(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028113
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
B60R 7/04 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
B60R7/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086521
(22)【出願日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】P 2022130381
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】就 信人
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC19
3D022CC25
3D022CD17
3D022CD26
3D022CD28
(57)【要約】
【課題】小型でありながら寿命の長い収納装置を提供すること。
【解決手段】収納装置(20)は、荷物を収納可能な収納部(30)と、この収納部(30)の上面を開閉するようにスイング可能に設けられている蓋体(40)と、を有している。蓋体(40)は、回転軸(CL)上に設けられている可動ヒンジ部(42)と、この可動ヒンジ部(42)に支持されている本体部(44)と、この本体部(44)により支持されているベース部(45)と、このベース部(45)の上面の一部に設けられている電子部品(47)と、この電子部品(47)に通電するためのケーブル(53)と、を有している。電子部品(47)の一部は、ベース部(45)に形成された電子部品用穴部(45a)を通され、電子部品(47)とケーブル(53)とは、ベース部(45)の下方において接続されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収納可能なよう上面が開口している収納部と、
この収納部の上面を開閉するようにスイング可能に設けられている蓋体と、を有し、
前記蓋体は、回転軸上に設けられ前記収納部に対して回転可能に設けられている可動ヒンジ部と、この可動ヒンジ部に支持され前記収納部の開口を開閉可能な本体部と、この本体部により支持されているベース部と、このベース部の上面の一部に設けられ通電可能な面状の電子部品と、この電子部品に通電するためのケーブルと、を有し、
前記ベース部は、上面から下面まで貫通している電子部品用穴部を有し、
前記電子部品の一部は、前記電子部品用穴部を通され、
前記電子部品と前記ケーブルとは、前記ベース部の下方において接続されていることを特徴とする収納装置。
【請求項2】
前記本体部には、前記ケーブルを挿通可能な第1のケーブル用穴部が形成され、
前記ケーブルは、前記第1のケーブル用穴部を通され、前記本体部に沿って前記可動ヒンジに向かって延びている、請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記ケーブルは、前記可動ヒンジ部の表面に沿って配置されている、請求項1に記載の収納装置。
【請求項4】
前記可動ヒンジ部は、前記第1のケーブル用穴部よりも前記回転軸に近い位置に、前記回転軸の軸線方向に沿って開けられた第2のケーブル用穴部を有し、
前記ケーブルは、前記第2のケーブル用穴部を通され、前記可動ヒンジ部の裏面側に一部が設けられている、請求項2に記載の収納装置。
【請求項5】
前記可動ヒンジ部には、前記ケーブルを収納可能に溝状のケーブル収納溝が形成され、
前記ケーブルは、前記ケーブル収納溝に収納されている、請求項1に記載の収納装置。
【請求項6】
前記電子部品とは別部材であって、前記電子部品の素材と同じ素材の少なくとも一部が用いられ、前記ケーブルには接続されないダミー電子部品が、前記ベース部の上面の残部に設けらている、請求項1に記載の収納装置。
【請求項7】
前記電子部品穴部を塞ぐシール部材が設けられている、請求項1に記載の収納装置。
【請求項8】
前記電子部品は、ヒータ、静電容量式スイッチ、発光体、ペルチェ素子のいずれかである請求項1に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの車両において運転席と助手席との間に荷物を収納可能な収納装置が設けられている。収納装置として、上下方向にスイング可能に設けられた蓋体によって、荷物収納部の上面を開閉するものが知られている。収納装置は、蓋体の上面を乗員のアームレストとしても用いることができる。このような収納装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、収納装置は、荷物を収納可能な収納部と、この収納部に対して上下方向にスイング可能に設けられた蓋体とを有している。蓋体は、回転軸上に設けられたヒンジを有すると共に、照明を有している。ヒンジには、所定の空間が形成されており、照明に通電を行うためのケーブルの一部を収容することができる。
【0004】
ヒンジ内の空間にケーブルを収容可能とすることにより、蓋体をスイングさせる際にケーブルが折れ曲がることを抑制し、長寿命化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された収納装置によれば、ヒンジにケーブルの一部を収容可能とするために、ヒンジが大型化し、収納装置全体としても大型化する。このため、小型でありながら寿命の長い収納装置の提供が望まれる。
【0007】
本発明は、小型でありながら寿命の長い収納装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば第1に、荷物を収納可能なよう上面が開口している収納部と、
この収納部の上面を開閉するようにスイング可能に設けられている蓋体と、を有し、
前記蓋体は、回転軸上に設けられ前記収納部に対して回転可能に設けられている可動ヒンジ部と、この可動ヒンジ部に支持され前記収納部の開口を開閉可能な本体部と、この本体部により支持されているベース部と、このベース部の上面の一部に設けられ通電可能な面状の電子部品と、この電子部品に通電するためのケーブルと、を有し、
前記ベース部は、上面から下面まで貫通している電子部品用穴部を有し、
前記電子部品の一部は、前記電子部品用穴部を通され、
前記電子部品と前記ケーブルとは、前記ベース部の下方において接続されていることを特徴とする収納装置が提供される。
【0009】
第2に、好ましくは、第1に記載の収納装置であって、
前記本体部には、前記ケーブルを挿通可能な第1のケーブル用穴部が形成され、
前記ケーブルは、前記第1のケーブル用穴部を通され、前記本体部に沿って前記可動ヒンジ部に向かって延びている。
【0010】
第3に、好ましくは、第1又は第2に記載の収納装置であって、
前記ケーブルは、前記可動ヒンジ部の表面に沿って配置されている。
【0011】
第4に、好ましくは、第2に記載の収納装置であって、
前記可動ヒンジ部は、前記第1のケーブル用穴部よりも前記回転軸に近い位置に、前記回転軸の軸線方向に沿って開けられた第2のケーブル用穴部を有し、
前記ケーブルは、前記第2のケーブル用穴部を通され、前記可動ヒンジ部の裏面側に一部が設けられている。
【0012】
第5に、好ましくは、第1乃至第4のいずれかに記載の収納装置であって、
前記可動ヒンジ部には、前記ケーブルを収納可能に溝状のケーブル収納溝が形成され、
前記ケーブルは、前記ケーブル収納溝に収納されている。
【0013】
第6に、好ましくは、第1乃至第5のいずれかに記載の収納装置であって、
前記電子部品とは別部材であって、前記電子部品の素材と同じ素材の少なくとも一部が用いられ、前記ケーブルには接続されないダミー電子部品が、前記ベース部の上面の残部に設けられている。
【0014】
第7に、好ましくは、第1乃至第6のいずれかに記載の収納装置であって、
前記電子部品用穴部を塞ぐシール部材が設けられている。
【0015】
第8に、好ましくは、第1乃至第7のいずれかに記載の収納装置であって、
前記電子部品は、ヒータ、静電容量式スイッチ、発光体、ペルチェ素子のいずれかである。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、小型でありながら寿命の長い収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例による収納装置が搭載された車室の斜視図である。
【
図2】
図1に示された収納装置の後部を拡大した図である。
【
図3】
図2に示された蓋体を前後方向に沿って断面にした図である。
【
図4】
図2に示されたヒンジを表面側から見た状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
【0019】
<実施例>
実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1を参照する。
図1には、乗用車の車室が左後方から見た状態で示されている。収納装置20は、車室前部中央において前後方向に延びるいわゆるセンターコンソールの一部を構成している。収納装置20は、乗員の着座する運転席12(シート12)と、補助席13(シート13)との間に配置されている。即ち、収納装置20は、乗員が着座可能なシート12、13の側方に設けられている。
【0021】
収納装置20の上面は、平均的な大きさの乗員が肘を置くことができるような場所に位置している。つまり、収納装置20は、アームレストとしての役割も果たす。
【0022】
図2を参照する。収納装置20は、荷物を収納可能なよう上面が開口している収納部30と、この収納部30の後部に固定され左右に延びる軸部材22と、この軸部材22に支持され一部が収納部30に固定されているばね23と、収納部30の上面を開閉するようにスイング可能に設けられている蓋体40と、を主な構成要素とする。
【0023】
蓋体40の前部に設けられた図示しないロックを解除することにより、軸部材22を中心にして蓋体40の先端が上後方に向かってスイングする。これにより、収納部30の上方が開放され、収納部30に荷物を出し入れすることができる。蓋体40の先端を前下方に向かってスイングさせることにより、収納部30の上方は蓋体40によって閉じられる。
【0024】
収納部30は、樹脂製の箱状の部材である。収納部30は、上面が開口し内部に荷物を収納可能な収納部本体31と、この収納部本体31の後面の左右から後方に延び軸部材22を支持している固定ヒンジ部32、33と、を有している。固定ヒンジ部32、33は、収納部本体31に一体的に形成されている。
【0025】
軸部材22は、中実の棒状の部材である。軸部材22の中心を通過する線を回転軸CLという。回転軸CLは、蓋体40をスイングさせる際の中心となる。なお、軸部材22は、筒状であっても良いが、中実状であることが好ましい。筒状の場合に比べて小型の軸部材22を用いることができ、収納装置20を小型化することができるからである。
【0026】
ばね23は、ねじリコイルばねであり、蓋体40を開く方向へ付勢している。
【0027】
図3を合わせて参照する。蓋体40は、軸部材22の左右に回転可能に設けられている可動ヒンジ部42、43と、これらの可動ヒンジ部42、43の間に固定され収納部30の上方を開閉可能な本体部44と、この本体部44に支持されているベース部45と、このベース部45の上面に設けられているクッション部46と、このクッション部46の上面の一部に設けられ通電することにより発熱するヒータ47と、クッション部46の上面の残部に設けられヒータ47と同じ素材によって構成され通電不能なダミーヒータ48と、これらのヒータ47及びダミーヒータ48の上面に被せられヒータ47及びダミーヒータ48を保護するシート状の保護シート51と、保護シート51を覆っている表皮部52と、ヒータ47に先端が接続されヒータ47に通電を行なうためのケーブル53と、を有する。
【0028】
可動ヒンジ部42、43は、軸部材22を囲っている基部42a、43aと、これらの基部42a、43aから本体部44まで延び本体部44に接続されているアーム部42b、43bと、を有する。
【0029】
さらに、一方の可動ヒンジ部42である右側の可動ヒンジ部42には、本体部44の下部から連続してケーブル53が通されている第1のケーブル用穴部42cと、軸部材22の下方に軸線方向に沿って開けられケーブル53が通されている第2のケーブル用穴部42dと、を有している。以下、単に「可動ヒンジ部42」といった場合には、右側の可動ヒンジ部42をいう。
【0030】
図4を参照する。可動ヒンジ部42の外側の面である表面側には、溝状のケーブル収納溝42eが形成されている。ケーブル53の一部は、可動ヒンジ部42の表面に沿ってケーブル収納溝42eに収納されている。
【0031】
図3を参照する。本体部44は、前後に長いトレー状に形成された樹脂製の部材である。本体部44は、平面視において軸部材22に沿った方向(車幅方向)よりも、軸部材22から離れる方向(前後方向)に長い略矩形状を呈する。
【0032】
ベース部45は、樹脂製の部材であり、前後方向に沿った断面を基準として、下方に凹むと共に上面が開口する略U字状を呈する。本体部44とベース部45は、互いにに重ね合わせることにより、箱状とされている。
【0033】
ベース部45は、上面から下面まで貫通しているヒータ用穴部45aを有している。ヒータ用穴部45aには、ヒータ47の端部が通されている。ヒータ用穴部45aは、ベース部45の前後方向の中央よりも軸部材22に近い位置に形成され、軸部材22に沿った方向に細長い穴である。
【0034】
クッション部46の素材には、ウレタン等の任意の素材を採用することができる。クッション部46のヒータ用穴部45aに重なる位置には、第2のヒータ用穴部46aが開けられている。第2のヒータ用穴部46aは、ヒータ用穴部45aと略同じ形状に開けられ、ヒータ47の端部が通されている。
【0035】
ヒータ用穴部45a及び第2のヒータ用穴部46aには、これらの穴部45a、46aを塞ぐシール部材55が設けられている。シール部材55については後述する。
【0036】
ヒータ47には、シート状又は板状の面状ヒータが用いられている。ヒータ47は、通電することにより発熱する発熱部47aと、発熱部47aの端部から延びケーブル53に接続されている接続部47bと、を有する。
【0037】
なお、ヒータ47は、通電可能な電子部品ということもできる。以下、ヒータ47を電子部品47ということもある。また、電子部品としては、ヒータの他に静電容量式のスイッチや、通電することにより発光する発光体、通電することにより表面の熱を吸熱するペルチェ素子を用いることもできる。さらには、これらのものに限らず、面状(シート状又は板状)の通電可能な物を電子部品として用いることが可能である。
【0038】
また、上述したヒータ用穴部45aは、電子部品用穴部45aということもできる。ヒータ用穴部45aについても、電子部品用穴部45aということがある。電子部品47の一部は、電子部品用穴部45aを通されている。
【0039】
ダミーヒータ48は、例えばヒータ47の発熱部47aのみにより構成することができる。ダミーヒータ48が配置される範囲は、ヒータ47の配置される範囲よりも小さい。
【0040】
なお、ダミーヒータ48は、電子部品47と同じ素材が用いられ、ケーブル53には接続されないダミー電子部品ということもできる。以下、ダミーヒータ48をダミー電子部品48ということがある。電子部品47に静電容量スイッチ等を用いる際にも、ダミー電子部品48には、ケーブル53の繋がれていない静電容量スイッチ等を用いることができる。
【0041】
ケーブル53は、先端がヒータ47の接続部47bに接続されている。ケーブル53は、本体部44とベース部45とによって囲われた領域において接続され、可動ヒンジ部42に向かって延び第1のケーブル用穴部42c(
図4参照)を通されている。
【0042】
図4を参照する。ケーブル53は、第1のケーブル用穴部42cから可動ヒンジ部42の表面側(一方側の面)に出て、ケーブル収納溝42eに収納されて第2のケーブル用穴部42dに向かって延びる。
【0043】
図3を参照する。ケーブル53は、第2のケーブル用穴部42dを通り可動ヒンジ部42の裏面側(他方側の面)に戻る。ケーブル53は、乗員が操作可能なスイッチ等に接続される。乗員がスイッチをオンにするとケーブル53に通電され、ヒータ47が発熱する。
【0044】
なお、軸部材22を筒状にし内部にケーブル53を通すことによってもケーブル53の折れを抑制することができる。しかし、メンテナンス性が低下するため、ケーブル53は、軸部材22の内部を通さないものが好ましい。
【0045】
シール部材55には、EPDMゴムを主成分としたソフト部材等を用いることができる。穴部45a、46aとヒータ47との間の隙間を埋めることができるものであれば、任意の素材を適用することができる。シール部材55は、ヒータ47が移動することを抑制するストッパの役割も果たす。
【0046】
以上に説明した収納装置20は、以下の効果を奏する。
【0047】
図1を参照する。第1に、収納装置20は、乗員が着座可能なシート12、13の側方に設けられ、荷物を収納可能なよう上面が開口している収納部30と、この収納部30の上面を開閉するようにスイング可能に設けられている蓋体40と、を有している。
【0048】
図3を参照する。蓋体40は、回転軸CL上に設けられ収納部30に対して回転可能に設けられている可動ヒンジ部42と、この可動ヒンジ部42に支持され収納部30の開口を開閉可能な本体部44と、この本体部44により支持されているベース部45と、このベース部45の上面の一部に設けられ通電することにより温度が上昇する面状のヒータ47と、このヒータ47に通電するためのケーブル53と、を有している。
【0049】
ベース部45は、上面から下面まで貫通しているヒータ用穴部45aを有し、ヒータ47の一部は、ヒータ用穴部45aを通され、ヒータ47とケーブル53とは、ベース部45の下方において接続されている。
【0050】
ベース部45の端末にケーブル53があると、表皮と共に巻き込まなければならず、ケーブル53の屈曲が発生してしまう。また、蓋体40をスイングさせる際に、本体部44と軸部材22との間にケーブル53が存すると、蓋体40の動きにケーブル53が追従しにくくケーブル53が折れ曲がることが多く発生する。ケーブル53が折れ曲がると断線の原因になる。収納装置20によれば、ヒータ47の一部は、ヒータ用穴部45aを通され、ヒータ47とケーブル53とは、ベース部45の下方において接続されている。
【0051】
ヒータ47とケーブル53とを回転軸CLから離間した部位で接続することにより、本体部44と軸部材22との間を避けてケーブル53を配置しやすくなる。これにより、蓋体40をスイングさせた際にケーブル53が折れ曲がることを抑制することができる。ケーブル53の折り曲げを抑制するのに可動ヒンジ部42を大型化する必要がない。このため、小型でありながら寿命の長い収納装置20を提供することができる。
【0052】
第2に、第1の収納装置20であって、本体部44と可動ヒンジ部42との境界部には、ケーブル53を挿通可能な第1のケーブル用穴部42cを有している。ケーブル53は、第1のケーブル用穴部42cを通され、本体部44に沿って可動ヒンジ42に向かって延びている。第1のケーブル用穴部42cにケーブル53を通すことにより、より本体部44に密着させてケーブル53を配置することができる。これにより蓋体40をスイングさせた際にケーブル53が折れ曲がることを抑制することができる。これにより、さらに収納装置20の長寿命化を図ることができる。
【0053】
第3に、第1又は第2の収納装置20であって、ケーブル53は、可動ヒンジ部42の表面に沿って配置されている。可動ヒンジ部42の表面に沿わせることにより、蓋体40をスイングさせた際にケーブル53が折れ曲がることを抑制することができる。これにより、さらに収納装置20の長寿命化を図ることができる。
【0054】
第4に、第2の収納装置20であって、可動ヒンジ部42は、第1のケーブル用穴部42cよりも回転軸CLに近い位置に、回転軸CLの軸線方向に沿って開けられた第2のケーブル用穴部42dを有している。また、ケーブル53は、第2のケーブル用穴部42dを通され、可動ヒンジ部42の裏面側に一部が設けられている。
【0055】
第2のケーブル用穴部42dを形成し、ケーブル53を再度裏面側に通すことにより、ケーブル53をより長く可動ヒンジ部42の側面に沿って配置することができ、また第2のケーブル用穴部42dを通したケーブル53は、回転軸CLに対して平行な向きとなる。これにより蓋体40をスイングさせた際にケーブル53が折れ曲がることを抑制することができる。さらに収納装置20の長寿命化を図ることができる。
【0056】
図4を参照する。第5に、第1乃至第4のいずれかの収納装置20であって、可動ヒンジ部42には、ケーブル53を収納可能に溝状のケーブル収納溝42eが形成され、ケーブル53は、ケーブル収納溝42eに収納されている。これにより、ケーブル53をより可動ヒンジ部42に密着させることができる。これにより蓋体40をスイングさせた際にケーブル53が折れ曲がることを抑制することができる。これにより、さらに収納装置20の長寿命化を図ることができる。
【0057】
第6に、第1乃至第5のいずれかの収納装置20であって、ベース部45の上面の残部に設けられヒータ47と同じ素材によって構成され通電不能なダミーヒータ48をさらに有する。ダミーヒータ48が配置されていない場合には、ヒータ47の配置されている部位とそうでない部位とで乗員が腕を置いた際の感触が異なることとなる。ヒータ47と同じ素材によって構成され通電不能なダミーヒータ48が設けられていることにより、乗員の感じる違和感を小さくすることができる。即ち、快適性を向上させることができる。
【0058】
即ち、第6に、第1乃至第5のいずれかの収納装置20であって、ヒータ47とは別部材であって、ヒータ47の素材と同じ素材の少なくとも一部が用いられ、ケーブル53には接続されないダミーヒータ48が、ベース部45の上面の残部に設けられている、ということもできる。これにより、快適性を向上させることができる。
【0059】
第7に、第1乃至第6のいずれかの収納装置20であって、収納装置20には、ヒータ用穴部45aを塞ぐシール部材55が設けられている。乗員がヒータ用穴部45aの上部に腕を置いた際に感じる違和感を軽減することができる。即ち、快適性を向上させることができる。
【0060】
第8に、第1乃至第7のいずれかの収納装置20であって、電子部品47は、ヒータ、静電容量式スイッチ、発光体、ペルチェ素子のいずれかである。
【0061】
尚、本発明による収納装置は、乗用車に搭載された例を説明したが、収納装置が搭載されるのは乗用車に限られない。即ち、収納装置が搭載されるのは、乗用車以外の車両であっても良いし、車両以外の乗り物や建機であっても良い。また、運転席以外の席の側方に設けられていても良い。
【0062】
ケーブルが通されるケーブル用穴部やケーブル収納溝は、左右どちらかの可動ヒンジ部に形成されていれば良い。つまり、左側の可動ヒンジ部43にケーブル収納溝等を形成し、右側の可動ヒンジ部42にはこれらを形成しない構成を採用することも可能である。
【0063】
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の収納装置は、乗用車の運転席の側方に設けるのに好適である。
【符号の説明】
【0065】
12…運転席(シート)
13…補助席(シート)
20…収納装置
30…収納部
40…蓋体
42…可動ヒンジ部、42c…第1のケーブル用穴部、42d…第2のケーブル用穴部、42e…ケーブル収納溝
44…本体部
45…ベース部、45a…ヒータ用穴部(電子部品用穴部)
47…ヒータ(電子部品)
48…ダミーヒータ(ダミー電子部品)
53…ケーブル
55…シール部材
CL…回転軸