(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028204
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】ゲーム監視システム
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132704
(22)【出願日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2022130332
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テーブルゲームにおいて、ゲームを監視するためのゲーム監視システムを提供。
【解決手段】ゲーム監視システムは、チップIDを付与したゲーミングチップがゲームテーブルのベットエリアにある場合、チップIDを特定するチップID特定部と、ゲームテーブルでゲームをするプレイヤとゲームテーブルのゲーミングチップとを撮影して第1画像を生成する第1カメラと、第1画像からプレイヤを検出するプレイヤ検出部と、第1画像からゲーミングチップを検出するチップ検出部と、検出したゲーミングチップに対し、ゲーミングチップを賭けたプレイヤとしてプレイヤ検出部で検出したプレイヤを関連付ける第1関連付け部と、チップID特定部で特定されたチップIDと、第1関連付け部でゲーミングチップに関連付けたプレイヤとを関連付ける第2関連付け部と、第2関連付け部によりチップIDに関連付けられたプレイヤの画像との組を記録する記録部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップIDが付与されたゲーミングチップがゲームテーブル上の所定のエリアにあるときに、前記ゲーミングチップのチップIDを特定するチップID特定手段と、
前記ゲームテーブルでゲームをプレイするプレイヤと、前記ゲームテーブル上の前記ゲーミングチップとを撮影して画像を生成する撮影手段と、
前記画像から前記プレイヤを検出するプレイヤ検出手段と、
前記画像から前記ゲーミングチップを検出するチップ検出手段と、
前記チップ検出手段で検出された第1ゲーミングチップに対して、前記第1ゲーミングチップを賭けたプレイヤとして前記プレイヤ検出手段で検出されたプレイヤを関連付ける第1関連付け手段と、
前記チップID特定手段で特定された前記第1ゲーミングチップのチップIDと、前記第1関連付け手段で前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤとを関連付ける第2関連付け手段と、
前記第1ゲーミングチップのチップIDと、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップのチップIDに関連付けられた前記プレイヤの画像との組を記録する記録手段と、
を備えた、ゲーム監視システム。
【請求項2】
前記ゲーミングチップの前記チップIDとその所有者とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤとを比較して、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤとが一致しない場合に不一致を示す信号を出力する比較手段と、
をさらに備えた、請求項1に記載のゲーム監視システム。
【請求項3】
前記プレイヤにはプレイヤIDが付与されており、
前記プレイヤ検出手段で検出されたプレイヤの前記プレイヤIDを特定するプレイヤID特定手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記ゲーミングチップの前記チップIDとその所有者であるプレイヤのプレイヤIDとを関連付けて記憶し、
前記比較手段は、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者のプレイヤIDと、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤについて前記プレイヤID特定手段により特定された前記プレイヤIDとを比較して、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者のIDと、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤのプレイヤIDとが一致しない場合に不一致を示す信号を出力する、請求項2に記載のゲーム監視システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記ゲーミングチップの前記チップIDとその所有者の顔情報とを関連付けて記憶し、
前記比較手段は、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている顔情報と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤについて前記画像から抽出した顔情報とを比較して、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている顔情報と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤについて前記画像から抽出した顔情報とが一致しない場合に不一致を示す信号を出力する、請求項2に記載のゲーム監視システム。
【請求項5】
前記比較手段において、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤとが一致しないと判断された場合に、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者を、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤに書き換える制御手段をさらに備えた、請求項2に記載のゲーム監視システム。
【請求項6】
前記記憶手段においてディーラから払い出された払出ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者を、前記第2関連付け手段により前記払出ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤに書き換える更新手段をさらに備えた、請求項2に記載のゲーム監視システム。
【請求項7】
前記記憶手段においてディーラから払い出された払出ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者を、前記第2関連付け手段により前記払出ゲーミングチップとともに前記所定のエリアから移動した前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤに書き換える更新手段をさらに備えた、請求項2に記載のゲーム監視システム。
【請求項8】
前記ゲーミングチップは、前記チップIDを記憶したRFIDタグを備え、
前記チップID特定手段は、前記RFIDタグから前記チップIDを読み取ることにより、前記ゲーミングチップの前記チップIDを特定する、請求項1に記載のゲーム監視システム。
【請求項9】
前記ゲーミングチップは、側面にチップIDの表記を有し、
前記チップID特定手段は、前記ゲーミングチップが映っている画像から前記ゲーミングチップを検出して、検出したゲーミングチップの側面のチップIDを解読することで、前記ゲーミングチップの前記チップIDを特定する、請求項1に記載のゲーム監視システム。
【請求項10】
前記プレイヤ検出手段は、前記プレイヤの手を検出し、
前記第1関連付け手段は、前記プレイヤ検出手段で検出された前記プレイヤの手と前記チップ検出手段で検出された前記ゲーミングチップとの位置関係に基づいて、両者を関連付ける、請求項1に記載のゲーム監視システム。
【請求項11】
前記チップID特定手段は、前記撮影手段で生成された第1画像から前記ゲーミングチップを検出して、検出した前記ゲーミングチップの前記チップIDを特定し、
前記チップ検出手段は、前記撮影手段で生成された、前記第1画像とは異なる第2画像から前記ゲーミングチップを検出し、
前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第1画像における位置と前記チップ検出手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第2画像における位置との関係に基づいて、同じ位置にある前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する、請求項1に記載のゲーム監視システム。
【請求項12】
前記撮影手段は、前記第1画像を生成するための第1カメラと、前記第2画像を生成するための、前記第1カメラとは異なる第2カメラとを備え、
前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第1画像における位置と前記チップ検出手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第2画像における位置とを共通の座標空間に変換することで、同じ位置にある前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する、請求項11に記載のゲーム監視システム。
【請求項13】
前記チップID特定手段は、前記チップIDを特定した前記ゲーミングチップの前記ゲームテーブル上での位置を特定し、
前記チップ検出手段は、前記画像から検出した前記ゲーミングチップの前記ゲームテーブル上での位置を特定し、
前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で特定した位置と前記チップ検出手段で特定した位置とに基づいて、同じ位置にある前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する、請求項1に記載のゲーム監視システム。
【請求項14】
前記チップID特定手段は、前記チップIDを特定した前記ゲーミングチップが前記ゲームテーブル上に置かれたタイミングを特定し、
前記チップ検出手段は、前記画像から検出した前記ゲーミングチップが前記ゲームテーブル上に置かれたタイミングを特定し、
前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で特定したタイミングと前記チップ検出手段で特定したタイミングとに基づいて、同じタイミングで前記ゲームテーブル上に置かれた前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する、請求項1に記載のゲーム監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを監視するためのゲーム監視システムに関する。
【従来技術】
【0002】
従来、カジノ等において行われるゲームにおいて、不正の発見、パトロンレイティング等のために、プレイヤによるゲームプレイが監視されている。ゲーム、プレイヤによるベッティング、ベットに対する精算等をすべて電子的に行うことで、ゲームの結果、プレイヤによるベッティング、プレイヤの勝敗及びその額を電子情報として把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物理的なゲームテーブル、プレイングカード、ゲーミングチップを用いたリアルのテーブルゲームにおいても同様に、ゲームを監視して、プレイヤによるベット額、勝ち額、負け額等を把握したいという要望がある。このために、従来のゲーム監視システムでは、ゲーミングチップにRFIDを埋め込んで、ゲームテーブルのベットエリアやチップトレイでRFIDを読むことで、ゲームテーブルにおけるゲーミングチップの動きを監視し、また、プレイヤにメンバーズカードを提示させることで、当該プレイヤを特定していた。
【0005】
本発明は、リアルのテーブルゲームにおいて、ゲームを監視するためのゲーム監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様のゲーム監視システムは、チップIDが付与されたゲーミングチップがゲームテーブル上の所定のエリアにあるときに、前記ゲーミングチップのチップIDを特定するチップID特定手段と、前記ゲームテーブルでゲームをプレイするプレイヤと、前記ゲームテーブル上の前記ゲーミングチップとを撮影して画像を生成する撮影手段と、前記画像から前記プレイヤを検出するプレイヤ検出手段と、前記画像から前記ゲーミングチップを検出するチップ検出手段と、前記チップ検出手段で検出された第1ゲーミングチップに対して、前記第1ゲーミングチップを賭けたプレイヤとして前記プレイヤ検出手段で検出されたプレイヤを関連付ける第1関連付け手段と、前記チップID特定手段で特定された前記第1ゲーミングチップのチップIDと、前記第1関連付け手段で前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤとを関連付ける第2関連付け手段と、前記第1ゲーミングチップのチップIDと、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップのチップIDに関連付けられた前記プレイヤの画像との組を記録する記録手段とを備えた構成を有している。
【0007】
この構成により、ゲームテーブル上の所定のエリアにあるゲーミングチップについて、そのチップIDと当該ゲーミングチップを賭けたプレイヤとが関連付けられ、それが記録されるので、リアルのテーブルゲームにおいて、ゲームを監視できる。
【0008】
第2の態様のゲーム監視システムは、第1の態様のゲーム監視システムにおいて、前記ゲーミングチップの前記チップIDとその所有者とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤとを比較して、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤとが一致しない場合に不一致を示す信号を出力する比較手段とをさらに備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、ゲームテーブルの所定のエリアに置かれたゲーミングチップについて、当該ゲーミングチップの所有者として記憶されている者と、当該ゲーミングチップを賭けたプレイヤとして画像に基づいて特定された者とが一致しない場合にその旨を報知できる。
【0010】
第3の態様のゲーム監視システムは、第2の態様のゲーム監視システムにおいて、前記プレイヤにはプレイヤIDが付与されており、前記プレイヤ検出手段で検出されたプレイヤの前記プレイヤIDを特定するプレイヤID特定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記ゲーミングチップの前記チップIDとその所有者であるプレイヤのプレイヤIDとを関連付けて記憶し、前記比較手段は、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者のプレイヤIDと、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤについて前記プレイヤID特定手段により特定された前記プレイヤIDとを比較して、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者のIDと、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤのプレイヤIDとが一致しない場合に不一致を示す信号を出力する構成を有している。
【0011】
この構成により、ゲームテーブルの所定のエリアに置かれたゲーミングチップについて、当該ゲーミングチップの所有者として記憶されている者のIDと、当該ゲーミングチップを賭けたプレイヤとして画像に基づいて特定された者のIDとが一致しない場合にその旨を報知できる。
【0012】
第4の態様のゲーム監視システムは、第2の態様のゲーム監視システムにおいて、前記記憶手段は、前記ゲーミングチップの前記チップIDとその所有者の顔情報とを関連付けて記憶し、前記比較手段は、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている顔情報と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤについて前記画像から抽出した顔情報とを比較して、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている顔情報と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤについて前記画像から抽出した顔情報とが一致しない場合に不一致を示す信号を出力する構成を有している。
【0013】
この構成により、ゲームテーブルの所定のエリアに置かれたゲーミングチップについて、当該ゲーミングチップの所有者として記憶されている者の顔情報と、当該ゲーミングチップを賭けたプレイヤとして画像に基づいて特定された者の顔情報とが一致しない場合にその旨を報知できる。
【0014】
第5の態様のゲーム監視システムは、第2の態様のゲーム監視システムにおいて、前記比較手段において、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者と、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤとが一致しないと判断された場合に、前記記憶手段において前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者を、前記第2関連付け手段により前記第1ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられたプレイヤに書き換える制御手段をさらに備えた構成を有している。
【0015】
この構成により、ゲーミングチップのチップIDに関連付けられて記憶されている所有者を正しい所有者に書き換えることができる。
【0016】
第6の態様のゲーム監視システムは、第2の態様のゲーム監視システムにおいて、前記記憶手段においてディーラから払い出された払出ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者を、前記第2関連付け手段により前記払出ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤに書き換える更新手段をさらに備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、ディーラから払い出されたゲーミングチップのチップIDに関連付けられて記憶されている所有者を、当該ゲーミングチップを払い受けたプレイヤに書き換えることができる。
【0018】
第7の態様のゲーム監視システムは、第2の態様のゲーム監視システムにおいて、前記記憶手段においてディーラから払い出された払出ゲーミングチップの前記チップIDに関連付けられている所有者を、前記第2関連付け手段により前記払出ゲーミングチップとともに前記所定のエリアから移動した前記第1ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤに書き換える更新手段をさらに備えた構成を有している。
【0019】
この構成により、ディーラから払い出されたゲーミングチップのチップIDに関連付けられて記憶されている所有者を、当該ゲーミングチップの払出の対象となったゲーミングチップを賭けたプレイヤに書き換えることができる。
【0020】
第8の態様のゲーム監視システムは、第1~7の態様のいずれかのゲーム監視システムにおいて、前記ゲーミングチップは、前記チップIDを記憶したRFIDタグを備え、前記チップID特定手段は、前記RFIDタグから前記チップIDを読み取ることにより、前記ゲーミングチップの前記チップIDを特定する構成を有している。
【0021】
この構成により、RFIDによってチップIDを特定できる。
【0022】
第9の態様のゲーム監視システムは、第1~8の態様のいずれかのゲーム監視システムにおいて、前記ゲーミングチップは、側面にチップIDの表記を有し、前記チップID特定手段は、前記ゲーミングチップが映っている画像から前記ゲーミングチップを検出して、検出したゲーミングチップの側面のチップIDを解読することで、前記ゲーミングチップの前記チップIDを特定する構成を有している。
【0023】
この構成により、側面の表記によってチップIDを特定できる。
【0024】
第10の態様のゲーム監視システムは、第1の態様のゲーム監視システムにおいて、前記プレイヤ検出手段は、前記プレイヤの手を検出し、前記第1関連付け手段は、前記プレイヤ検出手段で検出された前記プレイヤの手と前記チップ検出手段で検出された前記ゲーミングチップとの位置関係に基づいて、両者を関連付ける構成を有している。
【0025】
この構成により、手とゲーミングチップとの位置関係に基づいて、ゲーミングチップのチップIDとプレイヤとを関連付けることができる。
【0026】
第11の態様のゲーム監視システムは、第1の態様のゲーム監視システムにおいて、前記チップID特定手段は、前記撮影手段で生成された第1画像から前記ゲーミングチップを検出して、検出した前記ゲーミングチップの前記チップIDを特定し、前記チップ検出手段は、前記撮影手段で生成された、前記第1画像とは異なる第2画像から前記ゲーミングチップを検出し、前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第1画像における位置と前記チップ検出手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第2画像における位置との関係に基づいて、同じ位置にある前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する構成を有している。
【0027】
この構成により、2つの画像から同じ位置にあるゲーミングチップを同一のゲーミングチップとして特定できる。
【0028】
第12の態様のゲーム監視システムは、第11の態様のゲーム監視システムにおいて、前記撮影手段は、前記第1画像を生成するための第1カメラと、前記第2画像を生成するための、前記第1カメラとは異なる第2カメラとを備え、前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第1画像における位置と前記チップ検出手段で検出した前記ゲーミングチップの前記第2画像における位置とを共通の座標空間に変換することで、同じ位置にある前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する構成を有している。
【0029】
この構成により、2つの画像のうちの一方の画像のゲーミングチップを他方の画像にマッピングすることで、同じ位置にあるゲーミングチップを同一のゲーミングチップとして特定できる。
【0030】
第13の態様のゲーム監視システムは、第1の態様のゲーム監視システムにおいて、前記チップID特定手段は、前記チップIDを特定した前記ゲーミングチップの前記ゲームテーブル上での位置を特定し、前記チップ検出手段は、前記画像から検出した前記ゲーミングチップの前記ゲームテーブル上での位置を特定し、前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で特定した位置と前記チップ検出手段で特定した位置とに基づいて、同じ位置にある前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する構成を有している。
【0031】
この構成により、2つの画像におけるゲーミングチップのゲームテーブル上での位置に基づいて、同じ位置にあるゲーミングチップを同一のゲーミングチップとして特定できる。
【0032】
第14の態様のゲーム監視システムは、第1の態様のゲーム監視システムにおいて、前記チップID特定手段は、前記チップIDを特定した前記ゲーミングチップが前記ゲームテーブル上に置かれたタイミングを特定し、前記チップ検出手段は、前記画像から検出した前記ゲーミングチップが前記ゲームテーブル上に置かれたタイミングを特定し、前記第2関連付け手段は、前記チップID特定手段で特定したタイミングと前記チップ検出手段で特定したタイミングとに基づいて、同じタイミングで前記ゲームテーブル上に置かれた前記ゲーミングチップを前記第1ゲーミングチップとして特定する構成を有している。
【0033】
この構成により、ゲーミングチップがゲームテーブルに置かれたタイミングに基づいて、チップID特定手段で特定されたゲーミングチップとチップ検出手段で特定されたゲーミングチップとが同じゲーミングチップであると特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態のゲーム監視システムが応用されたゲームテーブルを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態のゲーミングチップの側面を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態のゲーミングチップの平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態のゲーム監視システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態の第1関連付け部の関連付けの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、発明を実施するための形態を説明するが、以下に説明する実施の形態は単なる例示に過ぎず、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。また、複数の実施の形態の各要素は任意に組み合わせることができる。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態のゲーム監視システムが応用されたゲームテーブルを示す図である。
図1に示すように、本実施の形態のゲーム監視システム100は、カジノ等のゲームテーブル110に応用され得る。
【0037】
ゲームテーブル110は、概略楕円形のテーブルトップ111を有する。テーブルトップ111の一方にはディーラが位置し、その反対側には複数のプレイヤが位置するためのプレイヤポジションが設けられる。各プレイヤポジションには、プレイヤポジションごとのベットエリア112が設けられている。本実施の形態では、ゲームテーブル110は、バカラ用のゲームテーブルである。ベットエリア112には、ベット対象としてプレイヤ、バンカ、タイ、プレイヤペア、バンカペアの各ベット対象エリアが含まれている。
【0038】
ゲームテーブル110には、第1カメラ11及び第2カメラ12が設置されている。第1カメラ11の画角及び方向は、ベットエリア112、ベットエリア112に賭けられたゲーミングチップ(ベットチップ)、及びゲームテーブル110でプレイするプレイヤを撮影できるように設定されている。第2カメラ12の画角及び方向は、ベットエリア112及びベットエリア112に賭けられたゲーミングチップ(ベットチップ)を撮影できるように、かつ、第1カメラ11と比較して、ゲーミングチップが大きく映るように、設定される。第1カメラ11及び第2カメラ12は、ゲームテーブル110に設けられたポール113、114に取り付けられる。なお、撮影範囲を分担するために複数の第1カメラ11及び複数の第2カメラ12が設けられてもよい。
【0039】
図2は、本発明の実施の形態のゲーミングチップの側面を示す図であり、
図3は、本発明の実施の形態のゲーミングチップの平面図である。
図2に示すように、ゲーミングチップ50の側面には、厚さ方向の中央に中心線51が設けられている。中心線51の色はゲーミングチップ50の種類(価値)を表している。よって、ゲーミングチップ50はその側面を観察することにより、中心線51の色でもって当該ゲーミングチップ50の価値を知ることができる。
【0040】
中心線51には、当該ゲーミングチップ50を特定するためのチップIDがコード情報として表記されている。本実施の形態のゲーミングチップ50では、チップIDを表すコード情報は、上下2行に配置される複数の点の有無によって表される。すなわち、1列ごとに上下の点の有無によって2ビットの情報が表現され、20列の点群によって5バイトの情報が表現される。なお、チップIDを表す複数の点は、自然光下では目視できないが赤外線や紫外線を照射することで可視化されるインクによって、ゲーミングチップ50の側面に印刷されてよい。
【0041】
図3に示すように、ゲーミングチップ50の表面及び裏面には、その価値を表す数字が表記されている。当然ながら、この数字は側面の中心線の色に対応している。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態のゲーム監視システムの構成を示すブロック図である。ゲーム監視システム100は、上述の第1カメラ11及び第2カメラ12に加えて、情報処理装置20及びデータベース40を備えている。第1カメラ11及び第2カメラ12はそれぞれ情報処理装置20と通信可能に接続されている。また、情報処理装置20はデータベース40と通信可能に接続されている。
【0043】
情報処理装置20は、ゲームテーブル110ごとに設けられていてもよく、あるいは、複数のゲームテーブル110にそれぞれ設けられた第1カメラ11及び第2カメラ12が1つの情報処理装置20に接続されていてもよい。また、データベース40は、複数のゲームテーブル110にそれぞれ設けられていてもよく、あるいは、複数のゲームテーブル110に対して1つのデータベース40が設けられていてもよい。また、データベース40はクラウド上に設けられていてもよい。
【0044】
第1カメラ11及び第2カメラ12は、プレイヤがゲーミングチップ50をゲームテーブル110のベットエリア112に置いたタイミングないしはゲーミングチップ50をベットエリア112に置いてゲームが開始されたタイミグ(すなわち、それ以降はゲーミングチップ50を移動させることが許されなくなるタイミング)で、それぞれ撮影を行って画像を生成する。
【0045】
情報処理装置20は、一時記憶領域として用いられるメモリと、本実施の形態の情報処理プログラムに従って入力信号に応じた演算を行うプロセッサと、各種のデータを記憶した記憶装置とからなるコンピュータである。データベース40は、記憶装置と、記憶装置に記憶される情報について検索、更新等の処理を行う処理装置とを備えている。
【0046】
情報処理装置20は、本実施の形態の情報処理プログラムを実行することにより、
図4に示す各種の機能を有する。具体的には、情報処理装置20は、チップ検出部21、チップID特定部22、プレイヤ検出部23、プレイヤID特定部24、第1関連付け部25、第2関連付け部26、比較部27、記録部28、書換制御部29、及び更新部30を備えている。
【0047】
チップ検出部21は、第1カメラ11が撮影して得た画像(以下、「第1画像」という。)を取得して、この第1画像から、チップグループが含まれるチップグループ領域を検出する。ゲームテーブル110のベットエリア112にベットされるゲーミングチップ50が積み重ねられてベットエリア112に置かれている場合には、チップ検出部21は、このベットチップのスタックを含む領域をチップグループ領域(チップスタック領域)として検出する。具体的には、チップ検出部21は、チップグループを含む矩形枠をチップグループ領域として検出する。
【0048】
チップ検出部21は、検出したチップグループ領域から個々のゲーミングチップに対応するチップ領域を検出する。チップ検出部21は、このときに、ゲーミングチップ50の側面の中心線51を用いて個々のチップ領域を検出してよい。すなわち、チップ検出部21は、中心線51の位置及び長さに応じて、チップ領域の位置及び大きさを決定してもよい。
【0049】
チップID特定部22は、第2カメラ12が撮影して得た画像(以下、「第2画像」という。)を取得する。そして、チップID特定部22は、チップ検出部21と同様にして、この第2画像からチップグループ領域及びチップ領域を検出する。チップID特定部22は、検出したチップ領域に対してコード認識を行って、各ゲーミングチップ50のコード情報を解読する。これにより、チップID特定部22は、各チップ領域のチップIDを特定し、このようにして、各チップグループ領域に含まれるすべてのチップIDを特定する。このとき、チップID特定部22は、ゲーミングチップ50の中心線51を検出して、検出した中心線51の領域においてコード認識を行ってよい。
【0050】
チップID特定部22は、これに代えて、RFIDによってベットエリア112に置かれたゲーミングチップのチップIDを特定するRFIDシステムであってもよい。この場合には、ゲーミングチップには、当該ゲーミングチップのチップIDを記憶したRFIDタグが内蔵される。RFIDシステムは、アンテナとリーダとを備える。アンテナは、各ベットエリア112に対応する位置において、テーブルトップ111の下に埋め込まれる。リーダはアンテナに接続されて、アンテナで読み取られた信号からチップIDを取得する。
【0051】
チップ検出部21は、検出したチップグループ領域の位置を特定し、かつ、チップグループ領域が検出されたタイミングを特定する。これに加えて、あるいは、これに代えて、チップID特定部22は、チップIDを特定したゲーミングチップ50のゲームテーブル上での位置を特定する。また、チップID特定部22は、チップIDを特定したゲーミングチップ50がゲームテーブル上に置かれたタイミングを特定する。
【0052】
プレイヤ検出部23は、第1カメラ11の撮影によって得られた第1画像からプレイヤを検出する。このとき、プレイヤ検出部23は、第1画像から、プレイヤの顔、上半身、腕、手を含む全体をプレイヤとして検出するとともに、プレイヤの顔領域、及び上半身、腕、手の各キーポイントからなるスケルトンモデルを抽出する。プレイヤ検出部23は、同一のプレイヤの顔領域及びスケルトンモデルないしはそれを構成する複数のキーポイントを1人のプレイヤに属するものとして認識する。
【0053】
プレイヤID特定部24は、プレイヤ検出部23で検出された第1画像の顔領域に対して顔認証を行うことで、プレイヤIDを特定する。プレイヤID特定部24で特定されるプレイヤは、その顔の画像をもってあらかじめ登録されてプレイヤIDが付与されており、プレイヤID特定部24は、顔認証技術を用いることで、顔領域の顔が登録されたいずれのプレイヤであるかを判定する。なお、プレイヤID特定部24は、顔認証の結果、登録されたいずれのプレイヤとも判断されない場合は、当該顔領域のプレイヤ、即ち、プレイヤ領域に映っているプレイヤは未登録プレイヤであると判断する。
【0054】
プレイヤは、そのプレイヤIDをもって登録されてもよく、あるいは、その顔情報をもって登録されていてもよい。プレイヤがプレイヤIDで登録されている場合には、プレイヤID特定部24は、第1画像から顔領域が検出されたプレイヤのプレイヤIDを特定する。プレイヤが顔情報で登録されている場合には、プレイヤID特定部24は、第1画像から顔画像が検出されたプレイヤの顔情報を特定する。ここで、顔情報は、プレイヤの顔画像であってよく、あるいはプレイヤの顔画像から抽出された特徴量であってもよい。
【0055】
第1関連付け部25は、チップ検出部21で検出された第1ゲーミングチップに対して、第1ゲーミングチップを賭けたプレイヤとしてプレイヤ検出部23で検出されたプレイヤを関連付ける。具体的には、第1関連付け部25は、プレイヤ検出部23で検出されたプレイヤの手とチップ検出部21で検出されたゲーミングチップ50との位置関係に基づいて、両者を関連付ける。
【0056】
図5は、本発明の実施の形態の第1関連付け部の関連付けの例を示す図である。本実施の形態では、第1カメラ11で撮影された第1画像90という同一の画像から、チップ検出部21がチップグループ領域c1、c2を検出するとともに、プレイヤ検出部23がプレイヤP1、P2を検出する。第1関連付け部25は、プレイヤ検出部23において検出されたプレイヤP1、P2の手p11、p21と、チップグループ領域c1、c2との距離に基づいて、手とチップグループ領域との組み合わせ、ひいてはプレイヤとチップグループ領域との組み合わせを決定する。
【0057】
図5の例では、チップグループ領域c1の基準点cp1とプレイヤP1の手p11との距離が所定の閾値以下であるので、第1関連付け部25は、このチップグループ領域c1とプレイヤP1とを関連付ける。また、チップグループ領域c2の基準点cp2とプレイヤP2の手p21との距離が所定の閾値以下であるので、第1関連付け部25は、このチップグループ領域c2とプレイヤP2とを関連付ける。なお、基準点は、チップグループ領域を構成する矩形枠の下辺の中央であってよい。
【0058】
上述のように、プレイヤ検出部23では、同一のプレイヤの顔領域f1、f2及び複数のキーポイントを含むスケルトンモデルsm1、sm2を同一のプレイヤに属するものとして認識されているので、第1関連付け部25は、チップグループ領域を、顔領域及びスケルトンモデルないし各キーポイントのいずれとも関連付けることができる。
【0059】
第2関連付け部26は、チップID特定部22で特定されたゲーミングチップ50のチップIDと、第1関連付け部25でゲーミングチップ50に関連付けられたプレイヤとを関連付ける。具体的には、第2関連付け部26は、まず、チップ検出部21で検出したゲーミングチップ50とチップID特定部22で検出してチップIDを特定したゲーミングチップ50とを同定する。このために、チップID特定部22で検出したゲーミングチップ50の第1画像における位置とチップ検出部21で検出したゲーミングチップ50の第2画像における位置との関係に基づいて、同じ位置にあるゲーミングチップ50を同一のゲーミングチップ50として特定する。
【0060】
より具体的には、第2関連付け部26は、チップ検出部21で検出したチップグループ領域の第1画像における位置を第2画像における位置に変換することで、同じ位置にあるチップグループ領域を同一のゲーミングチップ50として特定する。あるいは、第2関連付け部26は、これに代えて、チップID特定部22で検出したチップグループ領域の第2画像における位置を第1画像における位置に変換することで、同じ位置にあるチップグループ領域を同一のゲーミングチップ50として特定してもよい。あるいは、第2関連付け部26は、チップ検出部21で検出したチップグループ領域の第1画像における位置、及びチップID特定部22で検出したチップグループ領域の第2画像における位置のいずれも共通する座標空間に変換することで、同じ位置にあるチップグループ領域を同一のゲーミングチップ50として特定してもよい。
【0061】
このように、第2関連付け部26は、チップ検出部21で特定した位置とチップID特定部22で特定した位置とに基づいて、同じ位置にあるゲーミングチップ50を同じゲーミングチップ50として特定するが、これに代えて、第2関連付け部26は、チップ検出部21でゲーミングチップを検出したタイミングとチップID特定部22でゲーミングチップ50を特定したタイミングとに基づいて、同じタイミングでゲームテーブル110上に置かれたゲーミングチップ50を同じゲーミングチップ50として特定してもよい。
【0062】
第2関連付け部26は、チップID特定部22で特定されたゲーミングチップのチップIDと、第1関連付け部25で当該ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤとを関連付ける。具体的には、プレイヤがプレイヤIDで登録されている場合には、第2関連付け部26は、チップID特定部22で特定されたゲーミングチップのチップIDと第1関連付け部25で当該ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤのプレイヤIDとを関連付ける。また、プレイヤが顔情報で登録されている場合には、第2関連付け部26は、チップID特定部22で特定されたゲーミングチップのチップIDと第1関連付け部25で当該ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤの顔情報とを関連付ける。
【0063】
記録部28は、ゲーミングチップ50のチップIDと、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられたプレイヤの画像との組を記録する。このとき、記録部28は、後述するように、さらに、チップIDとそれに関連付けられたプレイヤのプレイヤIDを記録してもよく、あるいは、チップIDとそれに関連付けられたプレイヤの顔情報を記録してもよい。本実施の形態のように、記録部28が、チップID特定部22で特定されたチップIDに関連付けて、そのチップIDに関連付けられたプレイヤを特定するためのプレイヤIDではなくそのプレイヤの画像のみを記録することで、プレイヤの個人情報が記録されることがなく、プレイヤのプライバシが保たれる。
【0064】
データベース40には、ゲーミングチップ50のチップIDとその所有者とが関連付けて記憶されている。具体的には、プレイヤがプレイヤIDで登録されている場合には、データベース40は、ゲーミングチップ50のチップIDとその所有者であるプレイヤのプレイヤIDとを関連付けて記憶する。あるいは、プレイヤが顔情報で登録されている場合には、データベース40は、ゲーミングチップ50のチップIDとその所有者であるプレイヤの顔情報とを関連付けて記憶する。
【0065】
比較部27は、データベース40においてゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられている所有者と、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられたプレイヤとを比較する。比較部27は、データベース40においてゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられている所有者と、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられたプレイヤとが一致しない場合には、不一致を示す信号を出力する。
【0066】
具体的には、比較部27は、プレイヤがプレイヤIDで登録されている場合には、データベース40においてゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられているプレイヤIDと、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられたプレイヤについてプレイヤID特定部24により特定されたプレイヤIDとを比較する。この場合には、比較部27は、データベース40においてゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられている所有者のプレイヤIDと、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられたプレイヤのプレイヤIDとが一致しない場合には、不一致を示す信号を出力する。
【0067】
データベース40は、ゲーミングチップ50のチップIDとその所有者の顔情報とを関連付けて記憶していている場合には、比較部27は、上記の具体例に加えて、あるいは上記の具体例に代えて、データベース40においてゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられている顔情報と、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤについて画像から抽出した顔情報とを比較する。この場合には、比較部27は、データベース40においてゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられている顔情報と、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップ50に関連付けられたプレイヤについて画像から抽出した顔情報とが一致しない場合には、不一致を示す信号を出力する。
【0068】
比較部27の上記の機能により、ゲームテーブル110上のゲーミングチップ50について、本来の所有者とは異なるプレイヤがゲーミングチップ50を操作したときに、不一致を示す信号を出力して、そのような不一致を警告することができる。
【0069】
書換制御部29は、比較部27において、データベース40においてゲーミングチップ50のチップIDに関連付けられている所有者と、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップのチップIDに関連付けられたプレイヤとが一致しないと判断された場合に、データベース40において当該ゲーミングチップのチップIDに関連付けられている所有者を、第2関連付け部26により当該ゲーミングチップのチップIDに関連付けられたプレイヤに書き換える。
【0070】
この書換制御部29により、ゲーミングチップ50とプレイヤとの誤った関連付けがされている場合に、それを是正して正しいプレイヤに関連付けを行うことができる。また、どのプレイヤにも関連付けられていないチップIDが特定された場合には、書換制御部29は、第2関連付け部26によってチップIDに関連付けられたプレイヤを当該チップIDの所有者として書き換える。
【0071】
プレイヤがゲームに勝ってディーラからゲーミングチップ50の払出しを受ける場合には、当該払出しに係るゲーミングチップ(以下、「払出ゲーミングチップ」という。)の所有者がディーラないしカジノから当該ゲームに勝ったプレイヤに変更されるべきである。そこで、更新部30は、データベース40においてディーラから払い出された払出ゲーミングチップのチップIDに関連付けられている所有者を、第2関連付け部26により当該払出ゲーミングチップに関連付けられたプレイヤに書き換える。このために、第1カメラ11及び第2カメラ12は、ゲーミングチップ50の払出しの際に撮影を行って、第1関連付け部25は、払出ゲーミングチップのチップグループ領域と、当該払出ゲーミングチップを取ろうとするプレイヤとを関連付けて、更新部30は、この関連付けに従ってデータベース40を更新する。
【0072】
あるいは、更新部30は、データベース40においてディーラから払い出された払出ゲーミングチップのチップIDに関連付けられている所有者を、第2関連付け部26により払出ゲーミングチップとともにベットエリア112から移動したゲーミングチップ50に関連付けられたプレイヤに書き換える。これにより、払出ゲーミングチップ50のチップIDは、それを受けたプレイヤのプレイヤIDと関連付けてデータベース40に記憶されることになる。
【0073】
なお、ゲーミングチップ50にチップIDを記憶したRFIDタグが内蔵され、チップID特定部22がベットエリア112でゲーミングチップ50のRFIDタグからチップIDを読み取る場合には、払出ゲーミングチップのRFIDタグを払い出されたベットエリア112で読むことにより、そのチップIDを特定して、それと関連付けるべきプレイヤIDを更新してよい。
【0074】
また、上記の実施の形態では、撮影により第1画像を生成する第1カメラと、撮影により第2画像を生成する第2カメラとが別々のカメラであったが、これらが1台のカメラであってもよい。この場合には、当該1台のカメラによって、第1画像及び第2画像のいずれもが生成される。そして、この場合に、第1画像を撮影する場合と第2画像を撮影する場合とで撮影条件(画角、解像度、撮影方向等)を変えてもよい。
【0075】
以上のように、本実施の形態のゲーム監視システム100では、第1関連付け部25が、チップ検出部21で第1画像から検出したゲームテーブル110上のゲーミングチップ50(チップスタック)とプレイヤ検出部23で第1画像から検出したプレイヤとを関連付け、チップID特定部22が第2画像に基づいてゲーミングチップ50のチップIDを特定し、これにより、第2関連付け部26がプレイヤとチップIDとを関連付ける。これにより、ゲームテーブル110上のゲーミングチップ50がどのプレイヤのゲーミングチップ50であるかを決定することができ、不正検知、パトロンレイティング等のゲーム管理を行うことができる。
【0076】
なお、上述のように、ゲームテーブル110上のゲーミングチップ50のチップIDを特定する方法は、画像によるものに限らず、RFIDタグとRFIDの読取システムによるものであってもよい。上記の実施の形態によりゲーミングチップとそのゲーミングチップを操作するプレイヤとの関連付けを行うことができるので、例えばプレイヤが自分のプレイヤポジションの前に設けられたベットエリア以外のベットエリア112にゲーミングチップ50をベットした場合や、プレイヤポジションについていないバックベッタがベットしたゲーミングチップ50についても、どのプレイヤがそれらのゲーミングチップをベットしたのかを画像に基づいて決定することができる。
【0077】
なお、情報処理装置20は、さらに、第1画像又は第2画像に基づいて、ゲームテーブル110上にベットされているゲーミングチップ50の位置、種類、及び枚数を認識してよく、あるいは、ゲーミングチップ50に少なくともその種類の情報を記憶したRFIDタグを内蔵させ、ゲームテーブル110に複数のアンテナを埋め込んで、ゲーミングチップ50のRFIDタグを読み取ることで、ゲームテーブル110上にベットされているゲーミングチップ50の位置、種類、及び枚数を認識してもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 ゲーム監視システム
110 ゲームテーブル
111 テーブルトップ
112 ベットエリア
11 第1カメラ
12 第2カメラ
20 情報処理装置
21 チップ検出部
22 チップID特定部
23 プレイヤ検出部
24 プレイヤID特定部
25 第1関連付け部
26 第2関連付け部
27 比較部
28 記録部
29 書換制御部
30 更新部
40 データベース