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特開2024-28185取引管理装置、取引管理システム、ユーザ端末、取引管理方法、表示制御方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028185
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】取引管理装置、取引管理システム、ユーザ端末、取引管理方法、表示制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20240222BHJP
【FI】
G06Q10/30
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131656
(22)【出願日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2022130089
(32)【優先日】2022-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔1〕 ウェブサイトの掲載日 令和3年10月26日 ウェブサイトのアドレス <URL:https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2021/21-1026.html >(三菱マテリアル株式会社 ホームページ プレスリリース 『E-Scrapビジネスの新プラットフォーム 「MEX」の運用開始』) <資料> 三菱マテリアル株式会社 プレスリリース画面 プリントアウト 〔2〕 ウェブサイトの掲載日 令和3年10月26日 ウェブサイトのアドレス <URL:https://route06.co.jp/news/6 >(株式会社ROUTE06 ホームページ ニュース一覧 『E-Scrap取引プラットフォーム「MEX」開発で協業』) <資 料> 株式会社ROUTE06 プレスリリース画面 プリントアウト 〔3〕 ウェブサイトの掲載日 令和3年12月20日 ウェブサイトのアドレス <URL:https://lp.mex-mmc.com/ >(三菱マテリアル株式会社 ホームページ 『E-Scrapビジネスの新プラットフォーム「MEX」のサービス開始と紹介サイトの開設』) <資 料> 三菱マテリアル株式会社 製品紹介サイト画面 プリントアウト 〔4〕 放送日 令和4年3月7日 放送番組 テレビ東京 経済ニュース番組 『モーニングサテライト』 <資 料> 株式会社テレビ東京ウェブサイト 番組画面 プリントアウト
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】岩滝 雅子
(72)【発明者】
【氏名】豊住 恵介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 国博
(72)【発明者】
【氏名】押田 裕太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】リサイクル原料に係る取引の明確化を図る技術を提供すること。
【解決手段】取引管理装置は、情報取得手段と、更新手段と、送信手段とを備える。情報取得手段は、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する。更新手段は、前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する。送信手段は、前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得手段と、
前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新手段と、
前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信手段と、
を備える取引管理装置。
【請求項2】
前記含有量評価過程は、前記リサイクル原料の評価に係る評価工程を含み、
前記進捗状況の情報は、前記評価工程において受け付けた評価結果を含み、
前記更新手段は、前記情報取得手段によって前記評価結果が取得されることに応じて、前記ステータス情報を更新する、
請求項1に記載の取引管理装置。
【請求項3】
前記評価結果を登録する登録手段を備え、
前記送信手段は、前記閲覧要求に応じて、前記登録手段に登録された前記評価結果を含む前記画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する、
請求項2に記載の取引管理装置。
【請求項4】
前記ユーザが指定した前記取引に係る見込みを示す見込情報を取得する見込情報取得手段を備え、
前記進捗状況の情報は、作業スタッフから受け付けた、前記取引に係る入力情報を含み、
前記送信手段は、前記見込情報と前記入力情報との乖離に基づく確認通知を前記ユーザ端末装置へ送信する、
請求項1または2に記載の取引管理装置。
【請求項5】
前記見込情報は、前記ユーザが指定した前記リサイクル原料の見込重量を含み、
前記含有量評価過程は、前記リサイクル原料の重量を量る計量工程を含み、
前記入力情報は、前記計量工程における計量結果を含み、
前記送信手段は、前記見込重量と前記計量結果との乖離に基づく前記確認通知を前記ユーザ端末装置へ送信する、
請求項4に記載の取引管理装置。
【請求項6】
前記含有量評価過程は、前記リサイクル原料のサンプリングを行うサンプリング工程を含み、
前記見込情報は、前記サンプリング工程で用いられる複数のサンプリング手法のうち、前記ユーザが指定した一のサンプリング手法を示す情報を含み、
前記入力情報は、前記一のサンプリング手法とは異なる他のサンプリング手法であって、作業スタッフが指定した前記他のサンプリング手法を示す情報を含み、
前記送信手段は、前記一のサンプリング手法と前記他のサンプリング手法とに基づく前記確認通知を前記ユーザ端末装置へ送信する、
請求項4に記載の取引管理装置。
【請求項7】
前記含有量評価過程は、前記リサイクル原料が撮像される工程を含み、
前記リサイクル原料の撮像データを登録する登録手段を備え
前記送信手段は、前記ユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記撮像データを含む前記画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する、
請求項1または2に記載の取引管理装置。
【請求項8】
前記含有量評価過程は、リサイクル工場における、前記リサイクル原料の重量を測定する工程と、前記リサイクル原料をサンプリングする工程と、前記リサイクル原料の含有金属を分析する工程とのうち、少なくともいずれか一の工程を含む、
請求項1または2に記載の取引管理装置。
【請求項9】
取引管理装置と、顧客が具備するユーザ端末装置とを含む取引管理システムであって、
前記取引管理装置は、
ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得手段と、
前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新手段と、
前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信手段と、
を備え、
前記ユーザ端末装置は、
前記閲覧要求を行う要求手段と、
前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備える取引管理システム。
【請求項10】
ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程に応じたステータス情報であって、各工程において進捗状況の情報に基づいて更新される前記ステータス情報を含む画面情報の閲覧要求を取引管理装置に行う要求手段と、
前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えるユーザ端末装置。
【請求項11】
取引管理装置のコンピュータが、
ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得ステップと、
前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新ステップと、
前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信ステップと、
を含む処理を実行する取引管理方法。
【請求項12】
ユーザ端末装置のコンピュータが、
ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程に応じたステータス情報であって、各工程において進捗状況の情報に基づいて更新される前記ステータス情報を含む画面情報の閲覧要求を取引管理装置に行う要求ステップと、
前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記画面情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、
を含む処理を実行する表示制御方法。
【請求項13】
取引管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得手段、
前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新手段、
前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信手段、
として機能させるプログラム。
【請求項14】
ユーザ端末装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程に応じたステータス情報であって、各工程において進捗状況の情報に基づいて更新される前記ステータス情報を含む画面情報の閲覧要求を取引管理装置に行う要求手段、
前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信手段、
前記受信手段によって受信された前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引管理装置、取引管理システム、ユーザ端末、取引管理方法、表示制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器などのスクラップなどから、金や銀などの有価金属を回収するリサイクルの取り組みが行われている。このようなリサイクルでは、回収事業者が持ち込んだリサイクル原料に対して対価が支払われ、すなわち、取引が行われる。
【0003】
関連する技術として、金属相場データを複数の操作端末に送信するとともに、操作端末間で送信される見積情報の履歴情報を、操作端末からの要求に応じて送信する金融取引システムが開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
リサイクルに係る取引において、回収事業者であるユーザは、製錬所等のリサイクル処理業者にリサイクル原料を持ち込む。リサイクル処理業者は、リサイクル原料に含まれる有価金属の含有量を評価する。有価金属の含有量評価過程は、例えば、原料の重量測定、破砕・縮分・サンプリング、水分測定、含有金属の分析、などの複数の工程を含む。このため、持ち込みから評価の決定までに、2~6週間程度を要することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6989193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、ユーザは持ち込んだリサイクル原料が含有量評価過程のどの工程にあるのかが不明なことがあるため、ユーザにとってリサイクル原料に係る取引が明確ではないことがある、という問題があった。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、リサイクル原料に係る取引の明確化を図る技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様である取引管理装置は、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得手段と、前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新手段と、前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信手段と、を備える取引管理装置である。
【0009】
本発明の一態様である取引管理システムは、取引管理装置と、顧客が具備するユーザ端末装置とを含む取引管理システムであって、前記取引管理装置は、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得手段と、前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新手段と、前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信手段と、を備え、前記ユーザ端末装置は、前記閲覧要求を行う要求手段と、前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段と、を備える取引管理システムである。
【0010】
本発明の一態様であるユーザ端末装置は、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程に応じたステータス情報であって、各工程において進捗状況の情報に基づいて更新される前記ステータス情報を含む画面情報の閲覧要求を取引管理装置に行う要求手段と、前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段と、を備えるユーザ端末装置である。
【0011】
本発明の一態様である取引管理方法は、取引管理装置のコンピュータが、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得ステップと、前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新ステップと、前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信ステップと、を含む処理を実行する取引管理方法である。
【0012】
本発明の一態様である表示制御方法は、ユーザ端末装置のコンピュータが、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程に応じたステータス情報であって、各工程において進捗状況の情報に基づいて更新される前記ステータス情報を含む画面情報の閲覧要求を取引管理装置に行う要求ステップと、前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信した前記画面情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、を含む処理を実行する表示制御方法である。
【0013】
本発明の一態様であるプログラムは、取引管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する情報取得手段、前記進捗状況の情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する更新手段、前記ユーザが有するユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、前記ステータス情報を含む画面情報を前記ユーザ端末装置へ送信する送信手段、として機能させるプログラムである。
【0014】
本発明の一態様であるプログラムは、ユーザ端末装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザが納入した有価金属を含有するリサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程に応じたステータス情報であって、各工程において進捗状況の情報に基づいて更新される前記ステータス情報を含む画面情報の閲覧要求を取引管理装置に行う要求手段、前記閲覧要求に応じて、前記取引管理装置から前記画面情報を受信する受信手段、前記受信手段によって受信された前記画面情報を表示部に表示させる表示制御手段、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リサイクル原料に係る取引の明確化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る取引管理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
図2】取引管理サーバ100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】工場端末装置110およびユーザ端末装置120のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4A】取引管理DB101が記憶する取引情報の一例を示す説明図である。
図4B】取引管理DB101が記憶する取引情報の一例を示す説明図である。
図4C】取引管理DB101が記憶する取引情報の一例を示す説明図である。
図5】ユーザ端末装置120に表示される予約画面の一例を示す説明図である。
図6】取引管理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図7】重量に係る確認通知が行われたことを示す閲覧画面の一例を示す説明図である。
図8】サンプリング手法の変更に係る確認通知を行われたことを示す閲覧画面の一例を示す説明図である。
図9】ユーザ端末装置120に表示される取引一覧閲覧画面の一例を示す説明図である。
図10】取引一覧閲覧画面の他の画面例を示す説明図である。
図11】ユーザ端末装置120に表示される詳細閲覧画面の一例を示す説明図である。
図12】取引管理システム1における処理の流れを示すシーケンス図である。
図13】ユーザ端末装置120が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図14】取引管理サーバ100が行うステータスの更新に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図15】取引管理サーバ100が行うステータスの更新に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図16】取引管理サーバ100が行う画面情報の送信に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図17A】搬送車両のコンテナからリサイクル原料を開梱する際の様子を示す図である。
図17B】フレコンバックに袋詰めされた原料を開梱する際の様子を示す図である。
図18】開梱エリア1714内における撮像装置の設置例を示す図である。
図19】開梱画像を含む閲覧画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態)
(取引管理システム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係る取引管理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。図1に示すように、取引管理システム1は、取引管理サーバ100と、工場端末装置110と、ユーザ端末装置120とを備える。それぞれの装置は、ネットワーク140(例えば、TCP/IPによるネットワーク、モバイルネットワーク等)によって通信可能に接続されている。また、それぞれの装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0018】
(取引管理サーバ100)
取引管理サーバ100は、取引管理装置の一例である。取引管理サーバ100は、回収事業者であるユーザと、製錬所等のリサイクル工場(リサイクル処理業者)との間で行われる有価金属の取引を管理する。取引において、ユーザは、リサイクル工場にリサイクル原料(スクラップ)を納入する。リサイクル原料は、ユーザによって直接リサイクル工場に持ち込まれてもよいし、第3者を介してリサイクル工場に持ち込まれてもよい。
【0019】
リサイクル原料は、有価金属を含有する。有価金属は、例えば、金、銀、銅などを含む。ユーザは、リサイクル原料に含まれる有価金属に応じた対価を、リサイクル工場から得る。有価金属の対価は、リサイクル工場における有価金属の含有量評価過程を経て、当該評価結果に基づいて決定される。含有量評価過程は、原料の重量測定、破砕・縮分・サンプリング、水分測定、含有金属の分析、などの複数の工程を含む。有価金属は、取引の対象となることが見込める金属である。評価結果によっては、リサイクル原料には、有価金属が含まれない場合も生じ得る。
【0020】
取引管理サーバ100は、取引管理DB(データベース)101(登録手段の一例)を備え、取引管理DB101に記憶される内容に基づいて、ユーザごとに取引情報を管理する。取引情報は、リサイクル工場に持ち込まれるリサイクル原料の持込予定日や持ち込む量などの各種スケジュールのほか、含有量評価過程における評価結果などを含む。なお、取引管理DB101の詳細については、図4Aおよび図4B図4Cを用いて後述する。
【0021】
(工場端末装置110)
工場端末装置110は、リサイクル工場における各工程の作業エリアに配置される。すなわち、工場端末装置110は、作業エリアに応じた数だけ存在する。工場端末装置110は、例えば、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などのコンピュータ装置である。工場端末装置110は、取引に係る各工程において、作業スタッフ(工場スタッフ)から種々の操作を受け付ける。
【0022】
例えば、工場端末装置110は、各工程の開始を示す入力操作や、各工程における各種の入力操作や、原料ごとに割り当てられるLOT番号の入力操作などを受け付ける。LOT番号は、リサイクル工場に搬入されたリサイクル原料ごとに付される識別情報である。LOT番号は、例えば、QRコード(登録商標)等の原料識別コードで表される。当該原料識別コードは、リサイクル原料に紐づけられて付記され、スキャナやカメラ等の読取機で読み取られる。作業スタッフは、読取機を用いて原料識別コードを読み取る操作を行う。これにより、工場端末装置110は、原料識別コードを取得することが可能である。
【0023】
工場端末装置110は、作業スタッフの操作に応じて受け付けた入力情報を取引管理サーバ100へ送信する。取引管理サーバ100は、工場端末装置110から受信した入力情報を取引管理DB101に登録する。
【0024】
(ユーザ端末装置120)
ユーザ端末装置120は、ユーザが有する。ユーザ端末装置120は、ユーザ数に応じた数だけ存在する。ユーザ端末装置120は、例えば、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などのコンピュータ装置である。ユーザ端末装置120は、例えば、ユーザの操作に応じて、リサイクル原料の取引に係る予約を受け付け、受け付けた予約を示す取引情報を取引管理サーバ100へ送信する。取引管理サーバ100は、ユーザ端末装置120から受信した取引情報を取引管理DB101に登録する。
【0025】
(取引管理サーバ100のハードウェア構成)
図2は、取引管理サーバ100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2において、取引管理サーバ100は、CPU201と、メモリ202と、通信I/F(インターフェース)203と、記憶媒体I/F204とを備える。各部は、バス220によってそれぞれ接続される。
【0026】
CPU201は、取引管理サーバ100の全体の制御を司る。メモリ202は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、ROMやフラッシュROMは、本実施形態に係る取引管理プログラムなどの各種プログラムを記憶する。RAMは、CPU201のワークエリアとして使用される。メモリ202に記憶されるプログラムは、CPU201にロードされることで、コーディングされている処理をCPU201に実行させる。
【0027】
通信I/F203は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、工場端末装置110やユーザ端末装置120)に接続される。また、通信I/F203は、ネットワーク140と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
記憶媒体I/F204は、CPU201の制御にしたがって、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光ディスクなど記憶媒体や取引管理DB101に対するデータのリード、ライトを制御する。
【0028】
(工場端末装置110およびユーザ端末装置120のハードウェア構成)
図3は、工場端末装置110およびユーザ端末装置120のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3において、工場端末装置110およびユーザ端末装置120は、それぞれ、CPU301と、メモリ302と、入力デバイス303と、通信I/F304と、出力デバイス305と、記憶媒体I/F306とを備える。各部は、バス320によってそれぞれ接続される。
【0029】
CPU301は、工場端末装置110およびユーザ端末装置120の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、ROMやフラッシュROMは、本実施形態に係る表示制御プログラムなどの各種プログラムを記憶する。
【0030】
RAMは、CPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0031】
入力デバイス303は、タッチパネルや操作ボタンである。入力デバイス303は、キーボード、マウス、マイクなどを含む。また、入力デバイスは、スキャナやカメラを含む。スキャナやカメラは、QRコードなどの各種コードを読み取ることが可能である。スキャナの読取方式は、例えば、レーザー方式やCCD方式などである。カメラには、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラが用いられる。
【0032】
通信I/F304は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、取引管理サーバ100)に接続される。また、通信I/F304は、ネットワーク140と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
【0033】
出力デバイス305は、ディスプレイ、スピーカなどを含む。ディスプレイは、画像を表示し、例えば、タッチパネル式のものでもよい。スピーカは、音を出力する。
記憶媒体I/F306は、CPU301の制御にしたがって、USBフラッシュメモリ、SSD、磁気ディスク、光ディスクなど不図示の記憶媒体に対するデータのリード、ライトを制御する。
【0034】
(取引管理DB101が記憶する取引情報の一例)
図4Aおよび図4B図4Cは、取引管理DB101が記憶する取引情報の一例を示す説明図である。なお、図4Aおよび図4B図4Cは、紙面の大きさとの関係上、3つ図に分けて説明するが、1つ図で表すことができる。取引管理DB101は、メモリ202によって実現される。
【0035】
図4Aおよび図4B図4Cにおいて、取引管理DB101は、「ユーザ名」と、「ユーザID」と、「LOT」と、「出荷案内書番号」と、「出荷日」と、「持込予定日」と、「受入場所」と、「受入日」と、「ステータス」と、「原料画像」と、「見込/確定」と、「サンプリング」と、「サンプリング動画」と、「湿量」と、「水分」と、「乾量」と、「成分」との各項目を含む。各項目は、作業スタッフによる工場端末装置110への操作に基づいて、または、ユーザによるユーザ端末装置120への操作に基づいて、入力される。各項目にそれぞれ所定の情報が入力されることにより、取引管理DB101には、取引ごとに取引情報401が記憶されることになる。
【0036】
以下、取引管理DB101の各項目について説明する。
「ユーザ名」は、ユーザの名称(例えば、会社名、支店名、事業所名など)である。
「ユーザID」は、回収事業者であるユーザを一意に特定することが可能な識別情報である。
「LOT」は、ユーザが持ち込むリサイクル原料に係る取引を識別する識別情報である。「LOT」は、取引ごとに付される。このため、同種のリサイクル原料が複数の容器で搬入された場合には、複数の容器のリサイクル原料に対して同一のLOTが付され、一方で、一の容器で搬入された場合には、一の容器の有価リサイクルに対してLOTが付される。
【0037】
「出荷案内書番号」は、出荷前に発行される出荷案内書を識別する識別番号である。出荷案内書は、リサイクル原料の取引に係る予約に基づいて、受け付けた予約の内容と、出荷の方法等の依頼事項などを記載した書類や電子データである。
「出荷日」は、ユーザがリサイクル原料を出荷する日である。
「持込予定日」は、ユーザがリサイクル原料をリサイクル工場に持ち込む予定日である。
「受入場所」は、リサイクル原料の受け入れを行う製錬所(リサイクル工場)である。
「受入日」は、リサイクル工場がリサイクル原料を受け入れた日である。
「ステータス」は、リサイクル原料の取引に係る工程を示す。「ステータス」は、例えば15種類あり、図示では、説明の便宜上、15種類のステータスを示している。「ステータス」の詳細については後述する。
「見込/確定」は、ユーザが持ち込むリサイクル原料の情報を示し、ユーザが予約時に入力する「見込」と、含有量評価過程において作業スタッフが入力する「確定」とを示す。
「原料画像」は、リサイクル工場が受け入れたリサイクル原料の撮像データであり、例えば、計量開始時に、作業スタッフによって撮像された撮像データである。
【0038】
「サンプリング」は、サンプリング手法を示す。「サンプリング」は、例えば、オートサンプリングと、マニュアルサンプリングとを含む。
評価工程の対象としてリサイクル原料の一部をサンプリングする際に、機械を用いるのがオートサンプリングであり、作業スタッフがスコップ等で実施するのがマニュアルサンプリングである。マニュアルサンプリングでは、作業スタッフが任意の部分をサンプリングするのに対し、オートサンプリングでは機械が自動でランダムにサンプリングする。サイズが大きく機械での破砕が困難な部材を含む場合などは、オートサンプリングできないことがあり、この場合、マニュアルサンプリングが選択される。
「サンプリング」は、「見込」のサンプリングと、「確定」のサンプリングとを含む。「見込」のサンプリングは、ユーザが希望するサンプリング手法である。「確定」のサンプリングは、リサイクル工場で判断したサンプリング手法である。「見込」のサンプリングと、「確定」のサンプリングとは異なる場合がある。
【0039】
例えば、ユーザがオートサンプリングを希望したものの、オートサンプリングよりもマニュアルサンプリングの方が適切な場合がある。マニュアルサンプリングの方が適切な場合とは、例えば、金属が多い場合であり、言い換えれば、粉砕機を破損させ兼ねない場合である。このような場合には、ユーザの承諾を得ることによって、サンプリング手法を変更する。なお、図示では、サンプリング手法は、2種類を示しているが、2種類に限らず、3種類以上としてもよい。例えば、オートサンプリングのサンプリング手法は、2段階の破砕および縮分と、両破砕の間に渦電流選別とを組み合わせた高品位のサンプリングや、4軸破砕による大ロットでのサンプリング、一軸破砕機やスナイダーサンプラーを用いたサンプリングなど複数のサンプリング手法を含むようにしてもよい。
【0040】
「サンプリング動画」は、サンプリング工程において作業スタッフによって撮像されたサンプリング時の撮像データである。
【0041】
「湿量」は、水分込みのリサイクル原料の重量を示す。「湿量」は、「見込」の湿量と、「確定」の湿量とを含む。「見込」の湿量は、ユーザが入力した湿量である。「確定」のサンプリングは、作業スタッフが計量した実際の湿量(評価結果)である。湿量の測定が完了していないステータス(「到着待ち」のステータス、および「計量済み・検品中」のステータス)では、取引情報401のうち「確定」の湿量は「NULL」を示す。
「水分」は、リサイクル原料に含まれる水分量(評価結果)を示す。水分量の測定が完了していないステータス(「水分値測定中」に至るまでのステータス)では、取引情報401のうち「確定」の湿量は「NULL」を示す。
【0042】
「乾量」は、乾燥後のリサイクル原料の重量(評価結果)を示す。水分量の測定が完了していないステータス(「水分値測定中」に至るまでのステータス)では、取引情報401のうち「確定」の乾量は「NULL」を示す。
「成分」は、リサイクル原料に含まれる各金属を示す成分(評価結果)であり、例えば、金、銀、銅などである。成分の分析が完了していないステータス(「分析中」に至るまでのステータス)では、取引情報401のうち「確定」の成分は「NULL」を示す。
【0043】
(ステータスについて)
以下に、15種類のステータスについて説明する。
(1)「到着待ち」:予約から、受入場所にリサイクル原料が搬入されるまでの間を示す。
(2)「到着済み・計量待ち」:受入場所にリサイクル原料が搬入されて、荷降ろしをすることにより、受入が完了し、計量の準備をしていることを示す。リサイクル原料は、搬入されると、取引(リサイクル原料)の識別情報(例えばLOT)を示すQRコード(原料識別コード)が付される。工場端末装置110は、各工程において、作業スタッフの操作に応じて、原料識別コードを読み取って、LOT番号を入力することができる。また、各工程における入力情報は、LOT番号と関連付けられて、取引管理サーバ100に送信される。なお、原料識別コードは、リサイクル原料を識別できる情報であればよく、LOT番号以外の情報としてもよい。
(3)「計量済み・検品中」:リサイクル原料の計量(湿量込み)が完了し、サンプリングヤードで検品中であることを示す。
(4)「サンプリング中」:リサイクル原料のサンプリング中を示す。
(5)「水分値測定中」:リサイクル原料のサンプリングが完了し、水分値の測定を行っていることを示す。
(6)「分析中」:リサイクル原料の水分値の測定が完了し、含有金属の分析を行っていることを示す。
(7)「分析値確定済み」:分析が完了し、分析値が確定したことを示す。
(8)「再分析値確定済み」:再分析が完了し、再分析値が確定したことを示す。
(9)「再々分析値確定済み」:再々分析が完了し、再々分析値が確定したことを示す。
(10)「受入取消」:受入月以降に受入がキャンセルされたことを示す。
(11)「概算払」:概算払いの完了を示す。
(12)「精算払」:精算払いの完了を示す。
(13)「再支払」:再支払の完了を示す。
(14)「再々支払」:再々支払の完了を示す。
(15)「受託」:受託契約に基づいて受け入れられたことを示す。
【0044】
(ステータスの更新について)
ステータスの更新は、ステータスに対応するフラグが更新されることによって行われる。当該フラグは、工場端末装置110が作業スタッフから受け付けた所定の入力に応じて更新される。以下に、各ステータスが更新される際の所定の入力について説明する。
上記(1)「到着待ち」の設定:ユーザによる予約の確定を示す入力。
上記(2)「到着済み・計量待ち」への更新:受入場所にリサイクル原料が搬入されたことを示す入力。なお、当該入力は、受入時に撮像される画像データの入力としてもよい。
上記(3)「計量済み・検品中」への更新:湿量の入力。
上記(4)「サンプリング中」への更新:サンプリングの開始を示す入力。
上記(5)「水分値測定中」への更新:サンプリングの終了を示す入力。
上記(6)「分析中」への更新:水分値の入力。
上記(7)「分析値確定済み」への更新:分析値の入力。
上記(8)「再分析値確定済み」への更新:再分析値の入力。
上記(9)「再々分析値確定済み」への更新:再々分析値の入力。
上記(10)「受入取消」への更新:受入取消を示す入力。
上記(11)~(14)への更新:各支払を示す入力。
上記(15)への更新:受託を示す入力。
【0045】
(リサイクル原料の取引に係る予約画面の一例について)
次に、図5を用いて、ユーザ端末装置120に表示される予約画面について説明する。
図5は、ユーザ端末装置120に表示される予約画面の一例を示す説明図である。図5において、予約画面500は、不図示のホーム画面において表示される予約開始ボタンが押下(選択)されることにより表示される画面である。予約画面500は、ユーザから各種の入力を受け付ける。
【0046】
具体的には、予約画面500は、各種の入力欄を含む。より具体的には、予約画面500は、基本情報入力欄510と、ロット情報入力欄520とを含む。基本情報入力欄510は、「出荷日」、「持込予定日」、「受入場所」、「原料グループ」、「輸送手段」、「運送会社」、「車番」、「運転手」、「台数」、「備考」の各欄を含む。各欄には、例えば、プルダウンメニューから文字や数字が入力されてもよいし、文字や数字が直接入力されてもよい。
【0047】
「出荷日」の欄は、ユーザがリサイクル原料を出荷する日の指定を受け付ける。「持込予定日」の欄は、ユーザがリサイクル原料を持ち込む予定日の指定を受け付ける。「受入場所」の欄は、リサイクル原料の受入を行う製錬所(工場)の指定を受け付ける。「原料グループ」の欄は、リサイクル原料、または貴金属の原料である貴金属原料の指定を受け付ける。本実施形態において、ユーザは、リサイクル原料を指定するものとする。「輸送手段」の欄は、例えば、リサイクル原料の輸送を取り扱う営業所の指定を受け付ける。「運送会社」、「車番」、「運転手」および「台数」の各欄は、リサイクル原料の運送に関する各種情報の入力を受け付ける。
【0048】
ロット情報入力欄520は、「品名」、「荷姿」、および見込情報521を含む。「品名」の欄は、金銀滓、部品、未破砕基板、スラッジ等の品名の指定を受け付ける。「荷姿」の欄は、リサイクル原料を梱包する容器の種類や、容器の個数の入力を受け付ける。
【0049】
見込情報521は、ユーザが指定した取引に係る見込みを示す情報である。具体的には、見込情報521は、希望サンプリング521a、湿量521b、品位521cの各欄に入力される情報を示す。希望サンプリング521aの欄は、ユーザが希望するサンプリング手法を受け付ける。具体的には、希望サンプリング521aの欄は、例えば、オートサンプリング、マニュアルサンプリング、指定なし、のうちいずれかの入力を受け付ける。
【0050】
湿量521bの欄は、リサイクル原料の重量に関し、ユーザが予測する水分込みの見込重量の入力を受け付ける。
品位521cの欄は、当該リサイクル原料に含まれる各成分の見込含有率(または含有量)の入力を受け付ける。
【0051】
予約画面500において、各種入力欄に項目が入力されて、確認ボタン530が押下されると、不図示の確認画面に遷移する。確認画面において、予約内容の確定を受け付けると、予約内容が確定する。予約内容が確定すると、ユーザ端末装置120は、確定した予約内容を示す取引情報を取引管理サーバ100へ送信する。そして、取引管理サーバ100は、取引情報を取引管理DB101に登録する。
【0052】
(取引管理システム1の機能的構成の一例)
次に、取引管理システム1の機能的構成について説明する。
図6は、取引管理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。図6において、取引管理サーバ100は、入力情報取得部601と、更新部602と、送信部603と、抽出部604と、見込情報取得部605とを備える。各部は、取引管理サーバ100が備えるCPU201によって実現される。すなわち、CPU201がメモリ202に記憶される取引管理プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0053】
また、ユーザ端末装置120は、要求部611と、受信部612と、表示制御部613とを備える。各部は、ユーザ端末装置120が備えるCPU301によって実現される。すなわち、CPU301がメモリ302に記憶される表示制御プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0054】
入力情報取得部601は、情報取得手段の一例である。入力情報取得部601は、リサイクル原料に係る取引の含有量評価過程を含む各工程において進捗状況の情報を取得する。各工程は、各ステータスに対応する工程である。進捗状況の情報は、例えば、各工程において作業スタッフから受け付けた入力情報を含む。入力情報は、ステータスの更新に係る所定の入力に基づく情報である。入力情報は、含有量評価過程における評価結果を含む。
【0055】
更新部602は、入力情報取得部601によって取得された入力情報に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新する。ステータス情報は、取引管理DB101に登録されている取引情報のうち、ステータスを示す情報である。ステータス情報の更新について一例を挙げると、上述したように、現在のステータスが「到着待ち」であれば、更新部602は、受入場所にリサイクル原料が搬入されたことを示す入力情報が取得されることにより、ステータスを「到着済み・計量待ち」に更新する。
【0056】
(ユーザ端末装置120による閲覧画面の表示)
ユーザ端末装置120は、取引情報を含む画面情報に基づいて、閲覧画面を表示することが可能である。ユーザ端末装置120の要求部611は、取引管理サーバ100に対して、画面情報の閲覧要求を行う。要求部611は、ユーザから、閲覧画面の表示開始を受け付けることにより、閲覧要求を行う。閲覧要求には、当該ユーザを識別するユーザIDが含まれる。
【0057】
取引管理サーバ100の送信部603は、要求部611からの閲覧要求に応じて、画面情報をユーザ端末装置120へ送信する。送信される画面情報は、当該ユーザの取引に係る全ての取引情報を含む。すなわち、送信される画面情報には、当該ユーザとは異なる他のユーザの取引に係る取引情報が含まれない。
【0058】
当該ユーザの取引に係る画面情報の送信にあたり、対応する取引情報の抽出が行われる。具体的には、抽出部604は、閲覧要求に含まれるユーザIDに基づいて、当該ユーザIDに対応する取引情報を抽出する。送信部603は、抽出部604によって抽出された取引情報のみを含む画面情報をユーザ端末装置120へ送信する。
【0059】
なお、送信される画面情報は、当該ユーザの取引に係る全ての取引情報のうち、ユーザが指定した特定の取引情報とすることも可能である。この場合、閲覧要求には、取引情報を特定するために、LOT番号が含まれていればよい。抽出部604は、閲覧要求に含まれるLOT番号に基づいて、当該LOT番号を含む取引情報を抽出すればよい。
【0060】
また、送信部603は、ユーザ端末装置120のみならず、工場端末装置110へも画面情報を送信する。具体的には、送信部603は、取引情報を示す画面情報を工場端末装置110へ送信する。工場端末装置110へ送信される画面情報は、全ての取引に係る取引情報を含み、すなわち、抽出部604による抽出が行われない取引情報を含む。工場端末装置110へ画面情報を送信するタイミングは、工場端末装置110からの閲覧要求があったタイミングとしてもよいし、所定時間の経過(逐次)としてもよいし、ユーザ端末装置120から新規予約を受け付けたタイミングとしてもよい。
【0061】
受信部612は、要求部611の閲覧要求に応じて取引管理サーバ100から画面情報を受信する。表示制御部613は、受信部612が受信した画面情報をディスプレイ(表示部)に表示させる。これにより、ユーザ端末装置120は、含有量評価過程におけるステータスを表示することが可能である。表示制御部613によって表示される画面例については、図9~11を用いて後述する。
【0062】
(評価結果の入力に基づくステータスの更新ついて)
含有量評価過程における工程は、リサイクル原料の評価に係る評価工程を含む。評価工程は、例えば、リサイクル原料を計量する工程、水分値を測定する工程、および成分値を分析する工程を含む。入力情報取得部601は、評価工程において受け付けた評価結果を入力情報として取得する。評価結果は、例えば、湿量、水分量、成分である。
【0063】
更新部602は、入力情報取得部601に評価結果が取得されることに応じて、ステータス情報を更新する。上述したように、例えば、現在のステータスが「水分値測定中」であれば、更新部602は、入力情報として水分値が入力されることにより、ステータスを「分析中」に更新する。
【0064】
(評価結果の送信ついて)
送信部603が送信する画面情報は、評価結果を含む。すなわち、送信部603は、ユーザ端末装置120からの閲覧要求に応じて、評価結果を含む画面情報をユーザ端末装置120へ送信する。ユーザ端末装置120は、評価結果を含む画面情報を表示する。これにより、ユーザは、評価結果を確認することができる。
【0065】
(見込情報と入力情報とに乖離がある場合の通知について)
見込情報取得部605は、見込情報521(図5参照)を取得する。送信部603は、見込情報521と入力情報との乖離に基づく確認通知をユーザ端末装置120へ送信する。具体的に説明すると、上述したように、見込情報521は、ユーザが希望するサンプリング手法、ユーザが指定したリサイクル原料の見込重量(湿量)、成分を含む。また、リサイクル原料を計量する工程における計量結果を含む。
【0066】
送信部603は、見込重量と計量結果との乖離に基づく確認通知をユーザ端末装置120へ送信する。例えば、送信部603は、見込重量と計量結果とに所定の乖離率(例えば5%)以上の乖離がある場合に、確認通知をユーザ端末装置120へ送信する。一方で、送信部603は、見込重量と計量結果とに所定の乖離率(5%)以上の乖離がない場合に、確認通知をユーザ端末装置120へ送信しない。当該確認通知の送信は、作業スタッフの送信に係る操作に基づいて行われることとするが、自動で行われてもよい。
【0067】
ここで、図7を用いて、重量に係る確認通知が行われたことを示す閲覧画面について説明する。
図7は、重量に係る確認通知が行われたことを示す閲覧画面の一例を示す説明図である。図7において、閲覧画面700は、重量情報欄710と、担当者欄720と、撮像データ領域730とを含む。重量情報欄710は、ユーザが入力した見込湿量や、作業スタッフが計測した計量湿量や、乖離率などを含む。
【0068】
乖離率が5%以上である場合、工場端末装置110は、作業スタッフから、ユーザ宛ての確認通知(例えばメールの送信)に係る所定の操作を受け付ける。工場端末装置110は、作業スタッフから所定の操作を受け付けると、ユーザ端末装置120へ確認通知を送信する。閲覧画面700には、当該確認通知の送信を行った作業スタッフ名(○○一郎 ○○製錬所業務課)が登録者として表示されている。
【0069】
ユーザ端末装置120は、確認通知を受信すると、乖離について、ユーザから承諾または拒否を受け付ける。承諾または拒否を受け付ける画面は、閲覧画面700上でもよいし、別の画面(例えばメール画面)でもよい。閲覧画面700は、乖離について、ユーザから承諾を受け付けた画面を示す。具体的には、担当者欄720には、確認者および更新者の欄に、変更を承諾したユーザ名(○○三郎:A株式会社)が表示されている。なお、ユーザ端末装置120は、乖離について、ユーザから拒否を受け付けた場合には、さらに、取引の中止を受け付けるようにすればよい。また、ユーザから再分析の依頼を受け付けてもよく、再分析でも乖離がある場合、さらに再々分析の依頼を受け付けてもよい。
【0070】
(撮像データ領域730について)
撮像データ領域730には、原料画像データ731が表示されている。原料画像データ731は、リサイクル工場が受け入れたリサイクル原料の画像であり、リサイクル原料の計量を開始する際の画像を示す。当該画像は、例えば、計量待ちの工程において、作業スタッフによって撮影される。撮影に用いられる装置は、例えば、工場端末装置110としてのスマートフォンである。当該スマートフォンには、取引管理システム1に係る所定のアプリ(アプリケーションソフトウェア)が予めインストールされている。作業スタッフは、当該アプリを起動して、リサイクル原料を撮影する。工場端末装置110は、撮影によって得られた原料画像データ731を、取引管理サーバ100にアップロードする。このような原料画像データ731により、リサイクル工場が受け入れたリサイクル原料を可視化することができる。このため、ユーザは、原料画像データ731により、リサイクル工場に出荷したリサイクル原料と、実際に搬入されたリサイクル原料とが一致するか否かを容易に確認することができる。
【0071】
(確認通知の他の例について)
本実施形態では、確認通知は、乖離率が5%以上の際に行われるほかにも、サンプリング手法を変更する際にも行われる。これについて説明する。上述したように、見込情報521は、サンプリング工程で用いられる複数のサンプリング手法のうち、ユーザが指定した一のサンプリング手法を示す情報を含む。また、入力情報は、作業スタッフによって指定されたサンプリング手法を示す情報を含む。作業スタッフによって指定されたサンプリング手法と、ユーザが指定した一のサンプリング手法とが異なる場合がある。すなわち、入力情報は、ユーザが指定した一のサンプリング手法とは異なる他のサンプリング手法を示す情報を含む場合がある。
【0072】
送信部603は、一のサンプリング手法と他のサンプリング手法とに基づく確認通知をユーザ端末へ送信する。具体的には、送信部603は、両サンプリング手法に乖離がある場合に、確認通知をユーザ端末装置120へ送信する。一方で、送信部603は、両サンプリング手法に乖離がない場合に、確認通知をユーザ端末装置120へ送信しない。当該確認通知の送信は、作業スタッフの送信に係る操作に基づいて行われることとするが、自動で行われてもよい。
【0073】
ここで、図8を用いて、サンプリング手法の変更に係る確認通知を行われたことを示す閲覧画面について説明する。
図8は、サンプリング手法の変更に係る確認通知を行われたことを示す閲覧画面の一例を示す説明図である。図8において、閲覧画面800は、サンプリング情報欄810と、担当者欄820と、撮像データ領域830とを含む。サンプリング情報欄810は、ユーザが指定した希望のサンプリング手法や、作業スタッフが指定した変更に係るサンプリング手法や、変更理由などを含む。
【0074】
サンプリング手法を変更する場合、工場端末装置110は、作業スタッフから、ユーザ宛ての確認通知(例えばメールの送信)に係る所定の操作を受け付ける。工場端末装置110は、作業スタッフから所定の操作を受け付けると、ユーザ端末装置120へ確認通知を送信する。閲覧画面800には、当該確認通知の送信を行った作業スタッフ名(○○太郎 ○○製錬所業務課)が登録者として表示されている。
【0075】
ユーザ端末装置120は、確認通知を受信すると、サンプリング手法の変更について、ユーザから承諾または拒否を受け付ける。承諾または拒否を受け付ける画面は、閲覧画面800上でもよいし、別の画面(例えばメール画面)でもよい。閲覧画面800は、サンプリング手法の変更について、ユーザから承諾を受け付けた画面を示す。具体的には、担当者欄820には、確認者および更新者の欄に、変更を承諾したユーザ名(○○二郎:A株式会社)が表示されている。なお、ユーザ端末装置120は、サンプリング手法の変更について、ユーザから拒否を受け付けた場合には、さらに、取引の中止を受け付けるようにすればよい。
【0076】
(サンプリング動画831について)
本実施形態において、含有量評価過程の工程(評価工程)は、作業スタッフによってリサイクル原料が撮像される工程を含む。撮像が行われる工程は、例えば、サンプリング工程である。撮像データは、例えば、動画(サンプリング動画)である。なお、撮像が行われる工程は、サンプリング工程に限らず、他の工程とすることも可能である。
【0077】
送信部603は、ユーザ端末装置120からの閲覧要求に応じて、撮像データを含む画面情報をユーザ端末装置120へ送信する。ユーザ端末装置120は、撮像データを含む閲覧画面800を表示する。具体的には、撮像データ領域830には、原料画像データ731と、サンプリング動画831とが添付されている。サンプリング動画831は、サンプリング工程における担当の作業スタッフによって撮影される。
【0078】
撮影に用いられる装置は、例えば、工場端末装置110としてのスマートフォンである。当該スマートフォンには、取引管理システム1に係る所定のアプリ(アプリケーションソフトウェア)が予めインストールされている。作業スタッフは、当該アプリを起動して、サンプリング工程における動画を撮影する。工場端末装置110は、撮影によって得られたサンプリング動画831を、取引管理サーバ100にアップロードする。このようなサンプリング動画831により、サンプリング工程(サンプリング手法、サンプリングが実行されたこと)を可視化することができる。このため、ユーザは、取引に係るサンプリング工程を容易に確認することができる。
【0079】
(ユーザ端末装置120に表示される取引一覧閲覧画面)
図9は、ユーザ端末装置120に表示される取引一覧閲覧画面の一例を示す説明図である。図9において、ユーザ端末装置120のディスプレイには、ユーザの取引に係るリスト一覧900が表示されている。リスト一覧900は、取引901ごとのステータス901aや出荷案内書番号901bなどの詳細な情報を含む。また、リスト一覧900は、左右スクロールバー910aおよび上下スクロールバー910bを含む。
【0080】
ユーザは、左右スクロールバー910aを右方向に移動させることにより、画面に表示されている項目以外の項目についても閲覧することが可能である。また、ユーザは、上下スクロールバー910bを下方に移動させることにより、画面に表示されていない他のステータスの取引901を閲覧することが可能である。
【0081】
なお、工場端末装置110でも、リスト一覧900を表示することが可能である。工場端末装置110では、当該ユーザの絞り込みを行うことにより、リスト一覧900と同様の画面を表示することが可能である。なお、絞り込みを行わない場合、工場端末装置110は、全てのユーザの取引901について一覧を表示することが可能である。
【0082】
(取引一覧閲覧画面の他の画面例)
次に、取引一覧閲覧画面の他の画面例について説明する。図9に示したリスト一覧900において、画面の切り替えを受け付ける所定のボタンが操作されることにより、リスト一覧900の表示形式を変えることが可能である。表示形式を変えた画面例について、図10を用いて説明する。
【0083】
図10は、取引一覧閲覧画面の他の画面例を示す説明図である。図10において、ユーザ端末装置120のディスプレイには、各取引のグループ一覧1000が表示されている。グループ一覧1000は、各ステータスを3つのグループに分類して表示した画面である。グループは、例えば、受入未完了グループ1010と、分析中グループ1020と、分析確定後グループ1030との3つに分けられて表示されている。
【0084】
受入未完了グループ1010は、「到着待ち」、「到着済み・計量待ち」、および「計量済み・検品中」の各ステータスの取引情報を示す。
分析中グループ1020は、「サンプリング中」、「水分値測定中」、および「分析中」の各ステータスの取引情報を示す。
分析確定後グループ1030は、「分析値確定済み」、「再分析値確定済み」、「再々分析値確定済み」、「概算払」、「精算払」、「再支払」、「再々支払」および「受託」の各ステータスの取引情報を示す。
【0085】
また、グループ一覧1000は、スクロールバー1050を含む。ユーザは、スクロールバー1050を下方に移動させることにより、各グループ1010、1020、1030について、画面に表示されていない他の取引1001を閲覧することが可能である。
【0086】
グループ一覧1000において、各取引1001は、出荷案内書番号1002と、ステータス1003と、品名1004と、持込予定日1005との項目を含む。このため、リスト一覧900に示す取引901に比べると、グループ一覧1000に表示される取引1001は、表示される項目が少なくなっている。
【0087】
また、グループ一覧1000は、グループ表示1040a、1040b、1040cを含む。グループ表示1040a、1040b、1040cは、ステータスを示すとともに、グループごとにそれぞれ異なる表示態様(例えば、異なる色)で表示されている。また、ステータス表示1003a、1003b、1003cは、グループ表示1040a、1040b、1040cに対応して、同じ表示態様(例えば同じ色)で表示される。具体的には、グループ表示1040aと、ステータス表示1003aとは、同じ色で表示される。グループ表示1040bと、ステータス表示1003bとは、同じ色で表示される。グループ表示1040cと、ステータス表示1003cとは、同じ色で表示される。
【0088】
このように、グループ一覧1000では、ステータスをグループごとに分けて表示するため、おおよそのステータスを簡単に把握することができる。また、ユーザは、各グループ1010、1020、1030を色で認識することができるため、おおよそのステータスをより簡単に把握することができる。なお、ユーザ端末装置120は、グループ一覧1000において、所定の操作を受け付けることにより、グループ一覧1000からリスト一覧900に切り替えることが可能である。
【0089】
また、工場端末装置110についても、ユーザ端末装置120と同様に、リスト一覧や、グループ一覧を表示することが可能である。また、工場端末装置110は、画面の切り替えを受け付ける所定のボタンが操作されることにより、リスト一覧からグループ一覧への切替えや、グループ一覧からリスト一覧への切替えも可能である。
【0090】
(ユーザ端末装置120に表示される詳細閲覧画面)
次に、ユーザ端末装置120に表示される詳細閲覧画面について説明する。図9に示したリスト一覧900や図10に示したグループ一覧1000において、所定のボタン(例えば、取引に対応する出荷案内書番号901b、1002)が押下されると、受入状況の詳細閲覧画面に遷移する。詳細閲覧画面について、図11を用いて説明する。なお、図11では、「分析値確定済み」のステータスの取引についての詳細閲覧画面について説明する。
【0091】
図11は、ユーザ端末装置120に表示される詳細閲覧画面の一例を示す説明図である。図11において、詳細閲覧画面1100は、ロット情報1110を含む。ロット情報1110は、「品名」、「受入日」、「LOT」、「ステータス」、「湿量」、「水分」、「乾量」、「成分」、「サンプリング」の項目を含む。「湿量」、「成分」、および「サンプリング」は、予約画面500(図5参照)において入力された見込情報521や、リサイクル工場で入力された評価結果を含む。
【0092】
このような詳細閲覧画面1100により、ユーザは、簡単な操作で各取引について、評価結果等を詳細に把握することができる。
【0093】
(取引管理システム1における処理の流れについて)
次に、図12を用いて、取引管理システム1における処理の流れについて説明する。
図12は、取引管理システム1における処理の流れを示すシーケンス図である。図12において、ユーザ端末装置120は、ユーザから取引の予約登録を受け付ける(ステップS1201)。ユーザ端末装置120は、予約登録を受け付けると、受け付けた予約内容を取引管理サーバ100へ送信する。
【0094】
取引管理サーバ100は、ユーザ端末装置120から予約内容を受信すると、受信した予約内容を取引情報として、取引管理DB101に登録する(ステップS1202)。そして、取引管理サーバ100は、工場端末装置110へ取引情報を送信する。
【0095】
工場端末装置110は、取引管理サーバ100から取引情報を受信すると、受信した取引情報をディスプレイに表示する(ステップS1203)。そして、工場端末装置110は、作業スタッフの操作に応じて、評価結果等、ステータスの更新に係る所定の入力を受け付ける(ステップS1204)。工場端末装置110は、所定の入力を受け付けると、受け付けた入力に応じた入力情報を取引管理サーバ100へ送信する。
【0096】
取引管理サーバ100は、工場端末装置110から入力情報を受信すると、入力情報に基づいて取引情報を更新する(ステップS1205)。取引情報の更新は、ステータスの更新を含む。なお、ステップS1204およびステップS1205の処理は、作業スタッフからの所定の入力があるたびに繰り返し行われる。
【0097】
ユーザ端末装置120は、閲覧画面の閲覧開始の操作をユーザから受け付けると、取引管理サーバ100に閲覧要求を行う(ステップS1206)。取引管理サーバ100は、ユーザ端末装置120から閲覧要求を受信すると、閲覧要求に含まれるユーザIDに基づいて、当該ユーザの取引情報を抽出する(ステップS1207)。そして、取引管理サーバ100は、抽出した取引情報のみを含む画面情報をユーザ端末装置120へ送信する。ユーザ端末装置120は、取引管理サーバ100から受信した自己(自社)の取引情報を含む閲覧画面をディスプレイに一覧表示する(ステップS1208)。
【0098】
また、工場端末装置110は、閲覧画面の閲覧開始の操作を作業スタッフから受け付けると、取引管理サーバ100に閲覧要求を行う(ステップS1209)。なお、閲覧開始の要求は、工場端末装置110の起動時に、定期的なタイミングで、自動で行われてもよい。取引管理サーバ100は、工場端末装置110から閲覧要求を受信すると、ユーザ端末装置120へ全ての画面情報を送信する。ユーザ端末装置120は、取引管理サーバ100から受信した全ての取引情報を含む閲覧画面をディスプレイに一覧表示する(ステップS1210)。なお、工場端末装置110は、絞り込みの機能により、全ての取引情報の一覧表示から特定のユーザの取引情報のみを含む閲覧画面を表示させることが可能である。
【0099】
次に、ユーザ端末装置120が行う処理と、取引管理サーバ100が行う処理とについて、それぞれ説明する。まず、ユーザ端末装置120が行う処理について説明する。
【0100】
(ユーザ端末装置120が行う処理の一例)
図13は、ユーザ端末装置120が行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、図13に示す処理は、ユーザ端末装置120において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される処理である。図13において、ユーザ端末装置120は、取引に係る新規の予約登録の開始操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS1301)。新規の予約登録の開始操作を受け付けない場合(ステップS1301:NO)、ユーザ端末装置120は、ステップS1304の処理に進む。
【0101】
新規の予約登録の開始操作を受け付けた場合(ステップS1301:YES)、ユーザ端末装置120は、各種の予約内容の入力を受け付ける(ステップS1302)。そして、ユーザ端末装置120は、予約内容が確定すると、予約内容を示す取引情報を取引管理サーバ100へ送信する(ステップS1303)。
【0102】
次に、ユーザ端末装置120は、閲覧開始の操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS1304)。閲覧開始の操作を受け付けない場合(ステップS1304:NO)、ユーザ端末装置120は、一連の処理を終了する。閲覧開始の操作を受け付けた場合(ステップS1304:YES)、ユーザ端末装置120は、取引管理サーバ100へ閲覧要求を送信する(ステップS1305)。
【0103】
ユーザ端末装置120は、閲覧要求に応じて、取引管理サーバ100から、自己の取引情報のみを含む画面情報を受信する(ステップS1306)。そして、ユーザ端末装置120は、取引管理サーバ100から受信した自己の取引情報のみを含む画面情報をディスプレイに一覧表示する(ステップS1307)。次に、ユーザ端末装置120は、表示切替えを受け付けたか否かを判断する(ステップS1308)。表示切替えは、例えば、リスト一覧900、グループ一覧1000、詳細閲覧画面1100を含む複数の画面のうち、いずれかの画面への切替えである。
【0104】
表示切替えを受け付けない場合(ステップS1308:NO)、ユーザ端末装置120は、一連の処理を終了する。一方、表示切替えを受け付けた場合(ステップS1308:YES)、ユーザ端末装置120は、受け付けた操作に応じた閲覧画面への表示切替えを行い(ステップS1309)、一連の処理を終了する。
【0105】
(取引管理サーバ100が行うステータスの更新に係る処理の一例)
図14および図15は、取引管理サーバ100が行うステータスの更新に係る処理の一例を示すフローチャートである。なお、図14および図15に示す処理は、取引管理サーバ100において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される処理である。図14において、取引管理サーバ100は、ユーザ端末装置120から、新規の予約登録を示す予約内容を受信したか否かを判断する(ステップS1401)。新規の予約登録を示す予約内容を受信しない場合(ステップS1401:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1403の処理に進む。
【0106】
一方、新規の予約登録を示す予約内容を受信した場合(ステップS1401:YES)、取引管理サーバ100は、ユーザ端末装置120から受信した予約内容を取引情報として取引管理DB101に登録する(ステップS1402)。そして、取引管理サーバ100は、リサイクル原料が到着したか否かを判断する(ステップS1403)。ステップS1403の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから受入場所にリサイクル原料が搬入されたことを示す入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力を示す入力情報を受信したか否かの判断である。
【0107】
リサイクル原料が到着しない場合(ステップS1403:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1405の処理に進む。一方、リサイクル原料が到着した場合(ステップS1403:YES)、取引管理サーバ100は、ステータスを「到着待ち」から「到着済み・計量待ち」に更新する(ステップS1404)。
【0108】
次に、取引管理サーバ100は、工場端末装置110から原料画像データを受信したか否かを判断する(ステップS1405)。原料画像データを受信しない場合(ステップS1405:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1407の処理に進む。一方、原料画像データを受信した場合(ステップS1405:YES)、取引管理サーバ100は、取引管理DB101に原料画像データを登録する(ステップS1406)。なお、原料画像データは、LOT番号が関連付けられており、当該LOT番号が示す取引情報に登録される。
【0109】
次に、取引管理サーバ100は、ユーザが指定したサンプリング手法と、作業スタッフによって指定されたサンプリング手法とに乖離があるか否かを判断する(ステップS1407)。なお、ステップS1407の判断は、取引管理サーバ100によって行われることに限らず、作業スタッフによって行われてもよい。サンプリング手法に乖離がない場合(ステップS1407:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1409の処理に進む。
【0110】
一方、サンプリング手法に乖離がある場合(ステップS1407:YES)、取引管理サーバ100は、工場端末装置110からの指示に応じて、ユーザ端末装置120へ確認通知(例えばメール)を送信する(ステップS1408)。この確認通知により、ユーザ端末装置120から、ユーザが承諾した旨の情報を受信することに応じて、取引管理サーバ100は、サンプリング手法を変更する。なお、サンプリング手法の変更は、ユーザ端末装置120からユーザが承諾した旨の情報を受信することに代えて又は加えて、工場端末装置110が作業スタッフからの確認操作を受け付けることによって行われてもよい。
【0111】
次に、取引管理サーバ100は、湿量の入力があったか否かを判断する(ステップS1409)。ステップS1409の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから湿量の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。湿量の入力がない場合(ステップS1409:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1411の処理に進む。一方、湿量の入力があった場合(ステップS1409:YES)、ステータスを「到着済み・計量待ち」から「計量済み・検品中」に更新する(ステップS1410)。
【0112】
次に、取引管理サーバ100は、入力された湿量と、見込重量とに5%以上の乖離があるか否かを判断する(ステップS1411)。入力された湿量と、見込重量とに5%以上の乖離がない場合(ステップS1411:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1413の処理に進む。一方、入力された湿量と、見込重量とに5%以上の乖離がある場合(ステップS1411:YES)、取引管理サーバ100は、工場端末装置110からの指示に応じて、ユーザ端末装置120へ確認通知(例えばメール)を送信する(ステップS1412)。この確認通知により、ユーザ端末装置120から、ユーザが承諾した旨の情報を受信すると、引き続き取引が継続する。
【0113】
次に、取引管理サーバ100は、サンプリングの開始であるか否かを判断する(ステップS1413)。ステップS1413の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフからサンプリングの開始を示す入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力を示す入力情報を受信したか否かの判断である。
【0114】
サンプリングの開始ではない場合(ステップS1413:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1415の処理に進む。一方、サンプリングの開始である場合(ステップS1413:YES)、取引管理サーバ100は、ステータスを「計量済み・検品中」から「サンプリング中」に更新する(ステップS1414)。
【0115】
次に、取引管理サーバ100は、工場端末装置110からサンプリング動画を受信したか否かを判断する(ステップS1415)。サンプリング動画を受信しない場合(ステップS1415:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1417の処理に進む。一方、サンプリング動画を受信した場合(ステップS1415:YES)、取引管理サーバ100は、取引管理DB101にサンプリング動画を登録する(ステップS1416)。なお、サンプリング動画は、LOT番号が関連付けられており、当該LOT番号が示す取引情報に登録される。
【0116】
次に、取引管理サーバ100は、サンプリングの終了であるか否かを判断する(ステップS1417)。ステップS1417の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフからサンプリングの終了を示す入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力を示す入力情報を受信したか否かの判断である。
【0117】
サンプリングの終了ではない場合(ステップS1417:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1419の処理に進む。一方、サンプリングの終了である場合(ステップS1417:YES)、取引管理サーバ100は、ステータスを「サンプリング中」から「水分値測定中」に更新する(ステップS1418)。
【0118】
次に、取引管理サーバ100は、水分値の入力があったか否かを判断する(ステップS1419)。ステップS1419の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから水分値の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。水分値の入力がない場合(ステップS1419:NO)、取引管理サーバ100は、図15のステップS1501の処理に進む。一方、水分値の入力があった場合(ステップS1419:YES)、ステータスを「水分値測定中」から「分析中」に更新する(ステップS1420)。
【0119】
次に、取引管理サーバ100は、分析値の入力があったか否かを判断する(ステップS1501)。ステップS1501の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから分析値の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。分析値の入力がない場合(ステップS1501:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1503の処理に進む。一方、分析値の入力があった場合(ステップS1501:YES)、ステータスを「分析中」から「分析値確定済み」に更新する(ステップS1502)。
【0120】
次に、取引管理サーバ100は、再分析値の入力があったか否かを判断する(ステップS1503)。ステップS1503の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから再分析値の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。再分析値の入力がない場合(ステップS1503:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1505の処理に進む。一方、再分析値の入力があった場合(ステップS1503:YES)、ステータスを「分析値確定済み」から「再分析値確定済み」に更新する(ステップS1504)。
【0121】
次に、取引管理サーバ100は、再々分析値の入力があったか否かを判断する(ステップS1505)。ステップS1505の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから再々分析値の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。再々分析値の入力がない場合(ステップS1505:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1507の処理に進む。一方、再々分析値の入力があった場合(ステップS1505:YES)、ステータスを「再分析値確定済み」から「再々分析値確定済み」に更新する(ステップS1506)。
【0122】
次に、取引管理サーバ100は、受入取消の入力があったか否かを判断する(ステップS1507)。ステップS1507の判断は、具体的には、ユーザからの確認通知の回答に基づいて、工場端末装置110が作業スタッフから受入取消の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。受入取消の入力がない場合(ステップS1507:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1509の処理に進む。一方、受入取消の入力があった場合(ステップS1507:YES)、現在のステータスから「受入取消」のステータスに更新する(ステップS1508)。
【0123】
次に、取引管理サーバ100は、概算払の入力があったか否かを判断する(ステップS1509)。ステップS1509の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから概算払の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。
概算払は、評価工程の完了前に、ユーザからの見込情報に基づいて対価の概算を支払うものである。
【0124】
概算払の入力がない場合(ステップS1509:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1511の処理に進む。一方、概算払の入力があった場合(ステップS1509:YES)、現在のステータスから「概算払」のステータスに更新する(ステップS1510)。
【0125】
次に、取引管理サーバ100は、精算払の入力があったか否かを判断する(ステップS1511)。ステップS1511の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから精算払の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。
概算払が実施されている場合、精算払は、評価結果から算出した対価と概算払との差額となる。
【0126】
精算払の入力がない場合(ステップS1511:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1513の処理に進む。一方、精算払の入力があった場合(ステップS1511:YES)、現在のステータスから「精算払」のステータスに更新する(ステップS1512)。
【0127】
次に、取引管理サーバ100は、再支払の入力があったか否かを判断する(ステップS1513)。ステップS1513の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから再支払の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。
再支払は、ユーザによる見込の分析値と、リサイクル工場における実際の分析値とに齟齬が生じた際に、再調整のために生じる支払などである。
【0128】
再支払の入力がない場合(ステップS1513:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1515の処理に進む。一方、再支払の入力があった場合(ステップS1513:YES)、現在のステータスから「再支払」のステータスに更新する(ステップS1514)。
【0129】
次に、取引管理サーバ100は、再々支払の入力があったか否かを判断する(ステップS1515)。ステップS1515の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから再々支払の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。
再々支払は、ユーザによる見込の分析値と、リサイクル工場における実際の分析値とに齟齬が生じた際に、再々調整のために生じる支払などである。
【0130】
再々支払の入力がない場合(ステップS1515:NO)、取引管理サーバ100は、ステップS1517の処理に進む。一方、再々支払の入力があった場合(ステップS1515:YES)、現在のステータスから「再々支払」のステータスに更新する(ステップS1516)。
【0131】
次に、取引管理サーバ100は、受託の入力があったか否かを判断する(ステップS1517)。ステップS1515の判断は、具体的には、工場端末装置110が作業スタッフから受託の入力を受け付けることにより、工場端末装置110から当該入力に係る入力情報を受信したか否かの判断である。受託の入力がない場合(ステップS1517:NO)、取引管理サーバ100は、一連の処理を終了する。一方、受託の入力があった場合(ステップS1517:YES)、現在のステータスから「受託」のステータスに更新し(ステップS1518)、一連の処理を終了する。
【0132】
(取引管理サーバ100が行う画面情報の送信に係る処理の一例)
図16は、取引管理サーバ100が行う画面情報の送信に係る処理の一例を示すフローチャートである。なお、図16に示す処理は、取引管理サーバ100において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される処理である。図16において、取引管理サーバ100は、閲覧要求を受信したか否かを判断する(ステップS1601)。閲覧要求を受信しない場合(ステップS1601:NO)、取引管理サーバ100は、一連の処理を終了する。
【0133】
一方、閲覧要求を受信した場合(ステップS1601:YES)、取引管理サーバ100は、閲覧要求の要求元がユーザ端末装置120であるか否かを判断する(ステップS1602)。閲覧要求の要求元がユーザ端末装置120である場合(ステップS1602:YES)、取引管理サーバ100は、閲覧要求に含まれるユーザIDに基づいて、当該ユーザの取引情報を抽出する(ステップS1603)。そして、取引管理サーバ100は、抽出した取引情報のみを含む画面情報をユーザ端末装置120へ送信し(ステップS1604)、一連の処理を終了する。
【0134】
一方、ステップS1602において、閲覧要求の要求元がユーザ端末装置120ではない場合(ステップS1602:NO)、すなわち、閲覧要求の要求元が工場端末装置110である場合、取引管理サーバ100は、全ての取引情報を含む画面情報を工場端末装置110へ送信し(ステップS1605)、一連の処理を終了する。
【0135】
以上説明したように、本実施形態に係る取引管理サーバ100は、含有量評価過程を含む各工程において作業スタッフから受け付けた進捗状況の情報(入力情報)に基づいて、各工程に応じたステータス情報を更新し、ユーザ端末装置からの閲覧要求に応じて、ステータス情報を含む画面情報をユーザ端末装置へ送信する。これにより、リサイクル原料に係る取引においてユーザにステータスを通知することができる。このため、ユーザは、現在のステータスを把握することができる。したがって、ユーザに含有量評価過程の工程を明確にすることができる。よって、本実施形態によれば、リサイクル原料に係る取引の明確化を図ることができる。
【0136】
また、本実施形態に係る取引管理サーバ100は、湿量、水分値、成分値などの各評価工程において受け付けた評価結果が取得されることに応じて、ステータス情報を更新する。これにより、作業スタッフからの評価結果の入力に応じて、ステータス情報を更新することができる。したがって、簡単かつ正確にステータス情報を更新することができる。
【0137】
また、本実施形態に係る取引管理サーバ100は、ユーザ端末装置120からの閲覧要求に応じて、評価工程における評価結果を含む画面情報をユーザ端末装置120へ送信する。これにより、ユーザは、評価工程ごとの評価結果を確認することができる。したがって、ユーザに評価工程を明確にすることができる。
【0138】
また、本実施形態に係る取引管理サーバ100は、ユーザが指定した見込情報521(図5参照)と、作業スタッフが入力した入力情報との乖離に基づく確認通知をユーザ端末装置120へ送信する。これにより、ユーザの見込みと、工場側の見解とに乖離がある場合に、確認通知を行うことによって、ユーザから、乖離に係る承諾または拒否を得ることができる。したがって、ユーザとリサイクル工場との間に齟齬が生じることを抑えることができるため、取引の信頼性を向上させることができる。また、当該乖離をユーザに迅速に確認させることができるため、取引の迅速化を図ることができる。
【0139】
また、本実施形態に係る取引管理サーバ100は、湿量の計量結果と、ユーザが予測した見込重量との乖離に基づく確認通知をユーザ端末装置120へ送信する。これにより、見込重量と、計量結果とに乖離がある場合に、確認通知にて、ユーザに計量に係る乖離を確認させることができるとともに、ユーザから、乖離に係る承諾または拒否を得ることができる。したがって、ユーザとリサイクル工場との間に齟齬が生じることを抑えることができるため、取引の信頼性を向上させることができる。また、計量に係る乖離をユーザに迅速に確認させることができるため、計量後の工程が遅延してしまうことを抑え、取引の迅速化を図ることができる。
【0140】
また、本実施形態に係る取引管理サーバ100は、ユーザが指定したサンプリング手法と、作業スタッフが指定したサンプリング手法との乖離に基づく確認通知をユーザ端末装置120へ送信する。これにより、両者のサンプリング手法に乖離がある場合に、確認通知にて、サンプリング手法に係る乖離を確認させることができるとともに、ユーザから、乖離に係る承諾または拒否を得ることができる。したがって、ユーザとリサイクル工場との間に齟齬が生じることを抑えることができるため、取引の信頼性を向上させることができる。また、サンプリング手法に係る乖離をユーザに迅速に確認させることができるため、サンプリング工程以降の工程が遅延してしまうことを抑え、取引の迅速化を図ることができる。
【0141】
また、本実施形態に係る取引管理サーバ100は、作業スタッフによって撮像されたリサイクル原料の撮像データ(サンプリング動画)を含む画面情報を、ユーザ端末装置120からの閲覧要求に応じて送信する。これにより、サンプリング動画831によって、サンプリング工程を可視化することができる。したがって、ユーザは、サンプリング動画831によって、サンプリング工程を確認することができる。
【0142】
(実施形態の変形例)
以下に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の各変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。変形例では、リサイクル工場において受け入れたリサイクル原料の開梱作業の様子を可視化する例について説明する。
【0143】
リサイクル原料は、様々な搬入形態でリサイクル工場に搬入される。搬入形態は、例えば、搬送車両のコンテナにそのまま収容された形態や、フレコンバック(フレキシブルコンテナバック)に袋詰めされた形態である。搬入されたリサイクル原料は、計量を終えると、開梱される。すなわち、開梱作業は、「到着済み・計量待ち」の後の「計量済み・検品中」のステータスにおいて行われる作業である。開梱作業は、ロット単位で行われる。
【0144】
図17Aは、搬送車両のコンテナからリサイクル原料を開梱する際の様子を示す図である。図17Aに示すように、搬送車両1711は、コンテナ1712を備える。コンテナ1712には、例えば、ユーザが搬送の依頼等をしたことにより把握している搬送会社のロゴ1712a(例えば「○×運送」)などが記載されている。コンテナ1712には、リサイクル原料1713がそのままの状態で収容されている。
【0145】
搬送車両1711は、リサイクル工場内の開梱エリア1714にて、コンテナ1712を開梱する。開梱エリア1714は、複数の載置領域1716を含む。複数の載置領域1716は、各ユーザのリサイクル原料1713を、それぞれ載置することが可能な領域である。搬送車両1711は、リサイクル工場内の開梱エリア1714に到着すると、所定の載置領域1716において、作業スタッフ1715の操作に応じてコンテナ1712を開放して傾ける。これにより、コンテナ1712内のリサイクル原料1713は、開梱エリア1714内の所定の載置領域に放出される。
【0146】
図17Bは、フレコンバックに袋詰めされた原料を開梱する際の様子を示す図である。図17Bに示すように、フレコンバック1721は、フォークリフト1722によって、開梱エリア1714まで搬送される。フレコンバック1721には、ユーザが梱包等をしたことにより把握している所定のフレコンバック番号1721a(例えば「S123」)が記載されている。フレコンバック番号1721aは、ロット番号に対応付けられている。
【0147】
フォークリフト1722は、開梱エリア1714内の所定の載置領域1716に移動し、フレコンバック1721を開梱する。具体的には、所定の載置領域1716において、作業スタッフ1715が刃物等でフレコンバック1721の一部が切断すると、フレコンバック1721内のリサイクル原料1713は、所定の載置領域1716に放出される。図17Aおよび図17Bに示した開梱時の様子は、所定の撮像装置によって撮像される。
【0148】
次に、撮像装置の設置例について説明する。
図18は、開梱エリア1714内における撮像装置の設置例を示す図である。図18に示すように、撮像装置1800は、例えば、複数の定点カメラである。撮像装置1800は、開梱エリア1714内の複数の載置領域1716(1716a~1716f)に対応して配置されており、例えば、載置領域1716の数と同数(例えば6)配置されている。撮像装置1800によって撮像される画像(以下「開梱画像」という。)は、例えば、動画である。撮像装置1800は、搬送車両1711またはフォークリフト1722が、開梱エリア1714内に侵入してから、リサイクル原料1713が開梱エリア1714に放出されるまでの一連の動作を撮像する。
【0149】
例えば、複数の載置領域1716には、それぞれ対応する撮像装置1800を起動させるための撮像ボタン1801が壁面や柱等に配置されている。例えば、載置領域1716aで開梱作業を行う作業スタッフ1715は、開梱作業前に、載置領域1716aに対応する撮像ボタン1801を押下する。これにより、当該載置領域1716に対応する撮像装置1800は、開梱画像の撮像を開始する。開梱作業を終えると、作業スタッフ1715が再度撮像ボタン1801を押下する。これにより、撮像装置1800は、開梱画像の撮像を終了する。
【0150】
なお、撮像装置1800は、撮像方向を変えたり、ズームレンズで拡大したりしてもよい。また、撮像装置1800は、一の載置領域1716に対して、異なる位置に複数配置されていてもよい。この場合は、複数の撮像装置1800によって複数の角度から開梱画像が撮像されればよい。
【0151】
また、開梱エリア1714内に配置される撮像装置1800の数は、載置領域1716の数と同数でなくてもよく、例えば、載置領域1716の数よりも少ない数としてもよい。この場合、撮像装置1800は、複数の載置領域1716をそれぞれ撮像するために、撮像方向を変えたり、ズームレンズで拡大したりする。作業スタッフ1715が載置領域1716に対応する撮像ボタン1801を押下すると、撮像装置1800は、撮像ボタン1801が示す載置領域1716を特定し、特定した載置領域1716の方向に向き変えて、拡大して撮像する。このようにしても、載置領域1716内における開梱画像を撮像することができる。
【0152】
なお、撮像ボタン1801が押下された際に、撮像装置1800が他の載置領域1716の開梱画像を撮像中である場合には、撮像を待機する旨を示す通知を行うようにしてもよい。当該通知は、開梱エリア1714内に配置される音声や、壁面等に配置される表示部(画像やランプ)によって行われるようにしてもよい。また、撮像装置1800は、定点カメラに限らず、作業スタッフが所持するカメラ(例えば、スマートフォン)であってもよい。また、開梱画像は、動画に限らず、静止画であってもよい。
【0153】
撮像された開梱画像は、日時が関連付けられて記憶される。開梱画像は、所定のタイミングで取引管理サーバ100に送信され、取引管理DB101に記憶される。また、取引管理サーバ100は、ユーザの閲覧要求に応じて、開梱画像をユーザ端末装置120へ送信する。
【0154】
図19は、開梱画像を含む閲覧画面の一例を示す説明図である。図19に示す閲覧画面1900は、図8に示した閲覧画面800と比較すると、撮像データ領域830に、原料画像データ731およびサンプリング動画831に加えて、開梱画像1901が表示されている点で異なる。開梱画像1901は、閲覧画面1900上でそのまま再生される動画であってもよいし、動画の再生を受け付けるアイコンであってもよい。
【0155】
ユーザは、開梱画像1901により、搬送会社のロゴ1712a(例えば「○×運送」)や、フレコンバック番号1721a(例えば「S123」)を確認することができる。これにより、ユーザは、自身のリサイクル原料が適切に開梱されていることを簡単に確認することができる。
【0156】
以上のように、変形例1に係る取引管理サーバ100は、撮像された開梱画像を取引管理DB101に登録し、ユーザ端末装置120からの閲覧要求に応じて、開梱画像を含む画面情報をユーザ端末装置120へ送信する。これにより、開梱作業を可視化することができるため、リサイクル原料の取引に係る信頼性をより向上させることができる。
【0157】
なお、上記において説明した取引管理サーバ100における各機能(入出力、記憶、処理)の全部又は一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。具体的には、上述した説明では、取引管理サーバ100が、入力情報取得部601と、更新部602と、送信部603と、抽出部604と、見込情報取得部605と、を備える構成について説明したが、これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、工場端末装置110に具備されていてもよいし、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、これらの機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0158】
なお、実施形態について説明したが、具体的な構成は上述した実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0159】
以上に示した実施形態に係る装置等(例えば、取引管理サーバ100、工場端末装置110、ユーザ端末装置120)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶して、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0160】
さらに、「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合の情報処理装置やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0161】
1…取引管理システム、100…取引管理サーバ、101…取引管理DB、110…工場端末装置、120…ユーザ端末装置、201…CPU、202…メモリ、203…通信I/F、301…CPU、302…メモリ、303…入力デバイス、304…通信I/F、305…出力デバイス、601…入力情報取得部、602…更新部、603…送信部、604…抽出部、605…見込情報取得部、611…要求部、612…受信部、613…表示制御部
図1
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