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特開2024-28128TIMフィルム及びこれを用いて製造された半導体パッケージ
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  • 特開-TIMフィルム及びこれを用いて製造された半導体パッケージ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028128
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】TIMフィルム及びこれを用いて製造された半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
H01L23/36 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104892
(22)【出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0104330
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 美 ヘ
(72)【発明者】
【氏名】李 治 雨
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB14
5F136BC07
5F136DA08
5F136DA42
5F136FA22
5F136FA52
5F136FA53
5F136FA62
5F136FA63
5F136FA65
5F136FA82
(57)【要約】
【課題】TIMフィルム及びこれを用いて製造された半導体パッケージを提供する。
【解決手段】本発明の半導体パッケージは、第1基板上で側方向に配列された第1半導体チップ及び第2半導体チップと、第1半導体チップ及び第2半導体チップ上に配置され、樹脂層及び樹脂層に含有されて液体金属を含む第1放熱フィラーを含む熱伝導性接着層と、熱伝導性接着層上の放熱部材と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板上で側方向に配列された第1半導体チップ及び第2半導体チップと、
前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップ上に配置され、樹脂層及び前記樹脂層に含有されて液体金属を含む第1放熱フィラーを含む熱伝導性接着層と、
前記熱伝導性接着層上の放熱部材と、を備えることを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項2】
前記樹脂層は、シリコン(Silicone)樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記第1放熱フィラーは、ガリウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記熱伝導性接着層は、前記第1放熱フィラーの物質とは異なる物質を含む第2放熱フィラーを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記第2放熱フィラーは、直径が互いに異なる複数の放熱フィラーを含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記第2放熱フィラーは、金属を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記第2放熱フィラーは、セラミックを含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記第2放熱フィラーは、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブアレイ、及びグラフェンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記第1半導体チップの上面は、前記放熱部材から第1距離で離隔され、
前記第2半導体チップの上面は、前記放熱部材から前記第1距離よりも小さい第2距離で離隔され、
前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面と前記放熱部材との間で第1厚みを有し、前記第2半導体チップの上面と前記放熱部材との間で前記第1厚みよりも小さい第2厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記第1半導体チップの側壁及び前記第2半導体チップの側壁に接触するモールディング層を更に含み、
前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面、前記第2半導体チップの上面、及び前記モールディング層の上面に沿って延びることを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面と前記放熱部材との隙間、及び前記第2半導体チップの上面と前記放熱部材との隙間を完全に充填することを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面及び前記第2半導体チップの上面に接触し、
前記熱伝導性接着層の一部は、前記第1半導体チップの側壁と前記第2半導体チップの側壁との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記熱伝導性接着層は、電気的不導体であることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記熱伝導性接着層の熱伝導度は、2W/mK~100W/mKであり、
前記熱伝導性接着層の伸び率(elongation)は、5%~200%であることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項15】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板上のインターポーザ基板と、
前記インターポーザ基板上に実装された第1半導体チップと、
前記インターポーザ基板上に実装されて前記第1半導体チップから側方向に離隔された第2半導体チップと、
前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップ上に配置され、樹脂層及び前記樹脂層に含有されて液体金属を含む第1放熱フィラーを含む熱伝導性接着層と、
前記熱伝導性接着層上の放熱部材と、を備え、
前記第1半導体チップの上面と前記第2半導体チップの上面とは、互いに異なるレベルに位置し、
前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面及び前記第2半導体チップの上面に沿って延び、
前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面及び前記第2半導体チップの上面のそれぞれから前記放熱部材まで延び、
前記熱伝導性接着層の熱伝導度は、2W/mK~100W/mKであり、
前記熱伝導性接着層の伸び率(elongation)は、5%~200%であることを特徴とする半導体パッケージ。
【請求項16】
樹脂層及び前記樹脂層内に含有される第1放熱フィラーを含む熱界面物質(thermal interfacial material:TIM)フィルムであって、
前記樹脂層は、半硬化状態の樹脂を含み、
前記第1放熱フィラーは、液体金属を含むことを特徴とするTIMフィルム。
【請求項17】
前記樹脂層に含有される第2放熱フィラーを更に含み、
前記第2放熱フィラーの物質は、前記第1放熱フィラーの物質とは異なることを特徴とする請求項16に記載のTIMフィルム。
【請求項18】
前記第2放熱フィラーは、金属、セラミック、及び炭素系物質のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17に記載のTIMフィルム。
【請求項19】
前記第2放熱フィラーは、直径が互いに異なる複数の放熱フィラーを含むことを特徴とする請求項17に記載のTIMフィルム。
【請求項20】
前記TIMフィルムの粘性は、30Pa・s~300Pa・sであることを特徴とする請求項16に記載のTIMフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TIM(thermal interfacial material)フィルム及びTIMフィルムを利用して製造された半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、1つの半導体パッケージに多様な半導体チップをパッケージングし、半導体チップを互いに電気的に連結して1つのシステムとして動作させている。但し、半導体チップの動作を遂行するときに過度な熱が発生し、そのような過度な熱によって半導体パッケージの性能が劣化する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-1381124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、熱伝導特性が改善されたTIMフィルム及びこれを用いて製造された半導体パッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体パッケージは、第1基板上で側方向に配列された第1半導体チップ及び第2半導体チップと、前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップ上に配置され、樹脂層及び前記樹脂層に含有されて液体金属を含む第1放熱フィラーを含む熱伝導性接着層と、前記熱伝導性接着層上の放熱部材と、を備える。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による半導体パッケージは、パッケージ基板と、前記パッケージ基板上のインターポーザ基板と、前記インターポーザ基板上に実装された第1半導体チップと、前記インターポーザ基板上に実装されて前記第1半導体チップから側方向に離隔された第2半導体チップと、前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップ上に配置され、樹脂層及び前記樹脂層に含有されて液体金属を含む第1放熱フィラーを含む熱伝導性接着層と、前記熱伝導性接着層上の放熱部材と、を備え、前記第1半導体チップの上面と前記第2半導体チップの上面とは、互いに異なるレベルに位置し、前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面及び前記第2半導体チップの上面に沿って延び、前記熱伝導性接着層は、前記第1半導体チップの上面及び前記第2半導体チップの上面のそれぞれから前記放熱部材まで延び、前記熱伝導性接着層の熱伝導度は、2W/mK~100W/mKであり、前記熱伝導性接着層の伸び率(elongation)は、5%~200%である。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるTIMフィルムは、樹脂層及び前記樹脂層内に含有される第1放熱フィラーを含む熱界面物質(thermal interfacial material:TIM)フィルムであって、前記樹脂層は、半硬化状態の樹脂を含み、前記第1放熱フィラーは、液体金属を含む。
【0008】
一実施形態による半導体パッケージの製造方法は、少なくとも1つの半導体チップを第1基板上に実装する段階と、半硬化状態の樹脂を含む樹脂層及び前記樹脂層に含有される第1放熱フィラーを含むTIMフィルムを放熱部材に付着する段階と、前記第1放熱フィラーとして液体金属を含むTIMフィルムを放熱部材に付着する段階と、前記TIMフィルムが前記少なくとも1つの半導体チップに接触するように前記放熱部材を前記少なくとも1つの半導体チップ上に配置する段階と、前記TIMフィルムの樹脂層を完全硬化させて前記少なくとも1つの半導体チップと前記放熱部材との隙間を充填する熱伝導性接着層を形成する段階と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、TIMフィルムは、半硬化状態の樹脂を含む軟性材料であり、改善されたギャップフィル(gap fill)特性を有する。これにより、複数の半導体チップのそれぞれと放熱部材との間のボイド発生が抑制され、窮極的に複数の半導体チップのそれぞれと放熱部材との熱的結合及び物理的結合の信頼性がより向上する。また、TIMフィルムから形成された熱伝導性接着層は、液体金属で構成された放熱フィラーを含み、改善された熱伝導特性を有するため、放熱部材及び熱伝導性接着層を利用した半導体パッケージの放熱特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第1例を示す断面図である。
図2A】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第1例の製造方法を示す断面図である。
図2B】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第1例の製造方法を示す断面図である。
図2C】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第1例の製造方法を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第2例を示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第3例を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第4例を示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第5例を示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態による半導体パッケージの第6例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。図面上の同一構成要素に対しては、同一参照符号を使用し、それらに関する重複説明を省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ10の第1例を示す断面図である。
【0013】
図1を参照すると、半導体パッケージ10は、パッケージ基板510、インターポーザ基板100、第1~第3半導体チップ(210、220、230)、モールディング層250、放熱部材400、及び熱伝導性接着層300を含む。
【0014】
インターポーザ基板100は、ベース層110、再配線構造物120、第1下部保護層130、下部導電性パッド140、第2下部保護層150、及び貫通電極170を含む。インターポーザ基板100は、第1基板と称される。
【0015】
ベース層110は、半導体物質、ガラス、セラミック、又はプラスチックを含む。一実施形態において、ベース層110は、シリコン(Si)、例えば結晶質シリコン、多結晶質シリコン、又は非晶質シリコンを含むシリコンウェーハを含む。ベース層110は、概ね平板状を有し、互いに反対になる上面及び下面を含む。
【0016】
再配線構造物120は、ベース層110の上面上に配置される。再配線構造物120は、ベース層110の上面を覆う配線絶縁層123、及び配線絶縁層123により被覆された導電性再配線パターン121を含む。例えば、再配線構造物120は、BEOL(back-end-of-line)構造を含む。
【0017】
一実施形態において、配線絶縁層123は、無機絶縁物質を含む。例えば、配線絶縁層123は、酸化物及び窒化物のうちの少なくとも1つを含む。例えば、配線絶縁層123は、シリコン酸化物及びシリコン窒化物のうちの少なくとも1つを含む。他の実施形態において、配線絶縁層123は、有機絶縁物質を含む。例えば、配線絶縁層123は、ポリイミドのようなPID(Photo Imageable dielectric)を含む。
【0018】
導電性再配線パターン121は、配線絶縁層123内でそれぞれ異なるレベルに位置して多層構造を形成する複数の配線層と、複数の配線層を互いに連結するように配線絶縁層123内で垂直方向(例えば、Z方向)に延びた導電性ビアとを含む。例えば、導電性再配線パターン121は、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、又は銅(Cu)のうちから選択される少なくとも1つの金属を含む。
【0019】
導電性再配線パターン121の一部は、配線絶縁層123の上面上に配置され、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれとインターポーザ基板100とを電気的及び物理的に連結するように構成された連結バンプ260が付着されるパッドとして機能する。
【0020】
第1下部保護層130は、ベース層110の下面を覆う。また、第1下部保護層130は、ベース層110の下面から突出した貫通電極170の側壁を覆う。一実施形態において、第1下部保護層130の下面は、下部導電性パッド140に接触する貫通電極170の下面と同一平面上にある。
【0021】
一実施形態において、第1下部保護層130は、無機絶縁物質を含む。例えば、第1下部保護層130は、酸化物及び窒化物のうちの少なくとも1つを含む。例えば、第1下部保護層130は、シリコン酸化物及びシリコン窒化物のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
下部導電性パッド140は、第1下部保護層130の下面上に配置される。例えば、下部導電性パッド140は、ボード・インターポーザ間の連結バンプ183に連結されるパッドである。下部導電性パッド140は、第1下部保護層130の下面上で水平方向(例えば、X方向又はY方向)に互いに離隔されるように配置される。例えば、下部導電性パッド140は、第1下部保護層130の下面上に二次元アレイ形態に配列される。下部導電性パッド140は、平面視において、多角形状、例えば四角形状や六角形状を有する。或いは、下部導電性パッド140は、平面視において、円状や楕円状を有する。下部導電性パッド140は、例えばタングステン(W)、アルミニウム(Al)、又は銅(Cu)のうちから選択される少なくとも1つの金属を含む。
【0023】
一実施形態において、下部導電性パッド140は、均一な厚みを有する。下部導電性パッド140が第1下部保護層130及び貫通電極170に接触する上面と上面に反対になる下面とを有する場合、下部導電性パッド140の上面及び下面は、扁平な表面である。
【0024】
第2下部保護層150は、第1下部保護層130の下面を覆い、下部導電性パッド140の一部分を覆う。第2下部保護層150は、下部導電性パッド140の下面の一部分を露出させるオープニングを含む。第2下部保護層150のオープニングを介してボード・インターポーザ間の連結バンプ183が下部導電性パッド140に連結される。
【0025】
一実施形態において、第2下部保護層150は、第1下部保護層130を形成する物質とは異なる物質で形成される。第1下部保護層130は無機絶縁物質で形成され、第2下部保護層150は有機絶縁物質で形成される。一実施形態において、第2下部保護層150は、PIDを含む。例えば、第2下部保護層150は、ポリイミド(PI)やポリベンゾオキサゾール(PBO)を含む。他の実施形態において、第2下部保護層150は、無機絶縁物質で形成される。
【0026】
インターポーザ基板100は、下部導電性パッド140上に配置された下部連結ピラー181を含む。下部連結ピラー181は、第2下部保護層150のオープニングを介して下部導電性パッド140に連結され、下部導電性パッド140の下面のエッジ部を覆っている第2下部保護層150の一部分に接触する。下部連結ピラー181は、アンダーバンプメタル(Under Bump Metallurgy)として機能する。下部連結ピラー181は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、又はそれらの組み合わせを含む。場合によって、下部連結ピラー181は省略される。ボード・インターポーザ間の連結バンプ183は、下部連結ピラー181に付着される。ボード・インターポーザ間の連結バンプ183は、インターポーザ基板100とパッケージ基板510とを電気的及び物理的に連結する。ボード・インターポーザ間の連結バンプ183は、連結バンプ260の幅よりも大きい幅を有する。
【0027】
貫通電極170は、再配線構造物120の導電性再配線パターン121と下部導電性パッド140とを電気的に連結させるように構成される。貫通電極170は、ベース層110の上面から下面まで延びてベース層110を垂直に貫通する。また、貫通電極170は、ベース層110の下面上に配置された第1下部保護層130を更に貫通する。貫通電極170の上端は再配線構造物120の導電性再配線パターン121に連結され、貫通電極170の下端は下部導電性パッド140に連結される。
【0028】
例えば、貫通電極170は、ベース層110及び第1下部保護層130を貫通する柱状の導電性プラグと、導電性プラグの側壁を取り囲むシリンダー状の導電性バリヤー膜とを含む。導電性バリヤー膜は、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Co、Mn、WN、Ni、及びNiBのうちから選択される少なくとも1つの物質を含み、導電性プラグは、Cu、CuSn、CuMg、CuNi、CuZn、CuPd、CuAu、CuRe、CuWなどのCu合金、W、W合金、Ni、Ru、及びCoのうちから選択される少なくとも1つの物質を含む。ベース層110と貫通電極170との間には、ビア絶縁膜が介在する。ビア絶縁膜は、酸化膜、窒化膜、炭化膜、ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。
【0029】
第1~第3半導体チップ(210、220、230)は、インターポーザ基板100上に実装され、インターポーザ基板100上で側方向に配列される。第1~第3半導体チップ(210、220、230)は、インターポーザ基板100に提供される電気的連結経路を介して互いに電気的に連結される。図1では、インターポーザ基板100上に側方向に互いに離隔された3つの半導体チップが実装されたものを示しているが、インターポーザ基板100上には、1つの半導体チップ、2つ又は4つ以上の半導体チップが実装され得る。
【0030】
第1半導体チップ210は第1半導体基板211及び第1チップパッド213を含み、第2半導体チップ220は第2半導体基板221及び第2チップパッド223を含み、第3半導体チップ230は第3半導体基板231及び第3チップパッド233を含む。第1~第3半導体基板(211、221、231)のそれぞれは、インターポーザ基板100に対向する活性面と、活性面に反対になる非活性面とを含む。第1~第3半導体基板(211、221、231)は、シリコン、例えば結晶質シリコン、多結晶質シリコン、又は非晶質シリコンを含む。第1チップパッド213は第1半導体チップ210の下面に配置され、第2チップパッド223は第2半導体チップ220の下面に配置され、第3チップパッド233は第3半導体チップ230の下面に配置される。
【0031】
第1~第3半導体チップ(210、220、230)は、フリップチップ方式によりインターポーザ基板100上に実装される。第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれは、連結バンプ260を介してインターポーザ基板100上に実装される。第1半導体チップ210はインターポーザ基板100と第1チップパッド213との間に配置された連結バンプ260を介してインターポーザ基板100に電気的及び物理的に連結され、第2半導体チップ220はインターポーザ基板100と第2チップパッド223との間に配置された連結バンプ260を介してインターポーザ基板100に電気的及び物理的に連結され、第3半導体チップ230はインターポーザ基板100と第3チップパッド233との間に配置された連結バンプ260を介してインターポーザ基板100に電気的及び物理的に連結される。
【0032】
第1~第3半導体チップ(210、220、230)は、同種の半導体チップであるか、又は異種の半導体チップである。一実施形態において、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のうちの一部はメモリチップであり、他の一部はロジックチップである。一実施形態において、第1半導体チップ210はロジックチップであり、第2及び第3半導体チップ(220、230)はメモリチップである。
【0033】
一実施形態において、メモリチップは、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)のような揮発性メモリチップであり、PRAM(Phase-change Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、又はRRAM(Resistive Random Access Memory)のような不揮発性半導体チップである。一実施形態において、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のうちの少なくとも1つは、垂直に積層された複数のHBM(High Bandwidth Memory)DRAMチップを含む。
【0034】
一実施形態において、ロジックチップは、人工知能半導体、マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、信号プロセッサ、ネットワークプロセッサ、チップセット、オーディオコーデック、ビデオコーデック、又はアプリケーションプロセッサを含む。
【0035】
第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれとインターポーザ基板100との間には、アンダーフィル層241が配置される。アンダーフィル層241は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれとインターポーザ基板100との隙間を充填し、連結バンプ260のそれぞれの側壁を取り囲む。アンダーフィル層241は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂に含有された無機フィラー及び/又は有機フィラーとを含む。アンダーフィル層241は、キャピラリーアンダーフィル(capillary under-fill)工程を介して形成される。
【0036】
モールディング層250は、インターポーザ基板100の上面上で第1~第3半導体チップ(210、220、230)を取り囲む。モールディング層250は、インターポーザ基板100の上面を覆い、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれの側壁を覆う。一実施形態において、モールディング層250は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の側壁を覆うが、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)を覆わない。一実施形態において、モールディング層250の上面は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)と同一平面上にある。例えば、モールディング層250は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂に含有された無機フィラー及び/又は有機フィラーとを含む。一実施形態において、モールディング層250は、エポキシモールドコンパウンド(epoxy mold compound:EMC)を含む。一部の実施形態において、アンダーフィル層241が省略され、モールディング層250は、モールドアンダーフィル工程を介して第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれとインターポーザ基板100との隙間を更に充填するように形成される。
【0037】
放熱部材400は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)を覆う。放熱部材400は、ヒートスラグ(heat slug)又はヒートシンク(heat sink)のような放熱板を含む。一実施形態において、放熱部材400は、金属材質からなる平板又は立体物である。一実施形態において、放熱部材400は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)を覆うトップカバー部と、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の側壁及びインターポーザ基板100の側壁を取り囲むサイドカバー部とを含む。放熱部材400のサイドカバー部は、放熱部材400のトップカバー部のエッジからパッケージ基板510の上面まで延びる。放熱部材400のサイドカバー部の下端は、パッケージ基板510に結合される。
【0038】
一実施形態において、放熱部材400は、放熱機能及び電磁波遮蔽機能を行うように構成される。放熱部材400は、パッケージ基板510の基板上部パッド513のうち、接地電圧を提供するように構成された基板上部パッド513に電気的及び物理的に連結される。
【0039】
熱伝導性接着層300は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)と放熱部材400との間に配置される。熱伝導性接着層300は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれと放熱部材400とを熱的及び物理的に結合させるように構成される。熱伝導性接着層300は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)及びモールディング層250の上面に沿って連続して延び、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)及びモールディング層250の上面を全体的に覆う。熱伝導性接着層300は、放熱部材400のトップカバー部の扁平な表面に接触する。熱伝導性接着層300は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)のそれぞれと放熱部材400との隙間を充填する。
【0040】
一実施形態において、熱伝導性接着層300は、電気的に不導体である。
【0041】
一実施形態において、モールディング層250の上面は、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)と同一平面上にあり、熱伝導性接着層300の厚み(即ち、垂直方向(例えば、Z方向)に沿う長さ)は全体的に均一である。
【0042】
熱伝導性接着層300は、硬化性樹脂を含む樹脂層310と、樹脂層310に含有された放熱フィラーとを含む。放熱フィラーは、樹脂層310内に概ね均一に分布する。放熱フィラーは、熱伝導性接着層300の熱伝導度を向上させるための添加物質である。
【0043】
一実施形態において、樹脂層310は、熱硬化性樹脂を含む。例えば、樹脂層310は、シリコン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル、ウレタン、ウレア、フェノール・ホルムアルデヒド、加硫ゴム、メラミン樹脂、ポリイミド、エポキシノボラック樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)、及びシアネートエステルを含むが、それらに限定されるものではない。一実施形態において、樹脂層310は、紫外線硬化樹脂のような光硬化性樹脂を含む。例えば、樹脂層310は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、及び不飽和アクリル樹脂を含むが、それらに限定されるものではない。
【0044】
熱伝導性接着層300は、液体金属(liquid metal)を含む第1放熱フィラー320を含む。例えば、第1放熱フィラー320は、ガリウム(Ga)、ガリウム合金、インジウム(In)、インジウム合金、スズ(Sn)、スズ合金、水銀(Hg)、水銀合金、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、熱伝導性接着層300は、ガリウム・インジウム合金を含む。
【0045】
一実施形態において、第1放熱フィラー320は、60℃以下、50℃以下、40℃以下、30℃以下、20℃以下、10℃以下、0℃以下、-10℃以下、-20℃以下、又は-30℃以下で液体状態である。
【0046】
一実施形態において、熱伝導性接着層300の総体積に対する第1放熱フィラー320の体積の割合として定義される第1放熱フィラー320の体積分率は、1%~90%、5%~85%、10%~80%、15%~80%、20%~75%、25%~70%、30%~65%、35%~60%、又は40%~55%である。
【0047】
熱伝導性接着層300は、第1放熱フィラー320の物質とは異なる物質を含む第2放熱フィラー330を含む。第2放熱フィラー330は、金属、金属化合物、セラミック、及び/又は炭素系物質を含む。例えば、第2放熱フィラー330は、銀、銀合金、銅、銅合金、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛、及び/又は亜鉛合金などを含む。例えば、第2放熱フィラー330は、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ(carbon nanotube:CNT)、NCTアレイ、グラフェン、及び/又は炭素を含有したコア・シェル(core-shell)複合体を含む。
【0048】
一実施形態において、第2放熱フィラー330の直径は、0.1μm~数百μmである。例えば、第2放熱フィラー330の直径は、0.1μm~200μmである。
【0049】
一実施形態において、第2放熱フィラー330は、平均粒子径及び/又は物質組成が互いに異なる2種以上の放熱フィラーを含む。例えば、第2放熱フィラー330は、第1平均粒子径を有する第1種の放熱フィラー、第2平均粒子径を有する第2種の放熱フィラー、及び第3平均粒子径を有する第3種の放熱フィラーを含む。第1平均粒子径、第2平均粒子径、及び第3平均粒子径は、それぞれ異なり、第1種の放熱フィラー、第2種の放熱フィラー、及び第3種の放熱フィラーは、それぞれ異なる物質又はそれぞれ異なる物質組成を有する。第2放熱フィラー330が、平均粒子径が互いに異なる2種以上の放熱フィラーを含むことにより、フィラーのパッキング密度が増加し、これにより熱伝導性接着層300は、相対的に低い接合ライン厚み(bond-line thickness)を有しつつも、相対的に高い熱伝導度を有する。
【0050】
一実施形態において、熱伝導性接着層300の熱伝導度は、常温(room temperature)で、2W/mK~100W/mK、10W/mK~90W/mK、20W/mK~80W/mK、又は30W/mK~70W/mKである。
【0051】
一実施形態において、熱伝導性接着層300の伸び率(elongation)は、常温で、5%~200%、10%~190%、20%~180%、30%~170%、40%~160%、50%~150%、60%~140%、70%~130%、又は80%~120%である。
【0052】
パッケージ基板510は、インターポーザ基板100の下側に配置される。パッケージ基板510は、ボード・インターポーザ間の連結バンプ183を介してインターポーザ基板100に電気的及び物理的に連結される。パッケージ基板510は、基板ベース511、並びに基板ベース511の上面及び下面にそれぞれ配置される基板上部パッド513及び基板下部パッド515を含む。一実施形態において、パッケージ基板510は、印刷回路基板である。例えば、パッケージ基板510は、マルチレイヤー印刷回路基板である。基板ベース511は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びポリイミドのうちから選択される少なくとも1つの物質からなる。基板上部パッド513にはボード・インターポーザ間の連結バンプ183が連結され、基板下部パッド515には外部装置と半導体パッケージ10とを電気的に連結するように構成された外部連結端子520が連結される。
【0053】
半導体パッケージ10は、インターポーザ基板100とパッケージ基板510との間に配置されたパッケージアンダーフィル層530を更に含む。パッケージアンダーフィル層530は、インターポーザ基板100とパッケージ基板510との隙間を充填してボード・インターポーザ間の連結バンプ183を取り囲む。例えば、パッケージアンダーフィル層530は、キャピラリーアンダーフィル工程を介して形成される。
【0054】
図2A図2Cは、本発明の一実施形態による半導体パッケージの第1例の製造方法を示す断面図である。以下、図2A図2Cを参照して、図1に示した半導体パッケージ10の製造方法について説明する。
【0055】
図2Aを参照すると、インターポーザ基板100、インターポーザ基板100上に実装された第1~第3半導体チップ(210、220、230)、及びインターポーザ基板100上で第1~第3半導体チップ(210、220、230)をモールディングするモールディング層250を含む構造体を準備する。構造体は、パッケージ基板510上に搭載される。第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)は、外部に露出する。
【0056】
図2Bを参照すると、熱界面物質(thermal interfacial material:TIM)フィルム300Fを準備し、準備されたTIMフィルム300Fを放熱部材400に付着する。TIMフィルム300Fは、図1を参照して説明した熱伝導性接着層300を形成するための構成要素である。熱伝導性接着層300は、TIMフィルム300Fに対する熱圧着工程を介して形成される。
【0057】
TIMフィルム300Fは、半硬化(semi-cured又はB-stage)状態の樹脂を含む樹脂層と、樹脂層に含有された放熱フィラーとを含む。TIMフィルム300Fの樹脂層は、上述の熱伝導性接着層300の樹脂層310の物質と同一物質を含む。TIMフィルム300Fに含まれる放熱フィラーは、上述の第1放熱フィラー320及び第2放熱フィラー330を含む。TIMフィルム300Fは、放熱フィラーが混合された樹脂を利用したドロップキャスティング(drop casting)工程を介してフィルム形態に製造される。TIMフィルム300Fは、放熱フィラーが混合された樹脂を第1硬化温度で仮硬化させて形成される。TIMフィルム300Fは、半硬化状態の樹脂を含むため、相対的に大きい流動性及び相対的に大きい濡れ性(wettability)を有する。
【0058】
一実施形態において、TIMフィルム300Fの粘性は、常温で、30Pa・s~300Pa・s、50Pa・s~280Pa・s、70Pa・s~260Pa・s、90Pa・s~240Pa・s、110Pa・s~220Pa・s、又は130Pa・s~200Pa・sである。
【0059】
一実施形態において、TIMフィルム300Fは、電気的に不導体である。
【0060】
図2Cを参照すると、放熱部材400を第1~第3半導体チップ(210、220、230)上に付着させる。TIMフィルム300Fは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれと放熱部材400との間に介在する。放熱部材400は、TIMフィルム300Fにより第1~第3半導体チップ(210、220、230)に仮固定される。また、放熱部材400は、パッケージ基板510に接合され、放熱部材400とパッケージ基板510との間にはソルダーのような導電性接着物質が介在し、放熱部材400とパッケージ基板510とを結合させる。
【0061】
図2C及び図1を参照すると、TIMフィルム300Fを利用して放熱部材400を第1~第3半導体チップ(210、220、230)に仮固定させた後、TIMフィルム300Fに対する熱圧着工程を遂行してTIMフィルム300Fに含まれる樹脂を完全硬化(full-cured)状態にする。例えば、TIMフィルム300Fに含まれる半硬化状態の樹脂は、硬化ソースから提供される熱901により完全硬化状態になる。TIMフィルム300Fに含まれる半硬化状態の樹脂は、第2硬化温度で処理されて完全硬化状態に変わる。このとき、第2硬化温度は、上述の第1硬化温度よりも高い。TIMフィルム300Fに含まれる樹脂が完全硬化状態になるにつれて、TIMフィルム300Fから熱伝導性接着層300が形成される。放熱部材400は、完全硬化状態の樹脂層310を含む熱伝導性接着層300により、第1~第3半導体チップ(210、220、230)に物理的に結合される。
【0062】
本発明の一実施形態によると、TIMフィルム300Fは、半硬化状態の樹脂を含む軟性(soft)材料であり、改善されたギャップフィル(gap fill)特性を有する。これにより、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれと放熱部材400との間のボイド(void)発生が抑制され、窮極的に第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれと放熱部材400との熱的結合及び物理的結合の信頼性がより向上する。
【0063】
また、本発明の一実施形態によると、TIMフィルム300Fから形成された熱伝導性接着層300は、液体金属で構成された放熱フィラーを含み、改善された熱伝導特性を有するため、放熱部材400及び熱伝導性接着層300を利用した半導体パッケージ10の放熱特性が向上する。
【0064】
図3は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ12の第2例を示す断面図である。以下、図1を参照して説明した半導体パッケージ10との相違点を中心に、図3に示す半導体パッケージ12について説明する。
【0065】
図3を参照すると、半導体パッケージ12において、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)は、それぞれ異なるレベルにある。例えば、第3半導体チップ230の上面239は第1半導体チップ210の上面219よりも高いレベルに位置し、第2半導体チップ220の上面229は第3半導体チップ230の上面239よりも高いレベルに位置する。即ち、第3半導体チップ230の上面239とインターポーザ基板100との垂直方向(例えば、Z方向)に沿う距離は第1半導体チップ210の上面219とインターポーザ基板100との垂直方向(例えば、Z方向)に沿う距離よりも大きく、第2半導体チップ220の上面229とインターポーザ基板100との垂直方向(例えば、Z方向)に沿う距離は第3半導体チップ230の上面239とインターポーザ基板100との垂直方向(例えば、Z方向)に沿う距離よりも大きい。
【0066】
熱伝導性接着層300aは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)のそれぞれと放熱部材400との隙間を充填する。熱伝導性接着層300aは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)及びモールディング層250の上面により提供された輪郭に沿って延び、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)のそれぞれと放熱部材400との隙間を完全に充填するように構成される。熱伝導性接着層300aは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のうちの少なくとも1つの側壁に接触する。
【0067】
第1半導体チップ210に重畳する熱伝導性接着層300aの第1部分は第1半導体チップ210の上面219から放熱部材400まで延びて第1半導体チップ210の上面219と放熱部材400との隙間を完全に充填し、第2半導体チップ220に重畳する熱伝導性接着層300aの第2部分は第2半導体チップ220の上面229から放熱部材400まで延びて第2半導体チップ220の上面229と放熱部材400との隙間を完全に充填し、第3半導体チップ230に重畳する熱伝導性接着層300aの第3部分は第3半導体チップ230の上面239から放熱部材400まで延びて第3半導体チップ230の上面239と放熱部材400との隙間を完全に充填する。
【0068】
熱伝導性接着層300aの厚み(即ち、垂直方向(例えば、Z方向)に沿う長さ)は、領域別にそれぞれ異なる。第1半導体チップ210の上面219は放熱部材400から垂直方向(例えば、Z方向)に第1距離で離隔され、第3半導体チップ230の上面239は放熱部材400から垂直方向(例えば、Z方向)に第1距離よりも小さい第3距離で離隔され、第2半導体チップ220の上面229は放熱部材400から垂直方向(例えば、Z方向)に第3距離よりも小さい第2距離で離隔される。この場合、第1半導体チップ210に重畳する熱伝導性接着層300aの第1部分は第1厚みを有し、第3半導体チップ230に重畳する熱伝導性接着層300aの第3部分は第1厚みよりも小さい第3厚みを有し、第2半導体チップ220に重畳する熱伝導性接着層300aの第2部分は第3厚みよりも小さい第2厚みを有する。
【0069】
上述のように、熱伝導性接着層300aは、半硬化状態の樹脂層を含むTIMフィルム(図2Cの300F)から形成される。TIMフィルム300Fは軟性材料であり、改善されたギャップフィル特性を有するため、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)が段差を有する場合にも、TIMフィルム300Fは、熱圧着工程の間に流動及び変形されて、第1~第3半導体チップ(210、220、230)のそれぞれと放熱部材400との隙間を完全に充填する。
【0070】
図4は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ14の第3例を示す断面図である。以下、図1を参照して説明した半導体パッケージ10との相違点を中心に、図4に示す半導体パッケージ14について説明する。
【0071】
図4を参照すると、半導体パッケージ14において、熱伝導性接着層300bは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)を覆い、且つ第1~第3半導体チップ(210、220、230)の側壁間の隙間を少なくとも部分的に充填する。一実施形態において、熱伝導性接着層300bは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)に沿って延びたトップフィル部(top fill portion)341と、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の側壁間の隙間を少なくとも部分的に充填するサイドフィル部(side fill portion)343とを含む。サイドフィル部343は、第1半導体チップ210の側壁、第2半導体チップ220の側壁、及び/又は第3半導体チップ230の側壁に沿って延びる。
【0072】
上述のように、熱伝導性接着層300bは、半硬化状態の樹脂層を含むTIMフィルム(図2Cの300F)から形成される。TIMフィルム300Fは、軟性材料であり、改善されたギャップフィル特性を有するため、TIMフィルム300Fは、熱圧着工程の間に流動及び変形されて第1~第3半導体チップ(210、220、230)の側壁間の隙間を少なくとも部分的に充填する。
【0073】
図5は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ16の第4例を示す断面図である。以下、図4を参照して説明した半導体パッケージ14との相違点を中心に、図5に示す半導体パッケージ16について説明する。
【0074】
図5を参照すると、半導体パッケージ16において、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)は、それぞれ異なるレベルにあり、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)のそれぞれと放熱部材400との距離は、それぞれ異なる。熱伝導性接着層300cは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)のそれぞれと放熱部材400との隙間を充填し、且つ第1~第3半導体チップ(210、220、230)の側壁間の隙間を少なくとも部分的に充填する。一実施形態において、熱伝導性接着層300cは、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の上面(219、229、239)に沿って延びたトップフィル部341と、第1~第3半導体チップ(210、220、230)の側壁間の隙間を少なくとも部分的に充填するサイドフィル部343とを含む。熱伝導性接着層300cは、半硬化状態の樹脂層を含むTIMフィルム(図2Cの300F)から形成される。
【0075】
図6は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ18の第5例を示す断面図である。以下、図1を参照して説明した半導体パッケージ10との相違点を中心に、図6に示す半導体パッケージ18について説明する。
【0076】
図6を参照すると、半導体パッケージ18において、第2半導体チップ220及びインターポーザ基板100はそれぞれパッケージ基板510上に実装され、第1半導体チップ210はインターポーザ基板100上に実装される。第2半導体チップ220は、パッケージ基板510上でインターポーザ基板100から側方向に離隔される。第2半導体チップ220は連結バンプ263を介してパッケージ基板510に物理的及び電気的に連結され、第2半導体チップ220とパッケージ基板510との間には、連結バンプ263を取り囲むアンダーフィル層533が配置される。インターポーザ基板100はボード・インターポーザ間の連結バンプ183を介してパッケージ基板510に物理的及び電気的に連結され、インターポーザ基板100とパッケージ基板510との間には、ボード・インターポーザ間の連結バンプ183を取り囲むアンダーフィル層531が配置される。第1半導体チップ210は、連結バンプ261を介してインターポーザ基板100に物理的及び電気的に連結される。インターポーザ基板100上には、第1半導体チップ210の側壁を取り囲んで第1半導体チップ210とインターポーザ基板100との隙間を充填するサブモールディング層251が配置される。例えば、サブモールディング層251は、EMCで形成される。
【0077】
半導体パッケージ18は、パッケージ基板510上で、第1半導体チップ210、第2半導体チップ220、及びインターポーザ基板100のそれぞれを少なくとも部分的に覆うモールディング層253を含む。モールディング層253は、第1半導体チップ210の側壁及び第2半導体チップ220の側壁を取り囲むが、第1半導体チップ210の上面219及び第2半導体チップ220の上面229は覆わない。例えば、モールディング層253は、EMCで形成される。
【0078】
熱伝導性接着層300dは、第1及び第2半導体チップ(210、220)の上面(219、229)のそれぞれと放熱部材400との間に配置され、第1及び第2半導体チップ(210、220)のそれぞれと放熱部材400とを熱的及び物理的に結合させる。熱伝導性接着層300dは、第1及び第2半導体チップ(210、220)の上面(219、229)及びモールディング層250の上面により提供された輪郭に沿って延び、第1及び第2半導体チップ(210、220)の上面(219、229)のそれぞれと放熱部材400との隙間を完全に充填するように構成される。
【0079】
一実施形態において、第1及び第2半導体チップ(210、220)の上面(219、229)は互いに異なるレベルにあり、第1及び第2半導体チップ(210、220)の上面(219、229)のそれぞれと放熱部材400との距離は互いに異なる。例えば、第1半導体チップ210の上面219と放熱部材400との垂直方向(例えば、Z方向)に沿う距離は、第2半導体チップ220の上面229と放熱部材400との垂直方向(例えば、Z方向)に沿う距離よりも小さい。この場合、第1半導体チップ210に重畳する熱伝導性接着層300dの第1部分は第1厚みを有し、第2半導体チップ220に重畳する熱伝導性接着層300dの第2部分は、第1厚みよりも大きい第2厚みを有する。
【0080】
上述のように、熱伝導性接着層300dは、半硬化状態の樹脂層を含むTIMフィルム(図2Cの300F)から形成される。TIMフィルム300Fは、軟性材料であり、改善されたギャップフィル特性を有するため、TIMフィルム300Fは、熱圧着工程の間に流動及び変形されて第1及び第2半導体チップ(210、220)のそれぞれと放熱部材400との隙間を完全に充填する。
【0081】
図7は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ20の第6例を示す断面図である。以下、上述の内容に重複する説明は省略又は簡略化する。
【0082】
図7を参照すると、下部半導体チップ240が連結バンプ244を介してパッケージ基板510上に実装され、インターポーザ基板630が下部半導体チップ240上に配置され、上部パッケージ650がインターポーザ基板630上に配置される。
【0083】
インターポーザ基板630は、ベース絶縁層631、ベース絶縁層631の上面上に提供された上部パッド633、ベース絶縁層631の下面上に提供された下部パッド635、及びベース絶縁層631を貫通して上部パッド633と下部パッド635とを電気的に連結する導電性ビアパターン637を含む。インターポーザ基板630は、例えば印刷回路基板を含む。
【0084】
パッケージ基板510上には、基板上部パッド513を露出させるための連結ホール614を有する下部モールディング層612が提供される。下部モールディング層612の連結ホール614には、基板間連結端子620が配置される。基板間連結端子620は、それぞれパッケージ基板510の基板上部パッド513からインターポーザ基板630の下部パッド635まで延びる。下部モールディング層612は、下部半導体チップ240の側壁を覆うが、下部半導体チップ240の上面を露出させる。即ち、下部モールディング層612は、下部半導体チップ240の上面を覆わない。
【0085】
上部パッケージ650は、パッケージ間連結端子640を介してインターポーザ基板630上に実装される。上部パッケージ650は、基板651、基板651上に搭載された上部半導体チップ(653、655)、基板651上で上部半導体チップ(653、655)を覆う上部モールディング層657、及び上部半導体チップ(653、655)のそれぞれと基板651とを電気的に連結する導電性ワイヤ659を含む。
【0086】
半導体パッケージ20は、インターポーザ基板630と下部半導体チップ240の上面との間に介在する熱伝導性接着層301を含む。熱伝導性接着層301は、上述のTIMフィルム(図2Cの300F)を利用して形成される。熱伝導性接着層301は、下部半導体チップ240の上面及びインターポーザ基板630の下面にそれぞれ接触する。一実施形態において、インターポーザ基板630は、熱伝導性接着層301に接触する放熱用導電層639を含む。放熱用導電層639は、放熱部材と称される。放熱用導電層639は、熱伝導性接着層301を介して下部半導体チップ240に熱的に結合される。下部半導体チップ240で発生した熱は、熱伝導性接着層301及びインターポーザ基板630の放熱用導電層639を介して放出される。
【0087】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
10、12、14、16、18、20 半導体パッケージ
100 インターポーザ基板
110 ベース層
120 再配線構造物
121 導電性再配線パターン
123 配線絶縁層
130、150 第1、第2下部保護層
140 下部導電性パッド
170 貫通電極
181 下部連結ピラー
183 ボード・インターポーザ間の連結バンプ
210、220、230 第1~第3半導体チップ
211、221、231 第1~第3半導体基板
213、223、233 第1~第3チップパッド
219、229、239 第1~第3半導体チップの上面
240 下部半導体チップ
241 アンダーフィル層
244、260、261、263 連結バンプ
250、253 モールディング層
251 サブモールディング層
260 連結バンプ
300、300a、300b、300c、300d、301 熱伝導性接着層
300F TIMフィルム 310 樹脂層
320、330 第1、第2放熱フィラー
341 トップフィル部(top fill portion)
343 サイドフィル部(side fill portion)
400 放熱部材
510 パッケージ基板
511 基板ベース
513 基板上部パッド
515 基板下部パッド
520 外部連結端子
530 パッケージアンダーフィル層
531、533 アンダーフィル層
612、657 下部、上部モールディング層
614 連結ホール
620 基板間連結端子
630 インターポーザ基板
631 ベース絶縁層
633、635 上部、下部パッド
637 導電性ビアパターン
639 放熱用導電層
640 パッケージ間連結端子
650 上部パッケージ
651 基板
653、655 上部半導体チップ
659 導電性ワイヤ
901 熱
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7