(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002807
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】詐欺被害防止警報装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/04 20060101AFI20231228BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20231228BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20231228BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H04M11/04
G08B25/04 E
G08B25/08 A
G08B25/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102234
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 憲一郎
【テーマコード(参考)】
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA04
5C087AA10
5C087AA37
5C087BB73
5C087DD05
5C087DD24
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG35
5C087GG70
5C087GG83
5K201AA07
5K201BA03
5K201BC20
5K201CA01
5K201CB05
5K201CC02
5K201CC10
5K201DC02
(57)【要約】
【課題】詐欺の被害を確実に防止する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報装置は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了を検知する通話終了検知部と、前記事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、タイマーを起動するタイマー管理部と、通話者が不在になったことを検知する不在検知部と、前記通話が終了してから所定の時間内に前記通話者の不在が検知されると、警報を所定の通知先へ通知する警報送信部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了を検知する通話終了検知部と、
前記事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、タイマーを起動するタイマー管理部と、
通話者が不在になったことを検知する不在検知部と、
前記通話が終了してから所定の時間内に前記通話者の不在が検知されると、警報を所定の通知先へ通知する警報送信部と
を備えた詐欺被害防止警報装置。
【請求項2】
詐欺被害防止警報装置が実行する方法であって、
事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了を検知するステップと、
前記事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、タイマーを起動するステップと、
通話者が不在になったことを検知するステップと、
前記通話が終了してから所定の時間内に前記通話者の不在が検知されると、警報を所定の通知先へ通知するステップと
を含む方法。
【請求項3】
詐欺被害防止警報装置を、
事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了を検知する通話終了検知部、
前記事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、タイマーを起動するタイマー管理部、
通話者が不在になったことを検知する不在検知部、
前記通話が終了してから所定の時間内に前記通話者の不在が検知されると、警報を所定の通知先へ通知する警報送信部
として機能させるためのプログラム。
【請求項4】
詐欺被害防止警報装置と、電話機と、扉開閉センサと、を含む詐欺被害防止警報システムであって、
前記詐欺被害防止警報装置は、
前記電話機において、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了を検知する通話終了検知部と、
前記事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、タイマーを起動するタイマー管理部と、
前記扉開閉センサからの情報に基づいて、通話者が不在になったことを検知する不在検知部と、
前記通話が終了してから所定の時間内に前記通話者の不在が検知されると、警報を所定の通知先へ通知する警報送信部と
を備えた詐欺被害防止警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詐欺被害防止警報装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振り込め詐欺等の特殊詐欺が知られている。特に、電話を利用した特殊詐欺の被害が多発している。詐欺被害の防止に関して、特許文献1には、電話機と相手方電話機との間の音声通話データを音声認識してテキスト通話データを得、テキスト通話データに対し、特殊詐欺電話であるかどうかを判断し、特殊詐欺電話であると判断すると、予め定められた送信先に対し通話内容を送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の手法では、高度かつ高価な技術を用いなければならず、さらに、通話の終了後に振込等のために銀行等に赴くことを防ぐことはできなかった。
【0005】
そこで、本発明では、詐欺の被害を確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報装置は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了を検知する通話終了検知部と、前記事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、タイマーを起動するタイマー管理部と、通話者が不在になったことを検知する不在検知部と、前記通話が終了してから所定の時間内に前記通話者の不在が検知されると、警報を所定の通知先へ通知する警報送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、詐欺の被害を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報装置と電話機の構成例である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報システムの処理のシーケンス図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る通話時間に基づき第1の警報を通知する処理のフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る通話者の不在に基づき第2の警報を通知する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。詐欺被害防止警報システム1は、詐欺被害防止警報装置10と、電話機11と、扉開閉センサ21と、を含む。詐欺被害防止警報装置10は、扉開閉センサ21が検知した情報を取得することができる。
【0011】
<<詐欺被害防止警報装置>>
詐欺被害防止警報装置10は、電話を利用した詐欺の兆候があると判断すると、所定の通知先へ警報を通知する装置である。詐欺被害防止警報装置10は、1つまたは複数のコンピュータから構成される。
【0012】
<<電話機>>
電話機11は、通話者30が通話に用いる電話機である。電話機11は、固定電話でもよいし、スマートフォン等の携帯電話でもよい。
【0013】
<<扉開閉センサ>>
扉開閉センサ21は、扉が開いたことおよび扉が閉じたことを検知するセンサである。例えば、扉開閉センサ21は、通話者30が通話している自宅等の玄関等の扉に設置される。そのため、通話者30が玄関等の扉を開閉して外出したことを検知することができる。なお、扉の開閉を検知することにより通話者30の外出を検知するようにしたが、通話者30の外出を検知することができるものであれば、出願時に公然と知られた技術を用いてもよい。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報装置10と電話機11の構成例である。[実施例1]と[実施例2]に分けて説明する。
【0015】
[実施例1]
例えば、詐欺被害防止警報装置10の機能は、電話機11とは別の装置(例えば、固定電話に外付けされた装置、あるいは、電話機11と通信可能なサーバ等)で実現することができる。
【0016】
[実施例2]
例えば、詐欺被害防止警報装置10の機能は、電話機11にインストールされたアプリケーションプログラム(例えば、スマートフォンのアプリ等)で実現することができる。
【0017】
<機能ブロック>
図3は、本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報装置10の機能ブロック図である。
詐欺被害防止警報装置10は、通話開始検知部101と、第1のタイマー管理部102と、第1の警報送信部103と、通話終了検知部104と、不在検知部105と、第2のタイマー管理部106(本発明のタイマー管理部に相当)と、第2の警報送信部107(本発明の警報送信部に相当)と、電話番号登録部108と、通知先登録部109と、を備えることができる。詐欺被害防止警報装置10は、プログラムを実行することによって、通話開始検知部101、第1のタイマー管理部102、第1の警報送信部103、通話終了検知部104、不在検知部105、第2のタイマー管理部106、第2の警報送信部107、として機能することができる。以下、それぞれについて説明する。
【0018】
通話開始検知部101は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号(つまり、電話番号登録部108に記憶されていない電話番号)との通話の開始を検知する。なお、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の開始は、電話番号が非通知の場合の通話の開始を含んでもよい。また、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の開始は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号からの着信であってもよい。
【0019】
第1のタイマー管理部102は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の開始が通話開始検知部101によって検知されると、第1のタイマーを起動する。タイマーは、起動してからの時間を計測する機能である。
【0020】
第1の警報送信部103は、通話開始検知部101が通話の開始を検知した電話番号(つまり、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号)との通話時間が所定の時間を超えると、第1の警報を所定の通知先(つまり、通知先登録部109に記憶されている通知先)へ通知する。
【0021】
通話終了検知部104は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号(つまり、電話番号登録部108に記憶されていない電話番号)との通話の終了を検知する。
【0022】
不在検知部105は、扉開閉センサ21からの情報に基づいて、通話者30が不在になったことを検知する。
【0023】
不在検知部105は、扉が開いたことあるいは扉が閉じたこと(例えば、扉が開いた後に扉が閉じたこと)を玄関等の扉に設置された扉開閉センサ21が検知すると、通話者30が不在になった(つまり、外出した)と判断することができる。
【0024】
第2のタイマー管理部106は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が通話終了検知部104によって検知されると、第2のタイマーを起動する。タイマーは、起動してからの時間を計測する機能である。
【0025】
第2の警報送信部107は、通話終了検知部104が通話の終了を検知してから所定の時間内に不在検知部105が通話者30の不在を検知すると、第2の警報(本発明の警報に相当)を所定の通知先(つまり、通知先登録部109に記憶されている通知先)へ通知する。
【0026】
電話番号登録部108には、1つまたは複数の電話番号が記憶されている。例えば、通話者30は、家族、友人、知人等の電話番号(つまり、詐欺の犯人が用いる電話番号ではない電話番号)を電話番号登録部108に記憶させることができる。
【0027】
通知先登録部109には、1つまたは複数の通知先が記憶されている。なお、第1の警報および第2の警報は、メールと、電話と、ショートメッセージサービスと、のうちのいずれかで通知される。そのため、通知先登録部109には、メールアドレス、電話番号(例えば、携帯電話の番号)が記憶される。例えば、通話者30は、家族、友人、知人等のメールアドレス、電話番号(例えば、携帯電話の番号)を通知先登録部109に記憶させることができる。なお、第1の警報と第2の警報の通知先は、同一の通知先であってもよいし、異なる通知先であってもよい。
【0028】
<方法>
図4は、本発明の一実施形態に係る詐欺被害防止警報システム1の処理のシーケンス図である。
【0029】
ステップ1(S1)において、詐欺被害防止警報装置10(通話開始検知部101)は、電話機11において、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号(つまり、電話番号登録部108に記憶されていない電話番号)との通話の開始を検知する。
【0030】
ステップ2(S2)において、詐欺被害防止警報装置10(第1のタイマー管理部102)は、S1において事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の開始が検知されると、第1のタイマーを起動する。
【0031】
ステップ3(S3)において、詐欺被害防止警報装置10(第1の警報送信部103)は、S1の事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の開始から所定の時間を超えると、第1の警報を所定の通知先(つまり、通知先登録部109に記憶されている通知先)へ通知する。
【0032】
ステップ4(S4)において、詐欺被害防止警報装置10(通話終了検知部104)は、電話機11において、S1の事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了を検知する。
【0033】
ステップ5(S5)において、詐欺被害防止警報装置10(第2のタイマー管理部106)は、S4において事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、第2のタイマーを起動する。
【0034】
ステップ6(S6)において、詐欺被害防止警報装置10(不在検知部105)は、扉開閉センサ21からの情報に基づいて、通話者30が不在になったことを検知する。
【0035】
ステップ7(S7)において、詐欺被害防止警報装置10(第2の警報送信部107)は、S4で通話が終了してから所定の時間内にS6で通話者30の不在が検知されると、第2の警報を所定の通知先(つまり、通知先登録部109に記憶されている通知先)へ通知する。
【0036】
以下、
図5を参照しながら、詐欺被害防止警報装置10が通話時間に基づき第1の警報を通知する処理について説明し、
図6を参照しながら、詐欺被害防止警報装置10が通話者30の不在に基づき第2の警報を通知する処理について説明する。なお、ある通話に対して、
図5の処理と
図6の処理の両方が実行されてもよいし、
図5の処理と
図6の処理のいずれかが実行されてもよい。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態に係る通話時間に基づき第1の警報を通知する処理のフローチャートである。
【0038】
ステップ11(S11)において、通話開始検知部101は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号(つまり、電話番号登録部108に記憶されていない電話番号)との通話の開始を検知する。
【0039】
ステップ12(S12)において、第1のタイマー管理部102は、S11において事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の開始が検知されると、第1のタイマーを起動する。
【0040】
ステップ13(S13)において、第1の警報送信部103は、S11の事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話時間が所定の時間を超えると、第1の警報を所定の通知先(つまり、通知先登録部109に記憶されている通知先)へ通知する。
【0041】
<効果>
本発明の一実施形態では、詐欺と思われる電話番号との通話があり、通話者が長時間にわたり通話をしている場合には、詐欺の兆候であると判断して、所定の通知先(例えば、家族等)へ通知することができるので、詐欺の被害を未然に防ぐことができる。
【0042】
図6は、本発明の一実施形態に係る通話者30の不在に基づき第2の警報を通知する処理のフローチャートである。
【0043】
ステップ21(S21)において、通話終了検知部104は、事前に登録済みの電話番号以外の電話番号(つまり、電話番号登録部108に記憶されていない電話番号)との通話の終了を検知する。
【0044】
ステップ22(S22)において、第2のタイマー管理部106は、S21において事前に登録済みの電話番号以外の電話番号との通話の終了が検知されると、第2のタイマーを起動する。
【0045】
ステップ23(S23)において、不在検知部105は、扉開閉センサ21からの情報に基づいて、通話者30が不在になったことを検知する。
【0046】
ステップ24(S24)において、第2の警報送信部107は、S22で通話が終了してから所定の時間内にS23で通話者30の不在が検知されると、第2の警報を所定の通知先(つまり、通知先登録部109に記憶されている通知先)へ通知する。
【0047】
<効果>
本発明の一実施形態では、詐欺と思われる電話番号との通話があり、通話者30が通話の後に外出した場合には、詐欺の兆候であると判断して、所定の通知先(例えば、家族等)へ通知することができるので、詐欺の被害を未然に防ぐことができる。
【0048】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 詐欺被害防止警報システム
10 詐欺被害防止警報装置
11 電話機
21 扉開閉センサ
30 通話者
101 通話開始検知部
102 第1のタイマー管理部
103 第1の警報送信部
104 通話終了検知部
105 不在検知部
106 第2のタイマー管理部
107 第2の警報送信部
108 電話番号登録部
109 通知先登録部