IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028107
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
G03G21/00 538
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078809
(22)【出願日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2022131357
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023012370
(32)【優先日】2023-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023042223
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】辻 拓也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】樋上 和馬
(72)【発明者】
【氏名】角谷 穂高
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅文
(72)【発明者】
【氏名】木津 悠
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270SA02
2H270SA03
2H270SB03
2H270SB13
2H270SB15
2H270SB16
2H270SC16
(57)【要約】
【課題】ファンによって送り出される空気を確実にフィルタに通すことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】筐体2と、筐体2内の空気を排気する第1ファン71と、第1ファン71を収容する第1ダクト27と、排気方向において第1ファン71の下流側に配置される凹み231と、凹み231の排気方向における下流側に位置し、凹み231と連通するルーバー24とを有する右側壁23と、排気方向において第1ファンと第1ルーバー24との間に位置し、凹み231の内周面に外周面が接触する状態で配置され、排気方向の下流側に面する第1面73aと、排気方向の上流側に面する第2面73bとを有する第1排気フィルタ73とを備え、第1ダクト27の排気方向と直交する直交方向の長さD1は、全周にわたって凹み231の直交方向の長さよりも小さく、第1ダクト27の排気方向の下流端の全周は、第1排気フィルタ73の第2面73bと接触している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内の空気を排気するためのファンと、
前記ファンによる空気の排気方向に沿って延び、前記ファンを収容するダクトと、
前記筐体に備えられ、前記排気方向において前記ファンの下流側に配置される側壁であって、前記排気方向の下流側へ向かって凹んだ凹みと、前記凹みの前記排気方向における下流側に位置し、前記凹みと連通するルーバーと、を有する側壁と、
前記排気方向において前記ファンと前記ルーバーとの間に位置し、前記凹みの内周面に外周面が接触する状態で配置される第1フィルタであって、前記排気方向の下流側に面する第1面と、前記排気方向の上流側に面する第2面とを有する排気フィルタと、
を備え、
前記ダクトの前記排気方向と直交する直交方向の長さは、全周にわたって前記凹みの前記直交方向の長さよりも小さく、
前記ダクトの前記排気方向の下流端の全周は、前記排気フィルタの前記第2面と接触していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記排気フィルタは、前記ファンにより排気される空気からオゾンを除去可能なフィルタである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排気フィルタの前記第1面は、前記ルーバーの前記排気方向における上流端と接触している請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ダクトは、液体が流れる流路を備えている請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記流路は、
上下方向に延びる第1流路と、
前記第1流路の下端に連続して形成され、前記ファンの下方において前記ファンと前記凹みとの間にわたって形成される第2流路とを有する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ファンの外周と前記ダクトの内周との間には、シールが配置されている請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ダクトは、前記ファンに向けて突出し、前記ファンに係止することにより前記ファンを前記排気方向において位置決めするフックを有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ダクトは、前記ダクトの周壁を前記排気方向と直交する方向に貫通し、前記ファンに接続されるハーネスが通過可能な切欠きを有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記筐体に収容され、シートにトナー像を形成するプロセスユニットを備え、
前記ファンは、前記プロセスユニットを通過してきた空気を排気する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセスユニットと前記ダクトとの間に配置される中間フィルタを備える請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記中間フィルタは、前記ファンにより排気される空気からオゾンを除去可能なフィルタである請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
電子写真方式によりシートに画像を形成する画像形成部であって、
感光ドラムと、
前記感光ドラムを帯電させる帯電器と、
前記感光ドラムを露光して静電潜像を形成する露光装置と、
前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像器と、
前記感光ドラムに形成されたトナー像を前記シートに転写する転写部と、
を有する画像形成部と、
前記画像形成部を収容するプロセス収容部と、
電源基板と、
前記電源基板を収容する基板収容部と、
前記筐体の前記感光ドラムの軸方向に対して交差する前記側壁に形成される第1排気口および第2排気口と、
前記第1排気口に対向する第1開口と、前記プロセス収容部内に開口する第3開口とを有し、前記プロセス収容部内の空気を前記第3開口から前記第1開口へ導くプロセスダクトと、
を更に備え、
前記筐体は、前記画像形成部と前記プロセス収容部と前記電源基板とを収容し、
前記基板収容部は、前記第2排気口に対向する第2開口を有し、
前記ファンは、
前記第1排気口に対向して設けられて、前記プロセスダクト内の空気を前記第1開口から前記筐体の外部へ排気する第1ファンと、
前記第2排気口に対向して設けられて、前記基板収容部内の空気を前記第2開口から前記筐体の外部へ排気する第2ファンと、
を有し、
前記排気フィルタは、
前記第1排気口の前記第1ファンよりも下流側に設けられた第1排気フィルタと、
前記第2排気口の前記第2ファンよりも下流側に設けられた第2排気フィルタと、
を有する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
電子写真方式によりシートに画像を形成する画像形成部であって、
感光ドラムと、
前記感光ドラムを帯電させる帯電器と、
前記感光ドラムを露光して静電潜像を形成する露光装置と、
前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像器と、
前記感光ドラムに形成されたトナー像を前記シートに転写する転写部と、
を有する画像形成部と、
前記画像形成部を収容するプロセス収容部と、
前記筐体の前記感光ドラムの軸方向に対して交差する前記側壁に形成される第1排気口と、
前記第1排気口に対向する第1開口と、前記プロセス収容部内に開口する第3開口とを有し、前記プロセス収容部内の空気を前記第3開口から前記第1開口へ導くプロセスダクトと、
を更に備え、
前記筐体は、前記画像形成部と前記プロセス収容部とを収容し、
前記プロセスダクトは、前記第3開口に設けられた中間フィルタを有し、
前記ファンは、前記第1排気口に対向して設けられて、前記プロセスダクト内の空気を前記第1開口から前記筐体の外部へ排気する第1ファンを有し、
前記排気フィルタは、前記第1排気口の前記第1ファンよりも下流側に設けられた第1排気フィルタを有する請求項1または請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1排気フィルタは、空気中のオゾンを減少させるオゾンフィルタを有する、
請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第2排気フィルタは、空気中のオゾンを減少させるオゾンフィルタを有する、
請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記中間フィルタは、空気中のオゾンを減少させるオゾンフィルタを有する、
請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記側壁は、前記プロセス収容部に前記筐体の外部の空気が流入可能な吸気口を有し、
前記筐体は、前記吸気口に設けられて、前記筐体の外部の空気を前記筐体内へ吸い込む第3ファンを有する、
請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記シートに転写されたトナー像を前記シートに定着させる定着器をさらに備え、
前記プロセスダクトは、前記シートが前記転写部によって搬送されるシート搬送方向において、前記画像形成部と前記定着器とに挟まれる位置にあり、
前記基板収容部は、上下方向において、前記定着器の下側に配置される、
請求項12に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置においては、環境規制の強化等に伴ってトナー等の粉じんの筐体外への排出を抑制することが求められているため、筐体内の空気を排気するためのファンの排気方向上流側にフィルタを配置して、フィルタによって排気から粉じんを除去することが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
フィルタをファンの上流側に配置した場合、筐体の排気口に設けられるルーバーとフィルタとの間の隙間が大きくなり、フィルタを通過した空気だけでなく、フィルタを通過していない空気までもがファンによって筐体外に排気されてしまうことがある。
【0004】
従って、フィルタをルーバーとファンとの間に配置すること等により、ルーバーとフィルタとの隙間を小さくすることが好ましい(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-131532号公報
【特許文献2】特開2006-154137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、フィルタをルーバーとファンとの間に配置した場合であっても、ファンとフィルタとの間に隙間があると、ファンによって送り出される空気がその隙間から漏れ出して、フィルタを通過せずに排気されてしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明においては、フィルタをルーバーとファンとの間に配置した場合においても、ファンによって送り出される空気を確実にフィルタに通すことができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、画像形成装置は、筐体と、前記筐体内の空気を排気するためのファンと、前記ファンによる空気の排気方向に沿って延び、前記ファンを収容するダクトと、前記筐体に備えられ、前記排気方向において前記ファンの下流側に配置される側壁であって、前記排気方向の下流側へ向かって凹んだ凹みと、前記凹みの前記排気方向における下流側に位置し、前記凹みと連通するルーバーと、を有する側壁と、前記排気方向において前記ファンと前記ルーバーとの間に位置し、前記凹みの内周面に外周面が接触する状態で配置される第1フィルタであって、前記排気方向の下流側に面する第1面と、前記排気方向の上流側に面する第2面とを有する排気フィルタと、を備え、前記ダクトの前記排気方向と直交する直交方向の長さは、全周にわたって前記凹みの前記直交方向の長さよりも小さく、前記ダクトの前記排気方向の下流端の全周は、前記排気フィルタの前記第2面と接触している。
【0010】
これにより、ファンによって送り出された空気を漏れなく排気フィルタに通すことができ、筐体の外部に排気される空気に含まれるトナー等の粉じんの量を十分に減少させることができる。
【0011】
また、前記排気フィルタは、前記ファンにより排気される空気からオゾンを除去可能なフィルタである。
【0012】
これにより、ファンにより排気される空気からオゾンを除去して、ファンによる排気に含まれるオゾンの量を減少させることができる。
【0013】
また、前記排気フィルタの前記第1面は、前記ルーバーの前記排気方向における上流端と接触している。
【0014】
これにより、排気フィルタを通過していない空気が、排気フィルタとルーバーとの間から排気されることを抑制可能である。また、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0015】
また、前記ダクトは、液体が流れる流路を備えている。
【0016】
これにより、ダクトに流れてきた液体を、流路を通じて流通させることができる。
【0017】
また、前記流路は、上下方向に延びる第1流路と、前記第1流路の下端に連続して形成され、前記ファンの下方において前記ファンと前記凹みとの間にわたって形成される第2流路とを有する。
【0018】
これにより、ダクトに流れてきた液体を、第1流路および第2流路を経た後に、に沿って流通した液体を、排気フィルタを通じて筐体の外部に排出することができる。
【0019】
また、前記ファンの外周と前記ダクトの内周との間には、シールが配置されている。
【0020】
これにより、ファンにより送り出された空気が、ファンとダクトとの間から漏れ出すことを抑制できる。
【0021】
また、前記ダクトは、前記ファンに向けて突出し、前記ファンに係止することにより前記ファンを前記排気方向において位置決めするフックを有する。
【0022】
これにより、ファンと排気フィルタとの排気方向の距離を一定に保つことができる。
【0023】
また、前記ダクトは、前記ダクトの周壁を前記排気方向と直交する方向に貫通し、前記ファンに接続されるハーネスが通過可能な切欠きを有する。
【0024】
これにより、ダクトをファンよりも排気フィルタ側へ延ばして、ダクトを全周にわたって排気フィルタに接触させた場合でも、ハーネスをダクトの外部に引き出すことができる。
【0025】
また、前記筐体に収容され、シートにトナー像を形成するプロセスユニットを備え、前記ファンは、前記プロセスユニットを通過してきた空気を排気する。
【0026】
これにより、ファンによって排気される、プロセスユニットを通過した空気に含まれる粉じん等を減少させることができる。
【0027】
また、前記プロセスユニットと前記ダクトとの間に配置される中間フィルタを備える。
【0028】
これにより、プロセスユニットを通過した空気が排気フィルタに到達する前に、プロセスユニットを通過した空気から中間フィルタによって粉じん等を除去できるため、その後に排気フィルタを通じて筐体の外部に排気された空気に含まれる粉じん等を、より減少させることができる。
【0029】
また、前記中間フィルタは、前記ファンにより排気される空気からオゾンを除去可能なフィルタである。
【0030】
これにより、ファンによる排気に含まれるオゾンの量を減少させることができる。
【0031】
また、電子写真方式によりシートに画像を形成する画像形成部であって、感光ドラムと、前記感光ドラムを帯電させる帯電器と、前記感光ドラムを露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像器と、前記感光ドラムに形成されたトナー像を前記シートに転写する転写部と、を有する画像形成部と、前記画像形成部を収容するプロセス収容部と、電源基板と、前記電源基板を収容する基板収容部と、前記筐体の前記感光ドラムの軸方向に対して交差する前記側壁に形成される第1排気口および第2排気口と、前記第1排気口に対向する第1開口と、前記プロセス収容部内に開口する第3開口とを有し、前記プロセス収容部内の空気を前記第3開口から前記第1開口へ導くプロセスダクトと、を更に備え、前記筐体は、前記画像形成部と前記プロセス収容部と前記電源基板とを収容し、前記基板収容部は、前記第2排気口に対向する第2開口を有し、前記ファンは、前記第1排気口に対向して設けられて、前記プロセスダクト内の空気を前記第1開口から前記筐体の外部へ排気する第1ファンと、前記第2排気口に対向して設けられて、前記基板収容部内の空気を前記第2開口から前記筐体の外部へ排気する第2ファンと、を有し、前記排気フィルタは、前記第1排気口の前記第1ファンよりも下流側に設けられた第1排気フィルタと、前記第2排気口の前記第2ファンよりも下流側に設けられた第2排気フィルタと、を有する。
【0032】
上記の構成によれば、プロセス収容部内のオゾンや粉塵(トナーなど)を含む空気は、第1排気フィルタを通過して筐体の外部へ排気される。また、プロセス収容部から基板収容部内に流入したオゾンや粉塵(トナーなど)を含む空気は、第2排気フィルタを通過して筐体の外部へ排気される。これにより、筐体の外部へのオゾンおよび粉塵(トナーなど)の排出量を、少なくすることができる。
【0033】
また、電子写真方式によりシートに画像を形成する画像形成部であって、感光ドラムと、前記感光ドラムを帯電させる帯電器と、前記感光ドラムを露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像器と、前記感光ドラムに形成されたトナー像を前記シートに転写する転写部と、を有する画像形成部と、前記画像形成部を収容するプロセス収容部と、前記筐体の前記感光ドラムの軸方向に対して交差する前記側壁に形成される第1排気口と、前記第1排気口に対向する第1開口と、前記プロセス収容部内に開口する第3開口とを有し、前記プロセス収容部内の空気を前記第3開口から前記第1開口へ導くプロセスダクトと、を更に備え、前記筐体は、前記画像形成部と前記プロセス収容部とを収容し、前記プロセスダクトは、前記第3開口に設けられた中間フィルタを有し、前記ファンは、前記第1排気口に対向して設けられて、前記プロセスダクト内の空気を前記第1開口から前記筐体の外部へ排気する第1ファンを有し、前記排気フィルタは、前記第1排気口の前記第1ファンよりも下流側に設けられた第1排気フィルタを有する。
【0034】
上記の構成によれば、プロセス収容部内のオゾンや粉塵(トナーなど)を含む空気は、プロセスダクトの第3開口に設けられた中間フィルタを通過した後、更に、第1排気フィルタを通過して筐体の外部へ排気される。これにより、筐体の外部へのオゾンおよび粉塵(トナーなど)の排出量を、少なくすることができる。
【0035】
また、前記第1排気フィルタは、空気中のオゾンを減少させるオゾンフィルタを有する。
【0036】
これにより、プロセスダクト内から排出された空気内のオゾンを分解・吸着して減少させることができ、筐体の外部へのオゾンの排出量を更に少なくすることができる。
【0037】
また、前記第2排気フィルタは、空気中のオゾンを減少させるオゾンフィルタを有する。
【0038】
これにより、基板収容部内から排出された空気内のオゾンを分解・吸着して減少させることができ、筐体の外部へのオゾンの排出量を更に少なくすることができる。
【0039】
また、前記中間フィルタは、空気中のオゾンを減少させるオゾンフィルタを有する。
【0040】
これにより、プロセス収容部内に浮遊するオゾンを分解・吸着して減少させることができ、筐体の外部へのオゾンの排出量を少なくすることができる。
【0041】
また、前記側壁は、前記プロセス収容部に前記筐体の外部の空気が流入可能な吸気口を有し、前記筐体は、前記吸気口に設けられて、前記筐体の外部の空気を前記筐体内へ吸い込む第3ファンを有する。
【0042】
これにより、第3ファンによって筐体の外部の空気をプロセス収容部へ吸い込むことができ、筐体内の昇温を更に抑制することができる。
【0043】
また、前記シートに転写されたトナー像を前記シートに定着させる定着器をさらに備え、前記プロセスダクトは、前記シートが前記転写部によって搬送されるシート搬送方向において、前記画像形成部と前記定着器とに挟まれる位置にあり、前記基板収容部は、上下方向において、前記定着器の下側に配置される。
【0044】
これにより、定着器周辺の熱い空気を第1ファンでプロセスダクトを介して上向きに吸引して第1排気口から排気することができ、基板収容部内に収容する電源基板に熱が伝わるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、ファンによって送り出された空気を漏れなく排気フィルタに通すことができ、筐体の外部に排気される空気に含まれる粉じんの量を十分に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】画像形成装置を示す斜視図である。
図3】筐体のトップカバーを示す斜視図である。
図4】筐体のトップカバーを示す平面図である。
図5】筐体の右側壁を示す側面図である。
図6】右フレームに嵌装されたファンおよび排気フィルタを示す分解斜視図である。
図7】第1・第2ファン、第1・第2排気フィルタ、および第1・第2ルーバーを示す後面断面図である。
図8図4におけるA-A断面図であって、第1ファン、第1排気フィルタ、および第1ルーバーを示す後面断面図である。
図9】第1ルーバーを示す側面図である。
図10】右フレームに嵌装されたファンを左方から見た側面図である。
図11図4におけるB-B断面図である。
図12】(a)は第1ダクトに形成された切欠きを示す側面断面図であり、(b)は第1ダクトに形成された切欠きを示す前面断面図である。
図13】筐体内に設けられた中間フィルタを示す側面断面図である。
図14】中間フィルタおよびプロセスダクトを示す斜視図である。
図15】中間フィルタの変形例を示す斜視図である。
図16図4におけるC-C断面図である。
図17図4におけるD-D断面図である。
図18図4におけるE-E断面図である。
図19】第2ファン、第2排気フィルタ、および第2ルーバーを示す後面断面図である。
図20】第2ルーバーを示す斜視図である。
図21】第1ダクトに支持されるアースバネを示す斜視図である。
図22】第1ダクトの周壁で囲まれた領域の外側に位置するアースバネの第2コイル部を示す側面断面図である。
図23】第1ダクトに支持されるアースバネを示す後面断面図である。
図24】アースバネと制御基板との位置関係を示す平面断面図である。
図25】アースバネを示す斜視図である。
図26】第2ダクトに支持されるアースバネを示す斜視図である。
図27】第2ダクトに支持されるアースバネを示す平面図である。
図28】アースバネの第2実施形態を示す後面断面図である。
図29】第1排気フィルタの支持構造の別実施形態を示す斜視図である。
図30】第1排気フィルタの支持構造の別実施形態を示す後面断面図である。
図31】第2実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図の一例である。
図32】画像形成装置の内部構成の概略を示す断面図である。
図33図32のIII-III矢視断面図である。
図34】ダクトの斜視図である。
図35】基板収容部の斜視図である。
図36】第3フィルタカバーを取り外した状態の画像形成装置の外観斜視図である。
図37】第1副フィルタと第2副フィルタを取り外した状態の画像形成装置の外観斜視図である。
図38】第1ファンと第2ファンとを駆動した際の空気の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0048】
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図1図2に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0049】
以下の説明では、図1における左側を画像形成装置1の前側、図1における右側を画像形成装置1の後側と規定し、図1おける紙面手前側を画像形成装置1の右側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の左側と規定する。また、図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0050】
画像形成装置1は、筐体2と、シートSを支持する給紙トレイ10およびシートSを搬送するシート搬送部30を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきたシートSに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0051】
筐体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3および画像形成部5を収容している。筐体2の前面には前面開口部2Aが開口しており、筐体2は前面開口部2Aを開閉可能なフロントカバー21を有している。
【0052】
フロントカバー21は、下端部の回動軸21aを中心として回動可能に構成されており、回動軸21aを中心として回動することにより、前面開口部2Aを閉鎖する閉位置と、前面開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。
【0053】
図1図4に示すように、筐体2の上面にはトップカバー22が配置されており、トップカバー22は前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ221を有している。
【0054】
給紙部3は、筐体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持されるシートSをシート搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、筐体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0055】
シート搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。筐体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ221へ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0056】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けてシートSを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0057】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0058】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのトナーカートリッジ50と、各トナーカートリッジ50に対応する感光ドラム51とを備えている。各トナーカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。トナーカートリッジ50は、現像ローラ52を備えている。
【0059】
トナーカートリッジ50は、ドロア59に着脱可能に支持されている。ドロア59は、フロントカバー21を開くことで、筐体2における前面開口部2Aを通じて、筐体2に対して着脱可能である。ドロア59は、筐体2の内部に配置される第1位置と、少なくとも一部が筐体2の外部に配置される第2位置とを移動可能である。
【0060】
感光ドラム51は、左右方向を軸線方向とする略円筒形状に形成されており、ドロア59に回転可能に支持されている。現像ローラ52は、左右方向に延出しており、トナーカートリッジ50に回転可能に支持されている。トナーは、現像剤の一例である。現像ローラ52は、感光ドラム51にトナーを供給する。
【0061】
筐体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光装置56を有している。露光装置56は、図示しないレーザダイオード、偏光器、レンズ、およびミラーを備えている。露光装置56は、各感光ドラム51に対して光ビームを発して、各感光ドラム51の表面を露光するように構成されている。
【0062】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、感光ドラム51と接触している。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。画像形成部5においては、転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43、および転写ローラ44等によりベルト装置40が構成されている。
【0063】
画像形成部5は、各感光ドラム51を帯電させるための帯電器54を備えている。帯電器54は、ドロア59に支持されている。帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51は、それぞれ露光装置56によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0064】
トナーカートリッジ50に収容されるトナーは正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0065】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面に担持されたトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0066】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0067】
トナー像が転写されたシートSは定着器60に搬送される。定着器60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着器60に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。つまり、定着器60は、シートSにトナー像を定着させる。
【0068】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着器60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ221に排出される。
【0069】
図1図4に示すように、筐体2のトップカバー22における排紙トレイ221の後方には、排出フレーム29が配置されている。排出フレーム29には、前後方向に連通し左右方向に延びる排出口2Bが形成されており、排紙ローラ対64により搬送されるシートSは、排出口2Bを通じて排紙トレイ221に排出される。
【0070】
画像形成装置1においては、ドロア59、ドロア59に支持されるトナーカートリッジ50、感光ドラム51、および帯電器54等によって、シートSにトナー像を形成するプロセスユニットPUが構成されている。筐体2は、プロセスユニットPUを含む画像形成部5と、シート搬送部30とを収容するプロセス収容部PUSを有している。
【0071】
なお、プロセスユニットPUは、少なくとも感光ドラム51および帯電器54を備えていればよく、転写ベルト41あるいは定着器60を含んでいてもよい。また、プロセスユニットPUにおいては、本実施形態のようにドロア59が感光ドラム51を支持していてもよいし、トナーカートリッジ50が感光ドラム51を支持する構成であってもよい。
【0072】
画像形成装置1は、電源回路が形成される電源基板11と、電源基板11を覆う基板カバー12とを備えている。基板カバー12は、電源基板11を収容する基板収容部である。基板カバー12は、筐体2内の後部における給紙トレイ10とベルト装置40との間に配置されている。また、基板カバー12は、上下方向において、定着器60の下側に配置される。筐体2は、プロセスユニットPUおよび基板カバー12を収容している。
【0073】
画像形成装置1は、筐体2の内部の空気を筐体2の外部へ排気する第1ファン71および第2ファン72を備えている。第1ファン71および第2ファン72は、筐体内の空気を排気するためのファンの一例である。第1ファン71は、筐体2内におけるプロセスユニットPUの右方かつ後方に配置されており、筐体2の内部におけるプロセスユニットPUを通過してきた空気を筐体2の外部へ排気するように構成されている。これにより、プロセスユニットPUを通過した空気を第1ファン71によって効果的に排出することが可能となっている。
【0074】
第2ファン72は、筐体2内における基板カバー12の右方、かつ左右方向において第2ファン72を基板カバー12へ向けて投影した投影面が基板カバー12の後部と重なる位置に配置されており、筐体2の内部における基板カバー12内の空気を筐体2の外部へ排気するように構成されている。第2ファン72は、第1ファン71の下方に位置している。
【0075】
図2に示すように、筐体2内の右端部には右フレーム26が収容されており、筐体2は右フレーム26の右方を覆う右側壁23を備えている。右側壁23は、第1排気方向において第1ファン71の下流側に配置されている。右側壁23は、右側壁23を左右方向に貫通する第1排気口23aおよび第2排気口23bを有している。第1排気口23aおよび第2排気口23bは右側壁23の後部に位置しており、第1排気口23aは第2排気口23bの上方に位置している。
【0076】
第1ファン71は右フレーム26に支持されており、左右方向において第1ファン71を右側壁23に向けて投影した投影面が第1排気口23aと重なる位置に配置されている。第1ファン71が駆動することにより、左方から右方へ向かう方向の気流が生じ、第1ファン71が作る気流によって、プロセスユニットPU内の空気が第1排気口23aを通じて筐体2の外部へ排気される。
【0077】
第1ファン71は、筐体内の空気を排気するためのファンの一例であり、第1ファン71は、筐体2内の空気を、筐体2の外部に排気する。第1ファン71により排気される空気の排気方向は、第1排気方向である。第1ファン71の排気方向は、第1方向と直交する方向である。本実施形態においては、第1ファン71の排気方向である第1排気方向は左右方向である。右フレーム26は、ファンを支持するフレームの一例である。
【0078】
第2ファン72は右フレーム26に支持されており、左右方向において第2ファン72を右側壁23に向けて投影した投影面が第2排気口23bと重なる位置に配置されている。第2ファン72が駆動することにより、左方から右方へ向かう方向の気流が生じ、第2ファン72が作る気流によって、基板カバー12内の空気が第2排気口23bを通じて筐体2の外部へ排気される。第2ファン72により排気される空気の排気方向は第2排気方向である。本実施形態においては、第2ファン72の排気方向である第2排気方向は左右方向である。
【0079】
図2図5図6に示すように、右側壁23は、右側壁23を左右方向に貫通する吸気口23cを有している。吸気口23cは、プロセス収容部PUSに筐体2の外部の空気が流入可能な開口である。右側壁23の内側には、吸気口23cに設けられて、筐体2の外部の空気を筐体2内へ吸い込む第3ファン78が配置されている。第3ファン78は、右フレーム26に支持されている。第3ファン78は、例えば、空気が回転軸方向に通り抜ける軸流ファンにて構成されており、冷却用の空気が筐体2の外部から筐体2の内部へ流れる気流を発生させる。その結果、第3ファン78を駆動することによって、筐体2内に昇温を抑制することができる。
【0080】
右フレーム26の右側面には、画像形成装置1の動作を制御可能な制御基板13が支持されている。制御基板13は、高圧基板の一例である。制御基板13は、左右方向において右フレーム26と右側壁23との間に位置しており、前後方向において第1ファン71および第2ファン72の前方に位置している。
【0081】
[第1ファン、第1排気フィルタ、および第1ルーバー]
図5図8に示すように、筐体2内に配置される右フレーム26は、左右方向に貫通する第1ダクト27を有している。第1ファン71は第1ダクト27に嵌装されている。第1ダクト27は左右方向に沿って延びており、第1排気方向に空気が流通可能に構成されている。第1ダクト27は第1ファン71を収容している。第1ダクト27は、ファンを収容するダクトの一例である。
【0082】
筐体2の右側壁23は第1排気口23aを覆う第1ルーバー24を有している。第1ルーバー24は、ルーバーの一例である。第1ルーバー24は、筐体2の内部と外部とを連通している。本実施形態においては、第1ルーバー24は、右側壁23と一体成型されることにより形成されているが、第1ルーバー24が右側壁23に対して着脱可能に取り付けられる構成であってもよい。
【0083】
第1ルーバー24は、第1ファン71の右方に位置している。つまり、第1ルーバー24は、第1排気方向において、第1ファン71の下流側に配置されている。第1ルーバー24は、右側壁23から右方へ突出している。
【0084】
画像形成装置1は、左右方向において第1ファン71と第1ルーバー24との間に位置する第1排気フィルタ73を備えている。第1排気フィルタ73は、排気フィルタの一例である。第1排気フィルタ73は、左右方向において第1ファン71よりも下流側に配置されている。第1排気フィルタ73は、第1ファン71により排気される空気が通過し、筐体2内の空気に含まれるオゾンを回収するオゾンフィルタである。第1排気フィルタ73は、排気される空気中からトナー等の粉じんを除去することも可能である。
【0085】
第1排気フィルタ73は、例えばフィルタ素材をハニカム状に形成したハニカムフィルタにより構成されている。第1排気フィルタ73を構成するハニカムフィルタは、第1排気方向に沿って延びる隔壁で仕切られた多数のセルを有している。
【0086】
第1排気フィルタ73を構成するフィルタ素材としては、例えば二酸化マンガン等のオゾン分解触媒もしくは活性炭を担持した紙、アルミニウム等の導電性を有した金属、またはセラミックスを用いることができる。
【0087】
第1排気フィルタ73は矩形のシート状に形成されている。第1排気フィルタ73は、右側に面する第1面73aと、左側に面する第2面73bとを有している。第1面73aおよび第2面73bは、左右方向に面している。第1面73aおよび第2面73bは、排気方向に面する空気通過面の一例である。
【0088】
筐体2内においては、プロセスユニットPUが備える帯電器54等の大気中に放電を発生させる部材によりオゾンが生成される。また、筐体2内においては、トナーカートリッジ50に収容されるトナーが浮遊することがある。
【0089】
プロセスユニットPU内の空気は、第1ファン71によってプロセスユニットPUの後方へ吸引された後に右方へ向かって流通し、第1排気フィルタ73を通過してオゾンおよびトナー等の粉じんが除去された後に、第1ルーバー24を通じて筐体2の外部に排気される。従って、第1ファン71によって排気される、プロセスユニットPUを通過した空気に含まれるオゾンおよび粉じん等を減少させることができる。
【0090】
なお、第1排気フィルタ73は、少なくとも空気中からトナー等の粉じんを除去することが可能なフィルタであればよい。また、第1排気フィルタ73としては、トナー等の粉じんに加えてオゾンを空気中から除去可能なフィルタを用いることもできる。第1排気フィルタ73を、第1ファン71により排気される空気からオゾンを除去可能なフィルタにより構成することで、第1ファン71による排気に含まれるオゾンの量を減少させることが可能となる。
【0091】
図8図9に示すように、右側壁23に形成される第1ルーバー24は、第1排気口23aの周縁部に沿って四角形状に形成され、右側壁23の外側面から右方へ向かって突出する枠体240と、枠体240に囲まれた範囲内において前後方向に延びる第1桟241とを有している。第1桟241は、上下方向に間隔を空けて複数配置されている。上下方向は、排気方向と直交する方向の一例である。枠体240は、複数の第1桟241の周囲に位置している。
【0092】
第1ルーバー24は、左右方向において第1排気フィルタ73の下流側に位置しており、第1ルーバー24の枠体240は、第1排気フィルタ73の第1面73aに接触している。
【0093】
第1桟241は、左方から右方へいくに従って上方に傾斜しており、左方から右方へ向けて流通する空気は、第1ルーバー24を通過することで流通方向が斜め上方へ変換される。第1桟241は、水平方向に対する傾斜角度がθ1aである第1部241aと、第1部241aの右端に連続して形成され、水平方向に対する傾斜角度が傾斜角度θ1aよりも大きなθ1bである第2部241bとを有している。従って、第1桟241を左方から右方へ向けて流通する空気の流通方向を、効果的に斜め上方へ変換することが可能となっている。
【0094】
図9図24に示すように、第1ルーバー24の上下端に位置して前後方向に沿って延びる枠体240、および第1桟241の前端部および後端部は、R形状に形成されている。つまり、第1ルーバー24の上下端に位置する枠体240、および第1桟241の前端部は、上下方向から見て、前方へいくに従って右側壁23の外側面からの突出量が減少する円弧形状に形成されている。また、第1ルーバー24の上下端に位置する枠体240、および第1桟241の後端部は、上下方向から見て、後方へいくに従って右側壁23の外側面からの突出量が減少する円弧形状に形成されている。
【0095】
右側壁23は、第1排気方向の下流側となる右側へ向かって凹んだ凹み231を有している。凹み231は、左右方向からみて四角形状である。凹み231は、第1排気口23aの周縁部に沿って四角形状に形成される周壁によって形成されている。第1ルーバー24は凹み231の右側に位置しており、第1ルーバー24と凹み231とは第1排気口23aを介して連通している。第1排気フィルタ73は凹み231の内部に嵌装されており、凹み231の内周面と第1排気フィルタ73の外周面とが接触する状態で配置されている。第1排気フィルタ73は、右側に面する第1面73aと、左側に面する第2面73bとを有している。第1排気フィルタ73は、筐体2の右側壁23に支持されている。
【0096】
凹み231は、第1排気フィルタ73の外周を覆っている。第1排気フィルタ73は、左右方向において第1ファン71に対して隙間を有して配置されている。第1ダクト27の左右方向と直交する方向の長さD1は、全周にわたって凹み231の左右方向と直交する方向の長さD2よりも小さく形成されている。
【0097】
第1ダクト27は、第1ファン71よりも右方に突出しており、第1ダクト27の右端は第1排気フィルタ73の第2面73bに接触している。第1ダクト27の右端は、全周にわたって第1排気フィルタ73の第2面73bに接触している。第1ダクト27の右端部と凹み231の内周面とは、上下方向および前後方向から見て重なっている。
【0098】
このように、第1ダクト27の右端の全周が、第1排気フィルタ73の第2面73bと接触していることで、第1ファン71によって送り出された空気を漏れなく第1排気フィルタ73に通すことができる。これにより、筐体2の外部に排気される空気に含まれるトナー等の粉じんの量を十分に減少させることができる。
【0099】
また、第1排気フィルタ73の外形は第1ファン71の外形よりも大きく形成されており、第1排気フィルタ73に対して、第1ファン71を左右方向に投影した投影面の全ては、第1排気フィルタ73と重なっている。第1排気フィルタ73の第1面73aは、第1ルーバー24の左端と接触している。
【0100】
このように、第1排気フィルタ73の第1面73aが第1ルーバー24の左端と接触していることで、第1排気フィルタ73を通過していない空気が、第1排気フィルタ73と第1ルーバー24との間から排気されることを抑制可能である。また、画像形成装置1の左右方向の小型化を図ることが可能である。
【0101】
図8図10に示すように、第1ファン71は、左右方向に沿って延びる回転軸711と、回転軸711に固定される羽712と、回転軸711を回転可能に支持するケース713とを有し、回転軸711の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンである。第1ファン71におけるケース713の外形は、矩形状に形成されている。ケース713の外形は、第1ファン71の外形を形成している。ケース713は、円形の内周面713aを有しており、内周面713aで囲まれた範囲内に羽712が位置している。
【0102】
右フレーム26は、第1ダクト27の左端部に開口27aを有している。第1ファン71により排気される筐体2内の空気は、開口27aを通じて第1ダクト27内に導入される。
【0103】
[第1ファンの位置決め用のフック]
図11に示すように、第1ファン71におけるケース713の外周面には、内周面713a側へ向かって凹む係止溝713bが形成されている。第1ダクト27は、第1ファン71側へ向けて突出し、第1ファン71の係止溝713bに係止するフック274を有している。フック274が係止溝713bに係止することにより、第1ファン71が左右方向において第1ダクト27に対して位置決めされる。
【0104】
このように、フック274と係止溝713bとによって、第1ファン71の第1ダクト27に対する左右方向の位置決めを行うことで、第1ファン71と第1排気フィルタ73との左右方向の距離を一定に保つことが可能となっている。
【0105】
[第1ファンと第1ダクトとの間のシール]
また、第1ファン71におけるケース713の外周面と、第1ダクト27の内周面との間には、シール79が配置されている。シール79は、第1ファン71におけるケース713と、第1ダクト27との間に存在する隙間を閉塞している。
【0106】
このように、第1ファン71の外周と、第1ダクト27の内周との間にシール79を配置して、第1ファン71と第1ダクト27との間の隙間を埋めることで、第1ファン71により送り出された空気が、第1ファン71と第1ダクト27との間から漏れ出すことを抑制可能となっている。
【0107】
また、シール79は、フック274よりも右方に位置している。従って、シール79とフック274とが干渉することがなく、第1ファン71と第1ダクト27との間から空気が漏れ出すことを、より抑制することが可能である。
【0108】
図12に示すように、第1ダクト27は、第1ファン71の上方に位置する上壁27Aと、第1ファン71の下方に位置する下壁27Bと、第1ファン71の前方に位置する前壁27Cと、第1ファン71の後方に位置する後壁27Dとを有している。上壁27A、下壁27B、前壁27C、および後壁27Dによって第1ダクト27の周壁が構成されている。
【0109】
第1ファン71の外周は、第1ダクト27の周壁を構成する上壁27A、下壁27B、前壁27C、および後壁27Dによって囲まれている。第1ダクト27は、ファンを囲む周壁を有し、ファンにより排気される空気の排気方向に空気が流通可能なダクトの一例である。上壁27A、下壁27B、前壁27C、および後壁27Dの右端は、第1排気フィルタ73の第2面73bに接触している。
【0110】
第1ダクト27の前壁27Cには、前後方向に貫通する切欠き275が形成されている。第1ファン71は、第1ファン71と、第1ファン71を駆動するための電源とを接続するためのハーネス714を有している。切欠き275は、ハーネス714が通過可能に形成されている。ハーネス714は第1ファン71に接続されており、切欠き275を通じて第1ダクト27の内部から外部へ通過可能である。
【0111】
このように、第1ダクト27が切欠き275を有することで、第1ダクト27を第1ファン71よりも第1排気フィルタ73側へ延ばして、第1ダクト27を全周にわたって第1排気フィルタ73に接触させた場合でも、ハーネス714を第1ダクト27の外部に引き出すことが可能となっている。
【0112】
本実施形態においては、切欠き275は前壁27Cに形成されているが、上壁27A、下壁27B、または後壁27Dに切欠き275を形成する構成とすることも可能である。
【0113】
[中間フィルタ]
図1図13図14に示すように、画像形成装置1は、中間フィルタ76を備えている。中間フィルタ76は、筐体2内におけるプロセスユニットPUと第1ダクト27との間に配置されており、プロセスユニットPUの後方に位置している。
【0114】
中間フィルタ76は、例えばフィルタ素材をハニカム状に形成したハニカムフィルタにより構成されている。中間フィルタ76を構成するハニカムフィルタは、前後方向に沿って延びる隔壁で仕切られた多数のセルを有している。
【0115】
中間フィルタ76を構成するフィルタ素材としては、例えば二酸化マンガン等のオゾン分解触媒もしくは活性炭を担持した紙、アルミニウム等の金属、またはセラミックスを用いることができる。中間フィルタ76は矩形のシート状に形成されている。
【0116】
プロセスユニットPUと第1ダクト27との間には、プロセス収容部PUSに収容されるプロセスユニットPU内の空気を、右側壁23の第1排気口23aへ導くプロセスダクト20が配置されている。プロセスダクト20は、プロセスユニットPUの後方において、左右方向に沿って延びている。
【0117】
プロセスダクト20は、右端部に第1開口20aを有し、前方に面する前壁に第3開口20bを有している。第1開口20aは、右フレーム26に対向しており、右フレーム26の第1ダクト27と連通している。第1開口20aは、左右方向において第1ダクト27と対向している。また、第1開口20aは、左右方向において、右フレーム26を挟んでプロセスダクト20と反対側に位置する右側壁23の第1排気口23aと対向している。
【0118】
第3開口20bは、プロセス収容部PUS内に開口しており、前後方向においてプロセスユニットPUと対向している。中間フィルタ76は、プロセスダクト20に支持されており、第3開口20bを覆うように設けられている。
【0119】
プロセスユニットPU内の空気は、第1ファン71によってプロセスユニットPUの後方へ吸引され、中間フィルタ76を通過してプロセスダクト20内に侵入する。中間フィルタ76を通過した空気はプロセスダクト20内を右方へ向かって流通し、さらに第1開口20aから第1ダクト27内を流通して、第1排気フィルタ73を通過した後に、第1ルーバー24を通じて筐体2の外部に排気される。
【0120】
プロセスユニットPU内の空気は、中間フィルタ76を通過する際にオゾンおよびトナー等の粉じんが除去され、第1排気フィルタ73を通過する際に、さらにオゾンおよびトナー等の粉じんが除去される。
【0121】
このように、プロセスユニットPUを通過した空気が第1排気フィルタ73に到達する前に、プロセスユニットPUを通過した空気から中間フィルタ76によって粉じん等を除去できるため、その後に第1排気フィルタ73を通じて筐体2の外部に排気された空気に含まれる粉じん等を、より減少させることが可能となっている。
【0122】
なお、中間フィルタ76は、少なくとも空気中からトナー等の粉じんを除去することが可能なフィルタであればよい。また、中間フィルタ76としては、トナー等の粉じんに加えてオゾンを空気中から除去可能なフィルタを用いることもできる。中間フィルタ76を、第1ファン71により排気される空気からオゾンを除去可能なフィルタにより構成することで、第1ファン71による排気に含まれるオゾンの量をより減少させることが可能となる。
【0123】
図14に示すように、中間フィルタ76は、本実施形態では、左右方向においてやや中央寄りの位置に配置されているが、図15に示すように、図14に示した場合よりも右端側へ延ばして配置することもできる。
【0124】
[液体の流路]
図3図4図16図17に示すように、筐体2における排紙トレイ221と排出フレーム29との間には、上下方向に連通するスリット2Cが形成されている。スリット2Cは、左右方向に延びている。排出フレーム29は、スリット2Cの下方に位置する排出流路291を有している。排出流路291は、スリット2Cの下方からスリット2Cの右方へ向けて延びている。
【0125】
例えば、筐体2の排紙トレイ221または排出フレーム29に水等の液体が掛かった場合、掛かった液体はスリット2Cを通じて下方へ流通し、筐体2の内部に浸入する。スリット2Cを通じて下方へ流通した液体は、排出流路291に落下し、排出流路291に沿って右方へ流通する。
【0126】
図8図10図17図18に示すように、右フレーム26は、液体が流通可能な第1流路261および第2流路262を有している。
【0127】
第1流路261は、第1ダクト27が有する開口27aの周縁部における前下部に位置している。第1流路261は上下方向に沿って延びており、上側から下側へ向かって後方に傾斜している。第1流路261の前端部は、排出流路291の右端の下方に位置している。
【0128】
第2流路262は、第1流路261の下端に連続して形成されており、左右方向に沿って延びている。第2流路262は、第1ダクト27における下壁27Bの上面に形成されている。第2流路262は第1ファン71の下方に位置しており、左右方向において第1ファン71と凹み231との間にわたって形成されている。
【0129】
排出流路291に沿って流通する液体は、排出流路291の右端から第1流路261へ落下した後、第1流路261に沿って流通する。第1流路261に沿って流通した液体は、さらに第2流路262に沿って流通した後、第1排気フィルタ73および第1ルーバー24を通じて筐体2の外部に排出される。
【0130】
このように、右フレーム26は第1流路261および第2流路262といった液体が流れる流路を備えているため、筐体2のトップカバー22等に掛かった液体が右フレーム26の第1ダクト27の部分にまで流れてきたときに、液体を第1流路261および第2流路262を通じて流通させることができる。また、第1流路261および第2流路262に沿って流通した液体を、第1排気フィルタ73および第1ルーバー24を通じて筐体2の外部に排出することができる。
【0131】
[第2ファン、第2排気フィルタ、および第2ルーバー]
図6図7図19に示すように、筐体2内に配置される右フレーム26は、左右方向に貫通する第2ダクト28を有している。第2ダクト28は、第1ダクト27の下方に位置している。第2ファン72は第2ダクト28に嵌装されている。第2ダクト28は左右方向に沿って延びており、第2排気方向に空気が流通可能に構成されている。第2ダクト28は第2ファン72を収容している。第2ダクト28は、ファンを収容するダクトの一例である。
【0132】
筐体2の右側壁23は第2排気口23bを覆う第2ルーバー25を有している。第2ルーバー25は、ルーバーの一例である。第2ルーバー25は、筐体2の内部と外部とを連通している。本実施形態においては、第2ルーバー25は、右側壁23と一体成型されることにより形成されているが、第2ルーバー25が右側壁23に対して着脱可能に取り付けられる構成であってもよい。
【0133】
第2ルーバー25は、第2ファン72の右方に位置している。つまり、第2ルーバー25は、第2排気方向において、第2ファン72の下流側に配置されている。第2ルーバー25は、右側壁23から右方へ突出している。
【0134】
画像形成装置1は、左右方向において第2ファン72と第2ルーバー25との間に位置する第2排気フィルタ74を備えている。第2排気フィルタ74は、排気フィルタの一例である。第2排気フィルタ74は、左右方向において第2ファン72よりも下流側に配置されている。第2排気フィルタ74は、第2ファン72により排気される空気が通過し、筐体2内の空気に含まれるオゾンを回収するオゾンフィルタである。第2排気フィルタ74は、排気される空気中からトナー等の粉じんを除去することも可能である。
【0135】
第2排気フィルタ74は、例えばフィルタ素材をハニカム状に形成したハニカムフィルタにより構成されている。第2排気フィルタ74を構成するハニカムフィルタは、第2排気方向に沿って延びる隔壁で仕切られた多数のセルを有している。
【0136】
第2排気フィルタ74を構成するフィルタ素材としては、例えば二酸化マンガン等のオゾン分解触媒もしくは活性炭を担持した紙、アルミニウム等の導電性を有した金属、またはセラミックスを用いることができる。
【0137】
第2排気フィルタ74は矩形のシート状に形成されている。第2排気フィルタ74は、右側に面する第1面74aと、左側に面する第2面74bとを有している。第1面74aおよび第2面74bは、左右方向に面している。第1面74aおよび第2面74bは、排気方向に面する空気通過面の一例である。
【0138】
筐体2に収容される基板カバー12内の空気は、電源基板11に実装される電子部品により加熱されて昇温され易くなっている。基板カバー12内の空気は第2ファン72によって左方から右方へ向かって流通し、第2排気フィルタ74を通過してオゾンおよび粉塵等が除去された後に、第2ルーバー25を通じて筐体2の外部に排気される。基板カバー12内の空気を第2ファン72によって筐体2の外部に排気することで、基板カバー12内の空気の温度を低下させることが可能である。
【0139】
なお、第2排気フィルタ74は、少なくとも空気中からトナー等の粉じんを除去することが可能なフィルタであればよい。また、第2排気フィルタ74としては、トナー等の粉じんに加えてオゾンを空気中から除去可能なフィルタを用いることもできる。第2排気フィルタ74を、第2ファン72により排気される空気からオゾンを除去可能なフィルタにより構成することで、第2ファン72による排気に含まれるオゾンの量を減少させることが可能となる。
【0140】
図14図19に示すように、基板カバー12は、右端部に第2開口12aを有している。第2開口12aは、右フレーム26に対向しており、右フレーム26の第2ダクト28と連通している。第2開口12aは、左右方向において第2ダクト28と対向している。また、第2開口12aは、左右方向において、右フレーム26を挟んで基板カバー12と反対側に位置する右側壁23の第2排気口23bと対向している。第2ファン72は、第2排気口23bに対向して設けられており、基板カバー12内の空気を第2開口12aから筐体2の外部へ排気する。
【0141】
図19図20に示すように、右側壁23に形成される第2ルーバー25は、第2排気口23bの周縁部に沿って四角形状に形成され、右側壁23の外側面から右方へ向かって突出する枠体250と、枠体250に囲まれた範囲内において前後方向に延びる第2桟251とを有している。第2桟251は、上下方向に間隔を空けて複数配置されている。上下方向は、排気方向と直交する方向の一例である。枠体250は、複数の第2桟251の周囲に位置している。
【0142】
第2ルーバー25は、左右方向において第2排気フィルタ74の下流側に位置しており、第2ルーバー25の枠体250は、第2排気フィルタ74の第1面74aに接触している。
【0143】
第2桟251は、左方から右方へいくに従って上方に傾斜しており、左方から右方へ向けて流通する空気は、第2ルーバー25を通過することで流通方向が斜め上方へ変換される。第2桟251は、水平方向に対する傾斜角度がθ2aである第1部251aと、第2部251aの右端に連続して形成され、水平方向に対する傾斜角度が傾斜角度θ2aよりも大きなθ2bである第2部251bとを有している。従って、第2桟251を左方から右方へ向けて流通する空気の流通方向を、効果的に斜め上方へ変換することが可能となっている。
【0144】
図20図27に示すように、第2ルーバー25の上下端に位置して前後方向に沿って延びる枠体250、および第2桟251の前端部および後端部は、R形状に形成されている。つまり、第2ルーバー25の上下端に位置する枠体250、および第2桟251の前端部は、上下方向から見て、前方へいくに従って右側壁23の外側面からの突出量が減少する円弧形状に形成されている。また、第2ルーバー25の上下端に位置する枠体250、および第2桟251の後端部は、上下方向から見て、後方へいくに従って右側壁23の外側面からの突出量が減少する円弧形状に形成されている。
【0145】
第2ルーバー25は、第2ルーバー25の下端に位置する枠体250から右側へ突出する突出リブ252を有している。第2ルーバー25が枠体250よりも右側へ突出する突出リブ252有することで、右側壁23を壁に近接させて画像形成装置1を設置する場合に、枠体250および第2桟251よりも突出リブ252が先に壁に当接する。これにより、枠体250および第2桟251と壁との間に隙間が生じて、第2排気口23bが壁によって塞がれることがなく、第2排気口23bからの排気が阻害されることを抑制できる。
【0146】
また、突出リブ252は、第1ルーバー24と第2ルーバー25とのうちの、下方に位置する第2ルーバー25の下端に設けられているため、右側壁23を近接させる壁の高さが低い場合でも、突出リブ252を壁に当接させて、枠体250および第2桟251と壁との間に隙間を確保することができる。
【0147】
右側壁23は、第2排気方向の下流側となる右側へ向かって凹んだ凹み232を有している。凹み232は、左右方向からみて四角形状である。凹み232は、第2排気口23bの周縁部に沿って四角形状に形成される周壁によって形成されている。第2ルーバー25は凹み232の右側に位置しており、第2ルーバー25と凹み232とは第2排気口23bを介して連通している。第2排気フィルタ74は凹み232の内部に嵌装されており、凹み232の内周面と第2排気フィルタ74の外周面とが接触する状態で配置されている。第2排気フィルタ74は、右側に面する第1面74aと、左側に面する第2面74bとを有している。第2排気フィルタ74は、筐体2の右側壁23に支持されている。
【0148】
凹み232は、第2排気フィルタ74の外周を覆っている。第2排気フィルタ74は、左右方向において第2ファン72に対して隙間を有して配置されている。第2ダクト28の左右方向と直交する方向の長さD3は、全周にわたって凹み232の左右方向と直交する方向の長さD4よりも小さく形成されている。
【0149】
第2ダクト28は、第2ファン72よりも右方に突出しており、第2ダクト28の右端は第2排気フィルタ74の第2面74bに接触している。第2ダクト28の右端は、全周にわたって第2排気フィルタ74の第2面74bに接触している。第2ダクト28の右端部と凹み232の内周面とは、上下方向および前後方向から見て重なっている。
【0150】
このように、第2ダクト28の右端の全周が、第2排気フィルタ74の第2面74bと接触していることで、第2ファン72によって送り出された空気を漏れなく第2排気フィルタ74に通すことができる。これにより、筐体2の外部に排気される空気に含まれるトナー等の粉じんの量を十分に減少させることができる。
【0151】
また、第2排気フィルタ74の外形は第2ファン72の外形よりも大きく形成されており、第2排気フィルタ74に対して、第2ファン72を左右方向に投影した投影面の全ては、第2排気フィルタ74と重なっている。第2排気フィルタ74の第1面74aは、第2ルーバー25の左端と接触している。
【0152】
このように、第2排気フィルタ74の第1面74aが第2ルーバー25の左端と接触していることで、第2排気フィルタ74を通過していない空気が、第2排気フィルタ74と第2ルーバー25との間から排気されることを抑制可能である。また、画像形成装置1の左右方向の小型化を図ることが可能である。
【0153】
第2ファン72は、左右方向に沿って延びる回転軸721と、回転軸721に固定される羽722と、回転軸721を回転可能に支持するケース723とを有し、回転軸721の軸方向に沿って空気を送り出す軸流ファンである。第2ファン72におけるケース723の外形は、矩形状に形成されている。ケース723の外形は、第2ファン72の外形を形成している。第2ファン72は、第2排気方向において第2ルーバー25の上流側に配置されている。
【0154】
図19図27に示すように、第2ダクト28は、第2ファン72の上方に位置する上壁28Aと、第2ファン72の下方に位置する下壁28Bと、第2ファン72の前方に位置する前壁28Cと、第2ファン72の後方に位置する後壁28Dとを有している。上壁28A、下壁28B、前壁28C、および後壁28Dによって第2ダクト28の周壁が構成されている。
【0155】
第2ファン72の外周は、第2ダクト28の周壁を構成する上壁28A、下壁28B、前壁28C、および後壁28Dによって囲まれている。第2ダクト28は、ファンを囲む周壁を有し、ファンにより排気される空気の排気方向に空気が流通可能なダクトの一例である。上壁28A、下壁28B、前壁28C、および後壁28Dの右端は、第2排気フィルタ74の第2面74bに接触している。
【0156】
なお、第2ファン72および第2ダクト28においても、第1ファン71の係止溝713bおよび第1ダクト27のフック274と同様の係止溝およびフックを設けて、第2ダクト28のフックが第2ファン72の係止溝に係止することにより、第2ファン72が左右方向において第2ダクト28に対して位置決めされるように構成することができる。
【0157】
また、第2ファン72におけるケース723の外周面と、第2ダクト28の内周面との間に、第1ファン71と第1ダクト27との間のシール79と同様のシールを設けて、第2ファン72と第2ダクト28との間に存在する隙間を閉塞することができる。さらに、第2ダクト28の上壁28A、下壁28B、前壁28C、および後壁28Dの何れかに、第1ダクト27の切欠き275と同様の切欠きを形成することで、第2ファン72に接続されるハーネスを、切欠きを通じて第2ダクト28の内部から外部へ通過させることが可能である。
【0158】
[アースバネ]
(第1ダクト27に支持されるアースバネ75)
図21図25に示すように、画像形成装置1は、接地されたアースバネ75を備えている。アースバネ75は、第1ダクト27の後壁27Dに支持されている。アースバネ75は、導電性およびバネ性を備えた線材を巻回することにより形成されたコイルバネである。
【0159】
アースバネ75は、線材を巻回することにより円筒状に形成される第1コイル部751および第2コイル部752と、第1コイル部751から延び、第1コイル部751と第2コイル部752とを接続する第1腕部753と、第1コイル部751から延び、第1コイル部751とは別の第2腕部754とを有している。第1腕部753の第1コイル部751から延びる方向と、と第2腕部754の第1コイル部751から延びる方向とは、異なっている。
【0160】
第1ダクト27の後壁27Dにおける後側面からはボス271が後方に向けて突出しており、アースバネ75の第1コイル部751は、ボス271に回動可能に支持されている。つまり、アースバネ75は、第1ダクト27を形成する周壁の外周面に支持されている。
【0161】
第1腕部753は、第1コイル部751から略下方に向けて延びた後、右方へ屈曲して右斜め下方へ向けて延びている。第1腕部753の先端には第2コイル部752が接続されている。
【0162】
第2腕部754は、第1コイル部751から左方へ延びており、接地されている。第2腕部754は、例えば画像形成装置1が備える導電性を有した金属製のフレームに接続されることにより接地されている。アースバネ75は、第1コイル部751の周方向における第2腕部754が上方へ移動する側の付勢力を有している。
【0163】
第2コイル部752は、第1コイル部751の下方、且つ右方に位置しており、第1排気フィルタ73の第2面73bに接触している。第2コイル部752が第1排気フィルタ73に接触することで、第1排気フィルタ73がアースバネ75を通じて接地されるため、第1排気フィルタ73に静電気が溜まることが抑制され、第1排気フィルタ73から第1ファン71等の他の部材に放電することを抑制できる。
【0164】
また、コイルバネであるアースバネ75の第2コイル部752は円筒形状に形成されており、第2コイル部752における第1排気フィルタ73と接触する部分は、第1排気フィルタ73側に凸となる円弧形状に形成されている。
【0165】
このように、第1排気フィルタ73側に凸となる円弧形状に形成される部分を有する第2コイル部752が第1排気フィルタ73に接触することで、アースバネ75が第1排気フィルタ73に接触する際の、第1排気フィルタ73に対する荷重安定性を高めることが可能となっている。
【0166】
また、アースバネ75は、第2コイル部752が右方へ向かう側の付勢力を有しており、第2コイル部752は、アースバネ75の付勢力によって第1排気フィルタ73の第2面73bに押圧されている。第2コイル部752がアースバネ75の付勢力により第1排気フィルタ73に押圧されることで、アースバネ75は第1排気フィルタ73に安定的に接触することが可能となっている
【0167】
また、第2コイル部752の第1排気フィルタ73に対する接触位置は、第1排気フィルタ73の第2面73bにおける、第1ダクト27の周壁で囲まれた領域の外側に位置している(図22参照)。
【0168】
この場合、アースバネ75が第1排気フィルタ73に接触することによって、第1排気フィルタ73における第1ダクト27の周壁で囲まれた領域の外側が変形したとしても、第1ダクト27の周壁で囲まれた領域の内側に位置する第1排気フィルタ73は変形しない。従って、第1ファン71により排気される空気が第1ダクト27と第1排気フィルタ73との間から第1ダクト27の外部に漏れ出て、第1排気フィルタ73を通過することなく排気されることを抑制できる。
【0169】
また、アースバネ75の第1排気フィルタ73と接触する部分である第2コイル部752を、左右方向において第1ルーバー24に向かって投影した投影面と、第1ルーバー24の枠体240とは重なっている(図9図24参照)。
【0170】
これにより、第1排気フィルタ73におけるアースバネ75が接触する部分を、第1ルーバー24の枠体240によって支持することができ、第1排気フィルタ73におけるアースバネ75が接触する部分が過度に変形することを抑制できる。
【0171】
また、アースバネ75は、第1コイル部751が第1ダクト27における後壁27Dのボス271に支持されているため、アースバネ75を第1ダクト27の右側に位置する第1排気フィルタ73に対して安定して接触させることができる。
【0172】
また、アースバネ75は、筐体2内に位置する右フレーム26の第1ダクト27に支持されており、第1排気フィルタ73は、右フレーム26を覆う筐体2の右側壁23に支持されている。
【0173】
従って、第1排気フィルタ73を交換するために、右側壁23を右フレーム26を覆った状態から取り外した際に、アースバネ75は右側壁23に付いてくることがなく右フレーム26に留まるため、アースバネ75が右側壁23に支持されている場合に比べて、第1排気フィルタ73の交換作業を行い易くなる。
【0174】
さらに、アースバネ75は、第1排気フィルタ73の広い側の面である第2面73bに接触しているため、アースバネ75を第1排気フィルタ73の狭い側の面である外周面に接触させた場合に比べて、アースバネ75を第1排気フィルタ73に対して安定的に接触させることができる。また、第1排気フィルタ73を支持する右側壁23を、右フレーム26を覆う位置に取り付けるときに、アースバネ75を第1排気フィルタ73に対する適正な位置に容易に接触させることができる。
【0175】
特に、第1排気フィルタ73は左右方向に沿って延びる隔壁で仕切られた多数のセルを有しているため、アースバネ75を第1排気フィルタ73の外周面に接触させたときに、アースバネ75の第1排気フィルタ73に対する接触部がセルの空間部分に位置した場合には、アースバネ75を第1排気フィルタ73に安定して接触させることが困難である。
【0176】
一方、アースバネ75を第1排気フィルタ73の第2面73bに接触させた場合には、アースバネ75の第1排気フィルタ73に対する接触部を、第1排気フィルタ73の隔壁に容易に接触させることができ、アースバネ75を第1排気フィルタ73に安定して接触させることができる。
【0177】
また、第1ダクト27の後壁27Dはフック272を有している。フック272は、後壁27Dの後側面に形成されている。フック272は、後壁27Dの後側面から後方に延びる第1片272aと、第1片272aの後端から左方へ延びる第2片272bとによって、L字形状に形成されている。第1片272aにはアースバネ75の第1腕部753が左方から当接可能であり、第2片272bにはアースバネ75の第1腕部753が前方から当接可能である。
【0178】
アースバネ75の第1腕部753は、フック272と後壁27Dとで囲まれた領域内に位置しており、フック272の第2片272bによって、第1腕部753が後壁27Dから離れる側である後側へ移動することが規制されている。
【0179】
これにより、フック272によって、第1腕部753が後壁27Dから離れる側へ移動することを抑制でき、アースバネ75を第1排気フィルタ73に安定して接触させることが可能となっている。
【0180】
また、アースバネ75は、第2コイル部752が右方へ向かう側の付勢力を有しているが、第2コイル部752は、第1腕部753がフック272の第1片272aに当接する位置よりも右側へ移動することが規制されている。
【0181】
これにより、アースバネ75における第2コイル部752の右側への移動量を規制することができ、筐体2の右側壁23を、右フレーム26を覆う位置に取り付ける際に、右側壁23に支持された第1排気フィルタ73と第2コイル部752とを適正に接触させることができる。
【0182】
また、第1ダクト27の後壁27Dは突起273を有している。突起273は、後壁27Dの後側面に形成されている。突起273は、後壁27Dの後側面から後方に突出している。突起273には、アースバネ75の第2腕部754が下方から係止している。
【0183】
アースバネ75は、第1コイル部751の周方向における第2腕部754が上方へ移動する側の付勢力を有しているが、第2腕部754が突起273に係止することで、第2腕部754が第1コイル部751の周方向における上側へ移動することを規制している。
【0184】
これにより、アースバネ75の第2コイル部752が第1排気フィルタ73に接触する側となる右側への付勢力を安定して発揮することができ、第2コイル部752を第1排気フィルタ73に対して安定的に接触させることが可能である。
【0185】
図24に示すように、アースバネ75は、前後方向において第1ファン71の後方に位置している。また、制御基板13は、前後方向において第1ファン71の前方に位置している。つまり、アースバネ75は、前後方向において、第1ファン71を挟んだ制御基板13の反対側に位置している。
【0186】
このように、高圧基板である制御基板13は、アースバネ75から第1ファン71を挟んだ離れた位置に配置されているため、制御基板13からアースバネ75に対して放電することを抑制可能となっている。
【0187】
なお、本実施形態においては、アースバネ75は、第1ダクト27の後壁27Dに支持されているが、アースバネ75が第1ダクト27の上壁27A、下壁27B、または前壁27Cに支持される構成とすることもできる。
【0188】
また、本実施形態においては、アースバネ75は、第1コイル部751、第2コイル部752、第1腕部753、および第2腕部754を有したコイルバネであるが、これに限るものではなく、アースバネ75は導電性およびバネ性を有したものであれば、種々の形状に形成することができる。
【0189】
(第2ダクト28に支持されるアースバネ77)
図26図27に示すように、画像形成装置1は、接地されたアースバネ77を備えている。アースバネ77は、第2ダクト28の後壁28Dに支持されている。アースバネ77は、導電性およびバネ性を備えた線材を巻回することにより形成されたコイルバネである。
【0190】
アースバネ77は、線材を巻回することにより円筒状に形成される第1コイル部771および第2コイル部772と、第1コイル部771から延び、第1コイル部771と第2コイル部772とを接続する第1腕部773と、第1コイル部771から延び、第1コイル部771とは別の第2腕部774とを有している。第1腕部773の第1コイル部771から延びる方向と、と第2腕部774の第1コイル部771から延びる方向とは、異なっている。
【0191】
第2ダクト28の後壁28Dにおける後側面からはボス281が後方に向けて突出しており、アースバネ77の第1コイル部771は、ボス281に回動可能に支持されている。つまり、アースバネ77は、第2ダクト28を形成する周壁の外周面に支持されている。
【0192】
第1腕部773は、第1コイル部771から略下方に向けて延びた後、右方へ屈曲して右斜め下方へ向けて延びている。第1腕部773の先端には第2コイル部772が接続されている。
【0193】
第2腕部774は、第1コイル部771から左方へ延びており、接地されている。第2腕部774は、例えば画像形成装置1が備える導電性を有した金属製のフレームに接続されることにより接地されている。アースバネ77は、第1コイル部771の周方向における第2腕部774が上方へ移動する側の付勢力を有している。
【0194】
第2コイル部772は、第1コイル部771の下方、且つ右方に位置しており、第2排気フィルタ74の第2面73bに接触している。第2コイル部772が第2排気フィルタ74に接触することで、第2排気フィルタ74がアースバネ77を通じて接地されるため、第2排気フィルタ74に静電気が溜まることが抑制され、第2排気フィルタ74から第2ファン72等の他の部材に放電することを抑制できる。
【0195】
また、コイルバネであるアースバネ77の第2コイル部772は円筒形状に形成されており、第2コイル部772における第2排気フィルタ74と接触する部分は、第2排気フィルタ74側に凸となる円弧形状に形成されている。
【0196】
このように、第2排気フィルタ74側に凸となる円弧形状に形成される部分を有する第2コイル部772が第2排気フィルタ74に接触することで、アースバネ77が第2排気フィルタ74に接触する際の、第2排気フィルタ74に対する荷重安定性を高めることが可能となっている。
【0197】
また、アースバネ77は、第2コイル部772が右方へ向かう側の付勢力を有しており、第2コイル部772は、アースバネ77の付勢力によって第2排気フィルタ74の第2面73bに押圧されている。第2コイル部772がアースバネ77の付勢力により第2排気フィルタ74に押圧されることで、アースバネ77は第2排気フィルタ74に安定的に接触することが可能となっている
【0198】
また、第2コイル部772の第2排気フィルタ74に対する接触位置は、第2コイル部752の第1排気フィルタ73に対する接触位置の場合と同様に、第2排気フィルタ74の第2面74bにおける、第2ダクト28の周壁で囲まれた領域の外側に位置している。
【0199】
この場合、アースバネ77が第2排気フィルタ74に接触することによって、第2排気フィルタ74における第2ダクト28の周壁で囲まれた領域の外側が変形したとしても、第2ダクト28の周壁で囲まれた領域の内側に位置する第2排気フィルタ74は変形しない。従って、第2ファン72により排気される空気が第2ダクト28と第2排気フィルタ74との間から第2ダクト28の外部に漏れ出て、第2排気フィルタ74を通過することなく排気されることを抑制できる。
【0200】
また、第2コイル部752と枠体240との位置関係の場合と同様に、アースバネ77の第2排気フィルタ74と接触する部分である第2コイル部772を、左右方向において第2ルーバー25に向かって投影した投影面と、第2ルーバー25の枠体250とは重なっている(図27参照)。
【0201】
これにより、第2排気フィルタ74におけるアースバネ77が接触する部分を、第2ルーバー25の枠体250によって支持することができ、第2排気フィルタ74におけるアースバネ77が接触する部分が過度に変形することを抑制できる。
【0202】
また、アースバネ77は、第1コイル部771が第2ダクト28における後壁28Dのボス281に支持されているため、アースバネ77を第2ダクト28の右側に位置する第2排気フィルタ74に対して安定して接触させることができる。
【0203】
また、アースバネ77は、筐体2内に位置する右フレーム26の第2ダクト28に支持されており、第2排気フィルタ74は、右フレーム26を覆う筐体2の右側壁23に支持されている。
【0204】
従って、第2排気フィルタ74を交換するために、右側壁23を右フレーム26を覆った状態から取り外した際に、アースバネ77は右側壁23に付いてくることがなく右フレーム26に留まるため、アースバネ77が右側壁23に支持されている場合に比べて、第2排気フィルタ74の交換作業を行い易くなる。
【0205】
さらに、アースバネ77は、第2排気フィルタ74の広い側の面である第2面74bに接触しているため、アースバネ77を第2排気フィルタ74の狭い側の面である外周面に接触させた場合に比べて、アースバネ77を第2排気フィルタ74に対して安定的に接触させることができる。また、第2排気フィルタ74を支持する右側壁23を、右フレーム26を覆う位置に取り付けるときに、アースバネ77を第2排気フィルタ74に対する適正な位置に容易に接触させることができる。
【0206】
特に、第2排気フィルタ74は左右方向に沿って延びる隔壁で仕切られた多数のセルを有しているため、アースバネ77を第2排気フィルタ74の外周面に接触させたときに、アースバネ77の第2排気フィルタ74に対する接触部がセルの空間部分に位置した場合には、アースバネ77を第2排気フィルタ74に安定して接触させることが困難である。
【0207】
一方、アースバネ77を第2排気フィルタ74の第2面74bに接触させた場合には、アースバネ77の第2排気フィルタ74に対する接触部を、第2排気フィルタ74の隔壁に容易に接触させることができ、アースバネ77を第2排気フィルタ74に安定して接触させることができる。
【0208】
また、第2ダクト28の後壁28Dはフック282を有している。フック282は、後壁28Dの後側面に形成されている。フック282は、後壁28Dの後側面から後方に延びる第1片282aと、第1片282aの後端から左方へ延びる第2片282bとによって、L字形状に形成されている。第1片282aにはアースバネ77の第1腕部773が左方から当接可能であり、第2片282bにはアースバネ77の第1腕部773が前方から当接可能である。
【0209】
アースバネ77の第1腕部773は、フック282と後壁28Dとで囲まれた領域内に位置しており、フック282の第2片282bによって、第1腕部773が後壁28Dから離れる側である後側へ移動することが規制されている。
【0210】
これにより、フック282によって、第1腕部773が後壁28Dから離れる側へ移動することを抑制でき、アースバネ77を第2排気フィルタ74に安定して接触させることが可能となっている。
【0211】
また、アースバネ77は、第2コイル部772が右方へ向かう側の付勢力を有しているが、第2コイル部772は、第1腕部773がフック282の第1片282aに当接する位置よりも右側へ移動することが規制されている。
【0212】
これにより、アースバネ77における第2コイル部772の右側への移動量を規制することができ、筐体2の右側壁23を、右フレーム26を覆う位置に取り付ける際に、右側壁23に支持された第2排気フィルタ74と第2コイル部772とを適正に接触させることができる。
【0213】
また、第2ダクト28の後壁28Dは突起283を有している。突起283は、後壁28Dの後側面に形成されている。突起283は、後壁28Dの後側面から後方に突出している。突起283には、アースバネ77の第2腕部774が下方から係止している。
【0214】
アースバネ77は、第1コイル部771の周方向における第2腕部774が上方へ移動する側の付勢力を有しているが、第2腕部774が突起283に係止することで、第2腕部774が第1コイル部771の周方向における上側へ移動することを規制している。
【0215】
これにより、アースバネ77の第2コイル部772が第2排気フィルタ74に接触する側となる右側への付勢力を安定して発揮することができ、第2コイル部772を第2排気フィルタ74に対して安定的に接触させることが可能である。
【0216】
図27に示すように、アースバネ77は、前後方向において第2ファン72の後方に位置している。また、制御基板13は、前後方向において第2ファン72の前方に位置している。つまり、アースバネ77は、前後方向において、第2ファン72を挟んだ制御基板13の反対側に位置している。
【0217】
このように、高圧基板である制御基板13は、アースバネ77から第2ファン72を挟んだ離れた位置に配置されているため、制御基板13からアースバネ77に対して放電することを抑制可能となっている。
【0218】
なお、本実施形態においては、アースバネ77は、第2ダクト28の後壁28Dに支持されているが、アースバネ77が第2ダクト28の上壁28A、下壁28B、または前壁28Cに支持される構成とすることもできる。
【0219】
また、本実施形態においては、アースバネ77は、第1コイル部771、第2コイル部772、第1腕部773、および第2腕部774を有したコイルバネであるが、これに限るものではなく、アースバネ77は導電性およびバネ性を有したものであれば、種々の形状に形成することができる。
【0220】
[アースバネの第2実施形態]
アースバネ75は、図28に示すアースバネ75Aのように形成することもできる。アースバネ75Aは、導電性およびバネ性を備えた板状部材により形成される板バネである。アースバネ75Aは、接地されている。
【0221】
アースバネ75Aは、第1ダクト27の後壁27Dに支持される支持板751Aと、第1排気フィルタ73の第2面73bに接触する接触板752Aと、支持板751Aと接触板752Aとを接続する接続板753Aとを有している。アースバネ75Aにおける第1排気フィルタ73と接触する部分である接触板752Aは、第1排気フィルタ73側に凸となる円弧形状に形成されている。
【0222】
板バネであるアースバネ75Aにおいては、第1排気フィルタ73と接触する部分である接触板752Aが、第1排気フィルタ73側に凸となる円弧形状に形成されているため、アースバネ75Aが第1排気フィルタ73に接触する際の、第1排気フィルタ73に対する荷重安定性を高めることが可能となっている。なお、アースバネ77についても、アースバネ75Aと同様に構成することができる。
【0223】
[第1排気フィルタの支持構造の別実施形態]
図29図30に示すように、画像形成装置1においては、第1排気フィルタ73を筐体2により支持するのではなく、第1ダクト127により支持する構成とすることもできる。
【0224】
第1ダクト127は、筐体2内に配置される右フレーム126に設けられており、左右方向に貫通している。第1ダクト127は左右方向に沿って延びており、左右方向に空気が流通可能に構成されている。第1ダクト127は第1ファン71を収容している。
【0225】
第1ダクト127は、第1ファン71の上方に位置する上壁127Aと、第1ファン71の下方に位置する下壁127Bと、第1ファン71の前方に位置する前壁127Cと、第1ファン71の後方に位置する後壁127Dとを有している。上壁127A、下壁127B、前壁127C、および1後壁27Dによって第1ダクト127の周壁が構成されている。
【0226】
第1ファン71の外周は、第1ダクト127の周壁を構成する上壁127A、下壁127B、前壁127C、および後壁127Dによって囲まれている。第1ダクト127は、ファンを囲む周壁を有し、ファンにより排気される空気の排気方向に空気が流通可能なダクトの一例である。
【0227】
第1ダクト127の上壁127Aは、第1排気フィルタ73が通過可能な挿入孔1271を有している。挿入孔1271は、周方向が長手方向となる長孔形状に形成されている。上壁127Aは、挿入孔1271が形成される第1周壁である。第1排気フィルタ73は、挿入孔1271を通じて第1ダクト127の内部に挿入され、第1ダクト127の内部に挿入された第1排気フィルタ73は第1ダクト127に支持される。
【0228】
第1排気フィルタ73を、挿入孔1271を通じて第1ダクト127の内部に挿入して、第1ダクト127により支持することで、第1排気フィルタ73を必要以上に大きく形成する必要がなく、第1排気フィルタ73に要するコストを低減することができる。
【0229】
下壁127B、前壁127C、および後壁127Dの内周面には、周方向に沿って延びる嵌合溝1272が形成されている。嵌合溝1272には、挿入孔1271を通じて第1ダクト127の内部に挿入された第1排気フィルタ73の周縁部が嵌合する。下壁127B、前壁127C、および後壁127Dは、嵌合溝1272が形成される第2周壁である。
【0230】
第1排気フィルタ73の周縁部が嵌合溝1272に嵌合することで、第1排気フィルタ73が第1ファン71の排気方向である左右方向に移動することが規制される。また、第1排気フィルタ73の周縁部が嵌合溝1272に嵌合することで、第1ダクト127内を流通する空気が第1排気フィルタ73を通過することなく流通することを抑制できる。
【0231】
第1排気フィルタ73を第1ダクト127により支持する構成の場合、第1排気フィルタ73と接触するアースバネとしては、例えばアースバネ75Bを用いることができる。
【0232】
第1ダクト127の上壁127Aは、アースバネ75Bを回動可能に支持するステー1273を有している。アースバネ75Bは、導電性およびバネ性を備えた板状部材により形成される板バネである。アースバネ75Bは、接地されている。
【0233】
アースバネ75Bは、支持部751Bと、接触部752Bと、接続部753Bとを有している。支持部751Bは、第1ダクト127のステー1273に回動可能に支持されている。
【0234】
接触部752Bは、挿入孔1271を通じて第1ダクト127の外部に露出する、第1排気フィルタ73の外周面と接触している。なお、第1排気フィルタ73の外周面は、第1排気フィルタ733の狭い側の面であり、第1排気フィルタ73の空気通過面である第1面73aおよび第2面73bが面する方向と直交する方向に面する面である。
【0235】
接続部753Bは、支持部751Bと接触部752Bとを接続している。アースバネ75Bにおける第1排気フィルタ73と接触する部分である接触部752Bは、第1排気フィルタ73側に凸となる形状に形成されている。
【0236】
アースバネ75Bは、バネ754Bにより、接触部752Bが第1排気フィルタ73に押圧される側に付勢されている。
【0237】
アースバネ75Bが、挿入孔1271を通じて第1ダクト127の外部に露出する第1排気フィルタ73の外周面と接触することで、第1排気フィルタ73が挿入孔1271を通じて第1ダクト127の外部に抜け出すことを抑制でき、第1排気フィルタ73が第1ダクト127の内部に挿入された状態を保持することができる。
【0238】
第2排気フィルタ74についても、第1ダクト127と同様のダクトにより支持する構成とすることができる。第2排気フィルタ74を第1ダクト127と同様のダクトにより支持する構成の場合、第2排気フィルタ74と接触するアースバネとしては、例えばアースバネ75Bと同様の構成のアースバネを用いることができる。
【0239】
[アースバネに関する纏め]
画像形成装置においては、環境規制の強化等に伴ってオゾンや粉じんの筐体外への排出を抑制することが求められている。
【0240】
従って、特開2003-131532号公報に開示されるように、筐体内の空気を排気するためのファンの近くにオゾンフィルタを配置して、オゾンフィルタによって排気からオゾンや粉じんを除去することが行われている。
【0241】
しかし、オゾンフィルタはアルミニウム等の金属を含有した素材により形成されている場合が多く、筐体の外部から筐体が有するルーバーの開口部を通じて侵入してきた静電気が、オゾンフィルタに溜まることがある。
【0242】
オゾンフィルタに静電気が溜まると、オゾンフィルタからオゾンフィルタの近くに位置するファン等の他の部材に放電してしまい、画像形成装置の正常な動作の妨げになるおそれがある。
【0243】
そこで、画像形成装置においては、アースバネ75、77等のアースバネを設けて、空気に含まれるオゾンを除去可能なオゾンフィルタに構成された第1排気フィルタ73および第2排気フィルタ74等のフィルタから、他の部材への放電を抑制することを可能としている。
【0244】
即ち、画像形成装置は、筐体と、前記筐体内の空気を、前記筐体の外部に排気するためのファンと、前記ファンにより排気方向に排気される空気が通過し、前記筐体内の空気に含まれるオゾンを回収するオゾンフィルタと、接地され、前記オゾンフィルタと接触するアースバネと、を備える。
【0245】
これにより、オゾンフィルタがアースバネを通じて接地されるため、オゾンフィルタに静電気が溜まることが抑制され、オゾンフィルタからファン等の他の部材に放電することを抑制できる。
【0246】
また、前記アースバネは、コイルバネである。
【0247】
これにより、アースバネのコイル部分がオゾンフィルタに接触することで、アースバネがオゾンフィルタに接触する際の、オゾンフィルタに対する荷重安定性を高めることができる。
【0248】
また、前記アースバネは、前記オゾンフィルタと接触する部分が、前記オゾンフィルタ側に凸となる円弧形状に形成された板バネである。
【0249】
これにより、アースバネがオゾンフィルタに接触する際の、オゾンフィルタに対する荷重安定性を高めることができる。
【0250】
また、前記ファンを囲む周壁を有し、前記排気方向に空気が流通可能なダクトを備え、前記オゾンフィルタは、前記排気方向に面する空気通過面を有し、前記排気方向において前記ファンよりも下流側に配置され、前記ダクトの前記周壁における前記排気方向の下流端は、前記オゾンフィルタの前記空気通過面に接触しており、前記アースバネの前記オゾンフィルタに対する接触位置は、前記オゾンフィルタの前記空気通過面における、前記周壁で囲まれた領域の外側に位置する。
【0251】
このような構成により、アースバネがオゾンフィルタに接触することによって、オゾンフィルタにおけるダクトの周壁で囲まれた領域の外側が変形したとしても、ダクトの周壁で囲まれた領域の内側に位置するオゾンフィルタは変形しない。従って、ファンにより排気される空気がダクトとオゾンフィルタとの間からダクトの外部に漏れ出て、オゾンフィルタを通過することなく排気されることを抑制できる。
【0252】
また、前記排気方向と直交する方向に間隔を空けて配置される複数の桟と、前記複数の桟の周囲に位置し前記オゾンフィルタに接触する枠体とを有し、前記排気方向における前記オゾンフィルタの下流側に位置するルーバーを備え、前記アースバネの前記オゾンフィルタと接触する部分を前記排気方向において前記ルーバーに向かって投影した投影面と、前記ルーバーの前記枠体とが重なっている。
【0253】
これにより、オゾンフィルタにおけるアースバネが接触する部分を、ルーバーの枠体によって支持することができ、オゾンフィルタにおけるアースバネが接触する部分が過度に変形することを抑制できる。
【0254】
また、前記筐体内に配置され、前記ファンを収容するダクトを備え、前記オゾンフィルタは前記筐体に支持され、前記アースバネは、前記ダクトを形成する周壁の外周面に支持されている。
【0255】
これにより、アースバネが筐体に支持されている場合に比べて、オゾンフィルタの交換作業を行い易くなる。
【0256】
また、前記画像形成装置の動作を制御可能な高圧基板を備え、前記アースバネは、前記ファンを挟んだ前記高圧基板の反対側に位置する。
【0257】
これにより、高圧基板からアースバネに対して放電することを抑制できる。
【0258】
また、前記オゾンフィルタは、前記排気方向に面する空気通過面を有し、前記アースバネは、前記空気通過面と接触する。
【0259】
これにより、アースバネをオゾンフィルタの空気通過面と直交する方向に面する外周面に接触させた場合に比べて、アースバネをオゾンフィルタに対して安定的に接触させることができる。
【0260】
また、前記アースバネは、線材を巻回することにより形成される第1コイル部および第2コイル部を有し、前記第1コイル部は、前記ダクトの前記周壁が有するボスに支持され、前記第2コイル部は、前記オゾンフィルタに接触する。
【0261】
これにより、アースバネをオゾンフィルタに対して安定して接触させることができる。
【0262】
また、前記アースバネは、前記第1コイル部から延び、前記第1コイル部と前記第2コイル部とを接続する第1腕部を有し、前記ダクトの前記周壁は、前記第1腕部が前記周壁から離れる側へ移動することを規制するフックを有する。
【0263】
これにより、フックによって、第1腕部がダクトの周壁から離れる側へ移動することを抑制でき、アースバネをオゾンフィルタに安定して接触させることができる。
【0264】
また、前記アースバネは、前記第1コイル部から延びる、前記第1腕部とは別の第2腕部を有し、前記ダクトの前記周壁は、前記第2腕部に当接して、前記第2腕部が前記第1コイル部の周方向へ移動することを規制する突起を有する。
【0265】
これにより、アースバネの第2コイル部がオゾンフィルタに接触する側への付勢力を安定して発揮することができ、第2コイル部をオゾンフィルタに対して安定的に接触させることができる。
【0266】
また、前記ファンを囲む周壁を有し、前記排気方向に空気が流通可能なダクトを備え、前記ダクトの前記周壁は、前記オゾンフィルタが通過可能な挿入孔を有し、前記ダクトは、前記挿入孔を通じて前記ダクトの内部に挿入された前記オゾンフィルタを支持し、前記アースバネは、前記挿入孔を通じて前記ダクトの外部に露出する、前記オゾンフィルタの外周面と接触する。
【0267】
これにより、オゾンフィルタを必要以上に大きく形成する必要がなく、オゾンフィルタに要するコストを低減することができる。また、オゾンフィルタが挿入孔を通じてダクトの外部に抜け出すことを抑制でき、オゾンフィルタがダクトの内部に挿入された状態を保持することができる。
【0268】
〔第2実施形態〕
[画像形成装置1001の概略構成]
第2実施形態に係る画像形成装置1001について図31図38に基づいて説明する。先ず、画像形成装置1001の概略構成について図31図33に基づいて説明する。図31は、第2実施形態に係る画像形成装置1001の外観斜視図の一例である。図32は、画像形成装置1001の内部構成の概略を示す断面図である。図33は、図32のIII-III矢視断面図である。
【0269】
図31に示すように、画像形成装置1001は、電子写真方式によって記録用紙やOHPシート等のシートに画像を印刷するレーザプリンタである。なお、以下の説明では、図31に示すように、画像形成装置1001が使用可能に設置された状態を基準として、設置面側を下として上下方向を定義する。また、上面に設けられる排紙トレイ1005上に排出される画像が印刷されたシートの排出方向側を「前側」として前後方向を定義し、前方から画像形成装置1001を見て左側を「左」として左右方向を定義する。なお、左右方向は、感光ドラムの軸方向と称する場合がある。
【0270】
画像形成装置1001の筐体本体をなす略箱状の筐体1003の上面側には、印刷を終えて筐体1003から排出されるシートが載置される排紙トレイ1005が設けられている。筐体1003の左右方向における右側壁部1003Aには、前方側の側縁の上下端に、筐体1003の外部から空気が筐体1003内へ流入可能な正面視横長の長方形状に形成された各吸気口1006A、1006Bが設けられている。各吸気口1006A、1006Bは、それぞれ上下方向の幅の狭い格子状に仕切られて、指等が入らないように構成されている。右側壁部1003Aは、側壁の一例である。
【0271】
また、下側の吸気口1006Bの内側には、筐体1003の外部の空気を筐体1003内へ吸い込む第3ファン1007が取り付けられている。第3ファン1007は、例えば、空気が回転軸方向に通り抜ける軸流ファンにて構成されて、冷却用の空気が筐体1003の外部から内部へ流れる気流を発生させる。その結果、第3ファン1007を駆動することによって、筐体1003内に昇温を抑制することができる。
【0272】
また、筐体1003の右側壁部1003Aの後方側の側縁部には、正面視略長方形の第3フィルタカバー1008が、右側壁部1003Aを上下方向の略全高さに亘って覆うように各ネジ1009のねじ止めにより着脱可能に取り付けられている。図33に示すように、第3フィルタカバー1008は、左方向に開口する深さの浅い略箱状に形成されている。第3フィルタカバー1008は、右側壁部1003Aの下方側に形成された第2排気口1012(図37参照)と、第2排気口1012の略直上に形成された第1排気口1011(図37参照)とを覆うように取り付けられている。
【0273】
従って、第1排気口1011と第2排気口1012は、筐体1003の後述の感光ドラム1052の軸方向に対して交差する右側壁部1003Aに形成されている。また、第3フィルタカバー1008の底面部は、上下方向の幅の狭い格子状に仕切られて、指等が入らないように構成されている。
【0274】
[画像形成装置1001の概略内部構成]
図32および図33に示すように、画像形成装置1001は、筐体1003の内側に、金属製または樹脂製からなる左サイドフレーム1013Aと右サイドフレーム1013Bが左側壁部1003Bと右側壁部1003Aとにそれぞれ対向するように設けられている。また、各サイドフレーム1013A、1013Bとの間には、搬送部1020と、電子写真方式の画像形成部1030を収容するプロセス収容部1010と、クリーニングユニット1090と、ダクト1100と、基板収容部1110と、が配置されている。
【0275】
また、図33に示すように、右サイドフレーム1013Bの右側壁部1003A側には、高電圧電源基板1120が、後述のプロセスユニット1050に対向する位置に配置されている。高電圧電源基板1120は、後述の各帯電器1053に絶対値が数kVの帯電バイアス電圧を供給する。また、高電圧電源基板1120は、後述の各現像ローラ1061に絶対値が数kVの現像バイアス電圧を供給する。また、高電圧電源基板1120は、後述の各転写ローラ1074に絶対値が数kVの転写バイアス電圧を供給する。
【0276】
図32に示すように、搬送部1020は、筐体1003内の下部に設けられ、シートSを収容するシートトレイ1021と、押圧板1022と、給送機構1023と、を備えている。搬送部1020は、給送機構1023によってシートSを画像形成部1030に搬送する。
【0277】
画像形成部1030は、露光ユニット1040と、プロセスユニット1050と、転写ユニット1070と、定着器1080と、を備えている。
【0278】
露光ユニット1040は、筐体1003内の上部に設けられている。露光ユニット1040は、図示しないレーザ発光部や、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備える。露光ユニット1040は、画像データに基づいて露光ユニット1040から出射されるレーザ光(図32に示す一点鎖線参照)によって、感光ドラム1052の表面を露光する。
【0279】
プロセスユニット1050は、シートトレイ1021と露光ユニット1040の間に配置されている。プロセスユニット1050は、ドロワ1051と、前後方向に配列された4つの感光ドラム1052と、各感光ドラム1052に対して1つずつ設けられた帯電器1053、クリーニングローラ1054、およびプロセスカートリッジ1060を備えている。
【0280】
画像形成装置1001は、ダイレクトタンデム方式のカラーレーザプリンタであるため、シートSの搬送方向、つまり、後述する搬送ベルト1073の回転方向に沿って直列に4個のプロセスカートリッジ1060が配置されている。具体的には、シートSの搬送方向上流側から順に、イエロー用のプロセスカートリッジ1060Y、マゼンダ用のプロセスカートリッジ1060M、シアン用のプロセスカートリッジ1060C、ブラック用のプロセスカートリッジ1060Kである。また、各プロセスカートリッジ1060Y~1060Kは、収納されている現像剤の色が異なるのみで、その構造等はほとんど同じである。
【0281】
ドロワ1051は、感光ドラム1052などを保持する部材である。ドロワ1051は、筐体1003に対して着脱可能に構成されている。これにより、ドロワ1051に保持されている部材、例えば、感光ドラム1052、プロセスカートリッジ1060などを筐体1003内から引き出した状態で個別に交換可能となっている。つまり、ドロワ1051と感光ドラム1052およびプロセスカートリッジ1060とは互いに分離可能に構成されている。
【0282】
感光ドラム1052は、導電性を有する円筒状のドラム本体の外周面に感光層が形成された部材であり、図32の感光ドラム1052に示す矢印の方向に回転可能に設けられている。帯電器1053は、符号を省略して示す帯電ワイヤやグリッド電極などを備え、感光ドラム1052の表面を一様に帯電するように構成されている。なお、帯電器1053は、感光ドラム1052の表面に略均一に正電荷を帯電させるスコロトロン型帯電器である。
【0283】
クリーニングローラ1054は、金属製の回転軸を導電性の発泡弾性体からなるローラ体で被覆した部材である。クリーニングローラ1054は、感光ドラム1052の表面に接して回転しながら感光ドラム1052の表面に付着したトナーを回収する。
【0284】
なお、感光ドラム1052、帯電器1053およびクリーニングローラ1054は、筐体1003に対してそれぞれが個別に設けられてもよいし、筐体1003に着脱可能であるドラムユニットとして設けられてもよい。
【0285】
プロセスカートリッジ1060は、現像ローラ1061と、供給ローラ1062と、層厚規制ブレード1063と、トナーが収容されるように構成されたトナー収容部1064と、撹拌部材の一例としてのアジテータ1065と、を備えている。現像ローラ1061は、感光ドラム1052にトナーを供給可能に構成されたローラであり、アジテータ1065は、回転することでトナー収容部1064に収容されたトナーを撹拌するように構成されている。
【0286】
各プロセスカートリッジ1060のトナー収容部1064には、筐体1003の前側から後側に向かって順番にイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナーが収容されている。以下、本明細書および図面において、トナーの色に対応したプロセスカートリッジ1060や感光ドラム1052などを特定する場合には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれに対応させて、Y、M、C、Kの記号を適宜付することとする。
【0287】
トナー収容部1064に収容されたトナーは、供給ローラ1062から現像ローラ1061に供給され、現像ローラ1061と層厚規制ブレード1063との間で一定の厚さに規制された上で、現像ローラ1061の表面に担持される。
【0288】
転写ユニット1070は、シートトレイ1021とプロセスユニット1050との間に設けられ、駆動ローラ1071と、従動ローラ1072と、ベルトの一例である搬送ベルト1073と、転写ローラ1074と、を備えている。搬送ベルト1073は、駆動ローラ1071と従動ローラ1072の間に張設された無端状のベルトであり、感光ドラム1052に対向して配置されている。転写ローラ1074は、感光ドラム1052に対応して4つ設けられ、対応する感光ドラム1052との間で搬送ベルト1073を挟むように配置されている。
【0289】
定着器1080は、プロセスユニット1050および転写ユニット1070よりも奥側(後側)に設けられ、加熱ローラ1081と、加圧ローラ1082と、を備えている。
【0290】
このように構成される画像形成部1030は、各感光ドラム1052の表面を、帯電器1053により一様に帯電し、露光ユニット1040により露光する。これにより、感光ドラム1052の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。帯電器1053は、帯電器の一例として機能する。露光ユニット1040は、露光装置の一例として機能する。
【0291】
また、現像ローラ1061が担持する電荷を帯びたトナーを感光ドラム1052の表面に形成された静電潜像に供給することで、静電潜像を可視像化し、感光ドラム1052の表面にトナー像を形成する。現像ローラ1061、供給ローラ1062および層厚規制ブレード1063は、現像器の一例を構成する。
【0292】
なお、実施形態1では、トナーは正電荷を帯び、一方、感光ドラム1052のうち露光ユニット1040にて露光された部分は低電位となり、その他の部分は帯電器1053により帯電されたままの電位(露光された部分よりも高電位)となって静電潜像が形成される。そして、正電荷を帯びたトナー(現像剤)が静電潜像の低電位部分(露光された部分)に吸着され、感光ドラム1052の外表面にトナー像が形成される。
【0293】
そして、搬送部1020から搬送ベルト1073の上に搬送されたシートSが感光ドラム1052との間で搬送ベルト1073を挟むように配置されている各転写ローラ1074との間を通過することで、各感光ドラム1052の上に形成されたトナー像をシートSの上に順次転写する。なお、転写ローラ1074には、負の電位が印加されている。そして、トナー像が転写されたシートSを、定着器1080へ搬送し、定着器1080の加熱ローラ1081と加圧ローラ1082の間を通過させることで、トナー像をシートSに熱定着(溶着)する。トナー像が熱定着されたシートSは、搬送ローラ1018や排出ローラ1019によって排紙トレイ1005に排出される。転写ユニット1070は、転写部の一例として機能する。
【0294】
クリーニングユニット1090は、搬送ベルト1073より下側に配置されている。クリーニングユニット1090は、ベルトクリーナ1091と、回収ローラ1092と、掻き取りブレード1093と、貯留部1094と、ベルトクリーナ1091との間で搬送ベルト1073を挟持するバックアップローラ1095と、を備えている。
【0295】
[ダクト1100の構成]
次に、プロセス収容部1010内の空気を右側壁部1003Aに設けられた第1排気口1011へ導くダクト1100の概略構成について図32図34に基づいて説明する。ダクト1100は、プロセスダクトの一例である。図34は、ダクト1100を右斜め前側から見た斜視図である。図32および図33に示すように、ダクト1100は、定着器1080の上方で、且つ、プロセスユニット1050の上方部分の後端部に対向して、左サイドフレーム1013Aと右サイドフレーム1013Bと間の全幅に亘って、左右方向に沿って設けられている。
【0296】
図32図34に示すように、ダクト1100は、左右方向に長い断面略矩形状の筒状に形成され、左サイドフレーム1013A側の端部が閉塞されると共に、右サイドフレーム1013B側の端部は開口されて第1開口1102を有している。そして、ダクト1100の左端部は、左サイドフレーム1013Aに取り付けられている。
【0297】
また、ダクト1100の右端部は、右サイドフレーム1013Bの第1排気口1011に対向する位置に形成された略矩形状の貫通孔1014を覆って、連通するように取り付けられている。貫通孔1014は、ダクト1100の第1開口1102とほぼ同じ大きさの略矩形状に形成されている。従って、ダクト1100の第1開口1102は、貫通孔1014を介して右側壁部1003Aに形成された略矩形状の第1排気口1011に対向するように配置されている。
【0298】
図32および図33に示すように、ダクト1100のプロセスユニット1050に対向する前側壁部1100Aには、矩形状に貫通する3つの各第3開口1101A、1101B、1101Cが形成されている。また、ダクト1100の定着器1080に対向する底壁部1100Bには、左右方向に長い長方形状に貫通する第3開口1101Dが形成されている。そして、各第3開口1101A~1101Cよりも少し大きい正面視矩形状の主フィルタ1104が、各第3開口1101A~1101Cを前側(外側)から覆うように設けられている。また、第3開口1101Dよりも少し大きい矩形状の主フィルタ1104が、第3開口1101Dを内側から覆うように設けられている。主フィルタ1104は、中間フィルタの一例である。
【0299】
例えば、図33および図34に示すように、前側壁部1100Aの各第3開口1101A、1101B、1101Cの左右の両側縁の前側に主フィルタ1104の厚さにほぼ等しい幅の断面U字状の溝部1107を互いに対向するように形成する。また、各第3開口1101A、1101B、1101Cの下端縁から主フィルタ1104の厚さにほぼ等しい長さだけ前側(外側)方向に突出するリブ部1108を形成する。そして、各主フィルタ1104を各第3開口1101A、1101B、1101Cの各溝部1107に上側から差し込み、リブ部1108に当たるまで押し込む。その結果、各主フィルタ1104はダクト1100の前側壁部1100Aに形成された各第3開口1101A、1101B、1101Cを覆うように装着される。
【0300】
また、底壁部1100Bの第3開口1101Dの前後の両側縁の内側に主フィルタ1104の厚さにほぼ等しい幅の断面U字状の溝部を形成する。また、第3開口1101Dの左側(奥側)端縁から主フィルタ1104の厚さにほぼ等しい長さだけ上側(内側)方向に突出するリブ部を形成する。そして、主フィルタ1104を第1開口1102から第3開口1101Dの各溝部に右側から差し込み、リブ部に当たるまで押し込む。その結果、主フィルタ1104はダクト1100の底壁部1100Bに形成された第3開口1101Dを覆うように装着される。
【0301】
図32に示すように、主フィルタ1104は、平面視矩形状の粉塵フィルタ1104Aに、粉塵フィルタ1104Aと同じ大きさの平面視矩形状のオゾンフィルタ1104Bを重ね合わせて構成されている。そして、各主フィルタ1104は、粉塵フィルタ1104Aよりもオゾンフィルタ1104Bの方がダクト1100の内側方向に位置するように、各第3開口1101A~1101Dに装着される。
【0302】
図33および図34に示すように、第1開口1102に近い側に配置されている主フィルタ1104は、第1開口1102から遠い側に配置されている主フィルタ1104よりも面積が大きくなるように形成されている。
【0303】
粉塵フィルタ1104Aは、この粉塵フィルタ1104Aを通過する空気中に含まれるトナーなどの粉塵を吸着して減少させるフィルタである。また、オゾンフィルタ1104Bは、このオゾンフィルタ1104Bを通過する空気中のオゾンを吸着・分解することにより減少させるフィルタである。
【0304】
粉塵フィルタ1104Aには、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)や、不織布フィルタなどが使用できる。
【0305】
オゾンフィルタ1104Bには、担体にオゾンを吸着し分解する作用がある活性炭を担持添着させた活性炭フィルタや、担体にオゾンの分解を促進する作用がある金属系の触媒(二酸化マンガンなど)を担持添着させた触媒フィルタなどが使用できる。
【0306】
各主フィルタ1104では、粉塵フィルタ1104Aはオゾンフィルタ1104Bの上流側に配置される。粉塵フィルタ1104Aをオゾンフィルタ1104Bよりも上流側に配置することにより、粉塵フィルタ1104Aで粉塵を減少させた空気をオゾンフィルタ1104Bに通過させることができる。これにより、オゾンフィルタ1104Bに粉塵が付着しにくくできる。その結果、オゾンフィルタ1104Bのオゾンを吸着・分解する能力を長持ちさせることができる。
【0307】
また、図32図34に示すように、ダクト1100の前側壁部1100Aの下端縁には、左右方向のほぼ全幅に亘って下方へ延びて、プロセス収容部1010をプロセスユニット1050側と定着器1080側とに仕切る仕切壁部1100Cが設けられている。仕切壁部1100Cは、その下端縁、つまり、転写ユニット1070の搬送ベルト1073側の端縁が、搬送ベルト1073により搬送されるシートSと干渉しない程度まで搬送ベルト1073に近接した位置まで延びている。
【0308】
トナー像が転写されたシートSは、プロセス収容部1010の仕切壁部1100Cの前側で転写ユニット1070の搬送ベルト1073から剥離され、プロセス収容部1010の仕切壁部1100Cの後側の定着器1080へ搬送される。そして、トナー像が転写されたシートSは、定着器1080の加熱ローラ1081と加圧ローラ1082の間を通過して、トナー像がシートSに熱定着する。
【0309】
その結果、プロセス収容部1010の仕切壁部1100Cよりも前側の空間内の空気には、後側の空間内の空気よりも、オゾンが多く含まれやすい。プロセス収容部1010の仕切壁部1100Cよりも後側の空間内の空気には、前側の空間内の空気よりも、シートSから剥離したトナーが多く含まれやすい。
【0310】
また、図33に示すように、筐体1003の右側壁部1003Aに設けられた第1排気口1011と右サイドフレーム1013Bの貫通孔1014と間には、ダクト1100内の空気を第1開口1102から第1排気口1011を介して筐体1003の外部へ排気する第1ファン1105が設けられている。第1ファン1105は、第1排気口1011に対向して設けられている。例えば、第1ファン1105は、右側壁部1003Aの第1排気口1011の内側周縁部にねじ止めなどによって固定されている。また、第1ファン1105は、例えば、空気が回転軸方向に通り抜ける軸流ファンにて構成されて、ダクト1100内の空気が第1開口1102および貫通孔1014から、第1排気口1011を介して筐体1003の外部へ流れる気流を発生させる。
【0311】
[基板収容部1110の構成]
次に、低電圧電源基板1111を収容する基板収容部1110の概略構成について図32図33および図35に基づいて説明する。図35は、基板収容部1110の斜視図である。
【0312】
図32および図33に示すように、基板収容部1110は、定着器1080の下方に配置されると共に、シートトレイ1021よりも上側に配置されている。図32図33および図35に示すように、基板収容部1110は、鉄やアルミニウム等の板金製で、左右方向に長い断面略矩形状の筒状をなしている。基板収容部1110は、長手方向両端部が開口しており、右端部に第2開口1110Aを有し、左端部に第4開口1110Bを有している。また、基板収容部1110の上面部には、プレス成型工程で複数の小さな貫通孔1110Dが形成されている。
【0313】
また、基板収容部1110の上面部は、転写ユニット1070に対向する前側の略半分の部分が、後側の部分よりも少し低くなって、左右方向の全長に亘って、駆動ローラ1071の下方に位置する段差部1110Cを形成している。
【0314】
基板収容部1110は、左サイドフレーム1013Aと右サイドフレーム1013Bとの間の全幅に亘って、左右方向に沿って配置され、左右両端部が各サイドフレーム1013A、1013Bにねじ止めやカシメ等により固定されている。また、基板収容部1110の右端部は、右サイドフレーム1013Bの第2排気口1012に対向する位置に形成された略矩形状の貫通孔1015を覆って、連通するように取り付けられている。貫通孔1015は、基板収容部1110の第2開口1110Aとほぼ同じ大きさの略矩形状に形成されている。従って、基板収容部1110の第2開口1110Aは、貫通孔1015を介して右側壁部1003Aに形成された略矩形状の第2排気口1012に対向するように配置されている。
【0315】
また、基板収容部1110内の底面部には、段差部1110Cよりも後方側の底面部をほぼ覆う低電圧電源基板1111が配置されている。低電圧電源基板1111は、基板上にトランス、コンデンサ、トランジスタ等の電気素子等が装着され、交流電源から供給された交流電圧を、例えば、3.5V、5V、12V、24V等の直流電圧に変換する。そして、低電圧電源基板1111は、画像形成装置1001を制御する不図示の制御装置や、転写ユニット1070の駆動ローラ1071、搬送ローラ1018、排出ローラ1019等を回転駆動する不図示のモータ等へ例えば、各直流電圧3.5V、5V、12V、24V等の電力を供給する。低電圧電源基板1111は、電源基板の一例として機能する。
【0316】
また、図33に示すように、筐体1003の右側壁部1003Aに設けられた第2排気口1012と右サイドフレーム1013Bの貫通孔1015と間には、基板収容部1110内の空気を第2開口1110Aから第2排気口1012を介して筐体1003の外部へ排気する第2ファン1113が設けられている。第2ファン1113は、第2排気口1012に対向して設けられている。例えば、第2ファン1113は、右側壁部1003Aの第2排気口1012の内側周縁部にねじ止めなどによって固定されている。また、第2ファン1113は、例えば、空気が回転軸方向に通り抜ける軸流ファンにて構成されて、基板収容部1110内の空気が第2開口1110Aおよび貫通孔1015から、第2排気口1012を介して筐体1003の外部へ流れる気流を発生させる。
【0317】
このように構成された基板収容部1110は、左サイドフレーム1013Aと右サイドフレーム1013Bとをつなぎ、機械的強度を持たせる梁として機能する。また、基板収容部1110は、低電圧電源基板1111を静電気や外来ノイズなどから保護すると共に、低電圧電源基板1111が発するノイズが外部に漏れることを抑えるシールドケースとして機能する。更に、基板収容部1110は、第2ファン1113を駆動した場合に、低電圧電源基板1111を冷やすための空気を第4開口1110Bや上面の各貫通孔1110Dから第2開口1110Aへ導くダクトとして機能する。
【0318】
[第1排気口1011と第2排気口1012の構成]
次に、第3フィルタカバー1008で覆われる第1排気口1011と第2排気口1012との構成について図33図36および図37に基づいて説明する。図36は、第3フィルタカバー1008を取り外した状態の画像形成装置1001の外観斜視図である。図37は、第1副フィルタ1131と第2副フィルタ1132を取り外した状態の画像形成装置の外観斜視図である。
【0319】
図37に示すように、画像形成装置1001の右側壁部1003Aの後方側の側縁部には、筐体1003内から空気が筐体1003の外部へ流出可能な正面視四角形状に形成された第1排気口1011と第2排気口1012とが上下方向にそって直列に配置されている。従って、第1排気口1011は、第2排気口1012の略直上に形成されている。第1排気口1011は、右側壁部1003Aの上端から上下方向中央位置までの間の略中央部分に配置されている。第2排気口1012は、右側壁部1003Aの上下方向中央位置から下端までの間の略中央部分に配置されている。また、第1排気口1011と第2排気口1012とは、それぞれ上下方向の幅の狭い格子状に仕切られて、指等が入らないように構成されている。
【0320】
また、図33および図36に示すように、ダクト1100の第1開口1102に対向する第1排気口1011の外側には、第1排気口1011よりも僅かに大きい正面視四角形状の第1副フィルタ1131が、第1排気口1011を右側(外側)から覆うように設けられている。第1副フィルタ1131は、第1排気フィルタの一例である。具体的には、図36および図37に示すように、第1排気口1011の前後の両側縁の下方部分の外側に、第1副フィルタ1131の厚さにほぼ等しい幅の断面U字状の溝部1135を互いに対向するように形成する。また、各溝部1135の下端の底面からリブ部を突出させて、各溝部1135の下端部を閉塞する。
【0321】
そして、第1副フィルタ1131を第1排気口1011の各溝部1135に上側から差し込み、各溝部1135の下端部に当たるまで押し込む。その結果、第1副フィルタ1131が第1排気口1011の外側を覆うように装着される。従って、第1副フィルタ1131は、第1排気口1011の第1ファン1105よりも下流側に設けられる。また、第1副フィルタ1131は、第3フィルタカバー1008を右側壁部1003Aから取り外すことによって容易に交換することができる。また、第1副フィルタ1131は、この第1副フィルタ1131を通過する空気中のオゾンを吸着・分解することにより、空気中に含まれるオゾンを減少させるフィルタである。
【0322】
第1副フィルタ1131には、担体にオゾンを吸着し分解する作用がある活性炭を担持添着させた活性炭フィルタや、担体にオゾンの分解を促進する作用がある金属系の触媒(二酸化マンガンなど)を担持添着させた触媒フィルタなどが使用できる。
【0323】
また、図33および図36に示すように、基板収容部1110の第2開口1110Aに対向する第2排気口1012の外側には、第2排気口1012よりも僅かに大きい正面視四角形状の第2副フィルタ1132が、第2排気口1012を右側(外側)から覆うように設けられている。第2副フィルタ1132は、第2排気フィルタの一例である。具体的には、図36および図37に示すように、第2排気口1012の前後の両側縁の下方部分の外側に、第2副フィルタ1132の厚さにほぼ等しい幅の断面U字状の溝部1136を互いに対向するように形成する。また、各溝部1136の下端の底面からリブ部を突出させて、各溝部1136の下端部を閉塞する。
【0324】
そして、第2副フィルタ1132を第2排気口1012の各溝部1136に上側から差し込み、各溝部1136の下端部に当たるまで押し込む。その結果、第2副フィルタ1132が第2排気口1012の外側を覆うように装着される。従って、第2副フィルタ1132は、第2排気口1012の第2ファン1113よりも下流側に設けられる。また、第2副フィルタ1132は、第3フィルタカバー1008を右側壁部1003Aから取り外すことによって容易に交換することができる。また、第2副フィルタ1132は、この第2副フィルタ1132を通過する空気中のオゾンを吸着・分解することにより、空気中に含まれるオゾンを減少させるフィルタである。
【0325】
第2副フィルタ1132には、担体にオゾンを吸着し分解する作用がある活性炭を担持添着させた活性炭フィルタや、担体にオゾンの分解を促進する作用がある金属系の触媒(二酸化マンガンなど)を担持添着させた触媒フィルタなどが使用できる。
【0326】
[画像形成装置1001の作用・効果]
次に、上記のように構成された画像形成装置1001において、第1ファン1105と第2ファン1113とを駆動することによって、プロセス収容部1010内の空気の流れについて図33および図38に基づいて説明する。図38は、第1ファン1105と第2ファン1113とを駆動した際の空気の流れを説明する図である。
【0327】
[ダクト1100からの排気]
図33および図38に示すように、第1ファン1105を駆動した場合には、ダクト1100の仕切壁部1100Cよりも前側のプロセスユニット1050側において、オゾンが多く含まれる空気が、ダクト1100の前側壁部1100Aに設けられた各主フィルタ1104を通過する。例えば、仕切壁部1100Cよりも前側の空気は、矢印1141の方向に沿って流れる。その結果、仕切壁部1100Cよりも前側の空気は、ダクト1100の前側壁部1100Aに設けられた各主フィルタ1104を通過して、粉塵が減少すると共に、オゾンが減少した後、各第3開口1101A~1101Cを通過してダクト1100内に流入する。
【0328】
また、ダクト1100の仕切壁部1100Cよりも後側の定着器1080側において、オゾンが含まれると共に、仕切壁部1100Cよりも前側の空気よりもトナーなどの粉塵を多く含む空気が、ダクト1100の底壁部1100Bに設けられた主フィルタ1104を通過する。例えば、仕切壁部1100Cよりも後側の空気は、矢印1142の方向に沿って流れる。その結果、仕切壁部1100Cよりも後側の空気は、底壁部1100Bに設けられた主フィルタ1104を通過して、粉塵が減少すると共に、オゾンが減少した後、第1開口1011Dを通過してダクト1100内に入る。
【0329】
続いて、ダクト1100内に流入した粉塵が減少すると共に、オゾンが減少した空気は、第1開口1102、貫通孔1014、第1ファン1105および第1排気口1011を通過する。第1排気口1011を通過した空気は、第1排気口1011の下流側に設けられた第1副フィルタ1131を通過して筐体1003の外部へ排気される。その後、筐体1003の外部へ排気された空気は、第3フィルタカバー1008の底面部に設けられた格子孔を通過して、画像形成装置1001の外部へ排気される。例えば、ダクト1100内に流入した空気は、矢印143の方向に沿って流れる。
【0330】
その結果、各主フィルタ1104を介して粉塵が減少すると共に、オゾンが減少して、ダクト1100内に流入した空気は、第1排気口1011の下流側に設けられた第1副フィルタ1131を通過する。これにより、第1副フィルタ1131を通過した空気は、オゾンが更に減少した後、第3フィルタカバー1008を介して、画像形成装置1001の外部へ排気される。
【0331】
[基板収容部1110からの排気]
図33および図38に示すように、第2ファン1113を駆動した場合には、画像形成部1030で発生したオゾンを含む空気がプロセス収容部1010から下方へ漏れて、基板収容部1110の第4開口1110Bから基板収容部1110内へ流入する。例えば、オゾンを含む空気が、左サイドフレーム1013A側から矢印1145方向に沿って流入する。また、オゾンを含む空気が、基板収容部1110の上面に形成された小さな各貫通孔1110D等から基板収容部1110内へ流入する。例えば、オゾンを含む空気が、上方から矢印1146方向に沿って流入する。
【0332】
そして、基板収容部1110内に流入したオゾンを含む空気は、第2開口1110A、貫通孔1015、第2ファン1113および第2排気口1012を通過する。第2排気口1012を通過した空気は、第2排気口1012の下流側に設けられた第2副フィルタ1132を通過して筐体1003の外部へ排気される。その後、筐体1003の外部へ排気された空気は、第3フィルタカバー1008の底面部に設けられた格子孔を通過して、画像形成装置1001の外部へ排気される。例えば、基板収容部1110内に流入したオゾンを含む空気は、矢印1147の方向に沿って流れる。
【0333】
その結果、基板収容部1110内に流入した空気は、第2排気口1012の下流側に設けられた第2副フィルタ1132を通過して、オゾンが減少した後、第3フィルタカバー1008を介して、画像形成装置1001の外部へ排気される。
【0334】
従って、プロセス収容部1010内のオゾンや粉塵(トナーなど)を含む空気は、ダクト1100の各第3開口1101A~1101Dに設けられた各主フィルタ1104を通過した後、第1副フィルタ1131を通過してオゾンが更に減少した後、筐体1003の外部へ排気される。また、プロセス収容部1010から基板収容部1110内に流入したオゾンを含む空気は、第2副フィルタ1132を通過してオゾンが減少した後、筐体1003の外部へ排気される。
【0335】
これにより、画像形成装置1001は、筐体1003の外部へのオゾンおよび粉塵(トナーなど)の排出量を、従来の画像形成装置のようにダクト1100だけに主フィルタ1104を設けた場合よりも少なくすることができる。また、第1副フィルタ1131を設けることによって、ダクト1100に設けた各主フィルタ1104の厚さ、枚数、面積を大きくする必要がないため、各主フィルタ1104を空気が通過する際の通気抵抗の増加を抑えて、筐体1003内の昇温を抑制することができる。
【0336】
[変形例1]
例えば、第1副フィルタ1131は、主フィルタ1104と同様に、平面視矩形状の粉塵フィルタ1104Aに、粉塵フィルタ1104Aと同じ大きさの平面視矩形状のオゾンフィルタ1104Bを重ね合わせて構成してもよい。そして、第1副フィルタ1131は、粉塵フィルタ1104Aよりもオゾンフィルタ1104Bが下流側、つまり、筐体1003の外側方向に位置するように第1排気口1011の外側に装着するようにしてもよい。
【0337】
従って、各主フィルタ1104を介してダクト1100内に流入した空気は、第1ファン1105を介して、第1排気口1011の下流側に設けられた第1副フィルタ1131を通過して、更に、粉塵が減少すると共に、オゾンが減少されて、筐体1003の外部へ排気される。これにより、画像形成装置1001は、筐体1003の外部へのオゾンおよび粉塵(トナーなど)の排出量を、従来の画像形成装置のようにダクト1100だけに主フィルタ1104を設けた場合よりも少なくすることができる。
【0338】
また、粉塵フィルタ1104Aをオゾンフィルタ1104Bよりも上流側に配置することにより、粉塵フィルタ1104Aで粉塵を減少させた空気をオゾンフィルタ1104Bに通過させることができる。これにより、オゾンフィルタ1104Bに粉塵が付着しにくくできる。その結果、オゾンフィルタ1104Bのオゾンを吸着・分解する能力を長持ちさせることができる。
【0339】
[変形例2]
例えば、第2副フィルタ1132は、主フィルタ1104と同様に、平面視矩形状の粉塵フィルタ1104Aに、粉塵フィルタ1104Aと同じ大きさの平面視矩形状のオゾンフィルタ1104Bを重ね合わせて構成してもよい。そして、第2副フィルタ1132は、粉塵フィルタ1104Aよりもオゾンフィルタ1104Bが下流側、つまり、筐体1003の外側方向に位置するように第2排気口1012の外側に装着するようにしてもよい。
【0340】
従って、各主フィルタ1104を介してダクト1100内に流入した空気は、第2ファン1113を介して、第2排気口1012の下流側に設けられた第2副フィルタ1132を通過して、更に、粉塵が減少すると共に、オゾンが減少されて、筐体1003の外部へ排気される。これにより、画像形成装置1001は、筐体1003の外部へのオゾンおよび粉塵(トナーなど)の排出量を、従来の画像形成装置のようにダクト1100だけに主フィルタ1104を設けた場合よりも少なくすることができる。
【0341】
また、粉塵フィルタ1104Aをオゾンフィルタ1104Bよりも上流側に配置することにより、粉塵フィルタ1104Aで粉塵を減少させた空気をオゾンフィルタ1104Bに通過させることができる。これにより、オゾンフィルタ1104Bに粉塵が付着しにくくできる。その結果、オゾンフィルタ1104Bのオゾンを吸着・分解する能力を長持ちさせることができる。
【0342】
[変形例3]
例えば、ダクト1100の前側壁部1100Aの各第3開口1101A~1101Cに装着される主フィルタ1104は、空気中に含まれるトナーなどの粉塵が少ないため、オゾンフィルタ1104Bだけで構成してもよい。これにより、各第3開口1101A~1101Cに装着される主フィルタ1104を空気が通過する際の通気抵抗を抑えて、筐体1003内の昇温を更に抑制することができる。
【0343】
[変形例4]
上記した実施形態1、2では、画像形成装置1001は、レーザプリンタであるものとしたが、これに限らず、他にも、レーザプリンタによるプリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファックス機能等の複数の機能を備えたMFP(Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0344】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0345】
1 画像形成装置
2 筐体
23 右側壁
24 第1ルーバー
25 第2ルーバー
26 右フレーム
27 第1ダクト
28 第2ダクト
71 第1ファン
72 第2ファン
73 第1排気フィルタ
74 第2排気フィルタ
73a、74a 第1面
73b、74b 第2面
76 中間フィルタ
79 シール
231、232 凹み
261 第1流路
262 第2流路
274 フック
275 切欠き
1003 右側壁部
1006B 吸気口
10007 第3ファン
1010 プロセス収容部
1011 第1排気口
1012 第2排気口
1030 画像形成部
1040 露光ユニット
1052 感光ドラム
1053 帯電器
1061 現像ローラ
1062 供給ローラ
1063 層厚規制ブレード
1070 転写ユニット
1080 定着器
1100 ダクト
1101A、1101B、1101C、1101D 第3開口
1102 第1開口
1104 主フィルタ
1105 第1ファン
1110 基板収容部
1110A 第2開口
1111 低電圧電源基板
1113 第2ファン
1131 第1副フィルタ
1132 第2副フィルタ
D1 (第1ダクトの左右方向と直交する方向の)長さ
D2 (凹みの左右方向と直交する方向の)長さ
D3 (第2ダクトの左右方向と直交する方向の)長さ
D4 (凹みの左右方向と直交する方向の)長さ
PU プロセスユニット
S シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38