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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002818
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】低温飲用酒類、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20231228BHJP
【FI】
C12G3/04
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102251
(22)【出願日】2022-06-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】307013857
【氏名又は名称】株式会社ロッテ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 亜希
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(72)【発明者】
【氏名】河又 由子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 寛之
【テーマコード(参考)】
4B115
【Fターム(参考)】
4B115LG02
4B115LH01
4B115LH11
4B115LH12
4B115LP02
(57)【要約】
【課題】冷凍条件下で氷晶を含み、かつ流動性を備えた低温飲用酒類であって、氷晶の粗大化の発生が抑制された、低温飲用酒類の提供。
【解決手段】2.0体積%以上のアルコール、10重量%~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、および0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンと0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、を含み、気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.0体積%以上のアルコール、
10重量%~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、および
0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンと0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
【請求項2】
0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含み、飲用時に氷晶が知覚されることを特徴とする、請求項1に記載の低温飲用酒類。
【請求項3】
酒類ベースミックスおよび氷片を20:80~85:15の重量比率で混合し、含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌および冷却して得られることを特徴とする請求項1に記載の低温飲用酒類であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記アルコール、および
前記マンナンおよび前記寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
請求項1に記載の低温飲用酒類。
【請求項4】
0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含み、飲用時に氷晶が知覚されることを特徴とする、請求項3に記載の低温飲用酒類。
【請求項5】
2.0体積%以上のアルコール、
10重量%~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、
0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナン、および
0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
【請求項6】
0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含み、飲用時に氷晶が知覚されることを特徴とする、請求項5に記載の低温飲用酒類。
【請求項7】
酒類ベースミックスおよび氷片を20:80~85:15の重量比率で混合し、含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌および冷却して得られることを特徴とする請求項5に記載の低温飲用酒類であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記アルコール、および
前記マンナンおよび前記寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
請求項5に記載の低温飲用酒類。
【請求項8】
0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含み、飲用時に氷晶が知覚されることを特徴とする、請求項5に記載の低温飲用酒類。
【請求項9】
油脂および安定剤の少なくともいずれかが、さらに含まれることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の低温飲用酒類。
【請求項10】
果汁、果実、果肉、葉肉、種実、およびゲル様食品のうちの少なくとも一つ以上がさらに含まれることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の低温飲用酒類。
【請求項11】
口栓付き容器に充填されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の低温飲用酒類。
【請求項12】
酒類ベースミックス、および氷片を20:80~85:15の重量比率で混合する工程、および
含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌、および冷却を行う工程、を含む低温飲用酒類の製造方法であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記低温飲用酒類に対し2.0体積%以上のアルコール、および
前記低温飲用酒類に対し0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンおよび前記低温飲用酒類に対し0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類の製造方法。
【請求項13】
酒類ベースミックス、および氷片を20:80~85:15の重量比率で混合する工程、および
含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌、および冷却を行う工程、を含む低温飲用酒類の製造方法であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記低温飲用酒類に対し2.0体積%以上のアルコール、
前記低温飲用酒類に対し0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナン、および
前記低温飲用酒類に対し0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類の製造方法。
【請求項14】
前記エアレーション、撹拌、および冷却を行う工程の後に、さらに、硬化する工程を含む、請求項12または13に記載の低温飲用酒類の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酒類に関するものであり、さらには、特に品温-20℃~-2℃の温度で氷晶を含み、かつ流動性を備えた低温飲用酒類、およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低温条件下において飲用可能で嗜好性の高い酒類を得んとする試みは従来よりなされてきた。特許文献1および特許文献2は、氷晶を含む酒類を開示する。これらの特許文献では、酒類ベースミックスと氷片とを混合し、エアレーションすることで、知覚できる程度の大きさの氷片を含む酒類を製造することを開示する。
【0003】
一方、酒類は、アルコールを含むため、凍結温度が低い。市販される、低温飲用酒類は、流通や家庭用冷凍庫での保存の際に、温度変動による熱ショックを受けやすく、凍結点が低いことに起因し、氷晶の粗大化が生じやすい。すなわち、冷凍保存中に、氷晶が成長、あるいは凝集して、氷晶が意図しない大きさとなる。その結果、酒類の食感が悪化し、流動性や滑らかさが損なわれる等の品質の劣化が生じる。そのため、低温飲用酒類は、賞味期限の設定や、在庫管理が困難であるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5102934号公報
【特許文献2】特許第5436312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷凍条件下で氷晶を含み、かつ流動性を備えた低温飲用酒類であって、氷晶の粗大化の発生が抑制された、低温飲用酒類の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究の結果、低温飲用酒類が0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナン、および0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれかを含むことで、氷晶の粗大化の発生が抑制されることを見出し、本発明にいたった。
【0007】
すなわち本発明は、
2.0体積%以上のアルコール、
10~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、および
0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンおよび0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、
を含み、気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類を提供する。
【0008】
本発明は、さらに、
酒類ベースミックスおよび氷片を20:80~85:15の重量比率で混合し、
含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌および冷却して得られることを特徴とする前記低温飲用酒類であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記アルコール、および
前記マンナンおよび前記寒天の少なくともいずれか、
を含み、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類を提供する。
【0009】
本発明は、さらには、酒類ベースミックス、および氷片を20:80~85:15の重量比率で混合する工程、および
含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌、および冷却を行う工程、を含む低温飲用酒類の製造方法であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記低温飲用酒類に対し2.0体積%以上のアルコール、および
前記低温飲用酒類に対し0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンおよび前記低温飲用酒類に対し0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
低温条件下、特に品温-20℃~-2℃の温度で氷晶を含み、かつ気泡を含有して、流動性を備えた低温飲用酒類において、氷晶の粗大化を抑えることができる。
【0011】
以下本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第一の実施形態は以下の低温飲用酒類である。
2.0体積%以上のアルコール、
10重量%~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、および
0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンと0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
【0012】
また、本発明は第二の実施形態は以下の低温飲用酒類である。
酒類ベースミックスおよび氷片を20:80~85:15の重量比率で混合し、含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌および冷却して得られることを特徴とする前記低温飲用酒類であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記アルコールおよび前記マンナンおよび前記寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mm(より好ましくは、0.05mm~2.0mm)であることを特徴とする、
低温飲用酒類。
【0013】
(酒類・アルコール)
本明細書において「酒類」とは酒税法、第1章、第2条で定められた酒類を指す。低温飲用酒類とは、低温、特には、品温が-20℃~-2℃の温度において飲用される酒類をいう。
本発明の低温飲用酒類は2.0体積%以上のアルコールを含む。なお、低温飲用酒類において、含有割合を体積割合で規定する際は、低温飲用酒類のうち気泡を除いた体積を100%とする。すなわち本発明では、気泡を除いた体積あたり、アルコールを2.0体積%以上含むことになる。アルコールは、食用のアルコール類であれば限定なく用いられる。具体的にはエチルアルコール(エタノール)、グリセリン、グリセリンの重合物であるポリグリセリン、プロピレングリコール等が挙げられ、中でもエチルアルコールが好ましい。すなわち、本発明の低温飲用酒類は好ましくはエチルアルコールを2.0体積%以上含み、より好ましくは2.0体積%~9.0体積%含む。アルコールの含有量が2.0体積%より低いと、凍結点が低いことに起因して、氷晶の粗大化が生じやすいという、本発明の課題をそもそも生じにくい。アルコールの含有量が9.0体積%より高いと、凍結点が低すぎて、-20℃~-2℃の温度における流動性、および、その他の嗜好性等を備えた所望の低温飲用酒類とならない。
【0014】
(気泡)
本発明における低温飲用酒類は気体を気泡として含む。気体としては、例えば酸素、窒素、炭酸ガス、空気、不活性ガス、その他食品に通常使用し得るものを限定なく用いることができる。気泡の含有率は、気泡を除く低温飲用酒類の体積を100%とした場合に、1~150%が好ましい。
【0015】
(マンナン)
マンナンはD-マンノースを基本骨格とする多糖をいう。植物の種子、果実、塊茎、針葉樹の木質部、微生物、海藻などに含まれる。マンナンとしては、構成成分のほとんどがD-マンノースであるもの、ガラクトースを含むガラクトマンナン、グルコースを含むグルコマンナンのいずれでもよいが、好ましい例として、コンニャクイモ等から得られたものが挙げられる。マンナンは各種メーカーから入手可能である。
本発明の低温飲用酒類は、0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンを含むことができ、これによって、氷晶の粗大化が抑制される。
【0016】
(寒天)
寒天は、紅藻類、特にテングサ、オゴノリから抽出され、ガラクトースを基本骨格とする多糖であり、中性のアガロースとイオン性のアガロペクチンからなる。寒天としては、一般に入手可能なものを制限なく使用することができる。寒天は各種メーカーから入手可能である。
本発明の低温飲用酒類は、0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天を含むことができ、これによって、氷晶の粗大化が抑制される。
【0017】
本発明の低温飲用酒類は、0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンか、または、0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天を含めばよいが、最も好ましくは、0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンおよび0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天を含む。これらを含むことによって、より効果的に氷晶の粗大化が抑制される。
【0018】
(氷晶・氷片)
本明細書において使用する「氷晶」「氷片」について説明する。氷晶とは、氷の結晶を指し、氷塊、氷片、一部が融解した氷片、混合物の凍結中に水分が結晶化して生じた氷の結晶は全て氷晶である。一方、氷片は、氷晶の下位概念であり、氷晶のうち、製造過程で投入されるものを指す。氷片は、特に限定はないが、好ましくは、1cm以上の氷塊を、切削、破砕等する、あるいは、氷晶を分別する、あるいは、切削、破砕等したのちに分別することによって得ることができる。分別の例としては、篩にかけることを挙げられる。
【0019】
本発明の低温飲用酒類において、氷晶は、製造中に加えられた氷片に由来するもの、すなわち、加えられた氷片そのもの、氷片の一部が融解したもの、それらが凍結したもの、さらに、氷片に由来せず、混合物の凍結中に水分が結晶化して生じた氷の結晶を含む。
【0020】
本発明の低温飲用酒類は、10重量%~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶を含む。このような氷晶を含む結果、低温飲用酒類は飲用する者に冷涼感をもたらす。より、好ましくは、本発明の低温飲用酒類は0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含む。さらに好ましくは、本発明の低温飲用酒類は0.07mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含む。0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含むことで、飲用者に氷晶を知覚させることができ、より高い冷涼感を与えることができる。
【0021】
第二の実施形態においては、低温飲用酒類は、酒類ベースミックスと、氷片とを混合する工程を経て得られる。酒類ベースミックスと、氷片との重量比率は20:80~85:15であり、より好ましくは20:80~80:25の重量比率である。下記実施例においては氷片との重量比率は50:50である。混合される氷片の80重量%以上は長軸が、0.01mm~5.0mmであり、0.05mm~2.0mmがより好ましく、さらには、0.1mm~1.2mmがより好ましく、さらには、0.1mm~1.0mmがより好ましく、あるいは、0.1mm~0.8mmであることがより好ましい。このような氷片が混合されることは、低温飲用酒類が、0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含むこと、さらには、0.07mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含むことに寄与する。
【0022】
なお、第二の実施形態において、氷片は酒類ベースミックスとの混合の前に、分別されることが好ましく、分別は、例えば、0.8mm~2.0mmの目開きの篩を用いて行うことが好ましい。
【0023】
(流動性)
アルコールは、酒類の凍結温度を低下させる。本発明の低温飲用酒類は、アルコールを2.0体積%以上含むため、その凍結温度が十分に低く、固体状に硬化しづらい。したがって、アルコールは、-20℃~-2℃、好ましくは-15℃~-2℃、より好ましくは-12℃~-4℃の温度で飲用可能な流動性を備えることに寄与する。なお、飲用とはコップ、グラス、口栓付き容器等に収容された低温飲用酒類をスプーン等によって掬い取る、掻き出す、30kg以上の握力で圧搾する等の操作を加えることなく、例えばストローおよび/またはそれに類する器物を用いて、または口栓から吸い込んで喫食することや、容器を傾けることによってその流動性により口中に流し込み喫食することができることを指す。ただし、言うまでもなく、本発明の低温飲用酒類は容器から直接飲用される以外に、スプーン等で喫食されることを妨げるものではない。
【0024】
すなわち、好ましくは、本発明の低温飲用酒類は、-15℃~-2℃、より好ましくは-12℃~-4℃の温度において、ストロー等で吸入すること、口栓から吸い込んで喫食すること、30kg未満の握力で圧搾して押し出すこと、あるいは、容器を傾けて自然に流動させることが可能である。
【0025】
(酒類ベースミックス)
第二の実施形態において、低温飲用酒類は、酒類ベースミックスと氷片とを混合、エアレーション、撹拌および冷却して得られる。酒類ベースミックスとは、氷片と混合される前の、原材料混合物に相当し、アルコールと、マンナンおよび寒天の少なくともいずれかを含む。
【0026】
低温飲用酒類の凍結温度は酒類ベースミックスの融解開始温度に依存する。-20℃~-2℃の温度条件において流動性を備えた低温飲用酒類を得るために、酒類ベースミックスは、示差走査熱量計による測定において、その融解開始温度が-2℃以下、さらには-20℃~-2℃であることが好ましい。
【0027】
本発明の低温飲用酒類、および酒類ベースミックスは、好ましくは、糖類、糖アルコール類を含み、さらに、酸味料、塩類、タンパク質等を含むことができる。これらの物質は、呈味を与えること、あるいは、低温飲用酒類の凍結温度を低下させることに寄与する場合がある。
【0028】
糖類としては、具体的には果糖、ブドウ糖のような単糖類、砂糖、トレハロース、マルトース、乳糖のような二糖類、マルトトリオース、マルトテトラオース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオリゴ糖等の各種オリゴ糖類、各種水飴、粉飴等や蜂蜜等が好適である。又、ポリデキストロース等の食物繊維も水飴、粉飴と同様に酒類ベースミックスに含むことができる。
【0029】
糖アルコール類としては、具体的にはキシリトール、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール等あるいは還元水飴が好適である。
【0030】
酸味料としては、具体的にはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の食用の酸類やそれらの塩が好適である。
【0031】
塩類としては、具体的には塩化ナトリウム、塩化カリウム等の食用の塩類全般が好適である。
【0032】
タンパク質としては、乳タンパク質、大豆タンパク質、小麦タンパク質、えんどう豆タンパク質等の食用タンパク質或いは乳製品、豆乳のような一般的なタンパク質含有食品が好適である。
【0033】
以上に例示した物質は、低温飲用酒類の呈味、粘性、凍結温度等を鑑みて、適宜選択して適量が加えられる。
【0034】
(安定剤)
マンナンおよび寒天は、氷晶の粗大化を抑制して、低温飲用酒類を安定的に保つことに寄与することから、安定剤ということができる。本発明の低温飲用酒類、および酒類ベースミックスには、マンナンまたは/および寒天に加え、さらなる安定剤を加えることができる。安定剤としては、例えば、増粘多糖類、ペクチン、ゼラチン等を挙げられる。増粘多糖類としては、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギナン、タマリンドシードガム、キサンタンガム、セルロース等を挙げられる。
好ましくは、さらなる安定剤は、ローカストビーンガム、タマリンシードガム、セルロースのいずれか、あるいはこれらの複数を挙げられ、それぞれの添加量は、ローカストビーンガムは、0.031重量%以上0.134重量%以下、タマリンシードガムは0.039重量%以上0.165重量%以下、セルロースは0.005重量%以上0.052重量%以下を挙げることができる。
これら安定剤は、氷晶の粗大化を防止する、あるいは、低温飲用酒類に滑らかな飲用感を付加するといったことに寄与する。ただし、その添加量は、安定剤の種類によって適宜決定され、低温飲用酒類がストローで吸い込めない程の高い粘度となったり、ゲル化したりしない程度が好ましい。
【0035】
(その他の添加物)
本発明の低温飲用酒類、および酒類ベースミックスは、その他、呈味性を増すために、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、いちご、メロン、バナナ、マンゴー、パイナップル等の各種果実類の果汁・果肉、葉肉、木の実等の種実類や、牛乳、クリーム、コンデンスミルク等の乳製品や、発酵乳、コーヒー、紅茶等の抽出物およびそれらの濃縮物や、コーヒー、紅茶、抹茶等の微粉砕物や、寒天やゼラチンによって固められたゲル様食品を含んでもよい。また、気泡の含有率を高めるために従来知られた起泡剤、例えばタンパク質分解物を含んでもよい。
【0036】
(油脂類)
本発明の低温飲用酒類、および酒類ベースミックスは油脂類を含むことができる。油脂として中鎖脂肪酸トリグリセリドのような融点がマイナス温度帯にあるものを使用すると、低温での流動性がさらに改善されるので望ましいが、一般的に食用とする油脂であれば特に限定されない。
【0037】
(エアレーション)
本発明における低温飲用酒類は気体を気泡として含み、好ましくは、気体の体積分率が1%~150%となるように気体を気泡として含んでいる。気体としては、例えば酸素、窒素、炭酸ガス、空気、不活性ガス、その他食品に通常使用し得るものを限定なく用いることができる。
エアレーションとは対象物に気体を含有させることを指し、好ましくは、気体は撹拌によって数百μm程度の大きさの微細な気泡として含有される。例えばバッチ式アイスクリームフリーザーのような、エアレーションと撹拌、冷却を実施することが可能な装置によって、気体を含ませることが可能である。エアレーションは低温飲用酒類の製造工程のいかなる段階で行われても良く、例えば、撹拌、冷却の前に予め行われても良いし、撹拌・冷却と並行して行われても良いし、又、撹拌・冷却後に改めて別途行われても良い。
気体は低温飲用酒類に適度な軟らかさを与え、同じ凍結温度を有する低温飲用酒類であれば気体の含有量が多い程軟らかい食感となるが、多すぎると流動性が乏しくなる場合がある。また、気体を含有させることで口の中に入る低温飲用酒類の体積あたりの熱容量が小さくなり、低温で飲用しても口腔或いは咽喉等が損傷することを防ぐ効果が得られる。
【0038】
(品温)
本発明の低温飲用酒類は-20℃~-2℃、より好ましくは-15℃~-2℃、さらに好ましくは-12℃~-4℃の温度で飲用されることが望ましい。-2℃より高い温度においても飲用は可能であるが、氷晶が融解し、10~85重量%の0.01mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を含有せず、本発明の低温飲用酒類の特徴である冷涼感が得られにくい可能性がある。
本発明の低温飲用酒類を下限温度である-20℃よりも低温にて流動性を有するよう調製することは、例えばアルコール濃度および/または糖質濃度を高めることによって凍結温度を低下させることで、技術的には可能であるが、氷晶の粗大化がさらに生じやすく、また、そのような場合アルコール感や甘味が過度に強くなり、嗜好性が乏しくなるのみならず-15℃を下回る低い温度で飲用する場合、口腔或いは咽喉が過度に低温となり凍傷を引き起こす恐れがある。従って、過度に低温での流動性を維持することは望ましくなく、本発明の低温飲用酒類はその品温が-20℃以上で飲用されることが望ましい。
【0039】
本発明は第三の実施形態として、
酒類ベースミックス、および氷片を20:80~85:15の重量比率で混合する工程、および含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌、および冷却を行う工程、を含む低温飲用酒類の製造方法であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記低温飲用酒類に対し2.0体積%以上のアルコール、および
前記低温飲用酒類に対し0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンおよび前記低温飲用酒類に対し0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類の製造方法を提供する。
【0040】
本実施形態の詳細はこれまでに説明するとおりである。本実施形態は、さらに、得られた低温飲用酒類を販売用の容器に充填する工程を含むことができ、販売用の容器の例として、チア-パック(商標)等の口栓付き容器を挙げることができる。また、本実施形態は、さらに、硬化する工程を含んでもよい。硬化工程においては製造された低温飲用酒類を、好ましくは容器に充填後、-20℃以下の温度条件下で冷凍硬化して行われる。
【0041】
実施例
実施例1の調製
酒類ベースミックスの調製
砂糖、ローカストビーンガム、
タマリンドシードガム、マンナン、寒天、微結晶セルロース、その他安定剤。水を混合した。マンナンは、コンニャクイモ由来でアルコール処理がされ、主にマンノースからなるものを用いた。寒天はオゴノリ由来のものを用いた。混合物を撹拌・混合しつつ85℃まで加温した後、氷水中で速やかに冷却し5℃の糖液ミックスを得た。糖液ミックス42体積%と、市販のウォッカ(59度)8.4体積%を加えて混合し、全体で2.0kgとして酒類ベースミックスを調製した。組成を表1に示す。表1においては、アルコールの含有量は得られた低温飲用酒類から気泡を除いたものを100%として、体積%で示し、その他の物質については得られた低温飲用酒類における重量%で示す。
【0042】
氷片の調製
氷塊4kgを削氷機で切削し、得られた削氷を-35℃での条件下で保蔵後さらにハンマーで破砕し、次いで目開き1.0mmの篩を使用して長さ約1.0mm未満の画分を得た。次いで該画分を目開き0.1mmの篩を使用し滞留部と通過部に選別して滞留部3400gを得、これを氷片として用いた。該氷片を顕微鏡で観察したところ0.1mm未満の大きさの氷片も、1.0mmを超える大きさの氷片もほとんど存在せず、ほぼすべての氷片が0.1mm~1.0mmの範囲の大きさであった。
【0043】
低温飲用酒類の調製
調製した、0.1mm~1.0mmの氷片を-10℃の恒温槽中で保持したもの2kgと、-3℃に冷却した、上記の酒類ベースミックス2kgとを混合した後に、バッチ式アイスクリームフリーザーを用いてエアレーション、撹拌および冷却を並行して行い、空気の含量が20体積%の半凍結状の低温飲用酒類3700gを得た。これをプラスチック製の飲み口を有する容量140mlのチア-パックに、各々約140mlずつ充填した。これらを-40℃の急速冷凍庫で1時間保持して硬化して、実施例1の低温飲用酒類とした。
【0044】
<実施例2~8、および比較例について>
アルコールの含有割合を表1に示すとおり変更した以外は実施例1と同様に実施例2~5の低温飲用酒類を調製した。
マンナンと寒天の含有割合を表1に示すとおり変更した以外は実施例1と同様に実施例6、7の低温飲用酒類を調製した。
マンナンを加えなかった以外は実施例1と同様に実施例8の低温飲用酒類を調製した。
マンナンおよび寒天のいずれも加えなかった以外は実施例1と同様に比較例の低温飲用酒類を調製した。
【0045】
<品質確認試験>
得られた実施例1~8および比較例の低温飲用酒類を各試料とし、6日間のヒートショックを与えた。ヒートショックにおいては、試料を-20℃で4時間保温、その後30分間かけて、-5℃とし、-5℃で2時間保温、その後30分間かけて、-20℃とすることを、6日間続けた。
試料はヒートショックの後、官能試験に供された。官能試験に供される試料は、試験前に12時間-20℃で保温された。官能試験は、いずれも40歳代の2名のパネラーが、試料を飲用し、以下の指標に基づいて評価した。
++:氷晶の粗大化が起こらず、食感および流動性はヒートショックを与えなかった場合と同等である。商品として十分な品質である。
+:氷晶の粗大化が軽微に起こり、食感および流動性は、ヒートショックを与えなかった場合と比較して異なる。賞味期限を付す等の対応をすれば、商品とすることができる。
-:氷晶の粗大化が起こり、ヒートショックを与えなかった場合と比較して、明らかに品質が異なる。流動性が低く、口栓付き容器からの吐出・吸引が困難であり、商品とすることができない。
【0046】
結果を表1に示す。なお、結果は示さないが、マンナンのみを含み、寒天を含まない低温飲用酒類においても、氷晶の粗大化が起こらず、商品価値が棄損されないことを確認した。
【0047】
【表1】
【0048】
本発明は、以下の実施形態を含む。
(1)
2.0体積%以上のアルコール、
10重量%~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、および
0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンと0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
(2)
2.0体積%以上のアルコール、
10~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、および
0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナン、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
(3)
2.0体積%以上のアルコール、
10~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、および
0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
(4)
2.0体積%以上のアルコール、
10~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、
0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナン、および0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
(5)
酒類ベースミックスおよび氷片を20:80~85:15の重量比率で混合し、含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌および冷却して得られることを特徴とする低温飲用酒類であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記アルコール、および
前記マンナンおよび前記寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
(1)から(4)のいずれかに記載の低温飲用酒類。
(6)
0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含み、飲用時に氷晶が知覚されることを特徴とする、(1)から(5)のいずれかに記載の低温飲用酒類。
(7)
油脂および安定剤の少なくともいずれかが、さらに含まれることを特徴とする、(1)から(6)のいずれかに記載の低温飲用酒類。
(8)
果汁、果実、果肉、葉肉、種実、およびゲル様食品のうちの少なくとも一つ以上がさらに含まれることを特徴とする、(1)から(7)のいずれかに記載の低温飲用酒類。
(9)
口栓付き容器に充填されることを特徴とする、(1)から(8)のいずれかに記載の低温飲用酒類。
(10)
酒類ベースミックス、および氷片を20:80~85:15の重量比率で混合する工程、および
含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌、および冷却を行う工程、を含む低温飲用酒類の製造方法であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記低温飲用酒類に対し2.0体積%以上のアルコール、および
前記低温飲用酒類に対し0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナンおよび前記低温飲用酒類に対し0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天の少なくともいずれか、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類の製造方法。
(11)
酒類ベースミックス、および氷片を20:80~85:15の重量比率で混合する工程、および
含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌、および冷却を行う工程、を含む低温飲用酒類の製造方法であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記低温飲用酒類に対し2.0体積%以上のアルコール、
前記低温飲用酒類に対し0.021重量%以上0.083重量%以下のマンナン、および
前記低温飲用酒類に対し0.0005重量%以上0.011重量%以下の寒天、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類の製造方法。
(12)
(1)から(9)のいずれかに記載の低温飲用酒類を製造するための(10)または(11)に記載の低温飲用酒類の製造方法。
(12)
前記エアレーション、撹拌、および冷却を行う工程の後に、さらに、硬化する工程を含む、(10)から(12)のいずれかに記載の低温飲用酒類の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.0体積%以上のアルコール、
10重量%~85重量%の0.01mm~5.0mmの長軸の長さを有する氷晶、
0.0416重量%以上0.0469重量%以下のマンナン、および
0.0012重量%以上0.0014重量%以下の寒天、を含み
気泡を含有して、-20℃~-2℃の温度において流動性を備えることを特徴とする、低温飲用酒類。
【請求項2】
0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含み、飲用時に氷晶が知覚されることを特徴とする、請求項に記載の低温飲用酒類。
【請求項3】
酒類ベースミックスおよび氷片を20:80~85:15の重量比率で混合し、含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌および冷却して得られることを特徴とする請求項に記載の低温飲用酒類であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記アルコール
前記マンナン、および
前記寒天
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
請求項1に記載の低温飲用酒類。
【請求項4】
0.05mm~1.5mmの長軸の長さを有する氷晶を50重量%以上含み、飲用時に氷晶が知覚されることを特徴とする、請求項に記載の低温飲用酒類。
【請求項5】
油脂および安定剤の少なくともいずれかが、さらに含まれることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の低温飲用酒類。
【請求項6】
果汁、果実、果肉、葉肉、種実、およびゲル様食品のうちの少なくとも一つ以上がさらに含まれることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の低温飲用酒類。
【請求項7】
口栓付き容器に充填されることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の低温飲用酒類。
【請求項8】
酒類ベースミックス、および氷片を20:80~85:15の重量比率で混合する工程、および
含まれる気体の体積分率が1%~150%かつ品温が-1℃より低くなるようにエアレーション、撹拌、および冷却を行う工程、を含む低温飲用酒類の製造方法であって、
前記酒類ベースミックスは、
前記低温飲用酒類に対し2.0体積%以上のアルコール、
前記低温飲用酒類に対し0.0416重量%以上0.0469重量%以下のマンナン、および
前記低温飲用酒類に対し0.0012重量%以上0.0014重量%以下の寒天、
を含むことを特徴とし、
さらに、
前記氷片の80重量%以上は長軸が0.01mm~5.0mmであることを特徴とする、
低温飲用酒類の製造方法。
【請求項9】
前記エアレーション、撹拌、および冷却を行う工程の後に、さらに、硬化する工程を含む、請求項に記載の低温飲用酒類の製造方法。