(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028103
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】動力伝動構造
(51)【国際特許分類】
F16H 49/00 20060101AFI20240222BHJP
H02K 49/10 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
F16H49/00 A
H02K49/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076263
(22)【出願日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】111209068
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523166234
【氏名又は名称】杜 慶然
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杜 慶然
【テーマコード(参考)】
5H649
【Fターム(参考)】
5H649BB01
5H649BB07
5H649GG08
5H649GG18
5H649HH08
5H649HH18
(57)【要約】
【課題】動力伝動構造を提供する。
【解決手段】動力伝動構造は、本体に従動盤を設け、モータまたは類似装置によって駆動される伝動盤を有し、伝動盤の盤面に所定組数の磁性体を配置し、それぞれの磁性体が同極性に外向きの形態で配置され、伝動盤の片側に従動軸を組み付け、従動軸に従動盤を設け、従動盤が非接触状態伝動盤の近接側に位置し、従動盤の外周面に所定組数の磁性体を巡らして設け、さらに、それぞれの磁性体を同極性で伝動盤向きに配置し、伝動盤と従動盤の磁性体を同極性で対向に配置することによって、伝動盤が回転するとき、磁性体同極反発の働きにより従動盤を回転させて、所望の動力伝動効果が達成されるとともに、伝動盤と従動盤とを非接触な伝動関係を維持する。これにより、動力伝動構造の加工公差及び接触摩耗等の課題を解決し、よりスムーズ、より精確な伝動効果を実現する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受動盤が動力源によって駆動される伝動盤を有し、
前記伝動盤の盤面に所定組数の磁性体を配置し、それぞれの前記磁性体が同極性に外向きの形態で配置され、前記伝動盤の片側に従動軸を組み付け、前記従動軸に従動盤を設け、前記従動盤が垂直、かつ非接触状態で前記伝動盤の近接側に位置し、前記従動盤の外周面に所定組数の前記磁性体を巡らして設け、さらに、それぞれの前記磁性体を同極性に伝動盤向きに配置することによって、前記伝動盤と前記受動盤の前記磁性体が同極性を対向に配置することによって、前記伝動盤が駆動によって回転するとき、その盤面に取り付けられた前記磁性体が前記従動盤の外周面に取り付けられた前記磁性体と同極性反発の働きにより、前記従動盤も反発によって押し込まれて回転し、非接触な磁性動力の伝動構造をなすことを特徴とする、動力伝動構造。
【請求項2】
前記伝動盤の駆動ソースは、モータであることを特徴とする、請求項1記載の動力伝動構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝動構造に関し、特に磁性反発の働きを動力として利用し、非接触伝動の磁性伝動構造を形成することによって、公知ギヤ、チェーンまたはベルト等の接触伝動構造に存在する公差と摩耗の課題を解消するものに関する。
【背景技術】
【0002】
動力伝動機構は一般として、モータを駆動ソースとして動力を出力させ、さらに、伝動軸と従動軸にギヤ、ギヤラックまたはベルトプリーとを合わせて、直接噛み合いまたはチェーンまたはベルトの仲介により伝動機能を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の動力伝動構造は、歯車によるかみ合わせ伝達であれ、チェーンやベルトを介した伝動であれ、すべては接触伝動関係に属すため、このような伝動関係では、加工誤差に起きる伝動の滞りがあるほか、接触伝動がために、伝動部品同士が接触により摩耗し、時間を立つと摩損が発生し、伝動がうまくいかなくなり、伝導効果が大きく影響を受け兼ねない。
【0004】
既存の動力伝動構造が抱える課題は、加工精度を上げることで加工公差による伝動滞り問題は解決されるものの、一方、接触摩損の課題には長年有効な解決法はない。そのため、発明者はこの伝動構造の摩損解決について、鋭意に研究していました。
【0005】
公知動力伝動構造のギヤ伝動、チェーンまたはベルトを介した伝動とも接触式伝動であるため、公差や磨損等の影響を受け、伝動滞りの不利な要因が存在している。
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、動力伝動構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
公知動力伝動構造の公差及び摩損課題を解決するため、本発明は磁性体の同極性反発の原理を動力源として、モータで高速伝動する伝動盤表面に配置する磁性体に伝動対象の従動軸に組み付ける従動盤の表面に巡らして配置する磁性体が同極性反発の働きとを合わせて、従動軸駆動の効果を発生させ、非接触な磁性動力伝動構造を構成する。
動力伝動構造は、受動盤が動力源によって駆動される伝動盤を有し、前記伝動盤の盤面に所定組数の磁性体を配置し、それぞれの前記磁性体が同極性に外向きの形態で配置され、前記伝動盤の片側に従動軸を組み付け、前記従動軸に従動盤を設け、前記従動盤が垂直、かつ非接触状態で前記伝動盤の近接側に位置し、前記従動盤の外周面に所定組数の前記磁性体を巡らして設け、さらに、それぞれの前記磁性体を同極性に伝動盤向きに配置することによって、前記伝動盤と前記受動盤の前記磁性体が同極性を対向に配置することによって、前記伝動盤が駆動によって回転するとき、その盤面に取り付けられた前記磁性体が前記従動盤の外周面に取り付けられた前記磁性体と同極性反発の働きにより、前記従動盤も反発によって押し込まれて回転し、非接触な磁性動力の伝動構造をなす。
【発明の効果】
【0007】
本発明の動力伝動構造によれば、創造的に磁性体の同極性反発原理をうまく利用し、従動軸を駆動する目的を実現し、非接触な磁性による動力伝動モードは、伝動部品の加工誤差の問題が解決されるばかりでなく、稼働には接触摩損な問題も起きなくなる。よって、動力伝動構造によれば、伝動のスムーズ及び効能、使用寿命も確保でき、産業利用価値をもたらせる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の好ましい第1実施例の構造配置と動作態様を示す斜視図である。
【0009】
【
図2】本発明の好ましい第2実施例の構造配置と動作態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0010】
本発明の構造組み合わせ、技術手段及び達成される効果を図面と実施例とをあわせて、次の通り説明する。
【0011】
図1及び
図2に示すように、本発明の好ましい実施例の態様図を参照する。本発明の動力伝動構造の設計は例えば、モータ20または類似装置によって駆動される伝動盤10を有し、伝動盤10の盤面に所定組数の磁性体11を配置し、それぞれの磁性体11が同極性に外向きの形態で配置され、伝動盤10の片側に従動軸30を組み付け、従動軸30に従動盤40を設け、従動盤40が垂直、かつ非接触状態で伝動盤10の近接側に位置し、従動盤40の外周面に所定組数の磁性体41を巡らして設け、さらに、それぞれの磁性体41を同極性で伝動盤10向きに配置し、伝動盤10と従動盤40の磁性体11、41を同極性で対向に配置することにより、本発明の基本構造をなす。
【0012】
前述の構造組み合わせにより、モータ20、または、モータ以外の回転電機によって伝動盤10を駆動し高速回転するとき、磁性体11、41同極性反発の働きにより従動盤40の磁性体41が同極性反発で移動し、従動盤40が回転して従動軸30を伝動し、所望の動力伝動効果が達成されるとともに、伝動盤10と従動盤40とを非接触な伝動関係を維持することで、公知伝動構造の公差及び接触摩耗等の課題を解決し、よりスムーズ、より精確な伝動効果を実現することができる。
【0013】
前述の機能構造によれば、モータ20を用いて伝動盤10を駆動し、伝動盤10と従動盤40に設けられた磁性体11、41の同極性反発働きを利用し、所望の非接触伝導効果が達成されるばかりでなく、さらに、この構造をその他の軸方向伝動に適用させ、従動軸30の一端にトランスミッション盤50を設けるとともに、係るトランスミッション盤50の片側に伝動させたいもう一つの受動軸60を設け、係る受動軸60がトランスミッション盤50の近接端に受動盤70を設けて、係るトランスミッション盤50と受動盤70が近傍に対向しながら、非接触関係が維持され、さらに、トランスミッション盤50の外周面と受動盤70の盤面に所定組数の磁性体51、71を配置し、両者の磁性体51、71を同極性に対向する状態で配置し、同極性反発の働きにより、従動軸30がモータ20駆動の伝動盤10の伝動により、従動盤40が回転するとき、トランスミッション盤50も追随して回転され、さらに、同極性反発の働きにより、受動盤70と受動軸60も回転し始め、非接触な磁性伝達の伝動効果が達成される。
【0014】
このように、本発明の動力伝動構造は、伝動盤と従動盤の関係に配置した上、引き続き拡張目的のトランスミッション盤と受動盤の関係に配置することによって、それぞれ盤面または外周面に設けられた磁性体の同極性反発働きを利用し非接触な磁性伝動効果が達成される。本発明を適用すれば、加工公差や接触摩損による伝動滞りまたは使用寿命の問題をなくして、極めて良い産業利用価値が与えられる。
【0015】
本発明の動力伝動構造において、創造的に磁性体の同極性反発働きを伝動動力に利用し、モータに駆動される伝動盤が従動軸の従動盤と非接触な状態で、所望の伝導効果を達成し、公知伝動構造に残された加工公差と接触摩損等の課題と欠点を解決し、伝導効果とスムーズ性が大幅に向上される。全体を言えば、極めて良い産業利用価値と実用価値を合わせて備われ、優れた創造的な設計である。
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。