(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028200
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/54 20110101AFI20240222BHJP
H01R 12/91 20110101ALI20240222BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20240222BHJP
【FI】
H01R24/54
H01R12/91
H01R13/6581
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132530
(22)【出願日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】202210996002.5
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ハイ チャン
(72)【発明者】
【氏名】フェン チェン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB11
5E021FC21
5E021FC32
5E021LA06
5E021LA10
5E021LA15
5E223AB26
5E223AB59
5E223AB65
5E223AB67
5E223AC12
5E223AC13
5E223AC21
5E223AC23
5E223BA12
5E223BA15
5E223BA17
5E223BB01
5E223BB12
5E223CA13
5E223CB07
5E223CB24
5E223CB26
5E223CC09
5E223CD01
5E223DA25
5E223DA34
5E223DB08
5E223DB11
5E223EB02
5E223EB13
5E223EB23
5E223GA08
5E223GA11
5E223GA19
5E223GA23
5E223GA33
5E223GA53
5E223GA63
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第1の金属シェル、第2の金属シェル、絶縁座及び導電材を備える電気コネクタを提供する。
【解決手段】第1の金属シェルは、上端が筒状を呈し、その下端に水平に展延した第1の固定フランジが有り、第2の金属シェルは、第1の金属シェルの下方に置き換え可能に固定され、上端に水平に展延した第2の固定フランジが有り、第2の固定フランジに繋がり且つ下へ延出する中継部が有り、導電材は、絶縁座に固定され且つ第1の金属シェル及び第2の金属シェルからピッチが保持され、絶縁座は、前記第1の金属シェル又は前記第2の金属シェル内に収容され、第1の固定フランジと第2の固定フランジとは、相互に密着して突き合わさって固定され、導電材は、上端が上に向かって第1の金属シェル内の通路に突出して伸び、その下端が下に向かって中継部内の通路に突出して伸びる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が筒状を呈し、下端に水平に展延した第1の固定フランジが有る第1の金属シェルと、
該第1の金属シェルの下方に置き換え可能に固定され、上端に水平に展延した第2の固定フランジが有り、該第2の固定フランジに繋がり且つ下へ延出する中継部が有る第2の金属シェルと、
前記第1の金属シェル又は前記第2の金属シェル内に収容される絶縁座と、
該絶縁座に固定され且つ前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルからピッチが保持される導電材と、を備え、
前記第1の固定フランジと前記第2の固定フランジとは、相互に密着して一緒に固定され、前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルの内部には、中空の通路が形成され、前記絶縁座は、前記通路内に収容され、前記導電材は、上端が上に向かって前記第1の金属シェル内の通路に突出して伸び、その下端が下に向かって前記第2の金属シェル内の通路に突出して伸びる、
ことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記第1の固定フランジと前記第2の固定フランジとは、互いに嵌合される接続材により相互に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記接続材は、複数対の相互に嵌合される固定凸起及び固定孔を備え、前記固定凸起及び前記固定孔は、それぞれ前記第1の固定フランジ及び前記第2の固定フランジに設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記固定凸起と前記固定孔とは、カシメ又は溶接により一緒に結合される、
ことを特徴とする請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記第2の金属シェルは、メインシールドカバー及び該メインシールドカバーを固定するためのメインシールドカバー固定材を備え、該メインシールドカバー固定材は、上端が外へ広がって前記第2の固定フランジを形成する筒状の固定リングを備え、前記メインシールドカバーは、前記固定リングの外壁に嵌接される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記メインシールドカバーは、筒身に軸方向に沿って前記メインシールドカバーの下端に延伸する複数のスリットが有る筒状を呈し、複数のスリットは、前記メインシールドカバーの周方向に沿って間隔をあけて分布し、隣り合う2つのスリットの間には、フローティング可能な弾性アームが形成される、
ことを特徴とする請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記メインシールドカバーは、直筒節及び該直筒節から下に向かって口径が徐々に縮まって延伸する錐筒節を備える変径筒であり、前記直筒節は、前記固定リングに嵌接され、前記変径筒は、前記錐筒節から下に向かって口径が外へ徐々に広がって延伸してなる突合せガイド部をさらに備え、前記スリットは、前記突合せガイド部から前記直筒節に延伸するが該直筒節を切断しない、
ことを特徴とする請求項6に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記第1の金属シェルは、前記第1の固定フランジに繋がる筒状を呈する突合せ部を備え、前記第1の固定フランジの接続材から突合せ部までの間にある領域は、水平な第1の変径適応領域をなし、前記第2の金属シェルの中継部は、筒状を呈し、前記第2の固定フランジの接続材から中継部までの間にある領域は、水平な第2の変径適応領域をなし、前記第1の変径適応領域と前記第2の変径適応領域とは、密着される、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記導電材は、フローティングニードルであり、前記メインシールドカバー固定材内には、前記フローティングニードルと前記メインシールドカバー固定材との間に隔てられる補助絶縁シェル体が装設され、前記メインシールドカバー固定材の下端は、前記通路内に延伸するフランジを有し、前記補助絶縁シェル体は、前記固定リング及び前記フランジにより構成された格納空間内に収納される、
ことを特徴とする請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記フローティングニードルは、固定接触子及び固定接触子に対して上下動可能なフローティング接触子を備え、前記固定接触子と前記フローティング接触子との間には、弾性材が設けられ、前記固定接触子の外周には、弾性軸スリーブがさらに嵌設され、該弾性軸スリーブは、一端が前記固定接触子に接続され、他端に前記フローティング接触子に弾性的に接触する複数の係着爪が形成される、
ことを特徴とする請求項9に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記第1の金属シェルは、前記第1の固定フランジに近い通路内にシーラントが充填され、該シーラントは、前記導電材と前記第1の金属シェルの内壁との間に隔てられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
メイン取付シェル体及び該メイン取付シェル体内に設けられたシールドシェルをさらに備え、前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルは、前記メイン取付シェル体の取付通路内に取り付けられ、前記シールドシェルには、前記第2の金属シェルに弾性的に接触する複数の弾性接触アームが設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記メイン取付シェル体は、前記第1の金属シェルを収容する第1の取付シェル体及び前記第1の取付シェル体の下方に位置する第2の取付シェル体を備え、前記第1の取付シェル体内には、第1の収容キャビティが有り、前記第2の取付シェル体内には、第2の収容キャビティが有り、前記第1の金属シェルの上端は、前記第1の収容キャビティに入り込み、前記シールドシェルは、前記第2の収容キャビティ内に装設され、前記シールドシェル内には、シールドキャビティ体が形成され、前記第2の金属シェルの下端は、前記シールドキャビティ体内に入り込む、
ことを特徴とする請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記シールドシェルには、前記シールドキャビティ体に連通する開孔が設けられ、前記第2の金属シェルは、下に向かって前記開孔内に入り込み、前記弾性接触アームは、前記開孔のエッジに設けられ、末端に前記開孔の中心方向に突出して伸びる接触部が形成される、
ことを特徴とする請求項13に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
前記弾性接触アームは、前記シールドキャビティ体内に向かって湾曲延伸するか又は前記シールドキャビティ体から離れて湾曲延伸する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電気コネクタ。
【請求項16】
前記第1の取付シェル体は、前記第2の取付シェル体にフローティングして取り付けられ、前記第1の取付シェル体と前記第2の取付シェル体との間には、フローティング隙間が有り、前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルは、前記第1の取付シェル体に固定される、
ことを特徴とする請求項13に記載の電気コネクタ。
【請求項17】
前記第1の取付シェル体の外周には、径方向に沿って外へ突出した位置規制凸台が有り、前記位置規制凸台の下方には、下へ突出した挿着部が形成され、該挿着部の外径は、前記位置規制凸台の外径よりも小さく、前記第2の取付シェル体の頂部には、前記挿着部が挿入される挿着孔が開設される、
ことを特徴とする請求項16に記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記挿着孔の内壁には、内へ突出したフランジが形成され、該フランジと前記第2の取付シェル体との頂面の落差により位置規制溝が形成され、前記位置規制凸台は、前記位置規制溝に収容され、且つ前記位置規制凸台と前記位置規制溝の側壁との間には、第1の隙間が有り、前記挿着部と前記挿着孔の孔壁との間には、第2の隙間が有る、
ことを特徴とする請求項17に記載の電気コネクタ。
【請求項19】
前記第2の取付シェル体の第2の収容キャビティ内には、前記挿着部の下端に装設され、且つ前記挿着孔の下方に突き当たって、前記第1の取付シェル体の上への脱出を防止する抜止め材が設けられる、
ことを特徴とする請求項17に記載の電気コネクタ。
【請求項20】
前記第1の取付シェル体は、前記第1の収容キャビティ内に向かって突出し且つ下へ延伸してネック部をなし、前記第1の金属シェルの外壁は、前記ネック部に嵌合され、前記第1の収容キャビティのネック部の上にある部分は、挿着溝をなし、前記第1の金属シェルの外壁と前記挿着溝の溝壁との間には、間隔が有り、前記第1の収容キャビティの前記ネック部の下にある部分は、取付溝をなし、前記第1の固定フランジ及び前記第2の固定フランジは、前記取付溝に収容される、
ことを特徴とする請求項13に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタの分野に関し、特に顧客の異なる製品への応用ニーズに簡単に適合可能な電気コネクタに関する。
【0002】
中国特許出願公開第112290294号明細書には、フローティング機構付きの同軸コネクタが開示されている。該同軸コネクタは、プラグ及びソケットを備え、プラグは、プラグ側シェル体及びプラグ側シェル体の中央に配置された中心コンタクトと、プラグ側シェル体の上端に配置されたプラグ側絶縁体とを備え、プラグ側絶縁体は、外部電器のコネクタに突き合わさるために用いられる。プラグ側シェル体は主に2つの部分、即ちシェル体本体及びシェル体本体の下部に揺動可能に支持されている可動シェル体を備え、シェル体本体の外側には、規制カバー部が配置され、規制カバー部は、下に向かって開口する環状溝を有し、可動シェル体の基端部は、環状溝内に挿入されて規制カバー部に固定され、可動シェル体の基端部以外の他の部分は、基端部を基点に揺動可能であり、これにより、可動シェル体とソケットとのフローティング接続が実現される。
【0003】
該態様におけるプラグの上部のプラグ側絶縁体は、特定のサイズの外部コネクタにしか適合できず、プラグの下部の可動シェル体も特定のサイズのソケットにしか適合できない。しかし、このような同軸コネクタの可動シェル体の基端部がシェル体本体の外側に嵌合され且つ規制カバー部の内側に嵌合され、基端部がカシメなどの方式によりシェル体本体の外周面に固着されてシェル体本体に導通されるため、このような嵌合構造のプラグと可動シェル体とは、一対一に対応して組むことしかできず、置き換えられにくく且つ設計上の柔軟性を有しない。しかしながら、実際の応用では、外部コネクタが異なる界面を有し、ソケットも異なるサイズ及び界面を有し、二者の順列組合せにより多くの組合せ状況が生じるため、生産メーカーは、各種の特定の組合せ界面に応じて対応するモールドを開発設計して、それらに適合する電気コネクタを生産する必要があり、これにより、生産ラインが煩雑になり、生産投資が巨額になる。
【発明の概要】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上記従来技術に存在する不足を克服して、生産工程を簡略化でき且つ顧客の異なる製品への応用ニーズに簡単に適合可能な電気コネクタを提供することにある。
【0005】
本発明の1つの側面によれば、本発明は、
上端が筒状を呈し、下端に水平に展延した第1の固定フランジが有る第1の金属シェルと、
該第1の金属シェルの下方に置き換え可能に固定され、上端に水平に展延した第2の固定フランジが有り、該第2の固定フランジに繋がり且つ下へ延出する中継部が有る第2の金属シェルと、
前記第1の金属シェル又は前記第2の金属シェル内に収容される絶縁座と、
該絶縁座に固定され且つ前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルからピッチが保持される導電材と、を備え、
そのうち、前記第1の固定フランジと前記第2の固定フランジとは、相互に密着して一緒に固定され、前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルの内部には、中空の通路が形成され、前記絶縁座は、前記通路内に収容され、前記導電材は、上端が上に向かって前記第1の金属シェル内の通路に突出して伸び、その下端が下に向かって前記第2の金属シェル内の通路に突出して伸びる、電気コネクタを提供する。
【0006】
一実施例において、前記第1の固定フランジと前記第2の固定フランジとは、互いに嵌合される接続材により相互に固定される。
【0007】
一実施例において、前記接続材は、複数対の相互に嵌合される固定凸起及び固定孔を備え、前記固定凸起及び前記固定孔は、それぞれ前記第1の固定フランジ及び前記第2の固定フランジに設けられる。
【0008】
一実施例において、前記固定凸起と前記固定孔とは、カシメ又は溶接により一緒に結合される。
【0009】
一実施例において、前記第2の金属シェルは、メインシールドカバー及び該メインシールドカバーを固定するためのメインシールドカバー固定材を備え、該メインシールドカバー固定材は、上端が外へ広がって前記第2の固定フランジを形成する筒状の固定リングを備え、前記メインシールドカバーは、前記固定リングの外壁に嵌接される。
【0010】
一実施例において、前記メインシールドカバーは、筒身に軸方向に沿って前記メインシールドカバーの下端に延伸する複数のスリットが有る筒状を呈し、複数のスリットは、前記メインシールドカバーの周方向に沿って間隔をあけて分布し、隣り合う2つのスリットの間には、フローティング可能な弾性アームが形成される。
【0011】
一実施例において、前記メインシールドカバーは、直筒節及び該直筒節から下に向かって口径が徐々に縮まって延伸する錐筒節を備える変径筒であり、前記直筒節は、前記固定リングに嵌接され、前記変径筒は、前記錐筒節から下に向かって口径が外へ徐々に広がって延伸してなる突合せガイド部をさらに備え、前記スリットは、前記突合せガイド部から前記直筒節に延伸するが該直筒節を切断しない。
【0012】
一実施例において、前記第1の金属シェルは、前記第1の固定フランジに繋がる筒状を呈する突合せ部を備え、前記第1の固定フランジの接続材から前記突合せ部までの間にある領域は、水平な第1の変径適応領域をなし、前記第2の金属シェルの中継部は、筒状を呈し、前記第2の固定フランジの前記接続材から前記中継部までの間にある領域は、水平な第2の変径適応領域をなし、前記第1の変径適応領域と前記第2の変径適応領域とは、密着される。
【0013】
一実施例において、前記導電材は、フローティングニードルであり、前記メインシールドカバー固定材内には、前記フローティングニードルと前記メインシールドカバー固定材との間に隔てられる補助絶縁シェル体が装設され、前記メインシールドカバー固定材の下端は、前記通路内に延伸するフランジを有し、前記補助絶縁シェル体は、前記固定リング及び前記フランジにより構成された格納空間内に収納される。
【0014】
一実施例において、前記フローティングニードルは、固定接触子及び固定接触子に対して上下動可能なフローティング接触子を備え、前記固定接触子と前記フローティング接触子との間には、弾性材が設けられ、前記固定接触子の外周には、弾性軸スリーブがさらに嵌設され、該弾性軸スリーブは、一端が前記固定接触子に接続され、他端に前記フローティング接触子に弾性的に接触する複数の係着爪が形成される。
【0015】
一実施例において、前記第1の金属シェルは、前記第1の固定フランジに近い通路内にシーラントが充填され、該シーラントは、前記導電材と前記第1の金属シェルの内壁との間に隔てられる。
【0016】
一実施例において、前記電気コネクタは、メイン取付シェル体及び該メイン取付シェル体内に設けられたシールドシェルをさらに備え、前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルは、前記メイン取付シェル体の取付通路内に取り付けられ、前記シールドシェルには、前記第2の金属シェルに弾性的に接触する複数の弾性接触アームが設けられる。
【0017】
一実施例において、前記メイン取付シェル体は、前記第1の金属シェルを収容する第1の取付シェル体及び該第1の取付シェル体の下方に位置する第2の取付シェル体を備え、前記第1の取付シェル体内には、第1の収容キャビティが有り、前記第2の取付シェル体内には、第2の収容キャビティが有り、前記第1の金属シェルの上端は、前記第1の収容キャビティに入り込み、前記シールドシェルは、前記第2の収容キャビティ内に装設され、前記シールドシェル内には、シールドキャビティ体が形成され、前記第2の金属シェルの下端は、前記シールドキャビティ体内に入り込む。
【0018】
一実施例において、前記シールドシェルには、前記シールドキャビティ体に連通する開孔が設けられ、前記第2の金属シェルは、下に向かって前記開孔内に入り込み、前記弾性接触アームは、前記開孔のエッジに設けられ、末端に前記開孔の中心方向に突出して伸びる接触部が形成される。
【0019】
一実施例において、前記弾性接触アームは、前記シールドキャビティ体内に向かって湾曲延伸するか又は前記シールドキャビティ体から離れて湾曲延伸する。
【0020】
一実施例において、前記第1の取付シェル体は、前記第2の取付シェル体にフローティングして取り付けられ、前記第1の取付シェル体と前記第2の取付シェル体との間には、フローティング隙間が有り、前記第1の金属シェル及び前記第2の金属シェルは、前記第1の取付シェル体に固定される。
【0021】
一実施例において、前記第1の取付シェル体の外周には、径方向に沿って外へ突出した位置規制凸台が有り、該位置規制凸台の下方には、下へ突出した挿着部が形成され、該挿着部の外径は、前記位置規制凸台の外径よりも小さく、前記第2の取付シェル体の頂部には、前記挿着部が挿入される挿着孔が開設される。
【0022】
一実施例において、前記挿着孔の内壁には、内へ突出したフランジが形成され、該フランジと前記第2の取付シェル体との頂面の落差により位置規制溝が形成され、前記位置規制凸台は、前記位置規制溝に収容され、且つ前記位置規制凸台と前記位置規制溝の側壁との間には、第1の隙間が有り、前記挿着部と前記挿着孔の孔壁との間には、第2の隙間が有る。
【0023】
一実施例において、前記第2の取付シェル体の第2の収容キャビティ内には、前記挿着部の下端に装設され、且つ前記挿着孔の下方に突き当たって、前記第1の取付シェル体の上への脱出を防止する抜止め材が設けられる。
【0024】
一実施例において、前記第1の取付シェル体は、前記第1の収容キャビティ内に向かって突出し且つ下へ延伸してネック部をなし、前記第1の金属シェルの外壁は、前記ネック部に嵌合され、前記第1の収容キャビティのネック部の上にある部分は、挿着溝をなし、前記第1の金属シェルの外壁と前記挿着溝の溝壁との間には、間隔が有り、前記第1の収容キャビティのネック部の下にある部分は、取付溝をなし、前記第1の固定フランジ及び前記第2の固定フランジは、前記取付溝に収容される。
【0025】
従来技術と比較し、本発明は、少なくとも以下の利点を有する。
【0026】
本発明の電気コネクタは、相互に突き合わさった第1の金属シェル及び第2の金属シェルを備え、二者の間は、水平に展延した第1の固定フランジ及び第2の固定フランジにより突合せ及び固定を実現し、そのため、第1の金属シェル及び第2の金属シェルの直径、高さが如何に変化しても、第1の固定フランジ及び第2の固定フランジはいずれも不変をもって万変に応ずることで突合せを実現することができ、これにより、電気コネクタの生産時に、メーカーは、顧客の電気コネクタの上方の他の突合せコネクタへの異なる界面ニーズに応じて、第1の金属シェルのみを交換したり、顧客の下方のソケットの挿着高さ又は外径へのニーズに応じて、第2の金属シェルのみを交換したりしてもよく、これにより、できるだけ他の部分の変化を減少させ、モールド数を減少させ、生産工程を簡略化し、組立生産ラインの高度共有を実現し、生産投資を低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の電気コネクタセットの第1の実施例の斜視図である。
【
図2】本発明の電気コネクタセットの第1の実施例の正面図である。
【
図4】
図1における電気コネクタセットの斜視分解図である。
【
図5】
図3における中継モジュール及びソケットの斜視分解図である。
【
図6】
図3における中継モジュールの1つの視野角の斜視分解図である。
【
図7】
図6における中継モジュールの他の視野角の斜視分解図である。
【
図8】本発明の電気コネクタセットの第2の実施例の斜視図である。
【
図9】本発明の電気コネクタセットの第2の実施例の平面図である。
【
図11】本発明の電気コネクタセットの第3の実施例の斜視図である。
【
図12】本発明の電気コネクタセットの第3の実施例の平面図である。
【
図14】
図11における電気コネクタセットの斜視分解図である。
【
図15】
図14における中継モジュールの1つの視野角の斜視分解図である。
【
図16】
図14の中継モジュールの他の視野角の斜視分解図である。
【
図17】
図13における第1のコネクタ及び第2のコネクタの斜視分解図である。
【
図19】本発明の電気コネクタセットの第4の実施例の斜視図である。
【
図20】本発明の電気コネクタセットの第4の実施例の平面図である。
【
図22】
図19に示す電気コネクタセットの斜視分解図である。
【
図23】
図19における第1の取付シェル体、第2の取付シェル体及びシールドカバーの2つの異なる視野角の斜視分解図である。
【
図24】
図19における第1の取付シェル体、第2の取付シェル体及びシールドカバーの2つの異なる視野角の斜視分解図である。
【
図25】
図21における中継モジュール及びソケットの突き合わさっていない状態の斜視図である。
【0028】
そのうち、符号の説明は以下のとおりである。
100・・・電気コネクタセット、
1・・・回路基板、
20・・・第1の電気コネクタ、
2・・・ソケット、21・・・中心端子、211・・・端子基部、212・・・溶接部、213・・・突合せ弾性片、22・・・ベース、221・・・ベース体、222・・・挿着孔、223・・・側溝、23・・・外金属シェル、231・・・シェル体、232・・・弾性アーム、233・・・溶接脚、
3・・・中継モジュール、31・・・第1の金属シェル、311・・・突合せ部、312・・・第1の固定フランジ、314・・・固定凸起、315・・・第1の変径適応領域、32・・・第2の金属シェル、321・・・中継部、322・・・第2の固定フランジ、323・・・固定孔、324・・・ガイド部、325・・・第2の変径適応領域、33・・・通路、34・・・導電材、341・・・固定部、342・・・第1の端、343・・・第2の端、3411・・・滑止めリッジ、35・・・絶縁座、351・・・絶縁座本体、352・・・位置決め溝、353・・・位置決め柱、3531・・・穿孔、36・・・シーラント、37・・・固定接着剤体、
40・・・第2の電気コネクタ、
4・・・メイン取付シェル体、41・・・第2の取付シェル体、411・・・第2の収容キャビティ、412・・・固定リング部、413・・・固定壁、42・・・第1の取付シェル体、421・・・第1の収容キャビティ、422・・・仕切り塀、
100a・・・電気コネクタセット、
31a・・・第1の金属シェル、311a・・・突合せ部、312a・・・第1の固定フランジ、314a・・・固定凸起、315a・・・第1の変径適応領域、4a・・・メイン取付シェル体、41a・・・第2の取付シェル体、42a・・・第1の取付シェル体、422a・・・仕切り塀、
100b・・・電気コネクタセット、
2b・・・ソケット、21b・・・中心端子、211b・・・接続部、212b・・・突合せ片、213b・・・溶接部、22b・・・ベース、221b・・・端子収容孔、23b・・・外金属シェル、231b・・・シェル体、232b・・・通孔、233b・・・溶接脚、
3b・・・中継モジュール、31b・・・第1の金属シェル、311b・・・突合せ部、312b・・・第1の固定フランジ、3121b・・・固定凸起、32b・・・第2の金属シェル、321b・・・メインシールドカバー、3211b・・・直筒節、3212b・・・錐筒節、3213b・・・突合せガイド部、3214b・・・スリット、3215b・・・弾性アーム、3216b・・・溶接孔、322b・・・メインシールドカバー固定材、3221b・・・固定リング、3222b・・・第2の固定フランジ、3223b・・・固定孔、3224b・・・フランジ、323b・・・補助絶縁シェル体、34b・・・導電材、341b・・・固定接触子、342b・・・フローティング接触子、343b・・・弾性軸スリーブ、3431b・・・係着爪、3432b・・・弾性接触指、344b・・・弾性材、35b・・・絶縁座、36b・・・シーラント、
4b・・・メイン取付シェル体、41b・・・第2の取付シェル体、411b・・・第2の収容キャビティ、412b・・・シールドシェル、4120b・・・シールドキャビティ体、4121b・・・側壁、4122b・・・係止釦、4123b・・・弾性接触アーム、4124b・・・接触部、4125b・・・開孔、4126b・・・頂壁、413b・・・位置決め突起、42b・・・第1の取付シェル体、421b・・・第1の収容キャビティ、
100c・・・電気コネクタセット、
2c・・・ソケット、
3c・・・中継モジュール、31c・・・第1の金属シェル、311c・・・第1の固定フランジ、321c・・・第2の固定フランジ、32c・・・第2の金属シェル、34c・・・導電材、35c・・・絶縁座、36c・・・シーラント、
4c・・・メイン取付シェル体、41c・・・第2の取付シェル体、411c・・・第2の収容キャビティ、412c・・・シールドシェル、4120c・・・シールドキャビティ体、4123c・・・弾性接触アーム、4125c・・・開孔、413c・・・フランジ、4130c・・・挿着孔、4131c・・・位置規制溝、42c・・・第1の取付シェル体、421c・・・第1の収容キャビティ、4211c・・・挿着溝、4212c・・・取付溝、422c・・・位置規制凸台、423c・・・挿着部、4231c・・・取付壁、424c・・・ネック部、425c・・・抜止め材、43c・・・第1の隙間、44c・・・第2の隙間、45c・・・底蓋、451c・・・底壁、452c・・・側壁。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は異なる形式の実施例として容易に表すことができるが、図面に示され且つ本明細書で詳しく説明されるものは、そのうちのいくつかの具体的な実施例に過ぎず、同時に、本明細書は、本発明の原理の例示的な説明としてみなされるべきであり、本発明をここで説明されるようなものに制限することを意図するものではないことを理解できる。
【0030】
したがって、本明細書で示されている1つの特徴は、本発明の1つの実施例のうちの1つの特徴を説明するためのものであり、本発明の各実施例が説明される特徴を有しなければならないことを暗示するものではない。また、本明細書において多くの特徴が説明されていることを注意すべきである。可能なシステム設計を示すために何らかの特徴を一緒に組み合わせてもよいが、これらの特徴は他の明確に説明されていない組合せに用いられてもよい。したがって、別途説明されない限り、説明される組合せは、制限を意図するものではない。
【0031】
図面に示す実施例において、方向の指示(例えば上、下、左、右、前及び後)は、本発明の各種素子の構造及び運動が絶対的なものではなく相対的なものであることを解釈するためのものである。これらの素子が図面に示す位置にあるときに、これらの説明は適切なものである。これらの素子の位置の説明が変われば、これらの方向の指示も相応的に変わる。
【0032】
図1~
図25を参照し、それらは、本発明の電気コネクタセットの4つの好適な実施形態である。4つの好適な実施形態における電気コネクタセット100、100a、100b、100cは、電子機器間の接続若しくは電子機器と電気ケーブルとの間の接続に適し、信号伝送を実現することができる。電子機器は、例えば無線通信機器、ドライブレコーダー、車両用ナビ機器、カメラヘッド、車両用オーディオ又は車両用操縦パネルなどであってもよい。
【0033】
電気コネクタセット100、100a、100b、100cは、いずれも回路基板、回路基板に取り付けられるソケット、中継モジュール、中継モジュールが取り付けられるためのメイン取付シェル体を備え、中継モジュールは、一端が外部電子機器のケーブルコネクタ(図示せず)に突き合わさり、他端がソケットに突き合わさる。
【0034】
以下、本明細書の図面を参照しながら、本発明の好適な実施例をさらに詳しく説明する。
【0035】
説明を容易にするために、本稿は、中継モジュールのソケットに突き合わさる一端を「下」と定義し、中継モジュールのソケットから離れる一端を「上」と定義する。
【0036】
図1ないし
図7を参照し、それらは、電気コネクタセット100の第1の実施例である。該電気コネクタセット100は、回路基板1、回路基板1に取り付けられるソケット2、ソケット2に挿着嵌合される中継モジュール3及び中継モジュール3が取り付けられるためのメイン取付シェル体4を備える。
【0037】
図3、
図4及び
図5を参照し、ソケット2は、回路基板1に取り付けられ且つ回路基板1と一緒に電気的に接続され、そのうち、ソケット2は、第1の電気コネクタ20をなす。
【0038】
ソケット2は、中心端子21、中心端子21が取り付けられるためのベース22及びベース22外に覆設される外金属シェル23を備える。
【0039】
中心端子21は、端子基部211、2つの溶接部212及び2つの突合せ弾性片213を備える。
【0040】
2つの溶接部212は、略水平方向に沿って延伸し、それぞれ端子基部211の底部の対向する両側から先に下に向かってから水平に延出し、回路基板1に電気的に接続するために用いられる。
【0041】
2つの突合せ弾性片213は、端子基部211から一体的に上へ延伸してなり、2つの突合せ弾性片213は、対向的に配置され、二者の間には、中継モジュール3が挿着する隙間が形成される。
【0042】
ベース22は、絶縁材質であり、ベース体221を備える。ベース体221は全体として円筒状を呈し、その軸方向中心には、挿着孔222が開設され、挿着孔222は、ベース体221の軸方向の上下両端を貫通する。中心端子21は、ベース体221の挿着孔222の中に挿装され、中心端子21の下部の2つの溶接部212は、ベース体221の下端に露出する。ベース体221の下端面には、挿着孔222に連通する側溝223がさらに開設され、側溝223は、水平方向に沿って延伸し、中心端子21におけるいずれかの溶接部212を収納するために用いられる。
【0043】
外金属シェル23は、導電材質であり、環状のシェル体231、シェル体231から上へ延出する複数の弾性アーム232及びシェル体231の底部の両側に設けられた2つの溶接脚233を備える。複数の弾性アーム232は、シェル体231の周方向に沿って相互に間隔をあけて分布し且つ筒状に囲い、外金属シェル23がベース22に覆設されるときに、複数の弾性アーム232は、ベース22のベース体221回りに囲う。外金属シェル23の底端の2つの溶接脚233は好適に、回路基板1における接地線路に繋がるために用いられる。
【0044】
図4、
図5、
図6及び
図7を参照し、中継モジュール3は、第1の金属シェル31、第2の金属シェル32、導電材34、絶縁座35及びシーラント36を備える。
【0045】
第1の金属シェル31は、中空の突合せ部311及び突合せ部311の下端に形成された、水平に展延した第1の固定フランジ312を備える。突合せ部311の上端は、円筒状を呈し、外部電器、機器における電気コネクタに適合して突き合わさるために用いられる。第1の固定フランジ312は、第1の金属シェル31の下端に位置し、第2の金属シェル32に接続するために用いられる。
【0046】
第1の固定フランジ312のエッジの形状は限られるものではなく、
図5に示す環状であってもよいし、示されていない方形又は不規則形状であってもよい。第1の固定フランジ312は、突合せ部311の周方向に取り囲んだ完全な環状構造であってもよいし、筒体の周方向に分布した、水平に展延した複数の分割片式フランジであってもよく、各分割片式フランジは共同で第1の固定フランジ312をなす。
【0047】
第1の固定フランジ312は、下へ突出した複数の固定凸起314を有し、複数の固定凸起314は、円周に沿って第1の固定フランジ312に分布する。
【0048】
第2の金属シェル32は、第1の金属シェル31の下方に固定され、その上端に水平に展延した第2の固定フランジ322が有り、第2の固定フランジ322に繋がり且つ下へ延出する中継部321が有る。
【0049】
中継部321は、ソケット2との嵌挿接続に用いられる。中継部321は、中空筒状を呈し、上端が第2の固定フランジ322に接続され、下端にガイド部324が有る。ガイド部324は、ソケット2に突き合わさるときに、二者に突合せのガイドを提供するように、上から下へと口径が略広げられてラッパ状の開口を形成する。
【0050】
第2の固定フランジ322のエッジの形状も限られるものではなく、環状であってもよいし、方形、又は不規則形状であってもよい。第2の固定フランジ322は、中継部321の周方向に取り囲んだ完全な環状構造であってもよいし、中継部321の周方向に分布した、水平に展延した複数の分割片式フランジであってもよく、各分割片式フランジは共同で第2の固定フランジ322をなす。
【0051】
第2の固定フランジ322には、複数の固定孔323が設けられ、複数の固定孔323は、円周に沿って第2の固定フランジ322に分布し且つ第1の固定フランジ312における複数の固定凸起314に一対一に対応して固定される。
【0052】
第2の固定フランジ322と第1の固定フランジ312とは、固定凸起314と固定孔323とを対応して嵌合させることにより固定を実現する。そのうち、固定凸起314と固定孔323とは、カシメにより固定されてもよく、カシメ時に、先に固定凸起314を固定孔323に挿入させてから、カシメ圧潰プロセスにより固定凸起314を固定孔323の周縁にしっかりと押し付けられるように変形させ、二者を強固に一緒に結合させる。固定凸起314と固定孔323とは、溶接プロセスにより相互固定を実現してもよい。
【0053】
第1の金属シェル31及び第2の金属シェル32の内部には、中空通路33が形成され、通路33は、第1の金属シェル31の上端及び中継部321の下端を貫通する。
【0054】
導電材34は、通路33内に位置し、導電材34の上端は、上に向かって突合せ部311の通路33の径方向中心の位置箇所に突出して伸び、下端は、下に向かって中継部321の通路33の径方向中心の位置箇所に突出して伸びる。
【0055】
導電材34は、軸方向中心箇所に位置する固定部341と、固定部341から両端にそれぞれ延伸して形成された円柱状の第1の端342及び第2の端343とを備える。中継モジュール3が外部機器における他のケーブルコネクタに突き合わさるときに、第1の端342は、外部電気コネクタの中心導体に突き合わさり、外部機器との信号伝達を実現するために用いられる。中継モジュール3がソケット2に突き合わさるときに、第2の端343は、ソケット2の中心端子21の中に挿入して、ソケット2との信号伝達を実現することができる。固定部341には、突出した滑止めリッジ3411がさらに設けられる。
【0056】
絶縁座35は、第1の金属シェル31の通路33内に収容され、通路33の内壁にぴったり係設される。絶縁座35の中心には、穿孔3531が開設され、導電材34は、穿孔3531内に固定され、且つ滑止めリッジ3411により絶縁座35に噛合されることで絶縁座35に強固に取り付けられる。絶縁座35は、導電材34と第1の金属シェル31との間に隔てられ、二者の間が適切な絶縁ピッチに保持されることを確保する。
【0057】
絶縁座35は、絶縁座本体351を備え、絶縁座35の頂部には、円筒状の位置決め柱353が設けられ、絶縁座35の側面には、位置決め溝352が開設される。中継モジュール3が外部コネクタに突き合わさるときに、位置決め柱353及び位置決め溝352は、導電材34の外部コネクタへの突合せのために突合せのガイドを提供することができ、これにより、二者がより精確に突き合わさる。
【0058】
シーラント36は、第1の金属シェル31内に設けられ、絶縁座35の下方に位置する。導電材34及び絶縁座35が第1の金属シェル31に挿入された後に、シーラント36は、第1の金属シェル31の下端の開口から通路33に注入され、硬化後に、シーラント36は、絶縁座35の下方に成形される。シーラント36は、一方で、導電材34及び絶縁座35を第1の金属シェル31の通路33内に固定させるために用いられ、他方で、防水を強化する役割をさらに有する。
【0059】
図1~
図4を参照し、中継モジュール3は、絶縁なメイン取付シェル体4に取り付けられ、第2の電気コネクタ40を構成する。
【0060】
メイン取付シェル体4は、主に第1の金属シェル31を収容するための第1の取付シェル体42及び主に第2の金属シェル32を収容するための第2の取付シェル体41を備え、そのうち、
図1~
図4に示す実施例における第1の取付シェル体42及び第2の取付シェル体41は一体的なものである。
【0061】
第1の取付シェル体42内には、上に向かって開口する第1の収容キャビティ421が有り、第1の金属シェル31の上端は、第1の収容キャビティ421内に入り込み、且つ第1の金属シェル31と第1の収容キャビティ421のキャビティ壁との間には、ある間隔が有る。第1の収容キャビティ421の底部には、仕切り塀422が設けられ、第1の金属シェル31の突合せ部311は、仕切り塀422を通過して第1の取付シェル体42に固定される。
【0062】
第2の取付シェル体41内には、下に向かって開口する第2の収容キャビティ411が有り、第2の金属シェル32の下端は、第2の収容キャビティ411内に入り込み、且つ第2の金属シェル32と第2の収容キャビティ411のキャビティ壁との間は、ある距離が隔てられている。
【0063】
第2の収容キャビティ411の頂壁には、下へ突出した固定リング部412が設けられ、固定リング部412内には、取付溝が形成される。第1の金属シェル31及び第2の金属シェル32の第1の固定フランジ312及び第2の固定フランジ322は、取付溝内に収容される。
【0064】
取付溝の頂部には、水平に延伸する固定壁413が設けられ、第1の固定フランジ312及び第2の固定フランジ322は密着して固定壁413に固定される。取付溝内には、固定接着剤体37が充填され、固定接着剤体37は、一方で、第1の固定フランジ312及び第2の固定フランジ322を取付溝内に粘着して固定させ、他方で、防水の役割も果たす。
【0065】
第2の電気コネクタ40は、組立時に、まず、挿入成形プロセスを使用して導電材34と絶縁座35とを一緒に結合させてから、導電材34及び絶縁座35を一緒に第1の金属シェル31に挿入し、そして、第1の金属シェル31の通路内にシーラント36を注ぎ込み、その後、第2の金属シェル32の第2の固定フランジ322を第1の金属シェル31の第1の固定フランジ312と密着させ、それと同時に、固定凸起314を固定孔323に合わせて挿入し、溶接又はカシメの方式により二者を固定させれば、中継モジュール3の取付が完成され、そして、中継モジュール3を下から上へとメイン取付シェル体4に挿入することで、中継モジュール3における第1の固定フランジ312及び第2の固定フランジ322を第2の取付シェル体41の固定壁413に当接させ、この際、第1の金属シェル31の突合せ部311は、ちょうど第1の取付シェル体42の仕切り塀422の開口内に係入しており、最後、第2の収容キャビティ411の取付溝内に固定接着剤体37を充填し、中継モジュール3とメイン取付シェル体4との固定及び密封が実現される。
【0066】
図3を参照し、電気コネクタセット100は、使用時に、第2の電気コネクタ40が第1の電気コネクタ20に抜き差し可能に突き合わさり、この際、第1の電気コネクタ20のソケット2が全体として第2の電気コネクタ40の第2の収容キャビティ411の中に収容され、第2の電気コネクタ40の導電材34が第1の電気コネクタ20の中心端子21の中に挿入され、中心端子21の2つの突合せ弾性片213により導電材34に対して両面挟持をなすことで、二者が確実に接触し、信号の高効率伝送が実現される。それと同時に、第2の電気コネクタ40の中継部321も第1の電気コネクタ20の外金属シェル23の外側に嵌接される。
【0067】
第2の電気コネクタ40の第1の金属シェル31及び第2の金属シェル32の導電材34の外周に構成したシールド構造により、導電材34の信号伝達に対して良好なシールドを構成し、また、外金属シェル23と第2の金属シェル32との突合せにより、ノイズをフィルタリングして除去して回路基板1に導出して、導電材34の伝送信号の安定性を高める。
【0068】
第2の電気コネクタ40は、生産時に、第2の金属シェル32が第1の金属シェル31の下方に置き換え可能に固定される。即ち、各種の第1の金属シェル31は、複数種類の異なるサイズ規格の第2の金属シェル32と置き換え可能に組み、同様に、各種の第2の金属シェル32も複数種類の異なるサイズ規格の第1の金属シェル31と置き換え可能に組む。第1の金属シェル31の第1の固定フランジ312及び第2の金属シェル32の第2の固定フランジ322がいずれも水平展延態を呈するため、二者の突合せ部311及び中継部321の直径、高さが如何に変化しても、第1の固定フランジ312及び第2の固定フランジ322はいずれも不変をもって万変に応ずることで突合せを実現することができ、これにより、複数種類の異なる型番、サイズの第2の電気コネクタ40が順列組み合わせされる。
【0069】
したがって、第2の電気コネクタ40の生産時に、メーカーは、顧客の第2の電気コネクタ40の上端への様々な異なる界面ニーズ、例えばFAKRA/HFA/Mate AXなどに応じて、第2の金属シェル32及び第1の電気コネクタ20をそのままにして、第1の金属シェル31を交換してもよい。顧客のソケット2の嵌挿高さ及びソケット2の外径へのニーズに応じて、第1の金属シェル31をそのままにして、第2の金属シェル32を交換してもよい。
【0070】
これから分かるように、本発明は、第2の電気コネクタ40の中継モジュール3を、第1の金属シェル31及び第2の金属シェル32の2つの分離式モジュールが組合わせられて突き合わさるという形式に設計することで、異なる顧客ニーズに応じて、そのうちの一部を任意に交換可能であり、このようにして、コネクタの型番の変化を実現可能であり、これにより、他の部分の変化をできるだけ減少させ、組立生産ラインを高度に共有させ、最終的にモールド数の減少、生産投資の低減の目的を達成する。
【0071】
なお、第2の金属シェル32が第1の金属シェル31の下方に「置き換え可能に」固定されるとは、生産の型番選定過程で特定の型番の第2の金属シェル32を選定して第1の金属シェル31とペアリングさせることのみを意味し、電気コネクタの生産が完成した後に、第2の金属シェル32及び第1の金属シェル31は一緒に固定接続されたものであり、そのうちの任意の一者が置き換え不可である。
【0072】
図6を参照し、第1の金属シェル31の第1の固定フランジ312には、水平な第1の変径適応領域315が形成される。第1の変径適応領域315は、固定凸起314から突合せ部311までの間の領域に位置する。
【0073】
第2の金属シェル32の第2の固定フランジ322には、水平な第2の変径適応領域325が形成される。第2の変径適応領域325は、固定孔323から突合せ部311までの間の領域に位置する。
【0074】
第1の変径適応領域315及び第2の変径適応領域325が存在するため、第1の金属シェル31の突合せ部311の直径及び第2の金属シェル32の中継部321の直径が適応領域の最大径方向範囲内で如何に変化しても、固定凸起314及び固定孔323に影響を及ばさない。突合せ部311又は中継部321の直径が変化すると、第1の変径適応領域315又は第2の変径適応領域325の領域の大きさのみが相応的に変えられるが、二者は依然として相互に密着して固定凸起314及び固定孔323により接続することができる。
【0075】
つまり、第1の変径適応領域315及び第2の変径適応領域325の存在により、いずれかの型番の第1の金属シェル31の固定凸起314と、いずれかの型番の第2の金属シェル32の固定孔323とは、互いに適応しており、これにより、異なるモジュールの速やかな組合せ、突合せが実現される。
【0076】
図8~
図10を参照し、それらは、本発明の第2の実施例の電気コネクタセット100aである。
【0077】
本第2の実施例の電気コネクタセット100aも、回路基板1、回路基板1に取り付けられるソケット2、ソケット2に挿着嵌合される中継モジュール3及び中継モジュール3が取り付けられるためのメイン取付シェル体4aを備える。
【0078】
そのうち、回路基板1及びソケット2は、いずれも上記第1の実施例の電気コネクタセット100のものと同じであり、中継モジュール3における第2の金属シェル32も、上記電気コネクタセット100のものと同じであり、異なるものとしては、第1の金属シェル31aの突合せ部311aの直径及びメイン取付シェル体4aの突合せ界面は、上記電気コネクタセット100のものと略異なっている。
【0079】
具体的には、本実施例の中継モジュール3も、第1の金属シェル31a、第2の金属シェル32、導電材34、絶縁座35及びシーラント36を備える。
【0080】
そのうち、第2の金属シェル32、導電材34、絶縁座35及びシーラント36の構造及び相互間の接続は、いずれも上記第1の実施例の電気コネクタセット100の構造と同じである。
【0081】
本第2の実施例の第1の金属シェル31aの突合せ部311aの直径は、第1の実施例の突合せ部311の直径よりもより小さく、突合せ部311aの高さは、第1の実施例の突合せ部311の高さよりもより高い。
【0082】
本実施例のメイン取付シェル体4aも、上部の第1の取付シェル体42a及び下部の第2の取付シェル体41aを備え、第2の取付シェル体41aは、上記電気コネクタセット100aの第1の実施例のものと同じであるが、第1の取付シェル体42aは、第1の実施例の第1の取付シェル体42と異なる突合せ界面を有するとともに、第1の金属シェル31aの突合せ部311aが適応して取り付けられるために、仕切り塀422aの開口がより小さい口径を有する。
【0083】
第1の実施例の電気コネクタセット100と比較し、本第2の実施例は、中継モジュール3の第1の金属シェル31aを交換して、それを第1の実施例における第2の金属シェル32と組み合わせることにより、異なる型番の中継モジュールを構成して、顧客の異なる突合せ界面へのニーズを満足させることができる。
【0084】
本第2の実施例の中継モジュールは、第1の金属シェル31aの突合せ部311aの直径及び高さが変化したが、第1の金属シェル31aの第1の固定フランジ312a及び第2の金属シェル32の第2の固定フランジ322がいずれも水平展延態を呈するため、二者は依然として相互に一緒に密着することができる。且つ中継部311aの直径及び高さが変化したとしても、第1の固定フランジ312aの第1の変径適応領域315aの大きさのみが変えられ、第1の固定フランジ312aにおける固定凸起314aの位置が依然として第1の実施例における固定凸起314と同じであり、そのため、第1の固定フランジ312a及び第2の固定フランジ322は、依然として固定凸起314a及び固定孔323により支障なき突合せを実現することができる。
【0085】
図11ないし
図18を参照し、それらは、第3の実施例の電気コネクタセット100bである。
【0086】
本実施例の電気コネクタセット100bも、回路基板1、回路基板1に取り付けられるソケット2b、ソケット2bに挿着嵌合される中継モジュール3b及び中継モジュール3bが取り付けられるためのメイン取付シェル体4bを備える。
【0087】
図13及び
図18を参照し、ソケット2bは、回路基板1に取り付けられる。
【0088】
ソケット2bは、中心端子21b、中心端子21bが取り付けられるためのベース22b及びベース22b外に覆設される外金属シェル23bを備える。
【0089】
中心端子21bは、上下方向に沿って延伸する接続部211b、接続部211bの上端に接続される突合せ片212b及び接続部211bの下端に接続される溶接部213bを備える。突合せ片212bは、接続部211bの上端から水平に屈曲延伸して構成された円形平台であり、中継モジュール3bの導電材34bに突き合わさって、信号伝達を実現するために用いられる。溶接部213bは、回路基板1との接続を容易にするために、接続部211bの下端が水平に屈曲して延伸することによりなっている。
【0090】
ベース22bは、絶縁材質であり、略筒状を呈する。ベース22bの軸方向中心には、端子収容孔221bが開設される。中心端子21bは、端子収容孔221bの中に固定され、且つ突合せ片212bは、ベース22bの頂部の開口を介して外に暴露し、中心端子21bの溶接部213bは、ベース22bの底部に露出する。
【0091】
外金属シェル23bは、導電材質であり、中空の筒状シェル体231bを備え、シェル体231bの頂部には、通孔232bが開設され、シェル体231bの底部には、回路基板1に突き合わさるための2つの溶接脚233bが有る。
【0092】
外金属シェル23bは、ベース22b外に嵌装され、中心端子21bの突合せ片212bは、シェル体231bの頂部の通孔232bから露出し、外金属シェル23bの2つの溶接脚233bは、中心端子21bの底端の溶接部213bからずれて回路基板1に接続される。
【0093】
図13、
図15及び
図16を参照し、中継モジュール3bは、第1の金属シェル31b、第2の金属シェル32b、導電材34b、絶縁座35b及びシーラント36bを備える。
【0094】
第1の金属シェル31bの構造は、上記第1の実施例の電気コネクタセット100における第1の金属シェル31と同じであり、それも、中空の円筒状を呈する突合せ部311b及び突合せ部311bの下端に形成された、水平に展延した第1の固定フランジ312bを備える。第1の固定フランジ312bにも、複数の固定凸起3121bが設けられる。
【0095】
第2の金属シェル32bは、第1の金属シェル31bの下方に固定される。第2の金属シェル32bは、メインシールドカバー321b及びメインシールドカバー321bを固定するためのメインシールドカバー固定材322bを備える。
【0096】
メインシールドカバー321bは、筒状を呈し、筒身には、軸方向に沿ってメインシールドカバー321bの下端に延伸する複数のスリット3214bが有り、複数のスリット3214bは、メインシールドカバー321bの筒身の周方向に沿って間隔的に分布し、隣り合う2つのスリット3214bの間には、フローティング可能な弾性アーム3215bが形成される。
【0097】
メインシールドカバー321bは、直筒節3211b及び直筒節3211bから下に向かって口径が徐々に縮まって延伸する錐筒節3212bを備える変径筒である。直筒節3211bの上端には、少なくとも溶接孔3216bが開設される。変径筒は、錐筒節3212bから下に向かって口径が外へ略広がって延伸してなる突合せガイド部3213bをさらに備え、突合せガイド部3213bは、ソケット2bへの突合せをガイドするために用いられる。
【0098】
スリット3214bは、突合せガイド部3213bから直筒節3211bまで延伸するが直筒節3211bを切断しなく、これにより、弾性アーム3215bは、可撓性が増強されて、よりよいフローティング自由度を持つ。錐筒節3212bの軸方向に沿ったサイズは、メインシールドカバー321bの軸方向に沿ったサイズの1/3よりも小さくなく、これにより、弾性アーム3215bは、弾性回復力が増強されて、ソケット2bに安定して突き合わさる。
【0099】
メインシールドカバー固定材322bは、筒状の固定リング3221b及び固定リング3221bの上端に形成された、水平に展延した第2の固定フランジ3222bを備える。第2の固定フランジ3222bには、第1の固定フランジ312bにおける固定凸起3121bと嵌合接続を実現するための複数の固定孔3223bが設けられる。
【0100】
固定リング3221bの底部にはさらに、水平なフランジ3224bが有り、フランジ3224bの内壁と固定リング3221bの内壁とは共同で格納空間をなし、該格納空間内には、環状の補助絶縁シェル体323bが収容される。
【0101】
メインシールドカバー321bの直筒節3211bは、固定リング3221bの外壁に嵌接され、二者は、直筒節3211bの上端の溶接孔3216bにおいてレーザでスポット溶接することにより接続可能である。メインシールドカバー321bと固定リング3221bとは共同で中継モジュール3bの中継部をなし、中継モジュール3bがソケット2bに突き合わさるときに、中継モジュール3bの弾性アーム3215bは、固定リング3221b外に嵌接される直筒節3211bを基点に左右揺動可能であり、ソケット2bとフローティング突合せを実現する。
【0102】
導電材34bは、第1の金属シェル31b及び第2の金属シェル32bの径方向中心の位置箇所に取り付けられる。導電材34bは、フローティングニードルであり、少なくとも部分的に一緒に同軸嵌接される固定接触子341b及び固定接触子341bに対して上下動可能なフローティング接触子342bを備える。固定接触子341bとフローティング接触子342bとの間には、弾性材344b(本実施例において、弾性材344bはバネである)が設けられる。
【0103】
固定接触子341bの外周には、弾性軸スリーブ343bが嵌設され、弾性軸スリーブ343bは、一端が固定接触子341bに固定接続され、他端にフローティング接触子342bに弾性的に接触する複数の係着爪3431bが形成され、係着爪3431bの自由端は、フローティング接触子342bへ湾曲して弾性接触指3432bを形成する。弾性接触指3432bによりフローティング接触子342bに接触して補助接触を形成して、フローティングニードルの高周波信号の伝送の性能を高める。
【0104】
導電材34bは、絶縁座35b及びシーラント36bにより第1の金属シェル31b内に固定され、導電材34bのフローティング接触子342bは、第2の金属シェル32b内に入り込む。第2の金属シェル32b内の補助絶縁シェル体323bは、導電材34bとメインシールドカバー321bとの不適切な接触を防止するために、導電材34bのフローティング接触子342bとメインシールドカバー固定材322bとの間に隔てられる。
【0105】
中継モジュール3bは、組立時に、先に導電材34bを絶縁座35bに取り付け、そして、導電材34b及び絶縁座35bを一緒に第1の金属シェル31bに挿入し、その後、第1の金属シェル31bの第1の固定フランジ312bと第2の金属シェル32bの第2の固定フランジ322bとを相互に密着させ、最後、固定凸起3121bと固定孔3223bとをカシメ圧潰して接続すると、中継モジュール3bの組立が完成される。
【0106】
図13、
図14及び
図17を参照し、中継モジュール3bは、メイン取付シェル体4bに取り付けられ、第2の電気コネクタをなす。
【0107】
メイン取付シェル体4bは、主に第1の金属シェル31bを収容するための第1の取付シェル体42b、主に第2の金属シェル32bを収容するための第2の取付シェル体41b、及び第2の取付シェル体41b内に収容されるシールドシェル412bを備える。
【0108】
第1の取付シェル体42b内には、第1の収容キャビティ421bが有り、第2の取付シェル体41b内には、第2の収容キャビティ411bが有る。
【0109】
シールドシェル412bは、第2の収容キャビティ411b内に係設され、シールドシェル412bの形状は、第2の収容キャビティ411bに適応する。本実施例において、第2の収容キャビティ411bが方形を呈するため、シールドシェル412bも略方形を呈する。シールドシェル412bの本体部分は、4つの側壁4121b及び頂壁4126bで囲い込まれてなる方形ボックス状構造である。側壁4121bには、第2の収容キャビティ411bの内壁における係止溝に係着されて突出した係止釦4122bが設けられる。第2の収容キャビティ411b内には、シールドシェル412bの取付のために位置決めを提供するための、シールドシェル412bの頂壁4126bに突き当たる位置決め突起413bがさらに設けられる。
【0110】
シールドシェル412b内には、シールドキャビティ体4120bが囲まれ、シールドシェル412bの頂壁4126bには、シールドキャビティ体4120bに連通する開孔4125bが設けられる。開孔4125bの周縁には、複数の弾性接触アーム4123bが設けられる。複数の弾性接触アーム4123bは、シールドキャビティ体4120bから離れる外部に向かって湾曲延伸する。弾性接触アーム4123bの末端には、開孔4125bの中心方向に突起する接触部4124bが形成される。
【0111】
中継モジュール3bがメイン取付シェル体4bに取り付けられるときに、中継モジュール3bの第1の金属シェル31bの上端は、第1の収容キャビティ421b内に入り込み、且つ第1の金属シェル31と第1の収容キャビティ421のキャビティ壁との間は間隔があいている。中継モジュール3bの第2の金属シェル32bは、第2の収容キャビティ411b内に入り込み、且つ第2の金属シェル32bは、第2の収容キャビティ411bを通過してシールドシェル412bのシールドキャビティ体4120b内に入り込み、シールドシェル412bにおける複数の弾性接触アーム4123bは、第2の金属シェル32bのメインシールドカバー321bに弾性的に圧着される。
【0112】
シールドシェル412bは、弾性接触アーム4123bにおける接触部4124bによりメインシールドカバー321bを弾性的にしっかりと押し付け、それと確実な接触を形成し、これにより、第2の金属シェル32bは、一方で、メインシールドカバー321bとシールドシェル412bとの接触により1次接地を実現可能であり、他方で、さらに、メインシールドカバー321bの下端の錐筒節3212bとソケット2bの外金属シェル23bとの接触により2次接地を実現可能である。これにより、電気コネクタセット100bの全体的な接地性能が高められ、第2の金属シェル32bとシールドシェル412bとが一緒に導電材34bに対して2層シールドを構成し、高周波信号の伝送時に生じた電磁波干渉やノイズ干渉が改善され、高周波信号を伝送する伝送性能が高められる。
【0113】
本実施例において、中継モジュール3bの導電材34bがフローティングニードルであり、且つ第2の金属シェル32bのメインシールドカバー321bの下端がフローティング可能な弾性アーム3215bであるため、製造組付け公差により、中継モジュール3b及びソケット2bは、軸方向及び径方向において位置ずれが存在したとしても、中継モジュール3bは、依然として導電材34b及び弾性アーム3215bのフローティング構造によりソケット2bに順調に突き合わさることが可能であり、二者の確実な接続が確保される。
【0114】
シールドシェル412bは、一方で、中継モジュール3b及びソケット2bの接地性能を高め、他方で、自在に揺動できないように中継モジュール3bを拘束し、中継モジュール3bとソケット2bとを安定して突き合わせる。
【0115】
図19ないし
図25を参照し、それらは、第4の実施例の電気コネクタセット100cである。
【0116】
本実施例の電気コネクタセット100cも、回路基板1、回路基板1に取り付けられるソケット2c、ソケット2cに挿着嵌合される中継モジュール3c及び中継モジュール3cが取り付けられるためのメイン取付シェル体4cを備える。
【0117】
ソケット2cは、第1の電気コネクタをなす。中継モジュール3cは、メイン取付シェル体4cに取り付けられ、第2の電気コネクタをなす。
【0118】
図25を参照し、ソケット2cの構造は、第1の実施例の電気コネクタセット100におけるソケット2の構造と同じであり、ソケット2cの具体的な構造に関しては、第1の実施例の電気コネクタセット100を参照可能であり、ここでは繰り返し説明しない。中継モジュール3cの構造も、第1の実施例の電気コネクタセット100における中継モジュール3の構造と同じであり、それも、第1の金属シェル31c、第2の金属シェル32c、導電材34c、絶縁座35c及びシーラント36cを備える。第1の金属シェル31c、第2の金属シェル32c、導電材34c、絶縁座35c、シーラント36cの具体的な構造及び相互間の接続関係は、いずれも上記第1の実施例の電気コネクタセット100における中継モジュール3の構造を参照可能であり、ここでも繰り返し説明しない。
【0119】
図21ないし
図24を参照し、本実施例のメイン取付シェル体4cは、相互にフローティング接続される第1の取付シェル体42c及び第2の取付シェル体41cを備える。
【0120】
第1の取付シェル体42c内には、第1の収容キャビティ421cが有り、第1の取付シェル体42cの外周には、径方向に沿って外へ突出した位置規制凸台422cが有り、位置規制凸台422cの下方には、下へ突出した挿着部423cが形成され、挿着部423cの外径は、位置規制凸台422cの外径よりも小さい。
【0121】
第1の取付シェル体42cは、第1の収容キャビティ421c内に向かって突出して延伸してネック部424cを形成し、ネック部424cの上の部分には、挿着溝4211cが形成され、ネック部424cの下の部分には、取付溝4212cが形成される。
【0122】
中継モジュール3cは、第1の取付シェル体42cに取り付けられ、第1の金属シェル31cの上端は、第1の収容キャビティ421c内に入り込む。第1の金属シェル31cの外壁は、ネック部424cに締まり嵌めされ、且つ第1の金属シェル31cの挿着溝4211cに入り込んだ部分と挿着溝4211cの溝壁との間には、間隔が有る。第1の固定フランジ311c及び第2の固定フランジ321cは、取付溝4212cに収容され、取付溝4212c内には、水平に延伸する取付壁4231cが有り、第1の固定フランジ311cは、取付壁4231cに密着される。
【0123】
第2の取付シェル体41c内には、第2の収容キャビティ411cが有り、頂部には、挿着孔4130cが開設され、挿着孔4130cの内壁には、内へ突出したフランジ413cが形成され、フランジ413cと第2の取付シェル体41cとの頂面の落差により位置規制溝4131cが形成される。
【0124】
第1の取付シェル体42cは、第2の取付シェル体41cの挿着孔4130cの中にフローティングして取り付けられ、第1の取付シェル体42cと第2の取付シェル体41cとの間には、フローティング隙間が有る。
【0125】
具体的には、第1の取付シェル体42cの位置規制凸台422cは、第2の取付シェル体41cの位置規制溝4131c内に収容され、且つ位置規制凸台422cと位置規制溝4131cの側壁との間には、第1の隙間43cが有り、第1の取付シェル体42cの挿着部423cは、挿着孔4130cの中に挿入され且つ挿着孔4130cの孔壁との間に第2の隙間44cが有る。
【0126】
第2の取付シェル体41cの第2の収容キャビティ内411cには、抜止め材425cが設けられ、抜止め材425cは、第1の取付シェル体42cの挿着部423cの下端に嵌設され、且つ抜止め材425cは、第2の取付シェル体41cのフランジ413cの下方に突き当たって、第1の取付シェル体42cの挿着孔4130cの中から上への脱出を防止する。
【0127】
第2の取付シェル体41cの第2の収容キャビティ内411cには、シールドシェル412cがさらに設けられる。シールドシェル412cの構造は、上記電気コネクタセット100bのシールドシェル412の構造と略同じであり、それも、シールドシェル412cの頂部に設けられた開孔4125cを備え、開孔4125cの周縁には、複数の弾性接触アーム4123cが設けられる。上記電気コネクタセット100bと異なるものとしては、本実施例における複数の弾性接触アーム4123bはシールドキャビティ体4120cの内部に向かって湾曲延伸しているものであり、挿着高さが短いソケット2cの挿着ニーズに適応する。
【0128】
本実施例において、第1の取付シェル体42cが第2の取付シェル体41cにフローティングして取り付けられるため、中継モジュール3cが非フローティング式構造であっても、中継モジュール3cは、第1の取付シェル体42cに取り付けられるため、第1の取付シェル体42cにつれて水平方向に沿ってフローティングすることができ、これにより、中継モジュール3cとソケット2cとのフローティング接続が実現される。
【0129】
シールドシェル412cは、一方で、中継モジュール3c及びソケット2cの接地性能を高め、他方で、自在に揺動できないように第1の取付シェル体42cを拘束し、中継モジュール3cとソケット2cとの突合せの安定性を高める。
【0130】
第2の取付シェル体41cの底部には、底蓋45cがさらに設けられ、底蓋45cは、底壁451c及び底壁451cの四周に設けられた側壁452cを備える。底蓋45cは、側壁452cにより第1の取付シェル体42cに取外し可能に接続される。ソケット2cが第2の取付シェル体41cの第2の収容キャビティ411c内に置き入れられて中継モジュール3cに突き合わさった後に、底蓋45cを閉じて、第2の取付シェル体41cの底部の開口を閉鎖し、防水防塵の目的を実現することができる。
【0131】
また、以下のように説明しておく必要がある。
【0132】
上記各実施例における第1の固定フランジ及び第2の固定フランジはいずれも、固定凸起及び固定孔により第1の金属シェルと第2の金属シェルとの相互接続を実現したが、ここでは例示的に説明したものに過ぎず、限定されたものではない。他の実施例において、固定凸起及び固定孔の位置は、置き換えられてもよく、即ち、固定凸起が第2の固定フランジに設けられ、固定孔が第1の固定フランジに設けられる。他の実施例において、第1の固定フランジと第2の固定フランジとは、係着、溶接又は粘着などの他の方式により接続を実現してもよい。
【0133】
上記各実施例における絶縁座は、いずれも第1の金属シェルの中に収容され、他の実施例において、絶縁座は第2の金属シェルの中に収容されてもよい。
【0134】
上記各実施例における中継モジュールにはいずれも、1本の導電材が設けられ、他の実施例において、導電材は複数本、例えば2本、4本又は6本であってもよく、各導電材は、絶縁座に穿設され且つ絶縁座とともに第1の金属シェル及び第2の金属シェルにより形成された内部通路の中に収容される。
【0135】
以上の電気コネクタセットの各実施例は例示的に説明したものに過ぎず、電気コネクタセットの各部分の構造の間は、固定的に組んだ組合せ構造ではなく、構造的衝突がない場合、電気コネクタセットの複数の実施例における各部分の構造は、任意に組み合わせて使用してもよい。
【0136】
上記内容は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の実施態様を制限するためのものではなく、当業者であれば、本発明の主な構想及び精神に応じて、相応する変更又は修正を非常に容易に行うことができるため、本発明の保護範囲は、請求の範囲に請求されている保護範囲に基づくべきである。