(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028192
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】パターニングされた反射防止層を具備するイメージセンサ及びそれを含む電子装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240222BHJP
G01J 1/04 20060101ALI20240222BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G01J1/04 B
G01J1/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132230
(22)【出願日】2023-08-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0103478
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】文 祥 銀
(72)【発明者】
【氏名】盧 淑 英
(72)【発明者】
【氏名】安 城 模
(72)【発明者】
【氏名】朴 賢 聖
(72)【発明者】
【氏名】尹 鉐 皓
(72)【発明者】
【氏名】李 相 潤
(72)【発明者】
【氏名】李 俊 虎
(72)【発明者】
【氏名】趙 春 來
【テーマコード(参考)】
2G065
4M118
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065AB04
2G065BA04
2G065BA34
2G065BA36
2G065BB06
2G065BB26
2G065BC33
2G065BC35
4M118AA05
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA10
4M118BA14
4M118GC08
4M118GC09
4M118GC14
4M118GD04
4M118GD10
(57)【要約】
【課題】パターニングされた反射防止層を具備するイメージセンサ及びそれを含む電子装置を提供する。
【解決手段】第1波長の光を感知する複数の第1画素、及び第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素を含むセンサ基板と、入射光を複数の第1画素及び複数の第2画素に集光するように配列された複数のナノ構造物を含むナノ光学レンズアレイと、ナノ光学レンズアレイの入光面に配置されたものであって、周期的に二次元に配列された複数のホールを含む反射防止層と、を含み、複数のホールは、互いに隣接した第1画素と第2画素との境界に沿って配列されている複数の第1ホール、及び第1画素または第2画素の内部領域に対向して配置された複数の第2ホールを含む、イメージセンサである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長の光を感知する複数の第1画素、及び第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素を含むセンサ基板と、
入射光を前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素に集光するように配列された複数のナノ構造物を含み、入光面を具備したナノ光学レンズアレイと、
前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置されたものであって、周期的に二次元に配列された複数のホール(hole)を含む反射防止層と、を含み、
前記複数のホールは、前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち、互いに隣接した第1画素と第2画素との境界に対応する位置に設けられた複数の第1ホール、及び前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち少なくとも1つの内部領域に対向する複数の第2ホールを含む、イメージセンサ。
【請求項2】
前記複数の第1ホールそれぞれの中心は、前記互いに隣接した第1画素と第2画素との境界の上部に位置する、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記反射防止層内で、前記複数のホールの幅がいずれも同一である、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記複数の第2ホールのうち、前記第1画素に対向して配置された第2ホールは、第1幅を有し、
前記複数の第2ホールのうち、前記第2画素に対向して配置された第2ホールは、前記第1幅と互いに異なる第2幅を有し、
前記複数の第1ホールは、前記第1幅または第2幅を有する、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記複数のホールのうち隣接したホール間の距離が同一である、請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第1波長は、前記第2波長より長く、前記第1幅は、前記第2幅より狭い、請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記反射防止層の平均屈折率は、空気の屈折率より高く、前記ナノ光学レンズアレイの平均屈折率より低い、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記反射防止層は、前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置された第1反射防止層、及び前記第1反射防止層上に配置された第2反射防止層を含み、
前記第2反射防止層は、前記複数のホールを含むようにパターニングされている、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1反射防止層は、第1屈折率を有し、前記第2反射防止層は、第2屈折率を有し、前記第1屈折率は、前記第2屈折率より高い、請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記第1反射防止層は、前記複数のホールを含むように少なくとも部分的にパターニングされている、請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記反射防止層は、1以上かつ3以下の屈折率を有する無機材料を含む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記ナノ光学レンズアレイは、前記複数の第1画素と対向して配置された複数の第1レンズ、及び前記複数の第2画素と対向して配置された複数の第2レンズを含み、
前記複数の第1レンズに入射する入射光、及び前記複数の第2レンズの一部に入射する入射光のうち、第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記複数の第2レンズに入射する入射光、及び前記複数の第1レンズの一部に入射する入射光のうち、第2波長の光を前記複数の第2画素に集光するように、前記複数のナノ構造物が配列されている、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記センサ基板と前記ナノ光学レンズアレイとの間に配置されたカラーフィルタ層、及び前記カラーフィルタ層と前記ナノ光学レンズアレイとの間に配置された平坦化層をさらに含む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
前記複数の第1画素及び複数の第2画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って群集して二次元に配列され、独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、
前記センサ基板は、前記複数の光感知セルを電気的に分離する分離膜を含む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
前記複数の第2ホールは、前記分離膜と対向しないように配列されている、請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記複数の第1画素それぞれ及び前記複数の第2画素それぞれは、前記内部領域及びエッジ領域を有し、
前記複数の第1画素のうち少なくとも1つの第1画素は、前記複数の第2画素のうち少なくとも1つの第2画素と隣接し、前記少なくとも1つの第1画素のエッジ領域と、前記少なくとも1つの第2画素のエッジ領域とが前記境界を形成するように、前記複数の第1画素と前記複数の第2画素とが配列されている、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
前記複数の第1ホールのうち少なくとも1つの第1ホールは、前記境界と対向する、請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
被写体の光学像を形成するレンズアセンブリと、
前記レンズアセンブリが形成した光学像を電気的信号に変換するイメージセンサと、
前記イメージセンサで生成された信号を処理するプロセッサと、を含み、
前記イメージセンサは、
第1波長の光を感知する複数の第1画素、及び第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素を含むセンサ基板と、
入射光を前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素に集光するように配列された複数のナノ構造物を含み、入光面を具備したナノ光学レンズアレイと、
前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置されたものであって、周期的に二次元に配列された複数のホール(hole)を含む反射防止層と、を含み、
前記複数のホールは、前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち、互いに隣接した第1画素と第2画素との境界に対応する位置に設けられた複数の第1ホール、及び前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち少なくとも1つの内部領域に対向する複数の第2ホールを含む、電子装置。
【請求項19】
第1波長の光を感知する第1画素、第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する第2画素、及び前記第1及び第2画素それぞれを複数の光感知セルに分離する分離膜を含むセンサ基板と、
入射光を前記第1画素及び第2画素に集光するように配列された複数のナノ構造物を含み、入光面を具備したナノ光学レンズアレイと、
前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置された反射防止層と、を含み、
前記反射防止層は、前記第1及び第2画素それぞれの内部領域と対向し、前記分離膜と対向しない複数のホールを含む、イメージセンサ。
【請求項20】
前記センサ基板は、複数の前記第1画素及び複数の前記第2画素を含み、
前記反射防止層は、前記複数の第1画素及び複数の第2画素のうち互いに隣接した第1画素と第2画素との境界と対向する位置に配列された複数のホールをさらに含む、請求項19に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターニングされた反射防止層を具備するイメージセンサ及びそれを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、通常、カラーフィルタを利用して、入射光の色を感知する。しかし、カラーフィルタは、当該色の光を除いた残り色の光を吸収するため、光利用効率が低下しうる。例えば、RGBカラーフィルタを使用する場合、入射光の1/3のみを透過させ、残り2/3は吸収してしまうので、光利用効率が約33%に過ぎない。したがって、カラーディスプレイ装置やカラーイメージセンサの場合、ほとんどの光損失がカラーフィルタで発生することになる。また、イメージセンサは、互いに異なる屈折率を有する複数層を含むので、層の境界から入射光が反射されうる。イメージセンサの光利用効率を高めるために、イメージセンサは、入射光に対して低い反射率を有することが有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7719588号公報
【特許文献2】米国特許第10310144号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/0126035号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、パターニングされた反射防止層を具備するイメージセンサを提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、イメージセンサを含む電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によるイメージセンサは、第1波長の光を感知する複数の第1画素、及び第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素を含むセンサ基板と、入射光を前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素に集光するように配列された複数のナノ構造物を含み、入光面を具備したナノ光学レンズアレイと、前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置されたものであって、周期的に二次元に配列された複数のホール(hole)を含む反射防止層と、を含み、前記複数のホールは、前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち、互いに隣接した第1画素と第2画素との境界に対応する位置に設けられた複数の第1ホール、及び前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち少なくとも1つの内部領域に対向する複数の第2ホールを含む。
【0007】
前記複数の第1ホールそれぞれの中心は、前記互いに隣接した第1画素と第2画素との境界の上部に位置しうる。
【0008】
前記反射防止層内で、前記複数のホールの幅がいずれも同一でもある。
【0009】
前記複数の第2ホールのうち、前記第1画素に対向して配置された第2ホールは、第1幅を有し、前記複数の第2ホールのうち、前記第2画素に対向して配置された第2ホールは、前記第1幅と互いに異なる第2幅を有し、前記複数の第1ホールは、前記第1幅または第2幅を有することができる。
【0010】
前記複数のホールのうち隣接したホール間の距離が同一でもある。
【0011】
前記第1波長は、前記第2波長より長く、前記第1幅は、前記第2幅より狭い。
【0012】
前記反射防止層の平均屈折率は、空気の屈折率より高く、前記ナノ光学レンズアレイの平均屈折率より低い。
【0013】
前記反射防止層は、前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置された第1反射防止層、及び前記第1反射防止層上に配置された第2反射防止層を含み、前記第2反射防止層は、前記複数のホールを含むようにパターニングされうる。
【0014】
前記第1反射防止層は、第1屈折率を有し、前記第2反射防止層は、第2屈折率を有し、前記第1屈折率は、前記第2屈折率より高い。
【0015】
前記第1反射防止層は、前記複数のホールを含むように少なくとも部分的にパターニングされうる。
【0016】
例えば、前記反射防止層の厚みは、50nm以上かつ300nm以下でもある。
【0017】
例えば、前記複数のホールの配列周期は、300nm以下でもある。
【0018】
例えば、前記複数のホールの幅または直径は、300nm以下でもある。
【0019】
前記反射防止層は、例えば、AlO、HfO、SiN、SiO2、AlOC、AlON及びAlOCNのうち少なくとも1つの材料またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0020】
前記反射防止層は、例えば、1以上かつ3以下の屈折率を有する無機材料を含んでもよい。
【0021】
前記ナノ光学レンズアレイは、前記複数の第1画素と対向して配置された複数の第1レンズ、及び前記複数の第2画素と対向して配置された複数の第2レンズを含み、前記複数の第1レンズに入射する入射光、及び前記複数の第2レンズの一部に入射する入射光のうち、第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記複数の第2レンズに入射する入射光、及び前記複数の第1レンズの一部に入射する入射光のうち、第2波長の光を前記複数の第2画素に集光するように、前記複数のナノ構造物が配列されうる。
【0022】
前記イメージセンサは、前記センサ基板と前記ナノ光学レンズアレイとの間に配置されたカラーフィルタ層、及び前記カラーフィルタ層と前記ナノ光学レンズアレイとの間に配置された平坦化層をさらに含んでもよい。
【0023】
前記複数の第1画素及び複数の第2画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って群集して二次元に配列され、独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、前記センサ基板は、前記複数の光感知セルを電気的に分離する分離膜を含む。
【0024】
前記複数の第2ホールは、前記分離膜と対向しないように配列されうる。
【0025】
前記複数の第1画素それぞれ及び前記複数の第2画素それぞれは、前記内部領域及びエッジ領域を有し、前記複数の第1画素のうち少なくとも1つの第1画素は、前記複数の第2画素のうち少なくとも1つの第2画素と隣接し、前記少なくとも1つの第1画素のエッジ領域と、前記少なくとも1つの第2画素のエッジ領域とが前記境界を形成するように、前記複数の第1画素と前記複数の第2画素とが配列されうる。
【0026】
前記複数の第1ホールのうち少なくとも1つの第1ホールは、前記境界とも対向する。
【0027】
他の実施形態による電子装置は、被写体の光学像を形成するレンズアセンブリと、前記レンズアセンブリが形成した光学像を電気的信号に変換するイメージセンサと、前記イメージセンサで生成された信号を処理するプロセッサと、を含む。また、前記イメージセンサは、第1波長の光を感知する複数の第1画素、及び第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素を含むセンサ基板と、入射光を前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素に集光するように配列された複数のナノ構造物を含み、入光面を具備したナノ光学レンズアレイと、前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置されたものであって、周期的に二次元に配列された複数のホール(hole)を含む反射防止層と、を含み、前記複数のホールは、前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち、互いに隣接した第1画素と第2画素との境界に対応する位置に設けられた複数の第1ホール、及び前記複数の第1画素及び前記複数の第2画素のうち少なくとも1つの内部領域に対向する複数の第2ホールを含む。
【0028】
さらに他の実施形態によるイメージセンサは、第1波長の光を感知する第1画素、第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する第2画素、及び前記第1及び第2画素それぞれを複数の光感知セルに分離する分離膜を含むセンサ基板と、入射光を前記第1画素及び第2画素に集光するように配列された複数のナノ構造物を含み、入光面を具備したナノ光学レンズアレイと、前記ナノ光学レンズアレイの入光面に配置された反射防止層と、を含み、前記反射防止層は、前記第1及び第2画素それぞれの内部領域と対向し、前記分離膜と対向しない複数のホールを含む。
【0029】
前記センサ基板は、複数の前記第1画素及び複数の前記第2画素を含み、前記反射防止層は、前記複数の第1画素及び複数の第2画素のうち互いに隣接した第1画素と第2画素との境界と対向する位置に配列された複数のホールをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0030】
本実施形態によれば、パターニングされた反射防止層を利用して、イメージセンサの光利用効率を向上させることができる。光利用効率が向上することにより、イメージセンサの1つの画素のサイズ、または画素内の独立した光感知セルのサイズを減らすことができる。したがって、より高い解像度を有するイメージセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】一実施形態によるイメージセンサのブロック図である。
【
図2A】イメージセンサの画素アレイの多様な画素配列を例示的に示す図面である。
【
図2B】イメージセンサの画素アレイの多様な画素配列を例示的に示す図面である。
【
図2C】イメージセンサの画素アレイの多様な画素配列を例示的に示す図面である。
【
図3】一実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図3に示された画素アレイのセンサ基板の構成を概略的に示す平面図である。
【
図5】
図3に示されたカラーフィルタ層の構成を概略的に示す平面図である。
【
図6】
図3に示されたナノ光学レンズアレイの構成を例示的に示す平面図である。
【
図7】ナノ光学レンズアレイを通過した緑色光及び青色光の位相分布を例示的に示す図面である。
【
図8】ナノ光学レンズアレイの第1レンズ周辺に入射した緑色光の進行を例示的に示す図面である。
【
図9】ナノ光学レンズアレイによって形成される第1緑色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図10】ナノ光学レンズアレイの第2レンズ周辺に入射した青色光の進行を例示的に示す図面である。
【
図11】ナノ光学レンズアレイによって形成される青色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図12】ナノ光学レンズアレイを通過した赤色光及び緑色光の位相分布を例示的に示す図面である。
【
図13】ナノ光学レンズアレイの第3レンズ周辺に入射した赤色光の進行を例示的に示す図面である。
【
図14】ナノ光学レンズアレイによって形成される赤色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図15】ナノ光学レンズアレイの第4レンズ周辺に入射した緑色光の進行を例示的 に示す図面である。
【
図16】ナノ光学レンズアレイによって形成される第2緑色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図17】他の例によるナノ光学レンズアレイの構成を例示的に示す平面図である。
【
図18】さらに他の例によるナノ光学レンズアレイの構成を例示的に示す平面図である。
【
図19】
図3に示された反射防止層の構成を例示的に示す平面図である。
【
図20】一実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す断面図である。
【
図21】実施形態によるイメージセンサの反射度と、比較例によるイメージセンサの反射度とを比較して示すグラフである。
【
図22】実施形態によるイメージセンサの平均反射度と、比較例によるイメージセンサの平均反射度とを比較して示す表である。
【
図23】他の実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す断面図である。
【
図24】さらに他の実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す断面図である。
【
図25】さらに他の実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す断面図である。
【
図26】他の実施形態による反射防止層の構成を例示的に示す平面図である。
【
図27】さらに他の実施形態による反射防止層の構成を例示的に示す平面図である。
【
図28】実施形態によるイメージセンサを含む電子装置を概略的に示すブロック図である。
【
図29】
図28のカメラモジュールを概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して、パターニングされた反射防止層を具備するイメージセンサ及びそれを含む電子装置について詳細に説明する。以下に述べられる実施形態は、単に例示的なものに過ぎず、それらの実施形態から多様な変形が可能である。以下の図面において、同一参照符号は、同一構成要素を称し、図面上で、各構成要素の大きさは、説明の明瞭性及び便宜上、誇張されうる。
【0033】
以下、「上部」や「上」と記載された表現は、接触してすぐ上下左右にあるものだけでなく、非接触で上下左右にあるものも含む。
【0034】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されるが、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。当該用語は、構成要素の物質または構造が異なることを限定するものではない。
【0035】
単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0036】
また、明細書に記載された「…部」、「モジュール」などの用語は、機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアにより具現されたり、ハードウェアとソフトウェアとの結合により具現されたりする。
【0037】
「前記」の用語、及びそれと類似の指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものである。
【0038】
方法を構成する段階は、説明された順に行わなければならないという明白な言及がなければ、適当な順序で行われてもよい。また、全ての例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に技術的思想を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲により限定されない限り、当該用語によって権利範囲が限定されるものではない。
【0039】
図1は、一実施形態によるイメージセンサの概略的なブロック図である。
図1を参照すれば、イメージセンサ1000は、画素アレイ1100と、タイミングコントローラ1010と、ロウデコーダ1020と、出力回路1030とを含む。イメージセンサは、CCD(charge coupled device)イメージセンサまたはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサでもある。
【0040】
画素アレイ1100は、複数のロウと複数のカラムとに沿って、二次元に配列された画素を含む。ロウデコーダ1020は、タイミングコントローラ1010から出力されたロウアドレス信号に応答して、画素アレイ1100のロウの1つを選択する。出力回路1030は、選択されたロウに沿って配列された複数の画素から、カラム単位で光感知信号を出力する。このために、出力回路1030は、カラムデコーダとアナログ・デジタル変換器(ADC: analog to digital converter)とを含むこともできる。例えば、出力回路1030は、カラムデコーダと画素アレイ1100との間で、カラム別にそれぞれ配置された複数のADC、またはカラムデコーダの出力端に配置された1つのADCを含む。タイミングコントローラ1010、ロウデコーダ1020及び出力回路1030は、1つのチップまたはそれぞれ個々のチップにより具現可能である。出力回路1030を通じて出力された映像信号を処理するためのプロセッサが、タイミングコントローラ1010、ロウデコーダ1020及び出力回路1030と共に1つのチップによっても具現される。
【0041】
画素アレイ1100は、互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含む。画素の配列は、多様な方式により具現可能である。例えば、
図2Aないし
図2Cは、イメージセンサ1000の画素アレイ1100の多様な画素配列を示している。
【0042】
まず、
図2Aは、イメージセンサ1000において一般に採択されているベイヤーパターン(Bayer Pattern)を示している。
図2Aを参照すれば、1つの単位パターンは、4つの四分領域(Quadrant region)を含み、第1ないし第4四分面がそれぞれ青色画素B、緑色画素G、赤色画素R及び緑色画素Gにもなる。そのような単位パターンが、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って二次元に反復配列される。すなわち、2×2アレイ形態の単位パターン内で、一方の対角線方向に2つの緑色画素Gが配置され、他方の対角線方向にそれぞれ1つの青色画素Bと1つの赤色画素Rとが配置される。全体的な画素配列を見れば、複数の緑色画素Gと複数の青色画素Bとが第1方向に沿って交互に配列される第1ロウと、複数の赤色画素Rと複数の緑色画素Gとが第1方向に沿って交互に配列される第2ロウとが、第2方向に沿って反復的に配列される。
【0043】
画素アレイ1100の配列方式は、ベイヤーパターン以外にも多様な配列方式が可能である。例えば、
図2Bを参照すれば、マゼンタ(Magenta)画素M、シアン(Cyan)画素C、イエロー(Yellow)画素Y及び緑色画素Gが1つの単位パターンを構成するCYGM方式の配列も可能である。また、
図2Cを参照すれば、緑色画素G、赤色画素R、青色画素B及び白色画素Wが1つの単位パターンを構成するRGBW方式の配列も可能である。また、図示していないが、単位パターンが3×2アレイ形態を有することもできる。その他にも、画素アレイ1100の画素は、イメージセンサ1000の色特性によって、多様な方式により配列可能である。以下、イメージセンサ1000の画素アレイ1100がベイヤーパターンを有することを例として説明するが、動作原理は、ベイヤーパターンではない他の形態の画素配列にも適用可能である。
【0044】
以下、便宜上、画素アレイ1100がベイヤーパターン構造を有する場合について例示的に説明する。
【0045】
図3は、一実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す斜視図である。
図3を参照すれば、画素アレイ1100は、センサ基板110と、センサ基板110上に配置されたカラーフィルタ層120と、カラーフィルタ層120上に配置された平坦化層130と、平坦化層130上に配置されたナノ光学レンズアレイ140と、ナノ光学レンズアレイ140上に配置された反射防止層150とを含む。カラーフィルタ層120は、センサ基板110とナノ光学レンズアレイ140との間に配置され、平坦化層130は、カラーフィルタ層120とナノ光学レンズアレイ140との間に配置される。
【0046】
図4は、
図3に示された画素アレイのセンサ基板の構成を概略的に示す平面図である。
図4を参照すれば、センサ基板110は、入射光を感知する複数の画素を含む。例えば、センサ基板110は、入射光を電気的信号に変換し、映像信号を生成する第1画素111、第2画素112、第3画素113及び第4画素114を含んでもよい。第1画素111、第2画素112、第3画素113及び第4画素114は、1つの単位ベイヤーパターンを形成することができる。例えば、第1画素111と第4画素114は、緑色光を感知する緑色画素であり、第2画素112は、青色光を感知する青色画素であり、第3画素113は、赤色光を感知する赤色画素でもある。
【0047】
図3及び
図4には、4つの画素を含む1つの単位ベイヤーパターンのみが例示的に示されているが、画素アレイ1100は、二次元に配列された複数のベイヤーパターンを含むこともできる。例えば、複数の第1画素111と複数の第2画素112とが第1方向(X方向)に沿って交互に配列され、第1方向(X方向)に垂直な第2方向(Y方向)に位置が異なる断面において、複数の第3画素113と複数の第4画素114とが交互に配列されうる。
【0048】
第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれは、独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含む。例えば、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれは、第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4を含んでもよい。第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4は、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って二次元に配列されうる。例えば、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれにおいて、第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4は、2×2アレイ形態にも配列される。
【0049】
図4には、例示的に第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれが4つの光感知セルを含むものと示されているが、4以上の独立した光感知セルが群集して二次元に配列されることも可能である。例えば、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれは、3×3アレイ形態または4×4アレイ形態に群集して配列された複数の独立した光感知セルを含むこともできる。以下、便宜上、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれが2×2アレイ形態に配列された光感知セルを含む場合について説明する。
【0050】
実施形態によれば、隣接した光感知セルの出力信号間の差から、自動焦点信号が得られる。例えば、第1光感知セルc1の出力信号と第2光感知セルc2の出力信号との差、第3光感知セルc3の出力信号と第4光感知セルc4の出力信号との差、または第1光感知セルc1の出力信号及び第3光感知セルc3の出力信号の和と、第2光感知セルc2の出力信号及び第4光感知セルc4の出力信号の和との差から、第1方向(X方向)の自動焦点信号を生成することができる。また、第1光感知セルc1の出力信号と第3光感知セルc3の出力信号との差、第2光感知セルc2の出力信号と第4光感知セルc4の出力信号との差、または第1光感知セルc1の出力信号及び第2光感知セルc2の出力信号の和と、第3光感知セルc3の出力信号及び第4光感知セルc4の出力信号の和との差から、第2方向(Y方向)の自動焦点信号を生成することができる。
【0051】
一方、一般の映像信号は、第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4の出力信号を加算して得られる。例えば、第1画素111の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4の出力信号を加算して、第1緑色映像信号を生成し、第2画素112の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4の出力信号を加算して、青色映像信号を生成し、第3画素113の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4の出力信号を加算して、赤色映像信号を生成し、第4画素114の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4の出力信号を加算して、第2緑色映像信号を生成することができる。
【0052】
また、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれは、複数の光感知セルを電気的に分離する分離膜DTIを含むこともできる。分離膜DTIは、例えば、DTI(deep trench isolation)構造に形成される。ディープトレンチは、空気(air)または電気的に絶縁性の材料でも充填される。分離膜DTIは、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれを4分割するように、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って延長される。分離膜DTIにより、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれの第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4が互いに分離されうる。第1方向(X方向)に延長された分離膜DTIと、第2方向(Y方向)に延長された分離膜DTIとは、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれの中心で互いに交差することができる。
【0053】
また、第1ないし第4画素111、112、113、114のうち隣接した画素間にも、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って、分離膜DTIが配置される。したがって、分離膜DTIにより、第1ないし第4画素111、112、113、114が互いに分離されうる。第1方向(X方向)に延長された分離膜DTIと、第2方向(Y方向)に延長された分離膜DTIとは、第1ないし第4画素111、112、113、114を含む単位ベイヤーパターンの中心で互いに交差することができる。
【0054】
図5は、
図3に示されたカラーフィルタ層の構成を概略的に示す平面図である。
図5を参照すれば、カラーフィルタ層120は、特定波長の光を透過させ、他の波長の光を吸収する複数のカラーフィルタを含む。例えば、カラーフィルタ層120は、第1波長の光を透過させ、他の波長の光を吸収する第1カラーフィルタ121と、第1波長と互いに異なる第2波長の光を透過させ、他の波長の光を吸収する第2カラーフィルタ122と、第1波長及び第2波長と互いに異なる第3波長の光を透過させ、他の波長の光を吸収する第3カラーフィルタ123と、第1波長の光を透過させ、他の波長の光を吸収する第4カラーフィルタ124とを含んでもよい。
図5には、1つの単位ベイヤーパターンのみが例示的に示されているが、複数の第1カラーフィルタ121と複数の第2カラーフィルタ122とが第1方向(X方向)に沿って交互に配列され、第1方向(X方向)に垂直な第2方向(Y方向)に位置が異なる断面において、複数の第3カラーフィルタ123と複数の第4カラーフィルタ124とが交互に配列されることも可能である。
【0055】
第1カラーフィルタ121は、第3方向(Z方向)に沿って第1画素111と対向して配置され、第2カラーフィルタ122は、第3方向(Z方向)に沿って第2画素112と対向して配置され、第3カラーフィルタ123は、第3方向(Z方向)に沿って第3画素113と対向して配置され、第4カラーフィルタ124は、第3方向(Z方向)に沿って第4画素114と対向して配置される。これにより、第1画素111と第4画素114とは、それにそれぞれ対応する第1カラーフィルタ121と第4カラーフィルタ124とを透過した第1波長の光を感知することができる。また、第2画素112は、対応する第2カラーフィルタ122を透過した第2波長の光を感知することができる。第3画素113は、対応する第3カラーフィルタ123を透過した第3波長の光を感知することができる。例えば、第1カラーフィルタ121と第4カラーフィルタ124は、緑色光を透過させる緑色カラーフィルタであり、第2カラーフィルタ122は、青色光を透過させる青色カラーフィルタであり、第3カラーフィルタ123は、赤色光を透過させる赤色カラーフィルタでもある。
【0056】
図5に表示された点線は、第1ないし第4画素111、112、113、114の光感知セル間の分離膜を示す。
図5に示されたように、第1ないし第4カラーフィルタ121、122、123、124は、それに対応する第1ないし第4画素111、112、113、114内の全ての光感知セルと第3方向(Z方向)に沿って対向して配置されうる。すなわち、第1カラーフィルタ121は、第1画素111内の全ての光感知セルをカバーし、第2カラーフィルタ122は、第2画素112内の全ての光感知セルをカバーし、第3カラーフィルタ123は、第3画素113内の全ての光感知セルをカバーし、第4カラーフィルタ124は、第4画素114内の全ての光感知セルをカバーすることができる。
【0057】
図6は、
図3に示されたナノ光学レンズアレイの構成を例示的に示す平面図である。
図6を参照すれば、ナノ光学レンズアレイ140は、第1画素111に対応する第1レンズ141と、第2画素112に対応する第2レンズ142と、第3画素113に対応する第3レンズ143と、第4画素114に対応する第4レンズ144とを含む。例えば、第1レンズ141は、第3方向(Z方向)に沿って第1画素111と対向して配置され、第2レンズ142は、第3方向(Z方向)に沿って第2画素112と対向して配置され、第3レンズ143は、第3方向(Z方向)に沿って第3画素113と対向して配置され、第4レンズ144は、第3方向(Z方向)に沿って第4画素114と対向して配置される。
図6には、1つの単位ベイヤーパターンのみが例示的に示されているが、複数の第1レンズ141と複数の第2レンズ142とが第1方向(X方向)に沿って交互に配列され、第1方向(X方向)に垂直な第2方向(Y方向)に位置が異なる断面において、複数の第3レンズ143と複数の第4レンズ144とが交互に配列されることも可能である。
【0058】
ナノ光学レンズアレイ140は、入射光を第1ないし第4画素111、112、113、114にそれぞれ集光するように配列された複数のナノ構造物NPを含むこともできる。複数のナノ構造物NPは、ナノ光学レンズアレイ140を透過する透過光の位相を、ナノ光学レンズアレイ140上の位置によって異なって変化させるように配列されうる。それぞれのナノ構造物NPの幅(または、直径)及び高さ、複数のナノ構造物NPの配列周期(または、ピッチ)及び配列形態によって、ナノ光学レンズアレイ140によって具現される透過光の位相分布(phase profile)が決定される。また、透過光の位相分布によって、ナノ光学レンズアレイ140を透過した光の挙動が決定される。例えば、複数のナノ構造物NPは、ナノ光学レンズアレイ140を透過した光が集光されるようにする位相分布を形成するように配列されうる。
【0059】
ナノ構造物NPは、可視光の波長より小さいサイズを有することができる。ナノ構造物NPは、例えば、青色波長より小さいサイズを有することができる。例えば、ナノ構造物NPの断面の幅(または、直径)は、400nm、300nm、または200nmよりも小さい。ナノ構造物NPの高さは、600nmないし2000nmでもあり、断面の幅よりも大きい。図示していないが、ナノ構造物NPは、第3方向(Z方向)に積層された2以上の層構造を有することができる。
【0060】
ナノ構造物NPは、周辺物質に比べて相対的に高屈折率を有し、かつ可視光帯域で吸収率が比較的低い材料を含む。例えば、ナノ構造物NPは、c-Si、p-Si、a-Si及びIII-V化合物半導体(GaP、GaN、GaAsなど)、SiC、TiO2、SiN3、ZnS、ZnSe、Si3N4及び/またはそれらの組み合わせを含んでもよい。ナノ構造物NP周辺は、ナノ構造物NPより相対的に低屈折率を有し、かつ可視光帯域で吸収率が比較的低い誘電体で充填される。例えば、ナノ構造物NP周辺は、SOG(siloxane-based spin on glass)、SiO2、Si3N4、Al2O3、空気などで充填されてもよい。
【0061】
ナノ構造物NPの屈折率は、約630nm波長の光に対し、約2.0以上でもあり、周辺物質の屈折率は、約630nm波長の光に対し、約1.0以上かつ2.0未満でもある。また、ナノ構造物NPの屈折率と周辺物質の屈折率との差は、約0.5以上でもある。周辺物質と屈折率差を有するナノ構造物NPは、ナノ構造物NPを通過する光の位相を変化させることができる。それは、ナノ構造物NPのサブ波長の形状寸法によって起こる位相遅延(phase delay)によるものであり、位相が遅延される程度は、ナノ構造物NPの細部的な形状寸法や配列形態などによって決定される。
【0062】
一例において、ナノ光学レンズアレイ140は、入射光のうち、第1波長の光を第1画素111及び第4画素114に集光させ、第2波長の光を第2画素112に集光させ、第3波長の光を第3画素113に集光させることができる。これにより、入射光は、ナノ光学レンズアレイ140によって波長別に分離され、第1ないし第4画素111、112、113、114に集光されうる。このために、ナノ光学レンズアレイ140の第1ないし第4レンズ141、142、143、144内で、複数のナノ構造物NPが互いに異なる形態にも配列される。
図6には、ナノ構造物NPの直径がいずれも同一であるものと示されているが、これは、単に一例に過ぎず、ナノ構造物NPの直径が異なっていてもよい。また、ナノ構造物NPの配列形態も、多様な他の配列形態を有することができる。一方、ナノ光学レンズアレイ140により、入射光が十分に色分離されるならば、カラーフィルタ層120は省略可能である。
【0063】
図7は、ナノ光学レンズアレイを通過した緑色光及び青色光の位相分布を例示的に示している。
図7を参照すれば、ナノ光学レンズアレイ140を通過した緑色光は、第1レンズ141の中心で最も大きく、第1レンズ141の中心から遠くなる方向に減少する第1緑色光位相分布PPG1を有することができる。具体的には、ナノ光学レンズアレイ140を通過した直後の位置、すなわち、ナノ光学レンズアレイ140の下部表面または平坦化層130の上部表面における緑色光の位相が、第1レンズ141の中心で最も大きく、第1レンズ141の中心から遠くなるほど同心円状に次第に小さくなる。第1レンズ141の中心から出射される緑色光の位相を2πと設定すれば、第2レンズ142及び第3レンズ143の中心から、位相が0.9πないし1.1πである光が出射され、第4レンズ144の中心から、位相が2πである光が出射され、第1レンズ141と第4レンズ144との接点から、位相が1.1πないし1.5πである光が出射される。したがって、第1レンズ141の中心を通過した緑色光と、第2レンズ142及び第3レンズ143の中心を通過した緑色光との位相差は、0.9πないし1.1πでもある。
【0064】
一方、第1緑色光位相分布PPG1は、第1レンズ141の中心を通過した光の位相遅延量が最も大きいということを意味するものではなく、第1レンズ141を通過した光の位相を2πと設定したとき、他の位置を通過した光の位相遅延がさらに大きく、2πより大きい位相値を有するならば、2nπほど除去して残った値、すなわち、ラップ(Wrap)された位相の分布でもある。例えば、第1レンズ141を通過した光の位相を2πとしたとき、第2レンズ142の中心を通過した光の位相が3πであるならば、第2レンズ142における位相は、3πから2π(n=1の場合)を除去して残ったπでもある。
【0065】
また、ナノ光学レンズアレイ140を通過した青色光は、第2レンズ142の中心で最も大きく、第2レンズ142の中心から遠くなる方向に減少する青色光位相分布PPBを有することができる。具体的には、ナノ光学レンズアレイ140を透過した直後の位置における青色光の位相が、第2レンズ142の中心で最も大きく、第2レンズ142の中心から遠くなるほど同心円状に次第に小さくなる。例えば、第2レンズ142の中心での青色光の位相を2πとすれば、第1レンズ141及び第4レンズ144の中心での位相は、0.9πないし1.1πでもあり、第4レンズ143の中心での位相は、第1レンズ141及び第4レンズ144の中心での位相より小さい値、例えば、0.5πないし0.9πでもある。
【0066】
図8は、ナノ光学レンズアレイの第1レンズ周辺に入射した緑色光の進行を例示的に示し、
図9は、ナノ光学レンズアレイによって形成される第1緑色光集光領域のアレイを例示的に示している。
【0067】
図8を参照すれば、第1レンズ141に入射する入射光、及びその周辺の第2レンズ142の一部と第3レンズ143の一部に入射する入射光のうち、緑色光は、ナノ光学レンズアレイ140によって第1画素111に集光される。すなわち、
図7で説明した緑色光の位相分布は、第1レンズ141と1辺を突き合わせて隣接した2つの第2レンズ142と2つの第3レンズ143との中心を連結した第1緑色光集光領域GL1を通過した緑色光を、第1画素111に集光させることができる。したがって、
図9に示されたように、ナノ光学レンズアレイ140は、第1画素111に緑色光を集光する第1緑色光集光領域GL1のアレイとして動作することができる。第1緑色光集光領域GL1は、対応する第1画素111より面積が大きく、例えば、1.2倍ないし2倍大きい。
【0068】
図10は、ナノ光学レンズアレイの第2レンズ周辺に入射した青色光の進行を例示的に示し、
図11は、ナノ光学レンズアレイによって形成される青色光集光領域のアレイを例示的に示している。
【0069】
図10を参照すれば、第2レンズ142に入射する入射光、並びにその周辺の第1レンズ141の一部、第3レンズ143の一部、及び第4レンズ144の一部に入射する入射光のうち、青色光は、ナノ光学レンズアレイ140によって第2画素112に集光される。すなわち、
図7で説明した青色光の位相分布は、第2レンズ142と頂点を突き合わせて隣接した4つの第3レンズ143の中心を連結した青色光集光領域BLを通過した青色光を、第2画素112に集光させることができる。したがって、
図11に示されたように、ナノ光学レンズアレイ140は、第2画素112に青色光を集光する青色光集光領域BLのアレイとして動作することができる。青色光集光領域BLは、対応する第2画素112より面積が大きく、例えば、1.5倍ないし4倍大きい。青色光集光領域BLの一部は、第1緑色光集光領域GL1の一部、後述する第2緑色光集光領域GL2の一部、及び後述する赤色光集光領域RLの一部とも重畳される。
【0070】
図12は、ナノ光学レンズアレイを通過した赤色光及び緑色光の位相分布を例示的に示す。
図12を参照すれば、ナノ光学レンズアレイ140を通過した赤色光は、第3レンズ143の中心で最も大きく、第3レンズ143の中心から遠くなる方向に減少する赤色光位相分布PPRを有することができる。具体的には、ナノ光学レンズアレイ140を透過した直後の位置における赤色光の位相が、第3レンズ143の中心で最も大きく、第3レンズ143の中心から遠くなるほど同心円状に次第に小さくなる。第3レンズ143の中心での赤色光の位相を2πとすれば、第1レンズ141及び第4レンズ144の中心での位相は、例えば、0.9πないし1.1πでもあり、第2レンズ142の中心での位相は、第1レンズ141及び第4レンズ144の中心での位相より小さい値、例えば、0.5πないし0.9πでもある。
【0071】
また、ナノ光学レンズアレイ140を通過した緑色光は、第4レンズ144の中心で最も大きく、第4レンズ144の中心から遠くなる方向に減少する第2緑色光位相分布PPG2を有することができる。第2緑色光位相分布PPG2が第4レンズ144の中心で最も大きい位相を有するという点を除いては、第1緑色光位相分布PPG1に係わる説明が第2緑色光位相分布PPG2にも同様に適用可能である。
【0072】
図13は、ナノ光学レンズアレイの第3レンズ周辺に入射した赤色光の進行を例示的に示し、
図14は、ナノ光学レンズアレイによって形成される赤色光集光領域のアレイを例示的に示す。
【0073】
図13を参照すれば、第3レンズ143に入射する入射光、並びにその周辺の第1レンズ141の一部、第2レンズ142の一部、及び第4レンズ144の一部に入射する入射光のうち、赤色光は、ナノ光学レンズアレイ140によって第3画素113に集光される。すなわち、
図12で説明した赤色光の位相分布は、第3レンズ143と頂点を突き合わせて隣接した4つの第2レンズ142の中心を連結した赤色光集光領域RLを通過した赤色光を、第3画素113に集光させることができる。したがって、
図14に示されたように、ナノ光学レンズアレイ140は、第3画素113に赤色光を集光する赤色光集光領域RLのアレイとして動作することができる。赤色光集光領域RLは、対応する第3画素113より面積が大きく、例えば、1.5倍ないし4倍大きい。赤色光集光領域RLの一部は、第1緑色光集光領域GL1の一部、青色光集光領域BLの一部、及び後述する第2緑色光集光領域GL2の一部とも重畳される。
【0074】
図15は、ナノ光学レンズアレイの第4レンズ周辺に入射した緑色光の進行を例示的に示し、
図16は、ナノ光学レンズアレイによって形成される第2緑色光集光領域のアレイを例示的に示す。
【0075】
図15を参照すれば、第4レンズ144に入射する入射光、及びその周辺の第2レンズ142の一部と第3レンズ143の一部に入射する入射光のうち、緑色光は、ナノ光学レンズアレイ140によって第4画素114に集光される。すなわち、
図12で説明した緑色光の位相分布は、第4レンズ144と1辺を突き合わせて隣接した2つの第2レンズ142と2つの第3レンズ143との中心を連結した第2緑色光集光領域GL2を通過した緑色光を、第4画素114に集光させることができる。したがって、
図16に示されたように、ナノ光学レンズアレイ140は、第4画素114に緑色光を集光する第2緑色光集光領域GL2のアレイとして動作することができる。第2緑色光集光領域GL2は、対応する第4画素114より面積が大きく、例えば、1.2倍ないし2倍大きい。第2緑色光集光領域GL2の一部は、第1緑色光集光領域GL1の一部、青色光集光領域BLの一部、及び赤色光集光領域RLの一部とも重畳される。
【0076】
図7ないし
図16では、ナノ光学レンズアレイ140の第1ないし第4レンズ141、142、143、144が、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれに対して1つのレンズの役割を行うものと説明した。すなわち、第1ないし第4レンズ141、142、143、144は、それにそれぞれ対応する第1ないし第4画素111、112、113、114の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4の全部に対して1つのレンズとして動作することができる。この場合、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれの所望の位置に焦点が形成されうる。
【0077】
図17は、他の例によるナノ光学レンズアレイの構成を例示的に示す平面図である。
図17を参照すれば、ナノ光学レンズアレイ140aの第1レンズ141は、第1画素111の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4にそれぞれ対応するサブレンズ141-1、141-2、141-3、141-4を含む。また、第2レンズ142は、第2画素112の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4にそれぞれ対応するサブレンズ142-1、142-2、142-3、142-4を含み、第3レンズ143は、第3画素113の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4にそれぞれ対応するサブレンズ143-1、143-2、143-3、143-4を含み、第4レンズ144は、第4画素114の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4にそれぞれ対応するサブレンズ144-1、144-2、144-3、144-4を含む。
図17に示されたナノ光学レンズアレイ140aは、第1ないし第4画素111、112、113、114の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4それぞれに対し、1つのレンズの機能を提供するように動作することができる。この場合、第1ないし第4画素111、112、113、114の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4それぞれに焦点が形成されうる。
【0078】
図18は、さらに他の例によるナノ光学レンズアレイの構成を例示的に示す平面図である。
図18を参照すれば、ナノ光学レンズアレイ140bは、色分離なしに、入射光を第1ないし第4画素111、112、113、114に単純に集光する第1ないし第4レンズ141、142、143、144を含む。例えば、第1ないし第4レンズ141、142、143、144は、対応する第1ないし第4画素111、112、113、114にそれぞれ入射光を単純に集光し、色分離はカラーフィルタ層120で起こりうる。このために、第1ないし第4レンズ141、142、143、144それぞれにおいて、複数のナノ構造物NPは、第1ないし第4レンズ141、142、143、144それぞれの中心に対し、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って対称的な形態に配列される。特に、第1ないし第4レンズ141、142、143、144それぞれの中心領域で最も大きい位相遅延が発生するように、第1ないし第4レンズ141、142、143、144それぞれの中心領域に配列されたナノ構造物NPが最も大きい直径を有することができ、第1ないし第4レンズ141、142、143、144それぞれの中心領域から遠くなるほど、ナノ構造物NPの直径が次第に減少しうる。
【0079】
図18に示されたナノ光学レンズアレイ140bにおいて、第1ないし第4レンズ141、142、143、144は、それにそれぞれ対応する第1ないし第4画素111、112、113、114の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4の全部に対し、1つのレンズとして動作することができる。他の実施形態において、第1ないし第4画素111、112、113、114の第1ないし第4光感知セルc1、c2、c3、c4それぞれに焦点を形成するように、ナノ光学レンズアレイ140bが構成されることも可能である。
【0080】
一方、平坦化層130は、カラーフィルタ層120上にナノ光学レンズアレイ140を形成するように、平坦な表面を提供することができる。また、平坦化層130は、カラーフィルタ層120と共に、センサ基板110とナノ光学レンズアレイ140との距離を提供するスペーサの役割を行うことができる。センサ基板110とナノ光学レンズアレイ140との距離は、ナノ光学レンズアレイ140の焦点距離によっても決定される。例えば、平坦化層130の厚みと、カラーフィルタ層120の厚みとは、ナノ光学レンズアレイ140の焦点距離と同一でもある。これにより、ナノ光学レンズアレイ140によって集光される光がセンサ基板110上にもフォーカシングされる。ナノ光学レンズアレイ140の焦点距離が十分に短ければ、平坦化層130は省略可能である。
【0081】
図19は、
図3に示された反射防止層の構成を例示的に示す平面図である。
図19を参照すれば、反射防止層150は、周期的に二次元に配列された複数のホールを含むようにパターニングされた構造を有することができる。例えば、反射防止層150は、可視光に対して透明な誘電体層151、及び誘電体層151を第3方向(Z方向)に貫通する複数のホール151hを含むものでもある。誘電体層151は、例えば、AlO、HfO、SiN、SiO
2、AlOC、AlON及びAlOCNのうち少なくとも1つの材料またはそれらの組み合わせを含んでもよい。あるいは、前述の材料以外にも、誘電体層151は、1以上かつ3以下の屈折率を有する他の無機材料を含むこともできる。複数のホール151hは、可視光の波長、特に、青色光の波長より小さい寸法を有することができる。例えば、複数のホール151hの配列周期P(または、複数のホール151hのうち隣接したホール間の距離)は、約300nm以下である。また、複数のホール151hそれぞれの幅Wまたは直径は、約300nm以下である。一例において、複数のホール151hの配列周期Pは、反射防止層150の全体領域において同一であり、複数のホール151hそれぞれの幅Wまたは直径も、反射防止層150の全体領域において同一であり、複数のホール151hそれぞれの形状も、反射防止層150の全体領域において同一である。
【0082】
反射防止層150は、入射光がその下にあるナノ光学レンズアレイ140によって反射されて発生する光損失を減らす役割を行う。このために、反射防止層150の平均屈折率は、空気の屈折率より高く、ナノ光学レンズアレイ140の平均屈折率より低い。例えば、空気の屈折率とナノ光学レンズアレイ140の平均屈折率との間の屈折率区間を3等分する場合、反射防止層150の平均屈折率は、3等分された屈折率区間の中間区間内にある。反射防止層150の平均屈折率は、誘電体層151の屈折率と体積、及び複数のホール151hに充填された空気の屈折率と体積によっても決定される。ナノ光学レンズアレイ140の平均屈折率は、ナノ構造物NPの屈折率と体積、及び周辺物質の屈折率と体積によっても決定される。反射防止層150の平均屈折率が前述の条件を満足するように、複数のホール151hの配列周期P、及び複数のホール151hそれぞれの幅Wまたは直径が決定される。
【0083】
また、パターニングされた構造を有するナノ光学レンズアレイ140を考慮して、反射損失をさらに減らすように、反射防止層150のホール151hの位置を選択することができる。例えば、互いに隣接した2つの画素間の境界上にホール151hが位置するように、複数のホール151hの配列周期P、及び複数のホール151hそれぞれの幅Wまたは直径が決定される。画素それぞれは、内部領域とエッジ領域とを有し、隣接した2つの画素のエッジ領域が、隣接した2つの画素間の境界を形成することができる。実施形態によれば、複数のホール151hは、互いに隣接した2つの画素間の境界と対向する反射防止層150の領域内に配列された複数の第1ホール151h1、及び画素それぞれの内部領域と対向する反射防止層150の領域内に配列された複数の第2ホール151h2を含むものでもある。例えば、複数の第1ホール151h1は、第1画素111と第2画素112との境界、第1画素111と第3画素113との境界、第2画素112と第4画素114との境界、及び第3画素113と第4画素114との境界に沿って、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に配列されうる。特に、複数の第1ホール151h1それぞれの中心は、互いに隣接した2つの画素間の境界の上部に位置しうる。すなわち、複数の第1ホール151h1それぞれの中心は、互いに隣接した2つの画素間の境界と第3方向(Z方向)に対向することができる。
【0084】
複数の第1ホール151h1と複数の第2ホール151h2とは、同一の形状およびサイズを有することができる。また、複数の第1ホール151h1と複数の第2ホール151h2とは、同一周期にも配列される。例えば、隣接した2つの第1ホール151h1間の間隔、隣接した2つの第2ホール151h2間の間隔、及び第1ホール151h1と第2ホール151h2との間隔は、いずれも同一である。
【0085】
図19に表示された点線は、第1ないし第4画素111、112、113、114の光感知セル間の分離膜を示す。一例において、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれの内部領域と対向する反射防止層150の領域内に配列された複数の第2ホール151h2は、光感知セル間の分離膜と対向しない。すなわち、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれの内部領域に対向して配置された複数の第2ホール151h2は、光感知セル間の分離膜と第3方向(Z方向)に対向しないように、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に配列されうる。この場合、第1ないし第4画素111、112、113、114それぞれの光感知セル間の分離膜の上部には、いかなるホール151hも位置しない。
【0086】
しかし、必ずしもそれに限定されるものではない。他の例において、複数のホール151hの配列周期P、及び複数のホール151hそれぞれの幅Wまたは直径によって、複数の第2ホール151h2のうち一部が第3方向(Z方向)に光感知セル間の分離膜と対向して配置されることも可能である。
【0087】
図20は、一実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す断面図である。
図20は、特に、第1方向(X方向)に沿って第1画素111および第2画素112を切断した画素アレイ1100の断面を示す。
図20を参照すれば、ナノ光学レンズアレイ140の入光面上に、反射防止層150が配置されうる。したがって、画素アレイ1100に向かって進む入射光は、反射防止層150に最初に入射した後、反射防止層150、ナノ光学レンズアレイ140、平坦化層130及びカラーフィルタ層120を経て、センサ基板110に達することができる。反射防止層150による光損失を減らすために、反射防止層150の厚みTは、ナノ光学レンズアレイ140の厚みよりも薄い。特に、ナノ光学レンズアレイ140の厚みが約600nmないし約2000nmであるとき、反射防止層150の厚みTは、ナノ光学レンズアレイ140の厚みの20%以下である。例えば、反射防止層150の厚みTは、約50nm以上かつ約400nm以下である。
【0088】
図20に示されたように、反射防止層150のホール151hは、誘電体層151を貫通するように形成されうる。ホール151hの内部は、空気でも充填される。したがって、ナノ光学レンズアレイ140の上部表面がホール151hを通じて露出されうる。また、ホール151hの屈折率は、ホール151hを取り囲んでいる誘電体層151の屈折率よりも低い。第1画素111と第2画素112との境界上には、相対的に屈折率の低いホール151hが位置することになる。したがって、反射防止層150のうち、第3方向(Z方向)に画素間の境界と対向する部分の平均屈折率は、反射防止層150の他の部分の平均屈折率よりも若干低い。
【0089】
一方、ホール151hを形成するためのエッチング工程によって、ホール151hの幅または直径が第3方向(Z方向)に沿って連続して異なっている。例えば、反射防止層150の下部表面でのホール151hの幅または直径が、反射防止層150の上部表面でのホール151hの幅または直径よりも小さい。あるいは、誘電体層151の断面の幅が上方から下方へ行くほど次第に増加しうる。この場合、ホール151hの幅または直径は、反射防止層150の上部表面でのホール151hの幅または直径とも定義される。
【0090】
図21は、実施形態によるイメージセンサの反射度と、比較例によるイメージセンサの反射度とを比較して示すグラフである。
図21において、横軸は、波長を示し、縦軸は、反射度を示す。また、細い実線は、比較例によるイメージセンサの反射度を示し、太い実線は、実施形態によるイメージセンサの反射度を示す。比較例では、実施形態に比べて、反射防止層150内で、複数のホール151hの位置が1/2ピッチずつ、すなわち、複数のホール151hの配列周期の1/2ずつ第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)にシフトされており、画素の境界上にホール151hが位置しない。
図21のグラフを参照すれば、青色波長帯域において、実施形態によるイメージセンサの反射度が低くなったことを確認することができる。
【0091】
また、
図22は、実施形態によるイメージセンサの平均反射度と、比較例によるイメージセンサの平均反射度とを比較して示す表である。
図22の表において、(0,0)は、ホール151hの位置がシフトされない実施形態であり、(pitch/4,pitch/4)は、実施形態に比べて、複数のホール151hの位置が1/4ピッチずつシフトされた比較例であり、(pitch/2,pitch/2)は、実施形態に比べて、複数のホール151hの位置が1/2ピッチずつシフトされた比較例である。
図22の表を参照すれば、画素の境界上にホール151hが位置しない比較例に比べて、実施形態において、イメージセンサの全体的な反射度が若干低くなったことを確認することができる。
【0092】
図23は、他の実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す断面図である。
図23を参照すれば、画素アレイ1100aの反射防止層150は、誘電体層151とナノ光学レンズアレイ140との間に配置されたエッチング停止層(etch stop layer)152をさらに含んでもよい。エッチング停止層152は、反射防止層150の一部として見なされ、この場合、反射防止層150が2層構造を有すると見られる。例えば、エッチング停止層152は、ナノ光学レンズアレイ140の入光面上に配置された第1反射防止層と見なされ、誘電体層151と複数のホール151hは、第1反射防止層上に配置された第2反射防止層と見なされる。
【0093】
第1反射防止層であるエッチング停止層152はパターニングされず、第2反射防止層のみが複数のホール151hを含むようにパターニングされうる。したがって、エッチング停止層152は、パターニングされない平坦な上部表面を有することができる。第1反射防止層であるエッチング停止層152は、複数のホール151hを形成する過程において、ナノ光学レンズアレイ140がエッチングされないように保護する役割を行うことができる。このために、エッチング停止層152の屈折率は、第2反射防止層の誘電体層151の屈折率よりも高い。例えば、エッチング停止層152は、AlO、SiN及びHfOのうち少なくとも1つの材料を含み、第2反射防止層の誘電体層151は、AlO、SiN及びHfOより低い屈折率を有する材料、例えば、SiO2またはAlONを含んでもよい。また、エッチング停止層152により、イメージセンサの反射度が増加しないように、エッチング停止層152の厚みT1は、第2反射防止層の厚みよりも薄い。例えば、エッチング停止層152の厚みT1は、約5nm以上かつ50nm以下でもある。エッチング停止層152と誘電体層151とを含む反射防止層150の全体厚は、約50nm以上かつ約400nm以下でもある。
【0094】
図24及び
図25は、さらに他の実施形態によるイメージセンサの画素アレイの構成を概略的に示す断面図である。
図24を参照すれば、画素アレイ1100bの反射防止層150は、部分的にパターニングされたエッチング停止層152を含む。例えば、第1反射防止層であるエッチング停止層152の上部表面は、その上に配置された第2反射防止層の複数のホール151hとそれぞれ連結される複数の非貫通ホールを有するようにパターニングされうる。また、
図25を参照すれば、画素アレイ1100cの反射防止層150は、貫通ホールを有するようにパターニングされたエッチング停止層152を含む。この場合、第1反射防止層であるエッチング停止層152及びその上に配置された第2反射防止層をいずれも貫通するように、複数のホール151hが形成されたものと見なされる。
図24及び
図25に示されたように、第1反射防止層であるエッチング停止層152は、複数のホール151hを含むように少なくとも部分的にパターニングされうる。
【0095】
図26は、他の実施形態による反射防止層の構成を例示的に示す平面図である。前述の実施形態では、反射防止層150の全体領域において、複数のホール151hが同一の幅または直径を有するものと説明した。しかし、他の実施形態において、反射防止層150の複数のホール151hの幅または直径は、複数のホール151hの位置によって異なっていてもよい。
図26を参照すれば、複数の第2ホール151h2のうち、第3方向(Z方向)に第1画素111に対向して配置された第2ホール151h2、及び第4画素114に対向して配置された第2ホール151h2は、第1幅W1を有することができる。複数の第2ホール151h2のうち、第3方向(Z方向)に第2画素112に対向して配置された第2ホール151h2は、第1幅W1と互いに異なる第2幅W2を有し、第3画素113に対向して配置された第2ホール151h2は、第1幅W1及び第2幅W2と互いに異なる第3幅W3を有することができる。例えば、第1幅W1は、第2幅W2よりも狭く、第3幅W3は、第1幅W1よりも狭い。したがって、青色波長の光を感知する第2画素112に対向して配置された第2ホール151h2の第2幅W2が最も広く、赤色波長の光を感知する第3画素113に対向して配置された第2ホール151h2の第3幅W3が最も狭い。すなわち、対向する画素が感知する光の波長の長さと、第2ホール151h2の幅または直径は、互いに反比例する。
【0096】
隣接した2つの画素間の境界に配置された複数の第1ホール151h1の幅は、隣接した2つの画素に対向する第2ホール151h2の幅のうちいずれか1つと同一であってもよい。例えば、第1画素111と第2画素112との境界に配置された第1ホール151h1は、第1幅W1及び第2幅W2のいずれの幅を有してもよい。また、第1画素111と第3画素113との境界に配置された第1ホール151h1は、第2幅W2または第3幅W3を有することができ、第3画素113と第4画素114との境界に配置された第1ホール151h1は、第3幅W3または第1幅W1を有することができ、第2画素112と第4画素114との境界に配置された第1ホール151h1は、第2幅W2または第1幅W1を有することができる。
【0097】
図27は、さらに他の実施形態による反射防止層の構成を例示的に示す平面図である。前述の実施形態では、パターニングされたホール151hの形状が円状であるものと示されているが、必ずしもそれに限定されるものではない。例えば、
図27に示されたように、ホール151hは、四角形状にパターニングされることも可能である。四角形状以外にも、ホール151hは、他の多角形状または楕円状を有することもできる。
【0098】
前述のように、パターニングされた反射防止層150を利用して、全体的なイメージセンサ1000の反射度を低くすることにより、イメージセンサ1000の光利用効率を向上させることができる。光利用効率が向上することにより、イメージセンサ1000の1つの画素のサイズ、または画素内の独立した光感知セルのサイズを減らすことができる。したがって、より高い解像度を有するイメージセンサ1000を提供することができる。
実施形態によるイメージセンサ1000は、多様な性能のモジュールレンズと共にカメラモジュールを構成することができ、多様な電子装置に活用可能である。
【0099】
図28は、イメージセンサ1000を含む電子装置ED01の一例を示すブロック図である。
図28を参照すれば、ネットワーク環境ED00において、電子装置ED01は、第1ネットワークED98(近距離無線通信ネットワークなど)を介して他の電子装置ED02と通信するか、あるいは第2ネットワークED99(遠距離無線通信ネットワークなど)を介してさらに他の電子装置ED04及び/またはサーバED08と通信することができる。電子装置ED01は、サーバED08を介して電子装置ED04と通信することができる。電子装置ED01は、プロセッサED20、メモリED30、入力装置ED50、音響出力装置ED55、表示装置ED60、オーディオモジュールED70、センサモジュールED76、インターフェースED77、ハプティックモジュールED79、カメラモジュールED80、電力管理モジュールED88、バッテリーED89、通信モジュールED90、加入者識別モジュールED96及び/またはアンテナモジュールED97を含む。電子装置ED01には、当該構成要素のうち一部の構成要素(表示装置ED60など)が省略されてもよく、他の構成要素が追加されてもよい。当該構成要素のうち一部は、1つの統合された回路によっても具現される。例えば、センサモジュールED76(指紋センサ、虹彩センサ、照度センサなど)は、表示装置ED60(ディスプレイなど)に組み込まれて具現可能である。
【0100】
プロセッサED20は、ソフトウェア(プログラムED40など)を実行し、プロセッサED20に連結された電子装置ED01のうち1つまたは複数個の他の構成要素(ハードウェア、ソフトウェアの構成要素など)を制御することができ、多様なデータ処理または演算を行うことができる。データ処理または演算の一部として、プロセッサED20は、他の構成要素(センサモジュールED76、通信モジュールED90など)から受信された命令及び/またはデータを揮発性メモリED32にロードし、揮発性メモリED32に保存された命令及び/またはデータを処理し、結果データを不揮発性メモリED34に保存することができる。プロセッサED20は、メインプロセッサED21(中央処理装置、アプリケーションプロセッサなど)と、それと独立してまたは共に運用可能な補助プロセッサED23(グラフィック処理装置、イメージシグナルプロセッサ、センサハブプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)とを含む。補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21よりも電力を低く使用し、特化された機能を行うことができる。
【0101】
補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21がインアクティブ状態(スリープ状態)にある間、メインプロセッサED21の代わりに、あるいはメインプロセッサED21がアクティブ状態(アプリケーション実行状態)にある間、メインプロセッサED21と共に、電子装置ED01の構成要素のうち一部の構成要素(表示装置ED60、センサモジュールED76、通信モジュールED90など)と関連した機能及び/または状態を制御することができる。補助プロセッサED23(イメージシグナルプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)は、機能的に関連した他の構成要素(カメラモジュールED80、通信モジュールED90など)の一部としても具現される。
【0102】
メモリED30は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20、センサモジュールED76など)が必要とする多様なデータを保存することができる。該データは、例えば、ソフトウェア(プログラムED40など)、並びにそれと関連した命令についての入力データ及び/または出力データを含んでもよい。メモリED30は、揮発性メモリED32及び/または不揮発性メモリED34を含む。
【0103】
プログラムED40は、メモリED30にソフトウェアとして保存され、オペレーティングシステムED42、ミドルウェアED44及び/またはアプリケーションED46を含む。
【0104】
入力装置ED50は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20など)に使用される命令及び/またはデータを、電子装置ED01の外部(ユーザなど)から受信することができる。入力装置ED50は、マイク、マウス、キーボード及び/またはデジタルペン(スタイラスペンなど)を含んでもよい。
【0105】
音響出力装置ED55は、音響信号を電子装置ED01の外部に出力することができる。音響出力装置ED55は、スピーカ及び/またはレシーバを含んでもよい。該スピーカは、マルチメディア再生または録音再生のように一般用途に使用され、該レシーバは、着信電話を受信するために使用される。該レシーバは、該スピーカの一部に結合されていてもよく、独立した別途の装置で具現されてもよい。
【0106】
表示装置ED60は、電子装置ED01の外部に情報を視覚的に提供することができる。表示装置ED60は、ディスプレイ、ホログラム装置またはプロジェクタ、及び当該装置を制御するための制御回路を含んでもよい。表示装置ED60は、タッチを感知するように設定されたタッチ回路(Touch Circuitry)、及び/またはタッチにより発生する力の強度を測定するように設定されたセンサ回路(圧力センサなど)を含む。
【0107】
オーディオモジュールED70は、音を電気信号に変換させるか、あるいは電気信号を音に変換させることができる。オーディオモジュールED70は、入力装置ED50を介して音を取得するか、あるいは音響出力装置ED55及び/または電子装置ED01と直接または無線で連結された他の電子装置(電子装置ED02など)のスピーカ及び/またはヘッドホンを介して音を出力することができる。
【0108】
センサモジュールED76は、電子装置ED01の作動状態(電力、温度など)、または外部の環境状態(ユーザ状態など)を感知し、感知された状態に対応する電気信号及び/またはデータ値を生成することができる。センサモジュールED76は、ジェスチャーセンサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、マグネチックセンサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、IR(Infrared)センサ、生体センサ、温度センサ、湿度センサ及び/または照度センサを含んでもよい。
【0109】
インターフェースED77は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と直接または無線で連結されるために使用可能な1つまたは複数の指定されたプロトコルを支援することができる。インターフェースED77は、HDMI(High Definition Multimedia Interface、登録商標)、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、SDカードインターフェース及び/またはオーディオインターフェースを含んでもよい。
【0110】
連結端子ED78は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と物理的に連結可能なコネクタを含む。連結端子ED78は、HDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタ及び/またはオーディオコネクタ(ヘッドホンコネクタなど)を含んでもよい。
【0111】
ハプティックモジュールED79は、電気的信号を、ユーザが触覚または運動感覚を通じて認知可能な機械的な刺激(振動、動きなど)あるいは電気的な刺激に変換することができる。ハプティックモジュールED79は、モータ、圧電素子及び/または電気刺激装置を含んでもよい。
【0112】
カメラモジュールED80は、静止画及び動画を撮影することができる。カメラモジュールED80は、1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリ、
図1のイメージセンサ1000、イメージシグナルプロセッサ及び/またはフラッシュを含む。カメラモジュールED80に含まれたレンズアセンブリは、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。
【0113】
電力管理モジュールED88は、電子装置ED01に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュールED88は、PMIC(Power Management Integrated Circuit)の一部としても具現される。
【0114】
バッテリーED89は、電子装置ED01の構成要素に電力を供給することができる。バッテリーED89は、再充電不可能な一次電池、再充電可能な二次電池及び/または燃料電池を含んでもよい。
【0115】
通信モジュールED90は、電子装置ED01と他の電子装置(電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)との直接(有線)通信チャネル及び/または無線通信チャネルの成立、並びに成立された通信チャネルを介した通信遂行を支援することができる。通信モジュールED90は、プロセッサED20(アプリケーションプロセッサなど)と独立して運用され、直接通信及び/または無線通信を支援する1つまたは複数のコミュニケーションプロセッサを含む。通信モジュールED90は、無線通信モジュールED92(セルラー通信モジュール、近距離無線通信モジュール、GNSS(Global Navigation Satellite System)通信モジュールなど)及び/または有線通信モジュールED94(LAN(Local Area Network)通信モジュール、電力線通信モジュールなど)を含む。それらの通信モジュールのうち該当する通信モジュールは、第1ネットワークED98(ブルートゥース(登録商標)、WiFi DirectまたはIrDA(Infrared Data Association)のような近距離通信ネットワーク)、あるいは第2ネットワークED99(セルラーネットワーク、インターネットまたはコンピュータネットワーク(LAN、WANなど)のような遠距離通信ネットワーク)を介して他の電子装置と通信することができる。そのような多くの種類の通信モジュールは、1つの構成要素(単一チップなど)により統合されるか、あるいは互いに別途の複数の構成要素(複数チップ)により具現される。無線通信モジュールED92は、加入者識別モジュールED96に保存された加入者情報(国際モバイル加入者識別子(IMSI)など)を利用して、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワーク内で、電子装置ED01を確認及び認証することができる。
【0116】
アンテナモジュールED97は、信号及び/または電力を、外部(他の電子装置など)に送信するか、あるいは外部から受信することができる。アンテナは、基板(PCBなど)上に形成された導電性パターンからなる放射体を含む。アンテナモジュールED97は、1つまたは複数のアンテナを含む。複数のアンテナが含まれた場合、通信モジュールED90により、複数のアンテナのうち、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワークで使用される通信方式に好適なアンテナが選択される。選択されたアンテナを介して、通信モジュールED90と他の電子装置との間に信号及び/または電力が送信または受信される。アンテナ以外に、他の部品(RFIC( Radio Frequency Integrated Circuits)など)がアンテナモジュールED97の一部として含まれてもよい。
【0117】
構成要素のうち一部は、周辺機器間の通信方式(バス、GPIO(General Purpose Input and Output)、SPI(Serial Peripheral Interface)、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)など)を介して互いに連結され、信号(命令、データなど)を相互に交換することができる。
【0118】
命令またはデータは、第2ネットワークED99に連結されたサーバED08を介して、電子装置ED01と外部の電子装置ED04との間において送信または受信される。他の電子装置ED02、ED04は、電子装置ED01と同一または異なる種類の装置でもある。電子装置ED01で実行される動作の全部または一部は、他の電子装置ED02、ED04、ED08のうち1つまたは複数の装置で実行されてもよい。例えば、電子装置ED01がある機能やサービスを遂行しなければならないとき、機能またはサービスを自体でもって実行させる代わりに、1つまたは複数の他の電子装置にその機能またはそのサービスの一部または全体を遂行することを要請することができる。要請を受信した1つまたは複数の他の電子装置は、要請と関連した追加の機能またはサービスを実行し、その実行の結果を電子装置ED01に伝達することができる。そのために、クラウドコンピューティング技術、分散コンピューティング技術及び/またはクライアント・サーバコンピューティング技術が利用される。
【0119】
図29は、
図28の電子装置ED01に具備されたカメラモジュールED80を示すブロック図である。
図29を参照すれば、カメラモジュールED80は、レンズアセンブリ1110、フラッシュ1120、イメージセンサ1000、イメージスタビライザー1140、メモリ1150(バッファメモリなど)及び/またはイメージシグナルプロセッサ1160を含む。レンズアセンブリ1110は、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。カメラモジュールED80は、複数のレンズアセンブリ1110を含み、その場合、カメラモジュールED80は、デュアルカメラ、360°カメラまたは球状カメラ(Spherical Camera)にもなる。複数のレンズアセンブリ1110のうち一部は、同一レンズ属性(画角、焦点距離、自動焦点、Fナンバー、光学ズームなど)を有するか、または異なるレンズ属性を有することができる。レンズアセンブリ1110は、広角レンズまたは望遠レンズを含む。
【0120】
フラッシュ1120は、被写体から放出または反射される光を強化するために使用される光を放出することができる。フラッシュ1120は、可視光または赤外線光を放出することができる。フラッシュ1120は、1つまたは複数の発光ダイオード(RGB(Red-Green-Blue) LED、White LED、Infrared LED、Ultraviolet LEDなど)及び/またはキセノンランプを含む。イメージセンサ1000は、
図1で説明したイメージセンサでもあり、被写体から放出または反射され、レンズアセンブリ1110を通じて伝達された光を電気的な信号に変換することにより、被写体に対応するイメージを取得することができる。
【0121】
イメージスタビライザー1140は、カメラモジュールED80、またはそれを含む電子装置1101の動きに反応し、レンズアセンブリ1110に含まれた1つまたは複数個のレンズ、またはイメージセンサ1000を特定の方向に移動するか、あるいはイメージセンサ1000の動作特性を制御(リードアウト(Read-Out)タイミングの調整など)して、動きによる否定的な影響が補償されるようにする。イメージスタビライザー1140は、カメラモジュールED80の内部または外部に配置されたジャイロセンサ(図示せず)または加速度センサ(図示せず)を利用して、カメラモジュールED80または電子装置ED01の動きを感知することができる。イメージスタビライザー1140は、光学式にも具現される。
【0122】
メモリ1150は、イメージセンサ1000を介して取得されたイメージの一部または全体のデータを次のイメージ処理作業のために保存することができる。例えば、複数のイメージが高速に取得される場合、取得された原本データ(Bayer-Patternedデータ、高解像度データなど)はメモリ1150に保存し、低解像度イメージのみをディスプレイした後、選択された(ユーザ選択など)イメージの原本データがイメージシグナルプロセッサ1160に伝達されるようにするのに使用可能である。メモリ1150は、電子装置ED01のメモリED30に統合されているか、あるいは独立して運用される別途のメモリで構成される。
【0123】
イメージシグナルプロセッサ1160は、イメージセンサ1000を介して取得されたイメージ、またはメモリ1150に保存されたイメージデータに対し、イメージ処理を行うことができる。該イメージ処理は、デプスマップ(Depth Map)生成、三次元モデリング、パノラマ生成、特徴点抽出、イメージ合成及び/またはイメージ補償(ノイズ低減、解像度調整、輝度調整、ブラーリング(Blurring)、シャープニング(Sharpening)、ソフトニング(Softening)など)を含む。イメージシグナルプロセッサ1160は、カメラモジュールED80に含まれた構成要素(イメージセンサ1000など)に対する制御(露出時間制御またはリードアウトタイミング制御など)を行うことができる。イメージシグナルプロセッサ1160によって処理されたイメージは、追加処理のためにメモリ1150に再び保存されるか、あるいはカメラモジュールED80の外部構成要素(メモリED30、表示装置ED60、電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)に提供される。イメージシグナルプロセッサ1160は、プロセッサED20に統合されるか、あるいはプロセッサED20と独立して運用される別途のプロセッサで構成される。イメージシグナルプロセッサ1160がプロセッサED20と別途のプロセッサで構成された場合、イメージシグナルプロセッサ1160によって処理されたイメージは、プロセッサED20によって追加のイメージ処理を経た後、表示装置ED60を介して表示可能である。
【0124】
また、イメージシグナルプロセッサ1160は、イメージセンサ1000のそれぞれの画素またはサブ画素内で隣接した光感知セルから独立して2つの出力信号を受信し、2つの出力信号の差から自動焦点信号を生成することができる。イメージシグナルプロセッサ1160は、自動焦点信号に基づいて、レンズアセンブリ1110の焦点がイメージセンサ1000の表面に正確に合うように、レンズアセンブリ1110を制御することができる。
【0125】
電子装置ED01は、それぞれ異なる属性または機能を有する更なる1つまたは複数のカメラモジュールをさらに含んでもよい。そのようなカメラモジュールも、
図29のカメラモジュールED80と類似の構成を含み、それに具備されるイメージセンサは、CCDセンサ及び/またはCMOSセンサによっても具現され、RGBセンサ、BW(Black and White)センサ、IRセンサまたはUVセンサのように、属性が異なるイメージセンサのうち選択された1つまたは複数のセンサを含む。その場合、複数のカメラモジュールED80のうち1つは広角カメラであり、他の1つは望遠カメラである。同様に、複数のカメラモジュールED80のうち1つは前面カメラであり、他の1つは背面カメラである。
【0126】
前述のパターニングされた反射防止層を具備するイメージセンサ及びそれを含む電子装置は、図面に示された実施形態を参照して述べられたが、それは例示的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者ならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。権利範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に表されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は権利範囲に含まれたものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0127】
110 センサ基板
120 カラーフィルタ層
130 平坦化層
140 ナノ光学レンズアレイ
150 反射防止層
1000 イメージセンサ
1100 画素アレイ