(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002800
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20231228BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20231228BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20231228BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20231228BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G5/00 510B
G09G5/36 520D
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102221
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】成川 哲郎
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203FA75
2K203GC25
2K203GC26
2K203HB14
2K203HB18
2K203MA01
5C058BA27
5C058EA02
5C058EA31
5C182AA04
5C182AA14
5C182AC38
5C182BA01
5C182BA02
5C182CB11
5C182CC24
5C182CC26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】幾何学補正後の投影用画像に対して形状を微調整し、歪みのない投影用画像を生成することができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】コーナー投影用画像を入力する画像ソース機器と、壁面コーナー部を含む投影面に画像を投影する投影装置2と、を含む投影処理システム100において、投影装置に含まれる画像処理装置200は、投影面に投影される投影画像の投影位置、形状を補正する処理を行う幾何学変形処理部と、投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、投影画像の位置を移動させた後に、投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて投影面に投影される投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影面に投影される投影画像の投影位置、形状を補正する処理を行う幾何学変形処理部と、
前記投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、前記投影画像の位置を移動させた後に、前記投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて前記投影面に投影される前記投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、ユーザに前記画像処理装置の位置を、前記投影画像の投影ずれを打ち消す位置に移動させた後に、前記画像処理装置の移動の前後の位置の差分に基づいて前記投影面に投影される前記投影画像を前記画像処理装置の移動前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記投影画像のズームを調整する光学ズームをさらに備え、
前記制御部は、ユーザに前記光学ズームを、前記投影画像の投影ずれを打ち消すように調整させた後に、前記光学ズームの調整前後の操作量の差分に基づいて前記投影面に投影される前記投影画像を前記光学ズームの調整前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置の外部には、前記投影画像を投影するための投影部を備え、
前記幾何学変形処理部は、前記投影部の投影素子が備える投影グリッドの形状に合わせて前記投影画像を変形させる、
請求項1から3の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、前記投影画像の位置を移動させた後に、前記投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて投影面に投影される前記投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正するステップと、
を含む、画像処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、前記投影画像の位置を移動させた後に、前記投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて投影面に投影される前記投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正する処理、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像をスクリーンの投影面に投影する場合、投影面の形状に合わせて投影画像の歪み補正を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、予め定められた投影面の形状に対応させるための近似式に、ユーザの設定した変数およびパラメータ値を入力することにより、スクリーンの投影面の形状に合わせて投影用画像を幾何学補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、幾何学補正後に投影画像の変形品質を高めるために、ユーザが投影装置の方向を微修正する場合がある。この場合、投影画像の投影位置が、投影装置の方向の修正前からずれる。このため、投影画像の投影位置を調整する必要がある。しかし、この場合、ユーザが投影装置の方向を微修正する前後の投影画像の投影位置は、大きくずれるものではない。また、投影装置の方向を微修正する前後で、投影画像が大きく歪むわけではない。したがって、投影画像の投影位置のずれ、歪み等を微調整すれば良い。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、再度、ユーザが変数およびパラメータ値を入力し、投影画像全体を幾何学補正することになる。したがって、特許文献1に開示された技術では、幾何学補正後の投影用画像の形状のうち、歪んでいる部分だけを微調整し、歪みのない投影用画像を生成することができないという課題がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためにされたものであり、幾何学補正後の投影用画像に対して形状を微調整し、歪みのない投影用画像を生成することができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、
投影面に投影される投影画像の投影位置、形状を補正する処理を行う幾何学変形処理部と、
前記投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、前記投影画像の位置を移動させた後に、前記投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて前記投影面に投影される前記投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する制御部と、
を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、幾何学補正後の投影用画像に対して形状を微調整し、歪みのない投影用画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る投影処理システムによるコーナー投影の概要を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る投影処理システムの構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る投影装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4A】
図3に示した投影装置によるコーナー投影の投影ずれの概要を説明するための図である。
【
図4B】
図4Aに示した投影装置による投影画像のグリッドと投影素子のグリッドと関係を説明するための図である。
【
図4C】
図4Bに示した投影素子のグリッドが壁面コーナー部上にない場合を説明するための図である。
【
図4D】
図4Bに示した投影素子のグリッドが壁面コーナー部上にある場合を説明するための図である。
【
図5A】本発明の実施の形態に係る投影装置による6点補正を説明するための図である。
【
図5B】本発明の実施の形態に係る投影装置による6点補正後の投影画像を示す図である。
【
図5C】本発明の実施の形態に係る投影装置によるコーナー投影の方向修正を説明するための図である。
【
図5D】本発明の実施の形態に係る投影装置による画像調整処理後の投影画像を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る投影装置において実行される形状補正処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7A】本発明の実施の形態の変形例である投影装置の光学ズーム時における投影ずれの概要を説明するための図である。
【
図7B】本発明の実施の形態の変形例である投影装置の光学ズーム時における投影ずれの修正方法を説明するための図である。
【
図8A】本発明の実施の形態の変形例であるスライド式の投影装置における投影ずれの概要を説明するための図である。
【
図8B】本発明の実施の形態の変形例であるスライド式の投影装置における投影ずれの修正方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0011】
本発明の実施の形態に係る画像処理装置200は、幾何学補正後の投影画像4に対して形状を微調整し、歪みのない投影画像4を生成することができる機能を備える。また、本発明の実施の形態に係る投影装置2は、画像処理装置200と、投影部24とを含む。
【0012】
本発明の実施の形態に係る投影処理システム100によるコーナー投影の概要を、
図1に示す。投影処理システム100は、投影用画像を入力する画像ソース機器1と投影面3に画像を投影する投影装置2とを含む。第1壁面3aおよび第2壁面3bは平面であり、両者の近接する端部を任意の角度で接続した継ぎ目部分を、ここでは壁面コーナー部3cと呼ぶ。また、第1壁面3a、第2壁面3b、および壁面コーナー部3cを総称して投影面3と称する。投影装置2は、壁面コーナー部3cを中心に第1壁面3aおよび第2壁面3bに跨がる形で、後述する投影部24から投影画像4を投影する。投影画像4は、矩形の画像であり、各頂点を第1補正点5a、第2補正点5b、第3補正点5c、第4補正点5d、第5補正点5e、第6補正点5fと称する。
【0013】
投影装置2は、
図2に示すとおり、操作入力部21と、画像処理部22と、幾何学変形処理部23と、投影部24と、制御部25とを含む。操作入力部21は、ユーザからの指示を入力するための入力部である。操作入力部21は、例えば、ある機能と紐付けられた、ソフトウエアまたはハードウエアのキー、投影装置2と一体または別体のリモコン等である。画像処理部22は、画像ソース機器1から投影するための画像データを受信し、画像データの画像処理をして投影用の投影画像4を生成する。
【0014】
幾何学変形処理部23は、画像処理部22から投影画像4を受信し、投影先の形状に合わせて投影画像4を変形させる。投影部24は、幾何学変形処理部23から幾何学変形した投影画像4を受信し、投影面3に投影する。制御部25は、操作入力部21から入力される指示に応じて、画像処理部22、幾何学変形処理部23、および投影部24の動作を制御する。
【0015】
また、投影装置2に含まれる画像処理部22と、幾何学変形処理部23と、制御部25とは、画像処理装置200として機能する。画像処理装置200の各機能は、図示しない記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムを実行するための、投影装置2のハードウエアの構成について
図3を参照しつつ、以下に説明する。
【0016】
投影装置2は、接続機器211と、通信機器212と、操作入力機器213と、画像処理機器214、投影機器215と、記憶機器216と、メモリ217と、プロセッサ218とを含む。接続機器211と、通信機器212と、操作入力機器213と、画像処理機器214、投影機器215と、記憶機器216と、メモリ217と、プロセッサ218とはそれぞれ、バス219を介して相互に接続されている。
【0017】
接続機器211は、画像ソース機器1を接続するための機器である。接続機器211は、画像データ、制御データ等の各種データを入出力可能な接続端子、例えば、HDMI(登録商標)(High-definition Multimedia Interface)、D-Sub(D-subminiature)、USB(Universal Serial Bus)等の端子を備える。
【0018】
通信機器212は、近距離通信またはネットワークを介して他の装置と通信し各種データの送受信をする。また、操作入力部21がリモコンである場合、通信機器212は操作入力部21からの指示を受信する。通信機器212は、例えば、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線または無線LAN等のネットワークに接続可能な通信方式を備えた各種機器により構成することができる。操作入力機器213は、ユーザからの入力を受け付ける機器である。操作入力機器213は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、リモコン等のデータを入力が可能な機器により構成することができる。
【0019】
画像処理機器214は、画像ソース機器1から取得した投影用の画像データを処理し、投影画像4を生成する。また、画像処理機器214は、操作入力機器213から入力される指示に応じて、投影画像4に対して幾何学変更処理を行う。画像処理機器214は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)といった画像処理、画面表示処理を行うことができる処理装置を用いて構成することができる。
【0020】
投影機器215は、画像処理機器214で生成した投影画像4を投影する。投影機器215は、光源と投影素子と投影レンズを含む。光源は、赤(R)、緑(G)、青(B)の原色光を含む複数光を出射する。投影素子は、光源から照射された光を、投影レンズと同じ方向または異なる方向に反射させる。投影素子は、例えば、微少ミラー素子をアレイ状に配置したマイクロミラー素子といった光の向きを操作できる各種素子を用いて構成することがきる。投影レンズは、投影素子から導かれた光を投影面3に投影する。また、投影レンズは、投影面3に投影する投影画像4を拡大または縮小するピント機能も備えている。
【0021】
記憶機器216は、プロセッサ218で実行する各種プログラム、操作入力機器213から入力された各種データを記憶する機器である。記憶機器216は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いて構成することができる。
【0022】
メモリ217は、記憶機器216に記憶された各種プログラムを展開するための記憶素子である。メモリ217は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の揮発性または不揮発性の半導体メモリといった記憶素子および記憶媒体を用いて構成することができる。プロセッサ218は、記憶機器216に記憶された各種プログラムを読み出してメモリ217に展開し、実行する。プロセッサ218は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を用いて構成することができる。
【0023】
続いて、本実施の形態における投影装置2によるコーナー投影の投影ずれの調整手法について説明する。まず、投影装置2によるコーナー投影の投影ずれの概要を
図4Aに示す。投影装置2の投影部24から、壁面コーナー部3cを中心に第1壁面3aおよび第2壁面3bに跨がる形で投影画像4を投影する。ここで、第1壁面3aおよび第2壁面3bは平面であり、壁面コーナー部3cの角度は直角とする。投影画像4を第1壁面3aおよび第2壁面3bに投影した後で、投影画像4の投影品質を高めるために幾何学補正を行う。
【0024】
具体的には、
図4Aに示す、投影画像4の四角の第1補正点5a、第3補正点5c、第4補正点5d、第6補正点5fと、壁面コーナー部3cに配置される第2補正点5b、第5補正点5eとを、ユーザに操作画面上で指定させる。そして、幾何学補正を行うと、
図4Aに示すように、第2補正点5b、第5補正点5eが壁面コーナー部3cに配置されるものの、投影画像4には壁面コーナー部3cの左右で二回折れる、いわゆる二重折れが生じる場合がある。
【0025】
ここで、第1補正点5aから第3補正点5cまでの区間で投影画像4が折れた位置を、第1折点α1、第2折点β1とする。また、第4補正点5dから第6補正点5fまでの区間で投影画像4が折れた位置を、第3折点β2、第4折点α2とする。第1折点α1と第4折点α2とを結んだ線を第1折れ線αとする。第2折点β1と第3折点β2とを結んだ線を第2折れ線βとする。
【0026】
例えば
図4Bに示すように、投影画像4には仮想的に格子状の画像グリッドGが重畳されている。投影画像4を構成する画素はそれぞれ、画像グリッドG上の座標が割り当てられている。また、
図2に示した投影部24を構成する投影素子は、仮想的に格子状の投影グリッドLを備えている。投影画像4を構成する画素はそれぞれ、投影部24の投影素子に備えられた投影グリッドL上の座標に対応付けられている。例えば、
図4Bに示す投影画像4の画素g1では、その画像グリッドG上の座標が、破線矢印で示す投影素子の投影グリッドLの点l1の座標と対応付けられている。また、投影画像4の画素g2では、その画像グリッドG上の座標が、破線矢印で示す投影素子の投影グリッドLの点l2の座標と対応付けられている。
【0027】
投影画像4の幾何学補正の手法の一つに、例えば、投影素子の投影グリッドLの形状に合わせて投影画像4の形状を変更させる手法がある。投影グリッドLの形状が変化すると、その変化に伴い投影グリッドL上の座標に対応つけられた投影画像4の画素の座標が動く。これにより、投影画像4の形状を変更することができる。投影素子の投影グリッドLは、複数の離散的なグリッド点を直線のグリッド線で結び構成されている。このため、上記の手法をとる場合、投影グリッドLの形状の変更は、投影グリッドLを構成するグリッド点の単位で行われる。
【0028】
図4Aに示した投影画像4の第1折点α1、第2折点β1を含む範囲Sの拡大図を
図4Cに示す。投影グリッドLは、第1折点α1とグリッド点とを垂直に結ぶ第1グリッド線L1、第1補正点5a側のグリッド点を垂直に結ぶ第2グリッド線L2、第3グリッド線L3、第2折点β1とグリッド点とを垂直に結ぶ第4グリッド線L4、第3補正点5c側のグリッド点を垂直に結ぶ第5グリッド線L5、第6グリッド線L6を含む。さらに投影グリッドLは、第1折点α1、第2折点β1およびグリッド点を水平に結ぶ第7グリッド線L7、第3折点β2、第4折点α2側のグリッド点を水平に結ぶ第8グリッド線L8、第9グリッド線L9を含む。
【0029】
図4Cにおいて、第2補正点5bが壁面コーナー部3cに配置されたものの、壁面コーナー部3cの位置が第1折点α1と第2折点β1との間、すなわち2つのグリッド点の間に来たものとする。投影グリッドLは、グリッド点の単位でしか形状を変えられない。このため、投影グリッドLは、壁面コーナー部3cを挟んだ第1折点α1と第2折点β1の位置で折れ曲がる。この場合、
図4Aに示したように、投影画像4は第1折れ線αおよび第2折れ線βの位置で折れ曲がる。したがって、投影画像4には二重折れが発生する。
【0030】
図4Cに示す二重折れの生じている投影画像4の状態で、投影装置2の位置を動かすことにより、例えば、
図4Dに示すように、壁面コーナー部3cが、第1折点α1とグリッド点とを結んだ第1グリッド線L1に重なったものとする。この場合、投影グリッドLは、第1グリッド線L1を中心として折れ曲がる。これにより、投影画像4は、壁面コーナー部3cを中心に第1壁面3aおよび第2壁面3bに跨がる形で投影される。
【0031】
しかしながら、
図4Aに示した投影画像4について、二重折れを修正するために投影画像4を第1折れ線αまで動かすと、投影画像4の形状そのものが変形してしまう。従来、幾何学補正後に、投影画像4の形状のうち歪んでいる部分だけを微調整し、歪みのない投影画像4を生成することができなかった。このため、再度、幾何学補正を実行することになっていた。本実施の形態では、幾何学補正後の投影画像4の形状のうち、歪んでいる部分だけを微調整し、歪みのない投影画像4を生成する。
【0032】
本実施の形態における投影画像4の形状の微調整の手順を、以下に示す。
図2に示した投影装置2の画像処理部22は、画像ソース機器1から投影用の画像を取得する。画像処理部22は、取得した投影用の画像を
図2に示した投影装置2の幾何学変形処理部23に送信する。幾何学変形処理部23は、投影部24に投影用の画像を投影させる。投影部24から、壁面コーナー部3cを挟んだ第1壁面3aおよび第2壁面3bに投影画像4を投影した状態を、
図5Aに示す。ここでは、投影画像4が第1壁面3a側にずれているものとする。
【0033】
このとき、ユーザが
図2に示した投影装置2の操作入力部21から幾何学補正の指示を入力する。
図2に示した投影装置2の幾何学変形処理部23は、投影画像4に重畳して、投影画像4の四角および中央の上下2点の計6点の指定を促すメッセージを投影部24に投影させる。ユーザが、投影装置2の操作入力部21から、
図5Aに示す投影画像4の四角の第1補正点5a、第3補正点5c、第4補正点5d、第6補正点5fと、壁面コーナー部3cに配置される第2補正点5b、第5補正点5eとを指定する。
【0034】
続いてユーザが投影装置2の操作入力部21から幾何学補正を実行する旨の指示を行う。投影装置2の幾何学変形処理部23は、ユーザから指定された、投影画像4の四角の第1補正点5a、第3補正点5c、第4補正点5d、第6補正点5fと、壁面コーナー部3cに配置される第2補正点5b、第5補正点5eとの各座標に応じて、投影画像4の投影位置、形状を補正する。
【0035】
図2に示した投影装置2の制御部25は、投影画像4に重畳して、形状修正を実行するか否かの旨のメッセージを、投影部24に投影させる。ここで、幾何学補正後の投影画像4が、
図5Bに示す形状とする。投影画像4には、壁面コーナー部3cを挟んだ第1折れ線αおよび第2折れ線βの位置で二重折れが発生している。ユーザは、投影装置2の操作入力部21から、形状修正を実行する旨の指示を入力する。なお、
図1に示すように、投影画像4に壁面コーナー部3cを挟んで二重折れが発生していない場合、ユーザは投影装置2の操作入力部21から、形状修正を実行しない旨の指示を入力する。これにより、投影装置2の制御部25は、幾何学補正後の形状修正を中止する。
【0036】
投影装置2の制御部25は、投影画像4上の第1折点α1と第4折点α2の座標を算出する。ここで算出される座標は、
図4Cに示した壁面コーナー部3cに配置される第2補正点5b、第5補正点5eに近接する、投影素子における投影グリッドL上のグリッド点の座標である。したがって、投影画像4上の第1折点α1と第4折点α2の座標は、投影グリッドL上のグリッド点の座標と、コーナー補正用のパラメータを基に算出することができる。
【0037】
コーナー補正用のパラメータは、例えば、ユーザにより指定された、投影画像4の四角の第1補正点5a、第3補正点5c、第4補正点5d、第6補正点5fと、壁面コーナー部3cに配置される第2補正点5b、第5補正点5eとの、計6点の座標である。なお、コーナー補正用のパラメータには、投影画像4の第1補正点5aから第6補正点5fの座標にだけでなく、レンズの画角、レンズのオフセット等の情報を加えてもよい。
【0038】
図2に示した投影装置2の制御部25は、算出した第1折点α1および第4折点α2の座標を結んだ第1折れ線αを、修正ガイドとして投影画像4に重畳して、投影部24に投影させる。また、投影装置2の制御部25は、ユーザに投影装置2の位置を修正ガイドまで移動させることを促す旨のメッセージを、投影画像4に重畳して、投影部24に投影させる。これにより、投影装置2は、ユーザに投影装置2の位置を、修正ガイド、すなわち第1折れ線αまで移動させる。この場合、投影装置2の位置が動くことにより、
図5Cに示すように投影画像4が白矢印の方向に移動する。
【0039】
ここで、ユーザが
図2に示した投影装置2の操作入力部21から形状修正の開始の指示を入力する。形状修正の開始の指示は、例えば、投影装置2に付けられた形状修正機能とむすび付けられたハードウエアのボタンまたは、投影部24に投影させたソフトウエアのボタンである。
【0040】
投影装置2の幾何学変形処理部23は、投影画像4の投影位置、形状を投影装置2の移動前の投影位置、形状に補正する。例えば、まず、幾何学変形処理部23は、
図5Aに示した投影画像4を幾何学補正した際に、ユーザが指定した、壁面コーナー部3cに配置される投影画像4の第2補正点5b、第5補正点5eの座標を求める。続いて、幾何学変形処理部23は、投影装置2を移動させる前に上述の修正ガイドを投影画像4に重畳表示させた際の第1折点α1および第4折点α2の座標を求める。
【0041】
幾何学変形処理部23は、求めた投影画像4の第2補正点5b、第5補正点5eの座標と、第1折点α1および第4折点α2の座標との差分を求める。この差分は、壁面コーナー部3cに配置される投影画像4の第2補正点5b、第5補正点5eの座標が移動した移動量である。幾何学変形処理部23は、この差分から投影装置2を移動させた角度を算出する。投影装置2を移動させた角度を、以下では修正角度と称する。
【0042】
幾何学変形処理部23は、修正角度を用いて、例えば空間座標処理により、投影画像4のコーナー補正用のパラメータである、投影画像4の第1補正点5aから第6補正点5fの座標を、
図5Dに示した第1補正点5a’から第6補正点5f’に変更する。幾何学変形処理部23は、変更した投影画像4の第1補正点5a’から第6補正点5f’の座標に応じて、投影画像4の画像グリッドG上の座標と投影グリッドL上の座標との対応関係を補正し、投影部24に投影させる。これにより、投影画像4は、
図5Dに示すように、投影装置2の移動前と同じ投影位置、形状であり、かつ、壁面コーナー部3cを挟んで二重折れが発生していない状態で投影される。
【0043】
投影装置2の画像処理部22、幾何学変形処理部23、制御部25の実行する各機能は、画像調整処理プログラムとして、
図3に示した記憶機器216に保存されている。画像調整処理プログラムは投影装置2の起動時に記憶機器216から
図3に示したメモリ217に読み出され、プロセッサ218により実行される。その後、ユーザが
図2に示した投影装置2の操作入力部21から幾何学補正の指示を入力するまで待機する。補正開始ボタンが画像調整処理プログラムの処理の流れを、
図6に示す画像調整処理のフローチャートを参照しつつ、以下に説明する。
【0044】
投影装置2の投影部24から
図5Aに示した状態で投影画像4が投影されているものとする。この状態で、制御部25は、ユーザにより
図2に示した投影装置2の操作入力部21から幾何学補正の指示を入力があったか否か判定する(ステップS10)。操作入力部21から幾何学補正の指示を入力があった場合(ステップS10;YES)、
図2に示した投影装置2の幾何学変形処理部23は、投影画像4に重畳して、投影画像4の四角および中央の上下2点の計6点の指定を促すメッセージを投影部24に投影させる(ステップS11)。また、操作入力部21から幾何学補正の指示を入力が無い場合(ステップS10;NO)、制御部25はステップS10を繰り返す。
【0045】
ここで、ユーザは投影装置2の操作入力部21から
図5Aに示す第1補正点5aから第6補正点5fを指定する。制御部25は、ユーザにより操作入力部21から、幾何学補正を実行する旨の指示があったか否か判定する(ステップS12)。実行する旨の指示が無い場合(ステップS12;NO)、制御部25はステップS12を繰り返す。また、実行する旨の指示があった場合(ステップS12;YES)、制御部25は幾何学変形処理部23に、ユーザから指定された第1補正点5aから第6補正点5fに基づいて、投影画像4を幾何学補正する(ステップS13)。
【0046】
投影装置2の制御部25は、投影画像4に重畳して、形状修正を実行するか否かの旨のメッセージを、投影部24に投影させる(ステップS14)。制御部25は、ユーザにより操作入力部21から、形状修正を実行する旨の指示があったか否か判定する(ステップS15)。形状修正を実行する旨の指示が無い場合(ステップS15;NO)、制御部25はす画像調整処理を終了する。形状修正を実行する旨の指示があった場合(ステップS15;YES)、投影装置2の制御部25は、現在の投影画像4上の第1折点α1と第4折点α2の座標を算出する(ステップS16)。
【0047】
例えば、
図5Bに示した投影画像4上の第1折点α1と第4折点α2は、
図4Cに示した壁面コーナー部3cに配置される第2補正点5b、第5補正点5eに近接する、投影素子における投影グリッドL上のグリッド点の座標である。このため、制御部25は、例えば、投影画像4上の第1折点α1と第4折点α2について、投影グリッドL上のグリッド点の座標と、コーナー補正用のパラメータである投影画像4の第1補正点5aから第6補正点5fの座標を基に算出することができる。
【0048】
制御部25は、ステップS16で算出した第1折点α1および第4折点α2の座標を結ぶ第1折れ線αを、修正ガイドとして投影画像4に重畳して、投影部24に投影させる。続いて、制御部25は、投影画像4に重畳して、ユーザに投影装置2の位置を修正ガイドまで移動させることを促す旨のメッセージを、投影部24に投影させる(ステップS17)。これにより、ユーザは投影装置2の位置を修正ガイドまで動かす。制御部25は、ユーザが
図2に示した投影装置2の操作入力部21から形状修正の開始の指示を入力したか否か判定する(ステップS18)。形状修正の開始の指示を入力していない場合(ステップS18;NO)、制御部25はステップS18を繰り返す。
【0049】
形状修正の開始の指示を入力した場合(ステップS18;YES)、投影装置2の幾何学変形処理部23は、投影画像4の投影位置、形状を投影装置2の移動前の投影位置、形状に補正する(ステップS19)。例えば、幾何学変形処理部23は、
図5Aに示した投影画像4を幾何学補正した際にユーザが指定した、壁面コーナー部3cに配置される投影画像4の第2補正点5b、第5補正点5eの座標を求める。続いて、幾何学変形処理部23は、投影装置2を移動させる前に上述の修正ガイドを投影画像4に重畳表示させた際の、第1折点α1および第4折点α2の座標を求める。
【0050】
幾何学変形処理部23は、求めた投影画像4の第2補正点5b、第5補正点5eの座標と、第1折点α1および第4折点α2の座標との差分を求め、この差分から投影装置2を移動させた角度である修正角度を算出する。幾何学変形処理部23は、修正角度を用いて、例えば空間座標処理により、投影画像4のコーナー補正用のパラメータである、投影画像4の第1補正点5aから第6補正点5fの座標を、
図5Dに示した第1補正点5a’から第6補正点5f’に変更する。幾何学変形処理部23は、変更した投影画像4の第1補正点5a’から第6補正点5f’の座標に応じて、投影画像4の画像グリッドG上の座標と投影グリッドL上の座標との対応関係を補正し、投影部24に投影させる。
【0051】
幾何学変形処理部23は、補正した投影画像4を投影部24に投影させる(ステップS20)。これにより、投影画像4は、
図5Dに示すように、投影装置2の移動前と同じ投影位置、形状であり、かつ、壁面コーナー部3cを挟んで二重折れが発生していない状態で投影される。制御部25は、画像調整処理を終了する。
【0052】
以上のとおり、本実施の形態に係る画像処理装置は、幾何学補正後の投影画像4に対して形状を微調整し、歪みのない投影画像4を生成することができる。
【0053】
(変形例)
上述の実施の形態では、コーナー投影した投影画像4について、幾何学補正後に微調整する例を示した。これに限らず、例えば、投影装置2の光学ズーム時における投影画像4の投影ずれを調整する事も可能である。
図7Aは、投影装置2の投影部24から投影面3に投影された投影画像4を、幾何学補正したものである。投影画像4は初期投影可能範囲6Aから一部分がはみ出ている。この時、投影画像4を初期投影可能範囲6Aの範囲内に収めるため、ユーザは投影装置2の光学ズームを操作する。
【0054】
光学ズームの操作後の投影画像4Aを、
図7Bに点線で示す。投影画像4Aは光学ズーム後の投影可能範囲6B内に収まる。しかし、光学ズームの操作後の投影画像4Aは、光学ズームの操作前の投影画像4の投影位置、形状とは異なる。そこで、上述の実施の形態における投影装置2の幾何学変形処理部23により、操作前後の光学ズームの変化量を用いて、例えば空間座標処理により光学ズームの操作後の投影画像4Aを調整する。
【0055】
これにより、光学ズームの操作後の投影画像4Aを、光学ズームの操作前の投影画像4の投影位置、形状に調整する。操作前後の光学ズームの変化量は、例えば、電動の光学ズームの位置制御情報、手動の光学ズームのズーム位置センサから得ることができる。また、投影画像4に重畳してガイドを表示し、ガイドに従って光学ズームを操作した操作量から求めてもよい。
【0056】
さらに、上述の実施の形態における投影装置2の調整は、例えば天井に取り付けられたスライド式の投影装置2における、投影画像4の投影ずれを調整する事も可能である。
図8Aは、スライド式の投影装置2から投影面3に投影された投影画像4を、幾何学補正した後の投影画像4である。投影画像4は初期投影可能範囲6Cから一部分がはみ出ている。この時、投影画像4を初期投影可能範囲6Cの範囲内に収めるため、ユーザは投影装置2をスライドさせる。
【0057】
投影装置2のスライド後の投影画像4Aを、
図8Bに点線で示す。投影画像4Aは光学ズーム後の投影可能範囲6D内に収まる。しかし、投影装置2のスライド後の投影画像4Aは、スライド前の投影画像4の投影位置、形状とは異なる。そこで、上述の実施の形態における投影装置2の幾何学変形処理部23により、投影装置2のスライドの移動量を用いて、例えば空間座標処理によりスライド後の投影画像4Aを調整する。
【0058】
これにより、スライド後の投影画像4Aを、スライド前の投影画像4の投影位置、形状に調整する。投影装置2のスライドの移動量は、例えば、スライド用レースに配置されたセンサから得ることができる。また、投影画像4に重畳してガイドを表示し、ガイドに従って投影装置2をスライドさせた移動量から求めてもよい。
【0059】
また、上述の実施の形態では、投影装置2含まれる画像処理部22と、幾何学変形処理部23と、制御部25とを含む画像処理装置200を、投影装置2に含むものとしたが、投影装置2と別体にしても良い。さらに、画像処理装置200の機能を有するプログラムにより代替してもよい。
【0060】
また、本実施の形態におけるプログラムの適用方法は任意である。例えば、プログラムを、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、表示選択処理プログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0062】
(付記)
(付記1)
投影面に投影される投影画像の投影位置、形状を補正する処理を行う幾何学変形処理部と、
前記投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、前記投影画像の位置を移動させた後に、前記投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて前記投影面に投影される前記投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する制御部と、
を備える画像処理装置。
【0063】
(付記2)
前記制御部は、ユーザに前記画像処理装置の位置を、前記投影画像の投影ずれを打ち消す位置に移動させた後に、前記画像処理装置の移動の前後の位置の差分に基づいて前記投影面に投影される前記投影画像を前記画像処理装置の移動前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する、
付記1に記載の画像処理装置。
【0064】
(付記3)
前記投影画像のズームを調整する光学ズームをさらに備え、
前記制御部は、ユーザに前記光学ズームを、前記投影画像の投影ずれを打ち消すように調整させた後に、前記光学ズームの調整前後の操作量の差分に基づいて前記投影面に投影される前記投影画像を前記光学ズームの調整前の投影位置、形状に補正する処理を行うように幾何学変形処理部を制御する、
付記1に記載の画像処理装置。
【0065】
(付記4)
前記画像処理装置の外部には、前記投影画像を投影するための投影部を備え、
前記幾何学変形処理部は、前記投影部の投影素子が備える投影グリッドの形状に合わせて前記投影画像を変形させる、
付記1から3の何れか一つに記載の画像処理装置。
【0066】
(付記5)
画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、前記投影画像の位置を移動させた後に、前記投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて投影面に投影される前記投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正するステップと、
を含む、画像処理方法。
【0067】
(付記6)
コンピュータに、
投影画像の投影ずれを打ち消す位置に、前記投影画像の位置を移動させた後に、前記投影画像の移動の前後の位置の差分に基づいて投影面に投影される前記投影画像を、移動前の投影位置、形状に補正する処理、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0068】
1…画像ソース機器、2…投影装置、3…投影面、3a…第1壁面、3b…第2壁面、3c…壁面コーナー部、4、4A、4B…投影画像、5a…第1補正点、5b…第2補正点、5c…第3補正点、5d…第4補正点、5e…第5補正点、5f…第6補正点、6A、6C…初期投影可能範囲、6B、6D…投影可能範囲、21…操作入力部、22…画像処理部、23…幾何学変形処理部、24…投影部、25…制御部、100…投影処理システム、151…入力機器、154、216…記憶機器、200…画像処理装置、211…接続機器、212…通信機器、213…操作入力機器、214…画像処理機器、215…投影機器、217…メモリ、218…プロセッサ、219…バス。