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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002827
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】勤怠管理システム及び勤怠管理用端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20231228BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20231228BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20231228BHJP
   G07C 1/00 20060101ALI20231228BHJP
   G06Q 10/1091 20230101ALI20231228BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G07C9/37
G07C9/38
G07C1/00 C
G06Q10/10 342
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102269
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】501009849
【氏名又は名称】株式会社日立エルジーデータストレージ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】今井 猛
【テーマコード(参考)】
3E138
5L049
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BA02
3E138GA02
3E138JA10
3E138JB02
3E138JB16
3E138JC04
3E138JC19
3E138JC22
3E138JD02
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】勤怠管理の対象者の正確な勤怠時刻を取得できる勤怠管理システム及び勤怠管理用端末を提供する。
【解決手段】勤怠管理システムは、カメラを含む端末と、データ管理装置とを含む。端末は、カメラによって撮像されたユーザの顔画像に基づいて顔認証を行い、時系列顔画像に基づいて、ユーザの通行向きを検出し、通行向きが、ユーザが勤務場所に入る方向である入室方向及びユーザが勤務場所から出る方向である退室方向の何れであるかを判定することにより、打刻時刻を入室時刻又は退室時刻(入退室時刻)として取得し、データ管理装置に送信する。データ管理装置は、端末から受信した入退室時刻に基づく勤怠時刻を、ユーザの勤怠時刻として勤怠管理情報に格納する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像範囲を撮像するカメラを含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末と、
前記ユーザの勤怠を管理するための勤怠管理情報が格納された記憶装置を含むデータ管理装置と、
を含み、
前記勤怠管理用端末と前記データ管理装置とが互いに情報を送受信可能に構成された勤怠管理システムであって、
前記勤怠管理用端末は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、
前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、
前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記通行向きが、前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向及び前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向の何れであるかを判定するユーザ通行向き判定と、
を実行し、
前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成され、
前記データ管理装置は、
前記勤怠管理用端末から受信した前記入場時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納し、前記勤怠管理用端末から受信した前記退出時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納するように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は記憶装置を含み、
前記勤怠管理用端末の前記記憶装置及び前記データ管理装置の前記記憶装置の何れかには、前記ユーザを特定するための情報として、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と当該ユーザ識別情報と互いに対応付けられ、前記顔認証において前記ユーザを特定するための前記ユーザの顔特徴情報とを含むユーザ管理情報が格納され、
前記勤怠管理用端末は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの前記顔画像から抽出した顔特徴情報を前記ユーザ管理情報に適用して前記ユーザを特定することで前記ユーザを認証することにより、前記顔認証を行う、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記特定の時刻は、前記顔認証を行った時刻又は前記顔認証の時刻を含み且つ前記カメラによって撮像された撮像画像から前記ユーザが検出できている時刻範囲に基づく通行時刻である、
勤怠管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、
前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末の左から右に向かう方向及び前記勤怠管理用端末の右から左に向かう方向の何れかを検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、
前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末に近づく方向及び前記勤怠管理用端末から遠ざかる方向の何れかを検出し、前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末に近づく方向が検出された場合、前記通行向きが前記入場方向であると判定し、
前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末から遠ざかる方向が検出された場合、前記通行向きが前記退出方向であると判定する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において検出される前記通行向きが、前記入場方向及び前記退出方向の何れかに判定されることを設定できる、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は画像を表示可能な表示装置を含み、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において前記通行向きを検出できなかった場合、前記ユーザに入場及び退出の何れかであることを入力させるための画面を前記表示装置に表示し、
前記画面への入力が入場である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記画面への入力が退出である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記退出時刻として前記データ管理装置に送信する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、前記時系列顔画像における顔の位置の移動方向に基づいて前記通行向きを検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、前記時系列顔画像における前記ユーザの顔の大きさの変化に基いて前記通行向きを検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
2つの前記勤怠管理用端末を含み、
一の前記勤怠管理用端末は、前記勤務場所の出入口の外側に設置され、入場検知用の前記勤怠管理用端末として使用され、
他の前記勤怠管理用端末は、前記勤務場所の出入口の内側に設置され、退出検知用の前記勤怠管理用端末として使用され、
入場検知用の前記勤怠管理用端末は、前記ユーザ通行向き判定において、検出した前記通行向きを前記入場方向と判定し、
退出検知用の前記勤怠管理用端末は、前記ユーザ通行向き判定において、検出した前記通行向きを前記退出方向と判定する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、入場検知用の前記勤怠管理用端末及び退出検知用の前記勤怠管理用端末の何れかに設定できるように構成され、
一の前記勤怠管理用端末が前記入場検知用の前記勤怠管理用端末に設定され、
他の前記勤怠管理用端末が前記退出検知用の前記勤怠管理用端末に設定された、
勤怠管理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記打刻時刻として検出される前記特定の時刻を、前記顔認証を行った時刻、及び、前記カメラによって撮像された撮像画像から前記ユーザが検出できている前記顔認証の時刻を含む時刻範囲に基づく通行時刻の何れかに設定できる、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項13】
撮像範囲を撮像するカメラを含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末と、
前記ユーザの勤怠を管理するための勤怠管理情報が格納された記憶装置を含むデータ管理装置と、
前記勤務場所への出入口の前記ユーザの通行を検出するユーザ通行検出器と、
を含み、
前記勤怠管理用端末と前記データ管理装置とが互いに情報を送受信可能に構成された勤怠管理システムであって、
前記勤怠管理用端末は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、
前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、
前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記顔認証した後、顔認証時点から予め設定された所定の時間が経過する時点までの間に、前記ユーザ通行検出器により前記ユーザの通行が検出された場合、前記ユーザの通行向きが前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向であると判定し、前記ユーザ通行検出器により前記ユーザの通行が検出された後、前記ユーザの通行が検出された時点から所定の時間が経過する時点までの間に、前記顔認証した場合、前記ユーザの通行向きが前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向であると判定するユーザ通行向き判定と、
を実行し、
前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成され、
前記データ管理装置は、
前記勤怠管理用端末から受信した前記入場時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納し、前記勤怠管理用端末から受信した前記退出時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納するように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記ユーザ通行検出器は、出入口にドアがある前記勤務場所に対して設置された、前記ドアのドア開閉を検出するドア開閉検出器であり、
前記ドア開閉検出器は、前記ドアのドア開を検出することにより、前記ユーザの通行を検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【請求項15】
ユーザの勤怠を管理するためのデータ管理装置と互いに情報を送受信可能に構成され、撮像範囲を撮像するカメラ及び制御部を含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末であって、
前記制御部は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、
前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、
前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記通行向きが、前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向及び前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向の何れであるかを判定するユーザ通行向き判定と、
を実行し、
前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成された、
勤怠管理用端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勤怠管理システム及び勤怠管理用端末に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術として、特許文献1が開示する勤怠管理システム(以下、「従来システム」と称呼される。)がある。従来システムは、入室用カメラ及び退出用カメラと、入室用受信装置及び退出用受信装置と、個人認証サーバと、画像解析サーバと、勤怠管理サーバと、を含む。
【0003】
従来システムによれば、社員が携帯する携帯端末は、社員の認証コードを含むプッシュ通信信号を入室用受信装置又は退出用受信装置に送信する。個人認証サーバは、入室用受信装置又は退出用受信装置によって、携帯端末から社員の認証コードを含むプッシュ通信信号を受信する。個人認証サーバは、プッシュ通信信号に基づいて個人認証を行い、個人認証に成功した場合に個人認証情報を画像解析サーバに出力する。
【0004】
画像解析サーバは、入室用カメラ又は退出用カメラが撮影した社員の画像と、個人認証情報とに基づいて、社員が携帯端末を所持している本人かどうかを判別する。画像解析サーバは、社員が本人であると判断した場合、社員が出入口を通ってビルの中に入った時刻を入室通行時刻として出力し、社員が出入口を通ってビルの外に出た時刻を退出通行時刻として、出力する。勤怠管理サーバは、画像解析サーバから入力された入室通行時刻及び退出通行時刻に基づいて、社員の勤怠管理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-182237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来システムでは、個人認証を行うために、勤怠管理の対象者(社員)が携帯端末を持っていることが必要となり、不便である。そこで、本願発明者等は、カメラを備えた端末を用いて、対象者が携帯端末を持つ必要がなく、更に個人認証のためのボタン操作を不要とし、更になりすましによる不正を防止するために、顔認証を利用した勤怠管理システムを構築することを検討している。この場合、端末は、カメラによって、対象者の顔を撮像することにより顔画像を取得し顔画像に基づいて対象者の顔認証を行う。しかし、このような勤怠管理システムでは、顔認証を行った対象者が、勤務場所に入場したのか、或いは、勤務場所から退出したのかを判別できない。従って、このような勤怠管理システムでは、対象者の正確な勤怠時刻を取得することが難しくなってしまう。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、勤怠管理の対象者の正確な勤怠時刻を取得できる勤怠管理システム及び勤怠管理用端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の勤怠管理システムは、撮像範囲を撮像するカメラを含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末と、前記ユーザの勤怠を管理するための勤怠管理情報が格納された記憶装置を含むデータ管理装置と、を含み、前記勤怠管理用端末と前記データ管理装置とが互いに情報を送受信可能に構成された勤怠管理システムであって、前記勤怠管理用端末は、前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記通行向きが、前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向及び前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向の何れであるかを判定するユーザ通行向き判定と、を実行し、前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成され、前記データ管理装置は、前記勤怠管理用端末から受信した前記入場時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納し、前記勤怠管理用端末から受信した前記退出時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納するように構成されている。
【0009】
本発明の勤怠管理システムは、撮像範囲を撮像するカメラを含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末と、前記ユーザの勤怠を管理するための勤怠管理情報が格納された記憶装置を含むデータ管理装置と、前記勤務場所への出入口の前記ユーザの通行を検出するユーザ通行検出器と、を含み、前記勤怠管理用端末と前記データ管理装置とが互いに情報を送受信可能に構成された勤怠管理システムであって、前記勤怠管理用端末は、前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記顔認証した後、顔認証時点から予め設定された所定の時間が経過する時点までの間に、ドア開が検出された場合、前記ユーザの通行向きが前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向であると判定し、前記ユーザ通行検出器により前記ユーザの通行が検出された後、前記ユーザの通行が検出された時点から所定の時間が経過する時点までの間に、前記顔認証した場合、前記ユーザの通行向きが前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向であると判定するユーザ通行向き判定と、を実行し、前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成され、前記データ管理装置は、前記勤怠管理用端末から受信した前記入場時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納し、前記勤怠管理用端末から受信した前記退出時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納するように構成されている。
【0010】
本発明の勤怠管理用端末は、ユーザの勤怠を管理するためのデータ管理装置と互いに情報を送受信可能に構成され、撮像範囲を撮像するカメラ及び制御部を含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末であって、前記制御部は、前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記通行向きが、前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向及び前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向の何れであるかを判定するユーザ通行向き判定と、を実行し、前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成されている。
【0011】
更に、本発明は、前記の端末、装置およびシステムに対応し、前記の端末、装置およびシステムにおいて実施される方法および用いられるプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、勤怠管理の対象者の正確な勤怠時刻を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明の第1実施形態に係る勤怠管理システムのシステム構成の一例のシステム構成図である。
図2図2は端末100のハードウェア構成例を示す概略構成図である。
図3図3はユーザ管理テーブルを説明するための図である。
図4図4は勤怠管理テーブルを説明するための図である。
図5図5はデータ管理装置のハードウェア構成例を示す概略構成図である。
図6図6は勤怠管理システムの作動の概要を説明するための図である。
図7図7は通行向きの検出方法を説明するための図である。
図8A図8Aは入室判定を説明するための図である。
図8B図8Bは入室判定を説明するための図である。
図8C図8Cは退室判定を説明するための図である。
図8D図8Dは退室判定を説明するための図である。
図9図9は端末が実行する処理フローを説明するための図である。
図10図10は本発明の第2実施形態に係る勤怠管理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
図11A図11Aは第2実施形態に係る勤怠管理システムの作動を説明するための図である。
図11B図11Bは第2実施形態に係る勤怠管理システムの作動を説明するための図である。
図12A図12Aは本発明の第3実施形態に係る勤怠管理システムの作動を説明するための図である。
図12B図12Bは第3実施形態に係る勤怠管理システムの作動を説明するための図である。
図13A図13Aは通行向きの検出方法を説明するための図である。
図13B図13Bは通行向きの検出方法を説明するための図である。
図14A図14Aは入室判定を説明するための図である。
図14B図14Bは退室判定を説明するための図である。
図15図15は端末の設定画面の一例を説明するための図である。
図16A図16Aは端末の設置状態及び通行向きの設定の第1の例を説明するための図である。
図16B図16Bは端末の設置状態及び通行向きの設定の第1の例を説明するための図である。
図17A図17Aは端末の設置状態及び通行向きの設定の第2の例を説明するための図である。
図17B図17Bは端末の設置状態及び通行向きの設定の第2の例を説明するための図である。
図18図18は端末の設置状態を説明するための図である。
図19A図19Aは端末の設定画面の例を説明するための図である。
図19B図19Bは端末の設定画面の例を説明するための図である。
図20図20は端末の設定画面の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一又は対応する部分には同一の符号を付す場合がある。
【0015】
以下の説明では、識別情報について説明する際、「ID」等の表現を用いるが、これ以外の識別情報(例えば、名称等)に置換されてもよい。また、以下の説明では、機能ブロックを主語として処理を説明する場合があるが、処理の主語が、機能ブロックに代えて、CPU又は装置とされてもよい。また、以下の説明では、「テーブル」、「レコード」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されてもよい。入室は「入場」と表現されてもよく、退室は「退出」と表現されてもよい。
【0016】
<<第1実施形態>>
<構成>
図1は本発明の第1実施形態に係る勤怠管理システムのシステム構成図である。図1に示すように、勤怠管理システムは、端末100と、データ管理装置200と、を含む。端末100及びデータ管理装置200は、ネットワークNW1を介して互いに情報を送受信可能に接続されている。なお、端末100は、便宜上、「勤怠管理用端末」と称呼される場合がある。
【0017】
図2は端末100のハードウェア構成例を示す概略構成図である。端末100は、カメラ110と、ディスプレイ120と、CPUボード130と、記憶装置140と、インタフェース(I/F)150と、を含む。これらは図示しないバスを介して互いに情報を送受信可能に接続されている。
【0018】
カメラ110は、所定時間が経過する毎に、カメラ110の前方の撮像範囲を撮像する。カメラ110は、カメラ110の前方の撮像範囲内に存在するユーザUs1を撮影して、ユーザUs1の撮像画像を取得する。
【0019】
ディスプレイ120は、画像を表示可能な表示装置であり、本例において、表示装置として機能すると共に入力装置としても機能するタッチパネル式のディスプレイである。
【0020】
CPUボード130は、CPU、RAM及びROM等を実装した基板である。CPUは、ROMに格納されたプログラムをRAMにロードする。CPUは、RAMにロードされたプログラムを実行することによって、各種機能を実現する。
【0021】
記憶装置140は、データの読み出し及び書き込み可能な不揮発性の記憶装置(記憶媒体)である。
【0022】
インタフェース150は、端末100をネットワークNW1に接続するためのインタフェースである。
【0023】
データ管理装置200は、データ管理部210と、データベース220とを含む。データベース220は、ユーザ管理テーブル230及び勤怠管理テーブル240を含む。データ管理部210は、端末100から端末100によって検出されたユーザ打刻情報を取得し、ユーザ打刻情報に基づく勤怠時刻をデータベース220の勤怠管理テーブル240に格納する。ここで、ユーザ打刻情報は、ユーザIDと入室時刻及び/又は退室時刻とを含む。勤怠時刻は、例えば、出勤時刻、退勤時刻、外出時刻及び再入時刻(戻り時刻)等のユーザUs1の勤怠状態を管理するための時刻である。
【0024】
図3はユーザ管理テーブル230を説明するための図である。図3に示すように、ユーザ管理テーブル230は、情報(値)を格納するカラム(列)として、ユーザID311と、ユーザ名312と、ユーザ特徴情報313とを含む。ユーザ管理テーブル230には、ユーザ管理に関する各列に対応する情報が、互いに関連づけられて行単位の情報(レコード)として格納されている。ユーザID311には、ユーザUs1を識別するための識別情報(ユーザID)が格納されている。ユーザ名312には、ユーザUs1の名称が格納されている。ユーザ特徴情報313には、ユーザUs1の顔の特徴を示すユーザUs1の顔の特徴量が格納されている。
【0025】
図4は勤怠管理テーブル240を説明するための図である。図4に示すように、勤怠管理テーブル240は、情報(値)を格納するカラム(列)として、日411と、ユーザー412と、出勤413と、退勤414と、外出415と、再入416と、を含む。勤怠管理テーブル240には、勤怠管理に関する各列に対応する情報が、互いに関連づけられて行単位の情報(レコード)として格納されている。日411には、日付(年月日)が格納される。ユーザー412には、ユーザUs1を識別するための識別情報(ユーザID)が格納されている。出勤413には、出勤時刻が格納される。退勤414には、退勤時刻が格納される。外出415には、外出時刻が格納される。再入416には、再入時刻(戻り時刻)が格納される。
【0026】
図5はデータ管理装置200のハードウェア構成例を示す概略構成図である。データ管理装置200は、例えば、コンピュータ(情報処理装置、サーバ)で構成される。データ管理装置200は、CPU510、ROM520、RAM530、データの読み出し及び書き出し可能な不揮発性の記憶装置(HDD)540、ネットワークインタフェース550及び入出力インタフェース560等を含む。これらは、バス570を介して互いに通信可能に接続されている。なお、データ管理装置200は、複数の情報処理装置で構成されてもよく、クラウド上の仮想的な情報処理装置であってもよい。
【0027】
CPU510はROM520及び/又はHDD540に格納された図示しない各種プログラムをRAM530にロードし、RAM530にロードされたプログラムを実行することによって、データ管理部210の機能を含む各種機能を実現する。RAM530には、上述したようにCPU510が実行する各種プログラムがロードされ、CPU510が各種プログラムを実行する際に使用するデータが一時的に記憶される。ROM520は、不揮発性の記憶媒体であり、各種プログラムが記憶されている。HDD540には、データベース220が格納(保持、記憶)されている。ネットワークインタフェース550は、データ管理装置200がネットワークNW1に接続されるためのインタフェースである。入出力インタフェース560は、キーボード、マウス等の操作装置及びディスプレイに接続されるためのインタフェースである。なお、データ管理部210は、ROM520及び/又はHDD540に格納されたプログラムに対応する。
【0028】
<作動の概要>
勤怠管理システムの作動の概要について説明する。図6は勤怠管理システムの作動の概要を説明するための図である。図6に示すように、ユーザUs1は、破線矢印a1に沿って位置P1、位置P2及び位置P3の順で移動し、端末100の前を通ってドアDR1を開けて勤務場所(ユーザUs1が勤務する部屋)に入室する。ユーザUs1は、ドアDR1を開けて勤務場所(ユーザUs1が勤務する部屋)から退室し、破線矢印b1に沿って位置P3、位置P2及び位置P1の順で移動する。なお、ユーザUs1は、端末100の正面の位置P2に存在するときに端末100の正面の方に顔を向けて顔認証を行う。
【0029】
この場合において、端末100は、位置P2に存在するユーザUs1の顔認証を実行し、顔認証によって特定したユーザUs1のユーザIDと、打刻時刻及び顔認証に伴う通行向きに基づいて取得した入室時刻及び/又は退室時刻とをデータ管理装置200に送信する。即ち、端末100は、ユーザ打刻情報をデータ管理装置200に送信する。なお、本例において、打刻時刻は、顔認証時刻である。本明細書において、時刻は、年月日と時刻とを含む日付時刻を含む。
【0030】
データ管理装置200は、受信したユーザ打刻情報(ユーザID並びに入室時刻及び/又は退室時刻)に基づく勤怠時刻を勤怠管理テーブル240に格納する。
【0031】
端末100は、顔検出を行う。端末100は、周知の顔認証技術を用いて、カメラ110によって撮像された撮像画像に映っている被撮像者(ユーザUs1)の顔を検出する。例えば、端末100は、予め不特定且つ多人数の顔を機械学習することにより得られた顔検出用分類器を用いて、ユーザUs1の顔を含む撮像画像に映っているユーザUs1の顔を検出する(顔の領域を検出する。)。
【0032】
端末100は、顔認証を行う。例えば、端末100は、撮像画像にて検出されたユーザUs1の顔の特徴量を抽出する。端末100は、抽出した特徴量に基づいて、抽出した特徴量がデータ管理装置200のユーザ管理テーブル230に登録済みの顔の特徴量と一致するユーザUs1を特定できた場合、そのユーザUs1を登録済みのユーザ本人であると認証する。なお、顔の特徴量は、便宜上、「顔特徴情報」とも称呼される場合がある。
【0033】
端末100は、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きを検出する(判定する。)。図7に示すように、端末100は、上記の顔検出により、人の顔であると検出した顔検出領域R1の中心座標CE1の動きから顔認証に伴う通行向きを検出する。例えば、端末100は、顔認証を行った時点を含むある期間(例えば、顔認証時点の前のある時点から顔認証時点の後のある時点までの期間)内にて所定時間が経過する毎に取得(撮像)された顔画像(「時系列顔画像」と称呼される。)において、顔検出領域R1の中心座標CE1が撮像画像IM1の右から中心に向かう変化をした場合、通行向きは右から中心方向(右から左方向)と判定し、通行向きとして右から中心方向(右から左方向)を検出する。端末100は、時系列顔画像において、顔検出領域の中心座標CE1が撮像画像IM1の左から中心に向かう変化をした場合、通行向きは左から中心方向(左から右方向)と判定し、通行向きとして左から中心方向(左から右方向)を検出する。
【0034】
端末100は、通行向きが右から中心方向の場合には、通行向きが入室方向であると判定し、通行向きが左から中心方向の場合には、通行向きが退室方向であると判定する。
【0035】
なお、この判定は、端末100の設置位置に応じて変わる。即ち、端末100の設置位置によって、端末100は、通行向きが左から中心方向の場合には、通行向きが入室方向であると判定し、通行向きが右から中心方向の場合には、通行向きが退室方向であると判定する場合もある。
【0036】
本例においては、図8Aに示すように、端末100は、ドアDR1に向かう通路の右側の壁に設置されている。よって、端末100は、通行向きが右から中心方向の場合には、通行向きが入室方向であると判定し、通行向きが左から中心方向の場合には、通行向きが退室方向であると判定する。
【0037】
具体的に述べると、図8Aに示すように、ユーザUs1は、破線矢印に沿って位置P1、位置P2及び位置P3の順で移動し、端末100の前を通ってドアDR1を開けて部屋に入室する。この場合において、端末100は、図8Bに示すように、ユーザUs1が顔認証前に位置P1に存在するときに、カメラ110によって端末100の右側に存在するユーザUs1の顔を含む顔画像IM11を取得する。端末100は、ユーザUs1が位置P2に存在し顔認証が行われるときに、カメラ110によって端末100の正面に存在するユーザUs1の顔を含む顔画像IM12を取得する。端末100は、ユーザUs1が顔認証後に位置P3に存在するときに、カメラ110によって端末100の左側に存在するユーザUs1の顔を含む顔画像IM13を取得する。
【0038】
顔画像IM11乃至顔画像IM13(時系列顔画像)の顔検出領域の中心位置は、右から中心(右から左)に移動することから、端末100は、右から中心方向を通行向きとして検出し、更に、通行向きを入室方向と判定する。端末100は、ユーザUs1の顔認証を行った時刻(打刻時刻)をユーザUs1の入室時刻とし、データ管理装置200に送信する。データ管理装置200は、端末100から受信した入室時刻に基づいて勤怠時刻を勤怠管理テーブル240に登録(格納、記憶)する。
【0039】
図8Cに示すように、ユーザUs1は、ドアDR1を開けて部屋から退出し、破線矢印に沿って位置P3、位置P2及び位置P1の順で移動し端末100の前を通る。この場合において、端末100は、図8Dに示すように、ユーザUs1が顔認証前に位置P3に存在するときに、カメラ110によって端末100の左側に存在するユーザUs1の顔を含む顔画像IM21を取得する。端末100は、ユーザUs1が位置P2に存在し顔認証が行われるときに、カメラ110によって端末100の正面に存在するユーザUs1の顔を含む顔画像IM22を取得する。端末100は、ユーザUs1が顔認証後に位置P1に存在するときに、カメラ110によって端末100の右側に存在するユーザUs1の顔を含む顔画像IM23を取得する。
【0040】
顔画像IM21乃至顔画像IM23(時系列顔画像)の顔検出領域の中心位置は、左から中心(左から右)に移動することから、端末100は、左から中心方向を通行向きとして検出し、更に、通行向きを退室方向であると判定する。端末100は、ユーザUs1の顔認証を行った時刻(打刻時刻)をユーザUs1の退室時刻とし、データ管理装置200に送信する。データ管理装置200は、端末100から受信した退室時刻に基づいて勤怠時刻を勤怠管理テーブル240に登録(格納、記憶)する。
【0041】
なお、端末100がドアDR1に向かう通路の左側の壁に設置されている場合、次のように端末100が作動する。即ち、端末100は、通行向きとして検出した右から中心方向を退室方向と判定し、通行向きとして検出した左から中心方向を入室方向と判定すること以外、既述の作動と同様に作動する。
【0042】
<具体的作動>
図9は端末100が実行する処理フローを示すフローチャートである。端末100はステップ900から処理を開始して以下に述べるステップ905及びステップ910の処理を順に実行した後、ステップ915に進む。
【0043】
ステップ905:端末100はカメラ110によって撮像したユーザUs1の顔を含む撮像画像(顔画像)からユーザUs1の顔を検出する。
【0044】
ステップ910:端末100は、顔画像に基づいて、上述したように顔認証及び顔認証に伴うユーザUs1の通行向きを検出する通行向き検出を実行する。なお、顔認証は、ユーザ管理テーブル230を参照して、顔画像から抽出した顔の特徴量と一致する顔の特徴量に対応するユーザUs1を特定することにより、行われる。顔画像から抽出した顔の特徴量と一致する顔の特徴量に対応するユーザを特定できた場合、登録済みのユーザUs1であることが認証され、顔画像から抽出した顔の特徴量と一致する顔の特徴量に対応するユーザUs1を特定できない場合、登録済みのユーザUs1であることが認証されない。
【0045】
端末100はステップ915に進むと、通行向き検出によって検出した(判定した)ユーザUs1の通行向きに応じて、処理を分岐させる。
【0046】
通行向き検出によって検出した通行向きが右から中心方向である場合、端末100はステップ920に進み、入室(通行向きが入室方向)と判定してステップ930に進む。通行向き検出によって検出した通行向きが左から中心方向である場合、端末100はステップ925に進み、退室(通行向きが退室方向)と判定してステップ930に進む。通行向き検出によって検出した通行向きが不明である場合、端末100はステップ930に直接進む。
【0047】
端末100はステップ930に進むと、顔認証済みであるか否かを判定する。即ち、ステップ910における顔認証において、登録済みのユーザUs1であるか否かを判定済みであるか否かを判定する。
【0048】
顔認証済みではない場合、端末100はステップ930にて「No」と判定してステップ905に戻る。
【0049】
顔認証済みである場合、端末100はステップ930にて「Yes」と判定してステップ935に進み、顔認証したユーザUs1が登録済みユーザUs1であるか否かを判定する。
【0050】
顔認証したユーザUs1が登録済みユーザUs1である場合、端末100はステップ935にて「Yes」と判定してステップ940に進み、通行向きが判定済み(入室方向及び退室方向の何れであるかを判定済み)であるか否かを判定する。
【0051】
通行向きが判定済みではない場合、端末100はステップ940にて「No」と判定してステップ945に進み、端末100のディスプレイ120にGUI画面としての入退室選択画面GM1を表示し、ユーザUs1に入室及び退出の何れかを選択させる。この入室選択画面GM1は、入退室の選択を指示する旨のメッセージMs1(警告)と、画像で構成されたボタンである入室ボタンIBt1及び退室ボタンEBt1とを含む。ユーザUs1によって入室ボタンIBt1がタッチ操作されると、端末100は入室と判定し、ユーザUs1によって退室ボタンEBt1がタッチ操作されると、端末100は退室と判定する。その後、端末100はステップ950に進む。
【0052】
通行向きが判定済みである場合、端末100はステップ940にて「Yes」と判定してステップ950に直接進む。端末100はステップ950に進むと、入室判定結果が入室であるか否かを判定する。
【0053】
入室判定結果が入室である場合、端末100はステップ950にて「Yes」と判定してステップ955に進み、登録済みユーザUs1の入室として打刻時刻(入室時刻)を端末100に記録(保存)してステップ965に進む。なお、本例において、この打刻時刻には、顔認証時刻が採用される。
【0054】
入室判定結果が入室ではない場合(即ち、退室である場合)、端末100はステップ950にて「No」と判定してステップ960に進み、登録済みユーザUs1の退室として打刻時刻(退室時刻)を端末100に記録しステップ965に進む。なお、本例において、この打刻時刻には、顔認証時刻が採用される。
【0055】
端末100はステップ965に進むと、データ管理装置200にユーザUs1のユーザIDと端末100に記録(保存)された入室時刻及び退室時刻の何れかの時刻(以下、「入退室時刻」と称呼される。)とを、ユーザ打刻情報(勤怠データ)としてデータ管理装置200に送信する。データ管理装置200は、勤怠管理テーブル240に受信したユーザ打刻情報(ユーザID及び入退室時刻)に基づいて勤怠時刻を登録(格納、記憶)する。この場合、データ管理装置200は、受信した入退室時刻に基づいて、次のように、入退室時刻が、出勤、退勤、一時退出及び戻り(再入)の何れであるか否かを判定し、受信した入退出時刻を勤怠管理テーブル240に登録(格納、記憶)する。即ち、データ管理装置200は、所定の期間(例えば、1日)のうちの入室時刻の最も早い時刻を出勤時刻として登録する。データ管理装置200は、所定の期間(例えば、1日)のうちの退室時刻の最も遅い時刻を退勤時刻として勤怠管理テーブル240に登録する。データ管理装置200は、所定の期間(例えば、1日)のうちの最も遅い退室時刻以外の退室時刻を一時退出時刻(外出時刻)として勤怠管理テーブル240に登録(格納、記憶)する。例えば、データ管理装置200が所定の期間内に退室時刻Aの後に退室時刻Bを受信した場合、既に退室時刻Aは退勤時刻として登録されているので、データ管理装置200は退室時刻Aを外出時刻として、退室時刻Bを退勤時刻として、勤怠管理テーブル240に登録(更新)する。データ管理装置200は、所定の期間(例えば、1日)のうちの最も早い入室時刻以外の入室時刻を戻り時刻(再入時刻)として勤怠管理テーブル240に登録する。
【0056】
その後、端末100はステップ995に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0057】
上述したステップ935にて、顔認証したユーザUs1が登録済みユーザではない場合、端末100はステップ935にて「No」と判定してステップ970に進み、未登録ユーザとして警告をディスプレイ120に表示すると共に未登録ユーザを検知した時刻を端末100に記録(保存)する。その後、端末100はステップ965に進んで、データ管理装置200に未登録ユーザであることを示す情報と未登録ユーザであることを検知した時刻とを勤怠データとして送信する。データ管理装置200は、未登録ユーザであることを示すIDと未登録ユーザを検知した日付時刻とを勤怠管理テーブル240に登録する。なお、日付は日411に登録され、IDはユーザー412に登録され、検知した時刻は出勤413に登録される。その後、端末100はステップ995に進んで本処理フローを一旦終了する。
【0058】
なお、上記処理フローにおいて、ステップ965の処理が、1日のうちの所定の時刻に実行されるようにして、端末100は、1日単位で端末100に記録したユーザ勤怠時刻情報(ユーザIDと入室時刻及び退室時刻)をデータ管理装置200に送信するようにしてもよい。
【0059】
<効果>
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る勤怠管理システムは、ユーザの顔認証に伴う通行向きに基づいて、顔認証を行ったユーザUs1が、入室したのか、退出したのかを判別することによって、ユーザUs1の正確な勤怠時刻を取得できる。
【0060】
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態に係る勤怠管理システムについて説明する。第2実施形態に係る勤怠管理システムは、以下の点のみにおいて第1実施形態に係る勤怠管理システムと相違点を有する。
・勤怠管理システムは、ドア開閉検出器1000を含み、ドア開閉検出器1000によって検出されたドア開のタイミング及び端末100の顔認証のタイミングに基づいて、ユーザUs1の入退出判定を行う。
【0061】
以下この相違点を中心として説明する。
【0062】
図10は本発明の第2実施形態に係る勤怠管理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。図10に示すように、勤怠管理システムは、端末100と、データ管理装置200と、ドア開閉検出器1000とを含む。
【0063】
ドア開閉検出器1000は、ドアDR1が開状態及び閉状態の何れの状態にあるかを検出する周知のドア開閉センサである。ドア開閉検出器1000は、端末100にドアDR1が開状態及び閉状態の何れかの状態にあるかを示す情報を送信できるように、端末100に接続されている。
【0064】
ドア開閉検出器1000は、ドアDR1が開状態及び閉状態の何れの状態にあるかを検出し、端末100に送信する。端末100は、ドアDR1が閉状態から開状態に変化した場合にドアDR1が開いたこと(ドア開)を検出し、ドアDR1が開状態から閉状態に変化した場合にドアDR1が閉まったこと(ドア閉)を検出する。
【0065】
図11A及び図11Bは第2実施形態に係る勤怠管理システムの作動を説明するための図である。勤怠管理システムは、端末100がドア開を検出した時刻であるドア開時刻と、端末100のユーザUs1の顔認証時刻とに基づいて、次のように入退室を判定する。
【0066】
図11Aに示すように、端末100は、位置P11に存在するユーザUs1を顔認証した後、顔認証時点から予め設定された所定の時間が経過する時点までの間に、位置P12に存在するユーザUs1によるドア開が検出された場合、入室と判定する。そして、端末100は、顔認証時刻を入室時刻として記録する。なお、端末100は、ユーザUs1が端末100を通過した時刻又はドア開が検出された時刻を入室時刻として記録してもよい。
【0067】
図11Bに示すように、端末100はドア開閉検出器1000により、位置P12に存在するユーザUs1によるドア開が検出された後、ドア開が検出された時点から所定の時間が経過する時点までの間に、位置P11に存在するユーザUs1を顔認証した場合、退室と判定する。そして、端末100は、顔認証時刻を退室時刻として記録する。なお、端末100は、端末100を通過した時刻又はドア開が検出された時刻を退室時刻として記録してもよい。
【0068】
<効果>
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る勤怠管理システムは、顔認証時刻とドア開検出時刻とに基づいて、顔認証を行ったユーザUs1が、入室したのか、退出したのかを判別することによって、ユーザUs1の正確な勤怠時刻を取得できる。
【0069】
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態に係る勤怠管理システムについて説明する。第3実施形態に係る勤怠管理システムは、以下の点のみにおいて第1実施形態に係る勤怠管理システムと相違点を有する。
・勤怠管理システムでは、端末100は、ドアDR1が設置されている壁と同じ壁において、ドアDR1の右側に設置されている。端末100は、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きとして、端末100に近づく方向及び端末100から遠ざかる方向の何れかの向きを検出する。端末100は顔認証に伴う通行向きに基づいて、入退出判定を行う。
【0070】
以下この相違点を中心として説明する。
【0071】
図12A及び図12Bは第3実施形態に係る勤怠管理システムの作動を説明するための図である。端末100は、ドアDR1が設置されている壁においてドアDR1の右側に設置されている。端末100は、その正面がドアDR1の正面と同じ向きになるように、設置されている。
【0072】
図12Aに示すように、ユーザUs1は、破線矢印に沿って位置P21、位置P22及び位置P23の順で移動し、端末100の前を通ってドアDR1を開けて勤務場所である部屋に入室する。図12Bに示すように、ユーザUs1は、ドアDR1を開けて勤務場所である部屋から退室し、破線矢印に沿って位置P23、位置P22及び位置P21の順で移動する。なお、ユーザUs1は、端末100の正面の位置P22に存在するときに端末100の正面の方に顔を向けて顔認証を行う。
【0073】
この場合において、端末100は、位置P22に存在するユーザUs1の顔認証を実行し、顔認証によって判明したユーザUs1のユーザIDと、打刻時刻及び顔認証に伴う通行向きに基づいて取得した入室時刻及び/又は退室時刻とをデータ管理装置200に送信する。即ち、端末100は、ユーザ打刻情報をデータ管理装置200に送信する。データ管理装置200は、受信したユーザ打刻情報に基づいて、勤怠時刻を勤怠管理テーブル240に格納する。
【0074】
図13A及び図13Bの大きさの異なる顔画像IM13に示すように、端末100は、予め機械学習により大量の人の顔データから抽出した特徴量を使い分類器を作成しておき、カメラ110によって取得された顔画像IM13に対して顔検出を行う。端末100は、人の顔だと検出した領域R13の大きさの変化から顔認証に伴う通行向きを検出し、更に通行向きが入室方向及び退室方向の何れであるかを判定する。
【0075】
端末100は、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きが端末100に近づく方向の場合、入室方向と判定する。端末100は、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きが端末100から遠ざかる方向の場合、退室方向と判定する。
【0076】
本例において、図12Aに示すように、ユーザUs1は、破線矢印に沿って位置P21、位置P22及び位置P23の順で移動し、端末100の前を通ってドアDR1を開けて勤務場所である部屋に入室する。この場合において、端末100は、図14Aに示すように、ユーザUs1が顔認証前に位置P21に存在するときに、カメラ110によって端末100の正面に存在するユーザUs1の顔の領域が比較的小さい顔画像IM16を取得する。端末100は、ユーザUs1が位置P22に存在し顔認証が行われるときに、カメラ110によって端末100の正面に存在するユーザUs1の顔の領域が比較的大きい顔画像IM15を撮像する。端末100は、ユーザUs1が顔認証後に位置P23(端末100の左側)に存在するときに、カメラ110によって端末100の左側に存在するユーザUs1の顔の後側の側面を含む顔画像IM14を取得する。この場合、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きとして、端末100に近づく方向が検出され、通行向きが入室方向であると判定される。端末100は、ユーザUs1の顔認証を行った時刻を顔認証によって認証されたユーザUs1の入室時刻とし、データ管理装置200に送信する。データ管理装置200は、端末100から受信した入室時刻に基づく勤怠時刻を勤怠管理テーブル240に格納する。
【0077】
図12Bに示すように、ユーザUs1は、ドアDR1を開けて勤務場所である部屋から退室し、破線矢印に沿って位置P23、位置P22及び位置P21の順で移動する。この場合において、端末100は、図14Bに示すように、ユーザUs1が顔認証前に位置P23に存在するときに、カメラ110によって端末100の左側に存在するユーザUs1の顔の前側の側面を含む顔画像IM14を取得する。端末100は、ユーザUs1が位置P22に存在し顔認証が行われるときに、カメラ110によって端末100の正面に存在するユーザUs1の顔の前面の領域が比較的大きい顔画像IM15を撮像する。端末100は、ユーザUs1が顔認証後に位置P21に存在するときに、カメラ110によって端末100の正面に存在するユーザUs1の顔の後面の領域が比較的小さい顔画像を取得する。この場合、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きとして、端末100から遠ざかる方向が検出され、通行向きが退室方向であると判定される。端末100は、ユーザUs1の顔認証を行った時刻を顔認証によって認証されたユーザUs1の退室時刻とし、データ管理装置200に送信する。データ管理装置200は、端末100から受信した退室時刻に基づく勤怠時刻を勤怠管理テーブル240に格納する。
【0078】
<効果>
以上説明したように、本発明の第3実施形態に係る勤怠管理システムは、第1実施形態と同様、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きに基づいて、顔認証を行ったユーザUs1が、入室したのか、退出したのかを判別することによって、正確なユーザUs1の勤怠時刻を取得できる。
【0079】
<<第4実施形態>>
本発明の第4実施形態に係る勤怠管理システムについて説明する。第4実施形態に係る勤怠管理システムは、以下の点のみにおいて第1実施形態に係る勤怠管理システムと相違点を有する。
・勤怠管理システムの端末100は、入室方向と判定する顔認証に伴う通行向き、及び、退室方向と判定する顔認証に伴う通行向きを設定できるようになっている。
【0080】
以下、この相違点を中心として説明する。
【0081】
図15は端末100の設定画面(GUI画面)の一例を説明するための図である。図15に示すように、端末100の設定画面GM2は、顔認証に伴う通行向き(右から左方向及び左から右方向のそれぞれの向き)を、入室方向及び退室方向の何れかの方向に判定することを選択するための第1ラジオボタンBt1乃至第4ラジオボタンBt4を含む。第1ラジオボタンBt1乃至第4ラジオボタンBt4は、特に区別する必要がない場合、これらは「ラジオボタンBt」と称呼される。ラジオボタンBtは、操作されることにより、ラジオボタンBtに対応する選択肢が選択状態にあるとき丸い印が表示され、ラジオボタンBtに対応する選択肢が選択状態にないとき丸い印が非表示になる。
【0082】
第1ラジオボタンBt1及び第2ラジオボタンBt2は、ユーザUs1による操作によって、何れか一方が選択状態になり、他方が非選択状態になる。第1ラジオボタンBt1が選択状態になった場合、顔認証に伴う通行向き(右から左方向)が入室方向と判定されるように設定される。第2ラジオボタンBt2が選択状態になった場合、顔認証に伴う通行向き(右から左方向)が退室方向と判定されるように設定される。
【0083】
第3ラジオボタンBt3及び第4ラジオボタンBt4は、ユーザUs1による操作によって、何れか一方が選択状態になり、他方が非選択状態になる。第3ラジオボタンBt3が選択状態になった場合、顔認証に伴う通行向き(左から右方向)が入室方向と判定されるように設定される。第4ラジオボタンBt4が選択状態になった場合、顔認証に伴う通行向き(左から右方向)が退室方向と判定されるように設定される。
【0084】
図16A及び図16Bは端末100の設置状態及び通行向きの設定の第1の例を説明するための図である。この第1の例では、図16Aに示すように、ドアDR1に向かう通路WA1の右側の壁WR1に端末100が設置されている。この場合、図16Bに示すように、端末100は、ユーザUs1によって設定画面GM2が操作されることにより、第1ラジオボタンBt1を選択状態に設定し、第4ラジオボタンBt4を選択状態に設定する。これにより、通行向きが適切に入室方向及び退室方向の何れかの方向に判定されるようにすることができる。
【0085】
図17A及び図17Bは端末100の設置状態及び通行向きの設定の第2の例を説明するための図である。この第2の例では、図17Aに示すように、ドアDR1に向かう通路WA1の左側の壁WL1に端末100が設置されている。この場合、図17Bに示すように、端末100は、ユーザUs1によって設定画面GM2が操作されることによって、第2ラジオボタンBt2を選択状態に設定し、第3ラジオボタンBt3を選択状態に設定する。これにより、通行向きが適切に入室方向及び退室方向の何れかに判定されるようにすることができる。
【0086】
<効果>
以上説明したように、本発明の第4実施形態に係る勤怠管理システムによれば、通行向きを入室方向及び退室方向の何れかの方向と判定されるように設定できるので、端末100の設置位置に応じて、通行向きが適切に入室方向及び退室方向の何れかに判定されるように設定できる。
【0087】
<<第5実施形態>>
本発明の第5実施形態に係る勤怠管理システムについて説明する。第5実施形態に係る勤怠管理システムは、以下の点のみにおいて第3実施形態に係る勤怠管理システムと相違点を有する。
・勤怠管理システムは、2台の端末100(入室検知用の端末100と、退室検知用の端末100と)を含み、入室検知用の端末100で入室時刻を検出し、退室検知用の端末100で退室時刻を検出する。
【0088】
以下、この相違点を中心として説明する。
【0089】
図18は端末100の設置状態を説明するための図である。図18に示すように、ドアDR1が設置されている壁W1の外側(部屋とは反対側)に入室検知用端末100が設置され、ドアDR1が設置されている壁W1の内側(部屋側)に退室検知用端末100が設置されている。
【0090】
図19Aに示すように、端末100の設定画面GM2は、第5ラジオボタンBt5及び第6ラジオボタンBt6を含む。
第5ラジオボタンBt5及び第6ラジオボタンBt6は、ユーザUs1による操作によって、何れか一方が選択状態になり、他方が非選択状態になる。図19Aに示すように、第5ラジオボタンBt5が選択状態になった場合、端末100が入室検知用に設定される。図19Bに示すように、第6ラジオボタンBt6が選択状態になった場合、端末100が退室検知用に設定される。入室検知用の端末100は、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きとして、端末100に近づく方向を検出し、その方向を入室方向と判定し、顔認証した時刻を入室時刻として記録する。退室検知用の端末100は、ユーザUs1の顔認証に伴う通行向きとして、端末100に近づく方向を検出し、退室検知用の端末100が顔認証した時刻を退室時刻として記録する。
【0091】
<効果>
以上説明したように、本発明の第5実施形態に係る勤怠管理システムによれば、第1実施形態と同様、ユーザUs1顔認証に伴う通行向きに基づいて、顔認証を行ったユーザUs1が、入室したのか、退出したのかを判別することによって、ユーザUs1の正確な勤怠時刻を取得できる。
【0092】
<<変形例>>
本発明は上記各実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。更に、上記各実施形態は、本発明の範囲を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0093】
上記各実施形態において、ユーザ管理テーブル230がデータ管理装置200の記憶装置540に格納されていたが、ユーザ管理テーブル230が端末100の記憶装置140に格納されていてもよい。この場合、顔認証は、次のように行われてもよい。端末100は、撮像画像にて検出されたユーザUs1の顔の特徴量(顔特徴情報)を抽出する。端末100は、抽出した特徴量に基づいて、抽出した特徴量が記憶装置140に格納されたユーザ管理テーブル230に登録済みの顔の特徴量(顔特徴情報)と一致するユーザUs1を特定できた場合、そのユーザUs1を登録済みのユーザ本人であると認証する。
【0094】
上記各実施形態において、顔認証時刻が、入室時刻及び退出時刻の何れかとして検出されるようにしたが、ユーザUs1が端末100を通行した通行時刻を、入室時刻及び退出時刻の何れかとして検出されるようにしてもよい。通行時刻は、端末100がカメラ画像からユーザUs1の顔を検出している時刻範囲に基づく時刻である。通行時刻は、例えば、端末100が撮像画像からユーザUs1の顔を検出できた検出開始時点の時刻、又は、端末100が撮像画像からユーザUs1の顔を検出できた時点の後に端末100が撮像画像からユーザUs1の顔を検出できなくなった時点の時刻である。
【0095】
上記各実施形態において、顔認証時刻及び通行時刻の何れかが、選択的に打刻時刻に採用されるように設定できるようにしてもよい。この場合、端末100は、図20に示すように、GUI画面としての勤怠時刻選択画面GM3により、顔認証時刻及び通行時刻の何れかが打刻時刻に採用されるように設定される。勤怠時刻選択画面GM3は、第7ラジオボタンBt7及び第8ラジオボタンBt8を含む。
【0096】
第7ラジオボタンBt7及び第8ラジオボタンBt8は、ユーザUs1による操作によって、何れか一方が選択状態になり、他方が非選択状態になる。第7ラジオボタンBt7が選択状態になった場合、顔認証時刻が打刻時刻に採用されるように設定される。第8ラジオボタンBt8が選択状態になった場合、通行時刻が打刻時刻に採用されるように設定される。
【0097】
データ管理装置200のデータ管理部210は、勤怠管理テーブル240に基づいて、勤怠管理表を外部(表示装置、端末等)に出力するようにしてもよい。例えば、勤怠管理表は、勤怠管理テーブル240と同様の表である。
【0098】
上記各実施形態において、端末100は、部屋の出入口のドアの近くに設置されるなど、部屋の出入口に対して設置されたが、端末100は、勤務場所が含まれる建物等の出入口の近くに設置されるなど、勤務場所がある建物等の出入口に対して設置されてもよい。
【0099】
上記各実施形態において、端末100は、ディスプレイ120が省略された構成であってもよい。上記各実施形態において、GUI画面に対する操作による設定は、端末100へのAPIによる設定、webブラウザでの設定などであってもよい。
【0100】
上記第2実施形態において、ドア開閉検出器1000に代えて、勤務場所の出入口のユーザの通過を検出するユーザ通行検出器が使用されてもよい。この場合、ドア開の検出が、ユーザの通行検出が変わること以外、第2実施形態と同様である。
【0101】
本発明は以下の構成をとることができる。
【0102】
[1]
撮像範囲を撮像するカメラを含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末と、
前記ユーザの勤怠を管理するための勤怠管理情報が格納された記憶装置を含むデータ管理装置と、
を含み、
前記勤怠管理用端末と前記データ管理装置とが互いに情報を送受信可能に構成された勤怠管理システムであって、
前記勤怠管理用端末は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、
前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、
前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記通行向きが、前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向及び前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向の何れであるかを判定するユーザ通行向き判定と、
を実行し、
前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成され、
前記データ管理装置は、
前記勤怠管理用端末から受信した前記入場時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納し、前記勤怠管理用端末から受信した前記退出時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納するように構成された、
勤怠管理システム。
【0103】
[2]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は記憶装置を含み、
前記勤怠管理用端末の前記記憶装置及び前記データ管理装置の前記記憶装置の何れかには、前記ユーザを特定するための情報として、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と当該ユーザ識別情報と互いに対応付けられ、前記顔認証において前記ユーザを特定するための前記ユーザの顔特徴情報とを含むユーザ管理情報が格納され、
前記勤怠管理用端末は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの前記顔画像から抽出した顔特徴情報を前記ユーザ管理情報に適用して前記ユーザを特定することで前記ユーザを認証することにより、前記顔認証を行う、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0104】
[3]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記特定の時刻は、前記顔認証を行った時刻又は前記顔認証の時刻を含み且つ前記カメラによって撮像された撮像画像から前記ユーザが検出できている時刻範囲に基づく通行時刻である、
勤怠管理システム。
【0105】
[4]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、
前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末の左から右に向かう方向及び前記勤怠管理用端末の右から左に向かう方向の何れかを検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0106】
[5]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、
前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末に近づく方向及び前記勤怠管理用端末から遠ざかる方向の何れかを検出し、前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末に近づく方向が検出された場合、前記通行向きが前記入場方向であると判定し、
前記通行向きとして、前記勤怠管理用端末から遠ざかる方向が検出された場合、前記通行向きが前記退出方向であると判定する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0107】
[6]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において検出される前記通行向きが、前記入場方向及び前記退出方向の何れかに判定されることを設定できる、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0108】
[7]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は画像を表示可能な表示装置を含み、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において前記通行向きを検出できなかった場合、前記ユーザに入場及び退出の何れかであることを入力させるための画面を前記表示装置に表示し、
前記画面への入力が入場である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記画面への入力が退出である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記退出時刻として前記データ管理装置に送信する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0109】
[8]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、前記時系列顔画像における顔の位置の移動方向に基づいて前記通行向きを検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0110】
[9]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記通行向き判定において、前記時系列顔画像における前記ユーザの顔の大きさの変化に基いて前記通行向きを検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0111】
[10]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
2つの前記勤怠管理用端末を含み、
一の前記勤怠管理用端末は、前記勤務場所の出入口の外側に設置され、入場検知用の前記勤怠管理用端末として使用され、
他の前記勤怠管理用端末は、前記勤務場所の出入口の内側に設置され、退出検知用の前記勤怠管理用端末として使用され、
入場検知用の前記勤怠管理用端末は、前記ユーザ通行向き判定において、検出した前記通行向きを前記入場方向と判定し、
退出検知用の前記勤怠管理用端末は、前記ユーザ通行向き判定において、検出した前記通行向きを前記退出方向と判定する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0112】
[11]
[10]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、入場検知用の前記勤怠管理用端末及び退出検知用の前記勤怠管理用端末の何れかに設定できる、
ように構成され、
一の前記勤怠管理用端末が前記入場検知用の前記勤怠管理用端末に設定され、
他の前記勤怠管理用端末が前記退出検知用の前記勤怠管理用端末に設定された、
勤怠管理システム。
【0113】
[12]
[1]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記勤怠管理用端末は、
前記打刻時刻として検出される前記特定の時刻を、前記顔認証を行った時刻、及び、前記カメラによって撮像された撮像画像から前記ユーザが検出できている前記顔認証の時刻を含む時刻範囲に基づく通行時刻の何れかに設定できる、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0114】
[13]
撮像範囲を撮像するカメラを含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末と、
前記ユーザの勤怠を管理するための勤怠管理情報が格納された記憶装置を含むデータ管理装置と、
前記勤務場所への出入口の前記ユーザの通行を検出するユーザ通行検出器と、
を含み、
前記勤怠管理用端末と前記データ管理装置とが互いに情報を送受信可能に構成された勤怠管理システムであって、
前記勤怠管理用端末は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、
前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、
前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記顔認証した後、顔認証時点から予め設定された所定の時間が経過する時点までの間に、前記ユーザ通行検出器により前記ユーザの通行が検出された場合、前記ユーザの通行向きが前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向であると判定し、前記ユーザ通行検出器により前記ユーザの通行が検出された後、前記ユーザの通行が検出された時点から所定の時間が経過する時点までの間に、前記顔認証した場合、前記ユーザの通行向きが前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向であると判定するユーザ通行向き判定と、
を実行し、
前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成され、
前記データ管理装置は、
前記勤怠管理用端末から受信した前記入場時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納し、前記勤怠管理用端末から受信した前記退出時刻に基づく勤怠時刻を、前記ユーザの勤怠時刻として前記勤怠管理情報に格納するように構成された、
勤怠管理システム。
【0115】
[14]
[13]に記載の勤怠管理システムにおいて、
前記ユーザ通行検出器は、出入口にドアがある前記勤務場所に対して設置された、前記ドアのドア開閉を検出するドア開閉検出器であり、
前記ドア開閉検出器は、前記ドアのドア開を検出することにより、前記ユーザの通行を検出する、
ように構成された、
勤怠管理システム。
【0116】
[15]
ユーザの勤怠を管理するためのデータ管理装置と互いに情報を送受信可能に構成され、撮像範囲を撮像するカメラ及び制御部を含み、ユーザの勤務場所への出入りを検出するために所定の場所に設置される勤怠管理用端末であって、
前記制御部は、
前記カメラによって撮像された前記ユーザの顔画像に基づいて前記ユーザを認証する顔認証と、
前記顔認証に関連する特定の時刻を打刻時刻として検出する打刻時刻検出と、
前記顔認証の時点の前記顔画像を含む時系列顔画像に基づいて、前記顔認証に伴う前記ユーザの通行向きを検出し、前記通行向きが、前記ユーザが前記勤務場所に入る方向である入場方向及び前記ユーザが前記勤務場所から出る方向である退出方向の何れであるかを判定するユーザ通行向き判定と、
を実行し、
前記通行向きが前記入場方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所への入場時刻として前記データ管理装置に送信し、
前記通行向きが前記退出方向である場合、前記打刻時刻を前記ユーザの前記勤務場所からの退出時刻として前記データ管理装置に送信するように構成された、
勤怠管理用端末。
【0117】
なお、前記の実施の形態のそれぞれは、前記の端末、装置およびシステムに対応し、前記の端末、装置およびシステムにおいて実施される方法および用いられるプログラムを含むものである。
【符号の説明】
【0118】
100…端末、110…カメラ、120…ディスプレイ、200…データ管理装置、210…データ管理部、220…データベース、230…ユーザ管理テーブル、240…勤怠管理テーブル、1000…ドア開閉検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20