち、事業所勤務者が実行する作業を事業所勤務者に選択させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
在宅勤務者から事業所で勤務する事業所勤務者への作業を依頼する依頼情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された依頼情報に示される作業を表示部に表示する表示制御部と、
前記受信部によって受信された依頼情報に示される作業のうち、事業所勤務者が実行する作業を事業所勤務者に選択させる選択部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記選択部によって選択された作業の完了報告を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた完了報告に対して、在宅勤務者が評価した評価結果を取得する取得部と、
を備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記取得部によって取得された評価結果に応じて、作業を実行した事業所勤務者に利益を付与する付与部を備えた請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記完了報告は、作業が実行された態様が撮像された写真を示す画像が含まれる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
在宅勤務者から事業所で勤務する事業所勤務者への作業を依頼する依頼情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された依頼情報に示される作業を表示部に表示する表示制御ステップと、
前記受信ステップによって受信された依頼情報に示される作業のうち、事業所勤務者が実行する作業を事業所勤務者に選択させる選択ステップと、
を備えた制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
在宅勤務者が、事業所でしかできない作業を行う必要がある場面に遭遇することがある。この場合、事業所に出勤している従業員(以下、「事業所勤務者」という)に作業代行を依頼することがある。依頼方法として、在宅勤務者自身がコミュニケーションツールなどを利用して事業所勤務者に連絡をとる方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-185108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コミュニケーションツールを用いた方法では、作業の依頼を打診する事業所勤務者を決めた上で連絡をとることとなる。そのため、まず打診する事業所勤務者を探すという手間が生じ、さらに打診した事業所勤務者が作業を行うことができない場合、打診可能な事業所従業員を再度探し、再び連絡しなければならないという手間が生じるため、効率がよいとは言い難い。
【0005】
また、作業内容によっては、どの事業所従業員であっても実行可能な作業があるが、こうした場合であっても、打診可能な相手を探すという手間が生じる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、在宅勤務者が事業所勤務者に作業を依頼するための好適な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の画像形成装置は、受信部と、表示制御部と、選択部とで構成される。受信部は、在宅勤務者から事業所で勤務する事業所勤務者への作業を依頼する依頼情報を受信する。表示制御部は、前記受信部によって受信された依頼情報に示される作業を表示部に表示する。選択部は、前記受信部によって受信された依頼情報に示される作業のうち、事業所勤務者が実行する作業を事業所勤務者に選択させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】在宅勤務者支援システムの全体構成を示す図。
図2】画像形成装置の全体構成例を示す外観図。
図3】画像形成装置の制御系の構成を示す図である。
図4】画像形成装置の機能構成などを示す図である。
図5】画面1010を示す図。
図6】画面1020を示す図。
図7】画面1030を示す図。
図8】画面1040を示す図。
図9】画面1050を示す図。
図10】画面1060を示す図。
図11】画面1070を示す図。
図12】画面1080を示す図。
図13】画面1090を示す図。
図14】画面1100を示す図。
図15】携帯端末700の処理の流れを示すフローチャート。
図16】携帯端末700の処理の流れを示すフローチャート。
図17】依頼管理サーバ600の処理の流れを示すフローチャート。
図18】画像形成装置100の処理の流れを示すフローチャート。
図19】画像形成装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の画像形成装置では、在宅勤務者が事業所勤務者に作業を依頼するための好適な技術を提供することが可能となる。以下、実施形態の画像形成装置について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100を含む在宅勤務者支援システム10の全体構成を示す図である。以下の説明において、「事業所勤務者」とは、事業所で勤務する従業員を示す。よって、事業所勤務者は、事業所において作業を実行可能な者である。
【0011】
在宅勤務者支援システム10は、画像形成装置100、依頼管理サーバ600、携帯端末700、報酬管理サーバ800、およびLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバ900で構成され、それらはネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、携帯電話回線、およびLANなどで構成される。
【0012】
画像形成装置100は、事業所に設置された画像形成装置であり、事業所勤務者が使用可能である。また、画像形成装置100は1つしか描かれていないが、1つ以上であってもよい。携帯端末700は、在宅勤務者が使用する携帯端末であり、例えばスマートフォンである。在宅勤務者は、携帯端末700を用いて、事業所勤務者への作業を依頼する。携帯端末700は1つしか描かれていないが、1つ以上であってもよい。依頼管理サーバ600は、事業所勤務者への作業の依頼を管理するサーバである。携帯端末700と画像形成装置100との依頼に関する通信は、依頼管理サーバ600を介して行われる。LDAPサーバ900は、事業所勤務者の認証などに用いられる。報酬管理サーバ800は、作業を実行した事業所勤務者に与えられる報酬を管理する。
【0013】
なお、図1において、依頼管理サーバ600は、画像形成装置100と異なる装置としているが、依頼管理サーバ600の機能を画像形成装置100に組み込む構成であってもよい。依頼管理サーバ600の機能を画像形成装置100に組み込む場合には、以降の説明において、「依頼管理サーバ600」を「画像形成装置100に組み込まれた依頼管理サーバ600」と読み替える。
【0014】
図2は、実施形態の画像形成装置100の全体構成例を示す外観図である。画像形成装置100は、例えば複合機である。画像形成装置100は、ディスプレイ110、コントロールパネル120、プリント部130、シート収容部140およびスキャン部200を備える。また、画像形成装置100は図3に示すように装置全体を制御する制御部400を有する。
【0015】
画像形成装置100は、現像剤を用いてシート上に画像を形成する。現像剤は、例えばトナーである。以下の説明では、現像剤をトナーとして説明する。シートは、例えば紙やラベル用紙である。シートは、その表面に画像形成装置100が画像を形成できる物であればどのような物であってもよい。
【0016】
ディスプレイ110は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ110は、画像形成装置100に関する種々の情報を表示する。ディスプレイ110は表示部の一例である。
【0017】
コントロールパネル120は、複数のボタンを有する。コントロールパネル120は、ユーザの操作を受け付ける。コントロールパネル120は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部400に出力する。なお、ディスプレイ110とコントロールパネル120とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0018】
プリント部130は、スキャン部200によって生成された画像情報またはネットワークを介して受信された画像情報に基づいて、シート上に画像を印刷する。プリント部130は、トナーを用いて画像を印刷する。なお、画像が印刷されるシートは、シート収容部140に収容されているシートであってもよいし、手指しされたシートであってもよい。シート収容部140は、プリント部130における画像形成に用いられるシートを収容する。
【0019】
スキャン部200は、読み取り対象の画像情報を光の明暗として読み取る。スキャン部200は、読み取られた画像情報を記録する。記録された画像情報は、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。記録された画像情報は、プリント部130によってシート上に画像形成されてもよい。
【0020】
図3は、画像形成装置100の制御系の構成を示す図である。
画像形成装置100は、プリント部130、スキャン部200、コントロールパネル120、通信部330、スピーカ340、制御部400、HDD(Hard Disk Drive)300、DRAM(Dynamic Random Access Memory)310、およびROM(Read Only Memory)320を備えている。そして、これらの各部はシステムバスを介して接続されている。
【0021】
制御部400は、システムバスを介して接続される各部を制御する。ROM320は、画像形成装置100が動作するために必要な種々の制御プログラムを記憶する。このROM320には、画像形成動作等を制御するための各プログラムが記憶されている。HDD300には、各プログラムや各データが記憶されている。ROM320およびHDD300に記憶されている各プログラムは、制御部400によって実行が制御される。DRAM310は、各プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶するバッファメモリである。
【0022】
通信部330は、画像形成装置100が他の装置と通信(有線LAN、無線LAN、USB(Universal Serial Bus)、Bluetooth(登録商標)などを用いた通信)を行うための装置群である。スピーカ340は、ビープ音などの各種音を出力する。
【0023】
図4は、画像形成装置100の機能構成などを示す図である。図4には、画像形成装置100の機能構成に加え、依頼管理サーバ600および携帯端末700の機能構成が示されている。図4に示される各機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0024】
画像形成装置100は、受信部401、表示制御部402、選択部403、受付部404、取得部405、および音制御部406で構成される。受信部401は、在宅勤務者から事業所で勤務する事業所勤務者への作業を依頼する依頼情報を受信する。表示制御部402は、受信された依頼情報に示される作業をディスプレイ110に表示する。選択部403は、受信された依頼情報に示される作業のうち、事業所勤務者が実行する作業を事業所勤務者に選択させる。
【0025】
受付部404は、選択部403によって選択された作業の完了報告を受け付ける。取得部405は、受付部404によって受け付けられた完了報告に対して、在宅勤務者が評価した評価結果を取得する。付与部407は、評価結果に応じて、作業を実行した事業所勤務者に利益を付与する。
【0026】
携帯端末700は、表示部710、入力部720、および携帯端末制御部730で構成される。表示部710は、例えばLCDまたは有機ELなどで構成される。入力部720は、タッチパネルまたはハードキーなどで構成される。携帯端末制御部730は、演算装置や記憶装置で構成され、携帯端末700全体を制御する。
【0027】
依頼管理サーバ600は、依頼管理DB(データベース)610、計算部620、および依頼管理制御部630で構成される。依頼管理DBは、依頼に関する情報を記憶する。依頼に関する情報には、依頼している携帯端末700を特定する情報、依頼情報、依頼情報を受け取った画像形成装置100を特定する情報、依頼した作業を実行する(または実行した)事業所勤務者を特定する情報、完了報告、および評価結果が含まれる。このうちの依頼情報は、依頼した作業を特定する情報と依頼した携帯端末700を特定する情報が含まれる。
【0028】
計算部620は、依頼情報を画像形成装置100に印刷させるか否かを計算し、計算結果を求める。依頼管理制御部630は、演算装置や記憶装置で構成され、依頼管理サーバ600全体を制御する。
【0029】
以上説明した構成を踏まえ、在宅勤務者支援システム10の処理の流れについて、画面なども用いて説明する。
【0030】
携帯端末700には、作業を依頼するためのアプリケーション(以下、「アプリ」という)がインストールされている。在宅勤務者は、支援依頼アプリを起動する。アプリは依頼管理サーバ600に支援依頼項目の取得要求を送信する。支援依頼項目とは、依頼する作業内容が予め定められており、その作業のリストを示す。
【0031】
依頼管理サーバ600はアプリに支援依頼項目を応答する。アプリは取得した支援依頼項目を一覧として画面に表示する。図5は、画面1010を示す図である。画面1010は、携帯端末700に表示された支援依頼項目の一覧を示す画面例である。画面1010において、在宅勤務者は、ラジオボタンで依頼する作業を選択できる。なお、画面1010に示される、「その他」とは、デフォルトの作業にはない新たな作業を入力するためのラジオボタンである。「その他」が選択された場合には、携帯端末700は、どのような作業を依頼するか在宅勤務者に入力させる画面を表示する。こうして新たな作業が入力された場合には、入力された新たな作業をデフォルトの作業として表示してもよい。
【0032】
画面1010において、在宅勤務者が「次へ」をタッチすると、図6に示される画面1020が表示される。画面1010は、在宅勤務者が詳細を入力するための画面の一例である。詳細には、「完了納期」、「依頼範囲」、「印刷開始条件」が含まれる。「完了納期」とは、作業を完了する納期を示す。例えば、図6に示されるように、15:00など時刻で指定可能である。
【0033】
「依頼範囲」とは、依頼を表示する画像形成装置100の範囲を示す。例えば、図6に示されるように「課内」の画像形成装置100といった指定が可能である。なお、依頼管理サーバ600は、「課内」の画像形成装置100を一意に識別可能な情報と、「課内」とを関連付けて予め記憶しておき、「課内」が指定された場合に、関連付けられた画像形成装置100に対して依頼情報を送信する。なお、「依頼範囲」には、「課内」の他に、「同一フロア内」、「特定のグループ」などであってもよい。「印刷開始条件」とは、在宅勤務者が画像形成装置100で依頼内容を印刷する条件を示す。図6に示されるように、60分後など時間で指定可能である。在宅勤務者は、図6に示される「依頼する」とタッチすると、アプリは依頼情報を依頼管理サーバ600に送信する。
【0034】
依頼管理サーバ600は、「依頼範囲」で指定されたものに関連付けられている画像形成装置100に依頼情報を送信する。依頼管理サーバ600の機能が特定の画像形成装置100に組み込まれている場合には、携帯端末700に上記特定の画像形成装置100に依頼情報を送信するための情報が予め設定されている。携帯端末700は、予め設定されている情報にもとづいて依頼情報を直接画像形成装置100に送信する。
【0035】
依頼管理サーバ600が依頼内容を受信すると、依頼情報を一意に識別可能なIDを割り当てる。また、依頼管理サーバ600は依頼情報の印刷開始条件を基に計算を行い、印刷開始が必要ならフラグをセットする。ここでのフラグとして、画像形成装置100の画面状態など画像形成装置100内部で検証する必要がある条件については単純なboolean値であってもよい。または、画像形成装置100で最終的な条件判断が行える文字列をフラグとしてもよい。このようなフラグとして、printIfSleepingのような、画像形成装置100がスリープ状態である場合に印刷を行うか否かなどといった条件付きのフラグが挙げられる。
【0036】
なお、印刷が必要か否かについて、画像形成装置100が設置されている事業所に設置された他の事業所機器から収集した情報にもとづいて判定されてもよい。依頼管理サーバ600は、フラグがあれば、依頼情報とともに画像形成装置100にフラグを送信する。なお、画像形成装置100に依頼管理サーバ600の機能が設けられている場合に、「依頼範囲」に自らが含まれる場合には、画像形成装置100の内部で用いられているメッセージによって依頼情報などを送信する。
【0037】
次に依頼情報を受信した画像形成装置100について説明する。以下の説明では、画像形成装置100において事業所勤務者を識別する必要がある処理についても説明されるが、その場合、事業所勤務者は予めログインしているか、一旦ログイン操作を行った上で処理を行うものとする。いずれの場合も、画像形成装置100はLDAPサーバ900によって事業所勤務者を認証する。
【0038】
画像形成装置100は、依頼情報を受信すると、スピーカ340から受信音(例えばビープ音)を出力する。これにより、画像形成装置100の周りの受信音を可聴可能な事業所勤務者は、依頼情報を受信したことを認識できる。
【0039】
画像形成装置100はディスプレイ110に依頼情報を表示する。図8は、画面1040を示す図である。画面1040は、依頼情報などの表示例を画面例である。画面1040には、受信した依頼情報の一覧を示す支援依頼一覧表示欄1041と結果一覧表示欄1042とが設けられる。支援依頼一覧表示欄1041は依頼した在宅勤務者を特定する情報(図8では氏名)と作業内容とが表示される。結果一覧表示欄1042は、作業が終了し、完了報告を行った依頼に対して、在宅勤務者が評価した結果の一覧を示す。結果一覧表示欄1042は依頼した在宅勤務者を特定する情報(図8では氏名)と作業内容とが表示される。
【0040】
画像形成装置100は、フラグを受信した場合には、依頼情報を印刷する。このとき、上述した条件付きのフラグなど判断が必要なフラグの場合には、画像形成装置100は、判断を行った上で印刷する。例えば、画像形成装置100が既に1つ以上依頼情報を受信している場合には、直ちに依頼情報を印刷してもよい。印刷することで、支援依頼一覧表示欄1041のみに表示する場合と比較して、事業所勤務者は複数の依頼情報を受信していることを認識しやすくなる。
【0041】
画面1040における「依頼検索」は、依頼情報を検索するためのボタンである。上述したIDや依頼した在宅勤務者や作業などをキーに検索可能である。また、画面1040における「完了報告」は、依頼された作業を完了した事業所勤務者が完了したことを入力するためのボタンである。この「完了報告」については後述する。
【0042】
図9は、依頼情報を印刷したシート1050を示す図である。シート1050には、上述したID、依頼者の氏名、依頼された作業、そして上述した詳細が印刷される。事業所勤務者は、印刷されたIDを用いて、画面1040の「依頼検索」をタッチすることで検索することができる。
【0043】
事業所勤務者は、支援依頼一覧表示欄1041に表示された依頼情報をタッチするか、シート1050に印刷されたIDで検索し、検索された依頼情報をタッチすると、画像形成装置100は、図10の画面1060を表示する。画面1060には、依頼者の氏名などとともに、「詳細表示」、「支援する(印刷あり」、「支援する(印刷なし)」、「戻る」が表示される。
【0044】
「詳細表示」がタッチされると、画像形成装置100は、この依頼の詳細を表示する。「支援する(印刷あり)」がタッチされると、画像形成装置100は、タッチした事業所勤務者が支援を受け付けたと判断するとともに、図9に示したシート1050を印刷する。シートに印刷することで、事業所勤務者は、依頼内容や詳細がいつでも参照できる。「支援する(印刷なし)」がタッチされると、画像形成装置100は、タッチした事業所勤務者が支援を受け付けたと判断するが、印刷しない。「戻る」がタッチされると、画像形成装置100は、画面1060の前に表示されていた画面を表示する。
【0045】
このように支援が受け付けられると、画像形成装置100は、依頼管理サーバ600に、支援が受け付けられたことをIDとともに送信する。依頼管理サーバ600は、IDにもとづいて依頼元の携帯端末700を特定し、携帯端末700にステータス情報として依頼が受け付けられたことを通知する。
【0046】
依頼を受け付けた事業所勤務者は、作業を実際に行うまでにそれなりに時間を要する場合には、ステータス情報として作業開始待ちを画像形成装置100から依頼管理サーバ600に送信してもよい。この場合、依頼管理サーバ600は、受信したステータス情報を携帯端末700に送信する。
【0047】
依頼を受け付けた事業所勤務者が作業を完了すると、図8で示した画面1040の「完了報告」をタッチする。画像形成装置100は、「完了報告」がタッチされると、図11の画面1070を表示する。画面1070は、完了報告画面例である。画面1070には依頼者の氏名や作業の他に、「画像を保存」と「送信する」とが表示される。「画像を保存」は、作業が完了したことを示す証拠写真を示す画像を保存するためのボタンである。証拠写真は、例えば作業が実行された態様が撮像された写真である。
【0048】
事業所勤務者が「画像を保存」をタッチすると、画像形成装置100は、図12に示す画面1080を表示する。画面1080には、画像の保存方法を選択させるために、「USB」、「Bluetooth」、および「スキャン」が表示される。画像形成装置100は、「USB」がタッチされると、例えばUSBメモリからUSB経由で画像を取得する。画像形成装置100は、「Bluetooth」がタッチされると、例えばスマートフォンからBluetooth経由で画像を取得する。画像形成装置100は、「スキャン」がタッチされると、例えばプラテンガラスに載置された写真をスキャン部200によりスキャンすることで画像を取得する。
【0049】
画像形成装置100は、画像を取得して保存すると、図11の画面1070を再度表示する。画像形成装置100は、「送信する」がタッチされると、完了報告を依頼管理サーバ600に画像とともに送信する。必ずしも画像の保存は必須ではなく、画像形成装置100は、「送信する」がタッチされると、完了報告を依頼管理サーバ600に画像なしで送信する。画像なしでの送信は、例えば証拠が画像で表現できない場合や、依頼した在宅勤務者と作業を実行した事業所勤務者との間に十分な信頼関係がある場合に用いるようにしてもよい。
【0050】
依頼管理サーバ600は、完了報告を受信すると、携帯端末700に完了報告を送信する。携帯端末700は、完了報告を受信すると、図7に示す画面1030を表示する。画面1030は、完了報告を表示する支援結果確認画面である。画面1030には、作業を実行した支援者の氏名(図7の場合は「伊藤五郎」)と、画像がある場合には画像を表示するためのリンク(図7の場合は「image.jpg」)とが設けられる。在宅勤務者は、リンクをタッチすることで証拠写真を見ることができる。
【0051】
画面1030には、在宅勤務者が承認結果(「OK」または「NG」)を選択するラジオボタンが設けられる。「OK」は、作業の完了を在宅勤務者が承認した場合に選択される。「NG」は、作業の完了を在宅勤務所が承認しない場合に選択される。「NG」が選択された場合、携帯端末700は、「NGの場合の理由欄」を表示する。在宅勤務者は、NGの場合は理由を入力する。在宅勤務者は、ラジオボタンを選択し、必要に応じて理由を入力し、「送信」をタッチする。携帯端末700は、「送信」がタッチされると、承認情報(承認結果、理由が入力された場合には理由)を依頼管理サーバ600に送信する。
【0052】
依頼管理サーバ600は、承認情報を受信すると、画像形成装置100に承認情報を送信する。画像形成装置100は、承認情報を受信すると、図13に示す画面1090、または図14に示す画面1100が表示される。画面1090は、在宅勤務者が「OK」を選択した場合に表示される画面である。画面1090には、依頼した在宅勤務者の氏名と、依頼した作業内とが表示される。また、承認結果がOKであること、報酬(××ポイント)も示される。依頼管理サーバ600は、発生した報酬を報酬管理サーバ800に通知する。
【0053】
一方の画面1100は、在宅勤務者が「NG」を選択した場合に表示される画面である。画面1100には、依頼した在宅勤務者の氏名と、依頼した作業内とが表示される。また、承認結果がNGであること、理由も示される。さらに、「再支援する」と「再支援せずに終了する」が設けられる。事業所勤務者は、再支援する場合には「再支援する」をタッチする。画像形成装置100は、「再支援する」がタッチされると、依頼管理サーバ600に「再支援する」がタッチされたことを通知する。これにより、画面1060において、「支援する(印刷あり」、または「支援する(印刷なし)」がタッチされたときと同様に事業所勤務者が支援を受け付けたと判断される。
【0054】
事業所勤務者は、再支援しない場合には「再支援せずに終了する」をタッチする。画像形成装置100は、「再支援せずに終了する」がタッチされると、依頼管理サーバ600に「再支援せずに終了する」がタッチされたことを通知する。これにより、依頼管理サーバ600は、依頼情報を支援がされる前の状態とする。画像形成装置100は、再支援せずに終了された依頼情報を再び支援依頼一覧に表示する。
【0055】
次にフローチャートを用いて処理の流れについて説明する。図15は、携帯端末700の処理の流れを示すフローチャートである。図15において、携帯端末700は、画面1010の支援依頼項目一覧を表示する(ACT101)。画面1010で「次へ」がタッチされると画面1020の詳細入力画面を表示する(ステップS102)。画面1020で「依頼する」がタッチされると(ACT103:YES)、携帯端末700は、依頼項目と詳細が入力済みか否かを判定する(ACT104)。依頼項目と詳細が入力済みではない場合には(ACT104:NO)、携帯端末700は、ACT101に戻る。なお、詳細のみ入力されていない場合には、ACT102に戻ってもよい。
【0056】
依頼項目と詳細が入力済みの場合には(ACT104:YES)、携帯端末700は、依頼情報を依頼管理サーバ600に送信する(ACT105)。その後、依頼が受け付けられたりした場合に、依頼管理サーバ600からステータス情報を受信して(ACT106)、処理を終了する。
【0057】
図16は、携帯端末700の処理の流れを示すフローチャートである。図16において、携帯端末700は、完了報告を受信すると(ACT201)、画面1030の支援結果確認画面を表示する(ACT202)。携帯端末700は、「NG」が選択されたか否かを判定する(ACT203)。「NG」が選択された場合には、理由入力済みの(ACT204:YES)のときに次のACT206に進む。
【0058】
ACT203において、「NG」が選択されなかったと判定した場合には(ACT203:NO)、携帯端末700は、「OK」が選択されたか否かを判定する(ACT205)。「OK」が選択されていない場合には(ACT205:NO)、携帯端末700は、ACT203に戻る。「OK」が選択されている場合には(ACT205:YES)、携帯端末700は、ACT206に進む。
【0059】
ACT206において、携帯端末700は、画面1030の「送信」をタッチ可能とする(ACT207)。例えば、携帯端末700は、グレーアウト状態からアクティブ状態に状態を変更する。携帯端末700は、「送信」がタッチされると(ACT207:YES)、承認情報を依頼管理サーバ600に送信し(ACT208)、処理を終了する。なお、携帯端末700は、ACT207で「送信」をタッチするまでは、承認結果や理由の入力を受け付け可能としてもよい。
【0060】
図17は、依頼管理サーバ600の処理の流れを示すフローチャートである。依頼管理サーバ600は、依頼情報を受信すると(ACT301)、要印刷か否かを判定する(ACT302)。ここでは、上述した計算部620が、依頼情報を画像形成装置100に印刷させるか否かを計算し、計算結果を求めた結果に応じて判定される。要印刷と判定されなかった場合には(ACT302:NO)、依頼管理サーバ600は、ACT304に進む。要印刷と判定された場合には(ACT302:YES)、依頼管理サーバ600は、フラグをセットする(ACT303)。依頼管理サーバ600は、依頼情報を画像形成装置100に送信し(ACT304)、処理を終了する。
【0061】
図18は、画像形成装置100の処理の流れを示すフローチャートである。画像形成装置100は、依頼情報を受信すると(ACT401)、受信音を出力する(ACT402)。画像形成装置100は、他の依頼情報をディスプレイ110に表示しているか否かを判定する(ACT403)。他の依頼情報をディスプレイ110に表示している場合には(ACT403:YES)、画像形成装置100は、依頼情報を印刷して(ACT406)、処理を終了する。
【0062】
他の依頼情報をディスプレイ110に表示していない場合には(ACT403:NO)、画像形成装置100は、まずステータス情報として、現時点で依頼を受けていない状態を示す依頼なし状態を通知する(ACT404)。次いで、画像形成装置100は、フラグを参照して、要印刷か否かを判定する(ACT405)。フラグが要印刷であることを示す場合には(ACT405:YES)、画像形成装置100は、依頼情報を印刷して(ACT406)、処理を終了する。フラグが要印刷であることを示していない場合には(ACT405:NO)、画像形成装置100は、そのまま処理を終了する。なお、図18の処理においては、フラグにのみ従って印刷するか否かを判定してもよい。この場合、ACT403の処理は不要となる。
【0063】
図19は、画像形成装置100の処理の流れを示すフローチャートである。画像形成装置100は、画面1070の完了報告画面を表示する(ACT501)。画像形成装置100は、「画像を保存」がタッチされたか否かを判定する(ACT502)。「画像を保存」がタッチされていない場合には(ACT502:NO)、画像形成装置100は、ACT504に進む。「画像を保存」がタッチされた場合には(ACT502:YES)、画像形成装置100は、画面1080で画像を取得し、保存し(ACT503)、ACT504に進む。
【0064】
画像形成装置100は、「送信する」がタッチされたか否かを判定する(ACT504)。「送信する」がタッチされていない場合には(ACT504:NO)、画像形成装置100は、ACT502に戻る。「送信する」がタッチされていない場合には(ACT504:YES)、画像形成装置100は、完了報告を依頼管理サーバ600に送信し(ACT505)、処理を終了する。
【0065】
以上説明した実施形態により、在宅勤務者は、作業の依頼を打診する事業所勤務者を決めることなく依頼できるので、従来技術と比較して、依頼する手間を大幅に削減できる。特に、事業所に新たに配属された従業員は作業の依頼を打診する事業所勤務者を探すことが非常に困難であるので、そうした在宅勤務者にとって本実施形態に係る技術は非常に好適な技術である。
【0066】
同様に、事業所勤務者にとっても、誰の依頼であっても受け付けることが可能であるため、仕事の隙間時間を有効に利用できる。さらに、ポイントなどの利益が付与されるため、支援を行うインセンティブを与えることができるので、事業所勤務者の動機づけにつながることから、より多くの作業をより早くさばくことも可能となる。なお、ポイントは、例えば福利厚生で利用可能な者であってもよいし、人事考課において有利となるようなポイントであってもよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0068】
100…画像形成装置、110…ディスプレイ、130…プリント部、140…コントロールパネル、200…スキャン部、300…HDD、310…DRAM、320…ROM、330…通信部、340…スピーカ
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