(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028263
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】位置補正機構、位置補正装置セット及び位置補正機能付き移動装置
(51)【国際特許分類】
B60P 3/00 20060101AFI20240226BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B60P3/00 Z
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131415
(22)【出願日】2022-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】592127965
【氏名又は名称】NKE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】谷口 豊
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB35
3F522FF05
3F522FF12
3F522JJ02
3F522KK05
(57)【要約】
【課題】目的位置近くに到達した移動装置を移動させることなく、位置合わせできる位置補正機構を提供する。
【解決手段】位置補正機構は、移動装置に移動可能に支持され、目的位置に設けられている一対のシャフト9に対して位置補正する位置補正機構において、係合部511を有し且つシャフト9と平行な回動軸519A,519B周りに回動してシャフト9に係合する一対の係合体51A,51Bと、係合体51A,51Bをシャフト9に係合させる係合方向及び係合体51A,51Bの係合を解除させる解除方向に係合体51A,51Bを回動させる駆動ユニットとを備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動装置に移動可能に支持され、目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正機構において、
係合部を有し且つ前記シャフトと平行な回動軸周りに回動して前記シャフトに係合する一対の係合体と、
前記係合体を前記シャフトに係合させる係合方向及び前記係合体の係合を解除させる解除方向に前記係合体を回動させる駆動ユニットとを備える、
位置補正機構。
【請求項2】
前記シャフトに前記係合部が係合した状態を維持するゼネバ機構を備える、
請求項1に記載の位置補正機構。
【請求項3】
前記一対の係合体と前記駆動ユニットは、前記移動装置に移動可能に支持された筐体に収容され、
前記一対のシャフトと平行であって前記筐体内まで延伸する一対の第2シャフトが前記移動装置側に設けられており、
前記係合体は、前記回動軸周りの周方向の一方側に前記係合部を有し、前記周方向の他方側に前記第2シャフトと係合する第2係合部を有する、
請求項1又は2に記載の位置補正機構。
【請求項4】
前記駆動ユニットは、
1台の駆動モータと、
前記駆動モータにより回動駆動する歯車と、
前記回動軸と平行な方向から前記歯車を挟む状態で噛合し且つカムを有する一対の原動カムと
を備え、
前記係合体は、前記カムの移動に従って前記回動軸周りに回動する、
請求項1又は2に記載の位置補正機構。
【請求項5】
移動装置に移動可能に支持され、目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正装置と、
前記位置補正装置を前記移動装置に取り付けるための取付ユニットとを備え、
前記位置補正装置は、請求項1又は2に記載の位置補正機構を備える、
位置補正装置セット。
【請求項6】
少なくとも目的位置に移動する移動装置と、
前記移動装置に移動可能に支持され、前記目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正装置と
を備え、
前記位置補正装置は、請求項1又は2に記載の位置補正機構を備える、
位置補正機能付き移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的の位置に位置合わせする位置補正機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自装置の位置決めを行う位置補正機構として、例えば、「無人搬送車の到着を検出するセンサと、前記センサから到着を検出する信号を受け取り、前記無人搬送車の停止位置決めの動作の開始を指示する処理部と、前記処理部からの動作開始の指示で圧縮動作を行い、ピストン棒を内部へ移動させるシリンダと、前記ピストン棒に取り付けられ、前記シリンダの前記ピストン棒に連動するチェーンと、前記チェーンの先端に取り付けられ、前記チェーンの動作に従って前記無人搬送車を挟んで停止位置決めを行う金具とを有することを特徴とする無人搬送車停止位置決めクランプ機構」が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記クランプ機構では、目的位置の近くに到達した無人搬送車を位置決めする際に、無人搬送車を移動させる必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、目的位置近くに到達した移動装置を移動させることなく、位置合わせできる位置補正機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る位置補正機構は、移動装置に移動可能に支持され、目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正機構において、係合部を有し且つ前記シャフトと平行な回動軸周りに回動して前記シャフトに係合する一対の係合体と、前記係合体を前記シャフトに係合させる係合方向及び前記係合体の係合を解除させる解除方向に前記係合体を回動させる駆動ユニットとを備える。
本発明の一態様に係る位置補正装置セットは、移動装置に移動可能に支持され、目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正装置と、前記位置補正装置を前記移動装置に取り付けるための取付ユニットとを備え、前記位置補正装置は、上記に記載の位置補正機構を備える。
本発明の一態様に係る位置補正機能付き移動装置は、少なくとも目的位置に移動する移動装置と、前記移動装置に移動可能に支持され、前記目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正装置とを備え、前記位置補正装置は、上記に記載の位置補正機構を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、位置決めの際に、目的位置近くに到達した移動装置を移動させることなく、位置合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】位置補正機能付き移動装置を上方から見た斜視図であり、(a)は係合体が没状態であり、(b)は係合体が出状態である。
【
図2】分解状態の位置補正機能付き移動装置を上方から見た斜視図である。
【
図3】取付ユニット状に載置され且つ載置台が取り付けられた位置補正装置の図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は(a)のA-A断面を矢印方向から見た断面図であり、一部を拡大している。
【
図4】位置補正装置の斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
【
図5】位置補正装置の筐体の天壁部を上方に移動させた状態を上方から見た斜視図である。
【
図6】(a)は位置補正ユニットを上方から見た斜視図であり、(b)はフレームを移動させた位置補正ユニットを上方から見た図である。
【
図7】(a)は位置補正ユニットの原動側軸体と回動軸体の中心軸を通る拡大断面図であり、(b)は下側の原動カムの拡大斜視図である。
【
図8】位置補正ユニットの動作を説明する図であり、(a)は係合体が第2シャフトに係合した状態を示し、(b)は係合体が第1シャフトに係合する際の状態を示し、(c)は係合体が第1シャフトに係合した状態を示す。
【
図9】位置補正ユニットの位置関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
本発明の一態様に係る第1の位置補正機構は、移動装置に移動可能に支持され、目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正機構において、係合部を有し且つ前記シャフトと平行な回動軸周りに回動して前記シャフトに係合する一対の係合体と、前記係合体を前記シャフトに係合させる係合方向及び前記係合体の係合を解除させる解除方向に前記係合体を回動させる駆動ユニットとを備える。
これにより、位置合わせの際に、移動装置に移動可能に支持された位置補正機構が移動することとなり、目的位置近くに到達した移動装置を移動させることなく、位置合わせできる。
【0009】
本発明の一態様に係る第2の位置補正機構は、第1の位置補正機構において、前記シャフトに前記係合部が係合した状態を維持するゼネバ機構を備える。これにより、容易に維持機構を設けることができる。また、駆動モータに負荷をかけることなく、係合状態を維持できる。
【0010】
本発明の一態様に係る第3の位置補正機構は、第1又は第2の位置補正機構において、前記一対の係合体と前記駆動ユニットは、前記移動装置に移動可能に支持された筐体に収容され、前記一対のシャフトと平行であって前記筐体内まで延伸する一対の第2シャフトが前記移動装置側に設けられており、前記係合体は、前記回動軸周りの周方向の一方側に前記係合部を有し、前記周方向の他方側に前記第2シャフトと係合する第2係合部を有する。これにより、位置補正機構を第2シャフトに対して位置決めできる。また、第1シャフトに係合する係合体を利用するため、容易に実施できる。
【0011】
本発明の一態様に係る第4の位置補正機構は、第1~第3の何れかの位置補正機構において、前記駆動ユニットは、1台の駆動モータと、前記駆動モータにより回動駆動する歯車と、前記回動軸と平行な方向から前記歯車を挟む状態で噛合し且つカムを有する一対の原動カムとを備え、前記係合体は、前記カムの移動に従って前記回動軸周りに回動する。これにより、係合体を駆動するユニットの構造を簡単にできる。また、駆動モータが1台となり、省電力で実施できる。
【0012】
本発明の一態様に係る第1の位置補正装置セットは、移動装置に移動可能に支持され、目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正装置と、前記位置補正装置を前記移動装置に取り付けるための取付ユニットとを備え、前記位置補正装置は、上記第1~第4の位置補正機構を備える。また、簡単に移動装置に位置補正装置を取り付けることができる。
【0013】
本発明の一態様に係る第1の位置補正機能付き移動装置は、少なくとも目的位置に移動する移動装置と、前記移動装置に移動可能に支持され、前記目的位置に設けられている一対のシャフトに対して位置補正する位置補正装置とを備え、前記位置補正装置は、上記第1~第4の位置補正機構を備える。
【0014】
<実施形態>
1.全体構成
実施形態に係る位置補正機構(位置補正ユニット)は、移動装置(無人搬送装置)2に着脱可能に設けられている。これにより、すでに使用している移動装置に容易に適用することができる。
位置補正機能付き移動装置1は、
図1に示すように、例えば、無人搬送装置2と、無人搬送装置2に着脱可能であって当該無人搬送装置2に対して移動可能に支持される位置補正装置5と、位置補正装置5に設けられた載置台3とを備える。なお、ここでは、位置補正装置5は、取付ユニット4を介して無人搬送装置2に取り付けられる。
無人搬送装置2は、予め設定された目的位置に自動(無人)で移動可能に構成されている。無人搬送装置2は、例えば、充電可能なバッテリを駆動源とする。無人搬送装置2は、目的位置で他の装置とでワークの受け渡しをする。なお、ワークは載置台3に載置される。
位置補正装置5は、目的位置に設けられた一対のシャフト9(
図8参照)に係合する係合体51を出没可能に備える。
図1の(a)は係合体51の没状態を示し、
図1の(b)は係合体51の出状態を示す。係合体51は出状態となる際にシャフト9に係合し、これにより自装置の位置補正(位置決め)が行われる。
載置台3は位置補正装置5に設けられている。これにより、無人搬送装置2はプログラム等により目的位置(の近傍)まで移動すると、その後、位置補正装置5がシャフト9に対して位置補正することで、位置補正装置5に設けられた載置台3上のワークが正確に位置決めされる。
以下、各装置について説明する。
【0015】
2.各装置の構成
(1)無人搬送車
主に、
図2を用いて説明する。
無人搬送装置2は、移動用の車輪、バッテリ、駆動モータ、制御ユニット、操作部21等を筐体20に備える。筐体20の上面20aには取付ユニット4が着脱可能に取り付けられる。ここでは、ねじ29を利用している。
【0016】
(2)取付ユニット
主に、
図2及び
図3を用いて説明する。
取付ユニット4は、無人搬送装置2に取り付けられる取付ベース41と、係合体51の没状態で位置補正装置5を位置固定するためのシャフト42とを備える。
ここで、目的位置のシャフト9と取付ユニット4のシャフト42とを区別するために、便宜上、目的位置のシャフトを第1シャフトとし、取付ユニット4のシャフトを第2シャフトとする。区別する必要がない場合は、単に、シャフトとすることもある。
取付ベース41は、例えば、ねじ29により無人搬送装置2に固定されるフレーム43と、フレーム43を上側から覆うカバー44とを有している。フレーム43は、断面が「コ」字状や「L」字の部材を連結させてなる。一例としてのフレーム43は、第1方向に長い2本の部材431が第2方向に間隔をおいて配され、当該2本の部材431が第1方向の中間で第2方向に長い2本の部材433により連結されている(
図3参照)。なお、ここでの第1方向は、一対の第2シャフト42が並ぶ方向である。
カバー44は、天壁部441と、天壁部441の周縁から下方に延伸する周壁部443とを有する。カバー44はフレーム43にねじ49により固定される。
第2シャフト42は、上下方向に延伸し、一対(2本)ある。第2シャフト42は、例えば、ねじ、溶接等を利用して取付板45に設けられ(固定され)ている。ここでは、溶接が利用されている。取付板45の上面は、位置補正装置5を移動可能に支持する支持面となる(
図3の(b)の拡大図参照)。
【0017】
(3)載置台
載置台3は、位置補正装置5の上面に設けられている。ここでは、載置台3は上下動可能に支持されている。載置台3は、ワークを載置する矩形状又は方形状の載置板31と、載置板31の角部分に設けられたロッド33とを備える。ロッド33は、上下方向に延伸し、位置補正装置5の支持ユニット(スリーブ)53の貫通孔(ガイド孔)に挿入され、上下動可能に支持される。
載置台3は、載置板31の裏面が位置補正装置5の昇降ユニット54により押し上げられ、上下動する。
【0018】
(4)位置補正装置
図4に示すように、位置補正装置5は、無人搬送装置2に対して移動可能とする可動ユニット52と、第1シャフト9に係合して自装置の位置決めを行う位置補正ユニット55と、載置台3を支持する支持ユニット53とを少なくとも備える。なお、載置台3の構成によっては支持ユニット53を備えなくてもよい。
ここでの位置補正装置5は、載置台3を上下方向に昇降させる昇降ユニット54を備える。なお、可動ユニット52、支持ユニット53、昇降ユニット54及び位置補正ユニット55は筐体50に設けられている。
以下、各ユニットについて説明する。
【0019】
(4-1)筐体
図4に示すように、筐体50は、上下方向の寸法が小さい箱状(直方体状)又はこれに似た形状をしている。筐体50は、天壁部501、底壁部502、周壁部503を有している。
筐体50の天壁部501の貫通孔501aを介して、昇降ユニット54の当接部(フリーローラ547)が昇降する。
筐体50の底壁部502の貫通孔を介して、可動ユニット52の球体521が下方に張り出す。なお、無人搬送装置2に取り付けられる第2シャフト42は、底壁部502の貫通孔502aから筐体50の内部へと進入する。
筐体50の周壁部503に欠け部503aを有し、当該欠け部503aを利用して、位置補正ユニット55が配されている。なお、位置補正ユニット55の係合体51の出没用の貫通溝503bが、位置補正ユニット55の貫通溝575aに連続する状態で設けられている。
【0020】
(4-2)可動ユニット
可動ユニット52は、全方向に移動可能なボールキャスタを利用している。ボールキャスタは、球体521と、球体521を収容するフランジ付きケース523とから構成され、当該フランジ付きケース523のフランジ部が底壁部502に固定される。可動ユニット52は、複数個(ここでは、8個である)あり、均等に設けられている。
【0021】
(4-3)支持ユニット
図5を用いて説明する。
支持ユニット53は、載置台3のロッド33を上方から受け入れるブッシュやスリーブ等を利用している。支持ユニット53は、円筒部531と、円筒部531の上端のフランジ部533とを有するフランジ付きスリーブを利用している。支持ユニット53は、フランジ部533を上側にして、上方から筐体50の天壁部501の貫通孔に挿入されて支持される。
【0022】
(4-4)昇降ユニット
図5を用いて説明する。
昇降ユニット54は、上下動する可動手段と、可動手段を上下動させる駆動手段とを備える。
ここでは、可動手段としてスライダクランク機構を、駆動手段としてアクチュエータをそれぞれ利用している。
可動手段は、一端が固定された第1リンク541の他端と、一端がスライダ542に取り付けられた第2リンク543の他端とが回動可能に連結ピン544により連結されている。スライダ542がスライドすることで連結ピン544は上下動する。
アクチュエータは、所謂、スライダタイプである。スライダ542は、ボールねじ545に螺合する固定軸受けにより構成されている。ボールねじ545は、駆動手段546により回転駆動される。
スライダ542が、ボールねじ545の回転により、第1リンク541の一端に近づくように移動すると連結ピン544が上昇し、第1リンク541の一端から離れるように移動すると連結ピン544が下降する。
連結ピン544にはフリーローラ547が設けられ、フリーローラ547が載置台3の載置板31の裏面に当接し、スムーズに載置台3を押し上げる。
【0023】
(4-5)位置補正ユニット
位置補正ユニット55は、
図6の(a)に示すようにユニット化されている。
位置補正ユニット55は、
図5に示すように、筐体50の周壁部503の欠け部503aから一部が張り出す状態で、筐体50に設けられている。
図6に示すように、位置補正ユニット55は、一対の第1シャフト9に係合するための係合部511を有する係合体51と、係合体51を第1シャフト9に係合させる係合方向及び係合体51の係合を解除させる解除方向に駆動する駆動ユニット56とをフレーム57に備える。
なお、ここでの係合体51は、第2シャフト42にも係合する係合部513を有しているため、第1シャフト9への係合方向は、第2シャフト42からの解除方向となり、第2シャフト42への係合方向は、第1シャフト9からの解除方向となる。
【0024】
(4-5-1)フレーム
フレーム57は、例えば、底板571と、天板573と、側板575とを有している。
底板571及び天板573は、シャフト9,42が延伸する方向に対向する状態で配され、底板571と天板573との間に係合体51や駆動ユニット56が配されている。底板571及び天板573は、方形状、矩形状等をしている。ここでは、シャフト9,42(
図8参照)が並ぶ方向に長い矩形状をしている。
天板573は支持ユニット53用の貫通孔573aを有している。
側板575は係合体51用の貫通溝575aを有している。
【0025】
(4-5-2)係合体
係合体51は、少なくとも第1シャフト9に係合する係合部511を板状部512に有する。係合体51(板状部512)は、第1シャフトと平行な回動軸体519周りに回動可能に支持されている。係合体51は、駆動ユニット56により、回動軸体519と直交する面(ここでは、水平面である)内を回動する。
回動軸体519は、フレーム57に、より具体的には、底板571と天板573にねじ等により固定されている。第1シャフト9に係合体51が係合して位置決めされた際に、
図9に示すように、回動軸体519の延伸方向から2本の回動軸体519を見ると、2本の回動軸体519の中心を通る仮想線L2が第1シャフト9の中心を通る仮想線L1と平行となるように、設けられている。
なお、係合体51は、回動軸体519に回動可能に設けられたスペーサ583に固定され、当該スペーサ583が回動することで、回動する。
係合体51は、第2シャフト42に係合する係合部513を板状部512に有している。第1シャフト9に係合する係合部を「第1係合部」とし、第2シャフト42に係合する係合部を「第2係合部」とする。なお、第1及び第2を区別する必要がない場合は、単に係合部511,513とする。
板状部512は扇状をし、半径部分に係合部511,513が設けられている。ここでは、板状部512は、中心角が90°の扇状をしている。換言すると、円の1/4の形状をしている。板状部512は、中心角側で回動可能に支持される。これにより、フレーム57の貫通溝575aと筐体50の貫通溝503bを短くできる。
【0026】
係合部511,513は、半径部分(端面が径方向に延伸する部分)から周方向の内側に入り込むように形成されている。係合部511は、
図8に示すように、受入口511a,513aから周方向の奥側部分511b,513bへとシャフト9,42を受け入れる。係合部511は、受入口511a,513aから受け入れ方向の奥側に移るにしたがって開口幅が小さくなる形状をしている。ここでは、シャフト9,42の延伸方向から見ると、「V」字状をしている。
受入口511a,513aはシャフト9,42より大きい。例えば、受入口511a,513aの開口幅はシャフト9,42の直径に対して2~5倍である。これにより、係合体51の位置がシャフト9,42に対して離れている場合でも、シャフト9,42に係合できる。2倍未満だとシャフト9,42が係合部511,513に入り難く、5倍より大きいと係合体51が大型化する。
係合部511,513の奥側部分511b,513bは、シャフト9,42の直径と同じ又は直径よりも小さい。これにより、位置決め精度を高めることができる。
係合部511,513は、
図9に示すように、回動軸体519を中心とし且つシャフト9,42の中心を通る仮想円周線L5上に位置し、仮想円周線L5に対して線対称に近い形状をしている。
【0027】
(4-5-3)駆動ユニット
主に
図6の(b)及び
図7を用いて説明する。
駆動ユニット56は、一対の係合体51を同期させて、回動軸体519周りに回動駆動する。駆動ユニット56は例えばカム機構と歯車機構を利用している。駆動ユニット56は、回動軸体519と平行な原動側軸体561と、原動側軸体561に回動可能に支持され且つカム562aを有する原動カム562と、カム562a用の溝部563aを有し回動軸体519に支持される従動カム563と、原動カム562を回動させる駆動手段564とを備える。原動カム562、従動カム563、回動軸体519は、一対の係合体51に対応して一対ある。
原動側軸体561は、底板571と天板573とにねじにより支持(固定)される。原動側軸体561は、
図7の(a)に示すように、軸方向の中間部分に大径部を有する段付き状をし、両側(上端部と下端部)の小径部にベアリング581を介して一対の原動カム562が対向して取り付けられる。一対の原動カム562は一対の係合体51に対応している。これにより、駆動ユニット56を小型化できる。
【0028】
一対の原動カム562において、他方の原動カム562が存在する側を内側とし、他方の原動カム562が存在しない側を外側とする。
原動カム562は、円盤状をし、外側の主面にカム562aを有している。カム562aは、回動軸体519と平行な軸周りに回転可能なフリーローラにより構成されている。カム562aは、
図7の(b)に示すように、ねじ部が原動カム562の貫通孔を外側から挿通して内側のナット582に螺合することで、取り付けられる。フリーローラを利用することで、カム562aの従動カム563の溝部563aへの進入、溝部563a内での移動をスムーズとなる。
原動カム562は、内側の主面に歯車部562bを有している。ここでは歯車部562bは、原動側軸体561の延伸方向の凹凸により歯が構成され、当該歯が径方向に延伸すると共に周方向に複数個設けられて構成される。つまり、歯車部562bは傘歯車用の歯により構成されている。
原動カム562は、外側の主面に中心側が厚くなる段差部562cを有している。段差部562cは、従動カム563とで(外)ゼネバ機構を構成するものである。原動側軸体561の延伸方向から段差部562cを見ると、段差部分(側面)が原動側軸体561の中心軸を中心すると円形状(円弧形状)をしている。段差部562cにおいて、カム562aが設けられている部分は、従動カム563の溝部563aへの進入領域となっており、中心側に凹入している。なお、カム562aは、段差部562cの外周側に設けられている。
なお、原動カム562は、ゼネバギアでもある。これにより、駆動ユニット56の構造を簡素化できる。
【0029】
従動カム563は、係合体51を回動可能に支持する回動軸体519周りに回動可能に設けられている。従動カム563は、
図7の(a)に示すように、係合体51に固定される板状部563bを有している。板状部563bは、スペーサ583を介して固定される。スペーサ583は、円筒状をし、回動軸体519にベアリング584を介して回動可能に取り付けられている。スペーサ583の一方の端面には従動カム563が、他方の端面には係合体51がそれぞれねじ(図示省略)等により固定される。これにより、従動カム563と係合体51とが一体で回動軸体519周りを回動する。
従動カム563は、原動カム562のカム562aを受け入れる溝部563aを有している。溝部563aは、回動軸体519との連結部(回動軸体519の中心軸)を中心として径方向に延伸する。これにより、原動カム562が回動すると、カム562aが原動側軸体561の周りの円周上を移動し、カム562aが溝部563a内に進入して当該溝部563a内を移動することで、従動カム563(及び係合体51)が回動軸体519周りに回動する。
【0030】
図8に示すように、従動カム563は、第1シャフト9に係合体51が係合することで位置決めされた状態で、原動カム562の段差部分に当接する当接部563cを有している。当接部563cの曲率は、段差部分の曲率に等しい。従動カム563は、第2シャフト42に係合体51が係合することで位置決めされた状態で、原動カム562の段差部分に当接する当接部563dを有している。当接部563dの曲率は、段差部分の曲率に等しい。これにより、係合体51の係合状態(位置決め状態)を維持できる。
ここで、第1シャフト9と係合した際に当接する当接部563cを第1当接部563cとし、第2シャフト42と係合した際に当接する当接部563dを第2当接部563dとして、両者を便宜上区別する。なお、区別する必要がない場合は、単に、当接部563c,563dとする。
当接部563c,563dは、円弧状をしており、ここでは、溝部563aの両側の端面により構成されている。つまり、従動カム563は、回動軸体419の延伸方向から見ると、四角形状に近い形状をし、そのうちの1つの第1角部が回動軸体419に支持され、当該第1角部と対角上に位置する第2角度に隣接する2つの辺部分に相当する端面で当接部563c,563dを構成している。
【0031】
駆動手段564は、
図7の(a)に示すように、一対の原動カム562間に配され且つ歯車部562bに噛み合う歯車586と、歯車586を回動駆動させる駆動モータ587とを備える。歯車586はその回転軸が原動側軸体561と直交する。これにより、歯車576の回転により、原動カム562が原動側軸体561の周りを互いに反対向きに回転する。駆動手段564は、取付具588を介してフレーム57に固定(支持)される。
一対の原動カム562及び一対の従動カム563は、原動側軸体561の中心軸と歯車586の中心軸との交点に対して点対象となるように、設けられている。これにより、設計が容易となる。
【0032】
3.動作説明
図8を用いて説明する。
図8は、原動側軸体561の延伸方向から見た図である。
便宜上、紙面に向かって左側の係合体51を「左係合体51A」とし、左係合体51Aに関連する部材に「左」を、その符号に「A」を付ける。同様に、右側の係合体を「右係合体51B」とし、右係合体51Bに関連する部材に「右」を、その符号に「B」を付ける。
なお、
図8では、右原動カム562Bは現れていないが、符号を付している。また、左・右を区別する必要がない場合は、「右」及び「左」を外すこともある。
【0033】
(1)第2係合状態
図8の(a)は、係合体51A,51Bの第2係合部513が第2シャフト42に係合している状態である。この状態では、従動カム563A,563Bの当接部563dが原動カム562A,562Bの段差部562cの段差部分に当接している。これにより、第2係合部513の係合状態が維持される。また、当接状態では、駆動ユニット56の駆動モータ587を駆動させる必要がなく、駆動モータ587に負荷が作用することはない。
第2係合部513の係合状態では、原動カム562A,562Bのカム562aが従動カム563A,563Bの溝部563aの外側に位置し、また、係合体51A,51Bは筐体50の内部に位置する。
第2係合部513が係合する状態は、無人搬送装置2が移動している又は待機している状態である。第2シャフト42に第2係合部513が係合することで、位置補正装置5が無人搬送装置2に対して移動することがなく、ワークがガタついたり、ズレたりすることを抑制でき、また、安全性を高めることができる。
【0034】
(2)第2係合状態から第1係合状態への移行
無人搬送装置2が、目的位置、つまり、一対の第1シャフト9が存在する場所(位置)に到達すると、第2係合状態を解除して、第1係合部511が第1シャフト9に係合するように、係合体51A,51Bが回動軸体519A,519B周りに回転する。この第2係合状態から第1係合状態に移行する動作を、
図8の(b)で説明する。
まず、無人搬送装置2が目的位置で停止すると、駆動モータ587が駆動して、歯車586が回転することで、左原動カム562Aが時計回りに回転し、右原動カム562Bが反時計周りに回転する。
これにより、原動カム562A,562Bのカム562aが周方向に沿って移動し、従動カム563A,563Bの溝部563aにカム562aが進入して奥側への往復移動することで、左係合体51Aと左従動カム56Aが回動軸体519A周りを反時計周りに回転し、右係合体51Bと右従動カム56Bが回動軸体519B周りを時計周りに回転する。
係合体51A,51Bの回転により、第2係合状態が解除され、係合体51A,51Bは第1シャフト9に近づく。この際、第1係合部511は、受入口511aの大きな切り欠き形状をしているため、第1シャフト9に対する無人搬送装置2の位置がずれていても、係合体51A,51Bは第1シャフト9に対して係合可能となる。
【0035】
(3)第1係合状態
図8の(b)の状態から、さらに、左原動カム562Aが時計回りに回転し、右原動カム562Bが反時計周りに回転すると、左係合体51Aと左従動カム56Aが回動軸体519A周りを反時計周りに回転し、右係合体51Bと右従動カム56Bが回動軸体519B周りを時計周りに回転する。
これにより、係合体51A,51Bの第1係合部511がさらに第1シャフト9に近づく。
この際、第1シャフト9の中心軸が仮想円周線L5(
図9参照)上に位置する場合、第1係合部511の奥側部分511bが第1シャフト9に直接当接することとなり、第1シャフト9に対して位置補正することなく、第1係合部511が第1シャフト9を係合する。
一方、第1シャフト9の中心軸が仮想円周線L5(
図9参照)上に位置しない場合、第1係合部511に面する側面511cが第1シャフト9に当接しながら、係合部511の奥側部分511bが第1シャフト9に当接するまで、係合体51A,51Bが回転する。つまり、第1シャフト9に対して位置補正されながら、第1係合部511が第1シャフト9を係合する。
このようにして、一対の第1係合部511が一対の第1シャフト9に対して外側から(挟むようにして)係合して、位置補正装置5(ワーク)が第1シャフト9に対して位置決めされる。なお、ここでの外側は、第1シャフト9において他方の第1シャフト9が存在していない側である。
そして、さらに、左原動カム562Aが時計回りに回転し、右原動カム562Bが反時計回りに回転すると、カム562aが従動カム563A,563Bの溝部563aから退出し、従動カム563A,563Bの当接部が563cが原動カム562A,562Bの段差部562cに当接する。これにより、係合体51A,51Bの係合状態、つまり、位置補正装置5(ワーク)の第1シャフト9に対する位置決め状態が保持される。
【0036】
(4)第1係合状態から第2係合状態への移行
第1係合状態から第2係合状態への移行の動作は、上記(2)、(3)で説明した動作の逆であり、その説明を省略する。
【0037】
4.その他
(1)
図9に示すように、回動軸体519の中心軸と第1シャフト9の中心軸との距離D1は、回動軸体519の中心軸と第2シャフト42の中心軸との距離D2と同じに構成されている。
これにより、第1係合部511と第2係合部513との形状を同じにでき、係合体51の設計を容易とできる。
(2)
図9に示すように、係合体51の係合部511,513の奥側部分511b,513bは、距離D1又は距離D2が半径であって中心が回動軸体519に中心軸である仮想円周線L5上に位置している。
これにより、第1シャフト9又は第2シャフト42をしっかりと位置合わせできる。
(3)
図9に示すように、一対の第1シャフト9の中心を通る仮想線L1と、第1シャフト9の中心軸と回動軸体519の中心軸とを通る仮想線L4との間の角度Aは、略90°(80~100°)に設定されている。
これにより、一対の第1シャフト9が仮想線L1に沿って係合することとなり、係合状態を外れ難くできる。
なお、仮想線L4は、ここでは、第2シャフト42の中心軸も通過する。
(4)
図9において、原動側軸体561の中心軸と2つの回動軸体519の中心軸との距離は同じに構成されている。これにより、一対の係合体51、一対の従動カム563、一対のカム562a、一対の原動カム562を同じ構造にでき、これらの設計を容易とできる。
【0038】
<変形例>
以上、実施形態に係る位置補正機能付き移動装置1について説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例とを組み合わせたものでもよいし、変形例同士を組み合わせたものでもよい。また、実施形態や変形例に記載していない例や要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0039】
1.移動装置
実施形態では、移動装置の一例である無人搬送装置2に位置補正装置5を取り付けていたが、例えば、有人装置に取り付けてもよい。駆動源は、電気であってもよいし、軽油、ガソリン等の燃料であってもよい。
位置補正装置5は、ワークを載置するための載置台3を備えていたが、載置台に代えて又は併用で他の機能を備えてもよい。他の機能としては、一対の爪を備える把持機能や平板が進退してワーク等を出し入れするリフト機能等がある。
移動装置の一例である無人搬送装置2は、別体の取付ユニット4を介して位置補正装置5を取り付けているが、取付ユニットを一体で備えてもよいし、取付ユニットと位置補正装置とを一体で備えてもよい。
位置補正機能付き移動装置1は、無人搬送装置2に対して取付ユニット4を利用して位置補正装置5を取り付けているが、他の構造の取付ユニットを利用して位置補正装置を取り付けるようにしてもよい。他の構造の取付ユニットとして、例えば、移動装置の上部側に嵌合する嵌合部を有し、嵌合状態をねじやピン等の固定具で固定する構造がある。
【0040】
2.位置補正装置
(1)位置補正装置5は、昇降ユニット54を備えているが、位置補正機能付き移動装置の用途、目的等によっては、昇降ユニットを備えなくてもよい。また、昇降ユニットを無人搬送装置側に設けてもよい。
(2)位置補正ユニット55は、一部が筐体50から張り出すように設けられているが、筐体内に位置するように設けられてもよい。
(3)回動軸体519は、ねじ等によりフレーム57に固定されているが、回動可能にフレームに取り付けられてもよい。この場合、スペーサ583と回動軸体519との間に設けられたベアリング584は不要となる。また、回動軸体519は、筐体に回動可能又は回動不可能に設けられてもよい。
(4)係合体51は、中心角が90°の扇状をしているが、
図9に示すように、係合部511,513が、回動軸体519を中心した仮想円周線L5上に位置すれば、90°以外の中心角の扇状であってもよい。なお、仮想円周線L5上には、係合部511,513、シャフト9,42の中心が位置する。
一対の係合体51は、同じ構成をしているが、形状大きさ等が異なってもよい。
(5)係合体51は、回動軸体519の延伸方向から見ると、外周縁が円弧状をしているが、直線状であってもよいし、「V」字、「L」字状をしてもよい。なお、外周縁が直角の「V」字の場合、係合体は方形状となる。また。外周縁が90°未満の「V」字であって中心角が90°未満の場合、係合体はひし形状となる。
(6)係合部511,513は、半径部分に1個設けられていたが、複数個設けられてもよい。これにより、一対シャフトの間隔が異なる複数組のシャフトに係合可能となる。複数個設ける場合、同じ構成の係合部であってもよいし、異なる構成の係合部であってもよい。なお、一対の係合体の係合部の個数は、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0041】
(7)係合部511,513の大きさは同じ、つまり、シャフト9,42を同じ形状、直径としている(
図8参照)が、第1シャフトが係合部に入る大きさであれば、第2シャフトの係合部と同じであってもよいし、異なってもよい。
(8)係合部511,513は、同じ形状であって同じ大きさをしているが、異なる形状であってもよいし、異なる大きさであってもよい。
(9)係合体51は、2個の係合部511,513を有しているが、第1係合部511があればよく、第2係合部を有しなくてもよい。
(10)原動側軸体561はフレーム57に固定されているが、回動可能にフレームに取り付けられてもよい。この場合、原動カム562と原動側軸体561との間に設けられたベアリング581は不要となる。また、原動側軸体561は、筐体に回動可能又は回動不可能に設けられてもよい。
(11)従動カム563は、カム562a用であってカム側の端部が開放する溝部563aを有しているが、カム側の端部が閉じた貫通孔(ガイド孔)を有してもよい。
【0042】
(12)原動カム562は、歯車部562bと段差部562cを表裏に有しているが、係合体51の係合状態の固定を他の手段で行う場合は、段差部を有しなくてもよい。つまり、ゼネバ機構を有しなくてもよい。
(13)従動カム563は、溝部563aの両側の端面により当接部563c,563dを構成しているが、板状部563bから厚み方向に突出する突出部の側面を円弧状にすることで構成してもよい。
(14)従動カム563は、2個の当接部563c,563dを有しているが、第1当接部563cがあればよく、第2当接部を有しなくてもよい。
(15)可動ユニット52は、位置補正装置5に設けられていたが、例えば、取付ユニット4に設けられてもよい。この場合、筐体も取付ユニットにより移動可能に支持される。
(16)一対の原動カム562は、1個の歯車586を挟むようにして噛合する(つまり、駆動モータ587が1台である)が、1つの原動カムを1台の駆動モータで駆動するようにしてもよい。
【0043】
(17)第1シャフト9は、上下方向に延伸してもよいし、例えば、水平方向に延伸してもよい。水平方向に第1シャフトが延伸する場合、原動側軸体や回動軸体を水平方向に設けることで実施できる。
なお、第1シャフトが水平方向に延伸する場合、位置補正装置は、上下方向に位置補正することとなる。
(18)係合体51と従動カム563は別体で構成されているが、一体で構成してもよい。この場合、原動カムのカムを長くしたり、カムを原動カムの歯車部に設けたりすることで、実施できる。
(19)位置補正機構は、位置補正装置としてもよいし、位置補正ユニットとして装置に組み込んでもよい。
(20)位置補正装置5(位置補正機構)は、係合状態を維持する機構としてゼネバ機構を備えていたが、ゼネバ機構を備えなくてよい。また、ゼネバ機構以外の他の機構を備えてもよい。他の機構としては、例えば、係合体に設けた凹部又は貫通孔にロックピンが嵌合する機構等がある。
(21)実施形態の位置補正装置5(位置補正機構)は、第2シャフトが設けられていたが、第2シャフトは設けられてもよいし、設けられていなくてもよい。設けられている場合、第1シャフトに係合する係合体により係合するようにしてもよいし、第1シャフトに係合する係合体とは別の係合体により係合するようにしてもよい。
(22)実施形態の位置補正装置5(機構)は、1台の駆動モータ587と、駆動モータ587により回動駆動する歯車586と、回動軸体519と平行な方向から歯車586を挟む状態で噛合し且つカムを有する一対の原動カム562とを備えていたが、当該駆動機構以外の駆動機構を備えてもよく、例えば、各係合体51を個別で駆動する機構であってよいし、駆動モータの回転で係合体を押し出す機構(例えば、ラック・ピニオン機構等)等であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 位置補正機能付き移動装置
2 無人搬送装置(移動装置)
5 位置補正装置
9 第1シャフト(シャフト)
51 係合体
52 可動ユニット
55 位置補正ユニット