(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024028362
(43)【公開日】2024-03-04
(54)【発明の名称】プラズマ回転電極法用スピンドル
(51)【国際特許分類】
F16C 3/02 20060101AFI20240226BHJP
F16C 35/02 20060101ALI20240226BHJP
B22F 9/14 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
F16C3/02
F16C35/02 Z
B22F9/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223193
(22)【出願日】2023-12-28
(62)【分割の表示】P 2019152184の分割
【原出願日】2019-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】315018532
【氏名又は名称】日本素材技研株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100143834
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 修二
(72)【発明者】
【氏名】王 新敏
(72)【発明者】
【氏名】千葉 晶彦
(72)【発明者】
【氏名】王 昊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 司
(57)【要約】
【課題】軸受が破損したときの修理費用を低減可能で、接合部の緩みが発生せず、回転時の軸ブレを抑えることができるプラズマ回転電極法用スピンドルを提供する。
【解決手段】スピンドル本体11が、先端側に電極部材の一方の端部を取付可能に設けられたブッシュ部21と、後端側に回転駆動手段に取付可能に設けられた取付部22と、ブッシュ部21と取付部22との間に設けられた中間部23とを有している。スピンドル本体11は、長さ方向に対して垂直な断面の外形がほぼ円形を成し、少なくともブッシュ部21と中間部23とが一体成形された部材から成っている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製または合金製の細長い円柱状の電極部材を、回転駆動手段により長さ方向に沿った中心軸周りに回転させ、回転する前記電極部材の先端にプラズマを照射することにより、金属製または合金製の粉末を製造するプラズマ回転電極法で使用されるプラズマ回転電極法用スピンドルであって、
先端側に前記電極部材の一方の端部を取付可能に設けられたブッシュ部と、後端側に前記回転駆動手段に取付可能に設けられた取付部と、前記ブッシュ部と前記取付部との間に設けられた中間部とを有するスピンドル本体を有し、
前記スピンドル本体は、長さ方向に対して垂直な断面の外形がほぼ円形を成し、少なくとも前記ブッシュ部と前記中間部とが一体成形された部材から成ることを
特徴とするプラズマ回転電極法用スピンドル。
【請求項2】
先端側軸受を有し、
前記中間部は、前記ブッシュ部側の端部に軸受挿入部を有し、前記軸受挿入部の外径が前記ブッシュ部の外径よりも小さく、前記軸受挿入部以外の部分および前記取付部の外径以上であり、
前記先端側軸受は、円環状を成し、内径が前記軸受挿入部の外径と同じ大きさであり、内側に前記軸受挿入部を挿入して取り付けられていることを
特徴とする請求項1記載のプラズマ回転電極法用スピンドル。
【請求項3】
前記先端側軸受が前記軸受挿入部に保持されるよう、前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分の外側面に、前記先端側軸受に接して取り付けられた間座を有することを特徴とする請求項2記載のプラズマ回転電極法用スピンドル。
【請求項4】
前記間座は、筒状を成し、内側の中空部が円柱状であり、前記中空部に前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分を挿入して取り付けられていることを特徴とする請求項3記載のプラズマ回転電極法用スピンドル。
【請求項5】
前記間座は、前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分の外側面を覆うよう設けられ、1または複数の部材から成ることを特徴とする請求項3または4記載のプラズマ回転電極法用スピンドル。
【請求項6】
前記間座は、円柱状の前記中空部の中心軸に沿って分割された2つの部材から成り、各部材は、前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分を側方から挟んで、互いに固定可能に設けられていることを特徴とする請求項4記載のプラズマ回転電極法用スピンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ回転電極法用スピンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラズマ回転電極法による粉末製造装置は、チャンバーと、長さ方向に沿った中心軸周りに回転可能に、先端部がチャンバーの内部に配置された金属製または合金製の細長い円柱状の電極部材と、その電極部材の先端に向かってプラズマを照射可能なプラズマ照射手段とを有し、ArやHeなどの雰囲気ガスを充填して密封されたチャンバーの内部で、電極部材を回転させながら、プラズマ照射手段でプラズマを照射することにより、電極部材の先端部を溶解し、その融液を電極部材の回転の遠心力によりチャンバーの内部で吹き飛ばして凝固させ、球状の金属製または合金製の粉末を製造するよう構成されている(例えば、非特許文献1乃至3参照)。
【0003】
このような従来の粉末製造装置では、
図5に示すように、電極部材を回転させるためのスピンドル50は、中間部51の両端に軸受52のベアリングを取り付け、さらに中間部51の先端側にナット53を介してブッシュ54を圧入して接合し、中間部51の後端側にナット55を介して取付部材56を圧入して接合することにより形成されている。粉末を製造する際には、ブッシュ54の取付孔54aに電極部材を取り付け、取付部材56にカップリングを介してモーター等の回転駆動手段を取り付け、スピンドル50を2つの軸受52の位置で支持した状態で、回転駆動手段によりスピンドル50を回転させて、電極部材を回転させるようになっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】筧幸次、横森玲、西牧智大、「プラズマ回転電極法を用いて作製した粉末焼結ニッケル超合金の組織と強度」、日本金属学会誌、2016年、第80巻、第8号、p.508-514
【非特許文献2】時実正治、磯西和夫、「プラズマ回転電極法によるTi合金粉末の製造」、資源処理技術、1990年、Vol.37、No.4、p.215-221
【非特許文献3】熊谷良平、「プラズマ回転電極法による金属球形粉末の作製」、まてりあ、1998年、第37巻、第6号、p.488-494
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、
図5に示すような従来のスピンドル50では、軸受52を取り外すことができないため、軸受52が破損した際には、軸受52だけを交換することができない。このため、スピンドル50全体を交換する必要があり、その修理費用が嵩むという課題があった。また、ブッシュ54を圧入して接合しているため、接触不良による接合部の緩みや、使用中の熱膨張による接合部の緩み、接合部の僅かな隙間による回転時の軸ブレ等が発生してしまうという課題もあった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、軸受が破損したときの修理費用を低減可能で、接合部の緩みが発生せず、回転時の軸ブレを抑えることができるプラズマ回転電極法用スピンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るプラズマ回転電極法用スピンドルは、金属製または合金製の細長い円柱状の電極部材を、回転駆動手段により長さ方向に沿った中心軸周りに回転させ、回転する前記電極部材の先端にプラズマを照射することにより、金属製または合金製の粉末を製造するプラズマ回転電極法で使用されるプラズマ回転電極法用スピンドルであって、先端側に前記電極部材の一方の端部を取付可能に設けられたブッシュ部と、後端側に前記回転駆動手段に取付可能に設けられた取付部と、前記ブッシュ部と前記取付部との間に設けられた中間部とを有するスピンドル本体を有し、前記スピンドル本体は、長さ方向に対して垂直な断面の外形がほぼ円形を成し、少なくとも前記ブッシュ部と前記中間部とが一体成形された部材から成ることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプラズマ回転電極法用スピンドルは、少なくともブッシュ部と中間部とが一体成形された部材から成るため、圧入等により複数の部材を接合した場合に発生する接合部の緩みが発生しない。また、接合部の隙間による回転時の軸ブレが発生しないため、回転時の軸ブレを抑えることができる。これにより、電極部材の回転精度を向上することができる。
【0009】
本発明に係るプラズマ回転電極法用スピンドルは、一体成形されたブッシュ部および中間部の所定の位置に、軸受を後付けで取り付けるよう構成することにより、軸受の取り付けや取り外しを、比較的容易に行うことができる。このため、軸受が破損したとき、その破損した軸受のみを交換することができ、スピンドル全体を交換する場合と比べて、修理費用を低減することができる。
【0010】
本発明に係るプラズマ回転電極法用スピンドルは、先端側軸受を有し、前記中間部は、前記ブッシュ部側の端部に軸受挿入部を有し、前記軸受挿入部の外径が前記ブッシュ部の外径よりも小さく、前記軸受挿入部以外の部分および前記取付部の外径以上であり、前記先端側軸受は、円環状を成し、内径が前記軸受挿入部の外径と同じ大きさであり、内側に前記軸受挿入部を挿入して取り付けられていることが好ましい。この場合、取付部側から先端側軸受の内側にスピンドル本体を挿入するようにして、軸受挿入部の位置に先端側軸受を取り付けることができる。また、軸受挿入部の位置に取り付けられた先端側軸受を、取付部側に移動させることにより、先端側軸受をスピンドル本体から取り外すことができる。これにより、先端側軸受が破損したとき、その破損した先端側軸受のみを容易に交換することができる。
【0011】
また、この場合、前記先端側軸受が前記軸受挿入部に保持されるよう、前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分の外側面に、前記先端側軸受に接して取り付けられた間座を有することが好ましい。このとき、間座により、先端側軸受が軸受挿入部から外れるのを防ぐことができる。また、先端側軸受を交換する際、間座を取り外すことにより、先端側軸受の交換作業を容易に行うことができる。
【0012】
前記間座は、例えば、筒状を成し、内側の中空部が円柱状であり、前記中空部に前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分を挿入して取り付けられていてもよい。また、前記間座は、前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分の外側面を覆うよう設けられ、1または複数の部材から成っていてもよい。また、前記間座は、円柱状の前記中空部の中心軸に沿って分割された2つの部材から成り、各部材は、前記中間部の前記軸受挿入部以外の部分を側方から挟んで、互いに固定可能に設けられていてもよい。この場合、分割された2つの部材により、間座を容易に取り付けることができる。各部材は、例えば、ネジなどにより互いに固定可能になっている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軸受が破損したときの修理費用を低減可能で、接合部の緩みが発生せず、回転時の軸ブレを抑えることができるプラズマ回転電極法用スピンドルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態のプラズマ回転電極法用スピンドルの、間座の一部を切り欠いた斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態のプラズマ回転電極法用スピンドルの、第1の変形例を示す、間座の一部を切り欠いた斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態のプラズマ回転電極法用スピンドルの、第2の変形例を示す、(a)間座の一部を切り欠いた斜視図、(b)間座の断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態のプラズマ回転電極法用スピンドルの、第3の変形例を示す、(a)斜視図、(b)間座の断面図である。
【
図5】従来のプラズマ回転電極法用のスピンドルを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図4は、本発明の実施の形態のプラズマ回転電極法用スピンドルを示している。
図1に示すように、プラズマ回転電極法用スピンドル10は、スピンドル本体11と固定用ナット12と先端側軸受13と後端側軸受14と間座15とを有している。
【0016】
プラズマ回転電極法は、金属製または合金製の細長い円柱状の電極部材を、回転駆動手段により長さ方向に沿った中心軸周りに回転させ、回転する電極部材の先端にプラズマを照射することにより、金属製または合金製の粉末を製造する方法である。
【0017】
スピンドル本体11は、細長く、長さ方向に対して垂直な断面の外形がほぼ円形を成している。スピンドル本体11は、先端側のブッシュ部21と、後端側の取付部22と、ブッシュ部21と取付部22との間に設けられた中間部23とを有している。スピンドル本体11は、ブッシュ部21と中間部23とが一体成形された部材から成っている。
【0018】
ブッシュ部21は、先端面に、電極部材の一方の端部を挿入して取り付けるための電極取付孔21aを有している。中間部23は、円柱状を成し、ブッシュ部21側の端部に先端軸受挿入部23aを有し、取付部22側の端部に後端軸受挿入部23bを有している。中間部23は、先端軸受挿入部23aの外径が、ブッシュ部21の中間部23側の外径よりも小さく、先端軸受挿入部23aと後端軸受挿入部23bとの間の中央胴部23cの外径と同じ大きさを有している。なお、先端軸受挿入部23aの外径は、中央胴部23cの外径より小さくてもよい。また、後端軸受挿入部23bの外径が、先端軸受挿入部23aおよび中央胴部23cの外径より小さくなっている。取付部22は、カップリングを介して回転駆動手段に取付可能に設けられている。取付部22は、全体の外径が、後端軸受挿入部23bの外径よりも小さくなっている。取付部22は、中間部23の後端側に、固定用ナット12を介して圧入して接合されている。固定用ナット12は、外径が、中央胴部23cの外径以下の大きさを有している。
【0019】
先端側軸受13は、円環状のベアリングから成っている。先端側軸受13は、内径が先端軸受挿入部23aの外径と同じ大きさであり、先端軸受挿入部23aの位置に、内側に先端軸受挿入部23aを挿入して取り付けられている。後端側軸受14は、円環状のベアリングから成っている。後端側軸受14は、内径が、固定用ナット12の外径より小さく、後端軸受挿入部23bの外径と同じ大きさを有している。後端側軸受14は、後端軸受挿入部23bの位置に、内側に後端軸受挿入部23bを挿入して取り付けられている。後端側軸受14は、外径が、中央胴部23cの外径以下の大きさを有している。
【0020】
間座15は、円筒状を成し、内径が、中央胴部23cの外径と同じ大きさを有している。間座15は、円柱状の中空部15aに、中央胴部23cを挿入して、その外側面に取り付けられている。間座15は、先端側軸受13が先端軸受挿入部23aに保持されるよう、先端側の端面が先端側軸受13に接して取り付けられている。
【0021】
プラズマ回転電極法用スピンドル10は、以下のようにして組み立てられる。すなわち、後端軸受挿入部23bに後端側軸受14を取り付けた後、中間部23の後端側に、固定用ナット12を介して取付部22を接合する。これにより、後端側軸受14が後端軸受挿入部23bから外れないようにすることができる。また、取付部22を接合した後、または、後端側軸受14を取り付ける前に、スピンドル本体11の後端側から、先端側軸受13の内側にスピンドル本体11を挿入するようにして、先端軸受挿入部23aの位置に先端側軸受13を取り付ける。先端側軸受13を取り付けた後、スピンドル本体11の後端側から、間座15の中空部15aにスピンドル本体11を挿入するようにして、間座15を取り付ける。これにより、先端側軸受13が先端軸受挿入部23aから外れないようにすることができる。こうして、プラズマ回転電極法用スピンドル10を組み立てることができる。
【0022】
また、先端側軸受13を取り外す際には、まず、間座15をスピンドル本体11の後端側に移動させて取り外し、さらに、先端側軸受13をスピンドル本体11の後端側に移動させる。これにより、先端側軸受13をスピンドル本体11から取り外すことができる。このように、プラズマ回転電極法用スピンドル10は、先端側軸受13を後付けで取り付けることができ、先端側軸受13の取り付けや取り外しを、比較的容易に行うことができる。このため、先端側軸受13が破損したとき、その破損した先端側軸受13のみを交換することができ、スピンドル全体を交換する場合と比べて、修理費用を低減することができる。
【0023】
プラズマ回転電極法により粉末を製造する際には、プラズマ回転電極法用スピンドル10を利用して、以下のようにして電極部材を回転させることができる。すなわち、まず、ブッシュ部21の電極取付孔21aに電極部材を取り付け、取付部22にカップリングを介してモーター等の回転駆動手段を取り付ける。プラズマ回転電極法用スピンドル10を先端側軸受13および後端側軸受14の位置で支持した状態で、回転駆動手段によりスピンドル本体11を回転させる。これにより、スピンドル本体11と共に、電極部材を回転させることができる。
【0024】
プラズマ回転電極法用スピンドル10は、ブッシュ部21と中間部23とが一体成形された部材から成るため、圧入等により複数の部材を接合した場合に発生する接合部の緩みが発生しない。また、接合部の隙間による回転時の軸ブレが発生しないため、回転時の軸ブレを抑えることができ、電極部材の回転精度を向上することができる。
【0025】
図1に示すプラズマ回転電極法用スピンドル10を、プラズマ回転電極法による粉末の製造に使用したところ、
図5に示す従来のものと比べて、スピンドル全体の交換回数が約1/3にまで減少した。また、これにより、粉末の生産率が向上し、
図5に示す従来のものと比べて、約4倍になった。また、
図1に示すプラズマ回転電極法用スピンドル10では、回転時の軸ブレが抑制されるため、
図5に示す従来のもので使用していた電極部材と比べて、比重が高い(重い)電極部材を使用可能になった。
【0026】
なお、
図2に示すように、プラズマ回転電極法用スピンドル10は、間座15が、中空部15aの中心軸に対して垂直な面に沿って切断されて、複数の円筒状の部材31に分割されていてもよい。
図2に示す具体的な一例では、間座15は、4つの部材31から成っている。この場合、
図1に示す、1本の長い円筒状の間座15と比べて、スピンドル本体11への取り付けや、スピンドル本体11からの取り外しを容易にすることができる。
【0027】
また、
図3に示すように、プラズマ回転電極法用スピンドル10は、間座15が、内側間座32aと、それを覆う外側間座32bの2つから成り、さらに内側間座32aが、中空部15aの中心軸に沿って分割された2つの部材から成っていてもよい。この場合、分割された2つの部材で、スピンドル本体11の中央胴部23cを側方から挟むことにより、内側間座32aを容易に取り付けることができる。また、外側間座32bにより、内側間座32aを固定することができる。また、この場合、間座15の全体の厚みを大きくすることができるため、スピンドル本体11の中央胴部23cの外径を、先端軸受挿入部23aの外径よりも小さくすることができる。これにより、先端側軸受13を先端軸受挿入部23aに取り付けやすくできると共に、間座15の全体の厚みを大きくして、先端側軸受13が先端軸受挿入部23aから外れないようにすることができる。
【0028】
また、
図4に示すように、プラズマ回転電極法用スピンドル10は、間座15が、短い円筒状を成し、中空部15aの中心軸に沿って分割された2つの部材33から成り、各部材33が、スピンドル本体11の中央胴部23cを側方から挟んで、互いに固定可能に設けられていてもよい。
図4に示す具体的な一例では、各部材33は、ネジ34により互いに固定可能になっている。この場合、分割された2つの部材33により、間座15を容易に取り付けることができる。
【0029】
また、
図4に示すように、取付部22から中間部23の先端軸受挿入部23aに向かって、スピンドル本体11の外径が徐々に大きくなっていてもよい。この場合、先端側軸受13および後端側軸受14を取り付けやすくすることができる。また、
図4に示すように、ブッシュ部21の中間部23側の端部に、先端側軸受13の外径より大きい外径を有するフランジ35を有していてもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 プラズマ回転電極法用スピンドル
11 スピンドル本体
21 ブッシュ部
21a 電極取付孔
22 取付部
23 中間部
23a 先端軸受挿入部
23b 後端軸受挿入部
23c 中央胴部
12 固定用ナット
13 先端側軸受
14 後端側軸受
15 間座
15a 中空部
31 部材
32a 内側間座
32b 外側間座
33 部材
34 ネジ
35 フランジ
50 スピンドル
51 中間部
52 軸受
53 ナット
54 ブッシュ
54a 取付孔
55 ナット
56 取付部材