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▶ 内田 隆の特許一覧

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  • 特開-蛇腹状アルミ箔 図1
  • 特開-蛇腹状アルミ箔 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002840
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】蛇腹状アルミ箔
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A47J37/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022110817
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】522274938
【氏名又は名称】内田 隆
(72)【発明者】
【氏名】内田 隆
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA05
4B040AD04
4B040JA02
4B040JA13
(57)【要約】
【課題】 蛇腹状に折り畳まれたアルミ箔であって、IH調理器の魚焼き用加熱トレイや、ガスレンジの魚焼き網に蛇腹の各谷の両端を加熱トレイや魚焼き網に巻き付けることにより固定が容易であり、異なるサイズの加熱トレイや魚焼き網に適応しやすく、複数枚のアルミ箔皿を連続的に製造可能であり、さらに、長尺のアルミ箔を最小限の体積で収納可能な蛇腹状に折り畳まれたアルミ箔を提供すること。
【解決手段】 蛇腹状に折り畳んだアルミ箔であって、前記蛇腹のそれぞれの谷の両端をさらに折り込むことなく、前記蛇腹の折り畳み幅が5mm以上、50mm以下であり、前記蛇腹の谷の数が30以上であることを特徴とする蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛇腹状に折り畳んだアルミ箔であって、前記蛇腹のそれぞれの谷の両端をさらに折り込むことなく、前記蛇腹の折り畳み幅が5mm以上、50mm以下であり、前記蛇腹の谷の数が30以上であることを特徴とする蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
【請求項2】
前記蛇腹の谷の数が50以上であることを特徴とする請求項1に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
【請求項3】
前記蛇腹の谷の数が100以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
【請求項4】
前記蛇腹の谷の数が500以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
【請求項5】
前記蛇腹の谷の数が1000以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルミ箔に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭で魚を焼く場合、IH(Induction Heating)調理器、または、ガスレンジが多く用いられている。IH調理器を用いる場合は、魚から出る油を分離するための起伏を有する加熱トレイの上で魚を焼くことが多い。ガスレンジとしては、レンジ上面に設けられた2つもしくは3つのバーナー部とレンジ内部に魚焼きグリルを有するものが広く使用されている。このようなガスレンジの魚焼きグリルとしては、魚焼き用バーナー、魚焼き網、および、魚から落ちる油の受け皿からなり、バーナーの火は上から当たるように設計されたものが多い。魚焼き網は、魚から落ちる油の受け皿の上に取り外し可能に設置されており、長方形の金属枠に、枠の短辺に平行な10~20本の金属棒を簀の子状に溶接した構造を有する物が多い。
【0003】
魚を焼くと多量の油が出ることが多く、IH調理器の魚焼き用加熱トレイにおいては、焼けてこびり付いた油と魚肉を除去するために手間がかかる。ガスレンジの魚焼き網には、簀の子状の金属棒に魚脂と魚肉が焼き付き、金属棒の一本一本を表裏から洗い落とさねばならず、不快、不便なものであった。
【0004】
特許文献1は魚焼き用加熱トレイや魚焼き網の汚れを防止することが可能な、折り畳み式加熱調理用アルミ箔皿を開示している。これは、上下交互に折り曲げた蛇腹状のアルミ箔シートを用いたものであり、蛇腹状アルミ箔シートのそれぞれの谷の両端部は堰壁状に折り込まれている(堰(エン)とは、「(水などを)せきとめる」ことを表す)。また、この蛇腹状アルミ箔シートは全体を折り畳むことが可能である。
【0005】
なお、一般に、アルミ箔は、厚さ10μm程度のものが、およそ直径30mm程度の厚紙製ロールに巻かれた状態で広く市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録実用新案公報 第3028905号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には魚焼き用加熱トレイや魚焼き網の汚れを防止することが可能な折り畳み式加熱調理用アルミ箔皿が開示されている。アルミ箔の厚さについて記載はないが、一般的に供されるアルミ箔の厚さは10μm程度のものが多い。この程度の厚みを有するアルミ箔は曲げに対する機械強度は極めて乏しいため、わずかな力が加わることにより大きく変形しやすい。また、大変軽いものでわずかな気流によっても吹き飛びやすいことを考えれば、魚焼き用加熱トレイや魚焼き網上に、安定に載架することは難しい。魚焼き用加熱トレイや魚焼き網上に、安定に載架するためには、アルミ箔として厚いものを用いることも可能ではあるが、1回限りの使用を想定している以上、コスト、および、資源保護の観点から好ましいとは言えない。
【0008】
特許文献1に記載された折り畳み式アルミ箔皿は、それぞれの谷の両端部が予め堰壁状に折り込まれており、ガスレンジ用魚焼き網の金属枠に簀の子状に溶接された金属棒の長さが異なる種々のサイズの魚焼き網に対応することは難しい。特に、簀の子状に溶接された金属棒の1本の長さが、アルミ箔皿の谷両端部の堰壁の間隔より短い場合は、堰壁を有することが魚焼き網への安定な載架をかえって困難にするため、多くのサイズのアルミ箔皿を用意する必要がある。また、それぞれの谷の両端部が堰壁状に折り込まれたアルミ箔皿を工業的に大量生産するためには、堰壁状の折り込みがない場合に比べて、より複雑な生産工程が必要となる。
【0009】
また、特許文献1に記載された折り畳み式加熱調理用アルミ箔皿は、皿として1枚ずつ提供されるものであり、魚焼き網の金属枠に簀の子状に溶接された金属棒の本数が異なる種々の魚焼き網に対応することは難しい。さらに、複数のアルミ箔皿を一枚一枚生産するのではなく、皿の枚数にこだわることなしに連続的に生産することは示唆していない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、蛇腹状に折り畳まれたアルミ箔であって、IH調理器の加熱トレイや、ガスレンジの魚焼き網に蛇腹の各谷の両端を巻き付けることにより固定が容易であり、異なるサイズの加熱トレイや魚焼き網に適応しやすく、複数枚のアルミ箔皿を連続的に製造可能であり、さらに、長尺のアルミ箔を最小限の体積で収納可能な蛇腹状に折り畳まれたアルミ箔を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1. 蛇腹状に折り畳んだアルミ箔であって、前記蛇腹のそれぞれの谷の両端をさらに折り込むことなく、前記蛇腹の折り畳み幅が5mm以上、50mm以下であり、前記蛇腹の谷の数が30以上であることを特徴とする蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
2. 前記蛇腹の谷の数が50以上であることを特徴とする前記1に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
3. 前記蛇腹の谷の数が100以上であることを特徴とする前記1または2に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
4. 前記蛇腹の谷の数が500以上であることを特徴とする前記1~3のいずれか一項に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
5. 前記蛇腹の谷の数が1000以上であることを特徴とする前記1~4のいずれか一項に記載の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、IH調理器の加熱トレイや、ガスレンジの魚焼き網に任意の箇所で谷の両端を巻き付けることにより固定が容易であり、異なるサイズの加熱トレイや魚焼き網に適応しやすく、複数枚のアルミ箔皿を連続的に製造可能であり、さらに、長尺のアルミ箔を最小限のサイズで収納可能な蛇腹状に折り畳まれたアルミ箔を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】 IH調理器の加熱トレイに本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔を使用する例を示す斜視図。
図2】 ガスレンジの魚焼き網に本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔を使用する例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔とは、長尺のアルミ箔を長さ方向に垂直に折り目を付けつつ、所定の間隔で山折り、谷折りを交互に繰り返して蛇腹状に折り畳んだアルミ箔を表す。長尺のアルミ箔の幅、即ち、蛇腹状アルミ箔のそれぞれの谷の長さは一定であっても変化しても構わないが、一定であることが好ましい。
【0015】
本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔においては、蛇腹のそれぞれの谷の両端をさらに折り込むことなく、蛇腹の折り畳み幅が5mm以上、50mm以下であり、蛇腹の谷の数が30以上であることを特徴とする。蛇腹の折り畳み幅は一定であっても変化しても構わないが、一定であることが好ましい。蛇腹の折り込み幅は、IH調理器の加熱トレイ上に載架する場合は5mm~15mm、ガスレンジの魚焼き網に載架する場合は15mm~30mmであることが好ましい。
【0016】
蛇腹のそれぞれの谷の両端をさらに折り込むことなく、とはアルミ箔を蛇腹状に折り畳んだ後、それぞれの谷の両端に何の加工も施さないことを意味する。
【0017】
蛇腹状に折り畳んだアルミ箔の谷の数は好ましくは50以上、より好ましくは、10沿って、適宜裁断して用いることができる。
【0018】
蛇腹状に折り畳んだアルミ箔の幅、即ち蛇腹の谷の長さは特に限定されないが、150mm以上、300mm以下であることが好ましい。アルミ箔の幅を上記とすることにより、IH調理器の加熱トレイまたはガスレンジの魚焼き網に載架し、谷の両端を該加熱トレイまたは魚焼き網に巻き付けて固定することが容易となる。
【0019】
本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔の厚さは特に限定されないが、10μm前後であることが好ましい。
【0020】
本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔1をIH調理器の加熱トレイ2に用いる場合は図1に示すように、油がこぼれるのを防ぐための土手Aを設けた上で、アルミ箔1の両端を加熱トレイ2にBのように巻き付け、固定することができる。
【0021】
本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔1をガスレンジの魚焼き網3に用いる場合は図2に示すように、魚焼き網3の簀の子状に設けられた金属棒のそれぞれの隙間に、本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔1のそれぞれの谷を落とし込んだ上で、堰壁状に折り込まれていない本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔1の谷の両端をガスレンジの魚焼き網3の金属枠にCのように巻き付けて固定することができる。
【0022】
通常、アルミ箔は長さ10m~25m、厚さ約0.01mmのものが直径約30mmの紙製ロールに巻かれて供されることが多い。幅は、160mm、250mm、300mm等のものが多く市販されている。本発明の蛇腹状に折り畳んだアルミ箔を、一例として、蛇腹の折り畳み幅を25mmとして長さ25mのアルミ箔を折り畳むと、谷の数は500となり、つまり、1000枚のアルミ箔を折り重ねることになる。アルミ箔の厚さを一例として0.011mmとすると、アルミ箔の厚さの和は11mmとなり、若干の隙間を考慮しても15mm程度の厚さで折り重ねることができる。これは、同じ25mの長さのアルミ箔であっても、最小限の体積で折り畳むことができる方法であり、前記の通り、通常直径30mm程度の紙製ロールに巻かれて供される場合と比較すると、はるかに小さな体積で収納できることを意味する。
【符号の説明】
【0023】
1 蛇腹状に折り畳んだアルミ箔
2 IH調理器の加熱トレイ
3 ガスレンジの魚焼き網
A 土手
B 巻き込み
C 巻き込み
図1
図2