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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028143
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】キャパシタ部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/35 20060101AFI20240222BHJP
   H01G 4/33 20060101ALI20240222BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01G4/35 321
H01G4/33 102
H01G4/30 544
H01G4/30 541
【審査請求】未請求
【請求項の数】39
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116741
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0102849
(32)【優先日】2022-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハン
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミン チェオル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ス ボン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB02
5E001AC09
5E001AF06
5E001AG01
5E082AB08
5E082EE05
5E082EE23
5E082EE37
5E082EE39
5E082FG03
5E082FG27
5E082FG42
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082HH47
5E082JJ02
5E082JJ12
5E082JJ23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ワイヤ状の単位素子を用いて小型化及び高容量化に有利なキャパシタ部品を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品は、第1中心電極111、第1中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1中心誘電体112、第1中心誘電体を第1方向に垂直な方向に囲む第1外側電極113及び第1外側電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1外側誘電体114を含む第1単位素子110と、第2中心電極121、第2中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第2中心誘電体122、第2中心誘電体を第1方向に垂直な方向に囲む第2外側電極123及び第2外側電極を第1方向に垂直な方向に囲む第2外側誘電体を含む第2単位素子120と、第1方向に垂直な方向に並んで配置された第1単位素子及び第2単位素子を含む容量形成部を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1中心電極、前記第1中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1中心誘電体、前記第1中心誘電体を前記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側電極、及び前記第1外側電極を前記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側誘電体を含む第1単位素子と、
第2中心電極、前記第2中心電極を前記第1方向に垂直な方向に囲む第2中心誘電体、前記第2中心誘電体を前記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側電極、及び前記第2外側電極を前記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側誘電体を含む第2単位素子と、
前記第1方向に垂直な方向に並んで配置された前記第1単位素子及び前記第2単位素子を含む容量形成部を含み、前記第1方向に向かい合う第1面及び第2面を含む本体と、
前記第1面上に配置され、前記第1中心電極及び前記第2外側電極と連結される第1外部電極と、
前記第2面上に配置され、前記第2中心電極及び前記第1外側電極と連結される第2外部電極と、を含む、キャパシタ部品。
【請求項2】
前記第1中心電極及び前記第2外側電極は、前記第1面から突出し、
前記第2中心電極及び前記第1外側電極は、前記第2面から突出する、請求項1に記載のキャパシタ部品。
【請求項3】
前記第1外部電極と前記第1面との間には、前記第2中心電極及び前記第1外側電極を覆う第1絶縁膜が配置され、
前記第2外部電極と前記第2面との間には、前記第1中心電極及び前記第2外側電極を覆う第2絶縁膜が配置される、請求項2に記載のキャパシタ部品。
【請求項4】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子は、円形、楕円形、不定形及び多角形のうち一つであり、
前記第2単位素子は、円形、楕円形、不定形及び多角形のうち一つである、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項5】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子は多角形であり、
前記第2単位素子は多角形である、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項6】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子の一辺は、前記第2単位素子の一辺と向かい合って接するように配置される、請求項5に記載のキャパシタ部品。
【請求項7】
互いに向かい合って接する前記第1単位素子の一辺と前記第2単位素子の一辺は実質的に同じ長さである、請求項6に記載のキャパシタ部品。
【請求項8】
互いに隣接した前記第1単位素子及び前記第2単位素子を単位容量部とするとき、
前記第1方向に垂直な断面において、前記単位容量部は四角形である、請求項5に記載のキャパシタ部品。
【請求項9】
前記容量形成部は、前記第1単位素子及び前記第2単位素子をそれぞれ複数個含み、
前記複数個の第1単位素子及び第2単位素子は、前記第1方向に垂直な第2方向に交互に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項10】
前記第1中心電極及び前記第2外側電極は、前記第1面と連結され、前記第2面とは離隔して配置され、
前記第2中心電極及び前記第1外側電極は、前記第2面と連結され、前記第1面とは離隔して配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項11】
前記第2中心電極及び前記第1外側電極が前記第1面と離隔した空間には、第1絶縁膜が配置され、
前記第1中心電極及び前記第2外側電極が前記第2面と離隔した空間には、第2絶縁膜が配置される、請求項10に記載のキャパシタ部品。
【請求項12】
前記第1外部電極と前記第1面との間には、第1連結電極が配置され、
前記第2外部電極と前記第2面との間には、第2連結電極が配置される、請求項11に記載のキャパシタ部品。
【請求項13】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、めっき層またはスパッタリング層である、請求項12に記載のキャパシタ部品。
【請求項14】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、実質的に金属からなる、請求項12に記載のキャパシタ部品。
【請求項15】
前記本体は、前記容量形成部を前記第1方向に垂直な方向に囲むモールディング部をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項16】
前記本体は、前記容量形成部を囲むモールディング部をさらに含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記モールディング部上に配置され、
前記第1中心電極及び前記第2外側電極は、前記モールディング部から突出して前記第1外部電極と連結され、
前記第2中心電極及び前記第2外側電極は、前記モールディング部から突出して前記第2外部電極と連結される、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項17】
前記第1中心電極及び前記第2外側電極に含まれた金属は、前記第2中心電極及び前記第1外側電極に含まれた金属とは異なる金属である、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項18】
前記第1中心電極、前記第2中心電極、前記第1外側電極及び前記第2外側電極は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、銀(Ag)及び金(Au)のうち一つ以上を含み、
前記第1中心電極及び前記第2外側電極に含まれた金属は、前記第2中心電極及び前記第1外側電極に含まれた金属とは異なる金属である、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項19】
前記第1中心誘電体及び前記第2中心誘電体は、前記第1外側誘電体及び前記第2外側誘電体とは異なる誘電体物質を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項20】
前記第1単位素子の前記第1方向の大きさは、前記第1方向に垂直な断面において、前記第1単位素子の最大の大きさより10倍以上大きく、
前記第2単位素子の前記第1方向の大きさは、前記第1方向に垂直な断面において、前記第2単位素子の最大の大きさより10倍以上大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項21】
前記第1単位素子を前記第1方向に垂直な方向に切断した断面において、前記第1中心電極、前記第1中心誘電体、前記第1外側電極及び前記第1外側誘電体の外辺がなす形状は実質的に同一であり、
前記第2単位素子を前記第1方向に垂直な方向に切断した断面において、前記第2中心電極、前記第2中心誘電体、前記第2外側電極及び前記第2外側誘電体の外辺がなす形状は実質的に同一である、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項22】
前記容量形成部は、前記第1単位素子及び前記第2単位素子をそれぞれ複数個含み、
前記複数個の第1単位素子及び第2単位素子は、前記第1方向に垂直な第2方向に交互に配置され、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に交互に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項23】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子は多角形であり、
前記第2単位素子は多角形である、請求項22に記載のキャパシタ部品。
【請求項24】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子の一辺は、前記第2単位素子の一辺と向かい合って接するように配置され、前記第1単位素子の全ての辺は、他の第1単位素子の一辺とは向かい合って接しないように配置される、請求項23に記載のキャパシタ部品。
【請求項25】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記容量形成部の外辺を構成する辺を除いた前記第1単位素子の一辺は、前記第2単位素子の一辺と向かい合って接するように配置され、
前記容量形成部の外辺を構成する辺を除いた前記第2単位素子の一辺は、前記第1単位素子の一辺と向かい合って接するように配置される、請求項23に記載のキャパシタ部品。
【請求項26】
互いに向かい合って接する前記第1単位素子の一辺と前記第2単位素子の一辺とは実質的に同じ長さである、請求項25に記載のキャパシタ部品。
【請求項27】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子及び前記第2単位素子は三角形である、請求項23に記載のキャパシタ部品。
【請求項28】
互いに隣接した前記第1単位素子及び前記第2単位素子を単位容量部とするとき、
前記第1方向に垂直な断面において、前記単位容量部は四角形である、請求項23に記載のキャパシタ部品。
【請求項29】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子及び前記第2単位素子は四角形である、請求項23に記載のキャパシタ部品。
【請求項30】
第1中心電極、前記第1中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1中心誘電体、前記第1中心誘電体を前記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側電極、及び前記第1外側電極を前記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側誘電体を含む第1単位素子と、
第2中心電極、前記第2中心電極を前記第1方向に垂直な方向に囲む第2中心誘電体、前記第2中心誘電体を前記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側電極、及び前記第2外側電極を前記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側誘電体を含む第2単位素子と、
前記第1方向に垂直な方向に並んで配置された前記第1単位素子及び前記第2単位素子を含む容量形成部を含み、前記第1方向に向かい合う第1面及び第2面を含む本体と、
前記第1面上に配置され、前記第1中心電極及び前記第2外側電極と連結される第1外部電極と、
前記第2面上に配置され、前記第2中心電極及び前記第1外側電極と連結される第2外部電極と、を含み、
前記第1外側誘電体及び前記第2外側誘電体は、少なくとも一部が接するように配置されて一つの外側誘電体を構成する、キャパシタ部品。
【請求項31】
前記第1中心電極及び前記第2外側電極は、前記第1面から突出し、
前記第2中心電極及び前記第1外側電極は、前記第2面から突出する、請求項30に記載のキャパシタ部品。
【請求項32】
前記第1外部電極と前記第1面との間には、前記第2中心電極及び前記第1外側電極を覆う第1絶縁膜が配置され、
前記第2外部電極と前記第2面との間には、前記第1中心電極及び前記第2外側電極を覆う第2絶縁膜が配置される、請求項30に記載のキャパシタ部品。
【請求項33】
前記第1方向に垂直な断面において、
前記第1単位素子は多角形であり、
前記第2単位素子は多角形である、請求項30に記載のキャパシタ部品。
【請求項34】
互いに隣接した前記第1単位素子及び前記第2単位素子を単位容量部とするとき、
前記第1方向に垂直な断面において、前記単位容量部は四角形である、請求項33に記載のキャパシタ部品。
【請求項35】
前記第1中心電極及び前記第2外側電極は前記第1面と連結され、前記第2面とは離隔して配置され、
前記第2中心電極及び前記第1外側電極は前記第2面と連結され、前記第1面とは離隔して配置される、請求項30から34のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項36】
前記第2中心電極及び前記第1外側電極が前記第1面と離隔した空間には、第1絶縁膜が配置され、
前記第1中心電極及び前記第2外側電極が前記第2面と離隔した空間には、第2絶縁膜が配置される、請求項35に記載のキャパシタ部品。
【請求項37】
前記本体は、前記容量形成部を前記第1方向に垂直な方向に囲むモールディング部をさらに含む、請求項30から34のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項38】
前記第1中心電極及び前記第2外側電極に含まれた金属は、前記第2中心電極及び前記第1外側電極に含まれた金属とは異なる金属である、請求項30から34のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項39】
前記容量形成部は、前記第1単位素子及び前記第2単位素子をそれぞれ複数個含み、
前記複数個の第1単位素子及び第2単位素子は、前記第1方向に垂直な第2方向に交互に配置され、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に交互に配置される、請求項30から34のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、小さい体積に高い容量を有するチップ型の電子部品に対する需要が高まっている。よって最近、IT製品の小型化及び高機能化に応じて、IT製品に入るキャパシタも小型化及び高容量化が求められている。
【0003】
このような流れに合わせて積層型キャパシタ(MLCC、Multilayered Ceramic Capacitor)は、誘電率の高い誘電体を開発するとともに、誘電体と内部電極の薄層化を深化させる方向に発展している。
【0004】
しかし、積層型キャパシタは、薄層化に伴うBDV(Breakdown voltage:破壊電圧)の低下及び面積層方式が有する構造的な容量限界により、現在の単位体積当たりの容量の限界点に近接した状況である。
【0005】
かかる問題点を解消するために様々な形態のキャパシタが開発されており、一例として、ワイヤ状の単位素子を用いたキャパシタが開発されている。ワイヤ状の単位素子は、金属ワイヤ上に誘電体及び金属が交互にコーティングされた形態を有し、このような単位素子を複数個含むことで、キャパシタの単位体積当たりの容量を向上させようとする研究が進行中である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-1738060号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の様々な目的の一つは、ワイヤ状の単位素子を用いて小型化及び高容量化に有利なキャパシタ部品を提供することである。
【0008】
但し、本発明の目的は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるキャパシタ部品は、第1中心電極、上記第1中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1中心誘電体、上記第1中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側電極、及び上記第1外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側誘電体を含む第1単位素子と、第2中心電極、上記第2中心電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2中心誘電体、上記第2中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側電極、及び上記第2外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側誘電体を含む第2単位素子と、上記第1方向に垂直な方向に並んで配置された第1及び第2単位素子を含む容量形成部を含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面を含む本体と、上記本体の第1面上に配置され、上記第1中心電極及び第2外側電極と連結される第1外部電極と、上記本体の第2面上に配置され、上記第2中心電極及び第1外側電極と連結される第2外部電極と、を含むことができる。
【0010】
本発明の一実施形態によるキャパシタ部品は、第1中心電極、上記第1中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1中心誘電体、上記第1中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側電極、及び上記第1外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側誘電体を含む第1単位素子と、第2中心電極、上記第2中心電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2中心誘電体、上記第2中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側電極、及び上記第2外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側誘電体を含む第2単位素子と、上記第1方向に垂直な方向に並んで配置された第1及び第2単位素子を含む容量形成部を含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面を含む本体と、上記本体の第1面上に配置され、上記第1中心電極及び第2外側電極と連結される第1外部電極と、上記本体の第2面上に配置され、上記第2中心電極及び第1外側電極と連結される第2外部電極と、を含み、上記第1外側誘電体と第2外側誘電体は、少なくとも一部が接するように配置されて一つの外側誘電体を構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の様々な効果の一つとして、一つの単位素子の内部でキャパシタンスを発生させるだけでなく、隣接した単位素子間にもキャパシタンスを発生させることができる構造を確保することによって、小型化及び高容量化に有利なキャパシタ部品を提供することができる。
【0012】
但し、本発明の多様でありながら有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例によるキャパシタ部品を概略的に示した斜視図である。
図2】キャパシタ部品の本体を概略的に示した斜視図である。
図3】本体の第1面に露出した第1及び第2単位素子の拡大斜視図である。
図4】本体の第2面に露出した第1及び第2単位素子の拡大斜視図である。
図5図1のI-I'線に沿った断面図である。
図6図1のII-II'線に沿った断面図である。
図7】(a)は、第1単位素子の一部を分解して示した図面であり、(b)は、第2単位素子の一部を分解して示した図面である。
図8】一変形例であり、第1及び第2単位素子がそれぞれ複数個である実施例に関する図2に対応する図面である。
図9】一変形例であり、第1及び第2単位素子がそれぞれ複数個である実施例に関する図6に対応する図面である。
図10】一変形例であり、第1及び第2単位素子の断面が三角形である実施例に関する図6に対応する図面である。
図11】一変形例であり、第1及び第2単位素子の断面が円形である実施例に関する図6に対応する図面である。
図12】一変形例であり、第1及び第2単位素子が負極形態を有する実施例に関する図5に対応する図面である。
図13】一変形例であり、第1及び第2連結電極をさらに含む実施例に関する図5に対応する図面である。
図14】発明例の容量形成部の断面図を示した図面である。
図15】比較例1の容量形成部の断面図を示した図面である。
図16】発明例及び比較例1の単位素子の面積に応じた容量を示したグラフである。
図17】比較例2の容量形成部の断面図を示した図面である。
図18】発明例及び比較例2の単位素子の面積に応じた容量を示したグラフである。
図19】第1単位素子の斜視図である。
図20】第2単位素子の斜視図である。
図21】第1及び第2単位素子を配置して形成された容量形成部の斜視図である。
図22】容量形成部にモールディング部を形成した後の斜視図である。
図23】第1エッチング工程後の本体に対する斜視図である。
図24】第2エッチング工程後の本体に対する斜視図である。
図25】絶縁膜を形成した後の本体に対する斜視図である。
図26】一変形例であり、第1外側誘電体と第2外側誘電体が一つの外側誘電体を構成する実施例に関する図6に対応する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、具体的な実施形態及び添付された図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0015】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0016】
図面において、第1方向は長さ(L)方向、第2方向は厚さ(T)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0017】
図1は、本発明の一実施例によるキャパシタ部品を概略的に示した斜視図であり、図2は、キャパシタ部品の本体を概略的に示した斜視図であり、図3は、本体の第1面に露出した第1及び第2単位素子の拡大斜視図であり、図4は、本体の第2面に露出した第1及び第2単位素子の拡大斜視図であり、図5は、図1のI-I'線に沿った断面図であり、図6は、図1のII-II'線に沿った断面図であり、図7の(a)は、第1単位素子の一部を分解して示した図面であり、(b)は、第2単位素子の一部を分解して示した図面である。
【0018】
図1図7を参照すると、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品1000は、第1中心電極111、上記第1中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1中心誘電体112、上記第1中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側電極113、及び上記第1外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側誘電体114を含む第1単位素子110と、第2中心電極121、上記第2中心電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2中心誘電体122、上記第2中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側電極123、及び上記第2外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側誘電体124を含む第2単位素子120と、上記第1方向に垂直な方向に並んで配置された第1及び第2単位素子110、120を含む容量形成部Acを含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面1、2を含む本体100と、上記第1面上に配置され、上記第1中心電極111及び第2外側電極123と連結される第1外部電極200と、上記第2面上に配置され、上記第2中心電極121及び第1外側電極113と連結される第2外部電極300と、を含むことができる。
【0019】
積層型キャパシタ(MLCC、Multilayered Ceramic Capacitor)は、誘電率の高い誘電体を開発するとともに、誘電体と内部電極の薄層化を深化させる方向に発展している。しかし、積層型キャパシタは、薄層化に伴うBDV(Breakdown voltage:破壊電圧)の低下及び面積層方式が有する構造的な容量限界により、現在の単位体積当たりの容量の限界点に近接した状況である。
【0020】
かかる問題点を解消するために様々な形態のキャパシタが開発されており、一例として、ワイヤ状の単位素子を用いたキャパシタが開発されている。ワイヤ状の単位素子は、金属ワイヤ上に誘電体及び金属が交互にコーティングされた形態を有し、このような単位素子を複数個含むことで、キャパシタの単位体積当たりの容量を向上させる構造である。
【0021】
しかし、単に単位素子を複数個含ませる場合、単位素子の内部でキャパシタンスが発生し、単位素子間にはキャパシタンスが発生しないため、容量向上に限界点が存在する。
【0022】
一方、本発明の一実施例によると、第1単位素子110の外側電極113と第2単位素子120の外側電極123が異なる極性を有することができる構造を有するにつれて、第1単位素子110及び第2単位素子120の各内部でキャパシタンスを発生させるだけでなく、第1及び第2単位素子110、120間にもキャパシタンスを発生させることができ、単位体積当たりの容量を最大化することができる。
【0023】
以下、本発明の一実施例によるキャパシタ部品1000に含まれる各構成についてより詳細に説明する。
【0024】
本体100は、第1方向に垂直な方向に並んで配置された第1及び第2単位素子110、120を含む容量形成部Acを含む。本体100の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体100は六面体状やこれと類似した形状からなることができる。
【0025】
本体100は、第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、第1~第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面5、6を含むことができる。
【0026】
一実施例において、本体100は、容量形成部Acを第1方向に垂直な方向に囲むモールディング部130を含むことができる。モールディング部130は、容量形成部Acの側面を覆うことができる。モールディング部130は、外部の衝撃や異物などから本体110の内部を保護する役割を果たすことができる。但し、後述するように外側誘電体114、124が外部の衝撃や異物などから本体110の内部を保護する役割を果たすこともできるため、モールディング部130は配置されないことができる。
【0027】
モールディング部130は、例えば、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiOxまたはSiNxを含むことができる。
【0028】
モールディング部130は、例えば、液状の絶縁樹脂を塗布するか、絶縁フィルムを積層するか、気相蒸着などで形成されることができる。絶縁フィルムの場合、感光性絶縁樹脂を含むドライフィルム(DF)、感光性絶縁樹脂を含まないABF(Ajinomoto Build-up Film)またはポリイミドフィルムなどを用いることができる。
【0029】
一実施例において、上記本体は上記容量形成部を囲むモールディング部をさらに含み、上記第1及び第2外部電極は上記モールディング部上に配置され、上記第1中心電極及び第2外側電極は上記モールディング部から突出して上記第1外部電極と連結され、上記第2中心電極及び第1外側電極は上記モールディング部から突出して上記第2外部電極と連結されることができる。すなわち、突出した中心電極及び外側電極を除いた本体の外表面がモールディング部で構成されることができる。これにより、外部の衝撃や異物などから本体110の内部をさらに保護することができ、別途の絶縁膜を配置しなくても電気的短絡を防止することができる。
【0030】
第1単位素子110は、第1中心電極111、上記第1中心電極を第1方向に垂直な方向に囲む第1中心誘電体112、上記第1中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側電極113、及び上記第1外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第1外側誘電体114を含むことができる。第2単位素子120は、第2中心電極121、上記第2中心電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2中心誘電体122、上記第2中心誘電体を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側電極123、及び上記第2外側電極を上記第1方向に垂直な方向に囲む第2外側誘電体124を含むことができる。
【0031】
第1中心電極111及び第2外側電極123は、本体100の第1面で第1外部電極200と連結されることができ、第2中心電極121及び第1外側電極113は、第2面で第2外部電極300と連結されることができる。これにより、第1中心電極111と第1外側電極113が異なる極性を有することができるため、第1単位素子110の内部でキャパシタンスが形成されることができ、第2中心電極121と第2外側電極123が異なる極性を有することができるため、第2単位素子120の内部でキャパシタンスが形成されることができる。また、第1外側電極113が第2外側電極123と異なる極性を有することができるため、第1単位素子110と第2単位素子120との間にもキャパシタンスを発生させることができ、単位体積当たりの容量を最大化することができる。
【0032】
中心電極111、121は、第1方向に延びる柱状を有することができる。中心電極111、121の第1方向に垂直な断面の形状は、特に限定する必要はなく、円形、楕円形、不定形、及び多角形のいずれか一つであることができる。これにより、中心電極111、121は、円柱、楕円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱などの形態であることができる。また、第1中心電極111と第2中心電極121の第1方向に垂直な断面の形状が同一である必要はなく、互いに異なる形状を有することができる。また、容量形成部Acに含まれる第1単位素子110が複数個である場合、複数の第1中心電極111の第1方向に垂直な断面の形状が互いに同一である必要はなく、互いに異なる形状を有することができる。また、容量形成部Acに含まれる第2単位素子120が複数個である場合、複数の第2中心電極121の第1方向に垂直な断面の形状が互いに同一である必要はなく、互いに異なる形状を有することができる。
【0033】
中心電極111、121を形成する材料は特に限定する必要はなく、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、スズ(Sn)及び金(Au)のうち一つ以上で形成することができる。また、第1中心電極111と第2中心電極121が互いに同じ材料で形成される必要はなく、互いに異なる材料で形成されることができる。また、容量形成部Acに含まれる第1単位素子110が複数個である場合、複数の第1中心電極111が互いに同じ材料で形成される必要はなく、互いに異なる材料で形成されることができる。また、容量形成部Acに含まれる第2単位素子120が複数個である場合、複数の第2中心電極121が互いに同じ材料で形成される必要はなく、互いに異なる材料で形成されることができる。
【0034】
中心電極111、121を形成する方法も特に限定する必要はなく、例えば引き抜き加工(Wire Drawing)によって製造されることができる。引き抜き加工(Wire Drawing)とは、端部が狭いダイス(dies)に金属線(wire)を挟み、この端部を引っ張ってダイスの孔から引き抜くことで、金属線の直径を減少させて調節する加工法を意味する。
【0035】
中心電極111、121の大きさは特に限定する必要はない。例えば、中心電極111、121の第1方向の大きさの場合、キャパシタ部品の大きさなどを考慮して決定することができ、中心電極111、121の第2方向への最大大きさ及び第3方向への最大大きさはそれぞれ10μm以下であることができ、キャパシタ部品1000の小型化及び高容量化を考慮してそれぞれ2μm以下、より好ましくはそれぞれ0.5μm以下であることができる。
【0036】
中心電極111、121の第2方向への最大大きさ及び第3方向への最大大きさは、キャパシタ部品1000の第1方向の中央部でとった第2方向及び第3方向の断面に対する光学顕微鏡イメージまたは走査電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)イメージに基づいて測定したものであることができる。第1中心電極111及び/または第2中心電極121が複数個である場合、複数個の最大大きさを測定した後、これを算術平均した値を平均最大大きさとすることができる。
【0037】
中心誘電体112、122は、中心電極111、121を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができる。より具体的には、中心誘電体112、122は、中心電極111、121の側面を覆う形態で、中心電極111、121と外側電極113、123との間に配置されることができる。すなわち、中心誘電体112、122は、中心電極111、121と外側電極113、123との電気的短絡(short-circuit)を防止するための分離膜の役割を果たすことができる。
【0038】
図7の(a)を参照すると、第1中心誘電体112は、第1中心電極111を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができ、図7の(b)を参照すると、第2中心誘電体122は、第2中心電極121を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができる。
【0039】
中心誘電体112、122は、上記第1方向と垂直な断面が多角リング(ring)状であることができる。例えば、中心電極111、121の上記第1方向と垂直な断面が四角形の場合、中心誘電体112、122の上記第1方向と垂直な断面は四角リング状であることができる。
【0040】
中心誘電体112、122を構成する材料は特に限定する必要はない。例えば、中心誘電体112、122は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ランタナム(La)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)及びハフニウム(Hf)から選択された少なくとも一つの酸化物を含むことができる。
【0041】
中心誘電体112、122は、例えば、原子層蒸着(ALD;Atomic Layer Deposition)、化学気相蒸着(CVD;Chemical Vapor Deposition)などの気相蒸着などで形成されることができるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0042】
外側電極113、123は、中心誘電体112、122を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができる。より具体的には、外側電極113、123は、中心誘電体112、122の側面を覆う形態で配置されることができる。図7の(a)を参照すると、第1外側電極113は、第1中心誘電体112を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができ、図7の(b)を参照すると、第2外側電極123は第2中心誘電体122を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができる。
【0043】
中心電極111、121と外側電極113、123との間に中心誘電体112、122が配置されることで、複数の中心電極111、121と外側電極113、123には、互いに異なる極性の電荷が印加されて、中心誘電体112、122に容量(capacitance)を形成するようになる。
【0044】
外側電極113、123は、上記第1方向と垂直な断面が多角リング(ring)状であることができる。例えば、中心電極111、121の上記第1方向と垂直な断面が四角形の場合、外側電極113、123の上記第1方向と垂直な断面は、四角リング状であることができる。
【0045】
外側電極113、123を形成する材料も特に限定する必要はなく、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、スズ(Sn)及び金(Au)のうち一つ以上で形成することができる。また、外側電極113、123は、中心電極111、121と同じ材料で形成される必要はなく、互いに異なる材料で形成されることができる。
【0046】
外側電極113、123は、気相蒸着などの薄膜工程、またはめっき工程などで形成されることができ、例えば、原子層蒸着(ALD)で形成されることができるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0047】
外側誘電体114、124は、外側電極113、123を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができる。より具体的には、外側誘電体114、124は、外側電極113、123の側面を覆う形態で配置されることができる。図7の(a)を参照すると、第1外側誘電体114は、第1外側電極113を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができ、図7の(b)を参照すると、第2外側誘電体124は、第2外側電極123を第1方向に垂直な方向に囲む形態で配置されることができる。外側誘電体114、124は、第1外側電極113と第2外側電極123との電気的短絡(short-circuit)を防止するための分離膜の役割を果たすことができる。また、第1外側電極113と第2外側電極123との間に外側誘電体114、124が配置され、第1外側電極113と第2外側電極123に互いに異なる極性の電荷が印加されることで、外側誘電体114、124に容量(capacitance)が形成されることができる。また、外側誘電体114、124は、本体110が別途のモールディング部130を含まない場合、本体110の外面を構成して、外部の衝撃や異物などから本体110の内部を保護する役割を果たすこともできる。
【0048】
一方、第1及び第2単位素子110、120が全て外側誘電体を有する必要はなく、第1及び第2単位素子110、120のいずれか一つが外側誘電体を有する場合、残りの一つは外側誘電体を有さないことができる。第1及び第2単位素子110、120のいずれか一つのみが外側誘電体を有しても、第1外側電極113と第2外側電極123との電気的短絡(short-circuit)を防止することができるためである。
【0049】
外側誘電体114、124は、上記第1方向と垂直な断面が多角リング(ring)状であることができる。例えば、中心電極111、121の上記第1方向と垂直な断面が四角形の場合、外側誘電体114、124の上記第1方向と垂直な断面は四角リング状であることができる。
【0050】
外側誘電体114、124を構成する材料は特に限定する必要はない。例えば、外側誘電体114、124は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ランタナム(La)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)及びハフニウム(Hf)から選択された少なくとも一つの酸化物を含むことができる。また、外側誘電体114、124は、中心誘電体112、122と同じ材料で形成される必要はなく、互いに異なる材料で形成されることができる。すなわち、一実施例において、第1及び第2中心誘電体112、122は、第1及び第2外側誘電体114、124とは異なる誘電体物質を含むことができる。
【0051】
外側誘電体114、124は、例えば、原子層蒸着(ALD;Atomic Layer Deposition)、化学気相蒸着(CVD;Chemical Vapor Deposition)などの気相蒸着などで形成されることができるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0052】
一実施例において、第1外側誘電体114'及び第2外側誘電体124'は、少なくとも一部が接するように配置されて一つの外側誘電体ODを構成することができる。
【0053】
図26を参照すると、第1単位素子110'の第1外側誘電体114'と第2単位素子120'の第2外側誘電体124'が接する領域において第1外側誘電体114'と第2外側誘電体124'の境界IFは、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化し、第1外側誘電体114'及び第2外側誘電体124'は、一つの外側誘電体ODを構成することができる。
【0054】
中心誘電体112、122、外側電極113、123及び外側誘電体114、124の平均厚さは特に限定する必要はない。例えば、中心誘電体112、122、外側電極113、123、及び外側誘電体114、124の平均厚さはそれぞれ0.5μm以下であることができ、キャパシタ部品1000の小型化及び高容量化を考慮してそれぞれ0.1μm以下、より好ましくはそれぞれ0.05μm以下であることができる。但し、第1外側電極113と第2外側電極123との間に第1及び第2外側誘電体114、124が全て配置されることを考慮して、第1及び第2外側誘電体114、124の各平均厚さは、中心誘電体112、122及び/または外側電極113、123の平均厚さより薄いことができる。例えば、外側誘電体114、124の平均厚さは、中心誘電体112、122及び/または外側電極113、123の平均厚さの半分またはその以下であることができる。
【0055】
中心誘電体112、122、外側電極113、123及び外側誘電体114、124の平均厚さは、キャパシタ部品1000の第1方向の中央部からとった第2方向及び第3方向の断面に対する光学顕微鏡イメージまたは走査電子顕微鏡イメージに基づいて、上記イメージにおいて示されたいずれか一つの中心誘電体112、122、外側電極113、123及び外側誘電体114、124に対して第1方向と垂直な方向に沿ってそれぞれ複数回測定し、これをそれぞれ算術平均したことを意味することができる。または、上記イメージにおいて示された少なくとも3つ以上の中心誘電体112、122、外側電極113、123及び外側誘電体114、124のそれぞれについて上述した方法で平均厚さを求め、これをそれぞれ算術平均したことを意味することができる。
【0056】
一実施例において、上記第1単位素子110の第1方向の大きさは、上記第1方向に垂直な断面において上記第1単位素子110の最大大きさよりも10倍以上大きく、上記第2単位素子120の第1方向の大きさは、上記第1方向に垂直な断面において上記第2単位素子120の最大大きさよりも10倍以上大きいことができる。すなわち、第1及び第2単位素子110、120がワイヤ状を有することができ、これにより複数の第1及び第2単位素子を配置することが容易であることができる。但し、これに制限されるものではなく、必要に応じて、上記第1単位素子110の第1方向の大きさは、上記第1方向に垂直な断面において上記第1単位素子110の最大大きさよりも小さいこともでき、上記第2単位素子120の第1方向の大きさは、上記第1方向に垂直な断面において上記第2単位素子120の最大大きさよりも小さいこともできる。
【0057】
一実施例において、上記第1単位素子110を上記第1方向に垂直な方向に切断した断面において、上記第1中心電極111、第1中心誘電体112、第1外側電極113及び第1外側誘電体114の外辺がなす形状は実質的に同一であることができるが、その大きさが異なる場合があり、上記第2単位素子120を上記第1方向に垂直な方向に切断した断面において、上記第2中心電極121、第2中心誘電体122、第2外側電極123、及び第2外側誘電体124の外辺がなす形状は実質的に同一であることができるが、その大きさが異なる場合がある。
【0058】
外部電極200、300は、本体100の第1面及び第2面1、2に配置され、第3~第6面3、4、5、6のそれぞれの一部まで延びることができる。外部電極200、300は、第1面上に配置され、第1中心電極111及び第2外側電極123と連結される第1外部電極200及び第2面上に配置され、上記第2中心電極121及び第1外側電極113と連結される第2外部電極300を含むことができる。
【0059】
外部電極200、300は、金属などの電気導電性を有するものであれば、如何なる物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0060】
外部電極200、300は、例えば、本体100の第1及び第2面1、2から順に形成された第1電極層210、310及び第2電極層220、320を含むことができる。
【0061】
第1電極層210、310は、例えば、本体100の第1及び第2面1、2を導電性金属及びガラスを含む外部電極用導電性ペーストにディッピング(dipping)した後に焼成することで形成されることができる。または、導電性金属及びガラスを含むシートを転写する方式で形成されることもできる。これによって、外部電極131、132は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であることができる。
【0062】
または、第1電極層210、310は、例えば、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。第1電極層210、310は、導電性金属及び樹脂を含むペーストを塗布及び硬化する方法で形成されることができる。
【0063】
第1電極層210、310に含まれる導電性金属は、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)及び/またはこれを含む合金を含むことができ、好ましくは銅(Cu)及び/またはニッケル(Ni)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
さらに、第1電極層210、310は複数の層で形成されることもできる。例えば、第1電極層210、310は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極上に導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極が配置された形態であることができる。
【0065】
第2電極層220、320は実装特性を向上させることができる。第2電極層220、320の種類は特に限定されず、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)及び/またはこれを含む合金などを含むめっき層であることができ、複数の層で形成されることもできる。第2電極層220、320は、例えば、ニッケル(Ni)めっき層またはスズ(Sn)めっき層であることができ、ニッケル(Ni)めっき層及びスズ(Sn)めっき層が順次形成された形態であることもできる。また、第2電極層220、320は、複数のニッケル(Ni)めっき層及び/または複数のスズ(Sn)めっき層を含むこともできる。
【0066】
一実施例において、第1中心電極111及び第2外側電極123は、本体100の第1面1に突出し、第2中心電極121及び第1外側電極113は、本体100の第2面2に突出することができる。
【0067】
第1中心電極111及び第2外側電極123は、本体100の第1面1に突出して第1外部電極200と連結され、第2中心電極121及び第1外側電極113は、本体100の第2面2に突出して第2外部電極300と連結されることで、中心電極111、121及び外側電極113、123と外部電極200、300間の接触面積が増加し、これにより中心電極111、121及び外側電極113、123と外部電極200、300との間の連結性が向上することができる。
【0068】
第1及び第2単位素子110、120の第1方向の一端をエッチング(etching)して第1中心誘電体112、第1外側電極113、第1外側誘電体114、第2中心電極121、第2中心誘電体122、及び第2外側誘電体124を選択的に除去することで、第1中心電極111及び第2外側電極123を突出させることができる。同じ観点から、第1及び第2単位素子110、120の第1方向の他端をエッチングして第1中心電極111、第1中心誘電体112、第1外側誘電体114、第2中心誘電体122、第2外側電極123、及び第2外側誘電体124を選択的に除去することで、第2中心電極121及び第1外側電極113を突出させることができる。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
【0069】
第1、第2中心電極111、121、第1、第2中心誘電体112、122、第1、第2外側電極113、123、第1及び第2外側誘電体114、124のそれぞれは、互いに異なるエッチング液によって選択的に除去が可能であることができる。
【0070】
これによって、一実施例において、第1中心電極111及び第2外側電極123に含まれた金属は、第2中心電極121及び第1外側電極113に含まれた金属とは異なる金属を含むことが好ましいことができる。
【0071】
例えば、一実施例において、第1、第2中心電極111、121、第1及び第2外側電極113、123は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)及び金(Au)のうち一つ以上を含むが、第1中心電極111及び第2外側電極123に含まれた金属は、第2中心電極121及び第1外側電極113に含まれた金属とは異なる金属であることができる。
【0072】
但し、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2単位素子110、120を一度にエッチングするのではなく、別途にエッチングを行う方法もあることができ、第1及び第2単位素子110、120をそれぞれ製作する段階で、所望の電極が突出した形状を有するように製作することもできる。したがって、中心電極111、121と外側電極113、123を同じ物質で構成することも可能である。
【0073】
一実施例において、第1外部電極200と上記第1面との間には、第2中心電極121及び第1外側電極113を覆う第1絶縁膜400が配置され、第2外部電極300と第2面との間には、第1中心電極111及び第2外側電極123を覆う第2絶縁膜500が配置されることができる。
【0074】
キャパシタ部品1000は、絶縁膜400、500を含むことで、キャパシタ部品1000の機械的耐久性を向上させることができるだけでなく、第2中心電極121及び第1外側電極113と第1外部電極200との間の電気的絶縁特性を向上させることができ、第1中心電極111及び第2外側電極123と第2外部電極300との間の電気的絶縁特性を向上させることができる。
【0075】
絶縁膜400、500は、電気絶縁性を有する材料を含むことができ、材料が特に限定されるものではない。例えば、絶縁膜400、500は、樹脂及びセラミックの少なくとも一つを含むことができる。樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び/または感光性樹脂を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。セラミックは、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ランタナム(La)、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)、ケイ素(Si)及びハフニウム(Hf)から選択された少なくとも一つの酸化物を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
絶縁膜400、500は、液状の絶縁樹脂を塗布するか、原子層蒸着(ALD)及び化学気相蒸着(CVD)などの気相蒸着などで形成されることができるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0077】
図8は、一変形例であり、第1及び第2単位素子がそれぞれ複数個である実施例に関する図2に対応する図面であり、図9は、図6に対応する図面である。
【0078】
一実施例において、容量形成部Acは、上記第1及び第2単位素子110、120をそれぞれ複数個含み、上記複数個の第1及び第2単位素子110、120は、上記第1方向に垂直な第2方向に交互に配置されることができる。また、図8及び図9に示したように、本体100-1に含まれた容量形成部Acは、上記第1及び第2単位素子110、120をそれぞれ複数個含み、上記複数個の第1及び第2単位素子110、120は、上記第1方向に垂直な第2方向に交互に配置され、上記第1及び第2方向に垂直な第3方向に交互に配置されることができる。これにより、隣接した第1及び第2単位素子110、120間に配置された外側誘電体114、124に容量(capacitance)を形成することができ、単位体積当たりの容量を最大化することができる。
【0079】
一実施例において、第1方向に垂直な断面において、上記第1単位素子110は円形、楕円形、不定形及び多角形のうち一つであり、上記第2単位素子120は円形、楕円形、不定形及び多角形のうち一つであることができる。すなわち、第1単位素子110は、円柱、楕円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱などの形態であることができ、第2単位素子120は、円柱、楕円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱などの形態であることができ、第1単位素子110と第2単位素子120が同じ形状を有する必要はない。
【0080】
一実施例において、第1方向に垂直な断面において、上記第1単位素子110は多角形であり、上記第2単位素子120は多角形であることができる。第1単位素子110が多角形であり、第2単位素子120が多角形の場合に、第1単位素子110と第2単位素子120との間の空間を最小化することができ、パッキング密度(packing density)が向上することができ、これによってキャパシタ部品の単位体積当たりの容量をさらに向上させることができる。
【0081】
このとき、上記第1単位素子110の一辺は、上記第2単位素子120の一辺と向かい合って接するように配置されることができる。これにより、パッキング密度をより向上させることができる。すなわち、第1単位素子110と第2単位素子120が互いに面接触するように配置されることができる。ここで、互いに面接触するように配置されるとは、第1単位素子110の一面が第2単位素子120の一面と接触していることを意味することができる。
【0082】
一実施例において、互いに向かい合って接する第1単位素子110の一辺と第2単位素子120の一辺は、実質的に同じ長さであることができる。これにより、容量形成部Ac内で第1及び第2単位素子110、120を除いた空間を実質的にはないものとすることができるため、パッキング密度をさらに向上させることができる。
【0083】
一実施例において、互いに隣接した第1及び第2単位素子を単位容量部UCとするとき、上記第1方向に垂直な断面において上記単位容量部UCは四角形であることができる。これにより、容量形成部Ac内で第1及び第2単位素子110、120を除いた空間を実質的にはないものとすることができるため、パッキング密度をさらに向上させることができる。
【0084】
一方、容量形成部Acが上記第1及び第2単位素子110、120をそれぞれ複数個含み、上記複数個の第1及び第2単位素子110、120は、上記第1方向に垂直な第2方向に交互に配置される場合、上記第1方向に垂直な断面において、上記第1単位素子110の一辺は上記第2単位素子120の一辺と向かい合って接するように配置され、上記第1単位素子110の全ての辺は、他の第1単位素子110の一辺とは向かい合って接しないように配置されることができる。
【0085】
これにより、隣接した第1及び第2単位素子110、120の間に配置された全ての外側誘電体114、124に容量(capacitance)を形成させることができ、単位体積当たりの容量を最大化することができる。
【0086】
このとき、上記第1方向に垂直な断面において、上記容量形成部Acの外辺を構成する辺を除いた第1単位素子110の一辺は、第2単位素子120の一辺と向かい合って接するように配置され、上記容量形成部Acの外辺を構成する辺を除いた第2単位素子120の一辺は、第1単位素子110の一辺と向かい合って接するように配置されることができる。
【0087】
これにより、パッキング密度をより向上させることができるだけでなく、隣接した第1及び第2単位素子110、120の間に配置された全ての外側誘電体114、124に容量(capacitance)を形成させることができ、単位体積当たりの容量を最大化することができる。
【0088】
このとき、互いに向かい合って接する第1単位素子110の一辺と第2単位素子120の一辺は実質的に同じ長さであることができる。これにより、容量形成部Ac内で第1及び第2単位素子110、120を除いた空間を実質的にはないものとすることができるため、パッキング密度をさらに向上させることができる。
【0089】
図10は、一変形例であり、第1及び第2単位素子110-2、120-2の断面が三角形である実施例に関する図6に対応する図面である。図10を参照すると、上記第1方向に垂直な断面において、上記第1及び第2単位素子110-2、120-2は、三角形であることができる。第1及び第2単位素子110-2、120-2の断面が三角形の場合、本体100-2の内部に第1及び第2単位素子110-2、120-2のパッキング密度が向上することができ、これにより、キャパシタ部品の小型化及び高容量化に有利であることができる。第1及び第2単位素子110-2、120-2の断面は三角形であればよく、例えば、正三角形、直角三角形または二等辺三角形であることができる。
【0090】
このとき、互いに隣接した第1及び第2単位素子を単位容量部UCとするとき、上記第1方向に垂直な断面において上記単位容量部UCは四角形であることができる。これにより、複数の単位容量部UCを配置するとき、容量形成部Ac内にパッキング密度を向上させることが容易であることができる。
【0091】
例えば、図10のように、互いに隣接した第1及び第2単位素子110-2、120-2のうち一つは、上記第1方向と垂直な断面が三角形であり、もう一つは、上記第1方向と垂直な断面が逆三角形であることができる。これにより、上記本体100-2内に配置された単位素子110-2、120-2のパッキング密度が高くなり、キャパシタ部品の小型化及び高容量化に有利であることができる。
【0092】
図11は、一変形例であり、第1及び第2単位素子110-3、120-3の断面が円形である実施例に関する図6に対応する図面である。第1及び第2単位素子110-3、120-3の断面が円形の場合、本体100-3の内部に第1及び第2単位素子110-3、120-3を除いた空間が増加してパッキング密度が減少することができるが、本発明によると、隣接した第1及び第2単位素子110、120の間に配置された外側誘電体114、124にも容量(capacitance)を形成させることができるため、パッキング密度の減少による単位体積当たりの容量減少を補うことができる。
【0093】
図12は、一変形例であり、第1及び第2単位素子が負極形態を有する実施例に関する図5に対応する図面である。一変形例によるキャパシタ部品1000-4において、上記第1中心電極111-4及び第2外側電極123-4は上記第1面と連結され、上記第2面とは離隔して配置され、上記第2中心電極121-4及び第1外側電極113-4は、上記第2面と連結され、上記第1面とは離隔して配置されることができる。
【0094】
第1及び第2単位素子の第1方向に互いに向かい合う一端をエッチング(etching)して第2中心電極121-4及び第1外側電極113-4を選択的に除去し、第1及び第2単位素子の第1方向に互いに向かい合う他端をエッチング(etching)して第1中心電極111-4及び第2外側電極123-4を選択的に除去することで、上記構造を確保することができる。これにより、より簡単な工程を介して上記第1中心電極111-4及び第2外側電極123-4と第1外部電極200を連結させ、上記第2中心電極121-4及び第1外側電極113-4を第2外部電極300と連結させることができる。
【0095】
このとき、上記第2中心電極121-4及び第1外側電極113-4が上記第1面と離隔した空間には第1絶縁膜400-4が配置され、上記第1中心電極111-4及び第2外側電極123-4が上記第2面と離隔した空間には、第2絶縁膜500-4が配置されることができる。
【0096】
キャパシタ部品1000-4は、絶縁膜400-4、500-4を含むことで、キャパシタ部品1000-4の機械的耐久性を向上させることができるだけでなく、第2中心電極121-4及び第1外側電極113-4と第1外部電極200との間の電気的絶縁特性を向上させることができ、第1中心電極111-4及び第2外側電極123-4と第2外部電極300との間の電気的絶縁特性を向上させることができる。
【0097】
図13は、一変形例であり、第1及び第2連結電極600、700をさらに含む実施例に関する図5に対応する図面である。一変形例によるキャパシタ部品1000-5において、上記第1外部電極200と第1面との間には第1連結電極600が配置され、上記第2外部電極300と第2面との間には第2連結電極700が配置されることができる。
【0098】
このとき、上記第1及び第2連結電極600、700はめっき層またはスパッタリング層であることができる。一変形例によるキャパシタ部品1000-5は、第1及び第2面に突出する中心電極111-4、121-4及び外側電極113-4、123-4がないため、本体100-4の第1及び第2面上に均一にめっき層またはスパッタリング層を形成することができ、これにより電気的連結性を向上させることができる。
【0099】
連結電極600、700は、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、クロム(Cr)、及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができ、連結電極600、700は公知のめっき法及びスパッタリング法によって形成されることができる。
【0100】
また、上記第1及び第2連結電極600、700は実質的に金属からなることができる。
【0101】
図14は、発明例の容量形成部の断面図を示したものであり、図15は、比較例1の容量形成部の断面図を示したものであり、図16は、発明例及び比較例1の単位素子の面積による容量を示したグラフである。
【0102】
比較例1の場合、中心電極のみで単位素子10、20を形成し、第2及び第3方向に交互に配置し、第1及び第2単位素子10、20が互いに異なる極性を有するようにした。
【0103】
図16を参照すると、発明例及び比較例1の容量形成部の面積が大きくなるにつれて徐々に容量差が増加し、面積に関係なく発明例の容量が比較例1の容量より約3倍程度高いことが確認できる。
【0104】
図17は、比較例2の容量形成部の断面図を示したものであり、図18は、発明例及び比較例2の単位素子の面積に応じた容量を示したグラフである。
【0105】
比較例2の場合、発明例の第1単位素子110のみで容量形成部を構成した場合であって、図18を参照すると、発明例及び比較例2の容量形成部の面積が大きくなるにつれて徐々に容量差が増加し、面積に関係なく、発明例の容量が比較例1の容量より約1.4倍程度高いことが確認できる。比較例2の場合、隣接した単位素子の外側電極113の極性が互いに同一であって外側誘電体114に容量が形成されないことによって容量差が生じることと判断することができる。
【0106】
以下、図19図26を参照して上述した本発明の一実施例によるキャパシタ部品を製造するための方法を説明する。但し、これは一例に過ぎず、これに制限されるものではない。また、上述した内容と重複する説明は省略する。
【0107】
まず、図19及び図20に示したように、第1単位素子110a及び第2単位素子120aを準備することができる。
【0108】
この後、図21のように、複数の第1及び第2単位素子110a、120aを第2及び第3方向に交互に配置して容量形成部を構成することができる。
【0109】
この後、図22のように、第2及び第3方向に交互に配置された複数の第1及び第2単位素子110a、120aの第1方向に垂直な断面を囲むようにモールディング部130aを形成することができる。
【0110】
この後、図23のように、第1エッチング工程を行って本体の第1面1から第1中心電極111a及び第2外側電極123aが突出するようにすることができる。
【0111】
この後、図24のように、第2エッチング工程を行って第2中心電極121及び第1外側電極113が本体100-1の第2面20から突出するようにして本体100-1を完成することができる。
【0112】
この後、図25のように、本体の第1面及び第2面上にそれぞれ第1及び第2絶縁膜400、500を配置することができる。第1絶縁膜400は、第2中心電極121及び第1外側電極113を覆うように配置することができ、第2絶縁膜500は第1中心電極111及び第2外側電極123を覆うように配置することができる。
【0113】
この後、外部電極を形成してキャパシタ部品を製造することができる。
【0114】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0115】
また、「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態で説明された事項が他の一実施形態で説明されていなくても、他の一実施形態でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連した説明であると理解することができる。
【符号の説明】
【0116】
1000 キャパシタ部品
100 本体
110 第1単位素子
111 第1中心電極
112 第1中心誘電体
113 第1外側電極
114 第1外側誘電体
120 第2単位素子
121 第2中心電極
122 第2中心誘電体
123 第2外側電極
124 第2外側誘電体
130 モールディング部
200、300 外部電極
210、310 第1電極層
220、320 第2電極層
400、500 絶縁膜
600、700 連結電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
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図26