(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028212
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】パッケージされたガラス部品
(51)【国際特許分類】
B65D 85/38 20060101AFI20240222BHJP
【FI】
B65D85/38 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132830
(22)【出願日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】22191087
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス リードル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴェートリヒ
(72)【発明者】
【氏名】トルステン シッカー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュトゥーベンフォル
(72)【発明者】
【氏名】ゴットフリート ハース
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー ツアナー
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA03
3E096BA30
3E096BB01
3E096CA12
3E096EA02X
3E096FA40
3E096GA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】輸送経路上のガラス部品における損傷、特にガラス部品の相互接触に起因する損傷の頻度および程度が最小となるようにパッケージされたガラス部品を提供する。
【解決手段】本発明は、パッケージされたガラス部品、特に管状または棒状の幾何形状を有する精密ガラス部品であって、ここで、複数のガラス包含ガラス部品が、互いに相互接触を生じて可撓性パッケージに封入され、ここで、該パッケージは、特にパッケージ内を負圧が占め、それによって、パッケージがガラス部品に密着することによってガラス部品に圧力を与え、それによって、ガラス部品は互いに押し付けられて互いの相対運動から保護される、パッケージされたガラス部品に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージされたガラス部品、特に管状または棒状の幾何学的形状を有する精密ガラス部品であって、
複数のガラス包含ガラス部品(10)が、互いに相互接触を生じて可撓性パッケージ(20)に封入され、
前記パッケージ(20)は、前記ガラス部品(10)に圧力を与え、特に前記パッケージ(20)内を負圧が占め、それによって、前記パッケージ(20)が前記ガラス部品(10)に密着しており、
それによって、前記ガラス部品(10)は互いに押し付けられて互いの相対運動から保護される、パッケージされたガラス部品。
【請求項2】
前記複数のガラス部品(10)は、少なくとも100個のガラス部品が含まれ、好適には少なくとも1000個のガラス部品を含み、特に好適には少なくとも10000個のガラス部品を含み、かつ/または
前記ガラス部品(10)は、前記パッケージ内で無秩序に、特にランダムに配置されており、かつ/または
互いに押し付けられた前記ガラス部品(10)は、前記パッケージ(20)内で0.5kg/l~2kg/lの間、好適には0.75kg/l~1.75kg/lの間、特に好適には1kg/l~1.5kg/lの間にある密度を有する、請求項1記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項3】
前記可撓性パッケージ(20)は、袋状に形成され、かつ/または特に1つまたは複数の溶接シーム(22)を用いて縁部側が接続されている2つの対向する可撓性フィルムを含み、前記溶接シームの幅は、少なくとも0.5mm、好適には少なくとも1mm、特に好適には少なくとも1.5mmである、請求項1または2記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項4】
前記可撓性パッケージ(20)、特に前記可撓性フィルムは、0.02mm~2mmの間、好適には0.05mm~1mmの間、特に好適には0.1mm~0.5mmの間にある厚さを有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項5】
前記パッケージ(20)内を占めている前記負圧は、少なくとも0.05バール、好適には少なくとも0.1バール、特に好適には少なくとも0.15バール、さらに好適には少なくとも0.2バールである、請求項1から4までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項6】
前記可撓性パッケージ(20)、特に前記可撓性フィルムは、プラスチックを含む、またはプラスチックからなり、例えばポリエチレンを含む、またはポリエチレンからなる、請求項1から5までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項7】
前記パッケージ(20)内で互いに押し付けられた前記ガラス部品(10)は、第1の次元(X1)に沿って最大の第1の寸法を定め、第1の次元に垂直な第2の次元(X2)に沿って最大の第2の寸法を定め、
前記第1の寸法と前記第2の寸法との比は、1~10の間、好適には1.5~5の間、特に好適には2.5~3の間にある、請求項1から6までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項8】
前記ガラス部品(10)は、それぞれ1つまたは複数の加工処理された位置(12)、特に加工処理された端部(12)を有し、
前記加工処理された位置(12)は、好適には、鋸挽き面、切断面、研削面、つや消し面、および/または研磨面(14)を含み、特にダイヤモンドソーを用いた鋸挽き面を含み、かつ/または
前記加工処理された位置(12)は、好適には、直角によって鋭角に形成された縁部(16)を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項9】
前記ガラス部品(10)は、第1の次元(D1)に沿って同じままである、または前記第1の次元(D1)に沿った前記ガラス部品(10)の長さ(L1)の少なくとも50パーセントに沿って同じままであり、好適には前記第1の次元(D1)に沿った前記ガラス部品(10)の長さ(L1)の90パーセントに沿って同じままである、それぞれ1つの断面(Q)を有し、かつ/または
前記ガラス部品(10)は、第1の次元(D1)に沿ってそれぞれ1つの細長い幾何形状、好適には第1の次元(D1)に沿って管状または棒状の幾何形状を有し、かつ/または
前記ガラス部品(10)は、第1の次元(D1)を中心にそれぞれ1つの回転対称な幾何形状を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項10】
前記ガラス部品は、それぞれ第1の次元(D1)に沿って、0.2mm~35mmの間、好適には0.2mm~20mmの間、特に好適には1mm~20mmの間、さらに好適には1mm~10mmの間、さらに好適には1mm~5mmの間にある寸法(L1)を有し、かつ/または
前記ガラス部品は、それぞれ第2の次元(D2)に沿って、0.5mm~150mmの間、好適には0.5mm~20mmの間、特に好適には1mm~20mmの間、さらに好適には1mm~15mmの間、さらに好適には1mm~5mmの間にある寸法(L2)、特にそれぞれ1つの直径(L2)を有し、前記第2の次元(D2)は、特に前記第1の次元(D1)に対して垂直に延在し、かつ/または
前記ガラス部品は、0.1mm~10mmの間、好適には0.15mm~9mmの間、特に好適には0.5mm~2.5mmの間にあるそれぞれ1つの壁厚(d)、特に管状部の外被厚(d)を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項11】
前記ガラス部品(10)は、第1の縁部長さ(L1)、第2の縁部長さ(L2)、および第3の縁部長さ(L3)を有するそれぞれ1つの最小包囲直方体(H)を定め、
前記第1の縁部長さ(L1)と前記第2の縁部長さ(L2)との比は、0.5~30の間、好適には1~15の間、特に好適には1.5~10の間、さらに好適には2~5の間にあり、かつ/または
前記第2の縁部長さ(L2)と前記第3の縁部長さ(L3)との比は、0.5~2の間、好適には0.9~1.1の間にあり、特に好適には1であり、かつ/または
前記第2の縁部長さ(L2)と前記壁厚(d)との比は、0.05~3.4の間、好適には0.1~2.8の間、特に好適には0.4~2.4の間にある、請求項1から10までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項12】
前記複数のガラス部品(10)は、同一に形成されており、かつ/または
各前記ガラス部品(10)について、前記第1の次元(D1)に沿った前記寸法(L1)の中央値からの偏差は1%未満であり、かつ/または
各前記ガラス部品(10)について、前記第2の次元(D2)に沿った前記寸法(L2)の中央値からの偏差は2%未満であり、かつ/または
各前記ガラス部品(10)について、前記壁厚(d)の中央値からの偏差は5%未満である、請求項1から11までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項13】
前記パッケージ(20)に封入された全てのガラス部品(10)のうち、50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満が、0.035mmより大きい最大寸法を有する損傷、特に欠けを有し、かつ/または
前記ガラス部品(10)は、それぞれ1つの外被面(18)と2つの側面(20)とを有し、前記側面(20)は、特に前記加工処理された位置(12)によって形成されており、
前記パッケージ(20)に封入された全てのガラス部品(10)のうち、好適には50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満が、0.035mmより大きい最大寸法を有する前記外被面(18)上の損傷、特に欠けを有し、かつ/または
前記パッケージ(20)に封入された全てのガラス部品(10)のうち、好適には50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満が、0.035mmより大きい最大寸法を有する前記側面(20)上の損傷、特に欠けを有している、請求項1から12までのいずれか1項記載のパッケージされたガラス部品。
【請求項14】
前記パッケージ(20)に封入された全てのガラス部品(10)のうち、例えば前記外被面(18)上および/または前記側面(20)上に損傷、特に欠けを有するものが、輸送後および/または加振試験後に50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満存在する、請求項13記載のパッケージされたガラス部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージされたガラス部品、特に管状または棒状の幾何形状を有する精密ガラス部品に関する。
【0002】
ガラス部品、特に精密ガラス部品、例えば圧力センサの製造に使用できる毛管チューブなどは、往々にして大量にパッケージされるため、それによって基本的に相互接触による損傷リスクにさらされる。
【0003】
しかしながら、同時に、この種の精密ガラス部品には、往々にして高い品質要求が課せられる。そのため、特に多くの場合、表面および縁部における欠け、擦れ、かき傷、汚染、粒子付着、およびその他の損傷の頻度や程度を回避または低減することが求められる。
【0004】
この目的に対して、品質基準は、製造、仕上げ作業、およびパッケージングの期間中は適切なプロセスの枠内で監視および記録することができるので、プロセスが製造元の範疇にある限り、対応する仕様は基本的に管理することができ最適化することができる。ただし、その上さらに付加的な損傷リスクが、その後に委ねられる特に製造元の管理外となる輸送経路、例えばパッケージされたガラス部品の受取先への輸送経路によって生じる可能性もある。
【0005】
このような背景から、本発明が基礎とする課題は、輸送経路上のガラス部品における損傷、特にガラス部品の相互接触に起因する損傷の頻度および程度が最小となるようにパッケージされたガラス部品を提供することである。
【0006】
これに対して、本発明は、パッケージされたガラス部品、特に管状または棒状の幾何形状を有する精密ガラス部品であって、ここで、複数のガラス包含ガラス部品が、互いに相互接触を生じて可撓性パッケージに封入され、ここで、該パッケージは、ガラス部品に圧力を与え、それによって、ガラス部品は互いに押し付けられて互いの相対運動から保護される、パッケージされたガラス部品を開示している。
【0007】
これにより、好適には、ガラス部品における損傷、特にガラス部品の互いの相対運動による損傷を回避または減少させることができる。
【0008】
パッケージによってガラス部品に与えられる圧力は、特に、可撓性パッケージ内を負圧が占め、それによってパッケージがガラス部品に密着することによって引き起こされ、それによって、ガラス部品は互いに押し付けられる。
【0009】
基本的に、本発明は、特に、相互接触を生じる多くの複数のガラス部品に適している。
【0010】
この複数には、特に、少なくとも100個のガラス部品が含まれ、好適には少なくとも1000個のガラス部品が含まれ、特に好適には少なくとも10000個のガラス部品が含まれ得る。
【0011】
しかしながら、好適には、複数のガラス部品は、300000個未満のガラス部品を含む。
【0012】
これらのガラス部品は、パッケージ内で無秩序に、特にランダムに配置されてもよい。これによって、特に、パッケージにガラス部品をパッケージングするプロセスもしくは充填するプロセスを容易にしてもよい。
【0013】
互いに押し付けられたガラス部品は、パッケージ内で0.5kg/l~2kg/lの間、好適には0.75kg/l~1.75kg/lの間、特に好適には1kg/l~1.5kg/lの間にある密度を有し得る。
【0014】
パッケージされた複数のガラス部品は、好適には3kg未満、好適には2kg未満の重量を有する。さらに、パッケージされた複数のガラス部品は、好適には2l未満、好適には1.5l未満の体積を有する。
【0015】
ガラス部品が封入されている可撓性パッケージは、好適には袋として構成され、かつ/または特に1つまたは複数の溶接シームを用いて縁部側が接続されている2つの対向する可撓性フィルムを含み、ここで、溶接シームの幅は、特に少なくとも0.5mm、好適には少なくとも1mm、特に好適には少なくとも1.5mmであり、あるいは2.5mm±5mmでもある。
【0016】
可撓性パッケージ、特に可撓性フィルムは、特に、0.02mm~2mmの間、好適には0.05mm~1mmの間、特に好適には0.1mm~0.5mmの間にある厚さを有する。
【0017】
ガラス部品を互いに押し付けるために可撓性パッケージ内を負圧が占めている場合、パッケージ内を占めている負圧は、特に少なくとも0.05バール、好適には少なくとも0.1バール、特に好適には少なくとも0.15バール、さらに好適には少なくとも0.2バールである。
【0018】
パッケージ内を占めている負圧に対して代替的または付加的に、例えば隣接するガラス部品に押圧力を与える圧縮可能な材料をパッケージの内部および/または外部に配置してもよい。そのような圧縮可能な材料は、例えば発泡材を含み得る。
【0019】
可撓性パッケージ、特に可撓性フィルムは、本発明の一実施形態では、プラスチックを含むかまたはプラスチックからなる。例えば、パッケージおよび/または可撓性フィルムは、ポリエチレンを含む、またはポリエチレンからなり得る。
【0020】
パッケージ内で互いに押し付けられたガラス部品、すなわちパッケージされたガラス部品は、第1の次元X1に沿って最大の第1の寸法を定め、第1の次元に垂直な第2の次元X2に沿って最大の第2の寸法を定めることができ、ここで、第1の寸法と第2の寸法との比は、1~10の間、好適には1.5~5の間、特に好適には2.5~3.5の間にある。
【0021】
パッケージされたガラス部品、すなわちガラス部品を含むパッケージの、第1の次元に沿った寸法は、例えば、500mm未満であってもよい。
【0022】
パッケージされたガラス部品、すなわちガラス部品を含むパッケージの、第1の次元に沿った寸法は、特に、第2の次元に沿ったパッケージの寸法より、例えば少なくとも2.5倍だけ大きくてもよい。
【0023】
換言すれば、パッケージされたガラス部品は、平坦な形状を有することができ、ここで、パッケージされたガラス部品、すなわちガラス部品を含むパッケージの第3の次元X3に沿って、寸法は、例えば150mmより小さくてもよい。
【0024】
パッケージ内のガラス部品の前述したような好適にはランダムな配列にもかかわらず、ガラス部品が細長い幾何形状の場合、これらのガラス部品は、特に平坦な形状を有するパッケージ内で優先方向をとることが想定されてもよい。この優先方向は、特に、パッケージの第3の次元に対して横方向、例えば垂直方向に延在し得る。
【0025】
説明したように、パッケージに封入されたガラス部品は、例えば、短くすることによって製造されてもよい管状または棒状に形成されたガラス部品であり得る。
【0026】
したがって、ガラス部品は、それぞれ1つまたは複数の加工処理された位置、特に加工処理された端部を有し、この場合、加工処理された位置は、好適には、鋸挽き面、切断面、研削面、つや消し面、および/または研磨面を含み、特にダイヤモンドソーを用いた鋸挽き面を含むことが想定されてもよい。
【0027】
加工処理された位置は、さらに好適には、直角によって鋭角に形成された縁部を含む。
【0028】
好適な実施形態では、ガラス部品は、第1の次元D1に沿って同じままである、または第1の次元D1に沿ったガラス部品の長さL1の少なくとも50パーセントに沿って同じままであり、好適には第1の次元D1に沿ったガラス部品の長さL1の90パーセントに沿って同じままである、それぞれ1つの断面Qを有している。
【0029】
ガラス部品はそれぞれ、第1の次元D1に沿ってそれぞれ1つの細長い幾何形状を有することができ、好適には第1の次元D1に沿って管状または棒状の幾何形状を有することができる。
【0030】
ガラス部品は、特に、第1の次元D1を中心にそれぞれ1つの回転対称な幾何形状を有することができる。
【0031】
ガラス部品は、例えば、管状区分として、かつ/または棒状区分として形成されてもよい。
【0032】
好適な実施形態では、ガラス部品は、それぞれ第1の次元D1に沿って、0.2mm~35mmの間、好適には0.2mm~20mmの間、特に好適には1mm~20mmの間、さらに好適には1mm~10mmの間、さらに好適には1mm~5mmの間にある寸法L1を有することが想定される。
【0033】
管状区分の場合、寸法L1は、1mm~20mmの範囲、好適には1mm~5mmの範囲で想定してもよい。
【0034】
棒状区分の場合、寸法L1は、0.2mm~20mmの範囲、好適には1mm~10mmの範囲で想定してもよい。
【0035】
ガラス部品は、それぞれ第2の次元D2に沿って、0.5mm~150mmの間、好適には0.5mm~20mmの間、特に好適には1mm~20mmの間、さらに好適には1mm~15mmの間、さらに好適には1mm~5mmの間にある寸法L2、特にそれぞれ1つの直径L2を有することができ、ここで、第2の次元D2は、特に第1の次元D1に対して垂直に延在する。
【0036】
管状区分の場合、寸法L2は、0.5mm~20mmの範囲、好適には1mm~5mmの範囲で想定してもよい。
【0037】
棒状区分の場合、寸法L2は、1mm~150mmの範囲、好適には1mm~15mmの範囲で想定してもよい。
【0038】
ガラス部品は、0.1mm~10mmの間、好適には0.15mm~9mmの間、特に好適には0.5mm~2.5mmの間にあるそれぞれ1つの壁厚d、特に管状部の外被厚dを有することができる。
【0039】
ガラス部品の具体的な形状に依存することなく、これらは、第1の縁部長さL1、第2の縁部長さL2、および第3の縁部長さL3を有するそれぞれ1つの最小包囲直方体Hを定めることができる。
【0040】
ここでは、第1の縁部長さL1と第2の縁部長さL2との比は、0.5~30の間または3~30の間または4~15の間または5~10の間、好適には1と15の間、特に好適には1.5~10の間、さらに好適には2~5の間にあり得る。
【0041】
管状区分の場合、例えば、20mm×20mmを想定してもよい。棒状区分の場合、例えば、20mm×150mmを想定してもよい。
【0042】
第2の縁部長さL2と第3の縁部長さL3との比は、0.5~2の間または0.75~1.25の間、好適には0.9~1.1の間にあり、特に好適には1であり得る。
【0043】
管状区分の場合、例えば、20mm×20mmを想定してもよい。棒状区分の場合、例えば、150mm×150mmを想定してもよい。
【0044】
特に管状ガラス部品の第2の縁部長さL2と壁厚dとの比は、0.05~3.4の間、好適には0.1~2.8の間、特に好適には0.4~2.4の間にあり得る。
【0045】
基本的には、パッケージに封入された複数のガラス部品が、同一にまたは類似して形成されることが好適な場合もある。
【0046】
例えば、パッケージされたガラス部品の全てが管状区分として形成されてもよいし、パッケージされたガラス部品の全てが棒状区分として形成されてもよい。
【0047】
しかしながら、幾何形状の変形形態も存在し得る。この場合、好適には、各ガラス部品について、第1の次元D1に沿った寸法L1の中央値からの偏差は、1.0パーセント未満であってもよい。代替的または付加的に、各ガラス部品について、第2の次元D2に沿った寸法L2の中央値からの偏差は、2%未満であってもよい。代替的または付加的に、各ガラス部品について、壁厚dの中央値からの偏差は、5パーセント未満であってもよい。
【0048】
本発明の利点は、ガラス部品の表面または縁部における損傷、特に欠けが低減または回避されることである。
【0049】
本発明は、特に、場合によって想定される輸送経路の前に、既に高い品質基準を有するガラス部品にとりわけ適している。
【0050】
パッケージに封入された全てのガラス部品のうち、50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満が、0.035mmより大きい最大寸法を有する損傷、特に欠けを有することが想定されてもよい。
【0051】
ガラス部品は、それぞれ1つの外被面と2つの側面とを有することができ、この場合、側面は、特に加工処理された位置によって形成される。
【0052】
この場合、パッケージに封入された全てのガラス部品のうち、好適には50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満が、0.035mmより大きい最大寸法を有する外被面上の損傷、特に欠けを有することが想定されてもよい。
【0053】
さらに、パッケージに封入された全てのガラス部品のうち、好適には50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満が、0.035mmより大きい最大寸法を有する側面上の損傷、特に欠けを有することが想定されてもよい。
【0054】
特に、本発明を用いれば、ガラス部品が、輸送経路の後でもさらに高い品質基準に相当することが可能になる。
【0055】
したがって、パッケージに封入された全てのガラス部品のうち、例えば外被面上および/または側面上に損傷、特に欠けを有するものが、特にトラックおよび/または船舶および/または航空機による輸送後に50%未満、特に好適には25%未満、さらに好適には15%未満存在することが想定されてもよい。
【0056】
以下では、本発明を図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】互いに相互接触を生じてパッケージに封入されている複数の管状ガラス部品を示した図である。
【
図2】1つの外被面と2つの側面とを有する例示的な管状ガラス部品を示した図である。
【
図3】1つの外被面と2つの側面とを有する例示的な管状ガラス部品を示した図である。
【
図4】本発明に従ってパッケージされたガラス部品について、パッケージ内の複数のガラス部品のうち輸送前もしくは輸送後に外被面上に損傷を有するものの割合に関する測定結果を示した図である。
【
図5】本発明に従ってパッケージされたガラス部品について、パッケージ内の複数のガラス部品のうち輸送前もしくは輸送後に側面上に損傷を有するものの割合に関する測定結果を示した図である。
【
図6】比較例として、トレイおよび/または袋にパッケージされたのみのガラス部品について、パッケージ内の複数のガラス部品のうち、輸送前もしくは輸送後に外被面上に損傷を有するものの割合に関する測定結果を示した図である。
【
図7】比較例として、トレイおよび/または袋にパッケージされたのみのガラス部品について、パッケージ内の複数のガラス部品のうち、輸送前もしくは輸送後に側面上に損傷を有するものの割合に関する測定結果を示した図である。
【0058】
図1は、可撓性真空パッケージ20に封入された(この場合は管状に形成された)複数のガラス部品10を示す。このパッケージは、縁部領域において溶接シーム22を用いて相互に接続された前部フィルムと後部フィルムとを有する。a
【0059】
パッケージ20内を負圧が占めることによって、パッケージ20もしくはパッケージの前部フィルムおよび後部フィルムが、ガラス部品10に密着し、それによって、ガラス部品10が互いに押し付けられて互いの相対運動から保護される。
【0060】
パッケージは、この場合、パッケージが、第1の次元X1に沿って、第2の次元X2に沿ったものおよび/または第3の次元X3に沿ったものよりも著しく大きな寸法を有するような平坦な形状を有する。本発明の場合では、次元X1に沿った寸法は、次元X2に沿った寸法よりも2.5倍を超えて大きく、さらに次元X3に沿った寸法よりも3倍を超えて大きい。
【0061】
細長いガラス部品は、パッケージ内でランダムに配置されている。特に、これによって、ガラス部品の最長の長さL1は、ランダムに配向される。ただし、平面X1-X2内を延在する優先方向が生じる。
【0062】
図2~
図3は、パッケージに封入されたガラス部品を再度詳細に示している。この例では、管状のガラス部品10、特に長さL1と直径L2(もしくはL3)とを有する管状区分であり、したがって、これは、正方形の側面L2-L3を有する包囲直方体Hを定める。
【0063】
一般的には、図示のようにその長さL1に沿って鋸挽きされ、それゆえ外被面18によって相互に接続される2つの対向する側面20を有する細長いガラス部品10であることを想定してもよい。
【0064】
したがって、ガラス部品10は、それぞれが鋸引き面14を定める対向する加工処理端部12を有する。本実施例では、これらは、壁厚dを有する管状区分である。しかしながら、棒状区分または他の形状も可能である。
【0065】
図4~
図5は、
図1に従ってパッケージされたガラス部品についての測定結果を示す。これらの測定結果は、輸送の前もしくは後に外被面(
図4)もしくは側面(
図5)に損傷を有するパッケージ内のガラス部品の割合を示し、この場合、本発明では、輸送は、特に加振試験によってシミュレートされている。
【0066】
図4~
図5に基づいてわかるように、輸送前のガラス部品の50%以上は、外被面(
図4)もしくは側面(
図5)に最小の損傷、例えば最小の欠けなど、詳細にはその最大寸法が0.035mm以下の損傷(カテゴリーA)しか有していない。その最大寸法が0.035mmを超えるが、0.070mm以下である損傷(カテゴリーB)を有しているガラス部品は10%に満たない。カテゴリーC,D,E,F,G,H,I,JおよびKの損傷についても同様である。
【0067】
輸送(または加振試験)後、カテゴリーAの損傷の数はわずかに減少し、それに対して、特にカテゴリーH~Kの損傷の数はわずかに増加する。それでもなお、さらにカテゴリーBにおける損傷をそれぞれ有しているガラス部品は10%に満たない。外被面上でカテゴリーHの損傷がガラス部品の11%に存在することを除けば、カテゴリーC,D,E,F,G,H,I,JおよびKの損傷についても同様である。
【0068】
図6~
図7は、比較例として、トレイおよび/または袋に、すなわち特に押し付け圧力および/または負圧なしでパッケージされたのみのガラス部品であって、したがって相対運動から保護されていないガラス部品について対応する測定結果を示す。
【0069】
そこから認識できるように、ここでは、輸送(または加振試験)後のカテゴリーAの最も小さい損傷の数は著しく減少しているが、それに対して、特にカテゴリーH~K、とりわけカテゴリーKの(すなわち、0.35mmより大きい)損傷の数は著しく増加している。
【0070】
総じて、これにより示されることは、本発明に従ってパッケージされたガラス部品が、有利なやり方で特にガラス部品の互いの相対運動によるガラス部品における損傷を著しく低減させることである。
【外国語明細書】