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特開2024-28344検査システム、プログラムおよび検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028344
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】検査システム、プログラムおよび検査方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20240226BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
G16H50/00
G01N35/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221814
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2020046820の分割
【原出願日】2020-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西薗 和博
(72)【発明者】
【氏名】大西 弘二
(72)【発明者】
【氏名】池田 豊
(57)【要約】
【課題】安価で気軽に検査を受けることができる検査環境を実現する。
【解決手段】検査システム(1)は、検査結果を導出するとともに、予め定められた規則に基づき前記検査結果に応じて特定した識別情報を出力する検査装置(2)、および情報を出力する表示部(45)を備える情報処理端末(4)を含み、前記情報処理端末は、前記識別情報に基づき、前記規則に則して特定される、前記検査結果に係る情報を前記表示部に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出するとともに、予め定められた規則に基づき前記検査結果に応じて特定した識別情報を出力する検査装置、および
前記識別情報を読取る読取部と、情報を出力する提示部とを備える情報処理端末を含み、
前記情報処理端末は、前記識別情報に基づき、前記規則に則して特定される、前記検査結果に係る情報を前記提示部に出力する、検査システム。
【請求項2】
前記情報処理端末は、商品の注文を受け付ける受注装置に接続する通信部と、ユーザからの入力操作を受け付ける入力部と、をさらに備え、
前記検査結果に係る情報が表示された画面又は当該画面から遷移した画面に対する入力操作に基づいて、前記検査結果に応じて推奨される前記商品の注文情報を前記受注装置へ送信する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、前記情報処理端末の位置情報又はユーザによって入力された位置情報に基づき、1又は複数の実店舗であって、前記検査結果に応じて推奨される健康食品を販売する実店舗の位置情報を取得し、前記実店舗の位置情報を前記検査結果に係る情報が表示された画面又は当該画面から遷移した画面に表示する、請求項1又は2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記検査装置は、紙を出力する出力部と、前記紙に前記識別情報に応じたコードを印字する印字部と、をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項5】
前記印字部は、前記コードとともに、前記検査結果を示す検査値を前記紙に印字し、
前記出力部は、前記検査値が印字された前記紙を出力する、請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記情報処理端末は、前記検査結果に係る情報として予め格納された情報の一部を選択又は強調して前記提示部に出力する、請求項1~5のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項7】
前記情報処理端末は、前記識別情報に基づき、前記検査結果に係る情報として、前記検査結果としての検査値が、所定の複数の範囲のいずれに含まれるかを示す情報、前記検査値が示す生理学的な意味を示す情報、前記検査結果に応じて推奨される健康食品を示す情報、および前記検査結果に応じて推奨される生活習慣を示す情報の少なくともいずれかを前記提示部に出力する、請求項1~6のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項8】
前記検査結果に係る情報は、前記検査結果に応じて推奨される健康食品を特定する情報、および前記健康食品を購入する場合に利用可能な特典を示す情報の少なくともいずれかを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項9】
前記情報処理端末が利用可能な記憶装置、をさらに含み、
前記検査結果に応じた情報は、前記検査結果および検査日時の情報を含んでおり、
前記情報処理端末は、前記検査結果と検査日時の情報とを対応付けて、前記記憶装置に格納する、請求項1~8のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項10】
前記情報処理端末は、ユーザからの入力を受け付ける入力部、をさらに備え、
前記情報処理端末は、前記識別情報に基づき、検査に関する質問事項に対する回答の入力を促す情報を前記提示部に出力し、前記入力部に入力された前記回答の情報に基づいて、前記提示部に出力する前記検査結果に係る情報を決定する、請求項1~9のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項11】
情報を読取る読取部と情報を出力する提示部とを備える情報処理端末において実行されるプログラムであって、
被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出する検査装置によって、予め定められた規則に基づき検査結果に応じて特定された識別情報を前記読取部に読取らせる工程と、
前記識別情報に基づき、前記規則に則して特定される、前記検査結果に係る情報を前記提示部によって出力させる工程と、を前記情報処理端末に実行させる、プログラム。
【請求項12】
被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出するとともに、予め定められた規則に基づき検査結果に応じて特定した識別情報を検査装置から出力する工程と、
情報を出力する提示部を有する情報処理端末において前記識別情報を読取る工程と、
前記識別情報に基づき前記規則に則して特定される、前記検査結果に係る情報を前記提示部から出力する工程と、を含む検査方法。
【請求項13】
被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出する検査装置と、
情報を出力する提示部を備える情報処理端末と、を含み、
前記情報処理端末は、前記検査装置から前記検査結果を取得する処理、予め定められた規則に基づき前記検査結果に応じて、前記検査結果に係る情報を特定する処理、および特定した前記検査結果に係る情報を前記提示部に出力する処理を実行する、検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示に係る発明は、検査結果を提示する検査システム、プログラムおよび検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、QOL(Quality Of Life)に対する関心の高まりと相まって、いわゆる未病、すなわち発病には至っていないものの軽い症状がある状態に対する対策が求められている。そのためには、体の状態を科学的に調べるための検査が重要な役割を果たす。
【0003】
このような検査の例として、非特許文献1に記載の事例がある。前記事例では、被検者は次のような手順で検査を受けることができる。
・提供される検査キットを入手する。
・被検者専用のオンラインページへの登録を行う。
・検査キットに含まれる容器を用い、被検者が自身で採取した検体を郵送により送付する。
・検査結果を知らせるメールを受領し、上記オンラインページにアクセスして検査結果を確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開 WO2016/117712 A1
【非特許文献】
【0005】
「がんリスクチェッカー」[online]、株式会社リージャー、[令和1年12月20日検索]、インターネット<URL: https://demecal-kensakit.kenkousenka.jp/lp-gan/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記事例では、種々の手続が必要であるうえ、一連の手順の最初から最後までは相当の日数を要する。
【0007】
そこで、本願発明者らは、被検者にとって身近な場所(かかりつけ医院や薬局、さらには自宅など)で簡単に検査を受けることができるようにすべく、低コストを実現し得る検査装置の基本構成を開発した(特許文献1参照)。そして、本願発明者らは、上記基本構成を想定しつつ、より安価で気軽に検査を受けることができる検査環境の実現を目指して本開示に係る発明をなすに至った。
【0008】
なお、本開示に係る発明は、上述した経緯によりなされたものであるが、適用対象は、上記の例に限定されるものではなく、種々の検査に適用可能である。具体的には、各種癌の腫瘍マーカー、インフルエンザなどのウイルス、細菌または特定疾病を検査するための物質(例えば、糖尿病であればヘモグロビンA1cなど)の検査に用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に係る検査システムは、被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出するとともに、予め定められた規則に基づき前記検査結果に応じて特定した識別情報を出力する検査装置、および前記識別情報を読取る読取部と、情報を出力する提示部とを備える情報処理端末を含み、前記情報処理端末は、前記識別情報に基づき、前記規則に則して特定される、前記検査結果に係る情報を前記提示部に出力する。
【0010】
一実施形態に係る検査方法は、被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出するとともに、予め定められた規則に基づき検査結果に応じて生成した識別情報を検査装置から出力する工程と、情報を出力する提示部を有する情報処理端末において前記識別情報を読取る工程と、前記識別情報に基づき前記規則に則して特定される、前記検査結果に係る情報を前記提示部から出力する工程と、を含む。
【0011】
一実施形態に係るプログラムは、情報を読取る読取部と情報を出力する提示部とを備える携帯型汎用情報処理端末において実行されるプログラムであって、被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出する検査装置によって、予め定められた規則に基づき検査結果に応じて特定された識別情報を前記読取部に読取らせる工程と、前記識別情報に基づき、前記規則に則して特定される、前記検査結果に係る情報を前記提示部によって出力させる工程と、を前記情報処理端末に実行させる。
【0012】
一実施形態に係る検査システムは、被検体又は前記被検体から得られた検体を検査することにより検査結果を導出する検査装置と、情報を出力する提示部を備える情報処理端末とを含み、前記情報処理端末は、予め定められた規則に基づき前記検査結果に係る情報を特定し、前記提示部に出力する。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る発明の一態様によれば、安価で気軽に検査を受けることができる検査環境を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示に係る発明の実施形態1に係る検査システムの構成を示すブロック図である。
図2】検査装置および印刷装置において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3】携帯端末において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】本開示に係る発明の実施形態2に係る検査システムの構成を示すブロック図である。
図5】検査装置において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】携帯端末において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】本開示に係る発明の実施形態3に係る検査システムの構成を示すブロック図である。
図8】検査装置および印刷装置において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】携帯端末において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔実施形態1〕
<検査システム1の構成>
以下、本開示に係る発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る検査システム1の構成を示すブロック図である。検査システム1は、検査装置2、印刷装置3、携帯端末(情報処理端末)4、受注サーバ(受注装置)5および情報取得用サーバ6を備えている。検査システム1では、検査装置2において被検体から得られた検体Pを検査することにより検査結果を導出し、当該検査結果、および当該検査の結果に係る情報に応じたコードを出力する。また、検査システム1では、印刷装置3が前記コードおよび検査結果を印字する。印字された当該コードは携帯端末4で読み取られ、当該コードが示す識別情報に基づいて検査の結果に係る情報が取得される。また、取得された情報は携帯端末4によってユーザに提示される。なお、検体Pについて行った検査の検査結果に係る情報を、「関連情報」と称する。
【0016】
検体Pは、例えば、生体由来の物質であればよい。検体Pは、例えば尿、血液、汗、唾液、又は鼻汁等であってもよい。また、検査装置2は、検査内容に応じた検査結果を導出すればよい。検査結果は、例えば尿、血液、汗、唾液、又は鼻汁中の特定の物質(例えば、クレアチニン、コレステロール、コルチゾール、アミラーゼ、又はムチンなど)の濃度であってもよい。また、検査結果には、人や動物といった被検体に対して行った検査の結果も含まれてよい。例えば、検査装置2が導出する検査結果は、母体を被検体としたエコー検査を行って得たエコー画像であってもよい。あるいは、検査装置2が導出する検査結果は、骨折患者を被検体としたレントゲン撮影によるレントゲン写真、又は検査装置2を被検体に装着することによって得られる生体情報(血圧、脈拍、脈波、及び血中酸素濃度など)であってもよい。
【0017】
<検査装置2の構成>
検査装置2は、検体Pについて検査を行い、当該検査の結果、および当該検査結果に係る情報である関連情報に応じたコードを出力する。検査装置2は、カートリッジ21、制御部22、記憶部23、表示部24および通信部25を備えている。
【0018】
(カートリッジ21の構成)
カートリッジ21は、一例として、検査装置2に着脱可能な使い捨てのカートリッジであり、検体Pについて検査(測定)を行うためのセンサ26を備えている。カートリッジ21は、検体Pに含まれる検査対象物質の存在に基づく弾性波等を電気信号に変換して演算部27(後述)に出力する。なお、カートリッジ21は、検査装置2に物理的に装着されなくともよい。例えば、カートリッジ21は検査装置2と通信可能な通信部を備えていてもよい。この場合、カートリッジ21は、検査に係る電気信号等の情報を有線または無線通信によって検査装置2に送信する。
【0019】
センサ26は、例えば、弾性波、QCM(Quartz Crystal Microbalance)、SPR(Surface Plasmon Resonance)、又はFET(Field Effect Transistor)などを利用するセンサであればよい。すなわち、センサ26は、電気信号と弾性波、QCM、SPR、FETなどを相互に変換することができればよい。
【0020】
本実施形態では、センサ26は、弾性波を発信および受信するための一対のIDT(Inter Digital Transducer)電極と、被検者の検体Pに含まれる検出対象物質の存在に応じて弾性波の伝播特性を変化させる検出部と、検体Pを流すための流路と、各構成を支持するための基板とを備える。
【0021】
(制御部22の構成)
検査装置2の制御部22は、演算部27、識別情報特定部28、コード生成部29、および出力制御部30を備えている。演算部27は、センサ26から出力された電気信号を用いて、検査結果として検査対象物質の濃度を導出する。例えば、演算部27は、検出信号と参照信号との差を検査値として算出する。演算部27は、導出した検査結果(検査値)を識別情報特定部28、コード生成部29、および出力制御部30に出力する。
【0022】
記憶部23には、検査結果(検査値)に対応する関連情報を特定するための予め定められた規則が記憶されている。当該規則とは、例えば、検査値の複数の数値範囲と、各数値範囲に対応する関連情報(例えば、検査値の生理的な意義をユーザに説明するための画像)の識別情報(関連情報の識別子)との対応関係を示すテーブルである。関連情報自体は、記憶部23には格納されておらず、携帯端末4の記憶部44に格納されている。
【0023】
識別情報特定部(関連情報特定部)28は、演算部27から検査結果を取得すると、記憶部23に記憶されている規則を参照し、当該規則に基づいて、複数の関連情報の中から検査結果に対応する関連情報の識別情報を特定する。関連情報とは、例えば、検査結果としての検査値(例:検出対象物質の濃度を示す値)が、所定の複数の範囲のいずれに含まれるかを示す情報(検出対象物質の生産レベル)、当該検査値が示す生理学的な意味を示す情報(検出対象物質の生産量の多少)、当該検査結果に応じて推奨される健康食品を示す情報(お勧めのサプリメント)、および当該検査結果に応じて推奨される生活習慣を示す情報の少なくともいずれかを示す画像である。また、関連情報は、上述の情報を示す音声データであってもよい。また、関連情報として、ユーザの生理状態に応じて推奨される商品(例:サプリメント、健康食品、運動器具、書籍、又は睡眠グッズ等)に関する情報が含まれていてもよい。識別情報特定部28は、特定した関連情報の識別情報をコード生成部29に出力する。
【0024】
コード生成部29は、取得した検査結果および関連情報の識別情報に応じたコードを、予め定められた規則に基づき生成する。生成するコードは、携帯端末4によって読み取り可能なコードであればよく、例えばQRコード(登録商標)である。コード生成部29は、生成したコードを出力制御部30に出力する。コードを生成するための規則は、記憶部23に格納されている。当該規則については、周知技術に基づいて、生成するコードに応じた規則を定めればよい。
【0025】
出力制御部30は、演算部27から検査結果を取得した場合に、表示部24を制御し、検査結果を表示部24に表示させてよい。表示部24は、出力制御部30の制御により、検査結果を表示するディスプレイであり、例えば、液晶ディスプレイである。これにより、医師等医療関係者が、検査結果を確認することができる。また、出力制御部30は、演算部27から検査結果を取得し、コード生成部29からコードを取得した場合に、通信部25を介して印刷装置3と通信し、検査結果およびコードを印刷装置3に送信(出力)してよい。ここでの通信は、有線通信でもよく、Bluetooth(登録商標)等の短距離無線通信でもよく、インターネットを介した通信でもよい。
【0026】
<印刷装置3の構成>
印刷装置3は、受信部31、印刷装置3の種々の制御を行う制御部32、印字された紙を出力する出力部33、および印字を行う印字部34を備える。制御部32は、検査装置2から受信部31を介して検査結果およびコードを取得する。また、制御部32は、出力部33および印字部34を制御し、印字用の紙にコードと検査結果を示す検査値(例:検出対象物質の濃度を示す値)を印字させ、当該コードと検査値が印字された紙を出力させてよい。
【0027】
<携帯端末4の構成>
携帯端末4は、入力部41、撮像部(読取部)42、制御部43、記憶部44、表示部(提示部)45、スピーカ(提示部)46、および通信部47を備えている。携帯端末4は、例えばスマートフォン、又はタブレット端末であるが、その種類は特に限定されない。
【0028】
入力部41は、ユーザからの入力操作を受け付けることができる。入力部は、例えばタッチパネルである。撮像部42は、撮像制御部48(後述)の制御により撮像を行うことができる。撮像部は、例えば、デジタルカメラである。
【0029】
記憶部44は、アプリケーションプログラム53、および識別番号等の識別情報が付された複数の関連情報が記録されている。アプリケーションプログラム53は、制御部43が後述の種々の制御を行うためのプログラムである。また、記憶部44には、後述する記録制御部50により、検査結果と当該検査結果に係る関連情報とが関連付けられて記録される。
【0030】
制御部43は、撮像制御部48、情報取得部49、記録制御部50、および出力制御部51を備えている。制御部43は、ユーザによる入力操作が行われると、記憶部44に格納されたアプリケーションプログラムを実行し、当該アプリケーションプログラムに基づいて種々の制御を行ってよい。
【0031】
撮像制御部48は、ユーザによって入力部41から撮像部42を起動する入力が行われると、撮像部42を起動させてよい。また、撮像制御部48は、入力部41からの入力に従って撮像部42を制御し、印刷装置3によって印字されたコードを撮像してよい。
【0032】
情報取得部49は、撮像部42によって撮像されたコードの画像を取得してよい。情報取得部49は、コードの画像を解析し、当該コードに含まれる検査結果および関連情報の識別情報を読取ってよい。また、情報取得部49は、読み取った識別情報に対応する関連情報を記憶部44から取得してよい。複数の関連情報は、個々に識別情報が付されて記憶部44に格納されているため、情報取得部49は、読み取った識別情報に対応する関連情報を取得することができる。情報取得部49は、取得した関連情報を出力制御部51に出力してよい。
【0033】
記録制御部50は、情報取得部49から取得した検査結果および関連情報を、検査履歴として記憶部44に記録してよい。出力制御部51は、当該検査結果および関連情報を出力(提示)してよい。具体的には、関連情報が画像データである場合、出力制御部51は、表示部45を制御し、取得した各情報を表示させてよい。あるいは、関連情報が音声データである場合、出力制御部51はスピーカ46を制御し、関連情報を音声形式で出力してよい。
【0034】
また、関連情報として、被検者にお勧めのサプリメント、運動器具、及び健康グッズ等、被検者に対して推奨される商品(推奨商品)の情報が含まれていてもよいし、それらの情報にアクセスすることが可能な情報要素(例えば、URL、QRコード(登録商標)またはバーコード)であってもよい。この場合、出力制御部51は当該推奨商品を注文することができる画面を、当該関連情報が表示された画面又は当該画面から遷移した画面に表示させてよい。推奨商品を注文することができる画面は、例えば推奨商品を販売しているオンラインショップ等のウェブページであればよい。ユーザによって上述の画面に対して当該推奨商品の注文操作が行われると、制御部43は、商品の注文を受け付けるサーバである受注サーバ5に接続する通信部47を介して、受注サーバ5に当該推奨商品の注文情報を送信してよい。
【0035】
なお、関連情報に含まれる情報は、商品に限られない。関連情報には、例えば、料理のレシピ、運動メニュー、および健康維持に関する情報などの情報も含まれてよいし、それらの情報にアクセスすることが可能な情報要素(例えば、URL、QRコード(登録商標)またはバーコード)であってもよい。すなわち、出力制御部51は、検査結果に応じて、ユーザに適している任意の情報を表示部45に表示させてよい。
【0036】
<検査装置2の処理の流れの一例>
図2は、検査装置2および印刷装置3において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、センサ26に被検者の検体Pが供給されると、参照信号および検出信号が、演算部27に出力される。演算部27は、参照信号および検出信号に基づいて、検体Pに含まれる検出対象物質の濃度(検査結果)を算出する(S1)。演算部27は、算出した検査結果を識別情報特定部28、コード生成部29および出力制御部30に出力する。
【0037】
識別情報特定部28は、検査結果を取得すると、記憶部23を参照し、当該検査結果に関連する関連情報の識別情報を特定する(S2)。識別情報特定部28は、特定した識別情報を、コード生成部29に出力する。
【0038】
コード生成部29は、演算部27から検査結果を、識別情報特定部28から関連情報の識別情報をそれぞれ取得し、取得した検査結果および識別情報に応じたコードを生成する(S3)。一例として、コード生成部29はQRコード(登録商標)を生成する。コード生成部29は、生成したQRコード(登録商標)を出力制御部30に出力する。なお、コード生成部29が生成するコードには、少なくとも関連情報の識別情報が含まれていればよく、検査結果は印字されるため、当該コードに含まれていなくてもよい。
【0039】
出力制御部30は、演算部27から検査結果を取得すると、表示部24を制御し、当該検査結果を表示させる。また、出力制御部30は、通信部25を介して印刷装置3に検査結果およびQRコード(登録商標)を送信する(S4)。
【0040】
印刷装置3の制御部32は、検査結果およびQRコード(登録商標)を取得すると、出力部33および印字部34を制御し、印刷用の紙にQRコード(登録商標)とともに検査結果を示す検査値を印字する(S5)。
【0041】
<携帯端末4の処理の流れの一例>
図3は、携帯端末4において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ユーザの入力操作に基づいて、撮像制御部48は撮像部42を起動し、QRコード(登録商標)を撮像させる(S11)。撮像されたQRコード(登録商標)の画像は情報取得部49が取得する。
【0042】
情報取得部49は、QRコード(登録商標)の画像を取得すると、当該QRコード(登録商標)を解析し、QRコード(登録商標)に含まれる検査結果および識別情報を読み取る(S12)。続いて、情報取得部49は読み取った識別情報に基づいて記憶部44を参照し、当該識別情報に対応する関連情報を取得する(S13)。情報取得部49は、取得した関連情報および検査結果を、出力制御部51に出力する。
【0043】
出力制御部51は、受信した関連情報および検査結果を出力する。例えば、関連情報が検出対象物質の生成量に対応するレベルを示す画像である場合、出力制御部51は、表示部45を制御し、当該画像を表示させる(S14)。
【0044】
次に、制御部43は、関連情報に推奨商品の情報が含まれているか否かを判定する(S15)。関連情報に推奨商品の情報が含まれていない場合(S15でNO)、制御部43は、処理を終了する。一方、関連情報に推奨商品の情報が含まれている場合(S15でYES)、制御部43は、出力制御部51を介して、推奨商品を注文することができるオンラインショップのウェブページの画面(注文画面)を表示部45に表示させる(S16)。
【0045】
次に、制御部43は、ユーザによって推奨商品を注文する入力操作(注文操作)が行われたか否かを判定する(S17)。注文操作が行われなかった場合(S17でNO)、制御部43は、処理を終了する。一方、注文操作が行われた場合(S17でYES)、制御部43は、通信部47を介して受注サーバ5と通信を行い、推奨商品の注文情報を送信する(S18)。
【0046】
<検査システム1の効果>
検査結果を被検者に分かりやすく伝達しようとすると、伝達すべき情報量が多くなりがちであり、そのための機能を検査装置自体に持たせようとすれば検査装置の高コスト化を招来する。ここで、本開示に係る発明の実施形態1に係る検査システム1では、検査結果に応じたコードを生成し出力する。従って、検査システムをより簡易な構成とすることができ、検査装置の低コスト化を図ることができる。一方、被検者への豊富な情報の提供は、スマートフォンなどの携帯端末を利用することとし、そのためにアプリケーションプログラムは、上記コードに基づいて特定される情報を出力できるようになっている。
【0047】
このように、一般に広く普及しているスマートフォンなどの携帯端末の活用を前提とした検査システムを構築することにより、検査装置の低コスト化を図ることができる結果、より安価で気軽に検査を受けることができる検査環境の実現が可能となる。
【0048】
また、検査システム1は、関連情報に推奨商品の情報が含まれている場合、当該推奨商品を注文することができる画面を表示させる。また、携帯端末4は、ユーザの入力操作に基づいて、当該推奨商品の注文情報を受注サーバ5に送信することができる。これにより、オンラインショップでの推奨商品の購入を、携帯端末4を介して簡便にできる環境を実現することができる。
【0049】
また、検査システム1は、紙を出力する出力部33とコードを印字する印字部34とを備える印刷装置3を備える。これにより、検査装置2と携帯端末4とが通信可能に接続できない環境においても、検査装置2から携帯端末4へ、検査結果に応じて生成されたコードを伝達できる。
【0050】
また、印字部34はコードとともに、検査結果を示す検査値を印字し、出力部33は検査値が印字された紙を出力する。検査装置2と携帯端末4とが通信可能に接続できない環境において、検査値を印字することにより簡便に検査結果を被検者に伝達できる。
【0051】
また、携帯端末4の情報取得部49は、関連情報として、検査結果としての検査値が、所定の複数の範囲のいずれに含まれるかを示す情報(レベル)、当該検査値が示す生理学的な意味を示す情報(検出対象物質の生産量の多少)、当該検査結果に応じて推奨される健康食品を示す情報(お勧めのサプリ)、および当該査結果に応じて推奨される生活習慣を示す情報の少なくともいずれかを取得する。また、出力制御部51は、当該情報を表示させる。これにより、検査システム1は、検査値の有する生理学的な意味など、検査値と関連した情報を被検者に提示することができる。
【0052】
<変形例>
検査システム1は、推奨商品を取り扱う最寄りの実店舗の情報をユーザに提示してもよい。この場合、携帯端末4は、GPS(Global Positioning System)信号を受信するためのGPS信号受信部52をさらに備えている。情報取得部49は、GPS信号受信部52を介して人工衛星からGPS信号を受信することにより、携帯端末4の位置情報を取得してよい。又は、情報取得部49は、入力部41からユーザによって入力された位置情報(住所、郵便番号など)を携帯端末4の位置情報として取得してよい。
【0053】
記憶部44には、複数の実店舗の位置情報が予め記憶されてよい。情報取得部49は記憶部44を参照し、取得した位置情報に基づいて、推奨商品を販売する複数の実店舗の中からユーザに提示することが好ましい実店舗を選択し、当該実店舗の位置情報を取得してよい。あるいは、情報取得部49は、通信部47を介して情報取得用サーバ6に、推奨される商品の情報を出力してよい。情報取得用サーバ6は当該情報に基づいて、情報取得用サーバ6に予め記憶されている複数の実店舗の中から推奨商品を販売する1又は複数の実店舗を選択し、当該実店舗の位置情報を情報取得部49に送信してよい。選択される実店舗は、携帯端末4(位置情報が示す位置)に最も近い店舗又は携帯端末4から所定の範囲内に存在する店舗であってよい。
【0054】
情報取得部49は、推奨される商品を販売する実店舗の位置情報を取得すると、当該情報を出力制御部51に出力してよい。出力制御部51は、取得した実店舗の位置情報を、表示部45の関連情報が表示された画面又は当該画面から遷移した画面に表示させてよい。なお、情報取得部49は、実店舗情報として実店舗の位置情報だけでなく、当該実店舗の営業時間、当該実店舗に関係するウェブページ等のURLを取得してもよい。
【0055】
また、出力制御部51は、関連情報を表示する画面又は当該画面から遷移した画面に当該実店舗情報を表示させてよい。このように、検査システム1では、健康食品を販売する実店舗の位置情報等が表示されるため、実店舗での健康食品の購入を容易にできる環境を実現することができる。
【0056】
検査装置2と印刷装置3は別体でなくともよい。つまり、検査装置2と印刷装置3はと一体でもあってもよい。この場合、検査装置2の出力制御部30が出力部33および印字部34を制御し、検査値およびコードを印字した紙を出力させてよい。
【0057】
また、関連情報は、検査を行った検査日時の情報を含んでもよい。また、携帯端末4の記録制御部50は、検査結果および検査日時の情報を検査装置2から取得してよい。記録制御部50は、当該検査結果と検査日時の情報とを対応付けて、記憶部44に格納してもよい。これにより、検査システム1は、携帯端末4を利用して検査履歴を管理できる。
【0058】
また、関連情報は、検査結果に応じて推奨される健康食品を特定する情報、および健康食品を購入する場合に利用可能な特典を示す情報の少なくともいずれかを含んでいてもよい。この場合、例えば携帯端末4は、検査の回数に応じてクーポンの情報を表示してもよい。これにより、検査システム1は、検査結果に応じた健康食品の購入を被検者に促すことを、好適なタイミングで効果的に行うことができる。
【0059】
また、携帯端末4の表示部45に表示される関連情報は、検査結果に対応する部分が強調されたものであってもよいし、複数の関連情報のうち、検査結果に対応する一部が表示部45に表示されてもよい。これにより、携帯端末4は、関連情報を分かりやすくユーザに提示することができる。
【0060】
また、上述した携帯端末4では、記録制御部50は各種情報を記憶部44に記録しているが、記録制御部50は、携帯端末4が利用可能な外部の記憶装置に各種情報を送信し、当該記憶装置に情報を格納してもよい。
【0061】
また、出力制御部51は、関連情報として検査に関する質問事項および当該質問事項に対する回答の入力を促す情報を表示部45に表示させてもよい。質問事項は、例えば被検者の性格、生活環境、又は生活習慣等被検者の属性に関する質問である。また、情報取得部49は、ユーザによって入力部41に入力された当該回答の情報に基づいて、表示部45に表示させる関連情報を決定してもよい。これにより、携帯端末4は被検者の属性(性格、生活環境等)に応じた情報を関連情報として表示することができる。
【0062】
また、検査装置2は、検査結果および関連情報の識別情報を、通信部25を介した通信によって直接携帯端末4に送信してもよい。この場合、検査システム1は印刷装置3を備えなくてもよい。携帯端末4の情報取得部49は、読取部としての通信部47を介して検査結果および識別情報を受信(取得)してよい。
【0063】
〔実施形態2〕
<検査システム1Aの構成>
本開示に係る発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0064】
図4は、実施形態2に係る検査システム1Aの構成を示すブロック図である。検査システム1Aは、検査システム1とは異なり、印刷装置3を有していない。検査システム1Aの検査装置、および携帯端末をそれぞれ、検査装置2A、および携帯端末(情報処理端末)4Aと称する。
【0065】
検査システム1Aでは、検査結果および関連情報を特定するコードが印字されることなく検査装置2Aから携帯端末4Aへ通信によって出力される。そのため、検査装置2Aの制御部22Aは、コード生成部29を備えていない。また、検査結果に対応する関連情報の特定は、携帯端末4Aによって行われるため、制御部22Aは、識別情報特定部28を備えていない。その代わりに、携帯端末4Aが、識別情報特定部28に対応する情報取得部49Aを備えている。
【0066】
携帯端末4Aは、印字されたコードを読取る必要はないため、撮像部42を有していなくてもよい。このため、携帯端末4Aの制御部(以下、制御部43A)は、制御部43とは異なり、撮像制御部48を有していなくてもよい。
【0067】
<検査装置2Aの処理の流れの一例>
図5は、実施形態2における検査装置2の処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、演算部27は、S1と同様に検出対象物質の濃度を算出(検査結果を導出)し(S21)、出力制御部30へ出力する。
【0068】
続いて、出力制御部30は、演算部27が算出した検査結果を、通信部25を介して、携帯端末4Aに送信する(S22)。
【0069】
<携帯端末4Aの処理の流れの一例>
図6は、携帯端末4Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、携帯端末4Aの情報取得部49は、通信部47を介して、検査装置2Aから検査結果を取得する(S31)。情報取得部49Aは、記憶部44に記憶されている規則を参照し、当該規則に基づいて、複数の識別情報の中から検査結果に対応する識別情報を特定する(S32)。前記規則とは、例えば、検査値の複数の数値範囲と、各数値範囲に対応する関連情報の識別情報との対応関係を示すテーブルである。
【0070】
記憶部44には、各種の関連情報(例えば、検査値の生理的な意義をユーザに説明するための画像)が個々に識別情報を付されて格納されている。情報取得部49は、特定した識別情報に対応する関連情報を記憶部44から取得し(S33)、出力制御部51へ出力する。続いて、出力制御部51は当該関連情報を出力する。具体的には、出力制御部51は、当該関連情報としての画像を、表示部45に表示させる(S34)。
【0071】
以上のように、検査システム1Aでは、検査システム1とは異なり、携帯端末4Aにおいて関連情報が特定される。このように、本開示に係る発明の一態様に係る検査システムにいて、関連情報は、必ずしも検査装置2において特定されなくともよい。
【0072】
なお、複数の関連情報の中から検査結果に対応する関連情報を特定する装置(関連情報特定装置)は、情報取得用サーバ6に設けられていてもよい。この場合、携帯端末4Aは、検査結果を情報取得用サーバ6に送信し、情報取得用サーバ6から検査結果に対応する関連情報を取得する。
【0073】
〔実施形態3〕
本開示に係る発明のさらに別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0074】
図7は、実施形態3に係る検査システム1Bの構成を示すブロック図である。検査システム1Bの検査装置および携帯端末をそれぞれ、検査装置2Bおよび携帯端末(情報処理端末)4Bと称する。
【0075】
<検査装置2B>
検査装置2Bは、検査装置2とは異なり、撮像部60をさらに備えている。また、検査装置2Bのカートリッジおよび制御部をそれぞれ、カートリッジ21Bおよび制御部22Bと称する。検査装置2Bは、装着されるカートリッジ21Bに応じた複数の種類の検査を行うことができる。つまり、カートリッジ21Bは、例えば、尿に含まれる物質、血液に含まれる物質、汗に含まれる物質、唾液に含まれる物質、又は鼻汁に含まれる物質など、検出対象物質の種類に応じて用意されればよい。その結果、検査装置2Bは、複数の種類の検査を行うことができるため、利便性を向上させることができる。
【0076】
カートリッジ21Bには、当該カートリッジ21Bに応じた検査の種類を示す情報(以下、検査種類情報)が予め付与されている。例えば、血液に含まれるある物質の検査を行うカートリッジ21Bには、血液に含まれるある物質の検査という検査の種類を特定する検査種類情報が予め付与されている。また、カートリッジ21Bは、検査対象に応じた試薬を有している。例えば、カートリッジ21Bには、検体中の抗原としての検査対象物質と抗体とを反応させるための緩衝液が封入されている。
【0077】
実施形態3では、カートリッジ21Bの筐体には、検査種類情報を含むコード(例:QRコード(登録商標))が、予め貼り付けられているものとする。この場合、撮像部60は、カートリッジ21Bの筐体に貼り付けられているコードを読取ることにより、当該コードから検査種類情報を取得してよい。撮像部60は、検査種類情報を取得するための機能部(検査種類情報取得部)の一例である。
【0078】
但し、別の態様によって、検査種類情報が、カートリッジ21Bに付与されてもいてもよい。例えば、カートリッジ21Bの内部に、検査種類情報が記録されたチップが、予め埋め込まれていてもよい。この場合、撮像部60とは別の検査種類情報取得部を、検査装置2Bに設ければよい。例えば、検査種類情報取得部として、上述のカートリッジ21Bの内部と電気的に接続可能なリーダが設けられてよい。当該リーダは、カートリッジ21Bと電気的に接続された場合に、チップから検査種類情報を取得してよい。
【0079】
制御部22Bは、制御部22とは異なり、カートリッジ情報取得部61および検査条件調節部62をさらに備えている。また、制御部22Bの演算部およびコード生成部をそれぞれ、演算部27Bおよびコード生成部29Bと称する。
【0080】
カートリッジ情報取得部61は、カートリッジ21Bから、撮像部60を介して検査条件情報を取得する。検査条件情報とは、カートリッジ21Bにおける検査条件に関する情報を総称的に表す。検査条件情報は、上述の検査種類情報に含まれている。
【0081】
検査条件調節部62は、カートリッジ情報取得部61から、検査条件情報を取得してよい。そして、検査条件調節部62は、検査条件情報に基づき、カートリッジ21Bにおける検査条件を調節してよい。例えば、検査条件調節部62は、検査条件情報に基づき、センサ26の温度を調節してもよい。あるいは、検査条件調節部62は、検査条件情報に基づき、センサ26における反応(例えば、抗体と当該抗体に対する抗原としての検出対象物質との抗原抗体反応)の反応時間を調節してもよい。
【0082】
演算部27Bは、検査条件調節部62によって検査条件が調節された後に、検査結果を導出する。具体的には、演算部27Bは、検査種類情報を取得し、当該検査種類情報に対応する計算式または検量線を用いて、検査結果を算出してよい。演算部27Bが用いる計算式または検量線は、検査種類情報に含まれていてもよいし、予め記憶部23に記憶されている計算式または検量線の内、検査種類情報に対応するものが選択されてもよい。
【0083】
コード生成部29Bは、コード生成部29とは異なり、検査種類情報をさらに取得し、検査結果と関連情報の識別情報と検査種類情報とに応じたコード(例:QRコード(登録商標))を生成してよい。すなわち、コード生成部29Bは、検査種類情報がさらに含まれているコードを生成してよい。
【0084】
図8は、検査装置2Bおよび印刷装置3の処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、撮像部60は、カートリッジ21Bの筐体に貼り付けられているコードを読取ることにより、検査種類情報を取得する(S41)。また、検査条件調節部62は、上述の通り、検査条件情報を取得する。検査条件調節部62は、当該検査条件情報に基づき、カートリッジ21Bにおける検査条件を調節する(S42)。
【0085】
続いて、演算部27Bは、検査条件調節部62によって検査条件が調節された後に、検査種類情報にさらに基づき、検査結果を算出する(S43)。そして、識別情報特定部28は、S2と同様に、検査結果に基づいて関連情報の識別情報を特定する(S44)。そして、コード生成部29Bは、検査結果と識別情報と検査種類情報とに応じたコードを生成する(S45)。
【0086】
続いて、出力制御部30は、コード生成部29からコードを取得する。そして、出力制御部30は、通信部25を介して、印刷装置3に当該コードを送信する(S46)。印刷装置3は、上述のS5と同様に印刷用紙にコードを印字する(S47)。すなわち、印刷装置3は、コードが印字された紙を出力する。
【0087】
<携帯端末4B>
携帯端末4Bの制御部を、制御部43Bと称する。制御部43Bは、情報取得部49に替えて、情報取得部49Bを備えている。
【0088】
図9は、携帯端末4Bの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、上述のS11と同様に、撮像制御部48は、撮像部42に、紙に印字されたコードを撮像させる(S51)。続いて、上述のS12と同様に、情報取得部49は、コードを解析することにより、当該コードに含まれる各情報を読取る(S52)。上述の通り、実施形態3のコードには、検査種類情報がさらに含まれている。続いて、情報取得部49Bは、検査種類情報が示す検査の種類を参照し、当該検査の種類および検査結果に対応する関連情報を取得する(S53)。検査の種類および検査結果と、提示する関連情報との対応関係を示すテーブルが記憶部44に予め格納されている。情報取得部49Bは、前記テーブルを参照して提示すべき関連情報を決定する。
【0089】
出力制御部51は、情報取得部49から関連情報を取得し、当該関連情報を表示部45に表示させる(S54)。
【0090】
本開示に係る発明の一態様に係る検査システムでは、検査装置において複数種類の検査が行われる場合も考えられる。このような場合、適切な検査結果(より具体的には、行われた検査に応じた検査結果)をユーザに提示することが好ましいと言える。
【0091】
そこで、検査システム1Bでは、カートリッジ21Bに、検査種類情報が予め付与されている。このため、検査種類情報を含んだコードを、コード生成部29Bにおいて生成できる。加えて、検査システム1Bでは、検査種類情報を参照して、提示部に出力する関連情報を決定できる。当該構成によれば、検査装置2Bにおいて複数種類の検査が行われる場合においても、行われた検査に応じた関連情報を、ユーザに対して提示できる。それゆえ、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
【0092】
〔ソフトウェアによる実現例〕
検査システム1~1Bの制御ブロック(特に演算部27、演算部27B、識別情報特定部28、コード生成部29、コード生成部29B、出力制御部30、撮像制御部48、情報取得部49~49B、記録制御部50、出力制御部51、GPS信号受信部52、カートリッジ情報取得部61、および検査条件調節部62)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0093】
後者の場合、検査システム1~1Bは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本開示に係る発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示に係る発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0094】
以上、本開示に係る検査システム1の実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきた。しかしながら、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各装置等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように他の装置等、又は他の装置等が有する機能部に再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは、分割したりすることが可能であることに留意されたい。
【符号の説明】
【0095】
1、1A、1B 検査システム
2、2A、2B 検査装置
4、4A、4B 携帯端末(情報処理端末)
5 受注サーバ(受注装置)
21、21B カートリッジ
33 出力部
34 印字部
41 入力部
42 撮像部(読取部)
44 記憶部(記憶装置)
45 表示部(提示部)
46 スピーカ(提示部)
47 通信部(読取部)
53 アプリケーションプログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9