(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028217
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10K 59/122 20230101AFI20240222BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240222BHJP
H10K 59/80 20230101ALI20240222BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20240222BHJP
H10K 71/00 20230101ALI20240222BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20240222BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240222BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240222BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K50/844
H10K59/80
H10K59/38
H10K71/00
H10K71/20
G09F9/30 309
G09F9/30 349C
G09F9/30 349B
G09F9/00 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133070
(22)【出願日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0103337
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】スン,ウヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,スンヨン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107DD89
3K107DD91
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3K107GG04
3K107GG12
3K107GG28
5C094AA38
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094CA24
5C094DA07
5C094DA13
5C094DA14
5C094ED03
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5C094FB02
5C094FB15
5C094JA13
5G435AA13
5G435BB05
5G435CC09
5G435CC12
5G435FF13
5G435GG12
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】画素電極と、順に積層された第1無機バンク層、第1金属バンク層、第2無機バンク層及び第2金属バンク層を含み、画素電極と重畳し、第1無機バンク層、第1金属バンク層、第2無機バンク層及び第2金属バンク層を貫通する画素開口が設けられたバンク層と、バンク層の画素開口を通じて、画素電極上に配置される中間層と、バンク層の画素開口を通じて、中間層上に配置される対向電極と、対向電極上に位置する無機封止層と、を含み、対向電極は、画素開口が設けられた第1金属バンク層の側面と直接接触する、表示装置及びその製造方法である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極と、
順に積層された第1無機バンク層、第1金属バンク層、第2無機バンク層及び第2金属バンク層を含むバンク層であって、前記画素電極と重畳し、前記第1無機バンク層、前記第1金属バンク層、前記第2無機バンク層及び前記第2金属バンク層を貫通する画素開口が設けられたバンク層と、
前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記画素電極上に配置される中間層と、
前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記中間層上に配置される対向電極と、
前記対向電極上に位置する無機封止層と、を含み、
前記対向電極は、前記画素開口が設けられた前記第1金属バンク層の側面と直接接触する、
表示装置。
【請求項2】
前記第1金属バンク層は、
第1サブ金属層と、
前記第1サブ金属層上に位置する第2サブ金属層と、を含み、
前記第2サブ金属層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第1サブ金属層の側面から突出して第1チップを形成する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記無機封止層は、前記第1サブ金属層から露出された前記第1チップの表面と直接接触する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1金属バンク層と前記第2無機バンク層との間に介在される第3無機バンク層をさらに含み、
前記第2無機バンク層は、前記画素開口が設けられた前記第3無機バンク層の側面から突出した第2チップを有し、
前記無機封止層は、前記第3無機バンク層から露出された前記第2チップの表面と直接接触する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1チップの突出長と前記第2チップの突出長とは、互いに異なっている、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2金属バンク層は、前記画素開口が設けられた前記第2無機バンク層の側面から突出した第2チップを有し、
前記無機封止層は、前記第2無機バンク層から露出された前記第2チップの表面と直接接触する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2金属バンク層は、
第4サブ金属層と、
前記第4サブ金属層上に位置する第5サブ金属層と、を含み、
前記第5サブ金属層は、前記画素開口が設けられた前記第4サブ金属層の側面から突出した第3チップを有し、
前記無機封止層は、前記第4サブ金属層から露出された前記第3チップの表面と直接接触する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1チップの突出長と前記第3チップの突出長とは、互いに異なっている、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記無機封止層上に位置し、前記画素開口を満たす平坦化層をさらに含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記平坦化層上に位置する保護層をさらに含み、
前記第2金属バンク層上で、前記無機封止層と前記保護層は直接接触する、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記無機封止層は、第1屈折率を有し、
前記平坦化層は、前記第1屈折率より高い第2屈折率を有する、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2金属バンク層と前記無機封止層との間に位置する有機バンク層をさらに含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記無機封止層上に位置し、前記画素電極に重畳するフィルタ開口が設けられた遮光層と、
前記画素電極に対応するカラーフィルタ層と、をさらに含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記画素電極のエッジと前記第1無機バンク層との間に介在される電極保護層をさらに含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
画素電極及び前記画素電極に対応する電極保護層を形成する段階と、
前記画素電極上に、第1無機バンク層、第1金属バンク層、第2無機バンク層、第2金属バンク層及び有機バンク層を含むバンク層を形成する段階と、
前記画素電極と重畳し、前記バンク層を貫通する画素開口を設ける段階と、
前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記画素電極上に配置される中間層を形成する段階と、
前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記中間層上に位置し、前記第1金属バンク層の側面と直接接触する対向電極を形成する段階と、
前記対向電極上に位置する無機封止層を形成する段階と、を含む、
表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1金属バンク層は、第1サブ金属層及び前記第1サブ金属層上に位置する第2サブ金属層を含み、
前記画素開口を設ける段階は、
前記第1サブ金属層及び前記第2サブ金属層のうち、前記第1サブ金属層を選択的にエッチングする段階を含み、
前記第2サブ金属層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第1サブ金属層の側面から突出して第1チップを形成する、
請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記無機封止層を形成する段階は、
前記無機封止層が前記第1サブ金属層から露出された前記第1チップの表面と直接接触するように、前記無機封止層を蒸着する段階を含む、
請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記バンク層を形成する段階は、
前記第1金属バンク層と前記第2無機バンク層との間に介在される第3無機バンク層を形成する段階を含み、
前記画素開口を設ける段階は、
前記第3無機バンク層を選択的にエッチングする段階を含み、
前記第2無機バンク層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第3無機バンク層の側面から突出して第2チップを形成する、
請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記画素開口を設ける段階は、
前記第2無機バンク層を選択的にエッチングする段階を含み、
前記第2金属バンク層は、前記画素開口が設けられた前記第2無機バンク層の側面から突出して第2チップを形成する、
請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2金属バンク層は、第4サブ金属層及び前記第4サブ金属層上に位置する第5サブ金属層を含み、
前記画素開口を設ける段階は、
前記第4サブ金属層及び前記第5サブ金属層のうち、前記第4サブ金属層を選択的にエッチングする段階を含み、
前記第5サブ金属層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第4サブ金属層の側面から突出して第3チップを形成する、
請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記無機封止層上に位置し、前記画素開口を満たす平坦化層を形成する段階をさらに含む、
請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記画素開口を設ける段階と、前記中間層を形成する段階との間に、前記有機バンク層を除去する段階をさらに含む、
請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記無機封止層上に位置し、前記画素電極に重畳するフィルタ開口が設けられた遮光層を形成する段階と、
前記画素電極に対応し、前記フィルタ開口内にカラーフィルタ層を形成する段階と、をさらに含む、
請求項22に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は、その用途が多様になっている。また、表示装置の薄型化、軽量化に伴い、その使用の範囲が広くなっている。
【0003】
一般的に、表示装置は、画像を表示するために、電気的信号を受けて発光する複数の画素を含む。有機発光表示装置(organic light-emitting display device:OLED)の画素は、表示要素として有機発光ダイオードを含む。有機発光ダイオードは、画素電極、発光層及び対向電極を具備する。
【0004】
そのような表示装置は、外部の酸素や水分が発光ダイオードに浸入しないように、発光ダイオードを密封する封止層を具備してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、そのような従来の表示装置には、封止層に局部的な不良が発生した場合にも、不純物の浸入経路が生成され、周辺画素に不良が伝播されるという問題点が存在した。
【0006】
本発明は、前記のような問題点を含む、多くの問題点を解決するためのものであって、画素別に封止された表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。しかし、そのような課題は、例示的なものであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、画素電極と、順に積層された第1無機バンク層、第1金属バンク層、第2無機バンク層及び第2金属バンク層を含むバンク層であって、前記画素電極と重畳し、前記第1無機バンク層、前記第1金属バンク層、前記第2無機バンク層及び前記第2金属バンク層を貫通する画素開口が設けられたバンク層と、前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記画素電極上に配置される中間層と、前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記中間層上に配置される対向電極と、前記対向電極上に位置する無機封止層と、を含み、前記対向電極は、前記画素開口が設けられた前記第1金属バンク層の側面と直接接触する、表示装置が提供される。
【0008】
一実施形態において、前記第1金属バンク層は、第1サブ金属層及び前記第1サブ金属層上に位置する第2サブ金属層を含み、前記第2サブ金属層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第1サブ金属層の側面から突出して第1チップを形成してもよい。
【0009】
一実施形態において、前記無機封止層は、前記第1サブ金属層から露出された前記第1チップの表面と直接接触してもよい。
【0010】
一実施形態において、表示装置は、前記第1金属バンク層と前記第2無機バンク層との間に介在される第3無機バンク層をさらに含み、前記第2無機バンク層は、前記画素開口が設けられた前記第3無機バンク層の側面から突出した第2チップを有し、前記無機封止層は、前記第3無機バンク層から露出された前記第2チップの表面と直接接触することができる。
【0011】
一実施形態において、前記第1チップの突出長と前記第2チップの突出長とは、互いに異なっていてもよい。
【0012】
一実施形態において、前記第2金属バンク層は、前記画素開口が設けられた前記第2無機バンク層の側面から突出した第2チップを有し、前記無機封止層は、前記第2無機バンク層から露出された前記第2チップの表面と直接接触することができる。
【0013】
一実施形態において、前記第2金属バンク層は、第4サブ金属層及び前記第4サブ金属層上に位置する第5サブ金属層を含み、前記第5サブ金属層は、前記画素開口が設けられた前記第4サブ金属層の側面から突出した第3チップを有し、前記無機封止層は、前記第4サブ金属層から露出された前記第3チップの表面と直接接触してもよい。
【0014】
一実施形態において、前記第1チップの突出長と前記第3チップの突出長とは、互いに異なっていてもよい。
【0015】
一実施形態において、表示装置は、前記無機封止層上に位置し、前記画素開口を満たす平坦化層をさらに含んでもよい。
【0016】
一実施形態において、表示装置は、前記平坦化層上に位置する保護層をさらに含み、前記第2金属バンク層上で、前記無機封止層と前記保護層は直接接触してもよい。
【0017】
一実施形態において、前記無機封止層は、第1屈折率を有し、前記平坦化層は、前記第1屈折率より高い第2屈折率を有してもよい。
【0018】
一実施形態において、表示装置は、前記第2金属バンク層と前記無機封止層との間に位置する有機バンク層をさらに含んでもよい。
【0019】
一実施形態において、表示装置は、前記無機封止層上に位置し、前記画素電極に重畳するフィルタ開口が設けられた遮光層と、前記画素電極に対応するカラーフィルタ層と、をさらに含んでもよい。
【0020】
一実施形態において、前記画素電極のエッジと前記第1無機バンク層との間に介在される電極保護層をさらに含んでもよい。
【0021】
本発明の他の観点によれば、画素電極及び前記画素電極に対応する電極保護層を形成する段階と、前記画素電極上に、第1無機バンク層、第1金属バンク層、第2無機バンク層、第2金属バンク層及び有機バンク層を含むバンク層を形成する段階と、前記画素電極と重畳し、前記バンク層を貫通する画素開口を設ける段階と、前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記画素電極上に配置される中間層を形成する段階と、前記バンク層の前記画素開口を通じて、前記中間層上に位置し、前記第1金属バンク層の側面と直接接触する対向電極を形成する段階と、前記対向電極上に位置する無機封止層を形成する段階と、を含む、表示装置の製造方法が提供される。
【0022】
一実施形態において、前記第1金属バンク層は、第1サブ金属層及び前記第1サブ金属層上に位置する第2サブ金属層を含み、前記画素開口を設ける段階は、前記第1サブ金属層及び前記第2サブ金属層のうち、前記第1サブ金属層を選択的にエッチングする段階を含み、前記第2サブ金属層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第1サブ金属層の側面から突出して第1チップを形成してもよい。
【0023】
一実施形態において、前記無機封止層を形成する段階は、前記無機封止層が前記第1サブ金属層から露出された前記第1チップの表面と直接接触するように、前記無機封止層を蒸着する段階を含んでもよい。
【0024】
一実施形態において、前記バンク層を形成する段階は、前記第1金属バンク層と前記第2無機バンク層との間に介在される第3無機バンク層を形成する段階を含み、前記画素開口を設ける段階は、前記第3無機バンク層を選択的にエッチングする段階を含み、前記第2無機バンク層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第3無機バンク層の側面から突出した第2チップを形成することができる。
【0025】
一実施形態において、前記画素開口を設ける段階は、前記第2無機バンク層を選択的にエッチングする段階を含み、前記第2金属バンク層は、前記画素開口が設けられた前記第2無機バンク層の側面から突出した第2チップを形成することができる。
【0026】
一実施形態において、前記第2金属バンク層は、第4サブ金属層及び前記第4サブ金属層上に位置する第5サブ金属層を含み、前記画素開口を設ける段階は、前記第4サブ金属層及び前記第5サブ金属層のうち、前記第4サブ金属層を選択的にエッチングする段階を含み、前記第5サブ金属層の一部は、前記画素開口が設けられた前記第4サブ金属層の側面から突出して第3チップを形成することができる。
【0027】
一実施形態において、表示装置の製造方法は、前記無機封止層上に位置し、前記画素開口を満たす平坦化層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0028】
一実施形態において、表示装置の製造方法は、前記画素開口を設ける段階と、前記中間層を形成する段階との間に、前記有機バンク層を除去する段階をさらに含んでもよい。
【0029】
一実施形態において、表示装置の製造方法は、前記無機封止層上に位置し、前記画素電極に重畳するフィルタ開口が設けられた遮光層を形成する段階と、前記画素電極に対応し、前記フィルタ開口内にカラーフィルタ層を形成する段階と、をさらに含んでもよい。
【0030】
前述の以外の他の側面、特徴及び利点が、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施形態によれば、画素別に封止された表示装置及びその製造方法を具現することができる。もちろん、そのような効果により、本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による表示装置が含む表示パネルを概略的に示す平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による表示装置が含む一画素を概略的に示す等価回路図である。
【
図4】本発明の一実施形態による表示装置が含む一画素を概略的に示す等価回路図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5C】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5D】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5E】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5F】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5G】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5H】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図5I】本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【
図8】本発明の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【
図9】本発明の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【
図10】本発明の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【
図11】本発明の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、多様な変更を加えることができ、色々な実施形態を有することができるところ、特定の実施形態が図面に例示され、詳細な説明で詳細に説明される。本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかしながら、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態に具現可能である。
【0034】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明し、図面を参照して説明するとき、同一のまたは対応する構成要素は、同一図面符号を付与し、それに係わる重複説明は省略する。
【0035】
本明細書において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0036】
本明細書において、単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0037】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0038】
本明細書において、膜、領域、構成要素などの部分が他の部分上にあるというとき、他の部分の真上にある場合だけでなく、その中間に他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0039】
本明細書において、膜、領域、構成要素などが連結されたというとき、膜、領域、構成要素が直接的に連結された場合、または/及び膜、領域、構成要素の中間に他の膜、領域、構成要素が介在されて間接的に連結された場合も含む。例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に連結されたというとき、膜、領域、構成要素などが直接電気的に連結された場合、及び/またはその中間に他の膜、領域、構成要素などが介在されて間接的に電気的連結された場合を示す。
【0040】
本明細書において、「A及び/またはB」は、A、B、またはAとBの場合を示す。そして、「A及びBのうち少なくとも1つ」は、A、B、またはAとBの場合を示す。
【0041】
本明細書において、x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の3軸に限定されず、それを含む広い意味と解釈されうる。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交してもよいが、互いに直交しない互いに異なる方向をも指称する。
【0042】
本明細書において、任意の数値を指称するときに使用される「約」または「ほぼ」という用語は、測定限界またはエラーなどにより、当該技術分野において一般的に許容される範囲内の数値を含むことを意味する。例えば、「約」は、任意の数値の±30%、20%、10%または5%の範囲の値を含むことを意味する。
【0043】
本明細書において、ある実施形態が異なって具現可能な場合に、特定の工程順序は、述べられる順序と異なって遂行されることもある。例えば、連続して述べられる2つの工程が実質的に同時に遂行されてもよく、述べられる順序と逆の順序で遂行されてもよい。
【0044】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張されたり縮小されたりする。例えば、図面に示された各構成要素の大きさ及び厚みは、説明の便宜上、任意に示されているので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す斜視図である。
【0046】
図1を参照すれば、表示装置1は、表示領域DA及び表示領域DAの外側に位置した非表示領域NDAを含んでもよい。表示領域DAは、表示領域DAに配置された画素Pを通じて、イメージを表示することができる。非表示領域NDAは、表示領域DAの外側に配置され、イメージを表示しない非表示領域であって、表示領域DAを全体として取り囲むことができる。非表示領域NDAには、表示領域DAに電気的信号や電源を提供するためのドライバなどが配置されうる。非表示領域NDAには、電子素子やプリント回路基板などが電気的に連結可能な領域であるパッドが配置されうる。
【0047】
一実施形態として、
図1は、表示領域DAのx方向の長さがy方向の長さより短い多角形(例えば、四角形)であることを示しているが、本発明はそれに限定されない。他の実施形態として、表示領域DAは、N角形(Nは、3以上の自然数)、円状、楕円状などのように多様な形状を有することができる。
図1は、表示領域DAのコーナー部が、直線と直線が交わる頂点を含む形状であることを示しているが、他の実施形態として、表示領域DAは、コーナー部が丸くなった多角形であってもよい。
【0048】
以下、説明の便宜上、表示装置1がスマートフォンの電子機器である場合について説明するが、本発明の表示装置1は、それに制限されない。表示装置1は、携帯電話(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、タブレットPC(personal computer)、移動通信端末、電子手帳、電子本、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、UMPC(Ultra Mobile PC)のような携帯用電子機器だけでなく、テレビジョン、ノート型パソコン、モニター、広告板、モノのインターネット(internet of things: IOT)などの多様な製品にも適用される。また、一実施形態による表示装置1は、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、メガネ型ディスプレイ、及びヘッドマウントディスプレイ(head mounted display: HMD)のようなウェアラブル装置(wearable device)にも適用される。さらに、一実施形態による表示装置1は、自動車の計器盤、及び自動車のセンターフェイシア(center fascia)またはダッシュボードに配置されたCID(Center Information Display)、自動車のサイドミラーの代わりにルームミラーディスプレイ(room mirror display)、自動車の後部座席用エンターテインメントとして、前部座席の背面に配置される表示画面にも適用される。
【0049】
図2は、本発明の一実施形態による表示装置が含む表示パネルを概略的に示す平面図である。
図2は、表示パネル10中の基板100の様子としても理解される。
【0050】
図2を参照すれば、表示パネル10は、表示領域DAと、表示領域DAの外側の非表示領域NDAとを含む。表示領域DAは、イメージを表示する部分であり、複数の画素Pが表示領域DAに配置されうる。
図2は、表示領域DAが丸いコーナーのほぼ長方形状を有することを示しているが、本発明はそれに限定されない。前述のように、表示領域DAは、例えば、N角形(Nは、3以上の自然数)、円形、楕円形などのように多様な形状を有することができる。
【0051】
画素Pそれぞれは、副画素(sub-pixel)を意味し、発光ダイオードED(
図3参照)のような表示要素を含んでもよい。画素Pは、例えば、赤色、緑色、青色または白色の光を放出してもよい。
【0052】
非表示領域NDAは、表示領域DAの外側に配置されもよい。非表示領域NDAには、画素Pを駆動するための外郭回路が配置されてもよい。非表示領域NDAには、第1スキャン駆動回路11、第2スキャン駆動回路12、発光制御駆動回路13、端子14、駆動電源供給配線15及び共通電源供給配線16が配置されてもよい。
【0053】
第1スキャン駆動回路11は、スキャン線GWを通じて、画素Pにスキャン信号を提供することができる。第2スキャン駆動回路12は、表示領域DAを挟んで、第1スキャン駆動回路11と並んで配置されてもよい。表示領域DAに配置された画素Pのうち一部は、第1スキャン駆動回路11と電気的に連結され、残りは、第2スキャン駆動回路12に連結される。必要に応じて、第2スキャン駆動回路12は省略し、表示領域DAに配置された画素Pは、いずれも第1スキャン駆動回路11に電気的に連結されてもよい。
【0054】
発光制御駆動回路13は、第1スキャン駆動回路11側に配置され、発光制御線EMを通じて、画素Pに発光制御信号を提供することができる。
図1では、発光制御駆動回路13が表示領域DAの一側にのみ配置されたことを示しているが、発光制御駆動回路13は、第1スキャン駆動回路11及び第2スキャン駆動回路12と同様に、表示領域DAの両側に配置されてもよい。
【0055】
駆動チップ20は、非表示領域NDAに配置されてもよい。駆動チップ20は、表示パネル10を駆動する集積回路を含んでもよい。そのような集積回路は、データ信号を生成するデータ駆動集積回路であるが、本発明がそれに限定されるものではない。
【0056】
端子14は、非表示領域NDAに配置されてもよい。端子14は、絶縁層によって覆われずに露出され、プリント回路基板30とも電気的に連結される。プリント回路基板30の端子34は、表示パネル10の端子14とも電気的に連結される。
【0057】
プリント回路基板30は、制御部(図示せず)の信号または電源を表示パネル10に伝達する。制御部で生成された制御信号は、プリント回路基板30を通じて駆動回路にそれぞれ伝達されてもよい。また、制御部は、駆動電源供給配線15に駆動電圧ELVDDを伝達し、共通電源供給配線16に共通電圧ELVSSを提供してもよい。駆動電圧ELVDDは、駆動電源供給配線15と連結された駆動電圧線PLを通じて、各画素Pに伝達され、共通電圧ELVSSは、共通電源供給配線16と連結された第1金属バンク層320(
図6参照)を通じて、画素Pの対向電極に伝達される。駆動電源供給配線15は、表示領域DAの下側で一方向(x軸方向)に延びた形状を有することができる。共通電源供給配線16は、一側が開放されたループ状を有し、表示領域DAを部分的に取り囲む形状を有する。
【0058】
一方、制御部は、データ信号を生成してもよく、生成されたデータ信号は、駆動チップ20を通じて、入力ラインILに伝達され、入力ラインILと連結されたデータ線DLを通じて、画素Pに伝達される。参考までに、「ライン」とは、「配線」の意味を意味してもよい。これは、後述する実施形態及びその変形例において同様である。
【0059】
図3及び
図4は、本発明の一実施形態による表示装置が含む一画素を概略的に示す等価回路図である。
【0060】
図3を参照すれば、発光ダイオードEDは、画素回路PCに電気的に連結され、画素回路PCは、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2及びストレージキャパシタCstを含んでもよい。
【0061】
第2トランジスタT2は、スキャン線GWを通じて入力されるスキャン信号Sgwによって、データ線DLを通じて入力されたデータ信号Dmを第1トランジスタT1に伝達する。
【0062】
ストレージキャパシタCstは、第2トランジスタT2及び駆動電圧線PLに連結され、第2トランジスタT2から伝達された電圧と、駆動電圧線PLに供給される駆動電圧ELVDDとの差に該当する電圧を保存する。
【0063】
第1トランジスタT1は、駆動電圧線PL及びストレージキャパシタCstに連結され、ストレージキャパシタCstに保存された電圧値に対応して、駆動電圧線PLから発光ダイオードEDに流れる駆動電流Idを制御することができる。発光ダイオードEDの対向電極(例えば、カソード)は、共通電圧ELVSSを供給されうる。発光ダイオードEDは、駆動電流Idにより、所定の輝度を有する光を放出することができる。
【0064】
図3は、画素回路PCが2つのトランジスタ及び1つのストレージ薄膜トランジスタを含む場合を説明しているが、本発明はそれに限定されない。
【0065】
図4を参照すれば、画素回路PCは、7個のトランジスタ及び2つのキャパシタを含むこともできる。
【0066】
画素回路PCは、第1ないし第7トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、ストレージキャパシタCst及びブーストキャパシタCbtを含むこともできる。他の実施形態として、画素回路PCは、ブーストキャパシタCbtを含まないのである。
【0067】
第1ないし第7トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7のうち一部はNMOS(n-channel MOSFET)であり、残りはPMOS(p-channel MOSFET)であってもよい。他の実施形態として、第3、第4及び第7トランジスタT3、T4、T7はNMOS(n-channel MOSFET)であり、残りはPMOS(p-channel MOSFET)であってもよい。
【0068】
第1ないし第7トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、ストレージキャパシタCst及びブーストキャパシタCbtは、信号線に連結されてもよい。信号線は、スキャン線GW、発光制御線EM、補償ゲート線GC、第1初期化ゲート線GI1、第2初期化ゲート線GI2及びデータ線DLを含んでもよい。画素回路PCは、電圧線、例えば、駆動電圧線PL、第1初期化電圧線VL1及び第2初期化電圧線VL2に電気的に連結されてもよい。
【0069】
第1トランジスタT1は、駆動トランジスタであってもよい。第1トランジスタT1の第1ゲート電極は、ストレージキャパシタCstと連結されており、第1トランジスタT1の第1電極は、第5トランジスタT5を経由して、駆動電圧線PLに電気的に連結され、第1トランジスタT1の第2電極は、第6トランジスタT6を経由して、発光ダイオードEDの画素電極(例えば、アノード)と電気的に連結される。第1トランジスタT1の第1電極及び第2電極のうち1つはソース電極であってもよく、他の1つはドレイン電極であってもよい。第1トランジスタT1は、第2トランジスタT2のスイッチング動作によって、発光ダイオードEDに駆動電流Idを供給してもよい。
【0070】
第2トランジスタT2は、スイッチングトランジスタであってもよい。第2トランジスタT2の第2ゲート電極は、スキャン線GWに連結されており、第2トランジスタT2の第1電極は、データ線DLに連結されており、第2トランジスタT2の第2電極は、第1トランジスタT1の第1電極に連結されており、かつ第5トランジスタT5を経由して、駆動電圧線PLに電気的に連結されている。第2トランジスタT2の第1電極及び第2電極のうち1つはソース電極であってもよく、他の1つはドレイン電極であってもよい。第2トランジスタT2は、スキャン線GWを通じて伝達されたスキャン信号Sgwによってターンオンされ、データ線DLに伝達されたデータ信号Dmを第1トランジスタT1の第1電極に伝達するスイッチング動作を行うことができる。
【0071】
第3トランジスタT3は、第1トランジスタT1の閾値電圧を補償する補償トランジスタであってもよい。第3トランジスタT3の第3ゲート電極は、補償ゲート線GCに連結されている。第3トランジスタT3の第1電極は、ノード連結線166を通じて、ストレージキャパシタCstの下部電極CE1及び第1トランジスタT1の第1ゲート電極に連結されている。第3トランジスタT3の第1電極は、第4トランジスタT4にも連結される。第3トランジスタT3の第2電極は、第1トランジスタT1の第2電極に連結されており、かつ第6トランジスタT6を経由して、発光ダイオードEDの画素電極(例えば、アノード)と電気的に連結されている。第3トランジスタT3の第1電極及び第2電極のうち1つはソース電極であってもよく、他の1つはドレイン電極であってもよい。
【0072】
第3トランジスタT3は、補償ゲート線GCを通じて伝達された補償信号Sgcによってターンオンされ、第1トランジスタT1の第1ゲート電極と第2電極(例えば、ドレイン電極)とを電気的に連結し、第1トランジスタT1をダイオード接続する。
【0073】
第4トランジスタT4は、第1トランジスタT1の第1ゲート電極を初期化する第1初期化トランジスタであってもよい。第4トランジスタT4の第4ゲート電極は、第1初期化ゲート線GI1に連結されている。第4トランジスタT4の第1電極は、第1初期化電圧線VL1に連結されている。第4トランジスタT4の第2電極は、ストレージキャパシタCstの下部電極CE1、第3トランジスタT3の第1電極、及び第1トランジスタT1の第1ゲート電極にも連結される。第4トランジスタT4の第1電極及び第2電極のうち1つはソース電極であってもよく、他の1つはドレイン電極であってもよい。第4トランジスタT4は、第1初期化ゲート線GI1を通じて伝達された第1初期化信号Sgi1によってターンオンされ、第1初期化電圧Vintを第1トランジスタT1の第1ゲート電極に伝達し、第1トランジスタT1の第1ゲート電極の電圧を初期化させる初期化動作を行うことができる。
【0074】
第5トランジスタT5は、動作制御トランジスタであってもよい。第5トランジスタT5の第5ゲート電極は、発光制御線EMに連結されており、第5トランジスタT5の第1電極は、駆動電圧線PLと連結されており、第5トランジスタT5の第2電極は、第1トランジスタT1の第1電極、及び第2トランジスタT2の第2電極と連結されている。第5トランジスタT5の第1電極及び第2電極のうち1つはソース電極であってもよく、他の1つはドレイン電極であってもよい。
【0075】
第6トランジスタT6は、発光制御トランジスタであってもよい。第6トランジスタT6の第6ゲート電極は、発光制御線EMに連結されており、第6トランジスタT6の第1電極は、第1トランジスタT1の第2電極、及び第3トランジスタT3の第2電極に連結されており、第6トランジスタT6の第2電極は、第7トランジスタT7の第2電極、及び発光ダイオードEDの画素電極(例えば、アノード)に電気的に連結されている。第6トランジスタT6の第1電極及び第2電極のうち1つはソース電極であってもよく、他の1つはドレイン電極であってもよい。
【0076】
第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6は、発光制御線EMを通じて伝達された発光制御信号Semによって同時にターンオンされ、駆動電圧ELVDDが発光ダイオードEDに伝達され、発光ダイオードEDに駆動電流Idが流れるようにする。
【0077】
第7トランジスタT7は、発光ダイオードEDの画素電極(例えば、アノード)を初期化する第2初期化トランジスタであってもよい。第7トランジスタT7の第7ゲート電極は、第2初期化ゲート線GI2に連結されている。第7トランジスタT7の第1電極は、第2初期化電圧線VL2に連結されている。第7トランジスタT7の第2電極は、第6トランジスタT6の第2電極、及び発光ダイオードEDの画素電極(例えば、アノード)に連結されている。第7トランジスタT7は、第2初期化ゲート線GI2を通じて伝達された第2初期化信号Sgi2によってターンオンされ、第2初期化電圧Vaintを発光ダイオードEDの画素電極(例えば、アノード)に伝達し、発光ダイオードEDの画素電極を初期化させることができる。
【0078】
一部実施形態として、第2初期化ゲート線GI2は、次のスキャン線として機能してもよい。例えば、i番目(iは、自然数)の行に配置された画素回路PCの第7トランジスタT7に連結された第2初期化ゲート線GI2は、(i+1)番目の行に配置された画素回路PCのスキャン線に対応してもよい。他の実施形態として、第2初期化ゲート線GI2は、発光制御線EMとして機能してもよい。例えば、発光制御線EMは、第5ないし第7トランジスタT5、T6、T7にも電気的に連結されてもよい。
【0079】
ストレージキャパシタCstは、下部電極CE1及び上部電極CE2を含んでもよい。ストレージキャパシタCstの下部電極CE1は、第1トランジスタT1の第1ゲート電極と連結され、ストレージキャパシタCstの上部電極CE2は、駆動電圧線PLと連結される。ストレージキャパシタCstは、第1トランジスタT1の第1ゲート電極の電圧と、駆動電圧ELVDDとの差に対応する電荷を保存することができる。
【0080】
ブーストキャパシタCbtは、第3電極CE3及び第4電極CE4を含んでもよい。第3電極CE3は、第2トランジスタT2の第2ゲート電極及びスキャン線GWに連結され、第4電極CE4は、第3トランジスタT3の第1電極及びノード連結線166に連結される。ブーストキャパシタCbtは、スキャン線GWに供給されるスキャン信号Sgwがターンオフされるとき、第1ノードN1の電圧を上昇させることができ、第1ノードN1の電圧が上昇すれば、ブラック階調を鮮明に表現することができる。
【0081】
第1ノードN1は、第1トランジスタT1の第1ゲート電極、第3トランジスタT3の第1電極、第4トランジスタT4の第2電極、及びブーストキャパシタCbtの第4電極CE4が連結される領域であってもよい。
【0082】
一実施形態として、
図4は、第3及び第4トランジスタT3、T4がNMOS(n-channel MOSFET)であり、第1、第2、第5ないし第7トランジスタT1、T2、T5、T6、T7がPMOS(p-channel MOSFET)であることを説明している。イメージを表示する表示装置の輝度に直接的に影響を及ぼす第1トランジスタT1の場合、高い信頼性を有する多結晶シリコンで構成された半導体層を含むように構成し、これにより、高解像度の表示装置を具現することができる。
【0083】
図5Aないし
図5Iは、本発明の一実施形態による表示装置の製造方法の一部段階を概略的に示す断面図である。
【0084】
図5Aを参照すれば、基板100上に画素回路PCが形成されてもよい。基板100は、ガラス材または高分子樹脂を含んでもよい。基板100は、高分子樹脂を含むベース層と、無機バリヤー層とが積層された構造を有することができる。高分子樹脂は、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート、セルローストリアセテート(TAC)、及びセルロースアセテートプロピオネート(CAP)を含んでいてもよい。
【0085】
バッファ層101は、基板100の上面上に配置されてもよい。バッファ層101は、不純物がトランジスタの半導体層に浸入することを防止することができる。バッファ層101は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物及びシリコン酸化物のような無機絶縁物を含んでもよく、前述の無機絶縁物を含む単層または多層であってもよい。
【0086】
画素回路PCは、バッファ層101上に配置されてもよい。画素回路PCは、
図3または
図4のように、複数のトランジスタ及びストレージキャパシタを含んでもよい。一実施形態として、
図5Aは、画素回路PCの第1トランジスタT1、第6トランジスタT6及びストレージキャパシタCstを示す。
【0087】
第1トランジスタT1は、バッファ層101上の第1半導体層A1、及び第1半導体層A1のチャネル領域と重畳する第1ゲート電極G1を含んでもよい。第1半導体層A1は、シリコン系半導体物質、例えば、ポリシリコンを含んでもよい。第1半導体層A1は、チャネル領域、並びにチャネル領域の両側に配置された第1領域及び第2領域を含む。第1領域及び第2領域は、チャネル領域より高濃度の不純物を含む領域であって、第1領域及び第2領域のうちいずれか1つは、ソース領域に該当し、他の1つは、ドレイン領域に該当することができる。
【0088】
第6トランジスタT6は、バッファ層101上の第6半導体層A6、及び第6半導体層A6のチャネル領域と重畳する第6ゲート電極G6を含んでもよい。第6半導体層A6は、シリコン系半導体物質、例えば、ポリシリコンを含んでもよい。第6半導体層A6は、チャネル領域、並びにチャネル領域の両側に配置された第1領域及び第2領域を含む。第1領域及び第2領域は、チャネル領域より高濃度の不純物を含む領域であって、第1領域及び第2領域のうちいずれか1つは、ソース領域に該当し、他の1つは、ドレイン領域に該当することができる。
【0089】
第1ゲート電極G1及び第6ゲート電極G6は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含む導電物質を含んでもよく、前述の物質を含む単層または多層の構造を有してもよい。第1ゲート電極G1及び第6ゲート電極G6の下には、第1半導体層A1及び第6半導体層A6との電気的絶縁のための第1ゲート絶縁層103が配置されてもよい。第1ゲート絶縁層103は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物及びシリコン酸化物のような無機絶縁物を含んでもよく、前述の無機絶縁物を含む単層または多層であってもよい。
【0090】
ストレージキャパシタCstは、互いに重畳する下部電極CE1及び上部電極CE2を含んでもよい。一実施形態として、ストレージキャパシタCstの下部電極CE1は、第1ゲート電極G1を含んでもよい。すなわち、第1ゲート電極G1は、ストレージキャパシタCstの下部電極CE1を含んでもよい。例えば、第1ゲート電極G1とストレージキャパシタCstの下部電極CE1とは一体的に形成されてもよい。
【0091】
ストレージキャパシタCstの下部電極CE1と上部電極CE2との間には、第1層間絶縁層105が配置されてもよい。第1層間絶縁層105は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような無機絶縁物を含んでもよく、前述の無機絶縁物を含む単層または多層の構造を有することができる。
【0092】
ストレージキャパシタCstの上部電極CE2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及び/またはチタン(Ti)のような低抵抗の導電物質を含んでもよく、前述の物質を含む単層または多層の構造を有することができる。
【0093】
ストレージキャパシタCst上には、第2層間絶縁層107が配置されてもよい。第2層間絶縁層107は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような無機絶縁物を含んでもよく、前述の無機絶縁物を含む単層または多層の構造を有することができる。
【0094】
第1トランジスタT1の第1半導体層A1に電気的に連結されたソース電極S1及び/またはドレイン電極D1は、第2層間絶縁層107上に配置されうる。第6トランジスタT6の第6半導体層A6に電気的に連結されたソース電極S6及び/またはドレイン電極D6は、第2層間絶縁層107上に配置されうる。ソース電極S1、S6及び/またはドレイン電極D1、D6は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及び/またはチタン(Ti)を含んでもよく、前述の物質を含む単層または多層であってもよい。
【0095】
第1有機絶縁層109は、画素回路PC上に配置されてもよい。第1有機絶縁層109は、アクリル、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミドまたはヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)などのような有機絶縁物を含んでもよい。
【0096】
接続メタルCMは、第1有機絶縁層109上に配置されてもよい。接続メタルCMは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及び/またはチタン(Ti)を含んでもよく、前述の物質を含む単層または多層であってもよい。
【0097】
第2有機絶縁層111は、接続メタルCMと画素電極210との間に配置されてもよい。第2有機絶縁層111は、アクリル、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミドまたはヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)などのような有機絶縁物を含んでもよい。
図5Aを参照して説明した実施形態によれば、画素回路PCと画素電極210とが接続メタルCMを通じて電気的に連結されたことを示しているが、他の実施形態によれば、接続メタルCMは省略し、画素回路PCと画素電極210との間に1層の有機絶縁層が位置することもできる。あるいは、画素回路PCと画素電極210との間に3層以上の有機絶縁層が位置することもでき、複数の接続メタルを通じて画素回路PCと画素電極210とが電気的に連結可能である。
【0098】
画素電極210は、第2有機絶縁層111上に形成されてもよい。画素電極210は、(半)透明電極であってもよく、反射電極であってもよい。画素電極210が(半)透明電極である場合、例えば、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO(zinc oxide)、In2O3(indium oxide)、IGO(indium gallium oxide)またはAZO(aluminium zinc oxide)で形成されてもよい。画素電極210が反射電極である場合には、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Crまたはそれらの化合物などで反射膜を形成し、その反射膜上に、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3で形成された膜を形成することができる。一実施形態として、画素電極210は、ITO層、Ag層及びITO層が順に積層された構造であってもよい。画素電極210は、第2有機絶縁層111のコンタクトホールを通じて、接続メタルCMにも電気的に連結されてもよい。
【0099】
画素電極210上には、電極保護層113が形成されてもよい。電極保護層113は、画素電極210と共にパターニングされてもよい。例えば、画素電極210及び電極保護層113は、同一マスクを利用して形成されてもよい。電極保護層113は、表示装置の製造工程に含まれた多様なエッチング工程またはアッシング工程などで使用される気体物質または液体物質などによる画素電極210の損傷を防止することができる。電極保護層113の厚みは、約500Åであってもよいが、本発明はそれに限定されない。電極保護層113は、画素電極210の損傷なしに選択的にエッチング可能な物質を含んでもよい。例えば、電極保護層113は、IZO及び/またはIGZO(indium gallium zinc oxide)のような導電性酸化物を含んでもよい。
【0100】
図5Bを参照すれば、画素電極210を覆うために、第1無機バンク層310、第1金属バンク層320、第2無機バンク層340及び第2金属バンク層350が順に形成されてもよい。
【0101】
第1無機バンク層310は、基板100上に全体として形成されてもよい。例えば、第1無機バンク層310は、画素電極210及び電極保護層113と重畳するが、画素電極210及び電極保護層113が存在しない第2有機絶縁層111の上面と直接接触することができる。第1無機バンク層310は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような無機絶縁物を含んでもよく、前述の無機絶縁物を含む単層または多層の構造を有することができる。
【0102】
第1金属バンク層320は、第1無機バンク層310上に全体として形成されてもよい。第1金属バンク層320は、互いに異なる金属を含む複数のサブ金属層を含むこともできる。これと関連し、
図5Bは、第1金属バンク層320が、第1サブ金属層323、第1サブ金属層323上に位置する第2サブ金属層325、及び第1サブ金属層323と第1無機バンク層310との間に位置する第3サブ金属層321を含むことを示している。一部実施形態において、第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323及び第2サブ金属層325を含み、第3サブ金属層321が省略可能である。
【0103】
第1サブ金属層323と第2サブ金属層325とは、エッチング選択性が互いに異なる金属を含んでもよい。例えば、第1サブ金属層323は、アルミニウム(Al)を含み、第2サブ金属層325及び第3サブ金属層321は、チタン(Ti)を含んでもよい。
【0104】
第2無機バンク層340は、第1金属バンク層320上に全体として形成されてもよい。第2無機バンク層340は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のような無機絶縁物を含んでもよく、前述の無機絶縁物を含む単層または多層の構造を有することができる。
【0105】
図5Bに示されたように、第2無機バンク層340と第1金属バンク層320との間には、第3無機バンク層330が位置してもよい。第3無機バンク層330は、表示装置の製造工程に含まれた多様なエッチング工程またはアッシング工程などで使用される気体物質または液体物質などによる第1金属バンク層320の損傷を防止することができる。第3無機バンク層330は、第1金属バンク層320の損傷なしに選択的にエッチング可能な物質を含んでもよい。例えば、第3無機バンク層330は、IZO及び/またはIGZOのような導電性酸化物を含んでもよい。一部実施形態において、第2無機バンク層340及び第3無機バンク層330のうちいずれか1層は省略可能である。
【0106】
第2金属バンク層350は、第2無機バンク層340上に全体として形成されうる。第2金属バンク層350は、互いに異なる金属を含む複数のサブ金属層を含むこともできる。これと関連し、
図5Bは、第2金属バンク層350が、第4サブ金属層353、第4サブ金属層353上に位置する第5サブ金属層355、及び第4サブ金属層353と第2無機バンク層340との間に位置する第6サブ金属層351を含むことを示している。一部実施形態において、第2金属バンク層350は、第4サブ金属層353及び第5サブ金属層355を含み、第6サブ金属層351が省略可能である。他の一部実施形態において、第2金属バンク層350は、単一の金属層で構成されることも可能である。
【0107】
第4サブ金属層353と第5サブ金属層355とは、エッチング選択性が互いに異なる金属を含んでもよい。例えば、第4サブ金属層353は、アルミニウム(Al)を含み、第5サブ金属層355及び第6サブ金属層351は、チタン(Ti)を含んでもよい。
【0108】
図5Cを参照すれば、第2金属バンク層350上に有機バンク層360が形成されてもよい。第1無機バンク層310、第1金属バンク層320、第3無機バンク層330、第2無機バンク層340、第2金属バンク層350及び有機バンク層360は、バンク層300を構成してもよい。
【0109】
有機バンク層360は、基板100の上面にほぼ垂直な方向から見るとき、画素電極210のエッジを覆い、画素電極210と重畳する開口が設けられていてもよい。有機バンク層360の開口を通じて、第2金属バンク層350の上面の一部が露出されてもよい。
【0110】
有機バンク層360は、黒色であってもよい。有機バンク層360は、光遮断物質を含んでもよく、黒色で提供されてもよい。光遮断物質は、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ブラック染料を含む樹脂またはペースト、金属粒子、例えば、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)及びその合金、金属酸化物粒子(例えば、クロム酸化物)、または金属窒化物粒子(例えば、クロム窒化物)などを含んでもよい。有機バンク層360が光遮断物質を含む場合、有機バンク層360の下部に配置された金属構造物による外郭反射を減らすことができる。
【0111】
有機バンク層360をマスクとして利用して、第2金属バンク層350の一部及び第2無機バンク層340の一部が除去されてもよい。例えば、
図5Cに示されたように、第5サブ金属層355の一部が除去され、第5サブ開口355OPが形成され、第4サブ金属層353の一部が除去され、第4サブ開口353OPが形成され、第6サブ金属層351の一部が除去され、第6サブ開口351OPが形成され、第2無機バンク層340の一部が除去され、第2バンク開口340OPが順に形成されてもよい。
【0112】
一実施形態として、第2金属バンク層350の一部及び第2無機バンク層340の一部は、ドライエッチング(dry etching)によって除去されてもよい。エッチング工程時、第3無機バンク層330は、その下の第1金属バンク層320を保護することができる。
【0113】
図5Dを参照すれば、第3無機バンク層330の一部が除去され、第3バンク開口330OPが形成されてもよい。第3無機バンク層330の一部は、ウェットエッチング(wet etching)によって除去されてもよい。
【0114】
図5Dでは、第3バンク開口330OPの幅が第2バンク開口340OPの幅と同一であることを示しているが、一部実施形態において、第3バンク開口330OPの幅が第2バンク開口340OPの幅より広く形成されることも可能である。その場合、第2無機バンク層340が、第3バンク開口330OPをなす第3無機バンク層330の側面から突出したアンダーカット(undercut)構造を形成することができる。
【0115】
一部実施形態において、第3無機バンク層330の一部を除去する前に、第4サブ金属層353の一部をウェットエッチングによって除去する工程をさらに含むこともできる。他の一部実施形態において、第3無機バンク層330の一部を除去し、第3バンク開口330OPを形成する工程において、第4サブ金属層353の一部が除去されてもよい。その場合、第4サブ開口353OPの幅(または、面積)が広くなり、第5サブ金属層355が、第4サブ開口353OPをなす第4サブ金属層353の側面から突出したアンダーカット構造が形成されてもよい。
【0116】
図5Eを参照すれば、有機バンク層360及び第3無機バンク層330をマスクとして利用して、第1金属バンク層320の一部及び第1無機バンク層310の一部が除去されてもよい。例えば、第2サブ金属層325の一部が除去され、第2サブ開口325OPが形成され、第1サブ金属層323の一部が除去され、第1サブ開口323OPが形成され、第3サブ金属層321の一部が除去され、第3サブ開口321OPが形成され、第1無機バンク層310の一部が除去され、第1バンク開口310OPが順に形成されてもよい。第1無機バンク層310の第1バンク開口310OPは、画素電極210の中央部と重畳してもよく、第1無機バンク層310は、画素電極210のエッジと重畳してもよい。
【0117】
一実施形態として、第1金属バンク層320の一部及び第1無機バンク層310の一部は、ドライエッチングによっても除去されてもよい。エッチング工程時、電極保護層113は、その下の画素電極210を保護してもよい。
【0118】
前述のように、一部実施形態において、バンク層300は、第3無機バンク層330を含まなくてもよい。その場合、第3無機バンク層330を除去するためのウェットエッチング工程が省略され、連続したドライエッチング工程により、第2金属バンク層350の一部、第2無機バンク層340の一部、第1金属バンク層320の一部、及び第1無機バンク層310の一部が除去されてもよい。
【0119】
図5Fを参照すれば、電極保護層113の少なくとも一部が除去され、画素電極210の上面が露出されうる。電極保護層113の少なくとも一部は、ウェットエッチングによっても除去される。
【0120】
一部実施形態において、第1無機バンク層310と画素電極210との間に介在された電極保護層113の一部は、ウェットエッチングによって除去されずに残存してもよい。したがって、電極保護層113及び第1無機バンク層310は、画素電極210のエッジと重畳し、画素電極210、第1金属バンク層320、及び後述する発光ダイオードの対向電極の間の距離を増加させることにより、それら間でアーク(arc)などの発生を防止することができる。
【0121】
他の一部実施形態において、電極保護層113は、完全に除去されてもよい。その場合、画素電極210と第1無機バンク層310との間に電極保護層113が除去されて形成される溝は、空いていてもよく、あるいは後述する中間層によって満たされていてもよい。
【0122】
一部実施形態において、電極保護層113の少なくとも一部を除去する工程において、第3無機バンク層330の一部が除去されうる。その場合、第3バンク開口330OPの幅(または、面積)が広くなる。
【0123】
一部実施形態において、電極保護層113の少なくとも一部を除去する工程において、第1サブ金属層323及び/または第4サブ金属層353の一部が除去されてもよい。その場合、第1サブ開口323OPの幅(または、面積)及び/または第4サブ開口353OPの幅(または、面積)が広くなる。
【0124】
前述の工程により、バンク層300に、第2金属バンク層350、第2無機バンク層340、第3無機バンク層330、第1金属バンク層320及び第1無機バンク層310を貫通する画素開口OPが設けられてもよい。すなわち、画素開口OPを通じて、画素電極210の上面がバンク層300から露出されてもよい。
【0125】
図5Gを参照すれば、第1サブ金属層323の一部、第3無機バンク層330の一部、及び第4サブ金属層353の一部は、ウェットエッチングによって除去されてもよい。例えば、第1サブ金属層323の一部をさらに除去し、第1サブ開口323OPの幅(または、面積)が、第2サブ金属層325の第2サブ開口325OPの幅(または、面積)よりも広くなる。したがって、第2サブ金属層325が第1サブ開口323OPをなす第1サブ金属層323の側面から突出して、第1チップPT1を形成することができる。
【0126】
第3無機バンク層330の一部をさらに除去し、第3バンク開口330OPの幅(または、面積)が、第2無機バンク層340の第2バンク開口340OPの幅(または、面積)よりも広くなる。したがって、第2無機バンク層340が第3バンク開口330OPをなす第3無機バンク層330の側面から突出して、第2チップPT2を形成することができる。
【0127】
第4サブ金属層353の一部をさらに除去し、第4サブ開口353OPの幅(または、面積)が、第5サブ金属層355の第5サブ開口355OPの幅(または、面積)よりも広くなる。したがって、第5サブ金属層355が第4サブ開口353OPをなす第4サブ金属層353の側面から突出して、第3チップPT3を形成することができる。
【0128】
第1サブ金属層323、第3無機バンク層330及び第4サブ金属層353のエッチング選択性が互いに異なっているので、ウェットエッチングによって除去される量が互いに異なっていてもよい。
【0129】
一部実施形態において、有機バンク層360は除去されてもよい。
図5Hないし
図5Iでは、有機バンク層360が除去されずに存在する場合を示している。以下、有機バンク層360が存在する場合を中心に説明する。
【0130】
図5Hを参照すれば、
図5Gを参照して説明した構造上に、画素電極210と重畳するように、中間層220及び対向電極230を形成することができる。画素電極210、中間層220及び対向電極230の積層構造は、発光ダイオードEDに該当する。一部実施形態において、中間層220は、熱蒸着法のような蒸着方式によっても形成される。一部実施形態において、対向電極230は、熱蒸着法またはスパッタリング法のような蒸着方式によっても形成される。
【0131】
中間層220は、所定の色相(赤色、緑色または青色)の光を放出する発光層を含む。発光層は、高分子または低分子有機物を含んでもよい。他の実施形態として、発光層は、無機物または量子ドットを含んでもよい。
【0132】
中間層220は、画素電極210と発光層との間に介在される第1共通層、及び/または発光層と対向電極230との間に介在される第2共通層を含む。第1共通層は、ホール輸送層(HTL: Hole Transport Layer)及び/またはホール注入層(HIL: Hole Injection Layer)を含む。第2共通層は、電子輸送層(ETL: Electron Transport Layer)及び/または電子注入層(EIL: Electron Injection Layer)を含む。第1共通層及び第2共通層は、有機物を含んでもよい。
【0133】
中間層220は、単一の発光層を含む単一スタック構造を有してもよく、複数の発光層を含むマルチスタック構造であるタンデム構造を有してもよい。タンデム構造を有する場合、複数のスタック間には、電荷生成層(CGL: Charge Generation Layer)が配置されてもよい。
【0134】
中間層220は、基板100上に全体として形成されてもよい。例えば、中間層220は、別途のマスクなしに蒸着され、中間層220を形成するための蒸着物質は、バンク層300の上面、第1チップPT1の上面と側面、及び第2チップPT2の上面と側面に、ダミー中間層220bを形成することができる。中間層220とダミー中間層220bとは、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3により、互いに分離及び離隔されてもよい。中間層220とダミー中間層220bとは、同一物質及び/または同一層数のサブ層(例えば、第1共通層、発光層、第2共通層)を含むこともできる。
【0135】
対向電極230は、仕事関数が低い導電性物質を含んでもよい。例えば、対向電極230は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロミウム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)またはそれらの合金などを含む(半)透明層を含んでもよい。あるいは、対向電極230は、前述の物質を含む(半)透明層上に、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3のような層をさらに含むこともできる。
【0136】
対向電極230は、基板100上に全体として形成されてもよい。例えば、対向電極230は、別途のマスクなしに蒸着され、対向電極230を形成するための蒸着物質は、バンク層300の上面、第1チップPT1の上面と側面、及び第2チップPT2の上面と側面に、ダミー対向電極230bを形成することができる。対向電極230とダミー対向電極230bとは、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3により、互いに分離及び離隔されうる。対向電極230とダミー対向電極230bとは、同一物質及び/または同一層数のサブ層を含むこともできる。
【0137】
一部実施形態において、中間層220は、熱蒸着工程を利用して形成され、対向電極230は、スパッタリング工程を利用して形成されうる。対向電極230を形成するための蒸着物質の入射方向は、基板100に垂直な方向を基準として、中間層220を形成するための蒸着物質が入射する方向よりも傾いている。対向電極230が蒸着される面積は、中間層220が蒸着される面積よりも広い。したがって、対向電極230は、第1金属バンク層320の側面に直接接触することができる。例えば、
図5Hに示されたように、対向電極230は、中間層220によってカバーされる領域を超えて、第1サブ金属層323の側面に直接接触することができる。
【0138】
一部実施形態において、蒸着工程時、対向電極230を形成するための蒸着物質の入射方向と斜めに基板100を傾けて、対向電極230が第1金属バンク層320の側面に接触する領域を増加させることができる。
【0139】
前述のように、第1金属バンク層320は、共通電源供給配線16(
図2参照)と電気的に連結されるので、対向電極230は、第1金属バンク層320を通じて、共通電圧ELVSSを伝達されうる。
【0140】
図5Hには示されていないが、対向電極230上には、キャッピング層(図示せず)が配置されてもよい。キャッピング層は、対向電極230を保護すると共に、光取出効率を高めるために設けられた層であってもよい。キャッピング層の屈折率は、対向電極230の屈折率よりも高い。あるいは、キャッピング層は、屈折率が互いに異なる層が積層されて設けられてもよい。例えば、キャッピング層の屈折率は、約1.7ないし約1.9であってもよい。キャッピング層は、有機物質を含み、LiFをさらに含んでもよい。
【0141】
図5Iを参照すれば、対向電極230上に、無機封止層510、平坦化層520及び保護層530を含む封止層500が形成されてもよい。
【0142】
無機封止層510は、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、タンタル酸化物、ハフニウム酸化物、亜鉛酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物のうち1以上の無機物を含んでもよく、化学気相蒸着法のような方式によって蒸着されてもよい。無機封止層510は、前述の物質を含む単層または多層であってもよい。
【0143】
無機封止層510は、相対的に優れたステップカバレッジ(step coverage)を有するので、第1チップPT1の下面の少なくとも一部、第2チップPT2の下面の少なくとも一部、及び第3チップPT3の下面の少なくとも一部をカバーすることができる。例えば、
図5Iに示されたように、無機封止層510は、ダミー対向電極230bの上面と側面、第3チップPT3の下面、画素開口OPをなす第4サブ金属層353の側面、第2チップPT2の下面、画素開口OPをなす第3無機バンク層330の側面、第1チップPT1の下面、画素開口OPをなす第1サブ金属層323の側面、及び対向電極230の上面を連続してカバーすることができる。
【0144】
無機封止層510は、第1チップPT1の下面、第2チップPT2の下面、及び第3チップPT3の下面と直接接触し、無機接触領域を形成することができる。無機接触領域は、1つの発光ダイオードEDを完全に取り囲む閉ループを形成し、水分及び/または空気のような不純物が浸入する経路を減少または遮断することができる。また、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3の凹凸により、無機封止層510の接着力が向上しうる。
【0145】
無機封止層510上に、平坦化層520が形成されうる。平坦化層520は、バンク層300の画素開口OPを埋め込み、平坦化層520の上部に配置される構成要素に平坦なベース面を提供することができる。平坦化層520は、ポリマー(polymer)系物質を含んでもよい。ポリマー系物質は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド、ポリエチレンなどを含んでもよい。
【0146】
一部実施形態において、平坦化層520の屈折率は、無機封止層510の屈折率よりも高い。例えば、平坦化層520の屈折率は、約1.6以上であってもよい。平坦化層520の屈折率は、約1.6ないし約1.9であってもよい。平坦化層520は、高屈折率化のための分散粒子をさらに含んでもよい。例えば、平坦化層520には、酸化亜鉛(ZnOx)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、チタン酸バリウム(BaTiO3)などの金属酸化物粒子が分散されてもよい。
【0147】
平坦化層520上には、保護層530が配置されてもよい。保護層530は、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、タンタル酸化物、ハフニウム酸化物、亜鉛酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物のうち1以上の無機物を含んでもよい。保護層530は、以後の工程において平坦化層520の損傷を防止することができる。一実施形態において、保護層530の屈折率は、平坦化層520の屈折率よりも低い。
【0148】
図6は、本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
図6は、バンク層300の構造をより詳細に説明するために、
図5Iの表示装置のA領域を拡大して示している。
【0149】
図6を参照すれば、バンク層300は、第1無機バンク層310、第1金属バンク層320、第3無機バンク層330、第2無機バンク層340、第2金属バンク層350及び有機バンク層360を含んでもよく、画素電極210と重畳する画素開口OPが設けられていてもよい。
【0150】
第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323及び第1サブ金属層323上に位置する第2サブ金属層325を含んでもよい。第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323と第1無機バンク層310との間に介在される第3サブ金属層321をさらに含んでもよい。第2サブ金属層325の一部は、画素開口OPをなす第1サブ金属層323の側面から突出した第1チップPT1を形成することができる。すなわち、第2サブ金属層325は、第1チップPT1を有してもよい。
【0151】
第2無機バンク層340の一部は、画素開口OPをなす第3無機バンク層330の側面から突出した第2チップPT2を形成してもよい。すなわち、第2無機バンク層340は、第2チップPT2を有してもよい。
【0152】
第2金属バンク層350は、第4サブ金属層353及び第4サブ金属層353上に位置する第5サブ金属層355を含んでもよい。第2金属バンク層350は、第2無機バンク層340と第4サブ金属層353との間に介在される第6サブ金属層351をさらに含んでもよい。第5サブ金属層355の一部は、画素開口OPをなす第4サブ金属層353の側面から突出した第3チップPT3を形成することができる。すなわち、第5サブ金属層355は、第3チップPT3を有することができる。
【0153】
第1チップPT1の突出長d1、第2チップPT2の突出長d2、及び第3チップPT3の突出長d3は、互いに同一であっても、互いに異なっていてもよい。第1チップPT1の突出長d1は、約2μm以下であってもよい。一部実施形態において、第1チップPT1の長さは、約0.3μmないし約1μm、または約0.3μmないし約0.7μmであってもよい。
図6は、第2チップPT2の突出長d2が、第1チップPT1の突出長d1及び第3チップPT3の突出長d3より長いことを示しているが、本発明がそれに限定されるものではない。
【0154】
一部実施形態において、前述のように、第3無機バンク層330をウェットエッチングによって除去する工程時、第4サブ金属層353の一部が共に除去され、第1チップPT1の突出長d1は、第3チップPT3の突出長d3よりも短い。他の一部実施形態において、第1サブ金属層323の厚み323tと、第4サブ金属層353の厚み353tとが互いに異なってもいる。その場合、同一物質を含むとしても、エッチング物質に露出される面積の差により、エッチング速度が互いに異なってもいる。例えば、第1サブ金属層323の厚み323tが第4サブ金属層353の厚み353tより薄い場合、第1チップPT1の突出長d1は、第3チップPT3の突出長d3よりも短い。同様に、第3無機バンク層330の厚み330tを調節し、第2チップPT2の突出長d2を決定することができる。
【0155】
バンク層300を貫通する画素開口OPを通じて、中間層220及び対向電極230が画素電極210と重畳して形成されうる。中間層220及び対向電極230は、基板100に対して全体として形成されるので、バンク層300の上面、第2チップPT2の上面と側面、第1チップPT1の上面と側面には、ダミー中間層220b及びダミー対向電極230bが形成されうる。中間層220は、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3により、ダミー中間層220bと互いに分離及び離隔されうる。同様に、対向電極230は、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3により、ダミー対向電極230bと互いに分離及び離隔されうる。
【0156】
対向電極230を形成する蒸着物質の入射角度は、中間層220を形成する蒸着物質の入射角度より大きいので、対向電極230は、第1チップPT1によってカバーされる領域に延び、第1金属バンク層320と直接接触することができる。例えば、
図6に示されたように、中間層220と重畳しない、第3サブ金属層321の上面及び第1サブ金属層323の側面に対向電極230が延び、対向電極230と第1金属バンク層320とが直接接触するコンタクト部230CNTを形成することができる。
【0157】
無機封止層510は、対向電極230及びダミー対向電極230b上に全体として形成されてもよい。無機封止層510は、相対的に優れたステップカバレッジを有するので、第1チップPT1の下面の少なくとも一部、第2チップPT2の下面の少なくとも一部、及び第3チップPT3の下面の少なくとも一部をカバーすることができる。無機封止層510は、第1チップPT1の下面、第2チップPT2の下面、及び第3チップPT3の下面と直接接触し、無機接触領域を形成することができる。
【0158】
無機封止層510上に平坦化層520が形成されてもよい。平坦化層520は、バンク層300の画素開口OPの少なくとも一部を埋め込み、平坦化層520の上部に配置される構成要素に平坦なベース面を提供することができる。
【0159】
一部実施形態において、平坦化層520の屈折率は、無機封止層510の屈折率よりも高い。その場合、発光ダイオードEDの中間層220から放出された光は、基板100の上面に垂直な方向(z軸方向)と斜めな方向に沿って進めていて、無機封止層510と平坦化層520との界面で屈折され、基板100の上面に垂直な方向(z軸方向)に沿って進めることができる。したがって、表示装置の光出力効率、例えば、正面光出力効率を向上させることができる。
【0160】
平坦化層520上には、保護層530が位置しうる。
図6に示されたように、平坦化層520は、画素開口OPに対応してパターニングされうる。例えば、平坦化層520は、画素開口OPの内側にのみ位置し、バンク層300の上面の少なくとも一部と重畳しないのである。その場合、バンク層300の上面で、無機封止層510は、保護層530と直接接触し、無機接触領域を形成することができる。したがって、保護層530の一部分にクラックなどが生じる場合にも、平坦化層520を通じて、水分及び/または空気のような不純物が周辺画素に伝播されることを防止することができる。
【0161】
図7は、本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
【0162】
図7を参照すれば、基板100は、第1ないし第3画素領域PA1、PA2、PA3、及び隣接する画素領域間の非画素領域NPAを含んでもよい。
【0163】
第1発光ダイオードED1、第2発光ダイオードED2及び第3発光ダイオードED3は、基板100上に離隔されて配置されうる。第1発光ダイオードED1は、第1画素領域PA1に配置され、第2発光ダイオードED2は、第2画素領域PA2に配置され、第3発光ダイオードED3は、第3画素領域PA3に配置される。
【0164】
基板100と、第1発光ダイオードED1、第2発光ダイオードED2及び第3発光ダイオードED3との間には、第1画素回路PC1、第2画素回路PC2及び第3画素回路PC3が配置されうる。第1画素回路PC1、第2画素回路PC2及び第3画素回路PC3は、それぞれ
図5Aを参照して説明したようなトランジスタ及びストレージキャパシタを含んでもよい。
【0165】
第1発光ダイオードED1は、第1画素回路PC1にも電気的に連結される。例えば、第1発光ダイオードED1は、第1画素電極211、第1中間層221及び第1対向電極231の積層構造を有し、第1画素電極211は、第1画素回路PC1とも電気的に連結される。
【0166】
第2発光ダイオードED2は、第2画素回路PC2にも電気的に連結される。第2発光ダイオードED2は、第2画素電極212、第2中間層222及び第2対向電極232の積層構造を有し、第2画素電極212は、第2画素回路PC2とも電気的に連結される。
【0167】
第3発光ダイオードED3は、第3画素回路PC3にも電気的に連結される。第3発光ダイオードED3は、第3画素電極213、第3中間層223及び第3対向電極233の積層構造を有し、第3画素電極213は、第3画素回路PC3とも電気的に連結される。
【0168】
第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、それぞれ
図5Hを参照して説明したように、発光層、第1共通層及び/または第2共通層を含み、具体的な構造及び物質は、前述の通りである。第1中間層221の発光層、第2中間層222の発光層、及び第3中間層223の発光層は、互いに異なる色の光を放出することができる。
【0169】
第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213それぞれは、内側部分及び内側部分を取り囲む外側部分を含む。本明細書において、「画素電極の外側部分(または、周辺部分)」とは、「画素電極のエッジを含む画素電極の一部分」を示し、「画素電極の内側部分」とは、前述の外側部分(または、周辺部分)によって取り囲まれた画素領域の他の部分を示す。
【0170】
第1画素電極211の内側部分上には、第1中間層221が接触し、第1中間層221上には、第1対向電極231が積層されうる。第1画素電極211の外側部分上には、第1無機バンク層310が配置されうる。第1無機バンク層310は、第1画素電極211の外側部分と重畳し、第1画素電極211のエッジをカバーするように、第2有機絶縁層111上に延びる。
【0171】
同様に、第2画素電極212の内側部分上には、第2中間層222が接触し、第2中間層222上には、第2対向電極232が積層されうる。第2画素電極212の外側部分上には、第1無機バンク層310が配置されうる。第3画素電極213の内側部分上には、第3中間層223が接触し、第3中間層223上には、第3対向電極233が積層されうる。第3画素電極213の外側部分上には、第1無機バンク層310が配置されうる。
【0172】
第1画素電極211と第1無機バンク層310との間、第2画素電極212と第1無機バンク層310との間、及び第3画素電極213と第1無機バンク層310との間には、電極保護層113が配置されうる。
【0173】
バンク層300は、第1無機バンク層310、第1金属バンク層320、第3無機バンク層330、第2無機バンク層340、第2金属バンク層350及び有機バンク層360を含んでもよい。第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323、第2サブ金属層325及び第3サブ金属層321を含むこともできる。一部実施形態において、第3サブ金属層321は省略可能である。第2金属バンク層350は、第4サブ金属層353、第5サブ金属層355及び第6サブ金属層351を含むこともできる。一部実施形態において、第5サブ金属層355及び/または第6サブ金属層351は省略可能である。
【0174】
バンク層300は、第1画素電極211に重畳する第1画素開口OP1、第2画素電極212に重畳する第2画素開口OP2、及び第3画素電極213に重畳する第3画素開口OP3を有することができる。バンク層300の第1画素開口OP1、第2画素開口OP2及び第3画素開口OP3は、それぞれ
図5Fないし
図5Iを参照して説明した画素開口OP(
図5F)と同一構造を有する。
【0175】
第1画素開口OP1、第2画素開口OP2及び第3画素開口OP3それぞれは、バンク層300の上面から底面を貫通し、内側に突出した複数のチップを有することができる。例えば、第2サブ金属層325は、第1画素開口OP1、第2画素開口OP2及び第3画素開口OP3それぞれをなす第1サブ金属層323の側面から突出した第1チップPT1を有することができる。第2無機バンク層340は、第1画素開口OP1、第2画素開口OP2及び第3画素開口OP3それぞれをなす第3無機バンク層330の側面から突出した第2チップPT2を有することができる。第5サブ金属層355は、第1画素開口OP1、第2画素開口OP2及び第3画素開口OP3それぞれをなす第4サブ金属層353の側面から突出した第3チップPT3を有することができる。一部実施形態において、第2チップPT2または第3チップPT3が省略可能である。
【0176】
本発明の一実施形態による表示装置は、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223、並びに第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233を形成するとき、別途のマスクを使用せずに蒸着することができる。したがって、バンク層300上に、第1ダミー中間層221b、第2ダミー中間層222b及び第3ダミー中間層223b、並びに第1ダミー対向電極231b、第2ダミー対向電極232b及び第3ダミー対向電極233bが位置しうる。
【0177】
第1ダミー中間層221bは、第1中間層221と同一物質及び/または同一層数のサブ層を含む。第2ダミー中間層222bは、第2中間層222と同一物質及び/または同一層数のサブ層を含む。第3ダミー中間層223bは、第3中間層223と同一物質及び/または同一層数のサブ層を含む。
【0178】
第1ダミー対向電極231bは、第1対向電極231と同一物質及び/または同一層数のサブ層を含む。第2ダミー対向電極232bは、第2対向電極232と同一物質及び/または同一層数のサブ層を含む。第3ダミー対向電極233bは、第3対向電極233と同一物質及び/または同一層数のサブ層を含む。
【0179】
図7は、第1ダミー中間層221b、第2ダミー中間層222b及び第3ダミー中間層223bが互いに重畳せず、第1ダミー対向電極231b、第2ダミー対向電極232b及び第3ダミー対向電極233bが互いに重畳しないことを示しているが、それに限定されるものではない。一部実施形態において、非画素領域NPAにおいて、第1ダミー中間層221b、第1ダミー対向電極231b、第2ダミー中間層222b、第2ダミー対向電極232b、第3ダミー中間層223b及び第3ダミー対向電極233bの一部が重畳して積層構造をなすこともできる。
【0180】
第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223それぞれは、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3により、第1ダミー中間層221b、第2ダミー中間層222b及び第3ダミー中間層223bとも互いに分離される。第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233それぞれは、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3により、第1ダミー対向電極231b、第2ダミー対向電極232b及び第3ダミー対向電極233bとも互いに分離される。
【0181】
したがって、第1中間層221及び第1対向電極231は、第1画素開口OP1内で第1画素電極211に重畳するアイランド状を有することができる。第2中間層222及び第2対向電極232は、第2画素開口OP2内で第2画素電極212に重畳するアイランド状を有することができる。第3中間層223及び第3対向電極233は、第3画素開口OP3内で第3画素電極213に重畳するアイランド状を有することができる。
【0182】
第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233それぞれは、第1金属バンク層320と直接接触することができる。すなわち、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、第1金属バンク層320とも電気的に連結される。これと関連し、
図7は、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233が第1サブ金属層323及び第3サブ金属層321と直接接触することを示している。
【0183】
第1金属バンク層320は、共通電源供給配線16(
図2参照)とも電気的に連結される。したがって、第1金属バンク層320を通じて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233に共通電圧ELVSSが伝達されうる。
【0184】
無機封止層510は、第1チップPT1の下面、第2チップPT2の下面、及び第3チップPT3の下面と直接接触し、無機接触領域を形成することができる。無機封止層510は、第1発光ダイオードED1、第2発光ダイオードED2及び第3発光ダイオードED3それぞれを完全に取り囲む閉ループを形成し、水分及び/または空気のような不純物が浸入する経路を減少または遮断することができる。また、第1チップPT1、第2チップPT2及び第3チップPT3の凹凸により、無機封止層510の接着力が向上しうる。
【0185】
無機封止層510上に平坦化層520が形成されうる。平坦化層520は、バンク層300の第1画素開口OP1、第2画素開口OP2及び第3画素開口OP3を埋め込み、平坦化層520の上部に配置される構成要素に平坦なベース面を提供することができる。
【0186】
平坦化層520上に保護層530が形成されうる。保護層530は、基板100上に全体として形成されうる。
図7に示されたように、平坦化層520は、第1画素開口OP1、第2画素開口OP2及び第3画素開口OP3それぞれに対応してパターニングされうる。その場合、保護層530の一部にクラックなどが生じる場合にも、平坦化層520を通じて、水分及び/または空気のような不純物が周辺画素に伝播されることを防止することができる。
【0187】
図8ないし
図11は、本発明の実施形態による表示装置を概略的に示す断面図である。
図8ないし
図11は、
図5Iで説明した表示装置の構造と類似しているが、一部差が存在するところ、以下、同一のまたは類似の構成要素に係わる説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0188】
図8の表示装置は、
図5Iを参照して説明した構造と類似しているが、第3無機バンク層330(
図5I参照)が省略した点において差がある。
図8を参照すれば、バンク層300は、第1無機バンク層310、第1金属バンク層320、第2無機バンク層340、第2金属バンク層350及び有機バンク層360を含んでもよい。
【0189】
第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323及び第1サブ金属層323上に位置する第2サブ金属層325を含むこともできる。第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323と第1無機バンク層310との間に介在される第2サブ金属層325をさらに含んでもよい。第2サブ金属層325の一部は、画素開口OPをなす第1サブ金属層323の側面から突出した第1チップPT1を形成することができる。すなわち、第2サブ金属層325は、第1チップPT1を有することができる。
【0190】
第2金属バンク層350は、第4サブ金属層353及び第4サブ金属層353上に位置する第5サブ金属層355を含むこともできる。第2金属バンク層350は、第2無機バンク層340と第4サブ金属層353との間に介在される第6サブ金属層351をさらに含んでもよい。第5サブ金属層355の一部は、画素開口OPをなす第4サブ金属層353の側面から突出した第3チップPT3を形成することができる。すなわち、第5サブ金属層355は、第3チップPT3を有することができる。
【0191】
第2無機バンク層340は、第1金属バンク層320と第2金属バンク層350との間に介在され、第1チップPT1の上部支持層として機能することができる。第2金属バンク層350が第6サブ金属層351を含む場合、第2無機バンク層340は、第6サブ金属層351の下部支持層として機能することができる。
【0192】
中間層220とダミー中間層220bとは、第1チップPT1及び第3チップPT3により、互いに分離及び離隔されうる。対向電極230とダミー対向電極230bとは、第1チップPT1及び第3チップPT3により、互いに分離及び離隔されうる。無機封止層510は、第1チップPT1の下面及び第3チップPT3の下面と直接接触し、無機接触領域を形成することができる。
【0193】
図9の表示装置は、
図5Iを参照して説明した構造と類似しているが、第3無機バンク層330(
図5I参照)が省略し、第2金属バンク層350が単層に形成された点において差がある。
図9を参照すれば、バンク層300は、第1無機バンク層310、第1金属バンク層320、第2無機バンク層340、第2金属バンク層350及び有機バンク層360を含んでもよい。
【0194】
第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323及び第1サブ金属層323上に位置する第2サブ金属層325を含むこともできる。第1金属バンク層320は、第1サブ金属層323と第1無機バンク層310との間に介在される第2サブ金属層325をさらに含んでもよい。第2サブ金属層325の一部は、画素開口OPをなす第1サブ金属層323の側面から突出した第1チップPT1を形成することができる。すなわち、第2サブ金属層325は、第1チップPT1を有することができる。
【0195】
第2金属バンク層350は、単一の金属層にも形成される。第2金属バンク層350は、第1サブ金属層323とエッチング選択性が異なる金属を含んでもよい。例えば、第1サブ金属層323は、アルミニウム(Al)を含み、第2金属バンク層350は、チタン(Ti)を含んでもよい。
【0196】
第2無機バンク層340は、選択的にエッチングされうる。したがって、第2金属バンク層350の一部は、画素開口OPをなす第2無機バンク層340の側面から突出した第2チップPT2を形成することができる。すなわち、第2金属バンク層350は、第2チップPT2を有することができる。
【0197】
中間層220とダミー中間層220bとは、第1チップPT1及び第2チップPT2により、互いに分離及び離隔されうる。対向電極230とダミー対向電極230bとは、第1チップPT1及び第2チップPT2により、互いに分離及び離隔されうる。無機封止層510は、第1チップPT1の下面、及び第2チップPT2の下面と直接接触し、無機接触領域を形成することができる。
【0198】
図10の表示装置は、
図5Iを参照して説明した構造と類似しているが、平坦化層520が画素開口OPに対応してパターニングされず、基板100上に全体として塗布された点において差がある。
【0199】
図10を参照すれば、無機封止層510上に平坦化層520が配置されてもよい。例えば、平坦化層520は、基板100上に全体として塗布されて形成されてもよい。平坦化層520の上面は、バンク層300上に位置する無機封止層510の上面より高く位置してもよい。したがって、平坦化層520は、バンク層300と重畳することができる。平坦化層520は、バンク層300を全体としてカバーするので、平坦化層520の上部に配置される構成要素に、より平坦なベース面を提供することができる。
【0200】
一部実施形態において、平坦化層520の屈折率は、無機封止層510の屈折率よりも高い。例えば、平坦化層520の屈折率は、約1.6以上であってもよい。平坦化層520の屈折率は、約1.6ないし約1.9であってもよい。
【0201】
平坦化層520上には、保護層530が配置されてもよい。
【0202】
図11の表示装置は、
図5Iを参照して説明した構造と類似しているが、有機バンク層360(
図5I参照)が除去され、反射調節層600をさらに含む点において差がある。
【0203】
図11を参照すれば、画素開口OPが形成された以後に、有機バンク層360(
図5I参照)を除去することができる。例えば、バンク層300は、第1無機バンク層310、第1金属バンク層320、第3無機バンク層330、第2無機バンク層340及び第2金属バンク層350を含んでもよい。
【0204】
バンク層300が有機物質を含まないので、表示装置の製造工程中に意図しない不純物などがバンク層300を通じて移動することを防止することができる。また、有機物質から発生するガスなどにより、画素に不良が生じることを防止することができる。
【0205】
保護層530上には、遮光層610、カラーフィルタ層620及びオーバーコート層630を含む反射調節層600が配置されてもよい。反射調節層600は、外部から表示装置に入射する光(外光)の反射率を減少させることができる。
【0206】
遮光層610には、画素開口OPに対応するフィルタ開口が設けられてもよい。遮光層610は、ブラック顔料を含んでもよい。遮光層610は、ブラックマトリックスであってもよい。したがって、バンク層300の上面をカバーし、第2金属バンク層350に入射する光が反射されることを遮断または減少させることができる。
【0207】
カラーフィルタ層620は、その下部に配置される中間層220に対応するように、遮光層610のフィルタ開口内に配置されてもよい。カラーフィルタ層620は、中間層220が発光する光を選択的に透過させることができる。例えば、中間層220が赤色光を発光するとき、カラーフィルタ層620は、赤色光を選択的に透過する赤色カラーフィルタであってもよい。中間層220が青色光を発光するとき、カラーフィルタ層620は、青色光を選択的に透過する青色カラーフィルタであってもよい。中間層220が緑色光を発光するとき、カラーフィルタ層620は、緑色光を選択的に透過する緑色カラーフィルタであってもよい。
【0208】
オーバーコート層630は、遮光層610及びカラーフィルタ層620を覆うように、配置されてもよい。オーバーコート層630は、透光性層であって、遮光層610及びカラーフィルタ層620による凹凸を取り囲み、平坦な上面を提供することができる。オーバーコート層630は、アクリル系樹脂のような無色の透光性有機物を含んでもよい。
【0209】
図11には示されていないが、第2金属バンク層350上には、低反射層(図示せず)が配置されてもよい。低反射層は、第2金属バンク層350より表面反射率が低い層であってもよい。低反射層は、吸光係数kが高い金属酸化物を含んでもよい。例えば、低反射層は、酸化銅(CuO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化モリブデン(MoOx)及び酸化亜鉛(ZnO)のうち少なくとも1つを含んでもよい。一部実施形態として、低反射層は、酸化銅(CuO)と酸化カルシウム(CaO)とが混合した物質を含んでもよい。
【0210】
本発明は、図面に示した実施形態を参考にして説明したが、それは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者ならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まらなければならない。
【符号の説明】
【0211】
100 基板
210 画素電極
220 中間層
230 対向電極
300 バンク層
310 第1無機バンク層
320 第1金属バンク層
330 第3無機バンク層
340 第2無機バンク層
350 第2金属バンク層
360 有機バンク層
500 封止層
510 無機封止層
520 平坦化層
530 保護層
600 反射調節層
610 遮光層
620 カラーフィルタ層
630 オーバーコート層