(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028345
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】家庭用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240226BHJP
A47K 10/20 20060101ALI20240226BHJP
A47K 10/42 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B65D83/08 A
A47K10/20 A
A47K10/42 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023222082
(22)【出願日】2023-12-28
(62)【分割の表示】P 2020126050の分割
【原出願日】2020-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】三浦 昭晃
(57)【要約】
【課題】ボタン部の付け替えが容易な家庭用薄葉紙収納容器を提供すること。
【解決手段】家庭用薄葉紙収納容器1の容器本体10は、家庭用薄葉紙Pを取り出す取出孔113aを閉塞する開閉蓋2と、開閉蓋2を開閉する第1ボタン部3と、を備え、第1ボタン部3が取り付けられるボタン取付部116の本体側嵌合部1161とボタン可動部1162には互いに連通する孔部であるボタン用孔部Hが、第1ボタン部3のボタン側突起35を挿通可能に設けられており、容器本体10の裏側から、第1ボタン部3と交換可能な第2ボタン部4のボタン側突起45で、第1ボタン部3のボタン側突起35を押圧することで、第1ボタン部3を上方に押し出し、容易に取り外すことができる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に家庭用薄葉紙が収納され、当該家庭用薄葉紙を取り出す取出孔を有する容器本体と、前記容器本体に回動自在に取り付けられ、前記取出孔を閉塞する開閉蓋と、を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記開閉蓋を開閉する第1ボタン部を備え、
前記第1ボタン部は、
下面から突出したボタン側嵌合部と、
前記下面から前記ボタン側嵌合部よりも突出したボタン側突起と、を備え、
前記容器本体は、
前記第1ボタン部が取り付けられるボタン取付部を備え、
前記ボタン取付部は、
上方に突出し、前記ボタン側嵌合部が嵌合可能に形成された本体側嵌合部と、
前記ボタン側突起が挿通可能に形成されたボタン用孔部と、を備え、
前記第1ボタン部は、前記ボタン側嵌合部と前記本体側嵌合部とが嵌合することで前記容器本体に取り付けられ、
前記容器本体の裏側から、前記第1ボタン部のボタン側突起を押し上げることで前記第1ボタン部が上方に押し出されて前記容器本体から取り外されることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
内部に家庭用薄葉紙が収納され、当該家庭用薄葉紙を取り出す取出孔を有する容器本体と、前記容器本体に回動自在に取り付けられ、前記取出孔を閉塞する開閉蓋と、を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記開閉蓋を開閉する第1ボタン部と、第2ボタン部と、を備え、
前記第1ボタン部及び前記第2ボタン部は、
下面から突出したボタン側嵌合部と、
前記下面から前記ボタン側嵌合部よりも突出したボタン側突起と、を備え、
前記容器本体は、
前記第1ボタン部又は前記第2ボタン部が取り付けられるボタン取付部を備え、
前記ボタン取付部は、
上方に突出し、前記ボタン側嵌合部が嵌合可能に形成された本体側嵌合部と、
前記ボタン側突起が挿通可能に形成されたボタン用孔部と、を備え、
前記第1ボタン部は、前記ボタン側嵌合部と前記本体側嵌合部とが嵌合することで前記容器本体に取り付けられ、
前記容器本体の裏側から、前記第1ボタン部のボタン側突起を押し上げることで前記第1ボタン部が上方に押し出されて前記容器本体から取り外されることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記第2ボタン部のボタン側突起は、前記ボタン用孔部に挿通可能であり、前記ボタン用孔部に挿通した前記第2ボタン部のボタン側突起を前記第1ボタン部のボタン側突起に当接させて押し上げることで前記第1ボタン部が上方に押し出されて前記容器本体から取り外されることを特徴とする請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記第2ボタン部は、上面部が前記第1ボタン部の上面部と異なる色又は模様を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記第2ボタン部の前記ボタン側突起を前記ボタン用孔部に嵌合させることで、前記第1ボタン部が前記本体側嵌合部に嵌合された状態で前記容器本体の裏側に前記第2ボタン部を取り付け可能であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項6】
前記容器本体の表側に取り付けられた前記第1ボタン部のボタン側突起と、前記容器本体の裏側から前記ボタン用孔部に挿通された前記第2ボタン部のボタン側突起とが当接した際に先端同士が嵌合する嵌合構造となっていることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項7】
前記ボタン側突起及び前記ボタン用孔部は、複数設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙収納容器においては、内部に家庭用薄葉紙が収納され、当該家庭用薄葉紙を取り出す取出孔を有する容器本体と、前記容器本体に回動自在に取り付けられ、前記取出孔を閉塞する開閉蓋と、を備えたものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような家庭用薄葉紙収納容器は、開閉蓋を開閉するためのボタン部を有するが、当該ボタン部を付け替える場合、取り外しが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、ボタン部の付け替えが容易な家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
内部に家庭用薄葉紙が収納され、当該家庭用薄葉紙を取り出す取出孔を有する容器本体と、前記容器本体に回動自在に取り付けられ、前記取出孔を閉塞する開閉蓋と、を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記開閉蓋を開閉する第1ボタン部を備え、
前記第1ボタン部は、
下面から突出したボタン側嵌合部と、
前記下面から前記ボタン側嵌合部よりも突出したボタン側突起と、を備え、
前記容器本体は、
前記第1ボタン部が取り付けられるボタン取付部を備え、
前記ボタン取付部は、
上方に突出し、前記ボタン側嵌合部が嵌合可能に形成された本体側嵌合部と、
前記ボタン側突起が挿通可能に形成されたボタン用孔部と、を備え、
前記第1ボタン部は、前記ボタン側嵌合部と前記本体側嵌合部とが嵌合することで前記容器本体に取り付けられ、
前記容器本体の裏側から、前記第1ボタン部のボタン側突起を押し上げることで前記第1ボタン部が上方に押し出されて前記容器本体から取り外されることを特徴とする。
【0007】
また、前記課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、
内部に家庭用薄葉紙が収納され、当該家庭用薄葉紙を取り出す取出孔を有する容器本体と、前記容器本体に回動自在に取り付けられ、前記取出孔を閉塞する開閉蓋と、を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記開閉蓋を開閉する第1ボタン部と、第2ボタン部と、を備え、
前記第1ボタン部及び前記第2ボタン部は、
下面から突出したボタン側嵌合部と、
前記下面から前記ボタン側嵌合部よりも突出したボタン側突起と、を備え、
前記容器本体は、
前記第1ボタン部又は前記第2ボタン部が取り付けられるボタン取付部を備え、
前記ボタン取付部は、
上方に突出し、前記ボタン側嵌合部が嵌合可能に形成された本体側嵌合部と、
前記ボタン側突起が挿通可能に形成されたボタン用孔部と、を備え、
前記第1ボタン部は、前記ボタン側嵌合部と前記本体側嵌合部とが嵌合することで前記容器本体に取り付けられ、
前記容器本体の裏側から、前記第1ボタン部のボタン側突起を押し上げることで前記第1ボタン部が上方に押し出されて前記容器本体から取り外されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記第2ボタン部のボタン側突起は、前記ボタン用孔部に挿通可能であり、前記ボタン用孔部に挿通した前記第2ボタン部のボタン側突起を前記第1ボタン部のボタン側突起に当接させて押し上げることで前記第1ボタン部が上方に押し出されて前記容器本体から取り外されることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記第2ボタン部は、上面部が前記第1ボタン部の上面部と異なる色又は模様を有することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記第2ボタン部の前記ボタン側突起を前記ボタン用孔部に嵌合させることで、前記第1ボタン部が前記本体側嵌合部に嵌合された状態で前記容器本体の裏側に前記第2ボタン部を取り付け可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記容器本体の表側に取り付けられた前記第1ボタン部のボタン側突起と、前記容器本体の裏側から前記ボタン用孔部に挿通された前記第2ボタン部のボタン側突起とが当接した際に先端同士が嵌合する嵌合構造となっていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記ボタン側突起及び前記ボタン用孔部は、複数設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ボタン部の付け替えが容易な家庭用薄葉紙収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器の斜視図である。
【
図2】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、開閉蓋が開いた状態を示す斜視図である。なお、網掛け部分は弾性材料によって形成された部分を表す。この点は他の図においても同様である。
【
図3】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器の背面斜視図である。
【
図4】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体上部が開いた状態を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器の容器本体上部において、第1ボタン部が取り除かれ、開閉蓋が開いた状態を示す正面図である。
【
図6】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体上部が開いた状態を示す正面図である。
【
図7】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器の底面図である。
【
図8】
図1のVIII-VIII線による断面図である。
【
図9】
図8の断面図における取手部周辺を拡大した拡大図である。
【
図10】(a)は、実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、第1ボタン部を示す正面図であり、(b)は、第1ボタン部を示す底面図である。
【
図11】実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器において、第2ボタン部を用いてボタン部を外す動きを示す斜視図である。
【
図12】(a)は、変形例に係る家庭用薄葉紙収納容器において、第1ボタン部を示す側面図であり、(b)は、変形例に係る第1ボタン部の先端部と第2ボタン部が対向している状態を示す拡大側面図である。
【
図13】変形例に係る家庭用薄葉紙収納容器において、容器本体の裏側に取り付けられた第2ボタン部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態である家庭用薄葉紙収納容器1の具体的な態様について、
図1から
図11に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
以下においては、図に示すように、X軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、家庭用薄葉紙収納容器の開閉蓋が備えられた側を「上」、その反対側を「下」、容器本体と開閉蓋とが接続されている側を「後」、その反対側を「前」、前側から見て右手側を「右」、左手側を「左」とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向の沿った軸をZ軸とする。なお、容器本体上部が容器本体下部に対して回動した場合、容器本体上部の向く方向が変わるが、以下においては、
図1に示すように、容器本体上部と容器本体下部とが組み合わさり、収納空間Sが閉塞された状態を基準として方向を定めて説明する。
【0015】
[実施形態の構成]
(全体構成)
家庭用薄葉紙収納容器1は、
図1から
図4に示すように、内部の家庭用薄葉紙Pを取り出す取出孔113aを備えた容器本体10と、取出孔113aを覆うように開閉自在に容器本体10に接続された開閉蓋2と、容器本体10に備えられ、開閉蓋2の開閉に用いられる第1ボタン部3と、を備え、家庭用薄葉紙収納容器1の内部に家庭用薄葉紙Pが収納される収納空間Sが形成されている。
【0016】
(家庭用薄葉紙)
家庭用薄葉紙Pとしては、例えば、小型のウェットシート、ウェットティッシュ等が交互に折り重ねられた状態で積層され、1枚のウェットシート、ウェットティッシュ等を引き出した際に次のウェットシート、ウェットティッシュ等も引き出されるように形成された、所謂ポップアップ式のシートが用いられる。その他には、例えば、長さ方向に一定の間隔でミシン目が施された長大なウェットシート、ウェットティッシュ等がロール状に巻かれ、ミシン目に沿って切り離して使用するロールシートを用いることもできる。
【0017】
(容器本体)
容器本体10は、
図1から
図4に示すように、例えば、全体として、前後方向及び上下方向に比して左右方向に長い略直方体状に形成され、これが上下方向中央部よりも上部において上下に二分され、容器本体10の上側を構成する容器本体上部11と、容器本体10の下側を構成する容器本体下部12と、で形成されている。容器本体上部11と、容器本体下部12とは容器本体10の後面部において、接続部13によって接続されている。
容器本体上部11と、容器本体下部12と、接続部13とは、射出成形(2色成形)等の方法によって一体的に形成されている。
【0018】
容器本体10は、
図1から
図4に示すように、容器本体上部11と容器本体下部12とが組み合わさり、内部の収納空間Sが閉塞された状態で、全体が、前後方向に好ましくは60mmから150mm、さらに好ましくは80mmから100mm、左右方向に好ましくは80mmから200mm、さらに好ましくは145mmから165mm、上下方向に好ましくは30mmから100mm、さらに好ましくは50mmから70mmの大きさとなるように形成されている。
また、各面の厚みは、好ましくは0.5mmから3.0mm、さらに好ましくは1.0mmから2.0mmである。
この大きさ及び厚みであれば、成形効率が高く、かつ実使用に問題ない強度を達成することができる。
【0019】
(接続部)
家庭用薄葉紙収納容器1は、
図3に示すように、容器本体上部11と容器本体下部12とを接続する接続部13を支点として回動するように形成されている。これによって、
図4に示すように収納空間Sが外部に露出された状態とすることができる。
また、収納空間Sを閉塞する際には、使用者は、容器本体上部11を上記とは反対に回動させればよい。
【0020】
また、接続部13が、
図3に示すように、家庭用薄葉紙収納容器1の他の部分と比較して薄くなるように形成されていることによって、接続部13が曲がり易くなり、容器本体上部11を、接続部13を支点として、容器本体下部12に対して回動させ易くなる。
【0021】
なお、生産性は低下するものの、容器本体上部11と、容器本体下部12とを別体として形成の上、これらをヒンジ等によって回動自在に接続することも可能である。
また、容器本体10を上下方向中央部よりも上部で容器本体上部11と容器本体下部12とに二分することにより、収納された家庭用薄葉紙Pが所定の包装体によって覆われた状態で、収納空間Sに収納される場合において、収納空間Sの閉塞時に包装体のエンドシール部等を挟み込んでしまうおそれを低減することができ、家庭用薄葉紙Pをさらに詰め替え易くなる。
なお、容器本体10が容器本体上部11と容器本体下部12と、に二分される位置は、上下方向中央部付近であってもよい。
【0022】
(容器本体上部)
容器本体上部11は、
図2から
図9に示すように、例えば、下面が略矩形状の開口部となった略直方体状に形成され、上面を形成する天面部111の中央部付近に、下方に凹状となる凹部112が形成されており、凹部112内には、中央部に収納空間Sの家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出孔113aを有する取出部113が設けられている。さらに、後端部には、付勢部材114が収納される収納凹部115が形成され、前端部には、第1ボタン部3を取り付けるボタン取付部116が形成されている。
また、容器本体上部11の下面の下端部には、環状の外縁部117と、外縁部117よりも内側に設けられ、外縁部117よりも下方に突出した環状の内縁部118と、が形成されている。
また、容器本体上部11の前面の下端部には、収納空間Sを露出する際に把持する取手部119が形成されている。
【0023】
(容器本体上部の材質)
容器本体上部11は、硬質な材料である硬質材料によって形成されている。硬質材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。なお、硬度の測定方法は、弾性材料について述べたのと同様である。
また、後述する弾性材料によって形成された部分と、硬質材料によって形成された部分は、射出成形(2色成形)によって一体的に形成されていることが望ましい。
【0024】
(凹部)
凹部112は、
図2に示すように、天面部111の平面視における中央部付近に形成されている。
図2においては、凹部112が、平面視において容器本体上部11の前端部に達する曲線状の略矩形となる場合について図示しているが、凹部112の具体的形状はこれに限られない。
凹部112の上下方向の深さは、天面部111から見て、5mmから20mmであることが好ましい。また、平面視における大きさは、内部に取出部113を形成可能であれば、特に限定されないが、前後方向に40mmから80mm、左右方向に40mmから120mmであることが好ましい。
【0025】
(取出部)
取出部113は、凹部112の平面視における中央部付近に形成された、弾性材料で形成された部分であり、取出部113の略中央には、略球面状に盛り上がった膨出部分113bが形成されており、その膨出部分113bに取出孔113aが設けられている。
また、取出孔113aの縁には、取出部113の中央部に向かって、その手前側の縁から突き出している3つの突片113cが設けられている。
取出部113は、例えば、上下方向の厚みが0.5mmから2.0mmの膜状に形成されていることが望ましい。
取出部113を形成する弾性材料としては、例えば、シリコンゴム又はスチレン-ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系若しくはウレタン系等の熱可塑性エラストマー等の弾性を有する材料を用いることができ、硬度が20から90であることが望ましい。なお、上記硬度は、JIS K 6253(タイプAデュロメータ)によって測定されたものである。
【0026】
なお、弾性材料の硬度が上記値よりも低くなると、柔らか過ぎて成形が難しく、成形効率が悪くなる点から望ましくない。
また、弾性材料の硬度が上記値よりも高くなると、家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出孔113aが形成された取出部113が硬くなり、抵抗が掛かり過ぎて、シートが一枚ずつ取り出しにくくなる点、または、シートを引っ張り出す際に収納空間Sにまで指を入れ難くなる点から望ましくない。
【0027】
(取出孔)
取出孔113aは、取出部113の平面視における中央部に形成された、収納空間Sにつながる孔部である。
例えば、
図2においては、取出孔113aは、三角形の各辺が内側に円弧状に突出した形状を有し、各頂点と重心点を結ぶように3本のスリットが重心点で交わる略逆Y字状になっている。また、3本のスリットのうち前後方向に延在するスリットの幅は他のスリットの幅に比べて広くなっている。
なお、スリットの本数はこれより少数でも多数でもよく、また、例えば、十字型に2本のスリットを入れることにより形成するようにしてもよい。
取出部113は、取出孔113aの周囲が弾性材料によって形成されていることで、家庭用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けることができ、収納空間Sに収納された家庭用薄葉紙Pが引き出された後に、次の家庭用薄葉紙Pを保持する機能を果たす。また、家庭用薄葉紙Pがロールシートである場合において、家庭用薄葉紙Pに設けられている切断用のミシン目で、これを切断することを可能とする。
【0028】
(突片)
突片113cは、取出孔113aから引き出される家庭用薄葉紙Pが摺接する箇所であり、取出孔113aから引き出される家庭用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けるために設けられている。
具体的には、使用者が家庭用薄葉紙収納容器1の開閉蓋2を開放して家庭用薄葉紙Pを取り出す場合、家庭用薄葉紙収納容器1の後ろ側に起立された姿勢の開閉蓋2が家庭用薄葉紙Pを取り出す動作の妨げにならないように、使用者は家庭用薄葉紙収納容器1の前面側から手を伸ばし、家庭用薄葉紙Pを取出孔113aから引き出すようにするので、取出孔113aから引き出される家庭用薄葉紙Pは手前側の縁の突片113cと摺接するようになる。
このとき、取出孔113aから手前側に引き出される家庭用薄葉紙Pに対し、手前側の縁から後方へ向かって突き出している突片113cが摺接することで、突片113cが家庭用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けて、家庭用薄葉紙Pが取出孔113aから引き出され過ぎてしまわないようにすることができる。
つまり、手前側の縁から後方へ向かって突き出している突片113cは、取出孔113aから手前側に引き出される家庭用薄葉紙Pに対して適切な摩擦力を付与し、引き出して使用する家庭用薄葉紙Pに続いて引き出される次の家庭用薄葉紙Pが取出孔113aから引き出され過ぎてしまわないようにする機能を有している。
そして、使用する家庭用薄葉紙Pに続いて引き出された次の家庭用薄葉紙Pは、その一端部が適正な長さで引き出された状態で、取出孔113aに保持されるようになる。
【0029】
また、このようにして取出孔113aに保持されている家庭用薄葉紙Pの一端部は、手前側の突片113cを含む三つの突片で支持されている。
家庭用薄葉紙Pの一端部を保持する取出孔113aは、取出部113の膨出部分113bに設けられているので、各突片113cの先端側は膨出部分113bの周囲の基面である取出部113よりも高い位置にある。
そして、家庭用薄葉紙Pの一端部は、このような突片113cによって周囲よりも高い位置で支持されて取出孔113aに保持されているので、その家庭用薄葉紙Pを摘まみ易くなっている。
【0030】
(付勢部材)
付勢部材114は、
図2に示すように、弾性材料で形成された帯状の部材である。付勢部材114の一端は凹部112の後方に固着され、他端は開閉蓋2の挿入部23(後述)に固着され、開閉蓋2を起立させる開放方向へと付勢しており、使用者が第1ボタン部3を押圧した際に、開閉蓋2を後方の容器本体上部11との接続部分を回転軸として回転させるようにして開放させる。
【0031】
付勢部材114は、幅が好ましくは2mm~30mm、さらに好ましくは8mm~10mm、厚みが好ましくは0.5mm~3.0mm、さらに好ましくは1.0mm~2.0mmの帯状となるように形成されている。
付勢部材114がこのような大きさに形成されていることによって、開閉蓋2の解放時に無理なく押し上げることが可能であり、かつ、開閉蓋2の閉塞時において、付勢部材を収納凹部115内において容易に折り曲げて収納することができる。
【0032】
付勢部材114を、何ら力を加えられていない状態において
図2に示すように伸びた状態となるように形成することで、
図8に示すように開閉蓋2が閉じられ、付勢部材114が折り曲げられた際に、
図2に示す状態に戻ろうとする力が生じるようにする。これによって、開閉蓋2を、容器本体上部11に対して、後方の開閉蓋2と容器本体上部11との接続部13を回転軸として後方へと回転するように付勢することが可能となる。
【0033】
(収納凹部)
収納凹部115は、
図8に示すように、開閉蓋2の閉塞時において、付勢部材114が下方へと押し込められた際、付勢部材114の折り曲げられた部分を収納するための凹部である。
収納凹部115は、
図2に示すように、凹部112内の取出部113の後方かつ、付勢部材114の前方付近において、凹部112よりも更に下方に凹状となるように形成される。
収納凹部115の形状は特に限定されないが、例えば、前後方向に比して左右方向に長い略直方体状であり、開閉蓋2を閉塞した際に、開閉蓋2によって押し込められ、折り曲げられた付勢部材114を収納できるだけの空間を有していればよい。
【0034】
(ボタン取付部)
ボタン取付部116は、
図5及び
図9に示すように、凹部112の前端部において、硬質材料によって形成され、上方へと凸状となるように環状に形成された本体側嵌合部1161と、平面視において本体側嵌合部1161の左右部及び前方部を囲うように下方に凹状となるように形成されたボタン可動部1162と、本体側嵌合部1161の外面の前方側に形成された、突部である本体側リブ1163と、を備える。
【0035】
(本体側嵌合部)
本体側嵌合部1161は、例えば、平面視において前方側が曲線状、後方側が直線状であり、内周が第1ボタン部3に形成されたボタン側嵌合部32(後述)の外周より僅かに大きく形成されている。また、底部にはボタン側突起35が挿通される孔部である本体側嵌合部孔1161aが形成されている。そして、上方からボタン側嵌合部32を本体側嵌合部1161に差し込むことで、第1ボタン部3をボタン取付部116に取り付けることができるように形成されている。
【0036】
(ボタン可動部)
ボタン可動部1162は、本体側嵌合部1161の左右部及び前方部を囲うように下方へと凹状となるように形成されており、取出部113と同様の弾性材料により形成されている。これにより、本体側嵌合部1161に差し込んだ第1ボタン部3の先端部31aを上方から押圧した際に、ボタン可動部1162が弾性変形することで、第1ボタン部3が下方に傾くように形成されている。
また、ボタン可動部1162のうち、本体側嵌合部孔1161aと接する箇所には、ボタン側突起35が挿通される孔部であるボタン可動部孔1162aが形成されている。すなわち、本体側嵌合部孔1161aとボタン可動部孔1162aとは、一連のボタン用孔部Hとして連通しており、ボタン側突起35を挿通可能に形成されている。
ボタン用孔部Hとしては、1mm~3mmの径を有しているのが好ましい。また、ボタン用孔部Hの個数としては、収納空間S内の密閉性や、第1ボタン部3の大きさ等を考慮すると、2つとするのが好ましい。
【0037】
(本体側リブ)
本体側リブ1163は、例えば
図5に示すように、本体側嵌合部1161の外面の前方側に、左右方向に間隔を空けて複数形成された略矩形状の突部であり、第1ボタン部3をボタン取付部116に取り付ける際に、後述するボタン側リブ34が隣り合う本体側リブ1163、1163の間に嵌合するように形成されている。
本体側嵌合部1161と、ボタン可動部1162と、本体側リブ1163とは、射出成形(2色成形)等の方法によって一体的に形成されている。
【0038】
(外縁部・内縁部)
外縁部117は、
図4から
図6に示すように環状であり、容器本体上部11の下端部に形成されている。
内縁部118は、
図4から
図6に示すように環状であり、容器本体上部11の下端部において外縁部117よりも内側に設けられ、外縁部117よりも下方に突出し、収納空間Sの閉塞時には、内縁部118が後述する容器本体下部12の凹溝部121に入り込むように形成されている。
【0039】
(取手部)
取手部119は、例えば、
図1から
図9に記載されているように、容器本体上部11の前面の中央部において、容器本体上部11と一体的に、前面からアーチ状に突出して形成されており、前面との間に指を引っ掛けることができる隙間aが形成されるようになっている。取手部119の前面と対向する内面には二つの係止部1191が設けられている。収納空間Sを露出する際は、取手部119を把持し、接続部13を支点として容器本体上部11を回動させる。
また、
図8及び
図9に記載されているように、容器本体上部11の前面と、取手部119の内面とが交わる部分は、R形状とされており、丸みを帯びるように成形されている。
なお、取手部119の形状は、アーチ状に突出する形状でなくとも、容器本体上部11の前面から突出し、前面との間に隙間aを有する形状であれば、どのような形状であってもよい。
また、取手部119は、容器本体上部11と容器本体下部12が係合した状態では、容器本体下部12に設けられた係合突起123(後述)と前後方向に重なるようになっている。これにより、係合突起123が正面から見えない構造となっている。
【0040】
(係止部)
係止部1191は、
図4及び
図6から
図9に記載されているように、取手部119の内面に左右方向に沿って所定の間隔で二つ設けられており、収納空間Sの閉塞時に係合突起123に係合し、閉塞状態を維持するように形成されている。
二つの係止部1191が設けられる間隔は、任意であるが、一般的な使用者の指幅よりも大きければなおよい。具体的には、5mmから25mmの間で離されて形成され、より好ましくは、18mmから25mmの間で離されて形成されていることが好ましい。
なお、係止部1191の数は、二つに限らず、取手部119の内面の左右方向の中央部から左右に離れた位置に各々設けられていればよく、例えば、左右に夫々二つずつ(合計四つ)設けられていてもよい。
【0041】
(容器本体下部)
容器本体下部12は、
図4に示すように、上面が略矩形状の開口部となった略直方体状に形成されており、上端部には、環状の凹溝部121が形成されている。
また、容器本体下部12の上面の底部には、収納空間Sに収納した家庭用薄葉紙Pを取出孔113aから取り出す際の滑り止めとなる滑り止め部122が形成されている。
また、容器本体下部12の前面の上端部中央部付近には、容器本体下部12と一体的に、前方に突出する係合突起123が形成されている。
【0042】
(容器本体下部の材質)
容器本体下部12は容器本体上部11において用いられるのと同様の硬質材料によって形成されている。
【0043】
(凹溝部)
凹溝部121は、例えば
図4に示すように環状であり、収納空間Sを閉塞する際に、容器本体上部11の内縁部118が係合するように、容器本体下部12の上端部に形成されており、外周壁部1211と、内周壁部1212と、を備える。
【0044】
(外周壁部・内周壁部)
外周壁部1211は、容器本体下部12の外周壁面として形成され、収納空間Sを閉塞する際は、容器本体上部11の外縁部117に当接する。
内周壁部1212は、容器本体下部12の内周壁面として形成され、外周壁部1211よりも上方に突出し、
図4に示すように、後面の左右方向の両端部に設けられた第1ガイド部1212aと、後面の左右方向に複数設けられた第2ガイド部1212bと、を備える。
そして、外周壁部1211と内周壁部1212の間に容器本体上部11の内縁部118が摺接することで収納空間Sの密閉性が維持されるようになっている。
【0045】
(第1・第2ガイド部)
第1ガイド部1212aは、
図4に示すように、容器本体下部12の後面の左右方向両端部に、それぞれ左面又は右面に延長されて設けられ、外周壁部1211及び第2ガイド部1212bよりも上下方向の高さが高い。
第2ガイド部1212bは、波状であり、容器本体下部12の後面に左右方向に沿って複数設けられ、外周壁部1211よりも上下方向の高さが高いが、第1ガイド部1212aよりは低い。
【0046】
(滑り止め部)
滑り止め部122は、容器本体下部12の底部において、周囲を硬質材料に囲われた弾性材料によって形成され、例えば
図4に示すように、矩形の対向する頂点を結ぶような2本の直線が重心点で交わり、2本の直線のなす角のうち、左右方向に伸びるように形成された二角に円弧を描いたような形状を有する。
また、上記2本の直線の4つの端部は円状になっており、
図7に示すように、当該円状部のみ弾性材料が載置面に接するようになっており、載置部1221としての役割を果たす。
【0047】
(係合突起)
係合突起123は、
図4及び
図6に示すように、容器本体下部12の前面の上端部略中央部において、容器本体下部12と一体的に、前方に突出した突起部であり、収納空間Sの閉塞時において、二つの係止部1191が係合される。
係合突起123は、左右方向の長さが、二つの係止部1191の間隔と、二つの係止部1191のそれぞれの左右方向の長さの和よりも長くなるように形成される。
【0048】
(開閉蓋)
開閉蓋2は、
図1から
図3及び
図5に示すように、凹部112の後方に回動自在に接続された扁平な曲線状の略矩形の部材であり、閉塞状態における前側に開閉蓋側係止部21を備え、下面側に開閉蓋側密閉環部22と、付勢部材114を挿入する挿入部23と、を備える。
また、開閉蓋2は、閉塞時の平面視における形状が容器本体上部11の凹部112の平面視における形状のうち、第1ボタン部3が備えられた部分を除いた形状と略同一となるように形成されており、閉塞時において、凹部112に嵌め込むことができ、また天面部111と面一となるように形成されている。
【0049】
(開閉蓋の材質)
開閉蓋2は、
図1から
図3及び
図5に示すように、全体が、容器本体10において用いられるのと同様の硬質材料によって形成されている。
【0050】
(開閉蓋側係止部)
開閉蓋側係止部21は、例えば、
図2、
図3及び
図5に示すように、開閉蓋2の前方に突出する爪状の部分である。そして、第1ボタン部3に形成されるボタン側係止部33と係合することによって、開閉蓋2を閉塞状態で係止する。また、使用者が第1ボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部33との係合が外れ、付勢部材114によって生じる付勢力によって、開閉蓋2が開放状態となるように形成されている。
【0051】
なお、開閉蓋側係止部21の形状は、ボタン側係止部33に係合することによって、開閉蓋2を閉塞状態で係止するとともに、使用者が第1ボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部33との係合が外れるものであれば任意であり、
図2、
図3及び
図5に示したような爪状には限られない。
【0052】
(開閉蓋側密閉環部)
開閉蓋側密閉環部22は、
図2及び
図5に示すように、開閉蓋2の閉塞時において下方へと環状に突出し、
図5及び
図7に示すように、その内周側の面が、容器本体上部11に形成された取出部113の外周と接触するように、下面側略中央部に形成されている。
【0053】
(挿入部)
挿入部23は、
図2及び
図5に示すように、開閉蓋2の後端部に付勢部材114を挿入して固着するものである。
【0054】
(第1ボタン部)
第1ボタン部3は、
図10(a)、(b)に示すように、上面を形成する上面部31と、上面部31の下面から下方へと突出するボタン側嵌合部32と、開閉蓋側係止部21を係合するボタン側係止部33と、第1ボタン部3の取り付け時に本体側リブ1163と嵌合するボタン側リブ34と、上面部31の下面からボタン側嵌合部32よりも下方へと突出したボタン側突起35を有する。
図9に示すように、ボタン側係止部33に開閉蓋側係止部21を挿入することによって、開閉蓋2を閉塞状態で係止するとともに、使用者が第1ボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21の係止が外れ、開閉蓋2が開放状態となるように形成されている。
第1ボタン部3は、容器本体10において用いられているのと同様の硬質材料によって、別部材として独立して形成された後、ボタン取付部116によって固定されている。
なお、家庭用薄葉紙収納容器1は、上記のように開閉蓋2と第1ボタン部3を除いて全体が射出成形(2色成形)により一体的に形成されていることが好ましい。
【0055】
(上面部)
上面部31は、
図1、
図8から
図10(a)に示すように、第1ボタン部3の上面を形成する部分であり、例えば、平面視において後方側が直線状、前方側が円弧状となり、先端部31a付近を除いて凹部112の前端部付近の平面視における形状と略同一の形状となるように形成され、先端部31aが凹部112から前方に突出するように形成されている。
上面部31の大きさは、凹部112のうち開閉蓋2によって覆われていない部分の大きさに応じて定まるが、前後方向に最も長い部分で10mmから30mm、左右方向に最も長い部分で30mmから100mmの長さを有することが望ましい。
上面部31の先端部31aと容器本体上部11との間には隙間bが形成されており、先端部31a及び基端部31bは、容器本体上部11の上面(水平)に対して異なる角度で下方に傾斜するように形成されている。
このとき、先端部31aの傾斜角度は、基端部31bの傾斜角度よりも大きくなるように形成されている。具体的には、基端部31bの傾斜角度が6度~8度、先端部31aの傾斜角度が8度~10度であることが好ましい。
なお、基端部31bは容器本体上部11に対して平行で先端部31aのみが下方に傾斜していてもよいし、基端部31bから先端部31aにかけて同じ角度で傾斜してもよい。
【0056】
(ボタン側嵌合部)
ボタン側嵌合部32は、例えば、底面視において前方側が曲線状、後方側が直線状となる環状に上面部31から下方へと突出し、外周が、前述の本体側嵌合部1161の内周より僅かに小さく形成される。ボタン側嵌合部32を上方から本体側嵌合部1161に差し込むことで、第1ボタン部3をボタン取付部116に取り付けることができる。
なお、内周が、前述の本体側嵌合部1161の外周と同一か僅かに大きく形成され、下方から本体側嵌合部1161を差し込むことで、第1ボタン部3をボタン取付部116に取り付けることができるように形成されていてもよい。
【0057】
(ボタン側係止部)
ボタン側係止部33は、第1ボタン部3の後方に形成される孔部であり、開閉蓋2に形成された開閉蓋側係止部21が内部に挿入されて係合することによって、開閉蓋2を閉塞状態で係止するとともに、使用者が第1ボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21の挿入が外れ、付勢部材114によって生じる付勢力によって、開閉蓋2が開放状態となるように形成されている。
【0058】
なお、ボタン側係止部33の形状は、開閉蓋2を閉塞状態で係止するとともに、使用者が第1ボタン部3を押圧した際には、ボタン側係止部33と、開閉蓋側係止部21との係合が外れるものであれば任意であり、図示したような孔部には限られず、例えば、開閉蓋側係止部21が係合する爪部であってもよい。
【0059】
(ボタン側リブ)
ボタン側リブ34は、例えば
図10(a)、(b)に示すように、ボタン側嵌合部32の前方に、上面部31から下方に突出するように左右方向に間隔を空けて複数形成された、略矩形状の突部であり、第1ボタン部3を本体側嵌合部1161に差し込んだ際に、隣り合う本体側リブ1163、1163の間にボタン側リブ34が挿通され、嵌合するように形成されている。
【0060】
(ボタン側突起)
ボタン側突起35は、
図8から
図10(b)に示すように、上面部31から、ボタン側嵌合部32よりも長く下方へと突出するように設けられた突起である。上面部31、ボタン側嵌合部32、ボタン側係止部33、ボタン側リブ34及びボタン側突起35は、射出成形(2色成形)等の方法によって一体的に形成されている。
【0061】
ボタン側突起35の径は、ボタン用孔部Hと同様に1mm~3mmの範囲であって、第1ボタン部3を本体側嵌合部1161に差し込む際は、ボタン側突起35がボタン用孔部Hに挿通されるように形成されている。ボタン側突起35の底面部及びボタン用孔部Hの形状としては、
図10及び
図11に示すような円形であっても構わないが、これに限られず、楕円状や略矩形状、正方形状であっても構わない。
また、
図9のLに示すボタン側突起35の長さは、6mm~13mmの範囲であるのが好ましい。なお、
図9においては、ボタン側突起35はボタン用孔部Hから突出しないように形成されているが、これに限られない。
【0062】
[実施形態の効果]
以下、本実施形態によって得られる主要な効果について説明する。
【0063】
(ボタン用孔部・ボタン側突起)
本実施形態によれば、
図9に示すように、家庭用薄葉紙収納容器1は、ボタン側嵌合部32よりも長く下方に突出した突起であるボタン側突起35を挿通可能な、互いに連通した孔部であるボタン用孔部Hとして、本体側嵌合部1161の底部に本体側嵌合部孔1161a、ボタン可動部1162にボタン可動部孔1162aがそれぞれ形成されている。このため、第1ボタン部3を交換する際は、
図11に示すように、後述する第2ボタン部4のボタン側突起45の先端部を、容器本体上部11の裏側からボタン用孔部Hに挿通して、第1ボタン部3のボタン側突起35の先端部と当接するように上方に押し出すことで、容易に第1ボタン部3を取り外すことができる。
【0064】
また、ボタン側突起35がボタン用孔部Hに挿通されており、前後左右方向の動きに強くなるため、第1ボタン部3が本体側嵌合部1161から外れにくくなる。
また、ボタン側突起35は単なる突部であり、成型時に無理抜きを行う必要が無いため、変形によるダメージを考慮した形状及び材料を意識する必要が無い。
【0065】
(全体構成)
また、容器本体10が、容器本体上部11と容器本体下部12とによって構成され、これらが後面において接続部13によって接続されていることから、家庭用薄葉紙収納容器1を載置面に載置したままで、後端部を支点として容器本体上部11を回動させるようにして収納空間Sを露出し、家庭用薄葉紙Pを詰め替えることができる。
したがって、家庭用薄葉紙Pの詰め替えの際に、載置面に載置した状態のままで、詰め替え作業をより容易に行うことができる。
【0066】
また、容器本体上部11、容器本体下部12及び接続部13は、射出成形(2色成形)等の方法で、一体的に形成されていることから、家庭用薄葉紙収納容器1の製造効率の面でも優れる。
【0067】
(第1ボタン部等)
また、第1ボタン部3が設けられ、先端部31aの傾斜角度が基端部31bの傾斜角度よりも大きくなるよう形成されていることから、第1ボタン部3と容器本体上部11との隙間bに指を入れにくくなり、家庭用薄葉紙Pの詰め替えに際して、取手部119と誤って第1ボタン部3を把持し、回動しようとしてしまうのを防ぐことができる。
【0068】
また、第1ボタン部3が、下方へと突出するボタン可動部1162によって囲われたボタン取付部116に取り付けられている。これによって、開閉蓋2が閉塞された状態において、第1ボタン部3の上面部31を使用者が上方から押圧した場合、押圧した位置を問わず、ボタン可動部1162が下方にひずむことによって、第1ボタン部3が下方へと沈むこととなる。
【0069】
この際、第1ボタン部3のボタン側係止部33に開閉蓋2の開閉蓋側係止部21が挿入されていることから、第1ボタン部3が下方へ沈むと、これに応じて開閉蓋2も下方へと押し込まれることとなるが、開閉蓋2は、付勢部材114によって上方へと付勢されており、このような付勢力は、開閉蓋2が下方へ沈み込む程強くなる。
したがって、第1ボタン部3が一定程度押し込まれると、これに応じて開閉蓋2が沈み込み、開閉蓋2に対する上方への付勢力が強くなるが、開閉蓋2と第1ボタン部3とは、開閉蓋側係止部21及びボタン側係止部33のみによって係合しているため、開閉蓋2への付勢力が強くなると、この係合が外れ、開閉蓋2が開放される。
したがって、本実施形態によれば、第1ボタン部3の上面のどの部分を押圧しても、開閉蓋2を開放させ易くなる。
【0070】
また、容器本体上部11が本体側嵌合部1161を有するボタン取付部116を有することで、第1ボタン部3を容易かつ安定的に固定することができる。
【0071】
(取手部)
また、容器本体上部11において、取手部119が設けられ、取手部119の内周側がR加工によって曲面に成形されることで、内周側が鋭角である場合に比べて、取手部119を外側に広げやすくなり、係止部1191と係合突起123との係合解除がし易くなって、容易に収納空間Sを露出することができるようになる。
また、取手部119は、容器本体上部11と容器本体下部12が係合した状態では、容器本体下部12に設けられた係合突起123と前後方向に重なるようになっている。これにより、係合突起123が正面から見えない構造となっているため、見た目にも良い。
【0072】
また、この取手部119に係止部1191が設けられているので、使用者は、容器本体上部11の前面と取手部119との隙間aに指を引っ掛けて容器本体上部11と容器本体下部12の係合を容易に解除して収納空間Sを露出することができるようになる。
特に、取手部119の内面の左右方向の中央部から左右方向に離れた位置に各々複数の係止部1191が設けられているので、取手部119の中央付近に指を入れた際、係止部1191が邪魔になることがなく、容器本体上部11と容器本体下部12の係合をより容易に解除して収納空間Sを露出することができるようになる。
また、係止部1191が取手部119の内面に二つ形成され、二つの係止部1191の間隔が指幅よりも広くなるように設けられていることによって、容器本体上部11を回動させる際に指が二つの係止部1191の間に入りやすくなり、容器本体上部11を回動させ易くなり、容易に収納空間Sを露出することができるようになる。
係合突起123の左右方向の長さは、二つの係止部1191の左右方向の長さと二つの係止部1191間の距離を足した長さよりも長く、一つの係合突起123に二つの係止部1191が係合されるため、係合突起123を各係止部1191に対して個別に設けるよりも強度が上がり、より安定して係止部1191を係合させることができる。
【0073】
(取出孔)
取出孔113aから引き出された次の家庭用薄葉紙Pは、その一端部が適正な長さを引き出された状態で取出孔113aに保持されるので、取出孔113aに保持されている家庭用薄葉紙Pが開閉蓋2を閉じる際の妨げになることがない。
また、取出孔113aに保持されている家庭用薄葉紙Pを開閉蓋2で挟み込んでしまうことがないので、湿性の家庭用薄葉紙P(ウェットティッシュ等)が開閉蓋2に挟まれて容器本体10の外側にはみ出し、乾燥してしまうようなトラブルが生じることがない。
【0074】
取出孔113aが設けられている家庭用薄葉紙収納容器1であれば、家庭用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することができ、引き出して使用した家庭用薄葉紙Pに続いて引き出された次の家庭用薄葉紙Pの一端部を、開閉蓋2を閉蓋する妨げにならないように取出孔113aにて保持することができる。
そして、適正な長さを引き出された家庭用薄葉紙Pが取出孔113aに保持されるようになっていることで、収納空間Sに収納されている家庭用薄葉紙Pを引き出して使用することを好適に繰り返し行うことができる。
【0075】
また、取出孔113aの3本のスリットのうち前後方向に延在するスリットの幅のみが他のスリットの幅に比べて広くなっていることによって、手前側を除いた二つの突片113cによって取出孔113aに保持されている家庭用薄葉紙Pの一端部の支持箇所が分散するようになり、より安定して取出孔113aで家庭用薄葉紙Pの一端部を支持することができるようになる。
また、手前側に延在する他の二つのスリットの幅が相対的に狭いことにより、家庭用薄葉紙Pを取り出す際に、一端部がスリットに入り込んでしまうのを防ぐことができるようになる。
【0076】
(付勢部材)
また、本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器1によれば、容器本体上部11に弾性材料によって付勢部材114を設けるのみで、開閉蓋2を開放方向へと付勢することができる。
これに対して、例えば上方へと立設するバネ状の付勢部材を備え、これが開閉蓋2に接続される構成とした場合、開閉蓋2の開閉の度にこれが折れたり伸びたりを繰り返すことから、このようなバネ状の部分が劣化し易く、開閉蓋2への付勢力が早期に弱まり易い。そして、開閉蓋2への付勢力が一定程度弱まってしまうと、これをワンタッチで解放させることができなくなってしまう。
本実施形態によれば、弾性材料によって形成された付勢部材114が開閉蓋2によって押されることによって、開閉蓋2に対する付勢力を生じさせる構造であるため、弾性材料で形成された部分の変形量が小さく、これが劣化し難いことから、開閉蓋2への付勢力が弱まりにくい。
【0077】
また、凹部112に収納凹部115が設けられていることによって、付勢部材114の凹部112との接触部にかかる圧力が大きくなり過ぎることを防止でき、付勢部材114が破損するおそれを低減できる。
【0078】
また、付勢部材114が、開閉蓋2の回動の支点に近い、容器本体10の後方側に形成されていることによって、開閉蓋2に対する付勢力が強まり、これを開放状態とし易くなる。
【0079】
(容器の閉塞)
収納空間Sの閉塞時に容器本体上部11の内縁部118を、容器本体下部12の凹溝部121に嵌合させることにより、家庭用薄葉紙収納容器1に対して前後方向及び左右方向に圧力が加わった場合でも、収納空間Sが容易に露出してしまうことが無くなり、閉塞を保つことができ、密閉性も良い。
【0080】
また、容器本体下部12に備えられた第1ガイド部1212aと第2ガイド部1212bにより、収納空間Sを閉塞する際に、容器本体上部11の内縁部118が当たってそのまま、凹溝部121に案内されることとなり、より確実に収納空間Sを閉塞することができる。
特に、二つの第1ガイド部1212aが第2ガイド部1212bよりも上下方向の高さが高くなっているため、収納空間Sを閉塞する際に、容器本体上部11が容器本体下部12に対して多少ねじれてしまったとしても、より高い第1ガイド部1212aでガイドされて軌道修正されるため、収納空間Sの閉塞の確実性をさらに高めることができる。
さらに、二つの第1ガイド部1212aは、後面の左右方向両端部に、それぞれ左面又は右面に延長されて設けられていることにより、上記効果をさらに高めることができる。
また、第2ガイド部1212bが波状に設けられていることにより、第2ガイド部1212bが左右方向の全体に亘って設けられるものよりも接触抵抗を減らすことができ、よりスムーズに開閉動作をすることができる。
【0081】
(本体側リブ・ボタン側リブ)
また、第1ボタン部3をボタン取付部116に取り付ける際に、隣り合う本体側リブ1163、1163の間にボタン側リブ34が挿通され、嵌合する。このため、取り付けられた第1ボタン部3を使用者が誤って押し上げてしまった場合でも、共に突部である本体側リブ1163とボタン側リブ34とが引っ掛かり、第1ボタン部3が外れにくくなる。
特に、本体側リブ1163及びボタン側リブ34は複数形成されているため、第1ボタン部3を押し上げようとする力が本体側リブ1163とボタン側リブ34の複数の嵌合部分に分散し、第1ボタン部3を外れにくくすることができる。
加えて、本体側リブ1163及びボタン側リブ34は単なる突部であり、成型時に無理抜きを行う必要が無いため、変形によるダメージを考慮した形状及び材料を意識する必要が無い。
【0082】
(その他の構成)
また容器本体下部12の上面に滑り止め部122が備えられていることにより、取出孔113aから家庭用薄葉紙Pを取り出した際に収納空間S内の家庭用薄葉紙Pが動き、崩れにくくなることで、安定して家庭用薄葉紙Pを取り出すことができる。
【0083】
また、滑り止め部122を形成する一部が載置面に接し、載置部1221としての役割を果たすことで、家庭用薄葉紙収納容器1を載置面に載置した際の安定性を高めることができる。
【0084】
また、開閉蓋2の閉塞時において、開閉蓋側密閉環部22が取出部113の外周と接触していることで、収納空間Sの気密性を向上させることができる。
【0085】
[変形例]
以下、上記実施形態の変形例につき説明する。
【0086】
(第2ボタン部)
家庭用薄葉紙収納容器1は、第1ボタン部3と略同一となるように形成され、第1ボタン部3と交換可能であり、ボタン取付部116に取り付けることで、第1ボタン部3と同様に開閉蓋2の開閉をすることができる第2ボタン部4を備えても構わない。
【0087】
第2ボタン部4は、
図11に示すように、その上面部41が第1ボタン部3の上面部31とは異なる色又は模様を有するのが好ましい。第1ボタン部3と第2ボタン部4を付け替えることで、使用者が部屋のレイアウト等に応じて、家庭用薄葉紙収納容器1の見た目を変更することができる。
【0088】
ボタン側突起35及び45としては、
図9及び
図10(a)に示すように、先端部から後端部まで欠けが無い側面視略矩形状としても構わないが、例えば
図12(a)、(b)に示すように、先端部が当接した際に互いに嵌合する嵌合構造に形成されているのが好ましい。このようにすることで、より容易に第1ボタン部3を押し出すことができるようになる。
【0089】
また、ボタン用孔部Hとボタン側突起35、45の径を調整し、
図13に示すように、第2ボタン部4のボタン側突起45をボタン用孔部Hに嵌合させることで、第1ボタン部3が本体側嵌合部1161に嵌合された状態で、容器本体10の裏側に第2ボタン部4を取り付けられるようにしても構わない。
このようにすることで、第2ボタン部4を容器本体10に取り付けた状態で家庭用薄葉紙収納容器1を使用することができ、第2ボタン部4を紛失する恐れが小さくなる。
なお、このとき、ボタン側突起35及び45としては、
図10(b)に示すように、底面視中央部よりも後方側に設けられているのが好ましい。ボタン側突起45が第2ボタン部4の下面の縁部に設けられており、
図13に示すように、第2ボタン部4を180°反転させて容器本体10の裏側に取り付けると、家庭用薄葉紙収納容器1の前方に余分なスペースを設ける必要が無い。
【0090】
第1ボタン部3は、第2ボタン部4のボタン側突起45によって押し上げられるとしたが、これに限られず、安全ピンや爪楊枝等のボタン用孔部Hに挿通可能な突起を有する物によって押し上げるようにしても構わない。
【0091】
(取手部)
取手部119は、容器本体上部11の他の部分と一体成形されていてもよいし、別体で構成して後で取り付けるようにしてもよい。
【0092】
(係合突起)
係合突起123は、必ずしも一つではなく、二つの係止部1191それぞれに対して二つ設けてもよい。
【0093】
(ガイド部)
ガイド部は、第1ガイド部1212aのみの構成でもよいし、第2ガイド部1212bのみの構成でもよい。
第1ガイド部1212aは、必ずしも、左面又は右面に延長されて設けられていなくてもよい。
第2ガイド部1212bは、波状でなくても左右方向に亘って同一の高さに設けられていてもよい。
【0094】
(接続部)
上記においては接続部13が、家庭用薄葉紙収納容器1の左右方向中央部付近の一ヶ所にのみ形成された場合につき説明したが、接続部13の構成はこれに限られない。
例えば、家庭用薄葉紙収納容器1Aの左右に形成された接続部13A、13Aのようにしてもよい。この場合、収納空間SAを露出した際に、接続部13Aがねじれ難くなり、その安定性を高めると共に、これを再び閉塞する作業が行い易くなる。
また、家庭用薄葉紙収納容器1Bの後面側の全面を覆う接続部13Bを用いてもよい。この場合、収納空間Sが閉塞された状態において、家庭用薄葉紙収納容器1Bの容器本体上部11と容器本体下部12との接触部の後面側の全体が覆われることから、収納空間Sの気密性を一層高めることができる。
【0095】
(本体側リブ・ボタン側リブ)
上記においては、
図5及び
図10(a)に示すように、本体側リブ1163及びボタン側リブ34は共に略矩形状であるとしたが、これに限られず、共に略台形状になるように形成してもよい。このようにすることで、上面視において、本体側リブ1163とボタン側リブ34とが接触する部分が斜面になるため、さらに左右方向からの押し上げに対して第1ボタン部3が外れにくくなる。
【0096】
また、
図5及び
図10(a)においては本体側リブ1163とボタン側リブ34の接触面が共に平面である場合につき図示したが、これに限られず、接触面が波形状になるように形成してもよい。このようにすることで、本体側リブ1163とボタン側リブ34との接触が増え、押し上げに対する強度を大きくすることができるようになる。
なお、波形状としては、曲線の波形状に限られず、直線の波形状であってもよい。また、一つ一つの波の大きさは、必ずしも全て同じでなくともよい。
また、本体側リブ1163とボタン側リブ34の形状は、第1ボタン部3をボタン取付部116に取り付けた際に、隣り合う本体側リブ1163の間にボタン側リブ34が挿通され、嵌合するように形成されていればよく、任意の形状を取ることができる。
【0097】
その他、家庭用薄葉紙収納容器1の細部の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 家庭用薄葉紙収納容器
10 容器本体
113a 取出孔
116 ボタン取付部
1161 本体側嵌合部
1162 ボタン可動部
2 開閉蓋
3 第1ボタン部
31 上面部
32 ボタン側嵌合部
35 ボタン側突起
4 第2ボタン部
41 上面部
45 ボタン側突起
H ボタン用孔部
P 家庭用薄葉紙