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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027995
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/06 20060101AFI20240222BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20240222BHJP
   B65D 53/02 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
B65D43/06 200
A47J27/00 107
B65D53/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131278
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚田 悠太
【テーマコード(参考)】
3E084
4B055
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA26
3E084AB10
3E084BA01
3E084CC05
3E084DB13
3E084DC05
3E084FC19
3E084GA08
3E084GB12
3E084GB17
3E084HA05
3E084HB04
3E084HC03
3E084HD01
3E084HD04
3E084LD30
4B055BA04
4B055BA56
4B055CB01
4B055CB03
4B055CB06
(57)【要約】
【解決課題】簡単な構造で、密閉性、洗浄性および乾燥性が良好な容器を提供する。
【解決手段】 容器は、上部に開口部と、前記開口部の周囲を規定する縁部と、を有する箱状の本体と、前記本体の開口部を覆う蓋体と、を備える。前記蓋体は、天板部と、前記天板部の周囲に位置するとともに前記縁部を受容可能に凹状に形成された受容部と、前記受容部内の少なくとも底壁を覆うように充填された弾性体と、を有する。前記受容部は、前記底壁と、一方の端部で前記底壁に接続するとともに前記一方の端部とは反対側の他方の端部で前記底壁から突出して前記天板部に連なる第1壁と、前記底壁から突出する第2壁であって前記第1壁と対向するとともに前記第1壁よりも前記底壁からの突出高さが小さい第2壁と、を有する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部と、前記開口部の周囲を規定する縁部と、を有する箱状の本体と、
前記本体の開口部を覆う蓋体と、
を備え、
前記蓋体は、
天板部と、
前記天板部の周囲に位置するとともに前記縁部を受容可能に凹状に形成された受容部と、
前記受容部内の少なくとも底壁を覆うように充填された弾性体と、
を有し、
前記受容部は、前記底壁と、一方の端部で前記底壁に接続するとともに前記一方の端部とは反対側の他方の端部で前記底壁から突出して前記天板部に連なる第1壁と、前記底壁から突出する第2壁であって前記第1壁と対向するとともに前記第1壁よりも前記底壁からの突出高さが小さい第2壁と、を有する容器。
【請求項2】
前記弾性体の厚さは、前記底壁から前記第2壁が突出する突出高さと略同等か、又は前記底壁から前記第2壁が突出する突出高さよりも小さく且つ前記底壁から前記第2壁が突出する突出高さの2/3の高さよりも大きい請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記弾性体は、前記底壁を覆う位置から延びて前記第1壁を覆った請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記弾性体は、前記第1壁を覆う位置から延びて前記天板部の少なくとも一部を覆った請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記本体は、フランジ部を有し、前記フランジ部は前記縁部の近傍に設けられ外側に突出し、
前記蓋体は、複数の係合部を有し、前記複数の係合部は、前記フランジ部に係合したり前記フランジ部との係合を解除したりするように回動可能であり、
前記フランジ部は、前記縁部と対向する側とは反対側に前記複数の係合部を受容可能な複数の窪み部を有し、前記複数の窪み部は、前記本体のコーナ部から外れた位置に設けられる請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を収納可能な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等を冷蔵庫などで保管するための容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この容器は、上部に開口部を有する箱状の本体と、本体の開口部を覆う蓋体と、を有する。本体は、開口部の周囲を規定する環状の上縁部を有する。蓋体は、環状かつ溝状の凹部を有し、凹部内に本体の上縁部を収納することで、本体内を密封するように本体に対して装着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-55644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この容器を使用後に洗浄する際に、この蓋体の凹部に対して食品の一部が入り込んでしまう問題がある。この場合、蓋体の洗浄性が悪いという問題がある。また、食品容器を洗浄後、乾燥させる際に、乾燥性も悪いという問題もある。一方で、密閉性も確保したいという要望もある。
従って、本発明の目的は、簡単な構造で、密閉性、洗浄性および乾燥性が良好な容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)の容器は、
上部に開口部と、前記開口部の周囲を規定する縁部と、を有する箱状の本体と、
前記本体の開口部を覆う蓋体と、
を備え、
前記蓋体は、
天板部と、
前記天板部の周囲に位置するとともに前記縁部を受容可能に凹状に形成された受容部と、
前記受容部内の少なくとも底壁を覆うように充填された弾性体と、
を有し、
前記受容部は、前記底壁と、一方の端部で前記底壁に接続するとともに前記一方の端部とは反対側の他方の端部で前記底壁から突出して前記天板部に連なる第1壁と、前記底壁から突出する第2壁であって前記第1壁と対向するとともに前記第1壁よりも前記底壁からの突出高さが小さい第2壁と、を有する。
【0006】
また、本発明(2)の容器は、(1)記載の容器であって、
前記弾性体の厚さは、前記底壁から前記第2壁が突出する突出高さと略同等か、又は前記底壁から前記第2壁が突出する突出高さよりも小さく且つ前記底壁から前記第2壁が突出する突出高さの2/3の高さよりも大きい。
【0007】
また、本発明(3)の容器は、(2)記載の容器であって、
前記弾性体は、前記底壁を覆う位置から延びて前記第1壁を覆った。
【0008】
また、本発明(4)の容器は、(3)記載の容器であって、
前記弾性体は、前記第1壁を覆う位置から延びて前記天板部の少なくとも一部を覆った。
【0009】
また、本発明(5)の容器は、(1)に記載の容器であって、
前記本体は、フランジ部を有し、前記フランジ部は前記縁部の近傍に設けられ外側に突出し、
前記蓋体は、複数の係合部を有し、前記複数の係合部は、前記フランジ部に係合したり前記フランジ部との係合を解除したりするように回動可能であり、
前記フランジ部は、前記縁部と対向する側とは反対側に前記複数の係合部を受容可能な複数の窪み部を有し、前記複数の窪み部は、前記本体のコーナ部から外れた位置に設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構造で、密閉性、洗浄性および乾燥性が良好な食品容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の容器を上方向から示す平面図である。
図2図1に示す容器を正面方向から示した正面図である。
図3図1に示す容器の蓋体を上方向から示す斜視図である。
図4図3に示す蓋体を上方向から示した平面図である。
図5図4に示す蓋体のF5-F5線に沿った断面図である。
図6図4に示す蓋体のF6-F6線に沿った断面図である。
図7図5に示すA部を拡大して示す断面図である。
図8図1に示す容器の本体を上方から示す斜視図である。
図9図8に示す本体を底面方向から示した底面図である。
図10図8に示す本体を正面方向から示した正面図である。
図11図9に示す本体のF11-F11線の位置に沿った断面図である。
図12図11に示すB部を拡大して示す断面図である。
図13図1に示す容器の右方向から示す右側面図である。
図14図13に示す容器のC部を拡大して示す断面図である。
図15】第2実施形態の容器の蓋体を容器の長手方向に沿う面で切断して示す断面図である。
図16図15に示す蓋体のD部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の容器の実施形態について説明する。本発明の容器は、例えば、主として家庭内で使用され、内部に食品等を収納して冷蔵庫内で保管できるものである。このため、本発明の容器には、密閉性の良さ、洗浄の容易さ、洗浄後の乾燥のしやすさ等の各性能が、ユーザから高いレベルで要求されるものである。
[第1実施形態]
【0013】
図1図14を参照して、第1実施形態の容器11について説明する。図1図2に示すように、容器11は、上部を開口した略長方形で箱状の本体12と、本体12の上部の開口部13を覆う蓋体14と、を備える。
【0014】
図3図6に示すように、蓋体14は、平坦な天板部15と、天板部15の周囲に設けられる凹状の受容部16と、受容部16内の少なくとも底壁23(図7参照)を覆うように充填された弾性体17と、受容部16の外側に設けられた複数の係合部18と、を有する。
天板部15、受容部16、および複数の係合部18は、合成樹脂材料、一例としてポリプロピレン等の材料によって一体に成形されている。
【0015】
受容部16は、天板部15の周囲を取り囲むように枠状(額縁状)に形成されている。受容部16は、本体12の後述する縁部45を受容することができる。受容部16は、直線状に形成された4つの辺部21と、円弧状に形成され隣接する2つの辺部21同士を接続する4つのコーナ部22と、を有する。
【0016】
図7に示すように、受容部16の各部(辺部21、コーナ部22)は、天板部15と略平行に形成された底壁23と、底壁23から起立する第1壁24と、第1壁24よりも外側の位置で底壁23から起立する第2壁25と、を有する。底壁23は、略平坦に形成されている。
【0017】
第1壁24は、天板部15の周囲を取り囲むように環状に形成されている。第1壁24は、第2壁25よりも内側(天板部15寄り)の位置で、底壁23と交差(略直交)する方向に延びている。第1壁24は、底壁23に接続する一方の端部26と、天板部15に接続する他方の端部27と、を有する。
【0018】
第2壁25は、第1壁24の周囲を取り囲むように環状に形成されている。第2壁25は、第1壁24と対向するとともに、底壁23と交差(略直交)する方向に延びている。第1壁24と第2壁25との間には、所定寸法の隙間が設けられ、この隙間に対して本体12の後述する縁部45が差し込まれるようになっている。底壁23から第2壁25の先端25Aが突出する高さは、底壁23から第1壁24の先端(他方の端部27)が突出する高さよりも小さい。
【0019】
弾性体17は、例えばサーモプラスチック・エラストマー(熱可塑性樹脂ゴム弾性体)や合成ゴム等で構成されている。弾性体17は、底壁23を覆う第1部分31と、第1部分31から延びて第1壁24を覆う第2部分32と、天板部15の少なくとも一部を覆う第3部分33と、を有する。第1~第3部分31~33は、一体的に成形されている。第3部分33は、天板部15の外縁側の一部を覆っている。第1部分31の厚さは、第2壁25の先端25Aが底壁23から突出する高さよりも小さい。また、第1部分31の厚さは、第2壁25の先端25Aが底壁23から突出する高さの2/3の高さよりも大きい。
【0020】
図1図4に示すように、複数の係合部18は、受容部16の4か所の辺部21に1対1で対応するように、4か所の辺部21の外側の4か所に設けられている。図7に示すように、複数の係合部18のそれぞれは、係合部本体34と、係合部本体34と受容部16の辺部21とを接続する接続部35と、を有する。
【0021】
図7に示すように、係合部本体34は、後述する本体12の窪み部37に差し込まれる爪部38と、ユーザによって指が掛けられる指掛部41と、を有する。爪部38は、その先端の断面が円弧状に形成されている。接続部35は、可撓性を有しており、本体12のフランジ部42と係合した係合位置43と、本体12のフランジ部42から分離した分離位置44と、の間で回動可能に係合部本体34を保持できる。
【0022】
本体12は、合成樹脂材料、一例としてポリプロピレン等によって一体に成形されている。図8図11に示すように、本体12は、開口部13と、開口部13の周囲を規定するように環状をなした縁部45と、縁部45の近傍に設けられたフランジ部42と、角部に設けられた4つの脚部46と、を有する。
【0023】
フランジ部42は、縁部45の根元から外側に広がるように環状(フランジ状)に設けられている。フランジ部42は、直線的に形成された4つの第2辺部51と、円弧状に形成され隣接する2つの第2辺部51同士を接続する4つの第2コーナ部52と、を有する。
【0024】
図11図12に示すように、フランジ部42は、縁部45と対向する側とは反対側に複数の窪み部37を有する。図2図9等に示すように、複数の窪み部37は、蓋体14側の係合部18に対応する位置に設けられている。すなわち、複数の窪み部37は、第2コーナ部52から外れた位置で、第2辺部51にそれぞれ対応する4か所に設けられている。図11図12に示すように、複数の窪み部37のそれぞれは、断面円弧状に窪んで設けられている。
【0025】
続いて、本発明の容器11において、本体12に対して蓋体14を着脱する際の作用について説明する。
【0026】
図1図2図13に示すように、本体12の内部に食品等を収納後、本体12に対して蓋体14を固定するには、本体12に対して蓋体14を位置合わせして、蓋体14の受容部16に対して本体12の縁部45を差し込むように本体12に蓋体14を取り付ける。このとき、弾性体17の第1部分31および第2部分32が本体12の縁部45に当接することで、本体12に対して蓋体14が正しく位置決めされ、本体12に対する蓋体14の取り付けがガイドされる。
【0027】
これによって、図13図14に示すように、蓋体14の受容部16に対して本体12の縁部45が差し込まれる。この状態で、ユーザが4つの係合部18に対して、順番に指掛部41を把持して、それぞれ分離位置44から係合位置43に移動させる。これによって、係合部18の爪部38が窪み部37内に嵌ってこれに係合し、本体12に対して蓋体14が固定される。
【0028】
一方、本体12から蓋体14を取り外す際には、ユーザが係合部18の指掛部41に対して指を掛けることで、窪み部37に対する爪部38の係合が解除され、本体12から蓋体14を取り外すことができる。
【0029】
本実施形態では、受容部16に弾性体17が充填されているために、受容部16内の窪みの深さが小さく、受容部16内に食品等が入り込み難く、清掃性が良好となる。また、容器11の使用後に容器11を洗浄する際にも、スポンジ等が届きやすく洗浄性が良好となる。さらに、容器11を乾燥させる際にも、水切れがよく乾燥性も良好となる。また、本体12の窪み部37が本体12の第2コーナ部52から外れた位置で、第2辺部51に対応する位置に設けられているために、第2コーナ部52付近に水が溜まってしまうことがなく、乾燥性が良好となる。
【0030】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。容器11は、上部に開口部13と、開口部13の周囲を規定する縁部45と、を有する箱状の本体12と、本体12の開口部13を覆う蓋体14と、を備え、蓋体14は、天板部15と、天板部15の周囲に位置するとともに縁部45を受容可能に凹状に形成された受容部16と、受容部16内の少なくとも底壁23を覆うように充填された弾性体17と、を有し、受容部16は、底壁23と、一方の端部26で底壁23に接続するとともに一方の端部26とは反対側の他方の端部27で底壁23から突出して天板部15に連なる第1壁24と、底壁23から突出する第2壁25であって第1壁24と対向するとともに第1壁24よりも底壁23からの突出高さが小さい第2壁25と、を有する。
【0031】
この構成によれば、底壁23から突出する第2壁25の突出高さを第1壁24よりも小さくしているため、受容部16内に食品等が入り込んだ場合でも、受容部16内にスポンジ等を届きやすくすることができ、洗浄性が悪くなることを防止できる。また、洗浄後に水切れも良好にすることができ、乾燥性を向上できる。さらに、弾性体17によって、容器11の内部の密閉性を良好にすることができる。
【0032】
この場合、弾性体17の厚さは、底壁23から第2壁25が突出する突出高さよりも小さく且つ底壁23から第2壁25が突出する突出高さの2/3の高さよりも大きい。
【0033】
この構成によれば、弾性体17によって受容部16内の隙間を埋めることができるため、受容部16内に残存する空間を小さくすることができる。これによって、受容部16内に残る空間に食品等の一部が入り込み、且つ、当該食品等が除去し難くなるという可能性を低減して、洗浄性および乾燥性を良好にすることができる。
【0034】
弾性体17は、底壁23を覆う位置から延びて第1壁24を覆った。この構成によれば、弾性体17の底壁23に対応する位置だけでなく、弾性体17の第1壁24に対応する位置でも弾性体17によって密閉性を確保することができる。これによって、容器11の密閉性をさらに良好にすることができる。
【0035】
弾性体17は、第1壁24を覆う位置から延びて天板部15の少なくとも一部を覆った。この構成によれば、弾性体17を天板部15の一部にまで至るようにすることで、弾性体17と第1壁24との間の接着性・密着性を良好にできる。これによって、本体12に対して蓋体14の着脱を繰り返した場合でも、弾性体17が第1壁24からはがれてしまう不具合を生じることを防止できる。さらに、弾性体17のうち、天板部15の少なくとも一部を覆った位置(第3部分33)に、弾性体17を射出成形する際のゲートを設けるようにすれば、密閉性に影響する弾性体17の第1壁24に対応する部分(第2部分32)において、気泡等の欠陥を生じる可能性を極力低減できる。
【0036】
本体12は、フランジ部42を有し、フランジ部42は縁部45の近傍に設けられ外側に突出し、蓋体14は、複数の係合部18を有し、複数の係合部18はフランジ部42に係合したりフランジ部42との係合を解除したりするように回動可能であり、フランジ部42は、縁部45と対向する側とは反対側に複数の係合部18を受容可能な複数の窪み部37を有し、複数の窪み部37は、本体12のコーナ部から外れた位置に設けられる。
【0037】
この構成によれば、係合部18を設けることによって、本体12に対する蓋体14の固定を確実にすることができ、容器11の密閉性をさらに確実にすることができる。また、窪み部37が本体12のコーナ部(第2コーナ部52)から外れた位置に設けられるため、窪み部37の設置面積を小さくすることができる。これによって、容器11を洗浄した後に、窪み部37にたまった水の水切れを良好にすることができる。
【0038】
以下の実施形態では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
[第2実施形態]
【0039】
図15図16を参照して、第2実施形態の容器11について説明する。
【0040】
本実施形態において、受容部16内に設けられる弾性体17の第1部分31は、底壁23から第2壁25の先端が突出する突出高さと略同等の高さまで充填される。したがって、受容部16内に充填される弾性体17の第1部分31の厚さは、底壁23から第2壁25の先端25Aが突出する突出高さと略同等である。弾性体17の材質は、第1実施形態と同様に例えばサーモプラスチック・エラストマー(熱可塑性樹脂ゴム弾性体)や合成ゴム等であってもよいし、第1実施形態よりも柔らかく変形がしやすいサーモプラスチック・エラストマーや合成ゴム等を用いてもよい。
【0041】
本実施形態では、受容部16に窪みが存在しないか、存在したとしてもごくわずかな窪みである。なお、本体12の形態は、第1実施形態と同様である。
【0042】
続いて、本発明の容器11において、本体12に対して蓋体14を着脱する際の作用について説明する。
【0043】
本体12の内部に食品等を収納後、本体12に対して蓋体14を固定するには、本体12に対して蓋体14を位置合わせして、蓋体14の受容部16に対して本体12の縁部45を差し込むように本体12に蓋体14を取り付ける。このとき、弾性体17の第1部分31および第2部分32が本体12の縁部45に当接することで、本体12に対して蓋体14が正しく位置決めされ、本体12に対する蓋体14の取り付けがガイドされる。
【0044】
このとき、弾性体17が弾性力を発揮して、受容部16内に縁部45を受け入れることができる。これによって、蓋体14の受容部16に対して本体12の縁部45が差し込まれる。この状態で、ユーザが4つの係合部18に対して、順番に指掛部41を把持して、それぞれ分離位置44から係合位置43に移動させる。これによって、係合部18の爪部38が窪み部37内に嵌ってこれに係合し、本体12に対して蓋体14が固定される。
【0045】
本体12から蓋体14を取り外す際には、ユーザが係合部18の指掛部41に対して指を掛けることで、窪み部37に対する爪部38の係合が解除され、本体12から蓋体14を取り外すことができる。蓋体14を取り外した後には、弾性体17が弾性力を発揮して、弾性体17が元の形状に戻って受容部16に窪みが形成されなくなる。
【0046】
本実施形態では、受容部16に弾性体17が充填され、且つ受容部16内に空間が存在しないために、受容部16内に食品等が入り込むことがなく、清掃性が良好となる。また、容器11の使用後に容器11を洗浄する際にも、スポンジ等が届きやすく洗浄性が良好となる。さらに、容器11を乾燥させる際にも、受容部16に水がたまることがなく、水切れがよく乾燥性も良好となる。また、本体12の窪み部37が本体12の第2コーナ部52から外れた位置で、第2辺部51に対応する位置に設けられているために、第2コーナ部52付近に水が溜まってしまうことがなく乾燥性が良好となることは第1実施形態と同様である。
【0047】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。弾性体17の厚さは、底壁23から第2壁25が突出する突出高さと略同等である。
【0048】
この構成によれば、受容部16内に空間が残らないために、受容部16内に食品等の一部が入り込んでしまう可能性がない。これによって、容器11の洗浄性および乾燥性を良好にすることができる。
【0049】
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。また、上記実施形態同士を適宜に組み合わせて発明を実現することも当然にできる。
【符号の説明】
【0050】
11 容器
12 本体
13 開口部
14 蓋体
15 天板部
16 受容部
17 弾性体
18 係合部
23 底壁
24 第1壁
25 第2壁
26 一方の端部
27 他方の端部
31 第1部分
32 第2部分
33 第3部分
37 窪み部
42 フランジ部
45 縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16