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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027998
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】副室式エンジン
(51)【国際特許分類】
   F02B 19/08 20060101AFI20240222BHJP
   F02F 3/26 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
F02B19/08 E
F02B19/08 G
F02F3/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131288
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中野 博紀
(72)【発明者】
【氏名】牧 正也
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 誉広
【テーマコード(参考)】
3G023
【Fターム(参考)】
3G023AA02
3G023AB05
3G023AB09
3G023AC03
3G023AC04
3G023AD02
3G023AD14
3G023AD22
3G023AD27
3G023AD29
(57)【要約】
【課題】副燃焼室から主燃焼室内へのガス流れの剥離を抑制し、強い流動を形成すること。
【解決手段】シリンダ及びシリンダヘッドと、前記シリンダ及び前記シリンダヘッドとの間で主燃焼室を画成するピストンと、を備え、前記シリンダヘッドの内部には、前記主燃焼室と噴孔を介して連通される副燃焼室が画成され、前記噴孔は、副室側開口から主室側開口に向かって、前記噴孔の中心と前記シリンダの中心軸線との距離が小さくなるように延在し、前記ピストンの頂面は、凹状のピストンキャビティを有しており、前記シリンダの中心軸線及び前記主室側開口の中心が存在する断面視において、前記主室側開口の周縁のうち前記シリンダの中心軸線から遠い側の第1端は、前記ピストンキャビティの周縁のうち前記噴孔に近い側の第2端よりも、前記シリンダの中心軸線から遠くに位置する副室式エンジンを提供する。
【選択図】図2B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ及びシリンダヘッドと、
前記シリンダ及び前記シリンダヘッドとの間で主燃焼室を画成するピストンと、を備え、
前記シリンダヘッドの内部には、前記主燃焼室と噴孔を介して連通される副燃焼室が画成され、
前記噴孔は、副室側開口から主室側開口に向かって、前記噴孔の中心線と前記シリンダの中心軸線との距離が小さくなるように延在し、
前記ピストンの頂面は、凹状のピストンキャビティを有しており、
前記シリンダの中心軸線及び前記主室側開口の中心が存在する断面視において、前記主室側開口の周縁のうち前記シリンダの中心軸線から遠い側の第1端は、前記ピストンキャビティの周縁のうち前記噴孔に近い側の第2端よりも、前記シリンダの中心軸線から遠くに位置する
副室式エンジン。
【請求項2】
前記断面視において、前記主室側開口の幅をD、前記第1端と前記第2端との前記シリンダの中心軸線と直交する方向の距離をLとした場合に、L/D≧0.1を満たす
請求項1に記載の副室式エンジン。
【請求項3】
前記断面視において、前記噴孔の壁面のうち前記シリンダの中心軸線から離れた側の遠方側壁面の接線であって前記第1端を通過する第1接線は、前記副室式エンジンのクランク角が上死点後5~20度の範囲内における所定の角度において、前記ピストンキャビティの前記第2端を通過する、
請求項1に記載の副室式エンジン。
【請求項4】
前記ピストンキャビティは、前記断面視において、前記第2端を通過するR部を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の副室式エンジン。
【請求項5】
前記R部は、前記ピストンの頂面から前記ピストンキャビティまでの距離が最も大きい最深部を有する、
請求項4に記載の副室式エンジン。
【請求項6】
前記ピストンキャビティは、前記断面視において、前記最深部から前記ピストンキャビティの周縁のうち前記噴孔から遠い側の第4端に向かって前記ピストンの頂面からの距離が小さくなるように延在する傾斜部を有する、
請求項5に記載の副室式エンジン。
【請求項7】
前記ピストンキャビティは、前記断面視において、前記ピストンの頂面からの距離が一定である平坦部を有する、
請求項5に記載の副室式エンジン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、副室式エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの一形式として、副室式エンジン(渦流室式エンジン)が用いられている。副室式エンジンは、ピストンとシリンダとシリンダヘッドとの間に画成される主燃焼室と、該主燃焼室と噴孔を介して連通される副燃焼室とを備えている。副燃焼室内で発生した燃焼ガス(副室ガス)は、ピストン運動に伴う主燃焼室の体積変化によって、噴孔を介して主燃焼室内に噴出する。
【0003】
特許文献1には、燃焼室内の拡散燃焼を促進することを目的とした副室式エンジンが開示されている。この副室式エンジンでは、ピストンの頂面のピストンキャビティの形状を、噴孔出口付近からシリンダ中心方向に向かって遠浅にすることにより、主燃焼室内の混合気生成を促進し、燃焼室内の拡散燃焼の促進を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-93475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に示す従来の構成では、ピストンキャビティは、すべてのクランク角において高い流量係数を維持するために、噴孔の主室側開口を囲うように設けられている。つまり、主室側開口とピストンキャビティの周縁とは平面図においてオーバーラップしないように配置されている。よって、特許文献1に示す従来の構成では、噴孔流速が大きくなる時期において、副燃焼室から主燃焼室内へのガス流れが剥離するため、強い流動を形成することができないという問題があった。
【0006】
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、副燃焼室から主燃焼室内への副室ガスの流れの剥離を抑制し、強い流動を形成することでエンジンの高出力化を図ることができる副室式エンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係る副室式エンジンは、シリンダ及びシリンダヘッドと、前記シリンダ及び前記シリンダヘッドとの間で主燃焼室を画成するピストンと、を備え、前記シリンダヘッドの内部には、前記主燃焼室と噴孔を介して連通される副燃焼室が画成され、前記噴孔は、副室側開口から主室側開口に向かって、前記噴孔の中心と前記シリンダの中心軸線との距離が小さくなるように延在し、前記ピストンの頂面は、凹状のピストンキャビティを有しており、前記シリンダの中心軸線及び前記主室側開口の中心が存在する断面視において、前記主室側開口の周縁のうち前記シリンダの中心軸線から遠い側の第1端は、前記ピストンキャビティの周縁のうち前記噴孔に近い側の第2端よりも、前記シリンダの中心軸線から遠くに位置する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の副室式エンジンによれば、副燃焼室から主燃焼室内への副室ガスの流れの剥離を抑制し、強い流動を形成することでエンジンの高出力化を図ることができる副室式エンジンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの概略断面図である。
図2A】本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC0度の場合の断面図である。
図2B】本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC15度の場合の断面図である。
図3】本開示の一実施形態にかかるピストンの頂面と噴孔との位置関係を示すための図であって、図2A及び図2Bに示すA-A線矢視図である。
図4】本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの拡大断面図であって、ATDC15度の場合における副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流れを説明するための図である。
図5A】本開示の一比較形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC0度の場合の断面図である。
図5B】本開示の一比較形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC15度の場合の断面図である。
図6】本開示の一比較形態にかかるピストンの頂面と噴孔との位置関係を示すための図であって、図5A及び図5Bに示すA-A線矢視図である。
図7】本開示の一比較形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの拡大断面図であって、副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流れを説明するための図である。
図8】本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの噴孔回りの拡大断面図であって、ATDC15度の場合の拡大断面図である。
図9】本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンにおける噴孔流速と主燃焼室の体積変化率の推移を示すグラフである。
図10】本開示の他の一実施形態にかかる副室式エンジンの概略断面図である。
図11】本開示の他の一実施形態にかかるピストンの頂面と噴孔との位置関係を示すための図であって、図12に示すB-B線矢視図である。
図12】本開示の他の一実施形態にかかる副室式エンジンの噴孔回りの拡大断面図であって、ATDC15度の場合の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
【0011】
図1は、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの概略断面図である。
図1に示したように、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジン100は、シリンダ8と、シリンダヘッド4と、ピストン7を備えている。シリンダ8は、ピストン7を収容する円筒状の部材である。シリンダヘッド4は、シリンダ8の上部に配置されている。ピストン7は、シリンダ8の内部に中心軸線CLに沿って往復動可能に配置されている。そして、シリンダ8及びシリンダヘッド4とピストン7との間で主燃焼室1が画成されている。
【0012】
シリンダヘッド4の内部には、主燃焼室1と噴孔3を介して連通される副燃焼室2が画成されている。噴孔3は、主燃焼室1に面する開口である主室側開口31と、副燃焼室2 に面する開口である副室側開口32とを有しており、副室側開口32から主室側開口31に向かって延在する1つの孔状部により構成されている。
図示した実施形態では、シリンダヘッド4は、シリンダヘッド本体4Aと、シリンダヘッド本体4Aとの間で副燃焼室2を画成する副室口金9とを含んでいる。副室口金9は、ピストン7及びシリンダ8に対向する円盤状の本体部91と、本体部91の外周縁部からピストン7及びシリンダ8から離間するように径方向に沿って延在する径方向延在部92とを含んでいる。副室口金9は、シリンダヘッド本体4Aに対して、螺合や嵌合、ボルト止めなどの公知の手段によって締結されている。そして、上述した噴孔3は、本体部91に形成されている。
また、図示しない実施形態では、シリンダヘッドは、図1に示したシリンダヘッド本体4Aの部分と副室口金9の部分とが一体に形成されたシリンダヘッドとして構成されていてもよい。このようなシリンダヘッドは、例えば、金属積層造形などによって製造される。
【0013】
シリンダヘッド4には、燃料噴射弁5が設けられている。そして、燃料噴射弁5から副燃焼室2に燃料が噴射されるように構成されている。また、シリンダヘッド4には、グロープラグ6が設けられており、燃料噴射弁5から噴射された燃料を着火するように構成されている。着火された燃焼ガス及び未燃ガスを含む副室ガスは、ピストン7が上死点(TDC)を過ぎたタイミングで、噴孔3を介して副燃焼室2から主燃焼室1へ噴出するようになっている。
【0014】
副燃焼室2は、シリンダ8の中心軸線CLに対して一方側に設けられている。そして、噴孔3は、副室側開口32から主室側開口31に向かって、噴孔3の中心線33とシリンダ8の中心軸線CLとの距離が小さくなるように延在する。
図示した実施形態では、中心線33が直線となるように構成されている。図示しない実施形態では、中心線33が曲線状となるように構成されていてもよく、直線と曲線とが組み合わされて構成されていてもよい。
【0015】
ピストン7の頂面71は、平坦状の平坦状部71Bと、平坦状部71Bに対して凹んでいる凹状のピストンキャビティ71Aを有している。
次に、図2A図2B、及び図3を用いてピストンキャビティ71Aと噴孔3との位置関係について説明する。
【0016】
<第1の実施の形態>
図2Aは、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC0度の場合の断面図である。図2Bは、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC15度の場合の断面図である。図3は、本開示の一実施形態にかかるピストンの頂面と噴孔との位置関係を示すための図であって、図2A及び図2Bに示すA-A線矢視図である。
【0017】
図2A及び図2Bに示したように、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、主室側開口31の周縁31e(図3参照)は、シリンダ8の中心軸線CLから遠い側の第1端311と、近い側の第3端312とを有している。同様に、ピストンキャビティ71Aの周縁71e(図3参照)は、噴孔3に近い側の第2端711と、遠い側の第4端712とを有している。そして、主室側開口31の第1端311は、ピストンキャビティ71Aの第2端711よりもシリンダ8の中心軸線CLから遠くに位置するように構成されている。
【0018】
すなわち、図3に示したように、ピストン7の頂面71をシリンダ8の中心軸線CLの延在方向に沿って視認した平面視において、主室側開口31をシリンダ8の中心軸線CLの延在方向に沿ってピストン7の頂面71に投影した領域は、ピストンキャビティ71Aの周縁71eと重複するように構成されている。
【0019】
図4は、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの拡大断面図であって、ATDC15度の場合における副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流れを説明するための図である。後述する図9に示したように、主燃焼室1の体積変化率は、ATDC5~20度のときに特に大きくなっている。本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンによれば、図4に示したように、主燃焼室1の体積変化率が大きいとき、すなわち、噴孔3内の副燃焼室2から主燃焼室1へ噴出する副室ガスの流速が大きいときに、副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流れの剥離を抑制することができる。これに対して、後述する図7における比較形態では、副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流れが剥離してしまう。
【0020】
図5Aは、本開示の一比較形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC0度の場合の断面図である。図5Bは、本開示の一比較形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの断面図であって、ATDC15度の場合の断面図である。図6は、本開示の一比較形態にかかるピストンの頂面と噴孔との位置関係を示すための図であって、図5A及び図5Bに示すA-A線矢視図である。なお、図中の符号は、図2A図2B図3における対応する各構成の符号に対して「´」を付記している。
【0021】
図5A及び図5Bに示したように、シリンダ8´の中心軸線CL´及び主室側開口31´の中心31c´が存在する断面視において、主室側開口31´の周縁のうちシリンダ8´の中心軸線CL´から遠い側の第1端311´は、ピストンキャビティ71A´の周縁71e´(図6参照)のうち噴孔3´に近い側の第2端711´とシリンダ8´の中心軸線CL´から同じ距離に位置するように構成されている。
【0022】
すなわち、図6に示したように、ピストン7´の頂面71´をシリンダ8´の中心軸線CL´の延在方向に沿って視認した平面視において、主室側開口31´をシリンダ8´の中心軸線CL´の延在方向に沿ってピストン7´の頂面71´に投影した領域は、ピストンキャビティ71A´の周縁71e´と内側で接するように構成されている。
【0023】
図7は、本開示の一比較形態にかかる副室式エンジンの燃焼室回りの拡大断面図であって、副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流れを説明するための図である。図7に示したように、一比較形態では、主燃焼室1の体積変化率が大きいとき、すなわち、噴孔3´内の副燃焼室2´から主燃焼室1´への副室ガスの流速が大きいときに、第2端711´付近にデッドスペースが形成されてしまう。そのため、副室ガスの一部がデッドスペースに流れ込んでしまい、副燃焼室2´から主燃焼室1´への副室ガスの流れの一部が主流から剥離してしまう。
【0024】
以上の通り、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジン100によれば、噴孔3内の副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流速が大きいときに、副燃焼室2から主燃焼室1へ噴出する副室ガスの流れの剥離を抑制することができる。これにより、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することで、主燃焼室1内における混合気形成が促進され、副室式エンジン100の高出力化を図ることができる。また、すす(Soot)の増加や、排気温度の増大を抑制することができる。
【0025】
図8は、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンの噴孔回りの拡大断面図であって、ATDC15度の場合の拡大断面図である。
幾つかの実施形態では、図8に示したように、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、主室側開口31の幅をD、第1端311と第2端711とのシリンダ8の中心軸線CLと直交する方向の距離をLとした場合に、L/D≧0.1を満たす。
【0026】
上述したL/Dは、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上0.5以下である。図示した実施形態では、L/Dは約0.4である。
【0027】
このような構成によれば、ピストン7が上死点から所定のクランク角以上進角した場合に副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流れの剥離をより抑制することができ、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、図8に示したように、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、噴孔3の壁面のうちシリンダ8の中心軸線CLから離れた側の遠方側壁面34の接線34Lであって第1端311を通過する第1接線34L1は、副室式エンジン100のクランク角が上死点後(ATDC)5~20度の範囲内における所定の角度において、ピストンキャビティ71Aの第2端711を通過する。
【0029】
すなわち、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、第1端311と第2端711とのシリンダ8の中心軸線CLと直交する方向の距離をL、第1端311と第2端711とのシリンダ8の中心軸線CLと平行な方向の隙間距離Tであって、副室式エンジン100のクランク角が5度における隙間距離をT1、クランク角が20度における隙間距離をT2とし、遠方側壁面34の第1接線34L1とシリンダ8の中心軸線CLと直交する水平方向とのなす鋭角側の角度をθとした場合に、水平方向における第1端311と第2端711との距離Lは、下記式(1)を満たす。
T1/tanθ<L<T2/tanθ・・・(1)
【0030】
図示した実施形態では、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、噴孔3は、シリンダ8の中心軸線CLから離れた側の遠方側壁面34と、シリンダ8の中心軸線CLから近い側の近方側壁面35とを有している。また噴孔3は、副室側開口32から主室側開口31に至るまで同一径を有している。図示しない実施形態では、副室側開口32から主室側開口31に至るまで径が狭まるように構成されていてもよい。このような構成によれば、副室側開口32から主室側開口31に至るまで同一径を有している場合と比べて、副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流速をより大きくすることができる。
【0031】
また、図示した実施形態では、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、遠方側壁面34及び近方側壁面35が直線となるように構成されている。そのため、第1接線34L1は、接線34Lに一致する。図示しない実施形態では、遠方側壁面34及び近方側壁面35が曲線状となるように構成されていてもよく、直線と曲線とが組み合わされて構成されていてもよい。
【0032】
図9は、本開示の一実施形態にかかる副室式エンジンにおける噴孔流速と主燃焼室の体積変化率の推移を示すグラフである。図9(a)は、ATDC-60度から60度までの噴孔流速の推移を示すグラフである。図9(b)は、ATDC-60度から60度までの主燃焼室の体積変化率の推移を示すグラフである。
図9に示したように、副室式エンジン100のクランク角がATDC5~20度の範囲内における所定の角度において、主燃焼室1の体積変化率が大きく、すなわち、噴孔3内の副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流速が大きくなる。
【0033】
上述した通り、本発明者らの検討したところによれば、クランク角がATDC5~20度の範囲において主燃焼室1の体積変化率が大きく、副燃焼室2から主燃焼室1へ噴出される副室ガスの流速が大きくなることが分かっている。
よって、このような構成によれば、主燃焼室1の体積変化率が大きいとき、すなわち、噴孔3内の副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流速が大きいときに、第1端311を通過する第1接線34L1が、ピストンキャビティ71Aの第2端711を通過する。つまり、噴孔3から噴出されたガスがピストンキャビティ71Aの周縁71eから底面に向かってピストンキャビティ71Aの側面に沿って流れる。
そのため、副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流れの剥離をより抑制することができ、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0034】
幾つかの実施形態では、上述した第1接線34L1は、副室式エンジン100のクランク角がATDC10~20度の範囲内における所定の角度において、ピストンキャビティ71Aの第2端711を通過する。また、幾つかの実施形態では、副室式エンジン100のクランク角がATDC12~18度の範囲内における所定の角度において、ピストンキャビティ71Aの第2端711を通過する。
【0035】
図9に示したように、副室式エンジン100のクランク角がATDC10~20度の範囲内における所定の角度において、更には、クランク角がATDC12~18度の範囲内における所定の角度において、主燃焼室1の体積変化率が大きく、すなわち、噴孔3内の副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流速が大きくなる。したがって、このような構成によれば、副燃焼室2から主燃焼室1への副室ガスの流れの剥離をより抑制することができ、副燃焼室2から主燃焼室1内により強い流動を形成することができる。
【0036】
幾つかの実施形態では、図8に示したように、ピストンキャビティ71Aは、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、第2端711を通過するR部71Rを有する。
【0037】
図示した実施形態では、R部71Rは、第2端711から変曲点713までの単一の円弧で構成されている。図示しない実施形態では、R部71Rは曲率半径の異なる複数の円弧で構成されていてもよい。その場合には、第2端711を通過する曲率半径が小さい円弧と、変曲点713を通過する曲率半径が大きい円弧を含んでいてもよい。
【0038】
このような構成によれば、副燃焼室2から主燃焼室1内への副室ガスの流れを滑らかにすることができ、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、図8に示したように、R部71Rは、ピストン7の頂面71からピストンキャビティ71Aまでの距離が最も大きい最深部714を有する。
図示した実施形態では、最深部714は主室側開口31の第3端312よりもシリンダ8の中心軸線CLに近い位置にある。
【0040】
このような構成によれば、副燃焼室2から主燃焼室1内への副室ガスの流れを滑らかにすることができ、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、図1及び図8に示したように、ピストンキャビティ71Aは、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、最深部714からピストンキャビティ71Aの周縁71eのうち噴孔3から遠い側の第4端712に向かってピストン7の頂面71(平坦状部71B)からの距離が小さくなるように延在する傾斜部71Iを有する。
【0042】
図示した実施形態では、傾斜部71Iは、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、最深部714から変曲点713までのR部71Rと、変曲点713から第4端712まで直線状に延在する直線状部71Lを有する。
【0043】
また、上述した傾斜部71Iを有するピストンキャビティ71Aは、図3に示したように、ピストン7の頂面71をシリンダ8の中心軸線CLの延在方向に沿って視認した平面視において、シリンダ8の中心軸線CLと主室側開口31の中心31cを通る方向を第1方向、第1方向と直交する方向を第2方向とした場合に、ピストンキャビティ71Aは、第2方向より第1方向が長くなるように構成されている。
【0044】
このような構成によれば、ピストンキャビティ71Aの底部が傾斜部71Iを有するため、主燃焼室1内のガス流れを滑らかにすることができ、混合気生成を促進することができる。本開示の副室式エンジン100によれば、上記のように構成されたピストンキャビティ71Aに対しても主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0045】
<第2の実施の形態>
図10は、本開示の他の一実施形態にかかる副室式エンジンの概略断面図である。図11は、本開示の他の一実施形態にかかるピストンの頂面と噴孔との位置関係を示すための図であって、図12に示すB-B線矢視図である。図12は、本開示の他の一実施形態にかかる副室式エンジンの噴孔回りの拡大断面図であって、ATDC15度の場合の拡大断面図である。図10図12に示される第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態とピストンキャビティの形状のみが異なっている。そのため、同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0046】
幾つかの実施形態では、図10及び図12に示したように、ピストンキャビティ71Aは、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、ピストン7の頂面71からの距離が一定である平坦部71Fを有する。
【0047】
図示した実施形態では、ピストンキャビティ71Aは、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、第2端711から変曲点713までのR部71Rと、変曲点713を通り、ピストン7の頂面71からの距離が一定となるように延在する平坦部71Fを有する。平坦部71Fにおける噴孔3から遠い側の端部は、第4端712を通る段部を形成している。
【0048】
図示した実施形態では、図11に示したように、ピストン7の頂面71をシリンダ8の中心軸線CLの延在方向に沿って視認した平面視において、シリンダ8の中心軸線CLと主室側開口31の中心31cを通る方向を第1方向、第1方向と直交する方向を第2方向とした場合に、ピストンキャビティ71Aは、第1方向より第2方向が長くなるように構成されている。
また、第2の実施の形態に係るピストンキャビティ71Aは、第1の実施の形態と比較して、第1方向が短く、第2方向が長くなるように構成されている。
【0049】
本開示の副室式エンジン100によれば、上記のように構成されたピストンキャビティ71Aに対しても主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0050】
幾つかの実施形態では、図12に示したように、ピストンキャビティ71Aは、シリンダ8の中心軸線CL及び主室側開口31の中心31cが存在する断面視において、第2端711を通過するR部71Rを有する。
【0051】
このような構成によれば、副燃焼室2から主燃焼室1内への副室ガスの流れを滑らかにすることができ、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0052】
幾つかの実施形態では、図12に示したように、R部71Rは、ピストン7の頂面71からピストンキャビティ71Aまでの距離が最も大きい最深部714を有する。
図示した実施形態では、最深部714は主室側開口31の第3端312よりもシリンダ8の中心軸線CLに近い位置にある。
【0053】
このような構成によれば、副燃焼室2から主燃焼室1内への副室ガスの流れを滑らかにすることができ、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0054】
図示した実施形態では、R部71Rは、ピストンキャビティ71Aを基準としてシリンダヘッド4に近い側に中心を有し、第2端711を通る円弧と、ピストンキャビティ71Aを基準としてシリンダヘッド4に遠い側に中心を有し、変曲点713を通る円弧から構成されている。したがって、このような構成によれば、変曲点713におけるピストンキャビティ71Aの変曲を滑らかにすることができる。そのため、副燃焼室2から主燃焼室1内への副室ガスの流れを滑らかにすることができ、副燃焼室2から主燃焼室1内に強い流動を形成することができる。
【0055】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
【0056】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0057】
(1)一の態様に係る副室式エンジン(100)は、
シリンダ(8)及びシリンダヘッド(4)と、
前記シリンダ(8)及び前記シリンダヘッド(4)との間で主燃焼室(1)を画成するピストン(7)と、を備え、
前記シリンダヘッド(4)の内部には、前記主燃焼室(1)と噴孔(3)を介して連通される副燃焼室(2)が画成され、
前記噴孔(3)は、副室側開口(32)から主室側開口(31)に向かって、前記噴孔(31)の中心(31c)と前記シリンダ(8)の中心軸線(CL)との距離が小さくなるように延在し、
前記ピストン(7)の頂面(71)は、凹状のピストンキャビティ(71A)を有しており、
前記シリンダ(8)の中心軸線(CL)及び前記主室側開口(31)の中心(31c)が存在する断面視において、前記主室側開口(31)の周縁(31e)のうち前記シリンダ(8)の中心軸線(CL)から遠い側の第1端(311)は、前記ピストンキャビティ(71A)の周縁(71e)のうち前記噴孔(3)に近い側の第2端(711)よりも、前記シリンダ(8)の中心軸線(CL)から遠くに位置する。
【0058】
本開示に係る副室式エンジンによれば、噴孔は、副室側開口から主室側開口に向かって、噴孔の中心線とシリンダの中心軸線との距離が小さくなるように延在するとともに、断面視において、第1端が第2端よりもシリンダの中心軸線から遠くに位置する。そのため、主燃焼室の体積変化率が大きいとき、すなわち、噴孔内の副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流速が大きいときに、副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流れの剥離を抑制することができる。これにより、主燃焼室内に強い流動を形成することで、主燃焼室内における混合気形成が促進され、副室式エンジンの高出力化を図ることができる。
【0059】
(2)別の態様に係る副室式エンジン(100)は、(1)に記載の副室式エンジンであって、
前記断面視において、前記主室側開口(31)の幅をD、前記第1端(311)と前記第2端(711)との前記シリンダ(8)の中心軸線(CL)と直交する方向の距離をLとした場合に、L/D≧0.1を満たす。
【0060】
このような構成によれば、ピストンが上死点から所定のクランク角以上進角した場合に副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流れの剥離をより抑制することができ、主燃焼室内に強い流動を形成することができる。
【0061】
(3)さらに別の態様に係る副室式エンジン(100)は、(1)又は(2)に記載の副室式エンジンであって、
前記断面視において、前記噴孔(3)の壁面のうち前記シリンダ(8)の中心軸線(CL)から離れた側の遠方側壁面(34)の接線(34L)であって前記第1端(311)を通過する第1接線(34L1)は、前記副室式エンジン(100)のクランク角が上死点後5~20度の範囲内における所定の角度において、前記ピストンキャビティ(71A)の前記第2端(711)を通過する。
【0062】
本発明者らの検討したところによれば、クランク角が上死点後5~20度の範囲において主燃焼室の体積変化率が大きく、副燃焼室から主燃焼室へ噴出される副室ガスの流速が大きくなることが分かっている。
よって、このような構成によれば、主燃焼室の体積変化率が大きいとき、すなわち、噴孔内の副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流速が大きいときに、第1端を通過する第1接線が、ピストンキャビティの第2端を通過する。つまり、噴孔から噴出された副室ガスがピストンキャビティの周縁から底面に向かってピストンキャビティの側面に沿って流れる。
そのため、副燃焼室から主燃焼室へ噴出する副室ガスの流れの剥離をより抑制することができ、主燃焼室内に強い流動を形成することができる。
【0063】
(4)さらに別の態様に係る副室式エンジン(100)は、(1)~(3)のいずれかに記載の副室式エンジンであって、
前記ピストンキャビティ(71A)は、前記断面視において、前記第2端(711)を通過するR部(71R)を有する。
【0064】
このような構成によれば、副燃焼室から主燃焼室内へ噴出する副室ガスの流れを滑らかにすることができ、主燃焼室内に強い流動を形成することができる。
【0065】
(5)さらに別の態様に係る副室式エンジン(100)は、(4)に記載の副室式エンジンであって、
前記R部(71R)は、前記ピストン(7)の頂面(71)から前記ピストンキャビティ(71A)までの距離が最も大きい最深部(714)を有する。
【0066】
このような構成によれば、副燃焼室(2)から主燃焼室(1)内へ噴出する副室ガスの流れをより滑らかにすることができ、主燃焼室(1)内に強い流動を形成することができる。
【0067】
(6)さらに別の態様に係る副室式エンジン(100)は、(5)に記載の副室式エンジンであって、
前記ピストンキャビティ(71A)は、前記断面視において、前記最深部(714)から前記ピストンキャビティ(71A)の周縁(71e)のうち前記噴孔(3)から遠い側の第4端(712)に向かって前記ピストン(7)の頂面(71)からの距離が小さくなるように延在する傾斜部(71I)を有する。
【0068】
このような構成によれば、ピストンキャビティの底部が傾斜部を有するため、主燃焼室内のガス流れを滑らかにすることができ、混合気生成を促進することができる。本開示の副室式エンジンによれば、上記のように構成されたピストンキャビティに対しても主燃焼室内に強い流動を形成することができる。
【0069】
(7)さらに別の態様に係る副室式エンジン(100)は、(5)に記載の副室式エンジンであって、
前記ピストンキャビティ(71A)は、前記断面視において、前記ピストン(7)の頂面(71)からの距離が一定である平坦部(71B)を有する。
【0070】
本開示の副室式エンジンによれば、上記のように構成されたピストンキャビティに対しても主燃焼室内に強い流動を形成することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 主燃焼室
2 副燃焼室
3 噴孔
4 シリンダヘッド
4A シリンダヘッド本体
5 燃料噴射弁
6 グロープラグ
7 ピストン
8 シリンダ
9 副室口金
31 主室側開口
31c 中心
31e,71e 周縁
32 副室側開口
33 中心線
34 遠方側壁面
34L 接線
34L1 第1接線
35 近方側壁面
71 頂面
71A ピストンキャビティ
71B 平坦状部
71F 平坦部
71I 傾斜部
71L 直線状部
71R R部
91 本体部
92 径方向延在部
100 副室式エンジン
311 第1端
312 第3端
711 第2端
712 第4端
713 変曲点
714 最深部
CL 中心軸線
L 距離
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12