(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024027999
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240222BHJP
G06Q 90/00 20060101ALI20240222BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q90/00 310
G08B27/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131290
(22)【出願日】2022-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 高志
【テーマコード(参考)】
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5C087AA19
5C087DD02
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG82
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】利用者の防災をより適切に支援すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、災害に関する災害情報と、利用者に関する利用者情報とを取得する取得部と、取得部によって取得された災害情報と利用者情報とに基づいて、利用者に対して防災情報を生成する生成部と、支援者となる利用者が被支援者となる利用者の避難支援を希望する場合に、支援者となる利用者の防災情報に被支援者となる利用者の防災情報の要素を含めた支援用防災情報を提供する提供部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害に関する災害情報と、利用者に関する利用者情報とを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記災害情報と前記利用者情報とに基づいて、利用者に対して防災情報を生成する生成部と、
支援者となる前記利用者が被支援者となる前記利用者の避難支援を希望する場合に、前記支援者となる前記利用者の防災情報に前記被支援者となる前記利用者の防災情報の要素を含めた支援用防災情報を提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、
前記支援者となる前記利用者の防災情報の要素と、前記被支援者となる前記利用者の防災情報の要素とに基づいて、前記支援者となる前記利用者が前記被支援者となる前記利用者を迎えに行くために作り替えた前記支援用防災情報を提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記利用者それぞれの備蓄品に関する情報を前記利用者情報として予め取得し、
前記提供部は、
前記支援者となる前記利用者の前記備蓄品に関する情報と、前記被支援者となる前記利用者の備蓄品に関する情報とに基づいて、前記支援者となる前記利用者が前記被支援者となる前記利用者を迎えに行く順路を決定した前記支援用防災情報を提供すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記支援者となる前記利用者の前記備蓄品に関する情報と、前記被支援者となる前記利用者の備蓄品に関する情報とに基づいて、前記支援者となる前記利用者が前記被支援者となる前記利用者を迎えに行くタイミングを決定した前記支援用防災情報を提供すること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記支援者となる前記利用者が前記被支援者となる前記利用者を迎えに行く場合に、前記支援者となる前記利用者と前記被支援者となる前記利用者との合流地点に基づいて、合流後の避難場所を決定した前記支援用防災情報を提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記合流地点までの経路の災害状況に応じて決定した前記合流地点までの経路を含む前記支援用防災情報を提供すること
を特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
災害状況に応じて前記支援用防災情報を、前記支援者となる前記利用者と前記被支援者となる前記利用者とがそれぞれ個別に避難するための前記防災情報へ切り替えて提供すること
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
災害に関する災害情報と、利用者に関する利用者情報とを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記災害情報と前記利用者情報とに基づいて、利用者に対して防災情報を生成する生成工程と、
支援者となる前記利用者が被支援者となる前記利用者の避難支援を希望する場合に、前記支援者となる前記利用者の防災情報に前記被支援者となる前記利用者の防災情報の要素を含めた支援用防災情報を提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
災害に関する災害情報と、利用者に関する利用者情報とを取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記災害情報と前記利用者情報とに基づいて、利用者に対して防災情報を生成する生成手順と、
支援者となる前記利用者が被支援者となる前記利用者の避難支援を希望する場合に、前記支援者となる前記利用者の防災情報に前記被支援者となる前記利用者の防災情報の要素を含めた支援用防災情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洪水や土砂災害などの災害の警報を通知する技術が知られている。例えば、警報に関する警報情報を受信した場合、受信した警報情報に含まれる位置情報が、利用者によって予め登録された位置情報と一致した場合に、受信した警報情報を利用者に提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、利用者によって予め登録された位置に対応する警報情報を利用者に通知することに留まり、改善の余地がある。例えば、災害の発生時において利用者間で情報共有を行うことついては考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の防災をより適切に支援することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、災害に関する災害情報と、利用者に関する利用者情報とを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記災害情報と前記利用者情報とに基づいて、利用者に対して防災情報を生成する生成部と、支援者となる前記利用者が被支援者となる前記利用者の避難支援を希望する場合に、前記支援者となる前記利用者の防災情報に前記被支援者となる前記利用者の防災情報の要素を含めた支援用防災情報を提供する提供部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者の防災をより適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る利用者設定情報記憶部に記憶される利用者設定情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る想定危険度判定情報記憶部に記憶される想定危険度判定情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る文言対応情報記憶部に記憶される文言対応情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置から提供され端末装置に表示される項目選択画面および利用者環境入力画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置から提供され端末装置に表示される危険度チェック結果画面および行動開始タイミング設定画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理装置から提供され端末装置に表示されるタイミング設定確認画面および行動設定開始画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る情報処理装置から提供され端末装置に表示される同居情報設定画面および備蓄品設定確認画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る情報処理装置から提供され端末装置に表示される連絡先設定画面および連絡先確認画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る情報処理装置から提供され端末装置に表示される避難先追加画面および避難先編集画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る情報処理装置から提供され端末装置に表示され避難先設定画面および設定完了画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る端末装置に表示される防災画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る端末装置に表示される表示画面および防災画面の他の例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る端末装置に表示される表示画面の別の例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る設定情報に関する提案処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施形態に係る外出先における防災タイムラインの提供処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、実施形態に係る支援用防災情報への切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理〕
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、本実施形態においては情報処理装置1により情報処理方法が実行される。
【0011】
図1に示すように、情報処理装置1は、利用者U1,U2,・・・,Unによって用いられる端末装置2それぞれと通信可能に接続されており、それぞれの端末装置2との間で情報の送受信を行う。
【0012】
端末装置2は、スマートフォンまたはタブレットであるが、デスクトップPC(Personal Computer)またはノートPCなどであってもよい。以下において、利用者U1,U2,・・・,Unの各々を個別に区別せずに示す場合、利用者Uと記載する場合がある。
【0013】
情報処理装置1は、利用者U1,U2,・・・,Unに関する情報である利用者情報と、設定情報とを各端末装置2から収集する(ステップS1)。利用者情報には、利用者Uに関する複数の属性の情報が含まれている。複数の属性は、例えば、利用者Uの拠点の位置、利用者Uの拠点の属性、利用者Uの属性などを含む。利用者Uの拠点の属性は、例えば、利用者Uの拠点の建物属性と占有位置などを含む。利用者Uの拠点は、自宅であるが、利用者Uによって設定された自宅以外の拠点であってもよく、自宅と自宅以外の拠点とを含んでいてもよい。また、設定情報は、利用者Uの災害時における避難行動に関する各種設定であって、例えば、災害時に避難する避難所、自宅から避難所までの避難ルート、および、災害時に連絡する連絡先などといった項目を有する。
【0014】
また、情報処理装置1は、災害関連情報処理装置3から災害関連情報を収集する(ステップS2)。災害関連情報は、災害に関する情報であり、ハザードマップ情報、警報情報、および気象予報情報などを含む。ハザードマップ情報は、浸水想定区域の情報および土砂災害警戒区域の情報などを含む。警報情報は、災害の警報に関する情報であり、警報の対象となる領域である警報対象領域の情報や各警報対象領域の警戒レベルの情報などを含む。気象予報情報は、予測される地域毎の時間当たりの降雨量や風速を示す情報などを含む。
【0015】
情報処理装置1は、ステップS1で収集した利用者情報とステップS2で収集した災害関連情報とに基づいて、利用者U1,U2,・・・,Unへ提供する防災情報を生成する(ステップS3)。
【0016】
また、情報処理装置1は、ステップS3で生成した防災情報を例えば、被害想定エリア内に存在するユーザUの端末装置2に送信することで、防災情報を利用者U1,U2,・・・,Unに提供する(ステップS4)。
【0017】
端末装置2は、情報処理装置1から送信される防災情報を情報処理装置1から取得し、取得した防災情報を表示する(ステップS5)。
【0018】
図1に示す例では、利用者U1の端末装置2には、利用者U1の自宅で床上浸水が発生する恐れがある旨の警告が表示される場合を示す。また、この際、利用者U1の端末装置2には、利用者U1と所定の属性を有する利用者U2であるAさんへの避難支援の希望の有無を問うコマンドが表示される。
【0019】
ここで、例えば、利用者U2であるAさんは、例えば、利用者U1と親子関係にあり、例えば、利用者U2は、利用者U1の高齢の親であり、自力での避難が困難な場合を想定する。情報処理装置1は、例えば、利用者U1の設定情報に基づいて、利用者U1が利用者U2の避難支援に関するコマンドを表示するか否かを判定する。なお、情報処理装置1は、利用者U1と利用者U2との属性に基づいて、利用者U1の端末装置2へ避難支援に関するコマンドを表示するか否かを判定するようにしてもよく、利用者U1あるいは利用者U2による支援者や被支援者に関する登録に基づいて判定するようにしてもよい。すなわち、支援者となる利用者U1と被支援者となる利用者U2とは、親子関係に限定されず、その他の関係性であってもよい。
【0020】
そして、情報処理装置1は、例えば、利用者U1が利用者U2であるAさんの避難支援を希望する場合、利用者U1の端末装置2に対し提供する避難情報を支援用避難情報へ切り替えるとともに、利用者U1の端末装置2には、支援用避難情報が表示される(ステップS6)。
【0021】
ここで、支援用避難情報は、例えば、利用者U1に対し、利用者U2との合流地点、合流後の避難場所、あるいは、合流地点および合流後の避難場所までの避難ルートを含む。例えば、利用者U1の自宅に基づいて避難情報を提供する場合、「避難場所A」および「移動ルートX」を含む避難情報が提供される。
【0022】
これに対し、支援用避難情報においては、利用者U1の自宅からAさんとの合流地点である「Aさん宅」を経由し、「Aさん宅」を基準として設定された「避難場所B」へ向かう「移動ルートY」を含む情報が提供されることになる。
【0023】
また、支援用避難情報においては、例えば、支援者となる利用者U1の備蓄品、被支援者となる利用者U2の備蓄品の情報に基づいて、避難行動を開始するタイミングや順路が決定される。
【0024】
例えば、被支援者となる利用者U2の自宅に支援者となる利用者U1の分まで備蓄品を保管している場合、利用者U1は、利用者U1の自宅にて備蓄品を持ち出す準備を行う必要がない。そのため、このような場合においては、利用者U1の自宅を経由せずに、利用者U2の自宅へ向かうように避難するタイミングや順路を決定する。
【0025】
また、例えば、支援用避難情報にて決定した経路の災害状況によっては、支援者である利用者U1と、被支援者である利用者U2とが個別に避難することが良い状況も想定される。
【0026】
例えば、利用者U1の自宅から被支援者となるAさん宅までの経路で河川の氾濫などの被害が発生した場合、あるいは、被害が想定される場合には、利用者U1に対して提供する支援用避難情報をそれぞれが個別に避難するための避難情報に切り替えることになる。これにより、利用者U1が二次災害に遭遇する確率を抑制することができる。
【0027】
このように、情報処理装置1は、支援者となる利用者U1が被支援者となる利用者U2の避難支援を希望する場合、利用者U1へ提供する避難情報に利用者U2の避難情報の要素を含めた支援用避難情報を提供する。
【0028】
これにより、利用者U1は、利用者U2に対して適切な避難支援を行うことが可能となるので、災害時における各利用者Uの避難を適切に支援することができる。また、情報処理装置1は、支援者となる利用者U1が被支援者となる利用者U2の避難支援を希望する場合、被支援者となる利用者U2の端末装置2へ被支援用防災情報を提供する。
【0029】
被支援用防災情報は、被支援者となる利用者U2が支援者となる利用者U1から避難支援を円滑に受けるための情報であり、利用者U1の現在の状況、利用者U1との合流地点、被支援者が避難に際し準備するものなどに関する情報が含まれる。例えば、情報処理装置1は、利用者U1の現在の状況や、災害の状況等に応じて、利用者U2の端末装置2へ提供する被支援用防災情報を随時更新する。これにより、被支援者となる利用者U2は、支援者となる利用者U1との間で各自の避難状況などを共有することができる。
【0030】
〔2.情報提供システム100〕
図2は、実施形態に係る情報提供システム100の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報提供システム100は、情報処理装置1と、端末装置2と、災害関連情報提供装置3と、避難情報提供装置4と、領域状態情報提供装置5と、利用者情報提供装置6とを備える。
【0031】
情報処理装置1は、端末装置2、災害関連情報提供装置3、避難情報提供装置4、領域状態情報提供装置5および利用者情報提供装置6の各々との間で通信ネットワーク7を介して情報の送受信が可能である。通信ネットワーク7は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)またはLAN(Local Area Network)である。なお、通信ネットワーク7は、例えば、4G(4th Generation)または5G(5th Generation)などの移動体通信システムなどを含む構成であるが、かかる例に限定されない。
【0032】
端末装置2は、情報処理装置1から提供される防災タイムラインなどを含む防災情報を取得して表示することができる。また、端末装置2は、例えば、情報処理装置1や避難情報提供装置4などに利用者Uの現在位置を示す位置情報を送信することができる。
【0033】
災害関連情報提供装置3は、災害に関する情報である災害関連情報を情報処理装置1に提供する。災害関連情報は、災害に関する情報であり、ハザードマップ情報、気象予報情報、および警報情報を含む。ハザードマップ情報は、浸水想定区域の情報および土砂災害警戒区域の情報などを含む。警報情報は、災害の警報に関する情報であり、警報の対象となる領域である警報対象領域の情報や各警報対象領域の警戒レベルの情報などを含む。気象予報情報は、予測される地域毎の時間当たりの降雨量や風速を示す情報などを含む。
【0034】
警報情報で示される警戒レベルは、自治体から発表される警戒レベルと気象庁から発表される危険度分布情報(警戒レベルに相当する情報)を目安とする警戒レベルである。かかる警戒レベルには、例えば、警戒レベル3に相当する警戒レベル、警戒レベル4に相当する警戒レベル、警戒レベル5に相当する警戒レベルなどがある。以下において、警報情報によって警戒レベルの警報を発出する場合に、警戒レベルが発表されると記載する場合がある。
【0035】
また、以下において、警戒レベル3に相当する警戒レベルを「警戒レベル3(相当)」または単に「警戒レベル3」と記載し、警戒レベル4に相当する警戒レベルを「警戒レベル4(相当)」または単に「警戒レベル4」と記載する場合がある。また、警戒レベル5に相当する警戒レベルを「警戒レベル5(相当)」または単に「警戒レベル5」と記載する場合がある。
【0036】
避難情報提供装置4は、災害に対する避難に関する情報と複数の利用者Uの各々の避難状況を示す情報とを含む避難情報を情報処理装置1に提供する。災害に対する避難に関する情報は、避難場所を示す情報、避難ルートの候補を示す情報、各避難場所への利用者Uの避難状況を示す情報などを含む。
【0037】
避難場所を示す情報は、避難場所の位置、収容人数、収容面積などを示す情報を災害種別毎に含む。災害種別は、例えば、洪水、土砂災害、地震、台風、噴火などである。避難ルートの候補を示す情報は、各地域から避難場所への複数の移動ルートを示す情報を災害種別毎に含む。
【0038】
利用者Uの避難状況を示す情報は、利用者Uの避難行動の有無、避難途中の利用者Uの位置、利用者Uの避難場所への避難完了の有無、各避難場所へ避難が完了した利用者Uの数および利用者Uの属性(例えば、年齢、性別、身体の状態、同居人の有無、ペットの有無など)などを示す情報を含む。
【0039】
避難情報提供装置4は、例えば、自治体から提供される情報や端末装置2から提供される情報などに基づいて、避難情報を生成することができる。なお、情報提供システム100は、避難情報提供装置4の機能の一部または全部を情報処理装置1が有する構成であってもよい。
【0040】
領域状態情報提供装置5は、複数の利用者Uの拠点と各避難場所との間の各移動ルートを含む領域状態を示す領域状態情報を情報処理装置1に提供する。領域状態情報は、例えば、通行止めの場所、災害などによって危険になった場所または危険になると予測される場所、事故が発生している場所、渋滞している場所などの情報が含まれる。
【0041】
災害などによって危険になった場所または危険になると予測される場所は、例えば、土砂崩れが発生または予測される場所、洪水によって浸水が発生または予測される場所、強風が発生または予測される場所、木や構造物が倒れている場所などである。
【0042】
利用者情報提供装置6は、利用者Uに関する各種利用者情報を情報処理装置1へ提供する。例えば、利用者情報提供装置6は、利用者情報として、各種電子商取引の利用履歴、各種電子決済サービスの利用履歴、電子カルテ、健康保険証の利用履歴、利用者Uの移動履歴などに関する情報を提供する。また、利用者情報提供装置6は、例えば、検索サイトにおける各利用者Uの検索履歴を利用者情報として提供するようにしてもよい。また、利用者情報提供装置6は、例えば、レンタルサイクルや、カーシェアなどの利用履歴を利用者情報として提供するようにしてもよい。
【0043】
〔3.情報処理装置1の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを備える。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1を利用する管理者などから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウスなど)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)を有してもよい。
【0044】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部10は、通信ネットワーク7と有線または無線で接続され、通信ネットワーク7を介して、端末装置2、災害関連情報提供装置3、避難情報提供装置4、領域状態情報提供装置5および利用者情報提供装置6の各々との間で情報の送受信を行う。
【0045】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部11は、利用者情報記憶部20と、利用者設定情報記憶部21と、想定危険度判定情報記憶部22、文言対応情報記憶部23と、避難関連情報記憶部24とを備える。
【0046】
〔3.2.1.利用者情報記憶部20〕
利用者情報記憶部20は、端末装置2の利用者Uの情報を含む利用者情報を記憶する。
図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報の一例を示す図である。
【0047】
図4に示すように、利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報は、「利用者ID(Identifier)」、「デモグラフィック属性」、および「サイコグラフィック属性」などの情報を利用者U毎に含む。「利用者ID」は、各利用者Uに固有の識別情報である。
【0048】
「デモグラフィック属性」は、利用者Uのデモグラフィック属性を示す情報である。デモグラフィック属性は、人口統計学的な利用者Uの属性であり、例えば、性別、年齢、住所、職業、年収、または家族構成などである。「サイコグラフィック属性」は、利用者Uのサイコグラフィック属性を示す情報である。サイコグラフィック属性は、利用者Uの価値観、ライフスタイル、性格、興味関心などを示す属性である。
【0049】
図4に示す例では、利用者ID「U1」の利用者Uは、性別が「男性」であり、年齢が「30代」であり、「服」への興味関心度が「5」であり、「車」への興味関心度が「3」であり、「旅行」への興味関心度が「1」である。なお、興味関心度は、値が大きいほど高いことを示し、例えば、最低値は0であり、最高値は5である。
【0050】
また、利用者ID「U2」の利用者Uは、性別が「女性」であり、年齢が「20代」であり、「服」への興味関心度が「3」であり、「車」への興味関心度が「1」であり、「旅行」への興味関心度が「5」である。また、利用者ID「U3」の利用者Uは、性別が「男性」であり、年齢が「40代」であり、「服」への興味関心度が「0」であり、「車」への興味関心度が「5」であり、「旅行」への興味関心度が「4」である。
【0051】
〔3.2.2.利用者設定情報記憶部21〕
利用者設定情報記憶部21は、利用者Uによって設定された情報である利用者設定情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る利用者設定情報記憶部21に記憶される利用者設定情報の一例を示す図である。
【0052】
図5に示すように、利用者設定情報記憶部21に記憶される利用者情報は、「利用者ID」、「拠点」、「周辺環境」、「同居者」、「設定レベル」、および「ランクコード」などの情報を利用者U毎に含む。「利用者ID」は、各利用者Uに固有の識別情報であり、
図4に示す利用者IDと同じである。
【0053】
「拠点」は、拠点に関する情報であり、拠点の位置および拠点の属性を示す情報を含む。拠点の属性は、拠点の建物属性、占有位置などである。建物属性は、建物の種別、階数、築年数、または構造などである。
【0054】
建物の種別は、一戸建て、または集合住宅である。建物の構造は、例えば、木造、軽量鉄骨、または鉄筋コンクリートである。建物の階数は、建物が集合住宅である場合における集合住宅の最大階数である。占有位置は、建物が集合住宅である場合における利用者Uの集合住宅に占める占有位置、換言すれば、集合住宅における利用者Uの居住位置である。
【0055】
「周辺環境」は、利用者Uの拠点の周辺環境を示す情報であり、「近くに河川」および「近くに崖」などの情報である。「近くに河川」は、利用者Uの拠点の近くに河川があるか否かを示す情報であり、「近くに崖」は、利用者Uの拠点の近くに崖があるか否かを示す情報である。
【0056】
「同居者」は、同居者に関する情報である。同居者は、利用者Uと同居する人およびペットを含む。「同居者」は、「同居人1」、「同居人2」、「ペット1」などの情報を含む。「同居人1」は、1人目の同居人として利用者Uによって登録された同居人の情報であり、「同居人2」は、2人目の同居人として利用者Uによって登録された同居人の情報である。同居人の情報には、「性別」および「世代」などの情報が含まれる。
【0057】
「性別」は、同居人の性別を示す情報であり、
図5に示す例では、同居人が男性の場合「1」が設定され、同居人が女性の場合「2」が設定される。「世代」は、同居人の世代を示す情報であり、同居人が乳幼児(0~2才)の場合、「1」が設定され、同居人が子供(3才~小学6年生)の場合、「2」が設定され、同居人が中学生以上(20才未満)の場合、「3」が設定される。また、「世代」は、同居人が20才~64才の場合、「4」が設定され、同居人が高齢者(65才以上)の場合、「5」が設定される。
【0058】
「ペット1」は、利用者Uのペットに関する情報であり、1匹目のペットとして利用者Uによって登録されたペットの情報である。ペットの情報には、ペットの有無を示す情報またはペットの種類の情報が含まれる。
図5に示す例では、ペットの情報は、利用者Uがペットを飼っていない場合、「0」が設定され、利用者Uが飼っているペットが猫である場合、「1」が設定され、利用者Uが飼っているペットが犬である場合、「2」が設定される。
【0059】
なお、
図5には示していないが、「同居者」には、3人以上の同居人の情報や2匹以上のペット情報が含まれ、また、同居人の情報には、同居人の状態を示す情報が含まれる。同居人の状態は、例えば、身体が不自由な状態、疾病にかかっている状態、精神的な病にかかっている状態などである。
【0060】
「設定レベル」は、利用者Uが通知レベルとして設定した警戒レベルの情報である。通知レベルとして利用者Uが設定可能な警戒レベルは、警戒レベル3および警戒レベル4の2種類であるが、かかる例に限定されない。
【0061】
「ランクコード」は、処理部12によって判定された浸水深ランクコードの情報である。浸水深ランクコードは、利用者Uの拠点の浸水の深さがどの程度であるかを示す情報であり、例えば、1~6までの数字で表される。利用者Uの拠点の浸水が床下浸水(最大50cm)であると判定される場合に、浸水深ランクコード「1」が設定され、利用者Uの拠点の浸水が床上浸水(最大0.5~3m)であると判定される場合に、浸水深ランクコード「2」が設定され、利用者Uの拠点の浸水が2階床上浸水(最大3~5m)であると判定される場合に、浸水深ランクコード「4」が設定される。
【0062】
また、利用者Uの拠点の浸水が2階水没(最大5~10m)であると判定される場合に、浸水深ランクコード「4」が設定され、利用者Uの拠点の浸水が10m以上20m未満であると判定される場合に、浸水深ランクコード「5」が設定され、利用者Uの拠点の浸水が20m以上であると判定される場合に、浸水深ランクコード「6」が設定される。
【0063】
なお、ランクコードは、浸水深ランクコードに代えてまたは加えて土砂埋没深ランクコードであってもよい。土砂埋没深ランクコードは、利用者Uの拠点への土砂流入の深さがどの程度であるかを示す情報である。
【0064】
図5に示す例では、利用者ID「U1」の利用者Uは、拠点がA県B市C1丁目1-1にある2階建ての戸建てであり、拠点の近くに河川と崖があり、拠点での同居人として、0~2才の男児がいて、拠点で猫を1匹飼っており、設定レベルが「3」であり、ランクコードが「3」である。
【0065】
また、利用者ID「U2」の利用者Uは、拠点がA県B市C2丁目3-7にある10階建ての集合住宅の5階であり、拠点の近くに河川があるが崖はなく、拠点での同居人として、中学生以上(20才未満)の女性と男性の高齢者がいて、拠点で犬を1匹飼っており、設定レベルが「3」であり、ランクコードが「2」である。
【0066】
また、利用者ID「U3」の利用者Uは、拠点がA県B市C4丁目5-4にある1階建ての戸建てであり、拠点の近くに河川と崖がなく、拠点での同居人として、3才~小学6年生の男児がいて、拠点でペットを飼っておらず、設定レベルが「4」であり、ランクコードが「1」である。
【0067】
なお、
図5には示していないが、利用者設定情報記憶部21に記憶される利用者設定情報には、例えば、後述する備蓄品リストの情報、連絡先の情報、避難先の情報、避難行動の情報などのように利用者Uによる設定動作によって設定された情報なども含まれる。避難行動の情報は、利用者Uに提案する複数の防災行動、各防災行動の提案タイミング、および防災行動の提案順番などの情報を含む。
【0068】
〔3.2.3.想定危険度判定情報記憶部22〕
想定危険度判定情報記憶部22は、ハザード環境、拠点環境、および周辺環境に応じた第1の通知情報を含む想定危険度判定情報を記憶する。
【0069】
図6は、実施形態に係る想定危険度判定情報記憶部22に記憶される想定危険度判定情報の一例を示す図である。
図6に示す想定危険度判定情報は、「ハザード環境」、「拠点環境」、および「周辺環境」などに第1の通知情報を含む情報である。
【0070】
「ハザード環境」は、利用者Uの拠点が浸水想定区域および土砂災害警戒区域の各々に含まれるか否かで区分けされるハザード環境を示す情報である。具体的には、「ハザード環境」は、浸水想定区域に含まれる、浸水想定区域に含まれない、土砂災害警戒区域に含まれる、土砂災害警戒区域に含まれない、4つのハザード環境を示す情報が含まれる。
【0071】
「拠点環境」は、利用者Uの拠点自体の環境を示す情報であり、
図5に示す例では、利用者Uの拠点の属性を示す情報であり、「戸建て/集合住宅1,2階」または「集合住宅3階以上」である。「戸建て/集合住宅1,2階」は、利用者Uの拠点が戸建てであるか集合住宅の1階か2階であることを示し、「集合住宅3階以上」は、利用者Uの拠点が集合住宅の3階以上であることを示す。
【0072】
なお、「拠点環境」は、
図6に示す例に限定されない。例えば、「拠点環境」は、「1階建て戸建て/集合住宅1階」、「2階建て戸建て/集合住宅2階」、「3階建て戸建て/集合住宅3階」、または「集合住宅4階以上」などであってもよい。また、「拠点環境」は、さらに、建物属性に加え、建物の種別、築年数、および構造などによってさらに区分されてもよい。
【0073】
「周辺環境」は、利用者Uの拠点の周辺環境に応じた情報であり、「該当あり」または「該当なし」などが含まれる。「該当あり」は、利用者Uの拠点の近くに河川または崖があることを示し、「該当なし」は、利用者Uの拠点の近くに河川または崖がないことを示す。
【0074】
想定危険度判定情報には、上述したように、第1の通知情報が含まれる。第1の通知情報は、利用者Uのハザード環境、拠点環境、および周辺環境に応じて想定される危険度である想定危険度に応じて利用者Uに通知される情報である。
【0075】
例えば、
図6に示す例では、利用者Uの拠点の位置が浸水想定区域に含まれる場合、第1の通知情報は、「※のおそれあり」であり、「※」の部分は、浸水深ランクコードによって出し分けられる。例えば、「※」の部分は、浸水深ランクコードが「1」である場合、「床下浸水(最大50cm)」であり、浸水深ランクコードが「2」である場合、「床上浸水(最大0.5~3m)」である。なお、浸水深ランクコードは、利用者Uの拠点の位置、建物属性、および利用者Uの占有位置などによって利用者U毎に処理部12によって判定される。
【0076】
また、利用者Uの拠点の位置が浸水想定区域に含まれない場合、第1の通知情報は、「危険度は比較的低いですが、最新の情報を確認しましょう」である。なお、利用者Uの拠点が浸水想定区域に含まれない場合、第1の通知情報は、浸水想定区域までの距離を示す情報をさらに含んでいてもよい。
【0077】
利用者Uの拠点の位置が土砂災害警戒区域に含まれる場合、第1の通知情報は、「土砂災害のおそれあり」である。なお、利用者Uの拠点が土砂災害警戒区域に含まれない場合の通知情報は、土砂災害警戒区域までの距離を示す情報をさらに含んでいてもよい。
【0078】
利用者Uの拠点の位置が土砂災害警戒区域に含まれず且つ周辺環境が「該当あり」以外である場合、第1の通知情報は、「危険度は比較的低いですが、最新の情報を確認しましょう」である。また、利用者Uの拠点の位置が土砂災害警戒区域に含まれず且つ周辺環境が「該当あり」である場合、第1の通知情報は、「水害による被害(洪水・土砂崩れなど)のおそれあり」である。
【0079】
〔3.2.4.文言対応情報記憶部23〕
文言対応情報記憶部23は、利用者Uが設定した通知レベルと危険度チェックの結果とに応じて利用者Uに対して通知される情報である第2の通知情報を警戒レベル毎に含む文言対応情報を記憶する。
【0080】
図7は、実施形態に係る文言対応情報記憶部23に記憶される文言対応情報の一例を示す図である。
図7に示す文言対応情報は、「利用者設定」および「進行フェイズ」などに第2の通知情報が関連付けられた情報である。
【0081】
「利用者設定」は、利用者Uが任意に設定する警戒レベルであり、「警戒レベル3」または「警戒レベル4」である。「警戒レベル3」および「警戒レベル4」の各々は、「危険度チェックOK」と「危険度チェックNG」に関連付けられる。「危険度チェックOK」は、危険度チェックの結果がOKであることを示し、「危険度チェックNG」は、危険度チェックの結果がNGであることを示す。
【0082】
ここで、文言対応情報が
図7に示す状態であり、利用者Uによって設定された通知レベルが警戒レベル3であり、危険度チェックがOKであるとする。この場合、警戒レベル3の警報が発出されると、通知「防災時の行動を確認してください」と防災TL(TimeLine)トップ「防災時の行動を確認」を含む情報が、警戒レベル4の警報が発出されると、通知「安全確保はできていますか?防災時の行動を確認してください」と防災TLトップ「防災時の行動を確認」を含む情報が、警戒レベル5の警報が発出されると、通知「命を守る行動を」と防災TLトップ「命を守る行動を」を含む情報が第2の通知情報として処理部12によって抽出される。
【0083】
また、文言対応情報が
図7に示す状態であり、利用者Uによって設定された通知レベルが警戒レベル3であり、危険度チェックがNGであるとする。この場合、警戒レベル3の警報が発出されると、通知「危険な場所にいませんか?防災時の行動を確認してください」と防災TLトップ「危険な場所にいませんか?防災時の行動を確認」を含む情報が、警戒レベル4の警報が発出されると、通知「安全確保はできていますか?防災時の行動を確認してください」と防災TLトップ「危険な場所にいませんか?防災時の行動を確認」を含む情報が、警戒レベル5の警報が発出されると、通知「命を守る行動を」と防災TLトップ「命を守る行動を」を含む情報が第2の通知情報として処理部12によって抽出される。
【0084】
また、文言対応情報が
図7に示す状態であり、利用者Uによって設定された通知レベルが警戒レベル4であり、危険度チェックがOKであるとする。この場合、警戒レベル4の警報が発出されると、通知「防災時の行動を確認してください」と防災TLトップ「防災時の行動を確認」を含む情報が、警戒レベル5の警報が発出されると、通知「命を守る行動を」と防災TLトップ「命を守る行動を」を含む情報が第2の通知情報として処理部12によって抽出される。なお、通知レベルが警戒レベル4であるため、警戒レベル3の警報に対応する情報は規定されていない。
【0085】
また、文言対応情報が
図7に示す状態であり、利用者Uによって設定された通知レベルが警戒レベル4であり、危険度チェックがNGであるとする。この場合、警戒レベル3の警報が発出されると、防災TLトップ「危険な場所にいませんか?防災時の行動を確認」を含む情報が、警戒レベル4の警報が発出されると、通知「危険な場所にいる人は全員待避。防災時の行動を確認してください」と防災TLトップ「危険な場所にいる人は全員待避。防災時の行動を確認」を含む情報が、警戒レベル5の警報が発出されると、通知「命を守る行動を」と防災TLトップ「命を守る行動を」を含む情報が第2の通知情報として処理部12によって抽出される。
【0086】
なお、
図7に示す文言対応情報では、危険度チェックOKと危険度チェックNGの2種類に分けて第2の通知情報を各々に割り当てているが、危険度チェックの結果を3段階以上に分けて第2の通知情報を割り当ててもよい。
【0087】
〔3.2.5.避難関連情報記憶部24〕
避難関連情報記憶部24は、避難情報提供装置4から提供される避難情報を含む避難関連情報を記憶する。避難関連情報は、例えば、避難場所を示す情報、避難ルートの候補を示す情報、利用者Uの避難状況を示す情報などを含む。
【0088】
避難場所を示す情報は、避難場所の位置、収容人数、収容面積などを示す情報を災害種別毎に含む。災害種別は、例えば、洪水、土砂災害、地震などである。避難ルートの候補を示す情報は、各地域から避難場所への避難ルートの候補を示す情報を災害種別毎に含む。
【0089】
利用者Uの避難状況を示す情報は、利用者Uの避難行動の有無、避難途中の利用者Uの位置、避難場所への避難完了の有無、各避難場所へ避難が完了した利用者Uの数および利用者Uの属性(例えば、年齢、性別、身体の状態、同居人の有無、ペットの有無など)などを示す情報を含む。
【0090】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部12は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0091】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、推定部31と、評価部32と、決定部33と、生成部34と、提供部35とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、処理部12が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0092】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、端末装置2から送信される利用者情報および設定情報、災害関連情報提供装置3から送信される災害関連情報、避難情報提供装置4から送信される避難情報、領域状態情報提供装置5から送信される領域状態情報、および不図示の交通情報提供装置から送信される交通情報などを通信ネットワーク7および通信部10を介して取得する。
【0093】
また、取得部30は、端末装置2から送信される利用者情報および設定情報については、利用者U本人のみならず、利用者U本人以外の利用者Uから代理で取得することもできる。例えば、取得部30は、利用者U本人以外として、当該利用者Uの親族から利用者Uに関する利用者情報および設定情報を取得する。
【0094】
また、取得部30は、利用者情報提供装置6から各利用者に関する利用者情報を通信ネットワーク7および通信部10を介して取得する。
【0095】
ここで、処理部12による利用者Uからの利用者設定情報の取得方法の一例について詳細に説明する。処理部12は、項目選択画面、利用者環境入力画面、行動開始タイミング設定画面、同居情報設定画面、連絡先設定画面、および避難先編集画面などの種々の画面の情報を端末装置2に表示させることによって、利用者Uから利用者設定情報を取得する。なお、これらの画面の情報は、端末装置2にインストールされるアプリケーションに含まれる情報であってもよく、この場合、画面の情報は、処理部12から送信されない。
【0096】
〔3.3.1.1.1.項目選択画面、利用者環境入力画面、危険度チェック結果画面〕
図8は、実施形態に係る情報処理装置1から提供され端末装置2に表示される項目選択画面および利用者環境入力画面の一例を示す図である。
【0097】
提供部35は、端末装置2からの利用者情報設定要求を通信ネットワーク7および通信部10を介して取得部30が受信した場合、換言すれば、利用者Uからの初期設定要求がある場合、
図8(a)に示す項目選択画面40を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に項目選択画面40を表示させる。
【0098】
項目選択画面40は、利用者U毎の防災タイムラインを作成するための最初の画面であり、複数の項目がタイムライン形式で並べて表示されている。
図8(a)に示す例では、項目選択画面40には、想定危険度チェックボタン41a、避難タイミング設定ボタン41b、備蓄品設定ボタン41c、連絡先設定ボタン41d、避難先設定ボタン41eなどが含まれる。これらのボタン41a,41b,41c,41d,41eは、利用者Uが端末装置2の不図示の操作部を用いたクリック操作またはタップ操作などによって選択される。
【0099】
想定危険度チェックボタン41aは、利用者Uの拠点の危険度をチェックするための想定危険度チェック処理を処理部12に開始させるためのUI(User Interface)ボタンである。避難タイミング設定ボタン41bは、利用者Uの避難タイミングを設定するための避難タイミング設定処理を処理部12に開始させるためのUIボタンである。
【0100】
備蓄品設定ボタン41cは、利用者Uの備蓄品を設定するための備蓄品設定処理を開始するためのUIボタンである。連絡先設定ボタン41dは、利用者Uが連絡する人である連絡先を設定するための連絡先設定処理を処理部12に開始させるためのUIボタンである。避難先設定ボタン41eは、利用者Uの避難先を設定するための避難先設定処理を処理部12に開始させるためのUIボタンである。
【0101】
まず、想定危険度チェック処理について説明する。
図8(a)に示す項目選択画面40において、利用者Uが想定危険度チェックボタン41aを選択すると、提供部35は、
図8(b)に示す利用者環境入力画面42を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に利用者環境入力画面42を表示させる。
【0102】
利用者環境入力画面42は、拠点の位置を含む地
図43a、拠点の位置を入力するためのテキストボックス43b、拠点の建物属性を選択するためのタブ43c,43dおよびラジオボタン43e,43f,43g、拠点の周辺環境を入力するためのチェックボックス43h,43i、同居者の状況などを入力するためのチェックボックス43j,43k,43l,43m、チェック開始ボタン43nなどを含む。
【0103】
利用者Uは、端末装置2を操作することにより、テキストボックス43bへ利用者Uの拠点の位置(住所)を入力することができる。取得部30は、テキストボックス43bに利用者Uの拠点の位置が入力された場合、入力された位置の情報を取得する。提供部35は、取得部30によって取得された位置の情報に基づいて、地
図43aを利用者Uの拠点の位置を含む地図に更新する。
【0104】
また、利用者Uは、端末装置2を操作することにより、タブ43cを選択することで、利用者Uの拠点の建物属性として「戸建て」を選択することができ、タブ43dを選択することで、利用者Uの拠点の建物属性として「集合住宅」を選択することができる。
【0105】
図8(b)に示す例では、タブ43cが選択されて、ラジオボタン43e,43f,43gが端末装置2に表示されている。ラジオボタン43eは、利用者Uの拠点が1階建ての戸建てである場合に選択され、ラジオボタン43fは、利用者Uの拠点が2階建ての戸建てである場合に選択され、ラジオボタン43gは、利用者Uの拠点が3階以上の戸建てである場合に選択される。
【0106】
また、利用者Uがタブ43dを選択した場合、利用者Uの拠点である集合住宅における利用者Uの占有位置が何階の部屋であるかを選択するためのラジオボタンが端末装置2に表示される。なお、この場合に表示されるラジオボタンは、ラジオボタン43e,43f,43gであってもよい。
【0107】
また、利用者Uは、端末装置2を操作することにより、チェックボックス43h,43iのうち該当するチェックボックスにチェックを入れることで、利用者Uの拠点の周辺の環境である周辺環境の情報を設定することができる。チェックボックス43hは、利用者Uの拠点の近くに河川がある場合に利用者Uによってチェックが入れられ、チェックボックス43iは、利用者Uの拠点の近くに崖がある場合に利用者Uによってチェックが入れられる。
【0108】
また、利用者Uは、端末装置2を操作することにより、チェックボックス43j,43k,43l,43mのうち該当するチェックボックスにチェックを入れることで、利用者Uの拠点で同居する同居人やペットなどの同居者の情報を設定することができる。
【0109】
チェックボックス43jは、同居者として幼い子供がいる場合に利用者Uによってチェックが入れられ、チェックボックス43kは、同居者として高齢者がいる場合に利用者Uによってチェックが入れられる。また、チェックボックス43lは、同居者として身体が不自由な人がいる場合に利用者Uによってチェックが入れられ、チェックボックス43mは、同居者としてペットがいる場合に利用者Uによってチェックが入れられる。
【0110】
利用者Uは、利用者環境入力画面42において必要な情報を設定した後、端末装置2を操作することにより、チェック開始ボタン43nを選択すると、利用者環境入力画面42に設定された情報が端末装置2から情報処理装置1に送信される。これにより、取得部30によって利用者環境入力画面42に設定された情報が利用者設定情報として取得される。
【0111】
提供部35は、取得部30によって利用者環境入力画面42に設定された情報が取得された後、想定危険度チェックの結果を示す危険度チェック結果画面を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に危険度チェック結果画面を表示させる。
【0112】
図9は、実施形態に係る情報処理装置1から提供され端末装置2に表示される危険度チェック結果画面および行動開始タイミング設定画面の一例を示す図である。
図9(a)に示すように、利用者Uが
図8(b)に示すチェック開始ボタン43nを選択した後に端末装置2に表示される危険度チェック結果画面44には、地
図45a、拠点位置45b、想定危険度45c、タイミング設定開始ボタン45dなどが含まれる。
【0113】
地
図45aは、利用者Uの拠点の位置を含む地図であり、浸水想定区域や土砂災害警戒区域などが強調表示されている。拠点位置45bは、利用者Uの拠点の位置を示す情報である。想定危険度45cは、利用者Uへの災害の影響度合いに応じた情報であり、
図9(a)に示す例では、ハザードマップ上の危険度を示す情報を含むである。
【0114】
図9(a)に示す例では、利用者Uの洪水への影響度合いは、
図6に示す浸水深ランクコード「3」であり、利用者Uへの土砂災害の影響度合いは、「1」である。そのため、想定危険度45cとして、「2階床上浸水(3~5m)のおそれあり」の文字列および「土砂災害の恐れあり」の文字列が示されている。想定危険度45cは、第1の通知情報であり、想定危険度判定情報記憶部22に記憶されている想定危険度判定情報から提供部35によって抽出される情報である。
【0115】
なお、土砂災害に対する利用者Uの影響度合いは、影響がある場合に「1」とされ、影響がない場合に「0」とされる2段階で示されるが、3段階以上で示されてもよい。この場合、想定危険度45cには、「1階床上土砂流入(0.5~3m)のおそれあり」または「2階床上土砂流入(3~5m)のおそれあり」などを含んでいてもよい。
【0116】
なお、
図7に示す文言対応情報において、危険度チェックNGは、拠点の位置が浸水想定区域または土砂災害警戒区域に含まれるような危険度が高い場合(利用者Uへの災害の影響度合いが高い)に利用者Uに割り当てられ、そうでない場合に危険度チェックOKが割り当てられる。
【0117】
〔3.3.1.1.2.行動開始タイミング設定画面〕
利用者Uは、
図9(a)に示す危険度チェック結果画面44において危険度チェックの結果を確認した後、端末装置2を操作することにより、タイミング設定開始ボタン45dを選択すると、提供部35は、
図9(b)に示す行動開始タイミング設定画面46を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に行動開始タイミング設定画面46を表示させる。
【0118】
図9(b)に示すように、行動開始タイミング設定画面46には、提案タイミング表示領域47a、設定ボタン47b,47cなどが含まれる。
図9(b)に示す例では、提案タイミング表示領域47aには、利用者Uが災害時に対する行動を開始した方がよいタイミングとして、警戒レベル3が示されている。なお、「災害時」には、災害の発生が予測される期間が含まれる。
【0119】
設定ボタン47bは、警戒レベル3が発表された時を行動開始のタイミングに設定するためのUIボタンであり、設定ボタン47cは、警戒レベル4が発表された時を行動開始のタイミングに設定するためのUIボタンである。利用者Uは、端末装置2を操作することにより、設定ボタン47bおよび設定ボタン47cのいずれかを選択することで、行動開始のタイミングの設定を行う。
【0120】
利用者Uは、端末装置2を操作することにより、設定ボタン47bおよび設定ボタン47cのいずれかを選択すると、選択されたボタンの情報である通知レベル選択情報が端末装置2から送信され、端末装置2から送信された通知レベル選択情報が取得部30によって取得される。
【0121】
提供部35は、取得部30によって取得された通知レベル選択情報に基づいて、利用者Uによる選択結果に応じたタイミング設定確認画面を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2にタイミング設定確認画面を表示させる。
図10は、実施形態に係る情報処理装置1から提供され端末装置2に表示されるタイミング設定確認画面および行動設定開始画面の一例を示す図である。
【0122】
図10(a)に示す例では、利用者Uによって設定ボタン47bが選択された場合、すなわち行動開始のタイミングとして警戒レベル3が選択された場合に端末装置2に表示されるタイミング設定確認画面48が示されている。タイミング設定確認画面48には、設定レベル情報表示領域49a、防災タイムラインサンプル表示領域49b、決定ボタン49cなどが含まれる。
【0123】
設定レベル情報表示領域49aには、利用者Uが行動開始のタイミングとして選択した警戒レベルの情報が示される。
図10(a)に示す例では、利用者Uが選択した行動開始のタイミングは、警戒レベル3が発表されたタイミングである。防災タイムラインサンプル表示領域49bには、警戒レベル3が発表されたときに、情報処理装置1から送信される情報によって端末装置2に表示される防災タイムラインの情報の一例が示される。
【0124】
利用者Uは、タイミング設定確認画面48の設定レベル情報表示領域49aで示される設定レベルの情報が問題ない場合、決定ボタン49cを選択する。利用者Uが、端末装置2を操作することにより、決定ボタン49cを選択すると、決定ボタン49cが選択されたことを示す決定情報が端末装置2から送信される。取得部30は、端末装置2から送信された決定情報を取得した場合、利用者設定情報記憶部21に記憶される利用者設定情報において、利用者Uによって選択された設定ボタンに応じた通知レベルを利用者Uの利用者IDに設定レベルとして関連付ける。
【0125】
例えば、取得部30は、
図9(b)に示す行動開始タイミング設定画面46において設定ボタン47bが選択されていた場合、利用者設定情報において、選択されたボタンに応じた設定レベルとして「3」を利用者Uの利用者IDに関連付ける。また、取得部30は、行動開始タイミング設定画面46において設定ボタン47cが選択されていた場合、利用者設定情報において、選択されたボタンに応じた設定レベルとして「4」を利用者Uの利用者IDに関連付ける。
【0126】
提供部35は、決定ボタン49cが選択された場合、
図10(b)に示す行動設定開始画面50を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に行動設定開始画面50を表示させる。
図10(b)に示す行動設定開始画面50は、備蓄品設定開始ボタン51を含み、利用者Uは、備蓄品設定開始ボタン51を選択することで、必要な備蓄品を判定するために必要な情報を入力するための同居情報設定画面を端末装置2に表示させる。
【0127】
〔3.3.1.1.3.同居情報設定画面〕
提供部35は、備蓄品設定開始ボタン51が選択された場合、同居情報設定画面を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に同居情報設定画面を表示させる。
図11は、実施形態に係る情報処理装置1から提供され端末装置2に表示される同居情報設定画面および備蓄品設定確認画面の一例を示す図である。
【0128】
図11(a)に示す同居情報設定画面52は、同居人情報入力領域53a、ペット情報入力領域53b、および決定ボタン53cなどを含む。同居人情報入力領域53aは、同居人の情報を入力するための領域であり、各同居人の性別および世代を選択するためのラジオボタンが含まれる。
【0129】
ペット情報入力領域53bは、利用者Uが飼っているペットの情報を入力するための領域であり、ペットの有無を入力するためのラジオボタンが含まれる。なお、
図11(a)には示されていないが、ペット情報入力領域53bは、各ペットの動物種別(例えば、犬や猫など)、品種名(例えば、犬の場合、テリアやチワワなど)、年齢などの情報を入力するためのUIが含まれてもよい。
【0130】
利用者Uは、同居人情報入力領域53aおよびペット情報入力領域53bにおいて該当する情報を入力した後、決定ボタン53cを選択すると、同居情報設定画面52に設定された情報である同居情報が利用者設定情報として端末装置2から送信され取得部30によって取得される。取得部30は、取得した同居情報を利用者設定情報記憶部21に記憶される利用者設定情報に追加する。
【0131】
提供部35は、決定ボタン53cが選択された場合、
図11(b)に示す備蓄品設定確認画面54を表示するための情報を生成して端末装置2に送信し、端末装置2に備蓄品設定確認画面54を表示させる。
図11(b)に示すように、備蓄品設定確認画面54は、同居人情報表示領域55a、第1の備蓄品リスト表示領域55b、第2の備蓄品リスト表示領域55c、進むボタン55dなどを含む。
【0132】
同居人情報表示領域55aには、利用者Uの同居人の情報が含まれる。第1の備蓄品リスト表示領域55bには、利用者Uおよび同居人に必要な備蓄品の情報が含まれる。
図11(b)に示す例では、利用者Uおよび同居人に必要な備蓄品は、「水:42L」、「レトルトごはん:42食」「レトルト食品:14個」、「カセットボンベ:ガスコンロ1台につき1日4/3本」、「歯磨き用ウェットティッシュ:140枚程度」などである。
【0133】
第2の備蓄品リスト表示領域55cには、ペットに必要な備蓄品の情報が含まれる。
図11(b)に示す例では、ペットに必要な備蓄品は、「ペットフード」、「水」、「ペット用の首輪とリード」などである。なお、第2の備蓄品リスト表示領域55cは、ペットに必要な備蓄品の量を示す情報などを含んでいてもよい。利用者Uおよび同居人に必要な備蓄品のリストおよびペットに必要な備蓄品のリストなどを生成する処理は、端末装置2から送信される利用者Uに関する情報である利用者情報に基づき、後述する生成部34によって行われる。生成部34によって生成された備蓄品リストは、利用者設定情報記憶部21に記憶されている利用者設定情報に追加される。
【0134】
生成部34によって用いられる利用者情報は、不図示の利用者情報入力画面に利用者Uが入力して端末装置2から送信され取得部30によって取得される利用者自身の情報と、同居情報設定画面52に利用者Uが入力して端末装置2から送信され取得部30によって取得される同居情報とが含まれる。利用者Uは、第1の備蓄品リスト表示領域55bおよび第2の備蓄品リスト表示領域55cで示される情報が問題ない場合、進むボタン55dを選択する。
【0135】
〔3.3.1.1.4.連絡先設定画面〕
取得部30は、
図11(b)に示す備蓄品設定確認画面54の進むボタン55dが選択された場合、連絡先設定画面を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に連絡先設定画面を表示させる。
図12は、実施形態に係る情報処理装置1から提供され端末装置2に表示される連絡先設定画面および連絡先確認画面の一例を示す図である。
【0136】
図12(a)に示す連絡先設定画面56は、連絡先入力領域57a、保存ボタン57bなどを含む。連絡先入力領域57aは、連絡先の情報を入力するための領域であり、各連絡先の氏名および電話番号などが入力可能である。
【0137】
取得部30は、連絡先設定画面56における保存ボタン57bが選択された場合に連絡先設定画面56に入力された情報である連絡先情報を端末装置2から取得し、取得した連絡先情報を記憶部11の利用者設定情報に追加する。提供部35は、連絡先設定画面56における保存ボタン57bが選択された場合、
図12(b)に示す連絡先確認画面58を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に連絡先確認画面58を表示させる。
【0138】
図12(b)に示すように、連絡先確認画面58は、連絡先情報表示領域59aおよび進むボタン59bなどを含む。連絡先情報表示領域59aは、連絡先の情報を含む。利用者Uは、連絡先情報表示領域59aで示される連絡先の情報が問題ない場合、進むボタン59bを選択する。
【0139】
〔3.3.1.1.5.避難先追加画面および避難先編集画面〕
取得部30は、
図12(b)に示す連絡先確認画面58の進むボタン59bが選択された場合、避難先追加画面を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に避難先追加画面を表示させる。
図13は、実施形態に係る情報処理装置1から提供され端末装置2に表示される避難先追加画面および避難先編集画面の一例を示す図である。
【0140】
図13(a)に示す避難先追加画面60は、レコメンド表示領域61a、追加ボタン61b、および完了ボタン61cを含む。レコメンド表示領域61aは、避難先の設定を促す情報を含む。利用者Uは、避難先を設定または追加する場合、追加ボタン61bを選択する。取得部30は、追加ボタン61bが選択された場合、
図13(b)に示す避難先編集画面62を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に避難先編集画面62を表示させる。
【0141】
図13(b)に示す避難先編集画面62は、地
図63a、避難先入力領域63b、および保存ボタン63cを含む。地
図63aには、利用者Uの拠点位置を示すマークが示され、避難場所が設定された場合、設定された避難場所の位置を示すマークが示される。
【0142】
避難先入力領域63bは、避難場所を設定するためのタブ、テキストボックス、ボタンなどが含まれる。利用者Uは、ラベル「任意の場所」が付されたタブを選択し、避難先の名称、避難先の連絡先電話番号、避難先までの移動手段、避難先までの移動時間、および災害の種類などを設定することができる。避難先は、災害の種類毎に設定することが可能である。
【0143】
また、利用者Uがラベル「避難場所」が付されたタブを選択した場合、避難先入力領域63bには、避難先のリストを示す情報が現れる。避難先のリストには、避難場所の名称、避難場所の住所、避難場所の連絡先電話番号、避難先までの移動手段、避難先までの移動時間、および自治体により指定された対応する災害種別などが避難場所毎に示される。利用者Uは、避難先のリストから1以上の避難場所を選択することができる。
【0144】
なお、避難先のリストにおいて、避難先までの移動手段および避難先までの移動時間などは、利用者Uの拠点の位置に基づいて判定される。また、地
図63aには、避難先入力領域63bにおいて入力または選択した避難場所の位置を示すマークが追加される。
【0145】
利用者Uは、避難先入力領域63bに必要な情報を入力した後、保存ボタン63cを選択する。取得部30は、保存ボタン63cが選択された場合、避難先編集画面62に入力された情報である避難先情報を端末装置2から取得し、取得した避難先情報を記憶部11の利用者設定情報に追加する。
【0146】
提供部35は、保存ボタン63cが選択された場合、避難先設定画面を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に避難先設定画面を表示させる。
図14は、実施形態に係る情報処理装置1から提供され端末装置2に表示され避難先設定画面および設定完了画面の一例を示す図である。
【0147】
図14(a)に示す避難先設定画面64には、地
図65a、追加・削除ボタン65b、および完了ボタン65cが含まれる。地
図65aには、利用者Uの拠点の位置を示すマーク、設定または追加された避難場所の位置を示すマークなどが示される。追加・削除ボタン65bは、避難場所の追加または削除を行うためのUIボタンである。完了ボタン65cは、設定操作を完了する場合に選択されるUIボタンである。
【0148】
利用者Uは、設定操作を完了する場合、完了ボタン65cを選択する。取得部30は、完了ボタン65cが選択された場合、
図14(b)に示す設定完了画面66を表示するための情報を端末装置2に送信し、端末装置2に設定完了画面66を表示させる。設定完了画面66には完了ボタン67が含まれており、利用者Uが完了ボタン67を選択することで、利用者情報の取得処理が完了する。
【0149】
〔3.3.1.1.6.その他〕
取得部30は、防災タイムラインにおいてタイムライン形式で並べる防災行動の情報と、防災タイムラインにおける防災行動の情報の表示順番(提案順番)とを利用者Uに設定させるための不図示の防災行動設定画面の情報を端末装置2に送信し、防災行動設定画面を端末装置2に表示させることができる。取得部30は、防災行動設定画面で利用者Uによって設定された防災行動の情報と防災行動の情報の表示順番とを含む防災行動設定情報を端末装置2から取得する。取得部30は、取得した防災行動設定情報を利用者設定情報に追加する。
【0150】
防災行動設定画面は、例えば、項目選択画面40と兼用されてもよい。この場合、項目選択画面40において、利用者Uは、端末装置2を操作して、ボタン41b,41c,41d,41eの順番を変更することで、防災行動の情報の表示順番の設定を変更することができる。
【0151】
また、利用者Uは、ボタン41b,41c,41d,41eを選択して防災行動の具体的な内容を追加することで複数の防災行動の情報を設定するが、一部の防災行動の情報を設定しないことで、防災タイムラインに示される防災行動の情報を除外することもできる。
【0152】
防災タイムラインで示される防災行動は、デフォルトの設定では、備蓄品の確認行動、連絡先の確認行動、避難場所の確認行動、および避難場所への避難行動であるが、利用者Uは、新たな防災行動を防災タイムラインに追加することができる。新たな防災行動、例えば、ニュースの確認行動、避難状況の確認行動、所持が必要な物品である必要品の確認行動および所持行動などである。
【0153】
ニュースの確認行動は、利用者Uの拠点を含む領域における災害による被害情報または被害予測情報の確認行動であり、被害情報または被害予測情報の確認行動は、例えば、利用者Uの拠点を含む領域のニュースを提供するウェブサイトからリアルタイムに取得される情報の確認などである。避難状態の確認行動は、例えば、利用者Uの拠点を含む領域の人々の避難状態の確認行動であり、例えば、避難情報提供装置4から通知される避難情報の確認行動である。
【0154】
〔3.3.1.2.災害関連情報の取得〕
取得部30は、災害関連情報提供装置3から送信される警報情報を通信ネットワーク7および通信部10を介して取得する。災害関連情報は、災害に関する情報であり、ハザードマップ情報、警報情報、および気象予報情報などを含む。ハザードマップ情報は、浸水想定区域の情報および土砂災害警戒区域の情報などを含む。警報情報は、災害の警報に関する情報であり、警報の対象となる領域である警報対象領域の情報や各警報対象領域の警戒レベルの情報などを含む。気象予報情報は、予測される地域毎の時間当たりの降雨量や風速を示す情報などを含む。
【0155】
〔3.3.1.3.避難情報の取得〕
取得部30は、避難情報提供装置4から送信される避難情報を通信ネットワーク7および通信部10を介して取得する。避難情報は、災害に対する避難に関する情報と複数の利用者Uの各々の避難状況を示す情報とを含む。取得部30は、取得した避難情報に基づいて、避難関連情報記憶部24に記憶されている避難関連情報を更新する。
【0156】
〔3.3.1.4.領域状態情報の取得〕
取得部30は、領域状態情報提供装置5から送信される領域状態情報を通信ネットワーク7および通信部10を介して取得する。領域状態情報は、複数の利用者Uの拠点と各避難場所との間の各移動ルートを含む領域状態を示す情報であり、例えば、通行止めの場所、災害などによって危険になった場所または危険になると予測される場所、事故が発生している場所、渋滞している場所などの情報を含む。
【0157】
〔3.3.1.5.交通情報の取得〕
取得部30は、不図示の交通情報提供装置から送信される交通情報を通信ネットワーク7および通信部10を介して取得する。交通情報は、利用者Uの位置から利用者Uの拠点(例えば、生活拠点)または避難場所までの交通機関の状態を示す情報を含む。交通機関の状態を示す情報は、列車、バス、および飛行機などの現在の運行ダイヤの情報、タクシーの空き状態を示す情報およびタクシーの位置を示す情報などである。
【0158】
〔3.3.2.推定部31〕
推定部31は、利用者情報提供装置6から取得した各種利用者情報に基づいて、利用者Uの人物モデルを推定する。例えば、推定部31は、利用者Uのライフサイクルや、歩行能力、移動手段等を含む人物モデルを推定する。
【0159】
ここで、人物モデルは、対応する利用者Uの歩行能力などといった各種パラメータを数値化したモデルであり、例えば、対応する利用者Uの利用者情報や、対応する利用者Uと属性が類似する他の利用者Uの利用者情報等を用いた各種機械学習によって生成される。
【0160】
また、ここでの歩行能力は、避難時に歩行可能な距離や、歩行時間、歩行速度等を含む。また、推定部31は、避難時の移動手段等を考慮した移動能力を含む人物モデルを推定する。この場合の人物モデルは、例えば、自家用車での避難ができる場合には、自家用車を運転して移動可能な距離や自動可能な時間などを推定したモデルである。推定部31は、電車やバス、タクシーなどの各種サービスを含む移動手段を含めて人物モデルの推定を行うようにしてもよい。
【0161】
例えば、推定部31は、電子商取引の履歴や、電子決済履歴、検索履歴、移動情報の履歴、各種健康情報などに基づいて、利用者毎に歩行能力に関するパラメータを推定する。推定部31は、例えば、利用者情報を入力した際に、利用者の歩行能力をはじめとする人物モデルを出力する学習モデルを用いて、各利用者の移動能力を推定する。ここでの学習モデルは、利用者情報と、利用者の歩行能力との関係性を学習したモデルである。例えば、学習モデルは、被験者となる利用者Uの歩行能力と、利用者情報とを紐づけた学習データを用いて、深層学習等の各種機械学習によって生成される。
【0162】
また、推定部31は、位置情報を取得できない利用者U(例えば、端末装置2から位置情報を取得できない)について利用者Uの現在地を推定する。例えば、このような利用者Uが旅行中である場合、推定部31は、旅行サイトの旅行の工程表と、現在時刻とを照合することで、外出中の利用者Uの現在地を推定する。また、推定部31は、利用者Uによる実店舗での決済履歴などに基づいて、利用者Uの現在地を実店舗の位置に基づいて推定するようにしてもよい。また、推定部31は、例えば、電力会社と連携し、利用者Uの自宅の消費電力に基づいて、利用者Uが外出中か否かを推定するようにしてもよい。
【0163】
推定部31は、推定あるいは特定した外出中の利用者Uの現在地が災害の避難区域となる場合に、外出中である利用者Uが外出先で避難する避難場所を推定あるいは特定する。例えば、推定部31は、各利用者の位置、および、人物モデルに応じて、当該利用者Uの外出先での避難場所を推定する。
【0164】
なお、推定部31は、利用者の属性に基づいて、利用者の移動能力を推定するようにしてもよい。ここでの属性は、年齢、性別、ライフサイクル(普段どの程度運動をしているか)、病歴などの項目が含まれる。
【0165】
例えば、推定部31は、外出中の利用者Uの移動手段や歩行能力に基づいて、利用者Uの外出先での避難場所を推定する。また、この際、推定部31は、領域状態情報提供装置5から送信される領域状態情報に基づいて、避難場所を推定するようにしてもよい。
【0166】
例えば、推定部31は、利用者Uの外出先から避難場所への避難ルートが災害によって通行不可になっているか、あるいは、通行不可になる恐れがあるかなどといった災害状況に応じて避難場所を推定する。
【0167】
すなわち、推定部31は、利用者Uの外出先を基準として、利用者Uの歩行能力等で避難可能な避難場所および避難ルートを抽出したうえで、利用者Uの外出先における避難場所を推定する。なお、推定部31は、利用者Uの外出先における移動手段を考慮して、避難場所や避難ルートを推定するようにしてもよい。
【0168】
例えば、推定部31は、利用者Uが自家用車で外出した場合と、利用者Uがその他の移動手段で外出した場合とで、その移動手段で避難可能な避難場所や避難ルートを推定するようにしてもよい。
【0169】
また、推定部31は、例えば、利用者Uが外出先で災害に遭遇する場合、当該利用者Uと行動を共にする同行者に基づいて、避難場所や避難ルートを推定するようにしてもよい。例えば、推定部31は、同行者が利用者Uと行動を共にする際の移動コストを推定し、難場所や避難ルートを推定する。
【0170】
ここでの移動コストは、例えば、同行者が利用者Uの避難行動をどの程度支援可能、あるいは、支援を要するかを示す指標である。例えば、利用者Uが同行者の避難支援を必要とする場合、移動コストが高くなり、利用者Uが同行者による避難支援を受けられる場合には、移動コストが低くなる。なお、同行者に関する移動コストは、利用者Uと同様に人物モデルに基づいて推定することができる。なお、同行者に関する移動コストについては、同行者が人物である場合に限定されず、ペットについても同様である。
【0171】
〔3.3.3.評価部32〕
評価部32は、取得部30が対象利用者の設定情報を代理人となる利用者Uから取得した場合に、当該設定情報を当該対象利用者の利用者情報に基づいて評価する。ここでは、例えば、端末装置2の操作に不慣れな親に代わって、その子供が代理で設定情報を入力した場合を想定する。
【0172】
例えば、評価部32は、利用者U本人に代わって代理で入力された設定情報を、推定部31によって推定された利用者U本人の人物モデルに基づいて評価する。例えば、評価部32は、代理で入力された設定情報の避難場所および避難場所までの避難ルートを利用者U本人が避難可能か否かに基づいて当該設定情報を評価する。
【0173】
より具体的の例を挙げると、例えば、評価部32は、利用者U本人が徒歩で避難場所まで避難する場合、利用者U本人が徒歩で避難場所まで避難可能か否かを避難場所までの距離や避難ルートの傾斜、避難ルートにおける浸水等のリスクなどに基づいて評価する。
【0174】
また、評価部32は、利用者U本人が車を自身で運転して避難する場合には、利用者Uが避難場所まで運転可能かなどに基づいて評価を行う。すなわち、評価部32は、利用者Uの現在の状況に基づき、代理で設定された設定情報の避難場所や避難ルートが利用者U本人にとって適切か否かを評価する。
【0175】
また、例えば、評価部32は、代理で設定された設定情報の避難場所に関し、利用者U本人の病歴や、利用者U本人の交友関係に基づいて評価を行うようにしてもよい。例えば、利用者U本人がペットアレルギーであり、設定情報の避難場所がペットの同行が許可されている場合、低い評価を行うようにしてもよい。また、例えば、評価部32は、利用者U本人の交友関係に基づき、利用者U本人と交友関係にある他の利用者U(仲が良い利用者)と同じ避難場所であれば、高い評価を行うようにしてもよい。
【0176】
また、評価部32は、例えば、避難時に利用者U本人と避難行動を共にする同行者に基づいて、設定情報の評価を行うようにしてもよい。例えば、評価部32は、利用者U本人が同行者の避難支援を受ける場合や、利用者U本人が同行者の避難支援を行う場合などのケースを想定し、代理で設定された設定情報の避難場所や避難ルートが適切か否かについて評価するようにしてもよい。なお、処理部12は、各利用者Uの拠点の位置や、交友関係等に基づいて同行者を特定することができる。
【0177】
また、評価部32は、代理で設定された設定情報の避難場所については、避難場所の設備や備蓄品等に基づいて評価を行うようにしてもよい。例えば、評価部32は、利用者U本人の病歴などに基づき、避難場所で治療や診断が必要な場合、これらの支援が可能な避難場所であれば高い評価をするようにしてもよい。
【0178】
そのほか、評価部32は、代理で設定された設定情報の備蓄品についても評価を行うようにしてもよい。例えば、評価部32は、利用者U本人の買い物の履歴から、利用者U本人の自宅に保管された備蓄品を推定し、推定した備蓄品に基づいて、代理で設定された設定情報の備蓄品の評価を行うことにしてもよい。また、評価部32は、備蓄品の評価に関し、利用者U本人の処方箋の有無に応じて評価を行うようにしてもよい。
【0179】
〔3.3.4.決定部33〕
決定部33は、取得部30によって取得された避難情報と利用者情報とに基づいて、複数の利用者Uのうち避難前の利用者Uに対して利用者Uに応じた避難に関する情報である提供情報を決定する。例えば、決定部33は、利用者関連情報において利用者Uの避難場所が設定されていない場合、または利用者関連情報において設定されている利用者Uの避難場所の混雑度に応じて、避難前の利用者Uに対して利用者Uに応じた避難に関する情報である避難情報を決定する。
【0180】
災害に対する避難に関する情報は、例えば、避難場所に関する情報および避難場所への避難ルートの候補の情報などを含む。避難場所に関する情報は、避難場所の位置、収容人数、収容面積などを示す情報を含む。避難場所への避難ルートの候補の情報は、例えば、各利用者Uの拠点の位置と各避難場所との間の複数の移動ルートの情報である。
【0181】
決定部33によって決定される提供情報は、例えば、利用者Uの避難場所、避難場所までの移動ルートである避難ルート、および避難場所への避難タイミングを示す情報を含む。
【0182】
例えば、決定部33は、避難情報に基づいて、各避難場所の現在または将来の混雑度を判定する。そして、決定部33は、利用者Uの拠点の位置、利用者Uの属性、各避難場所までの複数の移動ルート(避難ルートの候補)、各避難場所の現在または将来の混雑状況などに基づいて、利用者Uの避難場所、避難場所までの移動ルート、および避難場所への避難タイミングなどを決定する。
【0183】
例えば、決定部33は、利用者Uの属性に応じた値、移動ルートの長さ、および避難場所の混雑度などに重み付けして合計した値が最も小さい避難場所を利用者Uの避難場所として決定する。また、決定部33は、決定した避難場所までの複数の移動ルートを含む領域の状態に基づいて、避難場所までの複数の移動ルートのうち災害などによって危険になった場所または危険になると予測される場所を避けた移動ルートを避難ルートとして決定する。
【0184】
また、決定部33は、利用者Uの属性に応じた値、移動ルートの長さ、および避難場所の混雑度、および警戒レベルに応じた値などに重み付けして合計した値が予め設定された閾値以上になるタイミングを避難タイミングとして決定する。そして、決定部33は、決定した避難場所、避難ルート、および避難タイミングを示す情報を含む提供情報を利用者Uへ提供する提供情報として決定する。
【0185】
なお、利用者Uの属性に応じた値は、例えば、利用者Uの年齢、性別、身体の状態などに応じて算出される値である。このように、決定部33は、利用者Uに応じた避難に関する情報として利用者Uの属性に応じた避難に関する情報を含む情報を提供情報として決定する。なお、利用者Uの避難場所、避難場所までの移動ルート、および避難場所への避難タイミングなどの決定方法は、上述した例に限定されない。
【0186】
また、決定部33は、避難前の利用者Uの避難手段を示す情報をさらに含む情報を避難前の利用者Uに提供する提供情報として決定することができる。例えば、決定部33は、利用者Uの拠点の位置から避難場所が遠い場合、移動手段がタクシーであることが望ましい旨を示す情報をさらに含む情報を避難前の利用者Uに提供する提供情報として決定する。また、決定部33は、利用者Uの拠点の位置から避難場所までの移動ルートが狭い道である場合、移動手段が徒歩であることが望ましい旨を示す情報をさらに含む情報を避難前の利用者Uに提供する提供情報として決定する。
【0187】
また、決定部33は、避難前の利用者Uの属性に基づいて、避難前の利用者Uの避難手段を避難前の利用者Uに提案する移動手段として決定することができる。例えば、決定部33は、利用者Uが高齢者である場合や利用者Uが身体が不自由である場合などにおいて、タクシーを移動手段として決定する。また、決定部33は、利用者Uの属性に応じた値が閾値以上である場合に、タクシーを移動手段として決定し、利用者Uの属性に応じた値が閾値未満である場合に、移動手段の決定を行わないこともできる。利用者Uの属性に応じた値は、例えば、利用者Uの年齢、身体の状態などに応じて算出される値である。
【0188】
また、決定部33は、取得部30によって取得された領域状態情報や各避難場所の混雑度のうちの少なくとも一方に基づいて、避難前の利用者Uおよび避難途中の利用者Uのうちの少なくとも一方の避難場所および避難ルートを変更する。このように、決定部33は、他の利用者Uの避難状況に応じて、利用者Uの避難場所および避難ルートを決定することができる。
【0189】
例えば、決定部33は、避難前の利用者Uまたは避難途中の利用者Uの避難場所として決定されていた避難場所の現在または将来の混雑度が閾値以上である場合、予め設定された避難場所とは異なる避難場所を避難前の利用者Uまたは避難途中の利用者Uの避難場所に変更し、避難ルートも変更する。変更先の避難場所および避難ルートの決定方法は、変更前の避難場所および避難ルートの決定方法と同じである。
【0190】
また、決定部33は、取得部30によって取得された領域状態情報に基づいて、避難前の利用者Uまたは避難途中の利用者Uの避難場所への避難ルートとして利用者Uに設定されている避難ルートが通行がし難いまたは通行できないか否かを判定する。決定部33は、利用者Uに設定されている避難ルートが通行がし難いまたは通行できないと判定した場合、避難場所までの複数の移動ルートのうち通行のし易さおよび避難場所までの距離などに基づいて、通行がし易く且つ避難場所までの距離ができるだけ短い移動ルートを利用者Uの変更後の移動ルートとして決定することができる。なお、通行できないことには、危険であることが含まれる。
【0191】
また、決定部33は、取得部30によって取得された位置情報に基づいて、複数の利用者Uのうち避難対象領域から離れている利用者Uを抽出し、抽出した利用者Uに対して提案する行動を決定することができる。
【0192】
例えば、決定部33は、交通機関の状態の情報、および利用者Uの避難場所として設定されている避難場所の混雑度の情報などに基づいて、交通機関による避難場所までの移動が難しいか否かおよび避難場所の混雑度が閾値以上であるか否かを判定する。決定部33は、交通機関による避難場所までの移動が難しいと判定した場合または避難場所の混雑度が閾値以上であると判定した場合、避難対象領域から離れている利用者Uに拠点への移動または設定されている避難場所への移動をせずに、避難対象領域から離れた場所に滞在するといった行動を提案する行動として決定する。
【0193】
また、決定部33は、交通機関による避難場所までの移動が容易であると判定した場合や避難場所の混雑度が閾値未満であると判定した場合、避難対象領域から離れている利用者Uに設定されている避難場所への移動を提案する。この場合、決定部33は、避難対象領域から離れている利用者Uの移動ルートおよび移動タイミングを決定し、決定した移動ルートおよび移動タイミングを含む情報を提案する行動の情報として決定することができる。
【0194】
また、決定部33は、警戒レベル1が発表される前において、例えば、過去の災害時における避難場所の混雑度の情報および領域状態情報などに基づいて、利用者Uの避難場所、避難ルート、および避難タイミングを決定することもできる。
【0195】
なお、決定部33は、対応する利用者Uに関する利用者情報、人物モデル、および領域状態情報、避難情報、災害関連情報などといった各種情報を掛け合わせて、避難場所、避難ルート、および避難タイミングの決定を行うようにしてもよい。
【0196】
〔3.3.5.生成部34〕
生成部34は、取得部30によって取得された災害情報と利用者情報とに基づいて、利用者に対して防災情報を生成する。例えば、生成部34は、防災情報として防災タイムラインを生成する。なお、防災タイムラインについては、
図15および
図16を用いて後述する。
【0197】
また、生成部34は、取得部30によって取得された利用者情報に基づいて、利用者Uに必要な備蓄品のリストである備蓄品リストを生成する。例えば、生成部34は、利用者Uの年齢、性別、同居人の数、年齢、性別などに基づいて、利用者Uおよび同居人に必要な備蓄品のリストである備蓄品リストを生成する。また、生成部34は、利用者Uが飼っているペットの数、種別、品種名などに基づいて、ペットに必要な備蓄品のリストであるペット用備蓄品リストを生成する。
【0198】
〔3.3.6.提供部35〕
提供部35は、警戒レベルの情報、防災情報、影響度合いに応じた情報、および備蓄品リストの情報などを提供情報として利用者Uの端末装置2に送信することで、提供情報を利用者Uへ提供する。また、提供部35は、決定部33によって決定された行動(利用者Uに対して提案する行動)の情報を含む防災タイムラインを利用者Uの端末装置2に送信することで、防災タイムラインを利用者Uへ提供する。
【0199】
例えば、提供部35は、利用者Uの拠点の位置を含む領域に警戒レベルを示す警報が発出されていない場合に防災情報送信要求を受信した場合、普段(平常時)から利用者Uが実行すべき防災行動の情報を含む防災情報を提供情報として利用者Uに提供する。
【0200】
図15は、実施形態に係る端末装置2に表示される防災画面の一例を示す図である。
図15に示す防災画面68には、警戒レベル以上の警報がない場合に利用者Uに提供され端末装置2に表示される警報関連情報69と防災タイムライン情報70とが含まれる。
【0201】
警報関連情報69は、「警戒レベル3(相当)以上の警報はありません」および「9月19日10時10分更新」を含む文字情報であり、利用者Uの拠点の位置を含む領域に警戒レベルが発表されていないことが示される。
【0202】
防災タイムライン情報70は、防災タイムラインの情報であり、平常時タグ71a、想定危険度確認ボタン71b、避難タイミング確認ボタン71c、警戒レベル3時タグ71d、備蓄品確認ボタン71e、連絡先確認ボタン71f、警戒レベル4時タグ71g、避難先確認ボタン71h、注意点確認ボタン71iなどが含まれる。
【0203】
想定危険度確認ボタン71b、避難タイミング確認ボタン71c、備蓄品確認ボタン71e、連絡先確認ボタン71f、避難先確認ボタン71h、注意点確認ボタン71iは、利用者Uの防災行動の情報であり、タイムライン形式で利用者Uが確認させる順に並べて表示される。
【0204】
図15に示す防災タイムライン情報70では、利用者Uの拠点の位置を含む領域に警戒レベル3以上の警報が発せられていない平常時において、利用者Uが実行することが好ましい防災行動の情報として、想定危険度確認ボタン71bおよび避難タイミング確認ボタン71cが強調表示され、また、平常時であることを示す平常時タグ71aが強調表示されている。なお、強調表示は、例えば、赤色に着色することによって行われるが、かかる例に限定されない。
【0205】
想定危険度確認ボタン71bは、判定部31によって判定された想定危険度チェックの結果を端末装置2に表示させるためのUIボタンである。提供部35は、例えば、想定危険度確認ボタン71bが利用者Uによって選択された場合、
図9(a)に示す危険度チェック結果画面44を端末装置2に表示させる。これにより、利用者Uは、危険度、すなわち、利用者Uへの災害の影響度合いを確認することができる。なお、この場合、危険度チェック結果画面44には、タイミング設定開始ボタン45dに代えて、戻るボタンが含まれる。また、平常時において、危険度チェック結果画面44に含まれる想定危険度45cは、影響度合いに応じた情報の一例でありは、第1の影響度合いに応じた情報である。
【0206】
避難タイミング確認ボタン71cは、利用者Uが判定部31によって判定された想定危険度チェックの結果に基づいて通知レベルとして設定した警戒レベルである設定レベルの情報を端末装置2に表示させるためのUIボタンである。提供部35は、例えば、避難タイミング確認ボタン71cが利用者Uによって選択された場合、利用者設定情報記憶部21に記憶されている利用者設定情報に含まれる設定レベルと警戒レベルが一致したタイミングなどで、設定レベルの情報を端末装置2に表示させる。
【0207】
また、防災タイムライン情報70では、警戒レベル3時タグ71d、備蓄品確認ボタン71e、連絡先確認ボタン71f、警戒レベル4時タグ71g、避難先確認ボタン71h、注意点確認ボタン71iなどが含まれるが、これらは、平常時には強調表示されておらず、後述するように、警戒レベル3以上の警報がある場合に強調表示される。
【0208】
備蓄品確認ボタン71eおよび連絡先確認ボタン71fは、警戒レベル3時タグ71dよりも下で且つ警戒レベル4時タグ71gよりも上に表示されており、これにより、利用者Uは、警戒レベル3が発表されたときに、備蓄品の確認行動や連絡先の確認行動などを行うように設定されていることを把握できる。
【0209】
また、避難先確認ボタン71hおよび注意点確認ボタン71iは、警戒レベル4時タグ71gよりも下に表示されており、これにより、利用者Uは、警戒レベル4が発表されたときに、避難先の確認行動や注意点の確認行動などを行うように設定されていることを把握できる。
【0210】
備蓄品確認ボタン71eは、防災行動の1つである備蓄品の確認のためのボタンであり、利用者Uは、端末装置2を操作することによって、備蓄品確認ボタン71eを選択することができる。提供部35は、備蓄品確認ボタン71eが選択された場合、生成部34によって生成された備蓄品リストの情報を利用者Uに提供する。
【0211】
利用者Uに対する備蓄品リストの情報の提供は、例えば、
図11(b)に示す備蓄品設定確認画面54の第1の備蓄品リスト表示領域55bおよび第2の備蓄品リスト表示領域55cを含む情報を端末装置2に表示させることによって行われる。
【0212】
連絡先確認ボタン71fは、防災行動の1つである連絡の確認のためのボタンであり、利用者Uは、端末装置2を操作することによって、連絡先確認ボタン71fを選択することができる。提供部35は、連絡先確認ボタン71fが選択された場合、利用者Uによって設定され利用者設定情報に含まれる連絡先情報を利用者Uに提供する。利用者Uに対する連絡先情報の提供は、例えば、
図12(b)に示す連絡先確認画面58の連絡先情報表示領域59aを含む情報を端末装置2に表示させることによって行われる。
【0213】
避難先確認ボタン71hは、防災行動の1つである避難先の確認のためのボタンであり、利用者Uは、端末装置2を操作することによって、避難先確認ボタン71hを選択することができる。提供部35は、避難先確認ボタン71hが選択された場合、利用者Uによって設定され利用者設定情報に含まれる避難先情報を利用者Uに提供する。利用者Uに対する避難先情報の提供は、例えば、
図14(a)に示す避難先設定画面64の地
図65aを含む情報を端末装置2に表示させることによって行われる。
【0214】
注意点確認ボタン71iは、防災行動の1つである避難時の注意点の確認のためのボタンであり、利用者Uは、端末装置2を操作することによって、注意点確認ボタン71iを選択することができる。提供部35は、注意点確認ボタン71iが選択された場合、注意点情報を利用者Uに提供する。注意点情報は、避難時の注意点を示す情報および避難場所に行けないときの注意点を示す情報を含む。
【0215】
なお、上述した例では、防災行動として、平常時に、想定危険度チェックの結果の確認行動と避難タイミングの確認行動が提案され、警戒レベル3時に、備蓄品の確認行動および連絡先の確認行動が提案され、警戒レベル4時に、避難先の確認行動および注意点の確認行動が提案されるが、提案される防災行動、提案タイミング、および提案順番は、かかる例に限定されない。
【0216】
例えば、提案される防災行動、提案タイミング、および提案順番は、利用者Uによる設定に応じて変更される。なお、提案される防災行動、提案タイミング、および提案順番は、利用者Uの属性、利用者Uの拠点の属性、災害の種類、および災害までの進行状況などに応じて判定部31によって自動的に設定することもできる。
【0217】
なお、平常時において、警戒レベル3時タグ71d、備蓄品確認ボタン71e、連絡先確認ボタン71f、警戒レベル4時タグ71g、避難先確認ボタン71h、および注意点確認ボタン71iは、防災タイムライン情報70に含まれていなくてもよい。また、平常時において、警戒レベル3時タグ71d、備蓄品確認ボタン71e、連絡先確認ボタン71f、警戒レベル4時タグ71g、避難先確認ボタン71h、および注意点確認ボタン71iの大きさは
図15に示す大きさよりも小さくして配置されてもよい。
【0218】
このように、提供部35は、平常時において、防災行動として、備蓄品の確認行動と連絡先の確認行動とを利用者Uに提案することができ、これにより、利用者Uは適切な防災行動を行うことができる。
【0219】
次に、設定レベルが警戒レベル3であり且つ警戒レベル3の警報が発出された領域に利用者Uの拠点の位置が含まれる場合について説明する。提供部35は、警戒レベルが発表された領域に利用者Uの拠点の位置が含まれる場合、取得部30によって取得された警戒情報に基づいて、利用者Uの拠点の位置を含む領域の警戒レベルの情報である警報報知情報を提供情報として利用者Uに通知する。
【0220】
また、提供部35は、警戒レベルの警報が発せられた領域に利用者Uの拠点の位置が含まれる場合に防災報知情報を利用者Uに通知し、さらに、警戒レベルの警報が発せられた領域に利用者Uの拠点の位置が含まれ且つ警戒レベルが利用者Uの設定レベルである場合、防災報知情報を提供情報として利用者Uに提供する。
【0221】
図16は、実施形態に係る端末装置2に表示される表示画面および防災画面の他の例を示す図である。
図16(a)に示す表示画面72には、警戒レベル3が発表され且つ利用者Uの設定レベルが警戒レベル3である場合に利用者Uに提供され端末装置2に表示される警報報知情報73と防災報知情報74とが含まれる。
図16(a)に示す例では、警報報知情報73と防災報知情報74とは、端末装置2のトップ画面にポップアップ表示されており、これにより、利用者Uは、容易に警報報知情報73と防災報知情報74とを把握することができる。
【0222】
図16(a)に示す警報報知情報73は、「[警戒レベル3相当] 今」および「A県B市内で土砂災害の危険が上昇 危険な地域を地図で確認(13時00分発表)」を含む文字情報であり、警戒レベルを示す警戒が発出された領域が「A県B市内」であり、利用者Uの拠点の位置が「A県B市内」である場合に利用者Uに提供される。
【0223】
図16(a)に示す防災報知情報74は、「[防災タイムライン] 今」、「自宅周辺に警戒レベル3(相当)が発表中」、および「危険な場所にいませんか?災害時の行動を確認してください」を含む文字情報である。
【0224】
提供部35は、取得部30によって取得された警報情報に基づいて、「自宅周辺に警戒レベル3(相当)が発表中」の文字情報を決定する。また、提供部35は、警報情報と判定部31によって判定された危険度(利用者Uへの災害の影響度合い)と文言対応情報記憶部23に記憶された文言対応情報に基づいて、防災報知情報74に含まれる「危険な場所にいませんか?災害時の行動を確認してください」の文字情報を決定する。
【0225】
図16(a)に示す「危険な場所にいませんか?災害時の行動を確認してください」の文字情報は、利用者Uの設定レベルである警戒レベル3が発表され且つ利用者Uの拠点における危険度チェックがNGである場合に対応する第2の通知情報から抽出される通知の情報である。防災報知情報74は、第1の影響度合いに応じた情報に代えてまたは加えて、第2の影響度合いに応じた情報または第3の影響度合いに応じた情報を含んでいてもよい。
【0226】
利用者Uは、端末装置2の不図示の操作部を用いたクリック操作またはタップ操作によって表示画面72に含まれる防災報知情報74を選択することができる。提供部35は、防災報知情報74が利用者Uによって選択された場合、
図16(b)に示す防災画面75を端末装置2に表示させる情報である防災情報を端末装置2に送信することによって、防災情報を利用者Uへ提供する。
図16(b)に示す防災画面75には、警報関連情報69および防災タイムライン情報70を含む防災情報が含まれる。
【0227】
図16(b)に示す警報関連情報69には、警戒レベル3が発表されていることを示す警報情報69aと利用者Uへの災害の影響度合いに応じた情報である通知情報69bとが含まれる。
図16(b)に示す通知情報69bは、警戒レベル3が発表され且つ利用者Uの拠点における危険度チェックがNGである場合に対応する第2の通知情報から抽出される防災TLトップの情報であり、「危険な場所にいませんか?災害時の行動を確認してください」の文字情報である。なお、防災TLトップの情報は、利用者Uによる避難の必要性の度合いを示す情報の一例である。また、通知情報69bは、第1の影響度合いに応じた情報である。
【0228】
図16(b)に示す防災タイムライン情報70では、利用者Uの拠点の位置を含む領域に警戒レベル3の警報が発せられている警戒レベル3時において、利用者Uが実行することが好ましい防災行動の情報として、備蓄品確認ボタン71eおよび連絡先確認ボタン71fが強調表示され、また、警戒レベル3時であることを示す警戒レベル3時タグ71dが強調表示されている。なお、強調表示は、例えば、赤色に着色することによって行われるが、かかる例に限定されない。
【0229】
このように、提供部35は、警戒レベル3の警報がある場合に、防災行動として、備蓄品の確認行動と連絡先の確認行動とを利用者Uに提案することができ、これにより、利用者Uは適切な防災行動を行うことができる。
【0230】
また、提供部35は、決定部33による決定結果に基づいて情報を利用者Uに提供する。例えば、提供部35は、決定部33によって決定された提供情報を利用者Uに提供したり、決定部33によって変更された避難場所および避難ルートを示す情報を含む提供情報を利用者Uに提供したりする。
【0231】
図17は、実施形態に係る端末装置2に表示される表示画面の別の例を示す図である。
図17に示す表示画面77には、警報関連情報78と避難関連情報79とを含む提供情報が含まれる。
【0232】
図17に示す表示画面77は、例えば、利用者関連情報において利用者Uの避難場所が設定されていない場合、または利用者関連情報において設定されている利用者Uの避難場所の判定部31によって判定される混雑度が閾値以上である場合において、端末装置2にポップアップ表示される。ポップアップ表示されるタイミングは、例えば、発表された警戒レベルが設定レベルと一致したタイミング、利用者設定情報に含まれる避難先情報で設定された避難場所以外の避難場所が決定部33によって決定されたタイミングなどである。
【0233】
警報関連情報78には、通知レベルが警戒レベル4であり、且つ利用者Uの拠点における危険度チェックがNGである場合に抽出される防災TLトップの情報が含まれる。
【0234】
避難関連情報79には、避難場所、避難ルート、避難タイミングを示す情報が含まれる。避難関連情報79において、避難場所および避難ルートは、文字情報に加え、地図上に描画される。これにより、利用者Uは、避難状況などに応じた避難場所、避難ルート、および避難タイミングで避難を行うことができることから、利用者Uの防災をより適切に支援することができる。
【0235】
なお、避難関連情報79には、各避難場所の現在の混雑度、各避難場所の混雑度の推移、現在の避難人数、現在の避難している人の属性などの情報を含んでいてもよい。これらの情報は、例えば、避難関連情報79における地図において、避難場所のマークをクリックすることなどによって端末装置2に表示されるが、かかる例に限定されない。また、地図上における避難場所のマークは、避難場所の現在の混雑度に応じて色を変化させることもできる。例えば、避難関連情報79において、避難場所の現在の混雑度が高いほど避難場所のマークを赤くすることができる。
【0236】
また、提供部35は、避難先確認ボタン71hが選択された場合に、利用者設定情報に含まれる避難先情報に代えてまたは加えて、決定部33によって決定された避難場所、避難ルート、および避難タイミングを示す情報を含む情報を提供情報として利用者Uに提供することもできる。この場合、提供情報には、決定部33によって決定された避難場所、避難ルート、および避難タイミングを示す情報が含まれる理由を示す情報が含まれる。理由は、例えば、利用者Uの設定した避難場所の混雑している、利用者Uの設定した避難場所への避難ルートの移動が難しいなどである。
【0237】
また、提供部35は、例えば、過去の災害時における避難場所の混雑度の情報および領域状態情報などに基づいて決定された利用者Uの避難場所、避難ルート、および避難タイミングを示す情報を、おすすめの避難場所の情報として避難先編集画面62における「避難場所」のタブが選択された場合に端末装置2に表示させることもできる。これにより、利用者Uはより適切な避難場所を利用者Uの避難場所として設定することができる。
【0238】
また、提供部35は、支援者となる利用者Uが被支援者となる利用者Uの避難支援を希望する場合に、支援者となる利用者Uの防災タイムラインに被支援となる利用者Uのタイムラインの要素を追加した支援用タイムラインを提供する。
【0239】
例えば、提供部35は、双方の利用者U宛に生成された防災タイムラインに基づき、支援者となる利用者Uに対し支援用タイムラインを提供する。この際、提供部35は、各利用者Uに登録された備蓄品に関する情報に基づいて、支援者となる利用者Uが被支援者となる利用者Uの拠点へ迎えにいくタイミングや、避難時の順路等を決定する。
【0240】
例えば、支援者となる利用者Uが外出中であり、被支援者となる利用者Uが在宅中であるとする。この場合、支援者となる利用者Uは、支援者となる利用者Uの拠点と、被支援者となる利用者Uの拠点の少なくとも一方で備蓄品を確保することになる。
【0241】
例えば、支援者となる利用者Uの拠点または被支援者となる利用者Uの拠点の少なくとも一方に利用者Uの分まで備蓄品がある場合には、支援者となる利用者Uは、自身または被支援者となる利用者Uの拠点にて備蓄品を確保することができる。
【0242】
また、例えば、支援者となる利用者Uの拠点の備蓄品と、被支援者となる利用者Uの拠点の備蓄品との双方を確保することが求められる場合には、双方の拠点にて備蓄品を確保することになる。
【0243】
また、例えば、支援者となる利用者Uが自身の拠点を経由して、被支援者となる利用者Uの拠点にてピックアップ後に避難場所へ向かう場合には、被支援者となる利用者Uの拠点を基準として避難場所を決定することが好ましい。
【0244】
そのため、提供部35は、これらを考慮して、利用者Uの備蓄品の量、避難ルートの長さなどに重み付けして合計した値が最も小さい避難場所を利用者Uの避難場所として決定する。なお、防災タイムラインとして提案する避難場所は、公園や公民館等の公共施設、ホテル、知人の家など、適宜安全な任意の場所あるいは施設が含む。
【0245】
なお、提供部35は、例えば、支援者となる利用者Uと、被支援者となる利用者Uとの合流地点(ピックアップ地点)を被支援者となる利用者Uの拠点以外の地点へ決定するようにしてもよい。
【0246】
例えば、提供部35は、被支援者となる利用者Uに対し、被支援者となる利用者Uの歩行能力等を考慮して支援者となる利用者Uがピックアップしやすい地点まで移動してもらうようにしてもよく、避難時に所持する備蓄品に関する情報を被支援者となる利用者Uに対し提供するようにしてもよい。なお、備蓄品に関して、例えば、避難ルート上で調達するような避難場所や避難ルートを提供するようにしてもよい。
【0247】
また、例えば、被支援者となる利用者Uが端末装置2を所持していない利用者Uである場合、提供部35は、支援者となる利用者Uに対し、被支援者となる利用者Uへ避難行動に関する誘導を依頼するようにしてもよい。
【0248】
例えば、この場合には、支援者となる利用者Uは、被支援者となる利用者Uの固定電話等へ電話をかけた上で、避難行動を指示することになる。つまり、端末装置2を所持しておらず、防災タイムラインを直接受け取ることができない利用者Uについては、支援者となる利用者Uに情報の伝達を依頼する。これにより、端末装置2を所持しておらず、防災タイムラインを直接受け取ることができない利用者Uに対しても適切に防災を促すことが可能となる。
【0249】
また、提供部35は、支援者となる利用者Uへ提供する支援用タイムラインを災害状況に応じて、防災用タイムラインに切り替えるようにしてもよい。例えば、提供部35は、支援者となる利用者Uが支援用タイムラインで提案する避難ルートで避難する場合に、当該避難ルートが通行不可あるいは通行不可になる恐れがあり、代替する避難ルートがない場合に、支援者となる利用者Uが提供する支援用タイムラインを防災用タイムラインに切り替える。
【0250】
つまり、提供部35は、例えば、災害状況に応じて、支援者となる利用者Uによる被支援者となる利用者Uの避難支援が困難である場合には、支援者となる利用者Uと被支援者となる利用者Uとが個別に避難するように提供する情報を切り替えることになる。これにより、支援者となる利用者Uによる避難支援に関する二次被害を抑えることができる。
【0251】
また、提供部35は、対象となる利用者が外出先で災害に遭遇する場合、外出先における利用者の避難状況に関する防災情報を当該利用者と所定の属性にある属性利用者に対して提供する。
【0252】
被支援者と同様に、高齢の親である利用者Uが対象利用者であり、その子供が属性利用者であるものとする。提供部35は、対象利用者となる利用者Uが外出先で災害に遭遇した場合に、当該利用者Uの避難状況に関する防災タイムラインを属性利用者である利用者Uの端末装置2へ提供する。
【0253】
ここでの防災タイムラインは、推定部31によって推定あるいは特定された利用者Uの位置情報、および、避難場所に関する情報を含む。また、防災タイムラインは、属性利用者である利用者Uが対象利用者である利用者Uの避難場所へ迎えに行くための情報を含むようにしてもよい。
【0254】
避難場所へ迎えに行くための情報は、属性利用者である利用者Uの現在地から対象利用者である利用者Uの避難場所までの経路や、対象利用者である利用者Uへの支援物資に関する情報を含む。例えば、避難場所までの経路は、道路の寸断、各ルートの混雑状況、各交通機関の運行状況などに基づいて決定される。支援物資に関する情報は、対象利用者である利用者Uの避難場所の物資の状況、対象となる利用者の処方箋の有無などに応じて決定される。
【0255】
また、対象利用者となる利用者Uが防災タイムラインを受信可能な端末装置2を所持していない場合、提供部35は、属性利用者に対し対象利用者となる利用者Uの避難誘導を求めるようにしてもよい。
【0256】
防災タイムラインを受信可能な端末装置2を所持していない場合とは、例えば、対象利用者となる利用者Uがスマートフォンを所有していない場合である。また、対象利用者となる利用者Uは、いわゆるガラケーを所有しているものとする。
【0257】
この場合には、対象利用者となる利用者Uは、防災タイムラインを確認することができず、適切に避難することができないおそれがある。これに対し、属性利用者となる利用者Uへ対象利用者となる利用者Uの避難誘導を求めることで、属性利用者となる利用者Uは音声通話によって対象利用者となる利用者Uに対し適切な避難支援を行うことができる。
【0258】
また、提供部35は、代理で入力された利用者Uの設定情報の更新を促す提案情報を代理設定を行った利用者Uの端末装置2へ提供する。例えば、提案情報は、評価部32による評価結果に基づくものであり、評価部32は、利用者情報に基づいて推定される利用者Uの人物モデルに基づいて設定情報を評価する。
【0259】
すなわち、提供部35は、利用者U本人の人物モデルを用い、代理設定が行われた設定情報の避難場所や避難ルートが適切でない場合に、適切な避難場所や避難ルートとなるように、設定情報の更新を促す提案情報を提供する。
【0260】
これにより、代理設定を行った利用者Uに対し、避難行動に関する適切な設定を促すことができる。また、これらの提案を通じて、代理設定を行った利用者Uは、設定情報を代理設定の対象となる利用者Uに関する現在の状況を把握することも可能である。
【0261】
なお、利用者Uの健康状態は、時間経過によって変化するので、利用者情報から導出される人物モデルについては随時更新される。そのため、処理部12は、例えば、所定の周期で設定情報の更新を提案するようにしてもよい。
【0262】
〔4.処理フロー〕
次に、
図18~
図20を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。
【0263】
〔4.1.提案処理〕
図18は、実施形態に係る設定情報に関する提案処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、提案処理は、代理者によって設定された設定情報に関して提案情報を提供する処理を示す。
【0264】
図18に示すように、情報処理装置1は、例えば、利用者情報提供装置6から各利用者Uに関する利用者情報を取得する(ステップS10)。つづいて、情報処理装置1は、利用者情報提供装置6から取得した利用者情報に基づいて、各利用者Uの人物モデルを推定する(ステップS11)。
【0265】
つづいて、情報処理装置1は、代理者から設定情報を取得したか否かを判定し(ステップS12)、代理者から設定情報を取得した場合(ステップS12;Yes)、ステップS13の処理へ進み、代理者から設定情報を取得していない場合(ステップS12;No)、ステップS10の処理へ戻る。
【0266】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS12にて取得した設定情報を代理設定の対象者とある利用者Uの人物モデルに基づいて評価する設定情報評価処理を行う(ステップS13)。
【0267】
その後、情報処理装置1は、代理者の端末装置2に対して、設定情報評価処理の評価結果に基づいて、設定情報の更新を促す提案情報を提供し(ステップS14)、処理を終了する。
【0268】
〔4.2.提供処理〕
次に、
図19を用いて、実施形態に係る外出先における防災タイムラインの提供処理に関する処理フローについて説明する。
図19は、実施形態に係る外出先における防災タイムラインの提供処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでの提供処理は、外出先で利用者Uが災害に想定した場合に当該利用者Uの避難状況に関する防災タイムラインを他者へ提供する処置を示す。
【0269】
図19に示すように、まず、情報処理装置1は、対象利用者の外出先(位置情報)を推定する(ステップS20)。なお、情報処理装置1は、対象利用者の端末装置2等から位置情報が送信される場合には、ステップS20では、対象利用者の外出先を特定することとなる。
【0270】
つづいて、情報処理装置1は、対象利用者の外出先が災害エリア内か否かを判定する(ステップS21)。情報処理装置1は、対象利用者の外出先が災害エリア内であると判定した場合(ステップS21;Yes)、対象利用者の避難状況を推定する避難状況推定処理を行う(ステップS22)。なお、対象利用者の位置情報をリアルタイムで取得可能な場合には、ステップS22の避難状況推定処理については、避難状況特定処理へ読み替えることにしてもよい。
【0271】
その後、情報処理装置1は、対象利用者の避難状況に関する防災タイムラインを属性利用者へ提供し(ステップS23)、処理を終了する。また、情報処理装置1は、ステップS21の判定において、対象利用者の外出先が災害エリア内でないと判定した場合には(ステップS21;No)、処理を終了する。
【0272】
〔4.3.切替処理〕
次に、
図20を用いて、実施形態に係る支援用防災情報への切替処理について説明する。
図20は、実施形態に係る支援用防災情報への切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、情報処理装置1は、災害情報を取得すると(ステップS30)、各利用者Uに対し防災タイムラインを提供する(ステップS31)。
【0273】
つづいて、情報処理装置1は、支援者となる利用者Uが被支援者となる利用者Uの避難支援を希望するか否かを判定する(ステップS32)。支援者となる利用者Uが被支援者となる利用者Uの避難支援を希望する場合(ステップS32;Yes)、情報処理装置1は、支援者となる利用者Uの提供する防災タイムラインを支援用防災タイムラインへ切り替えたうえで(ステップS33)、処理を終了する。
【0274】
また、情報処理装置1は、支援者となる利用者Uが被支援者となる利用者Uの避難支援を希望していない場合(ステップS32;No)、ステップS32の処理を経ずに、処理を終了する。
【0275】
〔5.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1または端末装置2は、例えば
図21に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。以下、情報処理装置1を例に挙げて説明する。
図21は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0276】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0277】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、通信ネットワーク7(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、通信ネットワーク7を介して他の機器へ送信する。
【0278】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0279】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0280】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信ネットワーク7を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0281】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0282】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図3に示した取得部30、推定部31、評価部32、決定部33、生成部34および提供部35のうちの少なくとも2つ以上は統合されてもよい。また、例えば、記憶部11に記憶される情報は、通信ネットワーク7を介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
【0283】
また、情報処理装置1は、2以上のサーバ装置で構成されてもよく、この場合、情報処理装置1は、例えば、処理サーバと、ストレージサーバとを含む構成を有する。また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0284】
〔7.効果〕
上述した実施形態に係る情報処理装置1は、災害に関する災害情報と、利用者に関する利用者情報とを取得する取得部30と、取得部30によって取得された災害情報と利用者情報とに基づいて、利用者に対して防災情報を生成する生成部34と、支援者となる利用者が被支援者となる利用者の避難支援を希望する場合に、支援者となる利用者の防災情報に被支援者となる利用者の防災情報の要素を含めた支援用防災情報を提供する提供部と、を備える。
【0285】
また、提供部35は、支援者となる利用者の防災情報の要素と、被支援者となる利用者の防災情報の要素とに基づいて、支援者となる利用者が被支援者となる利用者を迎えに行くために作り替えた支援用防災情報を提供する。
【0286】
また、取得部30は、記利用者それぞれの備蓄品に関する情報を利用者情報として予め取得し、提供部35は、支援者となる利用者の備蓄品に関する情報と、被支援者となる利用者の備蓄品に関する情報とに基づいて、支援者となる利用者が被支援者となる利用者を迎えに行く順路を決定した支援用防災情報を提供する。
【0287】
また、提供部35は、支援者となる利用者の備蓄品に関する情報と、被支援者となる利用者の備蓄品に関する情報とに基づいて、支援者となる利用者が被支援者となる利用者を迎えに行くタイミングを決定した支援用防災情報を提供する。
【0288】
また、提供部35は、支援者となる利用者が被支援者となる利用者を迎えに行く場合に、支援者となる利用者と被支援者となる利用者との合流地点に基づいて、合流後の避難場所を決定した支援用防災情報を提供する。
【0289】
また、提供部35は、合流地点までの経路の災害状況に応じて決定した合流地点までの経路を含む支援用防災情報を提供する。また、提供部35は、災害状況に応じて支援用防災情報を、支援者となる利用者と被支援者となる利用者とがそれぞれ個別に避難するための防災情報へ切り替えて提供する。
【0290】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、利用者の防災をより適切に支援することができる。
【0291】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0292】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0293】
1 情報処理装置
2 端末装置
3 災害関連情報提供装置
4 避難情報提供装置
5 領域状態情報提供装置
6 利用者情報提供装置
7 通信ネットワーク
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 利用者情報記憶部
21 利用者設定情報記憶部
22 想定危険度判定情報記憶部
23 文言対応情報記憶部
24 避難関連情報記憶部
30 取得部
31 推定部
31 判定部
32 評価部
33 評価部
33 決定部
34 生成部
35 提供部
100 情報提供システム
U 利用者