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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027960
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240222BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20240222BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20240222BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20240222BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06F30/10 100
G06F30/12
G06F3/04815
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131192
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】道村 唯夫
(72)【発明者】
【氏名】古川 泰之
【テーマコード(参考)】
5B050
5B146
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA01
5B050CA02
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA12
5B050FA13
5B146DG01
5B146DG07
5B146EA06
5B146EA15
5B146EC04
5E555AA26
5E555AA27
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA70
5E555BB02
5E555BC08
5E555BC18
5E555BE16
5E555CA02
5E555CA18
5E555CB02
5E555CC11
5E555DB51
5E555DB53
5E555DC21
5E555DC35
5E555DC43
5E555DC75
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示する。
【解決手段】1又は複数のプロセッサを備え、1又は複数のプロセッサは、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定し、三次元形状データに基づく画像であって、少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する、情報処理システム。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサを備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定し、
前記三次元形状データに基づく画像であって、前記少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所の画像上での面積である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記予め定められた条件は、前記面積が最も大きく表示されるという条件である、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所の画像上での個数である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記予め定められた条件は、前記個数が最も多く表示されるという条件である、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記特徴量は、複数の変更箇所のうちの特定の変更箇所の画像上での面積である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記特定の変更箇所は、前記複数の変更箇所の中で、変更前と変更後の差分が最も大きな変更箇所である、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記予め定められた条件は、前記面積が最も大きく表示されるという条件である、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で前記三次元形状の非変更箇所を透過させなくても見える変更箇所の第1の特徴量と、当該第1の特徴量の重みである第1の重みと、前記少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で当該非変更箇所を透過させることにより見える変更箇所の第2の特徴量と、当該第2の特徴量の重みであって当該第1の重みよりも小さい重みである第2の重みとを用いて、算出される、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1又は複数のプロセッサは、予め定められた視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、前記特定の画像を表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象である、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記予め定められた事象は、ユーザが予め定められた操作を行うという事象である、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、前記特徴量が前記予め定められた条件を満たすこととなる他の視点から前記三次元形状を見たときの画像である他の画像を表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象である、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記予め定められた事象は、ユーザが、複数の視点をそれぞれ示す複数の表示要素から、前記他の視点を示す表示要素を選択する操作を行うという事象である、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像として前記少なくとも1つの変更箇所の前記特徴量が前記予め定められた条件を満たす度合いが第1の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、前記予め定められた事象が発生すると、当該特徴量が当該予め定められた条件を満たす度合いが当該第1の度合いよりも低い第2の度合いとなる視点から当該三次元形状を見たときの画像を表示するように制御する、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像として前記少なくとも1つの変更箇所の一の特徴量が当該一の特徴量に対応する前記予め定められた条件である一の条件を満たす度合いが特定の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、前記予め定められた事象が発生すると、前記少なくとも1つの変更箇所の他の特徴量が当該他の特徴量に対応する前記予め定められた条件である他の条件を満たす度合いが当該特定の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御する、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記1又は複数のプロセッサは、
ユーザの操作により複数の視点の各視点から前記三次元形状を見たときの画像を順次表示するように制御し、
特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像が表示された場合に、ユーザにその旨を報知する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項19】
コンピュータに、
三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定する機能と、
前記三次元形状データに基づく画像であって、前記少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入力したボリュ-ムデータ中の、しきい値を超える値を持つボクセルデータと、設定した表示種別に分類されているボクセルデータとを、表示対象候補ボクセルデータとして決定するステップを有する3次元画像生成方法が記載されている。
特許文献2には、信号値に対して色成分の値と不透明度を対応付けて定義されたカラーマップを参照して、複数の断層画像の各画素と対応付けて三次元に配置した各ボクセルの信号値を不透明度に置き換え、ボクセル値として不透明度が定義された不透明度ボクセル画像を作成する手段を備えるボリュームレンダリング装置が記載されている。
特許文献3には、被検体の設計情報であるCADデータを処理装置に入力し、画像データの内、CADデータにより求められる設計時の物体部分の輪郭の付近の画像データのみを処理対象として断層画像中に存在する物体部分の輪郭を決定する画像認識方法が記載されている。
特許文献4には、複数の計測位置から計測された複数の計測データおよび複数の誤差分布を統合するステップと、統合して得られた計測データおよび誤差分布に対し、モデルデータによって表される被計測物を回転および並進させ、計測データとモデルデータを構成する要素との距離に関する評価値が最小になるようにする位置合わせをするステップとを実施する物体認識方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-282293号公報
【特許文献2】特開2019-207450号公報
【特許文献3】特開平9-204532号公報
【特許文献4】特開2008-309671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
三次元形状を表す三次元形状データを編集することにより、編集前後における変更箇所が生じる場合がある。このような場合に、予め定められた視点から三次元形状を見たときの画像を表示する構成を採用したのでは、変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができず、例えば変更箇所の確認が容易な画像を表示することにはならない。
【0005】
本発明の目的は、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、1又は複数のプロセッサを備え、前記1又は複数のプロセッサは、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定し、前記三次元形状データに基づく画像であって、前記少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する、情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所の画像上での面積である、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記予め定められた条件は、前記面積が最も大きく表示されるという条件である、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所の画像上での個数である、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記予め定められた条件は、前記個数が最も多く表示されるという条件である、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記特徴量は、複数の変更箇所のうちの特定の変更箇所の画像上での面積である、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記特定の変更箇所は、前記複数の変更箇所の中で、変更前と変更後の差分が最も大きな変更箇所である、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記予め定められた条件は、前記面積が最も大きく表示されるという条件である、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で前記三次元形状の非変更箇所を透過させなくても見える変更箇所の第1の特徴量と、当該第1の特徴量の重みである第1の重みと、前記少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で当該非変更箇所を透過させることにより見える変更箇所の第2の特徴量と、当該第2の特徴量の重みであって当該第1の重みよりも小さい重みである第2の重みとを用いて、算出される、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、予め定められた視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、前記特定の画像を表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象である、請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載の発明は、前記予め定められた事象は、ユーザが予め定められた操作を行うという事象である、請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、前記特徴量が前記予め定められた条件を満たすこととなる他の視点から前記三次元形状を見たときの画像である他の画像を表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項14に記載の発明は、前記予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象である、請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項15に記載の発明は、前記予め定められた事象は、ユーザが、複数の視点をそれぞれ示す複数の表示要素から、前記他の視点を示す表示要素を選択する操作を行うという事象である、請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項16に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像として前記少なくとも1つの変更箇所の前記特徴量が前記予め定められた条件を満たす度合いが第1の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、前記予め定められた事象が発生すると、当該特徴量が当該予め定められた条件を満たす度合いが当該第1の度合いよりも低い第2の度合いとなる視点から当該三次元形状を見たときの画像を表示するように制御する、請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項17に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像として前記少なくとも1つの変更箇所の一の特徴量が当該一の特徴量に対応する前記予め定められた条件である一の条件を満たす度合いが特定の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、前記予め定められた事象が発生すると、前記少なくとも1つの変更箇所の他の特徴量が当該他の特徴量に対応する前記予め定められた条件である他の条件を満たす度合いが当該特定の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御する、請求項13に記載の情報処理システムである。
請求項18に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、ユーザの操作により複数の視点の各視点から前記三次元形状を見たときの画像を順次表示するように制御し、特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像が表示された場合に、ユーザにその旨を報知する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項19に記載の発明は、コンピュータに、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定する機能と、前記三次元形状データに基づく画像であって、前記少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項2の発明によれば、変更箇所の画像上での面積に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項3の発明によれば、変更箇所の面積が最も大きく表示される視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項4の発明によれば、変更箇所の画像上での個数に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項5の発明によれば、変更箇所の個数が最も多く表示される視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項6の発明によれば、複数の変更箇所のうちの特定の変更箇所の画像上での面積に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項7の発明によれば、変更前と変更後の差分が最も大きな変更箇所の画像上での面積に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項8の発明によれば、特定の変更箇所の面積が最も大きく表示される視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項9の発明によれば、三次元形状の非変更箇所を透過させなくても見える変更箇所を、三次元形状の非変更箇所を透過させることにより見える変更箇所よりも重視して、変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項10の発明によれば、三次元形状全体の中での変更箇所の位置をユーザが認識し易くすることができる。
請求項11の発明によれば、ユーザに特別な操作を要求することなく、三次元形状全体の中での変更箇所の位置をユーザに認識させることができる。
請求項12の発明によれば、ユーザが希望するタイミングで、三次元形状全体の中での変更箇所の位置をユーザに認識させることができる。
請求項13の発明によれば、三次元形状の複数の変更箇所の位置関係をユーザが認識し易くすることができる。
請求項14の発明によれば、ユーザに特別な操作を要求することなく、三次元形状の複数の変更箇所の位置関係をユーザに認識させることができる。
請求項15の発明によれば、変更箇所に応じた複数の視点のうちユーザが選択した視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
請求項16の発明によれば、変更箇所に応じた複数の視点から三次元形状を見たときの画像を、変更箇所の同じ特徴量が条件を満たす度合いによって順次表示することができる。
請求項17の発明によれば、変更箇所に応じた複数の視点から三次元形状を見たときの画像を、変更箇所の異なる特徴量が条件を満たす度合いによって順次表示することができる。
請求項18の発明によれば、ユーザの操作により各視点から三次元形状を見たときの画像が順次表示されている際に、変更箇所に応じた視点をユーザに知らせることができる。
請求項19の発明によれば、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態における差分表示システムの全体構成例を示す図である。
図2】本実施の形態における差分表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】編集前のモデルの表示例を示す図である。
図4】編集後のモデルの表示例を示す図である。
図5】モデルの変更箇所を非変更箇所とは異なる表示態様で表示した場合の編集後のモデルの表示例を示す図である。
図6】モデルの非変更箇所を半透過させた場合の編集後のモデルの表示例を示す図である。
図7】第1の条件で視点を移動させた場合の第1の表示例を示す図である。
図8】第1の条件で視点を移動させた場合の第2の表示例を示す図である。
図9】第1の条件で視点を移動させた場合の第3の表示例を示す図である。
図10】第1の条件で視点を移動させた場合の第4の表示例を示す図である。
図11】第2の条件で視点を移動させた場合の表示例を示す図である。
図12】ユーザが視点を移動させる操作を行う画面の一例を示す図である。
図13】本実施の形態における差分表示装置の機能構成例を示すブロック図である。
図14】本実施の形態における差分表示装置のレンダリング画像生成部の動作の考え方について示した図である。
図15】本実施の形態における差分表示装置のレンダリング画像生成部の動作例を示すフローチャートである。
図16】本実施の形態における差分表示装置の送信部の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定し、三次元形状データに基づく画像であって、その少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する情報処理システムを提供する。
ここで、三次元形状データは、三次元の形状を表すデータであれば、如何なるソフトウェアで作成されたものであってもよいが、以下では、3DCAD(3 Dimensional Computer Aided Design)ソフトウェアで作成された立体的なモデルデータである3Dモデル(以下、単に「モデル」という)を例にとって説明する。
また、情報処理システムとしては、3DCADソフトウェアを用いて機械、建築等を設計する際の検図工程において、編集前後のモデルの差分を表示する差分表示システムを例にとって説明する。ここで、検図工程とは、設計者が作成したモデルの機能実現性、設計妥当性、適応性、拡張性、生産性、費用等を、設計者以外の第三者である検図者が評価する工程である。モデルは、設計や試作の段階で検出された不具合や仕様変更等に伴って編集されることがあるので、検図工程において、編集前後のモデルの差分を表示することは有用である。
【0011】
[差分表示システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における差分表示システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、差分表示システム1は、差分表示装置10と、端末装置30とが通信回線80に接続されることにより構成されている。尚、図では、差分表示装置10及び端末装置30を1つずつしか示していないが、各装置は2つ以上設けられていてもよい。
【0012】
差分表示装置10は、編集前のモデルと編集後のモデルとを取得し、編集前のモデルと編集後のモデルとの差分を示すレンダリング画像を端末装置30へ送信する。差分表示装置10としては、例えば、汎用のパーソナルコンピュータを用いるとよい。
端末装置30は、差分表示装置10から編集前のモデルと編集後のモデルとの差分を示すレンダリング画像を受信し、このレンダリング画像を表示デバイスに表示する。端末装置30としては、例えば、デスクトップPC、ノートPC、携帯情報端末等を用いるとよい。
通信回線80は、差分表示装置10と端末装置30との間の情報通信に用いられる回線である。通信回線80としては、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットを用いるとよい。
【0013】
[差分表示装置のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における差分表示装置10のハードウェア構成例を示す図である。図示するように、差分表示装置10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、HDD(Hard Disk Drive)13と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)14と、表示デバイス15と、入力デバイス16とを備える。
プロセッサ11は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。
RAM12は、プロセッサ11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
HDD13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
通信I/F14は、通信回線80を介して端末装置30等との間で各種情報の送受信を行う。
表示デバイス15は、各種情報を表示する例えばディスプレイである。
入力デバイス16は、ユーザが情報を入力するために用いる例えばキーボードやマウスである。
【0014】
[本実施の形態の概略動作]
まず、本実施の形態における端末装置30でのモデルMの表示例について説明する。
ここでは、X、Y、Zの各方向の長さがモデルMの各方向の最大幅と同じ仮想的な直方体を用いて説明する。
この直方体では、8つの頂点を、点A、点B、点C、点D、点E、点F、点G、及び点Hとする。点Aは、8つの頂点のうち、X、Y、Zの全方向で負側にある点とする。点Bは、8つの頂点のうち、X方向で正側にあり、Y、Z方向で負側にある点とし、点Cは、8つの頂点のうち、Y方向で正側にあり、X、Z方向で負側にある点とし、点Dは、8つの頂点のうち、Z方向で正側にあり、X、Y方向で負側にある点とする。点Eは、8つの頂点のうち、X、Y方向で正側にあり、Z方向で負側にある点とし、点Fは、8つの頂点のうち、X、Z方向で正側にあり、Y方向で負側にある点とし、点Gは、8つの頂点のうち、Y、Z方向で正側にあり、X方向で負側にある点とする。点Hは、8つの頂点のうち、X、Y、Zの全方向で正側にある点とする。
【0015】
図3は、編集前のモデルMの表示例を示す図である。
図4は、編集後のモデルMの表示例を示す図である。図4では、モデルMを変更しているが、変更箇所に何ら処置を施していないので、モデルMのどこが変更されたのかが分かり難くなっている。
図5は、モデルMの変更箇所を非変更箇所とは異なる表示態様で表示した場合の編集後のモデルMの表示例を示す図である。ここでは、モデルMの複数の変更箇所のうち、モデルMに追加した部分を太斜線ハッチングで示し、モデルMから削除した部分を細斜線ハッチングで示すことにしている。しかしながら、図5では、複数の変更箇所のうち、変更箇所P1しか見えていない。モデルMの変更箇所としては、変更箇所P2~P4もあることを想定しているが、これらが見えていない。尚、ここでは、モデルMに追加した部分とモデルMから削除した部分とを斜線ハッチングの種類で区別したが、色で区別してもよい。
図6は、モデルMの非変更箇所を半透過させた場合の編集後のモデルMの表示例を示す図である。図6では、図5で見えていなかった変更箇所P2~P4も見えている。しかしながら、モデルMの非変更箇所を半透過させることは、モデルMの表示の分かり難さを招くことになる。例えば、重要な外形が分かり難くなったり、モデルMの寸法、材質等のアノテーションの変更が分かり難くなったりする。アノテーションとは、モデルMの各部分の材質等の情報を示すためにモデルM上にテキスト等により表される注釈である。
【0016】
そこで、本実施の形態では、モデルMを見る視点を移動させる。図3図6では、変更箇所に関係なく既定の視点が設定されていたが、変更箇所P1が良く見えたり、他の変更箇所も見えたりするように、視点を移動させる。
図7図10は、第1の条件で視点を移動させた場合の表示例を示す図である。第1の条件は、変更量が最大の変更箇所が最大面積で表示される、という条件とする。
図7は、この場合の第1の表示例を示す図である。図7では、変更量が最大の変更箇所P2が最大面積で表示されている。例えば、図5の表示例を表示した状態で、予め定められた時間が経過すると、図7の表示例となるように視点を移動させるとよい。
図8は、この場合の第2の表示例を示す図である。図8では、既に最大面積で表示された変更箇所P2以外で変更量が最大の変更箇所P1が最大面積で表示されている。例えば、図7の表示例を表示した状態で、ユーザが予め定められた操作を行うと、図8の表示例となるように視点を移動させるとよい。
図9は、この場合の第3の表示例を示す図である。図9では、既に最大面積で表示された変更箇所P1、P2以外で変更量が最大の変更箇所P3が最大面積で表示されている。例えば、図8の表示例を表示した状態で、ユーザが予め定められた操作を行うと、図9の表示例となるように視点を移動させるとよい。
図10は、この場合の第4の表示例を示す図である。図10では、既に最大面積で表示された変更箇所P1~P3以外で変更量が最大の変更箇所P4が最大面積で表示されている。例えば、図9の表示例を表示した状態で、ユーザが予め定められた操作を行うと、図10の表示例となるように視点を移動させるとよい。
その後、表示する変更箇所がなくなると、視点の移動は終了する。
【0017】
尚、図7図10では、第1の条件を、変更量が最大の変更箇所が最大面積で表示される、という条件としたが、これには限らない。例えば、第1の条件を、変更箇所の総面積が最大で表示される、という条件としてもよい。
【0018】
図11は、第2の条件で視点を移動させた場合の表示例を示す図である。第2の条件は、変更箇所の総数が最大で表示される、という条件とする。図11では、変更箇所P1~P4の全てが表示されている。例えば、図5の表示例を表示した状態で、予め定められた時間が経過すると、図11の表示例となるように視点を移動させるとよい。
【0019】
ところで、上記では、複数の視点がある場合、ユーザが予め定められた操作を行うことにより、ある視点から別の視点へ移動させることについて述べたが、視点を移動させる操作としては、特に次のようなものが考えられる。
図12は、ユーザが視点を移動させる操作を行う画面300の一例を示す図である。図示するように、画面300は、モデルMのレンダリング画像を表示する表示領域310と、選択ボタン321(321a~321e)を表示する表示領域320とを含む。そして、ユーザが表示領域320の選択ボタン321の何れかを選択すると、選択された選択ボタン321に対応する視点が設定され、その視点から見たモデルMのレンダリング画像が表示領域310に表示される。
【0020】
[差分表示装置の機能構成]
図13は、このような概略動作等を行う差分表示装置10の機能構成例を示すブロック図である。図示するように、差分表示装置10は、受信部21と、変更箇所特定部22と、レンダリング画像生成部23と、送信部24とを備える。
【0021】
受信部21は、編集前のモデルと編集後のモデルとを受信する。例えば、受信部21は、編集前のモデルと編集後のモデルとを、設計者が使用する端末装置(図示せず)から受信するとよい。
【0022】
変更箇所特定部22は、受信部21が受信した編集前のモデルと編集後のモデルとを比較して、編集前後のモデルの変更箇所を特定する。本実施の形態では、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定することの一例として、変更箇所特定部22の処理を行っている。
【0023】
レンダリング画像生成部23は、変更箇所特定部22が特定した変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる視点を決定し、その視点からモデルを見て2次元にレンダリングしたレンダリング画像を生成する。本実施の形態では、三次元形状データに基づく画像であって、少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から三次元形状を見たときの画像である特定の画像の一例として、レンダリング画像を用いている。
【0024】
ここで、レンダリング画像生成部23は、変更箇所の特徴量として、例えば、複数の変更箇所のうちの特定の変更箇所のレンダリング画像上の面積、つまり、特定の変更箇所が表示される際の面積を用いるとよい。特定箇所とは、複数の変更箇所のうち、最も重要な変更箇所であってよい。最も重要な変更箇所としては、例えば、変更量、つまり、変更前と変更後との差分が最大の変更箇所を用いるとよい。変更が追加又は削除であれば、変更量は、変更前後における変更箇所の体積の変化量と捉えることができる。この場合、予め定められた条件は、例えば、特定の変更箇所の面積が最も大きく表示されるという条件とすればよい。
レンダリング画像生成部23は、変更箇所の特徴量として、例えば、複数の変更箇所のレンダリング画像上の総面積、つまり、複数の変更箇所が表示される際の総面積を用いてもよい。この場合、予め定められた条件は、例えば、総面積が最も大きく表示されるという条件とすればよい。
レンダリング画像生成部23は、変更箇所の特徴量として、例えば、変更箇所のレンダリング画像上の個数、つまり、変更箇所が表示される個数を用いてもよい。この場合、予め定められた条件は、例えば、個数が最も多く表示されるという条件とすればよい。
【0025】
また、レンダリング画像生成部23は、モデルに対する変更内容、つまり、モデルに対する変更が追加であるか削除であるかによって重みを変えて、上述した各特徴量を算出してもよい。換言すれば、レンダリング画像生成部23は、変更箇所の三次元形状が凸であるか凹であるかによって重みを変えて、上述した各特徴量を算出してもよい。
レンダリング画像生成部23は、モデルに対する変更が、形状に対する変更か、公差、寸法、素材等のアノテーションに対する変更かによって重みを変えて、上述した各特徴量を算出してもよい。
レンダリング画像生成部23は、変更箇所が、モデルの非変更部分を半透過させなくても見える箇所であるか、モデルの非変更部分を半透過させることにより見える箇所であるかによって重みを変えて、上述した各特徴量を算出してもよい。その際、前者の箇所に対する重みよりも後者の箇所に対する重みを小さくするとよい。この場合、前者の箇所の特徴量は、少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で三次元形状の非変更箇所を透過させなくても見える変更箇所の第1の特徴量の一例であり、前者の箇所の特徴量に対する重みは、第1の特徴量の重みである第1の重みの一例である。また、後者の箇所の特徴量は、少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で非変更箇所を透過させることにより見える変更箇所の第2の特徴量の一例であり、後者の箇所の特徴量に対する重みは、第2の特徴量の重みであって第1の重みよりも小さい重みである第2の重みの一例である。更に、ここで算出される特徴量は、第1の特徴量と第1の重みと第2の特徴量と第2の重みとを用いて算出される特徴量の一例である。尚、レンダリング画像生成部23は、モデルの非変更部分を半透過させなくても見える変更箇所にのみアノテーションを付加し、モデルの非変更部分を半透過させることにより見える変更箇所にはアノテーションを付加しないようにしてもよい。
【0026】
更に、レンダリング画像生成部23は、変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たす度合いに応じて複数の視点を特定し、度合いに応じた順番を付けて複数のレンダリング画像を生成してもよい。
ここで、レンダリング画像生成部23は、例えば、変更箇所の特徴量の種類毎に、特徴量が予め定められた条件を満たす度合いに応じて複数の視点を特定し、特徴量の種類毎に度合いに応じた順番を付けて複数のレンダリング画像を生成するとよい。
具体的には、特徴量の種類として面積が指示された場合は、面積第1位、面積第2位、・・・に関連付けて複数のレンダリング画像を生成するとよい。この場合、面積第1位のレンダリング画像は、特徴量が予め定められた条件を満たす度合いが第1の度合いとなる視点から三次元形状を見たときの画像の一例である。また、面積第2位のレンダリング画像は、特徴量が予め定められた条件を満たす度合いが第1の度合いよりも低い第2の度合いとなる視点から三次元形状を見たときの画像の一例である。
特徴量の種類として個数が指示された場合は、個数第1位、個数第2位、・・・に関連付けて複数のレンダリング画像を生成するとよい。この場合、個数第1位のレンダリング画像は、特徴量が予め定められた条件を満たす度合いが第1の度合いとなる視点から三次元形状を見たときの画像の一例である。また、個数第2位のレンダリング画像は、特徴量が予め定められた条件を満たす度合いが第1の度合いよりも低い第2の度合いとなる視点から三次元形状を見たときの画像の一例である。
レンダリング画像生成部23は、例えば、変更箇所の特徴量の種類を跨いで、特徴量が予め定められた条件を満たす度合いに応じて複数の視点を特定し、度合いに応じた順番を付けて複数のレンダリング画像を生成してもよい。具体的には、面積第1位、個数第1位、面積第2位、個数第2位、・・・に関連付けて複数のレンダリング画像を生成するとよい。この場合、面積第1位のレンダリング画像は、一の特徴量がその特徴量に対応する予め定められた条件である一の条件を満たす度合いが特定の度合いとなる視点から三次元形状を見たときの画像の一例である、個数第1位のレンダリング画像は、他の特徴量がその特徴量に対応する予め定められた条件である他の条件を満たす度合いが特定の度合いとなる視点から三次元形状を見たときの画像の一例である。尚、視点を特定するために用いる特徴量の種類は、ユーザ操作によって変更可能としてもよい。
【0027】
送信部24は、レンダリング画像生成部23が生成したレンダリング画像を表示するように端末装置30へ送信する。本実施の形態では、特定の画像を表示するように制御することの一例として、送信部24の処理を行っている。
【0028】
具体的には、送信部24は、まず、既定の視点からモデルを見て2次元にレンダリングした最初のレンダリング画像を端末装置30へ送信する。その後、送信部24は、予め定められた事象が発生すると、レンダリング画像生成部23が生成した次のレンダリング画像を端末装置30へ送信する。尚、送信部24は、最初のレンダリング画像から次のレンダリング画像に変化するまでの途中のレンダリング画像も順次送信し、端末装置30でアニメーション表示が行われるようにしてもよい。本実施の形態では、予め定められた視点から三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、特定の画像を表示するように制御することの一例として、送信部24のこの処理を行っている。尚、予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象であってもよいし、ユーザが予め定められた操作を行うという事象であってもよい。
【0029】
また、送信部24は、レンダリング画像生成部23が順番を付けて複数のレンダリング画像を生成した場合は、予め定められた事象が発生すると、複数のレンダリング画像を順番に応じて順次端末装置30へ送信する。尚、送信部24は、あるレンダリング画像から次のレンダリング画像に変化するまでの途中のレンダリング画像も順次送信し、端末装置30でアニメーション表示が行われるようにしてもよい。本実施の形態では、特定の画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる他の視点から三次元形状を見たときの画像である他の画像を表示するように制御することの一例として、送信部24のこの処理を行っている。尚、予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象であってもよいし、ユーザが、複数の視点をそれぞれ示す複数の表示要素から、他の視点を示す表示要素を選択する操作を行うという事象であってもよい。ここで、図12の選択ボタン321(321a~321e)は、複数の視点をそれぞれ示す複数の表示要素の一例である。
【0030】
更に、送信部24は、ユーザによる連続的な視点の移動操作に応じて、各視点からモデルを見て2次元にレンダリングしたレンダリング画像を端末装置30へ送信してもよい。ユーザによる連続的な視点の移動操作とは、例えば、ユーザがマウス等のポインタデバイスを用いて端末装置30を操作する場合、マウスの左クリックを維持したままドラッグ操作を行うことによりドラッグ操作の方向と距離に応じて連続的に視点を移動させる操作のことである。この操作は、プロセッサ11に、複数の視点の各視点から三次元形状を見たときの画像を順次表示するように制御させるためのユーザ操作の一例である。その際、送信部24は、ユーザが視点の移動操作中に指示した視点が、レンダリング画像生成部23が決定した視点に一致すると、その旨を端末装置30へ送信してもよい。この場合、ユーザによる視点の移動操作の情報は、受信部21により受信されて、送信部24に渡されればよい。これにより、端末装置30は、音、バイブレーション等でユーザにフィードバックしてもよいし、ユーザが移動操作中の視点をユーザが指示した視点に固定してもよい。本実施の形態では、ユーザの操作により複数の視点の各視点から三次元形状を見たときの画像を順次表示するように制御し、特定の視点から三次元形状を見たときの画像が表示された場合に、ユーザにその旨を報知することの一例として、送信部24のこの処理を行っている。
【0031】
[差分表示装置の動作例]
差分表示装置10では、まず、受信部21が、編集前のモデルと編集後のモデルとを受信する。
次に、差分表示装置10では、変更箇所特定部22が、受信部21により受信された編集前のモデルと編集後のモデルとを比較して、編集前後のモデルの変更箇所を特定する。
【0032】
次に、差分表示装置10では、レンダリング画像生成部23が、変更箇所特定部22により特定された変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる視点からモデルを見て2次元にレンダリングしたレンダリング画像を生成する。
ここで、このレンダリング画像生成部23の動作について詳細に説明する。
【0033】
図14は、この動作の考え方について示した図である。図示するように、XY平面上にありX軸から角度θだけ傾いた直線をL1とし、L1とZ軸とを含む平面上にありZ軸から角度φだけ傾いた直線をL2とする。そして、直線L2上に、常に原点O(モデルの中心)を向くように、原点Oから距離dの位置に視点Vを設定する。この状態で、角度φ、θが取り得る全ての組み合わせを考慮すれば、あらゆる視点から見たときの特徴量を考慮することになる。
【0034】
図15は、レンダリング画像生成部23の動作例を示すフローチャートである。
図示するように、まず、レンダリング画像生成部23は、φ、θ回転量を全て0°に設定する(ステップ201)。
次に、レンダリング画像生成部23は、現在のφ、θ回転量の視点から見たモデルを2次元にレンダリングしたレンダリング画像を生成する(ステップ202)。この場合、現在のφ、θ回転量とは、ステップ201で設定された、又は、後述するようにステップ205もしくはステップ207で設定されたφ、θ回転量のことである。
次に、レンダリング画像生成部23は、ステップ202で生成されたレンダリング画像における特徴量を算出する(ステップ203)。ここで、特徴量とは、複数の変更箇所のうちの特定の変更箇所のレンダリング画像上での面積、複数の変更箇所のレンダリング画像上での総面積、複数の変更箇所のレンダリング画像上での個数等である。
これにより、レンダリング画像生成部23は、現在のφ、θ回転量と、ステップ202で生成されたレンダリング画像と、ステップ203で算出された特徴量とを対応付けた対応情報を記憶する(ステップ204)。尚、レンダリング画像については、それが記憶された領域のアドレスを対応付けてもよい。
【0035】
その後、レンダリング画像生成部23は、φ回転量を5°増加させる(ステップ205)。ここで、φ回転量の増加幅5°はあくまで一例である。計算量を削減する観点から、φ回転量の増加幅は30°、60°等としてもよい。そして、レンダリング画像生成部23は、φ回転量が360°以上になったか否かを判定する(ステップ206)。
φ回転量が360°以上になっていなければ、レンダリング画像生成部23は、処理をステップ202へ戻し、現在のφ、θ回転量についてステップ202~206の処理を繰り返す。この場合、現在のφ、θ回転量とは、ステップ205で設定されたφ、θ回転量のことである。
φ回転量が360°以上になっていれば、レンダリング画像生成部23は、φ回転量を0°に設定してθ回転量を5°増加させる(ステップ207)。ここで、θ回転量の増加幅5°はあくまで一例である。計算量を削減する観点から、θ回転量の増加幅は30°、60°等としてもよい。そして、レンダリング画像生成部23は、θ回転量が360°以上になったか否かを判定する(ステップ208)。
θ回転量が360°以上になっていなければ、レンダリング画像生成部23は、処理をステップ202へ戻し、現在のφ、θ回転量についてステップ202~208の処理を繰り返す。この場合、現在のφ、θ回転量とは、ステップ207で設定されたφ、θ回転量のことである。
θ回転量が360°以上になっていれば、レンダリング画像生成部23は、第1ソートキーを特徴量とし、第2ソートキーをφ、θ回転量として、対応情報をソートする(ステップ209)。尚、この際、特徴量が基準値以下の対応情報は、削除してもよい。
【0036】
次に、差分表示装置10では、送信部24が、レンダリング画像生成部23により生成されたレンダリング画像を端末装置30へ送信する。
図16は、送信部24の動作例を示すフローチャートである。
図示するように、まず、送信部24は、既定のφ、θ回転量の視点から見たモデルを2次元にレンダリングしたレンダリング画像を端末装置30へ送信する(ステップ251)。
次に、送信部24は、予め定められた事象が発生したか否かを判定する(ステップ252)。ここで、予め定められた事象とは、予め定められた時間が経過するという事象であってよい。この場合、送信部24は、図示しない計時部が予め定められた時間を計時したか否かによって、この事象が発生したか否かを判定するとよい。或いは、予め定められた事象は、ユーザが予め定められた操作を行うという事象であってもよい。この場合、送信部24は、ユーザが予め定められた操作を行った旨の情報を受信部21が受信したか否かによって、この事象が発生したか否かを判定するとよい。
【0037】
予め定められた事象が発生していない場合、送信部24は、ステップ252の処理を繰り返す。
予め定められた事象が発生した場合、送信部24は、図15のステップ209でソートされた対応情報において、処理済のφ、θ回転量以外で先頭にあるφ、θ回転量に対応付けられたレンダリング画像を、端末装置30へ送信する(ステップ253)。
次に、送信部24は、図15のステップ209でソートされた対応情報において、未処理のφ、θ回転量があるか否かを判定する(ステップ254)。
未処理のφ、θ回転量がある場合、送信部24は、予め定められた事象が発生したか否かを判定する(ステップ255)。この場合の予め定められた事象及びこの事象が発生したか否かの判定方法は、ステップ252と同じである。
予め定められた事象が発生していない場合、送信部24は、ステップ255の処理を繰り返す。
予め定められた事象が発生した場合、送信部24は、処理をステップ253へ戻す。
ステップ254で未処理のφ、θ回転量がなくなった場合、送信部24は、処理を終了する。
【0038】
[変形例]
上記では、差分表示装置10と端末装置30とからなる差分表示システム1が本実施の形態を実現することとしたが、これには限らない。例えば、差分表示装置10が本実施の形態を実現することとしてもよい。この場合、差分表示装置10の送信部24が端末装置30へレンダリング画像を送信して端末装置30にレンダリング画像を表示するのではなく、差分表示装置10の表示制御部が自装置の表示デバイスにレンダリング画像を表示する。
【0039】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0040】
[プログラム]
本実施の形態における差分表示装置10が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
この場合、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定する機能と、三次元形状データに基づく画像であって、少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0041】
[付記]
(((1)))
1又は複数のプロセッサを備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定し、
前記三次元形状データに基づく画像であって、前記少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する、
情報処理システム。
(((2)))
前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所の画像上での面積である、(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記予め定められた条件は、前記面積が最も大きく表示されるという条件である、(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所の画像上での個数である、(((1)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記予め定められた条件は、前記個数が最も多く表示されるという条件である、(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記特徴量は、複数の変更箇所のうちの特定の変更箇所の画像上での面積である、(((1)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記特定の変更箇所は、前記複数の変更箇所の中で、変更前と変更後の差分が最も大きな変更箇所である、(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記予め定められた条件は、前記面積が最も大きく表示されるという条件である、(((6)))又は請求項(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記特徴量は、前記少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で前記三次元形状の非変更箇所を透過させなくても見える変更箇所の第1の特徴量と、当該第1の特徴量の重みである第1の重みと、前記少なくとも1つの変更箇所のうち画像上で当該非変更箇所を透過させることにより見える変更箇所の第2の特徴量と、当該第2の特徴量の重みであって当該第1の重みよりも小さい重みである第2の重みとを用いて、算出される、(((1)))に記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1又は複数のプロセッサは、予め定められた視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、前記特定の画像を表示するように制御する、(((1)))乃至請求項(((9)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象である、(((10)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
前記予め定められた事象は、ユーザが予め定められた操作を行うという事象である、(((10)))に記載の情報処理システム。
(((13)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像を表示するように制御した後、予め定められた事象が発生すると、前記特徴量が前記予め定められた条件を満たすこととなる他の視点から前記三次元形状を見たときの画像である他の画像を表示するように制御する、(((1)))乃至請求項(((9)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((14)))
前記予め定められた事象は、予め定められた時間が経過するという事象である、(((13)))に記載の情報処理システム。
(((15)))
前記予め定められた事象は、ユーザが、複数の視点をそれぞれ示す複数の表示要素から、前記他の視点を示す表示要素を選択する操作を行うという事象である、(((13)))に記載の情報処理システム。
(((16)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像として前記少なくとも1つの変更箇所の前記特徴量が前記予め定められた条件を満たす度合いが第1の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、前記予め定められた事象が発生すると、当該特徴量が当該予め定められた条件を満たす度合いが当該第1の度合いよりも低い第2の度合いとなる視点から当該三次元形状を見たときの画像を表示するように制御する、(((13)))に記載の情報処理システム。
(((17)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記特定の画像として前記少なくとも1つの変更箇所の一の特徴量が当該一の特徴量に対応する前記予め定められた条件である一の条件を満たす度合いが特定の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御した後、前記予め定められた事象が発生すると、前記少なくとも1つの変更箇所の他の特徴量が当該他の特徴量に対応する前記予め定められた条件である他の条件を満たす度合いが当該特定の度合いとなる視点から前記三次元形状を見たときの画像を表示するように制御する、(((13)))に記載の情報処理システム。
(((18)))
前記1又は複数のプロセッサは、
ユーザの操作により複数の視点の各視点から前記三次元形状を見たときの画像を順次表示するように制御し、
特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像が表示された場合に、ユーザにその旨を報知する、
(((1)))乃至請求項(((9)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((19)))
コンピュータに、
三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における少なくとも1つの変更箇所を特定する機能と、
前記三次元形状データに基づく画像であって、前記少なくとも1つの変更箇所の特徴量が予め定められた条件を満たすこととなる特定の視点から前記三次元形状を見たときの画像である特定の画像を表示するように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【0042】
(((1)))の発明によれば、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((2)))の発明によれば、変更箇所の画像上での面積に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((3)))の発明によれば、変更箇所の面積が最も大きく表示される視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((4)))の発明によれば、変更箇所の画像上での個数に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((5)))の発明によれば、変更箇所の個数が最も多く表示される視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((6)))の発明によれば、複数の変更箇所のうちの特定の変更箇所の画像上での面積に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((7)))の発明によれば、変更前と変更後の差分が最も大きな変更箇所の画像上での面積に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((8)))の発明によれば、特定の変更箇所の面積が最も大きく表示される視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((9)))の発明によれば、三次元形状の非変更箇所を透過させなくても見える変更箇所を、三次元形状の非変更箇所を透過させることにより見える変更箇所よりも重視して、変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((10)))の発明によれば、三次元形状全体の中での変更箇所の位置をユーザが認識し易くすることができる。
(((11)))の発明によれば、ユーザに特別な操作を要求することなく、三次元形状全体の中での変更箇所の位置をユーザに認識させることができる。
(((12)))の発明によれば、ユーザが希望するタイミングで、三次元形状全体の中での変更箇所の位置をユーザに認識させることができる。
(((13)))の発明によれば、三次元形状の複数の変更箇所の位置関係をユーザが認識し易くすることができる。
(((14)))の発明によれば、ユーザに特別な操作を要求することなく、三次元形状の複数の変更箇所の位置関係をユーザに認識させることができる。
(((15)))の発明によれば、変更箇所に応じた複数の視点のうちユーザが選択した視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
(((16)))の発明によれば、変更箇所に応じた複数の視点から三次元形状を見たときの画像を、変更箇所の同じ特徴量が条件を満たす度合いによって順次表示することができる。
(((17)))の発明によれば、変更箇所に応じた複数の視点から三次元形状を見たときの画像を、変更箇所の異なる特徴量が条件を満たす度合いによって順次表示することができる。
(((18)))の発明によれば、ユーザの操作により各視点から三次元形状を見たときの画像が順次表示されている際に、変更箇所に応じた視点をユーザに知らせることができる。
(((19)))の発明によれば、三次元形状を表す三次元形状データの編集前後における変更箇所に応じた視点から三次元形状を見たときの画像を表示することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…差分表示システム、10…差分表示装置、21…受信部、22…変更箇所特定部、23…レンダリング画像生成部、24…送信部、30…端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16