(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028163
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】案内情報提示システム、案内情報提示サーバ、案内情報提示方法、及び情報案内装置
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240222BHJP
G08G 1/015 20060101ALI20240222BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
G07B15/00 510
G07B15/00 L
G08G1/015 A
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128528
(22)【出願日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2022130648
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 智弘
【テーマコード(参考)】
2F129
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA01
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3E127AA16
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5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】有料道路の入口にて出口までの走行区間に応じた案内情報を提示する案内情報提示システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る案内情報提示システムは、有料道路の料金所を通行する車両に搭載された車載器と無線通信する入口路側装置、前記入口路側装置を管理する入口車線サーバ、及び問い合わせに対する案内情報を提示する情報提示サーバを備える。案内情報提示サーバは、前記入口車線サーバから有料道路の利用者により指定された出場予定出口の出口識別情報を含んだ問い合せ及び入口通過情報を受信し、前記入口通過情報に含まれる入口の入口識別情報、及び所定出口の出口識別情報に基づき定まる所定の走行区間に応じた案内情報を生成し、案内情報を前記入口車線サーバへ送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の料金所を通行する車両に搭載された車載器と無線通信する入口路側装置、前記入口路側装置を管理する入口車線サーバ、及び問い合わせに対する案内情報を提示する情報提示サーバを備える情報提示システムにおいて、
前記入口路側装置は、
前記車両の車載器と通信し、前記車載器から有料道路の利用者により指定された出場予定出口の出口識別情報を含んだ問い合せを受信する第1のアンテナと、
前記第1のアンテナより下流に設置され、前記車両の前記車載器と通信し前記車載器へ案内情報を送信する第2のアンテナと、
を備え、
前記入口車線サーバは、
前記入口路側装置の前記第1のアンテナを介して前記問い合せを受信すると、前記問い合せ及び入口通過情報を前記情報提示サーバへ送信し、前記情報提示サーバから前記案内情報を受信すると、前記案内情報を前記入口路側装置へ送信する制御部を備え、
前記情報提示サーバは、
前記入口車線サーバから有料道路の利用者により指定された出場予定出口の出口識別情報を含んだ前記問い合せ及び前記入口通過情報を受信し、前記入口通過情報に含まれる入口の入口識別情報、及び所定出口の出口識別情報に基づき定まる所定の走行区間に応じた前記案内情報を生成し、前記案内情報を前記入口車線サーバへ送信する情報処理部を備える情報提示システム。
【請求項2】
前記情報処理部は、前記問い合せ及び前記入口通過情報を受信し、走行区間別の料金テーブル、前記入口識別情報、及び前記出口識別情報に基づき、前記所定の走行区間に応じた前記車両の通行料金を算出し、前記通行料金を含む前記案内情報を生成し、前記案内情報を前記入口車線サーバへ送信する、
請求項1の情報提示システム。
【請求項3】
前記入口通過情報は、入口通過日時を含み、
前記料金処理部は、時間帯及び走行区間別の料金テーブル、前記入口識別情報、前記入口通過日時、及び前記出場予定出口の出口識別情報に基づき、時間帯及び前記所定の走行区間に応じた前記通行料金を算出する、
請求項2の情報提示システム。
【請求項4】
前記問い合せは、車種を含み、
前記料金処理部は、車種及び走行区間別の料金テーブルに基づき、車種及び前記所定の走行区間に応じた前記通行料金を算出する、
請求項2の情報提示システム。
【請求項5】
前記料金問い合せは、前記車載器に登録された車種を含み、
前記制御部は、前記問い合せ、車両の車軸数から認識された車種、及び前記入口通過情報を前記情報提示サーバへ送信し、
前記料金処理部は、登録された車種と認識された車種及び走行区間別の料金テーブルに基づき、登録された車種と認識された車種のそれぞれの前記所定の走行区間に応じた通行料金を算出する、
請求項2の情報提示システム。
【請求項6】
前記問い合せは、車両動力形式を含み、
前記料金処理部は、車両動力形式及び走行区間別の料金テーブルに基づき、車種及び前記所定の走行区間に応じた前記通行料金を算出する、
請求項2の情報提示システム。
【請求項7】
前記料金処理部は、走行区間別の料金テーブル、前記入口識別情報、及び有料道路の事業者により設定された出場候補の出口の出口識別情報に基づき、前記所定の走行区間に応じた前記通行料金を算出する、
請求項2の情報提示システム。
【請求項8】
前記問い合せは、通行履歴を含み、
前記料金処理部は、走行区間別の料金テーブル、前記入口識別情報、及び前記通行履歴から推定される出場候補の出口の出口識別情報に基づき、前記所定の走行区間に応じた前記通行料金を算出する、
請求項2の情報提示システム。
【請求項9】
前記問い合せは、ナンバープレート情報を含み、
前記料金処理部は、走行区間別の料金テーブル、前記入口識別情報、及び前記ナンバープレート情報から推定される出場候補の出口の出口識別情報に基づき、前記所定の走行区間に応じた前記通行料金を算出する、
請求項2の情報提示システム。
【請求項10】
前記情報処理部は、前記問い合せ及び前記入口通過情報を受信し、前記入口識別情報、及び前記出口識別情報に基づき、前記所定の走行区間に応じた所定の交通情報を取得し、前記所定の交通情報を含む前記案内情報を生成し、前記案内情報を前記入口車線サーバへ送信する、
請求項1又は2の情報提示システム。
【請求項11】
前記情報処理部は、前記所定の走行区間に応じた複数経路の前記所定の交通情報を取得する、
請求項10の情報提示システム。
【請求項12】
前記情報提示サーバは、前記問い合わせの受信前に、交通情報管理システムから全体の交通情報を受信する通信部を備え、
前記情報処理部は、前記全体の交通情報から、前記所定の走行区間に応じた前記所定の交通情報を取得する、
請求項10の情報提示システム。
【請求項13】
前記情報処理部は、前記全体の交通情報から、前記所定の走行区間に応じた前記所定の交通情報を予測により取得する、請求項12の情報提示システム。
【請求項14】
有料道路の料金所を通行する車両の車載器と無線通信する入口路側装置、及び前記入口路側装置を管理する入口車線サーバを備える情報提示システムに適用される情報提示サーバであって、
前記入口車線サーバから、有料道路の利用者により指定された出場予定出口の出口識別情報を含んだ問い合せ及び入口通過情報を受信し、前記入口通過情報に含まれる入口の入口識別情報、及び所定出口の出口識別情報に基づき、走行区間に応じた前記案内情報を生成し、案内情報を前記入口車線サーバへ出力する情報処理部を備える情報提示サーバ。
【請求項15】
情報提示システムが適用された有料道路を通行する車両の車載器に接続される情報案内装置であって、
現在地及び、利用者により設定された目的地から、地図データに基づき出発地から目的地までの経路、及び前記経路に含まれる前記有料道路の走行区間を特定し、
有料道路の入口料金所を通過する際に、前記車載器を介して、出場予定出口の出口識別情報を含む問い合せを入口路側装置の第1のアンテナへ送信し、
情報提示サーバで生成された案内情報を、前記入口路側装置に設置された、第1のアンテナより下流に設置された第2のアンテナを介して受信し、
前記案内情報を案内する制御部を備えた情報案内装置。
【請求項16】
入口路側装置は、有料道路の料金所の入口の第1のエリアを通行する車両の車載器と通信し前記車載器から受信した問い合せを入口車線サーバに対して送信し、
前記入口車線サーバは、前記入口路側装置から受信した前記問い合せ及び入口通過情報を情報提示サーバへ送信し、
前記情報提示サーバは、前記入口車線サーバから受信した前記問い合せ及び前記入口通過情報を、前記入口通過情報に含まれる前記入口の入口識別情報、及び所定出口の出口識別情報に基づき、走行区間に応じた案内情報を生成し、前記案内情報を前記入口車線サーバへ送信し、
前記入口車線サーバは、前記情報提示サーバから受信した前記案内情報を前記入口路側装置へ送信し、
前記入口路側装置は、前記入口車線サーバから受信した前記案内情報を前記第1のエリアを通過して第2のエリアを通行する前記車両の車載器と通信することで前記車載器へ送信する、
情報提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、案内情報提示システム、案内情報提示サーバ、案内情報提示方法、及び情報案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子料金収受システム(Electronic Toll Collection System , 略称ETC)が各地の有料道路に広く普及している。ETCシステムでは、各料金所での無線通信により、入口料金所及び出口料金所にて車両を停止させずにノンストップでの料金収受が実現されている。ETCの入口料金所では、入口料金所の車線に対応して設けられたアンテナを介して、入口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する。また、ETCの出口料金所でも、出口料金所の車線に対応して設けられたアンテナを介して、入口料金所の車線を経て出口料金所の車線を通行する車両の車載器と無線通信する。
【0003】
有料道路の課金方式として、対距離課金と均一制料金がある。このうち、対距離課金は、入口から出口までの距離又は区間に応じた料金を課金する方式である。対距離課金が適用される場合、入口料金所では、入口車線サーバが、アンテナを介して、通行する車両の車載器から契約情報を受信し、また、車載器に対して入口情報(入口料金所番号及び入口通過時刻)を送信する。車載器は、入口情報を受信しETCカードに書き込む。そして、入口車線サーバは、入口料金所の車両の通行に関する情報(入口通行情報)を上位サーバへ送信する。
【0004】
一方、出口料金所では、出口車線サーバが、出口料金所番号及び料金テーブルを記憶している。出口料金所サーバは、アンテナを介して、通行する車両の車載器から契約情報及び入口情報を受信し、受信した入口情報に含まれる入口料金所番号及び記憶された出口料金所番号から通行距離又は通行区間を判定する。さらに、出口車線サーバは、記憶した料金テーブル及び判定された通行距離又は通行区間に基づき通行料金を算出する。出口料金所の車線に対応して設けられた出口路側装置は、算出された通行料金を表示する。
また、出口車線サーバは、出口料金所の車両の通行に関する情報(出口料金明細)を上位サーバへ送信する。
上位サーバでは、入口通行情報と出口料金明細を付け合せて対応づけて請求金額を決定し、クレジット会社等を介して課金処理を実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-113250号公報
【特許文献2】特開2010-267190号公報
【特許文献3】特開2018-142233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ETCの利用者は、出口料金所を通過するタイミングで、通行料金を知ることができるが、出口料金所を通過するまで通行料金がわからない。利用者は、事前にWebサイトやスマートフォンのアプリケーションソフトにより通行料金を調べることはできるが、利用者が運転中に走行中に通行料金を調べることは危険である。
【0007】
また、事前に調べた通行料金は参考にはなるが、通行時間帯、曜日、又は日付に応じて通行料金が変動する変動課金が適用される場合、事前に調べた通行料金は正確ではない。さらに、今後、走行時間帯だけでなく、走行経路や渋滞状況などを加味したダイナミック課金が適用される場合、事前に調べた通行料金と実際の通行料金との乖離が大きくなることも考えられる。
【0008】
利用者からは、有料道路の入口にて出口までの正確な通行料金を知りたいという要望がある。また、通行料金を安くするための選択肢があれば、選択肢を知りたいという要望もある。例えば、目的地まで複数の走行経路があり、走行経路によって通行料金が異なる場合、走行経路別の通行料金を把握したいという要望もある。さらに、利用者からは、有料道路を効率良く走行する上で、入口にて出口までの渋滞情報等の交通情報を知りたいという要望もある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、有料道路の入口にて出口までの走行区間に応じた通行料金又は交通情報等の案内情報を提示する案内情報提示システム、案内情報提示サーバ、案内情報提示方法、及び情報案内装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る情報提示システムは、有料道路の料金所を通行する車両に搭載された車載器と無線通信する入口路側装置、前記入口路側装置を管理する入口車線サーバ、及び問い合わせに対する案内情報を提示する情報提示サーバを備える。前記入口路側装置は、前記車両の車載器と通信し、前記車載器から有料道路の利用者により指定された出場予定出口の出口識別情報を含んだ問い合せを受信する第1のアンテナと、前記第1のアンテナより下流に設置され、前記車両の前記車載器と通信し前記車載器へ情報を送信する第2のアンテナと、を備える、前記入口車線サーバは、前記入口路側装置の前記第1のアンテナを介して前記問い合せを受信すると、前記問い合せ及び入口通過情報を前記情報提示サーバへ送信し、前記情報提示サーバから前記案内情報を受信すると、前記案内情報を前記入口路側装置へ送信する制御部を備える。前記情報提示サーバは、前記入口車線サーバから有料道路の利用者により指定された出場予定出口の出口識別情報を含んだ前記問い合せ及び前記入口通過情報を受信し、前記入口通過情報に含まれる入口の入口識別情報、及び所定出口の出口識別情報に基づき定まる所定の走行区間に応じた前記案内情報を生成し、前記案内情報を前記入口車線サーバへ送信する情報処理部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るETCの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る上位サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る入口路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る出口路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る車載器及びナビゲーション装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る通行料金案内(出口指定有り)の概念を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る通行料金案内(出口指定有り)の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係るナビゲーション装置から案内される料金情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係るETCの概略構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る上位サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る交通情報案内(出口指定有り)の概念を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る通行料金案内(出口指定有り)の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係るナビゲーション装置から案内される交通情報の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る上位サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係る料金及び交通情報案内(出口指定有り)の概念を示す図である。
【
図16】
図16は、第3の実施形態に係る料金及び交通情報案内(出口指定有り)の一例を示すシーケンス図である。
【
図17】
図17は、第3の実施形態に係るナビゲーション装置から案内される料金及び交通情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
[構成]
図1は、第1の実施形態に係るETCの概略構成の一例を示す図である。
情報提示システム(通行料金提示システム)の一例であるETCシステムを一例として説明する。ETCシステムは、中央に設けられる上位サーバ1と、入口料金所となる料金所Aと、出口料金所となる料金所Xを備える。
また、有料道路を走行する車両6は、車載器61及びナビゲーション装置62を備える。ナビゲーション装置62は、通行料金案内装置の一例である。
【0013】
上位サーバ1には、料金所Aに設置されるデータ処理装置21と、料金所Xに設置されるデータ処理装置22が、専用回線を介して接続される。上位サーバ1は、問い合せに対する案内情報を提示する情報提示サーバ(通行料金提示サーバ)の一例である。例えば、上位サーバ1は、料金問い合せに対して、入口通過情報に含まれる入口の入口識別情報及び所定出口の出口識別情報に基づき定まる所定の走行区間に応じた車両の通行料金を算出し、通行料金を含む案内情報を提示する。通行料金の算出については、後に詳しく説明する。
【0014】
上位サーバ1は、走行距離別、経路別、時間帯別、車種別、及び車両動力形式別の料金テーブルを記憶し、これら料金テーブルを送信する。なお、本実施形態では、「走行距離」を「走行区間」と読み替えてもよい。
【0015】
料金所A(入口料金所)には、データ処理装置21と、料金所サーバ31と、車線の数に応じた入口車線サーバ41と、各車線の路側に入口路側装置51が設置される。
【0016】
入口路側装置51は、第1のアンテナ5131及び第2のアンテナ5132を備え、有料道路の料金所を通行する車両6に搭載された車載器61と無線通信する。ここで、以下では、車線上の第1のアンテナ5131との通信が可能な領域を「第1のエリアE1」、車線上の第2のアンテナ5132と通信が可能な領域を「第2のエリアE2」とする。例えば、第1のアンテナ5131と第2のアンテナ5132は、ほぼ20m離間して配置される。
【0017】
第1のアンテナ5131は、第1のエリアE1を通行する車両6の車載器61と通信するアンテナである。第1のアンテナ5131は、通行する車両の固有情報である車載器やETCカードの情報を受信する。更に、車両6の行先に応じた料金の問い合せを受信する。料金問い合せについては後に詳しく説明する。
【0018】
第2のアンテナ5132は、第1のアンテナ5131より下流に設置され、第2のエリアE2を通行する車両6の車載器61と通信するアンテナである。第2のアンテナ5132は、車載器61へ入口通行情報及び料金情報を送信する。入口通過情報は、入口を識別する入口識別情報及び入口通過日時を含む。入口通過日時は、車両6の車載器61と入口路側装置51の通信日時に相当する情報であり、ETCカードに記憶される。また、料金情報は、上位サーバ1により生成される料金情報である。
【0019】
車線上において、車両6が、第1のエリアE1を通行して第2のエリアE2に達するまで、数秒を要する。このため、車線サーバ41は上位サーバへ直接この間を利用して、上位サーバ1が料金情報を生成して回答する。料金情報については後に詳しく説明する。
【0020】
また、料金所X(出口料金所)には、データ処理装置22、料金所サーバ32、及び車線の数に応じた出口車線サーバ42が設置され、車線の路側に出口路側装置52が設置される。
出口車線サーバ42は、上位サーバ1から送信される条件別の料金テーブル及び設置される出口の出口識別情報を記憶する。
【0021】
出口料金所を通過しようとする車両6の車載器61は、出口路側装置52のアンテナ5231に対して、車載器情報、車種、契約情報、及び入口通過情報を送信する。出口車線サーバ42は、車種及び走行距離別の料金テーブル、車種、入口通過情報、及び出口識別情報に基づき、車種及び走行距離に応じた通行料金を算出する。
【0022】
なお、ETCシステムの路側装置は、本線上にフリーフローに設置される経路装置に適用してもよい。
【0023】
この場合、本線上のフリーフローの経路装置は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131と同様のアンテナを備え、本線を通過する車両6の車載器61と通信し、車載器61に対して経路識別情報及び経路通過日時を含む経路通過情報を送信し、車載器61は、受信した経路通過情報を記憶する。
【0024】
また、フリーフローの経路装置は、入口路側装置51と同様に、の第1のアンテナ5131と第2のアンテナ5132を備えてもよい。この場合、本線を通過する車両6の車載器61と第1のアンテナ5131を介して通信する。そして、フリーフローに設置される経路装置は、車載器61に対して経路識別情報及び経路通過日時を含む経路通過情報を第2のアンテナ5132を介して送信し、車載器61は、受信した経路通過情報を記憶する。
【0025】
図2は、第1の実施形態に係る上位サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
まず、中央装置に設けられる上位サーバ1について説明する。
上位サーバ1は、1又は複数台のコンピュータで構成され、制御部11、記憶部12、通信部13、及びユーザインタフェース14を備える。
【0026】
制御部11は、料金処理部111を備える。料金処理部111は、情報処理部の一例であり、条件別の料金テーブル、入口識別情報、出口識別情報に基づき、条件に応じた通行料金を算出し、条件に応じた通行料金を示す料金情報を生成する。
【0027】
制御部11は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサであり、上位サーバ1を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。
【0028】
記憶部12は、条件別の料金テーブルを記憶する。例えば、記憶部12は、走行距離別、経路別、時間帯別、車種別、及び車両動力形式別の料金テーブルを記憶する。記憶部12は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、HDD或はSSDなどの大容量の記憶装置を含む。記憶部12は、制御部11のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0029】
通信部13は、上位サーバ1がネットワークを介して外部と通信する通信インタフェース(第3の通信インタフェース)である。例えば、通信部13は、入口料金所の入口車線サーバ41から送信される料金問い合せを受信し、入口車線サーバ41に対して料金情報を送信する。或いは、通信部13は、データ処理装置2及び料金所サーバ3を介して、入口料金所の入口車線サーバ41から送信される料金問い合せを受信し、入口車線サーバ41に対して料金情報を送信する。また、通信部13は、データ処理装置2及び料金所サーバ3を介して、出口料金所の出口車線サーバ42へ条件別の料金テーブルを送信し、出口車線サーバ42から課金情報を受信する。例えば、課金情報は、契約情報及び通行料金を含む。
【0030】
ユーザインタフェース14は、表示デバイス及び入力デバイスを備え、有料道路の事業者(担当者)からの入力を受け付ける。入力された情報は、記憶部12に記憶される。例えば、ユーザインタフェース14は、有料道路の事業者により設定される出場候補を受け付ける。出場候補については後に詳しく説明する。
【0031】
続いて、料金所側に設置される各装置について、説明する。
図3は、第1の実施形態に係る入口路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
データ処理装置21は、1又は複数台のコンピュータで構成され、制御部211、記憶部212、及び通信部213を備える。制御部211、記憶部212、及び通信部213は、コンピュータの基本的な構成要素である。
【0032】
続いて、料金所サーバ31は、1又は複数台のコンピュータで構成され、制御部311、記憶部312、及び通信部313を備える。制御部311、記憶部312、及び通信部313は、コンピュータの基本的な構成要素である。
【0033】
続いて、入口車線サーバ41は、入口路側装置51を管理し、入口路側装置51からの信号に基づき入口路側装置51を制御する。入口車線サーバ41は、1又は複数台のコンピュータで構成され、制御部411、記憶部412、及び通信部413を備える。
【0034】
制御部411は、入口路側装置51からの車両検知信号に基づき、入口路側装置51の発進制御器等の動作を制御する。制御部411は、車両検知部514のそれそれの車両検知器から出力される車両検知信号に基づき1台の車両の通過期間を検出し、1台の車両の通過期間において車軸検知器515から出力される車軸検知信号に基づき1台の車両の車軸数を検出する。更に、制御部411は、検出される車軸数に基づき車両6の車種を判定する。
【0035】
制御部411は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。
【0036】
記憶部412は、入口料金所を特定する入口識別情報(例えば料金所番号)を記憶する。記憶部412は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、大容量の記憶装置を含む。記憶部412は、制御部411のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0037】
通信部413は、ネットワークを介して外部と通信する通信インタフェース(第2の通信インタフェース)である。通信部413は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131で車載器61から受信した情報を上位サーバ1へ送信し、また、上位サーバ1からの情報を第2のアンテナ5132から車載器61へ向けて送信させる。
【0038】
次に、入口路側装置51について説明する。入口路側装置51は、路側IF集約部511、車両通信部513、車両検知部514、車軸検知器515、発進制御器516、及び路側表示器517を備える。
【0039】
なお、車両6を減速させないフリーフローに対応する場合、入口路側装置51の構成から、車両検知部514、車軸検知部515、発進制御器516を除外するようにしてもよい。
【0040】
路側IF集約部511は、入口車線サーバ41と通信する通信インタフェース(第1の通信インタフェース)である。路側IF集約部511は、車載器61から受信した料金問い合せを入口車線サーバ41へ送信し、また、車載器61へ送信する入口通過情報及び料金情報を入口車線サーバ41から受信する。
【0041】
車両通信部513は、第1のアンテナ5131、第2のアンテナ5132、及びリカバリアンテナを備えている。なお、リカバリアンテナは省略可能のため図示を省略している。
【0042】
第1のアンテナ5131は、第1のエリアE1を通行する車両6の車載器61と通信し、料金問い合せを受信する。第2のアンテナ5132は、第2のエリアE2を通行する車両6の車載器61と通信し、車載器61へ入口通過情報及び料金情報を送信する。
【0043】
車両検知部514は、光学センサ等であり、入口料金所の車線に沿って設けられ、入口料金所の車線を通過する車両6を検知するセンサである。車両検知部514は、上流から車両検知器S1、車両検知器S2、車両検知器S4から構成される。ここで、車両検知器S1は、第1のアンテナ5131に対応して設けられ、第2のアンテナ5131付近を通過する車両6を検知する。車両検知器S4は、第2のアンテナ5132に対応して設けられ、第2のアンテナ5132付近を通過する車両6を検知する。
【0044】
車軸検知器515は、入口料金所の車線に埋設された踏板センサ等の押圧センサであり、入口料金所の車線を通過する車両6の車軸を検知する。例えば、車軸検知部515は、第1のアンテナ5131に対応して設けられ、第1のアンテナ5131付近を通過する車両6の車軸数を検出する。
発進制御器516は、入口料金所のレーンに設けた発進制御バーの開閉を制御することにより、車両の有料道路への入場を制御する制御部である。発進制御器516は、車両検知部514から出力される車両検知信号及び第1のアンテナ5131による車両6との通信結果に基づき、車両を一旦停止させる場合或いは車両の通行(入場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両の通行を阻止する。また、発進制御器516は、車両の通行(入場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両の通過を許可する。
なお、料金所での渋滞緩和を優先して、発進制御器516に発進バーを設けないようにしても良い。
【0045】
路側表示器517は、入口車線を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。路側表示器517は、入口車線のレーンを通行する車両に向けて設置される。例えば、路側表示器517は、入口で提供される出口までの通行料金を示す料金情報を表示してもよい。
【0046】
続いて、出口料金所の構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る出口路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
データ処理装置22、及び料金所サーバ32については、入口料金所のデータ処理装置21、及び料金所サーバ31と同様のため、説明を省略する。
【0047】
出口車線サーバ42は、出口路側装置52を管理し、出口路側装置52からの信号に基づき出口路側装置52を制御する。出口車線サーバ42は、1又は複数台のコンピュータで構成され、制御部421、記憶部422、及び通信部423を備える。出口車線サーバ42のハードウェア構成は、入口車線サーバ41のハードウェアと同様であり、共通部分についての説明は省略する。
【0048】
記憶部422は、上位サーバ1から送信される条件別の料金テーブルを記憶する記憶部である。例えば、記憶部422は、走行距離別、経路別、時間帯別、車種別、及び車両動力形式別の料金テーブルを記憶する。
【0049】
制御部421は、条件別の料金テーブル、及び車両6の車載器61から送信される情報に基づき、条件別の通行料金を算出し、条件別の通行料金を出力する。車両6の車載器61から送信される情報は、車載器情報、車両情報、契約情報、及び入口通過情報である。車両情報は、車種、ナンバープレート情報、及び車両動力形式を含む。
【0050】
続いて、出口路側装置52について説明する。出口路側装置52は、路側IF集約部521、車両通信部523、車両検知部524、発進制御器526、及び路側表示器527を備える。
【0051】
車両通信部523は、アンテナ5231を備える。出口路側装置52のハードウェア構成は、入口路側装置51のハードウェアと同様であり、共通部分についての説明は省略する。
【0052】
出口路側装置52のアンテナ5231について説明する。
出口路側装置52は、アンテナ5231により、一つの通信エリアで車両6の車載器61と通信する。なお、出口路側装置52においても、入口路側装置51と同様に、第1のアンテナ5131及び第2のアンテナ5132により、二つの通信エリアで車両6の車載器61と通信するようにしてもよい。
【0053】
アンテナ5231は、出口料金所を通行する車両6の車載器61と通信し、車載器情報、車両情報、契約情報、及び入口通過情報を受信し、出口車線サーバ42で算出された通行料金を送信する。
【0054】
車両検知部524は、光学センサ等であり、出口料金所の車線に沿って設けられ、出口料金所の車線を通過する車両6を検知するセンサである。車両検知部524は、入口料金所と同様に、上流から車両検知器S1、車両検知器S2、車両検知器S4から構成される。
【0055】
発進制御器526は、入口料金所と同様に、出口料金所のレーンに設けた発進制御バーの開閉を制御することにより、車両の有料道路から出場を制御する制御部である。
【0056】
路側表示器527は、出口車線サーバ42で算出された通行料金を表示する。
【0057】
図5は、第1の実施形態に係る車載器及びナビゲーション装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
車載器61は、通信部611、制御部612、記憶部613、カード処理部614、及び入出力インタフェース615、スピーカを備え、カードインタフェースに挿入されたETCカードと通信する。ここで、ETCカードは、IC(integrated circuit)カードの一種であり、カードID等のカード識別情報を含む契約情報を記憶する。
【0058】
通信部611は、入口料金所の入口路側装置51の第1のアンテナ5131、第2のアンテナ5132、及び各出口料金所の出口路側装置52のアンテナ5231と無線通信する通信インタフェースである。
【0059】
通信部611は、入口料金所においては、第1のアンテナ5131に対して料金問い合せを送信し、第2のアンテナ5132から入口通過情報及び料金情報を受信する。また、通信部611は、出口料金所においては、アンテナ5231に対して、課金処理に必要な情報を送信し、出口車線サーバ42で算出された通行料金を受信する。ここで、課金処理に必要な情報は、車載器情報、車両情報、契約情報、及び入口通過情報等である。
【0060】
制御部612は、車載機の通信制御を司り、また、通行料金を決済するためのETCカードの処理を司る制御部である。制御部612は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部612は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。
【0061】
記憶部613は、車載器ID等の車載器識別情報を含む車載器情報や、登録された車種及び車両動力形式を記憶する記憶部である。記憶部613は、制御部612のCPUが実行するプログラムを記憶する。また、記憶部613は、車載器識別情報及び車両情報を記憶する。車両情報は、車種、ナンバープレート情報、及び車両動力形式を含む。
【0062】
カード処理部614は、入口料金所においては、入口路側装置51へ送信する契約情報をETCカードから読み出し、入口路側装置51から送信された入口通過情報をETCカードへ書き込む。ここで、入口通過情報は、入口路側装置51が設置された入口を特定する入口識別情報及び入口路側装置51と通信した入場通信日時を含む。
【0063】
また、カード処理部614は、出口料金所においては、出口路側装置52へ送信する入口通過情報及び契約情報をETCカードから読み出し、出口路側装置52から送信される出口通過情報をETCカードへ書き込む。ここで、出口通過情報は、出口路側装置52が設置された出口を特定する出口識別情報及び出口路側装置52と通信した出場通信日時を含む。
【0064】
入出力インタフェース615は、ナビゲーション装置62とデータを送受信するインタフェースである。例えば、入出力インタフェース615は、ナビゲーション装置62から、目的地へ向かうまでに通過する有料道路の出口を示す出口識別情報を受信したり、ナビゲーション装置62に対して、通信部611により受信される料金情報を送信する。
【0065】
続いて、ナビゲーション装置62について説明する。ナビゲーション装置62は、通行料金案内装置の一例であり、入出力インタフェース621、制御部622、記憶部623、及びユーザインタフェース624を備える。
【0066】
入出力インタフェース621は、車載器61とデータを送受信するインタフェースである。例えば、入出力インタフェース621は、目的地までの経路検索結果に含まれる有料道路の出場予定出口の出口識別情報を車載器61へ出力する。
【0067】
制御部622は、ナビゲーション処理を司る制御部である。制御部622は、地図データに基づき出発地(例えば現在地)から目的地までの経路、及び経路に含まれる有料道路の走行区間(入口料金所及び出口料金所を含む)を検索する。
【0068】
制御部622は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部622は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。
【0069】
記憶部623は、ナビゲーション処理に必要な地図データを記憶する。また、記憶部623は、制御部622のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0070】
ユーザインタフェース624は、各種情報を出力するディスプレイ及びスピーカを備える表示/操作部である。制御部622は、ユーザインタフェース624のディスプレイ及びスピーカを介して、制御部622の検索結果である出発地から目的地までの経路、及び経路に含まれる有料道路の走行区間を案内する。また、制御部622は、ユーザインタフェース624を介して、車載器61が受信した料金情報を案内する。
【0071】
[動作]
[利用者による出口指定有り]
有料道路の利用者による出口指定有りの場合の通行料金案内について説明する。
【0072】
図6は、第1の実施形態に係る通行料金案内(出口指定有り)の概念を示す図である。
後述するように、利用者は、出発地点で、ナビゲーション装置62を介して出口を指定する。その後、料金所Aから有料道路に侵入する。
【0073】
図7は、第1の実施形態に係る通行料金案内(出口指定有り)の一例を示すシーケンス図である。
まず、利用者は、出発地において、ナビゲーション装置62に対して、出発地及び目的地を指定する。ST101Aにおいて、ナビゲーション装置62のユーザインタフェース624は、出発地及び目的地の指定を受け付ける。
【0074】
ST102Aにおいて、制御部622は、記憶部623に記憶される地図データに基づき、出発地から目的地までの候補ルートを検索し、ユーザインタフェース624は、1又は複数の候補ルートを出力(表示)する。例えば、候補ルートは、有料道路の所定区間を含む。
【0075】
ST103Aにおいて、利用者は、ナビゲーション装置62に対して、1又は複数の候補ルートから所望のルートを指定する。ユーザインタフェース624を介して、指定ルートを受け付けると、制御部622は、指定ルートに含まれる有料道路の所定区間の出口を示す出口識別情報を検索し、入出力インタフェース621を介して、車載器61に対して、出口識別情報を出力する。
【0076】
ST201Aにおいて、車載器61の入出力インタフェース615は、出口識別情報を受信すると、制御部612は、料金問い合せを生成する。料金問い合せは、車載器情報、車種、車両情報、契約情報、及び出口識別情報を含む。
【0077】
次に、車両6は、出発地から目的地へ向けて走行を開始する。
車両6が有料道路の入口料金所に到達すると、有料道路の料金所の入口の第1のエリアE1から第2のエリアE2を通過し、料金所の出口へ向かう。第1のエリアE1を通過する車両6の車載器61は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131と通信する。
【0078】
ST202Aに示すように、第1のエリアE1を通過する車両6の車載器61は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131へ料金問い合せを送信する。
【0079】
ST301Aにおいて、車載器61から料金問い合せを受信すると入口路側装置51は、入口車線サーバ41へ料金問い合せを送信する。
【0080】
ST401Aにおいて、入口車線サーバ41の制御部411及び通信部413は、入口路側装置51から料金問い合せを受信すると、料金問い合せ及び入口通過情報を上位サーバ1へ送信する。入口通過情報は、入口識別情報及び入口通過日時を含む。
【0081】
上位サーバ1の通信部13は、入口車線サーバ41から料金問い合せ及び入口通過情報を受信する。制御部11の料金処理部111は、記憶部12に記憶される車種及び走行距離別の料金テーブル、入口通過情報、及び料金問い合せに基づき、車種及び走行距離に応じた通行料金を算出する。
【0082】
ここで、走行距離は、走行区間と読み替えても良い。また、入口通過情報は、通過した入口の入口識別情報を含む。料金問い合せは、車載器情報、車両情報、契約情報、及び出口識別情報を含む。出口識別情報は、所定出口の出口識別情報であり、ここでは、有料道路の利用者に指定された出場予定出口の出口識別情報である。
【0083】
料金処理部111は、入口通過情報に含まれる入口識別情報と、料金問い合せに含まれる出口識別情報から走行距離を検出し、走行距離に応じた通行料金を算出する。
【0084】
ST501Aに示すように、料金処理部111は、通行料金を示す料金情報を生成する。
【0085】
ST502Aに示すように、通信部13は、生成される料金情報を、問合せをしてきた料金所に対して送信する。料金情報は、入口識別情報に対応する入口の料金所名、出口識別情報に対応する出口の料金所名、車種、及び入口から出口までの通行料金を含む。
【0086】
なお、車種については、車載器の車種情報に基づき料金情報を生成するのが基本であるが、車両がボート等を牽引した場合などでは、車軸数が増えるため、料金の基準となる車種が変わることになる。
【0087】
ここで、入口車線サーバ41は、牽引による車種の変更は、第1のエリアで第1のアンテナ5131通信を行っている間に車両検知器等を利用して車両長や、車軸数を判別することで検出することで、車種の変更を認識する。このため、第2のエリアで第2のアンテナ5132と通信する前に、入口車線サーバ41は、車種が変わるか否かの判別ができる。例えば、入口車線サーバ41は、車載器に登録された車種と車両の車軸数から認識された車種を含む料金問い合わせを上位サーバ1に向けて送信する。
【0088】
このため、上位サーバ1は、ST502Aにより送信する料金情報は、車載器に登録された車種に基づく料金を出力することに加えて、入口車線サーバ41により認識された車種に基づく料金もあわせて出力するようにしてもよい。この場合、入口車線サーバ41が当該車両の車種を把握しているので、該当する車種の料金を選択して、第2のアンテナ5132経由で料金を通知することとなる。或いは、入口車線サーバ41は、上位サーバ1から出力される登録された車種と認識された車種のそれぞれの走行区間に応じた通行料金を第2のアンテナ5132経由で通知する。
【0089】
ST402Aにおいて、入口車線サーバ41の制御部411及び通信部413は、上位サーバ1から料金情報を受信すると、料金情報を入口路側装置51へ送信する。
【0090】
次にST302Aに示すように、入口路側装置51の路側IF集約部511は、入口車線サーバ41から料金情報を受信すると、当該料金情報を第2のアンテナ5132を介して第2のエリアE2を通過する車両6の車載器61へ送信する。例えば、第2のアンテナ5132が料金情報を送信した後、入口車線サーバ41は、入口通行明細を料金所サーバ31へ送信する。入口通行明細は、車載器情報、車両情報、契約情報、及び入口通過情報を含み、出口での通行料金計算に用いられる。
【0091】
ST203Aにおいて、第2のエリアE2を通過する車両6の車載器61の通信部611は、第2のアンテナ5132から送信される料金情報を受信する。
【0092】
ST204Aにおいて、入出力インタフェース615は、料金情報をナビゲーション装置62へ出力する。
【0093】
ST104Aにおいて、ナビゲーション装置62の入出力インタフェース621は、車載器61から料金情報を入力する。
【0094】
ST105Aにおいて、ユーザインタフェース624は料金情報を出力(表示)する。例えば、ユーザインタフェース624は、入口の料金所名、出口の料金所名、及び入口から出口までの通行料金を含む料金情報を表示する。
【0095】
なお、上記説明では、ナビゲーション装置62が、料金情報を出力するケースについて説明したが、ナビゲーション装置62に替えて、車載器61が、料金情報を出力してもよい。また、車両6側での料金情報の表示に加えて、入口路側装置51の路側表示器517が、料金情報を表示してもよい。
【0096】
これにより、利用者は、料金所の入口において、特段の入力操作を必要とせずに、出場予定出口までの通行料金を知ることができる。
【0097】
また、上記説明では、上位サーバ1が、車種及び走行距離別の料金テーブルに基づき、車種及び走行距離に応じた通行料金を算出するケースについて説明したが、車種別料金の適用がなければ、走行距離別の料金テーブルに基づき、走行距離に応じた通行料金を算出するようにしてもよい。
【0098】
なお、経路別の料金テーブルを利用し、経路別の通行料金を算出してもよい。即ち、料金処理部111は、記憶部12に記憶される経路及び走行距離別の料金テーブル、入口識別情報、及び出場予定の出口の出口識別情報に基づき、経路及び走行距離に応じた通行料金を算出する。
【0099】
例えば、入口から出場予定出口まで、複数経路が存在する場合、料金処理部111は、入場した入口の入口識別情報及び出場予定出口の出口識別情報に基づき、複数経路を検出する。さらに、料金処理部111は、各経路の走行距離を検出し、各経路の走行距離に応じた通行料金を算出する。この場合、ナビゲーション装置62等が出力する料金情報は、各経路の通行料金を含む。
【0100】
利用者は、料金所の入口において、複数経路の存在を知ることができ、また、複数経路の通行料金を知ることができる。例えば、利用者は、各経路の料金を見て、料金の安い経路を選択することができる。
【0101】
また、時間帯別の料金テーブルを利用し、時間帯に応じた通行料金を算出してもよい。即ち、料金処理部111は、記憶部12に記憶される時間帯及び走行距離別の料金テーブル、入口識別情報、入口通過日時、及び出場予定の出口の出口識別情報に基づき、時間帯及び走行距離に応じた通行料金を算出する。この場合、ナビゲーション装置62等が出力する料金情報は、時間帯及び走行距離に応じた通行料金を含む。また、料金情報は、割引又は割増しが適用されない通常時間帯の通行料金との差額を含んでもよい。
【0102】
利用者は、料金所の入口において、時間帯及び走行距離に応じた通行料金を知ることができる。また、料金情報が、差額を含む場合、利用者は、通常時間帯の通行料金との差額を知ることができ、この差額を参考にして、次回の走行スケジュールを立てることもできる。
【0103】
また、車両動力形式別の料金テーブルを利用し、車両動力形式に応じた通行料金を算出してもよい。即ち、料金処理部111は、記憶部12に記憶される車両動力形式及び走行距離別の料金テーブル、車両動力形式、入口識別情報、及び出場予定の出口の出口識別情報に基づき、車両動力形式及び走行距離に応じた通行料金を算出する。例えば、車両動力形式としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、モータ(電気)、及びハイブリット(エンジンとモータ)がある。この場合、ナビゲーション装置62等が出力する料金情報は、車両動力形式及び走行距離に応じた通行料金を含む。また、料金情報は、割引又は割増しが適用されない動力形式(例えばガソリンエンジン)の通行料金との差額を含んでもよい。
【0104】
利用者は、料金所の入口において、車両動力形式及び走行距離に応じた通行料金を知ることができる。また、料金情報が、差額を含む場合、利用者は、差額を参考にして動力形式の違いによるメリット、デメリットを知ることができる。
【0105】
なお、また、上位サーバ1は、走行距離別、経路別、時間帯別、車種別、及び車両動力形式別の料金テーブルを任意に組み合わせて、任意の組み合わせの料金を算出するようにしてもよい。
【0106】
図8は、第1の実施形態に係るナビゲーション装置から案内される料金情報の一例を示す図である。
【0107】
ナビゲーション装置62のユーザインタフェース624は、料金情報を表示する。
図8に示すように、料金情報は、入口料金所、入口通過日時、及び出口料金所を含む。さらに、料金情報は、出口料金所までの通行料金、経路(ルート)、時間帯、及びその他の条件を含む。利用者は、料金が異なる複数の経路が存在すること、時間帯の条件があること、その他の条件で電気自動車であることなどを知った上で、所望の経路を選択することができる。
【0108】
[利用者による出口指定無し]
次に、有料道路の利用者による出口指定無しの場合の通行料金案内について説明する。利用者は、特に出口を指定する必要はない。ナビゲーション装置62は、有料道路の事業者により設定された出場候補の出口に基づく通行料金を案内する。以下、詳細について説明する。
【0109】
有料道路の事業者(担当者)は、上位サーバ1に対して、1又は複数の出場候補の出口を指定する。ユーザインタフェース14は、担当者から入力される1又は複数の出場候補の出口を受け付け、記憶部12は、受け付けた出場候補の出口を記憶する。例えば、担当者は、代表的な出口を出場候補として指定する。代表的な出口とは、利用者が多い大都市の出口である。或いは、担当者は、代表的な入口と出場の候補をペアで指定してもよい。
【0110】
車両6は、出発地から目的地へ向けて走行し、途中、有料道路の料金所の入口の第1のエリアE1から第2のエリアE2を通過し、料金所の出口へ向かう。第1のエリアE1を通過する車両6の車載器61は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131と通信する。第1のエリアE1を通過する車両6の車載器61は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131へ料金問い合せを送信する。料金問い合せは、車載器情報、車両情報、及び契約情報を含む。なお、利用者による出口指定無しの場合、料金問い合せは、出口識別情報を含まない。
【0111】
入口路側装置51の第1のアンテナ5131は、車載器61から料金問い合せを受信し、路側IF集約部511は、料金問い合せを入口車線サーバ41へ送信する。入口車線サーバ41の通信部413は、入口路側装置51から料金問い合せを受信する。制御部411は、入口通過情報を生成する。通信部413は、料金問い合せ及び入口通過情報を上位サーバ1へ送信する。入口通過情報は、入口識別情報及び入口通過日時を含む。
【0112】
上位サーバ1の通信部13は、入口車線サーバ41から料金問い合せ及び入口通過情報を受信する。制御部11の料金処理部111は、記憶部12に記憶される車種及び走行距離別の料金テーブル、入口通過情報、料金問い合せ、及び出場候補の出口の出口識別情報に基づき、車種及び走行距離に応じた通行料金を算出する。さらに、料金処理部111は、算出された通行料金を含む料金情報を生成し出力する。通信部13は、生成される料金情報を送信する。
【0113】
入口車線サーバ41の通信部413は、上位サーバ1から料金情報を受信し、料金情報を入口路側装置51へ送信する。入口路側装置51の路側IF集約部511は、入口車線サーバ41から料金情報を受信し、第2のアンテナ5132は、料金情報を第2のエリアE2を通過する車両6の車載器61へ送信する。
【0114】
第2のエリアE2を通過する車両6の車載器61の通信部611は、第2のアンテナ5132から送信される料金情報を受信する。入出力インタフェース615は、料金情報をナビゲーション装置62へ出力する。ナビゲーション装置62の入出力インタフェース621は、車載器61から料金情報を入力する。ユーザインタフェース624は料金情報を出力(表示)する。例えば、ユーザインタフェース624は、入口の料金所名、出場候補の出口の料金所名、及び入口から出場候補の出口までの通行料金を含む料金情報を表示する。
【0115】
これにより、利用者は、事前に出口を指定することなく、また、料金所の入口において、特段の入力操作を必要とせずに、出場候補の出口までの通行料金を知ることができる。例えば、利用者は、目安となる代表的な出口までの通行料金を知ることができる。
【0116】
或いは、上位サーバ1は、通行履歴から推定される出場候補に基づき通行料金を案内してもよい。
【0117】
車載器61の記憶部613は、入口通過情報及び出口通過情報を含む通行履歴を記憶する。車載器61から送信される料金問い合せは、この通行履歴を含む。
【0118】
料金処理部111は、走行距離別の料金テーブル、入口識別情報、通行履歴から推定される出場候補の出口の出口識別情報に基づき、走行距離に応じた通行料金を算出し、通行料金を含む料金情報を生成する。
【0119】
例えば、前回通行した出口から出場することを想定し、料金処理部111は、通行履歴に含まれる直近の出口通過情報が含む出口識別情報を、出場候補の出口の出口識別情報とする。或いは、前回通行した入口から出場することを想定し、料金処理部111は、通行履歴に含まれる直近の入口通過情報が含む入口識別情報を、出場候補の出口の出口識別情報とする。
【0120】
これにより、利用者は、事前に出口を指定することなく、また、料金所の入口において、特段の入力操作を必要とせずに、出場候補の出口までの通行料金を知ることができる。例えば、利用者は、目安として、通行履歴から推定される出場候補の出口までの通行料金を知ることができる。
【0121】
或いは、上位サーバ1は、ナンバープレート情報から推定される出場候補に基づき通行料金を案内してもよい。
【0122】
車載器61の記憶部613は、車両情報を記憶し、車両情報は、ナンバープレート情報を含む。車載器61から送信される料金問い合せは、車両情報を含む。
【0123】
料金処理部111は、走行距離別の料金テーブル、入口識別情報、及びナンバープレート情報から推定される出場候補の出口の出口識別情報に基づき、走行距離に応じた通行料金を算出し、通行料金を含む料金情報を生成する。
【0124】
例えば、料金処理部111は、ナンバープレート情報に含まれる運輸支局等の情報から車両の登録地域を推定し、推定される登録地域の代表的な出口を出場候補とする。
【0125】
これにより、利用者は、事前に出口を指定することなく、また、料金所の入口において、特段の入力操作を必要とせずに、出場候補の出口までの通行料金を知ることができる。例えば、利用者は、目安として、ナンバープレート情報から推定される出場候補の出口までの通行料金を知ることができる。
<第2の実施形態>
[構成]
図9は、第2の実施形態に係るETCの概略構成の一例を示す図である。
第2の実施形態に係るETCの概略構成は、第1の実施形態に係るETCの概略構成に加えて、さらに交通情報管理サーバ6を備える。
【0126】
交通情報管理サーバ6は、有料道路の全体(全区間)の交通情報を収集し、定期的に更新する。例えば、交通情報は、区間別の混雑状況(渋滞距離及び所要時間)を含む。上位サーバ1は、交通情報問い合せに対して短時間で応答するために、定期的に交通情報管理サーバ6に対して全体又は一部の交通情報を要求する。交通情報管理サーバ6は、上位サーバ1からの定期的な要求に応じて、上位サーバ1へ全体又は一部の交通情報を送信する。上位サーバ1は、交通情報管理サーバ6からの現在(最新)の全体又は一部の交通情報を受信する。
【0127】
上位サーバ1は、問い合わせに対する案内情報を提示する情報提示サーバ(交通情報提示サーバ)の一例である。例えば、上位サーバ1は、交通情報問い合わせに対して、事前に受信した現在の全体又は一部の交通情報から、所定の走行区間に応じた所定の交通情報を取得し、所定の交通情報を含む案内情報を生成し、所定の交通情報を含む案内情報を提示する。
【0128】
また、上位サーバ1は、受信した現在の全体又は一部の交通情報及び過去の全体又は一部の交通情報から、渋滞予測を生成しておき、問い合わせに対して、即座に渋滞予測を含む案内情報を提示するようにしてもよい。問い合せの対象となる区間が長くなるほど、利用者にとって渋滞予測は価値ある情報となる。
【0129】
図10は、第2の実施形態に係る上位サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。第1の実施形態で説明したハードウェア構成の説明は適宜省略する。
通信部13は、定期的に交通情報管理サーバ6に対して全体又は一部の交通情報を要求し、交通情報管理サーバ6からの現在(最新)の全体又は一部の交通情報を受信する。記憶部12は、受信した交通情報を記憶する。
【0130】
制御部11は、交通情報処理部112を備える。交通情報処理部112は、情報処理部の一例であり、交通情報問い合わせに基づき、記憶部12に記憶された全体又は一部の交通情報から、所定の走行区間に応じた交通情報を生成し、交通情報を含む案内情報を出力する。
【0131】
[動作]
図11は、第2の実施形態に係る交通情報案内(出口指定有り)の概念を示す図である。
図12は、第2の実施形態に係る通行料金案内(出口指定有り)の一例を示すシーケンス図である。
【0132】
ST501Bにおいて、上位サーバ1は、交通情報問い合せに対して短時間で応答するために、定期的に交通情報管理サーバ6に対して全体又は一部の交通情報を要求する。
【0133】
ST601Bにおいて、交通情報管理サーバ6は、定期的な交通情報の要求を受信する。
【0134】
ST602Bにおいて、交通情報管理サーバ6は、交通情報の要求に対応して、現在(最新)の全体又は一部の交通情報を送信する。
【0135】
ST502Bにおいて、上位サーバ1は、交通情報管理サーバ6からの現在(最新)の全体又は一部の交通情報を受信し、受信した交通情報を記憶部12に記憶する。
【0136】
一方、利用者は、出発地において、ナビゲーション装置62に対して、出発地及び目的地を指定する。ST101Bにおいて、ナビゲーション装置62のユーザインタフェース624は、出発地及び目的地の指定を受け付ける。
【0137】
ST102Bにおいて、制御部622は、記憶部623に記憶される地図データに基づき、出発地から目的地までの候補ルートを検索し、ユーザインタフェース624は、1又は複数の候補ルートを出力(表示)する。例えば、候補ルートは、有料道路の所定区間を含む。
【0138】
ST103Bにおいて、利用者は、ナビゲーション装置62に対して、1又は複数の候補ルートから所望のルートを指定する。ユーザインタフェース624を介して、指定ルートを受け付けると、制御部622は、指定ルートに含まれる有料道路の所定区間の出口を示す出口識別情報を検索し、入出力インタフェース621を介して、車載器61に対して、出口識別情報を出力する。
【0139】
ST201Bにおいて、車載器61の入出力インタフェース615は、出口識別情報を受信すると、制御部612は、交通情報問い合せを生成する。交通情報問い合せは、車載器情報、車種、車両情報、契約情報、及び出口識別情報を含む。
【0140】
次に、車両6は、出発地から目的地へ向けて走行を開始する。
【0141】
車両6が有料道路の入口料金所に到達すると、有料道路の料金所の入口の第1のエリアE1から第2のエリアE2を通過し、料金所の出口へ向かう。第1のエリアE1を通過する車両6の車載器61は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131と通信する。
【0142】
ST202Bに示すように、第1のエリアE1を通過する車両6の車載器61は、入口路側装置51の第1のアンテナ5131へ交通情報問い合せを送信する。
【0143】
ST301Bにおいて、車載器61から交通情報問い合せを受信すると入口路側装置51は、入口車線サーバ41へ交通情報問い合せを送信する。
【0144】
ST401Bにおいて、入口車線サーバ41の制御部411及び通信部413は、入口路側装置51から交通情報問い合せを受信すると、交通情報問い合せ及び入口通過情報を上位サーバ1へ送信する。入口通過情報は、入口識別情報及び入口通過日時を含む。
【0145】
上位サーバ1の通信部13は、入口車線サーバ41から交通情報問い合せ及び入口通過情報を受信する。入口通過情報は、通過した入口の入口識別情報を含む。交通情報問い合せは、車載器情報、車両情報、契約情報、及び出口識別情報を含む。出口識別情報は、所定出口の出口識別情報であり、ここでは、有料道路の利用者に指定された出場予定出口の出口識別情報である。
【0146】
ST501Bに示すように、交通情報処理部112は、入口通過情報に含まれる入口識別情報と、交通情報問い合せに含まれる出口識別情報から走行区間(所定の区間)を検出し、走行区間に応じた交通情報を生成する。
【0147】
ST502Bに示すように、通信部13は、生成される交通情報を、問合せをしてきた料金所に対して送信する。交通情報は、入口識別情報に対応する入口の料金所名、出口識別情報に対応する出口の料金所名を含む。
【0148】
ST402Bにおいて、入口車線サーバ41の制御部411及び通信部413は、上位サーバ1から交通情報を受信すると、交通情報を入口路側装置51へ送信する。
【0149】
次にST302Bに示すように、入口路側装置51の路側IF集約部511は、入口車線サーバ41から交通情報を受信すると、当該交通情報を第2のアンテナ5132を介して第2のエリアE2を通過する車両6の車載器61へ送信する。
【0150】
ST203Bにおいて、第2のエリアE2を通過する車両6の車載器61の通信部611は、第2のアンテナ5132から送信される交通情報を受信する。
【0151】
ST204Bにおいて、入出力インタフェース615は、交通情報をナビゲーション装置62へ出力する。
【0152】
ST104Bにおいて、ナビゲーション装置62の入出力インタフェース621は、車載器61から交通情報を入力する。
【0153】
ST105Bにおいて、ユーザインタフェース624は交通情報を出力(表示)する。例えば、ユーザインタフェース624は、入口の料金所名、出口の料金所名、及び入口から出口までの所定の区間の交通情報を表示する。
【0154】
なお、上記説明では、ナビゲーション装置62が、交通情報を出力するケースについて説明したが、ナビゲーション装置62に替えて、車載器61が、交通情報を出力してもよい。また、車両6側での交通情報の表示に加えて、入口路側装置51の路側表示器517が、交通情報を表示してもよい。
【0155】
これにより、利用者は、料金所の入口において、特段の入力操作を必要とせずに、出場予定出口までの交通情報を知ることができる。
【0156】
なお、経路別の交通情報を提供してもよい。例えば、交通情報処理部112は、入口から出場予定出口まで、複数経路が存在する場合、交通情報処理部112は、入場した入口の入口識別情報及び出場予定出口の出口識別情報に基づき、複数経路を検出する。さらに、交通情報処理部112は、各経路の交通情報を生成する。この場合、ナビゲーション装置62等は、各経路の交通情報を出力する。
【0157】
利用者は、料金所の入口において、複数経路の存在を知ることができ、また、複数経路の交通情報を知ることができる。例えば、利用者は、交通情報を見て、混雑の少ない経路を選択することができる。
【0158】
なお、ここでは、出口指定有りのケースについて説明したが、第1の実施形態で説明したように出口指定無しにも適用可能である。つまり、ナビゲーション装置62は、有料道路の事業者により設定された出場候補となる出口までの交通情報を案内する。
【0159】
また、第1の実施形態で説明したように、ナビゲーション装置62が、出発地から目的地までの複数の候補ルートを検索する場合、車載器61が、これら複数の候補ルートに対応する交通情報を問い合せて、上位サーバ1が、これら複数の候補ルートに対応する交通情報を送信し、車載器61が、これら複数の候補ルートに対応する交通情報を案内してもよい。
【0160】
図13は、第2の実施形態に係るナビゲーション装置から案内される交通情報の一例を示す図である。
ナビゲーション装置62のユーザインタフェース624は、交通情報を表示する。
図13に示すように、交通情報は、入口料金所、入口通過日時、及び出口料金所を含む。さらに、交通情報は、経路(ルート)、渋滞有無、付帯情報を含む。付帯情報は、所要時間、走行距離、及び渋滞総距離等を含む。利用者は、渋滞状況の異なる複数の経路が存在することを知った上で、所望の経路を選択することができる。
【0161】
例えば、ナビゲーション装置62は、目的地に近い複数の出口を検索し、出発地から目的地までの複数の候補ルートを検索するようにしてもよい。利用者は、これら複数の候補ルートに対応する交通情報を考慮し、どのルートを走行するか、即ち、どの出口から出場するかを判断することができる。
<第3の実施形態>
[構成]
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態の組み合わせである。全体構成は、
図9に示す第2の実施形態の全体構成と同様であり、説明を省略する。
図14は、第2の実施形態に係る上位サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。第1及び第2の実施形態で説明したハードウェア構成の説明は適宜省略する。
【0162】
制御部11は、料金処理部111及び交通情報処理部112を備える。料金処理部111については第1の実施形態で説明した通り、交通情報処理部112は第2の実施形態で説明した通りである。
【0163】
[動作]
図15は、第3の実施形態に係る料金及び交通情報案内(出口指定有り)の概念を示す図である。
図16は、第3の実施形態に係る料金及び交通情報案内(出口指定有り)の一例を示すシーケンス図である。
【0164】
ST101C~ST105C、ST201C~ST204C、ST301C~ST302C、ST401C~ST402C、ST501C~ST504C、及びST601C~ST602Cは、ST101B~ST105B、ST201B~ST204B、ST301B~ST302B、ST401B~ST402B、ST501B~ST504B、及びST601B~ST602Bに対応する。
【0165】
図16では、
図12に示す交通情報問い合せを料金及び交通情報問い合せと読み替え、交通情報を料金及び交通情報と読み替えるものとする。
図17は、第3の実施形態に係るナビゲーション装置から案内される料金及び交通情報の一例を示す図である。
【0166】
ナビゲーション装置62のユーザインタフェース624は、交通情報を表示する。
図17に示すように、交通情報は、入口料金所、入口通過日時、及び出口料金所を含む。さらに、交通情報は、経路(ルート)、渋滞有無、付帯情報、出口料金所までの料金を含む。利用者は、渋滞状況、走行距離、及び通行料金の異なる複数の経路が存在することを知った上で、所望の経路を選択することができる。
【0167】
例えば、ナビゲーション装置62は、目的地に近い複数の出口を検索し、出発地から目的地までの複数の候補ルートを検索するようにしてもよい。利用者は、これら複数の候補ルートに対応する通行料金及び交通情報を考慮し、どのルートを走行するか、即ち、どの出口から出場するかを判断することができる。
【0168】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0169】
1…上位サーバ
6…車両
11…制御部
111…料金処理部
112…交通情報処理部
12…記憶部
13…通信部
14…ユーザインタフェース
21…データ処理装置
211…制御部
212…記憶部
213…通信部
31…料金所サーバ
311…制御部
312…記憶部
313…通信部
22…データ処理装置
221…制御部
222…記憶部
223…通信部
32…料金所サーバ
321…制御部
322…記憶部
323…通信部
41…入口車線サーバ
42…出口車線サーバ
51…入口路側装置
52…出口路側装置
61…車載器
62…ナビゲーション装置
411…制御部
412…記憶部
413…通信部
421…制御部
422…記憶部
423…通信部
511…路側IF集約部
513…車両通信部
5131…第1のアンテナ
5132…第2のアンテナ
514…車両検知部
515…車軸検知部
516…発進制御器
517…路側表示器
521…路側IF集約部
523…車両通信部
5231…アンテナ
524…車両検知部
526…発進制御器
527…路側表示器
611…通信部
612…制御部
613…記憶部
614…カード処理部
615…入出力インタフェース
621…入出力インタフェース
622…制御部
623…記憶部
624…ユーザインタフェース