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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028140
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】安全手段付き遮断棒
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/00 20060101AFI20240222BHJP
   B65H 75/48 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
E01F13/00 301
B65H75/48 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115694
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0104128
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520320310
【氏名又は名称】エイエンエス デヴェロップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シン ドンアン
【テーマコード(参考)】
2D101
3F068
【Fターム(参考)】
2D101CA13
2D101EA05
2D101FA11
2D101FA25
2D101HA09
3F068AA01
3F068DA03
3F068FA07
3F068GA03
3F068GA07
3F068HA02
3F068HA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】引き出されたベルトが自動的に減速されてヘッド中のスプールに巻き付けられるようにする安全手段付き遮断棒を提供し、安全事故などの問題を解消する。
【解決手段】受け台に固定された支柱2と、支柱の上端に装着される円筒状のヘッドと、ヘッドに内蔵されたスプール4と、スプール4から引き出して隣設される遮断棒のヘッドに装着できるように巻り取られたベルト5と、スプールからベルト5が引き出されるときに引き出されたベルト5が使用後にスプールに自動的に巻き戻されるようにスプールに働くバネ6と、を備える遮断棒であって、バネ6の復元力によりベルト5がスプール4に巻き戻されるときにスプールに連動される上ハウジングに装着されたホルダーの溝に配設された球の遠心力によりホルダーが半径方向の外側に移動して上ハウジングの壁体の内側面と密着されてスプールの回転の減速によりベルトの巻き戻し速度が減速する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け台(1)に固定された支柱(2)と、前記支柱の上端に装着される円筒状のヘッド(3)と、前記ヘッド(3)に内蔵されたスプール(4)と、前記スプール(4)から引き出して隣設される遮断棒のヘッドに装着できるように巻り取られたベルト(5)と、前記スプールから前記ベルト(5)が引き出されるときに圧縮される弾性の復元力により引き出された前記ベルト(5)が使用後に前記スプールに自動的に巻き戻されるように前記スプールに働くバネ(6)と、を備える遮断棒において、
前記スプール(4)の上板(42)の上には上ハウジング(36)が配置され、前記スプールの回転時に前記上ハウジング(36)も前記スプールにつれて回転するように前記上板(42)の2つの係止部(45)が前記上ハウジング(36)に係合しており、
前記バネ(6)の復元力により前記ベルト(5)が前記スプール(4)に巻き戻されるときに前記ベルトの自由端部による事故の発生を防ぐように前記バネ(6)による前記スプールの回転を減速させるように前記上ハウジング(36)に配設された安全手段を備えることを特徴とする、安全手段付き遮断棒。
【請求項2】
前記安全手段は、前記上ハウジング(36)の内側の空間に配置され、それぞれ複数本の溝(38,38’)が形成された2つの分割された環状のホルダー(37,37’)と、それぞれの前記ホルダー(37,37’)の前記溝(38,38’)に配設された金属製の球(39,39')と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の安全手段付き遮断棒。
【請求項3】
前記バネ(6)の復元力により前記スプール(4)につれて回転する前記上ハウジング(36)の回転により、前記ホルダーの前記溝(38,38’)に配置された前記球(39,39’)の半径方向の外側への遠心力により2つの前記ホルダー(37,37’)も半径方向の外側に互いに遠ざかるように移動しつつ、それぞれ前記上ハウジング(36)の壁体の内側面と密着されることにより、前記上ハウジング(36)と連結された前記スプール(4)の回転が減速され、引き出された前記ベルト(5)が巻き戻される速度も減速されることを特徴とする、請求項2に記載の安全手段付き遮断棒。
【請求項4】
前記スプール(4)の前記上板(42)の上に中心軸部(43)の突出端部(43’)が突出しており、前記スプール(4)の前記上板(42)の上には前記上ハウジング(36)が配置され、前記上板(42)の上に突出した前記中心軸部(43)の前記突出端部(43’)は、前記上ハウジング(36)の上に配設された蓋体(44)の中心部から下方に向かって延びたボス(44’)の中に嵌め込まれていて、前記スプールの回転時に前記上ハウジング(36)も前記スプールにつれて回転するようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の安全手段付き遮断棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全手段付き遮断棒に関し、特に、ヘッドのハウジングから引き出されたガイドベルトがヘッドのハウジング中のスプールに巻き戻されるときの速度を減速させて周りの人々の怪我や遮断棒のヘッドの損傷を防ぐように安全手段を備えて改善された遮断棒に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遮断棒は、各種の工事場、作業現場の外部人の出入を制限したり、催し場や行事場などにおいて人々が定められた移動経路を通じて移動するようにガイドしたりして安全事故の発生を防ぎ、秩序を維持するために用いている。
【0003】
このような遮断棒は、地面に配置される受け台の上に支持棒が連結され、前記支持棒の上端に配設されたヘッドに内蔵されたベルトを人々の通行ガイド手段として引き出すようになっている。
【0004】
このような遮断棒の例として、韓国公開実用新案第20-2011-0010503号公報(公開日:2011年11月09日)には、下端の受け台に支持される支持棒と、前記支持棒の上端に連結固定されるベルトハウジングを有する遮断棒本体と、前記ベルトハウジングの内部に回転可能に設けられる巻取ドラムと、前記巻取ドラムに巻き取られて前記遮断棒本体から引き出し可能なように設けられる遮断ベルト及び前記巻取ドラムに対して遮断ベルトの巻取方向に巻取力を生じさせる巻取力発生手段を備える安全遮断棒において、前記巻取力発生手段が、前記ベルトハウジングの内側に上下に設けられて引き出される前記遮断ベルトの巻取力を補強できるようにする上下一対のスパイラルバネとして配備されるものであり、前記遮断棒本体には前記ベルトハウジングに結合される上下ケースが形成され、前記上ケースには上部面に突出した連結周縁部が形成され、前記連結周縁部の上側に結合されてスイッチとして働く警報手段がさらに配備されることを特徴とする安全遮断棒が開示されている。
【0005】
このような遮断棒の他の例としては、韓国登録特許第10-1193901号公報(登録日:2012年10月17日)に開示された遮断棒用ベルトハウジング及びその製造方法が挙げられる。
【0006】
しかしながら、上記の従来の技術においては、遮断棒から引き出されたベルトが隣り合う遮断棒のヘッドに嵌入されて通行ガイド手段として用いられた後に、隣り合う遮断棒からベルトの端部が抜き外されるとき、巻取力発生手段としてのバネの復元力によりベルトがいきなり巻き戻されてしまう過程において、ベルトとその端部に配設されたつまみにより遮断棒の隣や近くにいる人々が怪我をしたり車両または備品などが損傷されたりする虞があるという問題があり、これにより、ベルトが巻き戻されるときに安全手段が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開実用新案第20-2011-0010503号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1193901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記の従来の遮断棒が抱えている問題を解決するために、引き出されたベルトが遮断棒の支持棒の上端に配設されたヘッド中に巻き戻されるときにベルトの速度が自動的に減速されてヘッド中のスプールに巻き付けられるようにする安全手段付き遮断棒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明による安全手段付き遮断棒は、受け台に固定された支柱と、前記支柱の上端に装着される円筒状のヘッドと、前記ヘッドに内蔵されたスプールと、前記スプールから引き出して隣設される遮断棒のヘッドに装着できるように巻り取られたベルトと、前記スプールからベルトが引き出されるときに圧縮される弾性の復元力により引き出されたベルトが使用後にスプールに自動的に巻き戻されるようにスプールに働くバネと、を備える遮断棒において、前記スプールの上板の上には上ハウジングが配置され、スプールの回転時に上ハウジングもスプールにつれて回転するように上板の2つの係止部が上ハウジングに係合しており、前記バネの復元力によりベルトがスプールに巻き戻されるときにベルトの自由端部による事故の発生を防ぐようにバネによるスプールの回転を減速させるように前記上ハウジングに配設された安全手段を備えることを特徴として構成される。
【0010】
前記安全手段は、上ハウジングの内側の空間に配置され、それぞれ複数本の溝が形成された2つの分割された環状のホルダーと、それぞれの前記ホルダーの溝に配設された金属製の球と、を備える。
【0011】
前記バネの復元力によりスプールにつれて回転する上ハウジングの回転により、ホルダーの溝に配置された球の半径方向の外側への遠心力により2つのホルダーも半径方向の外側に互いに遠ざかるように移動しつつ、それぞれ上ハウジングの壁体の内側面と密着されることにより、上ハウジングと連結されたスプールの回転が減速され、引き出されたベルトが巻き戻される速度も減速される。
【0012】
また、前記スプールの上板の上に中心軸部の突出端部が突出しており、前記スプールの上板の上には上ハウジングが配置され、上板の上に突出した中心軸部の突出端部は、上ハウジングの上に配設された蓋体の中心部から下方に向かって延びたボスの中に嵌め込まれていて、スプールの回転時に上ハウジングもスプールにつれて回転するようになっている。
【発明の効果】
【0013】
スプールに連動される上ハウジングに装着されたホルダーの溝に配設された球の遠心力によりホルダーが半径方向の外側に移動して上ハウジングの壁体の内側面と密着されてスプールの回転の減速によりベルトの巻き戻し速度が減速されて、従来、ベルトがスプールに巻き戻されるときに自由端部により起こる安全事故などの問題が解消されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による遮断棒の概略斜視図。
図2図1の遮断棒のヘッドの概略分解斜視図。
図3図1の遮断棒のヘッドの概略断面図。
図4図1の遮断棒のヘッドにおいて、ベルトが引き出された状態を示す断面図。
図5図1の遮断棒において、ベルトを引き出して隣設された遮断棒に端部を嵌入して用いた後、ヘッドに配設されたバネの復元力によりベルトが巻き戻されることを示す概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態を示している添付図面に基づいて、本発明をさらに詳述する。
【0016】
図1から図3において、本発明による安全手段付き遮断棒は、受け台1に固定された支柱2と、前記支柱の上端に装着される円筒状のヘッド3と、前記ヘッド3に内蔵されたスプール4と、前記スプール4から引き出して隣設される遮断棒のヘッドに装着できるように巻き取られたベルト5と、前記スプールからベルト5が引き出されるときに圧縮される弾性の復元力により引き出されたベルト5が使用後にスプールに自動的に巻き戻されるようにスプールに働くバネ6及び前記バネ6の復元力によりベルト5がスプール4に巻き戻されるときにベルトの自由端部による事故の発生を防ぐようにスプールを減速させる安全手段を備える。
【0017】
前記支柱2の上端には凹溝状を呈するように支持板21が形成されており、ヘッド3の下端に結合された嵌入部31が前記支持板21にボルト22により締め付けられてヘッド3が支柱2の上端に装着される。
【0018】
前記ヘッド3は、円筒状の側面に複数の個所において切り欠かれた切り欠き部32が形成されており、その切り欠き部32には引出口331が形成されたプレート33がスクリューにより装着されて前記引出口331を介してベルト5が引き出され、ベルトの端部には前記引出口331を介してヘッドの内部に入り込まないように引出口331よりも広い幅を有するつまみ部51が固定されている。
【0019】
前記ヘッド3の下部にはバネを収容する下ハウジング34がその外側面がハウジングの内側面に密着され、下ハウジングの側壁の下端がヘッド3の下部の内側から突出した支持爪35に配置されて固定され、下ハウジング34の中心に孔341が形成されてスプール4の下板41の底面から下方に向かって突出した突出端部41’が回転可能に嵌入される。
【0020】
前記下ハウジング34の底板342は側壁の上端よりも低く形成されて、形成される凹溝343に時計のぜんまいのようなスパイラルバネ状を呈するバネ6が配置され、前記バネ6の一方の端はスプール4の下板41の突出端部41’に固定され、他方の端は下ハウジング34の側壁に固定されることにより、後述するように、ベルト5を利用者が引き出すことに伴って回転するスプールによりバネ6が弾性的に巻き付けられて繰り出される方向への弾性の復元力を有することになって、ベルト5が巻き戻されるようにする。
【0021】
前記スプール4は、中心軸部43の下端と上端にそれぞれ下板41と上板42が一体に形成されて、前記中心軸部にベルト5が巻き取られ、前記ベルトの一方の端部が中心軸部43に固定され、他方の端部は、前述したように、ヘッドに形成された引出口331を介して外側に配置される。
【0022】
前記スプール4の上板42の上面には直径方向に対向している位置に2つの係止部45が突設されており、上板42の上に中心軸部43の突出端部43’が突出している。
【0023】
前記スプール4の上板42の上には上ハウジング36が配置され、上板42の2つの係止部45が上ハウジング36の外側面に係合しており、上板42の上に突出した中心軸部43の突出端部43’は上ハウジング36の上に配設された蓋体44の中心部から下方に向かって延びたボス44’の中に嵌め込まれていて、スプールの回転時に上ハウジング36もスプールにつれて回転する。
【0024】
前記スプール4の上板42の上面には、上ハウジング36の内側の空間において2つの分割された環状のホルダー37、37’が配置され、それぞれのホルダーには複数本、図示の実施形態においては3本の溝38、38’が形成されており、それぞれの溝38、38’には溝の直径よりも小さな直径を有する金属製の球39、39’が配置される。前記ホルダー37、37’は、上ハウジング36の内側の空間と上板42の上において半径方向に内側と外側に遊動できるように所定の空隙が形成されている。
【0025】
これにより、バネ6の復元力によりスプール4が回転しながら引き出されたベルト5が巻き戻されるとき、スプール4の上板42に形成された係止部45と突出端部41’により係合した上ハウジング36が回転するにつれて、ホルダー37、37’がつれて回転する。このとき、ホルダーの溝38、38’に配置された球39、39’により働く半径方向の外側への遠心力により2つのホルダー37、37’も半径方向の外側に互いに遠ざかるように移動しつつ、それぞれ上ハウジング36の壁体の内側面と密着されることにより、上ハウジング36と連結されたスプール4の回転が減速され、したがって、スプール4に巻き戻されるベルト5の速度も減速される。
【0026】
これにより、本発明により安全手段としてスプールに連動される上ハウジングに装着されたホルダーの溝に配設された球の遠心力によりホルダーが半径方向の外側に移動して上ハウジングの壁体の内側面と密着されてスプールの回転の減速によりベルトの巻き戻し速度が減速されて、従来、ベルトがスプールに巻き戻されるときに自由端部により起こる安全事故などの問題が解消される。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、工事場、作業現場の外部人の出入を制限したり、催し場や行事場などにおいて人々の移動経路をガイドしたりして安全事故の発生を防ぎ、秩序を維持するための遮断棒におけるベルトの巻き戻しの際に起こる安全事故の発生の防止に利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1:受け台
2:支柱
3:ヘッド
4:スプール
5:ベルト
6;バネ
36:上ハウジング
37、37’:ホルダー
38、38’:溝
39、39’:球
42:上板
45:係止部
図1
図2
図3
図4
図5