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特開2024-28223可変抵抗メモリ素子及びそれを含む電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028223
(43)【公開日】2024-03-01
(54)【発明の名称】可変抵抗メモリ素子及びそれを含む電子装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/00 20230101AFI20240222BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20240222BHJP
   H10N 70/00 20230101ALI20240222BHJP
   H10N 99/00 20230101ALI20240222BHJP
【FI】
H10B63/00
H10N70/20
H10N70/00 Z
H10N99/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133481
(22)【出願日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0104269
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0153995
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】金 世潤
(72)【発明者】
【氏名】姜 周憲
(72)【発明者】
【氏名】金 宣浩
(72)【発明者】
【氏名】金 裕▲ミン▼
(72)【発明者】
【氏名】朴 可籃
(72)【発明者】
【氏名】宋 俔在
(72)【発明者】
【氏名】安 東浩
(72)【発明者】
【氏名】楊 承烈
(72)【発明者】
【氏名】禹 明勳
(72)【発明者】
【氏名】李 鎭宇
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083JA36
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
(57)【要約】
【課題】可変抵抗メモリ素子及びそれを含む電子装置を提供する。
【解決手段】酸素欠乏率(oxygen deficient ratio)が9%以上である金属酸化物で構成された抵抗変化層と、抵抗変化層上に配置される半導体層と、半導体層上に配置されるゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上に離隔配置される複数個の電極と、を含む可変抵抗メモリ素子である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属元素及び第2金属元素を含み、酸素欠乏率が9%以上である金属酸化物で構成された抵抗変化層と、
前記抵抗変化層上に配置される半導体層と、
前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上に離隔配置される複数個の電極と、を含む、可変抵抗メモリ素子。
【請求項2】
前記抵抗変化層のうち全体金属に対する前記第1金属元素の含量は、50at%以上である、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項3】
前記抵抗変化層のうち全体金属に対する前記第2金属元素の含量は、35at%以下である、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項4】
前記第1金属元素は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち1つを含む、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項5】
前記第2金属元素は、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、タングステン(W)、バナジウム(V)及びモリブデン(Mo)のうち1つを含む、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項6】
前記抵抗変化層は、シリコン(Si)をさらに含む、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項7】
前記半導体層には、絶対値が4V以下である書き込み電圧が印加される、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項8】
前記半導体層と前記抵抗変化層との間に配置される酸化物層をさらに含む、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項9】
前記酸化物層の厚みは、前記抵抗変化層の厚みより小さい、請求項8に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項10】
前記抵抗変化層は、前記半導体層から遠くなる方向に順次に配列された第1抵抗変化層及び第2抵抗変化層を含み、
前記第1抵抗変化層の酸素欠乏率は、前記第2抵抗変化層の酸素欠乏率より大きい、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項11】
前記複数個のゲート電極のピッチは、20nm以下である、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項12】
ピラーをさらに含み、
前記抵抗変化層、前記半導体層及び前記ゲート絶縁層は、前記ピラーを順次にシェル形状に取り囲み、
前記複数個のゲート電極及び絶縁素子は、前記ゲート絶縁層をシェル形状に取り囲む、請求項1に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項13】
前記ピラーは、絶縁性物質を含む、請求項12に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項14】
前記ピラーは、導電性物質を含む、請求項12に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項15】
前記ピラーには、前記半導体層に印加される電圧以上の電圧が印加される、請求項14に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項16】
シリコンを含み、酸素欠乏率が9%以上である金属酸化物で構成された抵抗変化層と、
前記抵抗変化層上に配置される半導体層と、
前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上に離隔配置される複数個の電極と、を含む、可変抵抗メモリ素子。
【請求項17】
前記抵抗変化層は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち少なくとも1つを含む、請求項16に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項18】
前記抵抗変化層のうち金属とシリコンとの和に対するシリコンの含量は、35at%以下である、請求項16に記載の可変抵抗メモリ素子。
【請求項19】
酸素欠乏率が9%以上である第1金属酸化物と、酸素欠乏率が9%未満である第2金属酸化物とを含み、前記第1金属酸化物の含量が前記第2金属酸化物の含量より大きい抵抗変化層と、
前記抵抗変化層上に配置される半導体層と、
前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上に離隔配置される複数個のゲート電極と、を含む、可変抵抗メモリ素子。
【請求項20】
前記抵抗変化層に含まれた全体金属に対する、前記第2金属酸化物に含まれた金属の含量は、35at%以下である、請求項19に記載の可変抵抗メモリ素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変抵抗物質を含むメモリ素子及びそれを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ装置は、電源が切れた状態でも情報を維持しており、電源が供給されれば再び保存された情報を使用することができる多数のメモリセルを含む。不揮発性メモリ装置は、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、移動式コンピュータ装置、固定式コンピュータ装置及びその他装置で使用可能である。
【0003】
近年、次世代ニューロモルフィックコンピューティング(Neuromorphic Computing)プラットホーム、あるいはニューラルネットワーク(Neural Network)を形成するチップに三次元(または、垂直型(Vertical))NAND(VNAND)を使用する研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、酸素空孔(Oxygen vacany)が多く発生する抵抗変化層を含む可変抵抗メモリ素子及びそれを含む電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による可変抵抗メモリ素子は、第1金属元素及び第2金属元素を含み、酸素欠乏率(oxygen deficient ratio)が9%以上である金属酸化物で構成された抵抗変化層と、前記抵抗変化層上に配置される半導体層と、前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に離隔配置される複数個の電極と、を含む。
【0006】
そして、前記抵抗変化層のうち全体金属に対する前記第1金属元素の含量は、50at%以上でもある。
【0007】
また、前記抵抗変化層のうち全体金属に対する前記第2金属元素の含量は、35at%以下でもある。
【0008】
そして、前記第1金属元素は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち1つを含んでもよい。
【0009】
また、前記第2金属元素は、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、タングステン(W)、バナジウム(V)及びモリブデン(Mo)のうち1つを含んでもよい。
【0010】
そして、前記抵抗変化層は、シリコン(Si)をさらに含んでもよい。
【0011】
また、前記半導体層には、絶対値が4V以下である書き込み電圧が印加されうる。
【0012】
そして、前記半導体層と前記抵抗変化層との間に配置される酸化物層をさらに含んでもよい。
【0013】
また、前記酸化物層の厚みは、前記抵抗変化層の厚みよりも小さい。
【0014】
そして、前記抵抗変化層は、前記半導体層から遠くなる方向に順次に配列された第1抵抗変化層及び第2抵抗変化層を含み、前記第1抵抗変化層の酸素欠乏率は、前記第2抵抗変化層の酸素欠乏率よりも大きい。
【0015】
また、前記複数個のゲート電極のピッチは、20nm以下でもある。
【0016】
そして、ピラーをさらに含み、前記抵抗変化層、前記半導体層及び前記ゲート絶縁層は、前記ピラーを順次にシェル形状に取り囲み、前記複数個のゲート電極及び前記絶縁素子は、前記ゲート絶縁層をシェル形状に取り囲むことができる。
【0017】
また、前記ピラーは、絶縁性物質を含んでもよい。
【0018】
そして、前記ピラーは、導電性物質を含んでもよい。
【0019】
また、前記ピラーには、前記半導体層に印加される電圧以上の電圧が印加されうる。
【0020】
他の実施形態による可変抵抗メモリ素子は、シリコンを含み、酸素欠乏率(oxygen deficient ratio)が9%以上である金属酸化物で構成された抵抗変化層と、前記抵抗変化層上に配置される半導体層と、前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に離隔配置される複数個の電極と、を含む。
【0021】
そして、前記抵抗変化層は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0022】
また、前記抵抗変化層のうち金属とシリコンとの和に対するシリコンの含量は、35at%以下でもある。
【0023】
他の実施形態による可変抵抗メモリ素子は、酸素欠乏率(oxygen deficient ratio)が9%以上である第1金属酸化物と、酸素欠乏率が9%未満である第2金属酸化物とを含み、前記第1金属酸化物の含量が前記第2金属酸化物の含量より大きい抵抗変化層と、前記抵抗変化層上に配置される半導体層と、前記半導体層上に配置されるゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に離隔配置される複数個のゲート電極と、を含む。
【0024】
そして、前記抵抗変化層に含まれた全体金属に対する、前記第2金属酸化物に含まれた金属の含量は、35at%以下でもある。
【発明の効果】
【0025】
一実施形態による可変抵抗メモリ素子は、絶対値の小さい電圧が印加されても動作することができる。
【0026】
一実施形態による可変抵抗メモリ素子は、低電力及び高集積度を具現することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態による可変抵抗メモリ素子の概略的な構成を示す図面である。
図2図1の可変抵抗メモリ素子に対する等価回路を示す図面である。
図3図1の可変抵抗メモリ素子100の動作を例示的に説明する概念図である。
図4】一実施形態による金属酸化物の酸素欠乏率とフォーミング電圧との関係を示す図面である。
図5】一実施形態による金属酸化物の酸素欠乏率とフォーミング電圧との関係を示す図面である。
図6】一実施形態による金属酸化物の酸素形成エネルギーと酸素欠乏率との関係を示す図面である。
図7】一実施形態による多様な金属酸化物の酸素形成エネルギーの差を示す図面である。
図8A】ハフニウム酸化物を抵抗変化層として利用した可変抵抗メモリ素子のIV特性を示す図面である。
図8B】タンタル酸化物を抵抗変化層として利用した可変抵抗メモリ素子のIV特性を示す図面である。
図9】他の実施形態による可変抵抗メモリ素子の構造を示す図面である。
図10図9の可変抵抗メモリ素子に対する等価回路を示す図面である。
図11】一実施形態による多層の抵抗変化層を含む可変抵抗メモリ素子の一部を示す図面である。
図12】一実施形態による酸化物層をさらに含む可変抵抗メモリ素子の一部を示す図面である。
図13】一実施形態による導電性ピラーを含む可変抵抗メモリ素子を示す図面である。
図14】一実施形態による不揮発性メモリ装置を含む電子装置を図式的に説明するブロック図である。
図15】一実施形態による不揮発性メモリ装置を含むメモリシステムを図式的に説明するブロック図である。
図16】実施形態によるメモリ装置を含むニューロモルフィック装置を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書で多様なところに表される「一部実施形態において」または「一実施形態において」などの語句は、必ずしも全て同一実施形態を示すものではない。
【0029】
本発明の一部実施形態は、機能的なブロック構成及び多様な処理段階でも表される。そのような機能ブロックの一部または全部は、特定機能を行う多様な個数のハードウェア及び/またはソフトウェア構成によっても具現される。例えば、本発明の機能ブロックは、1以上のマイクロプロセッサによって具現されてもよく、所定の機能のための回路構成によって具現されてもよい。また、例えば、本発明の機能ブロックは、多様なプログラミング言語またはスクリプティング言語によっても具現される。機能ブロックは、1以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、本発明は、電子的な環境設定、信号処理、及び/またはデータ処理などのために従来技術を採用することができる。「メカニズム」、「要素」、「手段」及び「構成」などの用語は、広く使用され、機械的かつ物理的な構成として限定されるものではない。
【0030】
また、図面に示した構成要素間の連結線または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的連結を例示的に表すものである。実際の装置では、代替可能であったり追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結または回路的な連結により構成要素間の連結が表される。
【0031】
本明細書で使用される「構成される」または「含む」などの用語は、明細書上に記載された多くの構成要素または多くの段階を必ずしも全て含むものと解釈されてはならず、そのうち一部構成要素または一部段階は含まなくてもよく、更なる構成要素または段階をさらに含んでもよいというものと解釈されなければならない。
【0032】
以下、「上部」や「上」と記載されたものは、接触してすぐ上下左右にあるものだけでなく、非接触で上下左右にあるものも含む。以下、添付された図面を参照して、例示のための実施形態について詳細に説明する。
【0033】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的にのみ使用されている。
【0034】
以下、添付された図面を参照して、本発明について詳細に説明する。
【0035】
図1は、実施形態による可変抵抗メモリ素子100の概略的な構成を示す図面であり、図2は、図1の可変抵抗メモリ素子100に対する等価回路を示す図面であり、図3は、図1の可変抵抗メモリ素子100の動作を例示的に説明する概念図である。
【0036】
図1を参照すれば、可変抵抗メモリ素子100は、抵抗変化層122と、抵抗変化層122上に配置された半導体層123と、半導体層123上に配置されたゲート絶縁層124と、ゲート絶縁層124上に形成された複数のゲート電極131と、を含む。複数のゲート電極131間の空間には、隣接するゲート電極131を分離する絶縁素子132がさらに配置されてもよい。但し、これは、例示的であり、絶縁素子132は省略可能である。
【0037】
抵抗変化層122は、印加される電圧によって抵抗が変わる物質でも形成される。抵抗変化層122は、ゲート電極131に印加された電圧によって、高抵抗状態から低抵抗状態に、または低抵抗状態から高抵抗状態に変わりうる。
【0038】
抵抗変化層122は、既存の電荷トラップ基盤の可変抵抗メモリ素子、または相変化物質を使用する可変抵抗メモリ素子に比べて薄い厚みで所望の抵抗変化範囲を具現することができる。抵抗変化層122の厚みは、100nm以下でもあり、または5nm以下でもある。抵抗変化層122の厚みは、1nm以上でもある。
【0039】
抵抗変化層122は、ヒステリシス(hysteresis)特性を有する物質でも形成される。例えば、抵抗変化層122は、金属酸化物を含んでもよい。抵抗変化層122は、タンタル酸化物(TaOx)、チタン酸化物(TiOx)、スズ酸化物(SnOx)、クロム酸化物(CrOx)、マンガン酸化物(MnOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、シリコン酸化物(SiOx)、ニオブ酸化物(NbOx)、ランタン酸化物(LaOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、スカンジウム酸化物(ScOx)、タングステン酸化物(WOx)、バナジウム酸化物(VOx)及びモリブデン酸化物(MoOx)のうち少なくとも2つを含んでもよい。
【0040】
抵抗変化層122の抵抗変化は、酸素空孔による現状でもある。抵抗変化層122内に酸素空孔が多くなれば、これにより、導電性フィラメントが容易に形成されうる。導電性フィラメントは、抵抗変化層122を低抵抗状態に変化させ、抵抗変化層122に電流が流れることになり、可変抵抗メモリ素子100が動作することができる。抵抗変化層122が、酸素空孔が容易に発生する物質で形成されるならば、抵抗変化層122に印加される電圧、または半導体層123に印加される電圧の絶対値を小さくしても、可変抵抗メモリ素子100はよく動作することができる。酸素空孔を容易に発生させる抵抗変化層122の物質については後述する。
【0041】
半導体層123は、poly-Siからなる。半導体層123の物質は、poly-Siに限定されず、例えば、Ge、IGZOまたはGaAsなど多様な半導体物質を含んでもよい。
【0042】
半導体層123の両端に、ソース電極S及びドレイン電極Dが連結される。
【0043】
ゲート絶縁層124は、多様な種類の絶縁物質からなる。例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸窒化物がゲート絶縁層124に使用可能である。
【0044】
複数のゲート電極131それぞれには、半導体層123をオン/オフにする電圧が選択的に印加されうる。
【0045】
図示された可変抵抗メモリ素子100は、複数のメモリセルMCがアレイされた構造であって、それぞれのメモリセルMCは、図2の等価回路に示したように、トランジスタと可変抵抗とが並列連結された形態にもなる。
【0046】
可変抵抗メモリ素子100の動作は、図3を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0047】
メモリセルを選択するために、制御ロジック(図示せず)は、特定メモリセルMC2のゲート電極131にターンオフ電圧OFFを印加し、残りメモリセルMC1、MC2のゲート電極131にターンオン電圧ONを印加するように制御することができる。ターンオフ電圧OFFは、トランジスタをターンオフさせる電圧であって、選択メモリセルMC2に含まれたトランジスタの半導体層123に電流が流れないようにする電圧である。ターンオン電圧ONは、トランジスタをターンオンさせる電圧であって、非選択メモリセルMC1、MC3に含まれたトランジスタの半導体層123に電流が流れるようにする電圧である。これにより、選択メモリセルMC2に対応する半導体層123は、絶縁特性を有し、非選択メモリセルMC1、MC3に対応する半導体層123は、導体特性を有することができる。
【0048】
ターンオフ電圧OFF及びターンオン電圧ONは、抵抗変化層122、半導体層123、ゲート絶縁層124及びゲート電極131を構成する物質の種類、厚みなどによっても変わる。例えば、ターンオフ電圧OFFが負の電圧である場合、ターンオフ電圧OFFは、-10V以上かつ-2V以下でもある。ターンオン電圧ONが正の電圧である場合、ターンオン電圧ONは、0V以上かつ10V以下でもある。非選択メモリセルMC1、MC3には、同一値のターンオン電圧ONが印加されてもよく、互いに異なる値のターンオン電圧ONが印加されてもよい。
【0049】
書き込み動作において、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間に書き込み電圧が印加されれば、図示された矢印Aのように電流経路が形成されることにより、抵抗変化層122の抵抗が変わりうる。前述の原理を利用して、抵抗変化層122に情報が保存される。抵抗変化層122の抵抗が変わる理由は、抵抗変化層122に電流が流れることになれば、酸素空孔Voと侵入型酸素イオン(interstitial oxygen ion)が形成され、酸素空孔が集まって導電性フィラメントを形成することになる。酸素空孔からなる導電性フィラメントは、抵抗が低いため、抵抗変化層122の抵抗が変わることになる。
【0050】
可変抵抗メモリ素子100を商用化するためには、抵抗変化層122の高抵抗状態と低抵抗状態との抵抗差が大きいことが好ましく、このためには、抵抗変化層122の酸素空孔が容易に発生することが好ましい。特に、可変抵抗メモリ素子100に印加される動作電圧、例えば、書き込み電圧または消去電圧の絶対値を低くし、半導体層123の劣化を防止するためには、抵抗変化層122の酸素空孔が容易に発生することが好ましい。
【0051】
一実施形態による抵抗変化層122は、酸素欠乏率(oxygen deficient ratio)が大きい金属酸化物でも形成される。例えば、抵抗変化層122は、酸素欠乏率が9at%以上である金属酸化物でも形成される。酸素欠乏率は、下記数式1のように定義される。
【0052】
【数1】
【0053】
ここで、M1、M2、M3、M4、M5及びOそれぞれは、1価金属元素含量、2価金属元素含量、3価金属元素含量、4価金属元素含量、5価金属元素含量及び酸素含量である。
【0054】
酸素欠乏率が大きいというのは、同一金属陽イオンに対して酸素イオンが少ないということを意味するので、酸素欠乏率が大きい金属酸化物は、酸素空孔含量が多い。抵抗変化層122に酸素空孔が多ければ、抵抗変化層122の抵抗状態が容易に変わりうるので、可変抵抗メモリ素子100の特性を向上させることができる。また、酸素空孔が多ければ、電圧印加時に導電性フィラメントが容易に形成されるので、フォーミング電圧(forming voltage)が低くなり、可変抵抗メモリ素子100の動作電圧も低くなる。
【0055】
一実施形態による抵抗変化層122は、酸素欠乏率が9%以上である二元系金属酸化物、または酸素欠乏率が9%以上である三元系金属酸化物を含むものでもある。
【0056】
抵抗変化層122に含まれた二元系金属酸化物は、タンタル酸化物(TaOx)、チタン酸化物(TiOx)、スズ酸化物(SnOx)、クロム酸化物(CrOx)及びマンガン酸化物(MnOx)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0057】
抵抗変化層122は、三元系金属酸化物であって、互いに異なる第1金属元素、第2金属元素及び酸素元素を含むものでもある。金属酸化物において、第1金属元素の含量は、第2金属元素の含量よりも大きい。例えば、抵抗変化層において、全体金属に対する第1金属元素の含量は、50at%以上であり、抵抗変化層において、全体金属に対する第2金属元素の含量は、35at%以下でもある。第1金属元素は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち1つを含み、第2金属元素は、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、タングステン(W)、バナジウム(V)及びモリブデン(Mo)のうち1つを含んでもよい。
【0058】
他の観点から、抵抗変化層122は、三元系金属酸化物であって、金属元素、シリコン元素及び酸素元素を含むものでもある。抵抗変化層122において、金属元素の含量は、シリコン元素の含量よりも大きい。抵抗変化層122において、金属元素とシリコン元素との和に対する金属元素の含量は、50at%以上であり、抵抗変化層122において、金属元素とシリコン元素との和に対するシリコン元素の含量は、35at%以下でもある。前記金属元素は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち1つを含んでもよい。
【0059】
または、抵抗変化層122は、酸素欠乏率が9%以上である第1金属酸化物と、酸素欠乏率が9%未満である第2金属酸化物とを含むものでもある。第1金属酸化物の含量は、第2金属酸化物の含量よりも大きい。抵抗変化層122に含まれた全体金属に対する、第1金属酸化物に含まれた金属の含量は、50at%以上であり、抵抗変化層122に含まれた全体金属に対する、第2金属酸化物に含まれた金属の含量は、35at%以下でもある。第1金属酸化物は、タンタル酸化物(TaOx)、チタン酸化物(TiOx)、スズ酸化物(SnOx)、クロム酸化物(CrOx)及びマンガン酸化物(MnOx)のうち少なくとも1つを含んでもよい。第2金属酸化物は、ハフニウム酸化物(HfOx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、シリコン酸化物(SiOx)、ニオブ酸化物(NbOx)、ランタン酸化物(LaOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、スカンジウム酸化物(ScOx)、タングステン酸化物(WOx)、バナジウム酸化物(VOx)及びモリブデン酸化物(MoOx)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0060】
図4は、一実施形態による金属酸化物の酸素欠乏率とフォーミング電圧との関係を示す図面である。図4を参照すれば、二元系であるハフニウム酸化物(HfOx)は、酸素欠乏率が約2.1%と低く、フォーミング電圧Vformingは約7.4Vと高い。ハフニウム酸化物は、代表的な可変抵抗物質であるが、フォーミング電圧が高く、可変抵抗メモリ素子100に適用すれば、可変抵抗メモリ素子100の半導体層123を劣化させる。
【0061】
一方、タンタル酸化物(TaOx)は、酸素欠乏率が約16.5%と高く、フォーミング電圧Vformingは約1.65Vと低い。タンタル酸化物(TaOx)を一実施形態による抵抗変化層122の物質として利用すれば、低い動作電圧で可変抵抗メモリ素子100を具現可能であることを予想することができる。
【0062】
ハフニウム酸化物(HfOx)は、酸素欠乏率が低く、単独で抵抗変化層の物質として利用されないが、酸素欠乏率が高いタンタルと共に抵抗変化層の物質として利用可能である。図4に示されたように、金属酸化物に含まれた物質の種類によって、酸素欠乏率及びフォーミング電圧が変わりうる。例えば、シリコン含量が12at%であるTaSiOの酸素欠乏率は約12.13%であり、フォーミング電圧は約1.55Vである一方、アルミニウム含量が12at%であるTaAlOの酸素欠乏率は約13.93%であり、フォーミング電圧は約0.95Vである。タンタル酸化物(TaO)にシリコンよりアルミニウムが含まれれば、酸素欠乏率は高くなり、フォーミング電圧は低くなることを確認することができる。一般的に、酸素欠乏率が高いほど、フォーミング電圧が低くなることを確認することができる。
【0063】
抵抗変化層122は、互いに異なる複数個の金属を含む金属酸化物で構成された場合、金属の含量比によってもフォーミング電圧が変わる。例えば、TaAlOのうち全体金属に対するアルミニウム含量が5at%である場合、TaAlOのフォーミング電圧は約1.5Vであり、TaAlOのうち全体金属に対するアルミニウム含量が12at%である場合、TaAlOのフォーミング電圧は約0.95Vである。アルミニウム含量が増加すれば、フォーミング電圧が低くなることを確認することができる。しかし、アルミニウム含量が35at%であるTaAlOのフォーミング電圧は約3.5Vであって、アルミニウム含量が多すぎれば、フォーミング電圧がかえって高くなることを確認することができる。
【0064】
一実施形態による抵抗変化層122は、互いに異なる第1金属元素と第2金属元素とを含み、酸素欠乏率が9%以上を含むものでもある。金属酸化物において、第1金属元素の含量は、第2金属元素の含量よりも大きい。または、抵抗変化層122において、全体金属に対する第1金属元素の含量は50at%以上であり、抵抗変化層122において、全体金属に対する第2金属元素の含量は35at%以下でもある。第1金属元素は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち1つを含み、第2金属元素は、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、タングステン(W)、バナジウム(V)及びモリブデン(Mo)のうち1つを含んでもよい。
【0065】
他の観点から、抵抗変化層122は、酸素欠乏率が大きい金属酸化物を母材(matrix)とし、酸素欠乏率が小さい金属または金属酸化物をドーピングさせ、フォーミング電圧を低くすることができる。しかし、ドーピングされた金属または金属酸化物の含量が多すぎれば、フォーミング電圧がかえって高くなるので、抵抗変化層の全体金属に対するドーピングされた金属の含量は、約35at%以下でもある。
【0066】
一実施形態による可変抵抗メモリ素子100の動作電圧、例えば、書き込み電圧または消去電圧の絶対値は、約4V以下でもある。または、一実施形態による可変抵抗メモリ素子100の書き込み電圧または消去電圧の絶対値は、約2V以下でもある。
【0067】
図5は、一実施形態による金属酸化物の酸素欠乏率とフォーミング電圧との関係を示す図面である。図5を参照すれば、酸素欠乏率が大きいほど、フォーミング電圧が低くなることを確認することができる。しかし、酸素欠乏率とフォーミング電圧とは、概ね反比例関係であり、完全な反比例関係ではない。抵抗変化層122の金属酸化物の種類及び含量を適切に調節し、フォーミング電圧を低くすることができる。
【0068】
金属酸化物の酸素欠乏率は、同一金属の原子価が互いに異なる複数個の金属酸化物間の酸素形成エネルギーと関連がある。
【0069】
図6は、一実施形態による金属酸化物の酸素形成エネルギーと酸素欠乏率との関係を示す図面である。図6を参照すれば、原子価が異なる複数個のタンタル酸化物(TaOx)、例えば、TaとTaOとの酸素形成エネルギーの差は、4.42kJ/molと小さい一方、酸素欠乏率は16.5%と大きい。一方、アルミニウム酸化物(AlOx)に対する酸素形成エネルギーの差は、約123.79と大きい一方、酸素欠乏率は約2.1%と小さい。金属酸化物の酸素形成エネルギーの差は、酸素欠乏率と反比例することを確認することができる。
【0070】
アルミニウム酸化物(AlOx)とハフニウム酸化物(HfOx)との酸素欠乏率は、約2.1%と同一であるが、アルミニウム酸化物(AlOx)に対する酸素形成エネルギーの差は、約123.79kJ/molであって、酸素形成エネルギーの差が34.38kJ/molであるハフニウム酸化物(HfOx)より大きい。すなわち、酸素欠乏率が同一であるとしても、酸素形成エネルギーの差は異なっている。したがって、一実施形態において、酸素形成エネルギーの差が約10kJ/mol以上である金属酸化物は、抵抗変化層122の母材として利用し、酸素形成エネルギーの差が約10kJ/mol未満である金属酸化物または金属は、抵抗変化層122のドーパントとして利用することができる。
【0071】
図7は、一実施形態による多様な金属酸化物の酸素形成エネルギーの差を示す図面である。図7を参照すれば、マンガン酸化物(MnOx)、チタン酸化物(TiOx)、スズ酸化物(SnOx)及びクロム酸化物(CrOx)に対する酸素形成エネルギーの差は、10kJ/mol未満である。マンガン酸化物(MnOx)、チタン酸化物(TiOx)、スズ酸化物(SnOx)及びクロム酸化物(CrOx)は、一実施形態による抵抗変化層122のドーパントとして利用可能である。
【0072】
モリブデン酸化物(MoOx)、バナジウム酸化物(VOx)、スカンジウム酸化物(ScOx)、タングステン酸化物(WOx)、ランタン酸化物(LaOx)及びジルコニウム酸化物(ZrOx)に対する酸素形成エネルギーの差は、10kJ/mol以上である。モリブデン酸化物(MoOx)、バナジウム酸化物(VOx)、スカンジウム酸化物(ScOx)、タングステン酸化物(WOx)、ランタン酸化物(LaOx)及びジルコニウム酸化物(ZrOx)は、一実施形態による抵抗変化層122の母材として利用可能である。
【0073】
図8Aは、ハフニウム酸化物を抵抗変化層として利用した可変抵抗メモリ素子のIV特性を示す図面であり、図8Bは、タンタル酸化物を抵抗変化層として利用した可変抵抗メモリ素子のIV特性を示す図面である。ハフニウム酸化物を含む可変抵抗メモリ素子は、図8Aに示されたように、フォーミング電圧の絶対値が約7ないし8Vであることを確認することができる。前述のように、ハフニウム酸化物の酸素欠乏率は、約2.1%と低い。
【0074】
タンタル酸化物を含む可変抵抗メモリ素子は、図8Bに示されたように、フォーミング電圧の絶対値が約2Vより小さいことを確認することができる。前述のように、タンタル酸化物の酸素欠乏率は、約16.5%と高い。これは、酸素欠乏率が大きいほど、抵抗変化層122内に酸素空孔が多くなり、低い動作電圧でも導電性フィラメントが容易に形成されるということを予想することができる。
【0075】
図9は、他の実施形態による可変抵抗メモリ素子100aの構造を示す図面であり、図10は、図9の可変抵抗メモリ素子100aに対する等価回路を示す図面である。
【0076】
本実施形態の可変抵抗メモリ素子100aは、可変抵抗物質を具備する複数のメモリセルMCが垂直方向にアレイされた垂直型NAND(vertical NAND:VNAND)メモリである。
【0077】
まず、図9を参照すれば、基板101上に複数のセルストリングCSが形成される。
【0078】
基板101は、第1型不純物でドーピングされたシリコン物質を含むものでもある。例えば、基板101は、p型不純物でドーピングされたシリコン物質を含んでもよい。例えば、基板101は、p型ウェル(well)(例えば、ポケットpウェル)でもある。以下、基板101は、p型シリコンであるものと仮定する。しかし、基板101は、p型シリコンに限定されない。
【0079】
基板101上に、ソース領域であるドーピング領域110が提供される。ドーピング領域110は、基板101と相異なるn型でもある。以下、ドーピング領域110は、n型であるものと仮定する。しかし、ドーピング領域110は、n型に限定されない。そのようなドーピング領域110は、共通ソースラインCSLにも連結される。
【0080】
セルストリングCSは、図10の等価回路図に示したようにk*n個が具備され、マトリックス形態にも配列され、各行及び列の位置によってCSij(1≦i≦k、1≦j≦n)とも名付けられる。各セルストリングCSijは、ビットラインBL、ストリング選択ラインSSL、ワードラインWL及び共通ソースラインCSLに連結される。
【0081】
各セルストリングCSijは、メモリセルMC及びストリング選択トランジスタSSTを含む。各セルストリングCSijのメモリセルMC及びストリング選択トランジスタSSTは、高さ方向にも積層される。
【0082】
複数個のセルストリングCSの行は、互いに異なるストリング選択ラインSSL1~SSLkにそれぞれ連結される。例えば、セルストリングCS11~CS1nのストリング選択トランジスタSSTは、ストリング選択ラインSSL1に共通に連結される。セルストリングCSk1~CSknのストリング選択トランジスタSSTは、ストリング選択ラインSSLkに共通に連結される。
【0083】
複数個のセルストリングCSの列は、互いに異なるビットラインBL1~BLnにそれぞれ連結される。例えば、セルストリングCS11~CSk1のメモリセル及びストリング選択トランジスタSSTは、ビットラインBL1に共通に連結され、セルストリングCS1n~CSknのメモリセルMC及びストリング選択トランジスタSSTは、ビットラインBLnに共通に連結される。
【0084】
複数個のセルストリングCSの行は、互いに異なる共通ソースラインCSL1~CSLkにそれぞれ連結される。例えば、セルストリングCS11~CS1nのストリング選択トランジスタSSTは、共通ソースラインCSL1に共通に連結され、セルストリングCSk1~CSknのストリング選択トランジスタSSTは、共通ソースラインCSLkに共通に連結される。
【0085】
基板101またはストリング選択トランジスタSSTから同一高さに位置したメモリセルMCのゲート電極131は、1本のワードラインWLに共通に連結され、互いに異なる高さに位置したメモリセルMCのゲート電極131は、互いに異なるワードラインWL1~WLmにそれぞれ連結される。
【0086】
図示された回路構造は、例示的なものである。例えば、セルストリングCSの行の数は増加または減少する。セルストリングCSの行の数が変更されるにつれて、セルストリングCSの行に連結されるストリング選択ラインの数、及び1本のビットラインに連結されるセルストリングCSの数も変更可能である。セルストリングCSの行の数が変更されるにつれて、セルストリングCSの行に連結される共通ソースラインの数も変更可能である。
【0087】
セルストリングCSの列の数も増加または減少する。セルストリングCSの列の数が変更されるにつれて、セルストリングCSの列に連結されるビットラインの数、及び1本のストリング選択ラインに連結されるセルストリングCSの数も変更可能である。
【0088】
セルストリングCSの高さも増加または減少する。例えば、セルストリングCSそれぞれに積層されるメモリセルMCの数は増加または減少する。セルストリングCSそれぞれに積層されるメモリセルMCの数が変更されるにつれて、ワードラインWLの数も変更可能である。例えば、セルストリングCSそれぞれに提供されるストリング選択トランジスタは増加する。セルストリングCSそれぞれに提供されるストリング選択トランジスタの数が変更されるにつれて、ストリング選択ラインまたは共通ソースラインの数も変更可能である。ストリング選択トランジスタの数が増加すれば、ストリング選択トランジスタは、メモリセルMCのような形態にも積層される。
【0089】
例えば、書き込み及び読み取りは、セルストリングCSの行の単位でも行われる。共通ソースラインCSLにより、セルストリングCSが1つの行の単位で選択され、ストリング選択ラインSSLにより、セルストリングCSが1つの行の単位で選択される。また、共通ソースラインCSLには、少なくとも2本の共通ソースラインを1つの単位で電圧が印加されうる。共通ソースラインCSLには、全体を1つの単位で電圧が印加されうる。
【0090】
セルストリングCSの選択された行において、書き込み及び読み取りは、ページの単位でも行われる。ページは、1本のワードラインWLに連結されたメモリセルの1つの行でもある。セルストリングCSsの選択された行において、メモリセルは、ワードラインWLsによりページの単位で選択される。
【0091】
セルストリングCSは、図9に示されたように、円筒状のチャネルホールCH、並びにそれをリング状に取り囲む複数個のゲート電極131及び複数個の絶縁素子132を含む。絶縁素子132は、複数個のゲート電極131間を分離するためのものであって、ゲート電極131及び複数個の絶縁素子132は、垂直方向(Z方向)に沿って互いに交差して積層される。円筒状のチャネルホールCHは、垂直方向に沿って延びたシリンダー状の絶縁性ピラー121、並びに絶縁性ピラー121をシリンダーシェル形状に順次に取り囲む形状の抵抗変化層122、半導体層123及びゲート絶縁層124を含む。
【0092】
ゲート電極131は、金属物質、または高濃度でドーピングされたシリコン物質を含んでもよい。各ゲート電極131は、ワードラインWL及びストリング選択ラインSSLのうち1本と連結される。
【0093】
絶縁素子132は、シリコン酸化物、シリコン窒化物など多様な絶縁物質を含んでもよい。
【0094】
チャネルホールCHは、複数層で構成される。チャネルホールCHの最外郭層は、ゲート絶縁層124でもある。例えば、ゲート絶縁層124は、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコン酸窒化物など多様な絶縁物質を含んでもよい。ゲート絶縁層124は、チャネルホールCHにコンフォーマルに蒸着されうる。
【0095】
ゲート絶縁層124の内部面に沿って、半導体層123がコンフォーマルに蒸着されうる。半導体層123は、第1型にドーピングされた半導体物質を含むものでもある。半導体層123は、基板101と同一型にドーピングされたシリコン物質を含み、例えば、基板101がp型にドーピングされたシリコン物質を含む場合、半導体層123もp型にドーピングされたシリコン物質を含む。または、半導体層123は、Ge、IGZO、GaAsなどの物質を含むこともできる。
【0096】
半導体層123の内部面に沿って、抵抗変化層122が配置されうる。抵抗変化層122は、半導体層123と接して配置され、半導体層123にコンフォーマルに蒸着されうる。
【0097】
抵抗変化層122は、印加された電圧によって高抵抗状態または低抵抗状態に変わる層であって、酸素欠乏率が高い金属酸化物でも形成される。
【0098】
抵抗変化層122の物質及び特徴は、前述の抵抗変化層122と実質的に同一である。抵抗変化層122は、酸素欠乏率が9%以上である二元系金属酸化物、または酸素欠乏率が9%以上である三元系金属酸化物を含むものでもある。
【0099】
抵抗変化層122に含まれた二元系金属酸化物は、タンタル酸化物(TaOx)、チタン酸化物(TiOx)、スズ酸化物(SnOx)、クロム酸化物(CrOx)及びマンガン酸化物(MnOx)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0100】
抵抗変化層122に含まれた三元系金属酸化物は、互いに異なる第1金属元素、第2金属元素及び酸素元素を含むものでもある。金属酸化物において、第1金属元素の含量は、第2金属元素の含量よりも大きい。例えば、抵抗変化層122において、全体金属に対する第1金属元素の含量は50at%以上であり、抵抗変化層122において、全体金属に対する第2金属元素の含量は35at%以下でもある。第1金属元素は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち1つを含み、第2金属元素は、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、タングステン(W)、バナジウム(V)及びモリブデン(Mo)のうち1つを含んでもよい。
【0101】
抵抗変化層122において、金属元素の含量は、シリコン元素の含量よりも大きい。抵抗変化層122において、金属元素とシリコン元素との和に対する金属元素の含量は50at%以上であり、抵抗変化層において、金属元素とシリコン元素との和に対するシリコン元素の含量は35at%以下でもある。前記金属元素は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、クロム(Cr)及びマンガン(Mn)のうち1つを含んでもよい。
【0102】
または、抵抗変化層122は、酸素欠乏率が9%以上である第1金属酸化物と、酸素欠乏率が9%未満である第2金属酸化物とを含むものでもある。第1金属酸化物の含量は、第2金属酸化物の含量よりも大きい。抵抗変化層122に含まれた全体金属に対する、第1金属酸化物に含まれた金属の含量は50at%以上であり、抵抗変化層122に含まれた全体金属に対する、第2金属酸化物に含まれた金属の含量は35at%以下でもある。第1金属酸化物は、タンタル酸化物(TaOx)、チタン酸化物(TiOx)、スズ酸化物(SnOx)、クロム酸化物(CrOx)及びマンガン酸化物(MnOx)のうち少なくとも1つを含んでもよい。第2金属酸化物は、ハフニウム酸化物(HfOx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、シリコン酸化物(SiOx)、ニオブ酸化物(NbOx)、ランタン酸化物(LaOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、スカンジウム酸化物(ScOx)、タングステン酸化物(WOx)、バナジウム酸化物(VOx)及びモリブデン酸化物(MoOx)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0103】
可変抵抗メモリ素子100aは、酸素空孔の形成が容易な抵抗変化層122を具備するので、高抵抗状態と低抵抗状態との抵抗値の差を大きくすることができ、低いセット電圧及び低いリセット電圧の特性を有することができる。
【0104】
抵抗変化層122の内部面に沿って、絶縁性ピラー121が蒸着されうる。絶縁性ピラー121は、チャネルホールCHの最も内側の空間を充填することができる。
【0105】
抵抗変化層122及び半導体層123は、ドーピング領域110、すなわち、共通ソース領域と接することができる。
【0106】
セルストリングCSのチャネルホールCH上にドレイン領域140が提供される。ドレイン領域140は、第2型にドーピングされたシリコン物質を含むものでもある。例えば、ドレイン領域140は、n型にドーピングされたシリコン物質を含んでもよい。
【0107】
ドレイン領域140上に、ビットライン150が提供される。ドレイン領域140及びビットライン150は、コンタクトプラグ(contact plug)を介して連結される。
【0108】
それぞれのゲート電極131、並びにそれと水平方向(X方向)に対向する位置のゲート絶縁層124、半導体層123及び抵抗変化層122の領域は、メモリセルMCを構成する。すなわち、メモリセルMCは、ゲート電極131、ゲート絶縁層124及び半導体層123を含むトランジスタと、抵抗変化層122による可変抵抗とが並列連結された回路構造を有する。
【0109】
そのような並列連結構造は、垂直方向(Z方向)に連続して配列され、セルストリングCSを構成する。そして、セルストリングCSの両端は、図10の回路図に示されたように、共通ソースラインCSLとビットラインBLに連結される。共通ソースラインCSLとビットラインBLに電圧が印加されることにより、複数個のメモリセルMCにプログラム、読み取り及び消去過程が遂行される。
【0110】
例えば、書き込むメモリセルMCが選択されれば、選択されたセルでは、チャネルが形成されないように、すなわち、チャネルオフになるように、当該セルのゲート電圧値が調節され、選択されないセルは、チャネルオンになるように、選択されないセルのゲート電圧値が調節される。これにより、共通ソースラインCSLとビットラインBLに印加された電圧による電流経路は、選択されたメモリセルMCの抵抗変化層122領域を通過することになり、このとき、印加電圧をVsetまたはVreset値とし、低抵抗状態または高抵抗状態を作ることができ、選択されたメモリセルMCに所望の1または0の情報を書き込むことができる。
【0111】
読み取り動作においても、同様に、選択されたセルに対する読み取りが行われる。すなわち、選択されたメモリセルMCがチャネルオフ状態になるように、選択されないメモリセルがチャネルオン状態になるように、各ゲート電極131に印加されるゲート電圧が調節された後、共通ソースラインCSLとビットラインBLとの間の印加電圧Vreadにより、当該セルMCに流れる電流を測定することにより、セル状態(1または0)を確認することができる。
【0112】
前述のように、実施形態による可変抵抗メモリ素子100aは、酸素空孔による導電性フィラメントが容易に形成可能な物質の抵抗変化層122を利用してメモリセルMCを構成し、それをアレイして、メモリ素子を具現することにより、既存の構造、例えば、相変化物質基盤または電荷トラップ基盤のメモリ素子に比べて、抵抗変化層122を薄く形成することができ、低い動作電圧を有することができる。例えば、可変抵抗メモリ素子100aは、絶対値が約4V以下の動作電圧、例えば、書き込み電圧または消去電圧を有することができる。または、可変抵抗メモリ素子100は、絶対値が約2V以下の動作電圧、例えば、書き込み電圧または消去電圧を有することができる。
【0113】
そのようなVNAND構造において、セルストリングCSの高さによるパッケージング(packaging)限界により、セルストリングCSに含まれるゲート電極131の数を増加させることは限界がある。さらに、電荷トラップ基盤のメモリ素子の場合、干渉(interference)により、隣接するゲート電極131間の距離を減らすのに限界がある。例えば、垂直方向(Z方向)に隣接するゲート電極のピッチを約38nm以下に減らすことは困難であるものと知られており、メモリ容量に限界がある。
【0114】
実施形態による可変抵抗メモリ素子100aは、そのような抵抗変化層122を使用することにより、ゲート電極131間のピッチを最小化することができる。実施形態の場合、その長さを20nm以下、例えば、約15nmまで減少させることができ、この場合、メモリ容量が2倍以上向上しうる。
【0115】
このように、可変抵抗メモリ素子100aは、次世代VNANDにおけるメモリセル間のスケーリング問題(scaling issue)を解決することができるので、集積度(density)を増加させることができ、低電力を具現することができる。
【0116】
図11は、一実施形態による多層の抵抗変化層122を含む可変抵抗メモリ素子100bの一部を示す図面である。図9及び図11を参照すれば、図11の可変抵抗メモリ素子100bは、多層の抵抗変化層122aを含む。例えば、抵抗変化層122aは、半導体層123から遠くなる方向に順次に配列された第1抵抗変化層RS1及び第2抵抗変化層RS2を含んでもよい。
【0117】
第1抵抗変化層RS1及び第2抵抗変化層RS2のうち少なくとも1つは、酸素欠乏率が9%以上である金属酸化物で形成される。例えば、第1抵抗変化層RS1は、酸素欠乏率が9%以上である第1金属酸化物を母材とし、酸素欠乏率が9%未満である第2金属酸化物がドーピングされうる。第1抵抗変化層RS1に含まれた第1金属酸化物の酸素欠乏率は、第2抵抗変化層RS2に含まれた第1金属酸化物の酸素欠乏率よりもさらに大きい。半導体層123と隣接した第1抵抗変化層RS1に酸素空孔が容易に発生するので、可変抵抗メモリ素子100の動作電圧を低くすることができる。
【0118】
図12は、一実施形態による酸化物層125をさらに含む可変抵抗メモリ素子100cの一部を示す図面である。図9及び図12を参照すれば、図12の可変抵抗メモリ素子100cは、半導体層123と抵抗変化層122との間に酸化物層125をさらに含む。酸化物層125は、シリコン酸化物を含むが、それに限定されるものではない。酸化物層125は、可変抵抗メモリ素子100cが適用される素子内で、酸化物層125に接する物質、例えば、半導体層123に含まれた物質の酸化物を含むこともできる。酸化物層125の厚みは、抵抗変化層122の厚みよりも小さい。例えば、酸化物層125の厚みは、約5nm以下でもある。
【0119】
図13は、一実施形態による導電性ピラー126を含む可変抵抗メモリ素子100dを示す図面である。図9及び図13を比較すれば、図13の可変抵抗メモリ素子100dは、絶縁性ピラーの代わりに、導電性ピラー126を含む。
【0120】
導電性ピラー126は、抵抗変化層122と接することができる。導電性ピラー126は、抵抗変化層122にコンフォーマルに蒸着されうる。導電性ピラー126は、電気的伝導性に優れた物質でも形成される。例えば、導電性ピラー126は、W、Ti、TiN、Ru、RuO、Ta及びTaNのうち少なくとも1つを含んでもよい。導電性ピラー126は、ゲート電極131と同一物質でも形成される。
【0121】
導電性ピラー126の全領域は、抵抗変化層122によって半導体層123の全領域と空間的に離隔配置されうる。導電性ピラー126と半導体層123とは電気的に絶縁されているので、導電性ピラー126と半導体層123には独立して電圧が印加される。
【0122】
可変抵抗メモリ素子100dは、導電性ピラー126に電気的に連結され、導電性ピラー126に電圧を提供する第1ビットライン(図示せず)、及び第1ビットラインとは電気的に絶縁されつつ、半導体層123と電気的に連結され、半導体層123に電圧を提供する第2ビットライン(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0123】
可変抵抗メモリ素子100dが動作するとき、導電性ピラー126にも電圧が印加される。導電性ピラー126に印加される電圧は、選択メモリセルのゲート電圧、すなわち、ターンオフ電圧より高く、半導体層123に印加される電圧以上でもある。これにより、選択メモリセルに対応する抵抗変化層122には、半導体層123に向かう水平方向の電場が形成されうる。選択メモリセルに対応する抵抗変化層122内での酸素空孔は、抵抗変化層122のうち半導体層123と近い領域に集中されるので、導電性フィラメントの形成がより容易である。
【0124】
図14は、一実施形態による不揮発性メモリ装置を含む電子装置200を図式的に説明するブロック図である。
【0125】
図14を参照すれば、一実施形態による電子装置200は、PDA、ラップトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ウェブタブレット、無線電話機、携帯電話、デジタル音楽プレーヤー(digital music player)、有無線電子機器、またはそれらのうち少なくとも2つを含む複合電子装置のうち1つでもある。電子装置200は、バス210を介して互いに結合した制御器220、キーパッド、キーボード、画面(display)のような入出力装置230、メモリ240及び無線インターフェース250を含む。
【0126】
制御器220は、例えば、1以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、またはそれと類似したものを含む。メモリ240は、例えば、制御器220により実行される命令語を保存するのにも使用される。
【0127】
メモリ240は、ユーザデータを保存するのにも使用される。メモリ240は、一実施形態による不揮発性メモリ装置のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0128】
電子装置200は、RF信号で通信する無線通信ネットワークにデータを伝送するか、あるいはネットワークからデータを受信するために、無線インターフェース250を使用することができる。例えば、無線インターフェース250は、アンテナ、無線トランシーバなどを含んでもよい。電子装置200は、CDMA、GSM、NADC、E-TDMA、WCDAM、CDMA2000のような三世代通信システムのような通信インターフェースプロトコルで使用可能である。
【0129】
図15は、一実施形態による不揮発性メモリ装置を含むメモリシステム300を図式的に説明するブロック図である。
【0130】
図15を参照すれば、一実施形態による不揮発性メモリ装置は、メモリシステムを具現するために使用される。メモリシステム300は、大容量のデータを保存するためのメモリ310及びメモリコントローラ320を含む。メモリコントローラ320は、ホスト330の読み取り/書き込み要請に応答して、メモリ310から保存されたデータを読み取るか、あるいはメモリ310にデータを書き込むようにメモリ310を制御する。メモリコントローラ320は、ホスト330、例えば、モバイル機器またはコンピュータシステムから提供されるアドレスをメモリ310の物理的なアドレスにマッピングするためのアドレスマッピングテーブル(Address mapping table)を構成することができる。メモリ310は、本発明の実施形態による半導体メモリ装置のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0131】
これまで説明した実施形態による不揮発性メモリ装置は、チップ形態に具現され、ニューロモルフィックコンピューティングプラットホームとしても使用される。
【0132】
図16は、実施形態によるメモリ装置を含むニューロモルフィック装置を概略的に示す図面である。図16を参照すれば、ニューロモルフィック装置400は、プロセッシング回路410及び/またはメモリ420を含む。ニューロモルフィック装置400のメモリ420は、実施形態によるメモリシステムを含む。
【0133】
プロセッシング回路410は、ニューロモルフィック装置400を駆動させるための機能を制御するように構成される。例えば、プロセッシング回路410は、ニューロモルフィック装置400のメモリ420に保存されたプログラムを実行させることにより、ニューロモルフィック装置400を制御することができる。
【0134】
プロセッシング回路410は、論理回路のようなハードウェア、ソフトウェアを実行させるプロセッサのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、またはそれらの結合を含む。例えば、プロセッサは、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、グラフィック処理ユニット(GPU:graphics processing unit)、ニューロモルフィック装置400内のアプリケーションプロセッサ(AP:application processor)、算術論理ユニット(ALU:arithmetic logic unit)、デジタルプロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、SoC(System-on-Chip)、プログラマブルロジックユニット、マイクロプロセッサ、ASIC(application-specific integrated circuit)などを含んでもよい。
【0135】
また、プロセッシング回路410は、外部装置430で多様なデータを読み書きし、そのデータを利用してニューロモルフィック装置400を実行させることができる。外部装置430は、外部のメモリ及び/またはイメージセンサ(例えば、CMOSイメージセンサ回路)を具備したセンサアレイを含んでもよい。
【0136】
図16に示されたニューロモルフィック装置400は、マシンラーニングシステムにも適用される。マシンラーニングシステムは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)、逆畳み込みニューラルネットワーク(deconvolutional neural network)、長短期メモリ(long short-term memory:LSTM)及び/またはGRU(gated recurrent unit)を選択的に含む、リカレントニューラルネットワーク(RNN:recurrent neural network)、SNN(stacked neural network)、SSDNN(state-space dynamic neural network)、DBN(deep belief network)、GANs(generative adversarial networks)及び/またはRBM(restricted Boltzmann machines)などを含む多様な人工ニューラルネットワーク組織と処理モデルを活用することができる。
【0137】
そのようなマシンラーニングシステムは、例えば、線形回帰分析(linear regression)及び/またはロジスティクス回帰分析(logistic regression)、統計的クラスタリング(statistical clustering)、ベイズ分類(Bayesian classification)、決定木(decision trees)、主成分分析(principal component analysis)のような次元削減(dimensionality reduction)、及び専門家システムのような他の種類のマシンラーニングモデル、及び/またはランダムフォレスト(random forest)のようなアンサンブル技法を含むそれらの組み合わせを含む。そのようなマシンラーニングモデルは、例えば、映像分類サービス、生体情報または生体データに基づいたユーザ認証サービス、先進運転支援システム(ADAS:advanced driver assistance system)、音声アシスタントサービス(voice assistant service)、自動音声認識(ASR:automatic speech recognition)サービスのような多様なサービスを提供するのに使用され、他の電子装置に装着されて実行可能である。
【0138】
前述の可変抵抗メモリ素子及びそれを含む電子装置は、図面に示された実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当該分野において通常の知識を有する者であれば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。前述の説明において多くの事項が具体的に記載されているが、それらは、発明の範囲を限定するというより、具体的な実施形態の例示として解釈されなければならない。本発明の範囲は、前述の実施形態によって決まるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって決まらなければならない。
【符号の説明】
【0139】
100 可変抵抗メモリ素子
121 絶縁性ピラー
122 抵抗変化層
123 半導体層
124 ゲート絶縁層
125 酸化物層
126 導電性ピラー
131 ゲート電極
132 絶縁素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16