(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027951
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
B41J2/01 129
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131174
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】正信 健人
(72)【発明者】
【氏名】四ノ宮 文二
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EB03
2C056EB04
2C056EB11
2C056EB29
2C056EC03
2C056EC04
2C056EC26
2C056EC67
2C056FA10
2C056HA37
2C056HA44
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】インクヘッドの吐出不良が生じ難くすることができる。
【解決手段】プリンタ10は、被印刷物5を支持する支持台25と、キャリッジ30に設けられた光照射装置35および光量センサ40と、制御装置70を備えている。制御装置70は、光量測定処理を実行する光量測定実行部73を備えている。光量測定実行部73は、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を相対的に移動させる移動制御部83と、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30が相対的に移動している間、光照射装置35から光を照射する照射制御部84と、支持台25に支持された被印刷物5に対する光照射装置35の照射位置P1を取得する位置取得部85と、照射位置P1毎に、光量センサ40が測定した光量を取得する光量取得部86と、照射位置P1毎における光量を通知する通知部88とを備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物を支持する支持台と、
主走査方向に延びたガイドレールと、
前記ガイドレールに摺動自在に設けられたキャリッジと、
前記キャリッジに設けられ、インクを吐出するインクヘッドと、
前記キャリッジに設けられ、光を照射する光照射装置と、
前記キャリッジに設けられた光量センサと、
前記支持台に支持された被印刷物に対して前記キャリッジを、前記主走査方向と前記主走査方向に対して交差した副走査方向とに相対的に移動させる移動機構と、
制御装置と、
を備え、
前記光量センサは、前記光照射装置から照射され、かつ、反射した光を受ける受光部を有し、前記受光部が受光した光量を測定するように構成され、
前記制御装置は、印刷前、または、印刷中において、光量測定処理を実行する光量測定実行部を備え、
前記光量測定実行部は、
前記支持台に支持された被印刷物に対して前記キャリッジを、前記主走査方向または前記副走査方向に相対的に移動させる移動制御部と、
前記移動制御部によって、前記支持台に支持された被印刷物に対して前記キャリッジが相対的に移動している間、前記光照射装置から光を照射する照射制御部と、
前記支持台に支持された被印刷物に対する前記光照射装置の照射位置を取得する位置取得部と、
前記照射位置毎に、前記光量センサの前記受光部が受光した光量を取得する光量取得部と、
前記照射位置毎における光量を通知する通知部と、
を備えた、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記光量測定実行部は、前記照射位置毎の光量が、所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部を備え、
前記通知部は、光量が前記閾値以上である前記照射位置を通知する、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記キャリッジに設けられ、前記支持台に支持された被印刷物に向かって光を当てるポインタを備え、
前記通知部は、光量が前記閾値以上である前記照射位置に対応した被印刷物の部分に、前記ポインタから光を当てるように前記ポインタを制御する、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項4】
表示画面を備え、
前記通知部は、光量が前記閾値以上である前記照射位置を前記表示画面に表示する、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記光量測定実行部は、前記光量測定処理を実行するときに、前記支持台に支持された被印刷物の形状に基づいて、前記支持台に支持された被印刷物に対して前記キャリッジが相対的に移動する測定範囲を設定する範囲設定部を備え、
前記測定範囲は可変であり、
前記移動制御部は、前記支持台に支持された被印刷物の前記測定範囲を前記キャリッジが相対的に移動するように、前記移動機構を制御する、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記光量測定実行部は、前記測定範囲を前記キャリッジが相対的に移動する順序が規定された複数のモードから1つのモードを設定するモード設定部を備え、
前記移動制御部は、前記モード設定部によって設定されたモードに対する順序となるように、前記キャリッジを相対的に移動させる、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記モードは、
前記測定範囲に対する前記キャリッジのスキャン方向であって、1つまたは複数の方向が設定された前記スキャン方向に沿って、前記キャリッジを相対的に前記スキャン方向に1回移動させる1スキャンモードと、
前記測定範囲の全体を前記キャリッジが相対的に移動するフルスキャンモードと、
を有する、請求項6に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記制御装置は、平面視における前記光照射装置と前記光量センサとのセンサ距離が記憶された記憶部を備え、
前記位置取得部は、前記支持台に支持された被印刷物に対する前記光量センサの位置から、前記センサ距離だけ前記光照射装置側に移動させた位置を前記照射位置とする、請求項1から7までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、被印刷物にインクを吐出する記録ヘッドと、被印刷物にインクが着弾後に紫外線を照射する紫外線照射装置と、制御装置と、を備えたインクジェットプリンタが開示されている。上記インクジェットプリンタでは、記録ヘッドのインク吐出口に隣接し、一定の間隔毎に紫外線を測定する紫外線測定センサが配置されている。
【0003】
上記インクジェットプリンタによれば、制御装置は、紫外線測定センサによって測定された紫外線量の測定値を積算処理することで積算値を算出する。そして、制御装置は、積算値が一定の閾値を超えた場合には、記録ヘッドのメンテナンス作業を行うように制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、紫外線照射装置から照射された紫外線は、被印刷物などに反射することで、記録ヘッドに到達する。被印刷物は、様々な形状であり得る。そのため、被印刷物の形状によって、紫外線の反射角度が異なる。よって、被印刷物の形状によっては、紫外線照射装置から照射された紫外線が、反射して記録ヘッドに到達し易くなり、記録ヘッド内のインクや、記録ヘッドのノズル面に付着したインクが増粘し易くなるおそれがあった。その結果、紫外線量の測定値の積算値が、一定の間隔よりも短い時間で閾値を超えることで、記録ヘッドのメンテナンス作業の前に、記録ヘッドの吐出不良が発生するおそれがあった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光照射装置から照射された光がインクヘッドに到達することに起因して、インクヘッドの吐出不良が生じ難いインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインクジェットプリンタは、支持台と、ガイドレールと、キャリッジと、インクヘッドと、光照射装置と、光量センサと、移動機構と、制御装置と、を備えている。前記支持台は、被印刷物を支持する。前記ガイドレールは、主走査方向に延びている。前記キャリッジは、前記ガイドレールに摺動自在に設けられている。前記インクヘッドは、前記キャリッジに設けられ、インクを吐出する。前記光照射装置は、前記キャリッジに設けられ、光を照射する。前記光量センサは、前記キャリッジに設けられている。前記移動機構は、前記支持台に支持された被印刷物に対して前記キャリッジを、前記主走査方向と前記主走査方向に対して交差した副走査方向とに相対的に移動させる。前記光量センサは、前記光照射装置から照射され、かつ、反射した光を受ける受光部を有し、前記受光部が受光した光量を測定するように構成されている。前記制御装置は、印刷前、または、印刷中において、光量測定処理を実行する光量測定実行部を備えている。前記光量測定実行部は、移動制御部と、照射制御部と、位置取得部と、光量取得部と、通知部とを備えている。前記移動制御部は、前記支持台に支持された被印刷物に対して前記キャリッジを、前記主走査方向または前記副走査方向に相対的に移動させる。前記照射制御部は、前記移動制御部によって、前記支持台に支持された被印刷物に対して前記キャリッジが相対的に移動している間、前記光照射装置から光を照射する。前記位置取得部は、前記支持台に支持された被印刷物に対する前記光照射装置の照射位置を取得する。前記光量取得部は、前記照射位置毎に、前記光量センサの前記受光部が受光した光量を取得する。前記通知部は、前記照射位置毎における光量を通知する。
【0008】
前記インクジェットプリンタによれば、支持台に支持された被印刷物に対する光照射装置の照射位置における、光量センサが測定した光量は、インクヘッドに到達し得る光量であると推定される。よって、例えばユーザは、通知部から通知された照射位置毎の光量を知ることで、支持台に支持された被印刷物に対するどの照射位置において、インクヘッドに到達する光量が多くなるかを知ることができる。したがって、ユーザは、通知部から通知される通知結果から、例えば光量が多い照射位置に対応した被印刷物の部分に対して、光が反射し難くなるような対策を講じることで、印刷中にインクヘッドに到達する光量を減らすことができる。その結果、光照射装置から照射された光がインクヘッドに到達することに起因して、インクヘッドの吐出不良が生じ難くすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光照射装置から照射された光がインクヘッドに到達することに起因して、インクヘッドの吐出不良が生じ難いインクジェットプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るプリンタを示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るプリンタを示す正面図である。
【
図3】実施形態に係るプリンタのブロック図である。
【
図4】インクヘッド、光照射装置および光量センサの底面の構成を示す模式図である。
【
図5】光照射装置から発せられた光が、支持台に支持された被印刷物に反射して、光量センサに到達する状態を模式的に示した正面図である。
【
図6】光量測定処理の手順を示したフローチャートである。
【
図7】被印刷物の測定範囲を模式的に示した平面図である。
【
図9A】1スキャンモードの一例を示した図である。
【
図9B】1スキャンモードの一例を示した図である。
【
図9C】1スキャンモードの一例を示した図である。
【
図9D】1スキャンモードの一例を示した図である。
【
図10A】フルスキャンモードの一例を示した図である。
【
図10B】フルスキャンモードの一例を示した図である。
【
図10C】フルスキャンモードの一例を示した図である。
【
図10D】フルスキャンモードの一例を示した図である。
【
図10E】フルスキャンモードの一例を示した図である。
【
図10F】フルスキャンモードの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るインクジェットプリンタに対する実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化される。
【0012】
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタともいう。)10を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係るプリンタ10を示す正面図である。
図3は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。以下において、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれプリンタ10の前、後、左、右、上、下を示している。符号Yは主走査方向を示している。本実施形態では、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。副走査方向Xは、主走査方向Yと異なる方向である。副走査方向Xは、平面視において主走査方向Yと交差(ここでは直交)している。副走査方向Xは、例えば前後方向である。符号Zは、高さ方向、言い換えると上下方向を示している。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものではない。
【0013】
図2に示すように、プリンタ10は、被印刷物5にインクを吐出して、被印刷物5に対して印刷を行うものである。被印刷物5は、例えば記録紙である。ただし、被印刷物5は、記録紙に限定されない。例えば被印刷物5には、PCV、ポリエステルなどの樹脂材料から形成されたシート、金属板、ガラス板、木材板などの比較的に厚みを有するものが含まれる。また、被印刷物5は、例えばおもちゃ(例えばミニカーなど)、スマートフォンケースなどの立体物であってもよい。被印刷物5におけるインクが吐出される面(以下、印刷面ともいう。)は、平らな面であってもよいし、凹凸が形成された面であってもよい。印刷面は、例えば被印刷物5の上面を構成している。被印刷物5は、被印刷物5の全体に対する主走査方向Yまたは副走査方向Xの位置に応じて、高さが異なっていてもよい。また、被印刷物5は、後述の支持台25に複数並べられてもよい。
【0014】
プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、いわゆるフラットベッドタイプのプリンタであり、後述の支持台25(
図2参照)が副走査方向Xに移動することで、被印刷物5も副走査方向Xに移動するように構成されている。ただし、プリンタ10は、いわゆるロールtoロールタイプのプリンタであってもよく、ロール状の被印刷物5のみを副走査方向Xに移動させるように構成されていてもよい。
【0015】
図1に示すように、プリンタ10は、ケース11と、カバー12とを備えている。ケース11は、例えば直方体形状であり、内部空間を有している。この内部空間において、被印刷物5に対して印刷が行われる。
図2に示すように、ケース11の前部には開口15が形成されている。
【0016】
カバー12は、開口15を開閉自在にケース11に支持されている。カバー12は、後端を軸に回転可能に構成されている。
図1に示すように、カバー12の前部および上部には、窓16が設けられている。窓16は、透明または半透明の部材、例えばアクリル板によって形成されている。ユーザは、窓16を通じてケース11の内部空間を視認することができる。
【0017】
本実施形態では、
図1に示すように、プリンタ10は、操作パネル20を備えている。操作パネル20は、ケース11に設けられている。操作パネル20は、プリンタ10の状態や、後述の光量測定処理の結果などを表示する表示画面21と、操作キー22とを有している。ユーザは、例えば操作キー22を操作することで、表示画面21に各種の情報を表示することができる。また、ユーザは、操作キー22を操作することで各種の設定を行うことができる。
【0018】
次に、本実施形態に係るプリンタ10の内部構成について説明する。
図2に示すように、プリンタ10は、支持台25を備えている。支持台25は、被印刷物5を支持するものである。ここでは、支持台25の上面に被印刷物5が載置されている。支持台25上において被印刷物5に対して印刷が行われる。支持台25に支持された被印刷物5にインクが吐出される。支持台25の上面は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がっている。
【0019】
図2に示すように、プリンタ10は、ガイドレール28と、キャリッジ30と、インクヘッド32と、光照射装置35と、光量センサ40と、を備えている。ガイドレール28は、ケース11の内部空間に配置され、ケース11に固定されている。ガイドレール28は、支持台25よりも上方に配置されている。ガイドレール28は、主走査方向Yに延びている。キャリッジ30は、ガイドレール28に摺動自在に設けられている。キャリッジ30は、ガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0020】
インクヘッド32は、支持台25よりも上方に配置されている。ここでは、インクヘッド32は、支持台25に支持された被印刷物5よりも上方に配置されている。インクヘッド32は、インクを吐出する。ここでは、インクヘッド32は、支持台25に支持された被印刷物5に向かって下方にインクを吐出する。インクヘッド32は、キャリッジ30に設けられている。ここでは、インクヘッド32は、底面が下方に向かって露出するようにキャリッジ30に設けられ、キャリッジ30に支持されている。なお、インクヘッド32の数は特に限定されない。本実施形態では、インクヘッド32の数は4つである。4つのインクヘッド32は、主走査方向Yに並んで配置されている。
【0021】
図4は、インクヘッド32、光照射装置35および光量センサ40の底面の構成を示す模式図である。本実施形態では、各インクヘッド32は、複数のノズル33と、複数のノズル33が形成されたノズル面34とを有している。ノズル面34は、インクヘッド32の底面を構成している。1つのインクヘッド32において、複数のノズル33は、副走査方向Xに並んで配置されている。ここで、1つのインクヘッド32において、副走査方向Xに並んだ複数のノズル33の列のことをノズル列33aという。本実施形態では、1つのインクヘッド32において、ノズル列33aの数は2つであるが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0022】
各インクヘッド32は、それぞれ異なる色のインクを吐出する。インクヘッド32から吐出されるインクは、例えばプロセスカラーインクおよび特色インクなどのうちの何れかの色のインクである。プロセスカラーインクには、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどが含まれている。特色インクには、プロセスカラーインク以外の色のインク、例えばホワイトインク、クリアインクなどが含まれている。
【0023】
また、インクヘッド32から吐出されるインクの材料は何ら限定されず、従来からのインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。本実施形態では、インクヘッド32から吐出されるインクは、光が照射されると乾燥が促進される光硬化型インクである。インクに照射される光とは、例えば紫外線である。ここでは、インクは、紫外線が照射されると硬化が促進される紫外線硬化型インクである。
【0024】
本実施形態では、インクヘッド32から吐出されるインクは、
図2に示すインクカートリッジ45に収容されている。例えばケース11の左前部には、収容部46が配置されている。インクカートリッジ45は、収容部46に収容されている。インクカートリッジ45は、例えば1つのインクヘッド32につき1つ接続されている。インクカートリッジ45は、例えば図示しないインクチューブを介してインクヘッド32に接続される。インクカートリッジ45に収容されたインクは、インクチューブを通ってインクヘッド32に供給される。
【0025】
光照射装置35は、光を照射するものである。本実施形態では、光照射装置35は、インクヘッド32から吐出されたインクに光を照射する装置である。詳しくは、光照射装置35は、支持台25に支持された被印刷物5に吐出されたインクに、光を照射可能に構成されている。本実施形態では、インクヘッド32(詳しくはノズル33)から吐出されたインクは、紫外線が照射されると硬化が促進される紫外線硬化型インクである。そのため、光照射装置35は、インクヘッド32から吐出されたインクに紫外線を照射する紫外線照射装置であり得る。
【0026】
図4に示すように、光照射装置35は、キャリッジ30に設けられている。光照射装置35は、キャリッジ30およびインクヘッド32と共に主走査方向Yに移動可能に構成されている。光照射装置35の数は1つである。本実施形態では、光照射装置35は、キャリッジ30の左側に設けられている。ここでは、光照射装置35は、連結部材39を介してキャリッジ30に連結されている。詳しくは、キャリッジ30の左面には、左方に突出した連結部材39が設けられている。連結部材39の左面には、左方に突出するように光照射装置35が設けられている。連結部材39は、キャリッジ30と光照射装置35に挟まれている。
【0027】
なお、光照射装置35は、キャリッジ30の右側に設けられてもよい。また、光照射装置35の数は特に限定されず、複数(例えば2つ)であってもよい。例えば光照射装置35の数が2つの場合には、光照射装置35は、キャリッジ30の左右両側に1つずつ設けられてもよい。
【0028】
本実施形態では、光照射装置35は、照射本体36(
図4参照)と、光源37(
図3参照)とを有している。照射本体36は、例えば直方体形状であり、中空のものである。照射本体36は、副走査方向Xに延びたものである。
図4に示すように、照射本体36の底面には、照射口38が形成されている。照射口38の形状は、四角形状であるが、特に限定されない。照射口38は、副走査方向Xに延びた長孔形状である。ここでは、照射口38の副走査方向Xの長さは、ノズル列33aの長さよりも長く、照射口38は、ノズル列33aよりも前方に突出している。
図3の光源37は、光(ここでは紫外線)を発するものであり、照射本体36の内部に配置されている。光源37から発せられた光は、照射口38を通り、支持台25に支持された被印刷物5に吐出されたインクに照射される。
【0029】
光量センサ40は、キャリッジ30に設けられている。ここでは、光量センサ40は、キャリッジ30、インクヘッド32および光照射装置35と共に主走査方向Yに移動可能に構成されている。光量センサ40は、光量センサ40に到達した光の量(光量)を測定する。本実施形態では、光量センサ40は、インクヘッド32の近傍(言い換えると周囲)に配置されており、光量センサ40によって測定された光量は、インクヘッド32(例えばノズル33およびノズル面34)に到達した光量と推定される。
【0030】
図5は、光照射装置35から発せられた光が、支持台25に支持された被印刷物5に反射して、光量センサ40に到達する状態を模式的に示した正面図である。
図5において、矢印A11およびA12は、光照射装置35から照射された光の照射方向を示している。本実施形態では、
図5に示すように、光照射装置35から発せられた光は、矢印A11に示すように、支持台25や、支持台25に支持された被印刷物5に向かって照射される。その後、光は、支持台25や、支持台25に支持された被印刷物5などに反射し、矢印A12に示すように、光量センサ40に到達する。なお、反射した光は、インクヘッド32に到着し得る。光量センサ40は、光照射装置35から発せられ、かつ、反射し、光量センサ40に到達した光の量を測定する。
【0031】
なお、光量センサ40の種類は特に限定されない。ここでは、光量センサ40は光学センサである。本実施形態では、
図4に示すように、光量センサ40は、受光部41を有している。受光部41は、光量センサ40の底部を構成している。受光部41は、光照射装置35から照射され、かつ、支持台25に支持された被印刷物5などから反射した光を受ける。光量センサ40は、受光部41が受けた光量を測定する。
【0032】
本実施形態では、光量センサ40は、キャリッジ30と光照射装置35との間に配置されている。すなわち、光量センサ40は、キャリッジ30と光照射装置35に挟まれている。ここでは、光量センサ40は、キャリッジ30の左側であり、かつ、光照射装置35の右側に配置されている。光量センサ40は、連結部材39の前側に設けられている。ただし、光量センサ40は、連結部材39の後側に設けられてもよいし、インクヘッド32の副走査方向X側に設けられてもよい。また、本実施形態では、光量センサ40の数は1つであるが、複数であってもよい。光量センサ40は、インクヘッド32に近い位置に配置されていることが好ましい。
【0033】
本実施形態では、プリンタ10は、ポインタ48を備えている。ポインタ48は、支持台25、または、支持台25に支持された被印刷物5に向かって光(ここではレーザ光)を当てるものである。レーザ光が当てられた被印刷物5の部分は、点状の光が照射された状態になる。ポインタ48は、例えば支持台25に対するキャリッジ30の原点位置を示すときに使用されるものである。ただし、本実施形態では、ポインタ48は、光量測定処理の結果を通知する際にも使用され得る。
【0034】
図4に示すように、ポインタ48は、キャリッジ30に設けられている。ここでは、ポインタ48は、キャリッジ30の右側に設けられている。ただし、ポインタ48は、キャリッジ30の左側、前側、または後側に設けられてもよい。本実施形態では、ポインタ48は、ポインタ本体49a(
図4参照)と、レーザ光源49b(
図3参照)とを有している。ポインタ本体49aは、例えば立方体形状であり、中空のものである。
図4に示すように、ポインタ本体49aの底面には、レーザ照射口49cが形成されている。レーザ照射口49cの形状は、例えば円形状であるが、特に限定されない。
図3のレーザ光源49bは、レーザ光を発するものであり、ポインタ本体49aの内部に配置されている。レーザ光源49bから発せられたレーザ光は、レーザ照射口49cを通り、支持台25に支持された被印刷物5(
図2参照)に当てられる。なお、ホン実施形態では、ポインタ48の光源として、レーザ光源49bを例示しているが、レーザ光源49bに限定されない。例えばポインタ48の光源として、LED(Light Emitting Diode)光源を使用することができる。LED光源から発せられる光は、指向性を高めるレンズを通過するように構成されるとよい。このことによって、指向性が高められた光を被印刷物5に当てることができる。
【0035】
本実施形態では、
図2に示すように、プリンタ10は、移動機構50と、昇降機構53を備えている。移動機構50は、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を、主走査方向Yと副走査方向Xに相対的に移動させる機構である。昇降機構53は、支持台25を昇降させる機構である。なお、昇降機構53の詳しい構成の説明は省略する。ここでは、移動機構50は、第1移動機構51と、第2移動機構52とを備えている。
【0036】
第1移動機構51は、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を主走査方向Yに相対的に移動させる機構である。本実施形態では、第1移動機構51は、インクヘッド32、光照射装置35、光量センサ40およびポインタ48などを主走査方向Yに移動させる。なお、第1移動機構51の構成は特に限定されない。第1移動機構51は、図示は省略するが、例えば左右のプーリと、ベルトと、スキャンモータとを有している。左のプーリはガイドレール28の左端部の周囲に設けられ、右のプーリはガイドレール28の右端部の周囲に設けられている。ベルトは、例えば無端状のベルトであり、左右のプーリに巻き掛けられている。ベルトには、キャリッジ30が取り付け固定されている。スキャンモータは、左右のプーリの一方に接続されている。ここでは、スキャンモータが駆動することでプーリが回転し、左右のプーリの間においてベルトが走行する。このことで、キャリッジ30と共に、インクヘッド32、光照射装置35、光量センサ40およびポインタ48が、ガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動する。
【0037】
第2移動機構52は、キャリッジ30に対して、支持台25に支持された被印刷物5を副走査方向Xに相対的に移動させる機構である。本実施形態では、第2移動機構52は、支持台25を副走査方向Xに移動させることで、支持台25に支持された被印刷物5を副走査方向Xに移動させる。なお、第2移動機構52の構成は特に限定されない。ここでは、第2移動機構52は、図示は省略するが、支持台25を支持する支持台キャリッジと、支持台キャリッジをスライド可能に支持し、副走査方向Xに延びた左右一対のスライドレールとを備えている。第2移動機構52は、図示は省略するが、更にスライドレールの前方および後方に設けられた前後一対のスライドプーリと、前後一対のスライドプーリに巻き掛けられたスライドベルトとを備えている。このスライドベルトには、支持台キャリッジが固定されている。前後一対のスライドプーリのうちの何れかには、フィードモータが接続されている。ここでは、フィードモータが駆動してスライドベルトが走行することで、支持台キャリッジと共に支持台25が副走査方向Xに移動する。このことによって、支持台25に支持された被印刷物5も副走査方向Xに移動する。
【0038】
本実施形態では、
図1に示すように、プリンタ10は、制御装置70を備えている。制御装置70は、印刷に関する制御、および、光量センサ40によって光量を測定するための制御を行う装置である。制御装置70の構成は特に限定されない。制御装置70は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されない。制御装置70は、例えばホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリと、を備えている。制御装置70は、ケース11の内部に設けられている。ただし、制御装置70は、ケース11の外部に設置されたコンピュータなどで実現されてもよい。この場合、制御装置70は、有線または無線を介してプリンタ10の制御基板(図示せず)と通信可能に接続されているとよい。
【0039】
本実施形態では、
図3に示すように、制御装置70は、操作パネル20(詳しくは、表示画面21および操作キー22)と、インクヘッド32と、光照射装置35(詳しくは光源37)と、光量センサ40と、ポインタ48(詳しくはレーザ光源49b)と、移動機構50(詳しくは第1移動機構51および第2移動機構52)と、昇降機構53と通信可能に接続されている。制御装置70は、操作パネル20、インクヘッド32、光照射装置35、光量センサ40、ポインタ48、移動機構50、および、昇降機構53を制御可能に構成またはプログラムされている。
【0040】
以上、本実施形態に係るプリンタ10の構成について説明した。ところで、
図5に示すように、上述のように、光照射装置35から照射した光は、照射口38から下方に向かって照射され、支持台25に支持された被印刷物5に反射して、インクヘッド32のノズル33やノズル面34、または光量センサ40に到達することがあり得る。ここで、インクヘッド32に到達する光量が多いと、ノズル33内のインクや、ノズル面34に付着したインクが増粘することがあり得る。このようにインクが増粘することで、インクヘッド32の吐出不良が生じ、印刷の品質の低下が生じるおそれがある。
【0041】
また、本実施形態において、印刷対象となる被印刷物5は、様々な形状のものがある。例えば被印刷物5は、インクが吐出される印刷面を有している。この印刷面は、平らな面であったり、凹凸が形成された面であったりし得る。そのため、被印刷物5の形状によっては、光照射装置35から照射した光の反射角度が異なることがあり得る。その結果、被印刷物5の形状に応じて、被印刷物5には、インクヘッド32に光が集まり易い部分(すなわちインクヘッド32に照射される光量が多い部分)があったり、インクヘッド32に光が集まり難い部分(すなわちインクヘッド32に照射される光量が少ない部分)があったりする。
【0042】
そこで、本実施形態では、支持台25に支持された被印刷物5に対して、光照射装置35から光を照射したときに、より多くの光量がインクヘッド32に照射される場合の光照射装置35の位置(ここでは、被印刷物5に対する光照射装置35の位置)を推定する。そして、多くの光量がインクヘッド32に照射される場合の光照射装置35の位置がどこかをユーザに提示する。本実施形態では、印刷前において、光照射装置35からの光を、支持台25に支持された被印刷物5に照射させながら、支持台25に対してキャリッジ30を相対的に主走査方向Yおよび副走査方向Xに移動させる。このとき、光量センサ40によって光量を測定し、光量センサ40が測定した光量が多いときの被印刷物5に対する光照射装置35の位置を推定する。光量センサ40が測定した光量が多いときの光照射装置35の真下に位置する被印刷物5の部分において、より多くの光量がインクヘッド32に照射されると推定し、当該推定結果をユーザに通知する。
【0043】
本実施形態では、
図3に示すように、制御装置70は、記憶部71と、光量測定実行部73とを備えている。光量測定実行部73は、範囲設定部81と、モード設定部82と、移動制御部83と、照射制御部84と、位置取得部85と、光量取得部86と、判定部87と、通知部88とを備えている。制御装置70の各部71~88は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。例えば制御装置70の各部71~88は、複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
【0044】
以下の説明において、
図5に示すように、支持台25に支持された被印刷物5に対する光照射装置35の位置のことを照射位置P1という。また、特に断りがない限り、被印刷物5とは、支持台25に支持された被印刷物5のことをいう。更に、特に断りがない限り、キャリッジ30が移動するとは、支持台25に支持された被印刷物5に対して、キャリッジ30が相対的に移動している状態のことをいう。本実施形態では、被印刷物5に対して光照射装置35は、相対的に移動するため、照射位置P1は、例えば複数設定されている。ここでは、主走査方向Yおよび副走査方向Xに対して所定の間隔毎に照射位置P1が設定されている。
【0045】
次に、光照射装置35の各照射位置P1における光量を測定する処理(以下、光量測定処理)について、
図6のフローチャートに沿って説明する。本実施形態では、
図3の光量測定実行部73は、光量測定処理を実行するように構成またはプログラムされている。ここでは、光量測定処理は、印刷前に行われるものである。例えばユーザは、支持台25に被印刷物5を載置することで、被印刷物5を支持台25に支持させる。このように、被印刷物5を支持台25に支持させたときのタイミングで、光量測定処理は実行される。
【0046】
図7は、被印刷物5の測定範囲R1を模式的に示した平面図である。ここで、
図7に示すように、光量測定処理が実行される平面視における被印刷物5の範囲を、測定範囲R1という。
図6のステップS101において、
図3の範囲設定部81は、測定範囲R1を設定する。ここでは、範囲設定部81は、光量測定処理を実行するときに、支持台25に支持された被印刷物5の形状に基づいて、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30が相対的に移動する測定範囲R1を設定する。測定範囲R1は、平面視における被印刷物5の全範囲であってもよいし、平面視における被印刷物5の一部の範囲であってもよい。測定範囲R1は、被印刷物5の形状によって設定されるものである。測定範囲R1は、ユーザによって決定される範囲であってもよいし、被印刷物5の形状に応じて制御装置70が自動で決定する範囲であってもよい。例えばユーザは、操作パネル20の操作キー22(
図1参照)を操作することで、被印刷物5に対する測定範囲R1を決定する。範囲設定部81は、ユーザによって決定された測定範囲R1を取得する。
【0047】
例えば被印刷物5の印刷面が平らな面であり、または凹凸の差が小さい場合には、範囲設定部81は、被印刷物5の一部の範囲を測定範囲R1に設定する。この場合、測定範囲R1は小さい範囲になる。また、被印刷物5の印刷面の形状がパターン化(例えば所定のパターンが連続)している場合には、範囲設定部81は、所定のパターンの1つの範囲を測定範囲R1に設定する。また、被印刷物5の印刷面の形状が複雑な場合、例えば印刷面の凹凸の差が大きい場合には、範囲設定部81は、平面視における被印刷物5の全範囲を測定範囲R1に設定する。
【0048】
ところで、光量測定処理では、
図3の移動制御部83は、印刷前において、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を、主走査方向Yまたは副走査方向Xに相対的に移動させる。移動制御部83は、被印刷物5の測定範囲R1内をキャリッジ30が相対的に移動するように移動機構50を制御する。
図8は、モードMD1の種類を示した説明図である。本実施形態では、キャリッジ30が測定範囲R1を移動する際の順序は、複数存在する。ここでは、光量測定処理には、測定範囲R1をキャリッジ30が相対的に移動する順序が規定された複数のモードMD1(
図8参照)が予め設定されている。複数のモードMD1のそれぞれにおいて、測定範囲R1をキャリッジ30が移動する順序が異なる。
【0049】
本実施形態では、
図6のステップS103において、
図3のモード設定部82は、複数のモードMD1から1つのモードを設定する。なお、複数のモードMD1から1つのモードを設定する手順は特に限定されない。例えばモード設定部82は、ユーザによって決定された1つのモードMD1を設定してもよいし、被印刷物5の形状に応じて制御装置70が自動で決定した1つモードMD1を設定してもよい。例えばユーザは、操作パネル20の操作キー22(
図1参照)を操作することで、複数のモードMD1から1つのモードを選択する。モード設定部82は、ユーザが選択したモードMD1を設定する。
【0050】
なお、モードMD1の種類は特に限定されない。ここでは、
図8に示すように、モードMD1は、1スキャンモードMD11と、フルスキャンモードMD12とを有している。1スキャンモードMD11は、スキャン方向D1(例えば
図9A参照)に沿って、キャリッジ30をスキャン方向D1に1回移動させるモードのことをいう。ここで、キャリッジ30が、支持台25に支持された被印刷物5上を任意の方向に相対的に移動することをスキャンという。スキャン方向D1とは、測定範囲R1に対してキャリッジ30が移動する方向のことである。スキャン方向D1は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0051】
図9A、
図9B、
図9Cおよび
図9Dは、1スキャンモードMD11の一例を示した図である。
図9A~
図9Dにおいて、矢印A21~矢印A26は、被印刷物5に対してキャリッジ30が相対的に移動する順序であり、スキャン方向D1を示している。1スキャンモードMD11において、スキャン方向D1は、
図9Aの矢印A21に示すように、主走査方向Yの一方向であってもよいし、
図9Bの矢印A22に示すように、副走査方向Xの一方向であってもよい。また、1スキャンモードMD11において、スキャン方向D1は、
図9Cの矢印A23および矢印A24に示すように、主走査方向Yおよび副走査方向Xの複数方向であってもよいし、
図9Dの矢印A25および矢印A26に示すように、主走査方向Xと副走査方向Yとの間において斜めに延びた方向(
図9Dにおいて左前から右後ろに延びた方向A25と、右前から左後ろに延びた方向A26)の複数方向であってもよい。1スキャンモードMD11では、各方向に対してキャリッジ30を1回移動させる。
【0052】
なお、1スキャンモードMD11において、スキャン方向D1をどの方向に設定するかは、被印刷物5の形状に応じて決定される。ここでは、スキャン方向D1は、被印刷物5の形状に応じて、ユーザが決定する。例えばユーザは、操作パネル20の操作キー22(
図1参照)を操作することで、1スキャンモードMD11におけるスキャン方向D1の具体的な方向を選択する。
図3のモード設定部82は、ユーザが選択した方向を、1スキャンモードMD11のスキャン方向D1に設定する。
【0053】
図8のフルスキャンモードMD12とは、測定範囲R1の全体をキャリッジ30が相対的に移動するモードである。測定範囲R1の全体をキャリッジ30が移動するとは、少なくとも測定範囲R1の両端部(ここでは、例えば前後両端部、および、左右両端部)をキャリッジ30が移動することをいう。
【0054】
なお、フルスキャンモードMD12において、キャリッジ30が移動する順序は特に限定されない。
図10A、
図10B、
図10C、
図10D、
図10Eおよび
図10Fは、フルスキャンモードMD12の一例を示した図である。
図10A~
図10Fにおいて、矢印A31~矢印A36は、被印刷物5に対してキャリッジ30が移動する順序を示している。
【0055】
フルスキャンモードMD12において、キャリッジ30が移動する順序は、例えば
図10Aの矢印A31に示すように、キャリッジ30が被印刷物5に対して主走査方向Yに移動することで、測定範囲R1の全体をスキャンするような順序であってもよいし、
図10Bの矢印A32に示すように、キャリッジ30が被印刷物5に対して副走査方向Xに移動することで、測定範囲R1の全体をスキャンするような順序であってもよい。また、フルスキャンモードMD12において、キャリッジ30が移動する順序は、
図10Cの矢印A33に示すように、キャリッジ30が測定範囲R1の中心C1から放射状に移動することで、測定範囲R1の全体をスキャンするような順序であってもよいし、
図10Dの矢印A34に示すように、キャリッジ30が測定範囲R1の中心C1を通過するように複数の三角形を描きながら移動することで、測定範囲R1の全体をスキャンするような順序であってもよい。また、フルスキャンモードMD12において、キャリッジ30が移動する順序は、
図10Eの矢印A35、および、
図10Fの矢印A36に示すように、キャリッジ30が渦巻き状に移動することで、測定範囲R1の全体をスキャンするような順序であってもよい。このときの渦巻きの形状は、
図10Eに示すように、四角形状であってもよいし、
図10Fに示すように、円形状であってもよい。
【0056】
また、フルスキャンモードMD12において、測定範囲R1の単位面積当たりのスキャン数が可変であってもよい。すなわち、フルスキャンモードMD12における1スキャン同士の間隔は、小さくてもよいし、大きくてもよい。フルスキャンモードMD12において、キャリッジ30の移動順序は、密に設定されてもよいし、疎に設定されてもよい。
【0057】
なお、フルスキャンモードMD12において、キャリッジ30が移動する順序をどのような順序にするかは、被印刷物5の形状に応じて決定される。ここでは、キャリッジ30が移動する順序は、被印刷物5の形状に応じて、ユーザが決定する。例えばユーザは、操作パネル20の操作キー22(
図1参照)を操作することで、フルスキャンモードMD12におけるキャリッジ30が移動する順序を選択する。
図3のモード設定部82は、ユーザが選択したキャリッジ30が移動する順序を、フルスキャンモードMD12におけるキャリッジ30が移動する順序に設定する。
【0058】
図6のステップS103において、光量測定処理に対して1つのモードMD1が設定された後、ステップS105において、光量測定が行われる。ここでは、
図3の移動制御部83は、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を、主走査方向Yまたは副走査方向Xに相対的に移動させる。移動制御部83は、被印刷物5の測定範囲R1内をキャリッジ30が相対的に移動するように移動機構50を制御する。ここでは、移動制御部83は、モード設定部82によって設定されたモードMD1に対する順序となるように、キャリッジ30を相対的に移動させる。
【0059】
光量測定処理において、キャリッジ30が被印刷物5に対して相対的に移動している間、光照射装置35から光が照射される。
図3の照射制御部84は、移動制御部83によって、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30が相対的に移動している間、光照射装置35から光を照射する。なお、光量測定処理における光照射装置35の光源37から発せられる光の強度は特に限定されない。光量測定処理における光源37から発せられる光の強度は、印刷中に光源37から発せられる光の強度よりも小さくてもよく、好ましくは1/2以下であってもよく、特に好ましくは1/3以下であってもよく、例えば1/4以下であってもよい。
【0060】
光量測定処理において、移動制御部83によってキャリッジ30が相対的に移動している間、光照射装置35の照射位置P1(
図5参照)が取得される。本実施形態では、
図3の位置取得部85は、支持台25に支持された被印刷物5に対する光照射装置35の照射位置P1を取得する。なお、照射位置P1を取得する具体的な制御は、特に限定されない。
【0061】
本実施形態では、
図5に示すように、キャリッジ30には、光量センサ40と光照射装置35が設けられており、キャリッジ30と共に光量センサ40と光照射装置35が移動する。そのため、光量センサ40と光照射装置35との間の距離は一定である。本実施形態では、移動制御部83によって移動機構50が制御されているときにおいて、支持台25に支持された被印刷物5に対するキャリッジ30の位置が算出される。そして、キャリッジ30の位置に基づいて、被印刷物5に対する光量センサ40の位置が算出される。本実施形態では、
図3に示すように、記憶部71には、平面視における光照射装置35と光量センサ40との距離(以下、センサ距離D10)が記憶されている。このセンサ距離D10は、一定である。
図3の位置取得部85は、
図5に示すように、支持台25に支持された被印刷物5に対する光量センサ40の位置から、センサ距離D10だけ光照射装置35側(ここでは左側)に移動させた位置を、光照射装置35の照射位置P1とする。
【0062】
本実施形態では、光量測定処理において、移動制御部83によってキャリッジ30が相対的に移動している間、光量センサ40によって測定された光量が取得される。ここでは、
図3の光量取得部86は、各照射位置P1における、光量センサ40の受光部41が受光した光量を取得する。本実施形態では、光量測定処理において、所定の間隔毎に、光量センサ40は、受光部41が受光した光量を測定し、制御装置70に送信する。光量取得部86は、光量センサ40から送信され、かつ、光量センサ40によって測定された光量を取得する。なお、光量取得部86によって光量を取得したときの光照射装置35の位置が、照射位置P1となる。光量取得部86は、照射位置P1と光量とを紐付けて記憶部71に記憶させる。なお、本実施形態では、光量センサ40によって測定された光量が、インクヘッド32に到達した光量と推定される。
【0063】
以上のように光量測定処理をすることによって、光照射装置35の各照射位置P1における光量が分かる。次に、
図6のステップS107では、
図3の通知部88は、光照射装置35の各照射位置P1における光量をユーザに通知する。例えば
図3の記憶部71には、閾値Th1が記憶されている。この閾値Th1は、光量を比較するための値である。閾値Th1は1つであってもよいし、複数であってもよい。例えば
図3の判定部87は、各照射位置P1における光量が、閾値Th1以上であるか否かを判定する。通知部88は、光量が閾値Th1以上である照射位置P1をユーザに通知する。
【0064】
なお、通知部88によるユーザへの通知方法は、特に限定されない。例えば通知部88は、操作パネル20の表示画面21、または、プリンタ10に接続された端末(例えばパーソナルコンピュータ)の表示画面(図示せず)に、閾値Th1以上である光量に対応した照射位置P1を表示してもよい。この場合、例えば被印刷物5を模した画像上において、閾値Th1以上である光量に対する照射位置P1に対応した被印刷物5の部分を色付けして表示してもよい。
【0065】
また、本実施形態では、上述のように、
図4に示すように、キャリッジ30には、支持台25に向かってレーザ光を当てるポインタ48が設けられている。
図3の通知部88は、支持台25に支持された被印刷物5に対して、閾値Th1以上である光量に対する照射位置P1に対応した被印刷物5の部分に向かって、ポインタ48からレーザ光を当ててもよい。
【0066】
以上、本実施形態では、
図2に示すように、プリンタ10は、被印刷物5を支持する支持台25と、主走査方向Yに延びたガイドレール28と、ガイドレール28に摺動自在に設けられたキャリッジ30と、キャリッジ30に設けられたインクヘッド32と、キャリッジ30に設けられ、光を照射する光照射装置35と、キャリッジ30に設けられた光量センサ40と、移動機構50と、制御装置70とを備えている。移動機構50は、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を、主走査方向Yと副走査方向Xに相対的に移動させる。光量センサ40は、光照射装置35から照射され、かつ、反射した光を受ける受光部41(
図4参照)を有し、受光部41が受光した光量を測定するように構成されている。
図3に示すように、制御装置70は、印刷前、または、印刷中において、光量測定処理を実行する光量測定実行部73を備えている。光量測定実行部73は、移動制御部83と、照射制御部84と、位置取得部85と、光量取得部86と、通知部88とを備えている。移動制御部83は、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を、主走査方向Yまたは副走査方向Xに相対的に移動させる。照射制御部84は、移動制御部83によって、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30が相対的に移動している間、光照射装置35から光を照射する。位置取得部85は、支持台25に支持された被印刷物5に対する光照射装置35の照射位置P1(
図5参照)を取得する。光量取得部86は、照射位置P1毎に、光量センサ40の受光部41が受光した光量を取得する。通知部88は、照射位置P1毎における光量を通知する。
【0067】
本実施形態では、支持台25に支持された被印刷物5に対する光照射装置35の照射位置P1における、光量センサ40が測定した光量は、インクヘッド32に到達し得る光量であると推定される。よって、例えばユーザは、通知部88から通知された照射位置P1毎の光量を知ることで、支持台25に支持された被印刷物5に対するどの照射位置P1において、インクヘッド32に到達する光量が多くなるかを知ることができる。したがって、ユーザは、通知部88から通知される通知結果から、例えば光量が多い照射位置P1に対応した被印刷物5の部分に対して、光が反射し難くなるような対策を講じることで、印刷中において、インクヘッド32に到達する光量を減らすことができる。その結果、光照射装置35から照射された光がインクヘッド32に到達することに起因して、インクヘッド32の吐出不良が生じ難くすることができる。
【0068】
本実施形態では、光量測定実行部73は、照射位置P1毎の光量が、所定の閾値Th1(
図3参照)以上であるか否かを判定する判定部87(
図3参照)を備えている。通知部88は、光量が閾値Th1以上である照射位置P1を通知する。例えば閾値Th1の具体的な値は、閾値Th1以上の光量がインクヘッド32に到達すると、インクヘッド32のノズル33内のインクや、ノズル面34に付着したインクが増粘し易く、インクヘッド32の吐出不良が生じる可能性が高くなるような値である。ユーザは、通知部88から通知された通知結果から、閾値Th1以上の光量がインクヘッド32に到達し得る照射位置P1を知ることができる。よって、閾値Th1以上の光量となる照射位置P1に対応した被印刷物5の部分に対して、光が反射し難くなるような対策を講じることで、印刷中において、インクヘッド32に到達する光量を減らすことができる。
【0069】
本実施形態では、プリンタ10は、キャリッジ30に設けられ、支持台25に支持された被印刷物5に向かって光(ここではレーザ光)を当てるポインタ48(
図4参照)を備えている。通知部88は、光量が閾値Th1以上である照射位置P1に対応した被印刷物5の部分に、ポインタ48からレーザ光を当てるようにポインタ48を制御してもよい。このことによって、ユーザは、支持台25に支持された被印刷物5を実際に見ることで、どの照射位置P1においてインクヘッド32に到達する光量が多くなるかを視覚的に分かり易くすることができる。
【0070】
本実施形態では、プリンタ10は、表示画面21(
図1参照)を備えている。通知部88は、光量が閾値Th1以上である照射位置P1を表示画面21に表示してもよい。このことによって、ユーザは、表示画面21を見ることで、どの照射位置P1においてインクヘッド32に到達する光量が多くなるかを分かり易くすることができる。
【0071】
本実施形態では、光量測定実行部73は、光量測定処理を実行するときに、支持台25に支持された被印刷物5の形状に基づいて、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30が相対的に移動する測定範囲R1を設定する範囲設定部81(
図3参照)を備えている。この測定範囲R1は可変である。
図3の移動制御部83は、支持台25に支持された被印刷物5の測定範囲R1をキャリッジ30が相対的に移動するように、移動機構50を制御する。被印刷物5の形状は様々であり、被印刷物5の印刷面は、平らな面であったり、凹凸が形成された面であったりする。また、凹凸の所定のパターンが連続することがあり得る。例えば被印刷物5の印刷面が平らな面であったり、凹凸の所定のパターンが連続したりする場合には、測定範囲R1を小さくする。このことによって、光量測定処理に要する時間を短くすることができる。なお、平面視における被印刷物5の全範囲よりも測定範囲R1を小さくした場合、被印刷物5の全範囲のうち、測定範囲R1以外の被印刷物5の範囲に対する照射位置P1の光量は、形状が同じである測定範囲R1の部分に対する光量で補間するとよい。
【0072】
本実施形態では、光量測定実行部73は、測定範囲R1をキャリッジ30が相対的に移動する順序が規定された複数のモードMD1(
図8参照)から1つのモードを設定するモード設定部82(
図3参照)を備えている。
図3の移動制御部83は、モード設定部82によって設定されたモードMD1に対する順序となるように、キャリッジ30を相対的に移動させる。このことによって、例えば被印刷物5の形状に応じて、適したモードMD1を設定することで、被印刷物5の形状に合った光量測定処理を実行することができる。
【0073】
本実施形態では、
図8に示すように、モードMD1は、1スキャンモードMD11と、フルスキャンモードMD12とを有している。1スキャンモードMD11では、
図9A~
図9Dに示すように、測定範囲R1に対するキャリッジ30のスキャン方向D1であって、1つまたは複数の方向が設定されたスキャン方向D1に沿って、キャリッジ30を相対的にスキャン方向D1に1回移動させるモードである。フルスキャンモードMD12とは、
図10A~
図10Fに示すように、測定範囲R1の全体をキャリッジ30が相対的に移動するモードである。例えば被印刷物5の印刷面が平らな面などのように、被印刷物5の形状が単純化したものの場合、1スキャンモードMD11で光量測定処理を実行することで、光量測定処理に要する時間を短くすることができる。一方、被印刷物5の印刷面に凹凸が形成されているなどのように、被印刷物5の形状が複雑なものの場合、フルスキャンモードMD12で光量測定処理を実行することで、どの照射位置P1において光量が多くなるかを適切にユーザが知ることができる。
【0074】
本実施形態では、制御装置70は、平面視における光照射装置35と光量センサ40とのセンサ距離D10(
図5参照)が記憶された記憶部71(
図3参照)を備えている。
図3の位置取得部85は、支持台25に支持された被印刷物5に対する光量センサ40の位置から、センサ距離D10だけ光照射装置35側に移動させた位置を照射位置P1とする。このことによって、支持台25に支持さされた被印刷物5に対する光量センサ40の位置から、光照射装置35の照射位置P1を容易に算出することができる。
【0075】
なお、本実施形態では、光量測定処理において、キャリッジ30を相対的に移動させたとき、インクヘッド32も相対的に移動する。そのため、光量測定処理において、光照射装置35から照射された光は、被印刷物5に反射して、インクヘッド32に到達することがあり得る。そこで、本実施形態では、光量測定処理において、図示は省略するが、インクヘッド32に対して、光が照射されることを防止する照射防止機構が設けられてもよい。この照射防止機構は、インクヘッド32のノズル面34の下方をスライド可能なシャッターであってもよい。光量測定処理において、シャッターを閉じることでノズル面34が下方からシャッターで覆われる。よって、光照射装置35から照射されて、被印刷物5などから反射した光は、シャッターで遮られることでインクヘッド32に到達し難くすることができる。よって、光量測定処理を実行しているときに、ノズル33内のインク、および、ノズル面34に付着したインクが増粘し難くすることができる。
【0076】
また、プリンタ10は、光量測定処理において、光照射装置35および光量センサ40が、インクヘッド32から切り離される機構を備えていてもよい。例えばキャリッジ30は、光照射装置35および光量センサ40が設けられた第1キャリッジと、インクヘッド32が設けられた第2キャリッジとを有していてもよい。第1キャリッジと第2キャリッジとは互いに分離可能に構成されている。例えば印刷の場合には、第1キャリッジと第2キャリッジを連結させる。一方、光量測定処理では、第1キャリッジと第2キャリッジとを分離し、第2キャリッジを、例えば印刷待機中に位置するホームポジションに退避させる。そして、第1キャリッジを被印刷物5に対して相対的に移動させることで、光量測定処理を実行してもよい。この場合では、インクヘッド32が設けられた第2キャリッジは、光量測定処理において、光照射装置35と共に移動しないため、インクヘッド32に光が到達され難くすることができる。
【0077】
また、本実施形態では、印刷中において、光照射装置35および光量センサ40は、インクヘッド32と共に主走査方向Yに移動する。そのため、インクヘッド32から吐出されたインクのミストが光量センサ40の受光部41に入り込むことがあり得る。そのため、受光部41にインクのミストが入り込むことを防止するミスト防止機構が設けられてもよい。例えば受光部41には、ガラスなどの透過率が高い部材によって形成されたシールドが設けられてもよい。このシールドは、受光部41に対して着脱可能であり、かつ、交換可能であってもよい。このことによって、シールドにミストが付着した場合であっても、シールドを交換すること、またはシールドを清掃することで光量センサ40の測定精度が低下することを防止することができる。
【0078】
本実施形態では、光量測定処理は、印刷前に実行されているが、印刷中に実行されてもよい。すなわち、印刷中において、移動制御部83は、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30を、主走査方向Yまたは副走査方向Xに相対的に移動させる。印刷中において、照射制御部84は、移動制御部83によって、支持台25に支持された被印刷物5に対してキャリッジ30が相対的に移動している間、光照射装置35から光を照射する。印刷中において、位置取得部85は、支持台25に支持された被印刷物5に対する光照射装置35の照射位置P1を取得する。また、印刷中、光量取得部86は、照射位置P1における、光量センサ40の受光部41が受光した光量を取得する。
【0079】
そして、通知部88は、照射位置P1における光量をユーザに通知する。例えば印刷中において、記憶部71に記憶された閾値Th1以上である光量に対応した照射位置P1をユーザに通知する。なお、光量センサ40が測定した光量が閾値Th1以上になったときに、ユーザに通知すると共に、印刷を一時停止してもよい。
【符号の説明】
【0080】
5 被印刷物
21 表示画面
25 支持台
28 ガイドレール
30 キャリッジ
32 インクヘッド
35 光照射装置
40 光量センサ
41 受光部
48 ポインタ
50 移動機構
70 制御装置
71 記憶部
73 光量測定実行部
81 範囲設定部
82 モード設定部
83 移動制御部
84 照射制御部
85 位置取得部
86 光量取得部
87 判定部
88 通知部