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特開2024-28327判定装置及び判定方法並びに判定用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028327
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】判定装置及び判定方法並びに判定用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240226BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 H
G08G1/16 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219788
(22)【出願日】2023-12-26
(62)【分割の表示】P 2022123994の分割
【原出願日】2018-10-01
(31)【優先権主張番号】P 2017194114
(32)【優先日】2017-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】柴▲さき▼ 裕昭
(57)【要約】
【課題】側線上の車両が本線に合流する場合において、安全且つ確実に当該車両を本線に進入させて合流させることが可能な判定装置を提供する。
【解決手段】車両CA等が走行する本線MRに合流する側線SRを走行する車両Ca等及び車両CA等の車両状態をそれぞれ示す情報を取得し、それに基づいて、車両Ca等が進入可能な車両CA等車間を生成する場合に各車両CA等に加わる加速度に基づいて車両CA等に間隔を生成させて、進入する車両Ca等をその車間の位置に移動させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1道路を同じ方向に移動する複数の第1移動体各々の移動状態と、前記第1道路に合流する第2道路を移動しており、前記第1道路へ進入して前記方向へ移動予定の第2移動体の移動状態と、を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記状態情報と、前記第2移動体が前記第1道路に進入可能となる間隔の生成のために前記第1移動体の少なくとも1つに加えられる加速度と、に基づき、前記間隔の生成が可能かどうかを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、判定装置及び判定方法並びに判定用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、第1道路に合流する第2道路を移動する車両等の第2移動体を当該第1道路へ進入させ、第1道路を移動する車両等の第1移動体の列に合流させるための判定を行う判定装置及び判定方法並びに当該判定装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の自動運転に関する研究開発が盛んである。このような自動運転を更に普及させるためには、例えば側線と本線のような合流地点でスムーズに車両同士が合流できるようにすることも必要である。そしてこのための従来技術の一例として、下記特許文献1に記載された技術がある。この特許文献1に記載されている技術では、本線を走行する基準車両とその前後の車両、即ち本線を走行する複数の車両の走行状態(例えば車速や車間距離等)と側線を走行する車両の位置及び合流速度等を加味して、本線上の車両同士が接近することなく、側線上の車両が本線へ合流する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-170385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術を前提とするとしても、側線から本線へ車両が進入して本線上の車両の列に合流する場合、本線を走行中の車両の安全に加えて、側線を走行する車両がスムーズに進入して合流できることが必須となる。
【0005】
また、側線上を走行してこれから本線に進入して合流しようとする車両の運転者の運転技術が低い場合等であってもスムーズに進入及び合流ができるようにしなければ、側線における渋滞を招来する可能性もあるという問題点があった。
【0006】
そこで本願は、上記の要請及び問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、側線上の車両が本線に合流する場合において、スムーズ且つ確実に当該車両を本線に進入させるために必要な判定を行うことが可能な判定装置及び判定方法並びに当該判定装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1道路を同じ方向に移動する複数の第1移動体各々の移動状態と、前記第1道路に合流する第2道路を移動しており、前記第1道路へ進入して前記方向へ移動予定の第2移動体の移動状態と、を示す状態情報を取得する取得手段と、前記状態情報に基づいた加速度であり、且つ、前記第2移動体が前記第1道路に進入可能となる間隔の生成のために前記第1移動体の少なくとも1つに加えられる加速度に基づき、前記間隔の生成が可能かどうかを判定する判定手段と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、取得手段と、判定手段と、を備える判定装置において実行される判定方法であって、第1道路を同じ方向に移動する複数の第1移動体各々の移動状態と、前記第1道路に合流する第2道路を移動しており、前記第1道路へ進入して前記方向へ移動予定の第2移動体の移動状態と、を示す状態情報を前記取得手段により取得する取得工程と、前記状態情報に基づいた加速度であり、且つ、前記第2移動体が前記第1道路に進入可能となる間隔の生成のために前記第1移動体の少なくとも1つに加えられる加速度に基づき、前記間隔の生成が可能かどうかを前記判定手段により判定する判定工程と、を含む。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の判定装置として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る判定装置の概要構成を示すブロック図である。
図2】第1実施例に係る道路の合流状態を例示する上方視概念図である。
図3】第1実施例に係るナビゲーション装置の概要構成を示すブロック図である。
図4】第1実施例に係る合流制御の全体を示すフローチャートである。
図5】第1実施例に係る合流制御の細部を示すフローチャートである。
図6】第1実施例に係る合流制御の状態を示す上方視概念図であり、(a)は第1実施例に係る合流制御が実行されない場合の状態を示す上方視概念図であり、(b)は第1実施例に係る合流制御が実行された結果を示す上方視概念図である。
図7】第2実施例に係る合流制御を示すフローチャートである。
図8】第2実施例に係る合流制御の細部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係る判定装置の概要構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る判定装置Sは、取得手段1と、判定手段10と、を備えて構成されている。
【0013】
この構成において取得手段1は、第1道路を同じ方向に移動する複数の第1移動体各々の移動状態と、前記第1道路に合流する第2道路を移動しており、前記第1道路へ進入して前記方向へ移動予定の第2移動体の移動状態と、を示す状態情報を取得する。
【0014】
次に判定手段10は、第2移動体が第1道路に進入可能な間隔を第1移動体のいずれかに生成させる場合、取得手段1により取得された状態情報に基づき当該第1移動体に加わる加速度を得て、第2移動体を上記間隔に進入させるかを判定する。
【0015】
以上説明したように、実施形態に係る判定装置Sによれば、第2移動体が進入可能な間隔を第1移動体のいずれかの間に生成させる場合に第1移動体に加わる加速度に基づき、上記間隔内に第2移動体を進入させるかを判定するので、スムーズ且つ確実に第2移動体を第1道路に進入させるために必要な判定を行うことができる。
【実施例0016】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図面を用いて説明する。なお以下に説明する各実施例は、ナビゲーション装置をそれぞれに搭載した複数の車両が、本線と側線との合流地点の付近を走行している場合において、側線上を走行する車両を自動運転により本線に進入させて本線上の車両の列に合流させる場合の制御に本願を適用した場合の実施例である。このとき上記各車両は、いわゆる車車間通信により相互に情報の授受が可能となるように構成されており、上記自動運転では上記車車間通信による情報の授受を用いて、それぞれの運転者が原則として関与することなく、各車両を走行させる。また、上記本線と側線との合流地点の例としては、例えば高速道路への入口、高速道路の出口から一般道への合流地点、又はパーキングエリアから高速道路への合流地点等が挙げられる。
【0017】
(I)第1実施例
初めに、実施形態に対応する第1実施例について、図2乃至図6を用いて説明する。ここで、図2は第1実施例に係る道路の合流状態を例示する上方視概念図であり、図3は第1実施例に係るナビゲーション装置の概要構成を示すブロック図であり、図4は第1実施例に係る合流制御の全体を示すフローチャートである。更に、図5は当該合流制御の細部を示すフローチャートであり、図6は当該合流制御の状態を示す上方視概念図である。このとき図3では、図1に示した実施形態に係る判定装置Sにおける各構成部材に対応する第1実施例の構成部材それぞれについて、当該判定装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。また、側線上の車両を自動運転により本線に進入させて本線上の車両の列に合流させる場合の第1実施例に係る制御を、以下単に「第1実施例に係る合流制御」と称する。
【0018】
図2に示すように、第1実施例に係る合流制御は、例えば車両CA乃至車両CGが本線MR上を走行している場合に、側線SR上を走行している例えば車両Ca乃至車両Ccが、本線MR上の合流位置MPを経由して順次本線MRに進入して本線MR上の車両CA乃至車両CGの列に合流する場合に実行される合流制御である。このような第1実施例に係る合流制御は、車両CA乃至車両CG及び車両Ca乃至車両Ccにそれぞれ搭載されているナビゲーション装置NVA乃至ナビゲーション装置NVG及びナビゲーション装置NVa乃至ナビゲーション装置NVcが、車車間通信により相互に情報の授受を行いつつ上記自動運転の一環として自律的に実行するものである。
【0019】
なお以下の説明において、車両CA乃至車両CG及び車両Ca乃至車両Ccについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて単に「車両C」と称する。また同様に、ナビゲーション装置NVA乃至ナビゲーション装置NVG及びナビゲーション装置NVa乃至ナビゲーション装置NVcについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて単に「ナビゲーション装置NV」と称する。
【0020】
より具体的に第1実施例に係るナビゲーション装置NVは、図3に示すように、アンテナATを備えた車車間通信部1と、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等からなる処理部10と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる記録部11と、外部インターフェース部12と、タッチパネル及び/又はリモコン等からなる操作部13と、例えばミリ波又は音波を用いたレーダ部14と、GPS(Global Positioning System)センサ及び加速度センサ等からなるセンサ部15と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ16と、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等からなるカメラ部17と、により構成されている。
【0021】
また処理部10は、算出部2と、生成部3と、移動部4と、を備えている。このとき算出部2、生成部3及び移動部4のそれぞれは、処理部10を構成する上記CPU等からなるハードウェアロジック回路により実現されていてもよいし、後述する第1実施例に係る合流制御を示すフローチャートに対応するプログラムを処理部10が例えば記録部11から読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されるものであってもよい。
【0022】
更に、上記車車間通信部1が実施形態に係る取得手段1の一例に相当し、上記算出部2が実施形態に係る算出手段2の一例に相当し、上記処理部10が実施形態に係る判定手段10の一例に相当する。そして図3において破線で示すように、上記車車間通信部1、上記算出部2及び上記処理部10により、実施形態に係る判定装置Sの一例を構成している。
【0023】
以上の構成において車車間通信部1は、処理部10の制御の下、アンテナATを介して他の車両Cに備えられたナビゲーション装置NVとの間での情報の授受を行う。車車間通信部1による情報の授受が可能なその通信範囲は、電波状況にもよって変動するが、例えば、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cを中心として半径数百メートルの範囲が通常である。またこの場合に授受される情報としては、例えば、処理部10を備えたナビゲーション装置NVが搭載された車両Cについての、車両識別情報、位置情報、加速度情報又は速度情報、車両属性情報、搭乗者属性情報、自動運転レベル情報、道路情報、ライトON/OFF情報、ワイパON/OFF情報及び後述する第1実施例に係る各種メッセージ等が挙げられる。これらの車両識別情報等は、予め設定されたフォーマットにより、ナビゲーション装置NV間で授受される。
【0024】
このとき上記車両識別情報は、当該車両識別情報の送信元であるナビゲーション装置NVが搭載された車両Cを他の車両Cから識別するための車両識別情報である。また上記位置情報は、上記GPSセンサにより検出されたナビゲーション装置NVの位置(換言すれば、当該ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cの位置)のセンサ部15による検出結果を示す位置情報である。より具体的に当該位置情報は、例えば当該位置を示す緯度/経度情報、又はナビゲーション装置NV相互の相対的な位置を示す相対位置情報である。次に加速度情報は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cにおける加減速や右左折、或いは坂の上り下り等に起因して当該ナビゲーション装置NVに加わる加速度を上記センサ部15の加速度センサにより検出した結果である。次に速度情報は、車両Cの走行に伴って検出される車速パルスを用いて、又は上記加速度を積分することにより、センサ部15により検出された速度情報である。一方車両属性情報は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cの属性を示す情報である。より具体的に車両属性情報は、その車両Cが乗用車であるか商用車(トラック等)であるかを示す情報、又はその車両Cが大型車であるか小型車であるかを示す情報、或いはその車両Cが国産車であるか外国車であるかを示す情報等である。次に搭乗者属性情報は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cを運転する運転者(ドライバ)及び搭乗者の属性を示す情報である。より具体的に搭乗者属性情報は、その運転者が初心者であるか否かを示す情報、その運転者が高齢者か否かを示す情報、その運転者以外の搭乗者として高齢者又は子供が乗車しているか否か及び乗車している場合はその人数を示す情報等である。次に自動運転レベル情報は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cにおけるそのタイミングでの自動運転の状態を示す情報である。より具体的に自動運転レベル情報は、予め設定(分類)された自動運転のレベルを示す情報であり、当該自動運転における自動制御の対象となっている車両Cの機能の内容や運転者の当該自動運転への関与の度合いを示す情報である。次に道路情報は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cが走行している道路についての情報である。具体的に道路情報は、例えば、その車両Cが走行している道路の種類(高速道か一般道か等)を示す情報や、その車両Cが走行している車線を示す情報を示す情報である。なおこの場合の車線を示す情報には、例えば、その車両Cが走行車線を走行しているのか追越車線を走行しているのかを示す情報や、三車線以上の道路における走行中の車線の位置を示す情報等が含まれる。次にライトON/OFF情報は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cにおいてそのライト(ヘッドライト又はブレーキランプ)が点灯しているか消灯しているかを示す情報である。最後にワイパON/OFF情報は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cにおいてそのワイパが動作中であるか否かを示す情報である。
【0025】
次に記録部11は、後述するナビゲーション装置NVとしての案内処理の実行に必要な情報等を記録すると共に、第1実施例に係る合流制御の実行に必要な情報等を記録し、処理部10の制御の下、当該処理部10に出力する。また外部インターフェース部12は、処理部10の制御の下、例えばインターネット等の外部ネットワーク又はVICS((登録商標)Vehicle Information and Communication System)から、ナビゲーション装置NVの動作に必要な渋滞情報等を取得(受信)し、処理部10に出力する。一方操作部13は、ナビゲーション装置NVの動作を指定する指示操作等が使用者により当該操作部13において実行された場合、当該操作に対応する操作信号を生成して処理部10に出力する。更にレーダ部14は、処理部10の制御の下、例えば上記ミリ波又は音波を送信し、その反射波等に基づいて、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cの前後又は隣接車線を走行している他の車両Cの存在及び当該他の車両Cまでの距離等を検出し、その検出結果を処理部10に出力する。なお、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cと上記他の車両Cとの間の距離を検出する他の方法としては、例えば、当該他の車両Cの位置を示す上記位置情報を当該他の車両Cから直接的に取得(受信)することで、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cにおいて当該距離を検出する方法もある。次にセンサ部15は、処理部10の制御の下、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cの位置を示す位置情報と、当該車両Cに加わる加速度を示す加速度情報と、を、上記GPSセンサ及び上記加速度センサによる検出結果としてそれぞれ処理部10に出力する。最後にカメラ部17は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両C周辺の予め設定された範囲を撮像範囲としており、処理部10の制御の下、当該撮像範囲を撮像した結果としての画像情報を処理部10に出力する。
【0026】
そして処理部10は、上記車車間通信により授受される各情報に加えて、上記外部インターフェース部12からの渋滞情報等、上記レーダ部14における検出結果、上記センサ部15からの位置情報等及び上記カメラ部17からの画像情報に基づき、上記操作部13からの操作信号に対応して、ナビゲーション装置NVとしての案内処理を行う。なお、当該案内処理に必要な情報は一時的に記録部11に記録され、必要に応じて処理部10により読み出されて当該案内処理に供される。また当該案内処理に相当するプログラム等も、記録部11に記録され、必要に応じて処理部10により読み出されて当該案内処理に供される。そして当該案内処理の結果としてのルート案内等は、処理部10の制御の下、ディスプレイ16における地図等の表示及び図示しないスピーカを介した音声案内等を用いて実行される。なお、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両Cが予め設定された自動運転レベルの下で走行している場合は、上記案内処理の一部又は全部は、当該自動運転レベルに対応した自動運転により実行される。
【0027】
これに加えて処理部10の算出部2、生成部3及び移動部4は、後述するフローチャートにより示される第1実施例に係る合流制御を、上記案内処理の一環として実行する。このとき当該算出部2等は、上記車車間通信により授受される各情報、上記渋滞情報等、上記レーダ部14における検出結果、上記車両識別情報等及び上記画像情報に基づいて、第1実施例に係る合流制御を実行する。
【0028】
次に、第1実施例に係る合流制御について、具体的に図4乃至図6を用いて説明する。ここで図4において左側に示すフローチャートは、第1実施例に係る合流制御の一部として、図2に示す側線SR上を走行して本線MRに進入しようとしている車両Ca乃至車両Ccにそれぞれ搭載されているナビゲーション装置NVa乃至ナビゲーション装置NVcにおいて実行される処理を示すフローチャートである。これに対し、図4において右側に示すフローチャートは、第1実施例に係る合流制御の他の一部として、図2に示す本線MR上を走行する車両CA乃至車両CGにそれぞれ搭載されているナビゲーション装置NVA乃至ナビゲーション装置NVGにおいて実行される処理を示すフローチャートである。そして図4にそれぞれ示すフローチャートに相当する処理は、例えば一定時間ごとに、ナビゲーション装置NVの処理部10を中心として実行される。
【0029】
なお以下の説明において、ナビゲーション装置NVa乃至ナビゲーション装置NVcが搭載されている車両Ca乃至車両Ccについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「車両Ca等」と称し、また、ナビゲーション装置NVa乃至ナビゲーション装置NVcについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「ナビゲーション装置NVa等」と称する。更に、ナビゲーション装置NVA乃至ナビゲーション装置NVGが搭載されている車両CA乃至車両CGについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「車両CA等」と称し、また、ナビゲーション装置NVA乃至ナビゲーション装置NVGについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「ナビゲーション装置NVA等」と称する。
【0030】
更に、ナビゲーション装置NVa等においては、それらが搭載されている車両Ca等が側線SR上を走行して合流位置MPから本線MRに進入することが、例えばルート設定等により予め設定されている。更にナビゲーション装置NVA等では、側線SRからの車両Ca等の合流位置MPが本線MR上にあることが、予め設定されている。
【0031】
図4左に示すように、側線SR上を走行している車両Ca等に搭載されているナビゲーション装置NVa等の処理部10は、第1実施例に係る合流制御が開始されると、合流位置MPが接近してきたか否か、即ち、合流位置MPから予め設定された距離の位置まで車両Ca等が走行して来たか否かの監視を行う(ステップS1)。ステップS1の監視において、合流位置MPが接近していない場合(ステップS1:NO)、処理部10は車両Ca等に対する元の案内処理に移行する。一方ステップS1の監視において、合流位置MPが接近して来た場合(ステップS1:YES)、次に処理部10は、当該処理部10が備えられたナビゲーション装置NVa等が備えられた車両Ca等の現在位置及び速度をそれぞれ示す位置情報及び速度情報をセンサ部15から取得する(ステップS2)。次に処理部10は、車車間通信部1を制御して、その通信範囲内にある他の車両Cから、当該他の車両Cについての車両情報を取得する(ステップS3)。このステップS3で取得される車両情報には、上記通信範囲内を走行中の他の車両Cについての、上記車両識別情報、位置情報、加速度情報又は速度情報、車両属性情報、搭乗者属性情報、自動運転レベル情報、道路情報、ライトON/OFF情報及びワイパON/OFF情報等が含まれている。
【0032】
次に、ナビゲーション装置NVa等の処理部10は、ステップS3で取得した車両情報に基づき、本線MR上を他の車両Cが走行中であるか否かを判定する(ステップS4)。このとき処理部10は、ステップS4として、本線MRにおける特に合流車線(図2においては、本線MRの左車線)を他の車両Cが走行中であるか否かを判定する。ステップS4の判定において、本線MR上を走行する他の車両Cがない場合(ステップS4:NO)、側線SR上を走行する車両Ca等はそのまま合流位置MPを経由して本線MRに安全に進入できることから、処理部10は車両Ca等に対する元の案内処理に移行する。一方ステップS4の判定において、本線MR上を走行する他の車両Cがある場合(ステップS4:YES)、次に処理部10は、当該処理部10が備えられたナビゲーション装置NVa等が備えられた車両Ca等(図4においては、当該車両Ca等を「自車」と称する。以下の各実施例において同様。)が側線SRを走行する車両Ca等において先頭であるか否か、即ち、側線SRを走行する車両Ca等において自車が合流位置MPに最も近い位置を走行しているか否かを判定する(ステップS5)。
【0033】
ステップS5の判定において、自車が合流位置MPに最も近い位置を走行していない場合、即ち、側線SRを走行する車両Ca等において自車がそれらの先頭でない場合(ステップS5:NO)、次に処理部10は、ステップS3で取得した各情報のうち特に位置情報に基づいて、側線SR上において自車の前方に位置する他の車両Cにおいて本線MRへの進入及び合流が成立しているか否かを判定する(ステップS6。後述のステップS11参照。)。ステップS6の判定において、当該他の車両Ca等においても本線MRへの進入及び合流が成立していない場合(ステップS6:NO)、自車の処理部10は、上記ステップS2に戻って上述してきた処理を繰り返す。
【0034】
他方ステップS5の判定において、自車が合流位置MPに最も近い位置を走行している(即ち、側線SRを走行する車両Ca等において自車がそれらの先頭である)か(ステップS5:YES)、又はステップS6の判定において、上記他の車両Ca等において本線MRへの進入及び合流が成立している場合(ステップS6:YES)、自車の処理部10の算出部2及び生成部3は次に、自車が合流位置MP経由で本線MRへ進入して車両CA等の列に合流する旨を要求する合流要求メッセージを、その送信先となる本線MR上の車両CA等を特定して生成する(ステップS7)。このステップS7において処理部10の算出部2は、本線MR上を走行している車両CA等のいずれかを加速又は減速させることにより、自車が合流位置MPを経由して本線MRに進入するための車間を当該車両CA等に空けさせる場合に、当該加速又は減速の際に加えられる加速度を、当該加速又は減速させる車両CA等を特定して算出する。そして自車の処理部10の生成部3は、当該算出された加速度により加速又は減速させる車両CA等宛の上記合流要求メッセージを生成する。このとき当該合流要求メッセージには、その送信先となる車両CA等を加速又は減速させるための加減速指示メッセージが、当該車両CA等ごとに算出された上記加速度を示す加速度情報と共に含まれている。なおステップS7の詳細については、後ほど図5を用いて詳述する。
【0035】
ステップS7において合流要求メッセージがその送信先となる車両CA等の特定と共に生成されたら、次に自車の処理部10の生成部3は、自車の車車間通信部1を制御して、当該特定された車両CA等に宛てて個別に、当該車両CA等宛てに生成された合流要求メッセージを送信する(ステップS8)。その後自車の処理部10は、ステップS8で送信した合流要求メッセージに対応する合流可否メッセージの、当該宛先となった車両CA等からの送信を待機する(ステップS9、ステップS9:NO)。この合流可否メッセージは、上記合流要求メッセージを受信した車両CA等のいずれかにおいて、当該合流要求メッセージにより示される加速又は減速が承諾されるか否かを示すメッセージである。当該合流可否メッセージについては後ほど詳述する。
【0036】
次に、ステップS9の待機中に合流要求メッセージの宛先となった車両CA等から合流可否メッセージを受信した場合(ステップS9:YES)、自車の処理部10は、当該受信した合流可否メッセージに基づき、合流位置MPを経由した自車の本線MRへの進入及び合流が承諾された(成立した)か否か、即ち自車が合流位置MPに到達したときに必要な車間が車両CA等に生成されるか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10の判定において、自車の合流が承諾されて(成立して)いない、即ち上記必要な車間が生成されない場合(ステップS10:NO)、自車の処理部10は上記ステップS7に戻って上述してきた制御を繰り返す。なおこのとき、自車の合流が承諾されていない旨の合流可否メッセージの送信元の車両CA等に対する合流要求メッセージの繰り返しの送信は、行われない。一方ステップS10の判定において、自車の合流が承諾されて(成立して)いる、即ち上記必要な車間が必要な位置に生成される場合(ステップS10:YES)、次に自車の処理部10は、自車について当該合流が成立した旨、即ち上記必要な車間が必要な位置に生成される旨を、車車間通信部1を制御して、その通信範囲を走行している車両Cのナビゲーション装置NVに対してブロードキャスト方式により送信する(ステップS11)。このステップS11において処理部10は、自車、及び自車の合流が承諾された車両CA等それぞれを識別するための上記車両識別情報と共に、自車について上記合流が成立した旨を、上記通信範囲を走行している他の車両Cに対して上記ブロードキャスト方式により送信する。これにより例えば、側線SR上で自車に後続する他の車両Ca等、及び、合流が成立した車両CA等に本線MR上で後続する他の車両CA等の双方にとって有益な情報として、成立した合流の対象となる車両Cの情報を当該他の車両Ca等及び当該他の車両CA等に取得させることができる。このとき、他の車両Ca等及び他の車両CA等に対して上記ブロードキャスト方式により送信される車両識別情報や合流が成立した旨の情報は、当該他の車両Ca等又は他の車両CA等の立場から見ると、例えば、当該他の車両Ca等又は他の車両CA等に先行する車両が減速又は加速を行うか否かを、当該他の車両Ca等又は他の車両CA等において予測するための情報等として有益となる。
【0037】
その後自車の処理部10の移動部4は、自車の車車間通信部1を制御して、上記ステップS8で送信した合流要求メッセージの送信先となった車両CA等との間で予め設定された合流制御メッセージ等の授受を個別に行いつつ、合流位置MPを介した本線MRへの実際の進入及び合流の制御を、自車の自動運転の一環として行う(ステップS12)。その後移動部4は、ステップS12までの合流制御による本線MRへの進入及び合流の状況が変化したか否かを監視する(ステップS13)。このとき移動部4は、例えば合流位置MPの位置的変化や合流位置MPヘの到達予定時刻の変化等を監視する。ステップS13の判定において、上記状況の変化がない場合(ステップS13:NO)、移動部4は現状のまま本線MRへの進入及び合流の制御を行い、後述するステップS14に移行する。一方ステップS13の判定において、何らかの状況の変化があった場合(ステップS13:YES)、自車の移動部4は、上記合流制御メッセージ等の授受を行っている車両CA等との間で予め設定された変化対応メッセージ等の授受を行って当該変化に対応しつつ、本線MRへの進入及び合流の制御を行う(ステップS14)。
【0038】
その後自車の処理部10は、本線MRへの進入及び合流が完了したか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15の判定において、進入及び合流が完了していない場合(ステップS15:NO)、自車の移動部4は上記ステップS12に戻って上述してきた制御を繰り返す。一方ステップS15の判定において、本線MRへの進入及び合流が完了した場合(ステップS15:YES)、処理部10は車両Ca等に対する元の案内処理に移行する。
【0039】
他方図4右に示すように、本線MR上を走行している車両CA等に搭載されているナビゲーション装置NVA等の処理部10は、第1実施例に係る合流制御が開始されると、合流位置MPが接近してきたか否か、即ち、合流位置MPから予め設定された距離の位置まで車両CA等が走行して来たか否かの監視を行う(ステップS20)。ステップS20の監視において、合流位置MPが接近していない場合(ステップS20:NO)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は車両CA等に対する元の案内処理に移行する。一方ステップS20の監視において、合流位置MPが接近して来た場合(ステップS20:YES)、次にナビゲーション装置NVA等の処理部10は、当該処理部10が備えられたナビゲーション装置NVA等が備えられた車両CA等の現在位置及び速度をそれぞれ示す位置情報及び速度情報をセンサ部15から取得する(ステップS21)。次にナビゲーション装置NVA等の処理部10は、車車間通信部1を制御して、その通信範囲内にある他の車両Cから、当該他の車両Cについての車両情報を取得する(ステップS22)。このステップS22で取得される車両情報には、上記ステップS3で取得される車両情報と同様に、上記通信範囲内を走行中の他の車両Cについての、上記車両識別情報、位置情報、加速度情報又は速度情報、車両属性情報、搭乗者属性情報、自動運転レベル情報、道路情報、ライトON/OFF情報及びワイパON/OFF情報等が含まれている。
【0040】
次に、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、側線SR上を走行している車両Ca等のいずれかから送信された上記合流要求メッセージを受信したか否かを監視する(ステップS23)。ステップS23の監視において、いずれの車両Ca等からも合流要求メッセージが受信されていない場合(ステップS23:NO)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、車両CA等に対する元の案内処理に移行する。一方ステップS23の監視において、車両Ca等のいずれかから合流要求メッセージが送信されて来た場合(ステップS23:YES)、次にナビゲーション装置NVA等の処理部10は、受信した合流要求メッセージに基づく車両Ca等の本線MRへの進入及び合流を承諾するか否かを判定する(ステップS24)。このときナビゲーション装置NVA等の処理部10は、受信した合流要求メッセージに含まれている加速度情報により示される加速度による加速又は減速が、当該ナビゲーション装置NVA等が搭載されている車両CA等において可能か否かの観点からステップS24の判定を行う。より具体的にナビゲーション装置NVA等の処理部10は、例えば、合流要求メッセージを受信した車両CA等において、その運転者が高齢者であるとか、同乗者の中に乳幼児が含まれているといった理由により、当該合流要求メッセージに含まれている加速度情報により示される加速度による加速又は減速ができない場合、当該進入及び合流を承諾しないと判定する。一方上記のような承諾できない理由が特にない場合、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は当該進入及び合流を承諾すると判定する。なお、当該承諾できない理由を示す情報は、各車両Cの運転者又は管理者が予め入力して記録部11に記録させておくのが好適である。またこの他にナビゲーション装置NVA等の処理部10は、合流要求メッセージを受信した車両CA等が車線を移動する(即ち、本線MRにおいて合流位置MPを含まない車線へ移動する)ことにより車両Ca等の進入及び合流が可能となる場合も、当該進入及び合流を承諾すると判定するように構成してもよい。
【0041】
以上のようなステップS24の判定において、受信した合流要求メッセージに基づく車両Ca等の本線MRへの進入及び合流が承諾できるものである場合(ステップS24:YES)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、当該承諾できる旨の合流可メッセージを生成する(ステップS25)。これに対し、受信した合流要求メッセージに基づく車両Ca等の本線MRへの進入及び合流が承諾できるものでない場合(ステップS24:NO)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、当該承諾できない旨の合流不可メッセージを生成する(ステップS26)。そしてナビゲーション装置NVA等の処理部10は、上記合流可メッセージ又は上記合流不可メッセージのいずれか一方を含む上記合流可否メッセージを、上記合流要求メッセージの送信元たる車両Ca等のいずれかに送信する(ステップS27)。
【0042】
その後ナビゲーション装置NVA等の処理部10の移動部4は、ナビゲーション装置NVA等の車車間通信部1を制御して、上記ステップS23で受信した合流要求メッセージの送信元となった車両Ca等との間で上記合流制御メッセージ等の授受を個別に行いつつ、合流位置MPを介した車両Ca等の本線MRへの実際の進入及び合流の制御を自動運転の一環として行う(ステップS28)。その後ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、ステップS28までの合流制御による車両Ca等の本線MRへの進入及び合流の状況が変化したか否かを監視する(ステップS29)。このときナビゲーション装置NVA等の処理部10は、例えば合流位置MPの位置的変化や合流位置MPヘの到達予定時刻の変化等を監視する。ステップS29の判定において、上記状況の変化がない場合(ステップS29:NO)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は現状のまま車両Ca等の本線MRへの進入及び合流の制御を行い、後述するステップS31に移行する。一方ステップS29の判定において、何らかの状況の変化があった場合(ステップS29:YES)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、上記合流制御メッセージ等の授受を行っている車両Ca等との間で予め設定された変化対応メッセージ等の授受を行って当該変化に対応しつつ、車両Ca等の本線MRへの進入及び合流の制御を行う(ステップS30)。
【0043】
その後ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、車両Ca等の本線MRへの進入及び合流が完了したか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31の判定において、進入及び合流が完了していない場合(ステップS31:NO)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は上記ステップS28に戻って上述してきた制御を繰り返す。一方ステップS31の判定において、進入及び合流が完了した場合(ステップS31:YES)、ナビゲーション装置NVA等の処理部10は車両CA等に対する元の案内処理に移行する。
【0044】
次に、上記ステップS7としての合流要求メッセージの生成について、より具体的に図5を用いて説明する。
【0045】
即ち図5に示すように、ステップS7において自車の処理部10の算出部2は、図4に示すステップS3において取得した車両CA等について車両情報の内容を分析し、各車両CA等と自車との位置関係、速度差及び各車両CA等間の現在の車間の位置及び長さ等を検出する(ステップS70)。次に自車の処理部10の算出部2は、上述したように、自車が合流位置MPを経由して本線MRに進入するための車間を当該車両CA等に空けさせるために加速又は減速させることが可能な車両CA等を特定する(ステップS71)。このとき当該算出部2は、車両CA等の上記車両属性や上記搭乗者属性に基づき、例えば以下の観点から車間を空けさせることが可能な車両CA等を特定する。
・その後方に車両Ca等が合流した場合にその前方視界の妨げとなる大型車の後には、車間を生成させない。
・運転者が高齢者であるか、又は乳幼児が乗車している車両CA等の前方には、車間を生成させない。
・車両Ca等において急激な加速又は減速が必要となる位置には、車間を生成させない。
【0046】
また当該算出部2は、特定した車両CA等を加速又は減速させる際に加えられる加速度を合わせて算出する。
【0047】
次に当該算出部2は、車間を生成させるものとして特定した車両CA等に関連する他の車両CA等を特定する(ステップS72)。ここで、車間を生成させるものとして特定した車両CA等には、少なくとも、当該車間を構成する後ろ側の車両CA等が含まれている。そして当該算出部2は、生成させる車間を構成する車両CA等の更に前後を走行している車両CA等を上記関連する他の車両CA等として特定する。更に当該算出部2は、特定した他の車両CA等についてもこれらを加速又は減速させる必要がある場合、当該加速又は減速の際に加えられる加速度も、合わせて算出する。
【0048】
そして当該算出部2は、生成させる車間を構成する車両CA等宛、及び、上記他の車両CA等宛にそれぞれ別個に上記合流要求メッセージを生成する(ステップS73)。この場合の合流要求メッセージには、上述したように、その送信先となる車両CA等を加速又は減速させるための加減速指示メッセージと、当該車両CA等ごとに算出された上記加速度を示す加速度情報とが、含まれている。
【0049】
その後自車の処理部10は、上記ステップS8に移行して上述してきた制御を実行する。
【0050】
以上の図4及び図5を用いて説明した第1実施例に係る合流制御が実行された場合、例えば図6(a)に示す状態で車両CA等が走行している本線MRの合流位置MPにて側線SRを走行している車両Caが本線MRに進入及び合流しようとする場合(図6破線矢印参照)、図6(a)の状態でそのまま車両Caが本線MRに進入すると危険な状態が起こり得るが、第1実施例に係る合流制御により、図4(b)に例示する車間dが予め本線MRに生成されていれば、車両Caは側線SRから安全に本線MRに進入及び合流することができる。なお図6(b)において、上記「車間を生成させるものとして特定した車両CA等」とは少なくとも車両CE(通常は車両CE及び車両CD)がこれに該当し、また上記「他の車両CA等」とは少なくとも車両CF(通常は車両CDの更に前方を走行している他の車両C及び車両CFがこれに該当する。
【0051】
以上それぞれ説明したように、第1実施例に係る合流制御によれば、車両Ca等が進入可能な車両CA等の車間dを本線MR上において生成する場合に当該各車両CA等に加わる加速度を、車両CA等及び車両Ca等それぞれに対応する車両情報等に基づいて算出する。そして、当該加速度に基づいて車両CA等に当該車間dを生成させ、その車間dの位置に車両Ca等を移動させる。よって、車両Ca等が進入可能な車両CA等の車間dが、車両CA等に加わる加速度の算出結果に基づいて自動的に生成されるので、安全に車両Ca等を本線MRに進入及び合流させることができる(以上の効果を、第1実施例に係る合流制御の効果i)とする)。
【0052】
また、搭乗者属性情報又は車両属性情報の少なくともいずれか一つを含む車両情報等に基づいて車両CA等に車間dを生成する場合の加速度を算出するので、車両CA等にとって適切な加速度を算出して安全に車両Ca等を進入させることができる(以上の効果を、第1実施例に係る合流制御の効果ii)とする)。
【0053】
更に、側線SR上を走行する車両Ca等の車車間通信部1、算出部2及び生成部3により、加速度情報と、当該加速度情報により示される加速度により加速又は減速することを指示する加減速指示メッセージと、を、生成予定の車間dの後を走行する車両CE(図6(b)参照)に少なくとも送信する。よって、車両Ca等の主導により車両CA等の車間dを安全に生成させて、当該車両Ca等を本線MRに進入及び合流させることができる。
【0054】
更にまた、車両CA等から受信した合流可否メッセージが加速又は減速が不可であることを示す合流不可メッセージである場合に、車両CA等の車間dを生成するための上記加速度を再算出し、当該再算出された加速度を示す新たな加速度情報と、当該加速度により加速又は減速することを指示する新たな加減速指示メッセージと、を、再算出後の加速度に基づいて生成される車間dの後を走行する車両CA等に少なくとも送信する(図4において、二回目以降のステップS7乃至ステップS9参照)。よって、車両CA等の車間dの生成が一度不可能とされた場合でも、改めて当該車間d生成の処理を行うことで、車両Ca等が主導して安全且つ確実に当該車間dを生成させることができる。
【0055】
また、必要な車間dが車両CA等に生成されるとき、各車両CA等の位置との関係における当該車間dの位置を示す車両情報等を車両CA等及び車両Ca等に取得させるので(図4ステップS11参照)、当該車間dの周囲の車両CA等及び車両Ca等における追突事故等の発生を予防できる(以上の効果を、第1実施例に係る合流制御の効果iii)とする)。
【0056】
(II)第2実施例
次に、実施形態に対応する他の実施例である第2実施例について、図7及び図8を用いて説明する。なお、図7は第2実施例に係る合流制御の全体を示すフローチャートであり、図8は当該合流制御の細部を示すフローチャートである。
【0057】
ここで図7において左側に示すフローチャートは、第2実施例に係る合流制御の一部として、側線上を走行して本線に進入しようとしている車両にそれぞれ搭載されているナビゲーション装置において実行される処理を示すフローチャートである。図7において右側に示すフローチャートは、第2実施例に係る合流制御の他の一部として、上記本線上を走行する車両にそれぞれ搭載されているナビゲーション装置において実行される処理を示すフローチャートである。そして図7にそれぞれ示すフローチャートに相当する処理は、例えば一定時間ごとに、ナビゲーション装置の処理部を中心として実行される。
【0058】
また、第2実施例に係るナビゲーション装置のハードウェア的な構成は、第1実施例に係るナビゲーション装置NVのものと基本的に同様である。よって以下の第2実施例の説明では、第1実施例に係るナビゲーション装置NVの構成部材と同一の構成部材については、同一の部材番等を付して細部の説明は省略する。また図7において、図4を用いて説明した第1実施例に係る合流制御と同様の制御については、同様のステップ番号を付して細部の説明を省略する。更に、側線SR上の車両Ca等を自動運転により本線MRに進入させて車両CA等の列に合流させる場合の第2実施例に係る制御を、以下単に「第2実施例に係る合流制御」と称する。
【0059】
上述した第1実施例に係る合流制御では、側線SR上を走行して本線MRに進入及び合流する車両Ca等が主導して本線MR上を走行する車両CA等に車間d(図6(b)参照)を空けさせる構成とした。これに対して以下に説明する第2実施例に係る合流制御では、車両Ca等からの要求により、本線MRを走行する車両CA等が主導して、当該要求をした車両Ca等を側線SRから本線MRに進入させて合流させる。
【0060】
即ち図7左に示すように、側線SR上を走行している車両Ca等に搭載されているナビゲーション装置NVa等の処理部10は、第2実施例に係る合流制御が開始されると、初めに第1実施例に係る合流制御と同様のステップS1乃至ステップS6を実行する。そしてステップS5の判定において、自車が合流位置MPに最も近い位置を走行しているか(ステップS5:YES)、又はステップS6の判定において、側線SR上において自車の前方に位置する他の車両Ca等において本線MRへの進入及び合流が成立している場合(ステップS6:YES)、自車の処理部10は次に、自車が合流位置MP経由で本線MRへの進入及び合流する旨を要求する合流要求メッセージを生成する(ステップS40)。
【0061】
ここで、第2実施例に係る合流制御において生成される上記合流要求メッセージ(ステップS40)は、第1実施例に係る合流制御において生成される合流要求メッセージとは異なり、自車が側線SRから本線MRに進入することを要求する旨と、自車の現在の車両情報と、が含まれ、第1実施例に係る加減速指示メッセージ及び加速度情報は含まれない合流要求メッセージである。
【0062】
そして自車の処理部10は、車車間通信部1を制御して、その通信範囲を走行している他の車両Cのナビゲーション装置NVに対して、ステップS40で生成された合流要求メッセージをブロードキャスト方式により送信する(ステップS41)。その後自車の処理部10は、ステップS41で送信した合流要求メッセージに対応する合流可否メッセージの、車両CA等のいずれかからの送信を待機する(ステップS9、ステップS9:NO)。この合流可否メッセージは、第2実施例に係る上記合流要求メッセージを受信した車両CA等(本線MRを走行中の車両CA等)のいずれかにおいて、当該合流要求メッセージにより示される自車の進入が承諾できるか否かの情報と、当該承諾をした車両CA等を識別するための車両識別情報と、が含まれているメッセージである。第2実施例に係る合流可否メッセージについては後ほど詳述する。
【0063】
次に、ステップS9の待機中に車両CA等のいずれかから合流可否メッセージを受信した場合(ステップS9:YES)、自車の処理部10は、当該受信した合流可否メッセージに基づき、自車の合流位置MPを経由した本線MRへの進入が承諾された車両CA等が一又は複数台決定されているか否か、即ち自車が合流位置MPに到達したときに必要な車間を空けられる車両CA等が一又は複数台決定されているか否かを判定する(ステップS42)。ステップS42の判定において、自車の合流が承諾された車両CA等が一又は複数台決定されていない、即ち上記必要な車間が本線MR上に生成されない場合(ステップS42:NO)、自車の処理部10は上記ステップS40に戻って上述してきた制御を繰り返す。一方ステップS42の判定において、自車の合流が承諾された車両CA等が一又は複数台決定されている、即ち上記必要な車間が本線MR上に生成される場合(ステップS42:YES)、次に自車の処理部10は、第1実施例に係る合流制御におけるステップS11と同様の制御を行う。
【0064】
その後、自車の処理部10の移動部4は、自車の車車間通信部1を制御して、上記ステップS42で決定されていた一又は複数台の車両CA等との間で予め設定された合流制御メッセージ等の授受を個別に行いつつ、合流位置MPを介した本線MRへの実際の進入制御を、自車の自動運転の一環として行う(ステップS43)。その後移動部4は、第1実施例に係る合流制御におけるステップS13乃至ステップS15と同様の制御を行う。ここで、上記ステップS43及びステップS13乃至ステップS15における合流制御は、上記ステップS42で決定されていた一又は複数台の車両CA等のうち、最終的に一台の車両CA等にその対象を絞った上で実行される。より具体的に例えば、移動部4は、上記ステップS42で決定された一又は複数台の車両CA等のうち、自車が最も早く進入及び合流できる車間を生成可能な一の車両CA等を特定して上記合流制御を行うように構成するのが望ましい。なおこのとき、周囲を走行する車両Ca等及び車両CA等の状況が変わった場合(例えば本線MR上を走行している車両CA等において車線変更が生じた場合等)には、その状況変化を考慮して合流制御を行うことになる(ステップS13:YES及びステップS14参照)。
【0065】
他方図7右に示すように、本線MR上を走行している車両CA等に搭載されているナビゲーション装置NVA等の処理部10は、第2実施例に係る合流制御が開始されると、第1実施例に係る合流制御におけるステップS20乃至ステップS23と同様の制御を行う。そしてステップS23の監視において、車両Ca等のいずれかから第2実施例に係る合流要求メッセージが送信されて来た場合(ステップS23:YES)、次にナビゲーション装置NVA等の処理部10は、受信した合流要求メッセージに基づく車両Ca等の本線MRへの進入を承諾するか否かを判定する(ステップS45、S46)。このステップS45及びステップS46の判定は、即ち、第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等が本線MRに進入して車両CA等の列に合流することを承諾するか否かの判定である。このときナビゲーション装置NVA等の処理部10は、車車間通信部1を介した車両情報の授受により、受信した合流要求メッセージ(図7ステップS23:YES参照)に含まれている車両識別情報により識別される車両Ca等を合流位置MP経由で本線MRに進入させる場合の車間d(図6(b)参照)を、そのナビゲーション装置NVA等が搭載されている車両CA等の前方又は後方に空ける(生成する。以下、同様。)ことができるか否かを、当該車間を空けるために必要な加速又は減速のための加速度の算出と共に判定する。またナビゲーション装置NVA等の処理部10は、当該車間を空けることに関連することとなる他の車両CA等の特定も、合わせて行う。なおステップS45については、後ほど図8を用いて詳述する。
【0066】
その後ナビゲーション装置NVA等の処理部10は、第1実施例に係る合流制御におけるステップS25乃至ステップS27と同様の制御を行う。この場合にナビゲーション装置NVA等の処理部10は、上記ステップS45及び上記ステップS46の判定結果としての合流可メッセージ(第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等の本線MRへの進入及び合流を承諾する旨のメッセージ。ステップS25参照。)又は当該判定結果としての合流不可メッセージ(当該車両Ca等の本線MRへの進入及び合流を承諾しない旨のメッセージ。ステップS26参照。)のいずれか一方を含む第2実施例に係る合流可否メッセージを、第2実施例に係る合流要求メッセージの送信元たる車両Ca等のいずれかに送信する(ステップS27)。このとき上記合流可メッセージには、上記ステップS45の判定を行った処理部10が含まれているナビゲーション装置NVA等が搭載されている車両CA等を識別するための上記車両識別情報と共に、当該車間を空けることに関連する上記他の車両CA等を識別するための上記車両識別情報が含まれている。
【0067】
次にナビゲーション装置NVA等の処理部10の移動部4は、ナビゲーション装置NVA等の車車間通信部1を制御して、上記ステップS23で受信した第2実施例に係る合流要求メッセージの送信元となった車両Ca等との間で上記合流制御メッセージ等の授受を行いつつ、合流位置MPを介した車両Ca等の本線MRへの実際の進入制御を自動運転の一環として行う(ステップS47)。この場合に移動部4は、第2実施例に係る合流要求メッセージの送信元となった車両Ca等との間だけでなく、上記車間を空けることに関連する上記他の車両CA等との間でも必要なメッセージの授受を行って、上記車両Ca等の本線MRへの実際の進入制御を行う。その後ナビゲーション装置NVA等の処理部10の移動部4は、第1実施例に係る合流制御におけるステップS29乃至ステップS31と同様の制御を行う。ここで、上記ステップS47及びステップS29乃至ステップS31における合流制御は、上述したステップS43及びステップS13乃至ステップS15における合流制御に対応して、上記ステップS42で決定されていた一又は複数台の車両CA等のうち、一台の車両CA等にいて実行される。なおこのときも、周囲を走行する車両Ca等及び車両CA等の状況が変わった場合(例えば本線MR上を走行している車両CA等において車線変更が生じた場合等)には、その状況変化を考慮して合流制御を行うことになる(ステップS129:YES及びステップS30参照)。
【0068】
次に、上記ステップS45としての合流判定について、より具体的に図8を用いて説明する。なお図8を用いたステップS45の合流判定の説明において、当該合流判定を行うナビゲーション装置NVA等を「合流判定ナビゲーション装置NV」と称し、当該合流判定ナビゲーション装置NVA等が搭載されている車両CA等を「合流判定車両C」と称する。
【0069】
即ち図8に示すように、ステップS45において合流判定ナビゲーション装置NVの処理部10の算出部2は、図7に示すステップS22において取得した周辺の車両CA等について車両情報の内容を分析し、当該周辺の各車両CA等と合流判定車両Cとの位置関係、速度差及び周辺の各車両CA等間の現在の車間の位置及び長さ等を検出する(ステップS450)。次に合流判定車両Cの処理部10の算出部2は、ステップS450における各検出結果に基づき、当該合流判定車両Cと周辺の他の車両CA等との関係により、第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等が合流位置MPを経由して本線MRに進入して合流するための車間dを空けることが可能か否かを判定する(ステップS451)。このとき当該算出部2は、合流判定車両C及び他の車両CA等の上記車両属性や上記搭乗者属性に基づき、第1実施例に係る合流制御におけるステップS71の場合と同様に、例えば以下の観点から車間dを空けることが可能か否かを判定する。
・合流判定車両Cが、第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等をその後方に合流させた場合に、当該車両Ca等の前方視界の妨げとなる車両である場合(例えば、合流判定車両Cが大型車である場合)、その後には車間dを空けない。
・合流判定車両Cの運転者が高齢者であるか、又は乳幼児が乗車している場合、当該合流判定車両Cの前方には車間dを空けない。
・第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等において急激な加速又は減速が必要となる位置には、車間dを空けない。
・他の車両CA等との比較において、合流判定車両Cの前方に車間dを空ければ、第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等が最も早く進入及び合流できる場合は、当該車間dを空ける。
【0070】
また当該算出部2は、その前方又は後方に車間dを空けるために合流判定車両Cを加速又は減速させる際に当該合流判定車両Cに加えられる加速度を合わせて算出する。
【0071】
次に当該算出部2は、合流判定車両Cの前方又は後方に車間dを空けることが可能であると判定した場合に(ステップS451参照)、当該合流判定車両Cに関連する他の車両CA等を特定する(ステップS452)。ここで、当該特定される他の車両CA等には、車間dを空ける合流判定車両Cの直前及び直後を走行する他の車両CA等が少なくとも含まれている。ここで、合流判定車両Cの前方に車間dを空けるために当該合流判定車両Cを減速させる場合は、合流判定車両Cの直後を走行する他の車両CA等の特定が重要となり、一方合流判定車両Cの後方に車間dを空けるために当該合流判定車両Cを加速させる場合は、合流判定車両Cの直前を走行する他の車両CA等の特定が重要となる。なお当該算出部2は、合流判定車両Cの直前及び直後を走行する他の車両CA等の更に前又は後を走行している車両CA等までを、上記関連する他の車両CA等として特定してもよい。ここで当該算出部2は、特定した他の車両CA等についてもこれらを加速又は減速させる必要がある場合、当該加速又は減速の際に加えられる加速度も、合わせて算出する。
【0072】
そして当該算出部2は、上記ステップS451及び上記ステップS452により、合流判定車両Cの前方又は後方に車間dが空けられない場合(ステップS453、ステップS453:NO)、当該算出部2は、当該車間dを空けられるか否かの判定を試みる回数として予め設定されている試行回数だけ、ステップS450乃至ステップS453が繰り返し実行されたか否かを判定する(ステップS455)。ステップS455の判定において上記試行回数試みても車間dを空けることができない場合(ステップS455:YES)、当該算出部2は、第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等を本線MRに進入させて合流させることはその時点では承諾できないものとして(ステップS456)、上記ステップS46に移行する。一方ステップS455の判定において上記試行回数だけ車間dを空けられるか否かの判定が試みられていない場合(ステップS455:NO)、当該算出部2は上記ステップS450に戻って上述した制御を繰り返す。
【0073】
他方ステップS453の判定において、合流判定車両Cの前方又は後方に車間dを空けることができる場合(ステップS453:YES)、当該算出部2は、第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等を本線MRに進入させて合流させることを承諾するものとして(ステップS454)、上記ステップS46に移行する。
【0074】
以上説明したように、第2実施例に係る合流制御によれば、第1実施例に係る合流制御と同様の上記i)乃至上記iii)の効果に加えて、第2実施例に係る合流要求メッセージを送信した車両Ca等の本線MRへの進入及び合流の制御を車両CA等で主導して実行することで、より安全に車間dを形成させて車両Ca等を本線MRに進入させて合流させることができる。
【0075】
なお上述した各実施例では、本線MR及び側線SRを車両Cが走行している場合について説明したが、この他に、自動運転が可能な自動二輪車が本線MR及び側線SRを走行している場合における本線MRへの合流制御に対して実施形態を適用することも可能である。
【0076】
また、図4図5図7及び図8にそれぞれ示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の外部記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を各実施例に係る処理部10として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 取得手段(車車間通信部)
2 算出部
3 生成部
4 移動部
10 判定手段(処理部)
S 判定装置
CA、CB、CC、CD、CE、CF、CG、Ca、Cb、Cc 車両
NV、NVA、NVB、NVC、NVD、NVE、NVF、NVG、NVa、NVb、NVc ナビゲーション装置
MR 本線
SR 側線
MP 合流位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8