(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028060
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する方法、技能評価装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20240222BHJP
G09B 19/24 20060101ALI20240222BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240222BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B19/24 A
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131407
(22)【出願日】2022-08-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000126676
【氏名又は名称】株式会社アデランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 宗明
(72)【発明者】
【氏名】小菅 俊彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】ウィッグ等の頭髪スタイル変更手段の利用者に対する施術の技能を客観的に評価することができる方法、技能評価装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】ウィッグ等の頭髪スタイル変更手段の利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置1が行う方法は、施術中の画像を取得する工程と、この取得した画像から施術に関する画像特徴要素を抽出する工程と、記憶装置2にアクセスして得た施術に関する評価基準情報21に基づいて、抽出した画像特徴要素の評価を示す評価値を算出する工程とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置が行う方法であって、
前記技能評価装置は、前記頭髪スタイル変更手段によって前記利用者の頭髪スタイルを変更するために行われる前記施術に関する評価基準情報を記憶した記憶装置にアクセス可能であり、
前記技能評価装置が、前記施術中の画像を取得する工程と、
前記技能評価装置が、前記画像から前記施術に関する画像特徴要素を抽出する工程と、
前記技能評価装置が、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素の評価を示す評価値を算出する工程と、
を有する方法。
【請求項2】
前記記憶装置は、前記施術の手順に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術の手順を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術の手順に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術の手順の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記施術に用いる物品に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術に用いる物品を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術に用いる物品に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術に用いる物品の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記施術に用いる前記物品として刃物に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から施術者が保持する刃物を抽出することを含む、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記記憶装置は、前記施術に用いる前記物品として化粧品、薬剤、接着剤及び剥離剤の少なくとも1つに関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記利用者への施術に用いた化粧品、薬剤、接着剤及び剥離剤の少なくとも1つを抽出することを含む、
請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記記憶装置は、前記施術の物理量に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術の物理量を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術の物理量に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術の物理量の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記記憶装置は、前記利用者に関する個人情報と関連付けされた前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記頭髪スタイル変更手段であるウィッグと前記利用者との関係を前記画像から抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記利用者に関する個人情報と関連付けされた前記評価基準情報に基づき、前記画像特徴要素から抽出した前記ウィッグと前記利用者との関係の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記記憶装置に記憶される前記個人情報は、前記ウィッグと前記利用者との位置関係を示す情報を含み、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記ウィッグと前記利用者との位置関係を抽出することを含む、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記施術中の音声を取得する工程と、
前記音声から前記施術に関する音声特徴要素を抽出する工程と、をさらに備え、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記音声特徴要素の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記記憶装置は、前記利用者と施術者との会話に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記音声特徴要素を抽出する工程は、前記音声から前記利用者と前記施術者との会話を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記利用者と前記施術者との会話に関する前記評価基準情報に基づき前記音声特徴要素から抽出した前記利用者と前記施術者との会話の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記利用者の感情を表す前記画像特徴要素を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記画像から抽出した前記利用者の感情を表す前記画像特徴要素に基づいて、前記施術に対する前記利用者の満足の度合いを評価する評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか一項に記載された方法の各工程を実行する手段を備えた技能評価装置。
【請求項13】
コンピュータが実行可能な命令を含むプログラムであって、
請求項1~請求項11のいずれか一項に記載された方法の各工程を前記コンピュータに実行させる前記命令を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置が行う方法、技能評価装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウィッグは利用者の好みや自髪の状態、頭部の形などに応じて適した形態があるとともに、それぞれ適した施術が必要となる。施術者によってウィッグの利用者に対する施術の技能はばらつくことから、その技能を適切に評価し、施術者にフィードバックすることが望まれる。
【0003】
特許文献1には、作業者個々の技能が重要視される様々な作業について、その作業を行う作業者の習熟レベルを容易かつ客観的に評価できる技能評価システムおよび技能評価方法が開示される。すなわち、作業の技能を修得する必要がある作業者の技能水準を評価する装置において、評価の対象となる技能が必要とされる作業に関連した作業の状態を測定し定量的な挙動データおよび作業状態データから得られる特定の有意なパターンと、あらかじめ構築された模範的なデータおよびそのデータ範囲・パターンに関する情報を記憶するパターン記憶装置が記憶する模範的なデータのパターンとを比較した結果から得られる指標を評価結果として提示する技能評価結果提示装置とを具備する構成が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウィッグ等の頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術は、自髪に対する施術、頭皮に対する施術、ウィッグそのものに対する施術など多岐にわたることから、施術の技能を客観的に評価することは非常に困難である。単に施術の技能のみならず、利用者(顧客)とのコミュニケーションなど顧客満足度についても技能の一つとして捉え、評価することが望まれる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウィッグ等の頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を客観的に評価することができる方法、技能評価装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置が行う方法であって、前記技能評価装置は、前記頭髪スタイル変更手段によって前記利用者の頭髪スタイルを変更するために行われる前記施術に関する評価基準情報を記憶した記憶装置にアクセス可能であり、技能評価装置が、前記施術中の画像を取得する工程と、技能評価装置が、前記画像から前記施術に関する画像特徴要素を抽出する工程と、技能評価装置が、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素の評価を示す評価値を算出する工程とを有する方法である。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様に係る方法の各工程を実行するための手段を備えた技能評価装置である。
【0009】
本発明の第3の態様は、頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置であって、処理部と、前記処理部が実行可能な命令を含むプログラムを記憶した記憶部とを有し、前記プログラムが、上記第1の態様に係る方法の各工程を前記処理部に実行させる前記命令を含む、技能評価装置である。
【0010】
本発明の第4の態様は、コンピュータが実行可能な命令を含むプログラムであって、上記第1の態様に係る方法の各工程を前記コンピュータに実行させる前記命令を含むプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウィッグ等の頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を客観的に評価することができる方法、技能評価装置及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る技能評価装置を例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、記憶装置の構成を例示する図である。
【
図3】
図3は、記憶装置に記憶される評価基準情報を例示する図である。
【
図4】
図4は、ウィッグの利用者に対する施術の技能を評価する方法を例示するフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るプログラムの構成を例示する図である。
【
図6】
図6は、具体例の説明に用いる施術のコースの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、評価結果の詳細の出力例を示す図である。
【
図9】
図9は、評価結果の動画による確認の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0014】
(技能評価装置1)
図1は、本実施形態に係る技能評価装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、技能評価装置1は、頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する装置である。頭髪スタイル変更手段には、例えばウィッグ、ヘアーエクステンション、増毛施術(利用者の自毛に擬毛を取り付ける施術)などが含まれる。
図1の例において、技能評価装置1は、処理部11、記憶部12、入力部13、出力部14および通信部15を備える。技能評価装置1は、単独のコンピュータによって構成されていてもよいし、複数のコンピュータによって構成されていてもよい。また、複数のコンピュータや各部の少なくとも1つが離間した位置に配置され、任意の通信ネットワークを介して接続される構成であってもよい。
【0015】
処理部11は、技能評価装置1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部11は、例えば、記憶部12に格納された1つ以上のプログラム121の命令に従って処理を実行する1つ以上のプロセッサ(CPU、MPU、DSPなど)を含む。
【0016】
記憶部12は、処理部11において実行されるプログラム121の命令や、処理部11による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部11の処理に利用されるデータ、処理部11の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(ROM、RAMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスクなど)を含んでよい。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の情報伝送手段を介して処理部11と接続される。
【0017】
プログラム121は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(USBメモリ、メモリカード、光ディスク、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されたものを図示しない読み取り装置から入力して記憶部12に記憶させてもよいし、通信部15において他の装置から受信したものを記憶部12に記憶させてもよい。
【0018】
入力部13は、映像を取得するカメラを含む。入力部13は、音声を取得するマイクを含んでいてもよい。カメラおよびマイクのほか、入力部13は、ユーザの操作に応じた指示やその他の情報を処理部11に入力するデバイスを含んでいてもよい。これらのデバイスは、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、マウス、ボタン、スイッチである。
【0019】
出力部14は、処理部11において生成される映像信号に応じた映像を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタなどの表示機器を含む。また、出力部14は、処理部11において生成される音声信号に応じた音声を出力する装置であって、例えばスピーカ、ヘッドホン、イヤホンなどの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0020】
通信部15は、通信ネットワーク3を介して他の装置(記憶装置2等)と通信を行うための装置であり、例えば所定の通信規格(無線LAN、イーサネット(登録商標)など)に準拠して通信を行う通信機器(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。技能評価装置1は、通信ネットワーク3を介して接続される記憶装置2にアクセス可能である。
【0021】
(記憶装置2)
図2は、記憶装置の構成を例示する図である。
記憶装置2はデータベースとして機能する。
図2に示すように、記憶装置2は、評価基準情報21、利用者情報22および施術者情報23を少なくとも記憶する。
【0022】
評価基準情報21はウィッグの施術に関する評価の基準になる情報である。評価基準情報21の詳細は後述する。利用者情報22は、ウィッグの利用者に関する個人情報である。例えば、ウィッグの利用者の氏名、年齢、性別、頭部の測定情報、自髪の情報、使用ウィッグの情報、パッチ検査の結果などが挙げられる。施術者情報23は、ウィッグの施術を行う技術者(施術者)に関する個人情報である。例えば、施術者の氏名、識別番号、担当利用者の情報、施術の実績情報、施術評価の結果および履歴などが挙げられる。
【0023】
図3は、記憶装置に記憶される評価基準情報を例示する図である。
図3に示すように、評価基準情報21には、施術画像情報211、施術音声情報212、施術手順情報213、施術用具情報214、施術用化粧品等情報215、施術物理量情報216が含まれる。
【0024】
施術画像情報211は、ウィッグの施術についての画像(動画、静止画を含む。以下、同様)による評価の基準となる情報である。すなわち、施術画像情報211は、ウィッグの利用者に対する施術の工程ごとに評価の基準となる画像である。例えば、施術画像情報211には、正しい施術を行っている状態の画像や、間違った施術を行っている状態の画像が含まれる。
【0025】
施術音声情報212は、ウィッグの施術について利用者と施術者との会話に関して評価の基準となる情報である。例えば、施術音声情報212には、利用者と施術者との会話において、問いかけとなる言葉、回答となる言葉、和やかな会話となる言葉(ワード)、楽しい会話となる言葉、疑問を抱く言葉、不機嫌な場合に発する言葉などが音声情報として含まれる。
【0026】
施術手順情報213は、ウィッグの施術手順に関する情報である。ウィッグの利用者に対する施術には各種のコースがあり、そのコースごとに施術手順が定められている。施術手順情報213には、このようなコースごとの施術手順の情報が含まれる。施術手順は手順識別情報と対応付けて記憶される。施術画像情報211の各画像は、この手順識別情報と紐付けされている。
【0027】
施術用具情報214は、ウィッグの施術に用いる用具に関する情報である。ウィッグの施術に用いる用具には、施術者が手で使用するもの(コーム、ハサミ、トリマー、ドライヤーなど)や、機械器具(頭皮マッサージ器、スチーマーなど)が挙げられる。施術用具情報214は、施術手順情報213の手順識別情報と紐付けされている。すなわち、施術用具情報214は、ウィッグの施術の手順(工程)に対して適切な用具であるかどうか、また不適切な用具であるかどうかを示す基準となる情報でもある。
【0028】
施術用化粧品等情報215は、ウィッグの施術に用いる化粧品等に関する情報である。ウィッグの施術に用いる化粧品等には、例えば、シャンプー、リンス、育毛剤、頭皮マッサージ用の化粧品、頭髪や頭皮に用いる薬剤、ウィッグの固定に使用される接着剤、ウィッグの取り外しに使用される剥離剤等が含まれる。施術用化粧品等情報215は、施術手順情報213の手順識別情報と紐付けされている。すなわち、施術用化粧品等情報は、ウィッグの施術の手順(工程)に対して適切な化粧品等であるかどうか、また不適切な化粧品等であるかどうかを示す基準となる情報でもある。
【0029】
施術物理量情報216は、ウィッグの施術においてウィッグの取り付け位置に関する情報である。ウィッグの取り付け位置に関する情報としては、各ウィッグについての標準的な取り付け位置の情報や、利用者の頭部に対応したウィッグの取り付け位置の情報が含まれる。例えば、施術物理量情報216には、一般的なモデルの頭部を基準にしたウィッグの前後左右の取り付け位置、取り付け誤差の情報、各利用者の額の位置を基準にしたウィッグの前後左右の取り付け位置、取り付け誤差などが含まれる。
【0030】
(評価の方法)
図4は、ウィッグの利用者に対する施術の技能を評価する方法を例示するフローチャートである。
図4には、技能評価装置1が実行する施術の技能の評価方法の各工程が示される。
先ず、ステップST101に示すように、技能評価装置1は、施術情報の取得を行う。施術情報の取得では、ウィッグの施術中の画像の取得を含む。技能評価装置1の入力部13であるカメラは、ウィッグの施術中の画像を取り込み、処理部11へ送る。また、施術情報の取得では、ウィッグの施術中に利用者と施術者との会話の音声を取得することを含んでいてもよい。この場合、技能評価装置1の入力部13であるマイクによって利用者と施術者との会話を取り込み、会話の音声情報が処理部11へ送られる。
【0031】
次に、ステップST102に示すように、技能評価装置1は、特徴の抽出を行う。特徴の抽出では、先のステップST101で取得した画像から、ウィッグの施術に関する画像特徴要素の抽出を行う。特徴の抽出は処理部11によって行われる。すなわち、処理部11は、ウィッグの施術中の画像から、その施術の特徴的な動作や利用者の様子を画像認識によって抽出する。例えば、処理部11は、施術に関する特徴的な手の動きが分かる画像、利用者とウィッグとの位置関係が分かる画像、施術の手順が分かる画像、施術に利用している用具や薬品の画像などを画像認識によって抽出したり、利用者の感情を表す画像特徴要素(利用者の顔の表情など)を画像認識によって抽出したりする。また、ステップST101の施術情報の取得で音声の情報を取得している場合、処理部11は、音声の情報から特徴となるワード(例えば、挨拶の言葉、利用者を気遣う言葉など)を含む音声を抽出する。また、処理部11は、音声の抑揚に基づき特徴的な音声を抽出してもよい。
【0032】
次に、ステップST103に示すように、技能評価装置1は、施術技術の評価を行う。施術の評価では、先のステップST102で抽出した画像特徴要素に基づき評価値を算出する。すなわち、技能評価装置1の処理部11は、技能評価装置1が記憶装置2にアクセスして得た評価基準情報21に基づき、画像特徴要素の評価を示す評価値を算出する。例えば、処理部11は、先のステップST102で抽出された施術に関する特徴的な手の動きが分かる画像と、評価基準情報21の施術画像情報211とを比較して、施術の評価を示す評価値を算出する。
【0033】
また、処理部11は、先のステップST102で抽出された施術の手順が分かる画像と、評価基準情報21の施術手順情報213とを比較して、施術の手順に関する評価を示す評価値を算出してもよい。例えば、処理部11は、抽出された施術の手順が分かる画像と、施術手順情報213とを比較して、手順が正しいか、誤っているか、各手順に要した時間が施術手順情報213の基準時間に対してどの程度差があるのか、といった評価を数値化する。
【0034】
処理部11は、先のステップST102で抽出された施術の用具が分かる画像と、評価基準情報21の施術用具情報214とを比較して、施術の用具に関する評価を示す評価値を算出してもよい。例えば、処理部11は、抽出された施術の画像から施術者が使用している用具が施術に対して合致しているかどうかを評価する。施術用具情報214には施術に対する正しい用具の情報や、施術に対して使用してはいけない用具の情報などが記憶される。処理部11は、この情報と比較することで、用具に対する評価値を算出する。
【0035】
特に、施術に使用する用具のうちハサミやカミソリなどの刃物に関する使用には注意が必要である。このため、施術用具情報214には施術に適した刃物の情報や、施術に対して使用してはいけない刃物の情報、施術に対する刃物の正しい使用方法の情報、注意すべき使用方法の情報、誤った使用方法の情報が記憶される。抽出された施術の画像が刃物の画像であった場合、この刃物が施術において正しいかどうか、また刃物の使用方法が正しいかどうかについて、処理部11は評価値を算出する。
【0036】
処理部11は、先のステップST102で抽出された施術用の化粧品等が分かる画像と、評価基準情報21の施術用化粧品等情報215とを比較して、施術用の化粧品等に関する評価を示す評価値を算出してもよい。例えば、処理部11は、抽出された施術の画像から施術者が使用している化粧品等が施術に対して合致しているかどうかを評価する。施術用化粧品等情報215には施術に対する正しい化粧品等の情報や、施術に対して使用してはいけない化粧品等の情報などが記憶される。処理部11は、この情報と比較することで、化粧品等に対する評価値を算出する。
【0037】
処理部11は、先のステップST102で抽出された施術の物理量が分かる画像と、評価基準情報21の施術物理量情報216とを比較して、施術の物理量に関する評価を示す評価値を算出してもよい。例えば、処理部11は、抽出された施術の画像から利用者の頭部の基準位置に対するウィッグの取り付け位置のずれ量を測定し、施術物理量情報216と比較する。処理部11は、この比較によってウィッグの施術での物理量に対する評価値を算出する。
【0038】
また、処理部11は、先のステップST102で抽出した施術情報に音声の情報が含まれている場合、抽出された音声の情報と、評価基準情報21の施術音声情報212とを比較して、会話から把握される利用者の満足度や、施術者と利用者との間のコミュニケーションについての評価値を算出してもよい。例えば、処理部11は、抽出された音声の情報から、施術者による挨拶ができているか、利用者に対する気遣いができているか、両者の会話が弾んでいるかなど、抽出された音声の情報と施術音声情報212のそれぞれ判断の基準となる音声情報とを比較して、評価値を算出する。
【0039】
また処理部11は、先のステップST102で抽出された利用者の感情を表す画像特徴要素(利用者の顔の表情など)に基づいて、施術に対する利用者の満足の度合いを評価する評価値を算出してもよい。例えば処理部11は、抽出された画像特徴要素における利用者の顔の表情から利用者の感情(満足、不満足)を判定し、施術中に満足を示す表情が表れた回数、及び、施術中において不満を示す表情が表れた回数の少なくとも一方を計数し、その計数結果に基づいて利用者の満足度を評価する評価値を算出する。
【0040】
次に、ステップST104に示すように、技能評価装置1は、評価の出力を行う。評価の出力では、先のステップST103で算出した評価値を出力する。すなわち、技能評価装置1の出力部14は、記憶部12に記憶された施術者に対する技能評価の評価値を読み出し、モニタなどに出力する。
【0041】
この一連の評価方法の処理は、施術中に逐次(リアルタイムで)行われてもよいし、施術が終了してから施術全体について行うようにしてもよい。リアルタイムで評価が行われる場合、施術の判定が一定レベル以下になるとアラートを出力し、施術責任者に知らせるようにしてもよい。また、個人情報保護の観点から、カメラで取り込んだ利用者の顔にぼかしをかけたり、音声をボイスチェンジャで処理したりしてもよい。
【0042】
(プログラム)
図5は、本実施形態に係るプログラムの構成を例示する図である。
図5に示すプログラム121は、技能評価装置1の処理部11で実行可能な命令を含む。プログラム121は、取得部1211、抽出部1212および評価部1213を含む。取得部1211は、
図4に示すステップST101の施術情報の取得を行う命令を含む。抽出部1212は、
図4に示すステップST102の特徴の抽出を行う命令を含む。評価部1213は、
図4に示すステップST103の施術技術の評価を行う命令を含む。
【0043】
プログラム121は、抽出部1212および評価部1213の少なくともいずれかにおいてAI(人工知能)4を用いた処理を実行してもよい。例えば、抽出部1212においてAI4を用いる場合、AI4は、施術中の画像からウィッグの施術について特徴的な動きとなる画像を抽出するよう機械学習を済ませている。機械学習は、例えば、施術画像情報211に記憶された各要素と種類との関係を教師データとして与えられている。また、機械学習は、施術音声情報212、施術手順情報213、施術用具情報214、施術用化粧品等情報215および施術物理量情報216についても同様に各要素と種類との関係を教師データとして与えられている。これにより、抽出対象の画像や音声の各要素と評価基準情報21に記憶された各要素との適合度から抽出対象の画像や音声の種類が判断される。
【0044】
また、評価部1213においてAI4を用いる場合、AI4は、施術中の画像からウィッグの施術について適した施術であるかを判断するよう機械学習を済ませている。機械学習は、例えば、施術画像情報211に記憶された各要素と施術の正しさとの関係を教師データとして与えられている。また、機械学習は、施術音声情報212、施術手順情報213、施術用具情報214、施術用化粧品等情報215および施術物理量情報216についても同様に各要素と評価(評価値)との関係を教師データとして与えられている。これにより、抽出対象の画像や音声の各要素と評価基準情報21に記憶された各要素との適合度から抽出対象の画像や音声に対する評価(評価値)が算出される。
【0045】
AI4は、ソフトウェアとして構成されているものでもよいし、ハードウェアで構成されているものでもよい。また、機械学習の方式は、決定木学習、相関ルール学習、ニューラルネットワークなど公知の方式を用いればよい。
【0046】
(評価の具体例)
次に、ウィッグの利用者に対する施術の技能の評価の具体例について説明する。
ここでは、ウィッグの施術の一例を挙げて、その施術についての施術者の技能の評価の具体例を説明する。
図6は、具体例の説明に用いる施術のコースの一例を示すフローチャートである。
図6に示すコースは、ウィッグの利用者が自髪をカットする施術を含む。
先ず、ステップST201に示すように、施術者は、利用者のウィッグの取り外しを行う。ウィッグを取り外す際には、使用しているウィッグの取り付け方法に合った取り外し方が採用される。ウィッグの取り外しにあたり、利用者が痛くないかの確認も必要である。
【0047】
次に、ステップST202に示すように、施術者は、利用者の自髪のカットを行う。自髪のカットは、使用しているウィッグに合わせて必要な箇所、必要なカット量で行われる。施術者は、カットを始める前からカットの途中、カットの終了後まで、鏡などを用いて利用者に確認してもらい、利用者とコミュニケーションをとりながら施術することが望まれる。
【0048】
次に、ステップST203に示すように、施術者は、利用者の自髪のシャンプーを行う。自髪のシャンプーは、例えば、2回のシャンプー、コンディショナー、すすぎ、ホットタオル及びタオルドライ、育毛剤の塗布、頭皮及び肩のマッサージ、といった手順で行われる。
【0049】
次に、ステップST204に示すように、施術者は、利用者の自髪のブローセットを行う。自髪のブローセットでは、利用者の髪質に応じたドライヤーの種類、熱量、セットに使用するブラシなどの用具の適合や、これらの用具の取り扱い方が重要である。
【0050】
次に、ステップST205に示すように、施術者は、ウィッグのシャンプーセットを行う。ウィッグのシャンプーセットでは、ウィッグの種類や質に応じたシャンプーの選択、洗い方、濯ぎ方、乾かし方などが必要である。
【0051】
次に、ステップST206に示すように、ウィッグの取り付けを行う。ウィッグの取り付けでは、施術者は、ウィッグの取り付け位置の正確性、取り付けにおいて利用者に違和感を与えないかどうか、利用者の希望に沿った取り付けになっているか、鏡などを用いて利用者に確認してもらい、利用者とコミュニケーションをとりながら施術することが望まれる。
【0052】
各コースには施術の標準時間が設定されている。例えば、
図6に示すコースでは、標準時間が50分~60分である。
【0053】
技能評価装置1は、このようなコースにおいてウィッグの利用者に対する施術の画像をカメラで取り込むとともに、マイクによって会話の音声を取得し、評価の処理を行う。具体的には、処理部11で実行されるプログラム121の取得部1211の処理で施術の画像や音声を取得し、抽出部1212で画像特徴要素や音声特徴要素を抽出し、評価部1213で評価値を算出する。
【0054】
例えば、技能評価装置1によって評価を行う際、予め評価対象のコースを入力すると、処理部11は、そのコースに対応した評価基準情報21を参照する。抽出部1212は、取得部1211で取得した画像から施術者の手の動き、ウィッグ、利用者の頭部、用具、化粧品等(化粧品等の容器やラベル)を画像認識し、施術の手順を抽出する。
【0055】
例えば、取得部1211で取得した画像から施術者がウィッグを取り外していることを認識すると、抽出部1212は、その画像や音声と取り外しの手順識別情報とを対応付けする。そして、評価部1213は、手順識別情報に紐付けされた施術画像情報のウィッグ取り外しの基準画像の情報を参照し、抽出したウィッグの取り外しの画像と比較して、評価値を算出する。
【0056】
また、抽出部1212によってウィッグの取り外しで使用する化粧品等のボトルの画像を認識すると、評価部1213は手順識別情報に紐付けされた化粧品等の情報を参照し、抽出した化粧品等の情報と比較して、そのウィッグの取り外しに適した化粧品等であるかどうかを評価する。
【0057】
また、抽出部1212は、ウィッグの取り外しにかかる時間、取り外し途中での利用者との会話などを抽出し、評価部1213は、それぞれの要素と評価基準情報21の各要素とを比較して、評価値を算出する。
【0058】
なお、取得した画像から手順とは異なる刃物の使用を抽出したり、利用者の音声から不満や不快感を表す言葉を抽出したりして評価値が一定レベル以下になった場合、処理部11はアラートを表示して施術責任者に知らせるようにしてもよい。
【0059】
コースの手順に沿った施術が完了した場合、施術全体についての評価が行われる。
図7は、評価結果の出力例を示す図である。
図7には、施術者Aが利用者B様について行った施術コースの技能評価の表示例(画面表示例)が示される。表示例には、総合評価(ランク形式)、総合点(点数形式)が示されるとともに、施術項目の個別評価が示される。また、個別評価の項目を選択すると、詳細評価が示される。
【0060】
図8は、評価結果の詳細の出力例を示す図である。
図8には、
図7の例えば「施術手順」の項目を選択した場合の詳細評価が示される。個別項目の詳細評価には、ランクおよび転送のほか、その項目についてのコメントが示される。コメントは、各個別項目の画像や音声からAI4によって自動的に選択されるようになっていてもよい。
【0061】
図9は、評価結果の動画による確認の例を示す図である。
例えば、
図7及び
図8に示す再生開始アイコン(三角マーク)を選択すると、その個別項目に対応した施術の際の画像や音声が出力される。
図9に示すように、画面には施術の際の画像や音声が出力される。画像の表示とともに、コメント欄にはその画像に合わせたタイミングでコメントが表示されるようになっていてもよい。施術の際の画像や音声を参照することで、施術者は自らの施術を見返して評価に基づく復習を行うことができ、他の施術者に対しては施術の教育に利用することができる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、ウィッグの利用者に対する施術の技能を客観的に評価することができる方法、技能評価装置1及びプログラム121を提供することが可能となる。
【0063】
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0064】
上述した実施形態では、頭髪スタイル変更手段としてウィッグ等が例示されているが、頭髪スタイル変更手段はこの例に限定されない。例えば、頭髪スタイル変更手段は、理容室や美容院などにおいて頭髪スタイルを変更するために用いられる任意の手段であってもよい。この場合、本発明により評価される施術の技能(頭髪スタイル変更手段によって利用者の頭髪スタイルを変更するために行われる施術の技能)は、理容室や美容院などにおいて行われるヘアカット、毛染め、パーマなどの施術の技能であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…技能評価装置,2…記憶装置,3…通信ネットワーク,11…処理部,12…記憶部,13…入力部,14…出力部,15…通信部,21…評価基準情報,22…利用者情報,23…施術者情報,121…プログラム,211…施術画像情報,212…施術音声情報,213…施術手順情報,214…施術用具情報,215…施術用化粧品等情報,216…施術物理量情報,1211…取得部,1212…抽出部,1213…評価部
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置が行う方法であって、
前記技能評価装置は、前記頭髪スタイル変更手段によって前記利用者の頭髪スタイルを変更するために行われる前記施術に関する評価基準情報を記憶した記憶装置にアクセス可能であり、
前記技能評価装置が、前記施術中の画像を取得する工程と、
前記技能評価装置が、前記画像から前記施術に関する画像特徴要素を抽出する工程と、
前記技能評価装置が、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素の評価を示す評価値を算出する工程と、
を有し、
前記記憶装置は、前記利用者に関する個人情報と関連付けされた前記評価基準情報を記憶し、
前記記憶装置に記憶される前記個人情報は、前記頭髪スタイル変更手段であるウィッグと前記利用者との位置関係を示す情報として、各前記利用者の額の位置を基準にした前記ウィッグの前後左右の取り付け位置、及び、取り付け誤差を含み、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記ウィッグと前記利用者との位置関係を前記画像から抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記利用者に関する前記個人情報であって、前記利用者の額の位置を基準にした前記ウィッグの前後左右の取り付け位置、及び、前記取り付け誤差を含む前記個人情報と関連付けされた前記評価基準情報に基づいて、前記画像特徴要素から抽出した前記ウィッグと前記利用者との位置関係の評価を示す評価値を算出することを含む、
方法。
【請求項2】
前記記憶装置は、前記施術の手順に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術の手順を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術の手順に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術の手順の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記施術に用いる物品に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術に用いる物品を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術に用いる物品に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術に用いる物品の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記記憶装置は、前記施術に用いる前記物品として刃物に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から施術者が保持する刃物を抽出することを含む、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記記憶装置は、前記施術に用いる前記物品として化粧品、薬剤、接着剤及び剥離剤の少なくとも1つに関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記利用者への施術に用いた化粧品、薬剤、接着剤及び剥離剤の少なくとも1つを抽出することを含む、
請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記記憶装置は、前記施術の物理量に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術の物理量を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術の物理量に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術の物理量の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記施術中の音声を取得する工程と、
前記音声から前記施術に関する音声特徴要素を抽出する工程と、をさらに備え、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記音声特徴要素の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記記憶装置は、前記利用者と施術者との会話に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記音声特徴要素を抽出する工程は、前記音声から前記利用者と前記施術者との会話を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記利用者と前記施術者との会話に関する前記評価基準情報に基づき前記音声特徴要素から抽出した前記利用者と前記施術者との会話の評価を示す評価値を算出することを含む、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記利用者の感情を表す前記画像特徴要素を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記画像から抽出した前記利用者の感情を表す前記画像特徴要素に基づいて、前記施術に対する前記利用者の満足の度合いを評価する評価値を算出することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか一項に記載された方法の各工程を実行する手段を備えた技能評価装置。
【請求項11】
コンピュータが実行可能な命令を含むプログラムであって、
請求項1~請求項9のいずれか一項に記載された方法の各工程を前記コンピュータに実行させる前記命令を含む、
プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第1の態様は、頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置が行う方法であって、前記技能評価装置は、前記頭髪スタイル変更手段によって前記利用者の頭髪スタイルを変更するために行われる前記施術に関する評価基準情報を記憶した記憶装置にアクセス可能であり、技能評価装置が、前記施術中の画像を取得する工程と、技能評価装置が、前記画像から前記施術に関する画像特徴要素を抽出する工程と、技能評価装置が、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素の評価を示す評価値を算出する工程とを有し、前記記憶装置は、前記利用者に関する個人情報と関連付けされた前記評価基準情報を記憶し、前記記憶装置に記憶される前記個人情報は、前記頭髪スタイル変更手段であるウィッグと前記利用者との位置関係を示す情報として、各前記利用者の額の位置を基準にした前記ウィッグの前後左右の取り付け位置、及び、取り付け誤差を含み、前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記ウィッグと前記利用者との位置関係を前記画像から抽出することを含み、前記評価値を算出する工程は、前記利用者の前記個人情報であって、前記利用者の額の位置を基準にした前記ウィッグの前後左右の取り付け位置、及び、前記取り付け誤差を含んだ前記個人情報と関連付けされた前記評価基準情報に基づいて、前記画像特徴要素から抽出した前記ウィッグと前記利用者との位置関係の評価を示す評価値を算出することを含む、方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
上述した実施形態では、頭髪スタイル変更手段としてウィッグ等が例示されているが、頭髪スタイル変更手段はこの例に限定されない。例えば、頭髪スタイル変更手段は、理容室や美容院などにおいて頭髪スタイルを変更するために用いられる任意の手段であってもよい。この場合、本発明により評価される施術の技能(頭髪スタイル変更手段によって利用者の頭髪スタイルを変更するために行われる施術の技能)は、理容室や美容院などにおいて行われるヘアカット、毛染め、パーマなどの施術の技能であってもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
頭髪スタイル変更手段によって頭髪スタイルを変更する利用者に対する施術の技能を評価する技能評価装置が行う方法であって、
前記技能評価装置は、前記頭髪スタイル変更手段によって前記利用者の頭髪スタイルを変更するために行われる前記施術に関する評価基準情報を記憶した記憶装置にアクセス可能であり、
前記技能評価装置が、前記施術中の画像を取得する工程と、
前記技能評価装置が、前記画像から前記施術に関する画像特徴要素を抽出する工程と、
前記技能評価装置が、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素の評価を示す評価値を算出する工程と、
を有する方法。
[付記2]
前記記憶装置は、前記施術の手順に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術の手順を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術の手順に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術の手順の評価を示す評価値を算出することを含む、
付記1記載の方法。
[付記3]
前記記憶装置は、前記施術に用いる物品に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術に用いる物品を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術に用いる物品に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術に用いる物品の評価を示す評価値を算出することを含む、
付記1記載の方法。
[付記4]
前記記憶装置は、前記施術に用いる前記物品として刃物に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から施術者が保持する刃物を抽出することを含む、
付記3記載の方法。
[付記5]
前記記憶装置は、前記施術に用いる前記物品として化粧品、薬剤、接着剤及び剥離剤の少なくとも1つに関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記利用者への施術に用いた化粧品、薬剤、接着剤及び剥離剤の少なくとも1つを抽出することを含む、
付記3記載の方法。
[付記6]
前記記憶装置は、前記施術の物理量に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記施術の物理量を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記施術の物理量に関する前記評価基準情報に基づき前記画像特徴要素から抽出した前記施術の物理量の評価を示す評価値を算出することを含む、
付記1記載の方法。
[付記7]
前記記憶装置は、前記利用者に関する個人情報と関連付けされた前記評価基準情報を記憶し、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記頭髪スタイル変更手段であるウィッグと前記利用者との関係を前記画像から抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記利用者に関する個人情報と関連付けされた前記評価基準情報に基づき、前記画像特徴要素から抽出した前記ウィッグと前記利用者との関係の評価を示す評価値を算出することを含む、
付記1記載の方法。
[付記8]
前記記憶装置に記憶される前記個人情報は、前記ウィッグと前記利用者との位置関係を示す情報を含み、
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記ウィッグと前記利用者との位置関係を抽出することを含む、
付記7記載の方法。
[付記9]
前記施術中の音声を取得する工程と、
前記音声から前記施術に関する音声特徴要素を抽出する工程と、をさらに備え、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記評価基準情報に基づき前記音声特徴要素の評価を示す評価値を算出することを含む、
付記1記載の方法。
[付記10]
前記記憶装置は、前記利用者と施術者との会話に関する前記評価基準情報を記憶し、
前記音声特徴要素を抽出する工程は、前記音声から前記利用者と前記施術者との会話を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記記憶装置にアクセスして得た前記利用者と前記施術者との会話に関する前記評価基準情報に基づき前記音声特徴要素から抽出した前記利用者と前記施術者との会話の評価を示す評価値を算出することを含む、
付記9記載の方法。
[付記11]
前記画像特徴要素を抽出する工程は、前記画像から前記利用者の感情を表す前記画像特徴要素を抽出することを含み、
前記評価値を算出する工程は、前記画像から抽出した前記利用者の感情を表す前記画像特徴要素に基づいて、前記施術に対する前記利用者の満足の度合いを評価する評価値を算出することを含む、
付記1記載の方法。
[付記12]
付記1~付記11のいずれか一項に記載された方法の各工程を実行する手段を備えた技能評価装置。
[付記13]
コンピュータが実行可能な命令を含むプログラムであって、
付記1~付記11のいずれか一項に記載された方法の各工程を前記コンピュータに実行させる前記命令を含む、
プログラム。